説明

固体潤滑転がり軸受

【課題】固体潤滑転がり軸受の内部の潤滑状態を長期間にわたって良好に維持し、軸受寿命を延長する。
【解決手段】内外輪1、2間でボール3の1個おきに配される柱状のセパレータ4を、グラファイトとバインダーとの焼結体で形成し、そのグラファイトの配合率を80〜98vol%とするとともに、セパレータの曲げ強度を4〜15MPa、比摩耗量を1.5〜2.5×10−5mm/(N・m)とすることにより、十分な潤滑が行われ、かつ運転中のセパレータ4の破損やロック、摩耗粉の詰まりが生じないようにしたのである。その結果、内輪転走面1aおよび外輪転走面2aとボール3との間の潤滑状態が長期間にわたって良好に維持され、軸受寿命の延長を図ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高温条件下で使用される固体潤滑転がり軸受に関する。
【背景技術】
【0002】
高温条件下で使用される転がり軸受では、一般に、潤滑剤として耐熱性に優れたフッ素グリースが封入されている。しかし、例えば、樹脂フィルム延伸装置内でテンタークリップ用ガイドローラとして使用される転がり軸受等、フッ素グリースでも耐熱性の不足するような高温にさらされる転がり軸受に対しては、通常、フッ素グリースよりも高い耐熱性を有する固体潤滑剤による潤滑が行われる。
【0003】
例えば、特許文献1では、内外輪間の転動体の配列の両側に、固体潤滑剤で形成されたリング(以下、「潤滑リング」という。)と、この潤滑リングを転動体に押し付ける弾性部材とを組み込むことにより、潤滑リングから固体潤滑剤を転動体に移着させて潤滑を行うようにした転がり軸受が提案されている。
【0004】
また、特許文献2で提案されている転がり軸受では、内外輪間に配される転動体の1個おきまたは複数個おきに、固体潤滑剤で形成された断面扇形の柱状セパレータを組み込むことにより、セパレータから固体潤滑剤を転動体や内外輪の転走面に移着させて潤滑を行うようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−14411号公報
【特許文献2】特開2000−320548号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1に記載された転がり軸受では、潤滑リングによる転動体への固体潤滑剤の供給が軸方向からしか行われないので、転動体と内外輪の転走面との間に固体潤滑剤が入り込んでいきにくく、十分な潤滑ができないおそれがある。
【0007】
一方、上記特許文献2に記載された転がり軸受では、固体潤滑剤で形成されたセパレータの強度が小さいため、運転中にセパレータが破損してしまうおそれがある。これに対して、セパレータの強度を上げるために固体潤滑剤の配合率を下げると、十分な潤滑ができなくなる。
【0008】
そこで、本発明は、固体潤滑転がり軸受の内部の潤滑状態を長期間にわたって良好に維持し、軸受寿命を延長することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明の固体潤滑転がり軸受は、内輪と外輪との間に配される複数の転動体と、前記内輪と外輪のいずれか一方の軸方向両端部に取り付けられ、内輪と外輪との間の環状空間を塞ぐシール部材と、グラファイトとバインダーとの焼結体で形成され、前記各転動体間に配される柱状のセパレータとを備え、前記セパレータは、グラファイトの配合率が80〜98vol%、曲げ強度が4〜15MPa、比摩耗量が1.5〜2.5×10−5mm/(N・m)の構成のものとした。
【0010】
すなわち、軸受内部に組み込むセパレータを、それぞれ固体潤滑剤のうちでも特に潤滑性に優れたグラファイトとバインダーとの焼結体で形成するようにし、そのグラファイトの配合率を80〜98vol%とし、セパレータの比摩耗量を1.5×10−5mm/(N・m)以上とすることにより、十分な潤滑が行われるようにするとともに、セパレータの曲げ強度を4MPa以上とすることにより、運転中のセパレータの破損を防止できるようにしたのである。
【0011】
