回転型分散装置
【課題】均一かつ微細な粒度分布性能の得られる乳化分散装置を提供する。
【解決手段】ロータ101とステータ102の間を流れる被処理物を分散させる回転型分散装置において、ステータ102と吸込み管115との間に電磁駆動式の還流バルブ111を設置し、吐出側に還流バルブ111と連動する吐出バルブ109を設置し、還流バルブ111が還流通路106を開放すると同時に吐出バルブ109が吐出通路を閉鎖することによって、被処理物全体を還流させ繰返しの分散処理に供する。分散処理が完了すると、還流バルブ111が還流通路106を閉鎖すると同時に吐出バルブ109が吐出通路を開放することによって、被処理物を吐出する。
【解決手段】ロータ101とステータ102の間を流れる被処理物を分散させる回転型分散装置において、ステータ102と吸込み管115との間に電磁駆動式の還流バルブ111を設置し、吐出側に還流バルブ111と連動する吐出バルブ109を設置し、還流バルブ111が還流通路106を開放すると同時に吐出バルブ109が吐出通路を閉鎖することによって、被処理物全体を還流させ繰返しの分散処理に供する。分散処理が完了すると、還流バルブ111が還流通路106を閉鎖すると同時に吐出バルブ109が吐出通路を開放することによって、被処理物を吐出する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は回転型乳化分散装置に関する技術である。
【背景技術】
【0002】
回転型乳化分散装置は産業界で広範に使われている。従来の回転型乳化分散装置の多くは、ポンプのように、吸込み口と、ケーシングの中に配置された遠心ポンプ羽根車のような歯の付いた攪拌ロータとを備えている。攪拌ロータが回転すると、被処理物がケーシング内に吸込まれ、攪拌ロータの歯から与えられた遠心力でステータに衝突し粉砕分散攪拌される。さらに、その遠心力で生じた圧力により被処理物は吐出口から排出される。
【0003】
より均一で微細な分散結果を獲得するため、ロータとステータを多段にするか、装置からタンクに排出された被処理物を再び装置に導入することにより、処理回数を複数とする方法が通常使われている。しかしロータおよびステータを多段にすると、多段ポンプのように高圧を要し、メカニカルシールに対する冷却循環水も高圧としなければならず、増圧ポンプが必要になる。また、吐出口からタンクに排出された被処理物を再び装置に導入する場合は、装置がオープンになりインライン生産は出来ないという問題がある。
【0004】
高圧力を発生せず、かつ被処理物を装置内で何回も処理することにより均一で微細な分散結果を獲得するため、本願発明者は特開文献1に開示の内循環式と呼ばれる構造を提案している。特開文献1に開示の方法においては、終段目ロータから出た被処理物は、初段目ステータの内面と外面の間を貫通するように設けられている還流通路を通って初段目ロータの吸込み口に還流して再処理される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−099592号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特開文献1の内循環式による場合、終段目ロータから出た被処理物は、その一部分だけが還流通路を通って初段目ロータの吸込み口に還流し、残りの部分は再処理されないまま装置から吐出される。そのため、一部の被処理物に関し処理が不十分となり得る、という問題が存在する。
【0007】
また、特開文献1の内循環式においては、その還流通路の入り口が分級孔より装置の回転中心側に位置しており、被処理物の比重が溶液より高い場合に、被処理物のうち粒径が大きく重いものは獲得した遠心力が大きいので外側に集まり、ケーシングの内面付近で大きな回転軌道上で回転し、装置の回転中心側に設置された還流通路へ流入できず、その結果、最も再処理を要する粒径の大きいものに関して再処理が行われにくい、という欠点がある。
【0008】
また、特開文献1の内循環式においては、被処理物が装置内で何回も繰返して処理され、被処理物の温度が高くなり、一定の温度を超えると被処理物の質が変化し、物性が破壊されてしまう場合がある、という問題がある。
【0009】
また、分散機のロータは遠心ポンプ羽根車のような構造を備え、高速回転する場合に、ロータの歯にキャビテーションが発生し、被処理物の流れに支障をきたすという問題もある。
【0010】
本発明は、上述した問題を解決し、温度を制御でき、より均一かつ微細な粒度分布性能を得られる分散機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、ケーシング内の初段目ステータと吸込み管との間に、その本体が磁性材料で作られた還流バルブを設置し、還流バルブと吸込み管の間にバネを配置し、バネの力を受け還流バルブが初段目ステータの方へ押付けられ還流通路を閉鎖する構造を備えた分散機を提案する。
【0012】
還流バルブには還流バルブと連動する吐出バルブが固定されている。この吐出バルブは、初段目ステータの還流通路を通って邪魔板に設けられた被処理物排出用の分級孔の内側に設置され、還流バルブがバネの力を受けて初段目ステータの方へ押付ける時、吐出バルブが邪魔板から離れ吐出バルブと分級孔の間に隙間を生じる。その結果、被処理物はその隙間と分級孔を通って排出される。
【0013】
また、ケーシングの吸込み管側の内側にはコイルが固定され、還流バルブの一部分はこのコイルの内側に配置されている。通電が行われるとコイルが電磁力を発生し、電磁力の吸引力によりその本体部分が磁性材料で作られた還流バルブがバネの力を克服して初段目ステータから離れ還流通路を開くと同時に、還流バルブに固定された吐出バルブが吐出側の邪魔板の方へ移動し、分級孔を閉鎖する。これにより被処理物が排出されること無くその全体が還流通路を通って再処理される。
【0014】
コイル11の電源がオフされると、電磁力がなくなり還流バルブは再びバネの付勢に従い初段目ステータの方へ移動し還流通路を閉鎖すると同時に、還流バルブに固定された吐出バルブが邪魔板から離れるように装置の内側へ移動し、分級孔が開放されて被処理物が分級孔から排出される。
【0015】
コイルの電源をオフする時間をコントロールすることにより、再処理した被処理物分だけを断続的に排出する事が出来る。十分に処理された被処理物が排出されると、再びコイルに通電をして内循環処理を行うことができる。このように処理を必要な時間だけ繰返すことにより、均一かつ微細な分散処理効果が得られる。
【0016】
また、被処理物の比重が溶液より高い場合に、初段目ステータの還流通路の入り口を構成する部分の外面を大きくケーシングの内面に近づくまで伸ばし、分級孔は出来るだけ装置中心の側へ設置することが望ましい。これにより、回転径の大きい軌道上を回転する粒径の大きい重い被処理物はこのケーシングの内面近くまで伸びた還流通路の入り口から還流され再処理されるようになる。その一方で、回転径が小さい細かく軽い被処理物は装置回転中心側に設置した分級孔から排出される。
【0017】
また、ケーシングの内面とステータの外面との間に形成される、終段目ステータの吐出口から初段目ステータの還流通路入り口までを繋ぐ流路の間に、多層プレート型の熱交換機を設置することにより、繰り返し処理され熱を発する被処理物の冷却が行われる。その結果、被処理物の物性が保たれる。
【0018】
また、キャビテーションを防ぐ方法として、初段目ロータの前にインデューサを設置し、ロータに入る前の被処理物にインデューサにより一定の圧力を加えられる。その結果、キャビテーションの発生が防止される。
