説明

固体の投薬製剤

式:


を有する化合物あるいはそのプロドラッグまたは薬学的に許容される塩であって、式中、Rが、Cl、F、Br、CH、CF、SCH、NHCH、NO、CN、OH、OC−Cアルキル、置換OC−Cアルキルである、化合物あるいはそのプロドラッグまたは薬学的に許容される塩のための固体投与製剤が提供される。シールコーティング、放出速度制御コーティング、および/または腸溶コーティングを含有する製剤を含めた、上記式の化合物と速度制御成分と結合剤とを含有する錠剤および多粒子の製剤が記載される。また、それらの薬学的用途およびキットも記載される。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
神経科学薬および女性のヘルスドラッグの市場は、各種適応症の第1次選択治療のためのセロトニンおよびノルエピネフリンの二重再取込み阻害剤(SNRI)の使用へと向かっており、このことは、例えばベンラファクシンやデュロキセチンなどのSNRIの最近の開発からも明らかである。これは、選択的セロトニン再取込み阻害剤(SSRI)の従来の使用と対照をなす。SSRIおよびSNRIの副作用プロファイルは、以前の三環系抗鬱薬化合物よりも軽度であるが、それでもなお多少の望ましくない副作用がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
したがって、セロトニンとノルエピネフリンとの不均衡に伴う病態を治療するための代替の組成物が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0003】
要旨
一態様において、本発明は、式I(以下に示す)の化合物、あるいはそのプロドラッグまたは薬学的に許容される塩と;少なくとも1つの速度制御成分と;少なくとも1つの結合剤と;少なくとも1つの滑沢剤と、を含有する錠剤コアを有する放出調節製剤を提供する。
【0004】
別の態様において、本発明は、各多粒子が、式Iの化合物、あるいはそのプロドラッグまたは薬学的に許容される塩と;少なくとも1つの速度制御成分と;少なくとも1つの結合剤と、を含有する球状コアを有する、多粒子放出調節製剤を提供する。
【0005】
さらに別の態様において、本発明は、多粒子が、錠剤コアまたは多粒子コアに施されるシールコーティングおよび/または放出速度制御コーティングおよび/または腸溶コーティングを有する、多粒子製剤を提供する。
【0006】
さらなる実施形態において、本発明は、本明細書に記載の多粒子を含有するカプセル剤を提供する。また、多粒子を含むホイルパケットも提供される。
【0007】
さらに別の実施形態において、本発明は、様々な適応症のための薬物の調製における、本明細書に記載の組成物の使用を提供する。
【0008】
本発明のさらに他の態様および利点は、以下に示す本発明の詳細な説明から明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
発明の詳細な説明
本発明は、以下の式Iの活性化合物:
【0010】
【化7】

