固定構造及び該固定構造を備える表示装置
【課題】スピーカが上下方向へ放音する場合であっても、スピーカの上下振動による異音の発生を防止することができるスピーカの固定構造及び該固定構造を備える表示装置を提供する。
【解決手段】スピーカ20に設けた連結部23に上下に貫通した貫通孔23aを設け、該貫通孔23aにゴムブッシュ24を内嵌し、該ゴムブッシュ24を介してスピーカ20を突出部4aaに固定する。ゴムブッシュ24は上下方向を軸方向としているため、スピーカ20の上下振動を効率良く吸収し、スピーカ20の上下振動によって前キャビネット4a又は後キャビネット4bから異音が発生することを防止することができる。
【解決手段】スピーカ20に設けた連結部23に上下に貫通した貫通孔23aを設け、該貫通孔23aにゴムブッシュ24を内嵌し、該ゴムブッシュ24を介してスピーカ20を突出部4aaに固定する。ゴムブッシュ24は上下方向を軸方向としているため、スピーカ20の上下振動を効率良く吸収し、スピーカ20の上下振動によって前キャビネット4a又は後キャビネット4bから異音が発生することを防止することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は筐体内にスピーカを固定する固定構造及び該固定構造を備える表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
表示画面の大きさに比べて室内の占有面積が小さい液晶表示装置は、限られた室内空間を有効に利用することができることから、一般に広く普及している。液晶表示装置は、前キャビネットの内側に配置された映像を表示する液晶表示パネルに、後キャビネットに収容してある光源から光を照射して、映像を表示するように構成されている。
【0003】
また前キャビネットの下部には、前方へ放音するようにスピーカが設けてあり、ユーザが映像と音とを確実に視聴することができるようにしてある(例えば特許文献1参照)。スピーカには、前後に貫通した貫通孔を有する取付板が設けてある。貫通孔には、前後方向を軸方向としてゴムブッシュが取り付けてある。前キャビネットから後方に突出した突出部がゴムブッシュを介して貫通孔に嵌合しており、スピーカの放音による前後方向の振動はゴムブッシュにて吸収される。
【0004】
近年、前キャビネット正面の額縁を狭くし表示装置の外観意匠性を向上させることが要望されており、該要望に応えるためには、スピーカのコーンを下向きに配設し、従来前キャビネットの前面に設けていた放音のための孔を前キャビネットの下面に設ける必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−187271号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしコーンを下向きに配設したスピーカは上下に振動するため、前後方向を軸方向としたゴムブッシュでは上下の振動を充分に吸収することができない。その結果、スピーカの上下振動が前キャビネット及び後キャビネットに伝播し、軋み音などの異音が発生する。
【0007】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、スピーカが上下方向へ放音する場合であっても、異音の発生を防止することができるスピーカの固定構造及び該固定構造を備える表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る固定構造は、筐体の内部にて前方又は後方に突出した突出部にスピーカを固定する固定構造において、上下に貫通した貫通孔を有し、前記突出部に連結させるために前記スピーカに設けた連結部と、前記貫通孔に嵌合した弾性部材と、該弾性部材を介して上側から前記貫通孔に係合しており、前記貫通孔よりも上側にて前後に貫通した嵌合孔を有する嵌合部とを備え、前記嵌合孔に前記突出部を嵌合させてあることを特徴とする。
【0009】
本発明にあっては、スピーカに設けた連結部に上下に貫通した貫通孔を設け、該貫通孔に弾性部材を嵌合させて、該弾性部材を介してスピーカを前記突出部に固定し、スピーカの上下振動を効率良く吸収する。
【0010】
本発明に係る固定構造は、前記嵌合孔に嵌合した弾性部材を備えることを特徴とする。
【0011】
本発明にあっては、嵌合孔に嵌合した弾性部材によって、スピーカの上下振動を更に吸収する。
【0012】
本発明に係る固定構造は、前記スピーカは、上側又は下側に放音するように前記筐体内に配置してあることを特徴とする。
【0013】
本発明にあっては、前記スピーカが上側又は下側に放音することで、筐体の正面に放音のための孔を設けることを回避する。
【0014】
本発明に係る表示装置は、前述したいずれか一つの固定構造と、該固定構造によって前記筐体内に固定されたスピーカと、前記筐体に収容された映像表示部とを備えることを特徴とする。
【0015】
本発明にあっては、スピーカの上下振動を確実に吸収し、映像表示部に表示された映像と共にスピーカからの音をユーザが快適に視聴する。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る固定構造にあっては、スピーカに設けた連結部に上下に貫通した貫通孔を設け、該貫通孔に弾性部材を嵌合させて、該弾性部材を介してスピーカを前記突出部に固定して、スピーカの上下振動を効率良く吸収するので、スピーカの上下振動によって筐体から異音が発生することを防止することができる。
