図書自動仕分け装置
【課題】返却された多数の図書の中から予約図書を自動的に分類して、図書館員が利用者に対して予約図書の貸し出しを行なうための作業能率を、より一層向上させることができるようにした図書自動仕分け装置を提供する。
【解決手段】投入部11,12に投入された図書13から識別コードを読み取る読み取り手段16,21と、読み取られた識別コードを予約ファイルと照合して、その識別コードを有する図書13が予約図書であるか否かを判別する制御手段と、予約図書であると判断された図書13を他の返却図書とは別個に分類する仕分け手段23とを備える。
【解決手段】投入部11,12に投入された図書13から識別コードを読み取る読み取り手段16,21と、読み取られた識別コードを予約ファイルと照合して、その識別コードを有する図書13が予約図書であるか否かを判別する制御手段と、予約図書であると判断された図書13を他の返却図書とは別個に分類する仕分け手段23とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば多量の図書を保管する大型図書館等に使用して好適する図書自動仕分け装置に係り、特にその返却された多量の図書に対する仕分け作業を改良したものに関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、近時、多量の蔵書を有する大規模図書館等にあっては、不特定多数の利用者に貸し出されている多量の図書に対して、それらの返却作業の能率を向上させるために図書自動返却システムが導入されてきている。
【0003】
この図書自動返却システムは、まず、利用者が返却すべき図書を図書返却口に投入すると、その図書にバーコードラベルや無線タグ等の形態で付加された固有の識別コードを読み取って貸し出し登録を抹消することにより、返却手続を完了する。
【0004】
その後、図書自動返却システムは、返却手続の完了した図書を、その識別コードに基づいて種類別に分類し、各種類に対応して設置された複数の図書収容部に選択的に収容させることにより、返却された図書を種類別に仕分けるようにしている。
【0005】
ところで、この種の図書自動返却システムは、まだまだ開発途上にある状態であり、細部に亘って改良すべき余地が多々残されている。例えば、返却された図書の中には、利用者が貸し出しを予約している、いわゆる、予約図書も含まれている。
【0006】
この場合、図書館員は、複数の図書収容部に収容された図書の中から予約図書を探し出して、次の利用者に対して貸し出しを行なうための手続きを実行する必要があり、図書館員の作業能率が阻害されることになる。
【0007】
特許文献1には、物品の仕分け機構をメインコンベアの上部に配置し、搬送物品をメインコンベアに対して任意の方向に自由に分岐・仕分けすることができ、しかも、搬送物品の載置角度を変えることなくシュート口に導くことができるようにした搬送物品の仕分け装置が開示されている。
【0008】
また、特許文献2には、投入された商品の識別情報に基づいて配分比率テーブルから配分比率を選択し、この配分比率に基づいて投入商品が商品分配比率に従った分布となるようにソータに対するシュート選択情報を得、ソータがシュート選択情報に基づいて投入商品を各シュートに落とすようにした仕分けシステムが開示されている。
【0009】
さらに、特許文献3には、ループ状に循環移動されてそれぞれがコンベアの搬出口に対応する位置に順次移動される複数の受台を備え、コンベアの搬出口から所定の受台に搭載された図書が、複数の受台の移動経路に沿って設置された複数の図書集積箱の1つに搬送され、そこに収容されるようにした図書仕分け装置が開示されている。
【特許文献1】特開平8−175650号公報
【特許文献2】特開2003−118831号公報
【特許文献3】特開平8−108927号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そこで、この発明は上記事情を考慮してなされたもので、返却された多数の図書の中から予約図書を自動的に分類して、図書館員が利用者に対して予約図書の貸し出しを行なうための作業能率を、より一層向上させることができるようにした図書自動仕分け装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明に係る図書自動仕分け装置は、返却図書が投入される投入部と、投入部に投入された図書から識別コードを読み取る読み取り手段と、読み取り手段で読み取られた識別コードを予約ファイルと照合して、その識別コードを有する図書が予約図書であるか否かを判別する制御手段と、制御手段により予約図書であると判断された図書を、投入部に投入された他の返却図書とは別個に分類する仕分け手段とを備えるようにしたものである。
【発明の効果】
【0012】
上記した発明によれば、投入部に投入された返却図書のうち、予約図書であると判断された図書を他の返却図書とは別個に分類して仕分けるようにしたので、返却された多数の図書の中から予約図書を自動的に分類して、図書館員が利用者に対して予約図書の貸し出しを行なうための作業能率を、より一層向上させることができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は、この実施の形態で説明する図書自動仕分けシステムの全体的な構成を示している。すなわち、概略的に説明すると、この図書自動仕分けシステムは、利用者が返却図書を投入するための投入部となる複数(図示の場合は2つ)の受付部11,12を備えている。
【0014】
これらの受付部11,12は、例えば図書館内における利用者カウンタの近傍等に設置されている。そして、利用者は、返却すべき図書13をいずれかの受付部11,12に投入することにより、図書館員の手を煩わせることなく、図書13の返却手続きが自動的に行なえるようになっている。
【0015】
すなわち、一方の受付部11に投入された図書13は、フロントコンベア14によりマスターモジュール15に搬送される。この場合、フロントコンベア14の搬送途上には、無線タグリーダライタ16が設置されている。この無線タグリーダライタ16は、フロントコンベア14により搬送されている図書13に付された無線タグ17とデータ通信を行なうように機能する。
【0016】
また、他方の受付部12に投入された図書13は、フロントコンベア18、マスターモジュール19及び接続コンベア20を順次介して、上記マスターモジュール15に搬送される。この場合、フロントコンベア18の搬送途上には、無線タグリーダライタ21が設置されている。この無線タグリーダライタ21は、フロントコンベア18により搬送されている図書13に付された無線タグ17とデータ通信を行なうように機能する。