【発明の効果】
【0019】
上述したように、本発明によれば、電磁駆動式の連動する還流バルブと吐出バルブを設置することにより、非処理物全体を再処理する事ができるため、より均一かつ微細な分散効果が得られる。また、本発明の望ましい一態様によれば、初段目ステータの還流通路入り口を構成する部分の外面を大きくケーシングの内面の近くまで伸ばすことにより、被処理物の比重が溶液より高い場合でも粒径の大きいものの再処理を行うことができる。また、本発明の他の望ましい一態様によれば、終段目ステータから初段目ステータの還流通路入り口の間に熱交換機を設置することにより、再処理する前の被処理物を冷却可能であるため、繰返して再処理しても高熱を発生することがなく被処理物の物性を保つ事が出来る。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第1実施例にかかる電磁弁式通電時環流の分散機(電源オン状態)の構造図である。
【図2】本発明の第1実施例にかかる電磁弁式通電時環流の分散機(電源オフ状態)の構造図である。
【図3】本発明の第2実施例にかかる被処理物比重が溶液より高い場合に対応した分散機の構造図である。
【図4】本発明の第2実施例にかかる初段目ステータの構造図である。
【図5】本発明の第2実施例にかかる終段目ステータの構造図である。
【図6】本発明の第3実施例にかかる熱交換器を設置した分散機の構造図である。
【図7】本発明の第3実施例にかかる熱交換器の構造図である。
【図8】本発明の一変形例にかかる還流隙間が平面形状の分散機の構造図である。
【図9】本発明の一変形例にかかる電磁弁式通電時吐出の分散機(電源オン状態)の構造図である。
【図10】本発明の一変形例にかかる電磁弁式通電時吐出の分散機(電源オフ状態)の構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[第1実施例]
図1および図2は、本発明の第1実施例にかかる分散機1の構造を示した図である。なお、図1は還流状態の分散機1を、また図2は吐出状態の分散機1を示している。
【0022】
分散機1は、ベースに固定されたケーシング105と、ケーシング105に固定されたステータ102を備えている。また、分散機1は、ケーシング105の中に配置され自由回転可能なシャフト104と、シャフト104に着装されシャフト104と共に回転するロータ101を備えている。
【0023】
ロータ101とステータ102の各々の数は任意の自然数である。図1および図2においては、この数が3である場合が示されている。以下、初段目のロータ101およびステータ102を各々、ロータ101−Sおよびステータ102−Sとし、終段目のロータ101およびステータ102を各々、ロータ101−Eおよびステータ102−Eとする。
【0024】
ステータ102−Sの前には、ステータ102−Sの内面と外面を貫通するように還流通路106が設けられており、ロータ101−Eから出た被処理物は還流通路106を通ってロータ101−Sの吸込み口へ戻ることができる。
【0025】
ステータ102−Sと吸込み管115との間には、還流バルブ111が配置されている。還流バルブ111の本体1111は磁性材料で作られており、還流バルブ111と吸込み管115との間にはバネ114が配置されている。バネ114は、図における左右に開く方向に付勢し、バネ114の力を受けた還流バルブ111がステータ102−Sの方へ押付けられることで還流通路106を閉鎖する。
【0026】
還流バルブ111には、還流バルブ111と連動する吐出バルブ109が固定されている。吐出バルブ109はステータ102−Sの還流通路106を通って邪魔板107に設けられた被処理物排出用の分級孔1071の内側に設置され、還流バルブ111がバネ114の力を受けてステータ102−Sの方へ押付けられる時、吐出バルブ109は邪魔板107から離れ、吐出バルブ109と分級孔1071との間に隙間が生じて被処理物がその隙間と分級孔1071を通って排出される構造となっている。
【0027】
ケーシング105の吸込み側の内側にはコイル113が固定され、還流バルブ111の本体1111はコイル113の内側に配置されている。コイル113に対する通電がオンされるとコイル113が電磁力を発生し、電磁力の作用で還流バルブ111がバネ114の力を克服してステータ102−Sから離れ、還流通路106が開放される。同時に、還流バルブ111に固定されている吐出バルブ109が吐出側の邪魔板107の方へ移動し、分級孔1071が封鎖される。これにより被処理物が排出されること無く、その全体が還流通路106を通って再処理される。
【0028】
コイル113に対する通電がオフされると、電磁力が失われ還流バルブ111は再びバネ114の力でステータ102−Sの方へ移動し還流通路106を閉鎖すると同時に、還流バルブ111に固定された吐出バルブ109が邪魔板107から離れ装置の内側へ移動することで分級孔1071が開放され、被処理物が分級孔1071から排出される。
【0029】
コイル113の電源をオフして十分に処理が完了した被処理物を排出した後、コイル113の電源をオンすることで内循環再処理を再開できる。このように、電源のオン・オフを繰返すことで、均一かつ微細な分散処理の施された被処理物を継続的に生成することができる。
【0030】
なお、図1および図2に示すように、キャビテーションを防ぐ手段として、ロータ101−Sの前にインデューサ116を設置する構成が採用されてもよい。吸込み管115または還流通路106から入った被処理物がロータ101−Sに入る前にインデューサ116を通り、そこで所定の圧力を加えられることで、ロータ101におけるキャビテーションの発生が防止される。
【0031】
[第2実施例]
図3は本発明の第2実施例にかかる分散機2の構造を示した図である。分散機2は多くの点で分散機1と共通しているため、以下に分散機2が分散機1と異なる点を中心に説明する。また、図において分散機2が分散機1と共通に備える構成部に関しては、同じ符号が付されている。第3実施例および変形例に関しても同様である。
【0032】
分散機2においては、ステータ102−Sの還流通路106の入り口を構成する部分の外面が、大きくケーシング105の内面近くまで伸びている。これは、粒径の大きいものを優先的に再処理することを可能とするためである。
【0033】
一般的に、攪拌分散された被処理物はケーシング105内で回転しながら吐出口へ流れるが、その分散分布状態、すなわち回転径は被処理物の粒径により異なる。被処理物の比重が溶液より高い場合、粒径の大きい重いものは獲得する遠心力が大きいので、その回転径も大きく、すなわちケーシング105の内面付近に多く分布する。
【0034】
分散機2の還流通路106の入り口はケーシング105の内面付近で開口しているため、回転径の大きい軌道上を回転している粒径の大きい重い被処理物は内面付近で開口している還流通路106の入り口から還流され再処理される。一方、分級孔1071はなるべく装置の回転中心側に設置することが望ましい。そうすることで、回転径が小さい細かく軽い被処理物は回転中心側に設置された分級孔1071から優先的に排出される。
【0035】
図4は第2実施例にかかるステータ102−Sを示した図である。また、図5はステータ102−Eを示した図である。ステータ102−Sはケーシング105の内側付近まで大きく拡がる鍔状部1021を備えている。鍔状部1021には鍔状部1021とケーシング105の内面との間を通った被処理物を還流通路106の入り口へと導く流路1022が、鍔状部1021の外周から中心に向かう方向に複数設けられている。粒径の大きい被処理物は主にこの流路1022を通って還流通路106へと導かれ、再処理を施される。
