説明

固体撮像素子及びその製造方法並びに撮像装置

【課題】本発明は、テラヘルツ帯をはじめとする長波長光を、輻射熱揺らぎの影響を受けることなく、電気信号に変換し、おもに映像信号として出力する固体撮像素子及びその製造方法並びに撮像装置を提供する。
【解決手段】セル部10は、入射された電波を受信することにより電気信号を生成するアンテナ部142と、アンテナ部に電気的に接続され、電気信号に応じたジュール熱を生成することにより、セル部の温度を変化させる電気抵抗12と、支持構造配線部111と電気的に接続されると共に、アンテナ部及び電気抵抗と電気的に絶縁され、かつ電気抵抗と熱的に接続され、セル部の温度変化を検出することにより、電気信号を生成する熱電変換素子31とを有し、セル部のうち電波の入射面側は、遠赤外線を反射する材料によって形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テラヘルツ帯をはじめとする長波長光のイメージ(画像)に対する固体撮像素子に関するものであり、特に高感度、高解像度な固体撮像素子に関する。
【背景技術】
【0002】
入射した遠赤外線(8〜12μm帯)をセル部によって吸収することにより、一旦熱エネルギーに変換し、同セル部内に設けられた熱電変換素子で電気信号に変換する赤外線センサがある(例えば特許文献1参照)。しかし、この構成では、遠赤外線よりも波長の長い光(あるいは電波)を検出することはできない。
【特許文献1】特開2001−281065号公報
【特許文献2】US6,441,368B1
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、テラヘルツ帯をはじめとする長波長光を、輻射熱揺らぎの影響を受けることなく、電気信号に変換し、おもに映像信号として出力する固体撮像素子及びその製造方法並びに撮像装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一態様による固体撮像素子は、
半導体基板と、
前記半導体基板上に設けられた読み出し配線部と、
前記半導体基板の表面部分に形成された凹部の上方に配置され、前記読み出し配線部と電気的に接続された接続配線を有する支持構造部と、
前記凹部の上方に配置され、前記支持構造部によって支持されたセル部と
を備え、前記セル部は、
入射された電波を受信することにより電気信号を生成するアンテナ部と、
前記アンテナ部に電気的に接続され、前記電気信号に応じたジュール熱を生成することにより、前記セル部の温度を変化させる電気抵抗と、
前記支持構造部と電気的に接続されると共に、前記アンテナ部及び前記電気抵抗と電気的に絶縁され、かつ前記電気抵抗と熱的に接続され、前記セル部の温度変化を検出することにより、電気信号を生成する熱電変換素子と、
前記セル部のうち前記電波の入射面側に設けられた赤外線を反射する部材と、
を備える。
【0005】
また本発明の一態様による固体撮像素子の製造方法は、
半導体基板上に、熱電変換素子、熱電変換素子配線部、支持構造配線部、読み出し配線部及び層間絶縁膜を形成する工程と、
前記層間絶縁膜にパターニングを行ってエッチングホールを形成することにより、支持構造保護膜を形成する工程と、
前記支持構造保護膜の上部と前記熱電変換素子配線部の上方に形成されている層間絶縁膜とにエッチングを行って除去する工程と、
前記エッチングホールを埋め込むように、前記半導体基板上に犠牲層を形成する工程と、
前記犠牲層にエッチングを行って、前記層間絶縁膜の表面を露出させることにより、コンタクトホールを形成する工程と、
前記コンタクトホール内であってかつ前記層間絶縁膜上に、電気抵抗膜を成膜しパターニングを行って電気抵抗を形成する工程と、
前記犠牲層、前記層間絶縁膜及び前記電気抵抗上に、アンテナ下層保護膜、アンテナコンタクト、金属膜及びアンテナ上層保護膜を順次形成する工程と、
前記アンテナ上層保護膜、前記金属膜及び前記アンテナ下層保護膜にエッチングを行って、アンテナ部を形成すると共に、前記犠牲層の表面を露出させる工程と、
前記犠牲層と、前記熱電変換素子の下方に位置する前記半導体基板とにエッチングを行って、前記半導体基板の表面部分に凹部を形成する工程と、
前記アンテナ上層保護膜にエッチングを行って除去する工程と、
を備える。
【0006】
また本発明の一態様による固体撮像素子の製造方法は、
半導体基板上に、熱電変換素子、熱電変換素子配線部、支持構造配線部、読み出し配線部及び層間絶縁膜を形成する工程と、
前記層間絶縁膜にパターニングを行ってエッチングホールを形成することにより、支持構造保護膜を形成する工程と、
前記支持構造保護膜の上部に形成されている層間絶縁膜にエッチングを行って除去する工程と、
