説明

固体材料ガスの供給装置および供給方法

【課題】 簡便な手法・構成で、固体材料ガスを安定した濃度で供給することができるとともに、かさ密度の高い固体材料によって内容積あたりの充填量を多くし、不純物が少ない高純度の固体材料からなる固体材料ガスを供給すること。
【解決手段】 キャリアガスCにより所定量の蒸発または昇華・供給が可能な固体材料を、大気圧下または減圧下の融点以上沸点以下の温度条件において加熱し、溶融した状態で冷却・固化させて固体試料Sを作製する固体試料作製手段を有し、キャリアガスCが供給される供給部1と、供給されたキャリアガスCを分散させる分散部2と、固体試料Sが設置される試料設置部3と、該試料設置部3において作製された固体材料ガスGが供出される供出部4と、を有すること。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固体材料ガスの供給装置および供給方法に関し、例えば、半導体や太陽電池等の生産装置や研究設備等において使用される固体有機化合物や固体有機金属化合物の固体材料ガスの供給装置および供給方法に関するものである。なお、本願にいう「固体材料」とは、広く工業的に用いられるキャリアガスにより所定量の蒸発または昇華・供給が可能な固体材料をいい、例えば1,3−ジアミノベンゼン等の固体有機化合物、トリス(1−メトキシ−2−メチル−2−プロポキシ)ビスマス等の固体有機金属化合物、あるいは塩化アルミニウム等の固体無機化合物等を挙げることができる。
【背景技術】
【0002】
半導体や太陽電池等を生産する製造装置や新たな素材を開発する研究設備、あるいは高純度品が要求される半導体の材料等(例えば成膜材料等)として、気体材料や液体材料が多用されてきたが、近年では、昇華させた上記のような固体材料をキャリアガスに同伴させて使用することも多い。こうした固体材料は、ヘリウムやアルゴン等の希ガス等の反応性が低く安定性の高い不活性ガスによって昇華・搬送されたガス(以下「固体成分ガス」という)、上記製造装置等に供給されて消費される。
【0003】
例えば、図5(A),(B)に示すような、化学気相成長(CVD)法、原子層化学気相成長(ALCVD)法およびイオン注入法において用いられる液体および固体ソース試薬などの液体および固体材料の蒸発のために、拡大した表面積を提供する多数の容器を有する蒸発器配送システム110の構成例を挙げることができる(例えば特許文献1参照)。アンプル112には、内室を形成する底部114および側壁116が含まれる複数の垂直に積重された容器122が、アンプルの内室内に配置されている。積重された容器は、容易な洗浄および補充のために互いに分離可能でアンプルから着脱自在である。内部キャリアガス部材123がアンプル内に配置されているが、この内部キャリアガス部材123は、キャリアガス入口120に接続(溶接)され、内室の底部および垂直に積重された容器における最も下側の容器の下にキャリアガスを導く。内部キャリアガス部材123は、各容器キャビティ127および容器底部124を通過している。個別容器122は、それぞれ、底部124および側壁126を備えて、好ましいソース材料128を配置するための容器キャビティ127を形成する。個別容器のそれぞれには、複数の突出部130が含まれ、各突出部には、突出部を通してキャリアガスが移動するための通路132が含まれる(特許文献1段落0018〜0023参照)。ここで、138は封止用O−リング、140はガス出口バルブを示す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−503178号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記のような固体材料ガスの供給装置や供給方法においては、以下の課題が生じることがあった。
(i)固体材料は、常態として粉状または顆粒状であり、供給装置への移送や設置等の操作における固体材料の飛散や偏在を回避することは難しく、キャリアガスによる均一な昇華・供給が困難であった。その結果、固体材料ガス中の供給成分濃度(以下「材料濃度」という)の安定性を確保することが困難であった。
(ii)特に粉状体の場合には、設置された状態で乾燥されたキャリアガスとの接触によって生じる静電気の発生に伴う周辺への飛散や付着が生じることがあった。付着した固体材料は、供給装置への次なる固体材料の設置を妨げるだけでなく、固体材料の残量を正確に把握することを困難にする。
(iii)粉状または顕粒状の固体材料は、かさ密度が低く、一定容量あたりの充填量が少ないことから、頻繁な容器交換と材料の再充填が必要になる。
(iv)粉状または顕粒状の固体材料中には、多量の水分、大気成分等の不純物が混入することがある。こうした不純物は、例えば超高純度の固体材料を使用する半導体ブロセス等においては、製品性能に悪影響を与える。
