説明

固体経口避妊薬

1つの活性成分として、2.0mgに等しいか又はそれ以下の毎日の用量での17α−シアノメチル−17−β−ヒドロキシエストラ−4,9−ジエン−3−オン(ジエノゲスト)及びもう1つの活性成分として、0.030mg以下の毎日の用量での17α−エチニルエストラジオール(エチニルエストラジオール)、並びに1又はいくつかの医薬的に許容できるキャリヤーを含んで成る、固体経口避妊医薬が開示される。前記ジエノゲストは、少なくとも2つの相において比例して放出され、そしてエチニルエストラジオールは、ジエノゲストの第1相と同時に放出される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野:
本発明は、2.0mgに等しいか又はそれ以下の17α−シアノメチル−17−β−ヒドロキシエストラ−4,9−ジエン−3−オン(ジエノゲスト)及び0.030mg以下の17α−エチニルエストラジオール(エチニルエストラジオール)を含んで成る、避妊のための固体経口医薬形に関し、ここで前記ジエノゲストは、少なくとも2相において比例して放出され、そしてそれらの相のうち、少なくとも1つの相は、他の相に対して遅延されて放出されることを特徴とする。医薬形はさらに、遅くない(早い)放出のために意図された合計のエタノールエストラジオール含有物を含んで成る。
【背景技術】
【0002】
一般的従来技術:
プロゲストゲン成分及びエストロゲン成分から成る経口避妊組成物は、1960年代初期に最初に市販された。次の3種の必須性質が、“避妊用ピル”のプロフィールを特徴づける:避妊の信頼性、非常に良好な周期制御及び最小の副作用。ホルモン避妊薬の紹介以来、研究は、避妊信頼性及び周期制御が良好に存続しながら、所望しない副作用、例えば動脈及び静脈血栓症、及び炭水化物及び脂質代謝(避妊のために必要とされるよりもプロゲストゲン及びエストロゲンの高い含有率により引起される)に対する効果を低める、医薬形の生成の可能性に向けられて来た。
【0003】
そのような副作用は、特に、避妊のために必要である以上の含有率のプロゲストゲン及びエストロゲンを含んで成る第一世代経口避妊葉に関して知られている。WO98/004269号は中でも、避妊のための250μg〜4mgのジエノゲスト及び10μg〜20μgのエチニルエストラジオールの組み合わせの経口投与を開示する。周期当たりに投与される全体の避妊用ステロイドの実質的な低下を、良好な周期を保持しながら達成するために、低用量のプロゲストゲン/エストロゲンの組み合わせが、28日の月経周期の23〜25日間、投与される。しかしながら、この特許は、この発明の考案がまた成功し、そして何がステロイドの放出の所望する態様であるかを示す結果及び情報を開示していない。
【0004】
WO01/015701号は、中でもまた、低用量でドロスピレノン及びエチニルエストラジオールを含んで成る、28日の月経周期の21日での経口投与のための医薬組成物を開示しており、ここでドロスピレノンは超微粉砕された形で存在する。特別な注意が、この場合、ステロイドの急速な放出に向けられている。
【0005】
EP0803250号は、薬理学的に活性の成分を有さない錠剤コアーを有する医薬錠剤を開示し、そしてその外側の糖被膜が中でも、ジエノゲスト及びエチニルエストラジオールを含んで成り、そして所望するその急速な放出が超微晶性セルロースにより影響される。
【0006】
個々の日、同じ周期にある摂取に注意を払うことが低用量経口避妊薬により絶対的に必要であることはまた知られている。この周期が従われない場合、効果的活性成分濃度は、経口避妊のために必要な濃度以下であり、そして経口避妊はもはや保証されない。これは、使用者が彼らの摂取周期の形跡を、非常に慎重に且つ非常に注意して維持することが必要とされることを意味する。
【発明の開示】
【0007】
発明の特定の開示:
本発明は、経口避妊薬のための従来のジエノゲスト/エチニルエストラジオール活性成分の組合せを低め、そして同時に、従来の経口避妊薬に類似する避妊効力を確保するための可能性の創造目的に基づく。
【0008】
