説明

固体状浴用剤組成物

【課題】無機塩を含有する固体状の浴用剤であって、入浴中や入浴後の肌感触が良好で、且つ、打錠障害やブロッキングなどが生じ難い固体状浴用剤を提供する。
【解決手段】次の成分(A)及び(B)、
(A)エチレンオキサイド鎖1本当たりの平均エチレンオキサイド付加モル数(EO付加モル数/EO鎖数)が30以上300以下のポリオキシエチレン系非イオン性界面活性剤0.1〜18質量%、
(B)無機塩類10〜99質量%
を含有する固体状浴用剤組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固体状浴用剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
天然温泉の成分の一部である炭酸塩、硫酸塩、塩化物等の無機塩類を含有した錠剤型、顆粒型、粉末型等の固体状浴用剤は、使用性、流通性等が良好であることから広く用いられている。最近では、これら固体状浴用剤には、無機塩類による効果に加え、入浴中や入浴後の肌感触向上効果を狙って、油性成分や保湿剤が配合されることがある(特許文献1)。
しかしながら、このような固体状の浴用剤に実際に油性成分や保湿剤を多量に含有させると、浴用剤が錠剤の場合は打錠障害が生じ、浴用剤が顆粒や粉末の場合はブロッキングが生じる等の問題のため、これらの成分の含有量には限界があり、肌感触向上に関しては検討の余地があった。
【0003】
一方、エチレンオキサイドが100以上の非イオン性界面活性剤を含有する浴用剤組成物としては、25℃で液状の油性成分、エチレンオキサイドが100以上の非イオン性界面活性剤、その他の非イオン性界面活性剤及びグリチルレチン酸又はグリチルリチン酸類を含有する乳化型、すなわち液体状の浴用剤組成物が報告されている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平2−115116号公報
【特許文献2】特開2009−126843号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、本発明の課題は、入浴中や入浴後の肌感触が良好で、且つ、打錠障害やブロッキングなどが生じ難い固体状浴用剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで、本発明者は、固体状浴用剤の肌感触を改善すべく種々検討した結果、特定のエチレンオキサイド鎖を有する非イオン性界面活性剤と無機塩類とを特定量含有させると、今までの固体状浴用剤にはない極めてツルツル且つまとわりつくような新感触を呈する固体状浴用剤が得られるにもかかわらず、打錠障害やブロッキングなどが生じ難く保形性の良好な固体状浴用剤が得られることを見出した。
【0007】
すなわち、本発明は、次の成分(A)及び(B)、
(A)エチレンオキサイド鎖1本当たりの平均エチレンオキサイド付加モル数(EO付加モル数/EO鎖数)が30以上300以下のポリオキシエチレン系非イオン性界面活性剤0.1〜18質量%、
(B)無機塩類10〜99質量%
を含有する固体状浴用剤組成物を提供するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の固体状浴用剤組成物を浴水に投入すると、通常の固形状浴用剤では従来達成し得ない極めてツルツルし、且つまとわりつき、ベールに包まれたような良好な肌感触が入浴中に奏される。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の固体状浴用剤組成物は、成分(A)エチレンオキサイド鎖1本当たりの平均エチレンオキサイド付加モル数(EO付加モル数/EO鎖数)が30以上300以下のポリオキシエチレン系非イオン性界面活性剤を含有する。このような特定の構造を有するポリオキシエチレン系非イオン性界面活性剤を配合することにより、入浴中のツルツル且つまとわりつくような感触が得られる。このような非イオン性界面活性剤としては、以下のようなエステル系又はエーテル系ポリオキシエチレン系非イオン性界面活性剤、例えば、トリC8−C24脂肪酸ポオキシエチレンソルビタン(120〜300E.O.)、ポリオキシエチレンC8−C24アルキルエーテル(30〜100E.O.)、ポリオキシエチレンC8−C24アルケニルエーテル(30〜100E.O.)、モノC8−C24脂肪酸ポリエチレングリコール(30〜100E.O.)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(90〜300E.O.)が挙げられる。
具体的には、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(160E.O.)、ポリオキシエチレンオレイルエーテル(50E.O.)、ポリオキシエチレンステアリルエーテル(40E.O.)、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(50E.O.)、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(40E.O.)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(100E.O.)、ポリオキシエチレンミリスチルエーテル(85E.O.)等が挙げられる。これらは単独で用いても良いが、2種以上を組み合わせて用いても良い。
【0010】
中でも、成分(A)のエチレンオキサイド鎖数(=EO鎖数)は、1〜4が好ましく、さらに2〜4が好ましい。すなわち、エチレンオキサイド鎖を2本以上有するトリC8−C24脂肪酸ポリオキシエチレンソルビタン(120〜300E.O.エチレンオキサイド鎖3又は4本)やポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(90〜300E.O.エチレンオキサイド鎖3本)がより好ましい。とりわけ、エチレンオキサイド鎖を3本有するポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(100E.O.)、特に、エチレンオキサイド鎖を3本又は4本有するトリイソステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(160E.O.)であると、入浴中にツルツル且つまとわりつくような新感覚が非常に良好に奏されるため好ましい。
