回転駆動体
【課題】教材として半永久的に使用でき、且つ簡易な構造の回転駆動体を提供する。
【解決手段】 ベース体32に設けた軸33(回転中心)から同一距離であって対向する位置に、一対の磁石35a及び35bを配置し、ベース体32に対して回動自在な回転体38に設けた筒体40(回転中心)からの距離が前記同一距離であって対向する位置に、一対の磁石42a及び42bを配置する。磁石35aと磁石35bとの回転体38側の磁極及び磁石42aと磁石42bとのベース体32側の磁極は、互いに異なって引き付けあうため、ベース体32と回転体38とは安定状態にある。使用時にあっては、回転体38に力を加え、安定状態に抗して回転体38を回転させる。すると回転体38は磁石35と磁石42との働きによって元の位置に戻ろうと付勢されるため、加えた力を取り除くと安定状態に向かって駆動される。
【解決手段】 ベース体32に設けた軸33(回転中心)から同一距離であって対向する位置に、一対の磁石35a及び35bを配置し、ベース体32に対して回動自在な回転体38に設けた筒体40(回転中心)からの距離が前記同一距離であって対向する位置に、一対の磁石42a及び42bを配置する。磁石35aと磁石35bとの回転体38側の磁極及び磁石42aと磁石42bとのベース体32側の磁極は、互いに異なって引き付けあうため、ベース体32と回転体38とは安定状態にある。使用時にあっては、回転体38に力を加え、安定状態に抗して回転体38を回転させる。すると回転体38は磁石35と磁石42との働きによって元の位置に戻ろうと付勢されるため、加えた力を取り除くと安定状態に向かって駆動される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は回転駆動体に関し、特に小学校低学年の教材等に組み込まれる回転駆動体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の自動車おもちゃ等の回転駆動体はモーターや渦巻きばね等の動力を元に組み立てられている。これらの動力を元に車輪等を回転させると、自動車おもちゃ等が進行する機構構造が目視できるので、教材としても使用されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このような回転駆動体では、モーター等の動力を利用するためこれを組み込む装置が複雑になり、その分コストも上昇する。又、モーターは電池等の外部エネルギーを必要とし、半永久的に使用することはできない。更に、回転構造の動作原理を理解するにはやや複雑で低学年の教材としては十分に適しているとは言えない。
【0004】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、教材として半永久的に使用でき、且つ簡易な構造の回転駆動体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するために、請求項1記載の発明は、回転駆動体であって、ベース体と、ベース体に少なくともその一部が重なるように設置され、ベース体に対して回動自在な回転体とを備え、ベース体には、回転中心から同一距離であって対向する位置に配置された一対の第1磁石が取付けられ、第1磁石の各々の回転体側の部分の磁極は互いに異なり、回転体には、回転中心から同一距離であって対向する位置に配置された一対の第2磁石が取付けられ、第2磁石の各々のベース体側の部分の磁極は互いに異なるものである。
【0006】
このように構成すると、第1の磁石の各々と第2磁石の各々とが引き付けられた安定状態から力を加えて回転体をベース体に対して捻るように回転させると、回転体は第1磁石と第2磁石との作用によって捻る前の状態に向かって付勢される。
【0007】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の構成において、第1磁石の各々と第2磁石の各々とが引き付けられた安定状態にあるベース体と回転体との位置から、回転体を回転させ回転角度が180度を超えた回転位置において、それ以上の回転を阻止するストッパーがベース体に設けられるものである。
【0008】
このように構成すると、回転角度180度を超えた位置に回転体が移動すると、回転体は更に回転しようとする。
【0009】
請求項3記載の発明は、請求項2に記載の回転駆動体を備えたゲーム用の野球バッターであって、回転体の外周に接続され、ストッパーに当接可能なバットを備え、ストッパーには、バットがストッパーに近づくにつれてバットの水平位置が上昇するように案内する傾斜部を有するものである。
【0010】
このように構成すると、バットがストッパーに当接した状態にあっては、バットの位置が上昇する。
【0011】
請求項4記載の発明は、請求項1記載の発明の構成において、回転体は円盤形状を有すると共にその周壁部には大歯車が形成され、大歯車に係合する小歯車を備えた駆動軸を更に備えるものである。
【0012】
このように構成すると、回転体が回転すると歯車を介して駆動軸が回転する。
【0013】
請求項5記載の発明は、請求項4に記載の回転駆動体を備えた車おもちゃであって、ベース体に接続された前輪と、駆動軸に接続された後輪とを備えたものである。
【0014】
このように構成すると、回転体を安定状態からベース体に対していずれかの方向に回転させて離すと回転体は安定状態に復帰するように回転する。
【0015】
請求項6記載の発明は、請求項1記載の発明の構成において、回転体に設けられ、第1磁石の各々と第2磁石の各々とが引き付けられた安定状態にあるベース体と回転体との位置から、回転体を回転させ回転角度が180度未満の回転位置においてそれ以上の回転を阻止するストッパーを更に備えたものである。
【0016】
このように構成すると、回転体の回転が回転角度180度未満に常に制限される。
【0017】
請求項7記載の発明は、請求項6記載の発明の構成において、回転体に重なるように設置され、ベース体に対して回動自在な第2回転体を更に備え、第2回転体には、回転中心から同一距離であって対向する位置に配置された一対の第3磁石が取付けられ、第3磁石の各々の回転体側の部分の磁極は互いに異なり、第2回転体に設けられ、第2磁石の各々と第3磁石の各々とが引き付けられた安定状態にある回転体と第2回転体との位置から、第2回転体を回転させ、回転角度180度未満の回転位置においてそれ以上の回転を阻止する第2ストッパーを更に備えたものである。
【0018】
このように構成すると、第2回転体はベース体に対して回転角度180度を超えた位置まで回転可能となる。
【0019】
請求項8記載の発明は、回転駆動体であって、ベース体と、平面視においてベース体に少なくともその一部が重なるように設置され、ベース体に対して回動自在な回転体とを備え、ベース体には、平面視において回転中心に対して点対称に配置された第1磁極と第2磁極とからなる第1磁石が取付けられ、回転体には、平面視において第1磁石とほぼ同一形状を有し、回転中心に対して点対称に配置された第1磁極と第2磁極とからなる第2磁石が取付けられたものである。
【0020】
このように構成すると、第1磁石と第2磁石とが引き付けられた安定状態から力を加えて回転体をベース体に対して捻るように回転させると、回転体は第1磁石と第2磁石との作用によって捻る前の状態に向かって付勢される。
【発明の効果】
【0021】
以上説明したように、請求項1記載の発明は、第1の磁石の各々と第2磁石の各々とが引き付けられた安定状態から力を加えて回転体をベース体に対して捻るように回転させると、回転体は第1磁石と第2磁石との作用によって捻る前の状態に向かって付勢されるので、捻った状態の位置から加えた力を解放すると、回転体は捻る前の位置へ回転するように駆動される。
【0022】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加えて、回転角度180度を超えた位置に回転体が移動すると、回転体は更に回転しようとするので、回転体はストッパーによってその位置で停止する。
【0023】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明の効果に加えて、バットがストッパーに当接した状態にあっては、バットの位置が上昇するので、バットに力を加えて回転体を逆方向に回転させることが容易となる。回転体が元の位置から回転角度180度未満の位置まで移動すると、第1磁石と第2磁石との引き付けあいにより、回転角度として180度近くバットは回転体と共に回転する。
【0024】
請求項4記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加えて、回転体が回転すると歯車を介して駆動軸が回転するので、回転体の回転数や回転力を自在に変化させて駆動軸に伝達できる。
【0025】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の発明の効果に加えて、回転体を安定状態からベース体に対していずれかの方向に回転させて離すと回転体は安定状態に復帰するように回転するため、駆動軸を介して後輪が回転するので車おもちゃは移動する。
【0026】
請求項6記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加えて、回転体の回転が回転角度180度未満に常に制限されるので、回転状態から力を解除すると、必ず反対方向に回転して元に位置に復帰する。
【0027】
請求項7記載の発明は、請求項6記載の発明の効果に加えて、第2回転体はベース体に対して回転角度180度を超えた位置まで回転可能となるので、第2回転体の回転復帰範囲が拡大する。
【0028】
請求項8記載の発明は、第1磁石と第2磁石とが引き付けられた安定状態から力を加えて回転体をベース体に対して捻るように回転させると、回転体は第1磁石と第2磁石との作用によって捻る前の状態に向かって付勢されるので、捻った状態の位置から加えて力を解放すると、回転体は捻る前の位置へ回転するように駆動される。又、ベース体及び回転体のいずれも1つの磁石で回転が制御できるため、コンパクトな構造となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
図1は、この発明の第1の実施の形態によるゲーム用の野球バッターの外観形状を示す斜視図であり、図2は、図1で示した野球バッターを構成要素ごとに分解したものの斜視図である。
【0030】
これらの図を参照して、野球バッター27は、構成要素として、脚部28と胴部29と頭部30とからなる。
【0031】
