説明

固体高分子電解質、および、これを用いた固体高分子形燃料電池

【課題】耐熱性、プロトン伝導性、機械的強度、保水性に優れる固体高分子電解質を実現することを目的とする。
【解決手段】下記化学式1で示される有機金属化合物と、プロトン伝導性を有する有機ポリマーとを複合させたことを特徴とする固体高分子電解質である。


化学式1において、X〜Xは、互いに独立に水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基、またはアルコキシル基であり、Xは、水素原子、または置換基を有していてもよい炭化水素基であり、Mは、Si、Ti、Al、Zr、およびGeからなる群から選択される少なくとも一種の金属原子であり、nは1〜100の整数である。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロトン伝導性を有する固体高分子電解質に関する。
【背景技術】
【0002】
固体高分子形燃料電池は、一般的には、膜電極接合体(MEA)をセパレータで挟持した積層体を含む。前記MEAは、固体高分子電解質膜が一対の電極触媒層により挟持され、更にその外側から一対のガス拡散層により挟持されてなる。
【0003】
電極触媒層は、固体高分子電解質と、導電性担体に触媒粒子が担持されてなる電極触媒との混合物により形成された多孔性のものである。また、ガス拡散層は、カーボンクロスなどのガス拡散基材表面にカーボン粒子および撥水剤などからなるカーボン撥水層が形成されてなるものが用いられている。
【0004】
固体高分子形燃料電池に用いられる固体高分子電解質膜としては、スルホン酸基を有するポリスチレン系の陽イオン交換膜、フルオロカーボンスルホン酸とポリビニリデンフルオライドとの混合膜、フルオロカーボンマトリックスにトリフルオロエチレンをグラフト化した膜、パーフルオロカーボンスルホン酸膜等が用いられている。
【0005】
これらの膜を構成する固体高分子電解質は、130℃近辺にガラス転移温度(Tg)を有し、それよりも高い温度領域に達すると、プロトン伝導に寄与しているイオンチャネル構造が破壊されてしまう。このため、上述の固体高分子電解質膜を含む固体高分子形燃料電池を使用する際には、通常は、室温から80℃程度の比較的低い温度領域で電池の運転が行われている。
【0006】
また、固体高分子電解質膜を改良することにより、燃料電池の高出力化が可能である。
【0007】
そこで、従来の固体高分子電解質膜は、電池の内部抵抗を小さくして電池出力をより高くするために固体高分子電解質膜を薄膜化したり、固体高分子電解質膜のプロトン伝導性を向上させるため膜を構成する固体高分子電解質のスルホン酸基濃度を増加させたりする試みがされている。しかしながら、固体高分子電解質膜の厚さの低減は、固体高分子電解質膜自体の機械的強度を低下させ、固体高分子電解質膜の製造時や長期運転時などにおいてピンホール等を発生させる要因となりうる。また、スルホン酸基濃度の著しい増加は膨潤による固体高分子電解質膜の機械的強度の低下を招き、却って、電池性能を低下させてしまうおそれがある。
【0008】
また、固体高分子電解質膜のプロトン伝導性は、固体高分子電解質膜の含水率に依存し、含水率が低いと固体高分子電解質膜のプロトン伝導性が低下する問題があった。そこで、特許文献1では、微細粒子のシリカおよび/または繊維状のシリカファイバーを含有させた固体高分子電解質膜が開示されている。
【特許文献1】特開平06−111827号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
燃料電池の運転温度が低いと、発電効率が低くなるばかりでなく、用いる触媒の種類によっては触媒が一酸化炭素により被毒されるおそれがある。従って、100℃以上の高温で長期にわたり使用しても劣化を生じない耐熱性に優れる固体高分子電解質膜の実現が所望されている。
【0010】
また、上記の通り、固体高分子電解質膜は、プロトン伝導性および機械的強度に優れることが所望されている。しかしながら、固体高分子電解質膜においてプロトン伝導性と機械的強度とはトレードオフの関係にあり、高いプロトン伝導性を有しながら、機械的強度に優れる固体高分子電解質膜を得るのは困難であった。
【0011】
さらに、特許文献1に記載のように、固体高分子電解質膜に、微細粒子のシリカ、繊維状のシリカファイバーなどの添加剤を用いる場合、製膜時にpH依存で添加剤が凝集して添加剤の粒径や分散性にバラツキが生じ、得られる固体高分子電解質膜において保水性にムラが生じるなどの問題があった。
【0012】
そこで、本発明は、耐熱性、プロトン伝導性、機械的強度、保水性に優れる固体高分子電解質を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、下記化学式1で示される有機金属化合物と、プロトン伝導性を有する有機ポリマーとを複合させたことを特徴とする固体高分子電解質により上記課題を解決する。
