回転電機
【課題】回転子が界磁巻線により単極となるように界磁される回転電機において、回転シャフトに加わるラジアル力のアンバランスをなくす。
【解決手段】回転電動機10のロータ11は、周方向に一定間隔で磁気的突極18が形成され、ステータ12は、筒状に形成されるとともにロータコア16の外周側に配置され、かつ固定子巻線が集中巻で巻き付けられたティース19が内周面に一定間隔で形成されている。回転電動機10は、ステータ12の外周に設けられた界磁ヨーク13と、ロータ11が単極となる磁気回路を形成するための界磁巻線14とを備えている。また、磁気的突極18、ティース19及び固定子巻線の相配置が回転シャフト15を中心とした回転対称に設定されている。磁気的突極18の数Pn及びステータ12のスロットの数Psが1以外の公約数を有する。
【解決手段】回転電動機10のロータ11は、周方向に一定間隔で磁気的突極18が形成され、ステータ12は、筒状に形成されるとともにロータコア16の外周側に配置され、かつ固定子巻線が集中巻で巻き付けられたティース19が内周面に一定間隔で形成されている。回転電動機10は、ステータ12の外周に設けられた界磁ヨーク13と、ロータ11が単極となる磁気回路を形成するための界磁巻線14とを備えている。また、磁気的突極18、ティース19及び固定子巻線の相配置が回転シャフト15を中心とした回転対称に設定されている。磁気的突極18の数Pn及びステータ12のスロットの数Psが1以外の公約数を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転子が界磁巻線により界磁される回転電機に関する。
【背景技術】
【0002】
回転子が界磁巻線により界磁される回転電動機として、回転軸が高速回転した際に回転軸の半径方向の振れが大きくなるのを抑制したホモポーラ形リラクタンスモータが提案されている(特許文献1参照)。このホモポーラ形リラクタンスモータは、図12に示すように、突極51を有する一対の回転子52A,52Bが所定の間隔を有して直列に、かつ各回転子52A,52Bの突極51同士が互いにずれた状態で回転軸53に固定されている。固定子54A,54Bは、それぞれ回転子52A,52Bを囲繞するように配置され、回転子52A,52Bにトルクを発生させるトルク発生用駆動コイル(図示せず)を備えている。固定子54A,54Bの外側には突極51を励磁する界磁コイル55が設けられている。そして、界磁コイル55に通電すると、図12に示すように一方の回転子52Aの突極51から他方の回転子52Bの突極51に通じる磁束が形成され、一方の回転子52Aの4個の突極51が例えばN極となり、他方の回転子52Bの4個の突極51が例えばS極になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−136622号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のホモポーラ形リラクタンスモータは、回転軸53に固定された一対の回転子52A,52Bのうちの一方の回転子52Aの全ての突極51がN極になり、他方の回転子52Bの全ての突極51がS極になる。そのため、回転軸53に作用するラジアル力のバランスが取り易い。しかし、回転子及び固定子をそれぞれ2個ずつ設ける必要があり、構成が複雑で小型化し難い。
【0005】
回転子が界磁巻線により界磁され、かつ単極となる回転電機で回転子及び固定子を1個ずつにした場合、構成が簡単になり小型化し易くなる。ところが、その際、固定子の巻線に集中巻を採用すると、固定子(ステータ)及び回転子(ロータ)の突極数の組み合わせにより、通電時に回転子に働くラジアル力が不均一に作用する状態となり、回転軸を支持するベアリングの負担が大きくなり、振動増や寿命低下を招くという問題が生じる。
【0006】
本発明は前記の問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、回転子が界磁巻線により単極となるように界磁される回転電機において、回転シャフトに加わるラジアル力のアンバランスをなくすことができる回転電機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、回転子が界磁巻線により界磁される回転電機である。そして、回転シャフトに一体回転可能に固定され、かつ周方向に一定間隔で磁気的突極が形成されたロータコアを有する回転子と、筒状に形成されるとともに前記ロータコアの外周側に配置され、かつ固定子巻線が集中巻で巻き付けられたティースが内周面に一定間隔で形成された固定子と、前記固定子の外周に設けられた界磁ヨークと、前記回転子が単極となる磁気回路を形成するための界磁巻線とを備えている。また、前記磁気的突極、前記ティースがそれぞれ前記回転シャフトを中心とした回転対称に配置され、前記固定子巻線の相配置が前記回転シャフトを中心とした回転対称に設定され、かつ前記磁気的突極の数をPn、前記固定子のスロットの数をPsとした場合、Pn及びPsが1以外の公約数を有する。ここで、「回転子が単極となる」とは、ロータコアに複数形成された磁気的突極の固定子側端部が、界磁巻線に励磁電流が供給された状態では全てN極又はS極の同じ磁極になることを意味する。また、「磁気的突極」とは、ロータコアの内側から外面に向かって磁束が流れ易い部分を意味し、ロータコアとして突部を一定間隔で有する形状に限らず、磁性材で形成された突部の間が非磁性材で埋められる、もしくは磁気的突極性を有するようロータコアに非磁性部を配し、全体として平坦な形状のロータコアであってもよい。
【0008】
この発明では、固定子(ステータ)のティースに集中巻で巻き付けられた固定子巻線が励磁されると回転磁界が発生し、回転磁界による磁束により回転子(ロータ)にトルクが作用する。一方、界磁巻線に励磁電流が供給された状態では、回転子のロータコアに複数形成された全ての磁気的突極の固定子側端部が同じ磁極になる。そして、回転磁界による磁束と、界磁巻線による磁束との相互作用によって回転シャフトにラジアル力が加わる。磁気的突極、ティースがそれぞれ回転シャフトを中心とした回転対称に配置され、前記固定子巻線の相配置が前記回転シャフトを中心とした回転対称に設定され、かつ前記磁気的突極の数をPn、前記固定子のスロットの数をPsとした場合、Pn及びPsが1以外の公約数を有するため、回転シャフトに加わるラジアル力のアンバランスがなくなる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記固定子巻線は三相交流電流で励磁される。この発明では、回転子にトルクを発生させるための回転磁界を発生させる構成が一般に使用される三相回転電機と同じで簡単になる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記磁気的突極の数をPn、前記ステータのスロットの数をPsとした場合、Pn:Psが1:3、2:3、4:3、4:9、5:3、5:6、5:9、5:12、8:9、8:15、8:21のいずれかを満足する。この発明では、三相回転電機で磁気的突極、ティースをそれぞれ回転シャフトを中心とした回転対称に配置し、かつ固定子巻線の相配置を回転シャフトを中心とした回転対称に設定するのが容易になる。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、前記Pn:Psが2:3、4:9、5:12のいずれかを満足する。したがって、この発明ではPn:Psが1:3の場合と異なりトルクバランスも良好になる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、回転子が界磁巻線により単極となるように界磁される回転電機において、回転シャフトに加わるラジアル力のアンバランスをなくすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】(a)は回転電動機の模式断面図、(b)はロータの正面図。
