説明

固体高分子電解質膜式水電解装置及び固体高分子電解質膜のピンホール検出方法

【課題】 固体高分子電解質膜のピンホールの発生を有効に検知することができる固体高分子電解質膜式水電解装置及び固体高分子電解質膜のピンホール検出方法を提供すること。
【解決手段】 固体高分子電解質膜式水電解装置は、陽極及び陰極で挟持された固体高分子電解質膜により内部空間が仕切られ、前記陽極側に被電解水が供給される電解槽と、前記陽極及び陰極間に電圧を印加して前記陽極側で供給用ガスを発生させる主電源装置と、前記主電源装置と並列に接続された補助電源装置と、前記陽極及び陰極間の電圧を検出する電圧検出手段と、前記電圧検出手段の検出電圧に基づいて、前記固体高分子電解質膜に発生したピンホールを検出するピンホール検出手段とを備え、前記ピンホール検出手段は、前記補助電源装置により前記陽極及び陰極間にピンホール検出用電圧が印加された時の前記電圧検出手段の検出電圧を、予め設定された閾値電圧と比較することにより、ピンホール発生の有無を判別することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固体高分子電解質膜式水電解装置及び固体高分子電解質膜のピンホール検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
固体高分子電解質膜式水電解装置の一つとして、例えばオゾン発生装置がある。オゾン発生装置は、水を原料として高濃度のオゾンガスが発生するので、一般的に中小型の水処理装置に有効に利用されており、その他高純度オゾンガスを超純水に溶解して、電子部品の洗浄、フォトレジストの剥離等の用途にも利用分野が拡大している。
【0003】
このオゾン発生装置は、固体高分子電解質膜を介して多孔質の陽極と陰極が密接されている電解槽から構成されている。陽極に純水や超純水を供給して陽極と陰極の間に所望の電圧を印加すると、純水は固体高分子電解質膜の界面で電気分解されて、陽極から酸素とオゾンが発生し、陰極から水素が発生する。
【0004】
固体高分子電解質膜は、厚さが50〜200mmという非常に薄い有機質の膜であり、接触抵抗を低減させるために相当の機械的圧縮が必要とされる。また、この固体高分子電解質膜の寿命は、3〜5年程度であり、その使用期間中に損耗してゆく。使用中にこの膜が損耗してゆきピンホールが発生すると、発生した水素ガスと酸素ガスやオゾンガスが混合することになり、オゾンの生産効率が低下するが、このようなピンホールの発生を有効に検知する方法は従来知られていなかった。
【0005】
また、ピンホールの発生を検知するために装置の作動を停止して、固体高分子電解質膜のピンホールを直接検査することも考えられるが、この場合、電解槽を分解したり、オゾンの供給を停止したりしなければならないため、検査に時間がかかるだけでなく、連続的にオゾンガスが必要である場合などには不都合が生じる。
【0006】
このような問題は、オゾン発生装置だけでなく、他の固体高分子電解質膜式水電解装置(例えば酸素発生装置)においても生じていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上述した問題を解決するためになされたものであって、固体高分子電解質膜のピンホールの発生を有効に検知することができる固体高分子電解質膜式水電解装置及び固体高分子電解質膜のピンホール検出方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の前記目的は、陽極及び陰極で挟持された固体高分子電解質膜により内部空間が仕切られ、前記陽極側に被電解水が供給される電解槽と、前記陽極及び陰極間に電圧を印加して前記陽極側で供給用ガスを発生させる主電源装置と、前記主電源装置と並列に接続された補助電源装置と、前記陽極及び陰極間の電圧を検出する電圧検出手段と、前記電圧検出手段の検出電圧に基づいて、前記固体高分子電解質膜に発生したピンホールを検出するピンホール検出手段とを備え、前記ピンホール検出手段は、前記補助電源装置により前記陽極及び陰極間にピンホール検出用電圧が印加された時の前記電圧検出手段の検出電圧を、予め設定された閾値電圧と比較することにより、ピンホール発生の有無を判別することを特徴とする固体高分子電解質膜式水電解装置により達成される。
【0009】