【0017】
また本発明に係る表示装置にあっては、スピーカの上下振動が弾性部材によって確実に吸収され、映像表示部を収容する筐体に上下振動が伝播せず、映像表示部に表示された映像と共にスピーカからの音をユーザが快適に視聴することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】実施の形態1に係る固定構造を備える表示装置を略示する縦断面図である。
【図2】前側から見た前キャビネット及びスピーカを略示する斜視図である。
【図3】後側から見た前キャビネット及びスピーカを略示する斜視図である。
【図4】スピーカ及び嵌合部を略示する斜視図である。
【図5】図2におけるV−V線での略示縦断面図である。
【図6】実施の形態1に係る固定構造及び該固定構造を備える表示装置の変形例のスピーカ及び嵌合部を略示する斜視図である。
【図7】実施の形態2に係る固定構造を備えた表示装置における前側から見た前キャビネット及びスピーカを略示する斜視図である。
【図8】後側から見た前キャビネット及びスピーカを略示する斜視図である。
【図9】スピーカ及び嵌合部を略示する斜視図である。
【図10】図7におけるX−X線での略示縦断面図である。
【図11】実施の形態2に係る固定構造及び該固定構造を備える表示装置の変形例のスピーカ及び嵌合部を略示する斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(実施の形態1)
以下本発明を実施の形態1に係る固定構造及び該固定構造を備える表示装置を示す図面に基づいて詳述する。図1は表示装置を略示する縦断面図である。
【0020】
図において1は液晶を備える矩形の表示パネル(映像表示部)であり、該表示パネル1は、液晶への印加電圧を制御して光の透過率を調整し、映像を表示するように構成されている。表示パネル1は、前保持枠体2と後保持枠体3とによって、その周縁部が挟持されており、筐体4に収容されている。筐体4は矩形枠状の前キャビネット4aと前側が開放された深皿形の後キャビネット4bとを備えている。該前キャビネット4aは前保持枠体2及び後保持枠体3の周囲に配置されている。前キャビネット4aは矩形の開口を備えており、該開口の寸法は表示パネル1に対応した寸法となっている。表示パネル1の後側には、後述するLED9の光を表示パネル1へ向けて集光する複数の光学シート5が設けてある。
【0021】
該光学シート5の後側にはLED9の光を均一に拡散する拡散板6が設けてある。該拡散板6は、深皿形の支持板7の縁部分にて支持されている。支持板7の前面には複数の基板8が並設してあり、該基板8の後面には、熱伝導性物質、例えば金属からなる膜状の放熱パターン(図示せず)が形成してある。
【0022】
該基板8の前面には複数のLED9、9、・・・、9が実装されており、各LED9、9、・・・、9の前側に、光を拡散させるレンズ10、10、・・・、10がそれぞれ配置してある。該レンズ10の周縁部には基板8側に突出した三つの突起10a、10a、10aが周方向に並設してあり、該突起10aの先端が基板8の前面に接着剤によって固着している。
【0023】
前記支持板7の前面の左右に支持台(図示せず)が各別に設けてあり、深皿型の反射シート11の左右縁部が前記支持台にて支持されている。反射シート11の底面には、前記レンズ10、10、・・・、10を挿通する複数の挿通孔11a、11a、・・・、11aが開設してある。各レンズ10は挿通孔11aを通って前側へ突出している。
【0024】
支持板7の後側には深皿形の後キャビネット4bが設けてある。該後キャビネット4bの縦及び横寸法と前キャビネット4aの縦及び横寸法は略同じであり、後キャビネット4bの縁部分と前キャビネット4aの縁部分とは互いに対向する。前キャビネット4a及び後キャビネット4bの縁部分には、図示しない係合凸部及び係合凹部がそれぞれ設けてあり、該係合凸部及び係合凹部を係合させて、前キャビネット4aを後キャビネット4bに固定している。なお後キャビネット4bには制御基板(図示せず)が収容してあり、該制御基板からの出力信号に基づいて、LED9及び表示パネル1が駆動するようにしてある。また後キャビネット4bの下面には後述するスピーカからの音を放出する放音孔(図示せず)が設けてある。
【0025】
図2は前側から見た前キャビネット4a及びスピーカを略示する斜視図、図3は後側から見た前キャビネット4a及びスピーカを略示する斜視図、図4はスピーカ及び嵌合部を略示する斜視図、図5は図2におけるV−V線での略示縦断面図である。なお図5において後キャビネット4bを追記してある。
【0026】
図3に示すように、前キャビネット4aの下部内側には、後側に突出した円筒状の二つの突出部4aa、4aaが左右に並設してある。図5に示すように、突出部4aaの先端部の外径は基端部の外径よりも短くなっている。該突出部4aaにはスピーカ20が固定してある。
【0027】
図4に示すように、スピーカ20は左右に長い直方体状の収容箱21を備えており、該収容箱21に振動板としてのコーン22が収容してある。収容箱21の下面には開口21aが設けてあり、該開口21aに、コーン22の拡径した部分が対面している。なお開口21aは前述した放音孔に対面している。収容箱21の左右の側面に、上下方向に直交する面に略平行な矩形板状の連結部23、23がそれぞれ一体に設けてある。該連結部23には上下に貫通した二つの貫通孔23a、23aが並設してあり、該貫通孔23a、23aには筒状のゴムブッシュ(弾性部材)24、24が内嵌してある。ゴムブッシュ24は貫通孔23aから上下に延出しており、延出したゴムブッシュ24の上下端部は鍔状になっている。そのため鍔状になった部分は貫通孔23aの上下の周縁部を覆っている(図5参照)。