【図2】(a)は図1のII−II線模式断面図、(b)はロータが(a)の状態から回転した状態の模式断面図。
【図3】参考例の回転電動機の模式断面図。
【図4】ラジアル力の変化を示すグラフ。
【図5】別の実施形態の図2(b)に対応する模式断面図。
【図6】別の実施形態の回転電動機の模式断面図。
【図7】別の実施形態の回転電動機の模式断面図。
【図8】別の実施形態の回転電動機の模式断面図。
【図9】別の実施形態の回転電動機の模式断面図。
【図10】(a)は別の実施形態の回転電動機の模式断面図、(b)は別の実施形態のロータの正面図。
【図11】別の実施形態のロータの正面図。
【図12】従来技術の概略断面斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を三相の回転電動機に具体化した一実施形態を図1〜図4にしたがって説明する。なお、図2(a),(b)及び図3の模式断面図において図示の都合上、断面のハッチングを省略している。
【0015】
図1(a)に示すように、回転電機としての回転電動機10は、ロータ(回転子)11と、ロータ11の外側に配置された筒状のステータ(固定子)12と、ステータ12の外側に設けられた界磁ヨーク13と、ロータ11を界磁する界磁巻線14とを備えている。界磁ヨーク13は回転電動機10のケースとしても機能し、ステータ12の外周と対向する円筒部13aと、円筒部13aの両端に固定された一対の円板部13bとを有する。
【0016】
ロータ11は、回転シャフト15に一体回転可能に固定されたロータコア16を有し、回転シャフト15は円板部13bを貫通する状態でベアリング17を介して円板部13bに回転可能に支持されている。回転シャフト15は磁性材で形成されている。
【0017】
図1(b)に示すように、ロータコア16は、径方向に突出する突部が周方向に一定間隔で形成されており、突部が磁気的突極18を構成する。磁気的突極18は、ロータコア16を軸方向から見た場合に回転シャフト15を中心とした回転対称となるように配置されている。この実施形態では磁気的突極18は8個設けられ、各磁気的突極18はロータコア16の軸方向全長に亘って延設されている。ロータコア16は、電磁鋼板を複数枚(例えば数十枚)積層して構成されており、軸方向の磁気抵抗が、径方向及び周方向の磁気抵抗より大きくなっている。このため、ロータコア16内においては、磁束は軸方向に流れ難く、径方向及び周方向に流れ易くなる。
【0018】
ステータ12は、電磁鋼板を積層して略円筒状に形成されており、ステータ12の径方向及び周方向の磁気抵抗は、軸方向の磁気抵抗より小さくなっている。このため、ステータ12内においては、磁束はステータ12の周方向及び径方向に流れ易く、軸方向に流れ難くなる。
【0019】
図2に示すように、ステータ12の内側には複数のティース19が周方向に一定間隔で形成されるようにスロット20が等間隔で設けられている。ティース19及びスロット20は、ステータ12を軸方向から見た場合に回転シャフト15を中心とした回転対称となるように配置されている。この実施形態ではティース19及びスロット20がそれぞれ18個設けられている。したがって、ロータコア16の磁気的突極18の数をPn、ステータ12のスロット20の数をPsとした場合、Pn=8、Ps=18となり、Pn及びPsが1以外の公約数を有し、かつPn:Psが4:9を満足する。
【0020】
各ティース19には、固定子巻線としてのU相巻線21u、V相巻線21v、W相巻線21wがそれぞれ集中巻で巻き付けられている。U相巻線21u、V相巻線21v、W相巻線21wは、図2において時計方向にU相、V相、W相の順で、かつ同じ相の巻線が巻き付けられたティース19が3個ずつ隣り合うように巻き付けられている。即ち、固定子巻線を構成するU相巻線21u、V相巻線21v、W相巻線21wの相配置が回転シャフト15を中心とした回転対称に設定されている。
【0021】
界磁ヨーク13の両円板部13bには、円環状の突条13cがロータコア16に向かって突出するように形成され、突条13cには外周部に界磁巻線14が巻き付けられたボビン23が嵌合固定されている。突条13c及びボビン23は、ロータ11が単極となる磁気回路を形成するための界磁巻線14が巻き付けられた界磁巻線巻回部を構成する。ロータ11が単極となるとは、ロータコア16に複数形成された磁気的突極18のステータ12側端部が、界磁巻線14に励磁電流が供給された状態では全てN極又はS極の同じ磁極になることを意味する。
【0022】
この実施形態では、各界磁巻線14に電流が供給されると、界磁ヨーク13とロータコア16との間にロータコア16の磁気的突極が全て同じ磁極(N極)となる磁気回路が形成されるようになっている。詳述すると、図1(a)において左側に位置する一方の界磁巻線14においては、磁束が環状の界磁巻線14の左側から内周側に進入して右側から界磁巻線14の外部へ出るように発生する。また、図1(a)において右側に位置する他方の界磁巻線14においては、磁束が環状の界磁巻線14の右側から内周側に進入して左側から界磁巻線14の外部へ出るように発生する。その結果、両界磁巻線14から発生した磁束の経路は、回転シャフト15内を対向する方向に進んだ後、ロータコア16の内側から磁気的突極18内を通ってステータ12のティース19内へ進み、界磁ヨーク13の円筒部13a及び円板部13bを通って再び回転シャフト15内に進入する経路となる。
【0023】
次に前記のように構成された回転電動機10の作用を説明する。
回転電動機10は、U相巻線21u、V相巻線21v、W相巻線21wが三相インバータに接続され、界磁巻線14が直流電源に接続された状態で使用される。そして、制御装置により三相インバータから出力される制御電流量と、直流電源から界磁巻線14に供給される電流量が制御される。
【0024】
界磁巻線14に直流が供給されると、界磁巻線14から発生した磁束(磁力線)が、図1(a)に破線で示すように、界磁ヨーク13の円板部13b→回転シャフト15→ロータコア16→磁気的突極18→ステータ12→界磁ヨーク13の円筒部13a→界磁ヨーク13の円板部13bの経路で通過する磁気回路が形成される。その結果、界磁巻線14に励磁電流が供給された状態では、図2に示すように、ロータコア16に複数形成された磁気的突極18のステータ12側端部が、全てN極になってステータ12が単極となる。
【0025】
一方、ステータ12のU相巻線21u、V相巻線21v、W相巻線21wには所定周波数の三相交流が順次供給されてステータ12に回転磁界が発生し、ロータ11に回転磁界が作用する。そして、回転磁界と磁気的突極18の磁束との間の磁気的な吸引力及び反発力によりロータ11が回転磁界と同期して回転する。また、界磁巻線14に供給する電流量を調整することにより、生成する磁束量を調整することができる。そのため、界磁巻線14に供給する電流量を調整することにより、所謂「弱め界磁制御」や「強め界磁制御」、自在な界磁磁束制御を行うことができる。
