説明

回転数が4倍になるドライバー

【課題】疲れることがなく、ネジの締めすぎによる係止の緩みを発生させない回転数が4倍になるドライバーを提供する。
【解決手段】内部にストッパーカーバー部9を取り付けたストッパー金具8を介してボタン部7をグリップ用上カバー5により保護されるグリップ6内に設置し、下部にストッパーカム11を連結したプッシュカム10を前記ストッパーカバー部に接続した回転部2と、前記グリップ下部に取り付けられハウジングカバー13により保護されるハウジング12からなる支持部3と、前記ハウジング内に太陽ギア14と係合する複数の遊星ギア15と内歯ギア17と係合する複数の遊星ギアを回動可能に取り付けたベース16aの中央にストッパー19を備えたシャフト18を挿通し、前記シャフトの下部にスライドリング20を介してドライバ21を取り外し可能に取り付けた作用部4とからなることを特徴とする回転数が4倍になるドライバーの構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドライバーに関する発明である。
【背景技術】
【0002】
従来、ドライバーは握り部と先端がプラスやマイナス、六角等の形状をした取り替え可能な先端部からなるものや、握り部にトリガーを設けて先端部だけが電動で回転するものがあった。
【0003】
しかしながら、従来のドライバーのうち握り部と等倍の回転をする先端部を持つドライバーではネジ締めに時間がかかり、また多量のネジを締めるには手が疲れてしまい効率が悪かった。
【0004】
また、握り部にトリガーを設けて先端部だけが電動で回転するドライバーでは、回転が速すぎて必要以上にネジ締めを行った結果、壁などへの係止が緩んでしまい適度な締めつけを行うのが面倒であった。
【特許文献1】特開2000−84865号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明は、ネジ締め速度が速いため疲れることがなく、また必要以上のネジ締めを容易に回避できるためネジの締めすぎによる係止の緩みを発生させない回転数が4倍になるドライバーを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記の課題を解決するために、グリップ用上カバー5とグリップ用上カバー5により保護されるグリップ6とグリップ6内に設置されるボタン部7とボタン部7を取り付けるストッパー金具8とストッパー金具8の内部に取り付けられるストッパーカバー部9とストッパーカバー部9に接続されるプッシュカム10とプッシュカム10の下に連結されるストッパーカム11からなる回転部2と、ハウジング12とハウジング12を保護するハウジングカバー13からなる支持部3と、太陽ギア14と太陽ギア14と係合した複数の遊星ギア15と遊星ギア15を回動可能に取り付けるためのベース16と3つの遊星ギア15と咬み合う内場ギア17と太陽ギア14及びベース16の中央を貫通したシャフト18とシャフト18の上部に取り付けられるストッパー19とシャフト18の下部に連結されるスライドリング20とスライドリング20を介してシャフト19の下部に取り外し可能に取り付けられるドライバ21からなる作用部4とからなることを特徴とする回転数が4倍になるドライバーの構成とした。
【発明の効果】
【0007】
本発明の回転数が4倍になるドライバーは回転部の1回転に対して作用部が4回転するため、通常の手によるネジ締めが効率よく行うことができる。
【0008】
また、従来通りネジ締めの感覚を手で感じながら行うことができるため、電動によるネジ締めで起こりやすかった過剰なネジ締めによる係止の緩みの発生を避けることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
容易にネジ締めをすることができ、必要以上のネジ締めによる係止の緩みを発生させることがないドライバーという目的を、3種類のギアを組み合わせることによって実現した。
【実施例1】
【0010】
図1は本発明である回転数が4倍になるドライバーの正面図、図2は回転数が4倍になるドライバーのA−A線に沿った断面図である。図1及び図2に示すように、本発明である回転数が4倍になるドライバー1は、回転部2と回転部2の下に連結される支持部3と支持部3の下に連結される作用部4とからなる。
【0011】