この固体高分子電解質膜式水電解装置は、前記電解槽との間で循環させる被電解水を貯留すると共に、該被電解水に含まれる前記供給用ガスを排出する排出口を有する供給タンクと、被電解水供給源から前記供給タンクに被電解水を供給する被電解水供給手段と、前記主電源装置及び前記被電解水供給手段の作動を制御する制御手段とを更に備え、前記制御手段は、前記被電解水供給手段の作動時に、前記主電源装置を停止させて、前記陽極及び陰極間にピンホール検出電圧を印加することを特徴とする。
【0010】
また、前記供給タンクは、内部の水位を検出する水位検出手段を備えており、前記制御装置は、ピンホールの検出を行う際に前記被電解水供給手段を停止させ、前記水位検出手段が所定の水位低下を検出した後に、前記被電解水供給手段を作動させると共に、前記主電源装置を停止させることができる。
【0011】
また、本発明の前記目的は、陽極及び陰極で挟持された固体高分子電解質膜により内部空間が仕切られた電解槽の前記陽極側に被電解水を供給し、主電源装置により前記陽極及び陰極間に通常運転電圧を印加することにより、前記電解槽の前記陽極側で供給用ガスを発生させる固体高分子電解質膜式水電解装置において、前記固体高分子電解質膜のピンホールを検出する方法であって、前記主電源装置を一時停止させて、補助電源装置により前記陽極及び陰極間にピンホール検出電圧を印加する電圧印加ステップと、前記ピンホール検出電圧の印加時における前記陽極及び陰極間の電圧を検出する電圧検出ステップと、前記検出電圧を予め設定された閾値電圧と比較することにより、ピンホール発生の有無を判別する判別ステップとを備える固体高分子電解質膜のピンホール検出方法により達成される。
【0012】
また、前記固体高分子電解質膜式水電解装置は、前記電解槽との間で循環させる被電解水を貯留すると共に、該被電解水に含まれる前記供給用ガスを排出する排出口を有する供給タンクと、被電解水供給源から前記供給タンクに被電解水を供給する被電解水供給手段とを更に備え、前記電圧印加ステップは、前記被電解水供給手段による前記供給タンクへの被電解水の供給時に行われることができる。
【0013】
また、前記固体高分子電解質膜式水電解装置は、前記主電源装置及び前記被電解水供給手段の作動を制御する制御手段を更に備え、前記供給タンクは、内部の水位を検出する水位検出手段を備えており、前記電圧印加ステップは、前記制御装置が、ピンホールの検出を行う際に前記被電解水供給手段を停止させ、前記水位検出手段が所定の水位低下を検出した後に、前記被電解水供給手段を作動させると共に、前記主電源装置を停止させるステップを備えることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、固体高分子電解質膜のピンホールの発生を有効に検知することができる固体高分子電解質膜式水電解装置及び固体高分子電解質膜のピンホール検出方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実態形態について添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る固体高分子電解質膜式水電解装置の一例であるオゾン発生装置の概略構成図である。
【0016】
図1に示すように、このオゾン発生装置は、電解セル7と、電解セル7に純水を供給する純水供給タンク10と、電圧検出器20と、直流電源装置21とを備えている。
【0017】
電解セル7は、陽極2及び陰極3により狭持された固体高分子電解質膜1で電解槽6の内部を仕切ることにより形成された陽極室4及び陰極室5を備えている。
【0018】
陽極2及び陰極3は、通気性のある多孔質の材料を焼結した板状体により構成されている。陽極2としては、チタンなどの基材で、固体高分子電解質膜1に接する面を二酸化鉛で被覆したものを例示することができる。陽極2の被覆材料としては、二酸化鉛の他に、二酸化錫やダイヤモンドなどの水素を活性化しない材料を例示することができる。陰極3は、固体高分子電解質膜1に接する面に水素を合成する触媒層を有している多孔質体であり、ステンレスなどの基材をめっき等により白金で被覆したものを例示することができる。
【0019】
陽極室4は、純水などの原料水が供給される原料水入口11、及び生成されたオゾンを含む原料水を排出する原料水出口12を有しており、陰極室5は、水素が排出される水素出口13を有している。
【0020】