この目的は、活性成分組合せとして、2.0mgに等しいか又はそれ以下のジエノゲスト及び0.030mg以下のエチニルエストラジオールを含んで成る、避妊のための固体経口医薬形により本発明に従って達成され、ここで前記ジエノゲストが、少なくとも2相において比例して放出され、そしてそれらの相のうち、少なくとも1つの相は、他の相に対して遅延されて放出されることを特徴とする。
【0009】
本発明の医薬形においては、好ましくは、ジエノゲストは、第1相内で急速な(遅くない)インビトロ放出、及び第2相内で遅延された(遅い)インビトロ放出を有し、そしてエチニルエストラジオールは、従来の急速なインビトロ放出を有する。医薬形は好都合には、合計のジエノゲスト含有物の遅い放出のために意図された部分を有する錠剤コアー、及び合計のジエノゲスト含有物の遅くない(急速)放出のために意図された部分、及び遅くない(急速)放出のために意図された合計のエチニルエストラジオール含有物を有する被膜を有する錠剤を表す。
【0010】
錠剤は、フィルム被膜された錠剤であり得、この場合、被膜はフィルム被膜である。
本発明の医薬形は好ましくは、1.5mg〜2.0mgのジエノゲスト及び0.015mg〜0.020mgのエチニルエストラジオールの活性成分組合せを含んで成る。
【0011】
好ましくは、少なくとも10%、好ましくは30%のジエノゲストが、溶解媒体として37℃での水及び撹拌速度として50rpmを用いての溶解試験により決定される場合、30分以上の後、錠剤コアーからゆっくり溶解される。前記決定は、1000mlの水の使用を伴って、回転バスケット装置を用いて、Ph. Eur.に従って行われる。
【0012】
フィルム被膜からのジエノゲストの部分及び合計のエチニルエストラジオールの部分の溶解は、溶解媒体として37℃での水及び撹拌速度として50rpmを用いての溶解試験により決定される場合、45分以下で少なくとも75%、好ましくは30分で70%である。エチニルエストラジオールは、アスコルビン酸が活性成分含有フィルム被膜に添加されるとすぐにそれにより安定化されることが見出された。
この場合、アスコルビン酸の部分は、0.02〜1.0%、好ましくは0.025〜0.25%である。
【0013】
本発明の好ましい医薬形は、ジエノゲスト及びエチニルエストラジオールの組み合わせを含んで成る毎日の用量単位の数が、28日の月経周期において、21, 22, 23, 24又は25日であり、そして活性成分を含まない毎日の用量単位の数が、7 ,6, 5, 4又は3日である。
【0014】
ジエノゲスト活性成分の遅い放出部分の放出は、多数の放出−遅延原理により調節され得る。それらの放出−遅延原理の例は、不活性プラスチックマトリックス、ヒドロコロイド、イオン交換体、遅い放出の被膜、胃耐性被膜、ペレット混合物、小錠剤及び/又は顆粒の混合物、マイクロカプセル、浸透圧的に調節されたシステム、浸蝕調節されたシステム、拡散調節されたシステム及びそれらの組合せ、脂肪−及びワックス−含有マトリックスである。
【0015】
例に示される錠剤形は、本発明の医薬形の種々の態様である。錠剤形、例えば長方形錠剤は、それらの形状において、親水性トリックスの浸蝕挙動性に影響を及ぼす錠剤形であるので、考えられる。
【0016】
驚くべきことには、医薬形からのジエノゲストの部分的に遅延された放出が、ジエノゲスト及びエチニルエストラジオールを含んで成る従来の経口避妊薬と同じ避妊効力を有する低い用量のジエノゲスト/エチニルエストラジオール活性成分の組合せを可能にし、そして個々の日、同じ周期にある摂取に注意を払うことの絶対的な必要性を伴わないで摂取信頼性を確かにすることが見出された。
【0017】
本発明も医薬製品の適切な態様によれば、毎日の用量単位の数は、28日の月経周期において、21, 22, 23, 24又は25日であり、そして活性成分を有さない毎日の用量単位の数は7, 6, 5, 4又は3日である。2.0mgに等しいか又はそれ以下のジエノゲスト、及び0.030mg以下のエチニルエストラジオールを含んで成る、28又は28の倍数、例えば2〜3×28の毎日の用量単位の数に関するさらなる態様が可能である。避妊の他に、ホルモン置換のためにも適切である、プロゲストゲン、例えばレボノルゲストレル、ゲストデン及び他のもの及び/又はエストラジオールバレレートに関する他の態様もまた可能である。
