回転機及び回転機を製造する方法
【課題】回転機における磁気飽和を低減する。
【解決手段】突極形の同期機10は、固定子20と、複数の突極32を有する回転子30とを備える。突極32は、界磁巻線38を巻き付ける突極胴部34と、突極胴部34よりも大きな径又は幅を有する突極頭部36とを含む。隣接する突極32の突極頭部36の間に、突極32が界磁された極と同じ極が対向するように永久磁石50設けられる。永久磁石50は、突極頭部36に接するように設けられる。
【解決手段】突極形の同期機10は、固定子20と、複数の突極32を有する回転子30とを備える。突極32は、界磁巻線38を巻き付ける突極胴部34と、突極胴部34よりも大きな径又は幅を有する突極頭部36とを含む。隣接する突極32の突極頭部36の間に、突極32が界磁された極と同じ極が対向するように永久磁石50設けられる。永久磁石50は、突極頭部36に接するように設けられる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転機に関し、とくに、突極形の同期機に関する。
【背景技術】
【0002】
突極形同期機は、水力発電機・エンジン発電機・産業用電動機など各種用途に使用されている重要な機器である。突極形同期機については、一般的な教科書に詳述されている(例えば、非特許文献1参照)。
【非特許文献1】野中作太郎著、「電気機器(I)」、第1版第13刷、森北出版株式会社、1983年8月、p.218-219、p.234
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
同期機の回転子の突極として鉄などの強磁性体を用いた方が、より少ない電流で大きな磁束密度が得られ、効率的である。しかし、鉄心では、磁気飽和により、2〜3テスラを越える磁束密度を得ることができず、また、磁気飽和が生じると大きな界磁電流が必要となるという問題がある。磁気飽和の影響を低減することが可能な技術の開発が望まれている。
【0004】
本発明は、こうした現状に鑑みてなされたものであり、その目的は、回転機における磁気飽和を低減する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のある態様は、回転機に関する。この回転機は、固定子と、回転子と、前記固定子又は前記回転子に設けられた突極と、を備え、前記突極は、界磁巻線を巻き付ける胴部と、前記胴部よりも大きな径又は幅を有する頭部と、を含み、隣接する突極の頭部の間に、前記突極が界磁された極と同じ極が対向するように設けられた磁石を更に備えることを特徴とする。
【0006】
前記磁石は、前記頭部に接するように設けられてもよい。前記磁石は、前記磁石の外周側の表面と前記頭部の外周側の表面の間に段差が生じないように、前記頭部の間に配置されてもよい。前記磁石は、外周側よりも幅の広い部分を有した形状を有してもよい。前記磁石は、内周側から外周側へ幅が狭くなる形状を有してもよい。
【0007】
前記突極及び前記磁石は、前記回転子の回転軸の軸方向に間隙をもって積層された複数の層を有してもよい。前記突極及び前記磁石は、同じ位置に前記間隙を有してもよい。前記間隙に絶縁層が形成されてもよい。
【0008】
前記突極の頭部及び前記磁石の外周側の表面に溝が形成されてもよい。前記溝は、前記回転子の回転軸に垂直な面に沿って設けられてもよい。
【0009】
本発明の別の態様は、回転機の製造方法に関する。この方法は、上記のいずれかの回転機を製造する方法であって、前記磁石を前記突極の頭部の間に配置するステップと、前記回転子を回転させるときと逆の極性に前記突極を励磁するステップと、前記磁石を前記突極の頭部の間に固定するステップと、を備えることを特徴とする。
【0010】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、回転機における磁気飽和を低減する技術を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1は、従来の突極形の同期機10の構成を示す。図1は、同期機10の断面を模式的に示している。同期機10は、外側に配置された円柱状の固定子20と、固定子20の内側に固定子20と同軸に配置された回転子30を備える。回転子30は、鉄などの強磁性体で形成された複数の突極32を有している。突極32は、界磁巻線38を巻き付けるための突極胴部34と、突極胴部34よりも大きな径又は幅を有する突極頭部36とを有する。突極胴部34に巻き付けられた界磁巻線38に電流が供給されると、突極32が励磁される。励磁された突極32と、固定子20の電機子22との間に働く電磁力により、回転子30が回転する。
【0013】
図2は、突極32の外観を模式的に示す。突極32の突極頭部36は、突極胴部34よりも大きな径又は幅を有する。これにより、突極胴部34に巻き付けられた界磁巻線38が遠心力で径方向に飛び出さないように押さえられる。
