説明

固体電解コンデンサ

【課題】(1)静電容量を低下させることなく、ESRが低い固体電解コンデンサを提供する。(2)静電容量が大きく、かつESRがより低い固体電解コンデンサを提供する。
【解決手段】(1)比施光度が+5以上のメチル化エチレンジオキシチオフェンおよび比施光度が+5以上のエチル化エチレンジオキシチオフェンよりなる群から選ばれる少なくとも1種をモノマーとして化学酸化重合により合成した導電性高分子を固体電解質として固体電解コンデンサを構成する。(2)比施光度が+5以上のメチル化エチレンジオキシチオフェンおよび比施光度が+5以上のエチル化エチレンジオキシチオフェンよりなる群から選ばれる少なくとも1種とエチレンジオキシチオフェンとを併用してモノマーとして化学酸化重合により合成した導電性高分子を固体電解質として固体電解コンデンサを構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導電性高分子を固体電解質として用いた固体電解コンデンサに関する。
【背景技術】
【0002】
導電性高分子は、その高い導電性により、例えば、タンタル固体電解コンデンサ、アルミニウム固体電解コンデンサ、ニオブ固体電解コンデンサなどの固体電解コンデンサの固体電解質として用いられている。
【0003】
この用途における導電性高分子としては、例えば、チオフェンまたはその誘導体などを化学酸化重合または電解酸化重合することによって得られたものが用いられている。
【0004】
上記チオフェンまたはその誘導体などの化学酸化重合を行う際のドーパントとしては、主として有機スルホン酸が用いられ、その中でも、芳香族スルホン酸が適しているといわれており、酸化剤としては、遷移金属が用いられ、その中でも第二鉄が適しているといわれていて、通常、芳香族スルホン酸の第二鉄塩がチオフェンまたはその誘導体などの化学酸化重合にあたって酸化剤兼ドーパントとして用いられている。
【0005】
上記チオフェンまたはその誘導体としては、これまで、得られる導電性高分子の導電性および耐熱性のバランスがとれていて有用性が高いという理由から、エチレンジオキシチオフェン(3,4−エチレンジオキシチオフェン)が多用されてきた(特許文献1〜2)。
【0006】
しかしながら、導電性高分子を固体電解質として用いる固体電解コンデンサの技術革新は日進月歩であり、さらなる特性の向上が要望されている。
【0007】
そこで、導電性を高めるべく、エチレンジオキシチオフェンをアルキル基で修飾したアルキル化エチレンジオキシチオフェンを用いることが提案され、さらにそのアルキル化エチレンジオキシチオフェンの光学特性に注目した研究も行われている(特許文献3)。
【0008】
上記特許文献3においては、光学分割されたアルキル化エチレンジオキシチオフェンは、ラセミ体のアルキル化エチレンジオキシチオフェンに比べて、導電率が高い導電性高分子が得られることが報告されている。
【0009】
しかしながら、この特許文献3の実施例を見てみると、比施光度が−(マイナス)のアルキル化エチレンジオキシチオフェン(そのアルキル基の炭素数が6、8、10、12のものが用いられている)は、同じ炭素数のラセミ体のアルキル化エチレンジオキシチオフェンより、導電率が高い導電性高分子を合成できることが示されている。また、アルキル鎖の短かいメチル化エチレンジオキシチオフェン(つまり、アルキル基の炭素数が1のアルキル化エチレンジオキシチオフェン)の場合は、比施光度が−(マイナス)のメチル化エチレンジオキシチオフェンを用いて合成した導電性高分子の導電率と、ラセミ体のメチル化エチレンジオキシチオフェンを用いて合成した導電性高分子の導電率とが同じであったことも示されている。
【0010】
すなわち、上記特許文献3で具体的に示されているのは、アルキル鎖の長さが中程度ないしは長いアルキル化エチレンジオキシチオフェン(つまり、アルキル基の炭素数が6〜12のアルキル化エチレンジオキシチオフェン)では、比施光度が−(マイナス)のアルキル化エチレンジオキシチオフェンを用いて得られる導電性高分子の導電率が、ラセミ体のアルキル化エチレンジオキシチオフェンを用いて得られる導電性高分子の導電率より高いこと、また、アルキル鎖の短かいメチル化エチレンジオキシチオフェンでは、比施光度が−のメチル化エチレンジオキシチオフェンを用いて得られる導電性高分子の導電率が、ラセミ体のメチル化エチレンジオキシチオフェンを用いて得られる導電性高分子の導電率と同じであるということである。
【0011】
上記特許文献3の教示に従って、アルキル鎖の中程度ないし長いアルキル化エチレンジオキシチオフェン、すなわち、アルキル基の炭素数が6、8、10、12程度のアルキル化エチレンジオキシチオフェンで比施光度が−のものを用いて導電性高分子を合成し、それらの導電性高分子を固体電解質として用いて固体電解コンデンサを作製したところ、同じ炭素数のラセミ体のアルキル化エチレンジオキシチオフェンを用いて合成した導電性高分子を固体電解質として用いて作製した固体電解コンデンサのESR(等価直列抵抗)より若干低くなるものの、ESRが大幅に低下した固体電解コンデンサは得られなかった。
【0012】
しかしながら、電子機器の高性能化に伴ない、固体電解コンデンサのESRをより低くすることが求められていて、ESRがより低い固体電解コンデンサの出現が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2003−160647号公報
【特許文献2】特開2004−265927号公報
【特許文献3】特表2004−525946号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明者らは、上記のような事情に鑑み、ESRがより低い固体電解コンデンサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明者らは、上記課題を解決するため、鋭意研究を重ねた結果、比施光度が+(プラス)のメチル化エチレンジオキシチオフェンや比施光度が+のエチル化エチレンジオキシチオフェンをモノマーとして用いて合成した導電性高分子を固体電解質とする固体電解コンデンサが、比施光度が−のメチル化エチレンジオキシチオフェンや比施光度が−のエチル化エチレンジオキシチオフェンをモノマーとして用いて合成した導電性高分子を固体電解質とする固体電解コンデンサより、ESRが低く、また、ラセミ体のメチル化エチレンジオキシチオフェンやラセミ体のエチル化エチレンジオキシチオフェンをモノマーとして用いて合成した導電性高分子を固体電解質とする固体電解コンデンサよりも、ESRが低く、さらに、上記特許文献3に記載のような比施光度が−の炭素数6〜12の範疇に属するアルキル化エチレンジオキシチオフェンをモノマーとして用いて合成した導電性高分子を固体電解質とする固体電解コンデンサよりも、ESRが低いことを見出し、それに基づいて第1の発明を完成した。
【0016】
