説明

固−液分離方法

【課題】フィルターによって分離されている高濃度ゾーン及び低濃度ゾーンによって画定された濾過ゾーン内で液体から固体を分離する方法を提供する。
【解決手段】液体及び固体を含むスラリー供給物を、スラリー供給物中の少なくとも1種の固体の融点よりも低温に維持される高濃度ゾーンに送る工程、置換流体をスラリー供給物中の少なくとも1種の固体の融点よりも低温に維持される高濃度ゾーンに送る工程、液体の少なくとも一部をフィルター23を通して濾液ゾーンに送り、濾液を生じさせる工程、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スラリー供給物中の固体から液体を分離する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
固−液分離プロセスは、限定されるものではないが、化学産業、医薬品産業、水処理産業および廃棄物処理産業を含む種々の産業で重要である。このような固−液分離プロセスは、多様であり、限定されるものではないが、真空濾過又は加圧濾過、遠心分離、沈殿および浄化を含む。多くの化学プロセスにおいて、これらの固−液分離プロセスは、特定の化学中間体の製造に重要な役割を果たすことが多い。たとえば、テレフタル酸の製造用のパラキシレンの精製は、約99.7%のパラキシレン純度レベルを達成するために遠心分離を歴史的に必要としてきた。
【0003】
パラキシレンの精製は、典型的には、エチルベンゼンおよびオルソキシレン、メタキシレンおよびパラキシレンなどのキシレン異性体類の混合物を典型的に含むC8芳香族炭化水素供給物で開始される。これらのキシレン異性体類を分離するためのプロセスは、低温結晶化、分留および吸着を含む。
【0004】
結晶化は、C8芳香族供給流からパラキシレンを分離するために好ましいことが多い。なぜなら、キシレン異性体類は望ましくないことに同様の沸点を有するが、劇的に異なる融点を有するからである。純粋なパラキシレンは56゜F(13.3℃)で凍結し、純粋なメタキシレンは-54゜F(-47.8℃)で凍結し、純粋なオルソキシレンは-13゜F(-25.0℃)で凍結し、純粋なエチルベンゼンは-139゜F(-95.0℃)で凍結する。
【0005】
結晶化によるキシレン異性体類の混合物からのパラキシレンの回収および精製は、典型的には2種の二成分共晶の一方もしくは他方、パラキシレン/メタキシレン二成分共晶もしくはパラキシレン/オルソキシレン二成分共晶の形成により制限される。混合物の温度が低下すると母液組成が二成分共晶組成の一方に近づくであろうから、混合物の出発組成に応じて、パラキシレンは混合物から晶析するであろう。温度が二成分共晶温度のいずれかよりも低下すると、パラキシレンが枯渇している第2の固相が混合物から晶析するであろう。第2の固相の形成は、一般に望ましくないと考えられており、結晶化プロセスは典型的には最も暖かい二成分共晶温度よりも暖かい温度で行われる。これはプロセスの回収率を制限するが、結晶化を用いる慣用のパラキシレン分離プロセスは、実質的に純粋なパラキシレン生成物を製造する。
【0006】
例えば、米国特許3,177,265号明細書(本明細書に援用される)は、パラキシレンを精製する慣用の間接冷却結晶化プロセスを説明する。このプロセスにおいて、約20%のパラキシレンと残りの成分であるオルソキシレン、メタキシレンおよびエチルベンゼンとを含む C8芳香族供給流は、一連の結晶化ステージにおいて結晶化されて、混合キシレンスラリーを形成する。このとき、スラリーを結晶ケーキおよび液体濾液に分離するために費用のかかる遠心分離工程を利用する。このパラキシレン精製プロセスは、98%を越える純度のパラキシレン生成物を製造する。
【0007】
このようなプロセスは、98%を越える純度レベルのパラキシレン生成物を製造するが、遠心分離を用いることは、遠心分離の高速回転部品特有の高額な設備投資及び高額な保守費用ゆえに、精製プロセスに多額の費用を追加発生させることになる。結果として、実質的に純粋なパラキシレン製造の経済性を改良するために、従来の努力は、遠心分離の代替となる技術を開発することに向けられてきた。
【0008】
このような成果は、懸濁液を濃縮する装置及びプロセスを開示する米国特許4,734,102号明細書および4,735,781号明細書(Thijssen)に見られる。水圧洗浄塔と呼ばれるThijssen装置は、一定の外径の1以上のチューブが各チューブの壁内で軸方向に延在し、チューブ内部と中空円筒内部との間のただ一つの直接連結部を形成するように取り付けられている少なくとも1種のフィルターを具備する中空円筒に関する。
【0009】
Thijssenプロセスは、懸濁液を水圧洗浄塔の第1の端部に送り、懸濁液に対して向流で洗浄液体を水圧洗浄塔の第2の端部に送ることによって、液体から固体を分離して、中空円筒内に床を形成する。懸濁液からの濾液(母液)は、フィルターチューブのフィルターを通ってチューブ内部に逃げ、濃縮された懸濁液は、水圧洗浄塔の第2の端部から抜き出される。液体は、第2の端部にて導入されて、濃縮された懸濁液を再スラリー化する。この液体もまた洗浄液体として作用する。プロセスが、溶融結晶化プロセスから誘導される懸濁液を分離するために用いられる場合には、洗浄液体は懸濁液からの溶融結晶生成物を含む。
【0010】