【0028】
各連結部23、23には嵌合部30、30がそれぞれ連結している。該嵌合部30は、前後に長い矩形板状の基台部31と、該基台部31の長手方向両端部から下側に突出した円筒状の二つのボス部32、32と、基台部31の上側に設けてあり、前後方向を軸方向とした筒部33とを備える。
【0029】
基台部31の前後及び左右寸法は前記連結部23の前後及び左右寸法と略等しい。ボス部32は円筒状をなしており、前記貫通孔23aに位置が整合している。ボス部32の外径はゴムブッシュ24の内径に略等しく、ボス部32はゴムブッシュ24に上側から内嵌し、密着している。ボス部32の軸方向の寸法とゴムブッシュ24の軸方向の寸法とは略等しく、ボス部32の下端面とゴムブッシュ24の下端面とは略同一面状にある。
【0030】
座金付きのねじ25、25が下側からボス部32、32に螺合している。ねじ25の座金部分の直径はボス部32の外径よりも長く、ゴムブッシュ24の鍔部分の外径よりも短い。前述したようにボス部32の下端面とゴムブッシュ24の下端面とは略同一面状にあるので、ねじ25の座金部分は、強圧することなくゴムブッシュ24を保持している。そのためゴムブッシュ24は上下方向の振動を充分に吸収することができる。
【0031】
前記突出部4aaの先端部は前記筒部33に内嵌している(以下突出部4aaの先端部が内嵌した筒部33の内側を嵌合孔33aという)。前記筒部33の軸方向中央部分は補強のために上下に延出しており、下側に延出した部分が基台部31の中央部に連なっている。嵌合孔33aの直径は突出部4aaの先端部の外径と略同径である。嵌合孔33aの軸方向の寸法は、突出部4aaの先端部の軸方向の寸法に略等しく、突出部4aaの先端面と筒部33の後端面とは略同一面状に位置する。突出部4aaの先端部には座金付きのねじ35が螺合している。該ねじ35の座金部分の直径は筒部33の外径よりも長く、ねじ35の座金部分と突出部4aaの基端部との間に筒部33が挟持され、スピーカ20が突出部4aaに固定されている。
【0032】
実施の形態1に係る固定構造及び該固定構造を備える表示装置にあっては、スピーカ20に設けた連結部23に上下に貫通した貫通孔23aを設け、該貫通孔23aにゴムブッシュ24を内嵌し、該ゴムブッシュ24を介してスピーカ20を突出部4aaに固定している。ゴムブッシュ24は上下方向を軸方向としているため、スピーカ20の上下振動を効率良く吸収し、スピーカ20の上下振動によって前キャビネット4a又は後キャビネット4bから異音が発生することを防止することができる。
【0033】
実験結果によれば、前後方向を軸方向としたゴムブッシュ24を使用している場合(従来技術の場合)には、28.2[Hz]の周波数で放音しているときにスピーカ20の振動幅は最大になり、最大の振動幅は0.168[mm]である。一方上下方向を軸方向としたゴムブッシュ24を使用している場合(実施の形態1の場合)には、39.2[Hz]の周波数で放音しているときにスピーカ20の振動幅は最大になり、最大の振動幅は0.077[mm]である。すなわち最大振動幅は従来技術に比べて1/2以下になった。
【0034】
また前記スピーカ20が下側に放音するので、放音孔は後キャビネット4bの下面に設けられ、前キャビネット4aの額縁を狭くして、表示装置の外嵌意匠性を向上させることができる。
【0035】
またスピーカ20の上下振動を確実に吸収し、異音が発生しないので、表示パネル1に表示された映像と共にスピーカ20からの音をユーザが快適に視聴することができる。
【0036】
次に実施の形態1に係る固定構造及び該固定構造を備える表示装置の変形例について説明する。図6は変形例のスピーカ20及び嵌合部30を略示する斜視図である。図6に示すように、筒部33は、前後に長い矩形板状の基台部31の長手方向に沿う外側面に設けてある。筒部33の嵌合孔33aには突出部4aaが内嵌しており、スピーカ20は前キャビネット4aに固定されている。なお突出部4aaと嵌合孔33aとの位置が整合するように、筒部33が配置してあることは言うまでもない。
【0037】
なお実施の形態1に係る固定構造及び該固定構造を備える表示装置並びにその変形例において、突出部4aaを前キャビネット4aの上部に設けて、スピーカ20のコーン22を上側に向け、突出部4aaにスピーカ20を固定しても良い。この場合後キャビネット4bの上面の内、コーン22に対応する位置に放音孔が設けられることは言うまでもない。また実施の形態1に係る固定構造及び該固定構造を備える表示装置並びにその変形例は、光源としてLED9を使用しているが、LD(Laser Diode)、EL(Electro Luminescence)、または蛍光管などを光源として使用しても良い。
【0038】
また実施の形態1に係る固定構造及び該固定構造を備える表示装置並びにその変形例にあっては、前キャビネット4aから後側へ突出部4aaが突出しているが、後キャビネット4bから前側へ突出部が突出し、該突出部にスピーカ20が固定される構成であっても良い。また座金付きのねじ25を使用してゴムブッシュ24を保持しているが、各別の座金とねじとを使用してゴムブッシュ24を保持しても良い。また座金付きのねじ35を使用して筒部33を突出部4aaの基端部との間で挟持しているが、各別の座金とねじとを使用して筒部33を突出部4aaの基端部との間で挟持しても良い。