また、本発明者らは、さらに研究を重ね、上記比施光度が+のメチル化エチレンジオキシチオフェンや比施光度が+のエチル化エチレンジオキシチオフェンと、エチレンジオキシチオフェンとを併用し、その併用物をモノマーとして合成した導電性高分子を固体電解質とする固体電解コンデンサが、静電容量がより大きくなり、ESRがさらに低くなることを見出し、それに基づいて、第2の発明を完成した。
【0017】
すなわち、本発明における第1の発明は、「比施光度が+5以上のメチル化エチレンジオキシチオフェンおよび比施光度が+5以上のエチル化エチレンジオキシチオフェンよりなる群から選ばれる少なくとも1種をモノマーとして化学酸化重合により合成した導電性高分子を固体電解質として用いたことを特徴とする固体電解コンデンサ」に関する。
【0018】
また、本発明における第2の発明は、「比施光度が+5以上のメチル化エチレンジオキシチオフェンおよび比施光度が+5以上のエチル化エチレンジオキシチオフェンよりなる群から選ばれる少なくとも1種とエチレンジオキシチオフェンとを併用してモノマーとして化学酸化重合により合成した導電性高分子を固体電解質として用いたことを特徴とする固体電解コンデンサ」に関する。
【0019】
なお、本書において、比施光度は、すべて、測定時の温度が25℃で、測定時の入力光線の波長が589nmの条件下で測定した比施光度をいう。
【発明の効果】
【0020】
本発明における第1の発明によれば、静電容量を低下させることなく、ESRが低い固体電解コンデンサを提供することができる。
また、本発明における第2の発明によれば、静電容量が大きく、かつESRがより低い固体電解コンデンサを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の固体電解コンデンサの固体電解質を構成する導電性高分子の原料となるモノマーは、比施光度が+5以上のメチル化エチレンジオキシチオフェンと、比施光度が+5以上のエチル化エチレンジオキシチオフェンと、それらのうちのいずれか一方または両方と併用するエチレンジオキシチオフェンとの3種類であるが、それらの化学構造は、次の一般式(1)で表される。
【0022】
【化1】

(式中、Rは水素、メチル基またはエチル基である)
【0023】
上記一般式(1)中のRが水素の化合物は、IUPAC名称で表示すると、「2,3−ジヒドロ−チエノ〔3,4−b〕〔1,4〕ジオキシン(2,3−Dihydro−thieno〔3,4−b〕〔1,4〕dioxine)」であるが、この化合物は、IUPAC名称で表示されるよりも、一般名称の「エチレンジオキシチオフェン」で表示されることが多いので、本書では、この「2,3−ジヒドロ−チエノ〔3,4−b〕〔1,4〕ジオキシン」を「エチレンジオキシチオフェン」と表示する。また、上記一般式(1)中のRがメチル基の化合物は、IUPAC名称で表示すると、「2−メチル−2,3−ジヒドロ−チエノ〔3,4−b〕〔1,4〕ジオキシン(2−Methyl−2,3−dihydro−thieno〔3,4−b〕〔1,4〕dioxine)」であるが、本書では、その「2,3−ジヒドロ−チエノ〔3,4−b〕〔1,4〕ジオキシン」部分が一般名称の「エチレンジオキシチオフェン」で表示されることが多いことに鑑み、これを「メチル化エチレンジオキシチオフェン」と表示する。そして、一般式(1)中のRがエチル基の化合物は、IUPAC名称で表示すると、「2−エチル−2,3−ジヒドロ−チエノ〔3,4−b〕〔1,4〕ジオキシン(2−Ethyl−2,3−dihydro−thieno〔3,4−b〕〔1,4〕dioxine)」であるが、本書では、これを「エチル化エチレンジオキシチオフェン」と表示する。
【0024】
本発明では、メチル化エチレンジオキシチオフェンおよびエチル化エチレンジオキシチオフェンに関して、比施光度が+5以上のものを用いるが、これは、比施光度が+5以上であることによって、それらを重合して得られる導電性高分子の導電性が高くなり、その結果、それを固体電解質として用いた固体電解コンデンサのESRが低くなるからである。
【0025】
本発明において、比施光度は、固体電解コンデンサのESRを低下させるために、上記のように、+5以上であることが必要であり、+10以上であることが好ましい。そして、その比施光度は、固体電解コンデンサのESRを低下させる観点からは、大きくなっても特に弊害はない。
【0026】
本発明における第1の発明では、固体電解質を構成する導電性高分子を、上記比施光度が+5以上のメチル化エチレンジオキシチオフェンおよび比施光度が+5以上のエチル化エチレンジオキシチオフェンよりなる群から選ばれる少なくとも1種をモノマーとして用い、酸化剤とドーパントとの存在下で重合することにより合成するが、第2の発明においては、モノマーとして、上記比施光度が+5以上のメチル化エチレンジオキシチオフェンおよび比施光度が+5以上のエチル化エチレンジオキシチオフェンよりなる群から選ばれる少なくとも1種とエチレンジオキシチオフェンとを併用する。これは、そうすることによって、比施光度が+5以上のメチル化エチレンジオキシチオフェンおよび比施光度が+5以上のエチル化エチレンジオキシチオフェンよりなる群から選ばれる少なくとも1種のみをモノマーとして用いる場合より、固体電解コンデンサの静電容量が大きくなり、ESRがより低くなるからである。
【0027】
そして、この比施光度が+5以上のメチル化エチレンジオキシチオフェンおよび比施光度が+5以上のエチル化エチレンジオキシチオフェンよりなる群から選ばれる少なくとも1種とエチレンジオキシチオフェンとの併用割合としては、質量比で1:10〜10:1が好ましく、2:10〜10:2がより好ましく、3:10〜10:3がさらに好ましい。
【0028】
上記比施光度が+5以上のメチル化エチレンジオキシチオフェンおよび比施光度が+5以上のエチル化エチレンジオキシチオフェンよりなる群から選ばれる少なくとも1種とエチレンジオキシチオフェンとの併用にあたっては、両者をあらかじめ混合し、その混合物をモノマーとして重合に供するのが適しているが、上記比施光度が+5以上のメチル化エチレンジオキシチオフェンおよび比施光度が+5以上のエチル化エチレンジオキシチオフェンよりなる群から選ばれる少なくとも1種とエチレンジオキシチオフェンとを別々に重合系に供給し、両者(つまり、上記比施光度が+5以上のメチル化エチレンジオキシチオフェンおよび比施光度が+5以上のエチル化エチレンジオキシチオフェンよりなる群から選ばれる少なくとも1種とエチレンジオキシチオフェンと)が混ざり合う状態でモノマーとして重合に供してもよい。
【0029】