(v)固体材料の残量は、材料濃度に大きな影響を与えるだけではなく、固体材料の形状や形態が材料濃度に大きな影響を与える。特に、粉状または顆粒状の固体材料にあっては、所定の残量があっても、その表面でのキャリアガスとの接触状態の変化等から十分な材料濃度を得ることできないことが判った。
(vi)上記蒸発器配送システム110の構成にあっては、容器傾斜時にトレー上の材料配置が不均一となり、材料濃度が不安定となる恐れがあるほか、容器構造が複雑であるため材料の設置および容器の洗浄が簡便ではないという問題点がある。
【0006】
本発明の目的は、簡便な手法・構成で、固体材料ガスを安定した濃度で供給することができるとともに、かさ密度の高い固体材料によって内容積あたりの充填量を多くし、不純物が少ない高純度の固体材料からなる固体材料ガスの供給装置および供給方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、以下に示す固体材料ガスの供給装置および供給方法によって上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに到った。
【0008】
本発明は、固体材料ガスの供給装置であって、キャリアガスにより所定量の蒸発または昇華・供給が可能な固体材料を、大気圧下または減圧下の融点以上沸点以下の温度条件において加熱し、溶融した状態で冷却・固化させて固体試料を作製する固体試料作製手段を有し、キャリアガスが供給される供給部と、供給されたキャリアガスを分散させる分散部と、前記固体試料が設置される試料設置部と、該試料設置部において作製された固体材料ガスが供出される供出部と、を有することを特徴とする。
【0009】
上記のように、固体材料を蒸発または昇華させて安定な材料濃度の固体材料ガスを供給することには、いくつかの課題があった。本発明は、1つに固体材料と接触するキャリアガスを分散させて均一な流れを形成し、固体材料を均一に蒸発または昇華させとともに、大気圧下または減圧下の融点以上沸点以下の温度条件において加熱し、溶融した状態で冷却・固化させて固体試料を作製することによって、こうした課題を解消することができることを見出したものである。つまり、こうして作製された固体試料は、操作あるいは静電気による飛散や偏在を生じることもなく、分散されたキャリアガスを接触させることによって、固体材料を均一に蒸発または昇華させるとともに、材料濃度の均一な固体材料ガスを取り出すことができる。また、粉状または顆粒状の固体材料を一旦溶融させ、水分等の不純物を放出し、冷却・固化させることによって、かさ密度の高い固体材料によって内容積あたりの充填量を多くし、不純物が少ない高純度の固体材料からなる固体材料ガスを作製することができる。このように、簡便な手法・構成で、長期間固体材料ガスを安定した濃度で供給することができる固体材料ガスの供給装置を提供することが可能となった。
【0010】
本発明は、上記固体材料ガスの供給装置であって、前記固体試料作製手段が、不活性ガス導入部および固体試料設置用のトレーを有し、該トレーに投入された粉状あるいは顆粒状の固体材料を、
(a)該不活性ガス雰囲気中に大気圧下で静置し、融点以上沸点以下の温度条件において加熱し、溶融した状態で冷却・固化させて;または、
(b)減圧条件下で静置し、減圧下の融点以上沸点以下の温度条件において加熱し、溶融した状態で冷却・固化させた後、該不活性ガス雰囲気の大気圧条件にして;
前記トレーに載置された固体試料を作製することを特徴とする。
長時間の安定した高純度の固体材料ガスの供給には、不純物の少ない高純度の固体試料を作製し、固体試料の充填量を多くすることが好ましい。本発明は、粉状あるいは顆粒状の固体材料を、その性状に合せて大気圧条件あるいは減圧条件の下の安定な状態で加熱して一旦溶融させた後、冷却して所定の容量の固体試料として固化させることによって、操作あるいは静電気による飛散や偏在を生じることもなく、かさ密度の高い固体材料によって内容積あたりの充填量を多くし、不純物が少ない高純度の固体材料からなる固体材料ガスを作製することができる。また、こうして作製された固体試料から固体材料成分を均一に蒸発または昇華させることによって、材料濃度が均一な固体材料ガスを取り出すことができる。
【0011】
本発明は、上記固体材料ガスの供給装置であって、前記分散部が前記供給部と接続され、キャリアガスを分岐する複数の分岐流路と、各分岐流路に設けられ、前記トレーに載置され、前記試料設置部に設置された固体試料に対してキャリアガスが噴射される1以上の噴出口を有することを特徴とする。
均一な固体材料ガスの形成には、試料設置部に導入されるキャリアガスの分散機能が重要な役割を果たす。本発明は、キャリアガスを分岐し、分岐流路に設けられた1以上の噴出口から分散されたキャリアガスをトレーに載置された固体試料に対して供給することによって、優れた分散機能を形成し、固体材料を均一に蒸発または昇華させるとともに、材料濃度の均一な固体材料ガスを取り出すことを可能とした。