【0018】
例に示される態様はまた、投与量により変更され得る。第2の遅い放出相におけるジエノゲストの割合は好ましくは、ジエノゲスト用量の30%以上であるべきである。これは、合計のジエノゲスト用量の35%, 40%, 45%, 50%又は55%の態様を包含するが、しかしまた、例えば70%, 75%, 80%も包含する。第2の遅い放出相におけるジエノゲストの割合は完全に放出される時間、例においては、180〜360分である。しかしながら、より短いか又は長い放出時間がまた、例の変動により達成され得る。
【0019】
活性成分放出の変動の通常の範囲により、放出時間は、全時間において、例えば1h、2h、3h、4h、6h、7h等として報告されている。
本発明の医薬製品における活性成分の組合せは、避妊の他に、抗男性ホルモン性質を有し、そして従って、アンドロゲン誘発された障害、特にアクネの予防及び治療に使用され得ることが明らかに成った。
【実施例】
【0020】
例1
説明
Valetteは、糖含有外装により被覆される錠剤コアーに、0.030mgのエチニルエストラジオール及び2.0mgのジエノゲストを含んで成る、経口投与のための従来の糖被覆された錠剤である。
【0021】
放出プロフィールの試験
−Ph. Eur., 4th版、主巻2002, 2.9.3の溶解試験、櫂撹拌機装置、50rpm、水の溶解媒体1000ml。
−高圧液クロマトグラフィーにより放出されるジエノゲスト及びエチニルエストラジオールの量の測定。
図1は、明らかであるプロゲストゲン及びエストロゲンのそのような避妊組合せの典型的な放出プロフィールを示す。45分以内に活性成分用量の少なくとも75%、好ましくは30分で70%の放出によるそのような、挙動性は、早い放出と呼ばれる。
【0022】
例2
1mgのジエノゲストの遅延された放出及び1mgのジエノゲスト及び0.02mgのエチニルエストラジオールの早い放出を伴っての、2mgのジエノゲスト及び0.02mgのエチニルエストラジオール。
【0023】
説明
この例は、マトリックスコアーを有するフィルム被覆された錠剤を記載する。フィルム被覆された錠剤のコアーは、塩基成分メトロースを有する親水性浸蝕マトリックスに1mgのジエノゲストを含んで成る。活性成分ジエノゲストは、このマトリックスからゆっくり放出される。コアーは、1.0mgのジエノゲスト及び0.02mgのエチニルエストラジオールを含んで成る、すばやく溶解するフィルムにより被膜される。光からの保護のために、フィルム被覆された錠剤は、酸化鉄顔料を含んで成る、すばやく溶解する着色された層により被覆された。
【0024】
組成
コアー
顆粒1
ジエノゲスト 1.000mg
メトロース90SH-4000 7.500mg
ラクトース一水和物 21.000mg
トウモロコシ澱粉 14.000mg
ポビドンk25(エタノール中10%) 1.500mg
【0025】
顆粒2
ラクトース一和物 54.000mg
トウモロコシ澱粉 27.100mg
マルトデキストリン(水中25%) 6.900mg
外部相
カルボキシメチル澱粉ナトリウム 1.500mg
ステアリン酸マグネシウム 1.500mg
【0026】
フィルム被膜
フィルム1−活性成分含有フィルム
ジエノゲスト 1.000mg
エチニルエストラジオール 0.020mg
Methocel5 2.250mg
タルク 0.450mg
二酸化チタン 0.280mg
【0027】
フィルム2−着色された層
Methocel5 3.375mg
タルク 0.675mg
二酸化チタン 1.875mg
酸化鉄の赤 0.075mg
【0028】
生成
一顆粒1:エタノールにポビドン(商標)を溶解し、そしてこの溶液を、流動層グラニュレーターにおいて他の物質を粒質化するために使用する;
−顆粒2:水にポビドン(商標)を溶解し、そしてこの溶液を、流動層グラニュレーターにおいて他の物質を粒質化するために使用する;