(R=Cl、F、Br、CH、CF、SCH、NHCH、NO、CN、OH、OC−Cアルキル、置換OC−Cアルキル)
、あるいはそのプロドラッグまたは薬学的に許容される塩、の放出調節投与形態を含む、医薬組成物を提供する。好都合には、これらの製剤は、セロトニンおよびノルエピネフリンの二重再取込み阻害剤(SNRI)に伴う上部消化管副作用を軽減する。
【0011】
理論によって束縛されることを望むわけではないが、これらの製剤は、胃および小腸ならびに全身における活性化合物と神経受容体との相互作用を抑制することによって効果的であると考えられる。したがって、胃における放出を最小限に抑えた緩効性(持続放出)産物または腸溶コーティング産物は、上部消化管内における活性化合物の濃度を最小限に低減する役割を果たす。
【0012】
持続放出(放出速度制御)投与形態または腸溶コーティング投与形態には、上部消化管における薬物放出量を制限し、これらの作用を引き起こす上部消化管内の受容体を回避することによって、上部消化管副作用(例えば、悪心や嘔吐)を抑制する効果がある。さらに、1日1回投与の投与形態によって、患者の服薬遵守が多回投与よりも改善することが期待される。
【0013】
I.活性化合物
式I(上記)の化合物およびその調製方法は、米国特許出願公開第2007−0015828−A1号(2007年1月18日公開(米国仮特許出願第60/699,665号(2005年7月15日)の優先権を主張した米国特許出願第11/485,663号(2006年7月13日))に記載されており、これらは参考として本明細書で援用される。本明細書に記載の通り、式I(上記)の化合物は1つ以上の不斉炭素原子を含み、前記化合物のいくつかは、1つ以上の不斉中心(キラル中心)を含み、したがって光学異性体およびジアステレオマーを生じる場合がある。式Iにおける立体化学を考慮せずに示す場合、一実施形態において、炭素1はキラル中心として存在する。しかし、この分子は、R異性体およびS異性体の形態で、ならびにラセミ混合物内に存在し得る。また、ジアステレオマーには2種類がある。シクロヘキサン環上の2つの基の立体配置はシス型またはトランス型であってよいと考えられるが、一実施形態においてはシス型である。例えば、一実施形態において、前記化合物は、50%超がシス型立体配置のジアステレオマーである。別の実施形態において、前記化合物は、95%超がシス型立体配置のジアステレオマーである。したがって、式Iの化合物は、このような光学異性体およびジアステレオマー;ならびにラセミ体で分割された、鏡像異性的に純粋な立体異性体;ならびにR立体異性体およびS立体異性体の他の混合物、およびそれらの薬学的に許容される塩、水和物およびプロドラッグを含む。
【0014】
特に明記しない限り、「アルキル」という用語は、一般的に長さが1、2、3、4、5、6、7または8個の炭素原子の直鎖および分枝鎖の両方の脂肪族飽和炭化水素基を指すものとして本明細書で使用される。「低級アルキル」という用語は、長さが1、2、3または4個の炭素のアルキル鎖を意味する。「置換アルキル」という用語は、ハロゲン、CN、OH、NO、アミノ、アリール、複素環、置換アリール、置換複素環、アルコキシ、アリールオキシル、置換アルキルオキシ、アルキルカルボニル、アルキルカルボキシ、アルキルアミノ、アリールチオからなる群から選択される1〜3個の置換基を有する上述のようなアルキルを指す。これらの置換基はアルキル基の任意の炭素に結合する場合があるが、但し、その結合が安定した化学的部分を構成することを条件とする。
【0015】
「ハロゲン」という用語は、Cl、Br、FまたはIを指す。
【0016】
「アリール」という用語は、少なくとも縮合または結合した環の一部が芳香族共役系を形成するように共に縮合または結合した単一の環または複数の芳香族環である場合がある炭素環式芳香族系を指すものとして本明細書で使用される。アリール基としては、フェニル、ナフチル、ビフェニル、アントリル、テトラヒドロナフチル基およびフェナントリルが含まれるが、これらに限定されない。
【0017】
「置換アリール」という用語は、ハロゲン、CN、OH、NO、アミノ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリールオキシ、置換アルキルオキシ、アルキルカルボニル、アルキルカルボキシ、アルキルアミノ、アリールチオの群の内の2、3または4個の置換基を有する上で定義したアリールを指す。
【0018】
「複素環」という用語は、飽和、部分的に不飽和または不飽和でありかつ炭素原子と、N原子、O原子、S原子の群から選択される1〜4個のヘテロ原子とからなる安定した4、5、6または7員環の単環式複素環基あるいは安定した多環式複素環基を記載するものとして本明細書で使用される。N原子およびS原子は酸化される場合がある。また、複素環は、上で定義した複素環のいずれかがアリール環に縮合した、任意の多環式環も含む。複素環は、任意のヘテロ原子または炭素原子で結合する場合があるが、但し、得られる構造が化学的に安定していることを条件とする。このような複素環基としては、例えば、テトラヒドロフラン、ピペリジニル、ピペラジニル、2−オキソピペリジニル、アゼピニル、ピロリジニル、イミダゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、モルホリニル、インドリル、キノリニル、チエニル、フリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、チアモルホリニル、チアモルホリニルスルホキシド、イソキノリニルが含まれる。
【0019】
「置換複素環」という用語は、ハロゲン、CN、OH、NO、アミノ、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリールオキシ、置換アルキルオキシ、アルキルカルボニル、アルキルカルボキシ、アルキルアミノ、アリールチオからなる群から選択される1〜4個の置換基を有する上で定義した複素環基を記載するものとして本明細書で使用される。
【0020】
「アルコキシ」という用語は、式中Rがアルキル基または置換アルキル基である、ORを指すものとして本明細書で使用される。置換アルコキシ基はOR基である場合があり、式中、Rは、ハロゲン、CN、OH、NO、アミノ、アリール、複素環、置換アリール、置換複素環、アルコキシ、アリールオキシ、置換アルキルオキシ、アルキルカルボニル、アルキルカルボキシ、アルキルアミノ、アリールチオからなる群から選択される1〜3個の置換基で置換されるC、C、C、C、CまたはCアルキルである。「アリールオキシ」という用語は、式中Rがアリール基または置換アリール基である、ORを指すものとして本明細書で使用される。「アルキルカルボニル」という用語は、式中Rがアルキル基または置換アルキル基である、RCOを指すものとして本明細書で使用される。「アルキルカルボキシ」という用語は、式中Rがアルキル基または置換アルキル基である、COORを指すものとして本明細書で使用される。「アミノアルキル」という用語は、第2級アミンおよび第3級アミンの両方を指し、ここで1〜8個の炭素原子を含むアルキル基または置換アルキル基は、同じである場合もあれば、異なる場合もあり、結合点は窒素原子上にある。
【0021】
式Iの化合物は、医薬的または生理学的に許容される酸または塩基から誘導される塩の形態で使用することができる。これらの塩としては、以下の有機酸および無機酸を有する塩が含まれるが、これらに限定されない:例えば、酢酸、乳酸、クエン酸、酒石酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、マロン酸、マンデル酸、リンゴ酸、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硝酸、硫酸、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、および同様に既知の許容される酸、ならびにそれらの混合物。他の塩としては、例えば、ナトリウム(例えば水酸化ナトリウム)、カリウム(例えば水酸化カリウム)、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ金属またはアルカリ土類金属を有する塩が含まれる。
【0022】
これらの塩、ならびに式Iの他の化合物は、エステル、カルバミン酸塩、およびこのような形態で投与されると、in vivoにて活性部分に変わる他の従来の「プロドラッグ」の形態である場合がある。現在好ましい一実施形態において、プロドラッグはエステルである。例えば、B.Testa and J.Caldwell,“Prodrugs Revisited:The“Ad Hoc”Approach as a Complement to Ligand Design”,Medicinal Research Reviews,16(3):233−241,ed.,John Wiley & Sons(1996)を参照されたい。
【0023】
本明細書で使用される「約」という用語は、一般的に、所定の値または範囲の5%、1%または0.5%の範囲内を意味する。あるいは、「約」という用語は、当業者によって考慮される場合、許容される平均値の標準誤差の範囲内を意味する。さらに、いずれかの特定の製剤においてコア(錠剤または多粒子のいずれか)中に含まれるすべての成分の全体は、コアの100%を上回らない。