【0036】
また、鍔状部1021の中心寄りの位置には、図の左右方向に貫通し、ケーシング105の内面とステータ102の外面との間に形成される被処理物の流路と邪魔板107に設けられた分級孔1071とを連結する流路1023が複数設けられている。粒径の小さい被処理物は主にこの流路1023を通って分級孔1071へと導かれた後、分散機2の外部へと排出される。
【0037】
なお、分散機2は上述したように被処理物のうち粒径の小さいものが選択的に分級孔1071へ導かれ外部に吐出され、粒径の大きいものが選択的に還流通路106に導かれ再処理に供されるため、還流バルブ111が開放されている間、必ずしも吐出バルブ109により分級孔1071を塞ぎ吐出通路を閉鎖しなくても一定の粒度以下に分散された被処理物の吐出が得られる。そのような理由で、図3に示される分散機2には吐出バルブ109が設けられていない。ただし、より高い精度で微細な粒度の被処理物を得たい場合には、分散機2に対し吐出バルブ109を設けてもよい。
【0038】
[第3実施例]
図6は本発明の第3実施例にかかる分散機3の構造を示した図である。分散機3においては、ケーシング105の内面とステータ102の外面との間に形成される流路上、すなわちステータ102−Eからステータ102−Sへと還流する被処理物の流路上に、熱交換機117が配置されている。
【0039】
図7は熱交換機117の構造を示した図である。ただし、図7においては、プレートの中心を図の左右方向に貫通する孔の直径が小さく記載されており、図6に示される分散機3において採用される熱交換機117は、孔の直径がプレートの全直径の概ね半分程度に大きい。その孔の内側にステータ102、ロータ101、シャフト104等の分散機構が収納される。
【0040】
熱交換機117は複数の熱交換プレートが図の左右方向に積層された構造を備えている。複数の熱交換プレートは互いに隣接する2枚で一組をなし、各々、プレートペア1171−S、プレートペア1171−2、プレートペア1171−3、・・・、プレートペア1171−Eを構成する。ただし、プレートペア1171−Sはステータ102−Eからステータ102−Sと還流する被処理物の流路の最上流側に配置されるプレートペア1171を、またプレートペア1171−Eは最下流側に配置されるプレートペア1171を意味する。
【0041】
プレートペア1171の各々は、被処理物の流路を形成する図の左側に位置する熱交換プレートLと、被処理物を冷却する冷媒の流路を形成する図の右側に位置する熱交換プレートRにより構成されている。
【0042】
図6の矢印Pで示される方向に流れる被処理物は、図7の矢印Pで示されるように、プレートペア1171−Sの熱交換プレートLの厚さ方向を貫通するように設けられた孔から熱交換機117に流入し、プレートペア1171−Sの熱交換プレートRをバイパスした後、プレートペア1171−2の熱交換プレートLに受け止められる。
【0043】
プレートペア1171−2の熱交換プレートLに受け止められた被処理物はその熱交換プレートLの面に沿って円を描くように流れた後、プレートペア1171−2の熱交換プレートLの孔からプレートペア1171−2の熱交換プレートRをバイパスしてプレートペア1171−3の熱交換プレートLに向かい流れる。これをその後、プレートペア1171−3〜プレートペア1171−Eに関し繰り返す。
【0044】
図7の矢印Qに示されるように、プレートペア1171−Eの熱交換プレートLの孔からプレートペア1171−Eの熱交換プレートRをバイパスして図の右方向に流れ出た被処理物は、図6の矢印Qに示されるように、還流通路106を通って再処理される。
【0045】
一方、図6の矢印Xで示される方向に流れる冷媒は、図7の矢印Xで示されるように、プレートペア1171−Eの熱交換プレートRの外縁から中心へ向かい貫通するように設けられた孔から熱交換機117に流入し、その後、中心から外縁へ向かい貫通する孔から流れ出てプレートペア1171−Eの熱交換プレートLをバイパスした後、プレートペア1171−Eに隣接するプレートペア1171の熱交換プレートRに流れ込む。これをその後、プレートペア1171−Sに達するまで繰り返す。
【0046】
図7の矢印Yに示されるように、プレートペア1171−Sの熱交換プレートRの外縁部の切り欠きとケーシング105の内面との間に形成される孔から図の左方向に流れ出た冷媒は、図6の矢印Yに示されるように、冷媒の供給源に戻される。
【0047】
上記のような構成の熱交換機117は、ケーシング105内を図の左右方向に流れる被処理物を、その流れの方向に対し垂直方向に流入および流出する冷媒により冷却することを可能とし、冷媒の供給装置と分散機3との間の配管等が容易であるのみならず、被処理物をケーシング105の外部に出すことがなく、インラインで処理することを可能とする点で特に優れている。
【0048】
分散機3によれば、ステータ102−Eから流れ出た被処理物が再度の分散処理を受ける前、もしくは排出される前に熱交換機117により冷却されるため、高熱を発生することがなく、その物性が保たれる。
【0049】
[変形例]
上述した実施例は本発明の技術的思想の範囲内で様々に変形可能である。以下にそのような変形の例を示す。
【0050】
上述した実施例においては、電磁駆動により還流通路106の入り口の隙間が調整されるものとした。これに代えて、手動式、回転油空圧シリンダ、ステッピングモータなど、他の手段により隙間の調整が行われる構成が採用されてもよい。図8は、還流通路106の隙間調整手段としてネジ式の調整手段118が採用された例を示したものである。
【0051】
なお、還流通路106の隙間の形状も設計事項であり、例えば図3に示されるようなテーパー形状や図8に示されるような平面形状など、様々な形状が採用され得る。
【0052】
また、上述した実施例においては、図1および図2に示したように、バネ114が還流バルブ111と吸込み管115との間に設置され、コイル113に通電されている間、本体1111がコイル113側へ移動することで還流通路106を開放し、被処理物を装置内で環流させる構造が採用されている。これに代えて、コイル113に通電されていない間、還流通路106が開放され、通電されている間、還流通路106が閉鎖される構成が採用されてもよい。
【0053】
図9および図10はそのような構成の変形例にかかる分散機4の構造を示した図である。なお、図9は吐出状態の分散機4を、また図10は還流状態の分散機4を示している。分散機4においては、バネ114が吐出バルブ109とステータ102−Sの間に設置され、吐出バルブ109を邪魔板107に向かう方向に付勢している。
【0054】
コイル113に通電がオンされると、本体1111がコイル113から発生される電磁力により図の左方向に移動し、還流バルブ111により還流通路106が閉鎖されると同時に、吐出バルブ109により塞がれていた分級孔1071が開放される。その結果、被処理物が装置から吐出される。
【0055】
一方、コイル113に対する通電がオフされると、還流バルブ111がバネ114の付勢に従い図の右方向に移動し、還流通路106が開放されると同時に、吐出バルブ109により分級孔1071が塞がれる。その結果、被処理物の内循環による複数回の分散処理が行われる。
【0056】
