図柄認識装置

【課題】特定のコード番号や座標情報が定義され一定の法則に基づく極小ドットパターンを生成するに必要な高価な読取装置やソフト制作費を不用とし、安価な印刷コストで図柄認識装置を実現する事を可能にする。
【解決手段】印刷物の図柄読取領域面内に設けられる図柄は整合マークとシステムを利用するユーザーが作成したキャラクターや記号あるいは固有キャラクターとして扱う漢字文字からなる第一の図柄と、整合マークと英数字(0〜9とA〜Z)からなる第二の図柄および第三の図柄で構成され、ペン型読取装置と、そのペン先を対象印刷物の図柄読取領域に接触させ、発光ダイオードの光により映し出された図柄を近接レンズを介してCMOSセンサーと画像取込み回路で白黒画像化されたデータをマイクロコンピューターに送り込み、画像の撮像位置修正と画像の比較と解析を行って目的の情報に復元する事のできる図柄認識装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペン型カメラと光学的に図柄情報を読み取る読取ユニット及び読み取った情報を送信する通信ユニットとを備えたペン型読取装置と、このペン型読取り装置で読み取るために印刷物の読取領域に印刷された図柄情報に関する。
【背景技術】
【0002】
紙などの印刷物に対してペン入力する場合の有効な入力デバイスとして、近年、「電子ペン」、「デジタルペン」などと呼ばれるペン型入力デバイスが登場しており、例えば地図には観光名称の建物や歴史人物、庭園、或いは乗り物等が描かれ、この絵に接近した個所にペンで読み取るための図柄読取領域が設けられており、利用者はこの読取領域にペンを当てる事で観光名称の情報が音声や文字で表現される。
あるいはレストランのメニューでは食べ物の写真や文字で記載したメニューに隣接した読取領域にペン型読取装置を当てる事で、メニューを厨房に情報伝達可能としている。
【0003】
従来このペン型読取装置は、赤外線を発光するLEDとペン先に近接レンズ備え、印刷物面に照射したLEDの赤外線によりカーボンインクに反応した画像をCMOSイメージセンサーで白黒画像化した30万から100万画素のドットコード情報を取込み、コンピューター等で画像の撮像位置修正・画像の比較・解析を行いコード化された信号を出力する。
このドットコードで示す位置情報はパーソナルコンピューター等のホストとなる画像処理に送り込まれ、目的の情報に変換されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−156917号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このペン型読取装置で使われている画像読取データは直径約50μm極小のドットで構成されたドットパターンは2mm角の範囲に特定のコード番号や座標情報が定義される一定の法則に基づいて紙などの媒体に印刷して配置され、このドットパターンを専用スキャナーで読み取ることにより、画像データの座標位置からコード化された暗号を意味のある情報として復元する事ができる。
また、このドットパターンは視認できない極小のドットであることと、ドットの読み取りに赤外線を吸収するインクの特性いわゆるステルスインクを利用しているため、他のグラフィックのうえに重ねて印刷してもレイアウトに制限やグラフィックの美しさを損ねたりすることなく印刷する事ができるとしている。
【0006】
しかし、こうした方法は特定のコード番号や座標情報が定義される一定の法則に基づくドットパターンの生成とそのソフト製作費用や
ステルスインクの微細印刷技術が必要であり、運用にあたっては高価な情報読取装置になっていた。
【0007】
そこで、本発明は上記のような課題を解決するために、例えばシステムを利用するユーザーが作成したキャラクターや記号、あるいは固有キャラクターとして扱う漢字文字と英数字(0〜9とA〜Z)組合わせする事で重複する事のないコードパターンを実現させ、他のユーザーのシステムでは読み取れないセキュリティーを確保し、且つ、特殊インクを使わず印刷コストを安価で提供できるシステムを実現する事することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に関わるペン型読取装置は、赤外線含む可視光を発光するLEDとペン先に近接レンズ備え、印刷物の図柄読取領域面に照射したLEDの光により映し出された画像をCMOSイメージセンサーで白黒画像化する。