純水供給タンク10は、チタン等からなる容器であり、原料水となる純水を貯留すると共に、原料水から分離されたオゾンガスなどの気体を気体出口19から排出可能に構成されている。純水供給タンク10には、内部の液面高さを検出する上部レベルスイッチ15a及び下部レベルスイッチ15bが設けられている。純水供給タンク10は、原料水供給ライン14a及び原料水回収ライン14bからなる循環ライン14を介して電解セル7に接続されており、原料水供給ライン14aを介して原料水入口11から陽極室4に原料水を供給する一方、原料水出口12から排出された原料水を原料水回収ライン14bから回収する。循環ライン14による原料水の循環は、原料水供給ライン14aに介設された循環ポンプ17によって行われる。循環ポンプ17は、純水供給タンク10を電解セル7より上部に配置することにより省略することも可能であり、原料水回収ライン14bにおけるガスリフト効果により原料水の自然循環が可能である。
【0021】
原料水補充ポンプ16は、純水供給タンク10に接続されており、原料水補充ポンプ16のオン/オフにより、図示しない原料水供給源から純水供給タンク10に原料水を間歇的に補充することができる。
【0022】
直流電源装置21は、陽極側配線25a及び陰極側配線25bを介して陽極2及び陰極3にそれぞれ接続されている。また、直流電源装置21は、起動/停止スイッチ29aを備えており、オン状態で電解セル7に所望の電圧(例えば3〜3.5V)を印加することができる。
【0023】
補助電源装置22は、直流電源装置21と並列に配置されており、陽極側配線25a及び陰極側配線25bを介して陽極2及び陰極3にそれぞれ接続されている。この補助電源装置22は、直流電源装置21の動作から独立しており、直流電源装置21の起動/停止スイッチ29aがオフ状態でも電解セル7に直流電源装置21よりも低い所定の電圧を印加することができる。この所定の電圧は、平衡電極電位に過電圧を加えた値であり、例えば陽極の被覆材が二酸化鉛である本実施形態のオゾン発生装置では、約2Vである。
【0024】
電圧検出器20は、陽極側配線25aと陰極側配線25bとの間に配置されており、陽極2と陰極3との間の電圧を検出する。
【0025】
原料水補充ポンプ16及び循環ポンプ17の作動、起動/停止スイッチ29aの開閉は、制御装置100によって行われ、制御装置100は、上部レベルスイッチ15a及び下部レベルスイッチ15bからの検出信号に基づいて所定の作動制御を行う。又、制御装置100は、電圧検出器20での検出電圧に基づいて、ピンホールの発生の有無を判別するピンホール検出装置を兼ねる。
【0026】
以上のような構成により、本発明に係るオゾン発生装置は次のように作動する。
【0027】
オゾン発生装置の通常運転中には、直流電源装置21により陽極2と陰極3の間に3〜3.5V程度の電圧が印加されており、陽極2からオゾンと酸素が、又、陰極3から水素が発生している。この際、制御装置100が、上部レベルスイッチ15aからの信号に基づいて原料水補充ポンプ16の作動をオン/オフ制御することにより、純水供給タンク10内部の液面高さは、上部レベルスイッチ15aの近傍に維持されている。この運転状態では、オゾン出力の増減や作動温度の変動などにより図2の矢印Aに示すように陽極2と陰極3との間の電圧が2〜3.5Vの間で大きく変動するため、電圧変動の原因の特定が困難であることから、固体高分子電解質膜1に小さなピンホールが発生していてもピンホールの発生を有効に検知することができない。
【0028】
このため、固体高分子電解質膜のピンホールを検出する場合、まず、図示しない制御装置100の運転ボタンを押すことにより、制御装置100が原料水補充ポンプ16を停止させる。これにより、純水供給タンク10内部の液面高さは、電解セル7で純水が消費されてオゾンが発生するにしたがい、上部レベルスイッチ15aから下部レベルスイッチ15bまで徐々に低下してゆく。この液面の低下に伴い、純水供給タンク10内部に貯留されるオゾンガスの量は、通常運転時に比べて徐々に増加してゆく。
【0029】
