説明

固定装置及び便器装置

【課題】高さ位置の調整時の作業工数を低減し易くした固定装置及び当該固定装置を備えた便器装置を提供する。
【解決手段】本発明の固定装置は、ボルト1及びナット2と、固定部材8に対する被固定部材9の高さ位置を調整する高さ調整部材3とを備え、高さ調整部材3が、円周方向に相対回転可能で且つ軸方向Vに向かい合う第1部材31と第2部材32とを備え、第1部材31が、円周方向に並んだ複数の段差部34を対向面43bに有し、第2部材32が、いずれかの段差部34に選択的に当接させる当接部33を対向面51aに有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固定装置及びこの固定装置を備える便器装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
固定部材に被固定部材を固定する場合、両部材に設けた連通孔にボルトを挿通させた後、ボルトの軸方向における端部にナットを取り付け、当該軸方向においてボルトとナットで両部材を締め付け固定するものがある。そして、このボルト及びナットを用いた固定装置では、固定部材と被固定部材の間にワッシャを介在させると共に、このワッシャの数を変更することで、固定部材と被固定部材の間の幅である固定部材に対する被固定部材の高さ位置を調整することができる。
【0003】
また、特許文献1に示すものでは、被取付部材と取付部材との間に介在されるスペーサを、第1スペーサと第2スペーサとを互いに螺合することで構成し、第1スペーサと第2スペーサとを螺合した状態で相対的に回転させることで、厚さ調整可能としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−130025号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ワッシャを用いた構成では、高さ位置を調整する場合、ボルトを一度取外して、ワッシャの数を変更した後、再度ボルトを挿通させ締め付けるため、組立作業時に工数が多くなり易い。そして、特許文献1に示すものでは、螺合を用いるため、取付部材や被取付部材の利用時に生じた振動や高さ調整に用いた場合の被取付部材の荷重等によって相対回転し易く、調整した厚さ(高さ)を保持し難い。
【0006】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みて発明したもので、その目的とするところは、高さ位置の調整時の作業工数を低減すると共に、調整した高さを保持し易い固定装置及び当該固定装置を備えた便器装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の固定装置は、固定部材に被固定部材を固定するためのボルト及びナットと、前記固定部材と前記被固定部材の間に介在させると共に前記ボルトを挿通し前記固定部材に対する前記被固定部材の高さ位置を調整する高さ調整部材とを備えた固定装置であって、前記高さ調整部材が、前記ボルトの軸方向において向かい合う第1部材及び第2部材を備えると共に、前記第1部材と前記第2部材とが前記ボルトの円周方向において相対回転可能であり、前記第1部材が、前記第2部材と向かい合う対向面に、前記円周方向に並んだ複数の段差部を有し、前記第2部材が、前記第1部材と向かい合う対向面に、前記軸方向においていずれかの前記段差部に選択的に当接させる当接部を有することを特徴とする。
【0008】
この固定装置として、前記第1部材が、前記ボルトが内周に挿通される円筒部と、前記円筒部から径外方向に突出して設けたフランジ部とを有すると共に、前記対向面を前記フランジ部に設け、前記第2部材が、前記円筒部を内周に挿通させる環状体を有すると共に、前記対向面を前記環状体に設け、前記高さ調整部材が、前記段差部を前記当接部に当接した状態における前記円筒部と前記環状体との間に、相対回転防止用の回り止め部を設けることが好ましい。
【0009】
この固定装置として、前記第2部材が、前記当接部となる凸部を前記円周方向において等間隔に複数有し、前記複数の段差部のうち、前記凸部を等間隔に並べた角度で回転対称に位置する前記段差部が各々同じ高さであることが好ましい。
【0010】
