説明

回転加圧脱水機および回転加圧脱水機による汚泥の脱水方法

【課題】脱水処理室の内径が大径であっても、汚泥の脱水性能がすぐれた回転加圧脱水機を提供する。
【解決手段】ろ過板と、ろ過板の外端縁付近が摺接する外輪スペーサ5と、ろ過板の回転中心側の内輪スペーサ4とから構成される脱水処理室11を備え、この脱水処理室11内に汚泥を供給する汚泥供給部9と、この汚泥供給部9より上側の脱水ケーキ排出部10を仕切る仕切りスペーサ6を備えた回転加圧脱水機1において、前記外輪スペーサ5の内周面に、前記脱水処理室11内に供給された汚泥を前記内輪スペーサ4の外周方向に移動させる外側内部膨出部21oを形成し、前記内輪スペーサ4の外周面に、前記外側内部膨出部21oにより前記内輪スペーサ4の外周方向に移動している汚泥を前記外輪スペーサ5の内周方向に移動させる内側膨出部21iを形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、産業排水汚泥、下水汚泥等の汚泥を、多数の水透過穴が設けられてなる円盤状のろ過板を備えた脱水処理室内に供給し、汚泥をろ過板の回転に追随させて回転させながら、ろ過板からろ過液を排出させて濃縮脱水する回転加圧脱水機および回転加圧脱水機による汚泥の脱水方法に関する。
【背景技術】
【0002】
産業排水汚泥、下水汚泥等の汚泥を濃縮脱水する回転加圧脱水機としては、例えば後述する構成になるものが公知である。この従来例に係る回転式圧縮ろ過機(以下、回転加圧脱水機という)は、脱水ケーキ排出部から排出される脱水ケーキの脱水ケーキ排出部の上部側と部側との脱水率の均一化を狙いとしたものである。
【0003】
より詳しくは、円盤状のスクリーン(円盤状のろ過板に相当する)を、その回転中心側の小径領域(内輪スペーサ側)と、この小径領域の外側の大径領域(外輪スペーサ側)との2領域に分けると共に、小径領域の水透過穴の開口を前記大径領域の水透過穴の開口よりも大開口に設定する。そして、ろ過室(脱水処理室に相当)内の内輪スペーサ側で、かつケーキ出口(脱水ケーキ排出部に相当する)側に、濾過室内を進行するに連れて、汚泥を外輪スペーサ側に移動させる加圧手段が設けられている。
【0004】
つまり、上部側の原液供給口(汚泥供給口に相当する)から濾過室(脱水処理室に相当する)に投入された汚泥を、前記原液供給口の下部側のケーキ出口(脱水ケーキ排出部に相当する)に近づくに連れて前記大径領域(水透過穴の開口は小径領域の水透過穴の開口よりも小開口である)側に導くように構成したものである(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特許第3739613号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来例に係る回転加圧脱水機によれば、汚泥が濾過室を進行しケーキ出口側に近づくと、加圧手段によりろ過室(脱水処理室)の断面積が次第に減少する一方、汚泥に、その進行にしたがって進行方向と直交する方向に圧力が生じ、汚泥がその進行方向と直交する方向にも圧縮することができる。従って、ケーキ出口から排出される脱水ケーキのケーキ出口の上部側と下部側との脱水率の均一化が図られ、しかも脱水度の高い脱水ケーキ、つまり含水率が低い脱水ケーキを得ることができると説明されている。
【0006】
ところで、このような回転加圧脱水機の場合、脱水処理室内に投入された汚泥は、脱水処理室内における加圧により圧搾されて脱水される。そして、汚泥は脱水されながら、加圧により生じるせん断力によりろ過板の回転に追随して脱水処理室内を脱水ケーキ排出部側に向かっての移動するのであるが、ろ過板の径、つまり脱水処理室(外輪スペーサ)の内径が大径になるに連れて汚泥の脱水性能が低下し、含水率が低い脱水ケーキを得ることができなくなるということを知見した。
【0007】
脱水処理室(外輪スペーサ)の内径が大径になるに連れて汚泥の脱水性能が低下するという点は、脱水処理室の内径が600mmφの回転加圧脱水機(以下、φ600mm回転加圧脱水機という)と、脱水処理室の内径が1200mmφの回転加圧脱水機(以下、φ1200mm回転加圧脱水機という)とについて、汚泥の脱水試験を行った結果判明したものである。即ち、φ600mm回転加圧脱水機による汚泥の脱水試験の結果は表2に示すとおりであり、またφ1200mm回転加圧脱水機による汚泥の脱水試験の結果は表3に示すとおりである。
【0008】
【表2】

【0009】
【表3】

【0010】
即ち、φ1200mm回転加圧脱水機で得られた脱水ケーキの含水率は73.8%、74.6%、および75.6%であり、φ600mm回転加圧脱水機で得られた脱水ケーキの含水率は69.8%、70.1%、および71.1%であるということから明らかである。このように、φ1200mm回転加圧脱水機の場合に得られる脱水ケーキの含水率が大きいのは、φ600mm回転加圧脱水機では脱水処理室内の下流側領域まで継続して圧搾圧力が存在し、脱水処理室内全域に渡って脱水が行われている。これに対し、φ1200mm回転加圧脱水機の脱水処理室内の上流領域で圧搾圧力の低下が発生するために、中間領域より下流側領域では圧搾圧力が小さくなり、これらの領域では汚泥の脱水がほとんど行われていないからである。