前記エッチングホールを埋め込むように、前記半導体基板上に犠牲層を形成する工程と、
前記犠牲層にエッチングを行って、前記層間絶縁膜の表面を露出させることにより、コンタクトホールを形成する工程と、
前記コンタクトホール内であってかつ前記層間絶縁膜上に、電気抵抗膜を成膜しパターニングを行って電気抵抗を形成する工程と、
前記犠牲層、前記層間絶縁膜及び前記電気抵抗上に、アンテナ下層保護膜、アンテナコンタクト、金属膜及びアンテナ上層保護膜を順次形成する工程と、
前記アンテナ上層保護膜、前記金属膜及び前記アンテナ下層保護膜にエッチングを行って、アンテナ部を形成すると共に、前記犠牲層の表面を露出させる工程と、
前記犠牲層と、前記熱電変換素子の下方に位置する前記半導体基板とにエッチングを行って、前記半導体基板の表面部分に凹部を形成する工程と、
前記アンテナ上層保護膜と前記熱電変換素子配線部上に残存している前記層間絶縁膜とにエッチングを行って除去する工程と、
を備える。
【0007】
また本発明の一態様による撮像装置は、
半導体基板と、
前記半導体基板に画素アレイとしてマトリクス状に配置された複数の固体撮像素子と、
前記各固体撮像素子によって検出された電気信号を映像信号として順次読み出す読出し回路とを備え、
前記固体撮像素子は、
前記半導体基板上に設けられた読み出し配線部と、
前記半導体基板の表面部分に形成された凹部の上方に配置され、前記読み出し配線部と電気的に接続された接続配線を有する支持構造部と、
前記凹部の上方に配置され、前記支持構造部によって支持されたセル部と
を備え、前記セル部は、
入射された電波を受信することにより電気信号を生成するアンテナ部と、
前記アンテナ部に電気的に接続され、前記電気信号に応じたジュール熱を生成することにより、前記セル部の温度を変化させる電気抵抗と、
前記支持構造部と電気的に接続されると共に、前記アンテナ部及び前記電気抵抗と電気的に絶縁され、かつ前記電気抵抗と熱的に接続され、前記セル部の温度変化を検出することにより、電気信号を生成する熱電変換素子と、
前記セル部のうち前記電波の入射面側に設けられた赤外線を反射する部材と、
を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、結像された長波長光を、10μm帯付近の輻射熱揺らぎに影響されることなく、非冷却において高感度に電気信号に変換し、画像あるいは動画として出力することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
【0010】
図1および図2に、本発明の第1の実施の形態による固体撮像素子1の構成を示す。図1は、本実施の形態による固体撮像素子1の断面図であり、図2は、当該固体撮像素子1を上方から目視した場合における平面図である。図1は、固体撮像素子1をA−A線(図2)に沿って切断した場合の縦断面図を示す。なお、この固体撮像素子1は、1検出器(すなわち1画素)を形成する。
【0011】
アンテナ部142は、電気抵抗の非常に低い金属膜であり、入射した電波を受信する。アンテナ部142の抵抗値は、たとえば10Ω以下の低抵抗であることが望ましい。さらにアンテナ部142の幅は、入射する電波の波長の1/2程度であることが望ましく、これにより前記波長の電波を選択的に受信することができる。
【0012】
図2のように、アンテナ部142は、例えば2部位(第1及び第2のアンテナ部分)に分割されており、それらは、アンテナコンタクト141を介して1個の抵抗体(電気抵抗)12に電気的に接続されている。ここで、前記アンテナコンタクト141は、アンテナ部142と同様、10Ω以下の低抵抗であることが望ましい。なお、抵抗体12の抵抗値は、例えば200Ω程度である。
【0013】
アンテナ部142が受信した電波は、アンテナ部142、アンテナコンタクト141および抵抗体12の間に電流(すなわち電気信号)を発生させる。前記電流の周波数は、受信した電波の周波数に等しい。本実施の形態による固体撮像素子1の処理対象である電磁波は、GHz〜THz領域の非常に周波数の高いものであり、これを電気的に処理することは困難である。したがって、前記発生電流が抵抗体12において発生させるジュール発熱を利用する。このジュール熱は、発生した電流をIa, 抵抗体12の抵抗値をRaとすると、
【数1】

であらわされる。
【0014】
ここで生じた熱エネルギーPaは、セル部10の温度を上昇させる。ここで固体撮像素子1は、真空中に設置されており、またセル部10は、半導体基板5をエッチングして作製された空洞部44によって、半導体基板5から熱的に隔離されている。
【0015】