【0011】
本発明の固体状浴用剤組成物中の成分(A)の含有量は0.1〜18質量%であり、好ましくは0.2〜4質量%、さらに好ましくは0.3〜3質量%、特に好ましくは0.6〜2質量%であると、打錠障害やブロッキングなどが生じ難く、且つ、ツルツル且つまとわりつくような新感触が良好に奏され、非常に好ましい。また油性成分を配合した場合に油浮き等の問題が抑制され浴水中に良好に乳化分散するため特に好ましい。
【0012】
本発明の固体状浴用剤組成物は、入浴効果を得る目的で(B)無機塩類を含有する。無機塩類とは無機酸由来のアニオンと塩基由来のカチオンとがイオン結合した化合物をいい、その例としては、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、セスキ炭酸ナトリウム、塩化カリウム、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、硝酸カリウム、硝酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、塩化アンモニウム、硫酸鉄、リン酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム等が挙げられる。このうち、炭酸塩、硫酸塩、塩化物がより好ましく、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、セスキ炭酸ナトリウム、塩化カリウム、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム等が特に好ましい。
本発明の固体状浴用剤組成物中の成分(B)の含有量は10〜99質量%であるが、これらの無機塩類は、更に好ましくは、本発明の浴用剤組成物中に20〜98.5質量%、特に25〜98質量%含有するのが、入浴効果を発揮しつつ、打錠障害やブロッキングなどが防止され、且つ、浴水への溶解性が良好であるため好ましい。
【0013】
本発明の浴用剤組成物において無機塩類として炭酸塩を配合した場合、これにさらに酸を含有させることにより、炭酸ガスを発生する浴用剤とすることができる。ここで用いる酸としては、コハク酸、フマル酸、リンゴ酸、アジピン酸、酒石酸、クエン酸などの有機酸がより好ましい。酸の浴用剤組成物中の含有量は、20〜79質量%が好ましく、さらに25〜70質量%が好ましく、特に30〜60質量%であるのが炭酸ガス発生効果の点で好ましい。また、炭酸塩と有機酸を併用した場合の炭酸塩の浴用剤組成物中の含有量は、20〜79質量%が好ましく、さらに25〜75質量%が好ましく、特に30〜70質量%であるのが炭酸ガス発生効果の点で好ましい。
【0014】
これらの酸及び炭酸塩はそれぞれから選ばれる一種又は二種以上を混合して用いることができる。その混合割合は特に制限されないが、適宜酸と炭酸塩の配合割合を選択して浴湯のpHが5〜7となるようにすれば浴湯中の炭酸ガスを有効量溶解した状態で存在させることが可能なため、血行促進効果等の優れた浴用剤を得ることができる。また浴湯のpHが5〜7を外れるような範囲に酸と炭酸塩を配合する場合は、発泡浴用剤として利用することもできる。
【0015】
また更に、成分(A)と成分(B)の含有質量比((A)/(B))は、0.0011〜1.8が好ましく、更に0.0014〜1.5が好ましく、特に0.002〜0.6であると、打錠障害やブロッキングなどが生じ難くなると共に良好な肌感触が得られるため非常に好ましい。
【0016】
更に、本発明の浴用剤組成物には、成分(A)による肌感触の効果を向上させる目的で(C)油性成分を含有させると非常に好ましい。これにより、入浴中及び入浴後のツルツル感が著しく向上する。
【0017】
成分(C)油性成分としては、具体的には、脂肪酸エステル類、ロウ類、炭化水素類、高級脂肪酸類、高級アルコール類及びシリコーン油類から選ばれる1種又は2種以上が好ましい。脂肪酸エステル類には、グリセリン脂肪酸エステル類やアルコール脂肪酸エステル等が含まれる。このうちグリセリン脂肪酸エステル類としては、トリグリセリン脂肪酸エステル類、ジグリセリン脂肪酸エステル類、モノグリセリン脂肪酸エステル類等が挙げられるが、中でも、トリグリセリン脂肪酸エステル類やジグリセリン脂肪酸エステル類が好ましく、特に、天然由来の脂肪酸エステル類であり、主成分がトリグリセリン脂肪酸エステル類である、大豆油、ヌカ油、ホホバ油、アボガド油、アーモンド油、オリーブ油、カカオ脂、ゴマ油、パーシック油、ヒマシ油、ヤシ油、ミンク油、牛脂、豚脂等が好ましい。また、これらの天然油脂を水素添加して得られる硬化油及びミリスチン酸トリグリセリド、2−エチルヘキサン酸トリグリセリドも用いることができる。ジグリセリン脂肪酸エステル類としては、ジC8−C24脂肪酸グリセリンエステル、例えば2−エチルヘキサン酸、ミリスチン酸、オレイン酸、イソステアリン酸等の脂肪酸の1種又は2種のグリセリンジエステルが好ましい。なおアルコール脂肪酸エステル類としては、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ミリスチル、パルミチン酸イソプロピル、アジピン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、オレイン酸デシル等の総炭素数10〜36の高級脂肪酸エステルや、乳酸ミリスチル、乳酸セチル等の高級アルコールエステル等が挙げられる。ロウ類としては、カルナバロウ、鯨ロウ、ミツロウ等が挙げられる。炭化水素類としては、流動パラフィン、ワセリン、パラフィンマイクロクリスタリンワックス、セレシン、スクワラン、ブリスタン等が挙げられる。高級脂肪酸類としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ラノリン酸、イソステアリン酸等の炭素数8〜24の脂肪酸が挙げられる。高級アルコール類としては、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、ラノリンアルコール、2−ヘキシルデカノール等の炭素数8〜24の脂肪族アルコールが挙げられる。シリコーン油としては、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、各種変性シリコーン等が挙げられる。これらは単独で用いても良いが、2種以上を組み合わせて用いても良い。