そして、セパレータの比摩耗量の上限を2.5×10−5mm/(N・m)とすることにより、軸受内部でのセパレータの摩耗粉の詰まりが軸受寿命の短縮を引き起こさないようにしたのである。また、セパレータは、曲げ強度が高すぎると、運転中に傾いた姿勢になったときに内外輪とロックして軸受を停止させてしまうおそれがあるので、内外輪とのロックを生じないように曲げ強度の上限を15MPaとした。
【0012】
上記の構成において、前記セパレータは、グラファイトとバインダーとの焼結体で形成され、そのバインダーとしては、Fe、Cu、Ni、W、Sn、Co、Crの群から選択される少なくとも1種の金属または前記各金属の酸化物、窒化物、ホウ化物のうちの少なくとも一つを含むものを使用するとよい。
前記転動体の配列とシール部材との間に、グラファイトで形成された潤滑リングを配置してもよい。この潤滑リングのグラファイトの配合率は、95〜100vol%である。また、潤滑リングとセパレータの少なくとも一つは、冷間静水圧プレス成型法(CIP)、押し出し成型法、圧縮成型法のいずれかで成型することができる。
【0013】
前記セパレータとしては、その転動体と対向する面を平面としたものや、円柱状に形成したものを用いることができる。
【0014】
前記内輪、外輪および転動体は、マルテンサイト系ステンレス鋼で形成することが好ましく、そのマルテンサイト系ステンレス鋼としては、JIS規格のSUS440Cを用いることが好ましい。また、前記転動体はセラミックスで形成してもよく、その場合のセラミックスとしては、窒化ケイ素を用いることが好ましい。
【0015】
一方、前記転動体をセラミックスで形成しない場合は、その表面にグラファイトの被膜を形成することが望ましい。
【0016】
そして、本発明の固体潤滑転がり軸受は、大気中の250℃以上の環境で使用される転がり軸受、例えば、樹脂フィルム延伸装置内で樹脂フィルムを把持するテンタークリップに取り付けられ、テンタークリップ案内用のガイドレール上を転動するガイドローラとして使用される転がり軸受やガラス基板製造装置の搬送用軸受に対して、特に有効に適用することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の固体潤滑転がり軸受は、上述したように、軸受内部に組み込むセパレータをグラファイトとバインダーとの焼結体で形成し、そのグラファイトの配合率を80〜98vol%とするとともに、セパレータの曲げ強度を4〜15MPa、比摩耗量を1.5〜2.5×10−5mm/(N・m)としたものであるから、軸受内部が十分に潤滑され、運転中にセパレータの摩耗粉が詰まったり、セパレータの破損やロックが生じたりするおそれもない。したがって、内外輪の転走面と転動体との間の潤滑状態を長期間にわたって良好に維持でき、軸受寿命の延長を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】実施形態の固体潤滑転がり軸受のシールドを除いた一部切欠き正面図
【図2】図1のII−II線に沿った断面図
【図3】aは図1のセパレータの斜視図、b、cは、それぞれセパレータ形状の変形例の斜視図
【図4】セパレータの他の実施形態を示す側面図
【図5】図4のセパレータを使用した実施形態を示す側面図であり、シールド板およびリングを取り除いた状態を示している。
【図6】帯金を一体化する前の図4のセパレータの形状を示す側面図
【図7】帯金を一体化したセパレータの他の実施形態の斜視図
【図8】帯金を一体化したセパレータの他の実施形態の断面図
【図9】帯金を一体化する前のセパレータの他の実施形態を示す側面図
【図10】帯金を一体化する前のセパレータの他の実施形態を示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面に基づき、本発明の実施形態を説明する。この固体潤滑転がり軸受は、樹脂フィルム延伸装置内で樹脂フィルムを把持するテンタークリップに取り付けられ、テンタークリップ案内用のガイドレール上を転動するガイドローラとして、大気中の250℃以上の環境で使用されるもので、その基本的な構成は、図1に示すように、内輪1の外周と外輪2の内周にそれぞれ断面凹円弧状の転走面1a、2aを有し、この内輪転走面1aと外輪転走面2aとの間に複数の転動体としてのボール3を配した玉軸受である。
【0020】
