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固定ピペットチップ及び取り付けシャフト
説明

固定ピペットチップ及び取り付けシャフト

【課題】 1つの態様において、本発明は、ピペットチップ取り付けシャフトの構造、及び適合構造を有する使い捨て可能なピペットチップに関する。取り付けシャフト(112)は固定部(130)を備え、該固定部(130)は下方密閉部(132)上に配される。固定部(130)は、外側に延伸する固定ローブ(50)を有し、該固定ローブ(50)は、ストッパ部材(34)上に配され、固定部はまたストッパ部材(34)の下方に位置される下方密閉部(132)を有する。ある特定の実施形態において、前記ストッパ部材下方の前記取り付けシャフトの直径が減少されることで、挿入力及び取り出し力を減少させる。このことは、ハンドヘルド型マルチチャンネルピペットに有益である。これらの実施例において、下方密閉部は、裁頭円錐形の密閉部、もしくはフルオロエラストマのOリングなどの環状部(135)及び密閉リング(137)のどちらかを含む。取り付けシャフトが完全に対となっている使い捨て可能なピペットチップ(14)のつば部に挿入される際、チップ(14)は取り付けシャフト(112)上に固定される。ピペットチップの穴は、円周シェルフもしくは肩部を備え、これらは、上部つば部とチップ密閉範囲を分離する。該チップ密閉範囲は円周シェルフ下方に位置する。チップつば部は好ましくは、固定リングを備え、該固定リングは、取り付けシャフトに対して開口部にて、開口部近辺に位置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、「固定ピペットチップ及び取り付けシャフト」というタイトルが付された、米国一部継続出願(CIP)第11/552,384号である。該出願は、グレゴリー マサス、テレンス ケリー、及びリチャードコートが、2006年10月24日に出願され、本出願の譲受人に対して譲渡されている。
【0002】
本発明は、ピペット、及び自動による液体操作システムの改良に関する。さらに詳細には、本発明は、ピペットチップ取り付けシャフト及び使い捨て可能なピペットチップの構成に関し、該構成により、低挿入力、低取り出し力及び、意図しない取り外しに対する、高抵抗力を強固な密閉係合に提供するとともに、チップがピペットチップ取り付けシャフトに取り付けられた際に、取り付けられたチップを最適な位置及び配向に維持する。
【0003】
自動液体処理システム及び処理されるピペットを有する使い捨て可能なピペットチップの使用は、よく知られている。使い捨て可能なピペットチップにより、このようなピペットシステムを繰り返し使用しても、汚染を持ち越すことなく、異なる流体もしくは異なる流体のサンプルの輸送を可能とする。使い捨て可能なピペットチップは、通常、ポリプロピレンなどのプラスチック材料により形成されていて、該ピペットチップは、中空状で、細長く、一般的に円錐形を有する。ピペットチップの上端は、通常、つば部(collar)を備え、該つば部は、ピペット装置上のチップ取り付けシャフトに取り付けられている。取付けシャフトは、内部穴を有し、該内部穴を介して空気は、液体試料をピペットチップへと吸引し、またピペットチップから液体試料を分注するために、移動される。ピペットチップの遠端は、小さな開口部を有し、液体試料は、該開口部を介してピペットチップのバレルへと受容され、及びピペットチップのバレルから分注される。
【0004】
使い捨て可能なピペットチップは従来、ピペットチップを取り付けシャフトに対して固定及び密閉するために、取り付けシャフトとピペットチップつば部との間におけるテーパ嵌合、及びピペットチップつば部の内側円周の密閉リングに依存してきた。大半の場合において、取り付けシャフトと使い捨て可能なチップとの間の嵌合は、チップへと詰め込むまで、テーパされた取り付けシャフトをテーパされたピペットチップのつば部へと押し込むことにより達成される。この時点において、密閉は、密閉リングの圧壊及び/又はつば部の直径の伸張の結果として、チップつば部と取り付けシャフトとの間において達成される。適切な密閉の達成に加え、通常の使用中に一般的である僅かなノッキング力(knocking force)又は横方向移動量に直面しても、取り付けられたチップの位置及び配向は、導管の側壁における接触中等であって、安定していることも重要である。チップの安定性を確保するために、ユーザは、過剰な力でピペット取り付けシャフトをチップへと詰め込む傾向がある。
【0005】
多種のシステムは、過剰な取り付け力及び取り出し力を有さずに適切な密閉及び安定性を与えるよう考えられている。例えば、円筒状の取り付けシャフト及び円筒状のチップつば部を使用することで、取り付け力及び取り出し力を低減させる。また、ピペットチップ取り付けシャフトの深さ制限手段としてピペットチップつば部内において段差(step)を使用することは、よく知られている。たとえそうであっても、上述のシステムは一般的に、ピペットチップの安定した係合を保持するとともに、取り付けシャフトに対するつば部の信頼性高い密閉を確実に行うよう、ピペットチップつば部の伸張又は締まり嵌めの力(interference fit)を必要とする。
【0006】
更なる手法は、米国特許出願US2005/0175511 A1に記載されている。該特許出願において、ピペットチップのつば部は、内側に突出するカンチレバーフィンガを備え、該フィンガは、取り付けシャフト上の円周縁に沿って掛け金を掛ける。この手法において、密閉は、掛け金による係合の位置の下方に位置される取り付けシャフト上のOリングで達成される。チップの取り出しは、ピペットチップにおける取り出し機構を変更することによって達成され、これにより、取り付けシャフトからチップを取り出すために力を加える前にピペットチップにおける内側に突出するフィンガを解放可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許出願US2005/0175511 A1
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
