説明

固定床型微生物リアクター、その減圧方法、および固定床型微生物培養装置

【課題】従来の固定床型微生物培養装置では、増殖速度が遅い嫌気性アンモニア酸化細菌などの独立栄養性細菌に排水などの原水を通水することにより発生したガスが、固定床内に滞留して原水の流量が減少するという問題があった。
【解決手段】独立栄養性細菌などの微生物が担持された固定床22に原水26が通水される固定床型微生物リアクター1において、固定床22が構成されるリアクター本体10と、リアクター本体10内の固定床22の上方の空寸部10aに連通される排気管31と、排気管31の途中部に配置されるチャンバー11と、排気管31におけるチャンバー11と排気管出口31cとの間に配置される開放バルブV3と、排気管31におけるチャンバー11とリアクター本体10との間に配置される減圧バルブV5と、チャンバー11に接続された減圧用の吸引ポンプ12とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微生物が担持された固定床に原水が通水される固定床型微生物リアクター、およびその減圧方法、および固定床に担持された微生物の培養を行う固定床型微生物培養装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、固定化した微生物を用いた排水などの処理装置として、例えば固定床型微生物リアクターが知られている。この固定床型微生物リアクターなどには、固定化される微生物として、独立栄養性アンモニア酸化細菌やメタン菌などの嫌気性の細菌が用いられることがある。
特に、アンモニア態窒素を含む排水を処理する場合には、アンモニア態窒素と亜硝酸態窒素とから直接窒素を生成する反応を起こす微生物である独立栄養性の嫌気性アンモニア酸化(Anaerobic Ammonium Oxidation)細菌(所謂Anammox菌)が用いられることがある。これにより、流入排水中のアンモニア態窒素の50%を亜硝酸態窒素に酸化させるだけで脱窒が可能となり、硝化に要する酸素供給量を半減できる。また、脱窒のために外部から水素供与体を補填する必要がなくなるため、画期的な窒素除去プロセスを構築することが可能とされている。
このように、独立栄養性の嫌気性アンモニア酸化細菌を用いてアンモニア態窒素を含む排水を処理することは特許文献1に開示されている。
【0003】
しかし、前述の嫌気性アンモニア酸化細菌などの独立栄養性細菌は、その増殖速度が他の微生物に比べて非常に遅いため、嫌気条件下で固定床に固定しながら培養して増殖させる必要がある。
さらに、固定床に固定した独立栄養性細菌を用いて排水処理を行う場合、高負荷処理を行うためには独立栄養性細菌を高密度に保持する必要がある。
【0004】
また、独立栄養性細菌を固定床に固定した固定床型微生物リアクターにて排水処理や培養を行う場合、リアクター本体内に構成される固定床に対する排水の通水を上昇流、又は、下降流で行うことが考えられる。しかし、上昇流を採用した場合、細菌の反応により発生したガスの流れと排水の流れとが同じ流れ方向となるため(ガスおよび排水がともに上昇するため)、発生したガスにより細菌が巻き上げられて浮上するとともに、この細菌が排水の流れに同伴して大量に流出してしまう恐れがある。
このように細菌が大量に流出してしまうと、細菌の準備作業などを含め、装置の立ち上げに多くの時間を要したり、排水の処理が不安定になったりという問題が生じる。
特に、前記嫌気性アンモニア酸化細菌などの増殖速度が極めて遅い細菌は入手することが困難であるため、流出した細菌を補充するために追加投入することが容易ではない。
【0005】
一方、下降流を採用した場合、固定床内において細菌の反応により発生したガスと排水との流れが向流となるため(ガスは浮上し、排水は下降するため)、細菌が反応して発生したガスの浮上によって細菌が巻き上げられたとしても、排水の流れによって細菌の浮上が抑えられ、微生物が固定床から大量に流出することを防止できる。これにより、装置の立ち上げ時間を短縮するとともに、排水の処理を安定化することが可能となる。
しかし、下降流を採用した場合は、発生したガスの浮上が排水の流れにより抑制されるため、固定床内への前記ガスの滞留が顕著に発生することとなり、流下する排水の流路が偏って排水の流量が減少してしまうという問題が生じる。
なお、固定床型のリアクターにおいて下降流を採用したものが特許文献2に開示されている。
【特許文献1】特開2007−117967号公報
【特許文献2】特開平10−113650号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明においては、上記問題を解決するべく、増殖速度が遅い嫌気性アンモニア酸化細菌などの独立栄養性細菌に排水などの原水を通水した際に、細菌の反応により発生したガスが固定床内に滞留して、原水の流量が減少することを効果的に抑制し、原水の処理効率を向上することができる固定床型微生物リアクター、およびその減圧方法、ならびに前記独立栄養性細菌を効率良く培養することができる固定床型微生物培養装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決する固定床型微生物リアクター、その減圧方法、および固定床型微生物培養装置は、以下の特徴を有する。