【0039】
(実施の形態2)
以下本発明を実施の形態2に係る固定構造及び該固定構造を備える表示装置を示す図面に基づいて詳述する。図7は前側から見た前キャビネット4a及びスピーカ20を略示する斜視図、図8は後側から見た前キャビネット4a及びスピーカ20を略示する斜視図、図9はスピーカ20及び嵌合部30を略示する斜視図、図10は図7におけるX−X線での略示縦断面図である。なお図10において後キャビネット4bを追記してある。
【0040】
基台部31の上側に、前後方向を軸方向とした筒部34が設けてある。該筒部34の軸方向中央部分は補強のために下側に延出しており、下側に延出した部分は基台部31の中央部に連なっている。筒部34の内側(嵌合孔34a)において、軸方向中央部分は内方へ突出している。嵌合孔34aには筒状のゴムブッシュ36が内嵌している。該ゴムブッシュ36の軸方向の寸法は筒部34の軸方向の寸法よりも若干長くなっている。ゴムブッシュ36の軸方向両端部はそれぞれ鍔状になっている。該鍔状になった部分は、内方へ突出した筒部34の中央部分を挟んでいる。
【0041】
突出部4aaの先端部がゴムブッシュ36に内嵌している。突出部4aaの先端部の外径はゴムブッシュ36の内径と略同じであり、ゴムブッシュ36は突出部4aaの先端部に密着している。また突出部4aaの先端部の軸方向の寸法はゴムブッシュ36の軸方向の寸法と略同じであり、突出部4aaの先端面とゴムブッシュ36の後端面とは略同一面上に位置している。突出部4aaの先端部には、座金付きのねじ35が螺合している。該ねじ35の座金部分の直径は、突出部4aaの先端部の外径よりも長く、ゴムブッシュ36の鍔部分の外径よりも短い。ねじ35は突出部4aaの基端部との間でゴムブッシュ36を押圧しており、ゴムブッシュ36を介して筒部34が突出部4aaに固定されている。
【0042】
実施の形態2に係る固定構造及び該固定構造を備える表示装置にあっては、嵌合孔34aに内嵌されたゴムブッシュ36によって、スピーカ20の上下振動が更に吸収されるので、スピーカ20の上下振動によって前キャビネット4a又は後キャビネット4bから異音が発生することを確実に防止することができる。実験結果によれば、前後方向を軸方向としたゴムブッシュ36及び上下方向を軸方向としたゴムブッシュ24を使用している場合(実施の形態2の場合)には、39.2[Hz]の周波数で放音しているときにスピーカ20の振動幅は最大になり、最大の振動幅は0.026[mm]である。前述したように実施の形態1の場合には、最大の振動幅は0.077[mm]であり、最大振動幅は実施の形態1の場合に比べて約1/3になった。
【0043】
次に実施の形態2に係る固定構造及び該固定構造を備える表示装置の変形例について説明する。図11は変形例のスピーカ20及び嵌合部30を略示する斜視図である。図11に示すように、筒部34は、前後に長い矩形板状の基台部31の長手方向に沿う外側面に設けてある。筒部34の嵌合孔34aには突出部4aaが内嵌しており、スピーカ20は前キャビネット4aに固定されている。なお突出部4aaと嵌合孔34aとの位置が整合するように、筒部34が配置してあることは言うまでもない。
【0044】
実施の形態2に係る固定構造及び該固定構造を備える表示装置並びにその変形例においては、座金付きのねじ35を使用してゴムブッシュ36を押圧しているが、各別の座金とねじとを使用してゴムブッシュ36を押圧しても良い。
【0045】
実施の形態2に係る固定構造及び該固定構造を備える表示装置並びにその変形例に係る構成の内、実施の形態1に係る固定構造及び該固定構造を備える表示装置並びにその変形例と同様な構成については同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0046】
なお以上の実施の形態は本発明の一例であって、本発明は特許請求の範囲に記載した事項の範囲内において種々変更した形態にて実施することが可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0047】
1 表示パネル(映像表示部)
4 キャビネット(筐体)
4a 前キャビネット
4b 後キャビネット
4aa 突出部
20 スピーカ
23 連結部
23a 貫通孔
24、36 ゴムブッシュ(弾性部材)
30嵌合部
31 基台部
32 ボス部
33 筒部
33a、34a 嵌合孔
【技術分野】
【0001】
本発明は筐体内にスピーカを固定する固定構造及び該固定構造を備える表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
表示画面の大きさに比べて室内の占有面積が小さい液晶表示装置は、限られた室内空間を有効に利用することができることから、一般に広く普及している。液晶表示装置は、前キャビネットの内側に配置された映像を表示する液晶表示パネルに、後キャビネットに収容してある光源から光を照射して、映像を表示するように構成されている。
【0003】
