説明

回転機の固定子および回転機

【課題】固定子巻線の端部を確実に固定することができる技術を提供する。
【解決手段】固定子コア20の軸方向両側に、端部絶縁部材40および50が設けられている。また、軸方向に沿って、端部絶縁部材40より固定子コア20と反対側に、収容部材60が設けられている。収容部材60は、径方向に沿って延びている基部61、基部61の端部絶縁部材40側と、基部61の端部絶縁部材40と反対側を連通する連通部66(1)〜66(4)を有している。また、収容部材60には、端部絶縁部材40と反対側に、収容溝65(1)〜65(4)が形成されている。固定子巻線30の端部31(1)〜31(4)は、連通部66(1)〜66(4)を通された後、収容溝65(1)〜65(4)に収容されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転機の固定子および回転機に関し、特に、固定子に巻かれている固定子巻線の端部を固定する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
電動機や発電機等の回転機は、固定子コアおよび固定子巻線を有する固定子と、回転子により構成されている。固定子コアは、例えば、軸方向に直角な断面で見て、周方向に沿って延びている環状のヨークと、ヨークから径方向内側に突出し、周方向に間隔を空けて設けられている複数のティースを有している。各ティースは、径方向に延びているティース基部と、ティース基部の先端に設けられ、周方向に沿って延びているティース先端部を有している。回転子は、ティース先端部との間に空隙を有している状態で、回転可能に支持されている。
固定子巻線をティースに巻き付ける方式としては、集中巻き方式や分布巻き方式が用いられる。集中巻き方式により固定子巻線をティースに巻き付ける場合には、固定子コアの軸方向両側に端部絶縁部材が設けられる。そして、固定子巻線は、端部絶縁部材とティースに直接に巻かれる。この場合、固定子巻線の端部、特に、中性点に接続される固定子巻線の端部を、振動等によって移動しないように固定する必要がある。
固定子巻線の端部が移動するのを防止するために、収容部材を用いた固定子が特許文献1に開示されている。特許文献1に開示されている固定子では、固定子巻線の端部は、端部絶縁部材と収容部材によって形成される収容空間内に配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−45951号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されている固定子では、端部絶縁部材と収容部材によって形成される収容空間外への、固定子巻線の端部の移動は防止されている。しかしながら、収容空間内での固定子巻線の端部の移動が可能である。特に、中性点等の共通点に接続されている端部は、先端が自由に移動可能である。このため、固定子巻線の端部に絶縁不良が発生するおそれがある。
本発明は、このような点に鑑みて創案されたものであり、固定子巻線の端部を確実に固定することができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の回転機は、回転子が固定子の内側に回転可能に支持される回転子内転型の回転機として、あるいは、回転子が固定子の外側に回転可能に支持される回転子外転型の回転機として構成することができる。また、本発明の回転機は、電動機や発電機等の種々の形式の回転機として構成することができる。また、本発明の固定子は、内側に回転子が配置される固定子として、あるいは、外側に回転子が配置される固定子として構成することができる。
なお、「軸方向」は、回転子が固定子に対して回転可能に支持されている状態において、回転子の中心を通る線(回転中心線)の方向を示す。また、「周方向」は、回転子が固定子に対して回転可能に支持されている状態において、軸方向に直角な断面でみて、回転中心線を中心とする円周方向を示す。また、「径方向」は、回転子が固定子に対して回転可能に支持されている状態において、軸方向に直角な断面でみて、回転中心線を通る方向を示す。
【0006】
一つの発明は、回転機の固定子に関する。固定子は、固定子コアと、固定子巻線と、固定子コアの軸方向両側に設けられている端部絶縁部材を備えている。
固定子コアは、好適には、軸方向に直角な断面で見て、周方向に沿って延びているヨークと、ヨークから径方向に延びている複数のティースを有している。各ティースは、ヨークから径方向に沿って延びているティース基部と、ティース基部の先端側に設けられ、周方向に沿って延びているティース先端部を有している。ティース先端部には、ヨークと反対側にティース先端面が形成されている。なお、回転子は、ティース先端面との間に空隙を有している状態で、固定子に対して回転可能に支持される。また、各端部絶縁部材は、好適には、軸方向に直角な断面で見て、ティース先端部に対向する箇所に配置され、周方向に沿って延びている複数の第1の壁部と、ヨークに対向する箇所に配置され、周方向に沿って延びている第2の壁部と、ティース基部に対向する箇所に配置されているとともに径方向に沿って延びており、第1の壁部と第2の壁部に接続されている複数の接続部を有している。また、固定子巻線は、好適には、ティースと端部絶縁部材の接続部に集中巻き方式により巻かれる。
本発明では、軸方向に沿って、少なくとも一方の端部絶縁部材より固定子コアと反対側に、固定子巻線の端部を収容する収容部材が設けられている。収容部材は、径方向に沿って延びている基部を有している。典型的には、基部は、軸方向に直角な断面で見て、周方向に沿って延びているリング形状を有している。また、収容部材は、連通部と、少なくとも1つの収容溝を有している。連通部は、基部の端部絶縁部材側と、基部の端部絶縁部材と反対側を連通している。収容溝は、基部の、端部絶縁部材と反対側に形成されている。固定子巻線の端部を収容溝内に収容する方法としては、好適には、少なくとも、固定子巻線の端部の先端が収容溝内に収容される方法が用いられる。なお、「固定子巻線の端部を収容溝内に収容する」態様には、固定子巻線の端部に接続されている他の部材を収容溝内に収容する態様も包含される。また、収容溝内に収容する固定子巻線の端部の数は適宜選択可能である。
本発明の固定子では、固定子巻線の端部を、収容部材の連通部を介して軸方向に通した後、収容部材の基部の、端部絶縁部材と反対側に形成されている収容溝内に収容するため、固定子巻線の端部を確実に固定することができる。また、基部の、端部絶縁部材と反対側に収容溝が形成されているため、固定子巻線の端部を収容溝内に容易に挿入することができる。
【0007】
他の形態では、収容溝は、周方向に沿って延びるように形成されている。「周方向に沿って延びる収容溝」には、回転中心線からの距離が等しくなるように(ほぼ等しいを含む)形成された収容溝や、回転中心線からの距離が異なるように形成された収容溝が含まれる。
周方向に沿って延びる収容溝を有することにより、収容部材の径方向寸法を小さくすることができる。
【0008】
異なる他の形態では、収容溝は、基部から軸方向に沿って、少なくとも一方の端部絶縁部材側に突出しているとともに、周方向に沿って延びている収容溝形成部によって形成されている。また、少なくとも一方の端部絶縁部材は、軸方向に沿って延びているとともに、周方向に沿って延びている壁部を有している。収容溝形成部は、少なくとも一方の端部絶縁部材の壁部と、径方向に沿って対向する側に壁面を有している。互いに径方向に対向している、収容溝形成部の壁面および端部絶縁部材の壁部の壁面によって、収容空間が形成されている。そして、固定子巻線の端部は、収容溝形成部の壁面と、少なくとも一方の端部絶縁部材の壁部の壁面によって形成される収容空間内に配置された後、連通部を通されている。収容空間は、好適には、収容溝形成部より径方向外側に形成される。また、収容空間は、好適には、周方向に沿って延びるように形成される。
本形態では、固定子巻線の端部を収容空間内に配置することができる。
【0009】
さらに異なる他の形態では、収容溝形成部の壁面は、径方向に沿った断面で見て、傾斜している。収容溝形成部の壁面の傾斜方向は、適宜設定可能であるが、好適には、収容溝形成部の壁面と端部絶縁部材の壁部の壁面との間の間隔が、端部絶縁部材側より端部絶縁部材と反対側の方が短くなるように設定される。
