説明

固体の分別方法、装置および分別物

【課題】効率的に被処理物をスクリーン上で飛散させ、飛散した被処理物層およびスクリーンを通して気流を通過させることができ、これに伴って原料の一部を通過させて効率よく分別を行うことができ、かつスクリーンの目詰まりを防止ができる固体の分別方法および装置別物を提案する。
【解決手段】篩部材1のスクリーン3上に原料を供給し、駆動装置35により一部の振動装置6を駆動して篩部材1の周辺部を空気圧により持ち上げて一定方向に傾斜させた状態で、上下方向に振動を加えて篩部材1を振動させ、スクリーン3上に原料を跳ね上げて飛散させ、飛散した被処理物層10およびスクリーン3に気流を通過させるとともに、被処理物の一部を通過させ、所定時間経過後駆動する振動装置6を切り換え、篩部材1を他の方向に傾斜させた状態で振動を行って、被分別物の分別を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、振動篩を用いる固体の分別装置、分別方法および分別物に関するものである。特に穀粒粉等のフスマのような粗大粒体を含む粉粒体を、粒度で分別するのに適した固体の分別装置、分別方法および分別物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、粉砕機で粉砕された穀粒粉等の粉粒体を、粒度で分別するための分別装置として、スクエアシフターや円筒形シフター等の振動篩が用いられている。最も一般的な電磁式や竪型振動モーター式のロータップ振動篩装置は、スクリーン(篩網)上の原料に機械的に上下振動を生じさせて微粉末を選択的に通過させる機構を有しており、廉価である。これに対して円形振動篩装置は、篩網上の原料を円形または往復運動で移動させるとともに、機械的に上下振動を生じさせて微粉末を選択的に通過させる機構を有している。また円筒形シフターは、円筒形に形成された篩網内で羽根付きシャフトを高速回転させて強制的に分別を行う機構を有している。
【0003】
このような従来の篩装置は、垂直運動、水平運動、揺動式円形運動、遊星回転運動等を利用して、スクリーン上の原料被処理物を堆積した状態で移動させ、スクリーンの間隙から微粉体を通過させて選別するようにされている。このときスクリーン上には、フスマのような粗大粒体、粗粒体、微粉末等の画分が混在して層状に堆積しており、スクリーン上を移動する際、スクリーンの間隙に出会った微粉末がスクリーンを通過して分別が行われるようになっているため、微粉末がスクリーンの間隙に出会う確率によって分別効率が決まり、分別効率は低く、大量の原料を処理できない。
【0004】
またこのような振動篩装置では、原料が層状に堆積した状態でスクリーンが振動するため、スクリーンの間隙部に原料がはまり込み、スクリーンの目詰まりにより分別効率が低下する。このため篩部材に超音波やハンマーによる連打により機械的な振動を加えて、篩網に付着した粒体を強制的に払い落とす機構、あるいは円筒形シフターにおいては、逆洗噴射を行って篩網に付着した粒体を強制的に払い落とす機構などを備え、定期的に閉塞物を除去する操作を行う必要がある。
【0005】
また小麦等の穀粒の粗大粒体画分であるフスマは、大部分が可食物のアリューロン層が種皮と結合した状態であるが、篩網上でフスマに衝撃を与えてアリューロン層と種皮を分別し、種皮部のみを系外に排出することは困難であり、可食物のアリューロン層が種皮に付着した状態で粗粒粉体画分として排出されてしまい、歩留まりが低下する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、効率的に被処理物をスクリーン上で飛散させ、飛散した被処理物層およびスクリーンを通して気流を通過させることができ、これに伴って原料の一部を通過させて効率よく分別を行うことができ、かつスクリーンの目詰まりを防止ができるとともに、アリューロン層の分別も容易な固体の分別方法、固体の分別装置、およびこれにより得られる分別物を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は次の固体の分別方法、固体の分別装置、および分別物である。
(1) 枠体にスクリーンが張設され、スクリーンの上部に通気孔を有する蓋を備えた篩部材と、
スクリーン上に原料の被処理物を供給する原料供給部と、
篩部材の周辺部を持ち上げて、篩部材を傾斜させた状態で、流体圧により上下方向に振動を加えて篩部材を振動させ、スクリーン上の被処理物を跳ね上げて飛散させるように配置された複数の振動装置と、
一部の振動装置を駆動し、篩部材を一定方向に傾斜させた状態で振動を行い、所定時間経過後駆動する振動装置を切り換えて、篩部材を他の方向に傾斜させた状態で振動を行う駆動装置と、
飛散した被処理物層およびスクリーンを通して気流を通過させる気流形成手段と、
スクリーンを通過した分別物を取り出す分別物取出部と、
スクリーン上に残留する残留物を取り出す残留物取出部と
を含む固体の分別装置。
(2) 篩部材は、複数のスクリーンが並列または積層状態で枠体に張設されたものである上記(1)記載の装置。
(3) 振動装置は、篩部材に上下方向および水平方向の振動を加えるものである上記(1)または(2)記載の装置。