この図柄読取領域はペン型読取装置のペン先が比較的容易に当てられる10〜20mm角程度の大きさを持ち、例えばレストランのメニューでは食べ物の写真や文字で記載したメニューに隣接して設けられる。
【0009】
図柄読取領域には少なくとも2種類の図柄が市松状に配置されており、第一の図柄は縦横2mm角内に構成された画像の向きを検出する例えば図柄の左肩に設置された正三角形のパターン(以下、本発明では整合マークと呼ぶ)とキャラクターや記号あるいは漢字文字からなる図柄、第二の図柄は縦横2mm角内に整合マークと英数字からなる図柄である。
この第一および第二の図柄で使用されるキャラクター・記号・漢字文字および英数字の図柄パターン情報は予めコンピューターに登録しておき、整合マークを基点にコンピューター等で画像の撮像位置修正・画像の比較・解析を行って情報が復元され、第一と第二の図柄の組合わせで意味する目的の情報に変換される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、赤外線に反応するカーボンインクで極小ドットパターンを作る事により肉眼では見えにくくするいわゆるステルスインクの印刷技術が不用になり、特別な印刷機や業者を必要とせず家庭用インクジェットプリンター等でも印刷が可能になる。
【0011】
また、特定のコード番号や座標情報が定義される一定の法則に基づくドットパターンの生成の為の高価な読取装置やソフトウェア制作費用が不要になる。
【0012】
更に、システムを利用するユーザーが作成したマークや記号、漢字文字とキーボード等にあるアスキーコード上の英数字(0〜9とA〜Z)を組合わせる事と、これらの図柄情報をあらかじめ登録してある画像データと比較認識すれば極めて多くの情報量が得る事ができるので、他のユーザーのシステムで読み取れる事はなくセキュリティーに対しても効果を発揮できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】はペン型読取装置を模式的に示す図である。
【図2】はペン型読取装置の構造を簡略的に示す図である。
【図3】はペン型読取装置で得られる画像情報の様子を示す図柄読取領域(左図)とその拡大(右図)である。
【図4】図柄読取装置領域の変形例。
【図5】は図柄読取領域の図柄に対してペン型読取装置のペン先が回転して当る場合に得られる画像情報の様子を示す拡大図で、図柄読取領域の図柄を右上(左図)と左上(右図)に捕らえた場合の画像情報。
【図6】図柄読取領域の図柄に対してペン型読取装置のペン先が回転して当る場合に得られる画像情報の様子を示す拡大図で、図柄読取領域の図柄を上下を逆さ(左図)と左斜め上(右図)に捕らえた場合の画像情報である。
【図7】は他の図柄で構成された図柄読取領域内の図柄例を示す図で、整合マークとキャラクターを第一の図柄、英数字文字のAを第二の図柄とした場合の図柄読取領域。
【図8】は他の図柄で構成された図柄読取領域内の図柄例を示す図で、整合マークと漢字の東を第一の図柄、英数字文字の2を第二の図柄とした場合の図柄読取領域。
【図9】は他の図柄で構成された図柄読取領域内の図柄例を示す図で、整合マークと☆を第一の図柄、英数字文字の9を第二の図柄とした場合の図柄読取領域。
【図10】は三種類の図柄で構成された図柄読取領域内の図柄例を示す図で、整合マークとキャラクターと英数字のAと英数字の7で構成された三種類の図柄。
【図11】は三種類の図柄で構成された図柄読取領域内の図柄例を示す図で、整合マークと漢字文字と英数字のKと英数字の2で構成された三種類の図柄。
【図12】は三種類の図柄で構成された図柄読取領域内の図柄例を示す図で、整合マークと記号の☆印と英数字のRと英数字の9で構成された三種類の図柄。
【図13】は他の整合マーク例を示す図で、左上から下に伸びる線と左上から右に伸びる線からなる整合マーク。
【図14】は他の整合マーク例を示す図で、左上から下に伸びる線と右に伸びる線と斜め右下に伸びる線からなる整合マーク。
【図15】は他の整合マーク例を示す図で、左上から下に伸びる線と右に伸びる線と塗りつぶし丸からなる整合マーク。