【0014】
【化1】

【0015】
化学式1において、X〜Xは、互いに独立に、水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基、またはアルコキシル基であり、Xは、水素原子、または置換基を有していてもよい炭化水素基であり、Mは、Si、Ti、Al、Zr、およびGeからなる群から選択される少なくとも一種の金属原子であり、nは1〜100の整数である。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、耐熱性、プロトン伝導性、機械的強度、保水性に優れる固体高分子電解質が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明の第一は、化学式1で示される有機金属化合物と、プロトン伝導性を有する有機ポリマーとを複合させたことを特徴とする固体高分子電解質である。
【0018】
【化2】

【0019】
化学式1、X〜Xは、互いに独立に、水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基、またはアルコキシル基であり、Xは、水素原子、または置換基を有していてもよい炭化水素基であり、Mは、Si、Ti、Al、Zr、およびGeからなる群から選択される少なくとも一種の金属原子であり、nは1〜100の整数である。
【0020】
前記有機金属化合物は耐熱性に優れるため、プロトン伝導性を有する有機ポリマーと前記有機金属化合物とを複合して用いることにより、熱による有機ポリマーの切断などが抑制されて、耐熱性に優れる固体高分子電解質を得ることができる。さらに、有機ポリマーと前記有機金属化合物とは、両者の成分が高分散された状態で複合することが可能である。これにより、有機ポリマーのプロトン伝導性および柔軟性を維持しつつ、有機金属化合物により有機ポリマーの熱分解を抑制することができ、プロトン伝導性、機械的強度、および耐熱性に優れる固体高分子電解質が得られる。
【0021】
さらに、有機金属化合物と電解質成分との相互作用により、得られる固体高分子電解質の保水性が向上する。
【0022】
従って、本発明によれば、耐熱性、プロトン伝導性、機械的強度、保水性に優れる固体高分子電解質が得られるのである。
【0023】
以下、本発明の固体高分子電解質の構成要素である有機金属化合物、ならびに有機ポリマー、および固体高分子電解質について詳細を説明する。
【0024】
[有機金属化合物]
本発明の固体高分子電解質に用いられる有機金属化合物は、下記化学式1で示される。
【0025】
【化3】

【0026】
前記化学式1において、X〜Xは、互いに独立に、水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基、またはアルコキシル基である。
【0027】
前記炭化水素基として、好ましくは炭素数1〜10の炭化水素基、より好ましくは2〜4の炭化水素基が挙げられる。前記炭化水素基は、直鎖、分岐鎖、環状のいずれであってもよいが、好ましくは直鎖または分岐鎖である。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ベンジル基、ビニル基、アリル基、エチニル基、またはプロパルギル基などが挙げられる。
【0028】
前記炭化水素基は、置換基を有していてもよく、前記置換基としては、ハロゲン原子、アルコキシル基、アルキルチオ基、エステル基、アシル基などが挙げられる。
【0029】
前記アルコキシル基としては、好ましくは炭素数1〜10のアルコキシル基、より好ましくは炭素数2〜4のアルコキシル基が挙げられる。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、n−ブチルオキシ基、sec−ブチルオキシ基、tert−ブチルオキシ基、イソブチルオキシ基、n−ペンチルオキシ基、2,2−ジメチルプロピルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、2−メチルペンチルオキシ基、または2−エチルヘキシルオキシ基などが挙げられる。
【0030】
前記アルコキシル基は、置換基を有していてもよく、前記置換基としては前記炭化水素基において上記したのと同様のものが挙げられる。
【0031】
前記X〜Xとしては、有機ポリマーとの反応性、分散性を考慮すると、アルコキシル基、アルキル基が好ましく、特に好ましくは、メトキシ基、エトキシ基、イソプロピルオキシ基、ブトキシ基などである。
【0032】
前記化学式1において、Xは、水素原子、または置換基を有していてもよい炭化水素基である。なお、置換基を有していてもよい炭化水素基については、上述したX〜Xと同様である。
【0033】