回転部2はグリップ用上カバー5とグリップ用上カバー5により保護されるグリップ6とグリップ6内に設置されるボタン部7とボタン部7を取り付けるストッパー金具8とストッパー金具8の内部に取り付けられるストッパーカバー部9とストッパーカバー部9に接続されるプッシュカム10とプッシュカム10の下に連結されるストッパーカム11とからなる。
【0012】
支持部3はハウジング12とハウジング12を保護するハウジングカバー13とからなる。
【0013】
作用部4は太陽ギア14と太陽ギア14と係合した複数の遊星ギア15と遊星ギア15を回動可能に取り付けるためのベース16と3つの遊星ギア15と咬み合う内場ギア17と太陽ギア14及びベース16の中央を貫通したシャフト18とシャフト18の上部に取り付けられるストッパー19とシャフト18の下部に連結されるスライドリング20とスライドリング20を介してシャフト19の下部に取り外し可能に取り付けられるドライバ21とからなる。
【0014】
次に図3から図40を使用して各部材を説明することとする。図3は本発明である回転数が4倍になるドライバーのグリップ用上カバーの正面図、図4はグリップ用上カバーの平面図、図5はグリップ用上カバーの側面図、図6はグリップ用カバーのB−B線に沿った断面図、図7はグリップ用上カバーのC−C線に沿った断面図、図8はグリップ用上カバーのD−D線に沿った断面図である。
【0015】
図3に示すように、グリップ用上カバー5は内部が中空の円柱状をしたカバー5aからなり、カバー5aの径は一定で、上部4分の1の部分については上端に向かうに従って径が小さくなり、上端部はもっとも径の小さい開口部5bとなっている。一方下端部の径はカバー5aと同径であり、周囲にリブ5cが施されている。
【0016】
図4に示すように、カバー5aの側面には一対の凹部5d、5dが設けられており、凹部5d、5dはカバー5aの中心より対称の位置に設けられている。
【0017】
図5に示すように、カバー5aの側面には円形の凹部5eが設けられている。凹部5eは前記凹部5d、5dの中間に設けられており、更に図5で図示した凹部5eの対面にも同様に円形の凹部5eが設けられている。即ち、図6から図8の各断面図に示したような形状をしている。
【0018】
図9は本発明である回転数が4倍になるドライバーのグリップの正面図、図10はグリップの平面図、図11はグリップのE−E線に沿った断面図、図12はグリップのF−F線に沿った断面図である。
【0019】
図9及び図10に示すように、グリップ6は上端に半円形の開口部6bを設けたグリップ本体6aとグリップ6aの下部に連設した連結部6cとからなる。グリップ本体6aは上部より見るとは半円形をしている。グリップ本体6aの側壁面の両端には半円形の凹部6f、6fを設けており、凹部6f、6fはグリップ本体6aの側壁面の中央より上側に設けられている。
【0020】
グリップ本体6aの中央よりやや下の内壁面には半円形の中央孔6jを設けた仕切6gが設けられている。また、仕切6gの下には2つの連結孔6e、6eが設けられている。
【0021】
グリップ本体6aの内部のうち、グリップ本体6aの上端に設けられた上開口部6bの下には円柱を縦半分にした接続部材6hが設けられており、接続部材6hの内部には等間隔に3枚の仕切6i、6i、6iが設けられている。仕切6iは半円形をしているが、更に径の小さい半円で刳り抜かれた形状をしている。
【0022】
連結部6cはグリップ本体6aよりもやや径の大きい半円形をした半筒体をしており、下部には下開口部6dを設けている。
【0023】
図10に示すように、グリップ6同士を向かい合わせて連結することにより、上部より見ると円形のグリップとなる。
【0024】
図11に示すように、グリップ本体6aの外周面には凹部6kが設けられており、この凹部6kは前記グリップ用上カバー5の凹部5dとほぼ同じ形状をしている。図12に示すように、グリップ本体6a内に設けられた連結孔6eは、グリップ本体6a同士を重ねた際に同じ位置にくるようになっており、重なり合った連結孔6e同士を留め具等で連結することによってグリップ本体6a同士が連結される。
【0025】
図13は、本発明である回転数が4倍になるドライバーのボタン部の斜視図である。図13に示すように、ボタン部7は、ボタン7aとボタン7aの下部中央に設けられた下突出部7bからなる。ボタン7aは円盤状をしており、上部中央が緩やかに陥没した凹部7cとなり、中央には孔7dが穿設されている。
【0026】
ボタン7aの下部中央に設けられた下突出部7bは円柱状をしている。前記ボタン7aの中央に穿設された孔7dは下突出部7bの下端まで貫通して穿設されている。