【0017】
なお、フロントコンベア14により搬送された図書13と、フロントコンベア18、マスターモジュール19及び接続コンベア20を順次介して搬送された図書13とが、マスターモジュール16に同時に到達して接触することがないように、各フロントコンベア14,18及び接続コンベア20の起動タイミングや搬送速度等が制御されている。
【0018】
また、上記マスターモジュール15には、レシート貼付装置22が設置されている。このレシート貼付装置22は、マスターモジュール15に搬送されてきた図書13に対して必要な場合レシートを作成し、そのレシートを図書13に貼り付けるように機能する。
【0019】
そして、上記マスターモジュール16に搬送された図書13は、仕分け機構23に搬送されて、種類別に自動仕分けされる。この仕分け機構23は、複数(図示の場合は3つ)のソートモジュール24〜26を直列に接続し、それらの周囲に図書13の種類に対応した複数(図示の場合は7つ)の図書収容部(以下、収容ボックスという)27,27,……を配置した構成となっている。
【0020】
この場合、仕分け機構23は、ソートモジュール24〜26を駆動させて、上記マスターモジュール16に搬送された図書13を、その収容すべき収容ボックス27に対応する位置まで移動させた後、その収容ボックス27内に滑落させて収容し、ここに、返却された図書13が種類別に仕分けられることになる。
【0021】
上記収容ボックス27は、図2に示すように、ほぼ四角形状でその上面開口部を介して図書13を出し入れするように形成されている。そして、この収容ボックス27は、その底面にキャスタ27aが設置され、上面の一側部に取っ手27bが設置されており、図書館員が容易に移動させることができるようになっている。
【0022】
次に、図3は、上記した図書自動仕分けシステムを制御するための制御システム28を示している。すなわち、図書館内の全ての図書13には、先に述べたように、それぞれ無線タグ17が埋設されている。無線タグ17には、それが付加されている図書13に固有の識別コードが記録されている。
【0023】
そして、図書館内の全ての図書13,13,……は、図示しないホストコンピュータを内蔵した図書管理システム29により、無線タグ17に記録された識別コードを用いて、書庫内における保管状態や、貸し出し及び予約状況等の管理が行なわれている。
【0024】
具体的に言えば、図書管理システム29は、保管している全ての図書13,13,……に対し、蔵書ファイル、貸し出しファイル及び予約ファイル等を備えている。そして、これらのファイルを利用して、図書館内にある全ての図書13,13,……を統括的に管理している。
【0025】
この場合、蔵書ファイルは、図書13の識別コードとその図書名や仕分け先等とを関連付けて登録している。また、貸し出しファイルは、貸し出し要求された図書13の識別コードとその図書13を借り出した利用者の識別コードとを関連付けて登録している。さらに、予約ファイルは、予約図書13の識別コードとその図書13を予約した利用者の識別コードとを関連付けて登録している。
【0026】
そして、この図書管理システム29は、上記図書自動仕分けシステムを制御するための制御システム28の管理も行なっている。すなわち、図書管理システム29は、制御システム28を構成する制御部30と接続されている。
【0027】
この制御部30は、例えば図示しないマイクロプロセッサ等を内蔵しており、図書管理システム29とのデータ通信や、各コンベア14,18,20、無線タグリーダライタ16,21、レシート貼付装置22及び各モジュール15,19,24〜26等の制御を行なっている。
【0028】
ここで、上記制御システム28では、受付部11,12に図書13が投入されると、その図書13の無線タグ17から無線タグリーダライタ16,21により識別コードを読み取らせ、読み取った識別コードを図書管理システム29に送信する。
【0029】
図書管理システム29では、制御システム28から送信された識別コードを貸し出しファイルと照合し、その識別コードが貸し出しファイルに登録されていれば、当該識別コードに対する貸し出し登録を抹消し、ここに、図書13の返却手続が完了される。
【0030】
その後、図書管理システム29は、返却手続の完了した図書13の識別コードを予約ファイルと照合し、その識別コードが予約ファイルに登録されていなければ、当該識別コードに対応する図書13が予約図書でないと判断する。
【0031】
この場合、図書管理システム29は、返却手続の完了した図書13の識別コードを蔵書ファイルと照合し、その仕分け先を示す仕分けデータを制御システム28に送信する。すると、制御システム28は、図書管理システム29から送信された仕分けデータに基づいて、マスターモジュール15及びソートモジュール24〜26を制御し、返却手続の完了した図書13をその種類に対応する収容ボックス27に仕分ける。
【0032】
また、図書管理システム29は、返却手続の完了した図書13の識別コードを予約ファイルと照合し、その識別コードが予約ファイルに登録されていれば、当該識別コードに対応する図書13が予約図書であると判断する。
【0033】
この場合、図書管理システム29は、返却手続の完了した図書13が予約図書であることや、予約図書に対して上記レシート貼付装置22がレシートを作成するために必要な情報等を含む仕分けデータを制御システム28に送信する。
【0034】
すると、制御システム28は、図書管理システム29から送信された仕分けデータに基づいてレシート貼付装置22を制御し、予約図書用の所定のレシートを発行させるとともに、そのレシートを予約図書13に貼り付けさせる。
【0035】
その後、制御システム28は、図書管理システム29から送信された仕分けデータに基づいて、マスターモジュール15及びソートモジュール24〜26を制御し、その予約図書13を、予約図書を収容するために用意された1つの収容ボックス27に収容させる。
【0036】
すなわち、上記仕分け機構23に配置される複数(図示の場合は7つ)の収容ボックス27,27,……のうち、1つの収容ボックス27(例えば図1で「予約」と書かれた収容ボックス)は予約図書を収容するために用意されている。
【0037】
そして、上記図書自動仕分けシステムは、返却手続の完了した図書13を、その種類別に各収容ボックス27,27,……に仕分けるだけでなく、返却手続の完了した図書13の中から予約図書を分類し、その予約図書にレシートを貼り付けた後、予約図書を収容するために用意された1つの収容ボックス27に仕分けるように機能している。
【0038】