セル部10を支持する支持構造部は、支持構造配線部(接続配線)111および支持構造保護膜112を備え、これらはそれぞれ読み出し配線201および読み出し配線保護膜202と連結されており、セル部10の同じ高さの部分を取り巻くような構造となっている。また、支持構造配線部111は、読み出し配線201と電気的に接続されている。セル部10の熱隔離性は、この支持構造の熱コンダクタンスによって決定され、支持構造を長く構成すればするほど、また細く構成すればするほど断熱性は向上する。
【0016】
支持構造全体の熱コンダクタンスをGthとすると、上記において生じた熱エネルギーPaによってセル部10の温度は
【数2】

にしたがって上昇していく。ここでtは受信開始後の経過時間であり、Cthは、セル部10の熱容量である。
【0017】
アンテナ部142が一定の電波を受信しているとき、セル部10の温度は熱時定数τで定常状態になる。前記熱時定数は
【数3】

により計算される。
【0018】
セル部10のサイズを30μm×30μm程度、高さを4〜5μm程度とし、また支持構造が2本構成され、支持構造保護膜112の断面サイズを1μm×1μm程度、セル部10から読み出し配線保護膜202までの長さを70μm程度としたときには、上記熱時定数は、おおよそ20msec〜50msec程度となる。
【0019】
定常状態では、セル部10の温度は、
【数4】

に近い値となる。この(4)式からわかるように、定常状態でセル部10の温度を決定するのは、生じたジュール熱のエネルギー量と、支持構造の熱コンダクタンスのみである。
【0020】
セル部10の温度上昇ΔTは、セル部10の下層に構成された熱電変換素子31によって検出される。例えば熱電変換素子31に、読み出し配線201および支持構造配線部111を介して一定電流を流し、その状態で、当該熱電変換素子31の両端に生じる電圧(すなわち電位差)の変化を計測する方法が簡便である。
【0021】
この方法では、熱電変換率はdV/dTで表され、セル部10の温度上昇ΔTによって電圧変化dVが発生する。したがって定常状態では、セル部10から、
【数5】

であらわされる電圧信号(電気信号)が出力される。
【0022】
なお、この熱電変換素子31は、支持構造配線部111と電気的に接続されると共に、アンテナ部142及び抵抗体12と電気的に絶縁され、かつアンテナ部142及び抵抗体12と熱的に接続され、前記セル部10の温度変化を検出することにより、電気信号を生成する。
【0023】
ところで、波長10μm周辺の光における、輻射エネルギーのエネルギー密度は、波長100μmの光(テラヘルツ光)に比較して1000倍程度高くなる。従って、本実施の形態のような固体撮像素子1を形成する熱型センサでは、特に波長が10μm周辺の輻射熱揺らぎによるノイズの影響が大きい。
【0024】
また、この固体撮像素子1では、抵抗体12と熱電変換素子31との間に、二酸化シリコンからなる層間絶縁膜32が形成され、アンテナ部142の下方には、窒化シリコンからなるアンテナ下層保護膜131が形成されている。なお、層間絶縁膜32の膜厚(すなわち、熱電変換素子31の上面から、抵抗体12の下面までの距離)は、1〜1.5μmになるように形成されている。
【0025】
このように、二酸化シリコン、窒化シリコンのような、10μm近傍に吸収ピークを持つ材料が、固体撮像素子1の表面に形成されると、当該材料における、10μm帯の光の輻射によるセル部10の温度上昇が、信号成分を支配してしまうことになる。
【0026】
よって、本実施の形態による固体撮像素子1に関しては、表面に10μm帯の光を反射する材料を露出させることが必要であり、そのために本実施の形態の固体撮像素子1では、アンテナ部142を電波入射側に露出させている。
【0027】
また、アンテナ部142を形成する2つの部分(第1及び第2のアンテナ部分)の間には、間隙が形成されている。本実施の形態の場合、この間隙を通過する10μm帯の光を反射させるため、この間隙に位置する層間絶縁膜32を覆うように、金属膜として熱電変換素子配線層33を形成し、当該熱電変換素子配線層33を露出させる。なお、この熱電変換素子配線層33は、熱電変換素子コンタクト34を介して熱電変換素子31に接続される。また、この熱電変換素子配線層33は、熱電変換素子31に接続されないダミーの配線層であっても良い。
【0028】
以上の方法によって、電波入射面からみたときに、10μm帯の光を反射する金属領域(すなわち、アンテナ部142、抵抗体12及び熱電変換素子配線層33)によって、セル部10の全面を覆うことができる。なお、セル部10を除く例えば支持構造保護膜112などは、10μm帯の光を吸収しても良い。
