説明

回転工具用治具

【課題】作業効率を低下させることなく、締付け対象の仮挿入を確実に行うことができる回転工具用治具を提供する。
【解決手段】回転工具用治具10は、ハウジング11と、装着部12と、ビット13と、回転伝達部14とを備える。装着部12は、ハウジング11によって、回転軸周りに回転自在に支承される。ビット13は、装着部12の軸方向前方に配設され、ハウジング11によって、回転軸周りに回転自在に支承される。回転伝達部14は、装着部12に対し軸方向前方に向かって所定以上の押圧力が印加されると、装着部12とビット13とを回転方向に結合し、所定以上の押圧力が印加されない状態では、回転方向の結合を解除する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転工具用治具に関し、更に詳しくは、ねじ締め等を行う際に使用される回転工具用治具に関する。
【背景技術】
【0002】
ねじ等の締付け対象は、回転工具を用いて締め付けられる。電動回転工具(以下、電動工具)としては、例えば、締付け対象と係合するドライバービットが、主軸の先端に取り付けられたものが知られている。電動工具では、モータで発生するトルクが主軸に伝達され、ドライバービットがトルクに従い回転し、締付け対象を締め付ける。
【0003】
特許文献1には、ボックスビット及びドライバービットを備えた自動ねじ締め機が記載されている。ボックスビットは、スクリューガイドに常時内包されており、締付け対象である六角ボルトの頭部の外周に係合可能な係合穴を有している。スクリューガイドは、真空ポンプ等で発生する吸引力により、六角ボルトを吸引する。ボックスビットは、モータで発生するトルクに従い回転可能であり、かつ、エアシリンダの伸縮方向への移動に従い往復移動可能である。ドライバービットは、ボックスビットに対して回転自在かつ摺動自在に取り付けられており、先端が、六角ボルトの頭部の上面に形成された十字状の駆動穴に係合する。このため、自動ねじ締め機では、ボックスビットだけでなく、ドライバービットでも締め付けが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−158249号公報(図1、図2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ねじ締め作業では、ねじを捻じ込んでいる途中で、ねじがねじ穴に傾いて挿入され、それ以上の回転ができないこと(噛み込み)がある。これを回避するために、ねじ締め作業では、ねじをねじ穴に倣わせる仮挿入の作業が必要となる。締付け対象のねじを仮挿入する作業としては、例えば、電動工具を一旦持ち替えて或いは脇に置いて、ねじを手で予め仮挿入する方法や、電動工具の電源を短時間だけONに切り替えて、ビットを僅かに回転させて仮挿入する方法が採用されている。
【0006】
しかし、ねじを手で予め仮挿入する方法では、ねじ締め作業を連続して行う場合には、電動工具を一旦持ち替える等のため、作業効率が低下するという問題があった。また、電源を短時間だけONに切替える方法では、電源ONの加減(タイミングや時間)が難しく、仮挿入の段階でねじの噛み込みが発生する場合がある。
【0007】
特許文献1では、スクリューガイド内に締付け対象を吸引して、ボックスビットの係合穴或いはドライバービットの先端に、締付け対象の頭部を係合させることで、締付け対象の姿勢を正しく保つとしている。しかし、特許文献1に記載の技術では、締付け対象を吸引する真空ポンプ等の吸引機構が必要となり、構造が複雑となる。さらに、締付け対象がスクリューガイド内に吸引されるので、締付け対象の姿勢が実際に正しく保たれているかを確認することが困難となる。
【0008】
本発明は、作業効率を低下させることなく、締付け対象の仮挿入を確実に行うことができる回転工具用治具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明は、第1の態様において、ハウジングと、
前記ハウジングによって、回転軸周りに回転自在に支承される装着部と、
前記装着部の軸方向前方に配設され、前記ハウジングによって、前記回転軸周りに回転自在に支承されるビットと、