即ち、請求項1に記載のごとく、微生物が担持された固定床に原水が通水される固定床型微生物リアクターにおいて、前記固定床が構成されるリアクター本体と、前記リアクター本体内の前記固定床の上方の空寸部に連通される排気管と、前記排気管の途中部に配置されるチャンバーと、前記排気管における前記チャンバーと排気管出口との間に配置される第一開閉弁と、前記排気管における前記チャンバーとリアクター本体との間に配置される第二開閉弁と、前記チャンバーに接続された減圧用ポンプとを有する。
これにより、前記排気管における第一開閉弁、および第二開閉弁を閉鎖した状態でチャンバーを減圧した後に、前記第二開閉弁を開放してリアクター本体内を急減圧することで、微生物の反応により発生し固定床内に滞留しているガスを急激に膨張させ、破裂を伴わせるなどして固定床から排出させることができ、固定床内に滞留しているガスを効果的に除去することが可能となる。
従って、固定床を通過する原水の流路が偏った状態や、原水の流路面積が小さくなった状態を解消して、減少した原水の流量を効果的に回復することができ、微生物と原水との反応を促進して、原水の処理効率を向上することができる。
【0008】
また、請求項2に記載のごとく、前記チャンバーの容積が、前記リアクター本体の前記空寸部の容積の30〜150%である。
これにより、固定床内に滞留しているガスを効果的に除去することができるだけのチャンバーの減圧状態を、比較的容易に得ることが可能となる。
【0009】
また、請求項3に記載のごとく、前記チャンバーの容積が、前記リアクター本体の容積の3〜50%である。
これにより、固定床内に滞留しているガスを効果的に除去することができるだけのチャンバーの減圧状態を、比較的容易に得ることが可能となる。
【0010】
また、請求項4に記載のごとく、前記固定床の上方から下方へ向けて前記原水が通水される。
これにより、固定床内で微生物が反応して発生したガスの浮上によって微生物が巻き上げられたとしても、排水の流れによって微生物の浮上が抑えられ、微生物が固定床から大量に流出することを防止できる。また、これにより、微生物による安定した反応を確保することができる。
【0011】
また、請求項5に記載のごとく、前記固定床がビール粕成形炭により構成される。
このように、ビール粕成形炭にて構成される固定床は、加工が比較的容易であるとともに、様々な元素を含有しているため微生物の生育がよく、優れた原水の処理能力を発揮することができる。
【0012】
また、請求項6に記載のごとく、前記微生物が独立栄養性の嫌気性アンモニア酸化細菌である。
このように、前記微生物として独立栄養性の嫌気性アンモニア酸化細菌を用いることで、アンモニア態窒素を含む原水を処理する際には、リアクター本体内に流入する原水中のアンモニア態窒素の半分を亜硝酸態窒素に酸化させておくだけで脱窒が可能となり、硝化に要する酸素供給量を半減できるとともに、脱窒のために外部から水素供与体を補填する必要がなくなるため、画期的な窒素除去プロセスを構築することが可能となる。
【0013】
また、請求項7に記載のごとく、微生物を担持した固定床が構成されるリアクター本体と、前記リアクター本体内の前記固定床の上方の空寸部に連通される排気管と、前記排気管の途中部に配置されるチャンバーと、前記排気管における前記チャンバーと排気管出口との間に配置される第一開閉弁と、前記排気管における前記チャンバーとリアクター本体との間に配置される第二開閉弁と、前記チャンバーに接続された減圧用ポンプとを有し、前記固定床に原水が通水される固定床型微生物リアクターの減圧方法であって、前記第一開閉弁および第二開閉弁を閉鎖した状態で前記チャンバーを減圧した後に、前記第一開閉弁を開放して前記リアクター本体内を急減圧する。
これにより、前記排気管における第一開閉弁、および第二開閉弁を閉鎖した状態でチャンバーを減圧した後に、前記第二開閉弁を開放してリアクター本体内を急減圧することで、固定床内に気泡となって滞留しているガスを急激に膨張させ、気泡同士を結合させるなどして固定床からの排出を促すことができ、固定床内に滞留しているガスを効果的に除去することが可能となる。
従って、固定床を通過する原水の流路が偏った状態や、原水の流路面積が小さくなった状態を解消して、減少した原水の流量を効果的に回復することができ、嫌気性アンモニア酸化細菌と原水との反応を促進して、原水の処理効率を向上することができる。
【0014】
また、請求項8に記載のごとく、請求項7に記載のプロセスを前記固定床を通過する原水の流量回復処理とし、一回の流量回復処理において、前記第一開閉弁および第二開閉弁を閉鎖した状態で前記チャンバーを減圧した後に、前記第一開閉弁を開放して前記リアクター本体内を急減圧する処理を、複数回実施する。
