説明

回転飲食台における巡回路短絡方法およびその装置

【課題】1つの巡回路内における短絡経路形成および変更を極めて容易とする。
【解決手段】巡回路16が設けられてなる回転飲食台において、巡回路16の回路長を変更すべく短絡コンベア24を巡回路16内に配し、短絡コンベア24と巡回路16の連結部位に、巡回路16上の商品皿14を短絡コンベア24上へ、短絡コンベア24上から巡回路16上へ移送する案内ガイド26を、着脱自在に配し、案内ガイド26の装着部位に応じて、短絡コンベア24の搬送方向を制御させることにより、短絡経路を形成することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲食店、主に回転飲食台を設置した飲食店において、1つの巡回路内における短絡経路形成および変更を極めて容易とした巡回路短絡方法およびその装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、飲食店、例えば回転飲食台を設置した飲食店において、商品である寿司は、商品皿上に盛付けて巡回路上を巡回搬送させている。
【0003】
また、店内の客数が少ない営業時間帯(アイドルタイム)においては、巡回路内に配した短絡コンベアおよび案内ガイドからなる短絡機構を作動させ、巡回路を短絡させ、この短絡経路にて商品を巡回搬送させ、効率的に商品を提供することが知られている。
【0004】
この種の短絡装置として、別々の閉塞された搬送路を、各基端側を連接して1つの搬送路とし、その連接部位にそれぞれ案内ガイドを配し、各案内ガイドを開放設置させることにより、別々の搬送路として使用することができ、加えて各搬送路の連接部位に移送ローラーコンベアを2個配し、別々の搬送路を一つの搬送路として使用する場合には、各案内ガイドを閉塞収納させ、移送ローラーコンベアにより各搬送路間を移送させて商品を提供していた(例えば特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】特開2003−10028号公報(第3−4頁、図1、2、5)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来は前記の通り、特許文献1においては、搬送路が複数必要であるばかりか、案内ガイドおよび移送ローラーコンベアもそれぞれ複数必要であり、構成部品数、特に駆動モーターを備えた機構を複数使用するため、消費電力量が増大し、光熱費が高騰する要因となっていた。
【0007】
また、別々の搬送路を1つの搬送路として使用する際、2つの移送ローラーコンベアを使用する都合上、両移送ローラーコンベアのスピードを同期制御する必要があるばかりか、メンテナンスにおいても搬送路、移送ローラーコンベア、案内ガイドを、それぞれ2個ずつ行う必要があり、さらに移送ローラーコンベア、案内ガイドからなる短絡装置がユニット化されていないため、メンテナンス作業性が良くなく、使用者側においては高額なメンテナンス費用の支出を余儀なくされていた。
【0008】
本発明は、構造が極めて簡易であり、1つの巡回路における短絡経路の形成・変更を容易とし、しかも使用性、メンテナンス性を極めて向上させた回転飲食台における巡回路短絡方法および装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、基台の上方に商品を巡回搬送させる巡回路が設けられてなる回転飲食台において、巡回路の回路長を変更すべく短絡コンベアを巡回路内に配し、この短絡コンベアと巡回路の連結部位に、巡回路上の商品皿を巡回路から短絡コンベアへ、短絡コンベアから巡回路へ、移送するための案内ガイドを、着脱自在に配し、案内ガイドの装着部位に応じて、短絡コンベアの搬送方向を制御させることにより、短絡経路を形成することを特徴とするもの、
または、短絡コンベアと案内ガイドとを一体型ユニットとしたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る回転飲食台における巡回路短絡方法およびその装置によれば、巡回路の回路長を変更すべく短絡コンベアを巡回路内に配し、この短絡コンベアと巡回路の連結部位に、案内ガイドを、着脱自在に配し、案内ガイドの装着部位に応じて、短絡コンベアの搬送方向を制御させることにより、1つの巡回路内に、配設位置が異なる短絡経路を極めて容易に形成させることができる。
【0011】