【0027】
図14は、本発明である回転数が4倍になるドライバーのストッパー金具の斜視図である。図14に示すように、ストッパー金具8は、中央に孔8cを穿設したドーナツ型の連結部8aと、連結部8aの外周面に設けられた略L字型のストッパー脚8b、8bからなり、2つのストッパー脚8b、8bは連結部8aを中心として対称の位置に設けられている。
【0028】
図15は、本発明である回転数が4倍になるドライバーのストッパーカバー部の斜視図である。図15に示すように、ストッパーカバー部9は中央に孔9eを穿設した円柱状のストッパーカバー9aからなり、ストッパーカバー9aの外周面上には2枚の上突出板9b、9bと2枚の下突出板9c、9cが設けられている。
【0029】
上下突出板9b、9cは同径同大で、略半円上をしており、図15に示すように上突出板9bの端部間には隙間9dが設けられており、同じく下突出板9cの端部間にも隙間が設けられて設置されている。更に、上下突出板9b、9cの間にも隙間を設けて設置されている。
【0030】
ストッパーカバー9aの内壁面には4つの内ストッパー9f、9f、9f、9fが設けられている。内ストッパー9fの下部にはそれぞれ2つの傾斜9g、9gが形成されており、階段状になっている。
【0031】
図16は、本発明である回転数が4倍になるドライバーのプッシュカムの斜視図である。図16に示すように、プッシュカム10は円柱状の土台部10aと土台部10aの中央上部に設けられた円柱状の突出部10bとからなり、土台部10aの径よりも突出部10bの径の方が小さい。
【0032】
土台部10aは内部が中空10eとなっており、外周面には複数の凸部10dが設けられている。また、土台部10aの下面には一周に渡って複数の山10cが等間隔に形成されている。前記突出部10bは円柱形をしており、内部は中空10fとなっている。
【0033】
図17は、本発明である回転数が4倍になるドライバーのストッパーカムの斜視図である。図17に示すように、ストッパーカム11は、円柱状のストッパーカム本体11aと側面上部がテーパー状になったストッパーカム下部11bとからなる。
【0034】
ストッパーカム本体11aは内部が中空の円柱状をしており、ストッパーカム本体11aの下部にはストッパーカム下部11bが連接している。ストッパーカム下部11bの上部外周はテーパー状に傾斜しており、また、ストッパーカム下部11bの外周面には4つの羽根11eが十文字の位置になるように設けられている。羽根11eの上部には傾斜11fが設けられており、羽根11eはストッパーカム下部11bの円周に従って同方向を向いている。
【0035】
ストッパーカム本体11aの上部は上開口部11cとなっており、ストッパーカム下部11bの下部は下開口部11dとなっている。
【0036】
図18は本発明である回転数が4倍になるドライバーのハウジングの正面図、図19はハウジングの平面図、図20はハウジングの底面図、図21はハウジングのG−G線に沿った断面図である。
【0037】
図18から図21に示すように、ハウジング12は上部から中央部に向かって径が小さくなり、中央部から下部にかけて径が一定であるハウジング本体12aと、ハウジング本体12aの下部に設けられた外周に凹凸12fを施した接続部12bと、ハウジング本体12aの上部に突出部12cを介して設けられた連結部12dとからなる。
【0038】
ハウジング本体12aの上部の径と連結部12dの径はほぼ同じで、突出部12cの径は連結部12dの径よりも一回り大きい。ハウジング本体12aの外周面には縦方向に4本のリブ12eが施されており、4本のリブ12eは十文字状に位置している。
【0039】
図19に示すように、連結部12dの外周面には2つの凹部12gが設けられており、凹部12g、12gは連結部12dの中心より対称に位置に設けられている。
【0040】
図20及び図21に示すように、ハウジング本体12、接続部12b及び連結部12dは中空となっており、ハウジング本体12aと連結部12dは一連の中空とである。接続部12bの中空12iは、ハウジング本体12aと接続部12bの間に穿設された孔12hを介してハウジング本体12aの中空と連結している。
【0041】
図22は本発明である回転数が4倍になるドライバーのハウジングカバーの正面図、図23はハウジングカバーの平面図、図24はハウジングカバーの底面図、図25はハウジングカバーのH−H線に沿った断面図である。
【0042】