上記した構成によれば、返却図書13を種類別に仕分ける図書自動仕分けシステムを用いて、予約図書13を仕分けしレシートを貼り付けた後、専用の収容ボックス27に収容させるようにしている。つまり、予約図書13は、書庫に返却される図書13とは別個に管理するようにしている。
【0039】
このため、図書館員が種類別に複数の収容ボックス27,27,……に収容された多数の図書13,13,……の中から予約図書を探し出す必要がなくなり、ひいては、図書館員が利用者に対して予約図書の貸し出しを行なうための作業能率を、より一層向上させることが可能となる。
【0040】
図4は、上記した制御部システム28が行なう主要な処理動作をまとめたフローチャートを示している。すなわち、処理が開始(ステップS1)されると、制御部システム28の制御部30は、ステップS2で、いずれかの受付部11,12に図書13が投入されたか否かを判別する。この判別は、受付部11,12に設置された図示しない入庫センサによって行なわれる。
【0041】
いずれかの受付部11,12に図書13が投入されたと判断された場合(YES)、制御部30は、ステップS3で、投入された図書13に対応する方の搬送コンベア14,18を駆動させて、図書13を無線タグリーダライタ16,21の近傍まで搬送し、無線タグリーダライタ16,21により図書13に付加された無線タグ17からの識別コードの読み取りを行なわせる。
【0042】
そして、制御部30は、ステップS4で、無線タグ17から識別コードが正常に読み取られたか否かを判別し、識別コードが正常に読み取られないと判断された場合(NO)、ステップS5で、搬送コンベア14,18を逆走させて図書13を受付部11,12に戻した後、ステップS2の処理に戻される。この場合、返却する図書13を受付部11,12に投入した利用者に対しては、例えば「図書館員を呼んで下さい」や「図書館員に返却して下さい」等のメッセージが表示される。
【0043】
また、上記ステップS4で図書13の無線タグ17から識別コードが正常に読み取られたと判断された場合(YES)、制御部30は、ステップS6で、読み取った識別コードを図書管理システム29に送信する。
【0044】
その後、制御部30は、ステップS7で、図書管理システム29から仕分けデータを受信すると、その仕分けデータに基づいて、無線タグリーダライタ16,21により図書13の無線タグ17の内容を更新するとともに、ステップS8で、当該図書13が予約図書であるか否かを判別する。
【0045】
そして、予約図書であると判断された場合(YES)、制御部30は、ステップS9で、図書管理システム29から受信した仕分けデータに基づいて、レシート貼付装置22を制御して予約図書用の所定のレシートを発行させ、そのレシートを予約図書13に貼り付ける。
【0046】
このステップS9の後、または、上記ステップS8で予約図書でないと判断された場合(NO)、制御部30は、ステップS10で、図書管理システム29から受信した仕分けデータに基づいて、マスターモジュール15及びソートモジュール24〜26を制御し、図書13を対応する収容ボックス27,27,……に収容させて、処理を終了(ステップS11)する。
【0047】
図5は、上記レシート貼付装置22が発行する予約図書用のレシート31の一例を示している。このレシート31には、図書館名、利用者に対する連絡方法(電話、メール)、レシート31の発行日時、利用者名、利用番号、連絡先、受取希望窓口、連絡事項、図書名、資料番号、予約日、予約待ち人数等が記載されている。
【0048】
図書館員は、予約図書を収容するために用意された専用の収容ボックス27に収容されている図書13を取り出し、その図書13に貼り付けられているレシート31の内容に基づいて、当該図書13を予約している利用者の中で次に貸し出すべき利用者を認識し、容易に連絡を取ることができる。このため、利用者に対して予約図書の貸し出しを行なうための作業能率を向上させることができる。
【0049】
なお、上記レシート貼付装置22としては、予約図書13を収容するために用意された収容ボックス27の置かれる位置に応じて、例えば、図6に示すようにソートモジュール24上に設置したり、図7に示すようにソートモジュール26上に設置したりすることが可能である。
【0050】
また、上記仕分け機構23に配置される複数(図示の場合は7つ)の収容ボックス27,27,……のうちの1つを、エラーの生じた図書13を収容するために使用することもできる。この収容ボックス27には、例えば、図書管理システム29から送信された仕分けデータが制御システム28に正確に受信されず、正常に分類されなかった図書13や、所定の種類の図書13を収容する収容ボックス27が満杯、または、交換中で、本来収容されるべき収容ボックス27に収容することができなかった図書13等が収容される。
【0051】
この収容ボックス27に収容された図書13は、図書館員によって取り出され、再度分類が行なわれる。この場合、再分類を速やかに行なうために、レシート貼付装置22が、エラーの生じた図書13に対して所定のレシートを発行し、その図書13に貼り付けてから収容ボックス27に収容している。
【0052】
図8は、上記レシート貼付装置22がエラーの生じた図書13に対して発行するレシート32の一例を示している。このレシート32には、発行日時、収容ボックス番号、図書分類、エラー内容、図書名、資料番号等が記載されている。そして、図書館員は、エラーの生じた図書13を収容するための収容ボックス27から図書13を取り出し、その図書13に貼り付けられているレシート32の内容に基づいて、再分類を速やかに行なうことができる。
【0053】
図9は、上記した実施の形態の変形例を示している。図9において、図1と同一部分には同一符号を付して説明すると、上記ソートモジュール24上には、レシート発行装置33が設置されている。
【0054】
このレシート発行装置33は、上記したレシート貼付装置22と同様に、返却された図書13の中から予約図書13が判別される毎に、図書管理システム29から送信される仕分けデータに基づいて、予約図書用の所定のレシートを発行するものである。
【0055】
また、このソートモジュール24に対応した位置には、上記した収容ボックス27に代えて、予約図書13を収容するための図書収容台車(以下、ブックトラックという)34が置かれるようになっている。なお、予約図書13以外の分類された図書13やエラー図書13等は、その他の収容ボックス27,27,……に収容される。
【0056】
このブックトラック34は、図10に示すように、その底部にキャスタ34aが設置され、上部に取っ手34bが設置されており、図書館員が容易に移動させることができるようになっている。
【0057】