【0024】
II.錠剤
本明細書においては、式Iの化合物、あるいはそのプロドラッグまたは薬学的に許容される塩と;少なくとも1つの速度制御成分と;少なくとも1つの結合剤と;少なくとも1つの滑沢剤と、を含有する錠剤コアを有する放出調節製剤が提供される。
【0025】
一実施形態において、錠剤コアは、約10%〜約30%(錠剤コアの重量/重量(w/w))の式Iの化合物を含有する。さらなる一実施形態において、錠剤コアは、約10%〜約15%w/w、約10%〜約20%w/w、約10%〜約25%w/w、約15%〜約20%w/w、約15%〜約25%w/w、約15%〜約30%w/w、約20%〜約25%w/w、約20%〜約30%w/w、または約25%〜約30%w/wの式Iの化合物を含有する。さらに別の実施形態において、錠剤コアは、約15%〜約16%、約16%〜約17%、または約21%〜約22%w/wの式Iの化合物を含有する。さらに別の実施形態において、錠剤コアは、約15%〜約16%w/wの式Iの化合物を含有する。別の実施形態において、錠剤コアは、約16%〜約17%w/wの式Iの化合物を含有する。別の実施形態において、錠剤コアは、約21%〜約22%w/wの式Iの化合物を含有する。
【0026】
一実施形態において、速度制御成分は、親水性ポリマーおよび不活性可塑化ポリマーの中から選択される速度制御ポリマーである。適切な速度制御親水性ポリマーとしては、ポリビニルアルコール(PVA)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC、ヒポメロースまたはヒプロメロース)およびそれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。適切な不溶性または不活性「可塑性の」ポリマーとしては、これに限定されないが、1つ以上のポリメタクリル酸塩(すなわち、Eudragit(登録商標)ポリマーおよび他の商標の同等のポリマー)。他の適切な速度制御ポリマー材料としては、例えば、ヒドロキシアルキルセルロース、ポリ(エチレン)オキサイド、アルキルセルロース、カルボキシメチルセルロース、親水性セルロース誘導体、ポリエチレングリコールが含まれる。一実施形態において、速度制御成分はヒドロキシプロピルメチルセルロースである。
【0027】
適切には、錠剤コアは、約30%〜約50%(錠剤コアの重量/重量(w/w))の速度制御成分を含有する。さらなる実施形態において、錠剤コアは、約30%〜約35%w/w、約30%〜約40%w/w、約30%〜約45%w/w、約35%〜約40%w/w、約35%〜約45%w/w、約35%〜約50%w/w、約40%〜約45%w/w、約40%〜約50%w/w、または約45%〜約50%w/wの速度制御成分を含有する。さらに別の実施形態において、錠剤コアは、約38%〜約42%w/w、約42%〜約43%w/w、または約43%〜約44%w/wを含有する。なおさらなる実施形態において、錠剤コアは40%w/wの速度制御成分を含有する。
【0028】
結合剤は、例えば、とりわけセルロースやポビドンを含めた既知の結合剤の中から選択される場合がある。一実施形態において、結合剤は、微結晶性セルロース、クロスポビドンおよびそれらの混合物の中から選択される。さらなる実施形態において、結合剤は、微結晶性セルロースならびに場合によりAvicel(登録商標)微結晶性セルロースまたはAvicel(登録商標)PH101微結晶性セルロースである。
【0029】
適切には、錠剤コアは、約25%〜約50%(錠剤コアの重量/重量(w/w))の結合剤を含有する。さらなる実施形態において、錠剤コアは、約25%〜約30%w/w、約25%〜約35%w/w、約25%〜約40%w/w、約25%〜約45%w/w、約30%〜約35%w/w、約30%〜約40%w/w、約30%〜約45%w/w、約30%〜約50%w/w、約35%〜約40%w/w、約35%〜約45%w/w、約35%〜約50%w/w、約40%〜約45%w/w、約40%〜約50%w/w、または約45%〜約50%w/wの結合剤を含有する。さらに別の実施形態において、錠剤コアは、約26%〜約27%w/w、約32〜33%w/w、または約43〜44%w/wの結合剤を含有する。
【0030】
滑沢剤は、錠剤製剤のための、当業者に周知の従来の滑沢剤のいずれかから選択される場合がある。一実施形態において、滑沢剤はステアリン酸マグネシウムである。一実施形態において、錠剤コアは約0.5%〜約3%w/wまたは約1%〜約3%w/wの滑沢剤を含有する。さらなる実施形態において、錠剤コアは約1%w/wの滑沢剤を含有する。
【0031】
一実施形態においては、希釈剤(例えばステアリン酸マグネシウム)、充填剤、滑剤(例えばタルク)、付着防止剤、pH調節剤および/またはアジュバントを含む他の成分が、錠剤コア中に含まれる場合がある。さらなる実施形態において、錠剤コアは、約5%〜約10%w/wの滑剤を含有する。一実施形態において、滑剤はタルクである。適切なpH調節剤としては、とりわけ、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウムが含まれる。さらに他の適切な成分については、当業者に容易に明らかになるであろう。例えば、参考として本明細書で援用される、R.Rowe,et al.,Handbook of Pharmaceutical Excipients,Fourth Edition,Pharmaceutical Press,London,United Kingdom(2003)を参照されたい。
【0032】
一実施形態において、放出調節製剤は、
錠剤コアの約15%〜約16%w/wの、式Iの化合物、あるいはそのプロドラッグまたは薬学的に許容される塩と;
錠剤コアの約40%w/wの速度制御成分と;
錠剤コアの約43%〜約44%w/wの結合剤と;
錠剤コアの約1%w/wの滑沢剤と、
を含有する錠剤コアを有する。
【0033】
さらなる実施形態において、放出調節製剤は、
約15%w/wの式Iの化合物、あるいはそのプロドラッグまたは薬学的に許容される塩と;
約40%w/wのヒドロキシプロピルメチルセルロースと;
約44%w/wの微結晶性セルロース(例えばAvicel(登録商標)微結晶性セルロース)と;
約1%w/wのステアリン酸マグネシウムと、
を含有する錠剤コアを有する。
【0034】
別の実施形態において、放出調節製剤は、
錠剤コアの約16%〜約17%w/wの式Iの化合物、あるいはそのプロドラッグまたは薬学的に許容される塩と;
錠剤コアの約43%〜約44%w/wの速度制御成分と;
錠剤コアの約32%〜約33%w/wの結合剤と;
錠剤コアの約8%〜約9%w/wの滑沢剤と、
を含有する錠剤コアを有する。
【0035】
さらなる実施形態において、放出調節製剤はまた、錠剤コアの約7%〜約9%w/w(固体、増量)に相当する、錠剤コアを覆う放出速度制御コーティング(下述)も含有する。
【0036】
なおさらなる実施形態において、放出調節製剤は、
錠剤コアの約16%w/wの式Iの化合物、あるいはそのプロドラッグまたは薬学的に許容される塩と;
錠剤コアの約44%w/wのヒドロキシプロピルメチルセルロースと;
錠剤コアの約32%w/wの微結晶性セルロースと;
錠剤コアの約6%w/wのタルクと;
錠剤コアの約2%w/wのステアリン酸マグネシウムと;
錠剤コアを覆う放出速度制御コーティングであって、
錠剤コアの約7%w/w(固体、増量)の、可塑剤を有するエチルセルロース(例えばSurelease(登録商標)エチルセルロース分散液(25%w/w水性分散液))と;
錠剤コアの約0.6%w/wのヒドロキシプロピルメチルセルロースと、
を含む、コーティングと、
を含有する、錠剤コアを有する。
【0037】
さらに別の実施形態において、放出調節製剤は、
錠剤コアの約21%〜約22%w/wの式Iの化合物、あるいはそのプロドラッグまたは薬学的に許容される塩と;
錠剤コアの約42%〜約43%w/wの速度制御成分と;
錠剤コアの約26%〜約27%w/wの結合剤と;
錠剤コアの約10%〜約11%w/wの滑沢剤と、
を含有する、錠剤コアを有する。
【0038】
さらなる実施形態において、放出調節製剤はまた、錠剤コアの約17%〜約18%w/w(固体、増量)の、錠剤コアを覆う腸溶コーティング(下述)も含有する。
【0039】
さらなる実施形態において、放出調節製剤は、
錠剤コアの約21%w/wの、式Iの化合物、あるいはそのプロドラッグまたは薬学的に許容される塩と;
錠剤コアの約42%w/wのヒドロキシプロピルメチルセルロースと;
錠剤コアの約26%w/wの微結晶性セルロースと;
錠剤コアの約8%w/wのタルクと;
錠剤コアの約3%w/wのステアリン酸マグネシウムと;
錠剤コアを覆う腸溶コーティングであって、
錠剤コアの約14%w/w(固体、増量)のメタクリル酸コポリマーC型と;
錠剤コアの約0.5%w/wのクエン酸トリエチルと;
錠剤コアの約0.7%w/wの水酸化ナトリウムと;
錠剤コアの約2%w/wのタルクと、
を含む、コーティングと、
を含有する、錠剤コアを有する。
【0040】