【0029】
これにより、結像された長波長光を、10μm帯の輻射熱揺らぎに影響されることなく、非冷却で高感度に電気信号に変換し、画像あるいは動画として出力することができる。
【0030】
なお、本実施の形態の場合、前記熱電変換素子31は、SOI層にイオン注入を行うことによって形成されたpn接合ダイオードで構成される。pn接合ダイオードの順方向電圧は、図3に示すように、一定電流を流している状態では温度上昇に応じて低下する。
【0031】
また、一定電流下では、直列に接続されたpn接合ダイオードの個数に比例して、熱電変換係数dV/dTが大きくなるため、pn接合ダイオードはセル部10の中に直列に多数構成することが望ましい。
【0032】
ここで図4に、ダイポールアンテナのアンテナ形状に対するpn接合ダイオードの配置と、配線層の配置例を示し、図5に、ボウタイ型アンテナのアンテナ形状に対するpn接合ダイオードの配置と、配線層の配置例を示す。
【0033】
図4(a)は、セル部10に3個のpn接合ダイオードを直列に形成したものである。pn接合ダイオードは、実際には、より多数形成しても良いが、本実施形態においては本質的ではないためわかり易く3個とした。
【0034】
図4(a)は、ダイポールアンテナを構成したときのpn接合ダイオードおよび熱電変換素子配線層33の配置例である。本構成では、ダイポールアンテナの長さの2倍の波長にあたる電波を選択的に受信することができる。図4(a)では、上面からみたときに層間絶縁膜32の占める割合が多くなるため、pn接合ダイオード間の接続配線を拡張して、層間絶縁膜32全体を覆うように形成している。因みに、アンテナ部142の下方に位置する熱電変換素子コンタクト34は、図示されていない。
【0035】
なお、図4(b)は、図4(a)のうち熱電変換素子配線層33の下面よりも深い部分(すなわち半導体基板5に近い部分)をみたときの平面図である。
【0036】
図5は、ボウタイ型アンテナを構成したときのpn接合ダイオードおよび熱電変換素子配線層33の配置例である。ボウタイ型アンテナでは、ダイポールアンテナよりも受信電波の帯域幅が広くなることが特徴である。図5においても、上面からみたときに露出する層間絶縁膜32を覆うように熱電変換素子配線層33を構成すればよい。
【0037】
ここで、本実施形態にかかわる固体撮像素子1の製造方法の一例を図6〜図17に示す。まず図6に示すように、SOI(Silicon on Insulator)基板を用意する。SOI基板は、半導体基板5、埋め込み酸化膜51およびSOI層からなり、本実施形態ではSOI層に熱電変換素子31が形成される。SOI層より上層には、支持構造配線部111、熱電変換素子配線層33、熱電変換素子コンタクト34、読み出し配線201およびそれらを包含する層間絶縁膜32が形成される。本製造方法では通常のCMOS−LSI製造プロセスを適用することができ、上記の構造構成時に同時にトランジスタ、キャパシタ等からなる処理回路を形成することも可能である。
【0038】
つぎに図7に示すように、エッチングホール40がRIE(Reactive Ion Etching)で形成され、これによって支持構造保護膜112がパターニングされる。さらに図8のように、支持構造保護膜112、およびセル部10の層間絶縁膜32がエッチングされる。ここで熱電変換素子配線層33の上部表面には、薄く層間絶縁膜32が残されるようにエッチングされる(図示せず)。ここで、この熱電変換素子配線層33上に残存する層間絶縁膜32の膜厚は、0.1〜0.3μm程度である。このように薄く層間絶縁膜32が残されることにより、後に犠牲層41、半導体基板5の一部を除去する工程(図17)において、熱電変換素子配線層33がエッチングに晒されることを防止し、その膜減りや消失を防止することができる。なお、このエッチングによる膜減りを無視できる設計条件であれば、必ずしも熱電変換素子配線層33上に層間絶縁膜32を残存させなくてもよく、この場合には上記エッチングにより熱電変換素子配線層33の上部表面が露出されることとなる。
【0039】
ひきつづき、図9に示すように、アンテナ形成のために犠牲層41を成膜する。犠牲層41は、図17でのリリース時にアンテナ部142と読み出し配線層保護膜202の接触(スティッキング)が起こりにくいように、たとえば3μmの厚みに構成することが望ましい。続いて図10のように、コンタクトホール42を形成し、図11のように、コンタクトホール42内に抵抗体12を成膜及びパターニングする。
【0040】