また、便器装置は、ボウル部を固定したフレームと、付属装置を内蔵した装置ボックスと、前記装置ボックスを前記フレームに固定する固定装置とを備え、前記固定装置が、前記フレームに前記装置ボックスを固定するためのボルト及びナットと、前記フレームと前記装置ボックスの間に介在させると共に前記ボルトを挿通し前記フレームに対する前記装置ボックスの高さ位置を調整する高さ調整部材とを備え、前記高さ調整部材が、前記ボルトの軸方向において向かい合う第1部材及び第2部材を備えると共に、前記第1部材と前記第2部材とが前記ボルトの円周方向において相対回転可能であり、前記第1部材が、前記第2部材と向かい合う対向面に、前記円周方向に並んだ複数の段差部を有し、前記第2部材が、前記第1部材と向かい合う対向面に、前記軸方向においていずれかの前記段差部に選択的に当接させる当接部を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、ボルトを取り外してワッシャを追加する作業を行わなくても、被固定部材の高さ位置を調整することができ、高さ位置の調整時の工数を低減し易くすることができると共に、段差部に当接させるため、調整した高さを保持し易いという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】ボルトとナットを外した状態の固定装置の斜視図である。
【図2】第1部材の説明図であり、(a)は斜視図であり、(b)は平面図である。
【図3】第2部材の説明図であり、(a)は斜視図であり、(b)は平面図である。
【図4】便器装置の要部の一部を破断した側面図である。
【図5】図4の一部を透過させた斜視図であり、(a)は固定装置無しの状態であり、(b)はボルト及びナット有りの状態である。
【図6】図4の領域A1を拡大した断面図であり、(a)は当接部を第3段差部に当接した状態であり、(b)は当接部を第4段差部に当接した状態である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明を、添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。図1には、固定装置の一実施形態を示す。固定装置は、ボルト1及びナット2と、高さ調整部材3とを備える。ボルト1は、図4、図5に示すように、頭部12を固定部材8の貫通孔82の縁部に当接して、軸部11を固定部材8の貫通孔82及びこの貫通孔82に連通した被固定部材9の貫通孔92に挿通する。そして、ボルト1の被固定部材9から突出した軸部11の端部にはナット2が取り付けられ、このナット2を締め付けることで、ボルト1及びナット2は固定部材8に被固定部材9を固定する。以下、ボルト1の軸部11の軸方向V(挿通方向)を、単に軸方向Vとし、軸部11の軸周りの方向(円周方向)を、単に円周方向とし、方向の基準とし、軸方向Vに視た平面視を、単に平面視と記載し、軸方向Vにおける距離を、単に軸方向距離と記載する。
【0014】
高さ調整部材3は、軸方向Vにおける固定部材8と被固定部材9との間に介在してボルト1(軸部11)が挿通される。そして、高さ調整部材3は、図1に示すように、高さ調整チューブ4(第1部材31)と高さ調整プレート5(第2部材32)とで主体が構成される。
【0015】
高さ調整チューブ4は、図2に示すように、円筒部41と、フランジ部43とで主体が構成される。円筒部41は円筒状で、内径がボルト1の軸部11より大寸、外径が固定部材8の貫通孔82(例えば、図5参照)より小寸となっている。そして、円筒部41は中心軸を軸方向Vに沿って位置した状態で、固定部材8の貫通孔82に挿通して配置されると共に、内周に軸部11が挿通される。
【0016】
また、円筒部41は、多角形部42を外周の一部に有する。多角形部42は円筒部41の軸方向Vにおける寸法の中間より第1端部41a側に設けられる。そして、多角形部42は、円周方向において八つの平面が隣り合って全周に亘って並んだ構成となっており、平面視正八角形となっている。更に、多角形部42は、隣り合う平面で形成される角部が、円筒部41における平面視円形の外周面より径外方向に突出した構成となっている。
【0017】
フランジ部43は円筒部41の第1端部41aに設けてあり、多角形部42の平面から径外方向に突出して円筒部41と一体に形成されている。そして、フランジ部43は平面視正八角形の環状で、軸方向Vに直交して板面を有すると共に、第1端部41a側の板面(第1板面43a)が第1端部41aと略面一の平面となっている。
【0018】
また、第1板面43aの反対側の板面(第2板面43b)は、複数の段差部34を有する。段差部34はフランジ部43の外周辺を下底とし多角形部42の平面を上底とした平面視台形形状で、第2板面43b上に八つ設けられており、第2板面43b全体に亘って配置されている。そして、段差部34は軸方向Vにおける端面が軸方向Vに略直交した平面となっている。
【0019】
更に、円周方向において隣り合う段差部34は、各々第1板面から端面までの軸方向距離(高さ)が異なると共に、円周方向において180°ずれた回転対称の位置に位置する段差部34が、互いに略同じ高さとなっている。すなわち、第2板面43bには、略同形の平面視台形形状で且つ高さの異なる四種類の段差部34を二組、円周方向に連続して全周に亘って設けた構成となっている。