【0012】
また、本発明は、上記供給装置を用いた固体材料ガスの供給方法であって、
以下の前置工程によって作製された固体試料を設置し、キャリアガスにより所定量の固体材料の蒸発または昇華・供給を行うことを特徴とする。
(1)粉状または顆粒状の固体材料を準備する工程
(2)密閉容器内に、所定容量の容器を設置し、所定量の前記固体材料を採取する工程
(3)前記密閉容器内を不活性ガスでパージする工程
(4)以下の(4a)または(4b)いずれかの工程
(4a)不活性ガス雰囲気中に大気圧下で、静置された前記固体材料を、その大気圧下の融点以上沸点以下の温度条件において加熱して溶融させた後、溶融した状態で冷却して固化させる工程
(4b)前記密閉容器内を減圧し、静置された前記固体材料を、その減圧下の融点以上沸点以下の温度条件において加熱して溶融させた後、溶融した状態で冷却して固化させる工程
(5)再度、前記密閉容器内を不活性ガスでパージし、平坦面を有する成型体に形成された固体試料を作製する工程
上記のように、粉状あるいは顆粒状の固体材料を加熱して一旦溶融させた後、冷却して所定の容量の固体試料として固化させることによって、長時間の安定した高純度の固体材料ガスを供給することができる。こうした固体材料ガスの供給プロセスにおいては、固体試料の作製工程が1つの重要な役割を果している。特に、本発明は、固体材料の性状に合った作製工程を選択することによって、さらに効率的に高純度の均一な、かさ密度の高い固体試料を得ることができる。具体的には、内部に水分を含み融点が水の沸点以下の多孔性固体材料については、加熱・溶融状態においても水分の蒸発・除去が難しい場合がある。こうした固体材料の場合には、減圧下において加熱・溶融状態を形成することによって、内部の水分の蒸発機能を高め、不純物としての水分を効果的に除去することができる。
【0013】
本発明は、上記固体材料ガスの供給方法であって、前記固体試料が載置された固体試料設置用のトレーを試料設置部に設置し、分散されたキャリアガスを該試料設置部に供給し、前記試料設置部から供出され、固体材料を同伴するキャリアガスを分散・混合し、固体材料ガスとして供出することを特徴とする。
上記のような前置工程によって作製された固体試料は、固体試料の表面から固体材料を均一に蒸発または昇華させることが可能であり、専用のトレーに載置された状態で、均一に分散されたキャリアガスに同伴させることによって、安定した濃度の固体材料成分を含む固体材料ガスを作製し、供出することができる。
【0014】
本発明は、上記固体材料ガスの供給方法であって、前記固体材料ガス中の固体材料の濃度と前記キャリアガスの流量を監視するとともに、予め求めた前記固体試料の残量と前記固体材料ガス中の固体材料の濃度との関係を基に、前記固体試料中の固体材料の残量を管理することを特徴とする。
試料設置部内の固体材料の残量は、固体材料ガスの材料濃度に大きな影響を与える。つまり、後述するように、固体材料の残量が所定量以下となると、蒸発または昇華された固体材料の総量だけではなく、残量自体および固体材料の形状や形態等(性状)によって、材料濃度の低下を招来することが判った。本発明は、固体材料ガス中の固体材料の濃度とキャリアガスの流量を監視することによって蒸発または昇華された固体材料の総量を把握するとともに、予め求めた前記固体試料の残量と前記固体材料ガス中の固体材料の濃度との関係を基に固体試料中の固体材料の残量を管理することによって、固体材料ガスの材料濃度の安定化を図るものである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係る固体材料ガスの供給装置の基本構成例を示す概略図
【図2】本発明に係る固体試料の作製手順を例示する説明図
【図3】本発明に係る固体材料ガスの供給装置の第2の構成例を示す概略図
【図4】固体材料ガス中の固体材料成分濃度の固体試料の残量に対する依存度を例示する説明図
【図5】従来技術に係る液体および固体材料の蒸発のための蒸発器配送システムを例示する概略図
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係る固体材料ガスの供給装置(以下「本装置」という)およびこれを用いた固体材料ガスの供給方法(以下「本方法」という)の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。本装置は、固体試料を作製する固体試料作製手段と、キャリアガスが供給される供給部と、供給されたキャリアガスを分散させる分散部と、固体試料が設置される試料設置部と、試料設置部から供出される固体材料ガスが供出される供出部と、を有する。固体材料を、大気圧下または減圧下の融点以上沸点以下の温度条件において加熱し、溶融した状態で冷却・固化させて作製された固体試料に分散されたキャリアガスを接触させることによって、操作あるいは静電気による飛散や偏在を生じることもなく、固体材料を均一に蒸発または昇華(以下「気化」ということがある)させ、材料濃度の均一な固体材料ガスを取り出すことができるとともに、かさ密度の高い固体材料によって内容積あたりの充填量を多くし、不純物が少ない高純度の固体材料からなる固体材料ガスを取り出すことができる。