前記Xとしては、有機ポリマーとの反応性、分散性を考慮すると、アルキル基が好ましく、特に好ましくは、メチル基、エチル基、イソプロピル基、ブチル基などである。
【0034】
なお、前記化学式1において、nが2以上の場合には、各繰り返し単位中のX、Xは同じであっても異なっていてもよい。
【0035】
前記化学式1において、Mは、Si、Ti、Al、Zr、およびGeからなる群から選択される少なくとも一種の金属原子である。nが2以上の場合、Mは、同一であっても、異なっていてもよい。なかでも、Mは、反応性や有機物や水との親和性を考慮すると、Si、Tiが好ましく挙げられる。
【0036】
前記化学式1において、nは、1〜100の整数である。nが100以下であると、分散性に優れる。また、nは、1〜100の整数であることにより、有機ポリマーと有機金属化合物とがより均一に分散して複合化され、耐熱性、プロトン伝導性、機械的強度、および保水性などが全体的に均一である固体高分子電解質が得られる。
【0037】
前記前記化学式1においてnが1である場合には、オルトケイ酸テトラエチル、オルトケイ酸テトラメチルなどが挙げられる。また、前記化学式1においてnが2〜10である有機金属化合物としては、扶桑化学工業株式会社製のメチルシリケート、三菱化学株式会社製のMKCシリケート、コルコート社製のエチルシリケート、東レ−ダウコーニング社製のシリコンレジン、東芝シリコーン株式会社製のシリコンレジン、信越化学工業株式会社製のシリコンレジン、ダウコーニング−アジア株式会社製のヒドロキシル基含有ポリジメチルシロキサン、日本ユニカ株式会社製のシリコンオリゴマーなどが挙げられる。
【0038】
前記有機金属化合物は、固体高分子電解質を調製する際に用いられる有機溶媒に可溶なものを用いることが好ましい。これにより、固体高分子電解質における有機金属化合物の分散性が向上し、耐熱性、プロトン伝導性、機械的強度、および保水性などが全体的に均一である固体高分子電解質が得られる。有機溶媒に可溶とは、具体的には、有機金属化合物が有機溶媒中で白濁せずに粘度が低下した状態である。なお、前記有機溶媒の具体的な種類などについては後述する。
【0039】
本発明の固体高分子電解質において、前記有機金属化合物をさらに縮重合させて高分子化合物とし、前記高分子化合物と有機ポリマーとが複合していることが望ましい。前記高分子化合物は、ヒドロキシル基、またはアルコキシル基などを2以上有する有機金属化合物をモノマーまたはオリゴマーとして用い、これらを縮重合させることにより得られる。前記高分子化合物によれば、熱による有機ポリマーの切断などを抑制する効果が高く、固体高分子電解質の耐熱性をより向上させることが可能となる。
【0040】
前記高分子化合物は、前記有機金属化合物として、ヒドロキシル基、アルコキシル基などを2以上有するオリゴマーをさらに縮合させたものが特に好ましく用いられる。前記オリゴマーによれば、pHが低い条件下であってもモノマーに比べて縮合反応が緩やかに進行する。従って、固体高分子電解質を調製する際に、オリゴマーと有機ポリマーとが十分に混合した後、オリゴマーを縮合させて高分子化合物を形成させることができ、固体高分子電解質の製造とともにオリゴマーの縮合反応を行うことが可能となり材料合成において製造プロセスの簡略化することが可能となる。さらに、得られる固体高分子電解質において有機ポリマーと高分子化合物とが均一に分散し、プロトン伝導性、機械的強度、保水性、耐熱性などが優れ、全体として均一の特性を有する固体高分子電解質が得られる。
【0041】
前記高分子化合物は、得られる固体高分子電解質の機械的強度、耐熱性などを考慮すると、平均重合度を、好ましくは100〜1万とするのがよい。
【0042】
本発明の固体高分子電解質において、上述した前記有機金属化合物および/または前記高分子化合物は、一種単独で用いてもよく、二種以上を併用して用いてもよい。
【0043】
[有機ポリマー]
本発明の固体高分子電解質に用いられる有機ポリマーとしては、プロトン伝導性を有するものであり、従来公知のものであれば特に制限なく用いることができる。
【0044】
前記有機ポリマーとして具体的には、イオン交換基を備え、ポリマー骨格の全部又は一部がフッ素化されたフッ素系ポリマー、または、イオン交換基を備え、ポリマー骨格にフッ素を含まない炭化水素系ポリマー、などが挙げられる。
【0045】
前記イオン交換基としては、特に制限されないが、−SOH、−COOH、−PO(OH)、−POH(OH)、−SONHSO−、−Ph(OH)(Phはフェニル基を表す)等の陽イオン交換基、−NH、−NHR、−NRR’、−NRR’R’’、−NH等(R、R’、R’’は、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基等を表す)等の陰イオン交換基などが挙げられる。
【0046】