1つの態様において、本発明は、ピペットチップ取り付けシャフトの構造、及び適合構造を有する使い捨て可能なピペットチップに関する。好適な形状において、ピペットチップ取り付けシャフトは、下方密閉部の上方に位置される固定部を有する。固定部は、下方ストッパ部材、及び該ストッパ部材の上方に位置する、2以上の外側に延伸する固定ローブを有する。取り付けシャフトが対をなすピペットチップのつば部に完全に挿入される際に、ピペットチップのつば部が取り付けシャフト上で固定する。ピペットチップの穴は、円周シェルフ(circumferential shelf)もしくは肩部を有し、該円周シェルフ及び肩部は、チップバレルの上方領域に位置されるチップの密閉範囲から上方つば部を分離する。好ましくは、つば部は、固定リングを有し、該固定リングは、つば部の上方開口部もしくはその近辺に位置される。つば部の寸法、及び特に円周シェルフ及び固定リングとの間の距離が、ストッパ部材及び固定ローブの上方端部との間の取り付けシャフトの寸法に適合するように選択される。取り付けシャフトがピペットチップつば部へと挿入される際に、固定ローブは、好ましくは、ピペットチップを円形から緩やかに屈曲又は変形させる傾斜部を有する。ローブの間の取り付けシャフトの解放部のため、チップのつば部が、伸張するよりむしろ、円形から変形し、屈曲させることにより、固定ローブ全面において締まり嵌めを適応させる。この構成は、人間工学的な、中央上部固定係合をもたらす。固定リングが、取り付けシャフト上のローブを通過し、固定的係合に達する際、部分的に、上方つば部が屈曲する結果、係合の感覚により、ハンドヘルド型ピペットチップのユーザに対して、触覚フィードバックをもたらす。同時に、取り付けシャフト上のストッパ部材は、ストッパ部材がチップにおけるシェルフに係合する際にチップへの取付けシャフトの貫通を制限し、これによりチップが完全に取り付けられることを示す。
【0009】
取り付けシャフト上の下方の密閉範囲は、ストッパ部材の下方に延伸する。密閉部の下方は、適合するピペットチップの形状に依存し、好適には、裁頭円錐形をなすようにテーパ状になっているが、円筒形状でもよい。同様に、ピペットチップは好ましくは、ピペットチップバレルの上方端部で、円周シェルフの下方に位置される密閉範囲において、密閉リングを有する。チップ密閉範囲の形状は、取り付けシャフトの下方密閉部の形状と適合するべきである。チップが取り付けシャフトにおいて取り付けられる際に、ピペットチップにおける円周シェルフは、密閉範囲からつば部の変形を隔離し、これにより密閉リングが位置される密閉範囲(即ち、ピペットチップバレルの内側表面に対する円形円周)の丸みを維持する。取り付けシャフトの密閉部の下方の周囲における密閉リングの信頼性高い係合を促進するために、この点は重要である。
【0010】
取り付けシャフトがチップのつば部に押し込まれる際、取り付けシャフトの先端、すなわち、下方密閉部が、ピペットチップにおける円周シェルフを通して入り込み、密閉リングと接触するところに第1接触点が位置する。取り付けシャフトがさらにピペットチップの穴に押圧されると、円形からつば部の上方を屈曲するために、取り付けシャフトのローブにおける傾斜部がチップのつば部上の固定リングに係合する際に、密閉リングの干渉が同時に増加する。上述したように、全体的に挿入される力が比較的小さく、人間工学に基づくものであるが、力は、非常に増大し、チップがほぼ完全に取り付けられることを示す触覚フィードバックをユーザに与える。取り付けシャフトにおけるストッパ部材がピペットチップ上の円周シェルフと係合するまで、この挿入力の増大は、継続し、これにより、チップへの取り付けシャフトの更なる運動を急に停止させる。その時点においてローブもつば部の穴の固定リングの下方でスナップ係合する。これにより、ユーザは、チップを取り付けるための更なる過剰な力を使用しないよう、警告される。これらの相互に関連する取り付け状態により、密閉リングにおいて一貫して密閉し、確実に安定した取り付けがもたらされる。代替的に、密閉リングの最初の係合は、挿入力を低減するために、固定リングの係合に対してずらされる。
【0011】
さらに、チップは、比較的低い取り出し力を要求する。ピペットストリッパスリーブ(pipette stripper sleeve)は、チップつば部の上方端部に対して押し出す際、つば部上の固定リングを取り付けシャフト上の固定ローブから解放するために、比較的小さな取り出し力が必要となる。取り付けシャフトのローブ全面に固定される際、変形された形状のつば部の屈曲は、エネルギを蓄積する。チップがローブから解放される際に、ストリッパからの圧力と蓄積されたエネルギの解放を組み合わせることで、取り付けシャフトからチップを切り離し、これにより、使用後の取り付けシャフトからのチップの便利な取り出しを促進する。
【0012】
いくつかの状況において、チップの挿入及び挿入力をさらに減少させることが好ましい。特にハンドヘルド型のマルチチャンネルピペットの場合、好ましい。この目的を達成するために、取り付けシャフトをピペットチップに対して完全に挿入する前に、ピペットチップと取り付けシャフトとの間の干渉の量を減少させることが好ましい。本発明のひとつの実施形態において、ピペットチップ上の円周密閉リングに干渉をほとんどもしくは全くないようにするために、取り付けシャフト上の密閉範囲の下方で、取り付けシャフトの直径を減少させることで、達成される。そして、ピペットチップ上における円周密閉リングの取り付けシャフトとの効果的な密閉係合を促進するために、取り付けシャフト上の密閉範囲に裁頭円錐形を提供することで達成される。この実施形態は、特に小さい容量のピペット、例えば12.5μlもしくは125μlのピペットチップなどで有益である。裁頭円錐形状の密閉領域の目的は、前もって選択された垂直の移動幅、例えば0.025インチから0.030インチまでの垂直の移動などに適応することであり、それに対し、ピペットチップ上の円周密閉リングが、取り付けシャフト上の裁頭円錐形の密閉範囲に効果的に係合可能である。取り付けシャフト上の裁頭円錐形の密閉範囲の好適なテーパ量は、挟角4°から7°の間であり、好適には、成型されたピペットチップの標準的な製造耐性に適応するように計算される。つまり、標準的な製造耐性の範囲内の大きな円周密閉リングは、取り付けシャフト上の裁頭円錐形の密閉範囲においてわずかに高いところで係合する。
【0013】
もう1つ別の実施形態において、挿入力及び取り出し力をより適切に減少させるために、取り付けシャフトの下方部分の実質的に全ての直径が、小さくされることで、ピペットチップ上の円周密閉リングと取り付けシャフトとの間に干渉がほとんどもしくは全くなくなる。これにより、円周密閉リングを密閉リングよりもむしろ安定リングにさせる。この実施形態において、取り付けシャフトは、環状溝を有し、該溝は密閉リングを含む。好適には、取り付けシャフトは、ピペット先端に信頼できる密閉を生じさせるフルオロエラストマの材質からなるOリングである。この実施形態は、例えば、300μlもしくは1250μl等の比較的大きなピペットチップを有するピペットに対して特に効果的であることが判明してきている。密閉Oリングは、取り付けシャフト上である。好適にはピペットチップのバレルの上方端部に対して密閉するように、位置される。好適には、挿入力及び取り出し力だけでなく、Oリングの長時間の装着を減少させるために、Oリングの中心線は、ピペットチップ上の円周シェルフの下方において、ピペットチップのバレルから0.03インチのみ内側に位置する。
【0014】