(4) 振動装置は空気圧シリンダーである上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の装置。
(5) スクリーンの下側に分別物と気体を分離する固気分離装置を有する上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の装置。
(6) 残留物取出部は、特定の振動装置の反対側に設けられた上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の装置。
(7) 残留物取出部と他の部位の振動装置に対応する部位を結ぶように、可動式のビータがスクリーン上に設けられた上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の装置。
(8) 駆動装置は、センサーで振動状態を計測し、供給する原料が変化しても比較演算により振動装置の加振力を変化させて、加振力が最大となる状態に設定するように構成されている上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の装置。
(9) 駆動装置は、篩部材に上下方向および水平方向の振動を加えるように振動装置の振動を加える方向を制御するものである上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の装置。
(10) 篩部材に張設されたスクリーン上に原料の被処理物を供給し、
篩部材の周辺部に配置された複数の振動装置のうち、一部の振動装置を駆動装置により駆動して、
篩部材の周辺部の特定部分を持ち上げ、篩部材を一定方向に傾斜させた状態で、流体圧により上下方向に振動を加えて篩部材を振動させ、スクリーン上に原料を跳ね上げて飛散させ、
飛散した被処理物層およびスクリーンに気流を通過させるとともに、被処理物の一部を通過させ、
所定時間経過後駆動装置により、駆動する振動装置を切り換え、篩部材を他の方向に傾斜させた状態で振動を行って、被分別物の分別を行い、
スクリーンを通過した分別物を分別物取出部から取り出し、
スクリーン上に残留する残留物を残留物取出部から取り出す
固体の分別方法。
(11) 開度の異なる複数のスクリーンが並列または積層状態で枠体に張設された篩部材を用いて分別する上記(10)記載の方法。
(12) 振動装置は、篩部材に上下方向および水平方向の振動を加えるようにされている上記(10)または(11)記載の方法。
(13) スクリーンの下側で固気分離装置により、分別物と気体を分離する上記(10)ないし(12)のいずれかに記載の方法。
(14) センサーで振動状態を計測し、供給する原料が変化しても、比較演算により駆動装置で振動装置の加振力を変化させて、加振力が最大となる状態で振動させて分別する上記(10)ないし(13)のいずれかに記載の方法。
(15) 駆動装置は篩部材に上下方向および水平方向の振動を加えるように、駆動装置により振動装置の振動を加える方向を制御する上記(10)ないし(14)のいずれかに記載の方法。
(16) 上記(10)ないし(15)のいずれかに記載の方法で得られた分別物。
【0008】
本発明において、分別の対象となる被処理物は、粒度で分別する固体であり、粒径が異なる粒子が混在する粉粒体、特に穀粒粉等のフスマのような粗大粒体を含む粉粒体のように、固体同士を分別の対象とする固体の混合物が分別の対象として適しているが、分別の対象として液体や気体を含んでいてもよい。
【0009】
本発明で用いる分別装置は、構造的には従来の振動篩と似ているが、従来の振動篩がスクリーン上に堆積した被処理物の固体層に振動を与えて移動させ、スクリーンの間隙に出会った微粉末がスクリーンを通過して分別が行われるようにした、固体層における分別であるのに対し、本発明の分別装置は、スクリーン上の被処理物を跳ね上げて飛散させ、飛散した被処理物層およびスクリーンに気流を通過させるとともに、被処理物の一部(微粒子)を通過させて分別が行われるようにした、固体飛散層における分別である点で相違する。
【0010】
本発明において用いる篩部材は、枠体にスクリーンが張設され、スクリーンの上部に通気孔を有する蓋を備えたものである。スクリーンは、網、格子、平行棒、織物、不織布等の微粒子通過間隙を有するシート状部材である。このようなスクリーンは、従来より篩網として用いられているものが使用できる。スクリーンの微粒子通過間隙(目開き)は、分別しようとする粒度に対応して選択することができる。スクリーンは単一のものが枠体に張設されていてもよいが、複数のスクリーンが並列または積層状態で枠体に張設されたものでもよい。複数のスクリーンを用いる場合、同じ目開きのものを用いてもよく、また異なる目開きのものを用いてもよい。
【0011】
同じ目開きのスクリーンを同一面に並列的に用いると、篩部材の強度を大きくして処理量を多くすることができる。また異なる目開きのスクリーンを異なる面に積層状態で設ける場合、あるいは同一面に並列的に用いる場合でも、別々に分別物取出部を設ける場合は、異なる粒度の分別物ごとに分別することができる。枠体にスクリーンを張設する場合、1個の枠体に1個または複数個のスクリーンを張設して篩部材としてもよく、また1個のスクリーンを張設した枠体を複数個積層して篩部材としてもよい。