そして、このブックトラック34は、予約図書13としてソートモジュール24から送り出された図書13を、その搬出された順序で積み重ねて収容する図書載置台34cを備えている。
【0058】
すなわち、上記レシート発行装置33から順次発行された予約図書用のレシートは、上記ブックトラック34の図書載置台34cに積み重ねられた図書13,13,……と対応していることになる。
【0059】
このため、図書館員は、ブックトラック34に収容された図書13を順番に取り出し、その図書13に対応するレシートの内容に基づいて、当該図書13を予約している利用者の中で次に貸し出すべき利用者を認識し、容易に連絡を取ることができる。このため、利用者に対して予約図書の貸し出しを行なうための作業能率を向上させることができる。
【0060】
図11は、上記レシート発行装置33が発行する予約図書用のレシート35の一例を示している。このレシート35には、ブックトラック番号35a、投入順番号35b、図書館名、利用者に対する連絡方法(電話、メール)、レシート35の発行日時、利用者名、利用番号、連絡先、受取希望窓口、連絡事項、図書名、資料番号、予約日、予約待ち人数等が記載されている。
【0061】
ここで、上記した実施の形態では、図書13から固有の識別コードを読み取るために、図書13に識別コードの記録された無線タグ17を付加しておき、無線タグリーダライタ16,21によって無線タグ17から識別コードを読み取るようにしている。
【0062】
しかしながら、これに限らず、例えば、図書に固有の識別コードの記述されたバーコードラベルを貼り付けておき、そのバーコードをバーコードリーダで読み取るようにしても良いことはもちろんである。
【0063】
なお、この発明は上記した実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を種々変形して具体化することができる。また、上記した実施の形態に開示されている複数の構成要素を適宜に組み合わせることにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除しても良いものである。さらに、異なる実施の形態に係る構成要素を適宜組み合わせても良いものである。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】この発明の実施の形態を示すもので、図書自動仕分けシステムの全体的な構成を説明するために示す平面図。
【図2】同実施の形態における図書自動仕分けシステムに用いられる収容ボックスの構成を説明するために示す斜視図。
【図3】同実施の形態における図書自動仕分けシステムを制御するための制御システムを説明するために示すブロック構成図。
【図4】同実施の形態における制御部システムが行なう主要な処理動作を説明するために示すフローチャート。
【図5】同実施の形態における図書自動仕分けシステムのレシート貼付装置が発行する予約図書用のレシートの一例を説明するために示す図。
【図6】同実施の形態におけるレシート貼付装置の設置位置の他の例を説明するために示す平面図。
【図7】同実施の形態におけるレシート貼付装置の設置位置のさらに他の例を説明するために示す平面図。
【図8】同実施の形態における図書自動仕分けシステムのレシート貼付装置が発行するエラー図書用のレシートの一例を説明するために示す図。
【図9】同実施の形態における図書自動仕分けシステムの変形例を説明するために示す平面図。
【図10】同実施の形態の変形例で用いられるブックトラックの構成を説明するために示す斜視図。
【図11】同実施の形態の変形例でレシート発行装置が発行する予約図書用のレシートの一例を説明するために示す図。
【符号の説明】
【0065】
11,12…受付部、13…図書、14…フロントコンベア、15…マスターモジュール、16…無線タグリーダライタ、17…無線タグ、18…フロントコンベア、19…マスターモジュール、20…接続コンベア、21…無線タグリーダライタ、22…レシート貼付装置、23…仕分け機構、24〜26…ソートコンベア、27…収容ボックス、27a…キャスタ、27b…取っ手、28…制御システム、29…図書管理システム、30…制御部、31,32…レシート、33…レシート発行装置、34…ブックトラック、34a…キャスタ、34b…取っ手、34c…図書載置台、35…レシート、35a…ブックトラック番号、35b…投入順番号。
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば多量の図書を保管する大型図書館等に使用して好適する図書自動仕分け装置に係り、特にその返却された多量の図書に対する仕分け作業を改良したものに関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、近時、多量の蔵書を有する大規模図書館等にあっては、不特定多数の利用者に貸し出されている多量の図書に対して、それらの返却作業の能率を向上させるために図書自動返却システムが導入されてきている。
【0003】
この図書自動返却システムは、まず、利用者が返却すべき図書を図書返却口に投入すると、その図書にバーコードラベルや無線タグ等の形態で付加された固有の識別コードを読み取って貸し出し登録を抹消することにより、返却手続を完了する。
【0004】
その後、図書自動返却システムは、返却手続の完了した図書を、その識別コードに基づいて種類別に分類し、各種類に対応して設置された複数の図書収容部に選択的に収容させることにより、返却された図書を種類別に仕分けるようにしている。
【0005】
ところで、この種の図書自動返却システムは、まだまだ開発途上にある状態であり、細部に亘って改良すべき余地が多々残されている。例えば、返却された図書の中には、利用者が貸し出しを予約している、いわゆる、予約図書も含まれている。
【0006】
この場合、図書館員は、複数の図書収容部に収容された図書の中から予約図書を探し出して、次の利用者に対して貸し出しを行なうための手続きを実行する必要があり、図書館員の作業能率が阻害されることになる。
【0007】
特許文献1には、物品の仕分け機構をメインコンベアの上部に配置し、搬送物品をメインコンベアに対して任意の方向に自由に分岐・仕分けすることができ、しかも、搬送物品の載置角度を変えることなくシュート口に導くことができるようにした搬送物品の仕分け装置が開示されている。
【0008】
また、特許文献2には、投入された商品の識別情報に基づいて配分比率テーブルから配分比率を選択し、この配分比率に基づいて投入商品が商品分配比率に従った分布となるようにソータに対するシュート選択情報を得、ソータがシュート選択情報に基づいて投入商品を各シュートに落とすようにした仕分けシステムが開示されている。