Thijssen特許は、固−液分離の代替方法及び装置を教示するが、溶融結晶化プロセスから誘導されるスラリー中の結晶の融点よりも遙かに低い温度ではThijssenプロセスは固体から液体を効果的に分離することができない。なぜなら、プロセス中に利用される洗浄液体が洗浄中に水圧洗浄塔内で凍結するからである。温度が低くなればなるほど、凍結する洗浄液体は固体間の空隙フラクションの大部分を満たすようになり、こうして洗浄液体を塔内に送るために必要な圧力がますます高くなる。ついには、十分に低い温度に達し、凍結する洗浄液体が本質的に装置の栓となり、Thijssen装置及びプロセスの故障および緊急遮断を引き起こすであろう。
さらに、Thijssenプロセスにおける溶融固体洗浄液体の使用は、濾液を液体で汚染することになり、この液体は濾液から容易に分離できず、濾液中への固体生成物の実質的損失となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許3,177,265号明細書
【特許文献2】米国特許4,734,102号明細書
【特許文献3】米国特許4,735,781号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
したがって、(1)例えば分離プロセス中に濾液への固体の不必要な損失なしに結晶化プロセスから誘導されたスラリー中固体から液体を分離する;(2)多量のエネルギー及び/又は費用の負担なしに、分離された濾液及び/又は生成物ケーキを更に処理するために送る;および(3)慣用のユニット運転と協働的且つ連動的に運転する、固−液分離用の代替方法及び装置に対するニーズがある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
気体などの置換流体を洗浄液体の代わりに供給すると、追加の冷凍費用がわずかであるか全く不要で更に処理することができる十分な固体含有量を有する比較的乾燥していて純粋な生成物が製造されることがわかった。
【0014】
さらに、本明細書に記載されているように、結晶化プロセスから誘導されるスラリー中の結晶の融点よりも遙かに低い温度で濾過塔内で固体から液体を分離すると、分離プロセス中に1以上のフィルターを通して液体濾液中へ結晶が多量に損失せずに連続態様で運転することができることもわかった。
【0015】
さらに、結晶の固体充填床を通して置換流体の大部分を1以上のフィルターまで通過させると、許容できる純粋な固体生成物が得られることもわかった。
したがって、本発明は、フィルターによって分離されている高濃度ゾーンおよび低濃度ゾーンを画定する濾過ゾーン内で液体から固体を分離する方法に関する。本方法は、液体および固体を含むスラリー供給物を高濃度ゾーンに送る工程、置換流体を高濃度ゾーンに送る工程、および液体の少なくとも一部をフィルターに通して低濃度ゾーンまで通過させ、濾液を生じさせる工程を含む。
【0016】
別の実施形態において、本発明は、フィルターによって分離されている高圧ゾーンおよび低圧ゾーンによって画定された濾過ゾーン内での固体から液体の分離中に固相を維持する方法に関する。本方法は、高圧ゾーン内で液体および固体を含むスラリー供給物に圧力を付与する工程、高圧ゾーン内でスラリー供給物に逆の圧力(抵抗圧力)を付与する工程、フィルターに固体の少なくとも一部を堆積させる工程、固体充填床を高圧ゾーン内に形成する工程、及びスラリー供給物中の少なくとも1種の固体の融点よりも低い温度に高圧ゾーンを維持する工程を含む。
【0017】
また別の実施形態において、本発明は、フィルターによって分離されている高圧ゾーンおよび低圧ゾーンによって画定された濾過ゾーン内で液体から固体を分離する方法に関する。本方法は、液体および固体を含むスラリー供給物を高圧ゾーンに送る工程、スラリー供給物に対して向流で流体を高圧ゾーンに送る工程、固体の少なくとも一部をフィルターに近接した位置に埋め込む工程、固体充填床を高圧ゾーン内に形成する工程および流体の少なくとも一部をフィルターを通して低圧ゾーンに送る工程を含む。
【0018】
本発明は、濾過塔内での洗浄液体の凍結に関連するリスク及び付随する不利益なく及び固−液分離プロセスの不成功を引き起こすことなく、比較的低温で、スラリー供給物流からの結晶化された生成物の効率的な分離を提供する。
【0019】
本発明は、さらに、スラリー供給物に対して向流で送られる置換流体の流量または置換流体の温度を単に変更することによって、スラリー供給物から分離された固体生成物の純度を変更する可能性を提供する。
【0020】
本発明は、さらに、スクリーンボウルや押出排出型遠心ろ過機などの固−液分離プロセスユニットに必要な可動部品の数を減少させることによって、設備投資及びルーチン保守費用を大幅に削減する。
【0021】
本発明はさらに、実質的に等温条件下で結晶化生成物の固−液分離を可能とすることによって、冷凍費用を大幅に節約する。
本発明はさらに、慣用の固−液分離プロセス及び装置に頻繁に見られる濾液流中への多量の固体損失を減少させることによって費用を大幅に削減する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】図1は、本発明の濾過塔及び濾過プロセスの一実施形態を示す。
【図2a−d】図2a-dは、本発明の濾過塔及び濾過プロセスの始動手順の一実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