【0011】
この場合、φ1200mm回転加圧脱水機に供給した汚泥濃度は、φ600mm回転加圧脱水機に供給した汚泥濃度より低濃度であるため、同等の含水率の脱水ケーキが得られるようにφ1200mm回転加圧脱水機に供給した汚泥に対する薬注率(高分子凝集剤)を、φ600mm回転加圧脱水機に供給した汚泥に対する薬注率よりも高めている。なお、汚泥濃度と薬注率との関係は、長年の経験から得られたものである。
【0012】
従って、本発明の目的は、脱水処理室の内径が大径であっても、汚泥の脱水性能がすぐれた回転加圧脱水機および回転加圧脱水機による汚泥の脱水方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係る回転加圧脱水機が採用した手段は、水平な駆動軸を介して回転され、少なくとも幅方向の一方側に、多数の水透過穴が設けられてなる円盤状のろ過板と、このろ過板の外端縁付近が摺接する外輪スペーサと、このろ過板の回転中心側の内輪スペーサとにより構成される脱水処理室を備え、前記ろ過板の内側面が摺接する側面を有し、前記脱水処理室内に汚泥を供給する汚泥供給部と、この汚泥供給部より上側の脱水ケーキ排出部とを仕切る仕切りスペーサを備えた回転加圧脱水機において、前記外輪スペーサの内周面と前記内輪スペーサの外周面とのうちの少なくとも何れか一方に、前記脱水処理室内に供給された汚泥を他方側に移動させる内部膨出部が設けられてなることを特徴とするものである。
【0014】
本発明の請求項2に係る回転加圧脱水機が採用した手段は、水平な駆動軸を介して回転され、少なくとも幅方向の一方側に、多数の水透過穴が設けられてなる円盤状のろ過板と、このろ過板の外端縁付近が摺接する外輪スペーサと、このろ過板の回転中心側の内輪スペーサとにより構成される脱水処理室を備え、前記ろ過板の内側面が摺接する側面を有し、前記脱水処理室内に汚泥を供給する汚泥供給部と、この汚泥供給部より上側の脱水ケーキ排出部とを仕切る仕切りスペーサを備えた回転加圧脱水機において、前記外輪スペーサの内周面と前記内輪スペーサの外周面とのそれぞれに内部膨出部を設けて、前記脱水処理室内に、この脱水処理室内に供給された汚泥を蛇行させる汚泥流路を形成させたことを特徴とするものである。
【0015】
本発明の請求項3に係る回転加圧脱水機による汚泥の脱水方法が採用した手段は、水平な駆動軸を介して回転され、少なくとも幅方向の一方側に、多数の水透過穴が設けられてなる円盤状のろ過板と、このろ過板の外端縁付近が摺接する外輪スペーサと、このろ過板の回転中心側の内輪スペーサとにより構成される脱水処理室を備え、前記ろ過板の内側面が摺接する側面を有し、前記脱水処理室内に汚泥を供給する汚泥供給部と、この汚泥供給部より上側の脱水ケーキ排出部とを仕切る仕切りスペーサを備えた回転加圧脱水機による汚泥の脱水方法において、前記外輪スペーサの内周面と前記内輪スペーサの外周面とのうちの少なくとも何れか一方に設けた内部膨出部により、前記脱水処理室内に供給された汚泥を他方側に移動させることを特徴とするものである。
【0016】
本発明の請求項4に係る回転加圧脱水機による汚泥の脱水方法が採用した手段は、水平な駆動軸を介して回転され、少なくとも幅方向の一方側に、多数の水透過穴が設けられてなる円盤状のろ過板と、このろ過板の外端縁付近が摺接する外輪スペーサと、このろ過板の回転中心側の内輪スペーサとにより構成される脱水処理室を備え、前記ろ過板の内側面が摺接する側面を有し、前記脱水処理室内に汚泥を供給する汚泥供給部と、この汚泥供給部より上側の脱水ケーキ排出部とを仕切る仕切りスペーサを備えた回転加圧脱水機による汚泥の脱水方法において、前記外輪スペーサの内周面と前記内輪スペーサの外周面とのそれぞれに設けた内部膨出部により形成された前記脱水処理室内の汚泥流路により、前記脱水処理室内に供給された汚泥を蛇行させることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明の請求項1に係る回転加圧脱水機、または本発明の請求項3に係る回転加圧脱水機による汚泥の脱水方法では、脱水処理室内に供給された汚泥は、外輪スペーサの内周面と内輪スペーサの外周面とのうちの少なくとも何れか一方に設けた内部膨出部による他方側への移動により圧縮され、新たな圧搾圧力が発生する。
【0018】
従って、本発明の請求項1に係る回転加圧脱水機、または本発明の請求項3に係る回転加圧脱水機による汚泥の脱水方法によれば、脱水処理室内に供給された汚泥は、脱水処理室内において、脱水処理室内の内部膨出部が設けられている領域(中間領域から下流側領域)まで継続して圧搾圧力が存在することから、脱水処理室内の内部膨出部が設けられている領域(中間領域から下流側領域)まで、汚泥の脱水が行われ、より効果的に圧搾されて脱水される。