ここで、タンタル固体電解コンデンサ、アルミニウム固体電解コンデンサ、ニオブ固体電解コンデンサなどの固体電解コンデンサの作製について説明すると、その固体電解質を構成する導電性高分子を、あらかじめ合成しておき、それを水、水性液または有機溶剤で分散液の状態にし、その導電性高分子の分散液を固体電解コンデンサの作製に供する場合と、固体電解コンデンサの作製時に、導電性高分子を合成して、それを固体電解質とする場合の2つの方法があるが、本発明においては、いわゆる「その場重合」と呼ばれる、固体電解コンデンサの作製時に導電性高分子を合成して、それを固体電解質とする方法を採用するのが適している。これは、比施光度が+5以上のメチル化エチレンジオキシチオフェンおよび比施光度が+5以上のエチル化エチレンジオキシチオフェンよりなる群から選ばれる少なくとも1種をモノマーとしたり、あるいは、それらの少なくとも1種とエチレンジオキシチオフェンとを併用してモノマーとして導電性高分子を合成し、得られた導電性高分子を固体電解質として固体電解コンデンサを作製する場合には、「その場重合」で導電性高分子を合成し、それを固体電解質とする方法が、あらかじめ導電性高分子を合成し、その分散液を用いて固体電解質を構成していくよりも、ESRが低い特性の良い固体電解コンデンサが得られるからである。ただし、比施光度が+5以上のメチル化エチレンジオキシチオフェンおよび比施光度が+5以上のエチル化エチレンジオキシチオフェンよりなる群から選ばれる少なくとも1種をモノマーとしたり、あるいは、それらの少なくとも1種とエチレンジオキシチオフェンとを併用してモノマーとして、「その場重合」により導電性高分子を合成し、その導電性高分子の層の上に、エチレンジオキシチオフェンをモノマーとしてあらかじめ合成した導電性高分子の分散液を用いて導電性高分子の層を形成し、その両者を固体電解質として固体電解コンデンサを作製してもよい。
【0030】
そこで、まず、本発明において採用するのに適した「その場重合」で導電性高分子を合成する場合、つまり、固体電解コンデンサの作製時に導電性高分子を合成する場合について説明すると、タンタル、アルミニウム、ニオブなどの弁金属の多孔体と、その表面に形成された上記の弁金属の酸化皮膜からなる誘電体層を有するコンデンサ素子を、上記特定のモノマーを含む液中に浸漬し、取り出し、その後、ドーパントと酸化剤を含む液に浸漬し、取り出し、重合を行い、その後、水に浸漬し、取り出し、乾燥して、導電性高分子の層を形成する。巻回型アルミニウム固体電解コンデンサの場合、通常、上記の工程を1回行うだけでよいが、タンタル固体電解コンデンサ、ニオブ固体電解コンデンサ、積層型アルミニウム固体電解コンデンサなどでは、上記の工程を1回行うだけでは、形成される導電性高分子の層の厚みが薄いので、導電性高分子の層が所望の厚みになるまで上記操作を複数回繰り返す。コンデンサ素子のモノマーを含む液などへの浸漬順序は、上記例示の場合に限定されることなく、先にドーパントと酸化剤を含む液に浸漬し、その後でモノマーを含む液に浸漬してもよく、また、コンデンサ素子をモノマーとドーパントと酸化剤とを含む液に浸漬してもよい。上記比施光度が+5以上のメチル化エチレンジオキシチオフェン、比施光度が+5以上のエチル化エチレンジオキシチオフェン、エチレンジオキシチオフェンのいずれも、常温(25℃)で液状なので、必ずしも、溶媒を使用して溶液状にする必要はない。
【0031】
上記モノマーの重合体を導電性高分子とするためのドーパントとしては、特に特定のものに限定されることはないが、例えば、ベンゼンスルホン酸またはその誘導体、ナフタレンスルホン酸またはその誘導体、アントラキノンスルホン酸またはその誘導体などの芳香族系スルホン酸や、ポリスチレンスルホン酸、スルホン化ポリエステル、フェノールスルホン酸ノボラック樹脂などの高分子スルホン酸が好適に用いられる。
【0032】
上記ベンゼンスルホン酸またはその誘導体におけるベンゼンスルホン酸誘導体としては、例えば、トルエンスルホン酸、エチルベンゼンスルホン酸、プロピルベンゼンスルホン酸、ブチルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、メトキシベンゼンスルホン酸、エトキシベンゼンスルホン酸、プロポキシベンゼンスルホン酸、ブトキシベンゼンスルホン酸、フェノールスルホン酸、クレゾールスルホン酸、ベンゼンジスルホン酸などが挙げられ、ナフタレンスルホン酸またはその誘導体におけるナフタレンスルホン酸誘導体としては、例えば、ナフタレンジスルホン酸、ナフタレントリスルホン酸、メチルナフタレンスルホン酸、エチルナフタレンスルホン酸、プロピルナフタレンスルホン酸、ブチルナフタレンスルホン酸などが挙げられ、アントラキノンスルホン酸またはその誘導体におけるアントラキノンスルホン酸誘導体としては、例えば、アントラキノンジスルホン酸、アントラキノントリスルホン酸などが挙げられる。これらの芳香族系スルホン酸は、分子量が450以下であるが、それらの中でも、特に、トルエンスルホン酸、メトキシベンゼンスルホン酸、フェノールスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、ナフタレントリスルホン酸が好ましい。
【0033】
高分子スルホン酸としては、ポリスチレンスルホン酸、スルホン化ポリエステル、フェノールスルホン酸ノボラック樹脂などが用いられ、これらの高分子スルホン酸はその重量平均分子量が5,000以上のものが好ましく、それらの高分子スルホン酸について詳細に説明すると、以下の通りである。
【0034】
まず、ポリスチレンスルホン酸としては、その重量平均分子量が5,000〜1,000,000のものが好ましく、その範囲内で、10,000以上のものがより好ましく、20,000以上のものがより好ましく、40,000以上のものがさらに好ましく、また、800,000以下のものがより好ましく、300,000以下のものがさらに好ましい。
【0035】
上記スルホン化ポリエステルは、スルホイソフタル酸またはスルホイソフタル酸エステルやスルホテレフタル酸またはスルホテレフタル酸エステルなどのジカルボキシベンゼンスルホン酸やジカルボキシベンゼンスルホン酸ジエステルと、アルキレングリコールとの混合物、場合によっては、それらにテレフタル酸またはテレフタル酸ジメチルを加え、酸化アンチモンや酸化亜鉛などの触媒の存在下で縮重合させたものであり、このスルホン化ポリエステルとしては、その重量平均分子量が5,000〜300,000のものが好ましく、その範囲内で、10,000以上のものがより好ましく、20,000以上のものがさらに好ましく、また、100,000以下のものがより好ましく、80,000以下のものがさらに好ましい。
【0036】
上記フェノールスルホン酸ノボラック樹脂としては、下記の一般式(2)で表される繰り返し単位を有するものが好ましく、その重量平均分子量が5,000〜500,000のものが好ましく、その範囲内で、10,000以上のものがより好ましく、20,000以上のものがさらに好ましく、また、400,000以下のものがより好ましく、80,000以下のものがさらに好ましい。
【0037】
【化2】

(式中のRは水素またはメチル基である)
【0038】
前記のように、本発明で用いるモノマーは、いずれも、常温で液状なので、重合に際して、それらをそのまま用いることができるが、重合反応をよりスムーズに進行させるために、それらのモノマーを、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、アセトン、アセトニトリルなどの有機溶剤で希釈して有機溶剤溶液として用いてもよい。また、導電性高分子を、固体電解コンデンサの作製時に、いわゆる「その場重合」により合成するにあたっては、化学酸化重合が採用され、その際の酸化剤としては、例えば、過硫酸塩や遷移金属などが用いられ、その過硫酸塩としては、例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸カルシウム、過硫酸バリウムなどが用いられるが、特に過硫酸アンモニウムが好ましく、また、遷移金属としては、鉄、銅、セリウム、クロム、マンガン、ルテニウム、亜鉛などが用いられるが、特に3価の鉄が好ましい。