【0014】
鉄心の突極形の同期機10では、鉄の磁気飽和により同期機10の端子電圧が制限されるという問題がある。磁気飽和は、鉄心の各部に生じるが、とくに回転子30の突極胴部34及び突極頭部36における磁気飽和が最も強い場合が多い。また、界磁巻線38の界磁ジュール損失や発熱を低減するためには、界磁巻線38の断面積を広くするのが好ましいが、界磁巻線38の断面積を広くするには、突極胴部34の径又は幅を小さくしたり、突極頭部36の径方向の厚さを薄くしたりする必要があり、より狭い領域に磁力線が集中して磁気飽和を起こしやすくなる。とくに、図1及び図2に示した突極形の同期機10では、自動車用オルタネータなどに用いられる爪形磁極の同期機と異なり、負荷時に突極頭部36の周方向端部で磁気飽和が起こりやすくなる。
【0015】
本実施の形態では、突極32を形成する鉄心の磁気飽和を低減するために、磁極間に永久磁石を挿入する技術を提案する。
【0016】
図3は、本実施の形態に係る同期機10の構成を示す。本実施の形態では、突極32における磁気飽和を低減するために、隣接する突極32の突極頭部36の間に永久磁石50が設けられる。永久磁石50は、突極32が界磁された極と同じ極が対向するように設けられる。すなわち、N極に界磁された突極32に永久磁石50のN極が対向し、S極に界磁された突極32に永久磁石50のS極が対向するようにする。このようにすれば、永久磁石50により、図1に示した界磁巻線38による磁束60を打ち消す方向に突極32内に磁束62が発生するので、突極32における磁気飽和が低減される。
【0017】
図4は、本実施の形態に係る突極32の外観を模式的に示す。隣接する突極32の突極頭部36の間に永久磁石50が挿入されている。永久磁石50は、突極頭部36に接するように設けられる。これにより、永久磁石50から出る磁束が効率良く突極32に達するので、磁気飽和を低減させる効果を向上させることができる。また、永久磁石50が、突極頭部36の間の隙間を埋め、かつ、永久磁石50の外周側の表面と突極頭部36の外周側の表面の間に段差が生じないように、突極頭部36の間に配置されることで、回転子30が回転するときの摩擦損失を低減することができる。
【0018】
本発明者は、有限要素解析(FEA)を用いて、図3及び図4に示した構造の有効性を検証した。以下、解析の内容について説明する。解析対象機は、固定子内径914mm、固定子外径1240mm、軸方向長507mm、定格速度750min−1、Y結線の8極機とする。運転条件は無負荷時とし、ダンパバーや永久磁石などの渦電流を無視した静磁界解析とする。界磁電流は一定とする。回転子を1極あたり100分割で回転させる。永久磁石の残留磁束密度を1.2T、リコイル比透磁率を1.05とする。固定子及び回転子鉄心のBH特性には、それぞれ無方向性電磁鋼帯50A400、50A1000の直流磁化曲線を用いる。
【0019】
図5(a)は、図1に示した回転機と同様に、永久磁石を挿入していない従来の構造の解析対象機Aの断面を示す。図6(a)は、図3に示した本実施の形態の構造の解析対象機Bの断面を示す。図7(a)は、突極胴部の幅を解析対象機A及びBよりも30%細くし、これに伴いコイル領域の断面積を約50%増した構造の解析対象機Cの断面を示す。
【0020】
図5(b)、図6(b)、図7(b)は、界磁電流130Aにおける解析対象機A、B、Cの磁束線図を示す。解析対象機Bの突極胴部の磁束密度は、解析対象機Aよりも0.28T小さい。また、解析対象機Cは、解析対象機Aよりも突極胴部の幅を約30%細くしたにもかかわらず、突極胴部の磁束密度が同等であることが分かる。
【0021】
図8は、永久磁石による磁束線図を示す。ギャップを横切って固定子側に達する磁束線は見られず、全ての磁束線が突極内を通っている。この磁束線が界磁巻線による磁束線と打ち消し合い、突極における磁気飽和を緩和していると考えられる。
【0022】
図9は、それぞれの解析対象機の無負荷飽和曲線を示す。従来の構造の解析対象機Aでは、界磁電流が90A付近から磁気飽和の影響が現れることが分かる。一方、永久磁石を挿入した解析対象機Bでは、110A付近から磁気飽和の影響が現れている。すなわち、永久磁石の挿入によって不飽和領域が拡大している。
【0023】
図9において、端子電圧が700Vの領域に注目すると、解析対象機Aよりも解析対象機Bの方が、界磁電流を約40A低減できることが分かる。すなわち、永久磁石の挿入によって、界磁電流低減効果を得ることができる。また、界磁電流が150Aの領域に注目すると、解析対象機Aでは端子電圧が700V強にとどまっているのに対して、解析対象機Bでは850V近くの端子電圧が生じていることが分かる。すなわち、永久磁石の挿入によって端子電圧向上効果を得ることができる。