上述した第2実施例の分散機2は、既に述べたように被処理物のうち粒径の小さいものが選択的に分級孔1071へ導かれ外部に吐出され、粒径の大きいものが選択的に還流通路106に導かれ再処理に供される。従って、必ずしも還流バルブ111により還流通路106の閉鎖が行われなくとも、一定の粒度以下に分散された被処理物の吐出が得られる。従って、分散機2に還流バルブ111を設けず、還流通路106を常時開放する構成が採用されてもよい。
【0057】
上述した実施例においては、還流バルブ111に磁性材料で作られた本体1111を設け、その本体1111をコイル111が発生する電磁力により引き寄せることで還流バルブ111を移動させる構成が採用されている。吐出バルブ109が還流バルブ111と互いに固定されている場合、還流バルブ111に磁性材料で作られた部位を設ける代わりに、もしくはそれに加えて、吐出バルブ109に磁性材料で作られた部位を設け、その部位に対しコイル111による電磁力を作用させる構成が採用されてもよい。
【0058】
上述した実施例においては、磁性材料で作られた本体1111は例えば鉄、コバルト、ニッケルなどの強磁性体であり、ケーシング105に固定されたコイル111(望ましくは、磁性体の芯を伴う)により発生される電磁力により本体1111が引き寄せられる構成が採用されている。これに代えて、例えば磁性材料で作られた本体1111を芯としてその周りにコイル111を巻き、ケーシング105に磁性材料の部材を設け、還流バルブ111側において発生される電磁力により還流バルブ111がケーシング105の所定方向に引き寄せられることで、還流通路106の開閉が行われる構成が採用されてもよい。
【0059】
さらに、ケーシング105側と還流バルブ111側の両方にコイルを設け、それらの対向する極性を反対にしてそれらを互いに引き寄せたり、対向する極性を同一にしてそれらを互いに反発させたりすることで、還流バルブ111の移動を行う構成が採用されてもよい。
【0060】
上述した実施例においては、吐出バルブ109は還流バルブ111に固定され、還流バルブ111の移動に伴い、還流バルブ111と直接的に連動して吐出バルブ109が移動する構成が採用されている。この構成は、例えばコイル111等のバルブ開閉機構を1つ設けるだけでよく装置の構成を簡易にする点で望ましい。ただし、例えば装置のレイアウト上の理由等により、還流バルブ111と吐出バルブ109を相互に固定することが困難である場合などは、それらの各々を開閉するためのバルブ開閉機構を個別に設け、それらのバルブ開閉機構間の同期を取ることにより、還流バルブ111と吐出バルブ109の開閉を間接的に連動させる構成が採用されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明は均一かつ微細な分散物を得たい様々な製造業において利用可能である。
【符号の説明】
【0062】
1…分散機、2…分散機、3…分散機、4…分散機、101…ロータ、102…ステータ、104…シャフト、105…ケーシング、106…還流通路、107…邪魔板、109…吐出バルブ、111…還流バルブ、113…コイル、114…バネ、115…吸込み管、116…インデューサ、117…熱交換機、118…調整手段
【技術分野】
【0001】
本発明は回転型乳化分散装置に関する技術である。
【背景技術】
【0002】
回転型乳化分散装置は産業界で広範に使われている。従来の回転型乳化分散装置の多くは、ポンプのように、吸込み口と、ケーシングの中に配置された遠心ポンプ羽根車のような歯の付いた攪拌ロータとを備えている。攪拌ロータが回転すると、被処理物がケーシング内に吸込まれ、攪拌ロータの歯から与えられた遠心力でステータに衝突し粉砕分散攪拌される。さらに、その遠心力で生じた圧力により被処理物は吐出口から排出される。
【0003】
より均一で微細な分散結果を獲得するため、ロータとステータを多段にするか、装置からタンクに排出された被処理物を再び装置に導入することにより、処理回数を複数とする方法が通常使われている。しかしロータおよびステータを多段にすると、多段ポンプのように高圧を要し、メカニカルシールに対する冷却循環水も高圧としなければならず、増圧ポンプが必要になる。また、吐出口からタンクに排出された被処理物を再び装置に導入する場合は、装置がオープンになりインライン生産は出来ないという問題がある。
【0004】
高圧力を発生せず、かつ被処理物を装置内で何回も処理することにより均一で微細な分散結果を獲得するため、本願発明者は特開文献1に開示の内循環式と呼ばれる構造を提案している。特開文献1に開示の方法においては、終段目ロータから出た被処理物は、初段目ステータの内面と外面の間を貫通するように設けられている還流通路を通って初段目ロータの吸込み口に還流して再処理される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−099592号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特開文献1の内循環式による場合、終段目ロータから出た被処理物は、その一部分だけが還流通路を通って初段目ロータの吸込み口に還流し、残りの部分は再処理されないまま装置から吐出される。そのため、一部の被処理物に関し処理が不十分となり得る、という問題が存在する。
【0007】
また、特開文献1の内循環式においては、その還流通路の入り口が分級孔より装置の回転中心側に位置しており、被処理物の比重が溶液より高い場合に、被処理物のうち粒径が大きく重いものは獲得した遠心力が大きいので外側に集まり、ケーシングの内面付近で大きな回転軌道上で回転し、装置の回転中心側に設置された還流通路へ流入できず、その結果、最も再処理を要する粒径の大きいものに関して再処理が行われにくい、という欠点がある。
【0008】
また、特開文献1の内循環式においては、被処理物が装置内で何回も繰返して処理され、被処理物の温度が高くなり、一定の温度を超えると被処理物の質が変化し、物性が破壊されてしまう場合がある、という問題がある。
【0009】
また、分散機のロータは遠心ポンプ羽根車のような構造を備え、高速回転する場合に、ロータの歯にキャビテーションが発生し、被処理物の流れに支障をきたすという問題もある。
【0010】
本発明は、上述した問題を解決し、温度を制御でき、より均一かつ微細な粒度分布性能を得られる分散機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、ケーシング内の初段目ステータと吸込み管との間に、その本体が磁性材料で作られた還流バルブを設置し、還流バルブと吸込み管の間にバネを配置し、バネの力を受け還流バルブが初段目ステータの方へ押付けられ還流通路を閉鎖する構造を備えた分散機を提案する。
【0012】
還流バルブには還流バルブと連動する吐出バルブが固定されている。この吐出バルブは、初段目ステータの還流通路を通って邪魔板に設けられた被処理物排出用の分級孔の内側に設置され、還流バルブがバネの力を受けて初段目ステータの方へ押付ける時、吐出バルブが邪魔板から離れ吐出バルブと分級孔の間に隙間を生じる。その結果、被処理物はその隙間と分級孔を通って排出される。
【0013】
また、ケーシングの吸込み管側の内側にはコイルが固定され、還流バルブの一部分はこのコイルの内側に配置されている。通電が行われるとコイルが電磁力を発生し、電磁力の吸引力によりその本体部分が磁性材料で作られた還流バルブがバネの力を克服して初段目ステータから離れ還流通路を開くと同時に、還流バルブに固定された吐出バルブが吐出側の邪魔板の方へ移動し、分級孔を閉鎖する。これにより被処理物が排出されること無くその全体が還流通路を通って再処理される。