もう1つ別の態様において、本発明は、使い捨て可能なピペットチップの構成に関する。該ピペットチップにおいて、密閉リングを有する密閉範囲は、上方の取り付けつば部から密閉範囲を分離及び隔離する円周シェルフの下方に位置する。密閉機能を、つば部もしくはシェルフ範囲からバレルの上方範囲に移すことで、ピペットチップつば部の取り付けの構成の設計制限は、より限定されない。例えば、本発明の好適な実施形態において、つば部は取り付けシャフトに取り付けられると、円形から屈曲及び変形される。変形から密閉範囲を隔離するために、円周シェルフの下方のピペットチップ上に密閉範囲を位置させることで、この取り付けの配置が行なわれる。
【0015】
本発明のこれらの及び他の態様、特徴、及び利点は、添付の図面を参照することで、詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の概念が組み込まれた、ハンドヘルド型の、電子空気移動ピペットの斜視図である。
【0017】
【図2】本発明の好適な実施形態に従ったピペットチップ及びピペットチップ取り付けシャフトを示す斜視図である。
【0018】
【図3】図2に示される取り付けシャフト及びピペットチップの側面図である。
【0019】
【図4】図3に示される線4−4に沿って取りだされた長手方向断面図である。
【0020】
【図5】図4に示される線5−5によって包囲された範囲の詳細の図であり、図2に示される使い捨て可能なピペットチップの上方固定つば部、密閉範囲、円周シェルフを提示する。
【0021】
【図6】図4に示される線6−6によって包囲された範囲の詳細の図であり、図2に示される取り付けシャフトの固定部、密閉部、ストッパ部材を示す。
【0022】
【図7】使い捨て可能なピペットチップへと挿入される取り付けシャフトを示す側面図である。
【0023】
【図8】図7に示される線8−8に沿って取りだされた長手方向の断面図である。
【0024】
【図9】図8に示される線9−9によって包囲された範囲の詳細の図であり、該図は、最終的な係合の前に、取り付けシャフトがピペットチップへと挿入されることを示す。
【0025】
【図10】図9と類似する詳細図であり、取り付けシャフトが、ピペットチップへと完全に挿入されることを示す。
【0026】
【図11】図10に示される線11−11に沿って取りだされた図であり、該図は、ピペットチップが取り付けシャフト上に完全に取り付けられる時に、円形から変形されるピペットチップつば部及び固定リングを示す。
【0027】
【図12】図10と類似する図であり、ピペットチップが取り付けシャフトから除去されていることを示す。
【0028】
【図13】図10と類似する図であり、取り付けシャフトがピペットチップに完全に挿入されていることを示す。取り付けシャフトが変更されることで、本発明のもう1つ別の実施形態に従った環状溝及びOリング密閉を含む。
【0029】
【図14】取り付けシャフトがピペットチップに完全に挿入されていることを示す詳細の図である。取り付けシャフトは本発明のもう1つ別の実施形態に従って変更されてきたことにより、標準の製造耐性の原因となる裁頭円錐形の密閉範囲が組み込まれる。
【0030】
【図15】図14において線15−15により示される範囲の概略図であり、該図は、ピペットチップ上の円周密閉リングと、ピペット取り付けシャフト上の裁頭円錐形の密閉範囲との間の相互作用を示す。
【図16】図14において線15−15により示される範囲の概略図であり、該図は、ピペットチップ上の円周密閉リングと、ピペット取り付けシャフト上の裁頭円錐形の密閉範囲との間の相互作用を示す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1は、ハンドヘルド型の電子空気移動ピペット(10)を示し、該ピペット(10)には、本発明の好適な実施形態に従って構成されるピペット取り付けシャフト(12)と使い捨て可能なピペットチップ(14)が組み込まれている。ピペット(10)は、ユーザの手のひらで持てるように設計されたハウジング(16)を有する。ピペットの内部構成要素(図示せず)は、密閉アセンブリを介して延伸するピストンを駆動させることで、吸引及び分注シリンダ内の空気を移動させる。
ピペット取り付けシャフト(12)は、ねじ山が付されるか、あるいはピペットの下方端部に取り付けられ、これにより、吸引及び分注チャンバと流体連通を行なう。取り付けシャフトをピペットに取り付けることは、本発明の概念とは特に関係しないものであり、従来技術として周知である。
ユーザに対してボタン(18)が提供されることで、ユーザは、電子ピペットに吸引及び分注の指示を行なうことが可能である。ピペット(10)はまたレバー(20)を有し、該レバーは、矢印(22)の方向に、取り出し機構スリーブ(24)を下方に動かし、使い捨て可能なピペットチップ(14)を取り付けシャフト(12)から取り出すように、作動させる。
【0032】
本発明は、ハンドヘルド型の電子空気移動ピペット(10)の使用に対して示すとともに説明されるが、本発明は、使い捨て可能なピペットチップを用いる自動液体処理機器とともに、他の種類のハンドヘルド型のピペットにおいても関連して利用可能である。例えば、本発明により提供される人間工学的な特徴は、特にハンドヘルド型の手動ピペットだけでなく、電子ピペットにも有用である。さらに、ピペットチップの取り付けシャフトへの係合の安全性及び確実性に関する本発明の特徴は、自動液体処理システム及びハンドヘルド型のピペットに対して非常に有用である。
【0033】
図2に示される通り、取り付けシャフト(12)は好ましくは、ねじ山(26)を有し、該ねじ山が、取り付けシャフト(12)を吸引及び分注シリンダ(図示せず)の下方端部に取り付ける。本明細書に記載されるように、取り付けシャフト(12)の寸法は、ピペットチップ(14)の寸法に適合し、これにより、適切な寸法のピペットチップ(14)だけが取り付けシャフト(12)上に嵌合する。つば部と密閉領域において異なる穴の寸法を有するピペットチップを用いるために、
取り付けシャフト(12)及び/又は管状ストリッパシャフト(24)を適切な寸法を有するものと交換することが必要である。
【0034】
図2から図6を参照すると、取り付けシャフト(12)は、中心穴(28)を備え、該穴は、従来技術で周知なように、ピペット(10)における吸引及び分注シリンダと、ピペットチップ(14)との間で、空気通路を供給する。取り付けシャフト(12)は、上方固定部(30)、下方密閉部(32)及び固定部(30)と下方密閉部(32)との間に位置されるストッパ部材(34)を備える。ピペットチップ(14)は一般的に、つば部(36)、バレル(38)、及び円周シェルフ(40)からなり、該円周シェルフは、チップ(14)の内部穴の周囲に延伸するとともに、つば部(36)の下方端部をバレル(38)の上方端部に接続する。つば部(36)の上方端部は、開口部(42)を有し、該開口部は、ピペット取り付けシャフト(12)を受容する。バレル(38)の下方端部には小さい開口部(44)を有し、該小さい開口部を介して液体は、ピペット(10)の通常の動作している間、チップバレル(38)へと吸引され、またチップバレル(38)から分注される。