図22に示すように、ハウジングカバー13は外周面に4本の外リブ13bと滑り止め13cを施したカバー13aからなり、4本の外リブ13bは十文字状に位置するようにカバー13a外周面に縦方向に施されている。滑り止め13cは外リブ13b間に施されている。
【0043】
図23に示すように、カバー13aの内周面には4本の内リブ13dが施されており、4本の内リブ13dは十文字状に位置するようにカバー13aの内壁面に設けられている。図24及び図25に示すように、カバー13aは内部が中空となっており、底面の孔13eは4つの凹部13fを形成した略円形をしている。尚、4つの凹部13fは十文字状位置にくるように形成されている。
【0044】
図26は本発明である回転数が4倍になるドライバーの太陽ギアの正面図、図27は太陽ギアの平面図、図28は太陽ギアのI−I線に沿った断面図である。図26から図28に示すように、太陽ギア14は筒状の中央本体14aとギア部14bからなり、中央本体14aの側面には2つの貫通孔14cが穿設されている。2つの貫通孔14cは中央本体14aの中心から対称になるように穿設されている。
【0045】
図27及び図28に示すように、ギア部14bの外周面には複数の歯14d、14d、14d・・・が形成されており、ギア部14bの内部は中空14eである。本発明ではギア部14bの歯4dの数を18設けたが、歯数は特に限定したものではない。
【0046】
図29は本発明である回転数が4倍になるドライバーの遊星ギアの正面図、図30は遊星ギアの平面図、図31遊星ギアのJ−J線に沿った断面図である。図29から図31に示すように、遊星ギア15はギア部15aと中央本体15bとからなる。
【0047】
ギア部15aは外周面に複数の歯15cを形成し、中央本体15bは中央に孔を穿設して中空15dとなっている。本発明ではギア部15aの歯15cの数を24設けたが、歯数は特に限定したものではない。
【0048】
図32は本発明である回転数が4倍になるドライバーのギアベースの平面図である。図32に示すように、ギアベース16は2つの凹部16e、16eを形成した略円盤状のベース16aからなり、ベース16aは中央に中央孔16bを穿設し、更に各3つのギア連結孔16c、16dを穿設している。
【0049】
ギア連結孔16c、16c、16cは中央孔16bとベース16aの外周の真ん中に位置する場所に穿設されており、更に3つのギア連結孔16c同士の距離が等しい。もう一方のギア連結孔16d、16d、16dは中央孔16bより若干ベース16aの外周側に穿設されており、更に3つのギア連結孔16d同士の距離が等しい。また、ギア連結孔16cとギア連結孔16dは交互に穿設されている。
【0050】
図33は本発明である回転数が4倍になるドライバーの内場ギアの平面図である。図33に示すように、内場ギア17は、内部が大きく中空17bとなったギア枠17aからなり、ギア枠17aの内壁面には複数の歯17cが形成されている。ギア枠17aの外周面には2つの凹部17d、17dが形成されている。本発明では、ギア枠17aの内壁面に形成された歯17cの数を72設けたが、歯数は特に限定したものではない。
【0051】
図34は本発明である回転数が4倍になるドライバーのシャフトの正面図、図35はシャフトの平面図、図36はシャフトの底面図、図37はシャフトのK−K線に沿った断面図である。
【0052】
図34から図37に示すように、シャフト18は略円柱状のシャフト本体18aからなり、シャフト本体18aの下部には上下拡張部18b、18cが設けられており、上下拡張部18b、18cの間は凹部18fとなっている。シャフト本体18aの上端には凹部18gを形成した接続部18dが設けられている。
【0053】
図36及び図37に示すように、上下拡張部18b、18cには六角孔18hが穿設され内部は中空となっている。また、下拡張部18cの内壁面には孔18iが穿設されている。シャフト本体18aの中央より上部には貫通孔18eが穿設されている。
【0054】
図38は本発明である回転数が4倍になるドライバーのストッパーの斜視図である。図38に示すように、ストッパー19は中央に孔19cを穿設した略ドーナツ型のストッパー本体19aとストッパー本体19aの外周面より4方向に突出して設けられた突出部19b、19b、19b、19bとからなる。孔19cには凸部19dが突出しているため、孔19cは略円形をしている。
【0055】