そして、図1および図2に示すように、内輪1と外輪2の間には、ボール3の1個おきに柱状のセパレータ4が組み込まれている。なお、セパレータはボールの複数個おきに組み込むようにしてもよい。
【0021】
また、この実施形態では、図2に示すように、外輪2の軸方向両端部には、内輪1と外輪2との間の環状空間5を塞ぐシールド(シール部材)6が取り付けられ、各シールド6とボール3の配列との間に潤滑リング7が配されている。なお、シールドに代えて耐熱性を有するシールを用いることもできる。
【0022】
前記内輪1、外輪2およびボール3は、SUS440Cで形成されているが、その他のマルテンサイト系ステンレス鋼を用いてもよい。また、ボール3は、窒化ケイ素等のセラミックスで形成することもできるが、セラミックスで形成しない場合は、その表面にグラファイト等の固体潤滑剤の被膜を形成するとよい。一方、前記シールド6はSUS304で形成されている。
【0023】
前記セパレータ4はグラファイトとバインダーとの焼結体を材料とし、潤滑リング7はグラファイトのみまたはグラファイトとバインダーとの焼結体を材料として形成される。その形成方法は、冷間静水圧プレス成型法(CIP)、押し出し成型法、圧縮成型法のいずれかで所望の形状に成型するか、あるいはそれらのうちのいずれかの成型法で成型された板材、パイプ材、棒材などを機械加工して所望の形状とする。なお、成型工程後は焼成工程を経ることで焼結体とする。なお、潤滑リング7はグラファイトとバインダーとの焼結体で形成することもできる。
【0024】
セパレータ4のグラファイトの配合率は、80〜98vol%、好ましくは90〜98vol%であり、潤滑リング7のグラファイトの配合率は95〜100vol%である。これらの部材をグラファイトとバインダーとの焼結体で形成する場合、そのバインダーには、Fe、Cu、Ni、W、Sn、Co、Crの群から選択される少なくとも1種の金属またはこれらの各金属の酸化物、窒化物、ホウ化物のうちの少なくとも一つを含むものを使用する。そして、いずれの場合でも、セパレータ4は曲げ強度が4〜15MPa、比摩耗量が1.5〜2.5×10−5mm/(N・m)となるように形成される。
【0025】
前記セパレータ4の形状は、断面略正方形の角柱であり、外輪2に対向する面の周方向両側縁の角部を、図3(a)に示すように、面取り、あるいは、図3(b)に示すように、フィレットを施すことにより、外輪2との接触による欠けの発生を防止することが好ましい。また、角部に面取りやフィレットを形成することにより、セパレータ4を金型加工する場合に、金型から抜けやすくなり、成形の際の角部の欠けを防止することができる。この角部の欠けを防止できる面取り寸法の最小値は、R0.1以上であり、同様に、フィレットの最小値は、C0.1以上である。
【0026】
セパレータ4の他の変形例としては、図3(c)に示すように、内外輪1、2と対向する面を円筒面、ボール3と対向する面を平面にする例や、図3(d)に示すように、全体を円柱状とする例がある。
【0027】
さらに、図4(a)〜(d)に示すように、セパレータ4のボール3と対向する面に、溝4aを形成し、この溝4aに、摩耗粉を溜めるようにしてもよい。溝4aの底面は、平坦面でも、曲面でもよい。
【0028】
また、セパレータ4の形状は、図5に示すように、断面略扇形に形成したりしてもよい。図5に示す断面略扇形のセパレータ4には、固体潤滑剤が磨耗して転動体の等配が崩れた時でも、転動体が内外輪から脱落しないように転動体と接触しない面に帯金4aを取り付けるようにしてもよい。その際、帯金4aは、少なくとも2箇所に使用することで目的(内外輪からの転動体の脱落防止)は達成されるが、全箇所に使用することで転動体の不等配時の偏りを最小限にとどめることができる。
【0029】
図7は、帯金4a付きのセパレータ4を使用した実施形態を示す側面図であり、シールド板および潤滑リング7を取り除いた状態を示している。
【0030】
前記帯金4aの材質としては、耐食性の良いステンレス鋼製や滑り性の良い黄銅がより好ましい。
【0031】
前記帯金4aの幅は、前記セパレータ4が摩耗しても、ボール3が内外輪1,2から脱落しない幅に設定する。
【0032】