次に図12のように、アンテナ下層保護膜131を成膜し、図13のように、アンテナ下層保護膜131にコンタクトホールを形成し、アンテナコンタクト141を埋め込む。つづいて図14のように、例えばCMP(Chemical Mechanical Polishing)プロセスによって余分なアンテナコンタクト141を除去すると同時に構造を平坦化する。
【0041】
続いて図15のように、アンテナ部142およびアンテナ上層保護膜132を形成する。アンテナ部142は例えばAlのような低抵抗の金属膜で構成する。アンテナ上層保護膜132は二酸化シリコン、およびアンテナ下層保護膜131は窒化シリコンであることが望ましい。これは後のシリコンエッチング工程および二酸化シリコンエッチング工程からアンテナ部142を保護しながら、上面のみアンテナ部142を暴露するためである。なお、アンテナ上層保護膜132の膜厚は、熱電変換素子配線層33上に残存する層間絶縁膜32の膜厚と略同一になるように形成される。
【0042】
アンテナ部142は、図13においてコンタクトホールを形成した後に、アンテナコンタクト141と同時に同じ材質(例えばAl)で形成してもよい。
【0043】
アンテナの形状は、図16に示したように、RIE工程によってパターニングされる。このとき形成されたアンテナ形成ホール43は、犠牲層41を露出していることが必要である。
【0044】
最後に、図17に示すように、アンテナ形成ホール43から、例えばTMAHやKOHのようなエッチャント(異方性のエッチング溶液)を用いて犠牲層41、半導体基板5の一部を除去する。上記のようなエッチャントでは、シリコンの結晶面方位に関してエッチング選択性が大きいため、図17に示したように、(111)方位(図中斜め下方方向)にはエッチングが進まず、かつ(100)方位(図中下方方向)にはエッチングが進行する条件で、セル部10および支持構造保護膜112の下部の半導体基板5のみを除去することにより、空洞部44を形成する。
【0045】
続いて、例えばバッファード−フッ酸(Buffered-HF)処理によってアンテナ上層保護膜132および、熱電変換素子配線層33の上部に残った層間絶縁膜32をエッチングして、それぞれアンテナ部142、熱電変換素子配線層33の上部(電波入射面側)を露出させる(図1)。
【0046】
以上の工程によって、LSI回路が形成されたSOI基板上に、本実施形態のアンテナ構造を形成することができる。
【0047】
なお、図27に示すように、上述の図8における工程を実行する際、支持構造保護膜112のみにエッチングを行って、セル部10の層間絶縁膜32、すなわち熱電変換素子配線層33上に形成されている層間絶縁膜32をそのまま残存させることも可能である。この場合には、これ以降、上述の図9〜図17と同様の工程を順次実行することにより、図28に示すように、層間絶縁膜32の上端角部付近に、段部32Aが形成された固体撮像素子1を製造する。即ち、図17の工程を行うことにより、熱電変換素子配線層33上面の一部若しくは全部が露出し、この露出面が赤外線を反射する面となる。かかる方法によっても、薄く層間絶縁膜32が残されることにより、後に犠牲層41、半導体基板5の一部を除去する工程(図17)において、熱電変換素子配線層33がエッチングに晒されることを防止し、その膜減りや消失を防止することができる。
【0048】
ところで、本実施の形態は、図18に示すように、アンテナ部142の下面と、熱電変換素子配線層33の上面との間の光路長Lを調整することにより、該部位での遠赤外線の吸収率を低減することもできる。
【0049】
具体的には、たとえばアンテナ下層保護膜131の厚みをL1,屈折率をn1とし、アンテナ下層保護膜131の下面から熱電変換素子配線層33の上面までの距離をL2、真空の屈折率をn0とすると、アンテナ部142の下面と、熱電変換素子配線層33の上面との間の光路長Lは以下の式で表される。
L=n1L1 + n0L2 ・・・・(6)
【0050】
上記光路長Lが、反射させたい光の波長λの半波長λ/2の自然数倍となるように設計することにより、波長λの光の吸収率を低減することができる。
【0051】
通常、赤外線センサでは、上記光路長Lをλ/4の自然数倍とすることで、熱電変換素子配線層33の上面が光波の固定端、アンテナ下層保護膜131部位に光波の山が位置し、アンテナ下層保護膜131での吸収率を向上させる技術が用いられる。これに対して、本実施形態では、逆に光波の谷をアンテナ下層保護膜131部位に位置させることにより、吸収率を下げるものである。
【0052】
したがって、上記光路長Lを、吸収させたくない波長帯、すなわち8〜12μmの半波長の自然数倍となるように設計することにより、遠赤外線の吸収率を低減させることができる。実際には、成膜プロセスのスペックを考慮して、L=4〜6μmとなるようにすればよい。本実施形態のセル部10の製造工程としては、前述の犠牲層41形成プロセスにおいて、犠牲層41の膜厚を制御することによってLを調整すればよい。
