固形又は半固形製剤の局部的投与用アセンブリ
【課題】器官系の正確なレセプタ部位内に配置するための少なくとも1つの有効成分を含む固体または半固体製剤を移植または挿入可能なアセンブリを提供する。
【解決手段】少なくとも一つの有効成分を含む固形又は半固形製剤が体内奥深くの正確な貯蔵部位に一定期間存続することができるように注入又は挿入するアセンブリにおいて、体内を貫き、一端から他端まで伸びる管状開口部を有し、体表面から前記貯蔵部位に到達するための細長形状の第一の侵入器具と、体内を貫かず、内部に製剤とピストンを含有する管状ガイドと、製剤を管状ガイドの端部を介して器具の対向位置に投与可能とする器具作動用外部手段を有する細長形状の第二の投与器具とを有し、前記投与器具は前記侵入器具の前記管状開口部内に収納できるような細長形状を有しており、その収納状態で作動し、固形又は半固形製剤を貯蔵部位に投与する。
【解決手段】少なくとも一つの有効成分を含む固形又は半固形製剤が体内奥深くの正確な貯蔵部位に一定期間存続することができるように注入又は挿入するアセンブリにおいて、体内を貫き、一端から他端まで伸びる管状開口部を有し、体表面から前記貯蔵部位に到達するための細長形状の第一の侵入器具と、体内を貫かず、内部に製剤とピストンを含有する管状ガイドと、製剤を管状ガイドの端部を介して器具の対向位置に投与可能とする器具作動用外部手段を有する細長形状の第二の投与器具とを有し、前記投与器具は前記侵入器具の前記管状開口部内に収納できるような細長形状を有しており、その収納状態で作動し、固形又は半固形製剤を貯蔵部位に投与する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非液体の医薬製剤の標的化処置を可能にする治療装置に関する。
【背景技術】
【0002】
有効成分(AP)がこのように作用部位に選択的に導かれるときの局部的処置または投与を使用する利点は周知である。一方、いくつかの事例において、薬物の経口または非経口投与およびその全身的拡散は、満足な結果が得られないことが立証されている。さらに、全体または全身的処置を目的とする場合でも、特に遅効性製剤の場合には、製剤を適切な部位に挿入することが重要である。
【0003】
局部的効力の改善とは別に、特に全体的処置に対する局部的処置は、その存在が無用または有害な身体の部位において、特にAPに関連した投与量と副作用を少なくすることができる。
【0004】
したがって、薬物の局部的投与は、生成物の治療的指標を改善することができ、必要に応じて、その一般的毒性と全身的影響のリスクを低減することができる皮膚、目、鼻腔、肺、さらに胃または直腸の局所形態は、局部的投与を使用した最初の非経口形態であった。製剤の貯蔵部位が、比較的アクセスしにくいかまたは観血的形態を必要とするとき、処置を繰り返さなければならないとき、ましてや慢性のときは、標的化の利点が既知の場合でも、実際には、それを使用すると、繰返しの治療行為の困難さや不快さにも直面する。
【0005】
一方、1回の投与で、患者に、数日間、数週間または数ヶ月間の量に相当する薬物を与えることができる徐放性または遅効性製剤の使用の利点は、既知である。
【0006】
この遅効性形態は、処置の遵守が病人や医療者ではなく調剤品に依存するとき適合性を高める。したがって、この徐放性は、実際に、処置によって制限されなくなり、薬物を服用する機能として規則正しく一定の投与量を受ける患者の快適性を高める。
【0007】
遅効性形態の開発において、専門家は、特に貯蔵部位のアクセスが比較的困難な前述の事例において、局部的使用を検討してきた。これにより、遅効性形態は、投与あるいは手術を繰り返す必要がなくなる。このようにして、全身的投与をせずに長期間にわたる薬物の著しい局部的集中を期待することができ、したがって二次的影響が少なくなる。この解決策は、特に、全身的経路から投与されたときに、急速に代謝される生成物または短い半減期を有する生成物に有効である。
【0008】
したがって、体内における、遅効性コルチコイドの関節内や関節周囲の注入のような標的化した長期の処置が考えられる。ガンおよび特に固形腫瘍は、細胞障害性または抗新腫瘍性合成物の総注入投与量を減少させ、処置する腫瘍部分の濃度を高めることができる局部的形態の選択の候補である。したがって、これは、この種の処置の重大な二次的提供をなくすことができる。
【0009】
マトリックス製薬は、腫瘍内に注入することができるコラーゲンを主成分とした遅効性調剤品を提案している(IntraDose CDDP−Cisplatin)。この製剤は、アクセスしにくい部分のために3ccの注射器と、できれば生検針とを利用してガンまたは皮膚障害内に投与される。粘性液体体積は2mlに達することがあり、そのため、最初に比較的容易な(周辺)部位や術後処置に制限される。
【0010】
また、体内の部分または器官と、たとえば切除術前または後の腫瘍部分への直接移植を可能にする局部的使用のための小さな柱状体または針状のpolylactide−polyglycolide(PLGA)形態について説明しているミツイ(MITSUI)特許(FR 2 497 661;JP 562 737)に言及することもできる。