支持リブ(46)は、つば部(36)からピペットチップ(14)の外側表面上を下方向に延伸する。従来技術で周知なように、支持リブ(46)は、チップ(14)又はチップ(14)のアレイを、連続的な使用のためにトレイ等にて保持するよう機能する。
【0035】
ピペットチップ(14)の内部表面は、特に図5を参照することで、より詳細に説明がなされる。本発明の態様は、固定リング(48)がなくても達成可能だが、つば部(36)の内側表面は、円周固定リング(48)を有することが好ましい。固定リング(48)は好ましくは、つば部(36)の開口部(42)もしくは、その僅か下方に位置される。固定リング(48)は、つば部(36)の内壁から内方向に僅かに、延伸し、好ましくは0.001インチから0.010インチの範囲で延伸し、これにより、取り付けシャフト(12)上でローブ(50)全体で固定嵌合を提供可能となる。しかしながら、使用後に、取り付けシャフト(12)から使い捨て可能なチップ(14)を効率的且つ効果的な取り出しを妨げるほど、固定リング(48)は、内方向に延伸しないことが重要である。固定リング(48)は、任意で、1又はそれより多くのエアブリード(air bleed)(52)を有する。エアブリードは、任意により、ピペットチップの固定リング(48)のかわりに、もしくは、それに加えて、取り付けシャフト(12)に組み込まれる。上述のエアブリードの第1の目的は、不適切な大きさのピペットチップが、取り付けシャフト上に取り付けられた場合、液体の吸引を防ぐことである。例えば、多くの容量の液体が、誤って少量の液体用に設計されたチップに吸引された場合、ピペットシリンダを汚染する可能性を低減させるためにも重要である。
【0036】
つば部(36)の内側表面は、好ましくはテーパされているか、あるいは僅かに裁頭円錐形である。しかしながら、本発明に基づいた円筒であってもよい。好ましくは、テーパは0°から10°である。いずれにしても、つば部(36)の主要部を介した水平方向の横断面は、好ましくは円形である。
【0037】
バレル(38)の上方部(39)は、ピペットチップ(14)の密閉範囲である。円周密閉リング(54)は、好ましくは、密閉範囲でのバレル(38)の上方部(39)の内側表面から内方向に延伸する。代替的に、密閉は、密閉リング(54)を用いずに達成可能である。バレル(38)での密閉範囲(39)は、好ましくは裁頭円錐形である。しかしながら、本発明に基づいて、実質的に円形であってもよい。好ましいテーパは、1/2°から4°である。密閉リング(54)は、バレル(38)の表面から内方向に0.003インチ延伸し、その長手方向における厚さは0.010インチであることが好ましい。
【0038】
ピペットチップ(14)の円周シェルフ(40)は、つば部(36)の下方部を、バレル(38)の上方部(39)に接続する。図示するように、シェルフ(40)は、角度を有し、チップ(14)の円周の内側周囲に絶え間なく存する。シェルフ(40)は、角度を有する必要はない。例えば、水平であってもよい。シェルフ(40)は、バレル(38)の上方部におけるピペット(14)の密閉範囲(39)から、固定領域あるいはピペットチップ(14)のつば部(36)を分離する役割を備える。図11で最もよく示されるように、取り付けシャフト(12)が完全にピペットチップ(14)へと挿入されていると、つば部(36)は、円形から変形される。シェルフ(40)は、この変形からバレル(38)の上方部における密閉範囲を隔離する役割を有し、これにより、取り付けシャフト(12)の密閉部(32)に対して、密閉リング(54)の効果的な密閉を促進する。また、シェルフは、取り付けシャフト上にチップを正確に位置させる役割を有する。複数のチャネル装置の場合、チップシェルフは、チップからチップへの同一の垂直的な取り付けを確実にする。これにより、ピペット時において、正確かつ一貫性のあるチップの配置が可能となる。
【0039】
本発明に基づいて製造されたピペットチップ(14)は、従来技術で周知であるが、成型されたプラスチック、つまり、多様な添加剤の有無にかかわらず、一般的にポリエチレンもしくはポリプロピレンの成型されたプラスチックから作られていると考えられる。この設計は、射出成型プロセスを手助けする固定リング(48)及び密閉リング(54)を具体化する。このプロセスでリングプラーを用いる代わりに、型の中心で成型されたチップを維持する方法としての役割を果たす。
【0040】
特に図2、3、4及び6を参照すると、取り付けシャフト(12)の密閉部(32)は、ピペットチップバレル(38)の上方部におけるピペットチップの密閉範囲(39)に対応する量で、テーパされる。取り付けシャフト(12)の密閉部(32)の外側表面は、ピペットチップ(14)上で密閉リング(54)と締まり嵌めを形成し、これにより、ピペットチップバレル(38)からの液体及びピペットチップバレル(38)への液体の正確な吸引及び分注をもたらすように気密密閉を提供する。取り付けシャフトの固定部(30)は、好ましくは、円筒形中心安定部(56)(central cylindrical stabilizing section)を備え、該中心安定部は、ストッパ部材(34)のすぐ上及び近接して位置される。ピペットチップ(14)が取り付けシャフト(12)上に取り付けられると、取り付けシャフト(12)の円筒形中心安定部(56)が安定した一直線の配向で支持する手助けを行なう。本発明の利点のひとつは、対をなす固定機構により、チップ(14)が、一貫して一直線の配向で確実に取り付けられることが可能である点である。このことでより長いピペットチップ(14)が使用可能となり、特定の用途において特に望ましい。取り付けシャフト(12)の直径は、中心安定部(56)及び密閉部(32)の上方の間におけるストッパ部材(34)で減少し、この減少は、円周シェルフ(40)での対を成すピペットチップ(14)の直径の減少と比例する。上述のように、この減少は、好ましくは、約0.004から0.040インチの範囲である。これらの部材の目的は、取り付けシャフト(12)上のピペットチップ(14)の確実な安定した固定的係合を提供することであり、密閉を提供することではないため、円筒形安定部(56)及びストッパ部材(34)は、取り付けシャフト(12)の円周を絶え間なく存する必要はない。取り付けシャフト(12)とピペットチップ(14)の間の間隙を提供するために、円筒形安定部(56)の上で、取り付けシャフト(12)の直径は、僅かに減少するもしくは減少しない。取り付けシャフト(12)の固定部(30)の上部は、取り付けシャフト(12)周囲に均等の間隔で配された2もしくはそれより多い固定ローブ(50)だけでなく、固定ローブ(50)の間に広がる、対応する陥凹範囲(58)を含むことが好ましい。ローブ(50)は、比較的緩やかな勾配の斜めの傾斜(60)を有する。取り付けシャフト(12)の垂直軸に対する傾斜(60)の好適な勾配は、10°から20°の間である。ローブ(50)がキャッチ表面(62)(catch surface)を形成するために急に内側に変化するまで、ローブ(50)は、固定部(30)の上部に向かって傾斜(60)に沿って外側に延伸する。