【0039】
「その場重合」による化学酸化重合時の温度や重合時間に関しては、種々の状況に応じ、幅広い温度、重合時間の中から適した温度、時間が選ばれるので、それを範囲で示すと、一般に、温度は0〜300℃、時間は1分〜72時間となる。
【実施例】
【0040】
次に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明はそれらの実施例に例示のもののみに限定されることはない。なお、溶液や分散液などの濃度を示す%や純度を示す%は、特にその基準を付記しない限り質量基準による%である。また、実施例の説明に先立って、実施例で用いる比施光度が+5以上のメチル化エチレンジオキシチオフェンおよび比施光度が+5以上のエチル化エチレンジオキシチオフェンの製造やそれらの少なくとも1種とエチレンジオキシチオフェンとの混合物の製造を製造例1〜10で示し、また、比較例で用いる比施光度が−のメチル化エチレンジオキシチオフェンや比施光度が−のエチル化エチレンジオキシチオフェンなどの製造を製造例11〜16で示す。
【0041】
製造例1 比施光度が+64.4以上のエチル化エチレンジオキシチオフェンの製造
撹拌機付きの4つ口フラスコにp−トルエンスルホン酸1水和物95g(0.5モル)、(R)−1,2−ブタンジオール2704g(30.0モル)、トルエン4800gを加えた。窒素雰囲気下で混合物を加熱撹拌し、内温60℃でp−トルエンスルホン酸1水和物を溶解させた後、ジメトキシチオフェン720g(5モル)を加えた。
それらの混合物を内温90℃で24時間、トルエンと副生成物のメタノールを還流させながら、反応させた。反応終了後、炭酸ナトリウム53.0g(0.5モル)を添加し、撹拌しながら冷却した。減圧蒸留でメタノールを留出させ、次いでトルエンを留出させた。
【0042】
次に、内温120℃、2kPaで(R)−1,2−ブタンジオールとエチル化エチレンジオキシチオフェンを共に、エチル化エチレンジオキシチオフェンが留出しなくなるまで、減圧蒸留を行った。次いで、反応器内にエチレングリコールを720g添加し、エチル化エチレンジオキシチオフェンが流出しなくなるまで、減圧蒸留を行った。
上記それぞれの留出液に純水1000gを加え、室温で1時間撹拌後、12時間静置し、それぞれの層からエチル化エチレンジオキシチオフェン層を抜き取り、単離した。
【0043】
上記のようにして全体で2390gの粗生成エチル化エチレンジオキシチオフェンを得た。そして、理論段数30段の精留棟を用いて減圧蒸留を行い、エチル化エチレンジオキシチオフェンの精製を行った。得られたエチル化エチレンジオキシチオフェンの純度は99.7%であった。
【0044】
なお、上記エチル化エチレンジオキシチオフェンの純度の測定はガスクロマトグラフィーにより行った。また、以下で製造するメチル化エチレンジオキシチオフェンなどの純度の測定も同様にガスクロマトグラフィーにより行なった。
【0045】
得られたエチル化エチレンジオキシチオフェンをエタノールで10倍に希釈して溶液状にし、施光度測定装置(日本分光株式会社製ポーラリメーター)により、得られたエチル化エチレンジオキシチオフェンの比施光度を温度25℃、波長589nmの条件下で測定したところ、比施光度は+64.4であった。
【0046】
製造例2 比施光度が+36.7のメチル化エチレンジオキシチオフェンの製造
(R)−1,2−ブタンジオールに代えて、(R)−1,2−プロパンジオールを用いた以外は、すべて製造例1と同様の操作を行って、(R)−メチル化エチレンジオキシチオフェンを得た。得られた(R)−メチル化エチレンジオキシチオフェンの純度は99.84%であった。
【0047】
得られた(R)−メチル化エチレンジオキシチオフェンの比施光度を製造例1と同様に測定したところ、得られた(R)−メチル化エチレンジオキシチオフェンの比施光度は+36.7であった。
【0048】
製造例3 比施光度が+21.4のエチル化エチレンジオキシチオフェンの製造
この製造例3では、上記のように製造例1で製造した比施光度が+64.4のエチル化エチレンジオキシチオフェン5gとラセミ体のエチル化エチレンジオキシチオフェン10gとを混合して、比施光度が+21.4のエチル化エチレンジオキシチオフェンを製造した。
なお、ラセミ体のエチル化エチレンジオキシチオフェンは、(R)−1,2−ブタンジオールに代えて、(R,S)−1,2−ブタンジオールを用いた以外は、すべて製造例1と同様の操作を行うことによって製造した。
そして、このラセミ体のエチル化エチレンジオキシチオフェンの比施光度を製造例1と同様に測定して±0.0であることを確認し、また、このラセミ体のエチル化エチレンジオキシチオフェン10gと製造例1のエチル化エチレンジオキシチオフェン5gとの混合物の比施光度も、製造例1と同様に測定して、+21.4であることを確認した。
【0049】
製造例4 比施光度が+32.0のエチル化エチレンジオキシチオフェンの製造
この製造例4では、製造例1で製造した比施光度が+64.4のエチル化エチレンジオキシチオフェン10gとラセミ体のエチレンジオキシチオフェン10gとを混合して、比施光度が+32.0のエチル化エチレンジオキシチオフェンを製造した。
【0050】
製造例5 比施光度が+12.2のメチル化エチレンジオキシチオフェンの製造
この製造例5では、製造例2で製造した比施光度が+36.7のメチル化エチレンジオキシチオフェン5gとラセミ体のメチル化エチレンジオキシチオフェン10gとを混合して、比施光度が+12.2のメチル化エチレンジオキシチオフェンを製造した。
なお、ラセミ体のメチル化エチレンジオキシチオフェンは、(R)−1,2−ブタンジオールに代えて、(R,S)−1,−プロパンジオールを用いた以外は、すべて製造例1と同様の操作を行うことによって製造した。
そして、このラセミ体のメチル化エチレンジオキシチオフェンの比施光度を製造例1と同様に測定して±0.0であることを確認し、また、このラセミ体のメチル化エチレンジオキシチオフェン10gと製造例2のメチル化エチレンジオキシチオフェン5gとの混合物の比施光度も、製造例1と同様に測定して、+12.2であることを確認した。
【0051】
製造例6 比施光度が+18.2のメチル化エチレンジオキシチオフェンの製造
この製造例6では、製造例2で製造した比施光度が+36.7のメチル化エチレンジオキシチオフェン10gとラセミ体のメチル化エチレンジオキシチオフェン10gとを混合して、比施光度が+18.2のメチル化エチレンジオキシチオフェンを製造した。
【0052】
製造例7 比施光度が+64.4のエチル化エチレンジオキシチオフェンとエチレンジオキシチオフェンとの混合物(A)の製造