前記イオン交換基を備えたフッ素系ポリマーとして、具体的には、ナフィオン(登録商標、デュポン社製)、アシプレックス(登録商標、旭化成株式会社製)、フレミオン(登録商標、旭硝子株式会社製)等のパーフルオロカーボンスルホン酸系ポリマー、ポリトリフルオロスチレンスルフォン酸系ポリマー、パーフルオロカーボンホスホン酸系ポリマー、トリフルオロスチレンスルホン酸系ポリマー、エチレンテトラフルオロエチレン−g−スチレンスルホン酸系ポリマー、エチレン‐テトラフルオロエチレン共重合体、ポリテトラフルオロエチレン−g−ポリスチレンスルホン酸系ポリマー、ポリフッ化ビニリデン−g−ポリスチレンスルホン酸系ポリマーなどが好適な一例として挙げられる。
【0047】
前記イオン交換基を備えた炭化水素系ポリマーとして、具体的には、ポリサルホンスルホン酸系ポリマー、ポリエーテルエーテルケトンスルホン酸系ポリマー、ポリベンズイミダゾールアルキルスルホン酸系ポリマー、ポリベンズイミダゾールアルキルホスホン酸系ポリマー、架橋ポリスチレンスルホン酸系ポリマー、ポリエーテルサルホンスルホン酸系ポリマー等が好適な一例として挙げられる。
【0048】
前記有機ポリマーの重量平均分子量は、好ましくは1万〜100万、より好ましくは30万〜100万とするのがよい。
【0049】
前記有機ポリマーは、有機金属化合物および/または高分子化合物と相互作用を有するまたは反応して結合可能な反応性基を少なくとも一つ有しているのがよい。これにより、有機ポリマーと有機金属化合物および/または前記高分子化合物とが分子レベルで結合させることができ、固体高分子電解質のプロトン伝導性、機械的強度、保水性、耐熱性などの特性を安定して発揮させることが可能となる。前記反応性基としては、ヒドロキシル基、スルホン酸基、ホスホン酸基、スルホンアミド基、スルホンイミド基およびそれらの誘導体からなる群から選択される少なくとも一種が挙げられる。なかでも、スルホン酸基、ホスホン酸基が好ましく挙げられる。
【0050】
また、前記反応性基は、濃硫酸を用いるなど公知の方法を用いて、有機ポリマーに導入することができる。
【0051】
[有機金属化合物と有機ポリマーとの複合]
本発明の固体高分子電解質は、有機金属化合物と有機ポリマーとが複合されてなるものである。ここで、「複合」とは、有機金属化合物と有機ポリマーとが単に混合されてなるものの他に、有機金属化合物と有機ポリマーとが共有結合、水素結合、イオン結合、極性基同士の相互作用などにより化学的に結合または吸着しているものを含む。
【0052】
固体高分子電解質は、好ましくは、有機金属化合物と有機ポリマーとが、共有結合、水素結合、極性基同士の相互作用などにより化学的に結合または吸着しているものである。これにより、固体高分子電解質のプロトン伝導性、機械的強度、保水性、耐熱性などの特性を安定して発揮させることが可能となる。
【0053】
本発明の固体高分子電解質において、有機金属化合物と有機ポリマーとの混合比は、特に制限されないが、質量比で、好ましくは1:20〜1:2、より好ましくは1:10〜1:5とするのがよい。
【0054】
また、固体高分子電解質が有機金属化合物を縮重合させた高分子化合物を含む場合も、同様である。
【0055】
有機金属化合物または高分子化合物の添加量が少なすぎると得られる固体高分子電解質の耐熱性を十分に向上できない恐れがあり、有機ポリマーの添加量が少なすぎると固体高分子電解質の柔軟性が低下する恐れがある。そのため、これらの混合比を上記範囲内とするのが望ましい。
【0056】
[有機金属化合物と有機ポリマーとの複合化]
有機金属化合物と有機ポリマーとの複合は、公知の方法に準じて行うことができる。有機金属化合物と有機ポリマーとを、有機溶媒に溶解または懸濁させてスラリーを調製し、有機溶媒を除去する方法などにより得られる。これにより、有機金属化合物と有機ポリマーとが混合して複合化された固体高分子電解質が得られる。
【0057】
前記有機溶媒としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール(NPA)等のアルコール系溶媒、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、モノグライム、ジグライムなどのエーテル系溶媒、メトキシエタノール、エトキシエタノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコールなどのアルコール系溶媒、シクロペンタノン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒、クロロホルムなどのハロゲン系溶媒、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドンなど非プロトン極性溶媒をなどが挙げられる。溶媒は1種を単独で使用できまたは可能であれば2種以上を併用することができる。
【0058】