【0020】
また、各組の段差部34は円周方向において、高さの低いものから順番に高くなる階段状に並んでおり、最も高い段差部34は前記高くなる階段状の並びの円周方向における先に、他の組の最も低い段差部34が位置する。以下、高さが低い(前記距離が短い)ものから順番に、第1段差部44a、第2段差部44b、第3段差部44c、第4段差部44dとして区別し、特に区別しない場合には、単に段差部34と記載する。
【0021】
更に、各組の段差部34は順番に0.5mm間隔等の略均等に高さが異なっている。例えば、本例では第4段差部44dを基準とした場合、第3段差部44cが第4段差部44dより0.5mm低く、第2段差部44bが第4段差部44dより1.0mm低く、第1段差部44aが第4段差部44dより1.5mm低い構成となっている。
【0022】
高さ調整プレート5は、図3に示すように、板状の環状体51で主体が構成される。環状体51はフランジ部43と略同形同寸の平面視正八角形形状となっており、第1板面51a及び反対側の第2板面51bが軸方向Vに略直交した平面となっている。そして、環状体51は第1板面51aをフランジ部43の第2板面43bに対向させて、内周に円筒部41が挿通されており、円筒部41に対して軸方向Vに相対移動可能となっている。
【0023】
更に、環状体51は多角形部42の外周に位置することで、内周面が多角形部42の前記平面に当接されて相対回転不能となり、多角形部42以外の部位(平面視円形状の部位)の外周に位置すると、円筒部41に対して円周方向に相対回転自在となる。すなわち、環状体51の平面視八角形の内周形状と、平面視八角形の多角形部42とが、環状体51を円筒部41に相対回転不能に保持する回り止め部を構成している。
【0024】
また、環状体51は、平面視台形形状の凸部52が、第1板面51aに二つ略同形状で設けてある。そして、凸部52は第1板面51aから軸方向Vに沿って突出し、突出した先端部が軸方向Vに略直交の平面となっている。更に、凸部52は、平面視において、台形の上底と下底とが、平行で且つ径外方向に並び、上底が正八角形の内周側の一辺で構成され、下底が外周側の一辺で構成される。
【0025】
また、二つの凸部52は、円周方向において180°ずれた回転対称の位置に位置する。そのため、図1に示すように、環状体51の内周を多角形部42に当接した状態において、凸部52は各々当接部33として、同じ高さで組の異なる段差部34に当接される。そして、環状体51を多角形部42から軸方向Vにずらして円筒部41に対して相対回転させた後、多角形部42に位置させることで、凸部52(当接部33)に当接させる段差部34を切り替えることができる(例えば、図6参照)。
【0026】
このように、凸部52を複数の段差部34から選択して当接させる(選択的に当接させる)ことで、凸部52を当接した段差部34の高さに応じて、フランジ部43の第1板面43aから環状体51の第2板面51bまで軸方向距離を変更させることができる。そして、固定部材8と被固定部材9の軸方向Vにおける間に高さ調整部材3を介在させたことで、フランジ部43及び環状体51の軸方向Vにおける板厚分、軸方向Vにおいて被固定部材9を固定部材8から離して取付固定することができる。更に、向かい合う環状体51とフランジ部43との軸方向距離を変更可能としたことで、ナット2を緩めて当該軸方向距離を変更するだけで、固定部材8に対する被固定部材9の軸方向距離(高さ位置)を調整することができる。そのため、高さ調整時にボルト1を抜いてワッシャの数を変更する従来の固定装置に比べて、高さ調整時の作業の工数を低減し易くすることができる。
【0027】
また、円周方向において階段状に段差部34を設けたことで、円周方向における一方に向けて相対回転させることで、順番に高さを低くすることができ、逆向きに相対回転させることで、順番に高さを高くすることができる。このように、円周方向に回転させることで順番に高さを変更可能としたことで、暗所や閉所等の高さ調整部材3を視認しての作業が行い難い場合に、高さ調整部材3を視認し難い状態でも、高さ調整を行い易くすることができる。
【0028】
そして、凸部52と段差部34を軸方向Vに略直交した平面で当接させると共に、環状体51と円筒部41との間に回り止め部を設けたことで、振動による位置ずれ等の固定部材8や被固定部材9の利用時の影響を受け難くすることができる。そのため、固定後の被固定部材9における調整した高さを保持し易くすることができる。
【0029】
更に、当接部33となる凸部52を等間隔に複数設けたことで、高さ調整チューブ4を介した被固定部材9の荷重を、凸部52毎に分散させて高さ調整プレート5にかけることができると共に、この荷重を各凸部52に略均等に分散させ易くなる。そのため、被固定部材9の荷重による高さ調整部材3の変形や破損を生じ難くすることができ、高さ調整部材3の寿命を延ばし易くすることができると共に、調整した高さの経時変化を生じ難くすることができる。