【0014】
コイル11の電源がオフされると、電磁力がなくなり還流バルブは再びバネの付勢に従い初段目ステータの方へ移動し還流通路を閉鎖すると同時に、還流バルブに固定された吐出バルブが邪魔板から離れるように装置の内側へ移動し、分級孔が開放されて被処理物が分級孔から排出される。
【0015】
コイルの電源をオフする時間をコントロールすることにより、再処理した被処理物分だけを断続的に排出する事が出来る。十分に処理された被処理物が排出されると、再びコイルに通電をして内循環処理を行うことができる。このように処理を必要な時間だけ繰返すことにより、均一かつ微細な分散処理効果が得られる。
【0016】
また、被処理物の比重が溶液より高い場合に、初段目ステータの還流通路の入り口を構成する部分の外面を大きくケーシングの内面に近づくまで伸ばし、分級孔は出来るだけ装置中心の側へ設置することが望ましい。これにより、回転径の大きい軌道上を回転する粒径の大きい重い被処理物はこのケーシングの内面近くまで伸びた還流通路の入り口から還流され再処理されるようになる。その一方で、回転径が小さい細かく軽い被処理物は装置回転中心側に設置した分級孔から排出される。
【0017】
また、ケーシングの内面とステータの外面との間に形成される、終段目ステータの吐出口から初段目ステータの還流通路入り口までを繋ぐ流路の間に、多層プレート型の熱交換機を設置することにより、繰り返し処理され熱を発する被処理物の冷却が行われる。その結果、被処理物の物性が保たれる。
【0018】
また、キャビテーションを防ぐ方法として、初段目ロータの前にインデューサを設置し、ロータに入る前の被処理物にインデューサにより一定の圧力を加えられる。その結果、キャビテーションの発生が防止される。
【発明の効果】
【0019】
上述したように、本発明によれば、電磁駆動式の連動する還流バルブと吐出バルブを設置することにより、非処理物全体を再処理する事ができるため、より均一かつ微細な分散効果が得られる。また、本発明の望ましい一態様によれば、初段目ステータの還流通路入り口を構成する部分の外面を大きくケーシングの内面の近くまで伸ばすことにより、被処理物の比重が溶液より高い場合でも粒径の大きいものの再処理を行うことができる。また、本発明の他の望ましい一態様によれば、終段目ステータから初段目ステータの還流通路入り口の間に熱交換機を設置することにより、再処理する前の被処理物を冷却可能であるため、繰返して再処理しても高熱を発生することがなく被処理物の物性を保つ事が出来る。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第1実施例にかかる電磁弁式通電時環流の分散機(電源オン状態)の構造図である。
【図2】本発明の第1実施例にかかる電磁弁式通電時環流の分散機(電源オフ状態)の構造図である。
【図3】本発明の第2実施例にかかる被処理物比重が溶液より高い場合に対応した分散機の構造図である。
【図4】本発明の第2実施例にかかる初段目ステータの構造図である。
【図5】本発明の第2実施例にかかる終段目ステータの構造図である。
【図6】本発明の第3実施例にかかる熱交換器を設置した分散機の構造図である。
【図7】本発明の第3実施例にかかる熱交換器の構造図である。
【図8】本発明の一変形例にかかる還流隙間が平面形状の分散機の構造図である。
【図9】本発明の一変形例にかかる電磁弁式通電時吐出の分散機(電源オン状態)の構造図である。
【図10】本発明の一変形例にかかる電磁弁式通電時吐出の分散機(電源オフ状態)の構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[第1実施例]
図1および図2は、本発明の第1実施例にかかる分散機1の構造を示した図である。なお、図1は還流状態の分散機1を、また図2は吐出状態の分散機1を示している。
【0022】
分散機1は、ベースに固定されたケーシング105と、ケーシング105に固定されたステータ102を備えている。また、分散機1は、ケーシング105の中に配置され自由回転可能なシャフト104と、シャフト104に着装されシャフト104と共に回転するロータ101を備えている。
【0023】
ロータ101とステータ102の各々の数は任意の自然数である。図1および図2においては、この数が3である場合が示されている。以下、初段目のロータ101およびステータ102を各々、ロータ101−Sおよびステータ102−Sとし、終段目のロータ101およびステータ102を各々、ロータ101−Eおよびステータ102−Eとする。
【0024】
ステータ102−Sの前には、ステータ102−Sの内面と外面を貫通するように還流通路106が設けられており、ロータ101−Eから出た被処理物は還流通路106を通ってロータ101−Sの吸込み口へ戻ることができる。
【0025】
ステータ102−Sと吸込み管115との間には、還流バルブ111が配置されている。還流バルブ111の本体1111は磁性材料で作られており、還流バルブ111と吸込み管115との間にはバネ114が配置されている。バネ114は、図における左右に開く方向に付勢し、バネ114の力を受けた還流バルブ111がステータ102−Sの方へ押付けられることで還流通路106を閉鎖する。
【0026】
還流バルブ111には、還流バルブ111と連動する吐出バルブ109が固定されている。吐出バルブ109はステータ102−Sの還流通路106を通って邪魔板107に設けられた被処理物排出用の分級孔1071の内側に設置され、還流バルブ111がバネ114の力を受けてステータ102−Sの方へ押付けられる時、吐出バルブ109は邪魔板107から離れ、吐出バルブ109と分級孔1071との間に隙間が生じて被処理物がその隙間と分級孔1071を通って排出される構造となっている。
【0027】
ケーシング105の吸込み側の内側にはコイル113が固定され、還流バルブ111の本体1111はコイル113の内側に配置されている。コイル113に対する通電がオンされるとコイル113が電磁力を発生し、電磁力の作用で還流バルブ111がバネ114の力を克服してステータ102−Sから離れ、還流通路106が開放される。同時に、還流バルブ111に固定されている吐出バルブ109が吐出側の邪魔板107の方へ移動し、分級孔1071が封鎖される。これにより被処理物が排出されること無く、その全体が還流通路106を通って再処理される。
【0028】
コイル113に対する通電がオフされると、電磁力が失われ還流バルブ111は再びバネ114の力でステータ102−Sの方へ移動し還流通路106を閉鎖すると同時に、還流バルブ111に固定された吐出バルブ109が邪魔板107から離れ装置の内側へ移動することで分級孔1071が開放され、被処理物が分級孔1071から排出される。
【0029】
コイル113の電源をオフして十分に処理が完了した被処理物を排出した後、コイル113の電源をオンすることで内循環再処理を再開できる。このように、電源のオン・オフを繰返すことで、均一かつ微細な分散処理の施された被処理物を継続的に生成することができる。
【0030】
なお、図1および図2に示すように、キャビテーションを防ぐ手段として、ロータ101−Sの前にインデューサ116を設置する構成が採用されてもよい。吸込み管115または還流通路106から入った被処理物がロータ101−Sに入る前にインデューサ116を通り、そこで所定の圧力を加えられることで、ロータ101におけるキャビテーションの発生が防止される。
【0031】
[第2実施例]