前記スラリーには、有機金属化合物と有機ポリマーとの分散性、反応性を向上させるため、攪拌子や攪拌羽根、ホモジナイザーによる機械的攪拌手段、噴流等による攪拌手段、超音波処理など、従来一般的な混合手段を施すのがよい。
【0059】
また、前記スラリーに、水および必要により酸触媒を添加し、有機金属化合物を加水分解および縮重合反応させる、いわゆるゾル−ゲル反応をさせることにより、有機ポリマーと高分子化合物とが複合した固体高分子電解質が得られる。必要に応じて、加水分解および縮重合反応の際に加熱してもよい。
【0060】
酸触媒は、有機金属化合物が加水分解および縮重合反応を促進させるためのものであり、無機プロトン酸又は有機プロトン酸が好ましい。
【0061】
無機プロトン酸としては、塩酸、硫酸、リン酸類(HPO、HPO、H、H10、メタリン酸、またはヘキサフルオロリン酸等)、硼酸、硝酸、過塩素酸、テトラフルオロ硼酸、ヘキサフルオロ砒素酸、臭化水素酸、固体酸(タングストリン酸、またはタングステンペルオキソ錯体等)等が挙げられる。
【0062】
有機プロトン酸としては、リン酸エステル類(例えば炭素数1〜30のリン酸エステル類であり、リン酸メチルエステル、リン酸プロピルエステル、リン酸ドデシルエステル、リン酸フェニルエステル、リン酸ジメチルエステル、またはリン酸ジドデシルエステル等)、亜リン酸エステル類(例えば炭素数1〜30の亜リン酸エステル類であり、亜リン酸メチルエステル、亜リン酸ドデシルエステル、亜リン酸ジエチルエステル、亜リン酸ジイソプロピル、または亜リン酸ジドデシルエステル等)、スルホン酸類(例えば炭素数1〜15のスルホン酸類であり、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ヘキサフルオロベンゼンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、またはドデシルスルホン酸等)、カルボン酸類(例えば炭素数1〜15のカルボン酸類であり、酢酸、トリフルオロ酢酸、安息香酸、または置換安息香酸等)、イミド類(ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド酸、トリフルオロメタンスルホニルトリフルオロアセトアミド等)、ホスホン酸類(例えば炭素数1〜30のホスホン酸類であり、メチルホスホン酸、エチルホスホン酸、フェニルホスホン酸、ジフェニルホスホン酸、または1,5−ナフタレンビスホスホン酸等)等の低分子化合物、又はナフィオン(登録商標)に代表されるパーフルオロカーボンスルホン酸ポリマー、側鎖にリン酸基を有するポリ(メタ)アクリレート(特開2001−114834号公報)、スルホン化ポリエーテルエーテルケトン(特開平6−93111号公報)、スルホン化ポリエーテルスルホン(特開平10−45913号公報)、スルホン化ポリスルホン(特開平9−245818号公報)等の耐熱芳香族高分子のスルホン化物等のプロトン酸部位を有する高分子化合物が挙げられる。酸触媒は2種以上併用することも可能である。
【0063】
前記有機金属化合物のゾル−ゲル反応する際の反応温度は反応速度に関連し、有機金属化合物の反応性と酸触媒の種類及び量に応じて選択することができる。好ましくは0〜200℃、より好ましくは30〜120℃である。また、反応時間は、1〜72時間程度とすればよい。
【0064】
酸触媒用の酸としては、例えば、塩酸、硝酸、硫酸、酢酸等が使用できるが、これらに制限されるものではない。
【0065】
上記酸触媒用の酸の添加量は、上記有機金属化合物1モルに対して0.005〜100モル、好ましくは0.01〜20モルである。触媒用の酸の添加量が100モル以下であると、加水分解反応速度が速くなり過ぎないように調整(制御)されているので、膜の表面性を良好に保持することができる点で優れている。また触媒用の酸の添加量が0.005モル以上であると、反応速度が遅くなり過ぎないように調整(制御)されているので、成膜時間が長く掛かりすぎることもなく経済的である。
【0066】
前記酸触媒の添加量は、スラリー中の有機金属化合物1モルに対して、0.005〜100モル、好ましくは0.01〜20モルの範囲が望ましい。該酸触媒の添加量が0.005モル以上であると、反応の進行が遅くなりすぎず、良好に反応を進行させることができる。100モル以下であると、良好に反応を制御することができる点で優れている。
【0067】
酸触媒の加え方としては、特に制限されるものではないが、10mlのスラリーに対して、滴下速度0.001〜10ml/min、好ましくは0.01〜0.5ml/minの範囲の速度でゆっくりと滴下するのが望ましい。攪拌しながらゆっくり加えるのは、電解質が析出しないようにする観点から望ましいためである。一気に加えると、電解質の沈殿が生じる場合があり、上述したように膜厚がうまく制御できなくなるおそれがあるなど製膜性能に影響を及ぼすおそれがある。即ち、触媒の滴下速度が10ml/min以下であると、良好に反応を制御することができる点で優れている。そのため、電解質の沈殿が生じないで均一に滴下できる。その結果、上述したように膜厚をうまく制御することができるなど、製膜性能を良好に制御することができる。一方、滴下速度0.001ml/min以上の場合には、沈殿を生じないで均一に滴下できる。