これにより、減圧速度の大きい減圧操作を複数回実施できることになるため、固定床内に滞留しているガスを効果的に除去することが可能となる。
【0015】
また、請求項9に記載のごとく、前記リアクター本体内の減圧速度が−6kPa/s以上である。
これにより、固定床内に滞留しているガスの除去を特に効果的に行うことが可能となる。
【0016】
また、請求項10に記載のごとく、固定床に担持された微生物の培養を行う固定床型微生物培養装置であって、前記固定床が構成される培養装置本体と、前記培養装置本体内の前記固定床の上方の空寸部に連通される排気管と、前記排気管の途中部に配置されるチャンバーと、前記排気管における該排気管の出口とチャンバーとの間に配置される第一開閉弁と、前記排気管における前記チャンバーと培養装置本体との間に配置される第二開閉弁と、前記チャンバーに接続された減圧用ポンプとを有し、前記固定床に原水が通水される。
これにより、前記排気管における第一開閉弁、および第二開閉弁を閉鎖した状態でチャンバーを減圧した後に、前記第二開閉弁を開放してリアクター本体内を急減圧することで、固定床内に気泡となって滞留しているガスを急激に膨張させ、気泡同士を結合させるなどして固定床からの排出を促すことができ、固定床内に滞留しているガスを効果的に除去することが可能となる。
従って、固定床内を通過する原水の流量を確保することができ、微生物の培養を、効率的かつ短期間で行うことができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、固定床に担持されている微生物の反応により固定床内に滞留したガスを効果的に除去することが可能となる。
従って、固定床を通過する原水の流路が偏ったり、原水の流路面積が小さくなったりすることを防止して、原水の流量の減少を効果的に抑制することができ、微生物と原水との反応を促進し、原水の処理効率を向上することができる。
また、固定床に担持されている微生物を、効率的かつ短期間で培養することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
次に、本発明を実施するための形態を、添付の図面を用いて説明する。
【0019】
図1に示す固定床型微生物リアクター1は、リアクター本体10内に排水などの原水26を供給して微生物が担持された固定床22に通水することにより、前記原水26の浄化処理を行うものである。本例の場合、浄化処理を行う対象となる原水26としては、例えばビール工場などの食品工場にて生成される排水が考えられる。
【0020】
前記固定床22は、リアクター本体10内に充填した多数の担体21・21・・・を、該リアクター本体10の下部に配置される支持部材15により支持することで構成されている。
前記担体21・21・・・には、原水26の処理を行う微生物が担持されている。担体21・21・・・に担持させる微生物として、本例では独立栄養性アンモニア酸化細菌やメタン菌などの嫌気性の細菌が用いられている。
【0021】
特に、原水26がアンモニア態窒素を含む排水である場合には、アンモニア態窒素と亜硝酸態窒素から直接窒素を生成する反応を起こす微生物である嫌気性アンモニア酸化細菌(所謂Anammox菌)を用いることが好ましい。
これは、原水26の処理を行う際に、リアクター本体10内に流入する原水26中のアンモニア態窒素の50%を亜硝酸態窒素に酸化させるだけで脱窒が可能となり、硝化に要する酸素供給量を半減できるとともに、脱窒のために外部から水素供与体を補填する必要がなくなるため、画期的な窒素除去プロセスを構築することが可能となるためである。
【0022】
また、本例の場合、前記担体21・21・・・はビール粕成形炭にて構成されている。ビール粕成形炭は、加工が比較的容易であるとともに、様々な元素を含有しているため独立栄養性細菌の生育がよく、担体素材として特に優れている。
但し、ビール粕成形炭以外にも、オガクズ等の破砕木材、ビール粕、ウイスキー粕、麦根、製麦粕、ワイン粕、酒粕、醤油粕、おから、ふすま、コーヒー粕、茶粕、リンゴ粕、ホップ粕、酵母、残飯、梅酒残渣等の有機性廃棄物を炭化させたものや、ポリエステル不織布、アクリル繊維、樹脂成形体などを担体21・21・・・として用いることも可能である。
【0023】
前記リアクター本体10の上部には原水供給管36が配置されており、処理対象となる原水26が原水供給管36からリアクター本体10内に供給され貯溜される。
前記原水供給管36の途中部には原水供給バルブV6が介装されており、該原水供給バルブV6により原水供給管36からの原水26の供給および供給停止の切り換え、ならびに原水26の供給量の調節を行うことが可能となっている。
【0024】
リアクター本体10内に貯溜される原水26の水位は、Laとなるように設定されている。設定水位Laは前記固定床10の上端よりも高位であって、前記リアクター本体10の上端よりも低位である。
これにより、固定床22を構成する全ての担体21・21・・・が原水26に浸漬されるとともに、リアクター本体10の上端部に所定の容積を有する空寸部10aが構成される。