【0026】
図2(a)に示すように、Aで示す180度の機械角をなす一対の磁気的突極18が、U相巻線21uが巻き付けられた隣接する3個のティース19の中央のティース19と対向する状態において、それぞれ180度の機械角をなす他の3対の磁気的突極18のティース19との位置関係も、対毎に同じ状態となる。詳述すると、Bで示す磁気的突極18は、V相巻線21vが巻き付けられた隣接する3個のティース19のうちU相巻線21uが巻き付けられたティース19寄りのティース19と対向する。Cで示す磁気的突極18は、V相巻線21vが巻き付けられた隣接する3個のティース19のうちW相巻線21wが巻き付けられたティース19寄りのティース19と、W相巻線21wが巻き付けられた隣接する3個のティース19のうちV相巻線21vが巻き付けられたティース19寄りのティース19とに対向する。Dで示す磁気的突極18はW相巻線21wが巻き付けられた隣接する3個のティース19のうちU相巻線21uが巻き付けられたティース19寄りのティース19と対向する。したがって、この状態では180度の機械角をなすA,B,C,Dで示す各一対の磁気的突極18に作用するラジアル方向の力は、各一対の磁気的突極18毎に同じとなり、回転シャフト15に加わるラジアル力はバランスした状態になる。
【0027】
また、図2(a)に示す状態からロータ11が任意の角度回転した場合、例えば、図2(b)に示す状態においても、180度の機械角をなすA,B,C,Dで示す各一対の磁気的突極18のティース19及び固定子巻線の相配置に対する位置関係は、各一対の磁気的突極18毎に同じとなり、回転シャフト15に加わるラジアル力はバランスした状態になる。
【0028】
一方、磁気的突極18、ティース19がそれぞれ回転シャフト15を中心とした回転対称に配置され、かつ固定子巻線の相配置が回転シャフト15を中心とした回転対称に設定されていても、磁気的突極18の数Pnとステータ12のスロット20の数Psとが1以外の公約数を有しない場合は、回転シャフト15に加わるラジアル力はアンバランスになる。
【0029】
例えば、図3に、Pn=5、Ps=12の場合を示す。磁気的突極18は360/5度で回転対称であり、ティース19(相配置)は360/2度で回転対称であるが、PnとPsが1以外の公約数を有していない。図3に示す状態において、A、B、C、D、Eで示す各磁気的突極18は、U相巻線21u、V相巻線21v及びW相巻線21wが巻き付けられたティース19との位置関係がそれぞれ異なり、回転シャフト15に加わるラジアル力はアンバランスになる。
【0030】
図4に、Pn=8、Ps=18の場合(8突極18スロットの場合)と、Pn=5、Ps=12の場合(5突極12スロットの場合)の回転シャフト15に加わるラジアル力のシミュレーション結果を示す。図4においてラジアル力を表す縦軸の値はラジアル力の平均値に対する相対的な値を示し、1.0が平均値となる。
【0031】
図4に示すように、実施形態の回転電動機10である8突極18スロットの場合は、電気角0〜360度の範囲に亘ってラジアル力は0、即ち回転シャフト15に特定方向へのラジアル力が作用しないこと、即ち回転シャフト15に加わるラジアル力のアンバランスがないこと確認された。一方、図3に示す比較例、即ち5突極12スロットの場合は、電気角0〜360度の範囲において、特定方向へのラジアル力が60度周期で変動することが確認された。
【0032】
この実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)回転電動機10は、回転シャフト15に一体回転可能に固定され、かつ周方向に一定間隔で磁気的突極18が形成されたロータコア16を有するロータ11と、筒状に形成されるとともにロータコア16の外周側に配置され、かつ固定子巻線が集中巻で巻き付けられたティース19が内周面に一定間隔で形成されたステータ12とを備えている。また、回転電動機10は、ステータ12の外周に設けられた界磁ヨーク13と、ロータ11が単極となる磁気回路を形成するための界磁巻線14とを備えている。磁気的突極18、ティース19がそれぞれ回転対称に配置され、固定子巻線の相配置が回転対称に設定され、かつ磁気的突極18の数をPn及びステータ12のスロット20の数Psが1以外の公約数を有する。したがって、回転シャフト15に加わるラジアル力のアンバランスをなくすことができる。
【0033】
(2)固定子巻線(U相巻線21u、V相巻線21v及びW相巻線21w)は三相交流電流で励磁される。したがって、ロータコア16にトルクを発生させるための回転磁界を発生させる構成が一般に使用される三相回転電動機と同じで簡単になる。
【0034】
(3)回転電動機10は、磁気的突極18の数Pnが8、ステータ12のスロット20の数Psが18であるため、Pn及びPsが1以外の公約数を有し、かつPn:Psが4:9を満足する。したがって、トルクバランスも良好になる。
【0035】
(4)界磁巻線14は界磁ヨーク13の両端部にそれぞれ設けられているため、各磁気的突極18に所望の量の磁束を円滑に流すために必要な円筒部13aの断面積を小さくすることができ、回転電動機10の小型化に寄与する。
【0036】
(5)界磁巻線巻回部はボビン23を円板部13bに形成された円環状の突条13cに嵌合固定することで構成されている。したがって、界磁巻線14を巻き付けたボビン23を突条13cに固定することができ、界磁巻線14を円板部13bに突設された突条13cに直接巻き付ける場合に比べて、界磁巻線14の巻き付け作業が簡単になる。
【0037】
実施形態は前記に限定されるものではなく、例えば、次のように具体化してもよい。
○ 磁気的突極18、ティース19がそれぞれ回転対称に配置され、固定子巻線の相配置が回転対称に設定され、かつ磁気的突極18の数Pn及びステータ12のスロットの数Psが1以外の公約数を有していれば、磁気的突極18の数Pnとスロット20の数Psとの組み合わせはPn=8、Ps=18に限らない。例えば、図3に示した磁気的突極18の数Pnが5、スロット20の数Psが12の回転電動機10ではPn及びPsが1以外の公約数を有せず、回転シャフト15に加わるラジアル力がアンバランスになったが、Pn及びPsが1以外の公約数を有する組み合わせにすると、回転シャフト15に加わるラジアル力のアンバランスをなくすことができる。例えば、Pn及びPsが1以外の公約数を有するように、Pn=10、Ps=24にすると、図5に示すように、180度の機械角をなすA,B,C,D,Eで示す各一対の磁気的突極18に作用するラジアル方向の力は、各一対の磁気的突極18毎に同じとなり、回転シャフト15に加わるラジアル力はバランスした状態になる。
【0038】
○ 磁気的突極18の数Pnとスロット20の数Psとの組み合わせはPn=8、Ps=18及びPn=10、Ps=24に限らず、例えば、Pn及びPsが1以外の公約数を有し、かつPn:Psが1:3、2:3、4:3、4:9、5:3、5:6、5:9、5:12、8:9、8:15、8:21のいずれかを満足すればよい。しかし、そのうち、Pn:Psが1:3、4:3、5:3、5:6、5:9、8:9、8:15、8:21の組み合わせは、トルク変動が大きい。したがって、トルクバランスも良好になるPn:Psが2:3、4:9、5:12のいずれかの組み合わせが好ましい。
