説明

固形剤収容容器用キャップおよびこれを用いた固形剤収容容器

【課題】簡単な操作でかつ確実に所定の量の固形剤を計量して取り出すことができ、しかも、複雑な構成でなく、コストも低減可能な固形剤収容容器用キャップおよびこれを用いた固形剤収容容器を提供する。
【解決手段】蓋部材を中栓部材に閉蓋した際には、蓋部材の当接片が、中栓部材の固形剤収容受け皿部に当接して下方に押圧して、弾性係止片の上方への付勢力に抗して、固形剤収容受け皿部を下方に移動させて、固形剤進入用開口部を、固形剤が通過可能な大きさに開口するようにし、蓋部材を中栓部材から開蓋した際には、蓋部材の当接片と固形剤収容受け皿部との当接が解除されて、弾性係止片の上方への付勢力によって、固形剤収容受け皿部を上方に元の状態に移動させて、固形剤進入用開口部を、固形剤が通過不能な大きさに開口するように構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固形剤を収容した容器において、容器内に収容した固形剤を所定量ずつ取り出すための固形剤収容容器用キャップおよびこれを用いた固形剤収容容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、錠剤、カプセル剤などの薬品類、チョコレート、キャンディー、ガムなどの粒状の菓子類などの固形剤を収容した容器において、容器内に収容した固形剤を所定量ずつ取り出すことが求められる場合がある。
【0003】
例えば、薬剤などの錠剤では、処方箋、服用方法などに基づいて、容器内に収容した固形剤を所定量ずつ計量して取り出すことが必要となる場合がある。
【0004】
このため、特許文献1(特開平11−193051号公報)には、一定量の錠剤を取り出すため錠剤収納容器が提案されている。
【0005】
図45に示したように、この特許文献1の錠剤収納容器100は、容器本体102の口部104に装着されるキャップ本体106に、計量皿108を設けている。そして、計量皿108が設けられていない開口部110を、上下回動可能な邪魔板112を設けており、蓋部材114の下面に設けた係止棒116を設けている。
【0006】
これにより、蓋部材114をキャップ本体106に対して開閉することによって、係止棒116が邪魔板112に対して当接、離反することによって、図45の実線と点線で示した位置に邪魔板112が移動して、開口部110を開閉して、所定量の錠剤Tが、計量皿108に移動して計量、取り出しを行うことができるように構成されている。
【0007】
また、特許文献2(特開平11−105948号公報)には、単数の錠剤を取り出すため錠剤収納容器が提案されている。
【0008】
図46に示したように、この特許文献2の錠剤収納容器200は、容器本体202の口部204に装着される保持筒206の下端に、第1の係合フランジ208を、保持筒206の上端部の内面に、第1の係合突条210をそれぞれ形成している。
【0009】
そして、この保持筒206内に、昇降筒212を摺動可能に装着するとともに、昇降筒212の上端外面に、第2の係合フランジ214を突設している。この昇降筒212の傾斜した底面216に、単数の錠剤を落込み可能な凹部218を形成するとともに、昇降筒212の側面に錠剤通過用の開口部220を形成している。さらに、昇降筒212の上端内面には、第2の係合突条226が形成されている。
【0010】
この昇降筒212の第2の係合フランジ214を、保持筒206の第1の係合フランジ208に係合させるとともに、蓋部材222の下面に形成した内周壁228の下端の突設部230を、昇降筒212の第2の係合突条226に係合させて、蓋部材222を昇降筒212に嵌合するように構成されている。
【0011】
これにより、蓋部材222を装着した際には、図46(A)に示したように、昇降筒212が下方位置にあり、昇降筒212の側面の開口部220を介して、単数の錠剤Tが凹部218に落ち込むようになっている。
【0012】
この状態で、図46(B)に示したように、蓋部材222を取り外すことによって、昇降筒212が上昇して、昇降筒212の側面の開口部220が閉鎖されて、単数の錠剤Tを取り出すことができるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開平11−193051号公報
【特許文献2】特開平11−105948号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、特許文献1に記載の従来の錠剤収納容器100では、邪魔板112は上下に回動する構成であるので、所定量よりも多くの錠剤Tが、邪魔板112と開口部110の隙間から、計量皿108に進入するおそれがある。
【0015】
また、この邪魔板112に錠剤Tが挟まってしまうことがあり、そのため、邪魔板112に挟まった錠剤Tが、容器を天地逆さまにして、計量皿108から取り出す際に、外部にこぼれ落ちる可能性がある。
【0016】
一方、特許文献2に記載の従来の錠剤収納容器200では、保持筒206内に、昇降筒212を摺動可能に装着するとともに、蓋部材222の内周壁228下端の突設部224、係合フランジ、係合突条などを形成するなど構成が複雑となり、コストが高くつくことになる。
【0017】
また、昇降筒212の傾斜した底面216を錠剤が滑り落ちて、凹部218内に単数の錠剤Tがうまく落ち込まず、昇降筒212の側面の開口部220を介して、容器本体202内に落下してしまう場合がある。
【0018】
いずれにしても、従来の錠剤収納容器では、確実に所定の量の錠剤を計量して取り出すことについてはまだまだ不十分であった。
【0019】
本発明は、このような現状に鑑み、簡単な操作でかつ確実に所定の量の固形剤を計量して取り出すことができ、しかも、複雑な構成でなく、コストも低減可能な固形剤収容容器用キャップおよびこれを用いた固形剤収容容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明は、前述したような従来技術における課題及び目的を達成するために発明されたものであって、本発明の固形剤収容容器用キャップは、
固形剤を収容した容器本体の口部に装着され、容器内に収容した固形剤を所定量ずつ取り出すための固形剤収容容器用キャップであって、
前記固形剤収容容器用キャップは、
前記容器本体に装着される中栓部材と、
前記中栓部材に開閉可能に装着される蓋部材とを備え、
前記中栓部材が、
前記中栓部材の上板部に形成され、固形剤を所定量ずつ取り出すための固形剤取り出し用開口部と、
前記固形剤取り出し用開口部の下方に位置し、所定量の固形剤を収容する収容空間を有する固形剤収容受け皿部と、