【0025】
前記リアクター本体10内における固定床22の下方には集水部10bが構成されており、集水部10b内には集水管14が配置されている。
前記集水管14は、例えば複数の通水孔が形成されたパイプ状部材にて構成されており、該集水管14にはリアクター本体10の外部に延出する排水管35が接続されている。
そして、前記集水管14により集水部10b内の原水26を集水し、前記排水管35を通じて外部に排出するように構成されている。
【0026】
前記排水管35の途中部には、前記固定床22よりも高位に位置し、前記設定水位Laよりも低位に位置する高位部35aが形成されている。
前記高位部35a内を流れる原水26の水位Lbは、前記固定床22の上端よりも高位に位置するとともに、前記設定水位Laよりも低位に位置しており、前記設定水位Laと高位部35a内の水位Lbとの水位差はΔLとなっている。
【0027】
この水位差ΔLは、前記設定水位Laと前記集水管14の高さ位置Lcとの水位差ΔL1に対して大幅に小さくなっており、前記集水管14の高さ位置Lcから排水する場合と比較して、前記高位部35aを通じて排出する場合の流量は少なくなるようになっている。
つまり、前記設定水位Laと水位Lbとの間に生じる原水26の差圧は、設定水位Laと集水管14の高さ位置Lcとの間に生じる原水26の差圧に対して、大幅に小さいものであり、この差圧が小さくなることによって、前記排水管35から排出される原水26の流量が少量に抑えられることになる。
そして、これにより、原水供給管36から供給された原水26をリアクター本体10内(詳しくは固定床10内)に長時間滞留させることが可能となり、原水26の独立栄養性細菌による処理および独立栄養性細菌の増殖を、安定して効率良く進行させることが可能となっている。
【0028】
また、前記排水管35における前記高位部35aより上流側には、該排水管35を流れる原水26の流量を調節可能な排水バルブV1が介装されている。
さらに、前記排水管35の前記排水バルブV1と高位部35aとの間には流量計55が介装されている。
前記排水バルブV1には前記流量計55にて検出された原水26の流量がフィードバックされており、該排水バルブV1はフィードバックされた原水26の流量に基づいて排水管35を流れる原水26の流量を調節することが可能となっている。
そして、本例の場合、排水バルブV1は、リアクター本体10に貯溜される原水26の水位が前記設定水位Laに保持されるように、排水管35を流れる原水26の流量を調節している。
【0029】
以上のように、固定床型微生物リアクター1においては、原水供給管36からリアクター本体10内へ原水26を供給し、供給した原水26を固定床22に通水させた後に集水部10bにある集水管14にて集水することで、前記独立栄養性細菌の反応により処理された原水26を前記排水管35から取り出すことが可能となっている。
【0030】
また、前記リアクター本体10の上端部に形成される空寸部10aは密閉されており、該空寸部10aの天井面には排気管31が接続されている。また、前記排気管31の途中部にはチャンバー11が介装されている。
前記排気管31は、リアクター本体10の空寸部10aとチャンバー11との間に設けられる上流側排気管31aと、チャンバー11と排気管出口31cとの間に設けられる下流側排気管31bとで構成されている。
【0031】
前記上流側排気管31aの途中部には、該上流側排気管31aの流路を開閉する減圧バルブV5が介装され、前記下流側排気管31bの途中部には、該下流側排気管31bの流路を開閉する開放バルブV3が介装されている。
【0032】
前記チャンバー11には吸引管32を介して吸引ポンプ12が接続されており、該吸引ポンプ12によりチャンバー11内の気体を吸引して減圧することが可能となっている。前記吸引管32には、該吸引管32の流路を開閉する吸引バルブV4が介装されている。
また、前記吸引ポンプ12には吸引した気体を外部に排出するためのポンプ排気管33が接続されている。
【0033】
また、前記チャンバー11には、窒素供給管34を介して窒素ガスボンベ13が接続されており、該窒素ガスボンベ13からチャンバー11内に窒素(N)ガスを供給可能としている。
前記窒素供給管34の途中部には、該窒素供給管34の流路を開閉する窒素供給バルブV2が介装されている。
【0034】
このように、固定床型微生物リアクター1は、チャンバー11、吸引ポンプ12、および窒素ガスボンベ13などを備えており、前記減圧バルブV5と開放バルブV3の両方を開くことで、前記空寸部10a内を大気解放することができる。
また、前記チャンバー11内の気体を吸引ポンプ12により吸引して減圧した後に減圧バルブV5を開くことで、前記空寸部10a内を減圧することが可能となっている。
さらに、前記空寸部10a内を減圧した状態で、前記窒素供給バルブV2および減圧バルブV5を開くことで、前記窒素ガスボンベ13から空寸部10aに対して窒素ガスを充填することが可能となっている。