【0053】
すなわち、要は、熱電変換素子配線層33の上面と、アンテナ部142の下面との間に位置する領域の光路長を、4〜6[μm]の自然数倍になるように形成すれば良い。
【0054】
さらに、図19に示すように、上記光路長Lの1/2にあたる位置(熱電変換素子配線層33の上面からL3(=L/2)だけ高い位置)に、読み出し配線層保護膜202から張り出した遠赤外線吸収膜133を形成することにより、アンテナ部142を透過した遠赤外線のエネルギーを読み出し配線層保護膜202に逃がすことができる。
【0055】
ここで、遠赤外線吸収膜133の製造方法を図20〜図24に示す。本製造方法は、上述の製造方法のうち、図6〜図8までの工程については同様であるが、犠牲層を2層形成する必要がある点で異なる。まず図20に示すように、犠牲層41Aを、厚みが上記L/2となるように形成する。
【0056】
次に図21に示すように、読み出し配線層保護膜202上の犠牲層41Aをエッチングにより除去した後、図22に示すように、読み出し配線層保護膜202上に遠赤外線吸収膜133を成膜する。
【0057】
続いて図23に示すように、遠赤外線吸収膜133のうち中央部付近の領域をエッチングした後、2層目の犠牲層41Bを堆積する。そして上述の図10、図11における工程と同様に、コンタクトホール42を形成し、抵抗体12を成膜及びパターニングする。これ以降は、上述の図12〜図17における工程と同様の工程を実行する。
【0058】
ここで、図25に、上述の固体撮像素子1をマトリクス状に配置することにより形成された撮像装置300の構成を示す。
【0059】
この図25のように、撮像装置300は、かかる固体撮像素子1を縦横に列設してなる画素アレイ100と、読み出し回路とからなり、当該読み出し回路は、前記画素アレイ100に対し行順次でバイアス電圧を印加する垂直スキャナ61と、選択された行に位置する固体撮像素子1からの出力信号を列並列で処理するノイズ減算・積分回路62と、A/D変換回路63と、並列に読み出された信号をシリアルで読み出す水平スキャナ64と、シリアルで読み出された信号に対し、エッジ検出処理、キズ補正処理及び補間処理等を施す信号処理回路65とからなる。
【0060】
なお上述の実施の形態は一例であって、本発明を限定するものではない。例えば、図26のように、アンテナ部142によって形成された平面的な間隙の下方に位置する領域を避けるようにして、セル部10の層間絶縁膜32を形成することもできる。すなわち、アンテナ部142及び抵抗体12が形成されている領域の下方に、層間絶縁膜32を形成する。
【0061】
この場合、セル部10は、電波の入射側に位置する表面が、抵抗体12を除き、アンテナ部142によって覆われるように形成される。なお、その際、熱電変換素子31の抵抗値を保つことができれば、層間絶縁膜32を種々の形状に形成することが可能である。
【0062】
これにより、アンテナ部142の平面形状に対する、熱電変換素子配線層33のレイアウト自由度を向上させることができる。
【0063】
その他、上述した実施形態では、アンテナ部142、熱電変換素子配線層33、或いは抵抗体12等の表面が露出している構成を採用しているが、これらの表面上に薄く二酸化シリコンその他の絶縁膜が残されている構成も用いることができる。例えば、厚みが0より大きく10nm以下程度の絶縁膜を用いれば、当該絶縁膜による赤外線の吸収を十分に抑制しつつ、赤外線を反射する効果を十分発揮させることが可能である。
【0064】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の実施の形態に係わる固体撮像素子の断面図。
【図2】同固体撮像素子の平面図。
【図3】pn接合ダイオードの順方向電圧と電流との関係。
【図4】ダイポールアンテナのアンテナ形状に対するpn接合ダイオードの配置と、配線層の配置例。
【図5】ボウタイ型アンテナのアンテナ形状に対するpn接合ダイオードの配置と、配線層の配置例。
【図6】本発明の実施の形態に係わる固体撮像素子の製造方法例。
【図7】本発明の実施の形態に係わる固体撮像素子の製造方法例。
【図8】本発明の実施の形態に係わる固体撮像素子の製造方法例。
【図9】本発明の実施の形態に係わる固体撮像素子の製造方法例。
【図10】本発明の実施の形態に係わる固体撮像素子の製造方法例。
【図11】本発明の実施の形態に係わる固体撮像素子の製造方法例。
【図12】本発明の実施の形態に係わる固体撮像素子の製造方法例。