【0024】
解析対象機Cは、解析対象機Aよりも突極胴部の幅を30%細くしたにもかかわらず、同等の端子電圧が得られている。したがって、永久磁石を挿入することによって、端子電圧を減らすことなく、界磁コイル領域の断面積を約50%増加することができる。これにより、界磁ジュール損失や界磁巻線発熱を低減することが可能となる。
【0025】
一方、界磁電流が90A以下の領域に注目すると、解析対象機A、B、及びCのギャップ線が一致していることが分かる。すなわち、磁気飽和の生じない領域では、永久磁石の効果が無いことが分かる。
【0026】
以上のように、永久磁石の挿入により、解析対象機の磁気飽和が顕著に緩和されることが示された。
【0027】
上記の解析は、無負荷時のものであるが、負荷時にも同様に、永久磁石の挿入により磁気飽和が顕著に緩和される。突極形の同期機を電動機として用いる場合、負荷時には、回転子を回転させるために、回転方向前方の電機子と突極が引き合うように電機子の極性が制御されるため、突極頭部の回転方向前方側の端部、すなわち、界磁巻線とエアギャップの間の部分に、より多くの磁束が集中して、磁気飽和がとくに起こりやすくなる。これにより、大きな界磁電流が必要となるという問題が生じる。同様の問題は、同期機を発電機として用いる場合にも生じうる。しかし、突極頭部間に永久磁石を挿入することにより、突極頭部の周方向端部及び突極胴部における磁気飽和を顕著に低減させることができるので、同期機の性能を一段と向上させることができる。
【0028】
図10は、実施の形態に係る同期機10の別の構成例を示す。図10に示した同期機10では、永久磁石50が、内周側から外周側へ向かって徐々に幅が狭くなる形状を有している。
【0029】
図11は、図10に示した同期機10の突極32の外観を模式的に示す。このように、永久磁石50の外周側の幅を、内周側の幅よりも狭くしておき、かつ、突極頭部36と永久磁石50が接するように永久磁石50を配置することにより、永久磁石50が遠心力で外へ飛び出さないように、突極頭部36で押さえる構造とすることができる。
【0030】
図12は、実施の形態に係る同期機10の別の構成例を示す。図12に示した同期機10では、永久磁石50が、外周側よりも幅の広い部分を有した形状を有している。
【0031】
図13は、図12に示した同期機10の突極32の外観を模式的に示す。このように、永久磁石50の外周側の幅を、中心付近の幅よりも狭くしておき、かつ、突極頭部36と永久磁石50が接するように永久磁石50を配置することにより、永久磁石50が遠心力で外へ飛び出さないように、突極頭部36で押さえる構造とすることができる。永久磁石50は、少なくとも一部において、外周に向かって幅が狭くなる領域がある形状を有していればよい。
【0032】
図14は、従来の同期機10の別の構成例を示す。図14に示した同期機10では、回転子30が、回転子30の回転軸の軸方向に間隙40をもって積層された複数の層30a、30b、・・・、を有する構造となっている。これにより、回転子30において界磁巻線38などに生じた熱を効率良く外部へ発散させることができる。
【0033】
図15は、本実施の形態の同期機10における突極32の外観を模式的に示す。図14に示したような構造の同期機10に永久磁石50を挿入する場合、永久磁石50も、回転子30と同じ位置に間隙40を有するように、回転子30の回転軸の軸方向に積層された複数の層を有する構造とする。これにより、永久磁石50で間隙をふさぐことなく、効率的に回転子30の内部の熱を外部へ発散させることができる。
【0034】
間隙40に絶縁層が形成されてもよい。これにより、突極頭部36や永久磁石50の表面に生じる渦電流を低減し、渦電流損を低減することができる。複数の層の回転子30と絶縁層は一体的に構成されてもよい。また、絶縁層は、突極頭部36及び永久磁石50の部分にのみ形成されてもよい。
【0035】
図16は、本実施の形態の同期機10における突極32の外観を模式的に示す。本図では、分かりやすくするために、永久磁石50を省略している。図16に示した同期機10では、突極頭部36外周側の表面に溝42が形成されている。この溝42は、回転子30の回転軸に垂直な面に沿って設けられる。このような構造とすることにより、図14に示した同期機10と同様に、渦電流損を低減することができる。
【0036】
図17は、本実施の形態に係る同期機10における突極32の外観を模式的に示す。本図では、図16に示した同期機10の構成に永久磁石50を加えている。永久磁石50の外周側の表面にも溝42が設けられている。永久磁石50の表面の溝42は、突極頭部36の表面の溝42と同じ位置に設けられてもよい。
【0037】