【0012】
篩部材は、スクリーンの上部に通気孔を有する蓋を備えたものである。蓋はスクリーンを張設した枠体の上部を、全面にわたって覆うように設けるのが好ましい。通気孔は、スクリーンの上部に飛散した被処理物層およびスクリーンを気流が通過できるように設けられるもので、蓋の中央部に設けるのが好ましいが、他の場所でもよい。原料供給部は、この通気孔を通して、スクリーン上に原料の被処理物を供給するように設けるのが好ましい。原料供給部を通気孔に連絡する場合、原料供給部のホッパー等が通気孔を完全に塞がないように、開口部を残し、スクリーンおよび被処理物の振動による衝撃波を逃がす構造にするのが好ましいが、ホッパー等が振動による衝撃波を逃がす程度の空隙部を有するようにしてもよい。篩部材は、平面形状が四辺形に形成するのが好ましいが、円形、その他の形状に形成してもよい。
【0013】
振動装置は、篩部材の周辺部を持ち上げて、篩部材を傾斜させた状態で、持ち上げた篩部材の周辺部を流体圧により上下方向に振動を加えて篩部材を振動させ、スクリーン上の被処理物を跳ね上げて飛散させるように構成される。ここで上下方向とは、垂直方向または垂直方向の分力を含む方向である。特に篩部材に上下方向および水平方向の両方向に振動を加えるもの、あるいは上下方向および水平方向の合力の方向として傾斜方向の振動を加えるものが好ましい。このような振動装置としては、空気圧により振動を加える空気圧シリンダーが好ましいが、油圧シリンダーその他の流体圧振動装置でもよい。空気圧シリンダー等の流体圧シリンダーは、ピストンが上下方向に前進、後退するように配置され、ピストンが前進した状態で、短時間に前進、後退を繰り返して振動を付与するように、空気圧等の流体圧をシリンダーの前進側または後退側に付加するように構成される。篩部材に上下方向および水平方向の両方向に振動を加えるもの、あるいは上下方向および水平方向の合力の方向として傾斜方向の振動を加えるもの流体圧シリンダーとして、ピストンにカムを形成して篩部材の周辺部を支持するように構成することができる。
【0014】
振動装置の駆動条件は被処理物の種類、粒度、密度、その他の条件により異なるが、一般的には穀類を粉砕した粉流体の場合、振動装置により篩部材を持ち上げて、篩部材を傾斜させる傾斜角は1〜15°、好ましくは1〜6°、振動の振幅は5〜150mm、好ましくは5〜50mm、振動数は5〜100Hz、好ましくは5〜30Hz、スクリーンの水平方向の振幅は1〜80mm、好ましくは2〜30mm、空気圧等の流体圧シリンダーの場合の流体圧付加時間(パルス幅)は0.01〜1秒、好ましくは0.02〜0.5秒とすることができる。篩部材を振動させる加振力は、篩部材および被処理物に振動時の加速度を付与する力であり、篩部材に加えられる作用力と、その力の作用する距離または時間の積により求められる。流体圧シリンダーの場合、圧力差による作用力の差は大きくないので、作用力の距離としてのピストンのストローク(振動の振幅)、すなわち振動付与時のピストンの前進または後退のための流体圧付加時間(パルス幅)によって加振力を決めることができる。振動の振幅すなわち振動付与時の加振力は、流体圧付加時間すなわちパルス幅によって制御することができる。振動装置は、篩部材の周辺部に複数個配置され、篩部材の平面形状が四辺形の場合は、各辺の中央部に設けるのが好ましい。
【0015】
駆動装置は、一部の振動装置を駆動して、篩部材を一定方向に傾斜させた状態で振動を行い、所定時間経過後駆動する振動装置を切り換えて他に方向に傾斜させた状態で振動を行うように構成される。この場合、1個の振動装置を駆動して、篩部材の一辺を持ち上げて振動を加え、振動装置の切換により持ち上げる辺を順次切り換えるように構成するのが好ましいが、二辺を同時に持ち上げるようにしてもよい。駆動装置は、センサーで篩部材の振動状態を計測し、供給する原料が変化しても制御装置の比較演算により振動装置の加振力を変化させて、加振力が最大となる状態に設定するように構成されているのが好ましい。また駆動装置は、篩部材に上下方向および水平方向の振動、あるいは両者の合力の方向として傾斜方向の振動を加えるように振動装置の振動を加える方向を制御するものが好ましい。
【0016】
気流形成手段は、スクリーンの上部に飛散した被処理物層およびスクリーンを通して、下向流で気流を通過させる手段であり、飛散した被処理物層中の被処理物の一部(微粒子)を気流に伴ってスクリーンを通過させるように構成される。このような気流を形成するためには、実質的に密閉状態の容器内に篩部材を収容し、容器にガス(空気)を圧入するか、あるいは容器からガス(空気)を吸引することにより、通気孔から入ってスクリーンを通過する気流を形成するように構成することができる。篩部材のスクリーンの下側に固気分離装置を設置して、分別物と気体を分離し、分離した気体を容器から排出するように構成するのが好ましい。固気分離装置としては、ガス(空気)圧入式の場合はサイクロン、ガス(空気)を吸引式の場合はフィルターなどが用いられる。
【0017】