図39は本発明である回転数が4倍になるドライバーのスライドリングの正面図、図40はスライドリングのL−L線に沿った断面図である。図39及び図40に示すように、スライドリング20は内部が中空20cで円柱状のリング本体20aからなり、リング本体20aの下部は下拡張部20bとなっている。下拡張部20bの内部も中空20dとなっており、中空20dの径は中空20cの径よりも小さい。
【0056】
次に図2及び図41、図42を使用して各部材の組み立て状態を説明することとする。図2は本発明である回転数が4倍になるドライバーのA−A線に沿った断面図、図41は本発明である回転数が4倍になるドライバーの回転部内部を示した斜視図、図42は本発明である回転数が4倍になるドライバーのギアの係合状態を示した平面図である。
【0057】
図2及び図41に示すように、回転部2はグリップ用上カバー5とグリップ用上カバー5により保護されるグリップ6とグリップ6内に設置されるボタン部7とボタン部7を取り付けるストッパー金具8とストッパー金具8の内部に取り付けられるストッパーカバー部9とストッパーカバー部9に接続されるプッシュカム10とプッシュカム10の下に連結されるストッパーカム11とからなる。
【0058】
グリップ6の上部中央より内部下方へ向かって設けられている接続部材6h内にストッパーカバー9を取り付ける。このとき、グリップ6の3枚の仕切6iの間に設けられた隙間にストッパーカバー部9の上下突出板9b、9cを差込まれている。次にストッパーカバー部9の隙間9d、9dにストッパー金具8のストッパー脚8b、8bを上から挿入する。
【0059】
ストッパー金具8の連結部8aに穿設された孔8cにボタン部7の下突出部7bを挿入し、ストッパーカバー部9の内部には突出部10bが孔9eから突出するようにプッシュカム10を挿入し、更にプッシュカム10の突出部10bとボタン部7の下突出部7bを留め具22で連結する。プッシュカム10の下にはストッパーカム11が連設しておりシャフト18の上端に取り付けられたスプリング23の上部によって押し上げられている。以上の構造を内包したグリップ6の外面にグリップ用上カバー5が覆われている。
【0060】
図2に示すように、支持部3はハウジング12とハウジング12を保護するハウジングカバー13とからなる。ハウジング12は、前述の回転部2を構成するグリップ6と接続される。連結部12dと突出部12cの間に形成された溝にグリップ6の連結部6cの下端が係合されることにより、ハウジング12とグリップ6が連結する。
【0061】
ハウジング本体12aの外周側面はハウジングカバー13により覆われハウジング12を握った際に滑りにくくなっている。
【0062】
図2、図41及び図42に示すように、作用部4は太陽ギア14と太陽ギア14と係合した複数の遊星ギア15と遊星ギア15を回動可能に取り付けるためのベース16と3つの遊星ギア15と咬み合う内場ギア17と太陽ギア14及びベース16の中央を貫通したシャフト18とシャフト18の上部に取り付けられるストッパー19とシャフト18の下部に連結されるスライドリング20とスライドリング20を介してシャフト19の下部に取り外し可能に取り付けられるドライバ21とからなる。
【0063】
シャフト18の上端の接続部18dにはストッパー19が接続され、更にストッパー19を固定するように接続部18dにスプリング23が接続されている。シャフト本体18aはギアベース16の中央孔16bと太陽ギア14の中空14eを貫通して回動可能に連結しており、ギアベース16のギア連結孔16c、16dには遊星ギア15が留め具24により回動可能に取り付けられている。また、シャフト本体18aのストッパー19と太陽ギア14の間にはベアリング27が取り付けられている。
【0064】
ギア連結孔16dに取り付けられた3つの遊星ギア15は内場ギア17と係合する。内場ギア17は3つの遊星ギア15とだけ係合している。また、太陽ギア14はギア連結孔16cに取り付けられた3つの遊星ギア15とだけ係合している。
【0065】
シャフト18は下部の上拡張部18bの位置で支持部3のハウジング12の接続部12bとベアリング25を介して回動可能に連結している。シャフト18の下拡張部18cに穿設された孔18iにはボールベアリング26が取り付けられ、更にシャフト18の上下拡張部18b、18cはスライドリング20により覆われている。
【0066】