本形態では、固定子巻線の端部が、収容空間内において、径方向に沿った一方側に寄せられる。これにより、固定子巻線の端部の移動をより防止することができる。
【0010】
さらに異なる他の形態では、収容溝は、周方向に沿った少なくとも一方端が連通部に連通されている。固定子巻線の端部は、好適には、一方端側から収容溝内に挿入される。
本形態では、固定子巻線の端部が、収容部材の基部から軸方向(回転中心線の方向)に出っ張るのを防止することができる。
【0011】
さらに異なる他の形態では、収容溝には、周方向に沿った一方端側から、1つの連通部を通った固定子巻線の端部が挿入され、周方向に沿った他方端側から、他の連通部を通った固定子巻線の端部が挿入されている。収容溝は、好適には、周方向に沿った一方端が1つの連通溝に連通し、周方向に沿った他方端が他の連通部に連通されるように形成される。
本形態では、収容溝の数を少なくすることができるため、収容部材の強度を高めることができる。さらに、収容溝の、周方向に沿った両端を連通部に連通させることにより、固定子巻線の端部が、収容部材の基部から軸方向(回転子中心線方向)出っ張るのを防止することができる。
【0012】
さらに異なる他の形態では、固定子巻線の端部が振動等によって移動するのをより確実に防止するために、固定子巻線の端部を収容溝内に保持する保持部を有している。
固定子巻線の端部を保持溝内に保持する態様としては、種々の態様を用いることができる。
例えば、収容溝内に突出する凸部を設ける態様を用いることができる。凸部は、凸部が設けられている箇所における収容溝の幅が固定子巻線の端部の幅より小さくなるように形成される。凸部は、収容溝を形成する壁面のうち、一方向(例えば、径方向)に対向する内壁面の一方に設けてもよいし、両方に設けてもよい。また、凸部の形状は、適宜設定可能である。固定子巻線の端部を、収容空間内に収容する方法としては、種々の方法を用いることができる。例えば、固定子巻線の端部を、固定子巻線あるいは凸部の弾性変形を利用して、凸部が設けられている箇所を通過させる方法を用いることができる、あるいは、固定子巻線の端部を、凸部の下(奥)に潜らせる方法を用いることができる。あるいは、固定子巻線の端部を、固定子巻線の端部あるいは凸部の弾性変形を利用して、一方向に対向する凸部の間または凸部と収容溝の内壁面との間に挟持する方法を用いることができる。
あるいは、収容溝内に突出する凸部と収容溝から窪んでいる凹部を設ける態様を用いることができる。凸部と凹部の配設位置および形状は、固定子巻線の端部が、凸部と凹部の間に挟持されるように設定される。好適には、凸部と凹部は、一方向(例えば、径方向)に沿って、収容溝を挟んで対向する箇所に設けられる。
好適には、凸部と凹部の互いに対向する部分(壁面)は、径方向に沿った断面で見て、同じ方向に傾斜している平面に形成される。傾斜方向は、平面と回転中心線との間の間隔が、端部絶縁部材側が端部絶縁部材と反対側より長くなる方向であってもよいし、端部絶縁部材側が端部絶縁部材と反対側より短くなる方向であってもよい。
あるいは、固定子巻線の端部を収容溝内に収容した状態で収容溝内に樹脂(例えば、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ塩化ビニール樹脂、熱可塑性樹脂等)を充填する態様を用いることができる。
あるいは、固定子巻線の端部を収容溝内に収容した状態で、紐によって固定子巻線の端部を収容部材の基部に固定する態様を用いることができる。紐としては、例えば、ポリエステルコード(ポリエステルより紐、ポリエステル編組紐)、ノーメックスコード、PPSコード、ベクトランコード、ポリエステル・ノーメックス混合(編組)紐等が用いられる。本発明の「紐」には、糸も含まれる。
なお、前記した固定子巻線の端部を収納溝内に保持する態様は、いずれか1つを用いてもよいし、適宜選択した複数を用いてもよい。
【0013】
さらに異なる他の形態では、固定子巻線の端部は、共通点で接続された状態で収容溝内に収容されている。「共通点で接続された状態」は、典型的には、「中性点で接続された状態」が対応する。
本形態では、固定子巻線の端部うち、共通点に接続されている端部が、振動等によって移動するのを防止することができる。
【0014】
他の発明は、回転機に関する。回転機は、前記したいずれかの固定子と、回転子を備え、回転子は、固定子のティース先端面との間に空隙を有するように回転可能に支持されている。
本発明の回転機は、前記した固定子と同様の効果を有している。これにより、運転時の振動等によって固定子巻線の端部が移動するのを防止することができる回転機を得ることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の回転機の固定子あるいは回転機では、振動等によって、固定子巻線の端部が移動するのを確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】第1の実施の形態の回転機の固定子の斜視図(収容部材は図示されていない)である。
【図2】固定子コアの部分断面図である。
【図3】第1の実施の形態の回転機の固定子の斜視図である。
【図4】図3のIV−IV線断面図である。
【図5】第1の実施の形態の回転機の固定子で用いている収容部材の斜視図である。
【図6】図5のVI−VI線断面図である。
【図7】第1の実施の形態の回転機の固定子で用いている収容部材の裏側の斜視図である。
【図8】図7のVIII−VIII線断面図である。
【図9】第2の実施の形態の回転機の固定子で用いている収容部材の斜視図である。
【図10】図9のX−X線断面図である。
【図11】第3の実施の形態の回転機の固定子で用いている収容部材の斜視図である。
【図12】図11のXII−XII線断面図である。
【図13】第4の実施の形態の回転機の固定子で用いている収容部材の斜視図である。
【図14】図13のXIV−XIV線断面図である。
【図15】保持部の1例を示す図である。
【図16】第5の実施の形態の回転機の固定子で用いている収容部材の斜視図である。
【図17】図16のXVII−XVII線断面図である。
【図18】第6の実施の形態の回転機の固定子で用いている収容部材の斜視図である。
【図19】図18のXIX−XIX線断面図である。
【図20】第7の実施の形態の回転機の固定子の斜視図である。
【図21】第7の実施の形態の回転機の固定子で用いている収容部材の斜視図である。
【図22】図21のXXII−XXII線断面図である。
【図23】第7の実施の形態の回転機の固定子で用いている収容部材の裏側の斜視図である。
【図24】図23のXXIV−XXIV線断面図である。
【図25】第8の実施の形態の回転機の固定子で用いている収容部材の斜視図である。
【図26】図25のXXVI−XXVI線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本発明の実施の形態を説明する。なお、以下では、固定子巻線が集中巻き方式でティースに巻かれている固定子と、固定子の内側に回転可能に支持されている回転子により構成される回転子内転型の電動機について説明する。
勿論、本発明は、回転子が固定子の外側に回転可能に支持されている回転子外転型の電動機として構成することもできる。また、本発明は、電動機に限定されず、発電機等の種々の回転機として構成することができる。
【0018】
第1の実施の形態の回転機の固定子10を、図1〜8を参照して説明する。図1は、第1の実施の形態の回転機の固定子10の斜視図であるが、収容部材60(図5参照)は図示されていない。なお、収容部材は、端部絶縁部材40の内壁部41と外壁部42の間の空間を覆っているため(端部絶縁部材40については後述する)、「カバー部材」ということもできる。図2は、固定子コア20の部分断面図である。図3は、第1の実施の形態の回転機の固定子10の斜視図であり、図4は、図3のIV−IV線断面図である。図5は、第1の実施の形態の回転機の固定子10で用いている収容部材60の斜視図であり、図6は、図5のVI−VI線断面図である。