【0019】
本発明の請求項2に係る回転加圧脱水機、または本発明の請求項4に係る回転加圧脱水機による汚泥の脱水方法では、脱水処理室内に供給された汚泥は、外輪スペーサの内周面と内輪スペーサの外周面とのそれぞれに設けた内部膨出部により形成された脱水処理室内の汚泥流路を蛇行しながら移動する。そして、汚泥流路を蛇行しながら移動する汚泥は、蛇行する都度、内部膨出部による他方側への移動により圧縮されて、新たな圧搾圧力が発生する。
【0020】
従って、本発明の請求項2に係る回転加圧脱水機、または本発明の請求項4に係る回転加圧脱水機による汚泥の脱水方法によれば、脱水処理室内に供給された汚泥は、脱水処理室内の汚泥流路を蛇行移動することにより新たに圧搾圧力が発生し、脱水処理室内の下流側領域までより高い圧搾圧力が継続して存在することで、脱水処理室内の下流側領域まで汚泥の脱水が行われ、より効果的に圧搾されて脱水される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の汚泥の脱水方法を実施する、本発明の実施の形態1に係る回転加圧脱水機を、添付図面を順次参照しながら説明する。図1は本発明の実施の形態1に係る回転加圧脱水機の概略構成を示す一部省略側面図であり、図2は図1のA−A線断面図であり、図3は本発明の実施の形態1に係る回転加圧脱水機と、内部膨出部が形成されていない回転加圧脱水機とによる汚泥の脱水試験結果を示すグラフ図で、縦軸に脱水ケーキの含水率(%)をとり、横軸に汚泥処理量(kgDS/m/h)をとって示すグラフ図である。
【0022】
図に示す符号1は、本発明の実施の形態1に係る回転加圧脱水機である。この回転加圧脱水機1は、図示しない減速機付の駆動装置により0.5〜1.3rpmの回転速度で回転される駆動軸2を備えている。この駆動軸2には、この駆動軸2の回転によりキー2aを介して回転され、後述する円盤状の第1ろ過板7と第2ろ過板8を回転させるボス部材3が嵌着されている。このボス部材3は、第1ろ過板支持ボス31と、第2ろ過板支持ボス32と、これら第1ろ過板支持ボス31と第2ろ過板支持ボス32との間に介装されるスペーサ支持ボス33と、これらを一体的に締結する締結ボルト、ナット、ワッシャとからなる機械的締結手段(図示省略)とから構成されている。
【0023】
前記第1ろ過板支持ボス31は後述する構成になるフランジ部を備えている。このフランジ部は軸端側の大径フランジ部31aと、スペーサ支持ボス33側の、このスペーサ支持ボス33の外径より外径が若干小径の小径フランジ部31bとから構成されている。そして、前記小径フランジ部31bに、多数の水透過穴7aを備えた円盤状の第1ろ過板7の中心部に設けられた嵌合穴が嵌着されると共に、この第1ろ過板7の嵌合穴側の側面が大径フランジ部31aのスペーサ支持ボス33側の面に当接する状態で固定されている。
なお、符号7bは、第1ろ過板7を補強するための補強リブであって、この補強リブ7bは、図示省略しているが、この第1ろ過板7の回転中心Oを中心とする放射状に設けられている。
【0024】
前記第2ろ過板支持ボス32は、前記第1ろ過板支持ボス31と同様に、フランジ部を備えている。このフランジ部は、図2における右側の図示しない駆動装置側の大径フランジ部32aと、スペーサ支持ボス33側の、このスペーサ支持ボス33の外径より若干外径が小径の小径フランジ部32bとから構成されている。そして、前記小径フランジ部32bに、多数の水透過穴8aを備えた第2ろ過板8の中心部に設けられた嵌合穴が嵌着されると共に、この第2ろ過板8の嵌合穴側の側面が大径フランジ部32aのスペーサ支持ボス33側の面に当接する状態で固定されている。なお、符号8bは、第2ろ過板8を補強するための補強リブであって、この補強リブ8bは、図示省略しているが、この第2ろ過板8の回転中心Oを中心とする放射状に設けられている。
【0025】
前記スペーサ支持ボス33に、嵌合穴に滑り軸受4aが嵌着されてなる後述する内輪スペーサ4が外嵌されている。この内輪スペーサ4の幅寸法は、その側面が前記第1ろ過板7と第2ろ過板8との嵌合穴側の内面に摺接し得るように設定されている。そして、前記内輪スペーサ4の外側には、その径中心と同心に後述する外輪スペーサ5が設けられており、この外輪スペーサ5の側面には、前記第1ろ過板7と前記第2ろ過板8の外端縁付近の側面が摺接するように構成されている。前記外輪スペーサ5の図における上部の左側に突出する水平突出部と平行に、前記内輪スペーサ4の外周面に摺接する凹曲面を有する水平な仕切りスペーサ6が設けられている。そして、この仕切りスペーサ6の下側に、横方向に開口する汚泥流入口11aが形成されている。また、前記仕切りスペーサ6の上側に、横方向に開口する開口部を有する脱水ケーキ排出部10が設けられている。
【0026】