なお、本実施例にて説明されるバルブ類の開閉は、電動バルブを自動制御する周知の形態にて、自動的に行なわれることができる他、手動による操作がされるものであってもよい。
【0035】
また、前記チャンバー11の容積は、前記リアクター本体10の空寸部10aの容積の30〜150%となるように設定されている。
さらに、前記チャンバー11の容積は、前記リアクター本体10の容積の3〜50%となるように設定されている。
【0036】
また、固定床型微生物リアクター1においては、前記チャンバー11、空寸部10a、および集水部10bに、それぞれ圧力センサ51・52・53が設けられており、該チャンバー11内、空寸部10a内、および集水部10b内の圧力を検出することが可能となっている。
【0037】
以上のように構成された固定床型微生物リアクター1では、固定床22を構成する担体21・21・・・に担持された独立栄養性細菌によって原水26が処理されると、固定床22内においてガスが発生する。
例えば、原水26がアンモニア態窒素を含む排水であり、独立栄養性細菌として嫌気性アンモニア酸化細菌を用いた場合は、嫌気性アンモニア酸化細菌と原水26との反応により窒素ガスが発生する。
【0038】
原水26に浸漬された固定床22において発生した窒素ガスは、原水26よりも比重が小さいため上昇しようとするが、原水26はリアクター本体10の上方から下方へ流れる下降流となっているため、発生した窒素ガスの上昇が原水26の流れにより妨げられ、前記窒素ガスは固定床22内に滞留することとなる。
固定床22内に窒素ガスが滞留すると、窒素ガスが滞留した箇所における原水26の流れが妨げられ、流下する原水26の流路が偏るとともに流路面積が小さくなるため、原水26の流量が減少してしまい、嫌気性アンモニア酸化細菌と原水26との反応が促進されず、原水26の処理効率が低下することとなる。
【0039】
そこで、本固定床型微生物リアクター1においては、固定床22内に滞留したガスを除去するために、原水26の流量を回復するための流量回復処理を実施することとしている。
【0040】
図2は、この流量回復処理のフローについて示すものであり、以下、順を追って説明する。
まず、原水供給管36からリアクター本体10内に原水26を供給して、固定床22にて原水26の処理を行っている最中に、該固定床22内に滞留するガス量が増加した状態になると、前記原水供給バルブV6を閉じ、原水供給管36からリアクター本体10内への原水26の供給を停止する(S01)。
【0041】
この場合、固定床22内に滞留するガス量の増加度合いは、例えば前記排水管35内を流れる原水26の流量を用いて把握することが可能であり(ガス量が増加すると排水管35内の流量が減少するため)、例えば前記流量計55にて検出される流量が予め設定される所定値以下になったときに原水26の供給を停止することができる。
【0042】
なお、リアクター本体10内へ供給された原水26の処理を行っているときには、前記空寸部10a内に前記窒素ガスボンベ13から窒素ガスを充填するとともに、リアクター本体10内の圧力が略大気圧となるように調整している。
このように、前記空寸部10a内に窒素ガスを充填するのは、担体21・21・・・に担持される独立栄養性細菌が嫌気性であるため、万が一、原水26の水位が固定床22の上端よりも低下した場合に、独立栄養性細菌に影響が及ぶことを防止するためなどである。
【0043】
次に、原水26の供給を停止した後、前記窒素供給バルブV2、開放バルブV3、および減圧バルブV5を閉じるとともに、前記吸引バルブV4を開いて、前記吸引ポンプ12によりチャンバー11内の気体を吸引して減圧する(S02)。
なお、このチャンバー11内の減圧動作は、前述の原水26の供給を停止する前に予め行っておくことも可能である。
【0044】
次に、チャンバー11内を減圧した後、前記減圧バルブV5を開いてチャンバー11内とリアクター本体10の空寸部10aとを連通して、該空寸部10a内の気体を減圧状態にあるチャンバー11内に吸引して、リアクター本体10内を急減圧する(S03)。
リアクター本体10内が急減圧されると、固定床22内に気泡となって滞留していたガスが急激に膨張し、気泡同士を結合させるなどして固定床22から空寸部10aへ排出され、固定床22内のガスが除去される。
このように、固定床22内のガスを除去することにより、原水26の流路面積が広くなって原水26の流量が増加し、嫌気性アンモニア酸化細菌と原水26との反応が促進されて、原水26の処理効率が向上する。
【0045】
また、減圧バルブV5を開いてリアクター本体10内を急減圧した後は、前記減圧バルブV5を閉じるとともに吸引バルブV4を開いて、前記吸引ポンプ12によりチャンバー11内に流入したリアクター本体10内の気体を吸引して、前記チャンバー11内を減圧する。また、吸引ポンプ12により吸引した気体はポンプ排気管33から外部へ排出する(S04)。
【0046】
次に、吸引バルブV4を閉じるとともに窒素供給バルブV2を開いて、前記窒素ガスボンベ13とチャンバー11とを連通し、該窒素ガスボンベ13からチャンバー11内に窒素ガスを充填する(S05)。