前記上板部の固形剤取り出し用開口部から下方に延設され、固形剤収容受け皿部に連結された弾性係止片と、
前記固形剤収容受け皿部と中栓部材の上板部との間に形成された固形剤進入用開口部とを備え、
前記蓋部材には、蓋部材の上板部から下方に延設された当接片が形成されており、
前記蓋部材を中栓部材に閉蓋した際には、蓋部材の当接片が、中栓部材の固形剤収容受け皿部に当接して下方に押圧して、弾性係止片の上方への付勢力に抗して、固形剤収容受け皿部を下方に移動させて、固形剤進入用開口部を、固形剤が通過可能な大きさに開口するようにし、
前記蓋部材を中栓部材から開蓋した際には、蓋部材の当接片と固形剤収容受け皿部との当接が解除されて、弾性係止片の上方への付勢力によって、固形剤収容受け皿部を上方に元の状態に移動させて、固形剤進入用開口部を、固形剤が通過不能な大きさに開口するように構成したことを特徴とする。
【0021】
このように構成することによって、蓋部材を中栓部材に閉蓋するだけで、蓋部材の当接片が、中栓部材の固形剤収容受け皿部に当接して下方に押圧して、弾性係止片の上方への付勢力に抗して、固形剤収容受け皿部が下方に移動する。これにより、固形剤進入用開口部が、固形剤が通過可能な大きさに開口することになる。
【0022】
従って、この状態で、例えば、固形剤収容容器を天地逆さまの状態にすることによって、錠剤などの固形剤が、固形剤進入用開口部を介して、固形剤収容受け皿部の収容空間内に進入することになる。
【0023】
この状態で、固形剤収容容器を天地を元の状態に戻すことによって、固形剤収容受け皿部上に所定量の固形剤が収容(載置)され、余分に固形剤収容受け皿部の収容空間内に進入した固形剤は、固形剤進入用開口部を介して、容器本体内部に落下することになる。
【0024】
そして、この状態で、蓋部材を中栓部材から開蓋すれば、蓋部材の当接片と固形剤収容受け皿部との当接が解除されて、弾性係止片の上方への付勢力によって、固形剤収容受け皿部が上方に元の状態に移動する。
【0025】
これにより、固形剤進入用開口部が、固形剤が通過不能な大きさに開口するので、容器本体から固形剤が固形剤進入用開口部を介して、固形剤収容受け皿部の収容空間内に進入するのが阻止されて、例えば、固形剤収容容器を傾けるなどして、固形剤収容受け皿部上に収容(載置)された所定量の固形剤を、計量、取り出しすることができる。
【0026】
従って、簡単な操作でかつ確実に所定の量の固形剤を計量して取り出すことができ、しかも、複雑な構成でなく、コストも低減可能な固形剤収容容器用キャップおよびこれを用いた固形剤収容容器を提供することができる。
【0027】
また、本発明の固形剤収容容器用キャップは、
前記中栓部材が、固形剤収容受け皿部から上方に突設した突設片を備え、
前記蓋部材には、蓋部材の上板部から下方に延設され、中栓部材の突設片に対応して当接片が形成されており、
前記蓋部材を中栓部材に閉蓋した際には、蓋部材の当接片が、中栓部材の突設片に当接して下方に押圧して、弾性係止片の上方への付勢力に抗して、固形剤収容受け皿部を下方に移動させて、固形剤進入用開口部を、固形剤が通過可能な大きさに開口するようにし、
前記蓋部材を中栓部材から開蓋した際には、蓋部材の当接片と中栓部材の突設片との当接が解除されて、弾性係止片の上方への付勢力によって、固形剤収容受け皿部を上方に元の状態に移動させて、固形剤進入用開口部を、固形剤が通過不能な大きさに開口するように構成したことを特徴とする。
【0028】
このように構成することによって、蓋部材を中栓部材に閉蓋するだけで、蓋部材の当接片が、中栓部材の突設片に当接して下方に押圧して、弾性係止片の上方への付勢力に抗して、固形剤収容受け皿部が下方に移動する。これにより、固形剤進入用開口部が、固形剤が通過可能な大きさに開口することになる。
【0029】
従って、この状態で、例えば、固形剤収容容器を天地逆さまの状態にすることによって、錠剤などの固形剤が、固形剤進入用開口部を介して、固形剤収容受け皿部の収容空間内に進入することになる。
【0030】
この状態で、固形剤収容容器を天地を元の状態に戻すことによって、固形剤収容受け皿部上に所定量の固形剤が収容(載置)され、余分に固形剤収容受け皿部の収容空間内に進入した固形剤は、固形剤進入用開口部を介して、容器本体内部に落下することになる。
【0031】
そして、この状態で、蓋部材を中栓部材から開蓋すれば、蓋部材の当接片と中栓部材の突設片との当接が解除されて、弾性係止片の上方への付勢力によって、固形剤収容受け皿部が上方に元の状態に移動する。
【0032】
これにより、固形剤進入用開口部が、固形剤が通過不能な大きさに開口するので、容器本体から固形剤が固形剤進入用開口部を介して、固形剤収容受け皿部の収容空間内に進入するのが阻止されて、例えば、固形剤収容容器を傾けるなどして、固形剤収容受け皿部上に収容(載置)された所定量の固形剤を、計量、取り出しすることができる。
【0033】
従って、簡単な操作でかつ確実に所定の量の固形剤を計量して取り出すことができ、しかも、複雑な構成でなく、コストも低減可能な固形剤収容容器用キャップおよびこれを用いた固形剤収容容器を提供することができる。
【0034】
また、本発明の固形剤収容容器用キャップは、前記中栓部材の上板部の下方の固形剤取り出し用開口部の周囲には、固形剤を固形剤進入用開口部に案内する案内部材が付設されていることを特徴とする。
【0035】
このように構成することによって、蓋部材を中栓部材に閉蓋した状態で、例えば、固形剤収容容器を天地逆さまの状態にすることによって、錠剤などの固形剤が、案内部材に案内されて、固形剤進入用開口部を介して、固形剤収容受け皿部の収容空間内に進入しやすくなり、確実に所定量の固形剤を固形剤収容受け皿部上に収容(載置)することができ、計量、取り出しすることができる。
【0036】
また、本発明の固形剤収容容器用キャップは、前記案内部材が、固形剤取り出し用開口部の周囲に沿って、固形剤進入用開口部に対する傾斜角度αが漸次増大するテーパー案内面を有することを特徴とする。
【0037】
このように、錠剤などの固形剤が、固形剤取り出し用開口部の周囲に沿って、固形剤進入用開口部に対する傾斜角度αが漸次増大するテーパー案内面に沿って案内されるので、錠剤などの固形剤が、案内部材のテーパー案内面に案内されて、固形剤進入用開口部を介して、固形剤収容受け皿部の収容空間内に進入しやすくなるとともに、錠剤などの固形剤が、固形剤収容受け皿部上に収容(載置)されやすい姿勢になり、確実に所定量の固形剤を固形剤収容受け皿部上に収容(載置)することができ、計量、取り出しすることができる。
【0038】
また、本発明の固形剤収容容器用キャップは、前記案内部材が、固形剤取り出し用開口部の周囲に沿って形成された複数の所定間隔離間したリブから構成されていることを特徴とする。