分別物取出部は、スクリーンを通過した分別物を取り出すように設けられるが、固気分離装置で分別物を分離する場合は、サイクロン、フィルターなどの固気分離装置の分別物分離部から分別物を取り出すように設けられる。異なる目開きのスクリーンを異なる面に積層状態で設ける場合、あるいは同一面に並列的に用いる場合でも、異なる粒度の分別物ごとに分別できるように、異なる目開きのスクリーンに対応して別々に分別物取出部(残留物取出部)を設けることができる。
【0018】
残留物取出部は、篩部材のスクリーン上に残留する残留物を取り出すように構成される。残留物取出部は各辺に設けてもよいが、特定の振動装置の反対側の辺に1個設けると、スクリーンを傾斜状態で振動させる際、スクリーン上の残留物が落下側に存在する残留物取出部に落下して取り出されるので好ましい。残留物取出部と他の部位の振動装置に対応する部位を結ぶように、鎖状の可動式のビータをスクリーン上に設けると、ビータは振動によりスクリーン上の外周部に偏在してフスマを粉砕し、アリューロン層を分離させて種皮の排出を促すので好ましい。
【0019】
上記の固体の分別装置による本発明の固体の分別方法は、篩部材に張設されたスクリーン上に原料の被処理物を供給し、篩部材の周辺部に配置された複数の振動装置のうち、一部の振動装置を駆動装置により駆動して、篩部材の周辺部の特定部分を持ち上げ、篩部材を一定方向に傾斜させた状態で、流体圧により上下方向に振動を加えて篩部材を振動させ、スクリーン上に原料を跳ね上げて飛散させ、飛散した被処理物層およびスクリーンに気流を通過させるとともに、被処理物の一部を通過させ、所定時間経過後駆動装置により、駆動する振動装置を切り換え、篩部材を他の方向に傾斜させた状態で振動を行って、被分別物の分別を行い、スクリーンを通過した分別物を分別物取出部から取り出し、スクリーン上に残留する残留物を残留物取出部から取り出すことにより、固体を分別する。
【0020】
篩部材の振動により跳ね上げられて飛散する被処理物は、下降気流との接触効率が高いため、微細粒子は下降気流に伴ってスクリーンを通過し、分離効率は高い。振動装置は、篩部材に上下方向および水平方向の振動を加えるようにされていると、跳ね上げられて飛散する被処理物の粒子が放物線の軌跡をたどるため、下降気流との接触効率が高くなり、微細粒子の分離効率が高くなる。スクリーンの下側で固気分離装置により、分別物と気体を分離することにより、分別物を分別物取出部から取り出すことができる。篩部材として、同じ目開きのスクリーンを同一面に並列的に用いると、篩部材の強度を大きくして処理量を多くすることができるが、開度の異なる複数のスクリーンが並列または積層状態で枠体に張設された篩部材を用いて分別すると、異なる粒度の分別物ごとに分別することができる。
【0021】
振動装置で振動を加える際、センサーで篩部材の振動状態を計測し、供給する原料が変化しても、制御装置の比較演算により駆動装置によって振動装置の加振力を変化させて、加振力が最大となる状態で振動させて分別することにより、被処理物の飛散状態を維持するのに最も効率的な状態に加振力を制御できる。この場合、篩部材に上下方向および水平方向の振動を加えるように、駆動装置によって振動装置の振動を加える方向を制御することにより、分別効率を高くすることができる。
【0022】
残留物取出部を特定の振動装置の反対側の辺に1個設けることにより、スクリーンを傾斜状態で振動させる際、スクリーン上の残留物が落下側に存在する残留物取出部に落下して取り出される。残留物取出部と他の部位の振動装置に対応する部位を結ぶように、鎖状の可動式のビータをスクリーン上に設けることにより、ビータは振動によりスクリーン上の外周部に偏在してフスマを粉砕し、アリューロン層を分離させて種皮の排出を促すことができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、篩部材のスクリーン上に原料の被処理物を供給し、篩部材の周辺部に配置された複数の振動装置のうち、一部の振動装置を駆動装置により駆動して、篩部材の周辺部の特定部分を持ち上げ、篩部材を一定方向に傾斜させた状態で、流体圧により上下方向に振動を加えて篩部材を振動させ、スクリーン上に原料を跳ね上げて飛散させ、飛散した被処理物層およびスクリーンに気流を通過させるとともに、被処理物の一部を通過させ、所定時間経過後駆動装置により、駆動する振動装置を切り換え、篩部材を他の方向に傾斜させた状態で振動を行って、被分別物の分別を行うようにしたので、効率的に被処理物をスクリーン上で飛散させ、飛散した被処理物層およびスクリーンを通して気流を通過させることができ、これに伴って原料の一部を通過させて効率よく分別を行うことができ、かつスクリーンの目詰まりを防止ができるとともに、アリューロン層の分別も容易な固体の分別方法、および固体の分別装置が得られる。これにより得られる分別物は粒度が整い、不純物を含まない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態を図面により説明する。図1は実施形態の固体の分別装置を示す垂直断面図、図2は篩部材の平面図である。図1および図2おいて、篩部材1は、枠体2に四辺形の網からなる複数のスクリーン3(3a、3b)が複数段に張設され、スクリーン3の上部の中央部に通気孔5を有する蓋4を備えている。篩部材1の各辺の中央部には、複数の空気圧シリンダーからなる振動装置6(6a、6b・・)が設けられ、そのシリンダー7から伸びる円盤カム状のピストン8がすべり板9を介して篩部材1下部の周辺部を持ち上げ、篩部材1を傾斜させた状態で、空気圧により上下方向に振動を加えて篩部材1を振動させ、スクリーン3上の被処理物10を跳ね上げて飛散させるように配置されている。