そして、窒素供給バルブV2を閉じるとともに減圧バルブV5を開いて、窒素ガスが充填されたチャンバー11と減圧状態にあるリアクター本体10とを連通し、リアクター本体10の空寸部10aをチャンバー11内からの窒素ガスで満たす(S06)。
なお、前記ステップS05において窒素ガスボンベ13からチャンバー11内に充填される窒素ガスの量は、前記空寸部10aをチャンバー11内からの窒素ガスで満たした際に、該リアクター本体10内の圧力が略大気圧になる程度の量とされる。
【0047】
このように、リアクター本体10内を急減圧させて固定床22内に滞留しているガスを除去するとともに、リアクター本体10の空寸部10aを窒素ガスで満たした後は、原水供給バルブV6を開いて、原水26のリアクター本体10への供給を再開する(S07)。
【0048】
また、前記ステップS03においてリアクター本体10内を急減圧した際に、一回の急減圧では固定床22内に貯溜したガスの全てを除去することができない場合などは、ステップS04の後にステップS03の急減圧を再度実施するといったように、ステップS3およびステップS04を複数回繰り返し行うこともできる。
この空寸部10aを急減圧する回数は、任意の回数に適宜設定することが可能である。
【0049】
また、前記ステップS02においてチャンバー11内を減圧する場合、前記圧力センサ51によりチャンバー11内の圧力を検出しておき、所望の圧力となるまで吸引ポンプ12による吸引を行うことができる。
【0050】
このように、本固定床型微生物リアクター1においては、リアクター本体10における空寸部10aに接続されるチャンバー11を設けて、前記排気管31における第一開閉弁となる開放バルブV3、および第二開閉弁となる減圧バルブV5を閉鎖した状態でチャンバー11を減圧した後に、前記減圧バルブV5を開放してリアクター本体10内を急減圧するようにしているので、固定床22内に滞留しているガスを急激に膨張させ、破裂を伴わせるなどして固定床22から空寸部10aへ排出させることができ、固定床22内のガスを効果的に除去することが可能となっている。
これにより、固定床22を通過する原水26の流路が偏った状態や、原水26の流路面積が小さくなった状態を解消して、減少した原水26の流量を効果的に回復することができ、嫌気性アンモニア酸化細菌と原水26との反応を促進して、原水26の処理効率を向上することができる。
【0051】
以上のように、固定床22内にガスが滞留することにより原水26の流量が減少した際に、前記リアクター本体10内を急減圧させることで原水26の流量が回復する様子を図3に示す。
図3においては、時刻t1に固定床22による原水26の処理が開始されており、時刻t1から時間の経過とともに固定床22に滞留するガスの量が増加するため、原水26の流量が時間の経過とともに低下している。
時刻t1から一定時間が経過した時刻t2になると、前述のステップS01〜S07にて示した前記リアクター本体10内を急減圧させる処理が行われる。
【0052】
その後、時刻t3に固定床22による原水26の処理が再開されるが、再開時の時刻t3においては、時刻t2に比べて流量が増加しており回復していることがわかる。
原水26の処理の再開後は、時間が経過するに従って再び原水26の流量が低下していくが、時刻t3から一定時間経過後の時刻t4に前述の前記リアクター本体10内を急減圧させる処理を行い、時刻t5に固定床22による原水26の処理を再開すると、流量は時刻t4に比べて増加して回復している。
このように、前記リアクター本体10内を急減圧させる処理を行うことで、減少した原水26の流量を回復させることが可能である。
【0053】
なお、前記リアクター本体10内を急減圧させる処理を行うタイミングとしては、固定床22による原水26の処理の開始から一定時間経過した後に行ったり、原水26の流量が一定値以下になったときに行ったりすることができる。
【0054】
また、このように、リアクター本体10内を急減圧させて、固定床22を通過する原水26の流量を回復する処理(流量回復処理)において、一回の流量回復処理の間に、間欠的に複数回の減圧処理が行われることとしてもよい。即ち、図3の例において、時刻t2から時刻t3の間に、図2のフローチャートに示すステップS03とステップS04の操作を複数回繰り返すものである。例えば、連続4回の減圧処理(ステップS03・S04)を間欠的に実施することによれば、減圧速度の大きい減圧操作を4回実施できることになるため、固定床22内に滞留しているガスを効果的に除去することができる。
【0055】
また、この減圧速度に関連し、本実施例では減圧速度を特に大きくできる点に特徴がある。即ち、吸引ポンプ12にてチャンバー11内の気体をある程度の時間吸引し、チャンバー11内を所望の圧力となるまで減圧した後に、チャンバー11とリアクター本体10とを連通することで、瞬間的にリアクター本体10内に減圧することができるのである。これにより、単位時間あたりの減圧度合いを高くすることができる、つまりは、減圧速度を大きくできる。