構成要素について更に詳述すると、脚部28は、ベース体32と、ベース体32の中心に垂直に設置された軸33と、軸33(回転中心)から同一距離であって対向する位置に配置され、ベース体32に取付けられた一対の磁石35a及び35bと、ベース体32の外周に設置されたストッパー36とからなる。ストッパー36には、これに近づくにつれて上面の水平位置が高くなる傾斜部43が含まれる。
【0032】
次に、胴部29は、円盤形状に形成された回転体38と、回転体38の外周に接続され、ストッパー36に当接可能なバット39と、回転体38の中心に設けられ、軸33に回動自在に挿入される筒体40と、筒体40(回転中心)からの距離が軸33から磁石35a及び35bまでの距離と同一であって対向する位置であり、且つバット39の軸上に配置され、回転体38に取付けられた一対の磁石42a及び42bとからなる。
【0033】
尚、図2における磁石35及び磁石42のハッチングは、説明の便宜上付したものであり、実際の磁石35及び磁石42には表れない。ハッチングで示されている部分は各磁石のS極であり、ハッチングで示されていない部分は各磁石のN極である。尚、磁石35aと磁石35bとの回転体38側の磁極及び磁石42aと磁石42bとのベース体32側の磁極は、互いに異なっている。
【0034】
このように構成すると、磁石35の各々のS極及びN極と、磁石42の各々のS極及びN極とは互いに異なっているため、磁石同士が引き付けられ、ベース体32と回転体38とは安定状態にある。ただし、軸33等に加えられた構造によって磁石35と磁石42とは一定間隔が保持されているため、回転体38は脚部28に対して回動可能な状態とされている。
【0035】
図3は、図1の状態からバットを構えた状態の野球バッターを示す斜視図であり、図4は、図3で示した野球バッターを背面方向から見た図である。尚、いずれの図も、説明の便宜のために、頭部を上に持ち上げている。
【0036】
これらの図を参照して、回転体38を上記の安定状態に抗して平面視で時計方向に回転させていくと、回転角度が0度から180度のときは、回転体38は元の位置に戻ろうと反時計方向に付勢される。
【0037】
回転角度が180度になると、磁石35aのS極及び磁石35bのN極と、磁石42bのS極及び磁石42aのN極とが反発しあい、この反発によって回転体38の水平位置が高くなる。尚、このときのバット39の位置とストッパー36の傾斜部43の端部の位置とがほぼ同じであり、バット39の底面の水平位置と傾斜部43の端部の上面の水平位置とがほぼ同じである。
【0038】
回転角度が180度を超えると、磁石35aのS極及び磁石35bのN極と、磁石42bのS極及び磁石42aのN極との反発によって時計方向に付勢され、回転体38は更に回転しようとするが、回転体38に接続しているバット39がストッパー36に当接するため、それ以上の回転が阻止される。
【0039】
このように構成すると、回転体38は180度以上回転したその位置で停止する。
【0040】
又、ストッパー36の傾斜部43は、バット39の水平位置が上昇するように案内することが可能となるため、磁石35及び磁石42の反発によって水平位置が上昇する回転体38の位置を、磁石35及び42が反発したときの最高位よりも高い位置に留めておくことができる。
【0041】
図5は図3で示した野球バッターのバットに、ストッパー側から力を加えて、転がってきたボールを弾き返そうとしている図である。
【0042】
図を参照して、バット39にストッパー36側から力を加えると、バット39は傾斜部43の傾斜を滑り降りながら図の矢印の方向に動きだし、その動きに伴って、回転体38は反時計回りに回転し始める。このとき回転体38には、反時計回りに回転させようと加えた力と、磁石35aのS極及び磁石35bのN極と、磁石42bのS極及び磁石42aのN極との反発による、時計回りに回転しようとする力とが相殺する。
【0043】
このように構成すると、傾斜部43はストッパー36から離れるにつれ水平位置が低くなっているため、バット39は傾斜部43を滑り降りるため、その慣性によって回転体38を逆回転に回転させることが容易となる。
【0044】
図6は図5から更に反時計回りに回転体が回転し、その回転運動によってバットがボールを弾き返す瞬間の図である。
【0045】
図を参照して、回転体38が反時計回りに回転して、元の安定状態の位置から回転角度180度未満の位置まで移動すると、磁石35aのS極及び磁石35bのN極と、磁石42bのS極及び磁石42aのN極との反発により、図の矢印の方向に回転しようとする力が回転体38にかかる。又、磁石35aのS極及び磁石35bのN極と、磁石42aのN極及び磁石42bのS極とがそれぞれ引き付けあうことによって生じる、図の矢印の方向に回転しようとする力も回転体38にかかる。その結果、回転体38の回転に伴ってバット39が図の矢印の方向に動く。
【0046】
このように構成すると、磁石35及び磁石42の反発と引き付け合いとの二つの力によって、回転体38は元の安定状態に向かって更に付勢される。
【0047】
そのため、図のような回転角度が90度前後のときに回転体38の回転速度が最も早くなると考えられ、バット39がその回転力を利用してボール45を弾き返すことが可能となる。
【0048】
図7は図6から更に反時計回りに回転体が回転し、ボールを弾き返すと共に、元の安定状態に戻った野球バッターの図であり、図8は図7で示した野球バッターを背面方向から見た図である。
【0049】
図を参照して、バット39が上述の付勢力で更に図の矢印の方向に動き、回転体38の回転角度が0度となると、磁石35aのS極の真上に磁石42aのN極が、磁石35bのN極の真上に磁石42bのS極が位置するようになり、磁石35及び42は引き付けあうのみとなる。
【0050】
このように構成すると、回転体38の回転が止まり、元の安定状態に戻る。
【0051】
以上のように、野球バッター27は回転駆動体によって回転運動が実現されていると言える。すなわち、ベース体32と回転体38と磁石35及び42とが回転駆動体を構成する。
【0052】
更に、この回転駆動体は磁石35及び磁石42の磁力を利用するものであるため、安定状態に戻った回転体38を再び時計回りに回転させれば、半永久的に動力を得ることが可能であり、同様の動作を反復させることができる。
【0053】
更に、この回転駆動体の動力は磁石35及び磁石42の磁力のみであるため、構造が簡易となる。
【0054】
図9は、この発明の第2の実施の形態による車おもちゃとしての三輪車の外観形状を示す斜視図であり、図10は、図9で示した三輪車を背面方向から見た図であり、図11は、図9で示した三輪車を構成要素ごとに分解したものの斜視図である。
【0055】
これらの図を参照して、三輪車48は、構成要素として、胴体50と前輪53と後輪57と回転体59と駆動軸56とからなる。
【0056】
構成要素について更に詳述すると、胴体50は、円盤形状に形成された平面部66と、平面部66の中心に垂直に設置された軸60(回転中心)と、軸60から同一距離であって対向する位置に配置され、平面部66に取付けられた一対の磁石35a及び35bからなる。そして、胴体50の外周に前フレーム51が接続され、軸52を介して前フレーム51に前輪53が回動自在に取付けられている。又、前フレーム51の設置位置を前方として、胴体50の後方側の外周に後フレーム55が接続される。
【0057】
次に、回転体59は、円盤形状に形成された平面部68と、平面部68の中心に設けられ、軸60に回動自在に挿入される筒体40(回転中心)と、筒体40からの距離が軸33から磁石35a及び35bまでの距離と同一であって対向する位置に配置され、平面部68に取付けられた一対の磁石42a及び42bと、平面部68の外周を囲う周壁部69とからなる。周壁部69の一部には、レバー61と、第1大歯車62と、第2大歯車63と、平坦面70とが形成されている。
【0058】
尚、磁石35と磁石42との磁極及び図面上のハッチングについては、第1の実施の形態で記載したものと同様である。
【0059】
更に、駆動軸56には、第1大歯車62及び第2大歯車63と係合する小歯車65が備わっている。この駆動軸56に後輪57a及び57bが取り付けられる。
【0060】
尚、三輪車48が後述する安定状態において、小歯車65に最も近接する回転体59の部分が平坦面70となるように構成されている。この状態にあっては、小歯車65は第1大歯車62及び第2大歯車63とは係合せず、回転体59とも当接しない。
【0061】
このように構成すると、磁石35の各々のS極及びN極と、磁石42の各々のS極及びN極とは互いに異なっているため、磁石同士が引き付けられ、胴体50と回転体59とは安定状態にある。ただし、軸60等に加えられた構造によって磁石35と磁石42とは一定間隔が保持されているため、回転体59は胴体50に対して回動可能な状態とされている。
【0062】
又、上述のように安定状態において、小歯車65は回転体59に当接せず、自由に回って動くことが可能であることから、駆動軸56と共に後輪57も自由に回り三輪車48の移動が可能となる。
【0063】
図12は、図11に示した三輪車の安定状態からレバーに力を加え、前方に倒した状態の図である。尚、図にあっては説明の便宜上、分解斜視図を用いているが、実際は一体的に組み立てられている。以下、同様である。
【0064】
図を参照して、レバー61を前方に倒して回転体59を上記の安定状態に抗して図の左側の矢印の方向に回転させていくと、回転体59は元の位置に戻ろうと矢印とは反対の方向に付勢される。又、この時、回転体59の第1大歯車62と小歯車65とが係合を開始する。
【0065】
このように構成すると、第1大歯車62と係合した小歯車65が図の右側の矢印の方向に回転し、それに伴って駆動軸56及び後輪57が同様の回転運動をする。
【0066】
図13は、図12で示した三輪車のレバーに加えられていた力を取り除いた状態の図である。
【0067】
図を参照して、レバー61に加えられていた力を取り除くと、回転体59は上述のように付勢されているため、図の左側の矢印の方向に勢いよく回転していく。
【0068】
この回転体59の回転に伴い、第1大歯車62と小歯車65とが係合しているため、小歯車65が図の右側の矢印の方向に高速で回転し、それに伴って駆動軸56及び後輪57が同様の回転運動をする。その結果、後輪57の回転運動により、三輪車48は前方方向に勢いよく移動する。
【0069】
そして、回転体59は、図の左側の矢印の方向に回転した後安定状態になると、回転が止まるが、この時には第1大歯車62と小歯車65との係合が解除されており、小歯車65に最も近接するのが平坦面70となるため、小歯車65は慣性力で回転を続ける。その結果、駆動軸56及び後輪57も回転運動を続けるため、三輪車48は前進を続ける。