【0068】
また、スラリーに酸触媒を加える時期としては、特に制限されるものではない。好ましくは有機金属化合物を加える数時間前、好ましくは0.1〜72時間前に酸触媒を滴下し終えるようにするのが望ましい。こうすることで、溶液が均一化し、望ましい。したがって、上記酸触媒を加える開始時期は、有機金属化合物を加える数時間前に触媒を滴下し終えるように、上記触媒の添加量及び触媒の滴下速度から求めることができる。
【0069】
スラリーが流動性を有するうちに、支持体上に塗布するか、樹脂製のシャーレなどに入れるなど公知の方法を用いることにより、固体高分子電解質を製膜することができる。
【0070】
前記スラリーを塗布する支持体としては、特に制限されないが、ガラス基板、金属基板、高分子フイルム、反射板等を挙げることができる。高分子フイルムの例としては、TAC(トリアセチルセルロース)等のセルロース系高分子フイルム、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)等のエステル系高分子フイルム、PTFE(ポリトリフルオロエチレン)等のフッ素系高分子フイルム、ポリイミドフイルム等が挙げられる。
【0071】
前記スラリーの塗布方式は公知の方法でよく、例えばカーテンコーティング法、押し出しコーティング法、ロールコーティング法、スピンコーティング法、ディップコーティング法、バーコーティング法、スプレーコーティング法、スライドコーティング法、または印刷コーティング法等を用いることができる。
【0072】
前記スラリーの乾燥は、自然乾燥、加熱乾燥、オートクレーブによる加圧乾燥など公知の方法を用いればよい。乾燥は、特に制限されないが、0℃〜350℃が好ましく、より好ましくは30℃〜150℃で、好ましくは1〜72時間行う。
【0073】
[固体高分子電解質膜]
本発明の固体高分子電解質は、粒子状、繊維状、膜状などに成形して用いることができる。前記固体高分子電解質は、燃料電池、水電解、ハロゲン化水素酸電解、食塩電解、酸素濃縮器、湿度センサ、ガスセンサなど種々の用途に適用できる。なかでも、燃料電池用膜電極接合体における電解質として用いるのが好ましく、発電効率と出力電圧に優れる燃料電池が得られる。
【0074】
本発明の固体高分子電解質を燃料電池用膜電極接合体に用いる場合には、燃料電池における電極触媒層などに適用することができるが、特に好ましくは、本発明の固体高分子電解質を膜状に成形した固体高分子電解質膜として燃料電池用膜電極接合体に用いるのがよい。これにより発電効率と出力電圧に優れる燃料電池用膜電極接合体が得られる。
【0075】
固体高分子電解質膜の膜厚に特に制限はないが、通常10〜300μm、好ましくは30〜150μmである。この範囲内であれば、十分な膜強度が得られ、かつ膜抵抗が実用上十分に低くなる。膜厚が10μmより著しく小さいと、正極燃料と負極燃料との遮断が不充分になる可能性がある。膜厚が300μmを大幅に超えると、膜抵抗が高くなりすぎ、燃料電池の発電性能に悪影響を及ぼすおそれがある。
【0076】
[燃料電池用膜電極接合体]
本発明の固体高分子電解質および/または固体高分子電解質膜によれば、上述した各種特性を有することから、発電効率と出力電圧に優れる燃料電池用膜電極接合体を提供することが可能となる。
【0077】
燃料電池用膜電極接合体の構成としては、従来公知のものであれば特に制限されない。具体的には、図1に示すように、固体高分子電解質膜110の両側に、燃料極側電極触媒層120aおよび燃料極側ガス拡散層130aを有する燃料極側ガス拡散電極と、空気極側電極触媒層120cおよび空気極側ガス拡散層130cを有する空気極側ガス拡散電極とが、それぞれ対向して配置された構成を有する膜電極接合体140などが挙げられる。
【0078】
本発明の固体高分子電解質は、上述した通り、膜電極接合体における燃料極側電極触媒層、空気極側触媒層の他に、固体高分子電解質膜に適用することができる。膜電極接合体は、本発明の固体高分子電解質およびまたは固体高分子電解質膜を用いる以外は、特に限定されることはなく従来公知の各種技術を適宜参照すればよい。従って、燃料極および空気極における電極触媒層およびガス拡散層に関する詳細な説明はここでは省略する。
【0079】
さらに、前記膜電極接合体によれば、優れた発電性能を長期に亘って発揮することができる固体高分子形燃料電池を提供することが可能となる。これにより、移動体用電源、定置用電源として信頼性の高い固体高分子形燃料電池が得られる。なかでも、固体高分子電解質膜がプロトン伝導性、機械的強度、保水性、耐熱性などに優れることから、本発明による固体高分子形燃料電池は、自動車などの車両等の移動体用電源として用いるのが好ましい。