【0009】
さらに、特許文献3には、ループ状に循環移動されてそれぞれがコンベアの搬出口に対応する位置に順次移動される複数の受台を備え、コンベアの搬出口から所定の受台に搭載された図書が、複数の受台の移動経路に沿って設置された複数の図書集積箱の1つに搬送され、そこに収容されるようにした図書仕分け装置が開示されている。
【特許文献1】特開平8−175650号公報
【特許文献2】特開2003−118831号公報
【特許文献3】特開平8−108927号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そこで、この発明は上記事情を考慮してなされたもので、返却された多数の図書の中から予約図書を自動的に分類して、図書館員が利用者に対して予約図書の貸し出しを行なうための作業能率を、より一層向上させることができるようにした図書自動仕分け装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明に係る図書自動仕分け装置は、返却図書が投入される投入部と、投入部に投入された図書から識別コードを読み取る読み取り手段と、読み取り手段で読み取られた識別コードを予約ファイルと照合して、その識別コードを有する図書が予約図書であるか否かを判別する制御手段と、制御手段により予約図書であると判断された図書を、投入部に投入された他の返却図書とは別個に分類する仕分け手段とを備えるようにしたものである。
【発明の効果】
【0012】
上記した発明によれば、投入部に投入された返却図書のうち、予約図書であると判断された図書を他の返却図書とは別個に分類して仕分けるようにしたので、返却された多数の図書の中から予約図書を自動的に分類して、図書館員が利用者に対して予約図書の貸し出しを行なうための作業能率を、より一層向上させることができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は、この実施の形態で説明する図書自動仕分けシステムの全体的な構成を示している。すなわち、概略的に説明すると、この図書自動仕分けシステムは、利用者が返却図書を投入するための投入部となる複数(図示の場合は2つ)の受付部11,12を備えている。
【0014】
これらの受付部11,12は、例えば図書館内における利用者カウンタの近傍等に設置されている。そして、利用者は、返却すべき図書13をいずれかの受付部11,12に投入することにより、図書館員の手を煩わせることなく、図書13の返却手続きが自動的に行なえるようになっている。
【0015】
すなわち、一方の受付部11に投入された図書13は、フロントコンベア14によりマスターモジュール15に搬送される。この場合、フロントコンベア14の搬送途上には、無線タグリーダライタ16が設置されている。この無線タグリーダライタ16は、フロントコンベア14により搬送されている図書13に付された無線タグ17とデータ通信を行なうように機能する。
【0016】
また、他方の受付部12に投入された図書13は、フロントコンベア18、マスターモジュール19及び接続コンベア20を順次介して、上記マスターモジュール15に搬送される。この場合、フロントコンベア18の搬送途上には、無線タグリーダライタ21が設置されている。この無線タグリーダライタ21は、フロントコンベア18により搬送されている図書13に付された無線タグ17とデータ通信を行なうように機能する。
【0017】
なお、フロントコンベア14により搬送された図書13と、フロントコンベア18、マスターモジュール19及び接続コンベア20を順次介して搬送された図書13とが、マスターモジュール16に同時に到達して接触することがないように、各フロントコンベア14,18及び接続コンベア20の起動タイミングや搬送速度等が制御されている。
【0018】
また、上記マスターモジュール15には、レシート貼付装置22が設置されている。このレシート貼付装置22は、マスターモジュール15に搬送されてきた図書13に対して必要な場合レシートを作成し、そのレシートを図書13に貼り付けるように機能する。
【0019】
そして、上記マスターモジュール16に搬送された図書13は、仕分け機構23に搬送されて、種類別に自動仕分けされる。この仕分け機構23は、複数(図示の場合は3つ)のソートモジュール24〜26を直列に接続し、それらの周囲に図書13の種類に対応した複数(図示の場合は7つ)の図書収容部(以下、収容ボックスという)27,27,……を配置した構成となっている。
【0020】
この場合、仕分け機構23は、ソートモジュール24〜26を駆動させて、上記マスターモジュール16に搬送された図書13を、その収容すべき収容ボックス27に対応する位置まで移動させた後、その収容ボックス27内に滑落させて収容し、ここに、返却された図書13が種類別に仕分けられることになる。
【0021】
上記収容ボックス27は、図2に示すように、ほぼ四角形状でその上面開口部を介して図書13を出し入れするように形成されている。そして、この収容ボックス27は、その底面にキャスタ27aが設置され、上面の一側部に取っ手27bが設置されており、図書館員が容易に移動させることができるようになっている。
【0022】
次に、図3は、上記した図書自動仕分けシステムを制御するための制御システム28を示している。すなわち、図書館内の全ての図書13には、先に述べたように、それぞれ無線タグ17が埋設されている。無線タグ17には、それが付加されている図書13に固有の識別コードが記録されている。
【0023】
そして、図書館内の全ての図書13,13,……は、図示しないホストコンピュータを内蔵した図書管理システム29により、無線タグ17に記録された識別コードを用いて、書庫内における保管状態や、貸し出し及び予約状況等の管理が行なわれている。
【0024】
具体的に言えば、図書管理システム29は、保管している全ての図書13,13,……に対し、蔵書ファイル、貸し出しファイル及び予約ファイル等を備えている。そして、これらのファイルを利用して、図書館内にある全ての図書13,13,……を統括的に管理している。
【0025】
この場合、蔵書ファイルは、図書13の識別コードとその図書名や仕分け先等とを関連付けて登録している。また、貸し出しファイルは、貸し出し要求された図書13の識別コードとその図書13を借り出した利用者の識別コードとを関連付けて登録している。さらに、予約ファイルは、予約図書13の識別コードとその図書13を予約した利用者の識別コードとを関連付けて登録している。
【0026】