錠剤は、当該技術分野で周知の従来の方法によって調製される場合がある。一実施形態において、式Iの化合物は、製剤の他の成分と混合して造粒物を形成する。一実施形態において、造粒物は、ローラーコンパクターを使用して形成される。別の実施形態において、造粒物は、高剪断造粒機(例えばCollette Gralミキサー)を使用して形成される。しかし、例えば、低剪断造粒機、混合機、遊星型ミキサーなど、あるいは流動床プロセッサー(Glatt GPCG)、乾式造粒またはスラギングを含めた、当業者に周知の他の方法を使用して適切な造粒物を調製することができる。次いで、造粒物は、錠剤を形成するための従来方法を使用して圧縮される。
【0041】
錠剤は、場合により有効成分を含有するさらなる層、またはコーティング(下述)、層間の分離などのために望まれる場合があるその他の層を備える場合がある。
【0042】
III.多粒子
本明細書では、各多粒子が、式Iの化合物、あるいはそのプロドラッグまたは薬学的に許容される塩と;少なくとも1つの速度制御成分と;少なくとも1つの結合剤と、を含有する球状コアを有する、多粒子放出調節製剤が提供される。
【0043】
一実施形態において、多粒子コアは、約15%〜約35%(多粒子コアの重量/重量(w/w))の式Iの化合物を含有する。さらなる実施形態において、多粒子コアは、約15%〜約20%w/w、約15%〜約25%w/w、約15%〜約30%w/w、または約20%〜約25%w/w、約20%〜約30%w/w、約20%〜約35%w/w、約25%〜約30%w/w、約25%〜約35%w/w、または約30%〜約35%w/wの式Iの化合物を含有する。さらに別の実施形態において、多粒子コアは、約23%〜約24%w/wの式Iの化合物を含有する。
【0044】
一実施形態において、速度制御成分は、親水性ポリマーおよび不活性可塑化ポリマーの中から選択される速度制御ポリマーである。適切な速度制御親水性ポリマーとしては、ポリビニルアルコール(PVA)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC、ヒポメロースまたはヒプロメロース)およびそれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。適切な不溶性または不活性「可塑性の」ポリマーとしては、1つ以上のポリメタクリル酸塩(すなわち、Eudragit(登録商標)ポリマーおよび他の商標の同等のポリマー)が含まれるが、これらに限定されない。他の適切な速度制御ポリマー材料としては、例えば、ヒドロキシアルキルセルロース、ポリ(エチレン)オキサイド、アルキルセルロース、カルボキシメチルセルロース、親水性セルロース誘導体、ポリエチレングリコールが含まれる。一実施形態において、速度制御成分はヒドロキシプロピルメチルセルロースである。
【0045】
適切には、多粒子コアは、約20%〜約40%(多粒子コアの重量/重量(w/w))の速度制御成分を含有する。さらなる実施形態において、多粒子コアは、約20%〜約25%w/w、約20%〜約30%w/w、約20%〜約35%w/w、約25%〜約30%w/w、約25%〜約35%w/w、約25%〜約40%w/w、約30%〜約35%w/w、約30%〜約40%w/w、または約35%〜約40%w/wの速度制御成分を含有する。さらに別の実施形態において、多粒子コアは、約30%〜約31%w/wの速度制御成分を含有する。
【0046】
結合剤は、例えば、とりわけセルロースやポビドンを含めた既知の結合剤の中から選択される場合がある。一実施形態において、結合剤は、微結晶性セルロース、クロスポビドンおよびそれらの混合物の中から選択される。さらなる実施形態において、結合剤は、微結晶性セルロースならびに場合によりAvicel(登録商標)微結晶性セルロースまたはAvicel(登録商標)PH101微結晶性セルロースである。
【0047】
適切には、多粒子コアは、約35%〜約55%(多粒子コアの重量/重量(w/w))の結合剤を含有する。さらなる実施形態において、多粒子コアは、約35%〜約40%w/w、約35%〜約45%w/w、約35%〜約50%w/w、約40%〜約45%w/w、約40%〜約50%w/w、約40%〜約55%w/w、約45%〜約50%w/w、約45%〜約55%w/w、または約50%〜約55%w/wの結合剤を含有する。さらに別の実施形態において、多粒子コアは、約46%〜約47%w/wの結合剤を含有する。
【0048】
一実施形態においては、滑沢剤(例えばステアリン酸マグネシウム)、希釈剤、充填剤、滑剤(例えばタルク)、付着防止剤、pH調節剤および/またはアジュバントを含む他の成分が、錠剤コア中に含まれる場合がある。例えば、適切なpH調節剤としては、とりわけ、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウムが含まれる。さらに他の適切な成分については、当業者に容易に明らかになるであろう。例えば、参考として本明細書で援用される、R.Rowe,et al.,Handbook of Pharmaceutical Excipients,Fourth Edition,Pharmaceutical Press,London,United Kingdom(2003)を参照されたい。
【0049】
一実施形態においては、各多粒子が、
多粒子コアの約23%〜約24%w/wの式Iの化合物、あるいはそのプロドラッグまたは薬学的に許容される塩と;
多粒子コアの約30%〜約31%w/wの速度制御成分と;
多粒子コアの約46%〜約47%w/wの結合剤と、
を含有する、球状コアを有する、多粒子放出調節製剤がある。
【0050】
さらなる実施形態においては、多粒子コアの約1%〜約2%w/wのシールコーティング(下述)が、多粒子コアを覆って施される。
【0051】
なおさらなる実施形態においては、多粒子コアの約8%〜約9%w/w(固体、増量)の腸溶コーティング(下述)が、多粒子コアおよびシールコーティングを覆って施される。
【0052】
さらなる実施形態においては、各多粒子が、
多粒子コアの約23%w/wの式Iの化合物、あるいはそのプロドラッグまたは薬学的に許容される塩と;
多粒子コアの約30%w/wのヒドロキシプロピルメチルセルロースと;
多粒子コアの約46%w/wの微結晶性セルロースと;
多粒子コアを覆うシールコーティングであって、多粒子コアの約1%w/wの、可塑剤としてポリエチレングリコールを有するヒドロキシプロピルメチルセルロースを含むシールコーティング(例えばOpadry(登録商標)Clearシールコーティング)を含有する、コーティングと;
多粒子コアを覆う腸溶コーティングであって、
多粒子コアの約7%w/w(固体、増量)の、可塑剤を有するエチルセルロース(例えば、Surelease(登録商標)エチルセルロース分散液(25%w/w水性分散液)を使用して)と;
多粒子コアの約1%w/wのヒドロキシプロピルメチルセルロースと、
を含有する、コーティングと、
を含有する、球状のコアを有する、多粒子放出調節製剤がある。
【0053】
多粒子製剤は、当該技術分野で周知の方法によって調製される場合がある。一実施形態において、少なくとも式Iの化合物および結合剤を含む乾燥成分は、例えば遊星型ミキサー(例えばホーバートミキサー)の適切なミキサー内で乾式混合される。場合により速度制御成分、およびさらに場合によりpH調節剤が、この手順に含まれる場合がある。その後、残留する成分および水を混合して、造粒産物を得る。次いで、造粒物は、適切な装置(例えばNica(登録商標)押出機/スフェロナイザー)によって押し出され、球状化され、得られる球状体を乾燥させ、篩にかけ、場合により混合して、多粒子製剤を作製する。
【0054】
別の実施形態において、多粒子製剤成分は、例えば遊星型ミキサー(例えばホーバートミキサー)の適切なミキサー内で、水により造粒される。次いで、Nica(登録商標)システムを使用して、得られる湿性の塊を1mmまたは1.0mmのスクリーンに通して押し出す。次いで、その押出物をスフェロナイザーに移し、球状ペレットが得られるまで(約2〜3分間)回転させる。一実施形態において、押出物は700rpmで回転させる。次いで、湿性ペレットは、Aeromatic Strea(登録商標)流動床乾燥機内で、2%〜5%の水分レベルに乾燥させる。次いで乾燥ペレットをメッシュスクリーンに通して、より大きな、すなわち過大のペレットを除去して、多粒子製剤を得る。一実施形態においては、メッシュスクリーン18が使用される。
【0055】
以下に記載のようなコーティング前かコーティング後のいずれかの多粒子を、カプセル殻内に入れる場合もあれば、錠剤またはカプレットに圧縮する場合もあり、ホイルパケットまたは他の適切なパッケージで包装する場合もあり、これらの多粒子は、食品(例えばアップルソースなど)中へ混合するのに適切である。
【0056】
IV.コーティング