六角孔18hに挿入されるドライバ21の側面には凹部が形成されており、このドライバ21の凹部に前記のボールベアリング26が嵌り込んでドライバ21を固定している。ドライバ21を外すには、上下拡張部18b、18cを覆っているスライドリング20を下方にスライドさせて内径が広い部分をボールベアリング26の位置に合わせることで、ボールベアリング26がスライドリング20内に逃げることができ、ドライバ21の凹部からボールベアリング26が外れる。尚、スライドリング20内にはスプリング28が設置されており、このスプリング28によってスライドリング20は上方に戻ることができる。
【0067】
支持部3を握り、回転部2を回転させることで作用部4は回転部2の1回転に対して4倍の4回転をする。また、回転部2を1回転させる際に、支持部3を逆方向に1回転させると作用部は8回転となり、更に速いネジ締めをすることができる。
【0068】
その上、前記ボタン部7を下方に押し下げることでストッパー金具8がストッパー19を固定するため、ストッパー19と連結されているシャフト18も固定されるため、回転部2と作用部4の回転が同じとなり、回転部2の1回転に対して作用部4も1回転する通常のドライバとして使用することが可能である。これはネジ締めで最も抵抗が強くなる最後のネジ締めの際にギアの回転を利用せずに確実にネジ締めを行うためである。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明である回転数が4倍になるドライバーの正面図である。
【図2】本発明である回転数が4倍になるドライバーのA−A線に沿った断面図である。
【図3】本発明である回転数が4倍になるドライバーのグリップ用上カバーの正面図である。
【図4】本発明である回転数が4倍になるドライバーのグリップ用上カバーの平面図である。
【図5】本発明である回転数が4倍になるドライバーのグリップ用上カバーの側面図である。
【図6】本発明である回転数が4倍になるドライバーのグリップ用カバーのB−B線に沿った断面図である。
【図7】本発明である回転数が4倍になるドライバーのグリップ用上カバーのC−C線に沿った断面図である。
【図8】本発明である回転数が4倍になるドライバーのグリップ用上カバーのD−D線に沿った断面図である。
【図9】本発明である回転数が4倍になるドライバーのグリップの正面図である。
【図10】本発明である回転数が4倍になるドライバーのグリップの平面図である。
【図11】本発明である回転数が4倍になるドライバーのグリップのE−E線に沿った断面図である。
【図12】本発明である回転数が4倍になるドライバーのグリップのF−F線に沿った断面図である。
【図13】本発明である回転数が4倍になるドライバーのボタン部の斜視図である。
【図14】本発明である回転数が4倍になるドライバーのストッパー金具の斜視図である。
【図15】本発明である回転数が4倍になるドライバーのストッパーカバー部の斜視図である。
【図16】本発明である回転数が4倍になるドライバーのプッシュカムの斜視図である。
【図17】本発明である回転数が4倍になるドライバーのストッパーカムの斜視図である。
【図18】本発明である回転数が4倍になるドライバーのハウジングの正面図である。
【図19】本発明である回転数が4倍になるドライバーのハウジングの平面図である。
【図20】本発明である回転数が4倍になるドライバーのハウジングの底面図である。
【図21】本発明である回転数が4倍になるドライバーのハウジングのG−G線に沿った断面図である。
【図22】本発明である回転数が4倍になるドライバーのハウジングカバーの正面図である。
【図23】本発明である回転数が4倍になるドライバーのハウジングカバーの平面図である。
【図24】本発明である回転数が4倍になるドライバーのハウジングカバーの底面図である。
【図25】本発明である回転数が4倍になるドライバーのハウジングカバーのH−H線に沿った断面図である。
【図26】本発明である回転数が4倍になるドライバーの太陽ギアの正面図である。
【図27】本発明である回転数が4倍になるドライバーの太陽ギアの平面図である。
【図28】本発明である回転数が4倍になるドライバーの太陽ギアのI−I線に沿った断面図である。
【図29】本発明である回転数が4倍になるドライバーの遊星ギアの正面図である。
【図30】本発明である回転数が4倍になるドライバーの遊星ギアの平面図である。
【図31】本発明である回転数が4倍になるドライバーの遊星ギアのJ−J線に沿った断面図である。
【図32】本発明である回転数が4倍になるドライバーのギアベースの平面図である。