【0030】
また、前述の高さ調整部材3を備えた固定装置は、図4に示すように、便器装置に好適に用いることができる。なお、前述で説明した構成の重複する説明は省略する。
【0031】
便器装置は前述の固定装置に加えて、ボウル部(図示せず)と、外殻パーツ(図示せず)と、フレーム8aと、排水機構部(図示せず)と、付属装置(図示せず)と、装置ボックス9aとを備える。外殻パーツはフレーム8aに固定されており、前パーツと後パーツとで主体が構成される。そして、前パーツはボウル部の外周を覆い、後パーツは、ボウル部に連通接続された排水機構部の外観を覆う。以下、フレーム8aにおいて、ボウル部側を前方Fとし、排水機構部側を後方Bとする。
【0032】
また、フレーム8aは固定装置を介して装置ボックス9aを取付固定する固定部材8となっており、装置ボックス9aは固定装置を介してフレーム8aに固定される被固定部材9となっている。
【0033】
フレーム8aは前パーツより後方Bの上部に、金属製で中空矩形のパイプ部材81(所謂、角パイプ)を備える。パイプ部材81は、図5に示すように、貫通孔82として、下面部81aに第1貫通孔82aを有し、上面部81bに第2貫通孔82bを有する。第1貫通孔82aは高さ調整チューブ4の円筒部41の内径と略同寸となっており、第2貫通孔82bは第1貫通孔82aより大径で、高さ調整チューブ4の多角形部42の外接円の径と略同寸或いは若干大きい寸法となっている。そして、第1貫通孔82aと第2貫通孔82bとは平面視において略同心に位置し、軸方向Vにおいて連通する。
【0034】
また、パイプ部材81は第2貫通孔82bに円筒部41を挿通させると共に、上面部81bに環状体51の第2板面51bを当接させて、高さ調整部材3が載置されている。そして、高さ調整チューブ4の円筒部41は第1貫通孔82aより上方に位置しており、第1貫通孔82aには挿通されていない。そのため、この載置された状態で、ボルト1がパイプ部材81の下方から第1貫通孔82aに挿通された後、円筒部41を介して第2貫通孔82bに挿通される。
【0035】
装置ボックス9aは付属装置が内蔵されており、付属装置は、例えば、局部洗浄装置、温風乾燥装置、脱臭装置、洗浄水供給装置等となっている。そして、この付属装置をボウル部の上方位置或いはボウル部のリブに設けた開口部からボウル部に臨むようにして、装置ボックス9aはフレーム8aに取り付けられる。
【0036】
また、装置ボックス9aはパイプ部材81の上面部81bの上方に高さ調整部材3を介して配置されており、フランジ部43の第1板面43aに当接して載置する取付部91を有する。取付部91は、ナット2を収容する凹所で主体が構成されており、この凹所は側方に開口を有しており、この開口から凹所内にナット2を収容することで、取付部91にナット2が取り付けられる。そして、取付部91は凹所内に、収容されたナット2の回転を阻止すると共に位置決めを行うナット保持部93を有する。
【0037】
更に、取付部91は、フランジ部43に当接される下部に貫通孔92を有し、貫通孔92はナット2のねじ孔と円筒部41の内周とに略同心で連通する。そして、取付部91は、貫通孔92にボルト1(軸部11)が挿通されると共に、この軸部11が凹所内に突出してナット2に取り付けられる。そのため、装置ボックス9aはボルト1及びナット2により高さ調整部材3を介してフレーム8aに締め付け固定されている。
【0038】
そして、パイプ部材81の上面部81bと取付部91の下部の軸方向距離は、例えば、図6(a)に示すように、凸部52(当接部33)を第3段差部44cに当接した場合、T2となる。そして、図6(b)に示すように、第4段差部44dに当接した場合、T1となり、第3段差部44cに当接した場合に比べて前記軸方向距離を長くする(大きくする)ことができる。すなわち、凸部52に当接させる段差部34を変更して前記軸方向距離を変えることで、装置ボックス9aのフレーム8aに対する高さ位置が調整される。
【0039】
このように、高さ調整プレート5と高さ調整チューブ4とを備える高さ調整部材3を介在させて、ボルト1及びナット2で装置ボックス9a(被固定部材9)をフレーム8a(固定部材8)に固定した便器装置となっている。そして、前述の通り、装置ボックス9aのフレーム8aに対する高さ位置を調整することで、フレーム8aに取り付けられたボウル部に対する、装置ボックス9aに内蔵された付属装置の高さ位置を調整することができる。そのため、付属装置取付時等に、付属装置をボウル部に臨ませる位置の調整が行い易くなり、付属装置の取付等の作業を行い易くすることができる。
【0040】