各ローブ(50)のピークにおける傾斜表面(60)及びキャッチ表面(62)との間の交差は、わずかに丸みを有することが好ましい。好適には正確な寸法は対応する対を成すピペットチップ(14)におけるつば部(36)のテーパ量及びチップの壁厚に依存するが、ローブ(50)は、円筒形安定部(56)の外側表面を越えて外側に延伸することが好ましい。
【0041】
取り付けシャフト(12)は、好ましくは機械加工されたスチールから作られる。もしくは、取り付けシャフト(12)は、ポリエーテル・エーテル・ケトン樹脂(PEEK)あるいはポリプロピレンなどの科学的に耐性を有するプラスチックから機械加工又は成型される。そして、特定の寸法は、ピペットチップ(14)の寸法に対応するように選択される。例えば、ストッパ部材(34)と取り付けシャフト(12)のローブ(50)のキャッチ表面(62)との間における距離は、円周シェルフ(40)とピペットチップ(14)のつば部上の固定リング(48)との間における距離に対応するように選択される。
【0042】
図7から図9によると、取り付けシャフト(12)がチップ(14)へと押される際、取り付けシャフト(12)上の密閉部(32)の先端部が、ピペットチップ(14)上の円周シェルフ(40)を介して入り、密閉リング(54)に接触する時の第1の接触点である。取り付けシャフト(12)がチップ(14)へと更に挿入される際、取り付けシャフト(12)の密閉部(32)に対する密閉リング(54)の干渉力が増大する。同時に、ローブ(50)の傾斜範囲(60)は、チップつば部(36)の上方部と係合を始める。代替的に、上述の通り、密閉リング(54)の最初の係合は、挿入力を減少させるために、チップつば部(36)の上方部の係合に対してずらして配される。取り付けシャフト(12)がさらにチップ(14)へ挿入される際、ローブ(50)の傾斜(60)は、チップ(14)のつば部(36)上の固定リング(48)に対して押し、つば部(36)を緩やかに屈曲させ、円形から変形させる。取り付けシャフト(12)の陥凹範囲(58)は、一直線のつば部(30)に対して十分な間隔を提供し、該間隔は、ローブ(50)間で生じる。
ローブ(50)が、つば部(36)を伸張させるよりもむしろ、円形からつば部(36)を屈曲させることを意図する。
【0043】
図10及び11によると、取り付けシャフト(12)がピペットチップつば部(36)へと完全に挿入される際、取り付けシャフト上のストッパ部材(34)は、ピペットチップ14上の円周シェルフ(40)に係合し、これにより、シャフト(12)がチップ(14)へと更に動くことを防止する。係合の時に、チップつば部(36)の内側表面上の固定リング(48)は、取り付けシャフト(12)上のローブ(50)にわたってほぼ同時にカチッという音が生じる。これにより、ピペットチップ(14)は、取り付けシャフト(12)の部分にしっかりと固定され、該固定は、一方では、取り付けシャフト(12)上のストッパ部材(34)と、ピペットチップ(14)上の円周シェルフ(40)との間のしっかりとした係合、一方で、取り付けシャフト(12)上のローブ(50)のキャッチ表面(62)と、チップつば部(36)の固定リング(48)の下面との間のしっかりとした係合によりなされる。図11は、断面図であり、ローブ(50)全面において取り付けシャフト(12)上に固定されたチップつば部(36)を見下ろす状態を示す。つば部(36)は、屈曲され、円形状態から変形される。破線(70)は、つば部(36)の外側表面を示し、該つば部(36)の外側表面は取り付けシャフト(12)に取り付けられる前に、好適な円状で開口する。破線(72)は、取り付けシャフト(12)上のローブ(50)全面に取り付けられる前に、好適な円状におけるつば部(36)の固定リング(48)の内側表面の位置を示す。取り付けられたつば部(36)が屈曲され、円形から変形されるが、つば部(36)下方の円周シェルフ(40)は、構造的完全性により円形のままである。
【0044】
チップ(14)を取り付けるために、つば部(36)を伸張するよりもむしろチップつば部(36)を屈曲及び変形させることで、要求される挿入力は、チップつば部の強固な締まり嵌めもしくは伸張を要求する他の設計と比較して、比較的小さい。取り付けシャフト(12)がチップ(14)に挿入されると、チップ上の密閉リング(54)との干渉の耐性が僅かに増大し、傾斜ローブ(50)の直径が増大することにより、ユーザは、完全係合が近いことを感知する。完全係合のはっきりとしたフィードバックは、ストッパ部材(34)が円周シェルフ(40)に係合し、固定リング(48)がローブ(50)全体にパチッと音がするときに生じる。横力がチップに対して適応され、例えば接触手順において、横力がチップに対して適用されると、固定係合は、強固で、意図しないチップの取り外しが減少する。
【0045】
さらに、システムは、特にハンドヘルド型ピペットに対して有利な低い取り出し力を可能にする。上述のように、取り付けられたつば部(36)において、エネルギを蓄積するつば部(36)の円形からの変形は、使用後にチップ(14)を取り外すのに有益である。従来の取り出し又は除去機構は、チップ(14)を取り出すために、つば部(36)の上部を押し、ローブ50全面において固定リング(48)を押すのに用いられる。図12は、下方向(矢印22a)に動くストリッパチューブ(24)を示し、該チューブは、チップ(14)を取り出すために、つば部(36)の上部を押す。固定リング(48)がローブ(50)のピークを除去すると、変形されたつば部(36)で蓄積されるエネルギが解放され、取り付けシャフト(12)からチップ(14)が効果的に取り出すよう促進する。
【0046】
本発明の好適な実施形態は、図面と関連付けて説明してきたが、本発明の様々な形態及び特徴は、他の形で実行されうる。例えば、取り付けシャフト(12)は、2より多くのローブを有する必要はない。さらに、上述したように、取り付けシャフトがピペットチップに挿入される際、本発明の好適な実施形態が低い挿入力及び取り出し力、そして触覚フィードバックを提供する一方、本発明は、これらの特性を重要でないとする自動液体操作システムにおいて非常に有益である。
【0047】