【図16】は他の整合マーク例を示す図で、先端が塗りつぶしされた矢印からなる整合マーク。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【実施例1】
【0015】
図1はペン型読取装置を模式的に示す図であり、図2はペン型読取装置の構造を簡略的に示す図で、且つペン先と回路基板部の構成を説明する為の一部断面図、図3および図4はペン型読取装置で得られる画像情報の様子を示す図柄読取領域とその拡大を示す図、図5および図6は図柄読取領域の図柄に対してペン型読取装置のペン先が回転して当る場合に得られる画像情報の様子を示す図、図7から図12は他の図柄で構成された図柄読取領域内の図柄例を示す図である。
【0016】
図1および図2に示すようにペン型読取装置10はその内部の回路基板20にマイクロコンピューター11、画像データベース記憶回路12、LED点灯駆動回路13、LED14、近接レンズ15、CMOSセンサー16、画像取込み回路17、入出力インタフェース回路40が備えられている。
このペン型読取装置10はそのペン先を対象印刷物30に接触させ、LED14の光により映し出された画像を近接レンズ15を介してCMOSセンサー16と画像取込み回路17で白黒画像化されたデータをマイクロコンピューター11に送り込む。
【0017】
対象印刷物30は例えば観光案内用地図やレストランのメニューからなり、ペン型読取装置10で図柄を読み取るため、図3および図4で示すように例えば縦12mm横32mmの角丸長方形や直径20mmの円あるいは縦12mm横20mmの長方形で囲まれた図柄読取領域300が設けられている。
ここでペン型読取装置10の先端が対象印刷物30の図柄読取領域300に接触すると、ペン型読取装置10のペン先が接触して得られる直径約6mmの図柄面積305を近接レンズ15でCMOSイメージセンサー16に画像を作り出し、このCMOSイメージセンサーで640×480画素領域306としての画像情報が得られる。
【0018】
図柄読取領域300は縦横2mm角内に構成された画像の向きを検出するための左上に設置された正三角形の整合マーク301とユーザーが任意に作成キャラクターや記号あるいは漢字文字からなる図柄で構成された第一の図柄302と、縦横2mm角内に整合マークと英数字からなる第二の図柄303が市松状に複数個配置されている。
【0019】
マイクロコンピューター11は本発明で使用されるキャラクター・記号・漢字文字および英数字の図柄パターン比較情報は予め画像データ記憶回路12に登録され、例えば図5および図6に示すように図柄読取領域の図柄に対してペン型読取装置のペン先が回転して当る場合には、整合マーク301を基点にコンピューター等で画像の撮像位置修正・画像の比較・解析を行って情報が復元され、第一の図柄302と第二の図柄303の組合わせで意味する目的の情報に変換され、入出力インタフェース回路40から入出力インタフェース用ケーブル41を介してホストコンピューター50やペン型読取装置10内に備えられた表示回路18もしくは音声回路19へ出力される。
【実施例2】
【0020】
本発明ではユーザーが目的とするシステムを構成するに当たり非常に多くの情報を必要とした場合に対応する為に、図10から図12に示す実
施例のように三種類の図柄を用いた。
図10は整合マーク301とユーザーが任意に作成したキャラクターからなる第一の図柄302と、整合マーク301と英数字のAからなる第二の図柄303と、整合マーク301と英数字の7からなる第三の図柄304で構成され、図11は整合マーク301と漢字文字からなる第一の図柄302と、整合マーク301と英数字のKからなる第二の図柄303と、整合マーク301と英数字の2からなる第三の図柄304で構成され、図12は整合マーク301と記号の☆印からなる第一の図柄302と、整合マーク301と英数字のRからなる第二の図柄303と、整合マーク301と英数字の9からなる第三の図柄304で構成され、この第一と第二および第三の図柄がそれぞれ市松状に複数個配置される。
【0021】
この実施例では三種類の図柄で構成される場合、ペン型読取装置10のペン先が接触して得られる直径約6mmの図柄面積305とCMOSイメージセンサー16で画像化される640×480画素領域306内に第一と第二および第三の図柄が各1つ以上存在する事が必要で、例えば図柄読取領域の図柄に対してペン型読取装置のペン先が回転して当る条件等を満たす為に図柄の大きさを縦横1.6mm角とした。