セパレータ4は、図6に示すように、ほぼ角柱形で、周方向長さが内径側ほど短くなるように形成され、外輪と対向する面を、少なくとも一部平坦面又は周方向に多角形の面に形成し、帯金4aの取付けを容易にしている。図6の符号4bは、平坦面を示している。また、図8に示すように、前記セパレータ4の外輪軌道面に対向する面の帯金4aの軸方向長さの中央部を、周方向に幅を狭くすると、軌道面へ供給する潤滑剤量の増量化を図ることができる。
【0033】
帯金4aの円周方向に幅を狭くした部位の形状は、使用するボール3の曲率より大きい曲率の曲面で形成することにより、セパレータ4の摩耗が進んだ場合に、帯金4aとボール3との接触面積を低減することができる。
【0034】
また、図9に示すように、セパレータ4の側面の帯金4aの内面に、凹凸8を設けることにより、セパレータ4と帯金4aとの滑り止めを図ることができる。
【0035】
また、図10に示すように、帯金4aの周方向の移動を規制するために、前記セパレータ4の軸方向側面の少なくとも片面に帯金4aの移動規制用の溝9(半径方向の溝)を設けてもよい。
【0036】
この固体潤滑転がり軸受は、上記の構成であり、グラファイトの配合率を80〜98vol%とし、比摩耗量を1.5〜2.5×10−5mm/(N・m)としたセパレータ4と、グラファイトの配合率を95〜100vol%とした潤滑リング7が、それぞれ運転中にボール3と滑りを伴って接触し、ボール3にグラファイトを供給するので、ボール3に十分なグラファイトの移着膜を形成することができ、しかも軸受内部でセパレータ4の摩耗粉が詰まるおそれがない。また、セパレータ4の曲げ強度を4〜15MPaとしたので、運転中にセパレータ4が破損したりロックしたりするおそれもない。したがって、内輪転走面1aおよび外輪転走面2aとボール3との間の潤滑状態が長期間にわたって良好に維持され、従来よりも長寿命となる。
【0037】
次に、上述した実施形態の軸受の耐久性を確認するために行った実験について説明する。実験では、呼び番号608の試験軸受を1種類10個ずつ24種類(実施例1〜14および比較例1〜10)用意した。各試験軸受は、実施形態の構成をベースとして、そのセパレータのグラファイト配合率を変化させたり、下記の基準構成の一部を変更したりしたものである。各試験軸受の基準構成からの変更点およびセパレータの固体潤滑剤配合率・曲げ強度・比摩耗量を、後述する実験結果(軸受寿命)と合わせて表1に示す。
(試験軸受の基準構成)
セパレータの成分:グラファイト、タングステン(バインダー)
潤滑リングの成分:グラファイト(100vol%)
内輪・外輪・ボールの材質:SUS440C
ボール表面の固体潤滑被膜処理:なし
【0038】
【表1】

【0039】
ここで、各試験軸受に組み込んだセパレータは、図3(a)に示した角柱状のもの(高さ2.5mm×幅2.5mm×長さ4mm)であり、潤滑リングは、外径16.8mm×内径13.2mm×厚さ0.8mmのものである。そのセパレータおよび潤滑リングをグラファイト等の固体潤滑剤で形成する際は、冷間静水圧プレス成型法(CIP)、押し出し成型法、圧縮成型法のいずれかで成型した後、ベーキングして焼結体とした。そのセパレータの曲げ強度は、JIS R1601に準拠して測定した。比摩耗量は、ピンオンディスク試験により、加熱温度400℃、面圧2MPa、滑り速度0.2m/sec、摺動時間12Hrの条件で測定した。また、実施例11におけるボール表面へのグラファイト被膜の形成は、ショットブラストの吹き付けにより行った。実施例13においてはセパレータは、断面略扇形でステンレス鋼製の帯金が固定されており、外輪と対向する曲面の一部を平坦面とし、帯金が移動しないように溝を形成した形状(図4)である。実施例14においては、実施例13の転動体を、窒化ケイ素球を用いたものである。
【0040】
そして、大気中高温用軸受試験機に同じ種類の試験軸受を2個セットで取り付け、下記の条件で運転して、2個の軸受の回転トルクの合計が一定値(147mN・m)に達するまでの運転時間の測定を行い、5回の測定結果の平均を軸受寿命とした。
(試験条件)
加熱温度 :250℃、400℃(2水準)
アキシアル荷重:196N
回転数 :1000min-1
【0041】