【0070】
以上のように、三輪車48は回転駆動体によって回転運動が実現されていると言える。すなわち、胴体50と回転体59と磁石35及び42とが回転駆動体を構成する。
【0071】
尚、回転体59は胴体50に対して回動可能な状態であるため、レバー61を後方に倒した場合は、回転体59は図12で示した左側の矢印と逆方向に回転する。この状態でも、回転体59は元の位置に戻ろうと付勢される。又、この時、第2大歯車63と小歯車65とが係合するため、小歯車65と駆動軸56及び後輪57とは、図12に示した右側の矢印と逆方向に回転する。そして、レバー61に加えた力を取り除くと、回転体59は図13で示した左側の矢印と逆方向に回転し、小歯車65と駆動軸56と後輪57とは図13で示した右側の矢印と逆方向に回転する。これによって、後輪57の回転運動により、三輪車48を後方方向に移動させることが可能となる。
【0072】
図14は、この発明の第3の実施の形態による回転構造体の外観形状を示す斜視図であり、図15は、図14で示した回転構造体を構成要素ごとに分解したものの斜視図である。
【0073】
これらの図を参照して、回転構造体73は、構成要素として、ベース体32と第1回転体75と第2回転体76と第3回転体77と作動カバー79とからなる。
【0074】
構成要素について更に詳述すると、ベース体32は円盤形状に形成され、その中心に垂直に設置された軸81(回転中心)と、軸81から同一距離であって対向する位置に配置された一対の磁石35a及び35bとからなる。
【0075】
第1回転体75は円盤形状に形成され、その中心に設けられた軸81に回動自在に挿入される筒体40(回転中心)と、筒体40からの距離が軸81から磁石35a及び35bまでの距離と同一であって対向する位置の上面に配置された一対の磁石42a及び42bと、磁石42a及びb42bが配置されていない下面に、第1回転体75の外周であって対向する位置にあり、ベース体32に第1回転体75を設置時に磁石35a及び35bの側壁の各々に当接するように配置された一対のストッパー83a及び83bとからなる。
【0076】
第2回転体76は、第1回転体75と同様に構成されており、筒体84と磁石85a及び85bとストッパー87a及び87bとからなる。
【0077】
第3回転体77は、第1回転体75と同様に構成されており、筒体88と磁石89a及び89bとストッパー91a及び91bとからなる。
【0078】
尚、各磁石の磁極及び図面上のハッチングについては、第1の実施の形態で記載したものと同様である。
【0079】
そして、作動カバー79は、第3回転体77の磁石89a及び89bを覆うように形成され、その中心に設けられた軸81に回動自在に挿入される筒体92(回転中心)と、作動カバー79の外周端に接続された棒状体80とからなる。これにより、作動カバー79は第3回転体77と一体的に回転する。
【0080】
このように構成すると、磁石35の各々のS極及びN極と、磁石42のベース体32側の各々のS極及びN極とが互いに異なり、磁石42の第2回転体側76側の各々のS極及びN極と、磁石85の第1回転体75側の各々のS極及びN極とが互いに異なり、磁石76の第3回転体79側の各々のS極及びN極と、磁石77の第2回転体側の各々のS極及びN極とが互いに異なる。よって磁石同士が引き付けあうため、ベース体32と第1回転体75と第2回転体76と第3回転体77とは安定状態にある。ただし、軸81等に加えられた構造によって磁石35と磁石42と磁石85と磁石89とは、それぞれ一定間隔が保持されているため、第1回転体75はベース体32に対して、第2回転体76は第1回転体75に対して、第3回転体77は第2回転体76に対して、それぞれ回動可能な状態とされている。
【0081】
図16は、図15で示した回転構造体の状態から棒状体に力を加え、平面視で反時計回りに動かした状態の図である。
【0082】
図を参照して、棒状体80に平面視反時計方向の力を加えると、作動カバー79に磁石89が覆われている第3回転体77が図の矢印の方向に回転しようとする。このとき、磁石89aのN極に磁石85aのS極が、磁石89bのS極に磁石85bのN極が引き付けられるために、第2回転体76も図の矢印の方向に回転しようとする。更に、磁石85aのN極に磁石42aのS極が、磁石85bのS極に磁石42bのN極が引き付けられるために、第1回転体75も図の矢印の方向に回転しようとする。その結果、第1回転体75と第2回転体76と第3回転体77とがまとまって、上記の安定状態に抗して図の矢印の方向に回転する。そして、第1回転体75はベース体32との関係で元の位置に戻ろうと時計方向に付勢される。
【0083】
この反時計方向への回転運動を続けていくと、第1回転体75のストッパー83a及び83bがベース体32の磁石35a及び35bに当接して、第1回転体75のそれ以上の回転が阻止される。この時、第2回転体76は第1回転体75に対して回動自由であるため、棒状体80に反時計方向の力を加え続けると、第2回転体76及び第3回転体77は引き続き上記の安定状態に抗して図の矢印の方向に回転し、第2回転体76は第1回転体75との関係で元の位置に戻ろうと時計方向に付勢される。
【0084】
更に、回転運動を続けていくと、第2回転体76のストッパー87a及び87bが第1回転体75の磁石42a及び42bに当接して、第2回転体76のそれ以上の回転が阻止される。この時、第3回転体77は第2回転体76に対して回動自由であるため、棒状体80に反時計方向の力を加え続けると、第3回転体77は更に引き続き上記の安定状態に抗して図の矢印の方向に回転し、第3回転体77は第2回転体76との関係で元の位置に戻ろうと時計方向に付勢される。そして、第3回転体77のストッパー89a及び89bが第2回転体76の磁石85a及び85bに当接すると、第3回転体77のそれ以上の回転が阻止され、すべての回転体の回転運動が止まる。
【0085】
このように構成すると、ストッパーによってそれぞれの回転体の相対的な回転は回転角度180度未満に常に制限されるが、作動カバー79はベース体32に対して回転角度180度を大きく超えた回転位置まで回転することになる。
【0086】
図17は、図16で示した回転構造体の棒状体に加えられていた力を取り除いた状態の図である。
【0087】
図を参照して、棒状体80に加えられていた反時計方向の力を取り除くと、まず第3回転体77は上述の付勢力によって図の実線の矢印の方向に回転する。尚、第2回転体76及び第1回転体75も上述の通り、図の2点鎖線の方向に付勢されており、各々には第3回転体77と同じ強さの付勢力が生じている。しかし、第2回転体76や第1回転体75が回転するには、その上全体を同時に回転させる必要がある。そのため、その上の質量が最も小さい第3回転体77のみがまず回転する。そして、磁石85aのS極の真上に磁石89aのN極が、磁石85bのN極の真上に磁石89bのS極が位置するようになると、磁石85及び磁石89は反発せず、引き付けあうのみとなる。
【0088】
その結果、第3回転体77は、図の実線の矢印の方向に回転した後、回転が止まり、第2回転体76に対して元の安定状態に戻る。
【0089】
図18は、図17から更に時計回りに回転体が回転している回転構造体の図である。
【0090】
図を参照して、第3回転体77が安定状態に戻ると、付勢されている回転体の中でその上の質量の小さいものは第2回転体76となる。その結果、第2回転体76が上述の付勢力によって図の実線の矢印の方向に回転する。又、第2回転体76と安定状態にある第3回転体77も共に、図の実線の矢印の方向に回転する。そして、磁石42aのS極の真上に磁石85aのN極が、磁石42bのN極の真上に磁石85bのS極が位置するようになると、磁石42及び磁石85は反発せず、引き付けあうのみとなる。
【0091】
このように構成すると、第2回転体76は、図の実線の矢印の方向に回転した後、回転が止まり、第1回転体75に対して元の安定状態に戻る。
【0092】
又、第2回転体76が安定状態に戻ると、第1回転体75が上述の付勢力によって図の2点鎖線の矢印の方向に回転する。その後、回転が止まり、ベース体32に対して元の安定状態に戻る。
【0093】
このように、第3回転体77は第2回転体76及び第1回転体75と共に回転するため、ベース体32に対する回転復帰範囲が拡大する。
【0094】
以上のように、回転構造体73は、回転駆動体によって回転運動が実現されていると言える。すなわち、すくなくともベース体32と第1回転体75と第2回転体76とが回転駆動体を構成する。
【0095】
図19は、この発明の第4の実施の形態による回転構造体の外観形状を示す斜視図であり、図20は図19で示した回転構造体を構成要素ごとに分解したものの正面上方向から見た斜視図であり、図21は図20で示した回転構造体を背面下方向から見た図である。
【0096】
これらの図を参照して、回転構造体95は、構成要素として、ベース体97と回転体98と作動カバー99とからなる。
【0097】
構成要素について詳述すると、ベース体97は、軸102と、軸102を回転中心とした円筒形状に形成された外壁部103と、外壁部103の内側にあって軸102を回転中心とした円筒形状に形成された内壁部104と、外壁部103と内壁部104との間に収まるドーナツ形状の磁石105と、軸102の根元に設置された軸支持体107と、軸102から同一距離であって対向する位置に該当する軸支持体の外周に設置されたストッパー108a及び108bとからなる。磁石105は平面視において左右に分かれたS極とN極との境目の延長線が軸102の中心を通るように設置される。その結果、磁石105のS極とN極とは軸102の回転中心に対して点対称に配置されることになる。尚、各磁石の図面上のハッチングについては、第1の実施の形態で記載したものと同様である。
【0098】
回転体98は、軸102に回動自在に挿入される軸支持体114と、軸支持体114を回転中心とした円筒形状に形成された外壁部110と、外壁部110の内側にあって軸支持体114を回転中心とした円筒形状に形成された内壁部111と、外壁部110と内壁部111との間に収まるドーナツ形状の磁石112と、軸支持体114から同一距離であって対向する位置に該当する軸支持体114の外周に設置されたストッパー115a及び115bと、軸102に回動自在に挿入される穴を有した底板117と、底板117の下方面に形成された棒体118とからなる。磁石112は磁石105と同様にそのS極とN極との境目の延長戦が軸支持体114の中心を通るように設置される。その結果、磁石112のS極とN極とは軸支持体114回転中心に対して点対称に配置されることになる。