そして、これにより、固定床22内に気泡となって滞留しているガスが大きな体積変化をもって瞬間的に膨張して気泡同士が結合して排出され易くなるとともに、各担体21・21・・・の積層構造の乱れが大きくなって固定床22からのガスの排出が促される。また、ガスの通過する流路も確保されることになり、効果的にガスの除去を行うことが可能となる。
【0056】
また、このことからも、前述のように、一回の流量回復処理の間に、間欠的に複数回の減圧処理を行うことは、極めて効果的なものとなる。そして、一回の流量回復処理において効果的に原水の流量を確保することが可能となることから、次の流量回復処理までの期間を長く確保することが可能となる。これにより、流量回復処理の回数を削減することが可能となり、リアクターの稼働率を向上させることが可能となる。また、このように複数回の減圧処理を行う場合の各回の間隔を短くするために、複数組のチャンバー及び吸引ポンプを設けることとしてもよい。
【0057】
なお、このようなチャンバー11を設けて減圧する構成に対し、例えば、本固定床型微生物リアクター1に用いられる吸引ポンプ12と同等の性能を備えた吸引ポンプにより、前記空寸部10aを直接減圧することも考えられる。しかし、この直接減圧では、単位時間あたりの減圧度合いが小さくなり、固定床22内に滞留しているガスがさほど大きく膨張しないため、固定床22からのガスの排出効果が低下する。
従って、本実施例のように、吸引ポンプ12を直接空寸部10aに接続して減圧を行うよりも、チャンバー11を介して空寸部10aの減圧を行う方が(チャンバー11にて間接的に減圧を行う(間接減圧)、減圧速度を大きくすることができ、ガスの除去を効果的に行うことができる。
【0058】
また、前述のようにチャンバー11を介して空寸部10aの減圧を行う場合、リアクター本体10内の減圧速度が−6kPa/s以上となるようにチャンバー11内の減圧圧力を設定することが、瞬間的な減圧によりガスの除去を効果的に行ううえで好ましい。
【0059】
また、前記チャンバー11の容積を、前記リアクター本体10の空寸部10aの容積の30〜150%となるように設定することで、固定床22から効果的にガスを除去することができるだけのチャンバー11の減圧状態を、比較的容易に得ることが可能となる。
同様に、前記チャンバー11の容積を、前記リアクター本体10の容積の3〜50%となるように設定することで、固定床22から効果的にガスを除去することができるだけのチャンバー11の減圧状態を、比較的容易に得ることが可能となる。
【0060】
また、本固定床型微生物リアクター1では、原水26が固定床22の上方から下方へ向けて通過するように構成されているため、固定床22内で独立栄養性細菌が反応して発生したガスの浮上によって担体21・21・・・に担持されている独立栄養性細菌が巻き上げられたとしても、排水の流れによって独立栄養性細菌の浮上が抑えられ、独立栄養性細菌が固定床22から大量に流出することを防止できる。これにより、独立栄養性細菌による安定した反応を確保することができる。また、本実施例のように、原水26の流れを上方から下方への一方向とすることで、プラグフローを実現することが可能となって、固定床型微生物リアクター1に関連する所要動力の低減や、リアクター本体10のサイズの縮小化を図ることができる。
【0061】
なお、本例では、固定床型微生物リアクター1を原水26が固定床22の上方から下方へ向けて通過する下降流型に構成しているが、固定床型微生物リアクター1を原水26が固定床22の下方から上方へ向けて通過する上昇流型に構成した場合においても、前記固定床22内にガスが滞留した場合には、前記空寸部10aにチャンバー11を接続して、前記開放バルブV3および減圧バルブV5を閉鎖した状態でチャンバー11を減圧した後に、前記減圧バルブV5を開放してリアクター本体10内を急減圧する構成を適用することは可能である。
【0062】
また、本例では、処理を行う対象となる原水26として、ビール工場などの食品工場にて生成される排水を適用したが、これに限るものではなく、発電所にて生成される排水や、シリコンウエハの洗浄排水などの半導体工場にて生成される排水や、畜産厩舎から排出される排水や、し尿処理場から排出される排水など、様々な排水を適用することができる。
【0063】
さらに、本固定床型微生物リアクター1は、排水などの原水26を処理するためのリアクターとして用いられているが、担体21・21・・・に担持される微生物を培養するための培養装置として用いることもできる。
つまり、固定床型微生物リアクター1は、前記リアクター本体10を、固定床22に原水26を通水することで該固定床22を構成する担体21・21・・・に担持された独立栄養性細菌などの微生物を培養するための培養装置本体として用いた固定床型微生物培養装置として構成することもできる。