更に、円筒部41を設けたことで、ボルト1を円筒部41に挿通するだけで、高さ調整チューブ4(円筒部41)に加えて、フレーム8aの第2貫通孔82bと高さ調整プレート5とにボルト1を挿通させることができる。そのため、第2貫通孔82bや高さ調整部材3が装置ボックス9aに隠蔽された場合でも、円筒部41一つにボルト1を挿通するだけで、三つの孔にボルト1を挿通させることができ、作業効率が向上し、作業を行い易くすることができる。
【0041】
なお、フランジ部43や環状体51や多角形部42は正八角形形状に限らず、他の正多角形であってもよい。そして、フランジ部43や環状体51は正多角形状に限らず、円形の環状であってもよい。更に、環状体51の内周の形状は、多角形部42と嵌り合い回り止め部を形成可能であればよい。また、第1部材31は、円筒部41を備えた高さ調整チューブ4に限らず、環状のフランジ部43のみで構成されたものであってもよく、このものでは、貫通孔82が一つのみのフレーム8aに好適に用いられる。
【0042】
また、凸部52は二つに限らず、一つであってもよく、三つ以上であってもよい。そして、段差部34は、同じ高さのものを凸部52の数と同数有すると共に、円周方向において凸部52の並ぶ間隔と略同じ間隔位置(回転対称の位置)に同じ高さの段差部34が位置すればよい。もちろん、段差部34の高さの寸法値は、例示の0.5mm間隔に限らず、また高さの差が均等でなくてもよい。
【符号の説明】
【0043】
1 ボルト
2 ナット
3 高さ調整部材
31 第1部材
32 第2部材
33 当接部
34段差部
41 円筒部
43 フランジ部
43b 第2板面(対向面)
51 環状体
51a 第1板面(対向面)
52 凸部
8 固定部材
9 被固定部材
V 軸方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定部材に被固定部材を固定するためのボルト及びナットと、前記固定部材と前記被固定部材の間に介在させると共に前記ボルトを挿通し前記固定部材に対する前記被固定部材の高さ位置を調整する高さ調整部材とを備えた固定装置であって、
前記高さ調整部材が、前記ボルトの軸方向において向かい合う第1部材及び第2部材を備えると共に、前記第1部材と前記第2部材とが前記ボルトの円周方向において相対回転可能であり、
前記第1部材が、前記第2部材と向かい合う対向面に、前記円周方向に並んだ複数の段差部を有し、
前記第2部材が、前記第1部材と向かい合う対向面に、前記軸方向においていずれかの前記段差部に選択的に当接させる当接部を有することを特徴とする固定装置。
【請求項2】
前記第1部材が、前記ボルトが内周に挿通される円筒部と、前記円筒部から径外方向に突出して設けたフランジ部とを有すると共に、前記対向面を前記フランジ部に設け、
前記第2部材が、前記円筒部を内周に挿通させる環状体を有すると共に、前記対向面を前記環状体に設け、
前記高さ調整部材が、前記段差部を前記当接部に当接した状態における前記円筒部と前記環状体との間に、相対回転防止用の回り止め部を設けることを特徴とする請求項1に記載の固定装置。
【請求項3】
前記第2部材が、前記当接部となる凸部を前記円周方向において等間隔に複数有し、
前記複数の段差部のうち、前記凸部を等間隔に並べた角度で回転対称に位置する前記段差部が各々同じ高さであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の固定装置。
【請求項4】
ボウル部を固定したフレームと、付属装置を内蔵した装置ボックスと、前記装置ボックスを前記フレームに固定する固定装置とを備え、
前記固定装置が、前記フレームに前記装置ボックスを固定するためのボルト及びナットと、前記フレームと前記装置ボックスの間に介在させると共に前記ボルトを挿通し前記フレームに対する前記装置ボックスの高さ位置を調整する高さ調整部材とを備え、
前記高さ調整部材が、前記ボルトの軸方向において向かい合う第1部材及び第2部材を備えると共に、前記第1部材と前記第2部材とが前記ボルトの円周方向において相対回転可能であり、
前記第1部材が、前記第2部材と向かい合う対向面に、前記円周方向に並んだ複数の段差部を有し、
前記第2部材が、前記第1部材と向かい合う対向面に、前記軸方向においていずれかの前記段差部に選択的に当接させる当接部を有することを特徴とする便器装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−24335(P2013−24335A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−160173(P2011−160173)
【出願日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】