【図13】本発明の実施の形態に係わる固体撮像素子の製造方法例。
【図14】本発明の実施の形態に係わる固体撮像素子の製造方法例。
【図15】本発明の実施の形態に係わる固体撮像素子の製造方法例。
【図16】本発明の実施の形態に係わる固体撮像素子の製造方法例。
【図17】本発明の実施の形態に係わる固体撮像素子の製造方法例。
【図18】同固体撮像素子における光路長の関係を示す図。
【図19】本発明の他の実施の形態に係わる固体撮像素子の断面図。
【図20】本発明の他の実施の形態に係わる固体撮像素子の製造方法例。
【図21】本発明の他の実施の形態に係わる固体撮像素子の製造方法例。
【図22】本発明の他の実施の形態に係わる固体撮像素子の製造方法例。
【図23】本発明の他の実施の形態に係わる固体撮像素子の製造方法例。
【図24】本発明の他の実施の形態に係わる固体撮像素子の製造方法例。
【図25】撮像装置の構成を示すブロック図。
【図26】本発明の他の実施の形態に係わる固体撮像素子の平面図。
【図27】本発明の他の実施の形態に係わる固体撮像素子の製造方法例。
【図28】本発明の他の実施の形態に係わる固体撮像素子の製造方法例。
【符号の説明】
【0066】
10 セル部
111 支持構造配線部
112 支持構造保護膜
12 抵抗体
131 アンテナ下層保護膜
132 アンテナ上層保護膜
141 アンテナコンタクト
142 アンテナ部
201 読み出し配線
202 読み出し配線保護膜
31 熱電変換素子
32 層間絶縁膜
33 熱電変換素子配線層
34 熱電変換素子コンタクト
40 エッチングホール
41 犠牲層
42 コンタクトホール
43 アンテナ形成ホール
44 空洞部
5 半導体基板
51 埋め込み酸化膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板と、
前記半導体基板上に設けられた読み出し配線部と、
前記半導体基板の表面部分に形成された凹部の上方に配置され、前記読み出し配線部と電気的に接続された接続配線を有する支持構造部と、
前記凹部の上方に配置され、前記支持構造部によって支持されたセル部と
を備え、前記セル部は、
入射された電波を受信することにより電気信号を生成するアンテナ部と、
前記アンテナ部に電気的に接続され、前記電気信号に応じたジュール熱を生成することにより、前記セル部の温度を変化させる電気抵抗と、
前記支持構造部と電気的に接続されると共に、前記アンテナ部及び前記電気抵抗と電気的に絶縁され、かつ前記電気抵抗と熱的に接続され、前記セル部の温度変化を検出することにより、電気信号を生成する熱電変換素子と、
前記セル部のうち前記電波の入射面側に設けられた赤外線を反射する部材と、
を備えることを特徴とする固体撮像素子。
【請求項2】
前記アンテナ部は、第1及び第2のアンテナ部分を有し前記セル部のうち前記電波の入射面側に配置され、
前記赤外線を反射する部材は金属膜であり、前記電気抵抗を除く前記セル部の領域のうち前記第1及び第2のアンテナ部分によって覆われない当該セル部の表面部分に設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の固体撮像素子。
【請求項3】
前記金属膜は、前記熱電変換素子に電気的に接続された配線部を備える
ことを特徴とする請求項2に記載の固体撮像素子。
【請求項4】
前記赤外線を反射する部材は金属膜であり、
前記熱電変換素子は、
直列接続された少なくとも2つのpn接合ダイオードを備え、
前記金属膜は、前記pn接合ダイオード間を接続する配線部を備える
ことを特徴とする請求項1に記載の固体撮像素子。
【請求項5】
前記アンテナ部は、前記セル部のうち前記電波の入射面側に配置され、
前記セル部は、前記電波の入射側に位置する表面が、前記電気抵抗を除き、前記アンテナ部によって覆われている
ことを特徴とする請求項1に記載の固体撮像素子。
【請求項6】
前記金属膜の上面と、前記アンテナ部の下面との間に挟まれた領域の光路長は、4〜6[μm]の自然数倍となる
ことを特徴とする請求項1に記載の固体撮像素子。
【請求項7】
前記金属膜の上面と、前記アンテナ部の下面との間に挟まれた領域の光路長の略半分に相当する位置に、前記読み出し配線部から張り出して設けられた赤外線吸収膜
をさらに備えることを特徴とする請求項6に記載の固体撮像素子。
【請求項8】
前記熱電変換素子は、
直列接続された少なくとも2つのpn接合ダイオードを備え、前記支持構造配線部を介して前記pn接合ダイオードに順方向バイアス電圧を印加して一定電流を流し、前記電波を受信することによって生じる、前記熱電変換素子の両端の電位差の変化を検出することにより、前記セル部の温度変化に応じた電気信号を生成する