そして、この図書管理システム29は、上記図書自動仕分けシステムを制御するための制御システム28の管理も行なっている。すなわち、図書管理システム29は、制御システム28を構成する制御部30と接続されている。
【0027】
この制御部30は、例えば図示しないマイクロプロセッサ等を内蔵しており、図書管理システム29とのデータ通信や、各コンベア14,18,20、無線タグリーダライタ16,21、レシート貼付装置22及び各モジュール15,19,24〜26等の制御を行なっている。
【0028】
ここで、上記制御システム28では、受付部11,12に図書13が投入されると、その図書13の無線タグ17から無線タグリーダライタ16,21により識別コードを読み取らせ、読み取った識別コードを図書管理システム29に送信する。
【0029】
図書管理システム29では、制御システム28から送信された識別コードを貸し出しファイルと照合し、その識別コードが貸し出しファイルに登録されていれば、当該識別コードに対する貸し出し登録を抹消し、ここに、図書13の返却手続が完了される。
【0030】
その後、図書管理システム29は、返却手続の完了した図書13の識別コードを予約ファイルと照合し、その識別コードが予約ファイルに登録されていなければ、当該識別コードに対応する図書13が予約図書でないと判断する。
【0031】
この場合、図書管理システム29は、返却手続の完了した図書13の識別コードを蔵書ファイルと照合し、その仕分け先を示す仕分けデータを制御システム28に送信する。すると、制御システム28は、図書管理システム29から送信された仕分けデータに基づいて、マスターモジュール15及びソートモジュール24〜26を制御し、返却手続の完了した図書13をその種類に対応する収容ボックス27に仕分ける。
【0032】
また、図書管理システム29は、返却手続の完了した図書13の識別コードを予約ファイルと照合し、その識別コードが予約ファイルに登録されていれば、当該識別コードに対応する図書13が予約図書であると判断する。
【0033】
この場合、図書管理システム29は、返却手続の完了した図書13が予約図書であることや、予約図書に対して上記レシート貼付装置22がレシートを作成するために必要な情報等を含む仕分けデータを制御システム28に送信する。
【0034】
すると、制御システム28は、図書管理システム29から送信された仕分けデータに基づいてレシート貼付装置22を制御し、予約図書用の所定のレシートを発行させるとともに、そのレシートを予約図書13に貼り付けさせる。
【0035】
その後、制御システム28は、図書管理システム29から送信された仕分けデータに基づいて、マスターモジュール15及びソートモジュール24〜26を制御し、その予約図書13を、予約図書を収容するために用意された1つの収容ボックス27に収容させる。
【0036】
すなわち、上記仕分け機構23に配置される複数(図示の場合は7つ)の収容ボックス27,27,……のうち、1つの収容ボックス27(例えば図1で「予約」と書かれた収容ボックス)は予約図書を収容するために用意されている。
【0037】
そして、上記図書自動仕分けシステムは、返却手続の完了した図書13を、その種類別に各収容ボックス27,27,……に仕分けるだけでなく、返却手続の完了した図書13の中から予約図書を分類し、その予約図書にレシートを貼り付けた後、予約図書を収容するために用意された1つの収容ボックス27に仕分けるように機能している。
【0038】
上記した構成によれば、返却図書13を種類別に仕分ける図書自動仕分けシステムを用いて、予約図書13を仕分けしレシートを貼り付けた後、専用の収容ボックス27に収容させるようにしている。つまり、予約図書13は、書庫に返却される図書13とは別個に管理するようにしている。
【0039】
このため、図書館員が種類別に複数の収容ボックス27,27,……に収容された多数の図書13,13,……の中から予約図書を探し出す必要がなくなり、ひいては、図書館員が利用者に対して予約図書の貸し出しを行なうための作業能率を、より一層向上させることが可能となる。
【0040】
図4は、上記した制御部システム28が行なう主要な処理動作をまとめたフローチャートを示している。すなわち、処理が開始(ステップS1)されると、制御部システム28の制御部30は、ステップS2で、いずれかの受付部11,12に図書13が投入されたか否かを判別する。この判別は、受付部11,12に設置された図示しない入庫センサによって行なわれる。
【0041】
いずれかの受付部11,12に図書13が投入されたと判断された場合(YES)、制御部30は、ステップS3で、投入された図書13に対応する方の搬送コンベア14,18を駆動させて、図書13を無線タグリーダライタ16,21の近傍まで搬送し、無線タグリーダライタ16,21により図書13に付加された無線タグ17からの識別コードの読み取りを行なわせる。
【0042】
そして、制御部30は、ステップS4で、無線タグ17から識別コードが正常に読み取られたか否かを判別し、識別コードが正常に読み取られないと判断された場合(NO)、ステップS5で、搬送コンベア14,18を逆走させて図書13を受付部11,12に戻した後、ステップS2の処理に戻される。この場合、返却する図書13を受付部11,12に投入した利用者に対しては、例えば「図書館員を呼んで下さい」や「図書館員に返却して下さい」等のメッセージが表示される。
【0043】
また、上記ステップS4で図書13の無線タグ17から識別コードが正常に読み取られたと判断された場合(YES)、制御部30は、ステップS6で、読み取った識別コードを図書管理システム29に送信する。
【0044】
その後、制御部30は、ステップS7で、図書管理システム29から仕分けデータを受信すると、その仕分けデータに基づいて、無線タグリーダライタ16,21により図書13の無線タグ17の内容を更新するとともに、ステップS8で、当該図書13が予約図書であるか否かを判別する。
【0045】
そして、予約図書であると判断された場合(YES)、制御部30は、ステップS9で、図書管理システム29から受信した仕分けデータに基づいて、レシート貼付装置22を制御して予約図書用の所定のレシートを発行させ、そのレシートを予約図書13に貼り付ける。
【0046】
このステップS9の後、または、上記ステップS8で予約図書でないと判断された場合(NO)、制御部30は、ステップS10で、図書管理システム29から受信した仕分けデータに基づいて、マスターモジュール15及びソートモジュール24〜26を制御し、図書13を対応する収容ボックス27,27,……に収容させて、処理を終了(ステップS11)する。
【0047】