【0025】
振動装置6のシリンダー7は架台11に固定され、ピストン8および篩部材1は、架台11上に支持される密閉式の容器12内に振動可能状態で収容されている。篩部材1の特定の振動装置6と反対側の辺の枠体2には、各スクリーン3(3a、3b)の上の部分に対応して、残留物取出部13a、13bが設けられ、それぞれ排出板14a、14bを介して粗粒粉体排出部15a、15bに連絡している。篩部材1の最上部のスクリーン3aの上面には、鎖状の可動式のビータ16が残留物取出部13a、13bと他の部位の振動装置6に対応する部位を結ぶように、固定ネジ17で枠体2に取り付けられている。
【0026】
容器12の上部に設けられたホッパー21から、ボールバルブ22により原料23を送る原料供給部24が篩部材1の蓋4の通気孔5に開口するように設けられ、原料供給部24が連絡する蓋4の通気孔5の周辺部には、伸縮構造部25が形成されている。原料供給部24の途中に圧縮空気供給路26が連絡している。篩部材1の最下段のスクリーン3bの下部には、シュート状の分別物取出部27が設けられて、架台11に支持され、流路28を介して固気分離装置としてのサイクロン31に連絡している。サイクロン31は排出ホッパー32および排気口33を備えている。
【0027】
圧縮空気供給路26からサイクロン31の排気口33にいたる経路が気流形成手段を構成している。架台11には駆動装置35が設けられ、動力装置36により動力供給を受け、制御装置37により制御されて、圧縮空気供給路38から振動装置6のシリンダー7に圧縮空気を供給、遮断し、ピストン8を前進させて振動を加え、あるいは後退させるように駆動する構造となっている。篩部材1にはセンサー39が設けられており、駆動装置35は、このセンサー39で篩部材の振動状態を計測し、制御装置37の比較演算により振動装置6の加振力を変化させて、加振力が最大となる状態で振動させるように構成されている。
【0028】
上記の装置による固体の分別方法は、篩部材1に張設されたスクリーン3(3a)上に、ホッパー21の原料23をボールバルブ22により原料供給部24から、篩部材1の蓋4の通気孔5を通して供給する。動力装置36により駆動装置35に動力供給し、制御装置37により制御して、圧縮空気供給路38から特定の振動装置6aのシリンダー7に圧縮空気を供給または遮断し、ピストン8を前進させて振動を加える。これにより篩部材1の周辺部の振動装置6aに対応する特定部分を持ち上げ、篩部材1を一定方向に傾斜させた状態で振動させ、スクリーン3上に原料を跳ね上げて飛散させ、飛散した被処理物層およびスクリーン3に気流を通過させ、気流とともに被処理物10の一部(微粒子)を通過させる。
【0029】
このとき通気孔5付近(中央部)を気流が流れやすいため、この部分に残留する被処理物10の粗粒子は周辺部に追いやられ、中央部は微粒子の流路となり、分別効率は高くなる。特に原料供給部24が通気孔5を完全に塞がないように、開口部5aを残し、あるいは空隙部を残して、スクリーン3および被処理物10の振動による衝撃波を容器12内に逃がす構造にすることにより、多くの粗粒子、特に種皮のようなかさ密度の小さい粗粒子が周辺部に追いやられ、中央部は粗粒子濃度が低くなって微粒子の流路となり、分別効率はさらに高くなる。スクリーン3aを通過した分別物19は下段のスクリーン3b上で再び同様の操作で分別される。スクリーン3aに残留する被処理物10の粗粒子は周辺部に追いやられて偏在し、鎖状の可動式のビータ16の振動により、フスマが粉砕され、アリューロン層が分離してスクリーン3aを通過し、種皮から分別される。所定時間経過後、制御装置37により、駆動装置35で駆動する振動装置6を、例えば6b、6c、6dに順次切り換え、篩部材1を他の方向に傾斜させた状態で振動を行って、被処理物10および分別物19の分別を繰り返す。
【0030】
スクリーン3bを通過した分別物20は分別物取出部27から取り出し、サイクロン31で固気分離し、固体は最終分別物として排出ホッパー32から排出し、気体は排気口33から排出する。スクリーン3a、3b上に残留する残留物18および分別物19は、残留物取出部13aおよび13bが傾斜の下端側にきたときに、これらの残留物取出部13aおよび13bから排出板14a、14bを介して粗粒粉体排出部15a、15bから取り出される。これにより被処理物は粒度により3群に分別される。
【0031】