【0099】
次に、作動カバー99は、軸102に回動自在に挿入される穴を有したベース板120と、ベース板120の外周に接続された棒状体100と、回転体98の内壁部114の内側と嵌合する、ベース板120の下方面に設置された筒状体121とからなる。筒状体121にはストッパー115のいずれか片方と嵌合する、間隙122が設けられている。
【0100】
このように構成すると、磁石105のS極及びN極と、磁石112のS極及びN極とによって磁石同士が引き付けられるため、ベース体97と回転体98とは安定状態にある。ただし、軸102等に加えた構造によって磁石105と磁石112とは一定間隔が保持されているため、回転体98はベース体97に対して回動可能な状態とされている。
【0101】
図22は、図20に示した回転構造体の状態から棒状体に力を加え、平面視で時計回りに動かした状態の図である。
【0102】
図を参照して、棒状体100に時計方向の力を加えると、作動カバー99と嵌合している回転体98も一体となって、上記の安定状態に抗して図の矢印の方向に回転し、回転体98は元の位置に戻ろうと付勢される。
【0103】
この回転運動を続けていくと、回転体98の下面に位置する棒対118がベース体97のストッパー108aに当接して、回転体98のそれ以上の回転が阻止される。
【0104】
このように構成すると、ストッパー108a及び108bの配置と厚みとによって回転体98の回転が回転角度180度未満に常に制限される。
【0105】
図23は、図22に示した回転構造体の状態から棒状体に加えていた力を取り除いた状態の図である。
【0106】
図を参照して、棒状体100に加えられていた力を取り除くと、回転体98は上述のように付勢されているため、図の矢印の方向に回転していく。そして、回転体98の回転角度が0度となり、磁石112のS極の真下に磁石105のN極が、磁石112のN極の真下に磁石105のS極が位置するようになると、磁石105及び112は反発せず、引き付けあうのみとなる。
【0107】
すなわち、回転体98は、図の矢印の方向に回転した後、元の安定状態に戻ると回転が止まる。
【0108】
機能的には先の第1の実施の形態によるゲーム用の野球バッターと同様であるが、この実施の形態による回転構造体にあっては、ベース体97及び回転体98のいずれも1つの磁石で回転が制御できるため、コンパクトな構造となる。
【0109】
以上のように、回転構造体95は回転駆動体によって回転運動が実現されていると言える。すなわち、ベース体97と回転体98と磁石105及び112とが回転駆動体を構成する。
【0110】
尚、上記の各実施の形態では、軸を用いた回転構造が使用されているが、軸を用いない回転構造を使用してもよい。
【0111】
又、上記の各実施の形態では、回転駆動体の具体的な用途を示しているが、これら以外の用途で用いられてもよい。
【0112】
更に、上記の第1の実施の形態から第3の実施の形態では、ベース体及び回転体につきそれぞれ一対の磁石が用いられているが、磁極の異なる磁石をベース体及び回転体につき一個ずつ用いてもよい。逆に、複数対の磁石を用いてもよく、この場合においては、回転角度は小さくなるが、回転力が大きくなる。
【0113】
更に、上記の第1の実施の形態では、回転体の上部に頭部を備えているが、これは必ずしも必要なものではない。
【0114】
更に、上記の第1の実施の形態では、ストッパーが設けられているが、これは無くてもよい。
【0115】
更に、上記の第1の実施の形態では、傾斜部が設けられているが、これは無くてもよい。
【0116】
更に、上記の第2の実施の形態では、大歯車が2つ形成されているが、これらの一方のみでもよい。
【0117】
更に、上記の第2の実施の形態では、ストッパーが設けられていないが、これを設置してもよい。
【0118】
更に、上記の第3の実施の形態では、回転体の個数は3つとなっているが、2つでも4つ以上に増設してもよく、4つ以上に増設した場合は最上位にある回転体のベース体32に対する回転復帰範囲が更に拡大する。
【0119】
更に、上記の第3の実施の形態では、回転体につきストッパーが2つ設けられていたが、1つでもよい。
【0120】
更に、上記の第3の実施の形態及び第4の実施の形態では、回転体の上部に作動カバーを備えているが、これは必ずしも必要なものではない。
【0121】
更に、上記の第4の実施の形態では、ドーナツ形状の磁石が用いられているが、例えば棒形状の磁石など、S極とN極が点対称に配置される他の形状の磁石を用いてもよい。この場合、点対称の中心を回転中心とするように回転体等に磁石を取り付けるようにすればよい。
【0122】
更に、上記の第4の実施の形態では、一対のストッパーが設けられていたが、一方のみでもよい。
【0123】
更に、上記の第4の実施の形態では、回転体が一つとなっているが、回転体を2つ以上に増設してもよく、2つ以上設置した場合は上記の第3の実施の形態と同様の回転復帰範囲の拡大効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0124】
【図1】この発明の第1の実施の形態によるゲーム用の野球バッターの外観形状を示す斜視図である。
【図2】図1で示した野球バッターを構成要素ごとに分解したものの斜視図である。
【図3】図1の状態からバットを構えた状態の野球バッターを示す斜視図である。
【図4】図3で示した野球バッターを背面方向からみた図である。
【図5】図3で示した野球バッターのバットに、ストッパー側から力を加えて、転がってきたボールを弾き返そうとしている図である。
【図6】図5から更に反時計回りに回転体が回転し、その回転運動によってバットがボールを打ち返す瞬間の図である。
【図7】図6からさらに反時計回りに回転体が回転し、ボールを弾き返すと共に、元の安定状態に戻った野球バッターの図である。
【図8】図7で示した野球バッターを背面方向から見た図である。
【図9】この発明の第2の実施の形態による車おもちゃとしての三輪車の外観形状を示す斜視図である。
【図10】図9で示した三輪車を背面方向から見た図である。
【図11】図9で示した三輪車を構成要素ごとに分解したものの斜視図である。
【図12】図11に示した三輪車の状態からレバーに力を加え、前方に倒した状態の図である。
【図13】図12で示した三輪車のレバーに加えられていた力を取り除いた状態の図である。
【図14】この発明の第3の実施の形態による回転構造体の外観形状を示す斜視図である。
【図15】図14で示した回転構造体を構成要素ごとに分解したものの斜視図である。
【図16】図15で示した回転構造体の状態から棒状体に力を加え、平面視で反時計回りに動かした状態の図である。
【図17】図16で示した回転構造体の棒状体に加えられていた力を取り除いた状態の図である。
【図18】図17から更に時計回りに回転体が回転している回転構造体の図である。
【図19】この発明の第4の実施の形態による回転構造体の外観形状を示す斜視図である。
【図20】図19で示した回転構造体を構成要素ごとに分解したものの斜視図である。
【図21】図20で示した回転構造体を背面方向から見た図である。
【図22】図20に示した回転構造体の状態から棒状体に力を加え、平面視で時計回りに動かした状態の図である。
【図23】図22に示した回転構造体の状態から棒状体に加えていた力を取り除いた状態の図である。
【符号の説明】
【0125】
27…野球バッター
32、97…ベース体
35、42、85、89、105、112…磁石
36、83、87、91…ストッパー
38、59、98…回転体
39…バット
43…傾斜部
48…三輪車
53…前輪
56…駆動軸
57…後輪
62…第1大歯車
63…第2大歯車
65…小歯車
69…周壁部
73、95…回転構造体
75…第1回転体
76…第2回転体
77…第3回転体
尚、各図中同一符号は同一または相当部分を示す。
【技術分野】
【0001】
この発明は回転駆動体に関し、特に小学校低学年の教材等に組み込まれる回転駆動体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の自動車おもちゃ等の回転駆動体はモーターや渦巻きばね等の動力を元に組み立てられている。これらの動力を元に車輪等を回転させると、自動車おもちゃ等が進行する機構構造が目視できるので、教材としても使用されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このような回転駆動体では、モーター等の動力を利用するためこれを組み込む装置が複雑になり、その分コストも上昇する。又、モーターは電池等の外部エネルギーを必要とし、半永久的に使用することはできない。更に、回転構造の動作原理を理解するにはやや複雑で低学年の教材としては十分に適しているとは言えない。
【0004】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、教材として半永久的に使用でき、且つ簡易な構造の回転駆動体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するために、請求項1記載の発明は、回転駆動体であって、ベース体と、ベース体に少なくともその一部が重なるように設置され、ベース体に対して回動自在な回転体とを備え、ベース体には、回転中心から同一距離であって対向する位置に配置された一対の第1磁石が取付けられ、第1磁石の各々の回転体側の部分の磁極は互いに異なり、回転体には、回転中心から同一距離であって対向する位置に配置された一対の第2磁石が取付けられ、第2磁石の各々のベース体側の部分の磁極は互いに異なるものである。
【0006】
このように構成すると、第1の磁石の各々と第2磁石の各々とが引き付けられた安定状態から力を加えて回転体をベース体に対して捻るように回転させると、回転体は第1磁石と第2磁石との作用によって捻る前の状態に向かって付勢される。
【0007】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の構成において、第1磁石の各々と第2磁石の各々とが引き付けられた安定状態にあるベース体と回転体との位置から、回転体を回転させ回転角度が180度を超えた回転位置において、それ以上の回転を阻止するストッパーがベース体に設けられるものである。
【0008】
このように構成すると、回転角度180度を超えた位置に回転体が移動すると、回転体は更に回転しようとする。
【0009】