【0039】
○ 回転電動機10は、界磁巻線14が界磁ヨーク13の片側(一端側)に設けられた構成でもよい。例えば、図6に示すように、界磁ヨーク13は円板部13bが円筒部13aの一端側にのみ設けられ、他端側には非磁性材で形成された支持円板24が設けられる。支持円板24は界磁ヨーク13と共に回転電動機10のケースを構成し、ベアリング17を介して回転シャフト15の他端を支持する。この実施形態では、界磁巻線14に電流が供給されると、磁束が界磁ヨーク13の円板部13b→回転シャフト15→ロータコア16→磁気的突極18→ステータ12→界磁ヨーク13の円筒部13a→界磁ヨーク13の円板部13bの経路で通過する磁気回路が形成され、各磁気的突極18がN極になる。この場合、界磁巻線14が円筒部13aの両側に設けられた実施形態と異なり、各磁気的突極18を流れた磁束が円筒部13aを経て円板部13bに戻るために必要な円筒部13aの断面積が2倍になる。
【0040】
○ 図7に示すように、ロータコア16を、円筒状に形成されて回転シャフト15に固設された筒状コア16aと、筒状コア16aの外周に設けられた積層ロータコア16bとで構成し、突条13cの先端を筒状コア16aの端面近傍まで延設するとともに突条13cの厚さを厚くして、その分、回転シャフト15の径を小さくしてもよい。磁気的突極18は積層ロータコア16bに形成する。筒状コア16aは、一体の磁性材料で形成されており、具体的には粉末成形磁性体(SMC:Soft Magnetic Composites)で形成されている。粉末成形磁性体の磁気抵抗は、積層ロータコア16bや回転シャフト15の材質より小さい。この場合、界磁巻線14で発生した磁束が回転シャフト15より筒状コア16a内を流れ易くなり、磁束が回転シャフト15を流れる場合に比べて磁束の経路長が短くなる。その結果、界磁電流量を低減させることができる。また、積層ロータコア16b内においては、磁束は、軸方向に流れ難く、径方向及び周方向に流れ易くなるのに対して、筒状コア16a内では積層ロータコア16b内より軸方向に磁束が流れ易くなる。このため、筒状コア16aが無い構成に比べて、磁束の経路が積層ロータコア16bを構成する全ての電磁鋼板に分散して流れ易くなる。
【0041】
○ ロータコア16、16bは電磁鋼板を積層して形成したが、鉄塊やSMCで形成しても良い。
○ 図8に示すように、回転シャフト15を、外周側の磁気抵抗が内周側の磁気抵抗より小さい2重構造に形成してもよい。この場合、界磁巻線14に電流が供給されて界磁巻線14から発生した磁束がロータコア16に向かって流れる際、磁束は磁気抵抗の小さい外周側を流れるため、磁束の経路長が短くなる。その結果、界磁電流量を低減させることができる。
【0042】
○ 図8に示すように、回転電動機10に専用のケース25を設け、ケース25で回転シャフト15をベアリング17を介して支持するようにしてもよい。この場合、界磁ヨーク13の円板部13bの形状が簡単になる。また、界磁ヨーク13がケースを兼用する場合に比べてケース25の形状や材質の自由度が大きくなる。図8では回転シャフト15が2重構造の場合を図示しているが、2重構造の場合に限らない。
【0043】
○ 図9に示すようにシャフトの径をそのベアリング部において細くするようにしても良い。この場合、ベアリングの小径化が可能になる。
○ ティース19に巻き付けられるU相巻線21u、V相巻線21v及びW相巻線21wの配置は、各巻線が巻き付けられたティース19がそれぞれ二つのグループ(360/2度で回転対称)に分けられる構成に限らない。例えば、図10(a)に示すように、Pn=10、Ps=24の回転電動機10において、各巻線が巻き付けられたティース19がそれぞれ四つのグループ(360/4度で回転対称)に分けられた構成にしてもよい。
【0044】
○ ロータコア16の形状は、磁気的突極18となるための突部を有する形状に限らない。例えば、図10(b)に示すように、ロータコア16として突部を一定間隔で有する形状の部分を磁性材で形成し、突部の間を非磁性材26で埋めて全体として平坦な形状としたものであってもよい。また、図11に示すように突部の先端のみを隣接する突部の先端とつなげても、実質的に磁気的突極になればよい。
【0045】
○ ボビン23を設けずに、突条13cの外周に界磁巻線14を直接巻き付けて、突条13cを界磁巻線巻回部としてもよい。
○ 固定子巻線としてのU相巻線21u、V相巻線21v及びW相巻線21wは、一つのスロット20に2本の巻線の一部がそれぞれ収容される状態ではなく、一つのスロット20に1本の固定子巻線の一部が収容される構成であってもよい。
【0046】
○ ロータ11が単極となる場合、各磁気的突極18のステータ12側端部が、全てN極になるのではなく、全てS極になる構成にしてもよい。
○ 磁気的突極18はロータコア16の全長に亘って延設されずに、全長より短く形成されていてもよい。
【0047】
○ 回転電動機10は三相交流で駆動されるものに限らず、単相交流や二相交流あるいは四相以上の多相交流で駆動されるものであってもよい。
○ 電動機ではなく発電機に適用してもよい。
【0048】
以下の技術的思想(発明)は前記実施形態から把握できる。
(1)請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の発明において、前記界磁巻線は前記界磁ヨークの両端部にそれぞれ設けられている。
【0049】
(2)請求項1〜請求項4及び前記技術的思想(1)のいずれか1項に記載の発明において、前記回転シャフトは、外周側の磁気抵抗が内周側の磁気抵抗より小さい2重構造に形成されている。
【0050】
(3)請求項1〜請求項4及び前記技術的思想(1)のいずれか1項に記載の発明において、前記ロータコアは、筒状コアと前記筒状コアの外側に形成された積層コアとで構成され、前記筒状コアの材質は磁気抵抗が前記積層コアの材質より小さく構成されている。
【符号の説明】
【0051】
10…回転電機としての回転電動機、11…ロータ(回転子)、12…ステータ(固定子)、13…界磁ヨーク、14…界磁巻線、15…回転シャフト、16…ロータコア、18…磁気的突極、19…ティース、20…スロット、21u…固定子巻線としてのU相巻線、21v…同じくV相巻線、21w…同じくW相巻線。
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転子が界磁巻線により界磁される回転電機に関する。
【背景技術】
【0002】
回転子が界磁巻線により界磁される回転電動機として、回転軸が高速回転した際に回転軸の半径方向の振れが大きくなるのを抑制したホモポーラ形リラクタンスモータが提案されている(特許文献1参照)。このホモポーラ形リラクタンスモータは、図12に示すように、突極51を有する一対の回転子52A,52Bが所定の間隔を有して直列に、かつ各回転子52A,52Bの突極51同士が互いにずれた状態で回転軸53に固定されている。固定子54A,54Bは、それぞれ回転子52A,52Bを囲繞するように配置され、回転子52A,52Bにトルクを発生させるトルク発生用駆動コイル(図示せず)を備えている。固定子54A,54Bの外側には突極51を励磁する界磁コイル55が設けられている。そして、界磁コイル55に通電すると、図12に示すように一方の回転子52Aの突極51から他方の回転子52Bの突極51に通じる磁束が形成され、一方の回転子52Aの4個の突極51が例えばN極となり、他方の回転子52Bの4個の突極51が例えばS極になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−136622号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のホモポーラ形リラクタンスモータは、回転軸53に固定された一対の回転子52A,52Bのうちの一方の回転子52Aの全ての突極51がN極になり、他方の回転子52Bの全ての突極51がS極になる。そのため、回転軸53に作用するラジアル力のバランスが取り易い。しかし、回転子及び固定子をそれぞれ2個ずつ設ける必要があり、構成が複雑で小型化し難い。