前記内輪スペーサ4の外周面と、前記外輪スペーサ5の内周面との間であって、かつ前記第1ろ過板7と、前記第2ろ過板8との間に、前記汚泥流入口11aから流入する汚泥を、この汚泥流入口11aから前記脱水ケーキ排出部10に移動させる間にろ過すると共に、ろ過水が除去された汚泥を圧搾脱水する脱水処理室11が形成されている。前記汚泥流入口11aには、下側に開口する汚泥入口9a、汚泥流路9bを介して、前記汚泥流入口11aに汚泥を供給する汚泥供給部9が取付けられている。
【0027】
そして、前記外輪スペーサ5の内周面に、前記汚泥供給部9から前記脱水処理室11内に供給された汚泥を前記内輪スペーサ4の外周方向に移動させる外側内部膨出部21oが形成されている。また、前記内輪スペーサ4の外周面に、前記外側内部膨出部21oにより前記内輪スペーサ4の外周方向に移動している汚泥を前記外輪スペーサ5の内周方向に移動させる内側内部膨出部21iが形成されている。これら外側内部膨出部21oと内側内部膨出部21iが、前記汚泥供給部9側の最も近い位置に設けられた前段内部膨出部組21であり、そして外側内部膨出部21oは内側内部膨出部21iよりも前記汚泥供給部9側に形成されており、前記脱水処理室11内に供給された汚泥を蛇行させるように汚泥流路が形成される。
【0028】
実施の形態1においては、前記前段内部膨出部組21の脱水ケーキ排出部10側に後段内部膨出部組22が形成されている。この後段内部膨出部組22は、前記外輪スペーサ5の内周面に形成され、前記前段内部膨出部組21の内側内部膨出部21iにより前記外輪スペーサ5の内周方向に移動している汚泥を前記内輪スペーサ4の外周方向に移動させる外側内部膨出部22oと、前記内輪スペーサ4の外周面に形成され、前記外側内部膨出部22oにより内輪スペーサ4の外周方向に移動している汚泥を前記外輪スペーサ5の外周方向に移動させる内側内部膨出部22iとである。勿論、前記前段内部膨出部組21の場合と同様に、外側内部膨出部22oは内側内部膨出部22iよりも前記汚泥供給部9側に形成されている。
【0029】
そして、前記前段内部膨出部組21の外側内部膨出部21oの膨出終端と内側内部膨出部21iの膨出始端、前記前段内部膨出部組21の内側内部膨出部21iの膨出終端と前記後段内部膨出部組22の外側内部膨出部22oの膨出始端、および前記後段内部膨出部組22の外側内部膨出部22oの膨出終端と内側内部膨出部22iの膨出始端とは、前記駆動軸2の回転中心をとおるそれぞれの回転方向の直線を挟む位置にあって、これらは互いにオーバーラップするように設定されている。さらに、前記前段内部膨出部組21の外側内部膨出部21oの膨出始端は、前記駆動軸2の回転中心Oを通る垂直線Lvよりも前記汚泥供給部9側に位置すると共に、前記外側内部膨出部21oの膨出終端は前記垂直線Lvよりも前記脱水ケーキ排出部10側に位置するように設定されている。
【0030】
ところで、前記脱水処理室11内において、一端側が外輪スペーサ5に、他端側が内輪スペーサ4に機械的締結手段により締結され、そして第1ろ過板7と第2ろ過板8の相対する側の面のそれぞれに接触してなるものは、第1ろ過板7と第2ろ過板8の面のそれぞれに付着する脱水ケーキを掻取るスクレーパ11bである。このスクレーパ11bの働きによって、水透過穴7a,8aの脱水ケーキによる目詰まりが防止されるため、汚泥が効果的に脱水される。なお、前記内輪スペーサ4は、前記スクレーパ11bを介して外輪スペーサ5に固定されているが、第1ろ過板7と第2ろ過板8は、駆動軸2により自在に回転されるように構成されている。
【0031】
前記第1ろ過板7の外側に第1本体カバー12が配設されており、この第1本体カバー12は、そのフランジ部が前記外輪スペーサ5の側面に締結されることにより固着されている。また、前記第2ろ過板8の外側に第2本体カバー13が配設されており、この第2本体カバー13は、そのフランジ部が前記外輪スペーサ5の側面に締結されることにより固着されている。これら第1本体カバー12、第2本体カバー13それぞれの下部には、下方に突出するドレン管14が設けられている。このドレン管14は、前記汚泥供給部9の汚泥入口9a、汚泥流入口11aを経て脱水処理室11内に供給され、前記第1,2ろ過板7,8に設けられた多数の水透過穴7a,8aを介して前記第1本体カバー12内、前記第2本体カバー13内に排出された汚泥中の水分を機外に排水するものである。
【0032】
また、前記汚泥供給部9は、前記脱水ケーキ排出部10の排出口10aから排出される脱水ケーキの下方への落下を妨げない形状に形成されている。より具体的には、図1から良く理解されるように、この汚泥供給部9の図における左方向への突出寸法は、この脱水ケーキ排出部10の排出口10aの図における左方向への突出寸法より小寸法になるように設定されている。そのため、脱水ケーキ排出部10の排出口10aから排出される脱水ケーキを搬送する、図示しない脱水ケーキ搬送コンベアの一端を、脱水ケーキ排出部10の排出口10aの下側に配設することができ、汚泥供給部9が脱水ケーキ搬送コンベアの配設に支障になるようなことがない。