さらに、巡回路と短絡コンベアとの連結部位の一側、あるいは他側への案内ガイドの装着位置変更により、短絡経路を極めて容易に変更することができる。
【0012】
加えて、案内ガイドの装着により形成された短絡経路に対応させて短絡コンベアの搬送方向が制御されるため、短絡経路形成時における搬送方向切換、確認作業が皆無となるばかりか、短絡経路形成後直ぐに使用に供することができ、使用性に優れている。
【0013】
また、短絡コンベアと案内ガイドとを一体型ユニットとすることにより、このユニット毎巡回路から取外してメンテナンスを行うことができ、メンテナンス性に優れている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
短絡経路形成・変更を容易とする目的を、巡回路の回路長を変更すべく巡回路内に配した短絡コンベアと、短絡コンベアと巡回路の連結部位に着脱自在に配した案内ガイドと、案内ガイドの装着部位に応じて、短絡コンベアの搬送方向を制御させることにより、実現させた。
【実施例1】
【0015】
本発明に係る回転飲食台における巡回路短絡装置は、図1〜図6に示すように、以下の構成からなるものである。
【0016】
本例において、回転飲食台は、平面視略I型の基台12の上方に、商品、本発明においては寿司を盛付けた商品皿14を、巡回搬送させる巡回路16が設けられ、基台12の外周縁にはカウンター18が設けられてなるものである。
【0017】
巡回路16は、無端チェーン20上にクレセント型のプレート22を多数軸支させてなる搬送路、一般にクレセントコンベアあるいはクレセントチェーンと称されるものであり、本例のクレセントコンベアは、基台12上部両端(図1において左右両側端)で逆方向に折返して巡回する複線状に配してある。
【0018】
巡回路16の回路長を変更すべく短絡コンベア24を巡回路16内に配してある。
【0019】
本例において、短絡コンベア24はベルトコンベアである。
【0020】
短絡コンベア24と巡回路16の連結部位に、案内ガイド26を、着脱自在に配してある。
【0021】
本例において、案内ガイド26は細長平板であり、巡回路中央の仕切部28両側に、巡回路16の中央から両側へ向けて移動自在に、それぞれ軸着させて装着する。
【0022】
案内ガイド26の装着部位に応じて、短絡コンベア24の搬送方向を、図示しない制御手段により、正逆搬送制御させてある。
【0023】
本例において、短絡コンベア24、案内ガイド26および短絡コンベア24を制御するための制御手段は、一体型の短絡ユニットとしてある。
【0024】
このため、短絡ユニットを構成する各部材が、故障または損傷した際には、短絡ユニット毎新しいユニットと交換すればよく、加えて、短絡ユニットを取外してメンテナンス作業を行うことができ、メンテナンス性に優れている。
【0025】
なお、図中30は駆動モータに軸着させた駆動スプロケットを示す。
【0026】
本装置を使用して巡回路16を短絡させる方法を以下に詳述する。
【0027】
まず、短絡経路形成位置に対応した側の巡回路16の仕切部28に案内ガイド26を装着する。
【0028】
本例において、図6(a)に示すように、短絡経路を巡回路16の右側に形成させる場合には、案内ガイド26は短絡コンベア24の左側に位置する仕切部28に軸着させる。
【0029】
次に、案内ガイド26を巡回路16の中央から両側へ向けて移動させる。
【0030】
この際、案内ガイド26の装着部位に応じて短絡コンベア24が制御手段により搬送制御されるため、短絡コンベア24の搬送方向に応じてスイッチ等による切換作業および搬送方向確認作業が皆無となるばかりか、短絡経路形成後直ぐに使用に供することができ、極めて容易に短絡経路を形成することができる。
【0031】
この形成された短絡経路上を、商品皿14が、巡回路16、短絡コンベア24、次いで巡回路16へと巡回搬送する。
【0032】
短絡経路を、図6(b)に示すように、巡回路16の左側に形成させる際には、案内ガイド26を短絡コンベア24の右側に位置する仕切部28に装着し、案内ガイド26を巡回路中央から両側に向けて移動させることにより、短絡経路を極めて容易に変更・形成することができる。
【0033】
また、図6(a)(b)に示す如く、どちら側に短絡経路を形成させる場合でも、商品皿14の搬送を確認の上、案内ガイド26の巡回路16両側へ移動させることにより、巡回路16の搬送を停止させることなく、短絡経路形成が可能である。
【0034】