より詳細には、本発明に適するスラリー供給物は、懸濁固体および液体の任意の混合物であってよい。このようなスラリー供給物は、軽質スラリー、中質スラリーおよび重質スラリーであってよい。軽質スラリーは、典型的には、固体を担持するものではなく、典型的には沈降しないスラリーである。軽質スラリーは、約200ミクロン未満の固体寸法、約1.05未満の比重を有し、約5wt%未満の固体を含むものでよい。中質スラリーは、沈降もしくは非沈降スラリーであってよい。中質スラリーは、約200ミクロン〜約6.4mmの固体寸法、約1.05〜約1.15の比重を有し、約5〜約20wt%の固体を含むものでよい。重質スラリーは、典型的にはある位置から別の位置まで物質を移動するように設計されているスラリーであり、沈降もしくは非沈降スラリーでよい。重質スラリーは、約6.4mmを越える固体寸法、約1.15を越える比重を有し、少なくとも約20wt%の固体を含むものでよい。
【0024】
好ましい実施形態において、スラリー供給物は、少なくとも約0.5wt%の固体を含む。スラリー供給物は少なくとも約10wt%の固体を含むことが好ましく、より好ましくは少なくとも約15wt%の固体を含む。スラリー供給物は、約65wt%未満の固体、より好ましくは約60wt%未満の固体、さらにより好ましくは約55wt%未満の固体を含むことも好ましい。スラリー供給物は、約0.5〜約65wt%の固体、より好ましくは約10〜約60wt%の固体、最良の結果のためにはより好ましくは約15〜約55wt%の固体を含むことも好ましい。
好ましい実施形態において、スラリー供給物は結晶化プロセスからの生成物である。このような生成物としては、限定されるものではないが、パラキシレンの結晶化からの生成物、タンパク質、水、アクリル酸及びメタクリル酸を挙げることができる。
【0025】
好ましい実施形態において、スラリー供給物は、少なくとも約5wt%の結晶化されたパラキシレン、より好ましくは少なくとも約10wt%の結晶化されたパラキシレン、より好ましくは少なくとも約15wt%の結晶化されたパラキシレンを含む。スラリー供給物は、約65wt%未満の結晶化されたパラキシレン、より好ましくは約60wt%未満の結晶化されたパラキシレン、さらにより好ましくは約55wt%未満の結晶化されたパラキシレンを含むことも好ましい。スラリー供給物は、約5〜約65wt%の結晶化されたパラキシレン、より好ましくは約10〜約60wt%の結晶化されたパラキシレン、最良の結果のためにはより好ましくは約15〜約65wt%の結晶化されたパラキシレンを含むことも好ましい。
【0026】
本発明に適する置換流体は、本明細書に記載されているように、スラリー供給物から液体を置換可能な気体もしくは液体でよい。好ましい実施形態において、気体は、窒素または二酸化炭素などの不活性気体である。別の好ましい実施形態において、気体は空気である。また別の好ましい実施形態において、気体は水素であってもよい。適切な置換流体は、スラリー供給物中の1以上の固体に不溶性の液体であってもよい。好ましい実施形態において、置換流体は、スラリー供給物の1以上の液体に不溶性であってもよく、濾液からの置換流体の比較的容易な連続分離を可能とする。
【0027】
置換流体は、特定のスラリー供給物中固体から液体を分離するために適切な任意の温度でよい。しかし、好ましい実施形態において、置換流体は、スラリー供給物の温度よりも低い温度である。より低い温度の置換流体は、液体の少なくとも一部をさらに結晶化し又はスラリー供給物中に結晶形態を維持して、高い固体回収率を与えるために利用し得る。別の実施形態において、置換流体は、スラリー供給物の温度よりも高い温度である。より高温の置換流体は、固体充填床からの残留液体の除去を促進して、より純粋な濃縮生成物を与えるために利用し得る。また別の実施形態において、固−液分離プロセスを等温で行うために、置換流体の温度はスラリー供給物の温度とおよそ同じである。置換流体が気体であり、気体の量がスラリー中の固体の量に比べて少量である別の実施形態において、気体によって装置に導入されるエネルギーの量がわずかであり、広範囲の気体温度にわたりユニットが本質的に等温条件で運転されるので、置換流体の温度は比較的重要ではない。
【0028】
本発明に適する濾過塔は、フィルターによって分離されている高濃度ゾーン及び低濃度ゾーンによって画定された濾過ゾーンを含む。高濃度ゾーンの固体のwt%は、低濃度ゾーンよりも高い。この濃度差は、濾過ゾーン内のフィルターを横断する濃度傾斜を実証するに適する任意の手段によって測定することができる。例えば、高濃度ゾーン内の固体の濃度は、高濃度ゾーンに送られるスラリー供給物中の固体のwt%を測定することによって決定することができ、低濃度ゾーン内の固体の濃度は、濾過塔から抜き出される濾液中の固体のwt%を測定することによって決定することができる。
【0029】
あるいは、濾過ゾーンは、フィルターによって分離されている高圧ゾーン及び低圧ゾーンによって画定されてもよい。高圧ゾーンは低圧ゾーンよりも高圧である。この圧力差は、濾過ゾーン内のフィルターを横断する圧力傾斜を実証するに適する任意の手段によって測定することができる。例えば、高圧ゾーンの圧力は、高圧ゾーンに送られるスラリー供給物の圧力を測定することによって決定することができ、低圧ゾーンの圧力は、濾過塔から抜き出される濾液の圧力を測定することによって決定することができる。加えて、流体は高圧の領域から低圧の領域に流れる。したがって、フィルターを通しての流体フローは、フィルターを横断する高圧ゾーンと低圧ゾーンとの間の差圧を示す。