−顆粒1、顆粒2及び外部相を、容器ミキサーにおいて混合する;
−混合物を錠剤(136mg、長方形のポンチ4.0×10.0mm、曲率4.5mm)に転換する;
−フィルム1:ドラムコーターにおいて水中、物質の懸濁液により錠剤を被覆する;
−フィルム2:ドラムコーターにおいて水中、物質の懸濁液によりフィルム被覆された錠剤を被覆する。
【0029】
放出プロフィールの試験
−Ph. Eur., 4th版、主巻2002, 2.9.3の溶解試験、回転バスケット装置、50rpm、水の溶解媒体1000ml。
−高圧液クロマトグラフィーにより放出されるジエノゲスト及びエチニルエストラジオールの量の測定。
【0030】
例3
1mgのジエノゲストの遅延された放出及び1mgのジエノゲスト及び0.02mgのエチニルエストラジオールの早い放出を伴っての、2mgのジエノゲスト及び0.02mgのエチニルエストラジオール。
【0031】
説明
この例は、マトリックスコアーを有するフィルム被覆された錠剤を記載する。フィルム被覆された錠剤のコアーは、塩基成分メトロースを有する親水性浸蝕マトリックスに1mgのジエノゲストを含んで成る。活性成分ジエノゲストは、このマトリックスからゆっくり放出される。遅い放出のコアーと活性成分含有フィルムとの間の相互作用を回避するために、コアーを、活性成分含有フィルムが適用される前、バリアー層により被覆した。活性成分含有フィルムは、1.0mgのジエノゲスト及び0.02mgのエチニルエストラジオール、並びに光からの保護のための酸化鉄顔料を含んで成る。
【0032】
組成
コアー
顆粒
ジエノゲスト 1.00mg
メトロース90SH-4000 7.500mg
ラクトース一水和物 31.000mg
トウモロコシ澱粉 24.000mg
ポビドンK25(エタノール中10%) 2.000mg
【0033】
外部相
Tablettose 21.000mg
Avicel PH102 16.200mg
ステアリン酸マグネシウム 1.300mg
【0034】
フィルム被膜
バリヤー層
Opadry AMB White(商標) 7.000mg
下記から成る:
ポリビニルアルコール−一部加水分解されている
二酸化チタン
大豆レシチン
キサンタン
【0035】
活性成分含有フィルム
ジエノゲスト 1.000mg
エチニルエストラジオール 0.020mg
Methocel 5 2.250mg
タルク 0.430mg
二酸化チタン 0.280mg
酸化鉄、赤 0.020mg
【0036】
生成
一顆粒:エタノールにポビドン(商標)を溶解し、そしてこの溶液を、流動層グラニュレーターにおいて他の物質を粒質化するために使用する;
−顆粒1、及び外部相を、容器ミキサーにおいて混合する;
−混合物を錠剤(104mg、長方形のポンチ4.0×10.0mm、曲率4.5mm)に転換する;
−バリヤー層:ドラムコーターにおいて水中、物質の懸濁液により錠剤を被覆する;
−活性成分含有フィルム:ドラムコーターにおいて水中、物質の懸濁液によりフィルム被覆された錠剤を被覆する。
【0037】
放出プロフィールの試験
−Ph. Eur., 4th版、主巻2002, 2.9.3の溶解試験、回転バスケット装置、50rpm、水の溶解媒体1000ml。
−高圧液クロマトグラフィーにより放出されるジエノゲスト及びエチニルエストラジオールの量の測定
【0038】
例2及び3のフィルム被覆された錠剤は、フィルム被膜の構造において異なる。活性成分含有フィルムは、急速に溶解し、そしてすばやく、エチニルエストラジオール用量及びジエノゲスト用量の割合を放出する。同様に、例2における着色された層はすばやく溶解する。フィルム被覆された錠剤は許容でき、そして光から保護されることを確かめる。例3におけるバリヤー層は、活性成分含有フィルムとコアーとの間の相互作用を制御し、そして活性成分含有フィルムよりもゆっくり溶解する。両フィルム被膜された錠剤は、親水性浸蝕マトリックスから成るマトリックスコアーを有する。この浸蝕マトリックスは、ジエノゲスト用量の遅い放出部分をゆっくり放出する。