【0033】
さらに、前記脱水ケーキ排出部10の排出口10aには、前記脱水処理室11の圧搾脱水ゾーン11c内の圧搾脱水汚泥に対して背圧を付与する背圧板15が設けられている。
この背圧板15は、図示しない空気シリンダで回動される垂直な作動軸により回動されて排出口10aの幅寸法を調整するようになっている。なお、本発明の実施の形態に係る回転加圧脱水機1の前記第1ろ過板7および前記第2ろ過板8は、水透過穴7a,8aとなる直径0.5mmの貫通穴を有するパンチングメタルから構成されている。また、この回転加圧脱水機1の場合においては、これら第1,2ろ過板7,8の水透過穴7a,8aの直径を、0.3〜1.0mmの範囲に設定するのが好ましい。
【0034】
以下、本発明の実施の形態1に係る回転加圧脱水機1の作用態様を説明する。即ち、本発明の実施の形態に係る回転加圧脱水機1によれば、高分子凝集剤の添加・混合により調質された汚泥が、図示しない汚泥圧入ポンプにより、例えば最大100kPa(約1.0kgf/cm)に加圧される。次いで、汚泥圧入ポンプにより加圧された汚泥が汚泥供給部9の下側に開口する汚泥入口9aから汚泥流路9bに流入すると共に、前記汚泥流入口11aから0.5〜1.3rpmのゆっくりした速度で回転されている脱水処理室11の内に連続的に供給され続ける。
【0035】
前記汚泥流入口11aから脱水処理室11内の下側に流下する汚泥の水分は、脱水処理室11内の下側に流下する間にろ過され、徐々に流動性が失われる。そして、前記第1ろ過板7の水透過穴7aから第1本体カバー12内に、第2ろ過板8の水透過穴8aから第2本体カバー13内に流出したろ過水はドレン管14から機外に排水され続ける。
【0036】
前記脱水処理室11内の下側に流下する間のろ過により流動性が低下した汚泥は、第1ろ過板7、および第2ろ過板8の表面にケーキ層を徐々に形成しながら、脱水処理室11の回転、つまり前記第1ろ過板7、および第2ろ過板8との回転によって、前記脱水処理室11内の下側から上方側に向かって移動する。これら第1ろ過板7、および第2ろ過板8の表面に形成されたケーキ層により固形物の捕捉が向上するために、ろ過液は次第に清浄になる。
【0037】
前記脱水処理室11内の上側に移動した汚泥は、脱水ケーキ排出部10の排出口10aに設けられた背圧板15の押圧力制御(空気シリンダに供給される空気圧力制御)により、例えば最大600kPa(約6.0kgf/cm)の一定の背圧(調整可能である)に保持され続ける。流動性を失った汚泥は、これら第1ろ過板7、第2ろ過板8によるせん断力と、背圧板15により発生する背圧で圧搾脱水される。そして、圧搾脱水によって低含水率になった脱水ケーキは、背圧板15を押し退けて脱水ケーキ排出部10から機外へ排出される。
【0038】
上記のような汚泥の脱水中において、本実施の形態1に係る回転加圧脱水機1では、汚泥流入口11aから脱水処理室11内に供給された汚泥は、先ず前段内部膨出部組21の外輪スペーサ5の内周面に形成された外側内部膨出部21oと内輪スペーサ4の外周面に形成された内側内部膨出部21iとによる移動方向の変更により圧縮されて、新たな圧搾圧力を生じる。即ち、汚泥は、外輪スペーサ5の内周面に形成された外側内部膨出部21oによる内輪スペーサ4の外周方向への移動により圧縮されて、新たな圧搾圧力が生じる。次いで内輪スペーサ4の外周面に形成された内側内部膨出部21iによる外輪スペーサ5の内周方向への移動によって圧縮されて、脱水処理室11内に新たな圧搾圧力が生じる。
【0039】
また、前記内側内部膨出部21iにより外輪スペーサ5の内周方向に移動している汚泥は、後段内部膨出部組22の外輪スペーサ5の内周面に形成された外側内部膨出部22oと内輪スペーサ4の外周面に形成された内側内部膨出部22iとによる移動方向の変更により圧縮されて、さらに新たな圧搾圧力が生じる。即ち、外輪スペーサ5の内周方向に移動している汚泥は、外輪スペーサ5の内周面に形成された外側内部膨出部22oによる内輪スペーサ4の外周方向への移動により圧縮されて、新たな圧搾圧力が生じる。次いで、内輪スペーサ4の外周面に形成された内側内部膨出部22iによる外輪スペーサ5の内周方向への移動によって圧縮されて、新たな圧搾圧力が生じる。
【0040】
このように脱水処理室11内には、内・外側内部膨出部21o,21i,22o,22iの膨出始端と膨出終端との間に、供給された汚泥を蛇行させるような汚泥流路が形成されている。そして、供給された汚泥は汚泥流路を蛇行しながら移動することで圧縮されて、新たに圧搾圧力が発生する。従って、脱水処理室内の下流側領域までより高い圧搾圧力が継続して存在することになり、脱水処理室内の下流側領域まで汚泥の脱水が行われ、効果的に圧搾されて脱水される。
【0041】