本実施の形態の同期機10を製造する場合、永久磁石50を突極頭部36の間に配置した後、回転子30を回転させるときと逆方向に界磁巻線38に電流を供給し、逆の極性に突極32を励磁する。これにより、永久磁石50のN極側の突極32がS極に、S極側の突極32がN極に励磁され、永久磁石50が突極頭部36に電磁力で固定されるので、その間に、永久磁石50を突極頭部36に溶接や治具などで接着すればよい。このとき、永久磁石50を着磁する必要があれば、着磁に必要な磁力が生じるように、界磁巻線38に電流を供給すればよい。
【0038】
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0039】
実施の形態では、回転界磁形の突極形同期機について説明したが、回転電機子形の突極形同期機についても同様に本実施の形態の技術を適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】従来の突極形の同期機の構成を示す図である。
【図2】突極の外観を模式的に示す。
【図3】本実施の形態に係る同期機の構成を示す図である。
【図4】本実施の形態に係る突極の外観を模式的に示す。
【図5】図5(a)は、図1に示した回転機と同様に、永久磁石を挿入していない従来の構造の解析対象機Aの断面を示す図であり、図5(b)は、解析対象機Aの磁束線図である。
【図6】図6(a)は、図3に示した本実施の形態の構造の解析対象機Bの断面を示す図であり、図6(b)は、解析対象機Bの磁束線図である。
【図7】図7(a)は、突極胴部の幅を解析対象機A及びBよりも30%細くし、これに伴いコイル領域の断面積を約50%増した構造の解析対象機Cの断面を示す図であり、図7(b)は、解析対象機Cの磁束線図である。
【図8】永久磁石による磁束線図を示す図である。
【図9】それぞれの解析対象機の無負荷飽和曲線を示す図である。
【図10】実施の形態に係る同期機の別の構成例を示す図である。
【図11】図10に示した同期機の突極の外観を模式的に示す。
【図12】実施の形態に係る同期機の別の構成例を示す図である。
【図13】図12に示した同期機の突極の外観を模式的に示す。
【図14】従来の同期機の別の構成例を示す図である。
【図15】本実施の形態の同期機における突極の外観を模式的に示す。
【図16】本実施の形態の同期機における突極の外観を模式的に示す。
【図17】本実施の形態に係る同期機における突極の外観を模式的に示す。
【符号の説明】
【0041】
10 同期機、20 固定子、22 電機子、30 回転子、32 突極、34 突極胴部、36 突極頭部、38 界磁巻線、40 間隙、42 溝、50 永久磁石。
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転機に関し、とくに、突極形の同期機に関する。
【背景技術】
【0002】
突極形同期機は、水力発電機・エンジン発電機・産業用電動機など各種用途に使用されている重要な機器である。突極形同期機については、一般的な教科書に詳述されている(例えば、非特許文献1参照)。
【非特許文献1】野中作太郎著、「電気機器(I)」、第1版第13刷、森北出版株式会社、1983年8月、p.218-219、p.234
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
同期機の回転子の突極として鉄などの強磁性体を用いた方が、より少ない電流で大きな磁束密度が得られ、効率的である。しかし、鉄心では、磁気飽和により、2〜3テスラを越える磁束密度を得ることができず、また、磁気飽和が生じると大きな界磁電流が必要となるという問題がある。磁気飽和の影響を低減することが可能な技術の開発が望まれている。
【0004】
本発明は、こうした現状に鑑みてなされたものであり、その目的は、回転機における磁気飽和を低減する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のある態様は、回転機に関する。この回転機は、固定子と、回転子と、前記固定子又は前記回転子に設けられた突極と、を備え、前記突極は、界磁巻線を巻き付ける胴部と、前記胴部よりも大きな径又は幅を有する頭部と、を含み、隣接する突極の頭部の間に、前記突極が界磁された極と同じ極が対向するように設けられた磁石を更に備えることを特徴とする。
【0006】
前記磁石は、前記頭部に接するように設けられてもよい。前記磁石は、前記磁石の外周側の表面と前記頭部の外周側の表面の間に段差が生じないように、前記頭部の間に配置されてもよい。前記磁石は、外周側よりも幅の広い部分を有した形状を有してもよい。前記磁石は、内周側から外周側へ幅が狭くなる形状を有してもよい。
【0007】
前記突極及び前記磁石は、前記回転子の回転軸の軸方向に間隙をもって積層された複数の層を有してもよい。前記突極及び前記磁石は、同じ位置に前記間隙を有してもよい。前記間隙に絶縁層が形成されてもよい。