【0030】
図1を参照すると、好ましい濾過塔10は、閉鎖端部13及び開放端部15を有する中空円筒11と、中空円筒11内で軸方向に延在する少なくとも1のフィルターチューブ17とを具備する。少なくとも1のフィルターチューブ17は、頂部19と底部21とを有し、少なくとも1のフィルターチューブ17の底部21は中空円筒11の閉鎖端部13を貫通して延在し、底部21は末端に開口を有する。少なくとも1のフィルターチューブ17は、少なくとも1のフィルターチューブ17に一体に取り付けられている少なくとも1のフィルター23を具備する。フィルター23は、フィルターチューブ17の内部と中空円筒11の内部との間の流体フローのための直接連結を形成する。この好ましい実施形態において、フィルターチューブ17を取り巻く中空円筒内部は、高濃度ゾーンまたは高圧ゾーンを画定し、フィルターチューブ17内部は低濃度ゾーンまたは低圧ゾーンを画定する。
【0031】
濾過塔10は、少なくとも1のチャンバー25をさらに具備し、このチャンバー25を通して中空円筒11の開放端部15が露出される。中空円筒10の閉鎖端部13に、スラリー供給物を中空円筒11に送るための少なくとも1のスラリー供給物入口27があることが好ましい。濾過塔10は、置換流体を好ましくはチャンバー25及び/又は中空円筒11に送るための少なくとも1の置換流体流入ライン29をさらに具備していてもよい。濾過塔10は、チャンバー25から濃縮固体を抜き出すためのチャンバー25に面する開口を有する少なくとも1の生成物シュート(落とし樋)33を具備していてもよい。濾過塔10は、生成物落とし樋33内に留まっている充填濃縮固体などの障害物を生成物落とし樋33から洗浄するためのフラッシュ供給物を生成物落とし樋33に送るための少なくとも1のフラッシュライン31をさらに具備していてもよい。濾過塔10は、中空円筒11を出る濃縮生成物を遮断して、生成物落とし樋33に送るための1セットの回転可能なブレード(図示せず)をさらに具備していてもよい。
【0032】
本発明に適するフラッシュ供給物は、障害物を生成物落とし樋から洗浄することができる任意の気体もしくは液体でよい。好ましい実施形態において、フラッシュ供給物は、限定されるものではないが、窒素または二酸化炭素などの不活性気体を含み得る。別の好ましい実施形態において、フラッシュ供給物は、空気または水素を含む。また別の好ましい実施形態において、フラッシュ供給物は、本発明にしたがって又は例えば遠心分離などの慣用の固体分離装置からの固−液分離プロセス中に生じる濾液の少なくとも一部を含み得る。混合キシレン類のスラリーからパラキシレン結晶を分離する場合には、フラッシュ供給物はパラキシレンを含み得る。
【0033】
本明細書に記載されているように、固−液分離プロセスの実施中、液体から固体を分離して濾過塔から固体を搬出するために十分な圧力で、スラリー供給物は濾過塔に注入される。液体からの固体の分離を促進して、置換流体の少なくとも一部をフィルターを通してフィルターチューブの内部に通過させるに十分な逆の圧力で、置換流体は濾過塔に注入される。濾過塔内では、一般にスラリー供給物入口に最高圧力が付与され、一般に濾過塔の1以上のフィルターチューブの内部の1以上のフィルターに最低圧力が付与され、生成物落とし樋での圧力は中間レベルである。高圧から低圧に向かって流体は流れるから、このことは濾過塔内の流体をフィルターに向かって移動させる。固体粒子が液体中に懸濁されている場合、固体粒子は、近くの液体と同じ方向に移動する。流体がフィルターを通過する際に、液体と一緒に移動する固体粒子は、濾過塔の中空円筒内のフィルターにて、フィルター周囲で又は実質的にフィルターに近接した位置で堆積するようになるか又は濃密相もしくは固体充填床を形成する。本発明の目的に対して、濃密相は、中空円筒内に、スラリー供給物よりも高濃度の固体粒子を有する固体粒子濃縮領域(又は高圧ゾーンもしくは高濃度ゾーン)を画定する。濃密相は、固体粒子が濾過塔内で本質的に固体本体として移動するような濃度である固体充填床を画定してもよい。
【0034】
固体粒子が固体充填床として堆積する場合、フィルターに向かって流れる流体フローの方向とは反対で固体充填床と同じ方向に、固体粒子は一般に移動する。それにもかかわらず、いくつかの粒子は、フィルター内の開口を通して通過する際に流出する液体によって固体充填床から外れて運ばれてもよい。それでもなお、濾過塔内での固体充填床の位置は定常状態で実質的に一定のままであってもよいが、固体充填床は本質的に固体本体として移動する。
【0035】
床が移動する方向又は床が全く移動しないかは、床に作用するすべての力の総和により一般に決定される。床に付与された1の力は、フィルターへの経路上にある床を通して流れるスラリー供給物中の液体からのものである。抵抗力は、塔の反対側の端部からフィルターまで流れる流体及び置換流体から床に付与される。本発明の目的のために、置換流体が液体であるならば置換流体は動水力を与え、置換流体が気体であるならば空気力を与える。したがって、固体充填床は、両方の端部からの力によって押される。スラリー供給物中の液体により付与された力がすべての抵抗力の総和よりも大きい場合には、床は所望の方向に移動するであろう。さらに、抵抗力は、固体充填床に付与された固体充填床の移動を妨げる摩擦力及び重力を含むこともある。