【0039】
このように構成することによって、錠剤などの固形剤が、複数の所定間隔離間したリブに案内されて、固形剤進入用開口部を介して、固形剤収容受け皿部の収容空間内に進入しやすくなり、確実に所定量の固形剤を固形剤収容受け皿部上に収容(載置)することができ、計量、取り出しすることができる。
【0040】
また、このような複数のリブにより案内部材を形成するので、軽量化が図れることになる。
【0041】
また、本発明の固形剤収容容器用キャップは、前記案内部材が、固形剤取り出し用開口部の周囲に沿って形成されたスロープ面を有するスロープ部材から構成されていることを特徴とする。
【0042】
このように構成することによって、錠剤などの固形剤が、スロープ部材のスロープ面に案内されて、固形剤進入用開口部を介して、固形剤収容受け皿部の収容空間内に進入しやすくなり、確実に所定量の固形剤を固形剤収容受け皿部上に収容(載置)することができ、計量、取り出しすることができる。
【0043】
また、本発明の固形剤収容容器用キャップは、前記中栓部材の弾性係止片が、固形剤収容受け皿部の中心に対して点対象の位置に2本形成されており、これらの2本の弾性係止片によって、2つの固形剤進入用開口部が形成されていることを特徴とする。
【0044】
このように構成することによって、錠剤などの固形剤が、2つの少なくとも1つの固形剤進入用開口部を介して、固形剤収容受け皿部の収容空間内に進入しやすくなり、確実に所定量の固形剤を固形剤収容受け皿部上に収容(載置)することができ、計量、取り出しすることができる。
【0045】
また、本発明の固形剤収容容器用キャップは、前記2つの固形剤進入用開口部の一方に、固形剤進入阻止部材が形成されており、これにより、一方側の固形剤進入用開口部を介してのみ、固形剤が通過可能となるように構成されていることを特徴とする。
【0046】
このように構成することによって、錠剤などの固形剤が、一方側の固形剤進入用開口部を介してのみ、固形剤収容受け皿部の収容空間内に進入するので、一方側に固形剤収容容器を傾けるだけで、確実に所定量の固形剤を固形剤収容受け皿部上に収容(載置)することができ、計量、取り出しすることができる。
【0047】
また、本発明の固形剤収容容器用キャップは、
前記固形剤収容受け皿部と、弾性係止片と、固形剤進入用開口部とが一体に形成された受け皿部材を備え、
前記受け皿部材が、前記固形剤取り出し用開口部に脱着自在に装着できるように構成されていることを特徴とする。
【0048】
このように構成することによって、例えば、錠剤などの固形剤のサイズ、計量すべき量に応じた固形剤収容受け皿部を有する受け皿部材を複数用意することによって、所定の受け皿部材を固形剤取り出し用開口部に脱着自在に装着するのみで、多品種の固形剤に応じて使用できるので、汎用性が向上することになる。
【0049】
また、本発明の固形剤収容容器用キャップは、前記蓋部材が、中栓部材に対してヒンジを介して開閉可能に装着できるように構成されていることを特徴とする。
【0050】
このように蓋部材が、中栓部材に対してヒンジを介して開閉可能に装着できるように構成されているので、蓋部材の開閉動作が容易であり、これに応じて前述した固形剤の計量、取り出し操作が容易となる。
【0051】
また、本発明の固形剤収容容器は、前述のいずれかに記載の固形剤収容容器用キャップが装着された固形剤収容容器である。
【発明の効果】
【0052】
本発明によれば、蓋部材を中栓部材に閉蓋するだけで、蓋部材の当接片が、中栓部材の固形剤収容受け皿部に当接して下方に押圧して、弾性係止片の上方への付勢力に抗して、固形剤収容受け皿部が下方に移動する。これにより、固形剤進入用開口部が、固形剤が通過可能な大きさに開口することになる。
【0053】
従って、この状態で、例えば、固形剤収容容器を天地逆さまの状態にすることによって、錠剤などの固形剤が、固形剤進入用開口部を介して、固形剤収容受け皿部の収容空間内に進入することになる。
【0054】
この状態で、固形剤収容容器を天地を元の状態に戻すことによって、固形剤収容受け皿部上に所定量の固形剤が収容(載置)され、余分に固形剤収容受け皿部の収容空間内に進入した固形剤は、固形剤進入用開口部を介して、容器本体内部に落下することになる。
【0055】
そして、この状態で、蓋部材を中栓部材から開蓋すれば、蓋部材の当接片と固形剤収容受け皿部との当接が解除されて、弾性係止片の上方への付勢力によって、固形剤収容受け皿部が上方に元の状態に移動する。
【0056】
これにより、固形剤進入用開口部が、固形剤が通過不能な大きさに開口するので、容器本体から固形剤が固形剤進入用開口部を介して、固形剤収容受け皿部の収容空間内に進入するのが阻止されて、例えば、固形剤収容容器を傾けるなどして、固形剤収容受け皿部上に収容(載置)された所定量の固形剤を、計量、取り出しすることができる。
【0057】
従って、簡単な操作でかつ確実に所定の量の固形剤を計量して取り出すことができ、しかも、複雑な構成でなく、コストも低減可能な固形剤収容容器用キャップおよびこれを用いた固形剤収容容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】図1は、本発明の固形剤収容容器用キャップを備えた固形剤収容容器の蓋部材を閉蓋した状態の正面図である。
【図2】図2は、図1の固形剤収容容器の上面図である。
【図3】図3は、図2のB方向の矢視図である。
【図4】図4は、図2のA−A線での部分拡大断面図である。
【図5】図5は、本発明の固形剤収容容器用キャップを備えた固形剤収容容器の蓋部材を開蓋した状態の正面図である。
【図6】図6は、図5の固形剤収容容器の上面図である。
【図7】図7は、図6のB−B線での部分拡大断面図である。
【図8】図8は、図7の斜め下方から見た斜視図である。
【図9】図9は、図7の斜め上方から見た斜視図である。
【図10】図10は、本発明の固形剤収容容器用キャップを備えた固形剤収容容器の使用状態を説明する部分拡大断面図である。
【図11】図11は、本発明の別の実施例の固形剤収容容器用キャップを備えた固形剤収容容器の部分拡大断面図である。
【図12】図12は、図11の固形剤収容容器の上面図である。
【図13】図13は、図11のB−B線での部分拡大断面図である。
【図14】図14は、図13の斜め下方から見た斜視図である。
【図15】図15は、図13の斜め上方から見た斜視図である。
【図16】図16は、本発明の別の実施例の固形剤収容容器用キャップを備えた固形剤収容容器の部分拡大断面図である。
【図17】図17は、図16の固形剤収容容器の上面図である。