【0008】
前記突極の頭部及び前記磁石の外周側の表面に溝が形成されてもよい。前記溝は、前記回転子の回転軸に垂直な面に沿って設けられてもよい。
【0009】
本発明の別の態様は、回転機の製造方法に関する。この方法は、上記のいずれかの回転機を製造する方法であって、前記磁石を前記突極の頭部の間に配置するステップと、前記回転子を回転させるときと逆の極性に前記突極を励磁するステップと、前記磁石を前記突極の頭部の間に固定するステップと、を備えることを特徴とする。
【0010】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、回転機における磁気飽和を低減する技術を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1は、従来の突極形の同期機10の構成を示す。図1は、同期機10の断面を模式的に示している。同期機10は、外側に配置された円柱状の固定子20と、固定子20の内側に固定子20と同軸に配置された回転子30を備える。回転子30は、鉄などの強磁性体で形成された複数の突極32を有している。突極32は、界磁巻線38を巻き付けるための突極胴部34と、突極胴部34よりも大きな径又は幅を有する突極頭部36とを有する。突極胴部34に巻き付けられた界磁巻線38に電流が供給されると、突極32が励磁される。励磁された突極32と、固定子20の電機子22との間に働く電磁力により、回転子30が回転する。
【0013】
図2は、突極32の外観を模式的に示す。突極32の突極頭部36は、突極胴部34よりも大きな径又は幅を有する。これにより、突極胴部34に巻き付けられた界磁巻線38が遠心力で径方向に飛び出さないように押さえられる。
【0014】
鉄心の突極形の同期機10では、鉄の磁気飽和により同期機10の端子電圧が制限されるという問題がある。磁気飽和は、鉄心の各部に生じるが、とくに回転子30の突極胴部34及び突極頭部36における磁気飽和が最も強い場合が多い。また、界磁巻線38の界磁ジュール損失や発熱を低減するためには、界磁巻線38の断面積を広くするのが好ましいが、界磁巻線38の断面積を広くするには、突極胴部34の径又は幅を小さくしたり、突極頭部36の径方向の厚さを薄くしたりする必要があり、より狭い領域に磁力線が集中して磁気飽和を起こしやすくなる。とくに、図1及び図2に示した突極形の同期機10では、自動車用オルタネータなどに用いられる爪形磁極の同期機と異なり、負荷時に突極頭部36の周方向端部で磁気飽和が起こりやすくなる。
【0015】
本実施の形態では、突極32を形成する鉄心の磁気飽和を低減するために、磁極間に永久磁石を挿入する技術を提案する。
【0016】
図3は、本実施の形態に係る同期機10の構成を示す。本実施の形態では、突極32における磁気飽和を低減するために、隣接する突極32の突極頭部36の間に永久磁石50が設けられる。永久磁石50は、突極32が界磁された極と同じ極が対向するように設けられる。すなわち、N極に界磁された突極32に永久磁石50のN極が対向し、S極に界磁された突極32に永久磁石50のS極が対向するようにする。このようにすれば、永久磁石50により、図1に示した界磁巻線38による磁束60を打ち消す方向に突極32内に磁束62が発生するので、突極32における磁気飽和が低減される。
【0017】
図4は、本実施の形態に係る突極32の外観を模式的に示す。隣接する突極32の突極頭部36の間に永久磁石50が挿入されている。永久磁石50は、突極頭部36に接するように設けられる。これにより、永久磁石50から出る磁束が効率良く突極32に達するので、磁気飽和を低減させる効果を向上させることができる。また、永久磁石50が、突極頭部36の間の隙間を埋め、かつ、永久磁石50の外周側の表面と突極頭部36の外周側の表面の間に段差が生じないように、突極頭部36の間に配置されることで、回転子30が回転するときの摩擦損失を低減することができる。
【0018】
本発明者は、有限要素解析(FEA)を用いて、図3及び図4に示した構造の有効性を検証した。以下、解析の内容について説明する。解析対象機は、固定子内径914mm、固定子外径1240mm、軸方向長507mm、定格速度750min−1、Y結線の8極機とする。運転条件は無負荷時とし、ダンパバーや永久磁石などの渦電流を無視した静磁界解析とする。界磁電流は一定とする。回転子を1極あたり100分割で回転させる。永久磁石の残留磁束密度を1.2T、リコイル比透磁率を1.05とする。固定子及び回転子鉄心のBH特性には、それぞれ無方向性電磁鋼帯50A400、50A1000の直流磁化曲線を用いる。
【0019】