一態様において、シールコーティングは、素錠または多粒子に施すことができる。これは、最初のシールコーティング、最後のシールコーティング(すなわち、施したその他すべてのコーティングを覆うもの)、またはこれらの両方の役割を果たす場合がある。シールコーティングは、適切なポリマー、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC、ヒポメロースまたはヒプロメロース)、エチルセルロース、ポリビニルアルコールおよびそれらの組み合わせ(場合により可塑剤や他の望ましい成分を含有する)の中から選択される場合がある。一実施形態において、シールコーティングはHPMCである。別の実施形態において、シールコーティングは、可塑剤としてポリエチレングリコールを有するヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む。このようなシールコーティングは、Opadry(登録商標)Clearコーティングから作製される場合がある。シールコーティングは、錠剤または多粒子に所望の増量を与えるために施される。一実施形態において、コーティングを施して、コーティングされていない形態に対して0.5%〜3%(w/w)(0.5%、1%、2%または3%w/w)の増量(固体)となる。当業者は、当該技術分野で周知の従来方法によって、本明細書に記載のシールコーティングを施すことができるであろう。しかし、本明細書に記載のコーティングのいずれかを施すための手段は、本発明で限定されない。
【0057】
別の実施形態において、最初のシールコーティングは、例えば吹付けによって流動床コーター上の多粒子に施すことができる。一実施形態において、Aeromatic Strea(登録商標)流動床装置には、Wursterカラムおよびボトムスプレーノズルシステムが装着されている。前記システムの能力によって決定される適切な量の、および一実施形態においては約200グラムの、乾燥ペレットコア(多粒子)を、ユニットに投入する。次いで、前記コーティング(例えばOpadry(登録商標)Clearシールコーティング)を、従来の条件下で施し、乾燥させる。一実施形態において、コーティングは、約50℃〜60℃の入口温度、毎分5〜10グラムのコーティング溶液吹付け速度、および1〜2barの噴霧圧力で施される。一実施形態において、多粒子温度は35℃〜45℃または約38℃〜約43℃にてある。場合により、タルクまたは同等の材料を、最後にコーティングされた製剤に施す。
【0058】
別の態様においては、持続放出速度制御コーティングまたは放出速度制御コーティングを、場合により本明細書に記載の他のコーティングのいずれかに加えて施す。持続放出コーティング層は、最初のシールコーティングを覆って、腸溶コーティングを覆って、またはコアを直接覆って施す場合がある。このコーティングは、上記と同じ手段で施す。一実施形態において、剥離コーティングは、エチルセルロース系産物およびHPMCから得ることが可能である。適切なエチルセルロース系産物の例としては、水性エチルセルロース分散液(25%の固体)がある。このような産物の1つは、Surelease(登録商標)エチルセルロース分散液(Colorcon,Inc.)として市販される。一実施形態においては、水性エチルセルロース(25%の固体)分散液の溶液を、前記コアに施す。一実施形態においては、例えば約5%〜15%w/wの量、あるいは約10%w/wの量のHPMCをエチルセルロース分散液と混合して、コーティング溶液を形成する。したがって、エチルセルロースは、コーティング溶液の約85%〜約95%w/w、あるいは約90%w/wである場合がある。例えばさらに約5〜10分間適切な条件下で乾燥させると、全体の剥離コーティングは、このコーティング(すなわちいずれかの以前のコーティング)を施す前の前記コアの約1%〜約10%、2%〜約9%、3%〜約8%、または約8%〜約9%w/wの範囲となる。
【0059】
さらに別の態様においては、場合により本明細書に記載の他のコーティングのいずれかに加えて、腸溶コーティングを施す。腸溶コーティング層は、最初のシールコーティングを覆って、持続放出コーティングを覆って、またはコアを直接覆って施す場合がある。このコーティングは、上記と同じ手段で施す。一実施形態において、錠剤または多粒子に施される腸溶コーティングとしては、ポリメタクリル酸塩、HPMC、エチルセルロース、またはそれらの組み合わせが含まれる場合があるが、これらに限定されない。
【0060】
さらなる実施形態において、腸溶コーティングは、メタクリル酸やメタクリル酸塩から選択されるモノマーの単位を含むコポリマー(例えば、メタクリル酸コポリマー、C型、USP(メタクリル酸およびアクリル酸エチルのコポリマー))である産物を含有する。このようなコポリマーは、Eudragit(登録商標)L30−D55(Roehm GmbH&Co.KG)として30%の乾燥物質を有する水性分散液の形態で市販される。前記コポリマーを含む乾燥物質自体は、Eudragit(登録商標)L100−55として(粉剤として)市販される。分散液および粉剤は、乳化剤として、乾燥物質を基準にした算出で0.7%のラウリル硫酸ナトリウムおよび2.3%のポリソルベート80を含有する。Kollicoat MAE30 DP(BASF製)が、メタクリル酸コポリマーC型の水性分散液の別の例である。本発明のなおさらなる実施形態において、施される腸溶コーティングは、メタクリル酸コポリマー、C型、USP/NF(例えばEudragit(登録商標)L 100−55コポリマー)、クエン酸トリエチル、タルク(またはその他の同等物)および水(乾燥させやすい)から構成される。さらなる実施形態においては、pH調節剤、例えば水酸化ナトリウムが、コーティングの一部に含まれる。限定されないが、腸溶コーティングは、出発材料の重量のパーセントとして、約70%〜90%w/wの水性コポリマー分散液(30%の乾燥分および70%の水を含有する)、1%〜5%w/wのクエン酸トリエチル、1%〜10%w/wのpH調節剤、および5%〜15%w/wのタルク(または他の同等の材料)から調製される場合がある。さらなる実施形態において、腸溶コーティングは、出発材料の重量のパーセントとして、30%の乾燥分および70%の水を含有する80%w/wの水性コポリマー分散液(例えばEudragit(登録商標)L30−D55コポリマー分散液)、3%w/wのクエン酸トリエチル、4%w/wの水酸化ナトリウム、および12%w/wのタルクから調製される場合がある。
【0061】
例えばさらに約5〜10分間適切な条件下で乾燥させると、全体の腸溶コーティングは、素錠または最初のコーティング錠または多粒子(すなわちいずれかの以前のコーティングを含む)の約10%〜約30%w/w、15%〜約25%w/w、または約17%〜約23%w/wの範囲となる。さらなる実施形態において、前記コーティングは、コア錠剤または多粒子の約17%〜約18%、あるいは約17.71%である。
【0062】
さらに別の実施形態においては、1つ以上のコーティング層が式Iの化合物を含有する。任意のコーティング層を施した後に凝集物および過大粒子を除去するために、コーティング多粒子を篩にかけられる場合がある。
【0063】
V.キット/パック
また、本発明には、本明細書に記載の多粒子、錠剤、カプセル剤またはカプレットのための容器(例えば、ホイルパッケージや他の適切な容器)を含む医薬包装およびキットも包含される。さらなる実施形態において、キットまたはパックは、多粒子、錠剤、カプセル剤またはカプレットの使用説明書を含む。
【0064】
VI.製剤、キットおよびパックの使用
便秘の副作用のためにSNRIのノルエピネフリン(NE)活性がより高くなることで用途が制限される場合、本発明の製剤は、過敏性腸症候群(IBS)などの適応症を治療するのに、およびこれらの適応症の治療に有用な薬物を調製するのに有用である。また、これらの製剤は、ヒスタミンの副作用の抑制が望まれる用途においても効果的であると考えられる。
【0065】
本発明の製剤は、以下を含むがこれらに限定されない中枢神経系障害の治療または予防に使用することができる:うつ病(大うつ病性障害、双極性障害、気分変調症が含まれるが、これらに限定されない)、線維筋痛、不安、パニック障害、広場恐怖症、心的外傷後ストレス精神障害、月経前不快気分障害(月経前症候群としても知られる)、注意欠陥障害(多動を伴うものおよび伴わないもの)、強迫性障害(抜毛癖など)、社会不安障害、全般性不安障害、自閉症、統合失調症、肥満、神経性無食欲症、神経性過食症、ジル・ド・ラ・トゥレット症候群、血管運動性潮紅、コカインおよびアルコール依存症、性機能不全、(早漏など)、境界性人格障害、慢性疲労症候群、失禁(便失禁、溢流性失禁、受動失禁、反射性失禁、腹圧性尿失禁、切迫性尿失禁、運動性尿失禁、尿失禁等)、疼痛(片頭痛、慢性腰痛、幻肢痛、中枢痛、神経障害性疼痛(例えば糖尿病性ニューロパシーや帯状疱疹後ニューロパシー)を含むがこれらに限定されない)、シャイ・ドレーガー症候群、レイノー症候群、パーキンソン病、癲癇など。また、本発明の製剤は、うつ病の再発または回帰を予防するため、認知障害を治療するため、老年認知症、アルツハイマー病、記憶喪失、健忘および健忘症候群を患う患者の認識能力の向上を誘発させるため、ならびに喫煙または他のタバコ使用の中止のための療法においても使用することができる。さらに、本発明の製剤は、抑うつおよび非抑うつのヒト女性の視床下部性無月経を治療するためにも使用することができる。
【0066】
本発明の製剤の他の使用は、当業者に既知であり、本発明に包含されるものとして意図される。
【0067】
以下の実施例は、本発明を例示するために提供されるものであって、本発明の適用範囲を限定するものではない。当業者は、特定の量、成分および条件が以下の実施例において概説されるものの、本発明の趣旨および適用範囲に包含されるものとして意図される改変を行うことができることを理解するであろう。
【実施例】
【0068】
(実施例1) 錠剤
以下の表にしたがって、式Iの化合物を有する錠剤を調製する。
【0069】
【表1】