図3は本発明の第2実施例にかかる分散機2の構造を示した図である。分散機2は多くの点で分散機1と共通しているため、以下に分散機2が分散機1と異なる点を中心に説明する。また、図において分散機2が分散機1と共通に備える構成部に関しては、同じ符号が付されている。第3実施例および変形例に関しても同様である。
【0032】
分散機2においては、ステータ102−Sの還流通路106の入り口を構成する部分の外面が、大きくケーシング105の内面近くまで伸びている。これは、粒径の大きいものを優先的に再処理することを可能とするためである。
【0033】
一般的に、攪拌分散された被処理物はケーシング105内で回転しながら吐出口へ流れるが、その分散分布状態、すなわち回転径は被処理物の粒径により異なる。被処理物の比重が溶液より高い場合、粒径の大きい重いものは獲得する遠心力が大きいので、その回転径も大きく、すなわちケーシング105の内面付近に多く分布する。
【0034】
分散機2の還流通路106の入り口はケーシング105の内面付近で開口しているため、回転径の大きい軌道上を回転している粒径の大きい重い被処理物は内面付近で開口している還流通路106の入り口から還流され再処理される。一方、分級孔1071はなるべく装置の回転中心側に設置することが望ましい。そうすることで、回転径が小さい細かく軽い被処理物は回転中心側に設置された分級孔1071から優先的に排出される。
【0035】
図4は第2実施例にかかるステータ102−Sを示した図である。また、図5はステータ102−Eを示した図である。ステータ102−Sはケーシング105の内側付近まで大きく拡がる鍔状部1021を備えている。鍔状部1021には鍔状部1021とケーシング105の内面との間を通った被処理物を還流通路106の入り口へと導く流路1022が、鍔状部1021の外周から中心に向かう方向に複数設けられている。粒径の大きい被処理物は主にこの流路1022を通って還流通路106へと導かれ、再処理を施される。
【0036】
また、鍔状部1021の中心寄りの位置には、図の左右方向に貫通し、ケーシング105の内面とステータ102の外面との間に形成される被処理物の流路と邪魔板107に設けられた分級孔1071とを連結する流路1023が複数設けられている。粒径の小さい被処理物は主にこの流路1023を通って分級孔1071へと導かれた後、分散機2の外部へと排出される。
【0037】
なお、分散機2は上述したように被処理物のうち粒径の小さいものが選択的に分級孔1071へ導かれ外部に吐出され、粒径の大きいものが選択的に還流通路106に導かれ再処理に供されるため、還流バルブ111が開放されている間、必ずしも吐出バルブ109により分級孔1071を塞ぎ吐出通路を閉鎖しなくても一定の粒度以下に分散された被処理物の吐出が得られる。そのような理由で、図3に示される分散機2には吐出バルブ109が設けられていない。ただし、より高い精度で微細な粒度の被処理物を得たい場合には、分散機2に対し吐出バルブ109を設けてもよい。
【0038】
[第3実施例]
図6は本発明の第3実施例にかかる分散機3の構造を示した図である。分散機3においては、ケーシング105の内面とステータ102の外面との間に形成される流路上、すなわちステータ102−Eからステータ102−Sへと還流する被処理物の流路上に、熱交換機117が配置されている。
【0039】
図7は熱交換機117の構造を示した図である。ただし、図7においては、プレートの中心を図の左右方向に貫通する孔の直径が小さく記載されており、図6に示される分散機3において採用される熱交換機117は、孔の直径がプレートの全直径の概ね半分程度に大きい。その孔の内側にステータ102、ロータ101、シャフト104等の分散機構が収納される。
【0040】
熱交換機117は複数の熱交換プレートが図の左右方向に積層された構造を備えている。複数の熱交換プレートは互いに隣接する2枚で一組をなし、各々、プレートペア1171−S、プレートペア1171−2、プレートペア1171−3、・・・、プレートペア1171−Eを構成する。ただし、プレートペア1171−Sはステータ102−Eからステータ102−Sと還流する被処理物の流路の最上流側に配置されるプレートペア1171を、またプレートペア1171−Eは最下流側に配置されるプレートペア1171を意味する。
【0041】
プレートペア1171の各々は、被処理物の流路を形成する図の左側に位置する熱交換プレートLと、被処理物を冷却する冷媒の流路を形成する図の右側に位置する熱交換プレートRにより構成されている。
【0042】
図6の矢印Pで示される方向に流れる被処理物は、図7の矢印Pで示されるように、プレートペア1171−Sの熱交換プレートLの厚さ方向を貫通するように設けられた孔から熱交換機117に流入し、プレートペア1171−Sの熱交換プレートRをバイパスした後、プレートペア1171−2の熱交換プレートLに受け止められる。
【0043】
プレートペア1171−2の熱交換プレートLに受け止められた被処理物はその熱交換プレートLの面に沿って円を描くように流れた後、プレートペア1171−2の熱交換プレートLの孔からプレートペア1171−2の熱交換プレートRをバイパスしてプレートペア1171−3の熱交換プレートLに向かい流れる。これをその後、プレートペア1171−3〜プレートペア1171−Eに関し繰り返す。
【0044】
図7の矢印Qに示されるように、プレートペア1171−Eの熱交換プレートLの孔からプレートペア1171−Eの熱交換プレートRをバイパスして図の右方向に流れ出た被処理物は、図6の矢印Qに示されるように、還流通路106を通って再処理される。
【0045】
一方、図6の矢印Xで示される方向に流れる冷媒は、図7の矢印Xで示されるように、プレートペア1171−Eの熱交換プレートRの外縁から中心へ向かい貫通するように設けられた孔から熱交換機117に流入し、その後、中心から外縁へ向かい貫通する孔から流れ出てプレートペア1171−Eの熱交換プレートLをバイパスした後、プレートペア1171−Eに隣接するプレートペア1171の熱交換プレートRに流れ込む。これをその後、プレートペア1171−Sに達するまで繰り返す。
【0046】
図7の矢印Yに示されるように、プレートペア1171−Sの熱交換プレートRの外縁部の切り欠きとケーシング105の内面との間に形成される孔から図の左方向に流れ出た冷媒は、図6の矢印Yに示されるように、冷媒の供給源に戻される。
【0047】
上記のような構成の熱交換機117は、ケーシング105内を図の左右方向に流れる被処理物を、その流れの方向に対し垂直方向に流入および流出する冷媒により冷却することを可能とし、冷媒の供給装置と分散機3との間の配管等が容易であるのみならず、被処理物をケーシング105の外部に出すことがなく、インラインで処理することを可能とする点で特に優れている。
【0048】
分散機3によれば、ステータ102−Eから流れ出た被処理物が再度の分散処理を受ける前、もしくは排出される前に熱交換機117により冷却されるため、高熱を発生することがなく、その物性が保たれる。
【0049】
[変形例]
上述した実施例は本発明の技術的思想の範囲内で様々に変形可能である。以下にそのような変形の例を示す。
【0050】
上述した実施例においては、電磁駆動により還流通路106の入り口の隙間が調整されるものとした。これに代えて、手動式、回転油空圧シリンダ、ステッピングモータなど、他の手段により隙間の調整が行われる構成が採用されてもよい。図8は、還流通路106の隙間調整手段としてネジ式の調整手段118が採用された例を示したものである。
【0051】