【0017】
ここでいう「固体材料」は、既述のように、広く工業的に用いられる所定の温度で気化(蒸発または昇華)する固体の材料をいい、具体的には、例えば1,3−ジアミノベンゼン(1,3−C(NH)や4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(4,4’−[C(NH)]O)等の固体有機化合物、トリス(1−メトキシ−2−メチル−2−プロポキシ)ビスマス(Bi[OC(CH−CHOCH)等の固体有機金属化合物、あるいは塩化アルミニウム(AlCl)等の固体無機化合物を挙げることができる。一般に常温(20〜30℃)常圧(約0.1MPa)で固体の材料(例えば1,3−ジアミノベンゼン等)に加え、ここでは、広く加圧条件下あるいは低温条件下において固体の材料をも含む。下表1に、固体材料、融点、設定温度およびそのときの蒸気圧を例示する。むろん、これらの物質および設定条件に限定されるものではない。
【0018】
【表1】

【0019】
また、キャリアガスは、反応性が低く安定性の高いガスが好ましく、例えばヘリウムやアルゴン等の希ガスあるいは窒素ガス等を用いることができる。また、固体材料の気化を安定的に行なうためには、熱容量の大きなキャリアガスが好ましく、アルゴンガスが好適である。
【0020】
<固体材料ガスの供給装置の基本構成例>
図1は、本装置の基本構成例(第1構成例)の供給装置本体を示す概略図である。本装置は、前置処理手段となる固体試料作製手段(図示せず、詳細は後述する)を含め、キャリアガスCの供給部1と、キャリアガスCの分散手段2と、固体試料Sが設置される試料設置部3と、試料設置部3から供出される固体材料ガスGを合流させる供出室4と、から構成される。また、試料設置部3を容器10の外部から加熱する加熱部5が設けられることが好ましい。上表1のように、各固体試料Sの特性に応じた設定温度に加熱することによって固体試料Sの気化を促し、所定の材料濃度の固体材料ガスGを供給することが可能となる。固体試料Sの気化は、融点以上に加熱し、再度液化した状態で蒸発させる場合、融点以下に加熱し、固体状のままの状態で蒸発あるいは昇華させる場合のいずれも、キャリアガスに同伴させることによって、安定的に行うことができる。
【0021】
供給部1から供給されたキャリアガスCは、試料設置部3の中心部に配設された分散手段2によって、試料設置部3内全体に放射状に噴出される。キャリアガスCの噴出の方向は、トレー3aに載置された固体試料Sの表面を掃くように、試料設置部3の水平方向となるようにすることが好ましい。試料設置部3内に均等に分散されたキャリアガスCは、固体試料Sと接触し、気化する固体材料成分を同伴し、混合・攪拌されながら試料設置部3から、これに繋がる供出室4を介して、固体材料ガスGとして供出される。
【0022】
処理対象となる固体試料Sは、操作あるいは静電気による飛散や偏在を生じることもなく、トレー3aに載置された状態で、試料設置部3に所定量設置される。固体試料Sの形状は、特に制限されないが、キャリアガスCとの接触面積が大きく、ペレットあるいは多孔質体やハニカム等に成形されたものが好ましい。試料設置部3に設置された固体試料Sは、気化された減少量が把握され、所定時間ごとに補充あるいは交換される。
【0023】
本装置のキャリアガスCの分散手段2は、キャリアガスCを試料設置部3の垂直断面において試料設置部3内の各所から噴出させる構成を有することによって、分散室3内に広く分散させることができる。分散手段2は、供給部1と接続され、試料設置部3との境界に分散機能を有する部材を設けた構成が好ましい。分散機能を有する部材は、例えば、数10〜数100メッシュの孔径を有し、所定の厚み(例えば数mm程度)を有するステンレスその他の材質からなる金網、細孔付き金属板、金属焼結体、グラスウール等あるいは多孔質セラミックス等を用いることができる。キャリアガスCの供給流路と試料設置部3を仕切るとともに、キャリアガスCの均一な分散機能と同時に、キャリアガスCの均一加熱機能(熱拡散機能)を有することができる。これによって、試料設置部3に設置された固体試料SとキャリアガスCの均等な接触かつ均一な熱伝導を形成することができ均一な材料濃度と均一な温度特性を有する固体材料ガスGを形成し、供出することができる。
【0024】