請求項3記載の発明は、請求項2に記載の回転駆動体を備えたゲーム用の野球バッターであって、回転体の外周に接続され、ストッパーに当接可能なバットを備え、ストッパーには、バットがストッパーに近づくにつれてバットの水平位置が上昇するように案内する傾斜部を有するものである。
【0010】
このように構成すると、バットがストッパーに当接した状態にあっては、バットの位置が上昇する。
【0011】
請求項4記載の発明は、請求項1記載の発明の構成において、回転体は円盤形状を有すると共にその周壁部には大歯車が形成され、大歯車に係合する小歯車を備えた駆動軸を更に備えるものである。
【0012】
このように構成すると、回転体が回転すると歯車を介して駆動軸が回転する。
【0013】
請求項5記載の発明は、請求項4に記載の回転駆動体を備えた車おもちゃであって、ベース体に接続された前輪と、駆動軸に接続された後輪とを備えたものである。
【0014】
このように構成すると、回転体を安定状態からベース体に対していずれかの方向に回転させて離すと回転体は安定状態に復帰するように回転する。
【0015】
請求項6記載の発明は、請求項1記載の発明の構成において、回転体に設けられ、第1磁石の各々と第2磁石の各々とが引き付けられた安定状態にあるベース体と回転体との位置から、回転体を回転させ回転角度が180度未満の回転位置においてそれ以上の回転を阻止するストッパーを更に備えたものである。
【0016】
このように構成すると、回転体の回転が回転角度180度未満に常に制限される。
【0017】
請求項7記載の発明は、請求項6記載の発明の構成において、回転体に重なるように設置され、ベース体に対して回動自在な第2回転体を更に備え、第2回転体には、回転中心から同一距離であって対向する位置に配置された一対の第3磁石が取付けられ、第3磁石の各々の回転体側の部分の磁極は互いに異なり、第2回転体に設けられ、第2磁石の各々と第3磁石の各々とが引き付けられた安定状態にある回転体と第2回転体との位置から、第2回転体を回転させ、回転角度180度未満の回転位置においてそれ以上の回転を阻止する第2ストッパーを更に備えたものである。
【0018】
このように構成すると、第2回転体はベース体に対して回転角度180度を超えた位置まで回転可能となる。
【0019】
請求項8記載の発明は、回転駆動体であって、ベース体と、平面視においてベース体に少なくともその一部が重なるように設置され、ベース体に対して回動自在な回転体とを備え、ベース体には、平面視において回転中心に対して点対称に配置された第1磁極と第2磁極とからなる第1磁石が取付けられ、回転体には、平面視において第1磁石とほぼ同一形状を有し、回転中心に対して点対称に配置された第1磁極と第2磁極とからなる第2磁石が取付けられたものである。
【0020】
このように構成すると、第1磁石と第2磁石とが引き付けられた安定状態から力を加えて回転体をベース体に対して捻るように回転させると、回転体は第1磁石と第2磁石との作用によって捻る前の状態に向かって付勢される。
【発明の効果】
【0021】
以上説明したように、請求項1記載の発明は、第1の磁石の各々と第2磁石の各々とが引き付けられた安定状態から力を加えて回転体をベース体に対して捻るように回転させると、回転体は第1磁石と第2磁石との作用によって捻る前の状態に向かって付勢されるので、捻った状態の位置から加えた力を解放すると、回転体は捻る前の位置へ回転するように駆動される。
【0022】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加えて、回転角度180度を超えた位置に回転体が移動すると、回転体は更に回転しようとするので、回転体はストッパーによってその位置で停止する。
【0023】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明の効果に加えて、バットがストッパーに当接した状態にあっては、バットの位置が上昇するので、バットに力を加えて回転体を逆方向に回転させることが容易となる。回転体が元の位置から回転角度180度未満の位置まで移動すると、第1磁石と第2磁石との引き付けあいにより、回転角度として180度近くバットは回転体と共に回転する。
【0024】
請求項4記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加えて、回転体が回転すると歯車を介して駆動軸が回転するので、回転体の回転数や回転力を自在に変化させて駆動軸に伝達できる。
【0025】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の発明の効果に加えて、回転体を安定状態からベース体に対していずれかの方向に回転させて離すと回転体は安定状態に復帰するように回転するため、駆動軸を介して後輪が回転するので車おもちゃは移動する。
【0026】
請求項6記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加えて、回転体の回転が回転角度180度未満に常に制限されるので、回転状態から力を解除すると、必ず反対方向に回転して元に位置に復帰する。
【0027】
請求項7記載の発明は、請求項6記載の発明の効果に加えて、第2回転体はベース体に対して回転角度180度を超えた位置まで回転可能となるので、第2回転体の回転復帰範囲が拡大する。
【0028】
請求項8記載の発明は、第1磁石と第2磁石とが引き付けられた安定状態から力を加えて回転体をベース体に対して捻るように回転させると、回転体は第1磁石と第2磁石との作用によって捻る前の状態に向かって付勢されるので、捻った状態の位置から加えて力を解放すると、回転体は捻る前の位置へ回転するように駆動される。又、ベース体及び回転体のいずれも1つの磁石で回転が制御できるため、コンパクトな構造となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
図1は、この発明の第1の実施の形態によるゲーム用の野球バッターの外観形状を示す斜視図であり、図2は、図1で示した野球バッターを構成要素ごとに分解したものの斜視図である。
【0030】
これらの図を参照して、野球バッター27は、構成要素として、脚部28と胴部29と頭部30とからなる。
【0031】
構成要素について更に詳述すると、脚部28は、ベース体32と、ベース体32の中心に垂直に設置された軸33と、軸33(回転中心)から同一距離であって対向する位置に配置され、ベース体32に取付けられた一対の磁石35a及び35bと、ベース体32の外周に設置されたストッパー36とからなる。ストッパー36には、これに近づくにつれて上面の水平位置が高くなる傾斜部43が含まれる。
【0032】
次に、胴部29は、円盤形状に形成された回転体38と、回転体38の外周に接続され、ストッパー36に当接可能なバット39と、回転体38の中心に設けられ、軸33に回動自在に挿入される筒体40と、筒体40(回転中心)からの距離が軸33から磁石35a及び35bまでの距離と同一であって対向する位置であり、且つバット39の軸上に配置され、回転体38に取付けられた一対の磁石42a及び42bとからなる。
【0033】
尚、図2における磁石35及び磁石42のハッチングは、説明の便宜上付したものであり、実際の磁石35及び磁石42には表れない。ハッチングで示されている部分は各磁石のS極であり、ハッチングで示されていない部分は各磁石のN極である。尚、磁石35aと磁石35bとの回転体38側の磁極及び磁石42aと磁石42bとのベース体32側の磁極は、互いに異なっている。
【0034】
このように構成すると、磁石35の各々のS極及びN極と、磁石42の各々のS極及びN極とは互いに異なっているため、磁石同士が引き付けられ、ベース体32と回転体38とは安定状態にある。ただし、軸33等に加えられた構造によって磁石35と磁石42とは一定間隔が保持されているため、回転体38は脚部28に対して回動可能な状態とされている。
【0035】
図3は、図1の状態からバットを構えた状態の野球バッターを示す斜視図であり、図4は、図3で示した野球バッターを背面方向から見た図である。尚、いずれの図も、説明の便宜のために、頭部を上に持ち上げている。
【0036】
これらの図を参照して、回転体38を上記の安定状態に抗して平面視で時計方向に回転させていくと、回転角度が0度から180度のときは、回転体38は元の位置に戻ろうと反時計方向に付勢される。
【0037】
回転角度が180度になると、磁石35aのS極及び磁石35bのN極と、磁石42bのS極及び磁石42aのN極とが反発しあい、この反発によって回転体38の水平位置が高くなる。尚、このときのバット39の位置とストッパー36の傾斜部43の端部の位置とがほぼ同じであり、バット39の底面の水平位置と傾斜部43の端部の上面の水平位置とがほぼ同じである。
【0038】
回転角度が180度を超えると、磁石35aのS極及び磁石35bのN極と、磁石42bのS極及び磁石42aのN極との反発によって時計方向に付勢され、回転体38は更に回転しようとするが、回転体38に接続しているバット39がストッパー36に当接するため、それ以上の回転が阻止される。
【0039】
このように構成すると、回転体38は180度以上回転したその位置で停止する。
【0040】
又、ストッパー36の傾斜部43は、バット39の水平位置が上昇するように案内することが可能となるため、磁石35及び磁石42の反発によって水平位置が上昇する回転体38の位置を、磁石35及び42が反発したときの最高位よりも高い位置に留めておくことができる。
【0041】
図5は図3で示した野球バッターのバットに、ストッパー側から力を加えて、転がってきたボールを弾き返そうとしている図である。
【0042】
図を参照して、バット39にストッパー36側から力を加えると、バット39は傾斜部43の傾斜を滑り降りながら図の矢印の方向に動きだし、その動きに伴って、回転体38は反時計回りに回転し始める。このとき回転体38には、反時計回りに回転させようと加えた力と、磁石35aのS極及び磁石35bのN極と、磁石42bのS極及び磁石42aのN極との反発による、時計回りに回転しようとする力とが相殺する。
【0043】
このように構成すると、傾斜部43はストッパー36から離れるにつれ水平位置が低くなっているため、バット39は傾斜部43を滑り降りるため、その慣性によって回転体38を逆回転に回転させることが容易となる。
【0044】
図6は図5から更に反時計回りに回転体が回転し、その回転運動によってバットがボールを弾き返す瞬間の図である。
【0045】