なお、本例において、短絡コンベア24、案内ガイド26および制御手段は一体型の短絡ユニットとしてあるが、それぞれ別体とすることは自明である。
【0035】
また、短絡コンベア24はベルトコンベアであるが、ローラーコンベアその他の搬送機構とすることは自由である。
【0036】
また、案内ガイド26は、細長平板であるが、丸棒、円弧状、その他の形状とすることは自由である。
【0037】
また、制御手段は短絡コンベア24の搬送方向を制御するものであるが、搬送方向のみならず、搬送速度、作動・停止、等を制御させることは自明である。
【0038】
また、短絡コンベア24の搬送方向、搬送速度等を制御する制御手段を、マイコン、マイクロプロセッサユニット(MPU)等の処理機器とすることは自明である。
【0039】
また、巡回路16はクレセントチェーンに限定されることはなく、無端チェーン、無端ベルト、その他の搬送機構を採用できることは自明である。
【0040】
また、巡回路16の平面形状は、I型に限定されることなく、L型、コ字型、その他の形状とすることは自明である。
【0041】
また、短絡コンベア、案内ガイド、制御手段からなる短絡ユニットは、巡回路長に応じてその設置数を2個以上に増加させることは自明である。
【0042】
また、商品は寿司に限定されることはなく、例えばデザート類、サラダ、焼き物類、揚げ物類とすることは自由であり、その際には商品皿には商品を収納、盛付けた容器を載せて提供することは自明である。
【0043】
また、本発明の方法に使用する装置は本例に限定されることはない。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明に係る巡回路短絡方法および装置は、回転飲食台に限定されることはなく、薬品等を生産する工場の各生産ライン用としても転用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明に係る巡回路短絡装置を配した回転飲食台を示す平面図。
【図2】同、要部拡大平面図。
【図3】同、要部拡大底面図。
【図4】同、要部拡大正面図。
【図5】同、要部拡大側面図。
【図6】短絡経路を示す概略平面図。
【符号の説明】
【0046】
12 基台
16 巡回路
24 短絡コンベア
26 案内ガイド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基台(12)の上方に商品を巡回搬送させる巡回路(16)が設けられてなる回転飲食台において、
巡回路(16)の回路長を変更すべく短絡コンベア(24)を巡回路(16)内に配し、
この短絡コンベア(24)と巡回路(16)の連結部位に、巡回路(16)上の商品皿(14)を巡回路(16)から短絡コンベア(24)へ、短絡コンベア(24)から巡回路(16)へ、移送するための案内ガイド(26)を、着脱自在に配し、
案内ガイド(26)の装着部位に応じて、短絡コンベア(24)の搬送方向を制御させることにより、
短絡経路を形成することを特徴とする回転飲食台における巡回路短絡方法。
【請求項2】
短絡コンベア(24)と案内ガイド(26)とを一体型ユニットとしたことを特徴とする請求項1記載の回転飲食台における巡回路短絡方法。
【請求項3】
基台(12)の上方に商品を巡回搬送させる巡回路(16)が設けられてなる回転飲食台において、
巡回路(16)の回路長を変更すべく短絡コンベア(24)を巡回路(16)内に配し、
この短絡コンベア(24)と巡回路(16)の連結部位に、巡回路(16)上の商品皿(14)を巡回路(16)から短絡コンベア(24)へ、短絡コンベア(24)から巡回路(16)へ、移送するための案内ガイド(26)を、着脱自在に配し、
案内ガイド(26)の装着部位に応じて、短絡コンベア(24)の搬送方向を制御させることを特徴とする回転飲食台における巡回路短絡装置。
【請求項4】
短絡コンベア(24)と案内ガイド(26)とを一体型ユニットとしたことを特徴とする請求項3記載の回転飲食台における巡回路短絡装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−97863(P2007−97863A)
【公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−292196(P2005−292196)
【出願日】平成17年10月5日(2005.10.5)
【出願人】(000228475)日本クレセント株式会社 (19)
【Fターム(参考)】