【0011】
その部分に関してGliadelの形態(ギルフォード)は、カルムスチンを含むホスト形態の多無水物を主成分とし、たとえば脳腫瘍(神経膠芽細胞腫)の手術のときに埋め込むことができる製剤について説明している。
【0012】
医療技術の現状において、このような体内の標的化処置は、重大な外科的手術と関連することが多い。このような処置は、製剤の長期的効果から利益を得るが、容易に繰り返すことはできない。
【0013】
また、懸濁液(ミクロスフェア)、ジェルまたはグルーをその溶媒と共に容器内に注入する段階を含む化学的塞栓形成法が行われ、これは、栄養血管路を塞ぎ、腫瘍内にAPを遊離することができる。閉塞は、注入媒体がなくなった後の沈澱により達成される。この技術は、経腔的経皮的な血管形成カテーテルを使用して、流体を脈管に導入する。
【0014】
また、いくつかの体腔内と身体のアクセスしやすい部位における遅効性形態の局部的使用が考えられる。
【0015】
Ocusert(登録商標)システム(Alza)は、エチレン/酢酸ビニル共重合体の膜を含む遅効性リザーバ装置を構成し、たとえばピロカルピンを含む柔軟で楕円形の眼球インサートである。
【0016】
この装置は、結膜嚢に入れられ、零次プロファイルにしたがって生成物を遊離させる。遅効性形態は、眼内圧力に対する同じ作用に必要な投与量を大幅に減少させることができる。したがって、緑内障の治療におけるピロカルピンの治療効果は、遅効性形態の使用により、局部的滴下に比べて8〜10倍優れている。
【0017】
その内容が参照により本明細書に組み込まれた米国特許第3,545,439号は、シリコーン・エラストマを使用して作成されたリングからなり、数週間にわたり薬物を遊離する膣内遅効性形態について述べている。
【0018】
この事例では、膣粘膜に局部的遅効性製剤を投与することにより、APによる一般的な効果(避妊)を得ることができる。
【0019】
Bukh Meditee(内容が参照により組み込まれた国際特許出願PCT番号WO89/03232)により述べられた医療装置は、水が浸透しにくい物質からなりAPを含むマトリックス遅効性形態を体腔内に導入することを可能にする。
【0020】
したがって、この装置と組み合わされた遅効性形態は、前記装置の挿入中に、APを局部的レベルで送り出す。この特許出願は、たとえば、尿路の感染を防ぐことができる抗生物質の遅効性形態と組み合わされた膀胱内への尿道口用カテーテルについて説明している。
【0021】
大量の液体形態では、いくつかの既存の局部的注入プロセスを使用することができた。CR.BARDは、尿道内技術から始めて、たとえば、失禁に対する成形術の状況で有効成分なしに内植組織を形成する2.5〜7.5mlの体積の粘膜下組織に容易に注入することができるグルタルアルデヒドにコラーゲンの溶液を含む注射器の製剤(経尿道送出キット)を開発した。
【0022】
管腔内脈管システムの開発により、APを端部で局部的に遊離することができるカテーテルが作成された。流体を遊離する単なる開口部であるカテーテルと違い、多数の孔のあいた二重バルーンまたは多孔性カテーテルが、局部的投与を達成することができる。しかしながら、この局部的溶液は、カテーテルの挿入時間によって制限される。また、壁に浸透するために必要な溶液の圧力は、許容範囲の問題を引き起こす。
【0023】
溶液の場合は、バルーンと組み合わせた注入システム(Interventional Technologies)または格納式の針を備えたカテーテル(Bavarian Medical Technologies)を利用して、壁面への真の局部的注入を達成することができる。しかしながら、薬物の投与は、このような直接の液体形態ではあまり長期にはできない。
【0024】
装置の一部分を局所的に残し、それにより遅効性形態と関連させることもある。これは、たとえば再狭窄を回避するために血管形成に使用されるステントの場合であり、しばしば遅効性効果を有する有効成分を含む層で覆われることがある。この場合、2つの本質的な問題が生じ、第1は、特定の「被覆」プロセスの遊離薬物の適合性である。第2は、ステントにより提供される空間と面による総投与量の制限である。
【0025】
たとえばヘパリンの場合、いくつかの研究で、全身的二次的影響を回避するための局部的処置の重要性が述べられている。これらの研究によれば、ヘパリンは、内皮損傷後の平滑筋細胞の増殖を抑える。その全身的投与は、血管外部の隣接皮下または局部的遅効性形態は、必ず新脈管内膜の増殖を減少させるが、全身的な凝固の乱れを伴わないのは局部的形態だけである。
【0026】
主な欠点として外科的移植による長期局部的投与を有効にするために使用される浸透圧ポンプを引用することもできる。この理由のため、これは、現在、人間には使用されていない。
【0027】