トレー3aは、試料設置部3の水平方向に、中心部から外周部に対して放射状にかつ複数の固体試料Sが均等に載置できる構成が好ましい。均一に分散されたキャリアガスCとの均等な接触を図り、均一な材料濃度を有する固体材料ガスGを形成することができる。また、トレー3aは、試料設置部3の垂直方向に複数段のトレー3aが配設できる構成が好ましい。所定の容量の容器内に複数の固体試料Sを効率よく収容しながら、キャリアガスCとの均等な接触を確保し、均一な材料濃度を有する固体材料ガスGを形成することができる。また、固体試料Sを融点以上に加熱し、再度液化した状態で蒸発させて固体材料ガスGを形成する場合には、均等な平面上の蒸発面が形成できる皿状体のトレー3aが好ましい。
【0025】
固体試料Sの残量は、後述する〔検証〕結果を利用することによって監視することができる。つまり、固体材料の残量が所定量以下となると、気化された固体材料の総量だけではなく、残量自体および固体材料の形状や形態等(性状)によって、材料濃度の低下を招来するとの知見から、固体材料ガスG中の材料濃度とキャリアガスCの流量を監視するとともに、予め求めた固体試料Sの残量と固体材料ガス中Gの材料濃度との関係を基に、固体試料S中の固体材料の残量を管理することができる。具体的な残量の算出および管理方法の詳細については、後述する。また、得られた固体試料Sの残量情報を利用して、キャリアガスCの流量を調整することによって、安定した材料濃度を有する固体材料ガスGを供給することができる。つまり、監視された試料設置部3内の残量が設定量よりも少なくなり、補充までに所定の時間が必要な場合には、全体のキャリアガスCの流量を減少させることによって、所定の材料濃度を確保することができる。キャリアガスCの流量は、分岐流路2aに設けられた絞り弁や開閉弁あるいはダンバー等(図示せず)によって調整することができる。
【0026】
〔固体試料作製手段〕
固体試料Sは、不活性ガス導入部および固体試料設置用のトレー3aを有する固体試料作製手段において作製される(図示せず)。粉状あるいは顆粒状の固体材料を、
(a)該不活性ガス雰囲気中に大気圧下で静置し、融点以上沸点以下の温度条件において加熱し、溶融した状態で冷却・固化させて;または、
(b)減圧条件下で静置し、減圧下の融点以上沸点以下の温度条件において加熱し、溶融した状態で冷却・固化させた後、該不活性ガス雰囲気の大気圧条件にして;
トレー3aに載置された固体試料Sが作製される。一旦溶融させた後、冷却して所定の容量の固体試料として固化させることによって、操作あるいは静電気による飛散や偏在を生じることもなく、かさ密度が高く、不純物が少ない高純度の固体材料からなる固体試料Sを作製することができる。
【0027】
<本装置による固体材料ガスの供給方法>
次に、本装置において、固体試料Sを作製するプロセス、および試料設置部3に所定量の固体試料Sが設置され、試料設置部3が所定温度に加温された状態で、キャリアガスCを導入し、所定の材料濃度の固体材料ガスGを取り出すプロセスについて詳述する。
【0028】
〔固体試料を作製するプロセス〕
固体材料ガスGの供給プロセスにおいて、以下の前置工程によって固体試料Sが作製される。粉状あるいは顆粒状の固体材料を、大気圧下または減圧下の融点以上沸点以下の温度条件において加熱し、溶融した状態で冷却・固化させることによって、表面から固体材料を均一に気化させることができる固体試料Sを作製することができる。
【0029】
図2に例示する手順に従い、詳細を説明する。
(1)固体材料を準備する工程
常態として粉状または顆粒状の固体材料を、所定量準備する。不揃いの粒状の固体材料の場合には、粉砕して粉状または顆粒状とすることが好ましい。また、反応性を有する固体材料の場合には、以下の操作は不活性ガス雰囲気中で行なわれる。
(2)固体材料を採取する工程
所定容量の容器(以下「トレー」ということがある)を準備し、所定量の固体材料を採取しトレー内に投入し、該トレーを密閉容器内に設置する。固体材料の成型にバインダーが必要な場合には、予め所定量のバインダーを準備してトレー内に投入し、固体材料と混合する。
(3)不活性ガスによりパージする工程
密閉容器内に不活性ガス(例えば窒素等)を導入し、トレーおよび固体材料の表面に存在する蒸散可能な不純物を、パージする。必要な場合には、固体材料が気化しない温度範囲内で、密閉容器を加熱することによって、パージの効率を上げることができる。
(4)固体材料を溶融し固化する工程
本工程は、(4a)不活性ガス雰囲気中に大気圧下で行われる場合と、(4b)減圧下で行われる場合とで、以下の通り内容が異なる。
(4a)不活性ガス雰囲気中に大気圧下で、静置された固体材料を、その大気圧下の融点以上沸点以下の温度条件において加熱して溶融させた後、溶融した状態で冷却して固化させる。このとき、密閉容器内に不活性ガスを微量流通させることによって、固体材料中に含まれていたガス化成分を除去し純度を上げることができる。
(4b)密閉容器内を減圧し、静置された固体材料を、その減圧下の融点以上沸点以下の温度条件において加熱して溶融させた後、溶融した状態で冷却して固化させる。減圧下で加熱溶融させることによって、固体材料中に含まれていたガス化成分を除去し純度を上げることができる。