製造例1で製造した比施光度が+64.4のエチル化エチレンジオキシチオフェン10gとエチレンジオキシチオフェン6gとを混合して、比施光度が+64.4のエチル化エチレンジオキシチオフェンとエチレンジオキシチオフェンとの混合物(A)を製造した。
【0053】
なお、用いたエチレンジオキシチオフェンは、テイカ株式会社製であり、このエチレンジオキシチオフェンの比施光度は、もとより、±0.0であり、また、この製造例7のエチル化エチレンジオキシチオフェンとエチレンジオキシチオフェンとの混合物(A)の比施光度は+40.0であった。
【0054】
製造例8 比施光度が+64.4のエチル化エチレンジオキシチオフェンとエチレンジオキシチオフェンとの混合物(B)の製造
製造例1で製造した比施光度が+64.4のエチル化エチレンジオキシチオフェン10gと製造例7で用いたものと同様のエチレンジオキシチオフェン10gとを混合して、比施光度が64.4のエチル化エチレンジオキシチオフェンとエチレンジオキシチオフェンとの混合物(B)を製造した。
なお、この製造例8のエチル化エチレンジオキシチオフェンとエチレンジオキシチオフェンとの混合物(B)の比施光度は+31.9であった。
【0055】
製造例9 比施光度が+36.7のメチル化エチレンジオキシチオフェンとエチレンジオキシチオフェンとの混合物(C)の製造
製造例2で製造した比施光度が+36.7のメチル化エチレンジオキシチオフェン10gと製造例7で用いたものと同様のエチレンジオキシチオフェン6gとを混合して、比施光度が+36.7のメチル化エチレンジオキシチオフェンとエチレンジオキシチオフェンとの混合物(C)を製造した。
なお、この製造例9のメチル化エチレンジオキシチオフェンとエチレンジオキシチオフェンとの混合物(C)の比施光度は+22.7であった。
【0056】
製造例10 比施光度が+36.7のメチル化エチレンジオキシチオフェンとエチレンジオキシチオフェンとの混合物(D)の製造
製造例2で製造した比施光度が+36.7のメチル化エチレンジオキシチオフェン10gと製造例7で用いたものと同様のエチレンジオキシチオフェン10gとを混合して、比施光度が36.7のメチル化エチレンジオキシチオフェンとエチレンジオキシチオフェンとの混合物(D)を製造した。
なお、この製造例10のメチル化エチレンジオキシチオフェンとエチレンジオキシチオフェンとの混合物(D)の比施光度は+18.4であった。
【0057】
製造例11 比施光度が−63.2のエチル化エチレンジオキシチオフェンの製造
(R)−1,2−ブタンジオールに代えて、(S)−1,2−ブタンジオールを用いた以外は、すべて製造例1と同様の操作を行って、(S)−エチル化エチレンジオキシチオフェンを製造した。得られた(S)−エチル化エチレンジオキシチオフェンの純度は99.85%であった。
【0058】
得られた(S)−エチル化エチレンジオキシチオフェンの比施光度を製造例1と同様に測定したところ、得られた(S)−エチル化エチレンジオキシチオフェンの比施光度は−63.2であった。
【0059】
製造例12 比施光度が−35.3のメチル化エチレンジオキシチオフェンの製造
(R)−1,2−ブタンジオールに代えて、(S)−1,2−プロパンジオールを用いた以外は、すべて製造例1と同様の操作を行って、(S)−メチル化エチレンジオキシチオフェンを製造した。得られた(S)−メチル化エチレンジオキシチオフェンの純度は99.88%であった。
【0060】
得られた(S)−メチル化エチレンジオキシチオフェンの比施光度を製造例1と同様に測定したところ、得られた(S)−メチル化エチレンジオキシチオフェンの比施光度は−35.3であった。
【0061】
製造例13 ラセミ体のエチル化エチレンジオキシチオフェンの製造
(R)−1,2−ブタンジオールに代えて、(R,S)−1,2−ブタンジオールを用いた以外は、すべて製造例1と同様の操作を行って、(R,S)−エチル化エチレンジオキシチオフェンを製造した。得られた(R,S)−エチル化エチレンジオキシチオフェンの純度は99.84%であった。
【0062】
得られた(R,S)−エチル化エチレンジオキシチオフェンの比施光度を製造例1と同様に測定したところ、得られた(R,S)−エチル化エチレンジオキシチオフェンの比施光度は±0.0であった。
【0063】
なお、この(R,S)−エチル化エチレンジオキシチオフェン、つまり、ラセミ体のエチル化エチレンジオキシチオフェンは、前記製造例3や製造例4において比施光度が+64.4のエチル化エチレンジオキシチオフェンとの混合にあたって用いたラセミ体のエチル化エチレンジオキシチオフェンと同じものである。
【0064】
製造例14 ラセミ体のメチル化エチレンジオキシチオフェンの製造
(R)−1,2−ブタンジオールに代えて、(R,S)−1,2−プロパンジオールを用いた以外は、すべて製造例1と同様の操作を行って、(R,S)−メチル化エチレンジオキシチオフェンを得た。得られた(R,S)−メチル化エチレンジオキシチオフェンの純度は99.85%であった。
【0065】
得られた(R,S)−メチル化エチレンジオキシチオフェンの比施光度を製造例1と同様に測定したところ、得られた(R,S)−メチル化エチレンジオキシチオフェンの比施光度は±0.0であった。
【0066】
なお、この(R,S)−メチル化エチレンジオキシチオフェン、つまり、ラセミ体のメチル化エチレンジオキシチオフェンは、前記製造例5や製造例6において比施光度が+36.7のメチル化エチレンジオキシチオフェンとの混合にあたって用いたラセミ体のメチル化エチレンジオキシチオフェンと同じものである。
【0067】
製造例15 比施光度が−75.3のブチル化エチレンジオキシチオフェンの製造
(R)−1,2−ブタンジオールに代えて、(S)−1,2−ヘキサンジオールを用いた以外は、すべて製造例1と同様の操作を行って、(S)−ブチル化エチレンジオキシチオフェンを製造した。得られた(S)−ブチル化エチレンジオキシチオフェンの純度は99.86%であった。
【0068】
得られた(S)−ブチル化エチレンジオキシチオフェンの比施光度を製造例1と同様に測定したところ、得られた(S)−ブチル化エチレンジオキシチオフェンの比施光度は−75.3であった。
【0069】
製造例16 比施光度が+75.8のブチル化エチレンジオキシチオフェンの製造
(R)−1,2−ブタンジオールに代えて、(R)−1,2−ヘキサンジオールを用いた以外は、すべて製造例1と同様の操作を行って、(R)−ブチル化エチレンジオキシチオフェンを得た。得られた(R)−ブチル化エチレンジオキシチオフェンの純度は99.84%であった。
【0070】
得られた(R)−ブチル化エチレンジオキシチオフェンの比施光度を製造例1と同様に測定したところ、得られた(R)−ブチル化エチレンジオキシチオフェンの比施光度は+75.8であった。
【0071】
〔巻回型アルミニウム固体電解コンデンサでの評価(1)〕
実施例1
この実施例1やそれに続く実施例2〜10では、巻回型アルミニウム固体電解コンデンサを作製して、その特性を評価する。まず、巻回型アルミニウム固体電解コンデンサの作製について示す。
【0072】