なお、本明細書では、「軸方向」は、回転子が固定子10に対して回転可能に支持されている状態において、回転子の中心を通る線(図1に示されている回転中心線P)の方向を示す。また、「周方向」は、回転子が固定子10に対して回転可能に支持されている状態において、軸方向(回転中心線Pの方向)に直角な断面でみて、回転中心線Pを中心とする円周方向を示す。また、「径方向」は、回転子が固定子10に対して回転可能に支持されている状態において、軸方向(回転中心線Pの方向)に直角な断面でみて、回転中心線Pを通る方向を示す。
【0019】
本実施の形態の回転機は、固定子10と、回転子(図示省略)により構成されている。
固定子10は、固定子コア20と、固定子巻線30と、端部絶縁部材40および50と、収容部材60により構成されている。
本実施の形態では、固定子コア20は、円筒状(略円筒状を含む)に形成されており、軸方向両側に端面を有している。固定子コア20は、分割された固定子コア(固定子コア部分)を組み立てて円筒状に形成することもできる。固定子コア20は、図2に示されているように、軸方向に直角な断面で見て、周方向に沿って延びているヨーク21と、周方向に間隔を空けて、ヨーク21から径方向に沿って延びている複数のティース22を有している。固定子コア20は、複数の薄板状の電磁鋼板を軸方向に積層し、オートクランプ等で一体化した積層体により構成されている。また、ヨーク21は、環状(略環状を含む)に形成されている。各ティース22は、軸方向に直角な断面で見て、ヨーク21から径方向内側(回転中心線P側)に延びているティース基部22aと、ティース基部22aの先端側に設けられ、周方向に沿って延びているティース先端部22bを有している。ティース先端部22bには、ヨーク21と反対側にティース先端面22cが形成されている。ティース先端面22cは、回転中心線Pを中心とする円弧形状に形成されている。
本実施の形態の回転機では、回転子は、固定子10の内側の回転子収容空間24内に、ティース先端面22cとの間に空隙(ギャップ)を有している状態で回転可能に支持されている。
ヨーク21と、周方向に隣接する2つのティース22とによって、スロット23が形成されている。スロット23は、周方向に隣接する2つのティース22のティース先端部22bの間にスロット開口部23aを有している。
スロット23内には、スロット絶縁部材25が設けられている。スロット絶縁部材25としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等により、弾性を有するシート状(フィルム状)に形成された絶縁部材が用いられる。そして、スロット絶縁部材25が配置されている状態で、固定子巻線30がスロット23内に挿入される。
【0020】
端部絶縁部材40、50は、固定子コア20の軸方向両側に設けられている。端部絶縁部材40、50は、例えば、ポリエチレンサルファイド(PPS)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、液晶ポリマー(LCP)等により形成される。
本実施の形態では、端部絶縁部材40と50は同じ構成であるため、以下では、端部絶縁部材40の構成について説明する。なお、本実施の形態で用いている端部絶縁部材40、50は公知である(例えば、特開2010−252442号公報参照)。
端部絶縁部材40は、軸方向に直角な断面で見て、周方向に沿って延びている複数の内壁部41と、内壁部41より径方向外側に、周方向に沿って延びている外壁部42と、径方向に沿って延びており、内壁部41と外壁部42を接続する複数の接続部43(図1では、接続部43は、他の部材により遮られているため、図示されていない)を有している。端部絶縁部材40が固定子コア20の軸方向一方側に配置された状態において、内壁部41は、ティース22のティース先端部22bに対向する位置に配置され、外壁部42は、ヨーク21に対向する位置に配置され、接続部43は、ティース22のティース基部22aに対向する位置に配置される。「ティース基部22aに対向する位置に配置される」構成は、軸方向に直角な断面で見て、少なくとも一部がティース基部22aと重なるように配置される態様を含む。
内壁部41が本発明の「第1の壁部」に対応し、外壁部42が発明の「第2の壁部」に対応し、接続部43が本発明の「接続部」に対応する。回転子外転型の回転機では、「第1の壁部」および「第2の壁部」として、それぞれ外壁部および内壁部が用いられる。
なお、端部絶縁部材40が固定子コア20の軸方向一方側に配置された状態において、内壁部41の内壁面(第1の壁部の回転子側の面)が、ティース先端面22cより回転子側に飛び出ないように構成するのが好ましい。端部絶縁部材40の接続部43は、固定子巻線30をティース22に集中巻き方式で巻く際に用いられる。
【0021】
なお、本実施の形態では、固定子コア20と端部絶縁部材40との境界部で絶縁不良が発生するのを防止するために、スロット絶縁部材25は、固定子コア20の軸方向端面から軸方向に飛び出ている。スロット絶縁部材25の飛び出し長さは、固定子巻線30と固定子コア20との絶縁距離を考慮して、2mm〜4mmの範囲内に設定される。
また、本実施の形態では、スロット23内に挿入された、周方向に隣接する固定子巻線30間を絶縁するために、相間絶縁部材26がスロット23内に挿入されている。相間絶縁部材26としては、スロット絶縁部材25と同様の絶縁部材を用いることができる。本実施の形態では、図2に示されているように、シート状の絶縁部材を折り曲げて形成され、軸方向に直角な断面で見て、V字状(略V字状を含む)を有する相間絶縁部材26が用いられている。なお、図2は、簡略化して示されている。
【0022】
ここで、図1に示されているように、ティース22と端部絶縁部材40(50)の接続部43に直接巻き付けられた固定子巻線30は、一方の端部31(1)〜31(4)と他方の端部32(1)〜32(3)を有している。固定子巻線30の各端部は、固定子巻線30の結線方法に応じて処理される。例えば、スター結線される場合には、3相(U相、V相、W相)の固定子巻線の一方の端部は、中性点に接続され、他方の端部は、外部に引き出される。本実施の形態では、4つのスター結線された固定子巻線が並列に接続されている。図1に示されている、固定子巻線30の一方の端部31(1)〜31(4)は、それぞれ、中性点に接続されているU相、V相、W相の固定子巻線30の一方の端部をスター結線毎に束ねたものを表している。中性点に接続されている固定子巻線30の一方の端部31(1)〜31(4)は、通常、接続点保護部材によって覆われる。また、固定子巻線30の他方の端部32(1)〜32(3)は、それぞれ、U相、V相、W相の4つの固定子巻線30の他方の端部を相毎に束ねたものを表している。
固定子巻線30の端部31(1)〜31(4)が本発明の「収容溝に収容される固定子巻線の端部」あるいは「固定子巻線の一方の端部」に対応し、固定子巻線30の端部32(1)〜32(3)が本発明の「固定子巻線の他方の端部」に対応する。
固定子巻線30の結線方法、並列に接続する固定子巻線30の数、固定子巻線30の端部を外部に引き出す方法は、適宜選択可能である。
なお、本明細書では、各符号に付されている括弧付きの数字(1)、(2)、(3)、(4)等は、単に、説明を簡単にするためのものであり、構成が異なることを示すものではない。すなわち。括弧付きの数字を除いた符号が同じものは、同等物である。
【0023】
本実施の形態では、ティース22と端部絶縁部材40(30)の接続部43に巻き付けられた固定子巻線30の端部31(1)〜31(4)および32(1)〜32(3)は、一方の端部絶縁部材40の内壁部41と外壁部42の間に配置される。また、端部絶縁部材40の内壁部41と外壁部42の間に配置されている固定子巻線30の端部31(1)〜31(4)および32(1)〜32(3)が移動するのを防止するために収容部材60が設けられている。
【0024】
収容部材60は、端部絶縁部材40、50と同じ材料により形成することができる。収容部材60は、図5〜8に示されているように、基部61、収容溝形成部62、外壁部63を有している。
基部61は、径方向に沿って延びているとともに、周方向に沿って延びている。本実施の形態では、基部61は、軸方向に直角な断面で見て、リング形状を有している。