【実施例3】
【0022】
図13から図16は画像の向きを検出する例えば図柄の左肩に設置された整合マークの変形例を示す図で、図13は左上から下に伸びる線と左上から右に伸びる線からなる整合マークを示す図、図14は左上から下に伸びる線と右に伸びる線と斜め右下に伸びる線からなる整合マークを示す図、図15は左上から下に伸びる線と右に伸びる線と塗りつぶし丸からなる整合マークを示す図、図16は先端が塗りつぶしされた矢印からなる整合マークを示す図である。
【符号の説明】
【0023】
10.ペン型読取装置
11.マイクロコンピューター
12.画像データ記憶回路
13.LED点灯駆動回路
14.発光ダイオード
15.近接レンズ
16.CMOSセンサー
17.画像取込み回路
18.LEDやLCDの表示装置とその駆動回路
19.ブザーやスピーカーとその駆動回路
20.回路基板
30.対象印刷物
40.入出力インタフェース回路
41.入出力インタフェース用ケーブル
50.ホストコンピューター
300.図柄読取領域
301.整合マーク
302.第一の図柄
303.第二の図柄
304.第三の図柄
305.ペン型読取装置のペン先が接して得られる直径約6mmの図柄面積
306.CMOSイメージセンサーで得られる640×480画素領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペン型読取装置と、そのペン先を対象印刷物の図柄読取領域に接触させ、発光ダイオードの光により映し出された図柄を近接レンズを介してCMOSセンサーと画像取込み回路で白黒画像化されたデータをマイクロコンピューターに送り込み、画像の撮像位置修正と画像の比較と解析を行って目的の情報に復元する事のできる図柄認識装置において、
前記対象印刷物の図柄読取領域は第一および第二の図柄からなる2種類の図柄が市松状に配置され、第一の図柄は図柄の向きを検出する整合マークとユーザーが任意に作成したキャラクターで構成され、第二の図柄は図柄の向きを検出する整合マークと英数字で構成される事を特徴とする図柄認識装置。
【請求項2】
前記対象印刷物の図柄読取領域は第一と第二および第三の図柄からなる3種類の図柄が市松状に配置され、第一の図柄は図柄の向きを検出する整合マークとユーザーが任意に作成したキャラクターで構成され、第二および第三の図柄は図柄の向きを検出する整合マークと英数字で構成される事を特徴とする図柄認識装置。
【請求項3】
前記図柄読取領域の第一の図柄は図柄の向きを検出する整合マークと記号で構成される事を特徴とする請求項1および2記載の図柄認識装置。
【請求項4】
前記図柄読取領域の第一の図柄は図柄の向きを検出する整合マークと漢字文字で構成される事を特徴とする請求項1および2記載の図柄認識装置。
【請求項5】
前記ペン型読取装置に表示装置と音声出力を備えた事を特徴とする請求項1および2記載の図柄認識装置。
【請求項6】
前記第一と第二および第三の図柄に構成される整合マークは図柄の左上に設置された正三角形である事を特徴とする請求項1および2記載の図柄認識装置。
【請求項7】
前記図柄読取領域の第一と第二および第三の図柄の大きさが縦横2mm角である事を特徴とする請求項1および2記載の図柄認識装置。
【請求項8】
前記図柄読取領域の第一と第二および第三の図柄の大きさが縦横1.6mm角である事を特徴とする請求項1および2記載の図柄認識装置。
【請求項9】
前記図柄読取領域が円で囲まれた事を特徴とする請求項1および2記載の図柄認識装置。
【請求項10】
前記図柄読取領域が四角形で囲まれた事を特徴とする請求項1および2記載の図柄認識装置。
【請求項11】
前記図柄読取領域が角丸長方形で囲まれた事を特徴とする請求項1および2記載の図柄認識装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate


【公開番号】特開2011−22947(P2011−22947A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−169610(P2009−169610)
【出願日】平成21年7月18日(2009.7.18)
【出願人】(502164004)株式会社エー・ティー・アイ (2)
【Fターム(参考)】