【0080】
また、前記燃料電池は、固体高分子電解質が耐熱性に優れることから、従来と比較して高温における運転条件下であっても固体高分子電解質の劣化が少なく、高い発電性能を発揮することが可能である。
【0081】
燃料電池の構造は、特に限定されず、図1に示すように、膜電極接合体140をセパレータ150aおよび150cなどで挟持した構造などが挙げられる。セパレータは、空気と燃料ガスとを分離する機能を有するものであり、従来一般的なものであれば特に制限なく用いることができる。また、セパレータ150aおよび150cには、空気と燃料ガスの流路を確保するためにガス供給溝151aおよび151cが形成されてもよい。
【0082】
さらに、燃料電池が所望する電圧等を得られるように、セパレータを介して膜電極接合体を複数積層して直列に繋いだスタックを形成してもよい。燃料電池の形状などは、特に限定されず、所望する電圧などの電池特性が得られるように適宜決定すればよい。
【実施例】
【0083】
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。なお、本発明は、これらの実施例のみに限定されることはない。
【0084】
(実施例1)
固体高分子電解質溶液(Nafion DE2029;Nafion 5wt%、水47.5wt%、NPA47.5wt%)5gに、NPA15gを加え、15分間撹拌し、この溶液にメチルシリケート51(登録商標、扶桑化学工業株式会社製)を98mg混合し、20℃、空気雰囲気下で0.5時間超音波をかけつつ攪拌した。この攪拌液を正方形型のテフロン容器に注ぎ込み、室温にて24時間放置した後、さらに、70℃にて、5時間乾燥させることにより、固体高分子電解質膜1(厚さ50μm、大きさ10cm×10cm)を得た。シリケートは、できあがった電解質膜1の10質量%をしめる。
【0085】
この際、固体Si−NMRを測定することにより、重合が進んでいることが確認された。
【0086】
(実施例2)
固体高分子電解質溶液(Nafion DE2029;Nafion 5wt%、水47.5wt%、NPA47.5wt%)5gに、オルトケイ酸テトラエチル(和光純薬工業株式会社製)51mgを混合し、20℃、空気雰囲気下で0.5時間超音波をかけつつ攪拌した。この攪拌液を正方形型のテフロン容器に注ぎ込み、室温にて24時間放置した後、さらに、70℃にて、5時間乾燥させることにより、固体高分子電解質膜2(厚さ50μm、大きさ10cm×10cm)を得た。シリケートは、できあがった電解質膜2の10質量%をしめる。本実施例2においても固体Si−NMRを測定することにより、重合が進んでいることが確認された。
【0087】
(比較例1)
固体高分子電解質溶液(Nafion DE2029;Nafion 5wt%、水47.5wt%、NPA47.5wt%)5gと、コロイダルシリカPL−1(扶桑化学製 Si12wt%、水分散、1次粒子径15nm、2次粒子径40nm、pH7.0)42mgを混合し、20℃、空気雰囲気下で0.5時間超音波をかけつつ攪拌した。この攪拌液を正方形型のテフロン容器に注ぎ込み、室温にて24時間放置した後、さらに、70℃にて、5時間乾燥させることにより、固体高分子電解質膜3(厚さ50μm、大きさ10cm×10cm)を得た。本比較例1においてコロイダルシリカは単に混合状態である。
【0088】
(比較例2)
固体高分子電解質溶液(Nafion DE2029;Nafion 5wt%、水47.5wt%、NPA47.5wt%)を、20℃、空気雰囲気下で0.5時間超音波をかけつつ攪拌した。この攪拌液を正方形型のテフロン容器に注ぎ込み、室温にて24時間放置した後、さらに、70℃にて、5時間乾燥させることにより、固体高分子電解質膜4(厚さ50μm、大きさ10cm×10cm)を得た。
【0089】
(評価)
上記で作製した固体高分子電解質膜1〜4の評価を下記に示す手順で行った。
【0090】
(セル評価)
固体高分子電解質膜を用いて、以下の手順に従って膜電極接合体を作製した。
【0091】
(触媒インク調製)
<カソード用触媒インク>市販のNafion溶液(アルドリッチ社製5質量%溶液)にPt担持カーボン(白金担持量:50質量%)の微粒子を、カーボンとNafionの質量比がカーボン:Nafion=1:0.8となるように混合した後、ホモジナイザー(粉砕器)に3時間ほどかけてカソード用触媒インクを作製した。
【0092】
<アノード用触媒インク>カソード用触媒インクと同様の手順でアノード用触媒インクを作製した。
【0093】
(触媒層転写シート作製)