収容溝形成部62は、基部61から軸方向に沿って端部絶縁部材40側に突出しているとともに、周方向に沿って延びている。収容溝形成部62によって、基部61の、端部絶縁部材40と反対側に、固定子巻線30の端部31(1)〜31(4)を収容する収容溝65(1)〜65(4)が形成されている。収容溝65(1)〜65(4)は、基部61の、端部絶縁部材40と反対側の基部表面61側が開口している。収容溝65(1)〜65(4)の形状は、固定子巻線30の端部31(1)〜31(4)を収容可能な適宜の形状に形成される。本実施の形態では、収容溝65(1)〜65(4)は、軸方向に直角な断面で見て、周方向に沿って延びるように形成されている。すなわち、図6に示されているように、収容溝65(3)は、径方向に沿って対向して配置されている壁面65a(3)と65b(3)によって形成されている。壁面65a(3)と65b(3)は、周方向に沿って平行(略平行を含む)に延びている。壁面65b(3)は、壁面65a(3)より径方向外側に配置されている。他の収容溝も同様である。なお、収容溝65(1)〜65(4)は、図5では、回転中心からの径方向長さが等しくなるように(ほぼ等しいを含む)形成されているが、回転中心からの径方向長さが異なるように形成されていてもよい。
外壁部63は、収容溝形成部62より径方向外側に設けられ、基部61から軸方向に沿って端部絶縁部材40側に延びているとともに、周方向に沿って延びている。
【0025】
本実施の形態では、基部61から軸方向に沿って端部絶縁部材40側に突出している(延びている)収容溝形成部62には、径方向内側に、収容溝形成部62の内周面として用いられる壁面62aが周方向に沿って形成され、径方向外側(外壁部63と対向する側)に、壁面62bが周方向に沿って形成されている。
また、基部61から軸方向に沿って端部絶縁部材40側に延びている外壁部63には、径方向内側(収容溝形成部62と対向する側)に、壁面63aが周方向に沿って形成され、径方向外側に、収容部材60の外周面として用いられる壁面63bが周方向に沿って形成されている。
そして、収容溝形成部62の壁面(外壁部63と対向する側の壁面)62bと、外壁部63の壁面(収容溝形成部62と対向する側の壁面)63aによって、基部61の端部絶縁部材40側に、固定子巻線30の端部31(1)〜31(4)および32(1)〜32(3)が配置される収容空間64が形成されている。
【0026】
収容部材60は、端部絶縁部材40に取り付けられる。本実施の形態では、収容部材60と端部絶縁部材の一方に設けられた、弾性を有する鉤状の爪部と、他方に設けられ、爪部が係合可能な段差部により構成される取付部により収容部材60が端部絶縁部材40に取り付けられる。収容部材60を端部絶寝部材40に取り付ける方法としては、これ以外の種々の公知の方法を用いることができる。
この時、収容部材60の収容空間64が、端部絶縁部材40の内壁部41と外壁部42の間に配置されている、固定子巻線30の端部31(1)〜31(4)および32(1)〜32(3)と対向する位置に配置されるように、収容部材60が端部絶縁部材40に取り付けられる。これにより、固定子巻線30の端部31(1)〜31(4)および32(1)〜32(3)が軸方向(回転中心線Pの方向)に飛び出るのを防止することができる。
また、固定子巻線30の端部31(1)〜31(4)および32(1)〜32(3)は、収容空間64内にまとめて配置する方が、振動等による移動を防止することができる。このため、図6に示されているように、収容溝形成部62の壁面(収容空間64の内周面を形成する壁面)62bが、径方向に沿った断面で見て、傾斜している。本実施の形態では、壁面62bの傾斜方向は、固定子巻線30の端部31(1)〜31(4)および32(1)〜32(3)が、収容空間64内において径方向外側に寄せられるように設定されている。すなわち、回転中心線Pと壁面62bとの間の距離が、端部絶縁部材40側(図6の下側)が、端部絶縁部材40と反対側(図6の上側)より短くなるように設定されている。これにより、固定子巻線30の端部31(1)〜31(4)および32(1)〜32(3)は、収容空間64内の径方向外側に寄せられるため、振動等による移動を防止することができる。
なお、収容溝形成部62の壁面(収容空間64の内周面を形成する壁面)62bおよび外壁部63の壁面(収容空間64の外周面を形成する壁面)63aのいずれを傾斜させるか、また、傾斜方向は、適宜選択可能である。
【0027】
また、収容部材60は、基部61の端部絶縁部材40側と、基部61の端部絶縁部材40と反対側を連通する連通部を有している。本実施の形態では、連通部66(1)〜66(4)と67を有している。
連通部66(1)〜66(4)は、それぞれ、固定子巻線30の端部31(1)〜31(4)を、基部61の端部絶縁部材40側から、基部61の端部絶縁部材40と反対側に軸方向に沿って通すためのものである。また、連通部66(1)〜66(4)は、収容溝65(1)〜65(4)の、周方向に沿った一方端に連通している。これにより、固定子巻線30の端部31(1)〜31(4)(先端を含む端部)は、連通部66(1)〜66(4)を通された後、連通部66(1)〜66(4)に一方端が連通されている収容溝65(1)〜65(4)内に収容される。なお、図5には、固定子巻線30の端部31(1)〜31(4)のうち、端部31(1)と31(3)のみが図示されている。したがって、固定子巻線30の端部31(1)〜31(4)が、振動等によって移動するのを防止することができる。
連通部67は、固定子巻線30の端部32(1)〜32(3)を、基部61の端部絶縁部材40側から、基部61の端部絶縁部材40と反対側に軸方向に通すためのものである。固定子巻線30の端部32(1)〜32(3)は、連通部67を通された後、外部に引き出される。端部32(1)〜32(3)を外部に引き出す方法としては、端部32(1)〜32(3)をそのまま引き出す方法や、端部32(1)〜32(3)を引き出し線に接続し、引き出し線を外部に引き出す方法を用いることができる。本実施の形態では、固定子巻線30の端部32(1)〜32(3)をそのまま引き出している。なお、本発明の「固定子巻線の端部」には、固定子巻線の端部自体だけでなく、固定子巻線の端部に接続されている引き出し線も包含される。
連通部66(1)〜66(4)が、本発明の「連通部」あるいは「第1の連通部」に対応し、連通部67が、本発明の「第2の連通部」に対応する。
【0028】
収容溝65(1)〜65(4)は、基部61の基部表面61a側が開口しているため、固定子巻線30の端部31(1)〜31(4)を収容溝65(1)〜65(4)に容易に収容することができる。ここで、固定子巻線30の端部31(1)〜31(4)が、収容溝65(1)〜65(4)の開口から抜け出るおそれがある。このため、固定子巻線30の端部31(1)〜31(4)が収容溝65(1)〜65(4)から抜け出るのを防止する保持部(保持構造を含む)を設けるのが好ましい。
本実施の形態では、収容溝65(1)〜65(4)内に収容されている固定子巻線30の端部31(1)〜31(4)を、紐80を用いて、収容部材60の基部61に固定している。紐80としては、例えば、ポリエステルコード(ポリエステルより紐、ポリエステル編組紐)、ノーメックスコード、PPSコード、ベクトランコード、ポリエステル・ノーメックス混合(編組)紐等が用いられる。また、紐80としては、糸を用いることもできる。紐80が、本発明の「保持部」に対応する。
本実施の形態では、紐80を用いて端部31(1)〜31(4)を収容部材60の基部61に固定する作業を容易にするために、紐80を通すための溝が形成されている。すなわち、図5〜7に示されているように、収容部材60は、基部61の基部表面61a、収容溝形成部62の壁面62aおよび外壁部63の壁面63bに溝(紐挿入溝)68(1)〜68(4)が形成されている。そして、固定子巻線30の端部31(1)〜31(4)を収容溝65(1)〜65(4)内に収容した状態で、溝68(1)〜68(4)に通した紐80を用いて端部31(1)〜31(4)を基部61に固定している。なお、溝68(1)〜68(4)は、省略することもできる。
【0029】