篩部材1の振動により跳ね上げられて飛散する被処理物10は、下降気流との接触効率が高いため、微細粒子は下降気流に伴ってスクリーン3a、3bを通過し、分離効率は高い。振動装置6は、円盤カム状のピストン8がすべり板9を介して篩部材1下部の周辺部を持ち上げるため、篩部材1に上下方向および水平方向の振動を加えるようにされており、跳ね上げられて飛散する被処理物10の粒子が放物線の軌跡をたどるため、下降気流との接触効率が高くなり、微細粒子の分離効率が高くなる。スクリーン3bの下側でサイクロン31により、分別物と気体を容易に分離し、下降気流を発生することができる。
【0032】
振動装置6で振動を加える際、駆動装置35はセンサー39で篩部材1の振動状態を計測し、供給する原料が変化しても、制御装置37の比較演算により振動装置6の加振力を変化させて、供給する原料が変化しても、加振力が最大となる状態で振動させて分別することができる。これにより被処理物の飛散状態を維持するのに最も効率的な状態に加振力を制御して、効率的な分別を行うことができる。この場合も、篩部材1に上下方向および水平方向の振動を加えるように、制御装置によって振動装置の振動を加える方向を制御することにより、分別効率を高くすることができる。
【0033】
上記の固体の分別方法および装置では、篩部材1のスクリーン3上に原料の被処理物10を供給し、篩部材1の周辺部に配置された複数の振動装置6のうち、一部の振動装置6aを駆動装置35により駆動して、篩部材1の周辺部の振動装置6aの部分を持ち上げ、篩部材1を一定方向に傾斜させた状態で、流体圧により上下方向に振動を加えて篩部材1を振動させ、スクリーン3上に原料を跳ね上げて飛散させ、飛散した被処理物10の飛散層およびスクリーン3に気流を通過させるとともに、被処理物10の一部を通過させ、所定時間経過後駆動装置35により、駆動する振動装置6を切り換え、篩部材1を他の方向に傾斜させた状態で振動を行って、被分別物の分別を行う。これにより効率的に被処理物10をスクリーン3上で飛散させ、被処理物10の飛散層およびスクリーン3を通して容易に気流を通過させることができ、これに伴って微細粒子を通過させて効率よく分原料の別を行うことができ、かつスクリーン3の目詰まりを防止ができるとともに、アリューロン層の分別も容易である。これにより得られる分別物は粒度が整い、不純物を含まない。
【0034】
図3は他の実施形態の固体の分別装置を示す垂直断面図である。図3の分別装置は図1のものとほぼ同様の構成となっているが、ホッパー21にはボールバルブ22の替わりに流量調節板41が設けられている。また圧縮空気供給路26およびサイクロン31は省略され、排出ホッパー32は分別物取出部27に対向して密閉式に設けられ、バルブ34が設けられている。排出ホッパー32から流路28が固気分離装置としてのフィルターユニット42を介して排気ファン43に連絡している。排気ファン43は排気口33を有する。他の構成は図1とほぼ同様である。
【0035】
図3の装置による固体の分別方法は図1のものとほぼ同様であるが、気流形成手段が吸引式とされている点に大きな相違点がある。すなわち容器12および排出ホッパー32を含む全体の装置は、実質的に密閉式とされているが、完全密閉ではなく、排気ファン43で排気することにより、各部の隙間から少量の空気が進入し、被処理物10層およびスクリーン3を通して気流を通過させる経路を形成し、排気ファン43を含む全体の経路が気流形成手段となる。
【0036】
駆動装置35による篩部材1の振動および篩部材1による被処理物10の分別は図1と同様に行われるが、スクリーン3bを通過した分別物20は分別物取出部27から取り出し、排出ホッパー32に溜まり、最終分別物としてバルブ34から排出する。排出ホッパー32に入る微粒子を含む気流は排気ファン43で排気することにより、フィルターユニット42で微粒子を分離し、排気口33から排気される。フィルターユニット42で分離した微粒子は排出ホッパー32に戻すか、あるいは直接最終分別物として排出する。他の操作は図1と同様に行われ、図1と同様の効果が得られる。
【0037】
図4(a)は他の実施形態の固体分別装置の篩部材の部分を示す水平断面図、(b)はその要部を示すA−A断面図である。この実施形態では、篩部材1は、枠体2に複数のスクリーン3a、3bが同一面に並列状態で張設され、残留物取出部13a、排出板14aがスクリーン3a、3b間に設けられ、残留物取出部13b、排出板14bがスクリーン3b、粗粒粉体排出部15b間に設けられている。この複数のスクリーン3a、3bは複数系列が同一面に並列状態で設けられているが、さらに積層状態で設けられていてもよい。
【0038】
図4(a)、(b)の装置も図1のものと同様に操作されるが、スクリーン3aに供給された被処理物10はスクリーン3aで分別された後、残留物が残留物取出部13a、排出板14aからスクリーン3b上に移送され、スクリーン3bで分別された後、残留物が残留物取出部13b、排出板14bから粗粒粉体排出部15bに取り出される。この場合、スクリーン3a、3bとして、同じ目開きのスクリーンを同一面に並列的に用いると、篩部材1の強度を大きくして処理量を多くすることができるが、開度の異なる複数のスクリーンが並列または積層状態で枠体に張設された篩部材1を用いて分別すると、異なる粒度の分別物ごとに分別することができる。
【0039】