前記のように調製したインクを、スクリーンプリンタを使用して、台紙として使用するテフロンシート上に塗布して、カソード用およびアノード用触媒層転写シートを作製した。台紙としてはテフロンシートの他にPET(ポリエチレンテレフタレート)シートなどが優れている。Pt担持量が0.4mg/cmとなるまで塗布、乾燥を繰り返すことで、所定白金量の触媒層転写シートを作製した。
【0094】
(触媒層の転写)
前記のように作製したカソード用およびアノード用触媒層転写シートの触媒層面にエタノールをスプレーして浸潤させ、触媒層表面が乾燥してきたところで、これらの転写シートで作製した電解質膜を挟みこみ、130℃、6.5MPa、保持時間10分にてホットプレスを行なった。エタノールで浸潤させるのは、触媒層および膜の電解質を柔軟にさせ、触媒層の転写を容易にするためである。
【0095】
冷却後、転写シートの台紙をはがし、膜−触媒層接合体を作製した。
【0096】
本実施例はカソードのバインダのみ非フッ素系固体高分子電解質を使用し、アノードのバインダは通常のNafionとした。これはCV(サイクリック・ボルタンメトリ)測定時の参照極とするのに、アノードのバインダをNafionとする方が都合がよいためであり、両極とも非フッ素系固体高分子電解質を使用したバインダにしても本質的に変わらないことは言うまでもない。
【0097】
(3)評価用単セルの組立て
固体高分子電解質膜に、片面に電極触媒層が形成された市販のガス拡散層を二枚用いて電極触媒層形成側が対向するように重ねて、6.5MPaの圧力で、130℃、10分間ホットプレスすることにより、膜電極接合体を作製した。さらに、前記膜電極接合体をグラファイト製セパレータで挟持し、金メッキしたステンレス製集電板で挟持し、評価用単セルとした。
【0098】
(4)発電評価
各評価用単セルの、アノード側に燃料として水素を供給し、カソード側には酸化剤として空気を供給した。両ガスともセル出口圧力は大気圧とし、発電条件は、セル温度70℃、相対湿度アノード/カソード=90%R.H./30%R.H.、水素利用率67%、空気利用率40%で電圧を測定した。
【0099】
測定結果は図2に示す。ただし比較例2のセルは発電不能であった。
【0100】
実施例のサンプルは、比較例に比べて、セル電圧が低下しにくく、発電が安定している。膜内の無機金属酸化物が均一に分散したため、発電に耐えうる強度となり、保水性、発電性能が向上したといえる。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】本発明の好適な一実施形態である、固体高分子電解質膜を用いた燃料電池の模式断面図を示す。
【図2】実施例における発電結果を示す。
【符号の説明】
【0102】
100 燃料電池、
110 固体高分子電解質膜、
120a、120c 電極触媒層、
130a、130c ガス拡散層、
140 膜電極接合体、
150a、150c セパレータ、
151a、151c ガス供給溝。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
化学式1で示される有機金属化合物と、プロトン伝導性を有する有機ポリマーと、を複合させたことを特徴とする固体高分子電解質;
【化1】

前記化学式1において、
〜Xは、互いに独立に、水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基、またはアルコキシル基であり、
は、水素原子、または置換基を有していてもよい炭化水素基であり、
Mは、Si、Ti、Al、Zr、およびGeからなる群から選択される少なくとも一種の金属原子であり、
nは1〜100の整数である。
【請求項2】
前記有機ポリマーは、ヒドロキシル基、スルホン酸基、ホスホン酸基、スルホンアミド基、スルホンイミド基およびこれらの誘導体からなる群から選択される少なくとも一種の反応性基を有することを特徴とする請求項1記載の固体高分子電解質。
【請求項3】
前記有機金属化合物は、有機溶媒に可溶であることを特徴とする請求項1または2記載の固体高分子電解質。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の固体高分子電解質を含むことを特徴とする固体高分子電解質膜。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれかに記載の固体高分子電解質および/または請求項4に記載の固体高分子電解質膜を含む燃料電池用膜電極接合体。
【請求項6】
請求項5に記載の燃料電池用膜電極接合体を含む固体高分子形燃料電池。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−207625(P2007−207625A)
【公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−26314(P2006−26314)
【出願日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】