図を参照して、回転体38が反時計回りに回転して、元の安定状態の位置から回転角度180度未満の位置まで移動すると、磁石35aのS極及び磁石35bのN極と、磁石42bのS極及び磁石42aのN極との反発により、図の矢印の方向に回転しようとする力が回転体38にかかる。又、磁石35aのS極及び磁石35bのN極と、磁石42aのN極及び磁石42bのS極とがそれぞれ引き付けあうことによって生じる、図の矢印の方向に回転しようとする力も回転体38にかかる。その結果、回転体38の回転に伴ってバット39が図の矢印の方向に動く。
【0046】
このように構成すると、磁石35及び磁石42の反発と引き付け合いとの二つの力によって、回転体38は元の安定状態に向かって更に付勢される。
【0047】
そのため、図のような回転角度が90度前後のときに回転体38の回転速度が最も早くなると考えられ、バット39がその回転力を利用してボール45を弾き返すことが可能となる。
【0048】
図7は図6から更に反時計回りに回転体が回転し、ボールを弾き返すと共に、元の安定状態に戻った野球バッターの図であり、図8は図7で示した野球バッターを背面方向から見た図である。
【0049】
図を参照して、バット39が上述の付勢力で更に図の矢印の方向に動き、回転体38の回転角度が0度となると、磁石35aのS極の真上に磁石42aのN極が、磁石35bのN極の真上に磁石42bのS極が位置するようになり、磁石35及び42は引き付けあうのみとなる。
【0050】
このように構成すると、回転体38の回転が止まり、元の安定状態に戻る。
【0051】
以上のように、野球バッター27は回転駆動体によって回転運動が実現されていると言える。すなわち、ベース体32と回転体38と磁石35及び42とが回転駆動体を構成する。
【0052】
更に、この回転駆動体は磁石35及び磁石42の磁力を利用するものであるため、安定状態に戻った回転体38を再び時計回りに回転させれば、半永久的に動力を得ることが可能であり、同様の動作を反復させることができる。
【0053】
更に、この回転駆動体の動力は磁石35及び磁石42の磁力のみであるため、構造が簡易となる。
【0054】
図9は、この発明の第2の実施の形態による車おもちゃとしての三輪車の外観形状を示す斜視図であり、図10は、図9で示した三輪車を背面方向から見た図であり、図11は、図9で示した三輪車を構成要素ごとに分解したものの斜視図である。
【0055】
これらの図を参照して、三輪車48は、構成要素として、胴体50と前輪53と後輪57と回転体59と駆動軸56とからなる。
【0056】
構成要素について更に詳述すると、胴体50は、円盤形状に形成された平面部66と、平面部66の中心に垂直に設置された軸60(回転中心)と、軸60から同一距離であって対向する位置に配置され、平面部66に取付けられた一対の磁石35a及び35bからなる。そして、胴体50の外周に前フレーム51が接続され、軸52を介して前フレーム51に前輪53が回動自在に取付けられている。又、前フレーム51の設置位置を前方として、胴体50の後方側の外周に後フレーム55が接続される。
【0057】
次に、回転体59は、円盤形状に形成された平面部68と、平面部68の中心に設けられ、軸60に回動自在に挿入される筒体40(回転中心)と、筒体40からの距離が軸33から磁石35a及び35bまでの距離と同一であって対向する位置に配置され、平面部68に取付けられた一対の磁石42a及び42bと、平面部68の外周を囲う周壁部69とからなる。周壁部69の一部には、レバー61と、第1大歯車62と、第2大歯車63と、平坦面70とが形成されている。
【0058】
尚、磁石35と磁石42との磁極及び図面上のハッチングについては、第1の実施の形態で記載したものと同様である。
【0059】
更に、駆動軸56には、第1大歯車62及び第2大歯車63と係合する小歯車65が備わっている。この駆動軸56に後輪57a及び57bが取り付けられる。
【0060】
尚、三輪車48が後述する安定状態において、小歯車65に最も近接する回転体59の部分が平坦面70となるように構成されている。この状態にあっては、小歯車65は第1大歯車62及び第2大歯車63とは係合せず、回転体59とも当接しない。
【0061】
このように構成すると、磁石35の各々のS極及びN極と、磁石42の各々のS極及びN極とは互いに異なっているため、磁石同士が引き付けられ、胴体50と回転体59とは安定状態にある。ただし、軸60等に加えられた構造によって磁石35と磁石42とは一定間隔が保持されているため、回転体59は胴体50に対して回動可能な状態とされている。
【0062】
又、上述のように安定状態において、小歯車65は回転体59に当接せず、自由に回って動くことが可能であることから、駆動軸56と共に後輪57も自由に回り三輪車48の移動が可能となる。
【0063】
図12は、図11に示した三輪車の安定状態からレバーに力を加え、前方に倒した状態の図である。尚、図にあっては説明の便宜上、分解斜視図を用いているが、実際は一体的に組み立てられている。以下、同様である。
【0064】
図を参照して、レバー61を前方に倒して回転体59を上記の安定状態に抗して図の左側の矢印の方向に回転させていくと、回転体59は元の位置に戻ろうと矢印とは反対の方向に付勢される。又、この時、回転体59の第1大歯車62と小歯車65とが係合を開始する。
【0065】
このように構成すると、第1大歯車62と係合した小歯車65が図の右側の矢印の方向に回転し、それに伴って駆動軸56及び後輪57が同様の回転運動をする。
【0066】
図13は、図12で示した三輪車のレバーに加えられていた力を取り除いた状態の図である。
【0067】
図を参照して、レバー61に加えられていた力を取り除くと、回転体59は上述のように付勢されているため、図の左側の矢印の方向に勢いよく回転していく。
【0068】
この回転体59の回転に伴い、第1大歯車62と小歯車65とが係合しているため、小歯車65が図の右側の矢印の方向に高速で回転し、それに伴って駆動軸56及び後輪57が同様の回転運動をする。その結果、後輪57の回転運動により、三輪車48は前方方向に勢いよく移動する。
【0069】
そして、回転体59は、図の左側の矢印の方向に回転した後安定状態になると、回転が止まるが、この時には第1大歯車62と小歯車65との係合が解除されており、小歯車65に最も近接するのが平坦面70となるため、小歯車65は慣性力で回転を続ける。その結果、駆動軸56及び後輪57も回転運動を続けるため、三輪車48は前進を続ける。
【0070】
以上のように、三輪車48は回転駆動体によって回転運動が実現されていると言える。すなわち、胴体50と回転体59と磁石35及び42とが回転駆動体を構成する。
【0071】
尚、回転体59は胴体50に対して回動可能な状態であるため、レバー61を後方に倒した場合は、回転体59は図12で示した左側の矢印と逆方向に回転する。この状態でも、回転体59は元の位置に戻ろうと付勢される。又、この時、第2大歯車63と小歯車65とが係合するため、小歯車65と駆動軸56及び後輪57とは、図12に示した右側の矢印と逆方向に回転する。そして、レバー61に加えた力を取り除くと、回転体59は図13で示した左側の矢印と逆方向に回転し、小歯車65と駆動軸56と後輪57とは図13で示した右側の矢印と逆方向に回転する。これによって、後輪57の回転運動により、三輪車48を後方方向に移動させることが可能となる。
【0072】
図14は、この発明の第3の実施の形態による回転構造体の外観形状を示す斜視図であり、図15は、図14で示した回転構造体を構成要素ごとに分解したものの斜視図である。
【0073】
これらの図を参照して、回転構造体73は、構成要素として、ベース体32と第1回転体75と第2回転体76と第3回転体77と作動カバー79とからなる。
【0074】
構成要素について更に詳述すると、ベース体32は円盤形状に形成され、その中心に垂直に設置された軸81(回転中心)と、軸81から同一距離であって対向する位置に配置された一対の磁石35a及び35bとからなる。
【0075】
第1回転体75は円盤形状に形成され、その中心に設けられた軸81に回動自在に挿入される筒体40(回転中心)と、筒体40からの距離が軸81から磁石35a及び35bまでの距離と同一であって対向する位置の上面に配置された一対の磁石42a及び42bと、磁石42a及びb42bが配置されていない下面に、第1回転体75の外周であって対向する位置にあり、ベース体32に第1回転体75を設置時に磁石35a及び35bの側壁の各々に当接するように配置された一対のストッパー83a及び83bとからなる。
【0076】
第2回転体76は、第1回転体75と同様に構成されており、筒体84と磁石85a及び85bとストッパー87a及び87bとからなる。
【0077】
第3回転体77は、第1回転体75と同様に構成されており、筒体88と磁石89a及び89bとストッパー91a及び91bとからなる。
【0078】
尚、各磁石の磁極及び図面上のハッチングについては、第1の実施の形態で記載したものと同様である。
【0079】
そして、作動カバー79は、第3回転体77の磁石89a及び89bを覆うように形成され、その中心に設けられた軸81に回動自在に挿入される筒体92(回転中心)と、作動カバー79の外周端に接続された棒状体80とからなる。これにより、作動カバー79は第3回転体77と一体的に回転する。
【0080】
このように構成すると、磁石35の各々のS極及びN極と、磁石42のベース体32側の各々のS極及びN極とが互いに異なり、磁石42の第2回転体側76側の各々のS極及びN極と、磁石85の第1回転体75側の各々のS極及びN極とが互いに異なり、磁石76の第3回転体79側の各々のS極及びN極と、磁石77の第2回転体側の各々のS極及びN極とが互いに異なる。よって磁石同士が引き付けあうため、ベース体32と第1回転体75と第2回転体76と第3回転体77とは安定状態にある。ただし、軸81等に加えられた構造によって磁石35と磁石42と磁石85と磁石89とは、それぞれ一定間隔が保持されているため、第1回転体75はベース体32に対して、第2回転体76は第1回転体75に対して、第3回転体77は第2回転体76に対して、それぞれ回動可能な状態とされている。
【0081】
図16は、図15で示した回転構造体の状態から棒状体に力を加え、平面視で反時計回りに動かした状態の図である。
【0082】