純水供給タンク10内部の液面が下部レベルスイッチ15bまで低下すると、制御装置100は、下部レベルスイッチ15bからの信号に基づき、原料水補充ポンプ16による純水の供給を開始すると共に、起動/停止スイッチ29aをオフにする。これにより、印加電圧が補助電源装置22に切り替えられ、陽極2と陰極3との間の電圧が、例えば2Vまで低下する。この結果、電解セル7での電解が微弱となるので、陽極からオゾンがほとんど発生しなくなる。一方、純水供給タンク10においては、原料水補充ポンプ16の作動により液面が上昇するので、内部に溜まっていたオゾンガスが純水供給タンク10の気体出口19へと押出され、引き続きオゾンガスを連続的に供給することができる。
【0030】
こうして、純水の供給中、純水供給タンク10内部の液面高さが下部レベルスイッチ15bから上部レベルスイッチ15aまで上昇する間に、電圧検出器20によって陽極2と陰極3との間の電圧を検出する。この時、固体高分子電解質膜1にピンホールが発生していなければ、図2の矢印Bに示すように、陽極2と陰極3との間の電圧は補助電源装置22の印加電圧(例えば2V)となる。しかし、固体高分子電解質膜1にピンホールが発生していると、固体高分子電解質膜1を通して電子が流れるようになるので、両極間の電圧は補助電源装置22の印加電圧よりも小さな値となっている。ピンホールが微小である場合、回路の電流はピンホール部分での導通による電流と微弱な電解反応電流の合成となり、図2の矢印Cに示すように、両極間の電圧はピンホール発生の初期段階の電圧(例えば1.7〜1.8V程度)となっており、ピンホールの進行に伴って、矢印Dに示すようにさらに低下してゆく。ピンホールが十分に大きい場合は、固体高分子電解質膜1は導電状態になるから、図2の矢印Eに示すように、両極間の電圧は0Vとなる。このように、補助電源装置22による電圧の印加時においては、電圧検出器20の検出電圧とピンホールの大きさとの間に相関関係があるため、電圧検出器20によって検出された電圧が予め設定された閾値電圧(例えば1.8V)以下であれば、固体高分子電解質膜1にピンホールが発生していることを有効に検知することができる。制御装置100は、電圧検出器20により検出された電圧と予め設定された閾値電圧とを比較し、固体高分子電解質膜1にピンホールが発生していれば、図示しない警報装置により警報する。
【0031】
その後、純水供給タンク10内部の液面が上部レベルスイッチ15aまで上昇したとき、制御装置100が上部レベルスイッチ15aからの信号に基づいて原料水補充ポンプ16による純水の供給量を調節することにより、水電解装置は通常運転となる。
【0032】
以上のようにして、オゾンをユースポイントへ連続的に供給しつつ、固体高分子電解質膜1のピンホールの発生を有効に検知することができる。
【0033】
本実施形態では、ピンホールの検出を、制御装置100による自動運転で行っているが、手動で行うこともできる。
【0034】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明の具体的な態様は上記実施形態に限定されない。本実施形態においては、固体高分子電解質膜式水電解装置の一例としてオゾン発生装置の構成について説明したが、例えば、酸素発生装置などの他の固体高分子電解質膜式水電解装置でも、図1と同様に構成することができる。
【0035】
本発明の他の実施形態である酸素発生装置では、図1に示す構成において、陽極2の被覆材として白金−イリジジウムを例示することができる。この場合、酸素発生装置の通常運転中には、直流電源装置21により陽極2と陰極3の間に1.6〜1.8V程度の電圧が印加されており、陽極2から酸素が、又、陰極3から水素が発生する。
【0036】
補助電源装置22の所定の電圧は、陽極2の被覆材が白金−イリジウムである酸素発生装置では、約1.4Vであり、起動/停止スイッチ29aがオフ状態の時に陽極2と陰極3の間に印加される。そして、オゾン発生装置の場合と同様に、電圧検出器20によって検出された電圧が予め設定された閾値電圧(例えば1.2V)以下であれば、固体高分子電解質膜1にピンホールが発生していると判断することができる。
【0037】
以上のような構成により、酸素をユースポイントへ連続的に供給しつつ、固体高分子電解質膜1のピンホールの発生を有効に検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の一実施形態に係るオゾン発生装置の概略構成図である。
【図2】陽極と陰極との間の時間−電圧曲線である。
【符号の説明】
【0039】
1 固体高分子電解質膜
2 陽極
3 陰極
7 電解セル