【0036】
再び、図1を参照すれば、好ましい実施形態において、スラリー供給物は、スラリー供給物入口27を介して濾過塔10の中空円筒11の閉鎖端部13に注入される。スラリー供給物は、中空円筒11を貫通して、中空円筒11の開放端部15に向かって流れる。置換流体は、置換流体入口29を介してチャンバー25内に送られる。置換流体は、中空円筒11内でスラリー供給物の流れに対して向流で流れる。スラリー供給物が1以上のフィルター23に沿って流れる際に、スラリー供給物中の母液は少なくとも1のフィルター23を通って1以上のフィルターチューブ17の内部に通過し、少なくとも1のフィルターチューブ17の底部21を介して濾過塔10を出る濾液を生じさせる。母液と並行して、置換流体は、少なくとも1のフィルター23を通って1以上のフィルターチューブ17の内部に通過し、少なくとも1のフィルターチューブ17の底部21を介して濾過塔10を出る。
【0037】
濾過塔を出る濾液は、基本的に母液を含むが、スラリー供給物からの固体を少量含んでいてもよい。濾液中に存在する固体の量は、限定されるものではないが、濾過塔内で用いられるフィルターのタイプ、フィルター内の開口の寸法及び濾過塔に注入されるスラリー供給物のタイプを含む因子によって影響され得る。しかし、濾液は、約20wt%以下の固体、より好ましくは約10wt%以下の固体、さらにより好ましくは約5wt%以下の固体、最良の結果のためには最も好ましくは約1wt%以下の固体を含むことが好ましい。濾液の残量は母液である。スラリー供給物から結晶化されたパラキシレンを分離する場合、濾液はオルソキシレン、メタキシレン、エチルベンゼン及び/又はパラキシレンを含み得る。
【0038】
母液がフィルター23を通過する際、中空円筒11内の濃密相が一般に形成する。好ましくは、濃密相は、濾過塔10の中空円筒11内で1以上のフィルターチューブ17の外側に固体充填床を含む。固体充填床が一旦形成されると、固体充填床は中空円筒11の開放端部15に向かって移動し、ここで好ましくは1以上の生成物落とし樋33を介して濃縮生成物として濾過塔から除去される。好ましい実施形態において、固体充填床が中空円筒11の開放端部15を出る際に、固体充填床は1以上の可動ブレード(図示せず)によって切断され、1以上の生成物落とし樋33に向かって押し出されてもよい。
【0039】
1以上の生成物落とし樋33を出る濃縮生成物は、基本的にスラリー供給物からの固体を含むが、少量の母液及び置換流体を含んでいてもよい。濃縮生成物中に存在する母液(残留液体)の量は、限定されるものではないが、スラリー供給物中の固体のタイプ及び寸法、フィルター内の孔の寸法、濾過塔に注入されるスラリー供給物の流量および置換流体のタイプ及び流量を含む因子によって影響され得る。しかし、濃縮された固体生成物は、約40wt%未満の母液、好ましくは約35wt%未満の母液、より好ましくは約30wt%未満の母液、さらにより好ましくは約25wt%未満の母液、またさらにより好ましくは約20wt%未満の母液、さらにより好ましくは約15wt%未満の母液、またさらにより好ましくは約10wt%未満の母液及び最良の結果のために最も好ましくは約5wt%未満の母液を含むことが好ましい。
【0040】
好ましい実施形態において、本発明は、スラリー中の少なくとも1種の固体の融点よりも低温に高圧ゾーンを維持することによって、固−液分離プロセスの間ずっと固相を維持することに関する。本発明の目的のために、高圧ゾーンの温度は、濾過塔から除去される濃縮生成物の温度を決定することによって、又は高圧ゾーン内の戦略的な位置に温度指標計を位置づけることによって、決定することができる。
【0041】
さて、図2a-dを参照すれば、好ましい実施形態において、濾過塔10の中空円筒11内に初期固体充填床を形成する態様で、固−液分離プロセスの始動が好ましく行われる。この実施形態において、図2aに示すように、1以上のスラリー供給物入口を通って、スラリー供給物は最初に中空円筒11の閉鎖端部13に入り、置換流体は最初に中空円筒の開放端部15に入る。置換流体は、置換流体の少なくとも一部をフィルターを通して低圧ゾーンまで通過させるに十分な圧力で、最初に中空円筒11に入る。スラリー供給物は、中空円筒11の開放端部に向かって移動し、少なくとも1のフィルター23と交差する。スラリーの母液の少なくとも一部は、少なくとも1のフィルター23を通過して、濾過塔の閉鎖端部を貫通して延在するフィルターチューブ17の底部21を通って濾過塔を出る濾液を形成する。置換流体の抵抗圧力は、好ましくはスラリー供給物が中空円筒11の開放端部15に向かう途中でフィルター23と完全に交差しないようにする。さて、図2bを参照すれば、スラリー供給物の母液はフィルター23を通過する際に、固体は中空円筒11内に濃密相35を形成し始める。濃密相の固体濃度が増加するにつれ、図2cに示すように、固体充填床37が好ましくは中空円筒11内に形成され始める。一旦、固体充填床37が形成されると、スラリー供給物によって付与される圧力は、置換流体によって付与される圧力よりも一般に大きい。結果として、図2dに示すように、固体充填床37は、中空円筒11の開放端部15に向かって移動する。
【0042】