A.式Iの化合物の合成
式Iの化合物を、有機合成分野で既知の合成方法または当業者によるこれらの方法の変形とともに、参考として本明細書で援用される2007年1月18日公開の米国特許出願公開第2007−0015828−A1号に記載の通りのスキームIまたはスキームII(下記参照)によって調製する[一般的に、Comprehensive Organic Synthesis, “Selectivity,Strategy&Efficiency in Modern Organic Chemistry”,ed.,I.Fleming,Pergamon Press,New York(1991);Comprehensive Organic Chemistry,“The Synthesis and Reactions of Organic Compounds”,ed.J.F.Stoddard,Pergamon Press,New York(1979)を参照]。
【0070】
スキーム1
以下のスキームは、式Iの化合物の合成を示す。同様の方法が、適切な基を有する種々の中間体を使用する式Iの他の化合物の合成のために使用される。これらの中間体は市販されている。
【0071】
【化8】

R=ハロゲン、アルキル、アミン、チオ。
【0072】
スキーム2
以下のスキームは、式I(式中、R=O(R))の化合物の合成を示す。
【0073】
【化9】

ジメチルホルムアミド(DMF)の4−(ジメチルカルバモイルメチル)フェノールをKCOで処理した後、臭化ベンジルで処理する。
【0074】
混合物を室温にて撹拌した後、60℃にて1時間加熱する。混合物を濃縮してDMFを除去し、EtOAcで希釈し、水で洗浄する。乾燥MgSOを添加し、その混合物を濾過し、小量に濃縮した。ヘキサンを添加して、ケタール中間体を沈殿させる。固体を濾過により回収し、乾燥させる。
【0075】
100mLのTHF/50mLのMeOHの1,4−シクロヘキサンジオン−モノ−エチレンケタールの溶液を酸(例えばHCl)で処理し、次いで室温にて撹拌する。RがO以外(H、置換または非置換のアルキル)である場合、従来方法を使用して、LDA反応の前またはLDA反応の後のいずれかに、対応するR基をケタールに付加する。反応物を飽和KCOで急冷し、EtOAcで抽出し、次いで油に濃縮する。高温のEtOAc/ヘキサンから産物を結晶化してケトン中間体を得る。
【0076】
THFのケトン溶液を、−78℃のTHFの水素化アルミニウムリチウム(LAH)ペレット懸濁液に添加する。混合物を室温に加温し、少なくとも3時間撹拌する。反応物をMeOHで急冷した後、10%NaOHで急冷し、少なくとも3時間撹拌する。固体を濾過により除去した後、洗浄し(例えばTHFで)、濃縮して固体を得る。得られた固体をEtOAc/ヘキサンから再結晶化して、対応するベンジルエーテルを得る。
【0077】
100mLのエタノール中のベンジルエーテルとPd/Cとの混合物に、加圧下で一晩水素添加する。固体を濾過により精製した後、エタノール洗浄を行う。EtOAc/ヘキサンから固体を濃縮し、結晶化し、終産物を得る。
【0078】
化学量論量の酸に遊離塩基を接触させることによって、製剤に使用するための塩を形成する。結晶塩を、溶媒から直接結晶化させることによって調製する。
【0079】
B.製剤
式Iの化合物、一部の微結晶性セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)および一部のステアリン酸マグネシウムを一緒に混合した後、ローラー圧縮により乾燥造粒する。次いで、得られた成形体を、微粉砕および/または篩分けによって分級する。残りの微結晶性セルロースを混合し、造粒物を残りのステアリン酸マグネシウムで潤滑し、錠剤に圧縮する。
【0080】
(実施例2) 持続放出コーティング錠
以下の表にしたがって、式Iの化合物を有する持続放出コーティング錠を調製する。
【0081】
表II
成分 mg/カプセル剤
錠剤コア:
式Iの化合物 50.00
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 135.00
微結晶性セルロース 100.00
タルク 18.00
ステアリン酸マグネシウム 7.00