さらに、本発明の実施の形態に係る回転加圧脱水機1によれば、前段内部膨出部組21の外側内部膨出部21oは脱水処理室11内の最低位置に形成されていることになり、汚泥供給部9から供給され、汚泥流路9bを経て汚泥流入口11aから脱水処理室11内に供給された汚泥中の大量の水分は、外側内部膨出部21oが形成されている位置に流下する間に一気に脱水されて流動性が低下する。従って、汚泥は第1,2ろ過板7,8の回転に追随することができ、外側内部膨出部21oにより内輪スペーサ4の外周方向に移動が可能になることにより圧縮され、新たな圧搾圧力が生じる。従って、より含水率が低い脱水ケーキを得ることができるので、汚泥処理処分費用の低減に対して大いに寄与することができるという優れた効果がある。
【0042】
以下、本発明の実施の形態1に係る上記構成の回転加圧脱水機1の汚泥の脱水性能が優れていることを確認するために、汚泥の脱水試験を行った。この脱水試験の結果は、下記表1に示すとおりである。なお、この回転加圧脱水機1の脱水処理室11の内径は1200mmφである。
【0043】
【表1】

【0044】
本発明の実施の形態1に係る回転加圧脱水機1の汚泥の脱水性能が優れていることは表1と、内部膨出部の無い前記φ1200mm回転加圧脱水機による汚泥の試験結果を示す表3との比較において、また図3から良く理解されることである。即ち、本発明の実施の形態1に係る回転加圧脱水機1(白丸印)によれば、汚泥濃度が同等であって、薬注率が低い率(0.5%)であるにもかかわらず、得られた脱水ケーキの含水率が内部膨出部の無い前記φ1200mm回転加圧脱水機(黒丸印)の場合よりも0.8%向上している。従って、薬注率を汚泥濃度に相応しい率、例えば表3に示すように、0.7%にすれば、さらに低含水率の脱水ケーキが得られると想定され、本発明の実施の形態に係る回転加圧脱水機1の汚泥の脱水性能が優れていることが良く判る。
【0045】
図4は本発明の実施の形態2に係る回転加圧脱水機の概略構成を示す一部省略側面図であり、この図4を参照しながら説明する。なお、本発明の実施の形態1に係る回転加圧脱水機の概略構成を示す一部省略側面図である図1との比較において良く理解されるように、内部膨出部の構成の相違にあり、主要構成は全く同一であるから、同一のものは同一名称、並びに同一符号を用いて、主としてその相違する点について説明する。
【0046】
図4に示す符号1aは、本発明の実施の形態2に係る回転加圧脱水機であって、この回転加圧脱水機1aの脱水処理室11内に、後述する構成になる内部膨出部組21aが設けられている。この内部膨出部組21aは、前記外輪スペーサ5の内周面に形成され、前記汚泥供給部9から供給された汚泥を、内輪スペーサ4の外周方向に移動させる外側内部膨出部21oを備えている。また、前記内輪スペーサ4の外周面に形成され、前記外側内部膨出部21oにより前記内輪スペーサ4の外周方向に移動している汚泥を、前記外輪スペーサ5の内周方向に移動させる内側内部膨出部21iを備えている。
【0047】
前記外側内部膨出部21oは内側内部膨出部21iよりも前記汚泥供給部9側に形成されている。そして、前記の外側内部膨出部21oの膨出終端と内側内部膨出部21iの膨出始端とが互いにオーバーラップするように設定されている。さらに、前記前段内部膨出部組21の外側内部膨出部21oの膨出始端は、前記駆動軸2の回転中心Oを通る垂直線Lvよりも前記汚泥供給部9側に位置すると共に、前記外側内部膨出部21oの膨出終端は前記垂直線Lvよりも前記脱水ケーキ排出部10側に位置するように設定されている。
なお、以上の説明から良く理解されるように、本発明の実施の形態2に係る回転加圧脱水機1aの前記内部膨出部組21aの構成は、上記実施の形態1に係る回転加圧脱水機1の前段内部膨出部組21の構成と同構成になるものである。
【0048】
本実施の形態2に係る回転加圧脱水機1aでは、汚泥流入口11aから脱水処理室11内に供給された汚泥は、先ず内部膨出部組21の外輪スペーサ5の内周面に形成された外側内部膨出部21oと内輪スペーサ4の外周面に形成された内側内部膨出部21iとによる移動方向の変更により圧縮されて、新たな圧搾圧力が生じる。よって、脱水処理室11内に圧搾圧力の高い領域が内部膨出部が設けられている領域(中間領域から下流側領域)まで継続して存在することになり、脱水処理室11内の内部膨出部が設けられている領域まで汚泥の脱水が行われる。従って、本発明の実施の形態2に係る回転加圧脱水機1aによれば、上記実施の形態1に係る回転加圧脱水機1の場合よりも汚泥の脱水性能は劣るものの、内部膨出部が設けられていない回転加圧脱水機に比較して遥かに優れており、脱水性能の向上効果がある。
【0049】
本発明の実施の形態3に係る回転加圧脱水機を、その一部分の概略構成を示す一部省略側面図の図5を参照しながら説明する。なお、本発明の実施の形態1に係る回転加圧脱水機の概略構成を示す一部省略側面図である図1との比較において良く理解されるように、内部膨出部の構成の相違にあり、主要構成は全く同一であるから、同一のものは同一名称、並びに同一符号を用いて説明する。
【0050】