本実施の形態では、固定子巻線の端部(共通点に接続される端部)を収容溝に収容(少なくとも端部の先端を収容)しているため、固定子巻線の端部が、振動等によって移動するのを防止することができる。また、軸方向に沿って、端部絶縁部材の、固定子コアと反対側に収容部材を設け、収容部材の、端部絶縁部材と反対側に収容溝を設けているため、固定子巻線の端部を収容溝に容易に収容することができる。また、収容溝を形成する収容溝形成部の壁面を用いて、固定子巻線の端部を配置する収容空間を形成し、固定子巻線の端部がこの収容空間より外に移動するのを防止している。これにより、固定子巻線の端部が移動するのを低コストで効果的に防止することができる。
【0030】
次に、本発明の回転機の他の実施の形態を説明する。なお、以下に説明する他の実施の形態は、収容部材の保持部(保持構造)が異なるだけであるため、収容部材の構成のみを説明する。
【0031】
第2の実施の形態の回転機の固定子で用いている収容部材160が、図9および図10に示されている。
収容部材160は、第1の実施の形態の収容部材60と同様に、基部161、収容溝形成部162、外壁部163を有している。
また、収容部材160は、基部161の、端部絶縁部材40と反対側に、基部平面161a側が開口している収容溝165(1)〜165(4)を有している。収容溝165(1)〜165(4)は、軸方向に直角な断面で見て、周方向に沿って延びている。例えば、図10に示されているように、収容溝165(3)は、周方向に沿って延びている壁面165a(3)と、壁面165a(3)より径方向外側に配置され、周方向に沿って延びている壁面165b(3)によって形成されている。
【0032】
本実施の形態では、収容溝165(1)〜165(4)に、凸部171(1)〜171(4)と凹部172(1)〜172(4)が設けられている。例えば、図10に示されているように、収容溝165(1)を形成する壁面165a(1)に、収容溝165(1)内に突出する凸部171(1)が設けられている。また、収容溝165(1)を形成する壁面165b(1)に、径方向に沿って、収容溝165(1)を挟んで凸部171(1)と対向する箇所に、収容溝165(1)から窪んでいる凹部172(1)が設けられている。
さらに、本実施の形態では、凸部171(1)と凹部172(1)の互いに対向する壁面171a(1)と壁面172a(1)が同じ方向に傾斜している。本実施の形態では、図10に示されているように、回転中心線Pと壁面171a(1)(172a(1))との間の距離が、端部絶縁部材40側(図10の下側)が、端部絶縁部材40と反対側(図10の上側)より短くなるように傾斜している。好適には、凸部171(1)の壁面171a(1)は、収容溝165(1)の壁面165a(1)から延び、また、凹部172(1)の壁面172a(1)は、収容溝165(1)の壁面165b(1)から延びるように形成される。
なお、収容部材160は、収容部材60と同様に、固定子巻線30の端部31(1)〜31(4)を軸方向に通す連通部166(1)〜166(4)、端部32(1)〜32(3)を軸方向に通す連通部167、紐80を挿入する溝168(1)〜168(4)を有している。
本実施の形態では、例えば、固定子巻線30の端部31(1)を収容溝165(1)に挿入する際には、図9に示されているように、固定子巻線30の端部31(1)は、凸部171(1)と凹部172(1)に沿うように、固定子巻線30の端部31(1)または凹凸部が径方向に弾性変形される。さらに、固定子巻線30の端部31(1)は、凸部171(1)の壁面171a(1)と、凹部172(1)の壁面172a(1)と、収容溝165(1)の壁面165a(1)および165b(1)の間に挟持される。これにより、固定子巻線30の端部31(1)は、収容溝165(1)内に保持される。端部31(2)〜31(4)も同様である。
本実施の形態では、凸部171(1)〜171(4)および凹部172(1)〜172(4)が、本発明の「固定子巻線の端部を収容溝内に保持する保持部」に対応する。
なお、凸部と凹部の組み合わせを、周方向に沿って複数設けてもよい。
【0033】
第3の実施の形態の回転機の固定子で用いている収容部材260が、図11および図12に示されている。
第3の実施の形態の収容部材260は、第1の実施の形態の収容部材60と同様に、基部261、収容溝形成部262、外壁部263を有している。また、収容部材260は、基部261の、端部絶縁部材40と反対側に、基部平面261a側が開口している収容溝265(1)〜265(4)を有している。
また、収容溝265(1)〜265(4)に、凸部271(1)〜271(4)と凹部272(1)〜272(4)が設けられている。本実施の形態では、凸部271(1)〜271(4)と凹部272(1)〜272(4)の配設位置が第2の実施の形態と異なっている。例えば、収容溝265(1)を形成する壁面265b(1)に、収容溝265(1)内に突出する凸部271(1)が設けられている。また、収容溝265(1)を形成する壁面265a(1)に、径方向に沿って凸部271(1)と対向する箇所に、収容溝265(1)から窪んでいる凹部272(1)が設けられている。
さらに、本実施の形態では、凸部271(1)と凹部272(1)の互いに対向する壁面271a(1)と壁面272a(1)が同じ方向に傾斜している。本実施の形態では、図12に示されているように、回転中心線Pと壁面271a(1)(272a(1))との間の距離が、端部絶縁部材40側(図12の下側)が、端部絶縁部材40と反対側(図12の上側)より長くなるように傾斜している。好適には、凸部271(1)の壁面271a(1)は、収容溝265(1)の壁面265b(1)から延び、また、凹部272(1)の壁面272a(1)は、収容溝265(1)の壁面265a(1)から延びるように形成される。
なお、収容部材260は、収容部材60と同様に、固定子巻線30の端部31(1)〜31(4)を軸方向に通す連通部266(1)〜266(4)、端部32(1)〜32(3)を軸方向に通す連通部267、紐80を挿入する溝268(1)〜268(4)を有している。
本実施の形態では、例えば、固定子巻線30の端部31(1)を収容溝265(1)に挿入する際には、図11に示されているように、固定子巻線30の端部31(1)は、凸部271(1)と凹部272(1)に沿うように、固定子巻線30の端部31(1)または凹凸部が径方向に弾性変形される。さらに、固定子巻線30の端部31(1)は、凸部271(1)の壁面271a(1)と、凹部272(1)の壁面272a(1)と、収容溝265(1)の壁面265a(1)および265b(1)の間に挟持される。これにより、固定子巻線30の端部31(1)は、収容溝265(1)内に保持される。端部31(2)〜31(4)も同様である。
本実施の形態では、凸部271(1)〜271(4)および凹部272(1)〜272(4)が、本発明の「固定子巻線の端部を収容溝内に保持する保持部」に対応する。
なお、凸部と凹部の組み合わせを、周方向に沿って複数設けてもよい。
【0034】
第4の実施の形態の回転機の固定子で用いている収容部材360が、図13、図14および図15に示されている。
第4の実施の形態の収容部材360は、第1の実施の形態の収容部材60と同様に、基部361、収容溝形成部362、外壁部363を有している。また、収容部材360は、基部361の、端部絶縁部材40と反対側に、基部平面361a側が開口している収容溝365(1)〜365(4)が形成されている。
また、本実施の形態では、収容溝365(1)〜365(4)を形成する壁面に、保持部材を挿入する挿入溝(保持部材挿入溝)が形成されているとともに、挿入溝に、保持部材を係止する係止孔が形成されている。例えば、図14に示されているように、収容溝365(1)を形成する、径方向に対向する壁面365a(1)および365b(1)に、軸方向に沿って延びている挿入溝371(1)および372(1)が形成されている。また、挿入溝371(1)および372(1)に連通しているとともに、径方向に沿って延びている係止孔373(1)および374(1)が形成されている。
また、本実施の形態では、図15に示されている保持部材390が用いられる。保持部材390は、本体部391と、凸部392および393を有している。本体部391は、一対の脚部を有する断面U字状に形成されている。なお、本体部391は、一対の脚部が離間する方向に弾性変形可能に構成されている。凸部392および393は、一対の脚部の外側に設けられている。