(5)不活性ガスによりパージする工程
再度、密閉容器内を不活性ガスでパージし、平坦面を有する成型体に形成された固体試料を作製する。本工程も、詳細には、上記(4a)大気圧下で行われる場合には、
(5a)固体材料の冷却工程に継続して不活性ガスによるパージを行う。トレーおよび固体材料の表面への不純物の付着を防止することができる。
となり、(4b)減圧下で行われる場合には、以下(5b)となる
(5b)減圧下の固体材料の冷却工程から不活性ガスによるパージを行いながら大気圧条件に戻す。トレーおよび固体材料の表面への不純物の付着を防止しながら、次工程への移行を行うことができる。
(6)固体試料を作製する工程
パージに使用した不活性ガスを停止することによって、固体試料Sが作製される。成型体を構成する平坦面から気化した固体材料成分をキャリアガスに同伴させることによって、安定した濃度の固体材料ガスを供給することができる。
【0030】
〔固体試料を設置し固体材料ガスを供給するプロセス〕
(1)固体試料の設置
作製された固体試料Sは、平坦面を上面としてトレー3aに載置した状態で、供給装置本体の試料設置部3内に設置される。キャリアガスCとの接触を効率よく行なうことができる。このとき、トレー3aは、上記のように、試料設置部3の水平方向に中心部から外周部に対して放射状にかつ複数の固体試料Sが均等に載置され、垂直方向に複数段のトレー3aが配設されることが好ましい。なお、ここでいう「トレー3a」は、既述〔固体試料を作製するプロセス〕における「トレー」と同じものを用いることができるが、別体とすることも可能である。
【0031】
(2)キャリアガスの供給
固体試料Sが設置された状態で、キャリアガスCが、供給部1から供給される。供給されるキャリアガスCの圧力および流量は、所望の設定値に調整される。圧力および流量条件の調整は、供給装置への供給前後のいずれにも限定されるものではない。
【0032】
(3)キャリアガスの分散
供給されたキャリアガスCは、まず供給部1に接続された分散手段2によって分散された状態で、試料設置部3に導入される。このとき、キャリアガスCは、試料設置部3の水平断面において分散しながら噴射されるとともに、試料設置部3の垂直断面においても分配され試料設置部3内に噴出させることによって、試料設置部3内に広く分散させることができる。
【0033】
(4)固体材料ガスの作製
試料設置部3内に広く分散されたキャリアガスCは、各固体試料Sに応じた設定温度に加熱された条件で、トレー3aにおいて固体試料Sとの接触により、気化された所望の固体材料成分の蒸気圧を有する固体材料ガスGが作製される。固体試料Sの気化は、融点以上に加熱し、再度液化した状態で蒸発させる場合、融点以下に加熱し、固体状のままの状態で蒸発あるいは昇華させる場合のいずれも、キャリアガスに同伴させることによって、安定的に行うことができる。予め所望の空間速度となるように、キャリアガスCの流量と試料設置部3の容積を設定することによって、十分な接触時間を確保し、安定した材料濃度の固体材料ガスGを得ることができる。固体材料ガスGの作製に伴い、固体試料Sの上表面から固体試料Sの減量が生じる。固体試料Sの減少は、監視窓Wによる目視の監視あるいは後述する光センサ出力による監視によって把握することができる。固体試料Sの減少に伴う材料濃度の低下は、所定量以上のトレー3a(固体試料S)を設置することによって防止することができる。
【0034】
(5)固体材料ガスの供給
試料設置部3において作製された固体材料ガスGは、試料設置部3の上部空間において合流し、混合・均一化されて所望の材料濃度の固体材料ガスGが作製される。作製された固体材料ガスGは、供出部4から供出される。
【0035】
<固体材料ガスの供給装置の他の構成例>
図3は、本装置の第2構成例を示す概略図である。本装置は、試料設置部3内部に、分散部2が供給部1と接続されキャリアガスCを分岐する複数の分岐流路6と、各分岐流路6に設けられ、トレー3aに載置され、試料設置部3に設置された固体試料Sに対してキャリアガスCが噴射される1以上の噴出口6aを有する。トレー3aに載置された固体試料Sの上表面に対して、分散部2において分散されたキャリアガスCによる水平方向からの接触と同時に、噴出口6aからの分岐・分散されたキャリアガスCによる垂直方向からの接触によって、優れた分散機能を形成し、固体材料を均一に気化させるとともに、材料濃度の均一な固体材料ガスGを取り出すことができる。各固体試料Sの気化効率の向上は、試料設置部3内の配置による各固体試料Sにおける固体材料の気化率のバラツキをなくし、より均一化された固体材料ガスGを形成することができる。
【0036】