好的ではないが、ピペットチップでの密閉範囲をシェルフ下方からシェルフ上方へと移動させることが望まれている。そして、取り付けシャフトを構成することで、ストッパ下方よりむしろ上方で密閉に適応するのが望まれている。好適な設計ではないが、そのような設計は好ましくは本発明に基づき、上述した固定ローブを有する取り付けシャフトを含む。しかしながら、チップの密閉範囲は十分に変形からは隔離されてなければならない。これは通常、密閉範囲はシェルフに近接して位置するとともに、取り付けシャフトローブにより変形されるつば部の上方部から比較的離れて位置することが求められている。
【0048】
挿入力及び射出力をさらに減少させるように設計される本発明のもう1つ別の実施形態は、図13に示される。図13において、ピペットチップ(14)は、例えば図3から図5のような、先の図面に示されるものと、同一もしくは類似する構成を有する。上述の図面がピペットチップ(14)の部品を示すように、この点において、同一の参照番号が図13に用いられる。例えば、図13に示されるピペットチップ(14)は一般的につば部(36)、バレル(38)及びチップ(14)の内部穴の周囲に延伸するとともにバレル(38)の上方端部(39)のつば部の下方端部に接続される円周シェルフ(40)からなる。ピペットチップは、バレル(38)の内側表面上の円周リング(54)を含み、上述の実施形態では円周密閉リングとしての役割を果たすが、本実施形態では、取り付けシャフト(112)に施された変更により、密閉リングとしての役割を有さない。ピペットチップ(14)はまた、好ましくは、円周固定リング(48)を含み、該リングは、以前に述べたように、つば部(36)の開口部より僅かに下方、もしくは開口部にて、つば部(36)の内側表面に沿って存する。
【0049】
図13において、取り付けシャフト(112)に変更が施されることにより、密閉部下方(132)の直径は、先の実施形態と比較して減少される。取り付けシャフト(112)がピペットチップ(14)に挿入される際、中心安定部(156)の直径の僅かな減少により、ピペットチップ(14)と取り付けシャフト(112)との間により少ない干渉を与えることが判明したという注意を念頭に置けば、変更された取り付けシャフト(112)の固定部(130)の構成は、先の実施形態記載されるものと非常に類似する。特に、ローブ(50)、段差(34)及びピペットチップ(14)におけるローブ(50)と段差(34)の相互作用に関するものである。
【0050】
図13における取り付けシャフト(112)の下方密閉部(132)が変更されることで、取り付けシャフト(112)のチップ(133)における下方密閉部(133)の直径を減少させ、これにより、ピペットチップ(14)の円周リング(54)と、取り付けシャフト(112)の下方部(132)との間にほとんどもしくは全く干渉がない。密閉リング(137)を有する環状溝(135)は、取り付けシャフト(112)の下方密閉部(132)の上端部に位置する。上述のように、密閉リング(137)は、フルオロエラストマの材質からなるOリングが好ましい。300μlのピペットの場合、好適なOリングは、0.030インチの断面を有し、0.130の内側直径であり、0.147の谷径まで伸張される。そして、Oリング(137)と、ピペットチップ(14)におけるバレル(38)の上方部(39)との間は、0.006インチの締まり嵌めを提供する。1250μlのピペットの場合、好適なOリングは、0.037インチの断面を有し、0.172の内側直径であり、0.189インチの谷径を越えて伸張し、Oリングと、ピペットチップ(14)におけるバレル(38)の上方部(39)との間で、約0.006の干渉を再び生じさせる。好適には、溝(139)は、ピペットチップ(14)のバレル(38)の内側表面の上部(41)の下方約0.015インチ、例えば約0.008インチに存する。このように、ピペットチップ(14)バレル(38)と接触した後に、密閉Oリング(137)は、実質的距離を移動しない。好適には、取り付けシャフト(112)の下方部(132)は、テーパ部(141)を備え、該テーパ部は溝(139)の近位に位置され、該溝は、取り付けシャフト(112)が完全にチップ(14)に挿入後に、ピペットチップ(14)上の円周リング(54)の位置される場所よりも上に存する。ダメージからOリング密閉部(137)を保護するために、溝(139)に近接する際、テーパ部(141)は、外側にテーパされる。該ダメージは、取り付けシャフト(112)がピペットチップ(14)に挿入される際、ピペットチップシェルフ(40)と接触することで引き起こされるかもしれない。
【0051】
一般的には好ましくないが、取り付けシャフトの固定部の上部(130)内において、ある状況下では、溝部(137)及びOリング密閉部(139)を位置させることが好ましい。これにより、Oリング密閉部(137)はピペットチップ(14)のつば部(36)に係合する。
【0052】
挿入力及び取り出し力をさらに減少させるよう設計された本発明のもう1つ別の実施形態は図14から図16において開示されている。ハンドヘルド型のマルチチャンネルピペットを適用するなどのように挿入力及び取り出し力をさらに減少させることは好ましい。Oリング密閉部を用いるのが望ましくないもしくは実用的でない時、図14から図16に示される本発明の実施形態は特に有益である。図14から図16において、ピペットチップ取り付けシャフト(212)の構成が変更され、しかしながら図13に開示される実施形態には、ピペットチップ(14)の構成が先の実施形態に類似するままが好ましい。例えば、図14から図16に示される実施形態は、特に12.5μl及び125μlのピペット容量を有するマルチチャネルピペットを使用するのに非常に適している。図14から図16に示すように、取り付けシャフト(212)の下方部(232)が変更されることで、最下部(233)の直径を減少させる。取り付けシャフトの最下部(233)の直径が減少させることで、ピペットチップ(14)上の円周密閉リング(56)と取り付けシャフトの最下部(233)との間にほとんどもしくは全く干渉が生じない。取り付けシャフト(212)の下方部(232)は、裁頭円錐形の密閉範囲(200)を有し、該範囲は、取り付けシャフトが完全にチップ(14)に挿入される際、円周密閉リング(56)が存すると見込まれる近辺に位置される。取り付けシャフト(212)上の固定部の上部について、図13に示される実施形態のように、中心安定部(256)の直径を僅かに減少させることで、取り付けシャフト(212)とピペットチップ(14)のつば部(36)との間の干渉抗力が減少される。
【0053】