なお、収容部材360は、収容部材60と同様に、固定子巻線30の端部31(1)〜31(4)を軸方向に通す連通部366(1)〜366(4)、端部32(1)〜32(3)を軸方向に通す連通部367、紐80を挿入する溝368(1)〜368(4)を有している。
本実施の形態では、固定子巻線30の端部31(1)を収容溝365(1)内に挿入した状態で、保持部材390によって端部31(1)を保持する。すなわち、本体部391を弾性変形させた状態で、両脚部を挿入溝371(1)および372(1)に挿入し、両脚部に設けられている凸部392および393を、係止孔373(1)および374(1)に係止させる。これにより、端部31(1)は、収容溝365(1)内に保持される。端部31(2)〜31(4)も同様である。
本実施の形態では、溝部371(1)、372(1)、係止孔373(1)、374(1)および保持部材390が、本発明の「固定子巻線の端部を収容溝内に保持する保持部」に対応する。
【0035】
第5の実施の形態の回転機の固定子で用いている収容部材460が、図16および図17に示されている。
第5の実施の形態の収容部材460は、第1の実施の形態の収容部材60と同様に、基部461、収容溝形成部462、外壁部463を有している。また、収容部材460は、基部461の、端部絶縁部材40と反対側に、基部平面461a側が開口している収容溝465(1)〜465(4)を有している。
また、本実施の形態では、収容溝465(1)〜465(4)を形成する壁面に段差部471(1)〜471(4)および472(1)〜472(4)が形成されている。段差部471(1)〜471(4)および472(1)〜472(4)は、溶着を行う箇所の目印として用いられる。
なお、収容部材460は、収容部材60と同様に、固定子巻線30の端部31(1)〜31(4)を軸方向に通す連通部466(1)〜466(4)、端部32(1)〜32(3)を軸方向に通す連通部467、紐80を挿入する溝468(1)〜468(4)を有している。
本実施の形態では、固定子巻線30の端部31(1)〜31(4)を挿入溝465(1)〜465(4)内に挿入した状態で、収容溝465(1)〜465(4)を形成する壁面を溶着し、溶着部を収容溝465(1)〜465(4)内に形成する。例えば、図17に示されているように、端部31(1)を収容溝465(1)内に挿入した状態で、収容溝465(1)を形成する壁面465a(1)および465b(1)に形成されている段差部471(1)および472(1)の箇所を加熱し、溶着部473を収容溝465(1)内に形成する。これにより、固定子巻線30の端部31(1)は、収容溝465(1)内に保持される。他の端部31(2)〜32(4)も同様である。
本実施の形態では、収容溝465(1)〜465(4)内に形成される溶着部473が、本発明の「固定子巻線の端部を収容溝内に保持する保持部」に対応する。
なお、段差部471(1)〜471(4)および472(1)〜472(4)を省略し、収容溝465(1)〜465(4)を形成する壁面の適宜の箇所を加熱して溶着部を形成してもよい。
【0036】
第6の実施の形態の回転機の固定子で用いている収容部材560が、図18および図19に示されている。
第6の実施の形態の収容部材560は、第1の実施の形態の収容部材60と同様に、基部561、収容溝形成部562、外壁部563を有している。また、収容部材560は、基部561の、端部絶縁部材と反対側に、基部平面561a側が開口している収容溝565(1)〜565(4)を有している。
また、本実施の形態では、収容溝565(1)〜565(4)を形成する壁面に収容溝565(1)〜565(4)内に突出する凸部が設けられている。例えば、図19に示されているように、収容溝565(3)を形成する壁面565a(3)および565b(3)に、収容溝565(3)内に突出する凸部571(3)および572(3)が、径方向に対向する箇所に形成されている。ここで、図19の部分拡大図に示されているように、凸部571(3)および572(3)は、凸部571(3)と572(3)との間の間隔Dが、固定子巻線30の端部31(3)の幅より小さくなるように形成される。また、凸部571(3)および572(3)より奥(端部絶縁部材40側)に、端部31(3)を収容可能な空間が形成されるように形成される。凸部の形状は、適宜設定可能である。例えば、周方向に沿って延びるように形成してもよい。
なお、収容部材560は、収容部材60と同様に、固定子巻線30の端部31(1)〜31(4)を軸方向に通す連通部566(1)〜566(4)、端部32(1)〜32(3)を軸方向に通す連通部567、紐80を挿入する溝568(1)〜568(4)を有している。
本実施の形態では、固定子巻線30の端部31(1)〜31(4)を収容溝565(1)〜565(4)内に挿入する際には、収容溝565(1)〜565(4)に形成されている凸部より奥(端部絶縁部材側)に配置する。例えば、固定子巻線30の端部31(3)を収容溝565(3)内に収容する際には、端部31(3)は、凸部571(3)および572(3)が設けられている箇所より奥(端部絶縁部材側)に配置される。固定子巻線30の端部31(3)を凸部571(3)および572(3)が設けられている箇所より奥に配置する方法としては、例えば、固定子巻線30の端部31(3)あるいは凸部571(3)および572(3)の弾性変形を利用して凸部571(3)および572(3)の間を通す方法を用いることができる。あるいは、固定子巻線30の端部31(3)の先端を、収容溝31(3)の周方向の一端側から、凸部571(3)および572(3)が設けられている箇所より奥(端部絶縁部材側)の空間内に挿入する方法を用いることができる。これにより、固定子巻線30の端部31(3)は、収容溝565(3)内に保持される。他の端部も同様である。
本実施の形態では、収容溝565(3)に形成される凸部571(3)および572(3)が、本発明の「固定子巻線の端部を収容溝内に保持する保持部」に対応する。
なお、収容溝565(3)内の径方向の幅を小さくする方法としては、凸部571(3)および572(3)を形成する方法に限定されず、凸部571(3)および572(3)の一方を形成する方法を用いることもできる。
【0037】
次に、第7の実施の形態の回転機の固定子10を、図20〜24を参照して説明する。なお、図20は、第7の実施の形態の固定子10の斜視図である。また、図21は、第7の実施の形態の固定子10で用いている収容部材660の斜視図であり、図22は、図21のXXII−XXII線断面図である。また、図23は、収容部材660の裏側の斜視図であり、図24は、図23のXXIV−XXIV線断面図である。
第7の実施の形態の収容部材660は、収容部材60と同様に、基部661、収容溝形成部662、外壁部663を有している。なお、本実施の形態では、収容溝形成部662の壁面662aは、端部絶縁部材40側に複数の凸部662Xが形成されている。凸部662Xは、図20に示されているように、端部絶縁部材の内壁の間に配置される。これにより、固定子巻線30の端部31(1)〜31(4)および32(1)〜32(4)が径方向内側に飛び出るのを防止することができる。
また、第1〜第6の実施の形態の収容部材では、固定子巻線30の端部31(1)〜31(4)をそれぞれ異なる収容溝に収容したが、本実施の形態の収容部材660では、固定子巻線30の端部31(1)〜31(4)のうちの2つの端部を1つの収容溝に収容している。すなわち、収容部材660は、基部661の、端部絶縁部材40と反対側に、基部平面661a側が開口している収容溝665(1)と665(2)を有している。また、収容溝665(1)および665(2)を形成する壁面の一方に、収容溝665(1)および665(2)内に突出している凸部671(1)および671(2)が形成されているとともに、他方に、収容溝665(1)および665(2)から窪んでいる凹部672(1)および672(2)が形成されている。凸部671(1)および671(2)と凹部672(1)および672(2)は、収容溝665(1)および665(2)の奥(端部絶縁部材側)に固定子巻線30の端部31(1)〜31(4)を収容可能な空間が形成されるとともに、周方向に沿った両端から端部31(1)〜31(4)をこの空間内に挿入可能に形成されている。本実施の形態では、図22に示されているように、凸部671(2)と凹部672(2)の互いに対向する壁面671a(2)および672a(2)が、径方向に沿った断面で見て、傾斜している。