前記装着部に対し前記軸方向前方に向かって所定以上の押圧力が印加されると、前記装着部と前記ビットとを回転方向に結合し、前記所定以上の押圧力が印加されない状態では、前記回転方向の結合を解除する回転伝達部とを備える回転工具用治具を提供する。
【0010】
また、本発明は、第2の態様において、ハウジングと、
前記ハウジングによって、回転軸周りに回転自在に支承される装着部と、
前記装着部の軸方向前方に配設され、前記ハウジングによって、前記回転軸周りに回転自在に支承されるビットと、
前記装着部の一方方向の回転について前記装着部と前記ビットとを回転方向に結合し、前記装着部の前記一方方向と逆方向の回転について前記装着部と前記ビットの回転方向の結合を解除する回転伝達部とを備える回転工具用治具を提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明の回転工具用治具では、作業効率を低下させることなく、締付け対象の仮挿入を確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】(a)及び(b)は、本発明の第1の実施形態に係る回転工具用治具の構成を示す図。
【図2】(a)及び(b)は、回転工具用治具の装着部の構成を示す図。
【図3】(a)及び(b)は、回転工具用治具のビットの構成を示す図。
【図4】回転工具用治具を用いてねじを仮挿入する際の動作を示す図。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る回転工具用治具の構成を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の第1の態様の回転工具用治具は、最小構成として、ハウジングと、装着部と、ビットと、回転伝達部とを備える。装着部は、前記ハウジングによって、回転軸周りに回転自在に支承される。ビットは、前記装着部の軸方向前方に配設され、前記ハウジングによって、前記回転軸周りに回転自在に支承される。回転伝達部は、前記装着部に対し前記軸方向前方に向かって所定以上の押圧力が印加されると、前記装着部と前記ビットとを回転方向に結合し、前記所定以上の押圧力が印加されない状態では、前記回転方向の結合を解除する。
【0014】
上記回転工具用治具では、回転伝達部が、押圧力の印加によって装着部とビットとを回転方向に結合し、また、押圧力が印加されない状態では回転方向の結合を解除する。回転方向の結合が解除された状態では、ハウジングによって支承されたビットは、装着部とは独立して回転軸周りに回転自在となる。
【0015】
ここで、回転工具用治具を用いて、ねじ等の締付け対象を締め付ける或いは捻じ込む場合を想定する。この場合には、トルクを発生する回転工具に、回転工具用治具が装着部を介して取り付けられる。このため、装着部は、回転工具から印加されるトルクに従い回転することになる。一方、ビットは、上記したように、装着部との回転方向の結合が解除された状態では、装着部とは独立して回転軸周りに回転自在となる。この状態で、ビットと締付け対象とを係合し、ビットを手動で回転させると、締付け対象の仮挿入を行うことができる。続いて、仮挿入を行った後に、装着部に対して押圧力を印加すると、装着部とビットとが回転方向に結合される。この結合された状態で、回転工具にトルクを発生させると、ビットが装着部と共にトルクに従い回転し、締付け対象の本締めを行うことができる。従って、締付け対象の仮挿入を確実に行った後に、迅速かつ円滑に本締め作業を行うことができ、作業効率が低下することがない。
【0016】
また、本発明の第2の態様の回転工具用治具は、最小構成として、ハウジングと、装着部と、ビットと、回転伝達部とを備える。装着部は、前記ハウジングによって、回転軸周りに回転自在に支承される。ビットは、前記装着部の軸方向前方に配設され、前記ハウジングによって、前記回転軸周りに回転自在に支承される。回転伝達部は、前記装着部の一方方向の回転について前記装着部と前記ビットとを回転方向に結合し、前記装着部の前記一方方向と逆方向の回転について前記装着部と前記ビットの回転方向の結合を解除する。
【0017】
上記回転工具用治具では、回転伝達部が、装着部の一方方向の回転について装着部とビットとを回転方向に結合し、また、装着部の逆方向の回転について回転方向の結合を解除する。つまり、ビットは、装着部が静止した状態では、装着部とは独立して回転軸周りに一方方向に回転自在となる。なお、この一方方向は、締付け対象を締め付ける方向と一致している。