図5に示す符号1bは、本発明の実施の形態3に係る回転加圧脱水機であって、この回転加圧脱水機1bの脱水処理室11内の外輪スペーサ5の内周面に、前記汚泥供給部9から供給された汚泥を内輪スペーサ4の外周方向に移動させる外側内部膨出部21oが形成されている。そして、前記外側内部膨出部21oの膨出始端は、前記駆動軸2の回転中心Oを通る垂直線Lvよりも前記汚泥供給部9側に位置すると共に、膨出終端は前記垂直線Lvよりも前記脱水ケーキ排出部10側に位置するように設定されている。なお、以上の説明から良く理解されるように、前記外側内部膨出部21oの構成は、上記実施の形態1に係る回転加圧脱水機1の外側内部膨出部の構成と同構成になるものである。
【0051】
本実施の形態3に係る回転加圧脱水機1bでは、汚泥流入口11aから脱水処理室11内に供給された汚泥は、前記外輪スペーサ5の内周面に形成された外側内部膨出部21oによる移動方向の変更により圧縮されて、新たな圧搾圧力が生じる。従って、本発明の実施の形態3に係る回転加圧脱水機1bによれば、上記実施の形態1に係る回転加圧脱水機1の場合よりも汚泥の脱水性能は劣るものの、内部膨出部が設けられていない回転加圧脱水機に比較して遥かに優れており、脱水性能の向上効果がある。
【0052】
本発明の実施の形態4に係る回転加圧脱水機を、その一部分の概略構成を示す一部省略側面図の図6を参照しながら説明する。なお、本発明の実施の形態1に係る回転加圧脱水機の概略構成を示す一部省略側面図である図1との比較において良く理解されるように、内部膨出部の構成の相違にあり、主要構成は全く同一であるから、同一のものは同一名称、並びに同一符号を用いて説明する。
【0053】
図6に示す符号1cは、本発明の実施の形態4に係る回転加圧脱水機であって、この回転加圧脱水機1cの脱水処理室11内の内輪スペーサ4の外周面に、前記汚泥供給部9から供給された汚泥を外輪スペーサ5の内周方向に移動させる内側内部膨出部21iが形成されている。そして、前記内側内部膨出部21iの膨出始端は、前記駆動軸2の回転中心Oを通る垂直線Lvより前記脱水ケーキ排出部10側に位置するように設定されている。
なお、以上の説明から良く理解されるように、前記内側内部膨出部21iのの構成は、上記実施の形態1に係る回転加圧脱水機1の外側内部膨出部の構成と同構成になるものである。
【0054】
本実施の形態4に係る回転加圧脱水機1cでは、汚泥流入口11aから脱水処理室11内に供給された汚泥は、前記内輪スペーサ4の外周面に形成された内側内部膨出部21iによる移動方向の変更により圧縮されて、新たな圧搾圧力が生じる。従って、本発明の実施の形態4に係る回転加圧脱水機1bによれば、上記実施の形態1に係る回転加圧脱水機1の場合よりも汚泥の脱水性能は劣るものの、内部膨出部が設けられていない回転加圧脱水機に比較して遥かに優れており、脱水性能の向上効果がある。
【0055】
ところで、以上の実施の形態3,4に係る回転加圧脱水機1b,1cにおいては、外側内部膨出部21oと内側内部膨出部21iの位置関係が、上記実施の形態1に係る前段内部膨出部組21の外側内部膨出部21oと内側内部膨出部21iの位置関係と同じ場合を例として説明した。しかしながら、外側内部膨出部と内側内部膨出部の位置関係が、上記実施の形態1に係る後段内部膨出部組22の外側内部膨出部22oと内側内部膨出部22iの位置関係と同じであっても、同等の効果を得ることができる。
【0056】
なお、以上の実施の形態に係る回転加圧脱水機においては、脱水処理室の幅方向の両側に多数の水透過穴を有する円盤状のろ過板が配設されている場合を例として説明したが、例えば脱水処理室の幅方向の何れか一方に円盤状のスクリーンが配設されていれば、それなりの効果を得ることができる。また、円盤状スクリーンや前段スクリーンにパンチングメタルを用いた場合を説明したが、ウエッジワイヤースクリーン等、汚泥と水分を分離することができる部材であれば利用可能である。さらに、汚泥供給部が下側に設けられている場合を例として説明したが、円盤状スクリーンの回転中心より上部側に汚泥供給部が設けられている従来例に係る回転加圧脱水機に対しても、本発明の技術的思想を適用することができる。
【0057】
従って、上記実施の形態に係る回転加圧脱水機は、本発明の具体例に過ぎず、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内における設計変更等は自由自在であるから、回転加圧脱水機の形態は上記実施の形態に係る回転加圧脱水機の形態に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の実施の形態1に係る回転加圧脱水機の概略構成を示す一部省略側面図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る回転加圧脱水機と、内部膨出部が形成されていない回転加圧脱水機とによる汚泥の脱水試験結果を示すグラフ図で、縦軸に脱水ケーキの含水率(%)をとり、横軸に汚泥処理量(kgDS/m/h)をとって示すグラフ図である。