また前キャビネットの下部には、前方へ放音するようにスピーカが設けてあり、ユーザが映像と音とを確実に視聴することができるようにしてある(例えば特許文献1参照)。スピーカには、前後に貫通した貫通孔を有する取付板が設けてある。貫通孔には、前後方向を軸方向としてゴムブッシュが取り付けてある。前キャビネットから後方に突出した突出部がゴムブッシュを介して貫通孔に嵌合しており、スピーカの放音による前後方向の振動はゴムブッシュにて吸収される。
【0004】
近年、前キャビネット正面の額縁を狭くし表示装置の外観意匠性を向上させることが要望されており、該要望に応えるためには、スピーカのコーンを下向きに配設し、従来前キャビネットの前面に設けていた放音のための孔を前キャビネットの下面に設ける必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−187271号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしコーンを下向きに配設したスピーカは上下に振動するため、前後方向を軸方向としたゴムブッシュでは上下の振動を充分に吸収することができない。その結果、スピーカの上下振動が前キャビネット及び後キャビネットに伝播し、軋み音などの異音が発生する。
【0007】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、スピーカが上下方向へ放音する場合であっても、異音の発生を防止することができるスピーカの固定構造及び該固定構造を備える表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る固定構造は、筐体の内部にて前方又は後方に突出した突出部にスピーカを固定する固定構造において、上下に貫通した貫通孔を有し、前記突出部に連結させるために前記スピーカに設けた連結部と、前記貫通孔に嵌合した弾性部材と、該弾性部材を介して上側から前記貫通孔に係合しており、前記貫通孔よりも上側にて前後に貫通した嵌合孔を有する嵌合部とを備え、前記嵌合孔に前記突出部を嵌合させてあることを特徴とする。
【0009】
本発明にあっては、スピーカに設けた連結部に上下に貫通した貫通孔を設け、該貫通孔に弾性部材を嵌合させて、該弾性部材を介してスピーカを前記突出部に固定し、スピーカの上下振動を効率良く吸収する。
【0010】
本発明に係る固定構造は、前記嵌合孔に嵌合した弾性部材を備えることを特徴とする。
【0011】
本発明にあっては、嵌合孔に嵌合した弾性部材によって、スピーカの上下振動を更に吸収する。
【0012】
本発明に係る固定構造は、前記スピーカは、上側又は下側に放音するように前記筐体内に配置してあることを特徴とする。
【0013】
本発明にあっては、前記スピーカが上側又は下側に放音することで、筐体の正面に放音のための孔を設けることを回避する。
【0014】
本発明に係る表示装置は、前述したいずれか一つの固定構造と、該固定構造によって前記筐体内に固定されたスピーカと、前記筐体に収容された映像表示部とを備えることを特徴とする。
【0015】
本発明にあっては、スピーカの上下振動を確実に吸収し、映像表示部に表示された映像と共にスピーカからの音をユーザが快適に視聴する。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る固定構造にあっては、スピーカに設けた連結部に上下に貫通した貫通孔を設け、該貫通孔に弾性部材を嵌合させて、該弾性部材を介してスピーカを前記突出部に固定して、スピーカの上下振動を効率良く吸収するので、スピーカの上下振動によって筐体から異音が発生することを防止することができる。
【0017】
また本発明に係る表示装置にあっては、スピーカの上下振動が弾性部材によって確実に吸収され、映像表示部を収容する筐体に上下振動が伝播せず、映像表示部に表示された映像と共にスピーカからの音をユーザが快適に視聴することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】実施の形態1に係る固定構造を備える表示装置を略示する縦断面図である。
【図2】前側から見た前キャビネット及びスピーカを略示する斜視図である。
【図3】後側から見た前キャビネット及びスピーカを略示する斜視図である。
【図4】スピーカ及び嵌合部を略示する斜視図である。
【図5】図2におけるV−V線での略示縦断面図である。
【図6】実施の形態1に係る固定構造及び該固定構造を備える表示装置の変形例のスピーカ及び嵌合部を略示する斜視図である。
【図7】実施の形態2に係る固定構造を備えた表示装置における前側から見た前キャビネット及びスピーカを略示する斜視図である。
【図8】後側から見た前キャビネット及びスピーカを略示する斜視図である。
【図9】スピーカ及び嵌合部を略示する斜視図である。
【図10】図7におけるX−X線での略示縦断面図である。
【図11】実施の形態2に係る固定構造及び該固定構造を備える表示装置の変形例のスピーカ及び嵌合部を略示する斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(実施の形態1)
以下本発明を実施の形態1に係る固定構造及び該固定構造を備える表示装置を示す図面に基づいて詳述する。図1は表示装置を略示する縦断面図である。
【0020】