これらの例はすべて、延長することができる場合に特に標的化処置によってもたらされる重要性と利点を実際に示す。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0028】
しかしながら、これらの技術的解決策はすべて、いくつかの欠点を有し、中でも最も重要なのは、保持される溶液の融通性の欠如、薬物の遊離期間よりも長く全体または部分的に挿入されたままの特定の装置との関連物、最後に、注入可能な量すなわちAPの投与量の制限である。
【0029】
これらの解決策はそれぞれ、身体の明確な部位における1つまたはいくつかの特定の事例しか処置することができない。
【0030】
局部的投与によるベクトル化は、第2世代と呼ばれる「プロドラッグ」およびベクトル(リポソーム...)製剤、あるいは第3世代と呼ばれる巨大分子認識システムまたは「部位固有」活性化に対する第1世代として説明されることがある。しかしながら、これらの解決策は、現在の局部的投与技術よりも、きわめて独特であり、必ずしも適用できず、あまり正確でないこともある。
【課題を解決するための手段】
【0031】
本発明の目的は、フレキシブル内視鏡外科的技術(ファイバスコープ)または剛性内視鏡外科的技術(内視鏡)による局部的投与またはベクトル化、あるいはインターベンショナル・ラジオロジー(活性または非活性カテーテル)の現在の主な欠点を解決するプロセスを提案することである。
【0032】
非分散形固体または半固体製剤は、処置投与量に対応するAPの量に関して最小の量を提供する利点を有する。したがって、固体と半固体の遅効性形態により、数ミリリットルの量で数日間の処置を行うことができる。
【0033】
処置の局部的投与により、同じ効果の総治療投与量を大幅に少なくすることができる。
【0034】
したがって、固体または半固体の遅効性形態と局部的投与の組合せにより、特に離間した時間間隔で局部的付着に適合される微量投与が行われる。
【0035】
血管内または空洞器具の分野および最少観血的手術の分野において、医薬品に利用される結像技術、光学技術およびマイクロ機械技術の現在の開発により、より微細でより正確なツールが設計され、最小の外傷で身体のきわめて深い所への局部的介入が可能になり、したがってアクセス可能部位を増やすことができる。
【0036】
したがって、本発明は、製薬および医療技術の進歩と小型化に適合した装置を提案する。本発明の特徴によれば、注射器或いは従来の皮下組織用套管針では到達不可能な部位に注入対象の製剤を貯蔵できる。
【0037】
本発明の製薬的及び医学的態様は、容易に配置することができ、体内の任意の領域において、投与する領域に到達するために十分に薄く、長い経腔的で経皮性の血管形成カテーテル、内視鏡或いは任意の他の血管用機器から操作することができる精細で、かつ小型のシステムを探求することに関する。投与装置内のその製剤の(薄く、長い)形状は局部的な投与を容易にする。製薬的及び医学的態様におけるそのシステムの特性は汎用性を有することができる。
【0038】
挿入が表面に沈殿した形状を意味し、それが組織内への注入或いは注射によるものと考えられる場合には、体内の自然空洞部が自然貯蔵部として機能することができる。すなわち薬剤の投与の形状により、少なくとも薬剤が遊離する時間に渡ってその薬剤が体腔内に滞留することができるなら、標的に向けた、さらに効果の長い処置剤を体内の自然空洞部内に挿入することができるであろう。この形状は装置を用いた沈殿を容易にする、すなわち生成物を一度に沈殿させるために研究された延長形状であることができるであろう。
【0039】
こうして装置及び製剤の形状は、Ocusert、膣用避妊リング或いはステントを用いることができるので、その領域に挿入する前に適合させることはない。しかしながら製剤の形状は、局部的なメンテナンスを容易にするために、投与後に変形させることができる。投与後、その製剤は沈殿装置の全て或いはその一部と結合せず、貯蔵部位にそのまま残される。
【0040】
特定の要件及び治療期間のために、体内の自然空洞部への挿入が望まれない場合には、標的に向けた、さらに効果の長い処置剤は遊離期間に渡って投与できるようにするために体内の標的となる組織内に注入されることもできる。
【0041】
従来の機器と組み合わせた装置によるこの注入を実行することは、経皮性経路により、或いは体内の粘膜又は壁部における血管或いは空洞性経路により、或いは標的組織における外科的経路により可能となる。
【0042】
遅効性形状の挿入は、局部的で、表在性で、しかも外部からの処置を可能にするが、例えば粘膜への沈殿を用いて、深い効果、さらに系統的な効果のために標的に向けられることもあろう。
【0043】
同様に遅効性形状の注入は、全般的な処置を可能にするが、局部的な高濃度或いは分泌により、標的に向けた処置も可能にするであろう。
【0044】
こうして、治療の目的及び領域に従って、挿入、同様に注入は、系統的な解決法、内部からの局所的な解決法或いは、最終的に外部から標的に向けた解決法であることができるであろう。