図5(a)は、図1に示した回転機と同様に、永久磁石を挿入していない従来の構造の解析対象機Aの断面を示す。図6(a)は、図3に示した本実施の形態の構造の解析対象機Bの断面を示す。図7(a)は、突極胴部の幅を解析対象機A及びBよりも30%細くし、これに伴いコイル領域の断面積を約50%増した構造の解析対象機Cの断面を示す。
【0020】
図5(b)、図6(b)、図7(b)は、界磁電流130Aにおける解析対象機A、B、Cの磁束線図を示す。解析対象機Bの突極胴部の磁束密度は、解析対象機Aよりも0.28T小さい。また、解析対象機Cは、解析対象機Aよりも突極胴部の幅を約30%細くしたにもかかわらず、突極胴部の磁束密度が同等であることが分かる。
【0021】
図8は、永久磁石による磁束線図を示す。ギャップを横切って固定子側に達する磁束線は見られず、全ての磁束線が突極内を通っている。この磁束線が界磁巻線による磁束線と打ち消し合い、突極における磁気飽和を緩和していると考えられる。
【0022】
図9は、それぞれの解析対象機の無負荷飽和曲線を示す。従来の構造の解析対象機Aでは、界磁電流が90A付近から磁気飽和の影響が現れることが分かる。一方、永久磁石を挿入した解析対象機Bでは、110A付近から磁気飽和の影響が現れている。すなわち、永久磁石の挿入によって不飽和領域が拡大している。
【0023】
図9において、端子電圧が700Vの領域に注目すると、解析対象機Aよりも解析対象機Bの方が、界磁電流を約40A低減できることが分かる。すなわち、永久磁石の挿入によって、界磁電流低減効果を得ることができる。また、界磁電流が150Aの領域に注目すると、解析対象機Aでは端子電圧が700V強にとどまっているのに対して、解析対象機Bでは850V近くの端子電圧が生じていることが分かる。すなわち、永久磁石の挿入によって端子電圧向上効果を得ることができる。
【0024】
解析対象機Cは、解析対象機Aよりも突極胴部の幅を30%細くしたにもかかわらず、同等の端子電圧が得られている。したがって、永久磁石を挿入することによって、端子電圧を減らすことなく、界磁コイル領域の断面積を約50%増加することができる。これにより、界磁ジュール損失や界磁巻線発熱を低減することが可能となる。
【0025】
一方、界磁電流が90A以下の領域に注目すると、解析対象機A、B、及びCのギャップ線が一致していることが分かる。すなわち、磁気飽和の生じない領域では、永久磁石の効果が無いことが分かる。
【0026】
以上のように、永久磁石の挿入により、解析対象機の磁気飽和が顕著に緩和されることが示された。
【0027】
上記の解析は、無負荷時のものであるが、負荷時にも同様に、永久磁石の挿入により磁気飽和が顕著に緩和される。突極形の同期機を電動機として用いる場合、負荷時には、回転子を回転させるために、回転方向前方の電機子と突極が引き合うように電機子の極性が制御されるため、突極頭部の回転方向前方側の端部、すなわち、界磁巻線とエアギャップの間の部分に、より多くの磁束が集中して、磁気飽和がとくに起こりやすくなる。これにより、大きな界磁電流が必要となるという問題が生じる。同様の問題は、同期機を発電機として用いる場合にも生じうる。しかし、突極頭部間に永久磁石を挿入することにより、突極頭部の周方向端部及び突極胴部における磁気飽和を顕著に低減させることができるので、同期機の性能を一段と向上させることができる。
【0028】
図10は、実施の形態に係る同期機10の別の構成例を示す。図10に示した同期機10では、永久磁石50が、内周側から外周側へ向かって徐々に幅が狭くなる形状を有している。
【0029】
図11は、図10に示した同期機10の突極32の外観を模式的に示す。このように、永久磁石50の外周側の幅を、内周側の幅よりも狭くしておき、かつ、突極頭部36と永久磁石50が接するように永久磁石50を配置することにより、永久磁石50が遠心力で外へ飛び出さないように、突極頭部36で押さえる構造とすることができる。
【0030】
図12は、実施の形態に係る同期機10の別の構成例を示す。図12に示した同期機10では、永久磁石50が、外周側よりも幅の広い部分を有した形状を有している。
【0031】
図13は、図12に示した同期機10の突極32の外観を模式的に示す。このように、永久磁石50の外周側の幅を、中心付近の幅よりも狭くしておき、かつ、突極頭部36と永久磁石50が接するように永久磁石50を配置することにより、永久磁石50が遠心力で外へ飛び出さないように、突極頭部36で押さえる構造とすることができる。永久磁石50は、少なくとも一部において、外周に向かって幅が狭くなる領域がある形状を有していればよい。
【0032】
図14は、従来の同期機10の別の構成例を示す。図14に示した同期機10では、回転子30が、回転子30の回転軸の軸方向に間隙40をもって積層された複数の層30a、30b、・・・、を有する構造となっている。これにより、回転子30において界磁巻線38などに生じた熱を効率良く外部へ発散させることができる。