また、収容部材660は、固定子巻線30の端部31(1)〜31(4)を軸方向に通す連通部666(1)〜666(4)、端部32(1)〜32(3)を軸方向に通す連通部667を有している。なお、本実施の形態では、収容溝665(1)および665(2)の周方向両端が、異なる連通部に連通している。例えば、図21に示されているように、収容溝665(1)の周方向一端は、連通溝666(1)に連通し、周方向他端は、連通溝666(2)に連通している。
【0038】
本実施の形態では、固定子巻線30の端部31(1)〜31(4)を収容溝665(1)および665(2)内に収容する際には、端部31(1)〜31(4)の先端を、凸部671(1)および671(2)の下(奥)に潜らせる。例えば、図21に破線で示されているように、端部31(1)の先端を、凸部671(1)の下(端部絶縁部材40側)に、周方向に沿った一端側から潜らせ、端部31(2)の先端を、凸部671(1)の下(端部絶縁部材40側)に、周方向に沿った他端側から潜らせる。これにより、端部31(1)および31(2)は、収容溝665(1)内に保持される。端部31(3)および31(4)も同様である。
本実施の形態では、凸部671(1)、671(2)および凹部672(1)、672(2)が、本発明の「固定子巻線の端部を収容溝内に保持する保持部」に対応する。
なお、凹部672(1)および672(2)は省略することもできる。また、凸部671(1)および671(2)の形状は、凸部671(1)および671(2)の奥側の空間に端部31(1)〜31(4)を収容することが可能な種々の形状に形成することができる。例えば、収容溝665(1)を形成する壁面665a(1)と665b(1)を、基部表面661a側において、接続部材で接続することによって、接続部材の奥(端部絶縁部材40側)に、端部を収容可能な空間を形成する方法を用いることもできる。
【0039】
第8の実施の形態の回転機の固定子で用いている収容部材760が、図25および図26に示されている。
第8の実施の形態の収容部材760は、第1の実施の形態の収容部材60と同様に、基部761、収容溝形成部762、外壁部763を有している。
また、収容部材760は、基部761の、端部絶縁部材と反対側に、基部平面761a側が開口している収容溝765(1)、765(2)を有している。収容溝形成部762は、端部絶縁部材40側に複数の凸部762Xが形成されている。凸部762Xは、凸部662Xと同様の効果を有している。
また、収容部材760は、収容部材660と同様に、固定子巻線30の端部31(1)〜31(4)のうちの2つの端部を1つの収容溝に収容している。本実施の形態では、収容溝765(1)および765(2)を形成する壁面の一方に、収容溝765(1)および765(2)内に突出している凸部771(1)、773(1)、771(2)および773(2)が形成されているとともに、他方に、収容溝765(1)および765(2)から窪んでいる凹部772(1)、774(1)、772(2)および774(2)が形成されている。凸部771(1)、773(1)、771(2)および773(2)と凹部772(1)、774(1)、772(2)および774(2)は、径方向に対向する箇所に配置されている。また、凸部と凹部の径方向に対向する壁面は、傾斜している。例えば、図26に示されているように、凸部773(1)と凹部774(1)の対向する壁面773a(1)と774a(1)は、径方向に沿った断面で見て、傾斜している。
本実施の形態では、固定子巻線30の端部31(1)〜31(4)は、弾性変形した状態で収容溝765(1)および765(2)内に挿入される。例えば、端部31(1)を収容溝765(1)内に挿入する際には、図25に示されているように、端部31(1)は、凸部771(1)と凹部772(1)に沿って、径方向に弾性変形される。さらに、端部31(1)は、凸部771(1)の壁面771a(1)および凹部772(1)の壁面772a(1)と収容溝765(1)の壁面765a(1)および765b(1)の間に挟持される。これにより、端部31(1)は、収容溝765(1)内に保持される。また、端部31(2)を収容溝765(1)内に挿入する際には、図25に示されているように、端部31(2)は、凸部773(1)と凹部774(1)に沿って、径方向に弾性変形される。さらに、端部31(2)は、凸部773(1)の壁面773a(1)および凹部774(1)の壁面774a(1)と、収容溝765(1)の壁面765a(1)および765b(1)の間に挟持される。これにより、端部31(2)は、収容溝765(1)内に保持される。端部31(3)および31(4)も同様である。
本実施の形態では、凸部771(1)、773(1)、771(2)、773(2)および凹部772(1)、774(1)、772(2)、774(2)が、本発明の「固定子巻線の端部を収容溝内に保持する保持部」に対応する。
なお、収容溝を形成する内周側の内壁面に凸部を形成し、収容溝を形成する外周側の内壁面に凹部を形成したが、内壁側の内壁面に凹部を形成し、外壁側の内壁面に凸部を形成してもよい(第3の実施の形態参照)。また、凸部と凹部の対向する壁面の傾斜方向は、適宜設定可能である。また、固定子巻線の2つの端部を、中性点(共通点)で接続した状態で1つの収容溝に収容してもよい。例えば、固定子巻線30の端部31(1)と31(2)を、中性点で接続した状態で、収容溝765(1)に収容してもよい。この場合には、凸部と凹部の組み合わせを複数対設けてもよいし、一対のみ設けてもよい。
【0040】
本発明は、実施の形態で説明した構成に限定されず、種々の変更、追加、削除が可能である。
基部と、収容溝形成部と、外壁部を有する収容部材を用いたが、収容部材は、少なくとも収容溝形成部を有していればよい。例えば、収容溝形成部を有する収容部材、基部と収容溝形成部を有する収容部材を用いることもできる。
収容溝の周方向に沿った一方端あるいは両端を、固定子巻線の一方の端部(共通点に接続される端部)を軸方向に通す連通部(第1の連通部)に連通させたが、収容溝と連通部(第1の連通部)を連通させていなくてもよい。
固定子巻線の他方の端部(引き出される端部)を軸方向に引き出したが、径方向に引き出すこともできる。この場合には、固定子巻線の他方の端部を端部絶縁部材から径方向に引き出すことができる。すなわち、収容部材は、固定子巻線の一方の端部を軸方向に通す連通部(第1の連通部)を有していればよく、他方の端部を軸方向に通す連通部(第2の連通部)は省略することができる。
収容空間を形成する径方向内側の壁面を、固定子巻線が径方向外側に配置されるように傾斜させたが、固定子巻線が径方向内側に配置されるように傾斜させてもよい。また、収容空間を形成する径方向内側の壁面を傾斜させたが、収容空間を形成する径方向外側の壁面を傾斜させてもよい。
固定子巻線の端部を収容溝内に保持する方法としては、固定子巻線の端部を収容溝内に収容した後、収容溝内に樹脂を充填する方法を用いることもできる。収容溝内に充填する樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ塩化ビニール樹脂、熱可塑性樹脂等を用いることができる。なお、樹脂として、絶縁特性を有する樹脂を用いることにより、固定子巻線の端部を他の部材からより効果的に絶縁することができる。この場合には、収容溝内に充填された樹脂が、本発明の「保持部」に対応する。
固定子巻線の端部を収容溝内に保持する保持部としては、前述した保持部に限定されない。また、いずれか1つの保持部を用いることもできるし、適宜選択した複数の保持部を組み合わせて用いることもできる。
軸方向に沿って、一方の端部絶縁部材に対して固定子コアと反対側に、固定子巻線の一方の端部を収容する収容部材を設けたが、両方の端部絶縁部材に対して固定子コアと反対側に収容部材を設け、一方の収容部材に固定子巻線の一方の端部を収容し、他方の収容部材を通して固定子巻線の他方の端部を外部に引き出すように構成してもよい。
実施の形態で説明した各構成は、単独で用いることもできるし、適宜選択した複数を組み合わせて用いることもできる。