分岐流路6は、1〜20本の範囲が好ましいが、試料設置部3の容量と固体試料Sの物性によってはこの範囲に限らない。噴出口6aは、直径0.2mm〜3mmの範囲が好ましいが、試料設置部3の容量,固体試料Sの物性,分岐流路6の配管径によってはこの範囲に限らない。噴出口6aの位置は、分岐流路6の末端部分から上流数cmの範囲に設けることができる。噴出口6aの個数は、1の分岐流路6当り1〜数10程度が好ましい。なお、供給部1からガス噴出口6aまでの構造はシャワーヘッド状としてもよい。また、噴出口6aに伝熱性が高く、耐食性のある多孔性の部材を設けることも可能である。固体試料Sに対する垂直方向から噴射されるキャリアガスCを、さらに分散させることによって、固体試料Sに接触するキャリアガスCの均一性をさらに向上させることができる。
【0037】
〔本装置および本方法の検証〕
本装置あるいは本方法において作製された固体試料Sの機能を、固体材料として、1,3−ジアミノベンゼン(1,3−C(NH)を用い、以下の通り検証した。
【0038】
(i)検証条件
常態である粉状の1,3−ジアミノベンゼン(以下「粉体試料」という)と、本装置あるいは本方法において作製された固体試料S(以下単に「固体試料S」という)を各々750g採取し、ステンレス製トレー(トレー3aに相当)8個に分取してステンレス特殊容器(本装置本体に相当、容量1L)に挿入した。
【0039】
(ii)固体試料Sの作製
固体試料Sは、窒素雰囲気としたグローブボックス内において,ステンレス容器中に粉状の1,3−ジアミノベンゼン750gを採取し、オイルバスを使用して70℃に加熱することにより融解させた。得られた液状の1,3−ジアミノベンゼンをステンレス製トレー8個に分注した。このトレーをグローブボックス内に常温で12時間静置して1,3−ジアミノベンゼンを固化させた。固化後のトレー重量を計測することにより1,3−ジアミノベンゼン充填量を確認した。
【0040】
(iii)検証項目
固体試料S(液状)と粉体試料(粉状)を用いて「1,3−ジアミノベンゼンの残量の1,3−ジアミノベンゼン濃度に対する依存度」について検証した。具体的には、1,3−ジアミノベンゼンを融解し、液状で導人したステンレス特殊容器と、粉状のまま導人したステンレス特殊容器を横90まで横転させ、10分間放置した後に両容器を起こし、容器から導出される固休材料濃度を測定した。恒温器を用いて120℃に加熱し、Nキャリアガス0.1SLMを導人した場合の固体材料濃度変化を図3に示す。充填量は、液体状態導人の場合には850g、粉状導人の場合には440gであった。なお、固体材料濃度の計測にはTCD検出器(Valco社製、Microvolume TCD TCD2−NIFE−110)を使用した。
【0041】
(iv)検証結果
以上の検証条件の下で、固体試料S(液状)と粉体試料(粉状)について、図4に例示するような「1,3−ジアミノベンゼンの残量の1,3−ジアミノベンゼン濃度に対する依存度」に係る検証結果を得た。
(iv−1)固体試料S(液状)導人の場合には、トレー内に均一に1,3−ジアミノベンゼンが配置されていることから、残量100%(充填初期)から10%(90%消費時)まで、一定濃度の気化が確認された。
(iv−2)一方、粉状試料の場合には、容器を傾斜させたことにより、トレー内の1,3−ジアミノベンゼン分布に偏りが発生したこと、トレーから1,3−ジアミノベンゼンが落下したことにより、キャリアガスの流路が1,3−ジアミノベンゼンの比較的少ない経路に偏るため全体的濃度が低くなった。また残量が40%以下になると1,3−ジアミノベンゼンに接触しない流路が増加する(1,3−ジアミノベンゼンが乗っていないトレー部分を通過する)ことから、濃度が低下した。
【0042】
(v)まとめ
液体導人を実施した場合には材料導出濃度が均一であるだけでなく、容器への充填量も大きくなることから容器交換の頻度低下によるダウンタイムの軽減を実現できる。また、材料再充填の頻度が少なくなることから容器洗浄、充填、輸送のコストが削減できるため経済的である。
【0043】
<固体試料の残量の算出および管理方法>
本装置においては、上記検証結果のように、予め供給対象となる固体材料について、固体試料Sの残量と固体材料ガスG中の材料濃度との関係を求めることによって、固体試料S中の固体材料の残量を管理することができる。
【0044】
〔固体試料の残量の算出〕
固体材料ガスG中の材料濃度MとキャリアガスCの流量Fを監視することによって、固体試料Sから気化した固体材料の減量ΔSを算出することができる。つまり、下式1のように、材料濃度と流量により単位時間当りの減量が算出され、これを積算(Σ)することによって、減量ΔSが算出される。
ΔS=Σ(M×F) …(式1)
従って、固体材料の初期設定値Soから減量ΔSを減算することによって、固体試料Sの残量(通常、固体試料S中の固体材料の残量と等価となる)を算出することができる。