【0039】
図2は、示される例2及び3の測定された放出プロフィールを示す。両例のフィルム被覆された錠剤は、45分以内にエチニルエストラジオール用量の約80%、及び45分以内にジエノゲスト用量の約50%を放出する。ジエノゲスト用量の残る割合は、例2からのフィルム被覆された錠剤において、360分以内に、及び例3の場合、180分以内に放出される。
【0040】
例4
例4においては、ジエノゲストの遅い放出割合の放出は、親油性マトリックスにより調節される。
説明
この例は、親油性放出−遅延原理を有する、2mgのジエノゲスト及び0.020mgのエチニルエストラジオールを含んで成る錠剤を記載する。1mgのジエノゲストを、親油性マトリックス中に、噴霧により導入する。ジエノゲストの早い放出割合及びエチニルエストラジオールを、このマトリックスと共に混合する。
【0041】
組成
ジエノゲスト(エタノール溶液中) 1.00mg
セチルステアリルアルコール(エタノール溶液中) 9.00mg
ラクトース一水和物 57.98mg
トウモロコシ澱粉 10.00mg
ジエノゲスト 1.00mg
エチニルエストラジオール 0.02mg
マルトデキストリン(水中、20%溶液) 9.00mg
Naカルボキシメチル澱粉 1.00mg
ステアリン酸マグネシウム 1.00mg
【0042】
生成
−ジエノゲストの遅い放出割合及びセチルステアリルアルコールを50℃でエタノールに溶解し;
−ジエノゲスト/セチルステアリルアルコール溶液を、流動層顆粒中、ラクトース及びトウモロコシ澱粉上に噴霧し、そして乾燥し;
−エチニルエストラジオール、及び第2の半分のジエノゲスト用量を混合し、そして乾燥し;
−マルトデキストリンを水に溶解し;
−マルトデキストリン溶液と共に流動層において混合物を粒質化し;
−Naカルボキシメチル澱粉及びステアリン酸マグネシウムを混合し;
−直径5.5mm及び質量90mgの錠剤を得るために錠剤化する。
【0043】
例5
例5においては、ジエノゲストに放出を、異なった粒度の使用により調製する。
説明
この例は、ジエノゲストが異なった粒子画分で使用される錠剤を記載する。粒度の標的化された調節が、分別結晶化により行われる。
【0044】
組成
ジエノゲスト(平均粒度3μm) 0.667mg
ジエノゲスト(平均粒度180μm) 0.667mg
ジエノゲスト(平均粒度270μm) 0.667mg
エチニルエストラジオール 0.02mg
ラクトース一水和物 47.18mg
トウモロコシ澱粉 24.00mg
マルトデキストリン(水中、20%溶液) 9.00mg
ステアリン酸マグネシウム 0.80mg
【0045】
生成
−前記物質及びマルトデキストリン溶液を粒質化し;
−前記顆粒を乾燥し;
−ステアリン酸マグネシウムを混合し;
−前記混合物を錠剤(直径5.5mm、質量80mg)に転換する。
【0046】
例6
化学的問題が、エチニルエストラジオール用量が低められる場合、発生する。医薬形における活性成分の希釈度の上昇が、貯蔵の間、たぶん医薬形の生成の間、その化学的分解を加速する。驚くべきことには、アスコルビン酸は、エチニルエストラジオールのための効果的な安定剤として明らかになった。例6は、配合例における安定剤としてのアスコルビン酸の効力を示す。
【0047】
説明
この例は、応力試験における配合例によるエチニルエストラジオールに対するアスコルビン酸の安定化効果を記載する。
組成:
【0048】
【表1】

【0049】
生成:
−グラニュレーターにおいてラクトース、トウモロコシ澱粉及びジエノゲストを混合し、エタノール中、エチニルエストラジオールの溶液により噴霧し、そして乾燥し;
−前記混合物を、水中、マルトデキストリン結合剤溶液と共に粒質化し、乾燥し、そしてステアリン酸マグネシウムと共に混合し;
−80mgの質量及び5.5mの直径の錠剤を得るために前記混合物を錠剤化する。
【0050】
応力試験における内容物の試験
錠剤を、60℃及び80%相対湿度で開口容器に貯蔵する。42日の貯蔵後、錠剤を除き、そして調査する。エチニルエストラジオール含有率を、HPLCにより測定し、そして初期含有率を比較する。