図において1は液晶を備える矩形の表示パネル(映像表示部)であり、該表示パネル1は、液晶への印加電圧を制御して光の透過率を調整し、映像を表示するように構成されている。表示パネル1は、前保持枠体2と後保持枠体3とによって、その周縁部が挟持されており、筐体4に収容されている。筐体4は矩形枠状の前キャビネット4aと前側が開放された深皿形の後キャビネット4bとを備えている。該前キャビネット4aは前保持枠体2及び後保持枠体3の周囲に配置されている。前キャビネット4aは矩形の開口を備えており、該開口の寸法は表示パネル1に対応した寸法となっている。表示パネル1の後側には、後述するLED9の光を表示パネル1へ向けて集光する複数の光学シート5が設けてある。
【0021】
該光学シート5の後側にはLED9の光を均一に拡散する拡散板6が設けてある。該拡散板6は、深皿形の支持板7の縁部分にて支持されている。支持板7の前面には複数の基板8が並設してあり、該基板8の後面には、熱伝導性物質、例えば金属からなる膜状の放熱パターン(図示せず)が形成してある。
【0022】
該基板8の前面には複数のLED9、9、・・・、9が実装されており、各LED9、9、・・・、9の前側に、光を拡散させるレンズ10、10、・・・、10がそれぞれ配置してある。該レンズ10の周縁部には基板8側に突出した三つの突起10a、10a、10aが周方向に並設してあり、該突起10aの先端が基板8の前面に接着剤によって固着している。
【0023】
前記支持板7の前面の左右に支持台(図示せず)が各別に設けてあり、深皿型の反射シート11の左右縁部が前記支持台にて支持されている。反射シート11の底面には、前記レンズ10、10、・・・、10を挿通する複数の挿通孔11a、11a、・・・、11aが開設してある。各レンズ10は挿通孔11aを通って前側へ突出している。
【0024】
支持板7の後側には深皿形の後キャビネット4bが設けてある。該後キャビネット4bの縦及び横寸法と前キャビネット4aの縦及び横寸法は略同じであり、後キャビネット4bの縁部分と前キャビネット4aの縁部分とは互いに対向する。前キャビネット4a及び後キャビネット4bの縁部分には、図示しない係合凸部及び係合凹部がそれぞれ設けてあり、該係合凸部及び係合凹部を係合させて、前キャビネット4aを後キャビネット4bに固定している。なお後キャビネット4bには制御基板(図示せず)が収容してあり、該制御基板からの出力信号に基づいて、LED9及び表示パネル1が駆動するようにしてある。また後キャビネット4bの下面には後述するスピーカからの音を放出する放音孔(図示せず)が設けてある。
【0025】
図2は前側から見た前キャビネット4a及びスピーカを略示する斜視図、図3は後側から見た前キャビネット4a及びスピーカを略示する斜視図、図4はスピーカ及び嵌合部を略示する斜視図、図5は図2におけるV−V線での略示縦断面図である。なお図5において後キャビネット4bを追記してある。
【0026】
図3に示すように、前キャビネット4aの下部内側には、後側に突出した円筒状の二つの突出部4aa、4aaが左右に並設してある。図5に示すように、突出部4aaの先端部の外径は基端部の外径よりも短くなっている。該突出部4aaにはスピーカ20が固定してある。
【0027】
図4に示すように、スピーカ20は左右に長い直方体状の収容箱21を備えており、該収容箱21に振動板としてのコーン22が収容してある。収容箱21の下面には開口21aが設けてあり、該開口21aに、コーン22の拡径した部分が対面している。なお開口21aは前述した放音孔に対面している。収容箱21の左右の側面に、上下方向に直交する面に略平行な矩形板状の連結部23、23がそれぞれ一体に設けてある。該連結部23には上下に貫通した二つの貫通孔23a、23aが並設してあり、該貫通孔23a、23aには筒状のゴムブッシュ(弾性部材)24、24が内嵌してある。ゴムブッシュ24は貫通孔23aから上下に延出しており、延出したゴムブッシュ24の上下端部は鍔状になっている。そのため鍔状になった部分は貫通孔23aの上下の周縁部を覆っている(図5参照)。
【0028】
各連結部23、23には嵌合部30、30がそれぞれ連結している。該嵌合部30は、前後に長い矩形板状の基台部31と、該基台部31の長手方向両端部から下側に突出した円筒状の二つのボス部32、32と、基台部31の上側に設けてあり、前後方向を軸方向とした筒部33とを備える。
【0029】
基台部31の前後及び左右寸法は前記連結部23の前後及び左右寸法と略等しい。ボス部32は円筒状をなしており、前記貫通孔23aに位置が整合している。ボス部32の外径はゴムブッシュ24の内径に略等しく、ボス部32はゴムブッシュ24に上側から内嵌し、密着している。ボス部32の軸方向の寸法とゴムブッシュ24の軸方向の寸法とは略等しく、ボス部32の下端面とゴムブッシュ24の下端面とは略同一面状にある。
【0030】
座金付きのねじ25、25が下側からボス部32、32に螺合している。ねじ25の座金部分の直径はボス部32の外径よりも長く、ゴムブッシュ24の鍔部分の外径よりも短い。前述したようにボス部32の下端面とゴムブッシュ24の下端面とは略同一面状にあるので、ねじ25の座金部分は、強圧することなくゴムブッシュ24を保持している。そのためゴムブッシュ24は上下方向の振動を充分に吸収することができる。
【0031】