【図18】図18は、図17のB−B線での部分拡大断面図である。
【図19】図19は、図18の斜め下方から見た斜視図である。
【図20】図20は、図18の斜め上方から見た斜視図である。
【図21】図21は、本発明の別の実施例の固形剤収容容器用キャップを備えた固形剤収容容器の部分拡大断面図である。
【図22】図22は、図21の固形剤収容容器の上面図である。
【図23】図23は、図22のB−B線での部分拡大断面図である。
【図24】図24は、図23の斜め下方から見た斜視図である。
【図25】図25は、図23の斜め上方から見た斜視図ある。
【図26】図26は、本発明の別の実施例の固形剤収容容器用キャップを備えた固形剤収容容器の部分拡大断面図である。
【図27】図27は、図26の固形剤収容容器の上面図である。
【図28】図28は、図27のB−B線での部分拡大断面図である。
【図29】図29は、図28の斜め下方から見た斜視図である。
【図30】図30は、図28の斜め上方から見た斜視図である。
【図31】図31は、本発明の別の実施例の固形剤収容容器用キャップを備えた固形剤収容容器の部分拡大断面図である。
【図32】図32は、図31の固形剤収容容器の上面図である。
【図33】図33は、図32のB−B線での部分拡大断面図である。
【図34】図34は、図33の斜め下方から見た斜視図である。
【図35】図35は、図33の斜め上方から見た斜視図である。
【図36】図36は、本発明の別の実施例の固形剤収容容器用キャップを備えた固形剤収容容器の蓋部材を閉蓋した状態の部分拡大断面図である。
【図37】図37は、本発明の別の実施例の固形剤収容容器用キャップを備えた固形剤収容容器の蓋部材を開蓋した状態の部分拡大断面図である。
【図38】図38は、図36の固形剤収容容器の部分拡大斜視図である。
【図39】図39は、図37の固形剤収容容器の部分拡大斜視図である。
【図40】図40は、本発明の別の実施例の固形剤収容容器用キャップを備えた固形剤収容容器の蓋部材を閉蓋した状態の部分拡大断面図である。
【図41】図41は、図40の部分拡大斜視図である。
【図42】図42は、図40の固形剤収容容器の開蓋状態の上面図である。
【図43】図43は、図40の固形剤収容容器の開蓋状態の部分拡大断面図である。
【図44】図44は、図43の固形剤収容容器の部分拡大斜視図である。
【図45】図45は、従来の錠剤収納容器の部分拡大断面図である。
【図46】図46は、従来の錠剤収納容器の部分拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0059】
以下、本発明の実施の形態(実施例)を図面に基づいてより詳細に説明する。
【実施例1】
【0060】
図1は、本発明の固形剤収容容器用キャップを備えた固形剤収容容器の蓋部材を閉蓋した状態の正面図、図2は、図1の固形剤収容容器の上面図、図3は、図2のB方向の矢視図、図4は、図2のA−A線での部分拡大断面図、図5は、本発明の固形剤収容容器用キャップを備えた固形剤収容容器の蓋部材を開蓋した状態の正面図、図6は、図5の固形剤収容容器の上面図、図7は、図6のB−B線での部分拡大断面図、図8は、図7の斜め下方から見た斜視図、図9は、図7の斜め上方から見た斜視図、図10は、本発明の固形剤収容容器用キャップを備えた固形剤収容容器の使用状態を説明する部分拡大断面図である。
【0061】
図において、符号10は、全体で本発明の固形剤収容容器を示している。
【0062】
図1〜図5に示したように、固形剤収容容器10は、固形剤収容容器用キャップ12を備えており、この固形剤収容容器用キャップ12は、固形剤Tを収容した容器本体14の口部16に装着されるものである。
【0063】
なお、このような固形剤Tとしては、例えば、錠剤、カプセル剤などの薬品類、チョコレート、キャンディー、ガムなどの粒状の菓子類などの固形剤などがあるが、何らこれに限定されるものではない。
【0064】
また、固形剤収容容器用キャップ12は、容器本体14の口部16に装着される中栓部材18を備えており、この中栓部材18にヒンジ20を介して開閉可能に蓋部材22を連結している。
【0065】
図4に示したように、中栓部材18の側壁24の内周には、雌ネジ24aが形成されており、この雌ネジ24aを、容器本体14の口部16の外周に形成された雄ネジ16aに螺合することによって、中栓部材18、すなわち、固形剤収容容器用キャップ12を、容器本体14の口部16に装着することができるように構成されている。
【0066】
なお、この実施例では、中栓部材18の雌ネジ24aを、容器本体14の口部16の雄ネジ16aに螺合することによって、固形剤収容容器用キャップ12を、容器本体14の口部16に装着するように構成したが、いわゆるスナップフィット形式で構成することももちろん可能である。
【0067】
なお、蓋部材22の開閉を容易にするために、中栓部材18の側壁24の外側には、開閉用凹部26が形成されているとともに、この開閉用凹部26に対応して、蓋部材22の一部が外側に突出する開閉用突出片28が形成されている。
【0068】
また、中栓部材18の側壁24の内周側には、上方に突出する上部フランジ30が形成されており、この上部フランジ30の外側に突設した係止片32に、蓋部材22の開閉用突出片28の内側に形成された係止突設部34を係止することにより、いわゆるスナップフィットにより、蓋部材22を中栓部材18に係脱することができるように構成されている。
【0069】
さらに、図4、図6〜図9に示したように、中栓部材18の上板部36には、固形剤Tを所定量ずつ取り出すための固形剤取り出し用開口部38が形成されている。
【0070】
そして、この固形剤取り出し用開口部38の下方に位置し、所定量の固形剤Tを収容する収容空間Sを有する固形剤収容受け皿部40が配置されている。この固形剤収容受け皿部40は、上板部36の固形剤取り出し用開口部38から下方に延設され、固形剤収容受け皿部40の外周縁に連結された弾性係止片42によって、上板部36に連結されている。
【0071】
この弾性係止片42は、弾性屈曲部42aを備えており、これにより、固形剤収容受け皿部40を上方に付勢するように構成されている。
【0072】
また、この実施例では、図6、図8〜図9に示したように、弾性係止片42は、固形剤収容受け皿部40の中心に対して点対象の位置に2本形成されており、これらの2本の弾性係止片42によって、固形剤収容受け皿部40と中栓部材18の上板部36との間に、2つの固形剤進入用開口部44が形成されている。
【0073】
さらに、これらの弾性係止片42が形成された位置に、固形剤収容受け皿部40から上方に突設した突設片46が形成されている。