表1から明らかなように、加熱温度が250℃、400℃のいずれの場合も、各実施例の寿命は各比較例の数倍程度となっている。また、各実施例では運転中にセパレータの破損やロック、摩耗粉の詰まりは生じなかったが、比較例3、6では摩耗粉の詰まりが、比較例4ではセパレータの破損が、比較例5ではセパレータのロックがそれぞれ生じ、短寿命の原因となった。この結果から、本発明により固体潤滑転がり軸受の寿命を大幅に延長できることが確認された。
【0042】
なお、本発明は、上述した実施形態のような玉軸受に限らず、円筒ころ軸受等の転がり軸受に適用できる。
【符号の説明】
【0043】
1 内輪
1a 転走面
2 外輪
2a 転走面
3 ボール
4 セパレータ
4a 帯金
4b 平坦面
4c 溝
5 環状空間
6 シールド(シール部材)
7 潤滑リング
8 凹凸
9 溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内輪と外輪との間に配される複数の転動体と、前記内輪と外輪のいずれか一方の軸方向両端部に取り付けられ、内輪と外輪との間の環状空間を塞ぐシール部材と、グラファイトとバインダーとの焼結体で形成され、前記各転動体間に配される柱状のセパレータとを備え、前記セパレータは、グラファイトの配合率が80〜98vol%、曲げ強度が4〜15MPa、比摩耗量が1.5〜2.5×10−5mm/(N・m)である固体潤滑転がり軸受。
【請求項2】
前記バインダーとして、Fe、Cu、Ni、W、Sn、Co、Crの群から選択される少なくとも1種の金属または前記各金属の酸化物、窒化物、ホウ化物のうちの少なくとも一つを含むものを使用したことを特徴とする請求項1に記載の固体潤滑転がり軸受。
【請求項3】
前記転動体の配列とシール部材との間に、グラファイトで形成された潤滑リングを配置し、この潤滑リングのグラファイトの配合率が95〜100vol%である請求項1又は2記載の固体潤滑転がり軸受。
【請求項4】
前記セパレータと潤滑リングが、冷間静水圧プレス成型法、押し出し成型法、圧縮成型法のいずれかで成型されたものであることを特徴とする請求項3に記載の固体潤滑転がり軸受。
【請求項5】
前記セパレータの転動体と対向する面を平面としたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の固体潤滑転がり軸受。
【請求項6】
前記セパレータは、周方向長さが内径側ほど短くなり、かつ外輪と対向する面が少なくとも一部平坦面または周方向に多角形の面に形成れていることを特徴とする請求項1乃至5の固体潤滑転がり軸受。
【請求項7】
前記セパレータの外面のうち、転動体と接触する周方向の面を除く内外輪の対向面、軸方向の側面の少なくとも一面に、セパレータの周方向の幅よりも幅が狭く、かつセパレータが摩耗しても転動体が内外輪から脱落しない幅に設定された帯金を一体化し、該帯金付きセパレータが少なくとも2箇所以上使用されたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の固体潤滑転がり軸受。
【請求項8】
大気中の250℃以上の環境で使用されることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の固体潤滑転がり軸受。
【請求項9】
樹脂フィルム延伸装置内で樹脂フィルムを把持するテンタークリップに取り付けられ、テンタークリップ案内用のガイドレール上を転動するガイドローラとして使用されることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の固体潤滑転がり軸受。
【請求項10】
ガラス基板製造装置の搬送用軸受として使用されることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の固体潤滑転がり軸受。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−79715(P2013−79715A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−169179(P2012−169179)
【出願日】平成24年7月31日(2012.7.31)
【出願人】(000102692)NTN株式会社 (9,006)
【Fターム(参考)】