【0005】
回転子が界磁巻線により界磁され、かつ単極となる回転電機で回転子及び固定子を1個ずつにした場合、構成が簡単になり小型化し易くなる。ところが、その際、固定子の巻線に集中巻を採用すると、固定子(ステータ)及び回転子(ロータ)の突極数の組み合わせにより、通電時に回転子に働くラジアル力が不均一に作用する状態となり、回転軸を支持するベアリングの負担が大きくなり、振動増や寿命低下を招くという問題が生じる。
【0006】
本発明は前記の問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、回転子が界磁巻線により単極となるように界磁される回転電機において、回転シャフトに加わるラジアル力のアンバランスをなくすことができる回転電機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、回転子が界磁巻線により界磁される回転電機である。そして、回転シャフトに一体回転可能に固定され、かつ周方向に一定間隔で磁気的突極が形成されたロータコアを有する回転子と、筒状に形成されるとともに前記ロータコアの外周側に配置され、かつ固定子巻線が集中巻で巻き付けられたティースが内周面に一定間隔で形成された固定子と、前記固定子の外周に設けられた界磁ヨークと、前記回転子が単極となる磁気回路を形成するための界磁巻線とを備えている。また、前記磁気的突極、前記ティースがそれぞれ前記回転シャフトを中心とした回転対称に配置され、前記固定子巻線の相配置が前記回転シャフトを中心とした回転対称に設定され、かつ前記磁気的突極の数をPn、前記固定子のスロットの数をPsとした場合、Pn及びPsが1以外の公約数を有する。ここで、「回転子が単極となる」とは、ロータコアに複数形成された磁気的突極の固定子側端部が、界磁巻線に励磁電流が供給された状態では全てN極又はS極の同じ磁極になることを意味する。また、「磁気的突極」とは、ロータコアの内側から外面に向かって磁束が流れ易い部分を意味し、ロータコアとして突部を一定間隔で有する形状に限らず、磁性材で形成された突部の間が非磁性材で埋められる、もしくは磁気的突極性を有するようロータコアに非磁性部を配し、全体として平坦な形状のロータコアであってもよい。
【0008】
この発明では、固定子(ステータ)のティースに集中巻で巻き付けられた固定子巻線が励磁されると回転磁界が発生し、回転磁界による磁束により回転子(ロータ)にトルクが作用する。一方、界磁巻線に励磁電流が供給された状態では、回転子のロータコアに複数形成された全ての磁気的突極の固定子側端部が同じ磁極になる。そして、回転磁界による磁束と、界磁巻線による磁束との相互作用によって回転シャフトにラジアル力が加わる。磁気的突極、ティースがそれぞれ回転シャフトを中心とした回転対称に配置され、前記固定子巻線の相配置が前記回転シャフトを中心とした回転対称に設定され、かつ前記磁気的突極の数をPn、前記固定子のスロットの数をPsとした場合、Pn及びPsが1以外の公約数を有するため、回転シャフトに加わるラジアル力のアンバランスがなくなる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記固定子巻線は三相交流電流で励磁される。この発明では、回転子にトルクを発生させるための回転磁界を発生させる構成が一般に使用される三相回転電機と同じで簡単になる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記磁気的突極の数をPn、前記ステータのスロットの数をPsとした場合、Pn:Psが1:3、2:3、4:3、4:9、5:3、5:6、5:9、5:12、8:9、8:15、8:21のいずれかを満足する。この発明では、三相回転電機で磁気的突極、ティースをそれぞれ回転シャフトを中心とした回転対称に配置し、かつ固定子巻線の相配置を回転シャフトを中心とした回転対称に設定するのが容易になる。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、前記Pn:Psが2:3、4:9、5:12のいずれかを満足する。したがって、この発明ではPn:Psが1:3の場合と異なりトルクバランスも良好になる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、回転子が界磁巻線により単極となるように界磁される回転電機において、回転シャフトに加わるラジアル力のアンバランスをなくすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】(a)は回転電動機の模式断面図、(b)はロータの正面図。
【図2】(a)は図1のII−II線模式断面図、(b)はロータが(a)の状態から回転した状態の模式断面図。
【図3】参考例の回転電動機の模式断面図。
【図4】ラジアル力の変化を示すグラフ。
【図5】別の実施形態の図2(b)に対応する模式断面図。
【図6】別の実施形態の回転電動機の模式断面図。
【図7】別の実施形態の回転電動機の模式断面図。
【図8】別の実施形態の回転電動機の模式断面図。
【図9】別の実施形態の回転電動機の模式断面図。
【図10】(a)は別の実施形態の回転電動機の模式断面図、(b)は別の実施形態のロータの正面図。
【図11】別の実施形態のロータの正面図。
【図12】従来技術の概略断面斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を三相の回転電動機に具体化した一実施形態を図1〜図4にしたがって説明する。なお、図2(a),(b)及び図3の模式断面図において図示の都合上、断面のハッチングを省略している。
【0015】
図1(a)に示すように、回転電機としての回転電動機10は、ロータ(回転子)11と、ロータ11の外側に配置された筒状のステータ(固定子)12と、ステータ12の外側に設けられた界磁ヨーク13と、ロータ11を界磁する界磁巻線14とを備えている。界磁ヨーク13は回転電動機10のケースとしても機能し、ステータ12の外周と対向する円筒部13aと、円筒部13aの両端に固定された一対の円板部13bとを有する。
【0016】
ロータ11は、回転シャフト15に一体回転可能に固定されたロータコア16を有し、回転シャフト15は円板部13bを貫通する状態でベアリング17を介して円板部13bに回転可能に支持されている。回転シャフト15は磁性材で形成されている。
【0017】