図15及び図16は、取り付けシャフト(212)上の裁頭円錐形の密閉範囲(200)の動作を示す概略図である。裁頭円錐形の密閉範囲(200)の寸法は、図15及び図16において大きくなっていて、本発明のこの態様の概念を示している。特に、図15及び図16において、ピペット(14)の取り付けシャフト(212)への密閉は、ピペットチップ(14)上の円周密閉リング(56)と取り付けシャフト(212)上の裁頭円錐形の密閉範囲(200)との間の干渉によるものである。裁頭円錐形の密閉範囲(200)の特定寸法は、成型されたピペットチップの通常の製造上の耐性を計算するために決定される。通常の製造上の耐性を備えた、一般的に成型された比較的小さな寸法を有するピペットチップは、図15に示されるように、取り付けシャフト(212)がピペットチップに挿入される際、裁頭円錐形(200)の下方部にて締まり嵌めを形成する。一方、通常の製造上の耐性を備えた、比較的大きな寸法を有する成型されたピペットチップは、図16に示されるように、裁頭円錐形の密閉範囲(200)の上部へと係合が成される。取り付けシャフトがピペットチップ(14)に挿入される際に、裁頭円錐形の密閉範囲(200)の下方において、取り付けシャフト(212)は密閉リング(56)に干渉しないことが好ましい。図15において、取り付けシャフト(212)上の段差(34)と円周シェルフとの間、つば部(36)とピペットチップ(14)のバレル(38)との間に僅かな量の間隔がある。一方、図16において、図15に示すような間隔(201)はないが、取り付けシャフト(212)上の段差(34)は、参照番号(202)により示されるが、ピペットチップ(14)のバレル(38)上の円周シェルフ(40)と係合する。裁頭円錐形の密閉範囲(200)の好適な寸法として、そして、効果的な密閉のために関連した垂直方向の移動領域(203)として、記述される裁頭円錐形の密閉範囲(200)を使用することは、上述のように、上方固定部(230)のピペットチップ(14)のつば部(36)内における場所に固定させる能力にほとんどもしくは全く効果がないことが判明した。
【0054】
統計的品質管理の分析を用いると、裁頭円錐形の密閉範囲(200)に対する好適な垂直方向の移動(203)の範囲は、12.5μlのピペットチップの場合、0.025インチであり、それにより、密閉範囲(200)は、5°の挟角を有する。一方、125μlのピペットの場合、好適な垂直方向の移動の範囲は、0.03インチで、挟角4°を有する。これらの寸法が選択されることで、0.002インチの公称干渉を提供し、効果的な密閉を確保する。そして、これらの寸法が選択されることで、移動範囲は、密閉リング(56)において、プラスマイナス3倍の標準偏差で、平均的なピペットチップの寸法を含む。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピペットシステムであって、
使い捨て可能なピペットチップを有し、
該ピペットチップは、下方に開口部を有するバレルを備え、該開口部を介して、液体が前記バレルに吸引されるとともに前記バレルから分注され、前記バレルは、前記バレルの上方端部において、密閉範囲を有し、
前記ピペットチップはさらに、
ピペット取り付けシャフトを受容する、上方に開口部を有するつば部を備え、前記つば部の下方端部は、前記バレルの上方端部の内径よりも大きな内径を有し、
前記ピペットチップはさらに、
円周シェルフを備え、該シェルフは前記つば部の下端部を前記バレルの上方端部に接続させ、
前記ピペットシステムはさらに、
ピペット取り付けシャフトを有し、
該ピペット取り付けシャフトは、環状溝を含む下方部を備え、該環状溝は、前記環状溝に位置する、密閉リングを有し、
前記ピペット取り付けシャフトはさらに、
上方固定部を備え、前記固定部は前記取り付けシャフトのストッパを有し、前記ストッパは、前記取り付けシャフトが完全に前記ピペットチップの前記つば部に挿入される際に、前記ピペットチップの前記円周シェルフと係合し、
前記ピペット取り付けシャフトはさらに、
前記取り付けシャフト上の前記ストッパの上に位置する2もしくはそれ以上の外側に延伸するローブを備え、該ローブは、前記つば部の表面内部と係合し、
前記ピペット取り付けシャフトはさらに、
前記ローブの間の解放部を備え、これにより、前記ピペットチップが完全に前記取り付けシャフトに取り付けられる際、前記つば部は、前記ローブにおいて外側に変形し、前記解放部において内側に変形し、
前記密閉リングは、前記取り付けシャフトが前記ピペットチップに完全に挿入される際、前記使い捨て可能なピペットチップの前記バレルの上方端部において、前記密閉範囲に係合することを特徴とする、ピペットシステム。
【請求項2】
前記ピペットチップバレルの内側表面は、前記円周シェルフの下方に円周安定リングを有し、
前記取り付けシャフト上の下方部の前記密閉リングは、前記取り付けシャフト上の前記固定部の下方に位置するとともに、前記密閉リングは、前記密閉シャフトが完全に前記ピペットチップに挿入される際、前記円周安定リング上の位置で、前記使い捨て可能なピペットチップの前記バレルの上方端部にて前記密閉範囲と係合することを特徴とする、請求項1記載のピペットシステム。
【請求項3】
前記システムはハンドヘルド型であり、空気移動ピペットシステムであることを特徴とする、請求項1記載のピペットシステム。
【請求項4】
前記密閉リングは、エラストマの材質からなるOリングであることを特徴とする、請求項1記載のピペットシステム。
【請求項5】
前記密閉リングはOリングであり、前記Oリングが存する前記溝の上方端部は、前記取り付けシャフトが完全に前記ピペットチップに挿入される際、前記ピペットチップ上の前記円周シェルフの約0.015インチのみ下方に存することを特徴とする請求項1記載のピペットシステム。
【請求項6】
前記Oリングの中央線は、前記取りつけシャフトが完全にピペットチップに挿入される際、前記ピペットチップの前記バレル表面内側に沿って、前記円周シェルフの約0.03インチのみ下方に存することを特徴とする、請求項5記載のピペットシステム。
【請求項7】
前記密閉リングの前記溝の下方の前記取り付けシャフト上の下方部の前記直径は、より小さくなることで、前記取り付けシャフトと前記ピペットチップ上の前記安定リングの間の締まり嵌めを回避することを特徴とする、請求項2記載のピペットシステム。
【請求項8】
各ローブは斜めの傾斜部を有し、前記取り付けシャフトが前記ピペットチップに挿入されると、該傾斜部は、前記ピペットチップつば部の変形を促進することを特徴とする、請求項1記載のピペットシステム。
【請求項9】
前記取り付けシャフトは少なくとも3つのローブを有し、該ローブは、前記つば部の表面内側に係合することを特徴とする、請求項1記載のピペットシステム。
【請求項10】
前記取り付けシャフトの前記固定部と前記ピペットチップとの間の前記特定の寸法関係が決定されることにより、誤った大きさのピペットチップが、前記取り付けシャフトに適切に取り付けられないことを特徴とする請求項1記載のピペットシステム。
【請求項11】