ERコーティング:
Surelease(登録商標)エチルセルロース 23.0*
分散液
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 2.0
水 N/A**
固体の乾燥重量を表す
**最終式に現れない。
【0082】
実施例1の錠剤について上に記載した通りに錠剤コアを調製する。Wursterカラムおよびボトムスプレーノズルシステムが装着された流動床装置を使用して、エチルセルロースを施す。持続放出(ER)コーティングを作製するための成分を組み合わせて、約60℃の入口温度、5〜10グラム/分のコーティング溶液吹付け速度、および1〜2barの噴霧圧力で錠剤に施す。所望の錠剤温度は38℃〜43℃にてある。適切な増量の後、約5〜10分間、コーティング錠を乾燥させる。
【0083】
(実施例3) 腸溶錠
以下の表にしたがって、式Iの化合物を有する腸溶錠を調製する。
【0084】
表III
成分 mg/カプセル剤
錠剤コア:
式Iの化合物 50.00
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 100.00
微結晶性セルロース 62.00
タルク 18.00
ステアリン酸マグネシウム 7.00

腸溶コーティング:
Eudragit L30−D55 34.00*
クエン酸トリエチル 1.2
水酸化ナトリウム 1.75
タルク 5.00
固体の乾燥重量を表す。
【0085】
実施例1の錠剤について上に記載した通りに錠剤コアを調製する。腸溶コーティングを作製するための成分を組み合わせて、実施例2において持続放出コーティングについて示す通りに施す。
【0086】
(実施例4) 多粒子
以下の表にしたがって、式Iの化合物を有する多粒子を調製する。
【0087】
表IV
成分 mg/カプセル剤
ペレットコア:
式Iの化合物 50.0
微結晶性セルロース 100.0
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 65.0

シールコーティング:
Opadry(登録商標)Clearシールコーティング 2.50

放出速度制御コーティング:
Surelease(登録商標)エチルセルロース 16.0*
分散液
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 2.0
水 NA**
固体の乾燥重量を表す
**最終式に現れない。
【0088】
式Iの化合物を微結晶性セルロースおよび/またはHPMCと組み合わせて、遊星型ミキサー内で水により造粒する。次いで、Nica(登録商標)システムを使用して、得られた湿性の塊を1.0mmのスクリーンに通して押し出す。次いで、その押出物をスフェロナイザーに移し、球状ペレットが得られるまで約700rpmで約2〜3分間回転させる。
【0089】
次いで、湿性ペレットを、流動床乾燥機内で2〜5%の水分レベルに乾燥させる。乾燥ペレットをメッシュスクリーン18に通して、より大きな過大のペレットを除去する。
【0090】
流動床装置には、Wursterカラムおよびボトムスプレーノズルシステムが装着されている。約60℃の入口温度、5〜10グラム/分のコーティング溶液吹付け速度、および1〜2barの噴霧圧力で、Opadry(登録商標)シールコーティングを施す。所望の産物温度は38℃〜43℃にてある。シールコーティングの適切な増量が達成された後、エチルセルロースコーティングを施すことができる。
【0091】
同様に、シールコーティングとしてエチルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースを適切な増量まで施す。エチルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースを含むコーティングを施した後、ペレットをさらに5〜10分間乾燥させる。これらのペレットを除去し、メッシュスクリーン18で篩にかけて、凝集物および過大粒子を除去する。
【0092】
本明細書に記載のすべての文書は、参考として本明細書で援用される。以上において本発明を、特に好ましい実施形態を参考しながら記載してきたが、本発明の趣旨から逸脱することなく改変できることが理解されるであろう。このような改変は、添付の特許請求の範囲内に含まれるものとして意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
錠剤コアを有する放出調節製剤であって、以下:
構造:
【化1】

の化合物あるいはそのプロドラッグまたは薬学的に許容される塩であって、式中、Rが、Cl、F、Br、CH、CF、SCH、NHCH、NO、CN、OH、OC−Cアルキル、置換OC−Cアルキルである、化合物あるいはそのプロドラッグまたは薬学的に許容される塩と;
少なくとも1つの速度制御成分と;
少なくとも1つの結合剤と;
少なくとも1つの滑沢剤と、
を含む、製剤。
【請求項2】
前記錠剤コアを覆うコーティングもさらに含む、請求項1に記載の製剤。
【請求項3】
前記コーティングがシールコーティングである、請求項2に記載の製剤。
【請求項4】
前記シールコーティングが放出速度制御コーティングである、請求項3に記載の製剤。
【請求項5】
前記コーティングがエチルセルロースを含む、請求項4に記載の製剤。
【請求項6】
前記コーティングが可塑剤を有するエチルセルロースである、請求項5に記載の製剤。
【請求項7】
前記コーティングがヒドロキシプロピルメチルセルロースもさらに含む、請求項5に記載の製剤。
【請求項8】
前記コーティングが腸溶コーティングである、請求項2に記載の製剤。
【請求項9】
前記コーティングが、メタクリル酸およびメタクリル酸塩から選択されるモノマーの単位を含有するコポリマーを含む、請求項8に記載の製剤。
【請求項10】
前記コポリマーがメタクリル酸コポリマー(C型)である、請求項9に記載の製剤。
【請求項11】
前記腸溶コーティングがまたクエン酸トリエチルも含有する、請求項8、9または10に記載の製剤。
【請求項12】
前記速度制御成分がヒドロキシプロピルメチルセルロースである、請求項1に記載の製剤。
【請求項13】
前記結合剤が微結晶性セルロースである、請求項1に記載の製剤。
【請求項14】
前記微結晶性セルロースがAvicel(登録商標)微結晶性セルロースである、請求項13に記載の製剤。
【請求項15】
前記滑沢剤がステアリン酸マグネシウムである、請求項1から14のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項16】
多粒子放出調節製剤であって、各該多粒子が、
構造:
【化2】

の化合物あるいはそのプロドラッグまたは薬学的に許容される塩であって、式中、Rが、Cl、F、Br、CH、CF、SCH、NHCH、NO、CN、OH、OC−Cアルキル、置換OC−Cアルキルである、化合物あるいはそのプロドラッグまたは薬学的に許容される塩と;
少なくとも1つの速度制御成分と;
少なくとも1つの結合剤と、
を含む、球状体コアを含む、
製剤。
【請求項17】
前記多粒子コアを覆うシールコーティングもさらに含む、請求項16に記載の製剤。
【請求項18】
前記シールコーティングがヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む、請求項17に記載の製剤。
【請求項19】
前記シールコーティングが、可塑剤としてポリエチレングリコールを有するヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む、請求項17に記載の製剤。
【請求項20】
放出速度制御コーティングもさらに含む、請求項17、18または19に記載の製剤。
【請求項21】
前記放出速度制御コーティングがエチルセルロースを含む、請求項20に記載の製剤。
【請求項22】
前記放出速度制御コーティングがヒドロキシプロピルメチルセルロースもさらに含む、請求項21に記載の製剤。
【請求項23】
前記放出速度制御コーティングが、可塑剤を有するエチルセルロースを含む、請求項21または22に記載の製剤。
【請求項24】
前記多粒子コアを覆う腸溶コーティングもさらに含む、請求項16から23のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項25】
前記腸溶コーティングがメタクリル酸コポリマー(C型)を含む、請求項24に記載の製剤。
【請求項26】
前記速度制御成分がヒドロキシプロピルメチルセルロースである、請求項16から25のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項27】
前記結合剤が微結晶性セルロースである、請求項16から25のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項28】
前記化合物のRがOHである、請求項1から27のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項29】
前記化合物のRがO−メチルである、請求項1から27のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項30】
錠剤コアを有する放出調節製剤であって、以下:
該錠剤コアの約15%〜約16%w/wの、構造:
【化3】