アルミニウム箔の表面をエッチング処理し、そのエッチング処理後のアルミニウム箔を12%アンモニウム水溶液中に浸漬し、そのアンモニウム水溶液中のアルミニウム箔に80Vの電圧を印加してアルミニウム箔の表面に誘電体層を形成して陽極とし、その陽極にリード端子を取り付け、また、アルミニウム箔からなる陰極にリード端子を取り付け、それらのリード端子付き陽極と陰極とをセパレータを介して巻回して、設定静電容量が40μF以上で、設定ESRが20mΩ以下、設定破壊電圧が35V以上の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサ作製用のコンデンサ素子を作製した。
【0073】
上記とは別に、濃度が40%のパラトルエンスルホン酸第2鉄(エタノール溶液、テイカ株式会社製)を蒸留により濃縮して、濃度を60%に高めた酸化剤溶液を準備した。
【0074】
次に、製造例1の比施光度が+64.4のエチル化エチレンジオキシチオフェン20mlと上記酸化剤溶液100mlとを混合して調製したモノマーおよび酸化剤含有混合溶液に、上記コンデンサ素子を浸漬し、引き出した後、60℃で2時間、180℃で1時間加熱することによって、モノマーのエチル化エチレンジオキシチオフェンを重合させて、導電性高分子からなる固体電解質層を形成した。これを外装材で外装して、巻回型アルミニウム固体電解コンデンサを作製した。
【0075】
実施例2〜10および比較例1〜7
製造例1の比施光度が+64.4のエチル化エチレンジオキシチオフェンに代えて、それぞれ、製造例2の比施光度が+36.7のメチル化エチレンジオキシチオフェン、製造例3の比施光度が+21.4のエチル化エチレンジオキシチオフェン、製造例4の比施光度が+32.0のエチル化エチレンジオキシチオフェン、製造例5の比施光度が+12.2のメチル化エチレンジオキシチオフェン、製造例6の比施光度が+18.2のメチル化エチレンジオキシチオフェン、製造例7の比施光度が+64.4のエチル化エチレンジオキシチオフェンとエチレンジオキシチオフェンとの質量比10:6の混合物、製造例8の比施光度が+64.4のエチル化エチレンジオキシチオフェンとエチレンジオキシチオフェンとの質量比が10:10の混合物、製造例9の比施光度が+36.7のメチル化エチレンジオキシチオフェンとエチレンジオキシチオフェンとの質量比が10:6の混合物、製造例10の比施光度が+36.7のメチル化エチレンジオキシチオフェンとエチレンジオキシチオフェンとの質量比10:10の混合物、製造例11の比施光度が−63.2のエチル化エチレンジオキシチオフェン、製造例12の比施光度が−35.3のメチル化エチレンジオキシチオフェン、製造例13のラセミ体のエチル化エチレンジオキシチオフェン、製造例14のラセミ体のメチル化エチレンジオキシチオフェン、製造例15の比施光度が−75.3のブチル化エチレンジオキシチオフェン、製造例16の比施光度が+75.8のブチル化エチレンジオキシチオフェンおよびエチル化エチレンジオキシチオフェンを用い、それ以外は、すべて実施例1と同様の操作を行って、それぞれ、巻回型アルミニウム固体電解コンデンサを作製した。
【0076】
上記のように作製した実施例1〜10および比較例1〜7の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサについて、それらの静電容量、ESR、漏れ電流および破壊電圧を測定した。その結果を表1に示す。なお、それらの測定方法は以下に示す通りである。
【0077】
静電容量:
HEWLETT PACKARD社製のLCRメーター(4284A)を用い、25℃、120Hzで測定した。
【0078】
ESR:
HEWLETT PACKARD社製のLCRメーター(4284A)を用い、25℃、100kHzで測定した。
【0079】
漏れ電流:
巻回型アルミニウム固体電解コンデンサに、25℃で16Vの定格電圧を60秒間印加した後、デジタルオシロスコープにて漏れ電流を測定した。
【0080】
破壊電圧:
松定プレシジョン社製のPRK650−2.5を用いて25℃の条件下で電圧を1V/秒の速度で上昇させていき、電流が0.5Aを超えたところの数値を読み取ることによって測定した。
【0081】
上記特性の測定には、各試料とも、20個ずつを用い、表1に示すそれらの特性値は、それら20個の平均値を求め、静電容量に関しては小数点以下を四捨五入し、ESRに関しては小数点第二位を四捨五入し、漏れ電流と破壊電圧に関しては小数点以下を四捨五入して示したものである。なお、表1には、導電性高分子の重合にあたって用いたモノマーについても示すが、スペース上の関係で、アルキル化エチレンジオキシチオフェン系モノマーについては製造例番号で示し、エチレンジオキシチオフェンについてはEDOTで示す。
【0082】
【表1】

【0083】
表1に示すように、実施例1〜10の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサは、静電容量が40μF以上であって、設定静電容量の40μF以上を満たし、ESRが19.7mΩ以下であって、設定ESRの20mΩ以下を満たし、破壊電圧が39V以上であって、設定破壊電圧の35V以上を満たすとともに、比較例1〜7の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサに比べて、ESRが低く、また、比較例1〜6の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサに比べて、静電容量が大きかった。なお、モノマーとしてエチレンジオキシチオフェンを用いた比較例7の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサは、静電容量は44μF以上と大きく、設定静電容量の40μF以上を満たしているものの、ESRが26.5mΩであって、設定ESRの20mΩ以下を満たさず、また、破壊電圧が25Vであって、設定破壊電圧の35V以上を満たさず、漏れ電流が実施例1〜10の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサに比べて、非常に大きかった。なお、比較例5〜6の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサは、静電容量が小さかったために、漏れ電流や破壊電圧の測定を行わなかったので、表1にはそれらの測定値を示していない。
【0084】
〔巻回型アルミニウム固体電解コンデンサでの評価(2)〕
前記の〔巻回型アルミニウム固体電解コンデンサでの評価(1)〕で評価した実施例1〜10および比較例1〜7の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサは、その固体電解質を構成する導電性高分子を合成するにあたって酸化剤兼ドーパントとしてパラトルエンスルホン酸第2鉄を用いていたのに対し、この〔巻回型アルミニウム固体電解コンデンサでの評価(2)〕では、酸化剤兼ドーパントとしてパラトルエンスルホン酸第2鉄以外のものを用いて合成した導電性高分子で固体電解質を構成した固体電解コンデンサの特性を評価する。
【0085】
実施例11