前記システムは、複数のピペット取り付けシャフトを備え、各シャフトは、前記ピペット取り付けシャフトの請求項1記載の制限に従うことを特徴とする、請求項1記載のピペットシステム。
【請求項12】
ピペットシステムであって、
使い捨て可能なピペットチップを備え、
該使い捨て可能なピペットチップは下方に開口部を有するバレルを備え、該開口部を介して、液体が前記バレルに吸引されるとともに前記バレルから分注され、
前記ピペットチップはさらに、
ピペットチップ取り付けシャフトを受容する、上方に開口部を有するつば部を備え、前記つば部の下方端部は、前記バレルの上方端部の内径よりも大きな内径を有し、
前記ピペットチップはさらに、
円周シェルフを備え、該シェルフは前記つば部の下方端部を前記バレルの上方端部に接続させ、
前記ピペットシステムはさらに、
ピペットチップ取り付けシャフトを有し、
該ピペットチップ取り付けシャフトは、ストッパを含む固定部を有し、前記ストッパは、前記取り付けシャフトが完全に前記ピペットチップの前記つば部にに挿入される際に、前記ピペットチップの前記円周シェルフと係合し、
前記ピペットチップ取り付けシャフトはさらに、
前記取り付けシャフト上の前記ストッパの上に位置する2もしくはそれ以上の外側に延伸するローブを備え、該ローブは、前記つば部の表面内部と係合し、
前記ピペットチップ取り付けシャフトはさらに、
前記ローブの間の解放部を備え、これにより、前記ピペットチップが完全に前記取り付けシャフトに取り付けられる際、前記つば部は、前記ローブにおいて外側に変形し、前記解放部において内側に変形し、
前記ピペットチップ取り付けシャフトはさらに、
密閉リングを有する環状溝を備え、該密閉リングは前記環状溝に位置され、前記取り付けシャフト上の前記密閉リングは、前記取り付けシャフトが完全に前記ピペットチップに挿入する際、前記ピペットチップの前記表面内側上の密閉範囲に係合することを特徴とする、ピペットシステム。
【請求項13】
前記システムは、複数のピペット取り付けシャフトを備え、各シャフトは、前記ピペット取り付けシャフトの請求項12記載の制限に従うことを特徴とする、請求項12記載のピペットシステム。
【請求項14】
前記ピペットチップの内側表面上の密閉範囲は、前記バレルの上方端部に配され、
前記取り付けシャフトの固定部は、上部固定部であり、前記取り付けシャフトはさらに下方部を有し、該下方部は、前記環状溝及び前記密閉リングを含み、
前記取り付けシャフトの前記密閉リングは、前記取り付けシャフトが完全に前記ピペットチップに挿入される際、前記密閉範囲と、前記使い捨て可能なピペットチップの前記バレルの前記上方端部で係合することを特徴とする、請求項12記載のピペットシステム。
【請求項15】
前記つば部の前記表面内側は、円周固定リングを含み、前記ピペットチップが完全に前記取り付けシャフトに取り付けられる際に、前記取り付けシャフト上の2もしくはそれ以上の外側に延伸するローブは、前記つば部の表面内側上で係合されることを特徴とする、請求項1もしくは請求項12記載のピペットシステム。
【請求項16】
ピペットシステムであって、
使い捨て可能なピペットチップを備え、
該使い捨て可能なピペットチップは下方に開口部を有するバレルを備え、該開口部を介して、液体が前記バレルに吸引されるとともに前記バレルから分注され、
前記ピペットチップはさらに、
前記バレルの内側表面に沿って、円周密閉リングを備え、
前記ピペットチップはさらに、
ピペット取り付けシャフトの下方端部を受容する、上方に開口部を有するつば部を備え、前記つば部の下方端部は、前記バレルの上方端部の内径よりも大きな内径を有し、
前記ピペットチップはさらに、
円周シェルフを備え、該シェルフは前記つば部の下方端部を前記バレルの上方端部に接続させ、
前記ピペットシステムはさらに、
ピペット取り付けシャフトを有し、
該ピペット取り付けシャフトは、上部固定部を備え、前記固定部は前記取り付けシャフトのストッパを有し、前記ストッパは、前記取り付けシャフトが完全に前記チップの前記つば部に挿入される際、前記ピペットチップの前記円周シェルフと係合し、
前記ピペット取り付けシャフトはさらに、
前記取り付けシャフト上の前記ストッパの上に位置する2もしくはそれ以上の外側に延伸するローブを備え、該ローブは、前記つば部の表面内部と係合し、
前記ピペット取り付けシャフトはさらに
前記ローブの間の解放部を備え、これにより、前記ピペットチップが完全に前記取り付けシャフトに取り付けられる際、前記つば部は、前記ローブにおいて外側に変形し、前記解放部において内側に変形し、
前記ピペット取り付けシャフトはさらに、
前記固定部の下方に位置される裁頭円錐形を有する下方密閉部を備え、前記取り付けシャフト上の前記裁頭円錐形の密閉部は、前記取り付けシャフトが前記ピペットチップに挿入される際、前記ピペットチップ上の前記円周密閉リングに対して、締まり嵌めを提供し、前記裁頭円錐形の部分の高さは、前記ピペットチップの前記シェルフに対して前記取り付けシャフト上の前記ストッパの完全な係合の前に、選択された垂直の移動幅に対応することを特徴とする、ピペットシステム。
【請求項17】
前記ピペットチップ上の前記円周密閉リングの前記内径は、裁頭円錐形の密閉部の下方における前記取り付けシャフトの直径と同じ、もしくは裁頭円錐形の密閉部の下方における前記取り付けシャフトの直径よりもわずかに大きいことを特徴とする、請求項16記載のピペットシステム。
【請求項18】
前記裁頭円錐形の密閉部の前記直径は、通常の製造上の耐性により、前記円周リングの寸法の違いを計算するために調整されることを特徴とする、請求項16記載のピペットシステム。
【請求項19】
前記裁頭円錐形は、約4°から約7°の間の挟角を有することを特徴とする、請求項16記載のピペット。
【請求項20】
前記つば部の内側表面は、前記円周固定リングを有し、前記取り付けシャフト上の、2もしくはそれ以上の外側に延伸するローブは、前記ピペットチップが完全に前記ピペット取り付けシャフトに取り付けられる際、前記つば部の前記内側表面上の固定リングと係合することを特徴とする、請求項16記載のピペットシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公表番号】特表2011−502752(P2011−502752A)
【公表日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−532231(P2010−532231)
【出願日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【国際出願番号】PCT/US2008/081716
【国際公開番号】WO2009/058952
【国際公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【出願人】(510003612)ヴィアフロ コーポレーション (4)
【Fターム(参考)】