【0074】
一方、蓋部材22には、蓋部材22の上板部35から下方に延設され、中栓部材18の突設片46に対応した位置に、この実施例では、環状のリブ形状の当接片48が形成されている。
【0075】
また、図4に示したように、この当接片48の外周には、嵌合用リブ50が形成されており、蓋部材22を中栓部材18に閉蓋した際に、嵌合用リブ50が、中栓部材18の上板部36の固形剤進入用開口部44に嵌合するように構成されている。
【0076】
さらに、この当接片48の内周には、環状の固形剤進入阻止リブ52が形成されており、この固形剤進入阻止リブ52によって、余分な固形剤Tが、固形剤進入用開口部44を介して、固形剤収容受け皿部40の収容空間Sに進入しないように構成されている。
【0077】
なお、後述するように、この固形剤進入阻止リブ52には、固形剤収容容器10を天地逆さまの状態にした際に、いったん蓋部材22の固形剤進入阻止リブ52上に載置する効果もある。
【0078】
また、図4、図7〜図8に示したように、中栓部材18の上板部36の下方の固形剤取り出し用開口部38の周囲には、固形剤Tを固形剤進入用開口部44に案内する案内部材54が付設されている
すなわち、案内部材54が、固形剤取り出し用開口部38の周囲に沿って形成された複数の所定間隔離間したリブ56から構成されている。
【0079】
この場合、複数のリブ56は、固形剤取り出し用開口部38の周囲に沿って、固形剤進入用開口部44に対する傾斜角度αが漸次増大するテーパー案内面58を有するように形成されている。
【0080】
すなわち、この実施例では、それぞれ1つの固形剤進入用開口部44に対して、5つのリブ56a〜56eが形成されており、リブ56aから56eにかけて、傾斜角度αが漸次増大するテーパー案内面58a〜58eを有するように形成されている。
【0081】
このように、固形剤進入用開口部44の周囲に沿って、固形剤進入用開口部44に対する傾斜角度αが漸次増大するテーパー案内面58a〜58eが形成されているので、図4の矢印で示したように、錠剤などの固形剤Tが、案内部材54のテーパー案内面58a〜58eによって順番に案内されることになる。
【0082】
これにより、固形剤進入用開口部44を介して、錠剤などの固形剤Tが、固形剤収容受け皿部40の収容空間S内に進入しやすくなるとともに、錠剤などの固形剤Tが、固形剤収容受け皿部40上に収容(載置)されやすい姿勢(順にテーパー案内面58a〜58eによって姿勢が変化して)になり、確実に所定量の(この実施例では、単数の)固形剤Tを固形剤収容受け皿部40上に収容(載置)することができ、計量、取り出しすることができる。
【0083】
なお、固形剤収容容器用キャップ12としては、合成樹脂成形により形成すればよく、弾性係止片42の弾性力を考慮すれば、例えば、ポリプロピレンなどを使用するのが好適であるが、容器本体14内に収容した固形剤Tの種類などに応じて、これ以外にも使用でき、特に限定されるものではい。
【0084】
このように構成される本発明の固形剤収容容器用キャップ12を備えた固形剤収容容器10の使用方法について、以下に説明する。
【0085】
先ず、予め、容器本体14に所定の量の固形剤Tを充填しておき、中栓部材18の雌ネジ24aを、容器本体14の口部16の雄ネジ16aに螺合することによって、固形剤収容容器用キャップ12を、容器本体14の口部16に装着しておく。
【0086】
そして、図4に示したように、蓋部材22を中栓部材18に閉蓋した状態においては、蓋部材22の当接片48が、中栓部材18の突設片46に当接して下方に押圧して、弾性係止片42の上方への付勢力に抗して、固形剤収容受け皿部40を下方に移動する。これにより、固形剤進入用開口部44が、固形剤が通過可能な大きさに開口することになる。
【0087】
従って、この状態で、図10の矢印に示したように、例えば、固形剤収容容器10を天地逆さまの状態にすることによって、錠剤などの固形剤Tが、固形剤進入用開口部44を介して、固形剤収容受け皿部40の収容空間S内に進入することになる。
【0088】
この際、この実施例では、案内部材54として、それぞれ1つの固形剤進入用開口部44に対して、5つのリブ56a〜56eが形成されており、リブ56aから56eにかけて、傾斜角度αが漸次増大するテーパー案内面58a〜58eを有するように形成されている。
【0089】
これにより、図4の点線および矢印で示したように、ならびに、図10の矢印で示したように、固形剤進入用開口部44の周囲に沿って、固形剤進入用開口部44に対する傾斜角度αが漸次増大するテーパー案内面58a〜58eが形成されているので、図4の矢印で示したように、錠剤などの固形剤Tが、案内部材54のテーパー案内面58a〜58eによって順番に案内され、いったん蓋部材22の固形剤進入阻止リブ52上に載置されることになる。
【0090】
これにより、固形剤進入用開口部44を介して、錠剤などの固形剤Tが、固形剤収容受け皿部40の収容空間S内に進入しやすくなるとともに、錠剤などの固形剤Tが、固形剤収容受け皿部40上に収容(載置)されやすい姿勢(順にテーパー案内面58a〜58eによって姿勢が変化して)になり、確実に所定量の(この実施例では、単数の)固形剤Tを固形剤収容受け皿部40上に収容(載置)することができ、計量、取り出しすることができる。
【0091】
この状態で、固形剤収容容器10を、図4に示したように、再び天地を元の状態に戻すことによって、蓋部材22の固形剤進入阻止リブ52上に載置された固形剤Tが落下して、固形剤収容受け皿部40上に所定量の固形剤Tが収容(載置)され、余分に固形剤収容受け皿部40の収容空間内に進入した固形剤Tは、固形剤進入用開口部44を介して、容器本体2の内部に落下することになる。
【0092】
そして、この状態で、図7に示したように、蓋部材22を中栓部材18から開蓋すれば、蓋部材22の当接片48と中栓部材18の突設片46との当接が解除されて、弾性係止片42の上方への付勢力によって、固形剤収容受け皿部40が上方に元の状態に移動する。
【0093】
これにより、固形剤進入用開口部44が、固形剤Tが通過不能な大きさに開口するので、容器本体14から固形剤Tが固形剤進入用開口部44を介して、固形剤収容受け皿部40の収容空間S内に進入するのが阻止されて、図示しないが、例えば、固形剤収容容器10を傾けるなどして、固形剤収容受け皿部40上に収容(載置)された所定量の固形剤Tを、計量、取り出しすることができる。
【0094】
従って、簡単な操作でかつ確実に所定の量の固形剤Tを計量して取り出すことができ、しかも、複雑な構成でなく、コストも低減可能な固形剤収容容器用キャップ12およびこれを用いた固形剤収容容器10を提供することができる。