導電性高分子の合成にあたり、濃度が60%のパラトルエンスルホン酸第2鉄(エタノール溶媒)に代えて、濃度が60%のメトキシベンゼンスルホン酸(エタノール溶媒)を用いた以外は、すべて実施例1と同様の操作を行って、巻回型アルミニウム固体電解コンデンサを作製した。
【0086】
実施例12
導電性高分子の合成にあたり、濃度が60%のパラトルエンスルホン酸第2鉄(エタノール溶媒)に代えて、濃度が60%のメトキシベンゼンスルホン酸(エタノール溶媒)を用いた以外は、すべて実施例2と同様の操作を行って、巻回型アルミニウム固体電解コンデンサを作製した。
【0087】
実施例13
導電性高分子の合成にあたり、濃度が60%のパラトルエンスルホン酸第2鉄(エタノール溶媒)に代えて、濃度が60%の(−)−10−カンファ−スルホン酸第2鉄(エタノール溶媒)を用いた以外は、すべて実施例1と同様の操作を行って、巻回型アルミニウム固体電解コンデンサを作製した。
【0088】
実施例14
導電性高分子の合成にあたり、濃度が60%のパラトルエンスルホン酸第2鉄(エタノール溶媒)に代えて、濃度が60%の(−)−10−カンファ−スルホン酸第2鉄(エタノール溶媒)を用いた以外は、すべて実施例2と同様の操作を行って、巻回型アルミニウム固体電解コンデンサを作製した。
【0089】
上記のように作製した実施例11〜14の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサについて、実施例1と同様に静電容量、ESR、漏れ電流および破壊電圧を測定した。その結果を表2に実施例1と同様の態様で示す。
【0090】
【表2】

【0091】
表2に示すように、実施例11〜14の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサは、静電容量が40μF以上であって、設定静電容量の40μF以上を満たし、ESRが18.5mΩ以下であって、設定ESRの20mΩ以下を満たし、破壊電圧が41V以上であって、設定破壊電圧の35V以上を満たし、前記表1にその特性を示す比較例1〜7の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサに比べて、ESRが低く、また、比較例1〜6の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサに比べて、静電容量が大きく、前記実施例1〜10の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサと同様の特性を有していた。
【0092】
〔タンタル固体電解コンデンサでの評価〕
実施例15
この実施例15やそれに続く実施例16〜18では、タンタル固体電解コンデンサを作製してその特性を評価する。まず、タンタル固体電解コンデンサの作製について示す。
【0093】
タンタル焼結体を濃度が0.1%のリン酸水溶液に浸漬した状態で、該タンタル焼結体に50Vの電圧を印加することによって化成処理を行い、タンタル焼結体の表面にタンタルの酸化皮膜からなる誘電体層を形成して、設定静電容量が100μF以上、設定ESRが20mΩ以下、設定破壊電圧が30V以上のタンタル固体電解コンデンサ作製用のコンデンサ素子を作製した。
【0094】
次に、製造例1の比施光度が+64.4のエチル化エチレンジオキシチオフェンを濃度が35%になるようにエタノールで希釈した溶液に、上記コンデンサ素子を浸漬し、1分後に取り出し、5分間放置した。その後、あらかじめ用意しておいた濃度が60%のフェノールスルホン酸2−メチルイミダゾール水溶液(pH5)と濃度が40%の過硫酸アンモニウム水溶液と濃度が20%のドデシルアミンオキサイド水溶液を200:20:1の質量比で混合した混合物からなる乳化剤入りの酸化剤兼ドーパント溶液中に浸し、30秒間後に取り出し、室温で10分間放置した後、70℃で10分間加熱して、モノマーのエチル化エチレンジオキシチオフェンの重合を行った。その後、純水中に上記コンデンサ素子を浸漬し、30分間放置した後、取り出して70℃で30分間乾燥した。この操作を6回繰り返した後、後に詳述する高分子スルホン酸をドーパントとする導電性組成物分散液に上記コンデンサ素子を浸漬し、1分間放置した後、引き出し、50℃で10分間、150℃で10分間乾燥する操作を2回繰り返した。
その後、150℃で60分間コンデンサ素子を乾燥し、カーボンペースト、銀ペーストで導電性高分子からなる固体電解質層を覆ってタンタル固体電解コンデンサを作製した。
【0095】
なお、上記乳化剤入り酸化剤兼ドーパント溶液における乳化剤はドデシルアミンオキサイドであり、酸化剤は過硫酸アンモニウムで、ドーパントはフェノールスルホン酸2−メチルイミダゾールである。
【0096】
そして、上記高分子スルホン酸をドーパントとする導電性組成物分散液の調製は、次に示すように行った。
【0097】
ポリスチレンスルホン酸(テイカ社製、重量平均分子量100,000)の4%水溶液600gを内容積1Lのステンレス鋼製容器に入れ、硫酸第一鉄・7水和物を0.3g添加して溶解し、その中にエチレンジオキシチオフェン4mLをゆっくり滴下した。ステンレス鋼製の攪拌翼で攪拌し、容器に陽極を取り付け、攪拌翼の付け根に陰極を取り付け、1mA/cmの定電流で18時間電解酸化重合を行った。上記電解酸化重合後、水で4倍に希釈した後、超音波ホモジナイザー〔日本精機社製、US−T300(商品名)〕で30分間分散処理を行った。その後、オルガノ社製のカチオン交換樹脂アンバーライト120B(商品名)を100g添加し、1時間攪拌機で攪拌した。次いで、東洋濾紙社製の濾紙No.131で濾過し、このカチオン交換樹脂による処理およびそれに続く濾過を3回繰り返して、液中の鉄イオンなどのカチオン成分をすべて除去した。
【0098】
上記処理後の液を孔径が1μmのフィルターに通し、その通過液を限外濾過装置〔ザルトリウス社製Vivaflow200(商品名)、分子量分画5万〕で処理して、液中の遊離の低分子成分を除去した。この処理後の液を水で希釈して濃度を3%に調整し、その3%液40gに対し、高沸点溶剤としてのジメチルスルホキシドを4g添加し、導電性組成物の分散液Aを得た。なお、上記ジメチルスルホキシドの含有量は導電性高分子に対して330%であった。
【0099】
上記とは別に、スルホン化ポリエステル〔互応化学工業社製プラスコートZ−561(商品名)、重量平均分子量27,000〕の3%水溶液200gを内容積1Lの容器に入れ、酸化剤として過硫酸アンモニウムを2g添加した後、攪拌機で攪拌して溶解した。次いで、硫酸第二鉄の40%水溶液を0.4g添加し、攪拌しながら、その中にエチレンジオキシチオフェン3mLをゆっくり滴下し、24時間かけて、エチレンジオキシチオフェンの重合を行った。
【0100】
なお、上記ドーパント(スルホン化ポリエステル)と重合性モノマー(エチレンジオキシチオフェン)と酸化剤(過硫酸アンモニウム)との比率は、質量比で、ドーパント:重合性モノマー:酸化剤=6g:4g:2g=1:0.67:0.33である。
【0101】