なお、還流通路106の隙間の形状も設計事項であり、例えば図3に示されるようなテーパー形状や図8に示されるような平面形状など、様々な形状が採用され得る。
【0052】
また、上述した実施例においては、図1および図2に示したように、バネ114が還流バルブ111と吸込み管115との間に設置され、コイル113に通電されている間、本体1111がコイル113側へ移動することで還流通路106を開放し、被処理物を装置内で環流させる構造が採用されている。これに代えて、コイル113に通電されていない間、還流通路106が開放され、通電されている間、還流通路106が閉鎖される構成が採用されてもよい。
【0053】
図9および図10はそのような構成の変形例にかかる分散機4の構造を示した図である。なお、図9は吐出状態の分散機4を、また図10は還流状態の分散機4を示している。分散機4においては、バネ114が吐出バルブ109とステータ102−Sの間に設置され、吐出バルブ109を邪魔板107に向かう方向に付勢している。
【0054】
コイル113に通電がオンされると、本体1111がコイル113から発生される電磁力により図の左方向に移動し、還流バルブ111により還流通路106が閉鎖されると同時に、吐出バルブ109により塞がれていた分級孔1071が開放される。その結果、被処理物が装置から吐出される。
【0055】
一方、コイル113に対する通電がオフされると、還流バルブ111がバネ114の付勢に従い図の右方向に移動し、還流通路106が開放されると同時に、吐出バルブ109により分級孔1071が塞がれる。その結果、被処理物の内循環による複数回の分散処理が行われる。
【0056】
上述した第2実施例の分散機2は、既に述べたように被処理物のうち粒径の小さいものが選択的に分級孔1071へ導かれ外部に吐出され、粒径の大きいものが選択的に還流通路106に導かれ再処理に供される。従って、必ずしも還流バルブ111により還流通路106の閉鎖が行われなくとも、一定の粒度以下に分散された被処理物の吐出が得られる。従って、分散機2に還流バルブ111を設けず、還流通路106を常時開放する構成が採用されてもよい。
【0057】
上述した実施例においては、還流バルブ111に磁性材料で作られた本体1111を設け、その本体1111をコイル111が発生する電磁力により引き寄せることで還流バルブ111を移動させる構成が採用されている。吐出バルブ109が還流バルブ111と互いに固定されている場合、還流バルブ111に磁性材料で作られた部位を設ける代わりに、もしくはそれに加えて、吐出バルブ109に磁性材料で作られた部位を設け、その部位に対しコイル111による電磁力を作用させる構成が採用されてもよい。
【0058】
上述した実施例においては、磁性材料で作られた本体1111は例えば鉄、コバルト、ニッケルなどの強磁性体であり、ケーシング105に固定されたコイル111(望ましくは、磁性体の芯を伴う)により発生される電磁力により本体1111が引き寄せられる構成が採用されている。これに代えて、例えば磁性材料で作られた本体1111を芯としてその周りにコイル111を巻き、ケーシング105に磁性材料の部材を設け、還流バルブ111側において発生される電磁力により還流バルブ111がケーシング105の所定方向に引き寄せられることで、還流通路106の開閉が行われる構成が採用されてもよい。
【0059】
さらに、ケーシング105側と還流バルブ111側の両方にコイルを設け、それらの対向する極性を反対にしてそれらを互いに引き寄せたり、対向する極性を同一にしてそれらを互いに反発させたりすることで、還流バルブ111の移動を行う構成が採用されてもよい。
【0060】
上述した実施例においては、吐出バルブ109は還流バルブ111に固定され、還流バルブ111の移動に伴い、還流バルブ111と直接的に連動して吐出バルブ109が移動する構成が採用されている。この構成は、例えばコイル111等のバルブ開閉機構を1つ設けるだけでよく装置の構成を簡易にする点で望ましい。ただし、例えば装置のレイアウト上の理由等により、還流バルブ111と吐出バルブ109を相互に固定することが困難である場合などは、それらの各々を開閉するためのバルブ開閉機構を個別に設け、それらのバルブ開閉機構間の同期を取ることにより、還流バルブ111と吐出バルブ109の開閉を間接的に連動させる構成が採用されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明は均一かつ微細な分散物を得たい様々な製造業において利用可能である。
【符号の説明】
【0062】
1…分散機、2…分散機、3…分散機、4…分散機、101…ロータ、102…ステータ、104…シャフト、105…ケーシング、106…還流通路、107…邪魔板、109…吐出バルブ、111…還流バルブ、113…コイル、114…バネ、115…吸込み管、116…インデューサ、117…熱交換機、118…調整手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部から駆動され一の軸の周りを回転し、前記一の軸に沿った一の方向に突起した1以上の歯を有する1以上のロータと、
前記1以上のロータの各々と対になる1以上のステータであって、前記ロータの前記1以上の歯が突起する側の外面に対向する外面を有し、前記1以上の歯を挟んで前記ロータとの間に隙間を形成し、前記一の軸の周りに回転しない1以上のステータと、
前記1以上のロータと前記1以上のステータとを格納し、被処理物の外部からの流入を許容する吸込み口と、被処理物の外部への流出を許容する吐出口とを有するケーシングと、
前記吸込み口から流入し前記1以上のロータと前記1以上のステータとの間に各々形成される隙間を通って移動し前記移動の方向の最下流に位置するロータおよびステータの対の間に形成される隙間から流出した被処理物を、前記移動の方向と反対の方向に導く逆流流路と、
前記逆流流路を通って前記移動の方向の上流側に導かれた被処理物を、前記移動の方向の最上流に位置するロータおよびステータの対の間に形成される隙間へと導く還流通路と、
前記移動の方向の最下流に位置するロータおよびステータの対の間に形成される隙間から流出した被処理物を前記吐出口へと導く吐出通路と、
前記還流通路を選択的に開放および閉鎖する還流バルブと
を備える回転型分散装置。
【請求項2】
前記還流バルブと連動し、前記還流バルブが前記還流通路を開放している間は前記吐出通路を閉鎖し、前記還流バルブが前記還流通路を閉鎖している間は前記吐出通路を開放する吐出バルブ
を備える請求項1に記載の回転型分散装置。
【請求項3】
前記還流バルブおよび前記吐出バルブの少なくとも一方は磁性材料で作られた磁性部を有し、
前記還流バルブを、前記還流通路を開放する状態と前記還流通路を閉鎖する状態とのうちのいずれか一方の状態となるように、前記還流バルブを所定の方向に付勢する付勢機構と、
電力の供給を受けて、前記付勢機構により生じる付勢を克服して前記還流バルブを移動させる電磁力を発生するコイルと
を備える請求項1または2に記載の回転型分散装置。
【請求項4】
前記付勢機構はバネを有する
請求項3に記載の回転型分散装置。
【請求項5】
前記還流通路を開放する状態と前記還流通路を閉鎖する状態との間を移行するように、前記還流バルブを移動させるバルブ開閉機構と、
前記バルブ開閉機構を用いて前記還流バルブを移動させるための駆動を行う回転油空圧シリンダもしくはステッピングモータと
を備える請求項1または2に記載の回転型分散装置。
【請求項6】