【0095】
なお、この実施例では、蓋部材22の当接片48と中栓部材18の突設片46とを当接するように構成したが、図示しないが、中栓部材18の突設片46を省略するとともに、蓋部材22の当接片48を、環状ではなく、2つの棒状のものにしてさらに下方に延設して、蓋部材22を中栓部材18に閉蓋した状態において、蓋部材22の当接片48を、直接、固形剤収容受け皿部40の縁部に当接して下方に押圧するように構成することも可能である。
【実施例2】
【0096】
図11は、本発明の別の実施例の固形剤収容容器用キャップを備えた固形剤収容容器の部分拡大断面図、図12は、図11の固形剤収容容器の上面図、図13は、図11のB−B線での部分拡大断面図、図14は、図13の斜め下方から見た斜視図、図15は、図13の斜め上方から見た斜視図である。
【0097】
この実施例の固形剤収容容器用キャップ12は、図1〜図10に示した実施例1の固形剤収容容器用キャップ12と基本的には同様な構成であり、同一の構成部材には、同一の参照番号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0098】
上記の実施例1の固形剤収容容器用キャップ12では、固形剤Tを固形剤進入用開口部44に案内する案内部材54として、複数の所定間隔離間したリブ56から構成したが、この実施例の固形剤収容容器用キャップ12では、案内部材54として、固形剤取り出し用開口部38の周囲に沿って形成されたスロープ面62を有するスロープ部材60から構成されている。このスロープ面62は、傾斜角度αが漸次増大するスロープ面62となっている。
【0099】
このように構成することによって、錠剤などの固形剤Tが、スロープ部材60のスロープ面62に案内されて、固形剤進入用開口部44を介して、固形剤収容受け皿部40の収容空間S内に進入しやすくなり、確実に所定量の固形剤Tを固形剤収容受け皿部40上に収容(載置)することができ、計量、取り出しすることができる。
【実施例3】
【0100】
図16は、本発明の別の実施例の固形剤収容容器用キャップを備えた固形剤収容容器の部分拡大断面図、図17は、図16の固形剤収容容器の上面図、図18は、図17のB−B線での部分拡大断面図、図19は、図18の斜め下方から見た斜視図、図20は、図18の斜め上方から見た斜視図である。
【0101】
この実施例の固形剤収容容器用キャップ12は、図1〜図10に示した実施例1の固形剤収容容器用キャップ12と基本的には同様な構成であり、同一の構成部材には、同一の参照番号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0102】
上記の実施例1の固形剤収容容器用キャップ12では、固形剤Tを固形剤進入用開口部44に案内する案内部材54として、複数の所定間隔離間したリブ56から構成したが、この実施例の固形剤収容容器用キャップ12では、案内部材54を省略している。
【0103】
その代わりに、錠剤などの固形剤Tが、固形剤進入用開口部44を介して、固形剤収容受け皿部40の収容空間S内に進入しやすくするために、蓋部材22に形成した複数の環状の固形剤進入阻止リブ52の先端を、固形剤Tの形状に合致するように切断している。
【0104】

このように構成することによっても、錠剤などの固形剤Tが、固形剤進入用開口部44を介して、固形剤収容受け皿部40の収容空間S内に進入しやすくなり、確実に所定量の固形剤Tを固形剤収容受け皿部40上に収容(載置)することができ、計量、取り出しすることができる。
【実施例4】
【0105】
図21は、本発明の別の実施例の固形剤収容容器用キャップを備えた固形剤収容容器の部分拡大断面図、図22は、図21の固形剤収容容器の上面図、図23は、図22のB−B線での部分拡大断面図、図24は、図23の斜め下方から見た斜視図、図25は、図23の斜め上方から見た斜視図である。
【0106】
この実施例の固形剤収容容器用キャップ12は、図1〜図10に示した実施例1の固形剤収容容器用キャップ12と基本的には同様な構成であり、同一の構成部材には、同一の参照番号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0107】
上記の実施例1の固形剤収容容器用キャップ12では、2本の弾性係止片42によって、固形剤収容受け皿部40と中栓部材18の上板部36との間に、2つの固形剤進入用開口部44が形成されている。
【0108】
これに対して、この実施例の固形剤収容容器用キャップ12では、2つの固形剤進入用開口部44の一方に、壁形状の固形剤進入阻止部材64が形成されており、これにより、一方側の固形剤進入用開口部44を介してのみ、固形剤Tが通過可能となるように構成されている。
【0109】
このように構成することによって、錠剤などの固形剤Tが、一方側の固形剤進入用開口部44を介してのみ、固形剤収容受け皿部40の収容空間S内に進入するので、一方側に固形剤収容容器10を傾けるだけで、確実に所定量の固形剤Tを固形剤収容受け皿部40上に収容(載置)することができ、計量、取り出しすることができる。
【実施例5】
【0110】
図26は、本発明の別の実施例の固形剤収容容器用キャップを備えた固形剤収容容器の部分拡大断面図、図27は、図26の固形剤収容容器の上面図、図28は、図27のB−B線での部分拡大断面図、図29は、図28の斜め下方から見た斜視図、図30は、図28の斜め上方から見た斜視図である。
【0111】
この実施例の固形剤収容容器用キャップ12は、図1〜図10に示した実施例1の固形剤収容容器用キャップ12と基本的には同様な構成であり、同一の構成部材には、同一の参照番号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0112】
上記の実施例1の固形剤収容容器用キャップ12では、2本の弾性係止片42によって、固形剤収容受け皿部40と中栓部材18の上板部36との間に、2つの固形剤進入用開口部44が形成されている。
【0113】
これに対して、この実施例の固形剤収容容器用キャップ12では、2つの固形剤進入用開口部44の一方に、複数の一定間隔離間したリブ68からなる固形剤進入阻止部材70が形成されており、これにより、一方側の固形剤進入用開口部44を介してのみ、固形剤Tが通過可能となるように構成されている。これにより、上記の実施例4の壁形状の固形剤進入阻止部材64に比較して軽量化が図れ、コストを低減することができる。
【0114】
このように構成することによって、錠剤などの固形剤Tが、一方側の固形剤進入用開口部44を介してのみ、固形剤収容受け皿部40の収容空間S内に進入するので、一方側に固形剤収容容器10を傾けるだけで、確実に所定量の固形剤Tを固形剤収容受け皿部40上に収容(載置)することができ、計量、取り出しすることができる。