【0018】
ここで、回転工具用治具を用いて、締付け対象を締め付ける或いは捻じ込む場合を想定する。この場合には、回転工具用治具が装着部を介して回転工具に装着されるので、装着部は、回転工具から印加されるトルクに従い回転することになる。一方、ビットは、上記したように、装着部が静止した状態では一方方向の回転について、装着部との回転方向の結合が解除された状態にあるので、ビットと締付け対象とを係合し、ビットを手動で一方方向に回転させると、締付け対象の仮挿入を行うことができる。続いて、仮挿入を行った後で、装着部を一方方向に回転させると、装着部とビットとが回転方向に結合するので、ビットが装着部と共にトルクに従い回転し、締付け対象の本締めを行うことができる。従って、上記同様に、締付け対象の仮挿入を確実に行った後に、迅速かつ円滑に本締め作業を行うことができ、作業効率が低下することがない。
【0019】
以下、図面を参照し、本発明の例示的な実施の形態について詳細に説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る回転工具用治具の一部を断面で示す側面図であり、図1(a)は押圧力が印加されない状態、図1(b)は押圧力が印加された状態をそれぞれ示す図である。回転工具用治具10は、ねじ等の締付け対象を締め付ける際に、例えば、トルクを発生する電動工具に装着される。回転工具用治具10は、ハウジング11と、装着部12と、ビット13と、回転伝達部14と、ノブ15とを備える。
【0020】
以下、図1〜図3を参照して各部材を具体的に説明する。図2(a)は、装着部12の側面図であり、また、図2(b)は、装着部12を図2(a)の矢印方向から見た状態で示す底面図である。図3(a)は、ビット13の一部を断面で示す側面図であり、また、図3(b)は、ビット13を図3(a)の矢印方向から見た状態で示す底面図である。装着部12は、軸方向後方(図中、上方)で電動工具に装着され、また、軸方向前方(図中、下方)でハウジング11によって、回転軸周りに回転自在に支承されている。装着部12の軸方向前端部には、第1の冠歯車(クラウンギア)16が形成されている。
【0021】
ビット13は、装着部12の軸方向前方に配設され、ハウジング11によって、回転軸周りに回転自在に支承されている。ビット13は、ハウジング11内に設けられたリニアガイド17によって、軸方向に摺動可能に案内される。また、ビット13の軸方向後端部には、第2の冠歯車18が形成されている。ビット13の先端部13aは、締付け対象のねじと係合可能な形状を有する。
【0022】
回転伝達部14は、第1の冠歯車16と、第2の冠歯車18と、弾性部材である圧縮ばね19とを有する。圧縮ばね19は、図1(a)に示すように、第1及び第2の冠歯車16,18の中心部に形成された彫り込み部に収容されており、第1の冠歯車16と第2の冠歯車18とを相互に離間させるように付勢している。また、圧縮ばね19は、装着部12に印加された軸方向前方に向かう所定以上の押圧力によって圧縮される。
【0023】
回転伝達部14では、装着部12に対し軸方向前方に向かって所定以上の押圧力が印加されると、圧縮ばね19が圧縮され、第1の冠歯車16と第2の冠歯車18とが接近する。このため、回転伝達部14では、図1(b)に示すように、双方の歯が噛み合い、装着部12とビット13とを回転方向に結合する。なお、図1(b)に示す矢印は、圧縮ばね19が圧縮して、ビット13が軸方向後方に向かって摺動する様子を示している。
【0024】
また、回転伝達部14は、上記押圧力が印加されない状態では、圧縮ばね19が伸張して、図1(a)に示すように、装着部12とビット13とが相互に離隔し、回転方向の結合を解除する。なお、図1(a)に示す矢印は、圧縮ばね19が伸張して、ビット13が軸方向前方に向かって摺動する様子を示している。
【0025】
ノブ15は、図1に示すように、ビット13に固定された手動部材であり、ハウジング11に回転自在に保持されている。回転伝達部14によって、装着部12とビット13との回転方向の結合が解除された状態で、作業者が、手指などでノブ15を軸周りに回転させると、ノブ15の回転に従い、ビット13が軸周りに自在に回転することになる。
【0026】