図を参照して、棒状体80に平面視反時計方向の力を加えると、作動カバー79に磁石89が覆われている第3回転体77が図の矢印の方向に回転しようとする。このとき、磁石89aのN極に磁石85aのS極が、磁石89bのS極に磁石85bのN極が引き付けられるために、第2回転体76も図の矢印の方向に回転しようとする。更に、磁石85aのN極に磁石42aのS極が、磁石85bのS極に磁石42bのN極が引き付けられるために、第1回転体75も図の矢印の方向に回転しようとする。その結果、第1回転体75と第2回転体76と第3回転体77とがまとまって、上記の安定状態に抗して図の矢印の方向に回転する。そして、第1回転体75はベース体32との関係で元の位置に戻ろうと時計方向に付勢される。
【0083】
この反時計方向への回転運動を続けていくと、第1回転体75のストッパー83a及び83bがベース体32の磁石35a及び35bに当接して、第1回転体75のそれ以上の回転が阻止される。この時、第2回転体76は第1回転体75に対して回動自由であるため、棒状体80に反時計方向の力を加え続けると、第2回転体76及び第3回転体77は引き続き上記の安定状態に抗して図の矢印の方向に回転し、第2回転体76は第1回転体75との関係で元の位置に戻ろうと時計方向に付勢される。
【0084】
更に、回転運動を続けていくと、第2回転体76のストッパー87a及び87bが第1回転体75の磁石42a及び42bに当接して、第2回転体76のそれ以上の回転が阻止される。この時、第3回転体77は第2回転体76に対して回動自由であるため、棒状体80に反時計方向の力を加え続けると、第3回転体77は更に引き続き上記の安定状態に抗して図の矢印の方向に回転し、第3回転体77は第2回転体76との関係で元の位置に戻ろうと時計方向に付勢される。そして、第3回転体77のストッパー89a及び89bが第2回転体76の磁石85a及び85bに当接すると、第3回転体77のそれ以上の回転が阻止され、すべての回転体の回転運動が止まる。
【0085】
このように構成すると、ストッパーによってそれぞれの回転体の相対的な回転は回転角度180度未満に常に制限されるが、作動カバー79はベース体32に対して回転角度180度を大きく超えた回転位置まで回転することになる。
【0086】
図17は、図16で示した回転構造体の棒状体に加えられていた力を取り除いた状態の図である。
【0087】
図を参照して、棒状体80に加えられていた反時計方向の力を取り除くと、まず第3回転体77は上述の付勢力によって図の実線の矢印の方向に回転する。尚、第2回転体76及び第1回転体75も上述の通り、図の2点鎖線の方向に付勢されており、各々には第3回転体77と同じ強さの付勢力が生じている。しかし、第2回転体76や第1回転体75が回転するには、その上全体を同時に回転させる必要がある。そのため、その上の質量が最も小さい第3回転体77のみがまず回転する。そして、磁石85aのS極の真上に磁石89aのN極が、磁石85bのN極の真上に磁石89bのS極が位置するようになると、磁石85及び磁石89は反発せず、引き付けあうのみとなる。
【0088】
その結果、第3回転体77は、図の実線の矢印の方向に回転した後、回転が止まり、第2回転体76に対して元の安定状態に戻る。
【0089】
図18は、図17から更に時計回りに回転体が回転している回転構造体の図である。
【0090】
図を参照して、第3回転体77が安定状態に戻ると、付勢されている回転体の中でその上の質量の小さいものは第2回転体76となる。その結果、第2回転体76が上述の付勢力によって図の実線の矢印の方向に回転する。又、第2回転体76と安定状態にある第3回転体77も共に、図の実線の矢印の方向に回転する。そして、磁石42aのS極の真上に磁石85aのN極が、磁石42bのN極の真上に磁石85bのS極が位置するようになると、磁石42及び磁石85は反発せず、引き付けあうのみとなる。
【0091】
このように構成すると、第2回転体76は、図の実線の矢印の方向に回転した後、回転が止まり、第1回転体75に対して元の安定状態に戻る。
【0092】
又、第2回転体76が安定状態に戻ると、第1回転体75が上述の付勢力によって図の2点鎖線の矢印の方向に回転する。その後、回転が止まり、ベース体32に対して元の安定状態に戻る。
【0093】
このように、第3回転体77は第2回転体76及び第1回転体75と共に回転するため、ベース体32に対する回転復帰範囲が拡大する。
【0094】
以上のように、回転構造体73は、回転駆動体によって回転運動が実現されていると言える。すなわち、すくなくともベース体32と第1回転体75と第2回転体76とが回転駆動体を構成する。
【0095】
図19は、この発明の第4の実施の形態による回転構造体の外観形状を示す斜視図であり、図20は図19で示した回転構造体を構成要素ごとに分解したものの正面上方向から見た斜視図であり、図21は図20で示した回転構造体を背面下方向から見た図である。
【0096】
これらの図を参照して、回転構造体95は、構成要素として、ベース体97と回転体98と作動カバー99とからなる。
【0097】
構成要素について詳述すると、ベース体97は、軸102と、軸102を回転中心とした円筒形状に形成された外壁部103と、外壁部103の内側にあって軸102を回転中心とした円筒形状に形成された内壁部104と、外壁部103と内壁部104との間に収まるドーナツ形状の磁石105と、軸102の根元に設置された軸支持体107と、軸102から同一距離であって対向する位置に該当する軸支持体の外周に設置されたストッパー108a及び108bとからなる。磁石105は平面視において左右に分かれたS極とN極との境目の延長線が軸102の中心を通るように設置される。その結果、磁石105のS極とN極とは軸102の回転中心に対して点対称に配置されることになる。尚、各磁石の図面上のハッチングについては、第1の実施の形態で記載したものと同様である。
【0098】
回転体98は、軸102に回動自在に挿入される軸支持体114と、軸支持体114を回転中心とした円筒形状に形成された外壁部110と、外壁部110の内側にあって軸支持体114を回転中心とした円筒形状に形成された内壁部111と、外壁部110と内壁部111との間に収まるドーナツ形状の磁石112と、軸支持体114から同一距離であって対向する位置に該当する軸支持体114の外周に設置されたストッパー115a及び115bと、軸102に回動自在に挿入される穴を有した底板117と、底板117の下方面に形成された棒体118とからなる。磁石112は磁石105と同様にそのS極とN極との境目の延長戦が軸支持体114の中心を通るように設置される。その結果、磁石112のS極とN極とは軸支持体114回転中心に対して点対称に配置されることになる。
【0099】
次に、作動カバー99は、軸102に回動自在に挿入される穴を有したベース板120と、ベース板120の外周に接続された棒状体100と、回転体98の内壁部114の内側と嵌合する、ベース板120の下方面に設置された筒状体121とからなる。筒状体121にはストッパー115のいずれか片方と嵌合する、間隙122が設けられている。
【0100】
このように構成すると、磁石105のS極及びN極と、磁石112のS極及びN極とによって磁石同士が引き付けられるため、ベース体97と回転体98とは安定状態にある。ただし、軸102等に加えた構造によって磁石105と磁石112とは一定間隔が保持されているため、回転体98はベース体97に対して回動可能な状態とされている。
【0101】
図22は、図20に示した回転構造体の状態から棒状体に力を加え、平面視で時計回りに動かした状態の図である。
【0102】
図を参照して、棒状体100に時計方向の力を加えると、作動カバー99と嵌合している回転体98も一体となって、上記の安定状態に抗して図の矢印の方向に回転し、回転体98は元の位置に戻ろうと付勢される。
【0103】
この回転運動を続けていくと、回転体98の下面に位置する棒対118がベース体97のストッパー108aに当接して、回転体98のそれ以上の回転が阻止される。
【0104】
このように構成すると、ストッパー108a及び108bの配置と厚みとによって回転体98の回転が回転角度180度未満に常に制限される。
【0105】
図23は、図22に示した回転構造体の状態から棒状体に加えていた力を取り除いた状態の図である。
【0106】
図を参照して、棒状体100に加えられていた力を取り除くと、回転体98は上述のように付勢されているため、図の矢印の方向に回転していく。そして、回転体98の回転角度が0度となり、磁石112のS極の真下に磁石105のN極が、磁石112のN極の真下に磁石105のS極が位置するようになると、磁石105及び112は反発せず、引き付けあうのみとなる。
【0107】
すなわち、回転体98は、図の矢印の方向に回転した後、元の安定状態に戻ると回転が止まる。
【0108】
機能的には先の第1の実施の形態によるゲーム用の野球バッターと同様であるが、この実施の形態による回転構造体にあっては、ベース体97及び回転体98のいずれも1つの磁石で回転が制御できるため、コンパクトな構造となる。
【0109】
以上のように、回転構造体95は回転駆動体によって回転運動が実現されていると言える。すなわち、ベース体97と回転体98と磁石105及び112とが回転駆動体を構成する。
【0110】
尚、上記の各実施の形態では、軸を用いた回転構造が使用されているが、軸を用いない回転構造を使用してもよい。
【0111】
又、上記の各実施の形態では、回転駆動体の具体的な用途を示しているが、これら以外の用途で用いられてもよい。
【0112】
更に、上記の第1の実施の形態から第3の実施の形態では、ベース体及び回転体につきそれぞれ一対の磁石が用いられているが、磁極の異なる磁石をベース体及び回転体につき一個ずつ用いてもよい。逆に、複数対の磁石を用いてもよく、この場合においては、回転角度は小さくなるが、回転力が大きくなる。
【0113】
更に、上記の第1の実施の形態では、回転体の上部に頭部を備えているが、これは必ずしも必要なものではない。
【0114】
更に、上記の第1の実施の形態では、ストッパーが設けられているが、これは無くてもよい。
【0115】
更に、上記の第1の実施の形態では、傾斜部が設けられているが、これは無くてもよい。
【0116】
更に、上記の第2の実施の形態では、大歯車が2つ形成されているが、これらの一方のみでもよい。
【0117】
更に、上記の第2の実施の形態では、ストッパーが設けられていないが、これを設置してもよい。
【0118】
更に、上記の第3の実施の形態では、回転体の個数は3つとなっているが、2つでも4つ以上に増設してもよく、4つ以上に増設した場合は最上位にある回転体のベース体32に対する回転復帰範囲が更に拡大する。
【0119】
更に、上記の第3の実施の形態では、回転体につきストッパーが2つ設けられていたが、1つでもよい。
【0120】
更に、上記の第3の実施の形態及び第4の実施の形態では、回転体の上部に作動カバーを備えているが、これは必ずしも必要なものではない。