【0051】
【表2】

【0052】
例7
説明
この例においては、フィルム被覆された錠剤の活性成分含有層におけるエチニルエストラジオールの安定化が記載されている。
組成
【0053】
【表3】

【0054】
生成
−ジエノゲスト、メトロース90SH−4000、ラクトース一水和物及びトウモロコシ澱粉を、水性ポビドンK25及びマルトデキストリン溶液と共に粒質化し;
−Tablettose、Avicel PH102及びステアリン酸マグネシウムを、乾燥顆粒と共に混合し;
−前記混合物を錠剤化し;
−前記錠剤を、ドラムコーターにおいて、適切なフィルムにより被覆する。
【0055】
例8
説明
1.5mgのジエノゲスト及び0.015mgのエチニルエストラジオールの合計用量を有するフィルム被膜された錠剤の5種の変形が記載されている。フィルム被覆された錠剤は、遅い放出のマトリックスコアー及びすばやく溶解するフィルム被膜、及び着色された層から成る。2種の変形においては、バリヤー層をさらに、コアーと活性成分含有フィルムとの間に供給する。
【0056】
フィルム被膜された錠剤の5種の変形においては、ジエノゲスト用量の遅い放出割合が33%〜66%の範囲で変化した。コアーの配合は、所望する放出プロフィールに適合された。
組成
【0057】
【表4】

【0058】
生成
−ジエノゲスト、メトロース90SH−4000、ラクトース一水和物及びトウモロコシ澱粉を、水性ポビドンK25及びマルトデキストリン溶液と共に粒質化し;
−Tablettose、Avicel PH102及びステアリン酸マグネシウムを、乾燥顆粒と共に混合し;
−前記混合物を錠剤化し;
−前記錠剤を、ドラムコーターにおいて、適切なフィルムにより被覆する。
【0059】
放出プロフィールの試験
−Ph. Eur., 4th版、主巻2002, 2.9.3の溶解試験、回転バスケット装置、50rpm、水の溶解媒体1000ml。
−高圧液クロマトグラフィーにより放出されるジエノゲスト及びエチニルエストラジオールの量の測定。
【0060】
例9
2.0mgのジエノゲスト及び0.015mgのエチニルエストラジオールの合計用量を含むフィルム被膜された錠剤の変形を、例8における変形類似して、生成し、そして試験する。
ジエノゲスト及びエチニルエストラジオールを含んで成る製剤の避妊効力を、研究、例えばランダム化された開放性臨床学的研究において示すことができる。これは、実施される種々の生化学的及び機能試験調査を必要とする。排卵阻害効果を検出するために、FSH, LH, エストラジオール、プロゲステロン、“spinnbarkeit”及びシダ状結晶形成を調べた。小胞の成熟を、超音波調査により試験した。さらに、血清におけるSHBG、CBG、合計テストステロン、トリグリセリド、コレステロール、HDL, LDL, グルコースを測定し、そして血圧、心拍数、体重及び出血状態を記録した。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】図1は、例1に従って生成され、そして測定された、2mgのジエノゲスト及び0.030mgのエチニルエストラジオールを有するValette(商標)の放出プロフィールを示すプロットを示す。
【図2】図2は、例2及び3に従って生成され、そして測定された、2mgのジエノゲスト及び0.020mgのエチニルエストラジオールを有するフィルム被覆された錠剤の放出プロフィールを示すプロットを示す。
【図3】図3は、例8に従って生成され、そして測定された、1.5mgのジエノゲスト及び0.015mgのエチニルエストラジオールを有するフィルム被覆された錠剤の放出プロフィールを示すプロットを示す。30及び45分での点線の印は、2相、すなわち遅い放出及び遅くない(早い)放出におけるジエノゲストの部分の放出を明確にする。45分以下内で活性成分用量の少なくとも75%、好ましくは30分で70%の放出挙動性は、早い放出と呼ばれる。