図1(b)に示すように、ロータコア16は、径方向に突出する突部が周方向に一定間隔で形成されており、突部が磁気的突極18を構成する。磁気的突極18は、ロータコア16を軸方向から見た場合に回転シャフト15を中心とした回転対称となるように配置されている。この実施形態では磁気的突極18は8個設けられ、各磁気的突極18はロータコア16の軸方向全長に亘って延設されている。ロータコア16は、電磁鋼板を複数枚(例えば数十枚)積層して構成されており、軸方向の磁気抵抗が、径方向及び周方向の磁気抵抗より大きくなっている。このため、ロータコア16内においては、磁束は軸方向に流れ難く、径方向及び周方向に流れ易くなる。
【0018】
ステータ12は、電磁鋼板を積層して略円筒状に形成されており、ステータ12の径方向及び周方向の磁気抵抗は、軸方向の磁気抵抗より小さくなっている。このため、ステータ12内においては、磁束はステータ12の周方向及び径方向に流れ易く、軸方向に流れ難くなる。
【0019】
図2に示すように、ステータ12の内側には複数のティース19が周方向に一定間隔で形成されるようにスロット20が等間隔で設けられている。ティース19及びスロット20は、ステータ12を軸方向から見た場合に回転シャフト15を中心とした回転対称となるように配置されている。この実施形態ではティース19及びスロット20がそれぞれ18個設けられている。したがって、ロータコア16の磁気的突極18の数をPn、ステータ12のスロット20の数をPsとした場合、Pn=8、Ps=18となり、Pn及びPsが1以外の公約数を有し、かつPn:Psが4:9を満足する。
【0020】
各ティース19には、固定子巻線としてのU相巻線21u、V相巻線21v、W相巻線21wがそれぞれ集中巻で巻き付けられている。U相巻線21u、V相巻線21v、W相巻線21wは、図2において時計方向にU相、V相、W相の順で、かつ同じ相の巻線が巻き付けられたティース19が3個ずつ隣り合うように巻き付けられている。即ち、固定子巻線を構成するU相巻線21u、V相巻線21v、W相巻線21wの相配置が回転シャフト15を中心とした回転対称に設定されている。
【0021】
界磁ヨーク13の両円板部13bには、円環状の突条13cがロータコア16に向かって突出するように形成され、突条13cには外周部に界磁巻線14が巻き付けられたボビン23が嵌合固定されている。突条13c及びボビン23は、ロータ11が単極となる磁気回路を形成するための界磁巻線14が巻き付けられた界磁巻線巻回部を構成する。ロータ11が単極となるとは、ロータコア16に複数形成された磁気的突極18のステータ12側端部が、界磁巻線14に励磁電流が供給された状態では全てN極又はS極の同じ磁極になることを意味する。
【0022】
この実施形態では、各界磁巻線14に電流が供給されると、界磁ヨーク13とロータコア16との間にロータコア16の磁気的突極が全て同じ磁極(N極)となる磁気回路が形成されるようになっている。詳述すると、図1(a)において左側に位置する一方の界磁巻線14においては、磁束が環状の界磁巻線14の左側から内周側に進入して右側から界磁巻線14の外部へ出るように発生する。また、図1(a)において右側に位置する他方の界磁巻線14においては、磁束が環状の界磁巻線14の右側から内周側に進入して左側から界磁巻線14の外部へ出るように発生する。その結果、両界磁巻線14から発生した磁束の経路は、回転シャフト15内を対向する方向に進んだ後、ロータコア16の内側から磁気的突極18内を通ってステータ12のティース19内へ進み、界磁ヨーク13の円筒部13a及び円板部13bを通って再び回転シャフト15内に進入する経路となる。
【0023】
次に前記のように構成された回転電動機10の作用を説明する。
回転電動機10は、U相巻線21u、V相巻線21v、W相巻線21wが三相インバータに接続され、界磁巻線14が直流電源に接続された状態で使用される。そして、制御装置により三相インバータから出力される制御電流量と、直流電源から界磁巻線14に供給される電流量が制御される。
【0024】
界磁巻線14に直流が供給されると、界磁巻線14から発生した磁束(磁力線)が、図1(a)に破線で示すように、界磁ヨーク13の円板部13b→回転シャフト15→ロータコア16→磁気的突極18→ステータ12→界磁ヨーク13の円筒部13a→界磁ヨーク13の円板部13bの経路で通過する磁気回路が形成される。その結果、界磁巻線14に励磁電流が供給された状態では、図2に示すように、ロータコア16に複数形成された磁気的突極18のステータ12側端部が、全てN極になってステータ12が単極となる。
【0025】
一方、ステータ12のU相巻線21u、V相巻線21v、W相巻線21wには所定周波数の三相交流が順次供給されてステータ12に回転磁界が発生し、ロータ11に回転磁界が作用する。そして、回転磁界と磁気的突極18の磁束との間の磁気的な吸引力及び反発力によりロータ11が回転磁界と同期して回転する。また、界磁巻線14に供給する電流量を調整することにより、生成する磁束量を調整することができる。そのため、界磁巻線14に供給する電流量を調整することにより、所謂「弱め界磁制御」や「強め界磁制御」、自在な界磁磁束制御を行うことができる。
【0026】
図2(a)に示すように、Aで示す180度の機械角をなす一対の磁気的突極18が、U相巻線21uが巻き付けられた隣接する3個のティース19の中央のティース19と対向する状態において、それぞれ180度の機械角をなす他の3対の磁気的突極18のティース19との位置関係も、対毎に同じ状態となる。詳述すると、Bで示す磁気的突極18は、V相巻線21vが巻き付けられた隣接する3個のティース19のうちU相巻線21uが巻き付けられたティース19寄りのティース19と対向する。Cで示す磁気的突極18は、V相巻線21vが巻き付けられた隣接する3個のティース19のうちW相巻線21wが巻き付けられたティース19寄りのティース19と、W相巻線21wが巻き付けられた隣接する3個のティース19のうちV相巻線21vが巻き付けられたティース19寄りのティース19とに対向する。Dで示す磁気的突極18はW相巻線21wが巻き付けられた隣接する3個のティース19のうちU相巻線21uが巻き付けられたティース19寄りのティース19と対向する。したがって、この状態では180度の機械角をなすA,B,C,Dで示す各一対の磁気的突極18に作用するラジアル方向の力は、各一対の磁気的突極18毎に同じとなり、回転シャフト15に加わるラジアル力はバランスした状態になる。
【0027】
また、図2(a)に示す状態からロータ11が任意の角度回転した場合、例えば、図2(b)に示す状態においても、180度の機械角をなすA,B,C,Dで示す各一対の磁気的突極18のティース19及び固定子巻線の相配置に対する位置関係は、各一対の磁気的突極18毎に同じとなり、回転シャフト15に加わるラジアル力はバランスした状態になる。
【0028】
一方、磁気的突極18、ティース19がそれぞれ回転シャフト15を中心とした回転対称に配置され、かつ固定子巻線の相配置が回転シャフト15を中心とした回転対称に設定されていても、磁気的突極18の数Pnとステータ12のスロット20の数Psとが1以外の公約数を有しない場合は、回転シャフト15に加わるラジアル力はアンバランスになる。
【0029】
例えば、図3に、Pn=5、Ps=12の場合を示す。磁気的突極18は360/5度で回転対称であり、ティース19(相配置)は360/2度で回転対称であるが、PnとPsが1以外の公約数を有していない。図3に示す状態において、A、B、C、D、Eで示す各磁気的突極18は、U相巻線21u、V相巻線21v及びW相巻線21wが巻き付けられたティース19との位置関係がそれぞれ異なり、回転シャフト15に加わるラジアル力はアンバランスになる。