図5は、上記レシート貼付装置22が発行する予約図書用のレシート31の一例を示している。このレシート31には、図書館名、利用者に対する連絡方法(電話、メール)、レシート31の発行日時、利用者名、利用番号、連絡先、受取希望窓口、連絡事項、図書名、資料番号、予約日、予約待ち人数等が記載されている。
【0048】
図書館員は、予約図書を収容するために用意された専用の収容ボックス27に収容されている図書13を取り出し、その図書13に貼り付けられているレシート31の内容に基づいて、当該図書13を予約している利用者の中で次に貸し出すべき利用者を認識し、容易に連絡を取ることができる。このため、利用者に対して予約図書の貸し出しを行なうための作業能率を向上させることができる。
【0049】
なお、上記レシート貼付装置22としては、予約図書13を収容するために用意された収容ボックス27の置かれる位置に応じて、例えば、図6に示すようにソートモジュール24上に設置したり、図7に示すようにソートモジュール26上に設置したりすることが可能である。
【0050】
また、上記仕分け機構23に配置される複数(図示の場合は7つ)の収容ボックス27,27,……のうちの1つを、エラーの生じた図書13を収容するために使用することもできる。この収容ボックス27には、例えば、図書管理システム29から送信された仕分けデータが制御システム28に正確に受信されず、正常に分類されなかった図書13や、所定の種類の図書13を収容する収容ボックス27が満杯、または、交換中で、本来収容されるべき収容ボックス27に収容することができなかった図書13等が収容される。
【0051】
この収容ボックス27に収容された図書13は、図書館員によって取り出され、再度分類が行なわれる。この場合、再分類を速やかに行なうために、レシート貼付装置22が、エラーの生じた図書13に対して所定のレシートを発行し、その図書13に貼り付けてから収容ボックス27に収容している。
【0052】
図8は、上記レシート貼付装置22がエラーの生じた図書13に対して発行するレシート32の一例を示している。このレシート32には、発行日時、収容ボックス番号、図書分類、エラー内容、図書名、資料番号等が記載されている。そして、図書館員は、エラーの生じた図書13を収容するための収容ボックス27から図書13を取り出し、その図書13に貼り付けられているレシート32の内容に基づいて、再分類を速やかに行なうことができる。
【0053】
図9は、上記した実施の形態の変形例を示している。図9において、図1と同一部分には同一符号を付して説明すると、上記ソートモジュール24上には、レシート発行装置33が設置されている。
【0054】
このレシート発行装置33は、上記したレシート貼付装置22と同様に、返却された図書13の中から予約図書13が判別される毎に、図書管理システム29から送信される仕分けデータに基づいて、予約図書用の所定のレシートを発行するものである。
【0055】
また、このソートモジュール24に対応した位置には、上記した収容ボックス27に代えて、予約図書13を収容するための図書収容台車(以下、ブックトラックという)34が置かれるようになっている。なお、予約図書13以外の分類された図書13やエラー図書13等は、その他の収容ボックス27,27,……に収容される。
【0056】
このブックトラック34は、図10に示すように、その底部にキャスタ34aが設置され、上部に取っ手34bが設置されており、図書館員が容易に移動させることができるようになっている。
【0057】
そして、このブックトラック34は、予約図書13としてソートモジュール24から送り出された図書13を、その搬出された順序で積み重ねて収容する図書載置台34cを備えている。
【0058】
すなわち、上記レシート発行装置33から順次発行された予約図書用のレシートは、上記ブックトラック34の図書載置台34cに積み重ねられた図書13,13,……と対応していることになる。
【0059】
このため、図書館員は、ブックトラック34に収容された図書13を順番に取り出し、その図書13に対応するレシートの内容に基づいて、当該図書13を予約している利用者の中で次に貸し出すべき利用者を認識し、容易に連絡を取ることができる。このため、利用者に対して予約図書の貸し出しを行なうための作業能率を向上させることができる。
【0060】
図11は、上記レシート発行装置33が発行する予約図書用のレシート35の一例を示している。このレシート35には、ブックトラック番号35a、投入順番号35b、図書館名、利用者に対する連絡方法(電話、メール)、レシート35の発行日時、利用者名、利用番号、連絡先、受取希望窓口、連絡事項、図書名、資料番号、予約日、予約待ち人数等が記載されている。
【0061】
ここで、上記した実施の形態では、図書13から固有の識別コードを読み取るために、図書13に識別コードの記録された無線タグ17を付加しておき、無線タグリーダライタ16,21によって無線タグ17から識別コードを読み取るようにしている。
【0062】
しかしながら、これに限らず、例えば、図書に固有の識別コードの記述されたバーコードラベルを貼り付けておき、そのバーコードをバーコードリーダで読み取るようにしても良いことはもちろんである。
【0063】
なお、この発明は上記した実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を種々変形して具体化することができる。また、上記した実施の形態に開示されている複数の構成要素を適宜に組み合わせることにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除しても良いものである。さらに、異なる実施の形態に係る構成要素を適宜組み合わせても良いものである。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】この発明の実施の形態を示すもので、図書自動仕分けシステムの全体的な構成を説明するために示す平面図。
【図2】同実施の形態における図書自動仕分けシステムに用いられる収容ボックスの構成を説明するために示す斜視図。
【図3】同実施の形態における図書自動仕分けシステムを制御するための制御システムを説明するために示すブロック構成図。
【図4】同実施の形態における制御部システムが行なう主要な処理動作を説明するために示すフローチャート。
【図5】同実施の形態における図書自動仕分けシステムのレシート貼付装置が発行する予約図書用のレシートの一例を説明するために示す図。
【図6】同実施の形態におけるレシート貼付装置の設置位置の他の例を説明するために示す平面図。
【図7】同実施の形態におけるレシート貼付装置の設置位置のさらに他の例を説明するために示す平面図。