図5は制御装置37における制御動作を示すフローチャートである。図5において、処理開始後、STEP1において、パルス幅(t1)にて振動を開始し、STEP2において、測定時間(t2)で振動データ(G(i))を収集し、平均の振動(GAV)を算出する。STEP3において、パルス幅(t1=t1+i)に変更し、STEP4において、測定時間(t2)で振動データ(Gn+1(i))を収集し平均振動(GAVn+1)を算出する。STEP5において、平均振動を比較し、Yesの場合、すなわちGAVn+1 > GAV が成り立つ場合は、パルス幅をt1=t1+k、GAV=GAVn+1に変更して、STEP4へ戻る。Noの場合、すなわちGAVn+1 > GAV が成り立たない場合はSTEP6へ移る。
【0040】
STEP6において、ステップ設定運転時間(T1c)の終了かどうかを判定し、Noの場合、すなわちステップ設定運転時間(T1c)が終了していない場合、パルス幅をt1=t1−k、GAV=GAVn+1に変更して、STEP4へ戻る。この場合、(t1>0秒)とする。STEP6において、Yesの場合、すなわちステップ設定運転時間(T1c)が終了の場合はSTEP7へ移り、(t1、T1c)の初期化、制御シリンダ(SVn)の変更を行い、全工程運転時間(Tx)が終了かどうかを判定する。STEP8において、Noの場合、すなわち全工程運転時間(Tx)が終了していない場合は、STEP1へ戻り、Yesの場合、すなわち全工程運転時間(Tx)が終了している場合、処理が終了する。
【0041】
図5において、パルス幅(t1)は、振動装置6として空気圧を用いた場合のピストン8を突出させた状態で、加振のために前進させるときのシリンダー7に付加する空気圧のパルス幅(時間)であり、平均振動(GAV)は、上記のパルス幅(t1)の付加により篩部材1の加振力として検出される平均振動加速度(Gの倍数)である。図5の制御動作は、加振力すなわち平均振動(GAV)が最大になるパルス幅(時間)を求め、そのパルス幅の空気圧を付加することにより、高効率で振動を行い、高効率で分別を行うように制御している。
【0042】
図6は、図5の制御において、振動装置6のシリンダー7に空気圧パルスを付加して篩部材1を振動させる場合、30秒毎の区間に分割し、第1区間、第2区間・・・では、それぞれ空気圧パルスのON−OFF時間、すなわちパルス幅(t1)が0.01秒、0.02秒・・・と変化したときの篩部材1に発生する平均振動加速度(Gの倍数)を測定し、1秒毎の二乗平均平方根により平均加速度を算出し、そのデータの30秒毎の平均値を区間平均値としとして示している。
【0043】
図6において、パルス幅(t1)が大きくなるに従って、篩部材1に発生する平均振動加速度(G)も大きくなり、最大値を超えると逆に小さくなる。ここで平均振動加速度(G)の最大値は、付加する空気圧パルスが有効に篩部材1の振動に寄与していることを示している。従って平均振動加速度(G)が最大値となる空気圧パルスを付加すると、付加するエネルギーに対して効率よく篩部材1を振動できることがわかる。
【0044】
実施例1:
図6は、篩枠サイズ450mm角の2段式篩に、2kgの小麦を粉砕した粉粒体をホッパー21より投入し、振動装置6のエアシリンダー(ピストンのストローク7mm)に0.5MPaの圧縮空気を送り30秒間振蘯させた時の加速度を測定したデータを示している。駆動装置35のエアバルブのON−OFF時間を0.01秒(ピストンを0.01秒間突出させた後に0.01秒間後退)に設定して、上死点付近で振動させ、30秒間ずつデータを取得した。ON−OFF時間を0.01秒に設定した場合は、区間平均が0.3Gで篩抜け効果が悪かったが、ON−OFF時間を0.04秒に設定すると、加速度が11Gに上昇し、1分間で約2kgの小麦全粒粉を目開き0.7mmで篩い分けることができた。
【0045】
上記の実施形態における篩部材、振動装置、駆動装置、その他各部の形状、構造、機能等は限定的ではなく、任意に変更することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明は、振動篩を用いる固体の分別装置、分別方法および分別物、特に穀粒粉等のフスマのような粗大粒体を含む粉粒体を、粒度で分別するための固体の分別装置、分別方法および分別物に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】実施形態の固体の分別装置を示す垂直断面図である。
【図2】篩部材の平面図である。
【図3】他の実施形態の固体の分別装置を示す垂直断面図である。
【図4】(a)は他の実施形態の固体分別装置の篩部材の部分を示す水平断面図、(b)はその要部を示すA−A断面図である。
【図5】制御装置における制御動作を示すフローチャートである。
【図6】制御装置における制御効果を示すグラフである。
【符号の説明】
【0048】
1 篩部材、 2 枠体、 3、3a、3b スクリーン、 4 蓋、
5 通気孔、 6、6a、6b、6c、6d・・ 振動装置、
7 シリンダー、 8 ピストン、 9 すべり板、 10 被処理物、
11 架台、 12 容器、 13a、13b 残留物取出部、
14a、14b 排出板、 15a、15b 粗粒粉体排出部、