【0030】
図4に、Pn=8、Ps=18の場合(8突極18スロットの場合)と、Pn=5、Ps=12の場合(5突極12スロットの場合)の回転シャフト15に加わるラジアル力のシミュレーション結果を示す。図4においてラジアル力を表す縦軸の値はラジアル力の平均値に対する相対的な値を示し、1.0が平均値となる。
【0031】
図4に示すように、実施形態の回転電動機10である8突極18スロットの場合は、電気角0〜360度の範囲に亘ってラジアル力は0、即ち回転シャフト15に特定方向へのラジアル力が作用しないこと、即ち回転シャフト15に加わるラジアル力のアンバランスがないこと確認された。一方、図3に示す比較例、即ち5突極12スロットの場合は、電気角0〜360度の範囲において、特定方向へのラジアル力が60度周期で変動することが確認された。
【0032】
この実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)回転電動機10は、回転シャフト15に一体回転可能に固定され、かつ周方向に一定間隔で磁気的突極18が形成されたロータコア16を有するロータ11と、筒状に形成されるとともにロータコア16の外周側に配置され、かつ固定子巻線が集中巻で巻き付けられたティース19が内周面に一定間隔で形成されたステータ12とを備えている。また、回転電動機10は、ステータ12の外周に設けられた界磁ヨーク13と、ロータ11が単極となる磁気回路を形成するための界磁巻線14とを備えている。磁気的突極18、ティース19がそれぞれ回転対称に配置され、固定子巻線の相配置が回転対称に設定され、かつ磁気的突極18の数をPn及びステータ12のスロット20の数Psが1以外の公約数を有する。したがって、回転シャフト15に加わるラジアル力のアンバランスをなくすことができる。
【0033】
(2)固定子巻線(U相巻線21u、V相巻線21v及びW相巻線21w)は三相交流電流で励磁される。したがって、ロータコア16にトルクを発生させるための回転磁界を発生させる構成が一般に使用される三相回転電動機と同じで簡単になる。
【0034】
(3)回転電動機10は、磁気的突極18の数Pnが8、ステータ12のスロット20の数Psが18であるため、Pn及びPsが1以外の公約数を有し、かつPn:Psが4:9を満足する。したがって、トルクバランスも良好になる。
【0035】
(4)界磁巻線14は界磁ヨーク13の両端部にそれぞれ設けられているため、各磁気的突極18に所望の量の磁束を円滑に流すために必要な円筒部13aの断面積を小さくすることができ、回転電動機10の小型化に寄与する。
【0036】
(5)界磁巻線巻回部はボビン23を円板部13bに形成された円環状の突条13cに嵌合固定することで構成されている。したがって、界磁巻線14を巻き付けたボビン23を突条13cに固定することができ、界磁巻線14を円板部13bに突設された突条13cに直接巻き付ける場合に比べて、界磁巻線14の巻き付け作業が簡単になる。
【0037】
実施形態は前記に限定されるものではなく、例えば、次のように具体化してもよい。
○ 磁気的突極18、ティース19がそれぞれ回転対称に配置され、固定子巻線の相配置が回転対称に設定され、かつ磁気的突極18の数Pn及びステータ12のスロットの数Psが1以外の公約数を有していれば、磁気的突極18の数Pnとスロット20の数Psとの組み合わせはPn=8、Ps=18に限らない。例えば、図3に示した磁気的突極18の数Pnが5、スロット20の数Psが12の回転電動機10ではPn及びPsが1以外の公約数を有せず、回転シャフト15に加わるラジアル力がアンバランスになったが、Pn及びPsが1以外の公約数を有する組み合わせにすると、回転シャフト15に加わるラジアル力のアンバランスをなくすことができる。例えば、Pn及びPsが1以外の公約数を有するように、Pn=10、Ps=24にすると、図5に示すように、180度の機械角をなすA,B,C,D,Eで示す各一対の磁気的突極18に作用するラジアル方向の力は、各一対の磁気的突極18毎に同じとなり、回転シャフト15に加わるラジアル力はバランスした状態になる。
【0038】
○ 磁気的突極18の数Pnとスロット20の数Psとの組み合わせはPn=8、Ps=18及びPn=10、Ps=24に限らず、例えば、Pn及びPsが1以外の公約数を有し、かつPn:Psが1:3、2:3、4:3、4:9、5:3、5:6、5:9、5:12、8:9、8:15、8:21のいずれかを満足すればよい。しかし、そのうち、Pn:Psが1:3、4:3、5:3、5:6、5:9、8:9、8:15、8:21の組み合わせは、トルク変動が大きい。したがって、トルクバランスも良好になるPn:Psが2:3、4:9、5:12のいずれかの組み合わせが好ましい。
【0039】
○ 回転電動機10は、界磁巻線14が界磁ヨーク13の片側(一端側)に設けられた構成でもよい。例えば、図6に示すように、界磁ヨーク13は円板部13bが円筒部13aの一端側にのみ設けられ、他端側には非磁性材で形成された支持円板24が設けられる。支持円板24は界磁ヨーク13と共に回転電動機10のケースを構成し、ベアリング17を介して回転シャフト15の他端を支持する。この実施形態では、界磁巻線14に電流が供給されると、磁束が界磁ヨーク13の円板部13b→回転シャフト15→ロータコア16→磁気的突極18→ステータ12→界磁ヨーク13の円筒部13a→界磁ヨーク13の円板部13bの経路で通過する磁気回路が形成され、各磁気的突極18がN極になる。この場合、界磁巻線14が円筒部13aの両側に設けられた実施形態と異なり、各磁気的突極18を流れた磁束が円筒部13aを経て円板部13bに戻るために必要な円筒部13aの断面積が2倍になる。
【0040】
○ 図7に示すように、ロータコア16を、円筒状に形成されて回転シャフト15に固設された筒状コア16aと、筒状コア16aの外周に設けられた積層ロータコア16bとで構成し、突条13cの先端を筒状コア16aの端面近傍まで延設するとともに突条13cの厚さを厚くして、その分、回転シャフト15の径を小さくしてもよい。磁気的突極18は積層ロータコア16bに形成する。筒状コア16aは、一体の磁性材料で形成されており、具体的には粉末成形磁性体(SMC:Soft Magnetic Composites)で形成されている。粉末成形磁性体の磁気抵抗は、積層ロータコア16bや回転シャフト15の材質より小さい。この場合、界磁巻線14で発生した磁束が回転シャフト15より筒状コア16a内を流れ易くなり、磁束が回転シャフト15を流れる場合に比べて磁束の経路長が短くなる。その結果、界磁電流量を低減させることができる。また、積層ロータコア16b内においては、磁束は、軸方向に流れ難く、径方向及び周方向に流れ易くなるのに対して、筒状コア16a内では積層ロータコア16b内より軸方向に磁束が流れ易くなる。このため、筒状コア16aが無い構成に比べて、磁束の経路が積層ロータコア16bを構成する全ての電磁鋼板に分散して流れ易くなる。
【0041】
○ ロータコア16、16bは電磁鋼板を積層して形成したが、鉄塊やSMCで形成しても良い。
○ 図8に示すように、回転シャフト15を、外周側の磁気抵抗が内周側の磁気抵抗より小さい2重構造に形成してもよい。この場合、界磁巻線14に電流が供給されて界磁巻線14から発生した磁束がロータコア16に向かって流れる際、磁束は磁気抵抗の小さい外周側を流れるため、磁束の経路長が短くなる。その結果、界磁電流量を低減させることができる。