上記重合後、水で4倍に希釈した後、超音波ホモジナイザー〔日本精機社製、US−T300(商品名)〕で30分間分散処理を行った。その後、オルガノ社のカチオン交換樹脂アンバーライト120B(商品名)を100g添加して、1時間攪拌機で攪拌し、次いで、東洋濾紙社製の濾紙No.131で濾過し、このカチオン交換樹脂による処理と濾過を3回繰り返して、液中のカチオン成分をすべて除去した。
【0102】
上記処理後の液を孔径が1μmのフィルターに通し、その通過液を限外濾過装置〔ザルトリウス社製Vivaflow200(商品名)、分子分画5万〕で処理して、液中の遊離の低分子成分を除去した。この処理後の液を水で希釈して濃度を3%に調整し、その3%液40gに対し、高沸点溶剤としてジメチルスルホキシドを4g添加し、攪拌して、導電性組成物の分散液Bを得た。なお、上記ジメチルスルホキシドの含有量は導電性高分子に対して330%であった。
【0103】
そして、上記分散液Aと分散液Bとを質量比1:1の比率で混合して、高分子スルホン酸をドーパントとする導電性組成物の分散液を得た。
【0104】
実施例16
製造例1の比施光度が+64.4のエチル化エチレンジオキシチオフェンに代えて、製造例2の比施光度が+36.7のメチル化エチレンジオキシチオフェンを用いた以外は、すべて実施例15と同様の操作を行って、タンタル固体電解コンデンサを作製した。
【0105】
実施例17
製造例1の比施光度が+64.4のエチル化エチレンジオキシチオフェンに代えて、製造例7の比施光度が+64.4のエチル化エチレンジオキシチオフェンとエチレンジオキシチオフェンとの混合モノマーを用いた以外は、すべて実施例15と同様の操作を行って、タンタル固体電解コンデンサを作製した。
【0106】
実施例18
製造例1の比施光度が+64.4のエチル化エチレンジオキシチオフェンに代えて、製造例9の比施光度が+36.7のメチル化エチレンジオキシチオフェンとエチレンジオキシチオフェンとの混合モノマーを用いた以外は、すべて実施例15と同様の操作を行って、タンタル固体電解コンデンサを作製した。
【0107】
比較例8
製造例1の比施光度が+64.4のエチル化エチレンジオキシチオフェンに代えて、製造例11の比施光度が−63.2のエチル化エチレンジオキシチオフェンを用いた以外は、すべて実施例15と同様の操作を行って、タンタル固体電解コンデンサを作製した。
【0108】
比較例9
製造例1の比施光度が+64.4のエチル化エチレンジオキシチオフェンに代えて、製造例12の比施光度が−35.3のメチル化エチレンジオキシチオフェンを用いた以外は、すべて実施例15と同様の操作を行って、タンタル固体電解コンデンサを作製した。
【0109】
比較例10
製造例1の比施光度が+64.4のエチル化エチレンジオキシチオフェンに代えて、エチレンジオキシチオフェンを用いた以外は、すべて実施例15と同様の操作を行って、タンタル固体電解コンデンサを作製した。
【0110】
上記のように作製した実施例15〜18および比較例8〜10のタンタル固体電解コンデンサについて、実施例1と同様に静電容量、ESRおよび破壊電圧を測定した。その結果を実施例1と同様の態様で表3に示す。
【0111】
【表3】

【0112】
表3に示すように、実施例15〜18のタンタル固体電解コンデンサは、静電容量が103μF以上であって、設定静電容量の100μF以上を満たし、ESRが18.8mΩ以下であって、設定ESRの20mΩ以下を満たし、破壊電圧が33V以上であって、設定破壊電圧の30V以上を満たすとともに、比較例8〜10のタンタル固体電解コンデンサに比べて、ESRが低く、破壊電圧が高く、また、比較例8〜9のタンタル固体電解コンデンサに比べて、静電容量が大きかった。なお、モノマーとしてエチレンジオキシチオフェンを用いた比較例10のタンタル固体電解コンデンサは、静電容量は106μF以上と大きく、設定静電容量の100μF以上を満たしているものの、ESRが22.3mΩであって、設定ESRの20mΩ以下を満たさず、また、破壊電圧が24Vであって、設定破壊電圧の30V以上を満たしていなかった。
【0113】
なお、実施例15〜18のタンタル固体電解コンデンサの中で比較すると、製造例1の比施光度が+64.4のエチル化エチレンジオキシチオフェンをモノマーとして用いた実施例15のタンタル固体電解コンデンサより、製造例7の比施光度が同じ+64.4のエチル化エチレンジオキシチオフェンとエチレンジオキシチオフェンとを質量比10:6で混合した混合物をモノマーとして用いた実施例17のタンタル固体電解コンデンサの方が静電容量が大きく、ESRが低かった。
【0114】
また、製造例2の比施光度が+36.7のメチル化エチレンジオキシチオフェンをモノマーとして用いた実施例16のタンタル固体電解コンデンサより、製造例9の比施光度が同じ+36.7のメチル化エチレンジオキシチオフェンとエチレンジオキシチオフェンを質量比10:6で混合した混合物をモノマーとして用いた実施例18のタンタル固体電解コンデンサの方が、静電容量が大きく、ESRが低かった。
【0115】
上記の結果から、比施光度が+64.4のエチル化エチレンジオキシチオフェンや比施光度が+36.7のメチル化エチレンジオキシチオフェンとエチレンジオキシチオフェンとを併用した場合は、上記比施光度が+64.4のエチル化エチレンジオキシチオフェンや比施光度が+36.7のメチル化エチレンジオキシチオフェンをそれぞれ単独で用いた場合より、静電容量が大きく、かつESRが低いタンタル固体電解コンデンサが得られることがわかる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
温度25℃、波長589nmで測定した比施光度が+5以上のメチル化エチレンジオキシチオフェンおよび温度25℃、波長589nmで測定した比施光度が+5以上のエチル化エチレンジオキシチオフェンよりなる群から選ばれる少なくとも1種をモノマーとして化学酸化重合により合成した導電性高分子を固体電解質として用いたことを特徴とする固体電解コンデンサ。
【請求項2】
温度25℃、波長589nmで測定した比施光度が+5以上のメチル化エチレンジオキシチオフェンおよび温度25℃、波長589nmで測定した比施光度が+5以上のエチル化エチレンジオキシチオフェンよりなる群から選ばれる少なくとも1種とエチレンジオキシチオフェンとを併用してモノマーとして化学酸化重合により合成した導電性高分子を固体電解質として用いたことを特徴とする固体電解コンデンサ。
【請求項3】
比施光度が+5以上のメチル化エチレンジオキシチオフェンおよび比施光度が+5以上のエチル化エチレンジオキシチオフェンよりなる群から選ばれる少なくとも1種とエチレンジオキシチオフェンとの併用割合が、質量比で1:10〜10:1である請求項2記載の固体電解コンデンサ。
【請求項4】
3価の鉄塩または過硫酸塩を酸化剤として用いた請求項1または2記載の固体電解コンデンサ。

【公開番号】特開2012−169393(P2012−169393A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−28125(P2011−28125)
【出願日】平成23年2月14日(2011.2.14)
【出願人】(000215800)テイカ株式会社 (108)