【実施例6】
【0115】
図31は、本発明の別の実施例の固形剤収容容器用キャップを備えた固形剤収容容器の部分拡大断面図、図32は、図31の固形剤収容容器の上面図、図33は、図32のB−B線での部分拡大断面図、図34は、図33の斜め下方から見た斜視図、図35は、図33の斜め上方から見た斜視図である。
【0116】
この実施例の固形剤収容容器用キャップ12は、図1〜図10に示した実施例1の固形剤収容容器用キャップ12と基本的には同様な構成であり、同一の構成部材には、同一の参照番号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0117】
上記の実施例1の固形剤収容容器用キャップ12では、固形剤収容受け皿部40を単数の錠剤などの固形剤Tを収容(載置)するように形成したが、この実施例の固形剤収容容器用キャップ12では、固形剤収容受け皿部40を、略円筒形状として、複数の固形剤Tを固形剤Tを(この実施例では、2つの固形剤を)、縦方向に固形剤収容受け皿部40上に収容(載置)することができ、計量、取り出しすることができるように構成されている。
【0118】
なお、この場合、錠剤などの固形剤Tが、固形剤進入用開口部44を介して、固形剤収容受け皿部40の収容空間S内に進入しやすくするために、蓋部材22に形成した複数の環状の固形剤進入阻止リブ52を省略している。
【実施例7】
【0119】
図36は、本発明の別の実施例の固形剤収容容器用キャップを備えた固形剤収容容器の蓋部材を閉蓋した状態の部分拡大断面図、図37は、本発明の別の実施例の固形剤収容容器用キャップを備えた固形剤収容容器の蓋部材を開蓋した状態の部分拡大断面図、図38は、図36の固形剤収容容器の部分拡大斜視図、図39は、図37の固形剤収容容器の部分拡大斜視図である。
【0120】
この実施例の固形剤収容容器用キャップ12は、図1〜図10に示した実施例1の固形剤収容容器用キャップ12と基本的には同様な構成であり、同一の構成部材には、同一の参照番号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0121】
上記の実施例1の固形剤収容容器用キャップ12では、中栓部材18にヒンジ20を介して開閉可能に蓋部材22を連結したが、この実施例では、蓋部材22を別体として、蓋部材22の側壁22aの内周に雌ネジ22bを形成するとともに、中栓部材18の側壁24の外周側に雄ネジ24bを形成している。
【0122】
これにより、蓋部材22の側壁22aの内周に形成した雌ネジ22bを、中栓部材18の側壁24の外周側に形成した雄ネジ24bに螺合することによって、蓋部材22を中栓部材18に装着できるように構成されている。
【0123】
また、容器本体14の口部16の外周に、突条部16bを形成し、これに対応して、中栓部材18の側壁24の内周に嵌合用凹部24cを形成して、容器本体14の突条部16bを、中栓部材18の嵌合用凹部24cに嵌合することによって、中栓部材18を、容器本体14の口部16に、いわゆる、スナップフィット形式で装着できるように構成している。これにより、中栓部材18の装着が容易となっている。
【実施例8】
【0124】
図40は、本発明の別の実施例の固形剤収容容器用キャップを備えた固形剤収容容器の蓋部材を閉蓋した状態の部分拡大断面図、図41は、図40の部分拡大斜視図、図42は、図40の固形剤収容容器の開蓋状態の上面図、図43は、図40の固形剤収容容器の開蓋状態の部分拡大断面図、図44は、図43の固形剤収容容器の部分拡大斜視図である。
【0125】
この実施例の固形剤収容容器用キャップ12は、図1〜図10に示した実施例1の固形剤収容容器用キャップ12と基本的には同様な構成であり、同一の構成部材には、同一の参照番号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0126】
この実施例の固形剤収容容器用キャップ12では、固形剤収容受け皿部40と、弾性係止片42と、固形剤進入用開口部44と、突設片46が一体に形成された別体の受け皿部材72を備えている。そして、受け皿部材72の外周には、係止用フランジ74が形成されている。
【0127】
一方、中栓部材18の上板部36には、固形剤取り出し用開口部38の周囲に、受け皿部材72の係止用フランジ74を受ける嵌合用凹部76が形成されている。
【0128】
これにより、図43〜図44の矢印に示したように、受け皿部材72の係止用フランジ74を、中栓部材18の上板部36の嵌合用凹部76に嵌合することによって、受け皿部材72を、固形剤取り出し用開口部38に脱着自在に装着できるように構成されている。
【0129】
このように構成することによって、例えば、錠剤などの固形剤Tのサイズ、計量すべき量に応じた固形剤収容受け皿部40を有する受け皿部材72を複数用意することによって、所定の受け皿部材72を固形剤取り出し用開口部38に脱着自在に装着するのみで、多品種の固形剤Tに応じて使用できるので、汎用性が向上することになる。
【0130】
以上、本発明の好ましい実施の態様を説明してきたが、本発明はこれに限定されることはなく、例えば、上記実施例6では、固形剤収容受け皿部40を、略円筒形状として、複数の固形剤Tを固形剤Tを(この実施例では、2つの固形剤を)、縦方向に固形剤収容受け皿部40上に収容(載置)するようにしたが、図示しないが、固形剤収容受け皿部40に複数の固形剤Tに応じた凹部を形成しておき、この凹部内に固形剤Tを横方向に収容(載置)するようにすることも可能である。
【0131】
また、上記の実施例では、図6に示したように、固形剤取り出し用開口部38、固形剤収容受け皿部40を、中栓部材18の上板部36において、開閉用突出片28側に偏った位置に配置したが、中栓部材18の上板部36の中央部分、ならびに別方向に偏った位置に配置するなどその位置は適宜変更可能である。
【0132】
さらに、上記の実施例では、略円筒形状の容器本体14としたが、角型筒形状の容器などその他の形状の容器本体14とすることができ、これに応じて、本発明の固形剤収容容器用キャップ12の形状を適宜変更することができるなど本発明の目的を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0133】
本発明は、固形剤を収容した容器において、容器内に収容した固形剤を所定量ずつ取り出すための固形剤収容容器用キャップおよびこれを用いた固形剤収容容器に適用することができる。
【符号の説明】
【0134】
10 固形剤収容容器