【図33】本発明である回転数が4倍になるドライバーの内場ギアの平面図である。
【図34】本発明である回転数が4倍になるドライバーのシャフトの正面図である。
【図35】本発明である回転数が4倍になるドライバーのシャフトの平面図である。
【図36】本発明である回転数が4倍になるドライバーのシャフトの底面図である。
【図37】本発明である回転数が4倍になるドライバーのシャフトのK−K線に沿った断面図である。
【図38】本発明である回転数が4倍になるドライバーのストッパーの斜視図である。
【図39】本発明である回転数が4倍になるドライバーのスライドリングの正面図である。
【図40】本発明である回転数が4倍になるドライバーのスライドリングのL−L線に沿った断面図である。
【図41】本発明である回転数が4倍になるドライバーの回転部内部を示した斜視図である。
【図42】本発明である回転数が4倍になるドライバーのギアの係合状態を示した平面図である。
【符号の説明】
【0070】
1 回転数が4倍になるドライバー
2 回転部
3 支持部
4 作用部
5 グリップ用上カバー
5a カバー
5b 開口部
5c リブ
5d 凹部
5e 凹部
6 グリップ
6a グリップ本体
6b 上開口部
6c 連結部
6d 下開口部
6e 連結孔
6f 凹部
6g 仕切
6h 接続部材
6i 仕切
6j 中央孔
6k 凹部
7 ボタン部
7a ボタン
7b 下突出部
7c 凹部
7d 孔
8 ストッパー金具
8a 連結部
8b ストッパー脚
8c 孔
9 ストッパーカバー部
9a ストッパーカバー
9b 上突出板
9c 下突出板
9d 隙間
9e 孔
9f 内ストッパー
9g 傾斜
10 プッシュカム
10a 土台部
10b 突出部
10c 山
10d 凸部
10e 中空
10f 中空
11 ストッパーカム
11a ストッパーカム本体
11b ストッパーカム下部
11c 上開口部
11d 下開口部
11e 羽根
11f 傾斜
12 ハウジング
12a ハウジング本体
12b 接続部
12c 突出部
12d 連結部
12e リブ
12f 凹凸
12g 凹部
12h 孔
12i 中空
13 ハウジングカバー
13a カバー
13b 外リブ
13c 滑り止め
13d 内リブ
13e 孔
13f 凹部
14 太陽ギア
14a 中央本体
14b ギア部
14c 貫通孔
14d 歯
14e 中空
15 遊星ギア
15a ギア部
15b 中央本体
15c 歯
15d 中空
16 ギアベース
16a ベース
16b 中央孔
16c ギア連結孔
16d ギア連結孔
16e 凹部
17 内歯ギア
17a ギア枠
17b 中空
17c 歯
17d 凹部
18 シャフト
18a シャフト本体
18b 上拡張部
18c 下拡張部
18d 接続部
18e 貫通孔
18f 凹部
18g 凹部
18h 六角孔
18i 孔
19 ストッパー
19a ストッパー本体
19b 突出部
19c 孔
19d 凸部
20 スライドリング
20a リング本体
20b 下拡張部
20c 中空
20d 中空
21 ドライバ
22 留め具
23 スプリング
24 留め具
25 ベアリング
26 ボールベアリング
27 ベアリング
28 スプリング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部にストッパーカーバー部を取り付けたストッパー金具を介してボタン部をグリップ用上カバーにより保護されるグリップ内に設置し、下部にストッパーカムを連結したプッシュカムを前記ストッパーカバー部に接続した回転部と、前記グリップ下部に取り付けられハウジングカバーにより保護されるハウジングからなる支持部と、前記ハウジング内に太陽ギアと係合する複数の遊星ギアと内場ギアと係合する複数の遊星ギアを回動可能に取り付けたベースの中央にストッパーを備えたシャフトを挿通し、前記シャフトの下部にスライドリングを介してドライバを取り外し可能に取り付けた作用部とからなることを特徴とする回転数が4倍になるドライバー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【公開番号】特開2007−105800(P2007−105800A)
【公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−295932(P2005−295932)
【出願日】平成17年10月11日(2005.10.11)
【出願人】(504103010)有限会社ビーンズコム (9)