また、固体試料Sの追加あるいは交換が必要となる程度の固体試料Sの減量状態では、固体試料Sの減量の進行は、固体材料ガスG中の材料濃度の低下に伴うことから、予め求めた「固体試料の残量と固体材料ガス中の材料濃度との関係」を基に、固体試料中の固体材料の残量を得ることができる(関係式から演算可能な場合には、残量を算出することができる)。
【0045】
〔固体試料の管理方法〕
上記のように、固体試料S中の固体材料の残量を精度よく把握(算出)することができることは、本装置において長期間固体材料ガスGを安定した材料濃度で供給することを可能とする。つまり、固体材料の残量を監視することによって、予め求めた「固体試料の残量と固体材料ガス中の材料濃度との関係」を基に、材料濃度を精度よく予測し管理することができる。また、固体試料S中の固体材料の残量を基に、固体試料Sの追加あるいは交換が必要となる時期あるいは固体材料の量を推算することができることから、固体試料Sの準備等の保守管理することができる。
【符号の説明】
【0046】
1 供給部
2 分散部
3 試料設置部
3a トレー
4 供出部
5 加熱部
6 分岐流路
6a 噴出口
C キャリアガス
G 固体材料ガス
S 固体試料

【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャリアガスにより所定量の蒸発または昇華・供給が可能な固体材料を、大気圧下または減圧下の融点以上沸点以下の温度条件において加熱し、溶融した状態で冷却・固化させて固体試料を作製する固体試料作製手段を有し、
キャリアガスが供給される供給部と、供給されたキャリアガスを分散させる分散部と、前記固体試料が設置される試料設置部と、該試料設置部において作製された固体材料ガスが供出される供出部と、を有することを特徴とする固体材料ガスの供給装置。
【請求項2】
前記固体試料作製手段が、不活性ガス導入部および固体試料設置用のトレーを有し、該トレーに投入された粉状あるいは顆粒状の固体材料を、
(a)該不活性ガス雰囲気中に大気圧下で静置し、融点以上沸点以下の温度条件において加熱し、溶融した状態で冷却・固化させて;または、
(b)減圧条件下で静置し、減圧下の融点以上沸点以下の温度条件において加熱し、溶融した状態で冷却・固化させた後、該不活性ガス雰囲気の大気圧条件にして;
前記トレーに載置された固体試料を作製することを特徴とする請求項1記載の固体材料ガスの供給装置。
【請求項3】
前記分散部が前記供給部と接続され、キャリアガスを分岐する複数の分岐流路と、各分岐流路に設けられ、前記トレーに載置され、前記試料設置部に設置された固体試料に対してキャリアガスが噴射される1以上の噴出口を有することを特徴とする請求項1または2記載の固体材料ガスの供給装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の固体材料ガスの供給装置を用い、以下の前置工程によって作製された固体試料を設置し、キャリアガスにより所定量の固体材料の蒸発または昇華・供給を行うことを特徴とする固体材料ガスの供給方法。
(1)粉状または顆粒状の固体材料を準備する工程
(2)密閉容器内に、所定容量の容器を設置し、所定量の前記固体材料を採取する工程
(3)前記密閉容器内を不活性ガスでパージする工程
(4)以下の(4a)または(4b)いずれかの工程
(4a)不活性ガス雰囲気中に大気圧下で、静置された前記固体材料を、その大気圧下の融点以上沸点以下の温度条件において加熱して溶融させた後、溶融した状態で冷却して固化させる工程
(4b)前記密閉容器内を減圧し、静置された前記固体材料を、その減圧下の融点以上沸点以下の温度条件において加熱して溶融させた後、溶融した状態で冷却して固化させる工程
(5)再度、前記密閉容器内を不活性ガスでパージし、平坦面を有する成型体に形成された固体試料を作製する工程
【請求項5】
前記固体試料が載置された固体試料設置用のトレーを試料設置部に設置し、分散されたキャリアガスを該試料設置部に供給し、前記試料設置部から供出され、固体材料を同伴するキャリアガスを分散・混合し、固体材料ガスとして供出することを特徴とする請求項4記載の固体材料ガスの供給方法。
【請求項6】
前記固体材料ガス中の固体材料の濃度と前記キャリアガスの流量を監視するとともに、予め求めた前記固体試料の残量と前記固体材料ガス中の固体材料の濃度との関係を基に、前記固体試料中の固体材料の残量を管理することを特徴とする請求項4または5記載の固体材料ガスの供給方法。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−28854(P2013−28854A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−167140(P2011−167140)
【出願日】平成23年7月29日(2011.7.29)
【出願人】(000109428)日本エア・リキード株式会社 (53)
【Fターム(参考)】