【0042】
○ 図8に示すように、回転電動機10に専用のケース25を設け、ケース25で回転シャフト15をベアリング17を介して支持するようにしてもよい。この場合、界磁ヨーク13の円板部13bの形状が簡単になる。また、界磁ヨーク13がケースを兼用する場合に比べてケース25の形状や材質の自由度が大きくなる。図8では回転シャフト15が2重構造の場合を図示しているが、2重構造の場合に限らない。
【0043】
○ 図9に示すようにシャフトの径をそのベアリング部において細くするようにしても良い。この場合、ベアリングの小径化が可能になる。
○ ティース19に巻き付けられるU相巻線21u、V相巻線21v及びW相巻線21wの配置は、各巻線が巻き付けられたティース19がそれぞれ二つのグループ(360/2度で回転対称)に分けられる構成に限らない。例えば、図10(a)に示すように、Pn=10、Ps=24の回転電動機10において、各巻線が巻き付けられたティース19がそれぞれ四つのグループ(360/4度で回転対称)に分けられた構成にしてもよい。
【0044】
○ ロータコア16の形状は、磁気的突極18となるための突部を有する形状に限らない。例えば、図10(b)に示すように、ロータコア16として突部を一定間隔で有する形状の部分を磁性材で形成し、突部の間を非磁性材26で埋めて全体として平坦な形状としたものであってもよい。また、図11に示すように突部の先端のみを隣接する突部の先端とつなげても、実質的に磁気的突極になればよい。
【0045】
○ ボビン23を設けずに、突条13cの外周に界磁巻線14を直接巻き付けて、突条13cを界磁巻線巻回部としてもよい。
○ 固定子巻線としてのU相巻線21u、V相巻線21v及びW相巻線21wは、一つのスロット20に2本の巻線の一部がそれぞれ収容される状態ではなく、一つのスロット20に1本の固定子巻線の一部が収容される構成であってもよい。
【0046】
○ ロータ11が単極となる場合、各磁気的突極18のステータ12側端部が、全てN極になるのではなく、全てS極になる構成にしてもよい。
○ 磁気的突極18はロータコア16の全長に亘って延設されずに、全長より短く形成されていてもよい。
【0047】
○ 回転電動機10は三相交流で駆動されるものに限らず、単相交流や二相交流あるいは四相以上の多相交流で駆動されるものであってもよい。
○ 電動機ではなく発電機に適用してもよい。
【0048】
以下の技術的思想(発明)は前記実施形態から把握できる。
(1)請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の発明において、前記界磁巻線は前記界磁ヨークの両端部にそれぞれ設けられている。
【0049】
(2)請求項1〜請求項4及び前記技術的思想(1)のいずれか1項に記載の発明において、前記回転シャフトは、外周側の磁気抵抗が内周側の磁気抵抗より小さい2重構造に形成されている。
【0050】
(3)請求項1〜請求項4及び前記技術的思想(1)のいずれか1項に記載の発明において、前記ロータコアは、筒状コアと前記筒状コアの外側に形成された積層コアとで構成され、前記筒状コアの材質は磁気抵抗が前記積層コアの材質より小さく構成されている。
【符号の説明】
【0051】
10…回転電機としての回転電動機、11…ロータ(回転子)、12…ステータ(固定子)、13…界磁ヨーク、14…界磁巻線、15…回転シャフト、16…ロータコア、18…磁気的突極、19…ティース、20…スロット、21u…固定子巻線としてのU相巻線、21v…同じくV相巻線、21w…同じくW相巻線。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転子が界磁巻線により界磁される回転電機であって、
回転シャフトに一体回転可能に固定され、かつ周方向に一定間隔で磁気的突極が形成されたロータコアを有する回転子と、
筒状に形成されるとともに前記ロータコアの外周側に配置され、かつ固定子巻線が集中巻で巻き付けられたティースが内周面に一定間隔で形成された固定子と、
前記固定子の外周に設けられた界磁ヨークと、
前記回転子が単極となる磁気回路を形成するための界磁巻線と
を備え、
前記磁気的突極、前記ティースがそれぞれ前記回転シャフトを中心とした回転対称に配置され、前記固定子巻線の相配置が前記回転シャフトを中心とした回転対称に設定され、かつ前記磁気的突極の数をPn、前記固定子のスロットの数をPsとした場合、Pn及びPsが1以外の公約数を有する回転電機。
【請求項2】
前記固定子巻線は三相交流電流で励磁される請求項1に記載の回転電機。
【請求項3】
前記磁気的突極の数をPn及び前記固定子のスロットの数は、Pn:Psが1:3、2:3、4:3、4:9、5:3、5:6、5:9、5:12、8:9、8:15、8:21のいずれかを満足する請求項2に記載の回転電機。
【請求項4】
前記Pn:Psが2:3、4:9、5:12のいずれかを満足する請求項3に記載の回転電機。
【請求項1】
回転子が界磁巻線により界磁される回転電機であって、
回転シャフトに一体回転可能に固定され、かつ周方向に一定間隔で磁気的突極が形成されたロータコアを有する回転子と、
筒状に形成されるとともに前記ロータコアの外周側に配置され、かつ固定子巻線が集中巻で巻き付けられたティースが内周面に一定間隔で形成された固定子と、
前記固定子の外周に設けられた界磁ヨークと、
前記回転子が単極となる磁気回路を形成するための界磁巻線と
を備え、
前記磁気的突極、前記ティースがそれぞれ前記回転シャフトを中心とした回転対称に配置され、前記固定子巻線の相配置が前記回転シャフトを中心とした回転対称に設定され、かつ前記磁気的突極の数をPn、前記固定子のスロットの数をPsとした場合、Pn及びPsが1以外の公約数を有する回転電機。
【請求項2】
前記固定子巻線は三相交流電流で励磁される請求項1に記載の回転電機。
【請求項3】
前記磁気的突極の数をPn及び前記固定子のスロットの数は、Pn:Psが1:3、2:3、4:3、4:9、5:3、5:6、5:9、5:12、8:9、8:15、8:21のいずれかを満足する請求項2に記載の回転電機。
【請求項4】
前記Pn:Psが2:3、4:9、5:12のいずれかを満足する請求項3に記載の回転電機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−182943(P2012−182943A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−45312(P2011−45312)
【出願日】平成23年3月2日(2011.3.2)
【出願人】(000003218)株式会社豊田自動織機 (4,162)
【出願人】(304021277)国立大学法人 名古屋工業大学 (784)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月2日(2011.3.2)
【出願人】(000003218)株式会社豊田自動織機 (4,162)
【出願人】(304021277)国立大学法人 名古屋工業大学 (784)
【Fターム(参考)】
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