前記突出部4aaの先端部は前記筒部33に内嵌している(以下突出部4aaの先端部が内嵌した筒部33の内側を嵌合孔33aという)。前記筒部33の軸方向中央部分は補強のために上下に延出しており、下側に延出した部分が基台部31の中央部に連なっている。嵌合孔33aの直径は突出部4aaの先端部の外径と略同径である。嵌合孔33aの軸方向の寸法は、突出部4aaの先端部の軸方向の寸法に略等しく、突出部4aaの先端面と筒部33の後端面とは略同一面状に位置する。突出部4aaの先端部には座金付きのねじ35が螺合している。該ねじ35の座金部分の直径は筒部33の外径よりも長く、ねじ35の座金部分と突出部4aaの基端部との間に筒部33が挟持され、スピーカ20が突出部4aaに固定されている。
【0032】
実施の形態1に係る固定構造及び該固定構造を備える表示装置にあっては、スピーカ20に設けた連結部23に上下に貫通した貫通孔23aを設け、該貫通孔23aにゴムブッシュ24を内嵌し、該ゴムブッシュ24を介してスピーカ20を突出部4aaに固定している。ゴムブッシュ24は上下方向を軸方向としているため、スピーカ20の上下振動を効率良く吸収し、スピーカ20の上下振動によって前キャビネット4a又は後キャビネット4bから異音が発生することを防止することができる。
【0033】
実験結果によれば、前後方向を軸方向としたゴムブッシュ24を使用している場合(従来技術の場合)には、28.2[Hz]の周波数で放音しているときにスピーカ20の振動幅は最大になり、最大の振動幅は0.168[mm]である。一方上下方向を軸方向としたゴムブッシュ24を使用している場合(実施の形態1の場合)には、39.2[Hz]の周波数で放音しているときにスピーカ20の振動幅は最大になり、最大の振動幅は0.077[mm]である。すなわち最大振動幅は従来技術に比べて1/2以下になった。
【0034】
また前記スピーカ20が下側に放音するので、放音孔は後キャビネット4bの下面に設けられ、前キャビネット4aの額縁を狭くして、表示装置の外嵌意匠性を向上させることができる。
【0035】
またスピーカ20の上下振動を確実に吸収し、異音が発生しないので、表示パネル1に表示された映像と共にスピーカ20からの音をユーザが快適に視聴することができる。
【0036】
次に実施の形態1に係る固定構造及び該固定構造を備える表示装置の変形例について説明する。図6は変形例のスピーカ20及び嵌合部30を略示する斜視図である。図6に示すように、筒部33は、前後に長い矩形板状の基台部31の長手方向に沿う外側面に設けてある。筒部33の嵌合孔33aには突出部4aaが内嵌しており、スピーカ20は前キャビネット4aに固定されている。なお突出部4aaと嵌合孔33aとの位置が整合するように、筒部33が配置してあることは言うまでもない。
【0037】
なお実施の形態1に係る固定構造及び該固定構造を備える表示装置並びにその変形例において、突出部4aaを前キャビネット4aの上部に設けて、スピーカ20のコーン22を上側に向け、突出部4aaにスピーカ20を固定しても良い。この場合後キャビネット4bの上面の内、コーン22に対応する位置に放音孔が設けられることは言うまでもない。また実施の形態1に係る固定構造及び該固定構造を備える表示装置並びにその変形例は、光源としてLED9を使用しているが、LD(Laser Diode)、EL(Electro Luminescence)、または蛍光管などを光源として使用しても良い。
【0038】
また実施の形態1に係る固定構造及び該固定構造を備える表示装置並びにその変形例にあっては、前キャビネット4aから後側へ突出部4aaが突出しているが、後キャビネット4bから前側へ突出部が突出し、該突出部にスピーカ20が固定される構成であっても良い。また座金付きのねじ25を使用してゴムブッシュ24を保持しているが、各別の座金とねじとを使用してゴムブッシュ24を保持しても良い。また座金付きのねじ35を使用して筒部33を突出部4aaの基端部との間で挟持しているが、各別の座金とねじとを使用して筒部33を突出部4aaの基端部との間で挟持しても良い。
【0039】
(実施の形態2)
以下本発明を実施の形態2に係る固定構造及び該固定構造を備える表示装置を示す図面に基づいて詳述する。図7は前側から見た前キャビネット4a及びスピーカ20を略示する斜視図、図8は後側から見た前キャビネット4a及びスピーカ20を略示する斜視図、図9はスピーカ20及び嵌合部30を略示する斜視図、図10は図7におけるX−X線での略示縦断面図である。なお図10において後キャビネット4bを追記してある。
【0040】
基台部31の上側に、前後方向を軸方向とした筒部34が設けてある。該筒部34の軸方向中央部分は補強のために下側に延出しており、下側に延出した部分は基台部31の中央部に連なっている。筒部34の内側(嵌合孔34a)において、軸方向中央部分は内方へ突出している。嵌合孔34aには筒状のゴムブッシュ36が内嵌している。該ゴムブッシュ36の軸方向の寸法は筒部34の軸方向の寸法よりも若干長くなっている。ゴムブッシュ36の軸方向両端部はそれぞれ鍔状になっている。該鍔状になった部分は、内方へ突出した筒部34の中央部分を挟んでいる。
【0041】
突出部4aaの先端部がゴムブッシュ36に内嵌している。突出部4aaの先端部の外径はゴムブッシュ36の内径と略同じであり、ゴムブッシュ36は突出部4aaの先端部に密着している。また突出部4aaの先端部の軸方向の寸法はゴムブッシュ36の軸方向の寸法と略同じであり、突出部4aaの先端面とゴムブッシュ36の後端面とは略同一面上に位置している。突出部4aaの先端部には、座金付きのねじ35が螺合している。該ねじ35の座金部分の直径は、突出部4aaの先端部の外径よりも長く、ゴムブッシュ36の鍔部分の外径よりも短い。ねじ35は突出部4aaの基端部との間でゴムブッシュ36を押圧しており、ゴムブッシュ36を介して筒部34が突出部4aaに固定されている。