【図4】図4は、変形8.1〜8.4に類似して、例8、変形8.5に従っての、1.5mgのジエノゲスト及び0.015mgのエチニルエストラジオールを有するフィルム被覆された錠剤の放出プロフィールを示すプロットを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2.0mgに等しいか又はそれ以下の17α−シアノメチル−17−β−ヒドロキシエストラ−4,9−ジエン−3−オン(ジエノゲスト)及び0.030mg以下の17α−エチニルエストラジオール(エチニルエストラジオール)を含んで成る、避妊のための固体経口医薬形であって、前記ジエノゲストが、少なくとも2相において比例して放出され、そしてそれらの相のうち、少なくとも1つの相は、他の相に対して遅延されて放出されることを特徴とする医薬形。
【請求項2】
合計のジエノゲスト含有物の遅い放出のために意図された部分、及び合計のジエノゲスト含有物の遅くない(早い)放出のために意図された部分を有する請求項1記載の医薬形。
【請求項3】
合計のジエノゲスト含有物の遅い放出のために意図された部分、及び合計のジエノゲスト含有物の遅くない(早い)放出のために意図された部分、及び遅くない(早い)放出のために意図された合計のエチニルエストラジオール含有物を有する請求項1又は2記載の医薬形。
【請求項4】
前記医薬形が、合計のジエノゲスト含有物の遅い放出のために意図された部分を有する錠剤コアー、及び合計のジエノゲスト含有物の遅くない(急速)放出のために意図された部分、及び遅くない(急速)放出のために意図された合計のエチニルエストラジオール含有物を有する被膜を有する錠剤を表す請求項1〜3のいずれか1項記載の医薬形。
【請求項5】
活性成分組合せとして、2.0mgに等しいか又はそれ以下のジエノゲスト、及び0.030mg以下のエチニルエストラジオールを含んで成り、ここで前記医薬形が、合計のジエノゲスト含有物の遅い放出のために意図された部分を有する錠剤コアー、及び合計のジエノゲスト含有物の遅くない(急速)放出のために意図された部分、及び遅くない(急速)放出のために意図された合計のエチニルエストラジオール含有物を有するフィルム被膜を有するフィルム被覆された錠剤を表す請求項4記載の医薬形。
【請求項6】
活性成分の組合せが、1.5mg〜2.0mgのジエノゲスト及び0.015mg〜0.020mgのエチニルエストラジオールを含んで成る請求項1〜5のいずれか1項記載の医薬形。
【請求項7】
少なくとも10%、好ましくは30%のジエノゲストが、溶解媒体として37℃での水及び撹拌速度として250rpmを用いての溶解試験により決定される場合、30分以上の後、錠剤コアーからゆっくり溶解される請求項1〜6のいずれか1項記載の医薬形。
【請求項8】
アスコルビン酸が、活性成分含有フィルム被膜に対するエチニルエストラジオールの安定剤として添加される請求項1〜7のいずれか1項記載の医薬形。
【請求項9】
前記アスコルビン酸の部分が、0.02〜1.0%、好ましくは0.0025〜0.25%である請求項8記載の医薬形。
【請求項10】
ジエノゲスト及びエチニルエストラジオールの組み合わせを含んで成る毎日の用量単位の数が、28日の月経周期において、21, 22, 23, 24又は25日に達し、そして活性成分を含まない毎日の用量単位の数が、7 ,6, 5, 4又は3日に達する請求項1〜9のいずれか1項記載の医薬形。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2008−527019(P2008−527019A)
【公表日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−551647(P2007−551647)
【出願日】平成18年2月15日(2006.2.15)
【国際出願番号】PCT/EP2006/001358
【国際公開番号】WO2006/087177
【国際公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【出願人】(300049958)バイエル・シエーリング・ファーマ アクチエンゲゼルシャフト (357)
【Fターム(参考)】