本発明は、固定子巻線を集中巻き方式でティースに巻く固定子として好適に用いることができるが、固定子巻線を他の巻き方式でティースに巻く固定子として用いることもできる。
【符号の説明】
【0041】
10 固定子
20 固定子コア
21 ヨーク
22 ティース
22a ティース基部
22b ティース先端部
22c ティース先端面
23 スロット
24 回転子収容空間
25 スロット絶縁部材
26 相間絶縁部材
30 固定子巻線
31(1)、31(2)、31(3)、31(4) 固定子巻線の端部(一方の端部)
32(1)、32(2)、32(3) 固定子巻線の端部(他方の端部)
40、50 端部絶縁部材
41 内壁部(第1の壁部)
42 外壁部(第2の壁部)
43 接続部
60、160、260、360、460、560、660、760 収容部材
61、161、261、361、461、561、661、761 基部
61a、161a、261a、361a、461a、561a、661a、761a 基部表面
62、162、262、362、462、562、662、762 収容溝形成部
62a、162a、262a、362a、462a、562a、662a、762a 壁面(収容部材の内周面)
62b、162b、262b、362b、462b、562b、662b、762b 壁面(収容空間の壁面)
63、163、263、363、463、563、663、763 外壁部(壁部)
63a、163a、263a、363a、463a、563a、663a、763a 壁面(収容空間の壁面)
63b、163b、263b、363b、463b、563b、663b、763b 壁面(収容部材の外周面)
64、164、264、364、464、564、664、764 収容空間
65(1)〜65(4)、165(1)〜165(4)、265(1)〜265(4)、365(1)〜365(4)、465(1)〜465(4)、565(1)〜565(4)、665(1)、665(2)、765(1)、765(2) 収容溝
65a(3)、65b(3)、165a(3)、165b(3)、265a(3)、265b(3)、365a(3)、365b(3)、465a(3)、465b(3)、565a(3)、565b(3)、665a(1)、665b(1)、765a(2)、765b(2) 壁面(収容溝の壁面)
66(1)〜66(4)、166(1)〜166(4)、266(1)〜266(4)、366(1)〜366(4)、466(1)〜466(4)、566(1)〜566(4)、666(1)〜666(4)、766(1)〜766(4) 連通部(第1の連通部)
67、167、267、367、467、567、667、767 連通部(第2の連通部)
68(1)〜68(4)、168(1)〜168(4)、268(1)〜268(4)、368(1)〜368(4)、468(1)〜468(4)、568(1)〜568(4) 溝(紐挿入溝)
80 紐
171(1)〜171(4)、271(1)〜271(4)、671(1)、671(2)、771(1)、771(2)、773(1)、773(2) 凸部
171a(1)、271a(1)、671a(2)、771a(1) 壁面(凹部と対向する壁面)
172(1)〜172(4)、272(1)〜272(4)、672(1)、672(2)、772(1)、772(2)、774(1)、774(2) 凹部
172a(1)、272a(1)、672a(2)、772a(1) 壁面(凸部と対向する壁面)
371(1)〜371(4)、372(1)〜372(4) 挿入溝(保持部材挿入溝)
373(1)、374(1) 係止孔(保持部材係止孔)
390 保持部材
391 本体部
392、393 凸部
471(1)〜471(4)、472(1)〜472(4) 段差部
473 溶着部
571(1)、571(3)、572(1)、572(3) 凸部
662X、762X 凸部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定子コアと、固定子巻線と、前記固定子コアの軸方向両側に設けられている端部絶縁部材を備える固定子であって、
軸方向に沿って、少なくとも一方の前記端部絶縁部材より前記固定子コアと反対側に設けられ、前記固定子巻線の端部を収容する収容部材を備え、
前記収容部材は、
径方向に沿って延びている基部と、
前記基部の前記端部絶縁部材側と、前記基部の前記端部絶縁部材と反対側を連通する連通部と、
前記基部の、前記端部絶縁部材と反対側に形成され、前記連通部を通した前記固定子巻線の端部を収容する、少なくとも1つの収容溝を有していることを特徴とする固定子。
【請求項2】
請求項1に記載の固定子であって、
前記収容溝は、周方向に沿って延びていることを特徴とする固定子。
【請求項3】
請求項1または2に記載の固定子であって、
前記少なくとも一方の端部絶縁部材は、周方向に沿って延びている壁部を有しており、
前記収容部材は、前記収容溝を形成する収容溝形成部を有し、前記収容溝形成部は、前記基部から軸方向に沿って前記端部絶縁部材側に突出し、周方向に沿って延びているとともに、前記端部絶縁部材の壁部と対向する側に壁面を有しており、
前記固定子巻線の端部は、前記端部絶縁部材の壁部と前記収容部材の収容溝形成部の壁面との間に配置された後、前記連通部を通されていることを特徴とする固定子。
【請求項4】
請求項3に記載の固定子であって、
前記収容溝形成部の壁面は、径方向に沿った断面で見て、傾斜していることを特徴とする固定子。
【請求項5】
請求項2〜4のいずれかに記載の固定子であって、
前記収容溝は、周方向に沿った少なくとも一方端が前記連通部に連通していることを特徴とする固定子。
【請求項6】
請求項2〜5のいずれかに記載の固定子であって、
前記収容溝には、周方向に沿った一方端側から、1つの前記連通部を通った前記固定子巻線の端部が挿入され、周方向に沿った他方端側から、他の前記連通部を通った前記固定子巻線の端部が挿入されていることを特徴とする固定子。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載の固定子であって、
前記固定子巻線の端部を前記収容溝内に保持する保持部を有していることを特徴とする固定子。

【請求項8】
請求項7に記載の固定子であって、
前記収容部材は、前記収容溝内に突出している凸部を有しており、
前記固定子巻線の端部は、前記凸部によって前記収容溝内に保持されていることを特徴とする固定子。
【請求項9】
請求項7に記載の固定子であって、
前記収容部材は、前記収容溝内に突出している凸部と、前記収容溝を挟んで前記凸部と対向する箇所に設けられ、前記収容溝から窪んでいる凹部を有しており、
前記固定子巻線の端部は、前記凸部と前記凹部によって前記収容溝内に保持されていることを特徴とする固定子。
【請求項10】
請求項9に記載の固定子であって、
前記凸部と前記凹部の互いに対向する部分は、径方向に沿った断面で見て、同じ方向に傾斜していることを特徴とする固定子。
【請求項11】
請求項7〜10のいずれかに記載の固定子であって、
前記収容溝には、前記固定子巻線の端部が収容されている状態で樹脂が充填されており、
前記固定子巻線の端部は、前記樹脂によって前記収容溝内に保持されていることを特徴とする固定子。
【請求項12】
請求項7〜11のいずれかに記載の固定子であって、
前記固定子巻線の端部は、前記収容溝内に収容された状態で、紐によって前記収容部材の基部に固定されていることを特徴とする固定子。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれかに記載の固定子であって、
前記固定子巻線の端部は、共通点で接続された状態で前記収容溝内に収容されていることを特徴とする固定子。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれかに記載の固定子と、回転子を備え、前記回転子は、前記固定子の前記ティース先端面との間に空隙を有するように回転可能に支持されていることを特徴とする回転機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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