次に、回転工具用治具10の動作について説明する。ここで、締付け対象は、図4に示すように、ねじ1とする。ねじ1の頭部には、ビット13の先端部13aと係合する係合穴1aが形成されている。また、ねじ1は、適宜の板状部材2に形成されたねじ穴2aに捻じ込まれるものとする。
【0027】
ねじ1の締付け作業は、仮挿入作業と、本締め作業とから成る。仮挿入作業とは、ねじ1を捻じ込む途中で、ねじ1がねじ穴2aに噛み込むことを回避するために、ねじ1を正しい姿勢に保ち、ねじ1をねじ穴2aに倣わせる作業をいう。本締め作業とは、仮挿入作業の後に、電動工具で発生するトルクに従いビット13を回転させて、ねじ1をねじ穴2aに完全に捻じ込む作業をいう。
【0028】
まず、作業者は、装着部12を介して回転工具用治具10を電動工具に装着する。次に、作業者は、締付け対象であるねじ1の頭部に形成された係合穴1aと、ビット13の先端部13aとを係合させる。続いて、作業者は、装着部12に軸方向前方に向かう押圧力を印加しない(即ち、ビット13の軸方向前方に力を加えない)状態とする。この状態では、図1(a)に示したように、回転伝達部14の圧縮ばね19の付勢力によって第1及び第2の冠歯車16,18の双方の歯が噛み合わず、装着部12とビット13との回転方向の結合が解除されている。
【0029】
上記回転方向の結合が解除された状態では、ビット13が、ノブ15の回転に従い軸周りに回転自在となる。そこで、作業者は、図4に示すように、ねじ穴2aにねじ1を倣わせながら、ねじ1を捻じ込む方向(図中、A方向)にノブ15を手で数回転させ、ねじ1が倒れこまない程度に仮挿入する。また、図中、B方向は、ねじ1を捻じ込む方向と逆方向であり、作業者は、B方向にノブ15を回転させて、仮挿入作業を再度やり直すこともできる。なお、図4は、図1(a)と重複するので各部材を適宜簡略化して示している。
【0030】
仮挿入作業が完了すると、作業者は、装着部12に軸方向前方に向かう押圧力を印加する(即ち、ビット13の軸方向前方に力を加える)。押圧力を印加すると、図1(b)に示したように、回転伝達部14の圧縮ばね19が圧縮され、第1及び第2の冠歯車16,18の双方の歯が噛み合い、装着部12とビット13とが回転方向に結合される。この状態で、作業者は、電動工具の電源をONにして本締め作業を行う。本締め作業では、電動工具で発生したトルクに従いビット13が回転し、ねじ1をねじ穴2aに捻じ込む。
【0031】
本実施形態では、ビット13の軸方向前方に押圧力を加えないことで、装着部12とビット13との回転方向の結合が解除した状態にする。このため、作業者は、例えば電動工具を把持したまま、ノブ15を手動で回転させ、ねじ1の仮挿入作業を行うことができる。また、仮挿入作業の完了後に、ビット13の軸方向前方に押圧力を加えると、装着部12とビット13とを回転方向に結合できる。このため、作業者は、電動工具の電源をONにして、ねじ1の本締め作業を行うことができる。
【0032】
従って、作業者は、電動工具を把持したまま、ねじ1の仮挿入作業から本締め作業までを迅速かつ円滑に行うことができる。また、ねじ1の仮挿入作業が、ノブ15を手動で回転させることで行われることから、仮挿入時でのねじ1の噛み込みが防止され、製品破損を回避でき、品質の安定化を図ることができる。
【0033】
上記第1の実施形態では、第1及び第2の冠歯車16,18の双方の歯の噛み合いを解除して仮締め作業を行い、更に、双方の歯を噛み合わせることによって本締め作業を行ったが、本発明は、これに限定されない。図5に、本発明の第2の実施形態に係る回転工具用治具の構成を示す。回転工具用治具20は、ワンウェイクラッチを用いている点で、上記回転工具用治具10と異なる。
【0034】
回転工具用治具20は、ハウジング21と、装着部22と、ビット23と、回転伝達部24と、ノブ25と、スラストベアリング26とを備える。ハウジング21は、装着部22及びビット23を回転軸周りに回転自在に支承し、また、内部に回転伝達部24及びスラストベアリング26が配置されている。
【0035】