【図4】本発明の実施の形態2に係る回転加圧脱水機の概略構成を示す一部省略側面図である。
【図5】本発明の実施の形態3に係る回転加圧脱水機の一部分の概略構成を示す一部省略側面図である。
【図6】本発明の実施の形態4に係る回転加圧脱水機の一部分の概略構成を示す一部省略側面図である。
【符号の説明】
【0059】
1,1a,1b,1c…回転加圧脱水機
2…駆動軸,2a…キー
3…ボス部材,31…第1ろ過板支持ボス,31a…大径フランジ部,31b…小径フランジ部,32…第2ろ過板支持ボス,32a…大径フランジ部,32b…小径フランジ部,33…スペーサ支持ボス
4…内輪スペーサ,4a…滑り軸受
5…外輪スペーサ
6…仕切りスペーサ
7…第1ろ過板,7a…水透過穴
8…第2ろ過板,8a…水透過穴
9…汚泥供給部,9a…汚泥入口,9b…汚泥流路
10…脱水ケーキ排出部,10a…排出口
11…脱水処理室,11a…汚泥流入口,11b…スクレーパ
11c…圧搾脱水ゾーン
12…第1本体カバー
13…第2本体カバー
14…ドレン管
15…背圧板
21…前段内部膨出部組,21i…内側内部膨出部,21o…外側内部膨出部
22…後段内部膨出部組,22i…内側内部膨出部,22o…外側内部膨出部
Lv…駆動軸の回転中心Oを通る垂直線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平な駆動軸を介して回転され、少なくとも幅方向の一方側に、多数の水透過穴が設けられてなる円盤状のろ過板と、このろ過板の外端縁付近が摺接する外輪スペーサと、このろ過板の回転中心側の内輪スペーサとにより構成される脱水処理室を備え、前記ろ過板の内側面が摺接する側面を有し、前記脱水処理室内に汚泥を供給する汚泥供給部と、この汚泥供給部より上側の脱水ケーキ排出部とを仕切る仕切りスペーサを備えた回転加圧脱水機において、前記外輪スペーサの内周面と前記内輪スペーサの外周面とのうちの少なくとも何れか一方に、前記脱水処理室内に供給された汚泥を他方側に移動させる内部膨出部が設けられてなることを特徴とする回転加圧脱水機。
【請求項2】
水平な駆動軸を介して回転され、少なくとも幅方向の一方側に、多数の水透過穴が設けられてなる円盤状のろ過板と、このろ過板の外端縁付近が摺接する外輪スペーサと、このろ過板の回転中心側の内輪スペーサとにより構成される脱水処理室を備え、前記ろ過板の内側面が摺接する側面を有し、前記脱水処理室内に汚泥を供給する汚泥供給部と、この汚泥供給部より上側の脱水ケーキ排出部とを仕切る仕切りスペーサを備えた回転加圧脱水機において、前記外輪スペーサの内周面と前記内輪スペーサの外周面とのそれぞれに内部膨出部を設けて、前記脱水処理室内に、この脱水処理室内に供給された汚泥を蛇行させる汚泥流路を形成させたことを特徴とする回転加圧脱水機。
【請求項3】
水平な駆動軸を介して回転され、少なくとも幅方向の一方側に、多数の水透過穴が設けられてなる円盤状のろ過板と、このろ過板の外端縁付近が摺接する外輪スペーサと、このろ過板の回転中心側の内輪スペーサとにより構成される脱水処理室を備え、前記ろ過板の内側面が摺接する側面を有し、前記脱水処理室内に汚泥を供給する汚泥供給部と、この汚泥供給部より上側の脱水ケーキ排出部とを仕切る仕切りスペーサを備えた回転加圧脱水機による汚泥の脱水方法において、前記外輪スペーサの内周面と前記内輪スペーサの外周面とのうちの少なくとも何れか一方に設けた内部膨出部により、前記脱水処理室内に供給された汚泥を他方側に移動させることを特徴とする回転加圧脱水機による汚泥の脱水方法。
【請求項4】
水平な駆動軸を介して回転され、少なくとも幅方向の一方側に、多数の水透過穴が設けられてなる円盤状のろ過板と、このろ過板の外端縁付近が摺接する外輪スペーサと、このろ過板の回転中心側の内輪スペーサとにより構成される脱水処理室を備え、前記ろ過板の内側面が摺接する側面を有し、前記脱水処理室内に汚泥を供給する汚泥供給部と、この汚泥供給部より上側の脱水ケーキ排出部とを仕切る仕切りスペーサを備えた回転加圧脱水機による汚泥の脱水方法において、前記外輪スペーサの内周面と前記内輪スペーサの外周面とのそれぞれに設けた内部膨出部により形成された前記脱水処理室内の汚泥流路により、前記脱水処理室内に供給された汚泥を蛇行させることを特徴とする回転加圧脱水機による汚泥の脱水方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−142733(P2010−142733A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−322750(P2008−322750)
【出願日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【出願人】(000192590)株式会社神鋼環境ソリューション (534)
【Fターム(参考)】