16 ビータ、 17 固定ネジ、 18 残留物、
19、20 分別物、 21 ホッパー、 22 ボールバルブ、
23 原料、 24 原料供給部、 25 伸縮構造部、
26、38 圧縮空気供給路、 27 分別物取出部、 28 流路、
31 サイクロン、 32 排出ホッパー、 33 排気口、
34 バルブ、 35 駆動装置、 36 動力装置、
37 制御装置、 39 センサー、 41 流量調節板、
42 フィルターユニット、 43 排気ファン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
枠体にスクリーンが張設され、スクリーンの上部に通気孔を有する蓋を備えた篩部材と、
スクリーン上に原料の被処理物を供給する原料供給部と、
篩部材の周辺部を持ち上げて、篩部材を傾斜させた状態で、流体圧により上下方向に振動を加えて篩部材を振動させ、スクリーン上の被処理物を跳ね上げて飛散させるように配置された複数の振動装置と、
一部の振動装置を駆動し、篩部材を一定方向に傾斜させた状態で振動を行い、所定時間経過後駆動する振動装置を切り換えて、篩部材を他の方向に傾斜させた状態で振動を行う駆動装置と、
飛散した被処理物層およびスクリーンを通して気流を通過させる気流形成手段と、
スクリーンを通過した分別物を取り出す分別物取出部と、
スクリーン上に残留する残留物を取り出す残留物取出部と
を含む固体の分別装置。
【請求項2】
篩部材は、複数のスクリーンが並列または積層状態で枠体に張設されたものである請求項1記載の装置。
【請求項3】
振動装置は、篩部材に上下方向および水平方向の振動を加えるものである請求項1または2記載の装置。
【請求項4】
振動装置は空気圧シリンダーである請求項1ないし3のいずれかに記載の装置。
【請求項5】
スクリーンの下側に分別物と気体を分離する固気分離装置を有する請求項1ないし4のいずれかに記載の装置。
【請求項6】
残留物取出部は、特定の振動装置の反対側に設けられた請求項1ないし5のいずれかに記載の装置。
【請求項7】
残留物取出部と他の部位の振動装置に対応する部位を結ぶように、可動式のビータがスクリーン上に設けられた請求項1ないし6のいずれかに記載の装置。
【請求項8】
駆動装置は、センサーで振動状態を計測し、供給する原料が変化しても比較演算により振動装置の加振力を変化させて、加振力が最大となる状態に設定するように構成されている請求項1ないし7のいずれかに記載の装置。
【請求項9】
駆動装置は、篩部材に上下方向および水平方向の振動を加えるように振動装置の振動を加える方向を制御するものである請求項1ないし8のいずれかに記載の装置。
【請求項10】
篩部材に張設されたスクリーン上に原料の被処理物を供給し、
篩部材の周辺部に配置された複数の振動装置のうち、一部の振動装置を駆動装置により駆動して、
篩部材の周辺部の特定部分を持ち上げ、篩部材を一定方向に傾斜させた状態で、流体圧により上下方向に振動を加えて篩部材を振動させ、スクリーン上に原料を跳ね上げて飛散させ、
飛散した被処理物層およびスクリーンに気流を通過させるとともに、被処理物の一部を通過させ、
所定時間経過後駆動装置により、駆動する振動装置を切り換え、篩部材を他の方向に傾斜させた状態で振動を行って、被分別物の分別を行い、
スクリーンを通過した分別物を分別物取出部から取り出し、
スクリーン上に残留する残留物を残留物取出部から取り出す
固体の分別方法。
【請求項11】
開度の異なる複数のスクリーンが並列または積層状態で枠体に張設された篩部材を用いて分別する請求項10記載の方法。
【請求項12】
振動装置は、篩部材に上下方向および水平方向の振動を加えるようにされている請求項10または11記載の方法。
【請求項13】
スクリーンの下側で固気分離装置により、分別物と気体を分離する請求項10ないし12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
センサーで振動状態を計測し、供給する原料が変化しても、比較演算により駆動装置で振動装置の加振力を変化させて、加振力が最大となる状態で振動させて分別する請求項10ないし13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
駆動装置は篩部材に上下方向および水平方向の振動を加えるように、駆動装置により振動装置の振動を加える方向を制御する請求項10ないし14のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
請求項10ないし15のいずれかに記載の方法で得られた分別物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−255663(P2006−255663A)
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−80269(P2005−80269)
【出願日】平成17年3月18日(2005.3.18)
【出願人】(501145295)独立行政法人食品総合研究所 (27)
【出願人】(502283800)有限会社つくば食料科学研究所 (5)
【Fターム(参考)】