ことを特徴とする請求項1に記載の固体撮像素子。
【請求項9】
半導体基板上に、熱電変換素子、熱電変換素子配線部、支持構造配線部、読み出し配線部及び層間絶縁膜を形成する工程と、
前記層間絶縁膜にパターニングを行ってエッチングホールを形成することにより、支持構造保護膜を形成する工程と、
前記支持構造保護膜の上部と前記熱電変換素子配線部の上方に形成されている層間絶縁膜とにエッチングを行って除去する工程と、
前記エッチングホールを埋め込むように、前記半導体基板上に犠牲層を形成する工程と、
前記犠牲層にエッチングを行って、前記層間絶縁膜の表面を露出させることにより、コンタクトホールを形成する工程と、
前記コンタクトホール内であってかつ前記層間絶縁膜上に、電気抵抗膜を成膜しパターニングを行って電気抵抗を形成する工程と、
前記犠牲層、前記層間絶縁膜及び前記電気抵抗上に、アンテナ下層保護膜、アンテナコンタクト、金属膜及びアンテナ上層保護膜を順次形成する工程と、
前記アンテナ上層保護膜、前記金属膜及び前記アンテナ下層保護膜にエッチングを行って、アンテナ部を形成すると共に、前記犠牲層の表面を露出させる工程と、
前記犠牲層と、前記熱電変換素子の下方に位置する前記半導体基板とにエッチングを行って、前記半導体基板の表面部分に凹部を形成する工程と、
前記アンテナ上層保護膜にエッチングを行って除去する工程と、
を備える固体撮像素子の製造方法。
【請求項10】
前記熱電変換素子配線部上に残存している前記層間絶縁膜にエッチングを行って除去する工程をさらに備えることを特徴とする請求項9に記載の固体撮像素子の製造方法。
【請求項11】
半導体基板上に、熱電変換素子、熱電変換素子配線部、支持構造配線部、読み出し配線部及び層間絶縁膜を形成する工程と、
前記層間絶縁膜にパターニングを行ってエッチングホールを形成することにより、支持構造保護膜を形成する工程と、
前記支持構造保護膜の上部に形成されている層間絶縁膜にエッチングを行って除去する工程と、
前記エッチングホールを埋め込むように、前記半導体基板上に犠牲層を形成する工程と、
前記犠牲層にエッチングを行って、前記層間絶縁膜の表面を露出させることにより、コンタクトホールを形成する工程と、
前記コンタクトホール内であってかつ前記層間絶縁膜上に、電気抵抗膜を成膜しパターニングを行って電気抵抗を形成する工程と、
前記犠牲層、前記層間絶縁膜及び前記電気抵抗上に、アンテナ下層保護膜、アンテナコンタクト、金属膜及びアンテナ上層保護膜を順次形成する工程と、
前記アンテナ上層保護膜、前記金属膜及び前記アンテナ下層保護膜にエッチングを行って、アンテナ部を形成すると共に、前記犠牲層の表面を露出させる工程と、
前記犠牲層と、前記熱電変換素子の下方に位置する前記半導体基板とにエッチングを行って、前記半導体基板の表面部分に凹部を形成する工程と、
前記アンテナ上層保護膜と前記熱電変換素子配線部上に残存している前記層間絶縁膜とにエッチングを行って除去する工程と、
を備える固体撮像素子の製造方法。
【請求項12】
半導体基板と、
前記半導体基板に画素アレイとしてマトリクス状に配置された複数の固体撮像素子と、
前記各固体撮像素子によって検出された電気信号を映像信号として順次読み出す読出し回路とを備え、
前記固体撮像素子は、
前記半導体基板上に設けられた読み出し配線部と、
前記半導体基板の表面部分に形成された凹部の上方に配置され、前記読み出し配線部と電気的に接続された接続配線を有する支持構造部と、
前記凹部の上方に配置され、前記支持構造部によって支持されたセル部と
を備え、前記セル部は、
入射された電波を受信することにより電気信号を生成するアンテナ部と、
前記アンテナ部に電気的に接続され、前記電気信号に応じたジュール熱を生成することにより、前記セル部の温度を変化させる電気抵抗と、
前記支持構造部と電気的に接続されると共に、前記アンテナ部及び前記電気抵抗と電気的に絶縁され、かつ前記電気抵抗と熱的に接続され、前記セル部の温度変化を検出することにより、電気信号を生成する熱電変換素子と、
前記セル部のうち前記電波の入射面側に設けられた赤外線を反射する部材と、
を備えることを特徴とする撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公開番号】特開2008−39684(P2008−39684A)
【公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−217216(P2006−217216)
【出願日】平成18年8月9日(2006.8.9)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】