前記逆流通路を通って前記移動の方向の上流側に導かれた被処理物が前記還流通路に流れ込む場所である還流口が、前記移動の方向の最下流に位置するロータおよびステータの対の間に形成される隙間から流出した被処理物が前記吐出通路に流れ込む場所である吐出口よりも、前記一の軸から遠い位置に配置されている
請求項1乃至5のいずれかに記載の回転型分散装置。
【請求項7】
前記還流口は、前記移動の方向の最上流に位置するステータの前記ケーシングの内面と対向する面である外側面と前記ケーシングの内面との間に形成される隙間であり、
前記吐出口は、前記移動の方向の最上流に位置するステータに前記移動の方向に沿った方向に貫通するように設けられた貫通孔である
請求項6に記載の回転型分散装置。
【請求項8】
前記移動の方向の最上流に位置するロータおよびステータの対の間に形成される隙間より前記移動の方向の上流側に配置されたインデューサを備える
請求項1乃至7のいずれかに記載の回転型分散装置。
【請求項9】
前記ケーシングと前記1以上のステータとの間に形成される空間に前記移動の方向に積層された複数枚の熱交換プレートを有する熱交換器を備え、
前記熱交換器は、前記複数枚の熱交換プレートのうち互いに隣接する2枚の熱交換プレートの間に形成される複数の中空部のうち2m番目の中空部(ただし、mは任意の自然数)を順次連結する1以上の第1のバイパスと、前記複数枚の熱交換プレートのうち互いに隣接する2枚の熱交換プレートの間に形成される複数の中空部のうち(2m−1)番目の中空部(ただし、mは任意の自然数)を順次連結する1以上の第2のバイパスとを有し、
前記1以上の第1のバイパスにより順次連結された前記2m番目の中空部および前記1以上の第2のバイパスにより順次連結された前記(2m−1)番目の中空部のうちいずれか一方が、被処理物の流路を構成し、
前記1以上の第1のバイパスにより順次連結された前記2m番目の中空部および前記1以上の第2のバイパスにより順次連結された前記(2m−1)番目の中空部のうち被処理物の流路を構成しない一方が、外部から流入され外部へと流出される冷媒の流路を構成する
請求項1乃至8のいずれかに記載の回転型分散装置。
【請求項1】
外部から駆動され一の軸の周りを回転し、前記一の軸に沿った一の方向に突起した1以上の歯を有する1以上のロータと、
前記1以上のロータの各々と対になる1以上のステータであって、前記ロータの前記1以上の歯が突起する側の外面に対向する外面を有し、前記1以上の歯を挟んで前記ロータとの間に隙間を形成し、前記一の軸の周りに回転しない1以上のステータと、
前記1以上のロータと前記1以上のステータとを格納し、被処理物の外部からの流入を許容する吸込み口と、被処理物の外部への流出を許容する吐出口とを有するケーシングと、
前記吸込み口から流入し前記1以上のロータと前記1以上のステータとの間に各々形成される隙間を通って移動し前記移動の方向の最下流に位置するロータおよびステータの対の間に形成される隙間から流出した被処理物を、前記移動の方向と反対の方向に導く逆流流路と、
前記逆流流路を通って前記移動の方向の上流側に導かれた被処理物を、前記移動の方向の最上流に位置するロータおよびステータの対の間に形成される隙間へと導く還流通路と、
前記移動の方向の最下流に位置するロータおよびステータの対の間に形成される隙間から流出した被処理物を前記吐出口へと導く吐出通路と、
前記還流通路を選択的に開放および閉鎖する還流バルブと
を備える回転型分散装置。
【請求項2】
前記還流バルブと連動し、前記還流バルブが前記還流通路を開放している間は前記吐出通路を閉鎖し、前記還流バルブが前記還流通路を閉鎖している間は前記吐出通路を開放する吐出バルブ
を備える請求項1に記載の回転型分散装置。
【請求項3】
前記還流バルブおよび前記吐出バルブの少なくとも一方は磁性材料で作られた磁性部を有し、
前記還流バルブを、前記還流通路を開放する状態と前記還流通路を閉鎖する状態とのうちのいずれか一方の状態となるように、前記還流バルブを所定の方向に付勢する付勢機構と、
電力の供給を受けて、前記付勢機構により生じる付勢を克服して前記還流バルブを移動させる電磁力を発生するコイルと
を備える請求項1または2に記載の回転型分散装置。
【請求項4】
前記付勢機構はバネを有する
請求項3に記載の回転型分散装置。
【請求項5】
前記還流通路を開放する状態と前記還流通路を閉鎖する状態との間を移行するように、前記還流バルブを移動させるバルブ開閉機構と、
前記バルブ開閉機構を用いて前記還流バルブを移動させるための駆動を行う回転油空圧シリンダもしくはステッピングモータと
を備える請求項1または2に記載の回転型分散装置。
【請求項6】
前記逆流通路を通って前記移動の方向の上流側に導かれた被処理物が前記還流通路に流れ込む場所である還流口が、前記移動の方向の最下流に位置するロータおよびステータの対の間に形成される隙間から流出した被処理物が前記吐出通路に流れ込む場所である吐出口よりも、前記一の軸から遠い位置に配置されている
請求項1乃至5のいずれかに記載の回転型分散装置。
【請求項7】
前記還流口は、前記移動の方向の最上流に位置するステータの前記ケーシングの内面と対向する面である外側面と前記ケーシングの内面との間に形成される隙間であり、
前記吐出口は、前記移動の方向の最上流に位置するステータに前記移動の方向に沿った方向に貫通するように設けられた貫通孔である
請求項6に記載の回転型分散装置。
【請求項8】
前記移動の方向の最上流に位置するロータおよびステータの対の間に形成される隙間より前記移動の方向の上流側に配置されたインデューサを備える
請求項1乃至7のいずれかに記載の回転型分散装置。
【請求項9】
前記ケーシングと前記1以上のステータとの間に形成される空間に前記移動の方向に積層された複数枚の熱交換プレートを有する熱交換器を備え、
前記熱交換器は、前記複数枚の熱交換プレートのうち互いに隣接する2枚の熱交換プレートの間に形成される複数の中空部のうち2m番目の中空部(ただし、mは任意の自然数)を順次連結する1以上の第1のバイパスと、前記複数枚の熱交換プレートのうち互いに隣接する2枚の熱交換プレートの間に形成される複数の中空部のうち(2m−1)番目の中空部(ただし、mは任意の自然数)を順次連結する1以上の第2のバイパスとを有し、
前記1以上の第1のバイパスにより順次連結された前記2m番目の中空部および前記1以上の第2のバイパスにより順次連結された前記(2m−1)番目の中空部のうちいずれか一方が、被処理物の流路を構成し、
前記1以上の第1のバイパスにより順次連結された前記2m番目の中空部および前記1以上の第2のバイパスにより順次連結された前記(2m−1)番目の中空部のうち被処理物の流路を構成しない一方が、外部から流入され外部へと流出される冷媒の流路を構成する
請求項1乃至8のいずれかに記載の回転型分散装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2012−200710(P2012−200710A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−70307(P2011−70307)
【出願日】平成23年3月28日(2011.3.28)
【出願人】(308036228)中外ハイテック有限会社 (3)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月28日(2011.3.28)
【出願人】(308036228)中外ハイテック有限会社 (3)
【Fターム(参考)】
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