【0042】
実施の形態2に係る固定構造及び該固定構造を備える表示装置にあっては、嵌合孔34aに内嵌されたゴムブッシュ36によって、スピーカ20の上下振動が更に吸収されるので、スピーカ20の上下振動によって前キャビネット4a又は後キャビネット4bから異音が発生することを確実に防止することができる。実験結果によれば、前後方向を軸方向としたゴムブッシュ36及び上下方向を軸方向としたゴムブッシュ24を使用している場合(実施の形態2の場合)には、39.2[Hz]の周波数で放音しているときにスピーカ20の振動幅は最大になり、最大の振動幅は0.026[mm]である。前述したように実施の形態1の場合には、最大の振動幅は0.077[mm]であり、最大振動幅は実施の形態1の場合に比べて約1/3になった。
【0043】
次に実施の形態2に係る固定構造及び該固定構造を備える表示装置の変形例について説明する。図11は変形例のスピーカ20及び嵌合部30を略示する斜視図である。図11に示すように、筒部34は、前後に長い矩形板状の基台部31の長手方向に沿う外側面に設けてある。筒部34の嵌合孔34aには突出部4aaが内嵌しており、スピーカ20は前キャビネット4aに固定されている。なお突出部4aaと嵌合孔34aとの位置が整合するように、筒部34が配置してあることは言うまでもない。
【0044】
実施の形態2に係る固定構造及び該固定構造を備える表示装置並びにその変形例においては、座金付きのねじ35を使用してゴムブッシュ36を押圧しているが、各別の座金とねじとを使用してゴムブッシュ36を押圧しても良い。
【0045】
実施の形態2に係る固定構造及び該固定構造を備える表示装置並びにその変形例に係る構成の内、実施の形態1に係る固定構造及び該固定構造を備える表示装置並びにその変形例と同様な構成については同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0046】
なお以上の実施の形態は本発明の一例であって、本発明は特許請求の範囲に記載した事項の範囲内において種々変更した形態にて実施することが可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0047】
1 表示パネル(映像表示部)
4 キャビネット(筐体)
4a 前キャビネット
4b 後キャビネット
4aa 突出部
20 スピーカ
23 連結部
23a 貫通孔
24、36 ゴムブッシュ(弾性部材)
30嵌合部
31 基台部
32 ボス部
33 筒部
33a、34a 嵌合孔
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体の内部にて前方又は後方に突出した突出部にスピーカを固定する固定構造において、
上下に貫通した貫通孔を有し、前記突出部に連結させるために前記スピーカに設けた連結部と、
前記貫通孔に嵌合した弾性部材と、
該弾性部材を介して上側から前記貫通孔に係合しており、前記貫通孔よりも上側にて前後に貫通した嵌合孔を有する嵌合部とを備え、
前記嵌合孔に前記突出部を嵌合させてあること
を特徴とする固定構造。
【請求項2】
前記嵌合孔に嵌合した弾性部材を備えることを特徴とする請求項1に記載の固定構造。
【請求項3】
前記スピーカは、上側又は下側に放音するように前記筐体内に配置してあることを特徴とする請求項1又は2に記載の固定構造。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一つに記載の固定構造と、
該固定構造によって前記筐体内に固定されたスピーカと、
前記筐体に収容された映像表示部と
を備えることを特徴とする表示装置。
【請求項1】
筐体の内部にて前方又は後方に突出した突出部にスピーカを固定する固定構造において、
上下に貫通した貫通孔を有し、前記突出部に連結させるために前記スピーカに設けた連結部と、
前記貫通孔に嵌合した弾性部材と、
該弾性部材を介して上側から前記貫通孔に係合しており、前記貫通孔よりも上側にて前後に貫通した嵌合孔を有する嵌合部とを備え、
前記嵌合孔に前記突出部を嵌合させてあること
を特徴とする固定構造。
【請求項2】
前記嵌合孔に嵌合した弾性部材を備えることを特徴とする請求項1に記載の固定構造。
【請求項3】
前記スピーカは、上側又は下側に放音するように前記筐体内に配置してあることを特徴とする請求項1又は2に記載の固定構造。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一つに記載の固定構造と、
該固定構造によって前記筐体内に固定されたスピーカと、
前記筐体に収容された映像表示部と
を備えることを特徴とする表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−35554(P2011−35554A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−178151(P2009−178151)
【出願日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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