中でも、ヌカ油、ホホバ油、オリーブ油等の油脂類、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル等のエステル類、流動パラフィン、ワセリン等の炭化水素類等が、(A)成分による入浴中のツルツル且つまとわり付くような感触を良好に発現させるためや入浴後のしっとり感等の肌感触や保湿性を高めるために、非常に好ましい。
成分(C)の浴用剤組成物中の含有量は、(A)成分による入浴中のツルツル且つまとわり付くような感触を良好に発現させるためや入浴後のしっとり感等の肌感触や保湿性を高めるため、且つ、製剤の安定性を高めるために、0.1〜10質量%、さらに0.2〜8質量%、特に0.3〜5質量%、殊更0.5〜1質量%が好ましい。
【0018】
また更に、成分(C)及び成分(A)と成分(B)の含有質量比((A)+(C))/(B)は0.0021〜2.8、特に0.003〜0.93であると、打錠障害やブロッキングなどが生じ難くなると共に良好な肌感触が得られるため非常に好ましい。
【0019】
また更に、本発明の浴用剤組成物においては、(A)成分とは異なる非イオン性界面活性剤(D)を、油性成分(C)を浴水に良好に分散させる目的で含有させるのが好ましい。
【0020】
成分(D)は、具体的には、モノオレイン酸ポリオキシエチレン(6)ソルビタン、トリオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン(9)オレイルエーテル、ポリオキシエチレン(6)ステアリルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル;モノオレイン酸ポリオキシエチレン(15)グリセリル等のポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル;テトラオレイン酸ポリオキシエチレン(30:EO鎖数6)ソルビット、テトラオレイン酸ポリオキシエチレン(40:EO鎖数6)ソルビット、テトラオレイン酸ポリオキシエチレン(60:EO鎖数6)ソルビット等のポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル;ヤシ油脂肪酸ソルビタン等のソルビタン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレン(25)硬化ヒマシ油等のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油;ポリグリセリン脂肪酸エステル;ショ糖脂肪酸エステルから選ばれる1種又は2種以上である。
中でも、ツルツル感の発現向上の点で、HLB8.5〜16の範囲のものから選ばれる1種又は2種以上、特に、HLB値の異なる2種以上であることが好ましい。更に、HLB10〜15の範囲のものから選ばれる1種又は2種以上、特に、HLB値の異なる2種以上であることが好ましい。なお、ここでHLB値はGriffinの式(J.Soc.Cosmet.Chem.,1,311(1949))により求めたものである。
【0021】
成分(D)の浴用剤組成物中の含有量は、油性成分の乳化分散性(浴水中へ投入時に速やかに転相し良好に乳化分散する等)、入浴後のしっとり感、皮膚刺激性、及び保存安定性の点から、0.01〜10質量%、さらに0.1〜8質量%、特に0.2〜5質量%が好ましい。
【0022】
さらに本発明の浴用剤組成物には、上記以外にも本発明の効果を害さない範囲で、通常の浴用剤に用いられる成分、例えば、無機酸類、酸化物、有機塩類、酸やアルカリ等のpH調整剤、水溶性高分子類、動植物の水抽出物、生薬類やビタミン類等の各種薬効成分、雲母末や中性白土等の白濁剤、色素や顔料類、香料、殺菌剤、防腐剤、酸化防止剤等を適宜含有させることもできる。
【0023】
本発明の浴用剤組成物は、固体状であり、錠剤、顆粒、粉末の形態が含まれる。これらの形態とするには、常法の混合、造粒法、錠剤化技術を用いればよい。
【0024】
本発明の固体状浴用剤組成物は、全身浴又は部分浴用の浴用剤として用いることができ、浴用前に浴湯に投入して使用すればよい。浴湯に投入するだけで容易に成分が浴湯中に均一に分散し、肌に対してツルツル感及びまとわりつくような肌感触を付与できる浴湯になる。
【実施例】
【0025】
表1〜表4に示す成分を混合成形して粉末タイプ(表1及び2)及び錠剤タイプ(表3及び4)の浴用剤を常法に従って製造した。
得られた浴用剤について、粉末タイプはブロッキングの有無、錠剤タイプは打錠障害の有無、および入浴中及び入浴後30分後の肌の感触を下記の方法で評価した。結果を表1〜表4に併せて示す。
【0026】
(評価方法)
ブロッキング:粉末タイプの製造後、ブロッキングの有無を以下の基準で確認した。
打錠障害:錠剤タイプを10錠製造後、打錠障害の有無を以下の基準で確認した。
入浴中及び出浴30分後の肌の感触:各浴用剤組成物(粉末:30g、錠剤:45g)を、40℃、150Lの浴水に溶解した浴水に、健常肌の者5名により、10分間入浴してもらい、入浴中の肌の感触(しっとり感、ツルツル且つまとわりつくような感触)を以下の基準で官能評価し、平均点を求めた。その後出浴し、30分経過後の肌の感触(しっとり感)を以下の基準で官能評価し、平均点を求めた。ただし、ブロッキングおよび打錠障害があった浴用剤組成物に関しては、肌感触の評価は行わなかった。
【0027】
[ブロッキングの有無]
○;ブロッキングなし
×;ブロッキングあり
[打錠障害の有無]
◎;打錠障害なし(10錠製造して、全く打錠障害を認めない)
○;打錠障害問題なし(10錠製造して、1〜2錠にキャッピングやスティッキング等 の打錠障害を認める)
×;打錠障害あり(10錠製造して、3錠以上にキャッピングやスティッキング等の打 錠障害を認める)
[しっとり感]
3;非常にしっとりする。
2;僅かにしっとりする。
1;しっとりしない(さら湯と同等)。
[ツルツル且つまとわりつくような感触]
3;非常にツルツル且つまとわりつくような感触がする。
2;僅かにツルツル且つまとわりつくような感触がする。
1;ツルツル且つまとわりつくような感触がしない(さら湯と同等)
【0028】
【表1】