12 固形剤収容容器用キャップ
14 容器本体
16 口部
16a 雄ネジ
18 中栓部材
20 ヒンジ
22 蓋部材
22a 側壁
22b 雌ネジ
24 側壁
24a 雌ネジ
24b 雄ネジ
26 開閉用凹部
28 開閉用突出片
30 上部フランジ
32 係止片
34 係止突設部
35 上板部
36 上板部
38 固形剤取り出し用開口部
40 固形剤収容受け皿部
42 弾性係止片
42a 弾性屈曲部
44 固形剤進入用開口部
46 突設片
48 当接片
50 嵌合用リブ
52 固形剤進入阻止リブ
54 案内部材
56a〜56e リブ
58a〜58e テーパー案内面
58 テーパー案内面
60 スロープ部材
62 スロープ面
64 固形剤進入阻止部材
68 リブ
70 固形剤進入阻止部材
72 受け皿部材材
74 係止用フランジ
76 嵌合用凹部
100 錠剤収納容器
102 容器本体
104 口部
106 キャップ本体
108 計量皿
110 開口部
112 邪魔板
114 蓋部材
116 係止棒
200 錠剤収納容器
202 容器本体
204 口部
206 保持筒
208 係合フランジ
210 係合突条
212 昇降筒
214 係合フランジ
216 底面
218 凹部
220 開口部
222 蓋部材
224 突設部
226 係合突条
228 内周壁
230 突設部
A 固形剤
S 収容空間
α 傾斜角度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固形剤を収容した容器本体の口部に装着され、容器内に収容した固形剤を所定量ずつ取り出すための固形剤収容容器用キャップであって、
前記固形剤収容容器用キャップは、
前記容器本体に装着される中栓部材と、
前記中栓部材に開閉可能に装着される蓋部材とを備え、
前記中栓部材が、
前記中栓部材の上板部に形成され、固形剤を所定量ずつ取り出すための固形剤取り出し用開口部と、
前記固形剤取り出し用開口部の下方に位置し、所定量の固形剤を収容する収容空間を有する固形剤収容受け皿部と、
前記上板部の固形剤取り出し用開口部から下方に延設され、固形剤収容受け皿部に連結された弾性係止片と、
前記固形剤収容受け皿部と中栓部材の上板部との間に形成された固形剤進入用開口部とを備え、
前記蓋部材には、蓋部材の上板部から下方に延設された当接片が形成されており、
前記蓋部材を中栓部材に閉蓋した際には、蓋部材の当接片が、中栓部材の固形剤収容受け皿部に当接して下方に押圧して、弾性係止片の上方への付勢力に抗して、固形剤収容受け皿部を下方に移動させて、固形剤進入用開口部を、固形剤が通過可能な大きさに開口するようにし、
前記蓋部材を中栓部材から開蓋した際には、蓋部材の当接片と固形剤収容受け皿部との当接が解除されて、弾性係止片の上方への付勢力によって、固形剤収容受け皿部を上方に元の状態に移動させて、固形剤進入用開口部を、固形剤が通過不能な大きさに開口するように構成したことを特徴とする固形剤収容容器用キャップ。
【請求項2】
前記中栓部材が、固形剤収容受け皿部から上方に突設した突設片を備え、
前記蓋部材には、蓋部材の上板部から下方に延設され、中栓部材の突設片に対応して当接片が形成されており、
前記蓋部材を中栓部材に閉蓋した際には、蓋部材の当接片が、中栓部材の突設片に当接して下方に押圧して、弾性係止片の上方への付勢力に抗して、固形剤収容受け皿部を下方に移動させて、固形剤進入用開口部を、固形剤が通過可能な大きさに開口するようにし、
前記蓋部材を中栓部材から開蓋した際には、蓋部材の当接片と中栓部材の突設片との当接が解除されて、弾性係止片の上方への付勢力によって、固形剤収容受け皿部を上方に元の状態に移動させて、固形剤進入用開口部を、固形剤が通過不能な大きさに開口するように構成したことを特徴とする請求項1に記載の固形剤収容容器用キャップ。
【請求項3】
前記中栓部材の上板部の下方の固形剤取り出し用開口部の周囲には、固形剤を固形剤進入用開口部に案内する案内部材が付設されていることを特徴とする請求項1から2のいずれかに記載の固形剤収容容器用キャップ。
【請求項4】
前記案内部材が、固形剤取り出し用開口部の周囲に沿って、固形剤進入用開口部に対する傾斜角度αが漸次増大するテーパー案内面を有することを特徴とする請求項3に記載の固形剤収容容器用キャップ。
【請求項5】
前記案内部材が、固形剤取り出し用開口部の周囲に沿って形成された複数の所定間隔離間したリブから構成されていることを特徴とする請求項2から4のいずれかに記載の固形剤収容容器用キャップ。
【請求項6】
前記案内部材が、固形剤取り出し用開口部の周囲に沿って形成されたスロープ面を有するスロープ部材から構成されていることを特徴とする請求項2から4のいずれかに記載の固形剤収容容器用キャップ。
【請求項7】
前記中栓部材の弾性係止片が、固形剤収容受け皿部の中心に対して点対象の位置に2本形成されており、これらの2本の弾性係止片によって、2つの固形剤進入用開口部が形成されていることを特徴とする請求項2から6のいずれかに記載の固形剤収容容器用キャップ。
【請求項8】
前記2つの固形剤進入用開口部の一方に、固形剤進入阻止部材が形成されており、これにより、一方側の固形剤進入用開口部を介してのみ、固形剤が通過可能となるように構成されていることを特徴とする請求項2から7のいずれかに記載の固形剤収容容器用キャップ。
【請求項9】
前記固形剤収容受け皿部と、弾性係止片と、固形剤進入用開口部とが一体に形成された受け皿部材を備え、
前記受け皿部材が、前記固形剤取り出し用開口部に脱着自在に装着できるように構成されていることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の固形剤収容容器用キャップ。
【請求項10】
前記蓋部材が、中栓部材に対してヒンジを介して開閉可能に装着できるように構成されていることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の固形剤収容容器用キャップ。
【請求項11】
請求項1から10のいずれかに記載の固形剤収容容器用キャップが装着された固形剤収容容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【公開番号】特開2013−91521(P2013−91521A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−236245(P2011−236245)
【出願日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【出願人】(000206185)大成化工株式会社 (83)
【Fターム(参考)】