【図8】同実施の形態における図書自動仕分けシステムのレシート貼付装置が発行するエラー図書用のレシートの一例を説明するために示す図。
【図9】同実施の形態における図書自動仕分けシステムの変形例を説明するために示す平面図。
【図10】同実施の形態の変形例で用いられるブックトラックの構成を説明するために示す斜視図。
【図11】同実施の形態の変形例でレシート発行装置が発行する予約図書用のレシートの一例を説明するために示す図。
【符号の説明】
【0065】
11,12…受付部、13…図書、14…フロントコンベア、15…マスターモジュール、16…無線タグリーダライタ、17…無線タグ、18…フロントコンベア、19…マスターモジュール、20…接続コンベア、21…無線タグリーダライタ、22…レシート貼付装置、23…仕分け機構、24〜26…ソートコンベア、27…収容ボックス、27a…キャスタ、27b…取っ手、28…制御システム、29…図書管理システム、30…制御部、31,32…レシート、33…レシート発行装置、34…ブックトラック、34a…キャスタ、34b…取っ手、34c…図書載置台、35…レシート、35a…ブックトラック番号、35b…投入順番号。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
返却図書が投入される投入部と、
前記投入部に投入された図書から識別コードを読み取る読み取り手段と、
前記読み取り手段で読み取られた識別コードを予約ファイルと照合して、その識別コードを有する前記図書が予約図書であるか否かを判別する制御手段と、
前記制御手段により予約図書であると判断された図書を、前記投入部に投入された他の返却図書とは別個に分類する仕分け手段とを具備してなることを特徴とする図書自動仕分け装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記読み取り手段で読み取られた識別コードを貸し出しファイルと照合した結果、その識別コードに対する貸し出し登録が抹消され返却手続の完了された図書に対して、予約図書であるか否かを判別することを特徴とする請求項1記載の図書自動仕分け装置。
【請求項3】
前記制御手段により予約図書であると判断された図書に対して、予約図書用の所定のレシートを発行する発行手段を具備してなることを特徴とする請求項1記載の図書自動仕分け装置。
【請求項4】
前記発行手段で発行されたレシートは、前記制御手段により予約図書であると判断された図書に貼り付けられることを特徴とする請求項3記載の図書自動仕分け装置。
【請求項5】
前記仕分け手段は、前記投入部に投入された返却図書を、図書の種類別に対応して設置された複数の図書収容部に選択的に収容させるように仕分けるもので、前記複数の図書収容部のうち予め設定された所定の図書収容部を、前記予約図書を専用に仕分ける収容部としたことを特徴とする請求項1記載の図書自動仕分け装置。
【請求項6】
前記仕分け手段は、前記複数の図書収容部のうち予め設定された所定の図書収容部を、前記制御手段により分類が不可であると判断された図書を専用に仕分ける収容部としたことを特徴とする請求項5記載の図書自動仕分け装置。
【請求項7】
前記制御手段により分類が不可であると判断された図書に対して、エラー図書用の所定のレシートを発行する発行手段を具備してなることを特徴とする請求項6記載の図書自動仕分け装置。
【請求項8】
前記発行手段で発行されたレシートは、前記制御手段により分類が不可であると判断された図書に貼り付けられることを特徴とする請求項7記載の図書自動仕分け装置。
【請求項1】
返却図書が投入される投入部と、
前記投入部に投入された図書から識別コードを読み取る読み取り手段と、
前記読み取り手段で読み取られた識別コードを予約ファイルと照合して、その識別コードを有する前記図書が予約図書であるか否かを判別する制御手段と、
前記制御手段により予約図書であると判断された図書を、前記投入部に投入された他の返却図書とは別個に分類する仕分け手段とを具備してなることを特徴とする図書自動仕分け装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記読み取り手段で読み取られた識別コードを貸し出しファイルと照合した結果、その識別コードに対する貸し出し登録が抹消され返却手続の完了された図書に対して、予約図書であるか否かを判別することを特徴とする請求項1記載の図書自動仕分け装置。
【請求項3】
前記制御手段により予約図書であると判断された図書に対して、予約図書用の所定のレシートを発行する発行手段を具備してなることを特徴とする請求項1記載の図書自動仕分け装置。
【請求項4】
前記発行手段で発行されたレシートは、前記制御手段により予約図書であると判断された図書に貼り付けられることを特徴とする請求項3記載の図書自動仕分け装置。
【請求項5】
前記仕分け手段は、前記投入部に投入された返却図書を、図書の種類別に対応して設置された複数の図書収容部に選択的に収容させるように仕分けるもので、前記複数の図書収容部のうち予め設定された所定の図書収容部を、前記予約図書を専用に仕分ける収容部としたことを特徴とする請求項1記載の図書自動仕分け装置。
【請求項6】
前記仕分け手段は、前記複数の図書収容部のうち予め設定された所定の図書収容部を、前記制御手段により分類が不可であると判断された図書を専用に仕分ける収容部としたことを特徴とする請求項5記載の図書自動仕分け装置。
【請求項7】
前記制御手段により分類が不可であると判断された図書に対して、エラー図書用の所定のレシートを発行する発行手段を具備してなることを特徴とする請求項6記載の図書自動仕分け装置。
【請求項8】
前記発行手段で発行されたレシートは、前記制御手段により分類が不可であると判断された図書に貼り付けられることを特徴とする請求項7記載の図書自動仕分け装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−51929(P2010−51929A)
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−222610(P2008−222610)
【出願日】平成20年8月29日(2008.8.29)
【出願人】(000229759)日本ファイリング株式会社 (21)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年8月29日(2008.8.29)
【出願人】(000229759)日本ファイリング株式会社 (21)
【Fターム(参考)】
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