本発明は、濾過塔内で洗浄液体を凍結することに関連するリスク及び付随する不利益及び固−液分離プロセスの完全な失敗を引き起こさずに、比較的低い温度で、スラリー供給物流からの結晶化した生成物の効率的な分離を提供する。
【0043】
本発明は、さらに、スクリーンボウルや押出排出型遠心ろ過機などの固−液分離プロセスユニットに必要な可動部品の数を減少させることによって、設備投資およびルーチン保守費用を大幅に削減する。本発明による濾過塔は、わずかな可動部品を含むか又は可動部品を含まず、慣用の固−液分離ユニットに関連するルーチン保守費用を大幅に削減することができる。
【0044】
本発明は、さらに、実質的に等温条件下での結晶化生成物の固−液分離を可能とすることによって冷凍費用を大幅に節約する。スクリーンボウル遠心分離などの現行の固−液プロセスは、プロセス流に対する多量のエネルギーを追加するので、流出流の温度を上昇させる。例えば、パラキシレン結晶化プロセスにおいて、プロセスに添加されるこのエネルギーは、冷凍費用を増加させる。
【0045】
本発明はさらに、慣用の固−液分離プロセス及び装置において頻繁に見られる濾液流中の固体損失量を減少させることによって大幅に費用を削減する。
本発明はさらに、スラリー供給物に対して向流で送られる置換流体の流量を単に変化させることによって、スラリー供給物から分離された固体生成物の純度を変化させることができる。
【0046】
本発明を詳細に説明してきたが、以下の実施例によりさらに詳細に説明する。本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【実施例】
【0047】
実施例1は、実質的に本発明及び図1に従うパラキシレンの精製用のプロセスを説明する。本実施例は8時間の実験を含み、下記パラメータを測定もしくは測定値に基づいて計算した。(1)スラリー供給物中のパラキシレンwt%;(2)スラリー供給物の固体−液体含有率;(3)スラリー供給物の温度;(4)濾液中のパラキシレンwt%;(5)濾液の固体−液体含有率;(6)濾液の温度;(7)ケーキ(濃縮生成物)中パラキシレンwt%;(8)ケーキの固体−液体含有率;(9)ケーキの温度。
【0048】
スラリー供給物は、商業的な低温晶析装置からの混合キシレン類を含んでいた。濾過塔に入るスラリー供給物の圧力は、実験終了時に210psiaであった。スラリー供給物の供給速度は実験中、700Ib/hrに一定に保持した。供給物の温度は約-81゜F(-62.8℃)であった。
【0049】
置換流体は気体状窒素であった。窒素の供給速度は1.8Ib/hrであった。窒素の温度は実験中変動したが、平均して約0゜F(-17.8℃)であった。実験終了時に、濾過塔に入る窒素の圧力は65psiaであった。
【0050】
濾過塔は、長さ25インチであり、中空円筒(高圧ゾーン)は内径3.07インチ(7.80cm)であった。濾過塔は、外径1.00インチ(2.54cm)のフィルターチューブを内蔵していた。フィルターチューブは、316ステンレススチール製の6インチ(15.24cm)長さの穿孔シートで加工されたフィルタースクリーンを具備していた。フィルターの頂部からフィルターチューブの頂部までを計測して7インチの位置にフィルターを置いた。フィルターは、0.015インチ(0.038cm)の中心から中心までの距離でねじれ方向にある9mil直径の開口を具備していた。フィルターの開口の全面積は31%であった。実験中のフィルターチューブの内部の圧力は平均して14.7psiaであった。
【0051】
8時間実験中、5種のサンプルを取り出し、得られた結果をTABLEに示す。
【0052】
【表1】



【0053】
[実施例のまとめ]
表は、分離プロセス中、非常に少量の固体が濾液中に存在していたことを示す。濾液中に存在するパラキシレンの量は、フィルターを通して逃げる固体に由来する少量を伴うが、スラリー供給物中に存在している液体パラキシレンに基本的に由来するものであった。さらに、パラキシレンケーキは、さらに処理されるべきスラリー供給物の温度にほぼ近い温度で、十分な固体含有率を有していたので、冷凍費用を大幅に節約する。
【0054】
パラキシレン洗浄液体は、実施例で利用した処理条件下ではパラキシレンの精製にとって適切な置換流体ではないと考えられる。特に、パラキシレン洗浄液体の使用は濾過塔内で凍結し、フィルターの開口を詰まらせると考えられる。これは、基本的に実施例の精製プロセスの運転温度がパラキシレンの融点よりも遙かに低いことによるものである。詰まったフィルターは、フィルターの中空円筒内で迅速な上昇を生じさせ、過剰の圧力からの濾過塔損傷点よりも以前にプロセスを早めに遮断することになると考えられる。
【0055】
本発明の実施形態を示し記載してきたが、種々の変形例及び置換例並びに部品及び設備の再配置が本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて当業者によりなされ得ることは理解されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルターによって分離されている高濃度ゾーンおよび低濃度ゾーンを画定する濾過ゾーン内で液体から固体を分離する方法であって、
(a)液体および固体を含むスラリー供給物を高濃度ゾーンに送る工程;
(b)置換流体を高濃度ゾーンに送る工程;および
(c)液体の少なくとも一部をフィルターを通して低濃度ゾーンに取り出し、濾液を生じさせる工程を含み、