【0033】
図15は、本実施の形態の同期機10における突極32の外観を模式的に示す。図14に示したような構造の同期機10に永久磁石50を挿入する場合、永久磁石50も、回転子30と同じ位置に間隙40を有するように、回転子30の回転軸の軸方向に積層された複数の層を有する構造とする。これにより、永久磁石50で間隙をふさぐことなく、効率的に回転子30の内部の熱を外部へ発散させることができる。
【0034】
間隙40に絶縁層が形成されてもよい。これにより、突極頭部36や永久磁石50の表面に生じる渦電流を低減し、渦電流損を低減することができる。複数の層の回転子30と絶縁層は一体的に構成されてもよい。また、絶縁層は、突極頭部36及び永久磁石50の部分にのみ形成されてもよい。
【0035】
図16は、本実施の形態の同期機10における突極32の外観を模式的に示す。本図では、分かりやすくするために、永久磁石50を省略している。図16に示した同期機10では、突極頭部36外周側の表面に溝42が形成されている。この溝42は、回転子30の回転軸に垂直な面に沿って設けられる。このような構造とすることにより、図14に示した同期機10と同様に、渦電流損を低減することができる。
【0036】
図17は、本実施の形態に係る同期機10における突極32の外観を模式的に示す。本図では、図16に示した同期機10の構成に永久磁石50を加えている。永久磁石50の外周側の表面にも溝42が設けられている。永久磁石50の表面の溝42は、突極頭部36の表面の溝42と同じ位置に設けられてもよい。
【0037】
本実施の形態の同期機10を製造する場合、永久磁石50を突極頭部36の間に配置した後、回転子30を回転させるときと逆方向に界磁巻線38に電流を供給し、逆の極性に突極32を励磁する。これにより、永久磁石50のN極側の突極32がS極に、S極側の突極32がN極に励磁され、永久磁石50が突極頭部36に電磁力で固定されるので、その間に、永久磁石50を突極頭部36に溶接や治具などで接着すればよい。このとき、永久磁石50を着磁する必要があれば、着磁に必要な磁力が生じるように、界磁巻線38に電流を供給すればよい。
【0038】
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0039】
実施の形態では、回転界磁形の突極形同期機について説明したが、回転電機子形の突極形同期機についても同様に本実施の形態の技術を適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】従来の突極形の同期機の構成を示す図である。
【図2】突極の外観を模式的に示す。
【図3】本実施の形態に係る同期機の構成を示す図である。
【図4】本実施の形態に係る突極の外観を模式的に示す。
【図5】図5(a)は、図1に示した回転機と同様に、永久磁石を挿入していない従来の構造の解析対象機Aの断面を示す図であり、図5(b)は、解析対象機Aの磁束線図である。
【図6】図6(a)は、図3に示した本実施の形態の構造の解析対象機Bの断面を示す図であり、図6(b)は、解析対象機Bの磁束線図である。
【図7】図7(a)は、突極胴部の幅を解析対象機A及びBよりも30%細くし、これに伴いコイル領域の断面積を約50%増した構造の解析対象機Cの断面を示す図であり、図7(b)は、解析対象機Cの磁束線図である。
【図8】永久磁石による磁束線図を示す図である。
【図9】それぞれの解析対象機の無負荷飽和曲線を示す図である。
【図10】実施の形態に係る同期機の別の構成例を示す図である。
【図11】図10に示した同期機の突極の外観を模式的に示す。
【図12】実施の形態に係る同期機の別の構成例を示す図である。
【図13】図12に示した同期機の突極の外観を模式的に示す。
【図14】従来の同期機の別の構成例を示す図である。
【図15】本実施の形態の同期機における突極の外観を模式的に示す。
【図16】本実施の形態の同期機における突極の外観を模式的に示す。
【図17】本実施の形態に係る同期機における突極の外観を模式的に示す。
【符号の説明】
【0041】
10 同期機、20 固定子、22 電機子、30 回転子、32 突極、34 突極胴部、36 突極頭部、38 界磁巻線、40 間隙、42 溝、50 永久磁石。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定子と、回転子と、前記固定子又は前記回転子に設けられた突極と、を備え、
前記突極は、
界磁巻線を巻き付ける胴部と、
前記胴部よりも大きな径又は幅を有する頭部と、を含み、
隣接する突極の頭部の間に、前記突極が界磁された極と同じ極が対向するように設けられた磁石を更に備えることを特徴とする回転機。
【請求項2】