このように構成することで、固定床22を通過する原水26の流量を確保することができ、独立栄養性細菌などの微生物の培養を、効率的かつ短期間で行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】固定床型微生物リアクターの説明図である。
【図2】固定床型微生物リアクターによる原水の処理フローを示す図である。
【図3】リアクター本体内を急減圧させることで原水の流量が回復する様子を示す図である。
【符号の説明】
【0065】
1 固定床型微生物リアクター
10 リアクター本体
10a 空寸部
10b 集水部
11 チャンバー
12 吸引ポンプ
13 窒素ガスボンベ
14 集水管
21 担体
22 固定床
26 原水
31 排気管
32 吸引管
33 ポンプ排気管
34 窒素供給管
35 排水管
36 原水供給管
V1 排水バルブ
V2 窒素供給バルブ
V3 開放バル
V4 吸引バルブ
V5 減圧バルブ
V6 原水供給バルブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
微生物が担持された固定床に原水が通水される固定床型微生物リアクターにおいて、
前記固定床が構成されるリアクター本体と、
前記リアクター本体内の前記固定床の上方の空寸部に連通される排気管と、
前記排気管の途中部に配置されるチャンバーと、
前記排気管における前記チャンバーと排気管出口との間に配置される第一開閉弁と、
前記排気管における前記チャンバーとリアクター本体との間に配置される第二開閉弁と、
前記チャンバーに接続された減圧用ポンプとを有することを特徴とする固定床型微生物リアクター。
【請求項2】
前記チャンバーの容積が、前記リアクター本体の前記空寸部の容積の30〜150%であることを特徴とする請求項1に記載の固定床型微生物リアクター。
【請求項3】
前記チャンバーの容積が、前記リアクター本体の容積の3〜50%であることを特徴とする請求項1に記載の固定床型微生物リアクター。
【請求項4】
前記固定床の上方から下方へ向けて前記原水が通水されることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の固定床型微生物リアクター。
【請求項5】
前記固定床がビール粕成形炭により構成されることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の固定床型微生物リアクター。
【請求項6】
前記微生物が独立栄養性の嫌気性アンモニア酸化細菌であることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の固定床型微生物リアクター。
【請求項7】
微生物を担持した固定床が構成されるリアクター本体と、
前記リアクター本体内の前記固定床の上方の空寸部に連通される排気管と、
前記排気管の途中部に配置されるチャンバーと、
前記排気管における前記チャンバーと排気管出口との間に配置される第一開閉弁と、
前記排気管における前記チャンバーとリアクター本体との間に配置される第二開閉弁と、
前記チャンバーに接続された減圧用ポンプとを有し、
前記固定床に原水が通水される固定床型微生物リアクターの減圧方法であって、
前記第一開閉弁および第二開閉弁を閉鎖した状態で前記チャンバーを減圧した後に、
前記第一開閉弁を開放して前記リアクター本体内を急減圧することを特徴とする固定床型微生物リアクターの減圧方法。
【請求項8】
請求項7に記載のプロセスを前記固定床を通過する原水の流量回復処理とし、
一回の流量回復処理において、
前記第一開閉弁および第二開閉弁を閉鎖した状態で前記チャンバーを減圧した後に、
前記第一開閉弁を開放して前記リアクター本体内を急減圧する処理を、
複数回実施する、
ことを特徴とする請求項7に記載の固定床型微生物リアクターの減圧方法。
【請求項9】
前記リアクター本体内の減圧速度が−6kPa/s以上であることを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の固定床型微生物リアクターの減圧方法。
【請求項10】
固定床に担持された微生物の培養を行う固定床型微生物培養装置であって、
前記固定床が構成される培養装置本体と、
前記培養装置本体内の前記固定床の上方の空寸部に連通される排気管と、
前記排気管の途中部に配置されるチャンバーと、
前記排気管における該排気管の出口とチャンバーとの間に配置される第一開閉弁と、
前記排気管における前記チャンバーと培養装置本体との間に配置される第二開閉弁と、
前記チャンバーに接続された減圧用ポンプとを有し、
前記固定床に原水が通水されることを特徴とする固定床型微生物培養装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−195763(P2009−195763A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−36757(P2008−36757)
【出願日】平成20年2月19日(2008.2.19)
【出願人】(000000055)アサヒビール株式会社 (535)
【Fターム(参考)】