置換流体は液体の少なくとも一部をスラリー供給物から追い出すことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記置換流体は気体である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記置換流体は、高濃度ゾーン内でスラリー供給物の流れに対して向流で流れる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記置換流体は、高濃度ゾーン内でスラリー供給物の流れに対して向流で流れる、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記置換流体の少なくとも一部をフィルターを通して低濃度ゾーンまで通過させる工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記気体の少なくとも一部をフィルターを通して低濃度ゾーンまで通過させる工程をさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記スラリー供給物は、結晶化プロセスからの生成物を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記スラリー供給物は、結晶化プロセスからの生成物を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項9】
前記スラリー供給物は、パラキシレンを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記スラリー供給物は、パラキシレンを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記濾液は、オルソキシレン、メタキシレンおよびパラキシレンの少なくとも1種を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記濾液は、オルソキシレン、メタキシレンおよびパラキシレンの少なくとも1種を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項13】
前記高濃度ゾーン内に濃密相を形成する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記高濃度ゾーン内に濃密相を形成する工程をさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項15】
前記濃密相は固体充填床を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記濃密相は固体充填床を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
フィルターによって分離されている高圧ゾーンおよび低圧ゾーンを画定する濾過ゾーン内で固体から液体の分離中に固相を維持する方法であって、
(a)液体および固体を含むスラリー供給物を所定圧力で高圧ゾーンに送る工程;
(b)高圧ゾーン内で該スラリー供給物に反対の圧力(抵抗力)を付与する工程;
(c)高圧ゾーン内に濃密相を形成する工程;および
(d)該スラリー供給物の少なくとも1種の固体の融点よりも低温に高圧ゾーンを維持する工程
を含む方法。
【請求項18】
抵抗力(opposing force)は水圧を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
抵抗力(opposing force)は気圧を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
工程(d)における温度は、パラキシレンの融点に対応する、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
前記スラリー供給物は結晶化プロセスの生成物を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項22】
前記スラリー供給物はパラキシレンを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
フィルターによって分離されている高圧ゾーンおよび低圧ゾーンによって画定される濾過ゾーン内で液体から固体を分離する方法であって、
(a)液体および固体を含むスラリー供給物を該高圧ゾーンに送る工程;
(b)スラリー供給物に対して向流で置換流体を該高圧ゾーンに送る工程
(c)該高圧ゾーン内に濃密相を形成する工程;および
(d)該流体の少なくとも一部をフィルターを通して低圧ゾーンまで通過させる工程
を含む方法。
【請求項24】
前記置換流体の大部分がフィルターを通して低圧ゾーンまで通過する、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記置換流体の少なくとも一部が前記固体充填床の少なくとも一部を通してフィルターまで通過する、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
液体の少なくとも一部をフィルターを通して低圧ゾーンまで通過させて、濾液を形成する工程をさらに含む、請求項23に記載の方法。
【請求項27】
前記置換流体はスラリー供給物中の固体と不溶性である、請求項23に記載の方法。