10 純水供給タンク
15a 上部レベルスイッチ
15b 下部レベルスイッチ
16 原料水補充ポンプ
20 電圧検出器
21 直流電源装置
22 補助電源装置
29a 起動/停止スイッチ
100 制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
陽極及び陰極で挟持された固体高分子電解質膜により内部空間が仕切られ、前記陽極側に被電解水が供給される電解槽と、
前記陽極及び陰極間に電圧を印加して前記陽極側で供給用ガスを発生させる主電源装置と、
前記主電源装置と並列に接続された補助電源装置と、
前記陽極及び陰極間の電圧を検出する電圧検出手段と、
前記電圧検出手段の検出電圧に基づいて、前記固体高分子電解質膜に発生したピンホールを検出するピンホール検出手段とを備え、
前記ピンホール検出手段は、前記補助電源装置により前記陽極及び陰極間にピンホール検出用電圧が印加された時の前記電圧検出手段の検出電圧を、予め設定された閾値電圧と比較することにより、ピンホール発生の有無を判別することを特徴とする固体高分子電解質膜式水電解装置。
【請求項2】
前記電解槽との間で循環させる被電解水を貯留すると共に、該被電解水に含まれる前記供給用ガスを排出する排出口を有する供給タンクと、
被電解水供給源から前記供給タンクに被電解水を供給する被電解水供給手段と、
前記主電源装置及び前記被電解水供給手段の作動を制御する制御手段とを更に備え、
前記制御手段は、前記被電解水供給手段の作動時に、前記主電源装置を停止させて、前記陽極及び陰極間にピンホール検出電圧を印加することを特徴とする請求項1に記載の固体高分子電解質膜式水電解装置。
【請求項3】
前記供給タンクは、内部の水位を検出する水位検出手段を備えており、
前記制御装置は、ピンホールの検出を行う際に前記被電解水供給手段を停止させ、前記水位検出手段が所定の水位低下を検出した後に、前記被電解水供給手段を作動させると共に、前記主電源装置を停止させる請求項2に記載の固体高分子電解質膜式水電解装置。
【請求項4】
陽極及び陰極で挟持された固体高分子電解質膜により内部空間が仕切られた電解槽の前記陽極側に被電解水を供給し、主電源装置により前記陽極及び陰極間に通常運転電圧を印加することにより、前記電解槽の前記陽極側で供給用ガスを発生させる固体高分子電解質膜式水電解装置において、前記固体高分子電解質膜のピンホールを検出する方法であって、
前記主電源装置を一時停止させて、補助電源装置により前記陽極及び陰極間にピンホール検出電圧を印加する電圧印加ステップと、
前記ピンホール検出電圧の印加時における前記陽極及び陰極間の電圧を検出する電圧検出ステップと、
前記検出電圧を予め設定された閾値電圧と比較することにより、ピンホール発生の有無を判別する判別ステップとを備える固体高分子電解質膜のピンホール検出方法。
【請求項5】
前記固体高分子電解質膜式水電解装置は、前記電解槽との間で循環させる被電解水を貯留すると共に、該被電解水に含まれる前記供給用ガスを排出する排出口を有する供給タンクと、被電解水供給源から前記供給タンクに被電解水を供給する被電解水供給手段とを更に備え、
前記電圧印加ステップは、前記被電解水供給手段による前記供給タンクへの被電解水の供給時に行われる請求項4に記載の固体高分子電解質膜のピンホール検出方法。
【請求項6】
前記固体高分子電解質膜式水電解装置は、前記主電源装置及び前記被電解水供給手段の作動を制御する制御手段を更に備え、
前記供給タンクは、内部の水位を検出する水位検出手段を備えており、
前記電圧印加ステップは、前記制御装置が、ピンホールの検出を行う際に前記被電解水供給手段を停止させ、前記水位検出手段が所定の水位低下を検出した後に、前記被電解水供給手段を作動させると共に、前記主電源装置を停止させるステップを備える請求項5に記載の固体高分子電解質膜のピンホール検出方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−138004(P2006−138004A)
【公開日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−330129(P2004−330129)
【出願日】平成16年11月15日(2004.11.15)
【出願人】(000143972)株式会社ササクラ (138)
【Fターム(参考)】