の化合物あるいはそのプロドラッグまたは薬学的に許容される塩であって、式中、Rが、Cl、F、Br、CH、CF、SCH、NHCH、NO、CN、OH、OC−Cアルキル、置換OC−Cアルキルである、化合物あるいはそのプロドラッグまたは薬学的に許容される塩と;
該錠剤コアの約40%w/wの速度制御成分と;
該錠剤コアの約43%〜約44%w/wの結合剤と;
該錠剤コアの約1%w/wの滑沢剤と、
を含む、製剤。
【請求項31】
15.38%w/wの前記化合物、あるいはそのプロドラッグまたは薬学的に許容される塩と;
40%w/wのヒドロキシプロピルメチルセルロースと;
43.62%w/wの微結晶性セルロースと;
1%w/wのステアリン酸マグネシウムと、
を含む、請求項30に記載の製剤。
【請求項32】
錠剤コアを有する放出調節製剤であって、以下:
該錠剤コアの約16%〜約17%w/wの、構造:
【化4】

の化合物あるいはそのプロドラッグまたは薬学的に許容される塩であって、式中、Rが、Cl、F、Br、CH、CF、SCH、NHCH、NO、CN、OH、OC−Cアルキル、置換OC−Cアルキルである、化合物あるいはそのプロドラッグまたは薬学的に許容される塩と;
該錠剤コアの約43%〜約44%w/wの速度制御成分と;
該錠剤コアの約32%〜約33%w/wの結合剤と;
該錠剤コアの約8%〜約9%w/wの滑沢剤と、
を含む、製剤。
【請求項33】
前記錠剤コアの約8%〜約9%w/wを構成する該錠剤コアを覆う放出速度制御成分もさらに含む、請求項32に記載の製剤。
【請求項34】
前記錠剤コアの16.13%w/wの前記化合物、あるいはそのプロドラッグまたは薬学的に許容される塩と;
該錠剤コアの43.55%w/wのヒドロキシプロピルメチルセルロースと;
該錠剤コアの32.26%w/wの微結晶性セルロースと;
該錠剤コアの5.81%w/wのタルクと;
該錠剤コアの2.26%w/wのステアリン酸マグネシウムと;
該錠剤コアを覆う放出速度制御コーティングであって、以下:
該錠剤コアの7.42%w/wの、可塑剤を有するエチルセルロースと;
該錠剤コアの0.65%w/wのヒドロキシプロピルメチルセルロースと、
を含む、コーティングと、
を含む、請求項32に記載の製剤。
【請求項35】
錠剤コアを有する放出調節製剤であって、以下:
該錠剤コアの約21%〜約22%w/wの、構造:
【化5】

の化合物あるいはそのプロドラッグまたは薬学的に許容される塩であって、式中、Rが、Cl、F、Br、CH、CF、SCH、NHCH、NO、CN、OH、OC−Cアルキル、置換OC−Cアルキルである、化合物あるいはそのプロドラッグまたは薬学的に許容される塩と;
該錠剤コアの約42%〜約43%w/wの速度制御成分と;
該錠剤コアの約26%〜約27%w/wの結合剤と;
該錠剤コアの約10%〜約11%w/wの滑沢剤と、
を含む、製剤。
【請求項36】
前記錠剤コアの約17%〜約18%w/wを構成する該錠剤コアを覆う腸溶コーティングもさらに含む、請求項35に記載の製剤。
【請求項37】
前記錠剤コアの21.10%w/wの前記化合物、あるいはそのプロドラッグまたは薬学的に許容される塩と;
該錠剤コアの42.19%w/wのヒドロキシプロピルメチルセルロースと;
該錠剤コアの26.16%の微結晶性セルロースと;
該錠剤コアの7.59%w/wのタルクと;
該錠剤コアの2.95%w/wのステアリン酸マグネシウムと;
該錠剤コアを覆う腸溶コーティングであって、以下:
該錠剤コアの14.35%w/wのメタクリル酸コポリマーC型と;
該錠剤コアの0.51%w/wのクエン酸トリエチルと;
該錠剤コアの0.74%w/wの水酸化ナトリウムと;
該錠剤コアの2.11%w/wのタルクと、
を含む、コーティングと、
を含む、請求項35に記載の製剤。
【請求項38】
多粒子放出調節製剤であって、各該多粒子が、以下:
該錠剤コアの約23%〜約24%w/wの、構造:
【化6】

の化合物あるいはそのプロドラッグまたは薬学的に許容される塩であって、式中、Rが、Cl、F、Br、CH、CF、SCH、NHCH、NO、CN、OH、OC−Cアルキル、置換OC−Cアルキルである、化合物あるいはそのプロドラッグまたは薬学的に許容される塩と;
該多粒子コアの約30%〜約31%w/wの速度制御成分と;
該多粒子コアの約46%〜約47%w/wの結合剤と、
を含む、球状体コアを含む、
製剤。
【請求項39】
前記多粒子コアの約1%〜約2%w/wを構成する該多粒子コアを覆うシールコーティングもさらに含む、請求項38に記載の製剤。
【請求項40】
前記多粒子コアの約8%〜約9%w/wを構成する該多粒子コアを覆う腸溶コーティングもさらに含む、請求項38または39に記載の製剤。
【請求項41】
前記多粒子コアの23.26%w/wの前記化合物、あるいはそのプロドラッグまたは薬学的に許容される塩と;
該多粒子コアの30.23%w/wのヒドロキシプロピルメチルセルロースと;
該多粒子コアの46.51%w/wの微結晶性セルロースと;
該多粒子コアを覆うシールコーティングであって、可塑剤としてポリエチレングリコールを有するヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む、該多粒子コアの1.16%w/wのシールコーティングを含む、コーティングと;
該多粒子コアを覆う腸溶コーティングであって、以下:
該多粒子コアの7.44%w/wの、可塑剤を有するエチルセルロースと;
該多粒子コアの0.93%w/wのヒドロキシプロピルメチルセルロースと、
を含む、コーティングと、
を含む、請求項38に記載の製剤。
【請求項42】
請求項16〜27または38〜41のいずれか一項に記載の多粒子を含む、カプセル剤。
【請求項43】
請求項16〜27または38〜41のいずれか一項に記載の多粒子を含む、ホイルパケット。
【請求項44】
医薬を調製することにおける、請求項1〜41のいずれか一項に記載の製剤の使用。

【公表番号】特表2009−536203(P2009−536203A)
【公表日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−509679(P2009−509679)
【出願日】平成19年5月3日(2007.5.3)
【国際出願番号】PCT/US2007/010607
【国際公開番号】WO2007/130438
【国際公開日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【出願人】(591011502)ワイス (573)
【氏名又は名称原語表記】Wyeth
【Fターム(参考)】