【請求項28】
前記置換流体は濾液と実質的に不溶性である、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
前記置換流体は気体である、請求項23に記載の方法。
【請求項30】
前記高圧ゾーンはスラリー供給物中の少なくとも1種の固体の融点よりも低温に維持される、請求項23に記載の方法。
【請求項31】
前記高圧ゾーンはスラリー供給物中の少なくとも1種の固体の融点よりも低温に維持される、請求項29に記載の方法。
【請求項32】
フィルターによって分離されている高圧ゾーンおよび低圧ゾーンによって画定される濾過ゾーン内でパラキシレンを精製する方法であって、
(a)液体および所定温度で結晶化されたパラキシレンを含むスラリー供給物を該高圧ゾーンに送る工程;
(b)スラリー供給物に対して向流で、パラキシレンの融点よりも低温で、置換流体を該高圧ゾーンに送る工程;
(c)液体の少なくとも一部をフィルターを通して該低濃度ゾーンまで通過させ、濾液を生じさせる工程;
(d)結晶化されたパラキシレンの少なくとも一部を含む濃密相を該高圧ゾーン内に形成する工程;および
(e)結晶化されたパラキシレンの少なくとも一部を該高圧ゾーンから回収する工程
を含む方法。
【請求項33】
前記置換流体は気体である、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記濃密相は固体充填床を含む、請求項32に記載の方法。
【請求項35】
前記スラリー供給物は、-50゜F(-45.6℃)未満の温度で高圧ゾーンに送られる、請求項32に記載の方法。
【請求項36】
前記スラリー供給物は、-75゜F(-59.4℃)未満の温度で高圧ゾーンに送られる、請求項32に記載の方法。
【請求項37】
前記回収された結晶化されたパラキシレンは、-25゜F(-31.7℃)未満の温度である、請求項33に記載の方法。
【請求項38】
前記回収された結晶化されたパラキシレンは、-50゜F(-45.6℃)未満の温度である、請求項33に記載の方法。
【請求項39】
前記回収された結晶化されたパラキシレンは、-75゜F(-59.4℃)未満の温度である、請求項33に記載の方法。
【請求項40】
(a)中空円筒および該中空円筒内で軸方向に延在する少なくとも1のフィルターチューブを具備し、少なくとも1のチューブは、一体に取り付けられたフィルターを具備し、フィルターはチューブ内部と中空円筒内部との間の直接接続を形成する、濾過塔を準備する工程;
(b)スラリー供給物を該中空円筒に送る工程;および
(c)置換流体を該中空円筒に送る工程
を含む固−液分離方法。
【請求項41】
前記置換流体は気体である、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記置換流体の大部分をフィルターに通過させる工程をさらに含む、請求項40に記載の方法。
【請求項43】
前記気体の大部分をフィルターに通過させる工程をさらに含む、請求項41に記載の方法。
【請求項44】
前記スラリー供給物はパラキシレンを含む、請求項40に記載の方法。
【請求項45】
前記スラリー供給物はパラキシレンを含む、請求項41に記載の方法。
【請求項46】
濃密相を該中空円筒内に形成する工程をさらに含む、請求項44に記載の方法。
【請求項47】
濃密相を該中空円筒内に形成する工程をさらに含む、請求項45に記載の方法。
【請求項48】
前記濃密相は固体充填床を含む、請求項46に記載の方法。
【請求項49】
気体の少なくとも一部は、固体充填床の少なくとも一部を通して前記フィルターまで通過する、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
フィルターによって分離されている高圧ゾーンおよび低圧ゾーンを画定する濾過ゾーン内で液体から固体を分離する方法であって、
(a)大気圧よりも高い圧力で、スラリー供給物を該高圧ゾーンに送る工程;
(b)置換流体の少なくとも一部をフィルターを通して該低圧ゾーンまで通過させるに十分な圧力で、置換流体を該高圧ゾーンに送る工程;および
(c)該高圧ゾーン内に濃密相を形成する工程
を含み、
該固体充填床の形成後、該置換流体の圧力は、該スラリー供給物の圧力よりも低いことを特徴とする方法。
【請求項51】
前記置換流体は気体である、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記濃密相は固体充填床を含む、請求項51に記載の方法。

【図1】
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【図2a−d】
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【公開番号】特開2012−91171(P2012−91171A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−265946(P2011−265946)
【出願日】平成23年12月5日(2011.12.5)
【分割の表示】特願2006−526891(P2006−526891)の分割
【原出願日】平成16年8月4日(2004.8.4)
【出願人】(503259381)ビーピー・コーポレーション・ノース・アメリカ・インコーポレーテッド (84)
【Fターム(参考)】