回転伝達部24は、ワンウェイクラッチ24a,24bから成り、装着部22を静止した状態で、ビット23の一方方向(図中、C)の回転を許容し、装着部22を一方方向に回転させることで、ビット23の逆方向(図中、D)の回転をロックして、装着部22とビット23とを結合する。なお、C方向は、ねじ等の締付け対象を捻じ込む方向と一致している。ノブ25は、ビット23に固定された手動部材であり、ハウジング21に回転自在に保持されている。スラストベアリング26は、ノブ25とワンウェイクラッチ24bとの間に配置され、軸方向の荷重を受けている。
【0036】
本実施形態では、作業者が、装着部22を介して回転工具用治具20を電動工具に装着し、ビット23の先端部23aと締付け対象とを係合させ、ノブ25をC方向に手で回転させることで、ビット23を回転させて仮挿入作業を行う。仮挿入作業の完了後に、作業者が、電動工具の電源をONにすると、電動工具で発生するトルクに従い装着部22が一方方向に回転されることで、ビット23の逆方向の回転がロックされ、装着部22とビット23とが結合する。この状態で、トルクに従いビット23が回転し、本締め作業を行うことができる。従って、仮挿入作業から本締め作業までを迅速かつ円滑に行うことができる。また、締付け対象であるねじの噛み込みを防止し、仮挿入を確実に行うことができる。よって、製品破損を回避でき、品質の安定化を図ることができる。
【0037】
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて説明したが、本発明の回転工具用治具は、上記実施形態の構成にのみ限定されるものではなく、上記実施形態の構成から種々の修正及び変更を施したものも、本発明の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0038】
1:締付け対象(ねじ)
1a:ねじの係合穴
2:板状部材
2a:ねじ穴
10,20:回転工具用治具
11,21:ハウジング
12,22:装着部
13,23:ビット
13a,23a:ビットの先端
14,24:回転伝達部
15,25:ノブ(手動部材)
16:第1の冠歯車
17:リニアガイド
18:第2の冠歯車
19:圧縮ばね(弾性部材)
24a,24b:ワンウェイクラッチ
26:スラストベアリング
A〜D:回転方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、
前記ハウジングによって、回転軸周りに回転自在に支承される装着部と、
前記装着部の軸方向前方に配設され、前記ハウジングによって、前記回転軸周りに回転自在に支承されるビットと、
前記装着部に対し前記軸方向前方に向かって所定以上の押圧力が印加されると、前記装着部と前記ビットとを回転方向に結合し、前記所定以上の押圧力が印加されない状態では、前記回転方向の結合を解除する回転伝達部とを備える回転工具用治具。
【請求項2】
前記回転伝達部は、前記装着部の軸方向前端部に形成された冠歯車と、前記ビットの軸方向後端部に形成された冠歯車と、前記装着部の冠歯車と前記ビットの冠歯車とを相互に離間させるように付勢する弾性部材を備え、前記装着部に印加された軸方向前方に向かう押圧力によって前記装着部の冠歯車と前記ビットの冠歯車とが回転方向に結合する、請求項1に記載の回転工具用治具。
【請求項3】
ハウジングと、
前記ハウジングによって、回転軸周りに回転自在に支承される装着部と、
前記装着部の軸方向前方に配設され、前記ハウジングによって、前記回転軸周りに回転自在に支承されるビットと、
前記装着部の一方方向の回転について前記装着部と前記ビットとを回転方向に結合し、前記装着部の前記一方方向と逆方向の回転について前記装着部と前記ビットの回転方向の結合を解除する回転伝達部とを備える回転工具用治具。
【請求項4】
前記回転伝達部は、ワンウェイクラッチを有する、請求項3に記載の回転工具用治具。
【請求項5】
前記ハウジング外に配設され、前記ビットと一体的に回転可能な手動部材を更に備える、請求項1〜4の何れか一に記載の回転工具用治具。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2011−88258(P2011−88258A)
【公開日】平成23年5月6日(2011.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−245047(P2009−245047)
【出願日】平成21年10月26日(2009.10.26)
【出願人】(390010179)埼玉日本電気株式会社 (1,228)