前記磁石は、前記頭部に接するように設けられることを特徴とする請求項1に記載の回転機。
【請求項3】
前記磁石は、前記磁石の外周側の表面と前記頭部の外周側の表面の間に段差が生じないように、前記頭部の間に配置されることを特徴とする請求項1又は2に記載の回転機。
【請求項4】
前記磁石は、外周側よりも幅の広い部分を有した形状を有することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の回転機。
【請求項5】
前記磁石は、内周側から外周側へ幅が狭くなる形状を有することを特徴とする請求項4に記載の回転機。
【請求項6】
前記突極及び前記磁石は、前記回転子の回転軸の軸方向に間隙をもって積層された複数の層を有することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の回転機。
【請求項7】
前記突極及び前記磁石は、同じ位置に前記間隙を有することを特徴とする請求項6に記載の回転機。
【請求項8】
前記間隙に絶縁層が形成されたことを特徴とする請求項6又は7に記載の回転機。
【請求項9】
前記突極の頭部及び前記磁石の外周側の表面に溝が形成されたことを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の回転機。
【請求項10】
前記溝は、前記回転子の回転軸に垂直な面に沿って設けられることを特徴とする請求項9に記載の回転機。
【請求項11】
請求項1から10のいずれかに記載の回転機を製造する方法であって、
前記磁石を前記突極の頭部の間に配置するステップと、
前記回転子を回転させるときと逆の極性に前記突極を励磁するステップと、
前記磁石を前記突極の頭部の間に固定して接着するステップと、
を備えることを特徴とする方法。
【請求項1】
固定子と、回転子と、前記固定子又は前記回転子に設けられた突極と、を備え、
前記突極は、
界磁巻線を巻き付ける胴部と、
前記胴部よりも大きな径又は幅を有する頭部と、を含み、
隣接する突極の頭部の間に、前記突極が界磁された極と同じ極が対向するように設けられた磁石を更に備えることを特徴とする回転機。
【請求項2】
前記磁石は、前記頭部に接するように設けられることを特徴とする請求項1に記載の回転機。
【請求項3】
前記磁石は、前記磁石の外周側の表面と前記頭部の外周側の表面の間に段差が生じないように、前記頭部の間に配置されることを特徴とする請求項1又は2に記載の回転機。
【請求項4】
前記磁石は、外周側よりも幅の広い部分を有した形状を有することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の回転機。
【請求項5】
前記磁石は、内周側から外周側へ幅が狭くなる形状を有することを特徴とする請求項4に記載の回転機。
【請求項6】
前記突極及び前記磁石は、前記回転子の回転軸の軸方向に間隙をもって積層された複数の層を有することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の回転機。
【請求項7】
前記突極及び前記磁石は、同じ位置に前記間隙を有することを特徴とする請求項6に記載の回転機。
【請求項8】
前記間隙に絶縁層が形成されたことを特徴とする請求項6又は7に記載の回転機。
【請求項9】
前記突極の頭部及び前記磁石の外周側の表面に溝が形成されたことを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の回転機。
【請求項10】
前記溝は、前記回転子の回転軸に垂直な面に沿って設けられることを特徴とする請求項9に記載の回転機。
【請求項11】
請求項1から10のいずれかに記載の回転機を製造する方法であって、
前記磁石を前記突極の頭部の間に配置するステップと、
前記回転子を回転させるときと逆の極性に前記突極を励磁するステップと、
前記磁石を前記突極の頭部の間に固定して接着するステップと、
を備えることを特徴とする方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【公開番号】特開2008−228460(P2008−228460A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−63791(P2007−63791)
【出願日】平成19年3月13日(2007.3.13)
【出願人】(593165487)学校法人金沢工業大学 (202)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年3月13日(2007.3.13)
【出願人】(593165487)学校法人金沢工業大学 (202)
【Fターム(参考)】
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