【0029】
【表2】

【0030】
【表3】

【0031】
【表4】

【0032】
(結果)
表1〜表4から明らかなとおり、本発明の浴用剤組成物を浴水に投入すると通常の浴用剤では従来達成し得ない極めてツルツル且つまとわりつくような良好な肌感触が入浴中に奏された。また、本発明の浴用剤組成物は打錠障害やブロッキングなどが生じることなく製造することができた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(A)及び(B)、
(A)エチレンオキサイド鎖1本当たりの平均エチレンオキサイド付加モル数(EO付加モル数/EO鎖数)が30以上300以下のポリオキシエチレン系非イオン性界面活性剤0.1〜18質量%
(B)無機塩類10〜99質量%
を含有する固体状浴用剤組成物。
【請求項2】
成分(A)のエチレンオキサイド鎖数が2〜4である請求項1に記載の固体状浴用剤組成物。
【請求項3】
成分(A)がトリC8〜C24脂肪酸ポリオキシエチレンソルビタン(120〜300E.O.)である請求項1又は2記載の固体状浴用剤組成物。
【請求項4】
成分(A)と成分(B)との質量比(A)/(B)が0.0011〜1.8である請求項1〜3いずれか一項に記載の固体状浴用剤組成物。
【請求項5】
さらに(C)油性成分を含有する請求項1〜3いずれか一項に記載の固体状浴用剤組成物。
【請求項6】
さらに成分(A)以外の非イオン性界面活性剤(D)を含有する請求項1〜5のいずれか一項に記載の固体状浴用剤組成物。
【請求項7】
成分(B)が炭酸塩を含有するものであり、且つ、さらに成分(E)酸を含有する請求項1〜6のいずれか一項に記載の固体状浴用剤組成物。

【公開番号】特開2011−184361(P2011−184361A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−51467(P2010−51467)
【出願日】平成22年3月9日(2010.3.9)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】