【0121】
更に、上記の第4の実施の形態では、ドーナツ形状の磁石が用いられているが、例えば棒形状の磁石など、S極とN極が点対称に配置される他の形状の磁石を用いてもよい。この場合、点対称の中心を回転中心とするように回転体等に磁石を取り付けるようにすればよい。
【0122】
更に、上記の第4の実施の形態では、一対のストッパーが設けられていたが、一方のみでもよい。
【0123】
更に、上記の第4の実施の形態では、回転体が一つとなっているが、回転体を2つ以上に増設してもよく、2つ以上設置した場合は上記の第3の実施の形態と同様の回転復帰範囲の拡大効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0124】
【図1】この発明の第1の実施の形態によるゲーム用の野球バッターの外観形状を示す斜視図である。
【図2】図1で示した野球バッターを構成要素ごとに分解したものの斜視図である。
【図3】図1の状態からバットを構えた状態の野球バッターを示す斜視図である。
【図4】図3で示した野球バッターを背面方向からみた図である。
【図5】図3で示した野球バッターのバットに、ストッパー側から力を加えて、転がってきたボールを弾き返そうとしている図である。
【図6】図5から更に反時計回りに回転体が回転し、その回転運動によってバットがボールを打ち返す瞬間の図である。
【図7】図6からさらに反時計回りに回転体が回転し、ボールを弾き返すと共に、元の安定状態に戻った野球バッターの図である。
【図8】図7で示した野球バッターを背面方向から見た図である。
【図9】この発明の第2の実施の形態による車おもちゃとしての三輪車の外観形状を示す斜視図である。
【図10】図9で示した三輪車を背面方向から見た図である。
【図11】図9で示した三輪車を構成要素ごとに分解したものの斜視図である。
【図12】図11に示した三輪車の状態からレバーに力を加え、前方に倒した状態の図である。
【図13】図12で示した三輪車のレバーに加えられていた力を取り除いた状態の図である。
【図14】この発明の第3の実施の形態による回転構造体の外観形状を示す斜視図である。
【図15】図14で示した回転構造体を構成要素ごとに分解したものの斜視図である。
【図16】図15で示した回転構造体の状態から棒状体に力を加え、平面視で反時計回りに動かした状態の図である。
【図17】図16で示した回転構造体の棒状体に加えられていた力を取り除いた状態の図である。
【図18】図17から更に時計回りに回転体が回転している回転構造体の図である。
【図19】この発明の第4の実施の形態による回転構造体の外観形状を示す斜視図である。
【図20】図19で示した回転構造体を構成要素ごとに分解したものの斜視図である。
【図21】図20で示した回転構造体を背面方向から見た図である。
【図22】図20に示した回転構造体の状態から棒状体に力を加え、平面視で時計回りに動かした状態の図である。
【図23】図22に示した回転構造体の状態から棒状体に加えていた力を取り除いた状態の図である。
【符号の説明】
【0125】
27…野球バッター
32、97…ベース体
35、42、85、89、105、112…磁石
36、83、87、91…ストッパー
38、59、98…回転体
39…バット
43…傾斜部
48…三輪車
53…前輪
56…駆動軸
57…後輪
62…第1大歯車
63…第2大歯車
65…小歯車
69…周壁部
73、95…回転構造体
75…第1回転体
76…第2回転体
77…第3回転体
尚、各図中同一符号は同一または相当部分を示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転駆動体であって、
ベース体と、
前記ベース体に少なくともその一部が重なるように設置され、前記ベース体に対して回動自在な回転体とを備え、
前記ベース体には、回転中心から同一距離であって対向する位置に配置された一対の第1磁石が取付けられ、前記第1磁石の各々の前記回転体側の部分の磁極は互いに異なり、
前記回転体には、回転中心から前記同一距離であって対向する位置に配置された一対の第2磁石が取付けられ、前記第2磁石の各々の前記ベース体側の部分の磁極は互いに異なる、回転駆動体。
【請求項2】
前記第1磁石の各々と前記第2磁石の各々とが引き付けられた安定状態にある前記ベース体と前記回転体との位置から、前記回転体を回転させ回転角度が180度を超えた回転位置において、それ以上の回転を阻止するストッパーが前記ベース体に設けられる、請求項1記載の回転駆動体。
【請求項3】
請求項2に記載の回転駆動体を備えたゲーム用の野球バッターであって、
前記回転体の外周に接続され、前記ストッパーに当接可能なバットを備え、
前記ストッパーには、前記バットが前記ストッパーに近づくにつれて前記バットの水平位置が上昇するように案内する傾斜部を有する、野球バッター。
【請求項4】
前記回転体は円盤形状を有すると共にその周壁部には大歯車が形成され、
前記大歯車に係合する小歯車を備えた駆動軸を更に備える、請求項1記載の回転駆動体。
【請求項5】
請求項4に記載の回転駆動体を備えた車おもちゃであって、
前記ベース体に接続された前輪と、
前記駆動軸に接続された後輪とを備えた、車おもちゃ。
【請求項6】
前記回転体に設けられ、前記第1磁石の各々と前記第2磁石の各々とが引き付けられた安定状態にある前記ベース体と前記回転体との位置から、前記回転体を回転させ回転角度が180度未満の回転位置においてそれ以上の回転を阻止するストッパーを更に備えた、請求項1記載の回転駆動体。
【請求項7】
前記回転体に重なるように設置され、前記ベース体に対して回動自在な第2回転体を更に備え、
前記第2回転体には、回転中心から前記同一距離であって対向する位置に配置された一対の第3磁石が取付けられ、前記第3磁石の各々の前記回転体側の部分の磁極は互いに異なり、
前記第2回転体に設けられ、前記第2磁石の各々と前記第3磁石の各々とが引き付けられた安定状態にある前記回転体と前記第2回転体との位置から、前記第2回転体を回転させ、回転角度180度未満の回転位置においてそれ以上の回転を阻止する第2ストッパーを更に備えた、請求項6記載の回転駆動体。
【請求項8】
回転駆動体であって、
ベース体と、
平面視において前記ベース体に少なくともその一部が重なるように設置され、前記ベース体に対して回動自在な回転体とを備え、
前記ベース体には、前記平面視において回転中心に対して点対称に配置された第1磁極と第2磁極とからなる第1磁石が取付けられ、
前記回転体には、前記平面視において前記第1磁石とほぼ同一形状を有し、回転中心に対して点対称に配置された前記第1磁極と前記第2磁極とからなる第2磁石が取付けられた、回転駆動体。
【請求項1】
回転駆動体であって、
ベース体と、
前記ベース体に少なくともその一部が重なるように設置され、前記ベース体に対して回動自在な回転体とを備え、
前記ベース体には、回転中心から同一距離であって対向する位置に配置された一対の第1磁石が取付けられ、前記第1磁石の各々の前記回転体側の部分の磁極は互いに異なり、
前記回転体には、回転中心から前記同一距離であって対向する位置に配置された一対の第2磁石が取付けられ、前記第2磁石の各々の前記ベース体側の部分の磁極は互いに異なる、回転駆動体。
【請求項2】
前記第1磁石の各々と前記第2磁石の各々とが引き付けられた安定状態にある前記ベース体と前記回転体との位置から、前記回転体を回転させ回転角度が180度を超えた回転位置において、それ以上の回転を阻止するストッパーが前記ベース体に設けられる、請求項1記載の回転駆動体。
【請求項3】
請求項2に記載の回転駆動体を備えたゲーム用の野球バッターであって、
前記回転体の外周に接続され、前記ストッパーに当接可能なバットを備え、
前記ストッパーには、前記バットが前記ストッパーに近づくにつれて前記バットの水平位置が上昇するように案内する傾斜部を有する、野球バッター。
【請求項4】
前記回転体は円盤形状を有すると共にその周壁部には大歯車が形成され、
前記大歯車に係合する小歯車を備えた駆動軸を更に備える、請求項1記載の回転駆動体。
【請求項5】
請求項4に記載の回転駆動体を備えた車おもちゃであって、
前記ベース体に接続された前輪と、
前記駆動軸に接続された後輪とを備えた、車おもちゃ。
【請求項6】
前記回転体に設けられ、前記第1磁石の各々と前記第2磁石の各々とが引き付けられた安定状態にある前記ベース体と前記回転体との位置から、前記回転体を回転させ回転角度が180度未満の回転位置においてそれ以上の回転を阻止するストッパーを更に備えた、請求項1記載の回転駆動体。
【請求項7】
前記回転体に重なるように設置され、前記ベース体に対して回動自在な第2回転体を更に備え、
前記第2回転体には、回転中心から前記同一距離であって対向する位置に配置された一対の第3磁石が取付けられ、前記第3磁石の各々の前記回転体側の部分の磁極は互いに異なり、
前記第2回転体に設けられ、前記第2磁石の各々と前記第3磁石の各々とが引き付けられた安定状態にある前記回転体と前記第2回転体との位置から、前記第2回転体を回転させ、回転角度180度未満の回転位置においてそれ以上の回転を阻止する第2ストッパーを更に備えた、請求項6記載の回転駆動体。
【請求項8】
回転駆動体であって、
ベース体と、
平面視において前記ベース体に少なくともその一部が重なるように設置され、前記ベース体に対して回動自在な回転体とを備え、
前記ベース体には、前記平面視において回転中心に対して点対称に配置された第1磁極と第2磁極とからなる第1磁石が取付けられ、
前記回転体には、前記平面視において前記第1磁石とほぼ同一形状を有し、回転中心に対して点対称に配置された前記第1磁極と前記第2磁極とからなる第2磁石が取付けられた、回転駆動体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【公開番号】特開2009−39229(P2009−39229A)
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−206038(P2007−206038)
【出願日】平成19年8月8日(2007.8.8)
【出願人】(595020883)株式会社はくぶん (13)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年8月8日(2007.8.8)
【出願人】(595020883)株式会社はくぶん (13)
【Fターム(参考)】
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