【0045】
本明細書に記載したプロセスにおいて用いられる即効性或いは遅効性の固形或いは半固形製剤は、プロセス及び注射装置と適合する形状及び分量に成形或いは充填されることができる任意の固形或いは半固形製剤であることができるであろう。
【0046】
従って、固形或いは半固形製剤は、例えば無機塩類(カルシウム、マグネシウム、ビスマス、亜鉛)のような生体分解性医薬品添加物、脂質、糖質(多糖類、サクロース、グルコース、アガロース、デキストリン、シクロデキストリン及び混合物)、蛋白質(ゼラチン、修飾コラーゲン、アルブミン、カゼイン、誘導体及び混合物)、天然及び合成ポリマ(ポリイソ酪酸、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ乳酸−ポリグリコール酸コポリマ(PLGA)、ポリエステル、ポリカプロラクタム、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、Pluronics(登録商標、多無水物及びその混合物)から生成される製剤であることができるであろう。
【0047】
固形或いは半固形製剤は、医薬品添加物を加えずに、或いはマンニトール、ヒアルロン酸、セルロース誘導体タイプ等からなる微量の注射可能な医薬品添加物により構成して、生成することができる。
【0048】
半固形製剤は、APに、医薬品添加物を加える場合と加えない場合があるが、水、有機溶剤、油剤或いは半固形形状を与えることができる任意の他の注射可能な液体を混合することにより生成することができるであろう。
【0049】
固形或いは半固形製剤は、即効性製剤或いは遅効性製剤のいずれかであろう。
【0050】
SCRAS特許(「Delivery of Solid Drug Composition」WO96/07397)に記載されるような固形の即効性製剤を生成することができるであろう。SCRAS特許(「Sustained Release of Peptides from Solid and Semi−solid pharmaceutical composition」WO96/07398、その内容は参照して本明細書の一部としている)により請求される製剤及びプロセスによる遅効性半固形及び固形製剤を生成することができるであろう。
【0051】
固形或いは半固形製剤は、有効成分がその20%より大きい、成いはさらに40%より大きい、好ましくは50%より大きく、100%に至るまでの高濃度になるようにするプロセスにより生成される点で有利である。
【0052】
その沈殿前に、本発明による非分散型の固形製剤は、薄い延長形状、すなわち柱状、ペレット状、スティック状或いは針状を有し、体内への注射の深さで作用する必要がある場合には、内視鏡或いはカテーテル内に存在することが可能である注入装置内に導入することができるようにする。分散型の固形製剤(粉末、球体)は、装置内の長手方向に配置することができるようにしなければならないであろう。
【0053】
こうして装置内の固形製剤は選択的に、最大直径が3mmで、2.5mmより小さい、或いはさらに2mmより小さい直径を有することが好都合であり、1mmより小さい直径を有することが好ましいであろう。即効性形状或いは短持続性又は低投与量形状の場合の全投与量及び上記全ての結果として、固形形状の直径はさらにより小さく、0.1mmまでにすることができるであろう。
【0054】
ある場合には最も小さな直径は、深く局部的な注入を容易にするような技術的な利点をもたらすことができるが、しかしながら、カテーテル及び内視鏡を用いる場合、医療装置の使用がさらに局部麻酔或いは全身麻酔を必要とするか、或いは別法では深い注入領域が皮膚より敏感ではないため、套管針タイプの表在性の注射(Zoladex、Zeneca社登録商標)或いは小型套管針(Auto−injector、Retro−injector:「Needle−less Pareteral Introduction Device」WO96/08289、その内容は参照して本明細書の一部としている)の場合のように、より大きな直径でも不都合ではない(特に患者の快適性に関して)であろう。
【0055】
固形形状は数cmの長さ、一般には3cmより小さく、選択的には2cmより小さい長さを有することにより、貯蔵領域の空間に適するであろう。
【0056】
固形形状は選択的に円筒形であり、押出成形技術により得られるであろう。
【0057】
本発明による半固形形状は、高濃度のAP(選択的に20%より大きい)を含み、均質であると共に、本発明の装置の針を介して深く注射することができるように十分に高い粘性を有するであろう。
【0058】
半固形形状は、液状媒体中のAPからなるゲル、油剤、ペースト或いは任意の他の半固形分散剤であることができるであろう。
【0059】
半固形形状は、少ない全容量、一般には300μl、選択的には100μl未満か、或いはさらに50μl未満の容量を有するであろう。
【0060】
本発明によるプロセス及び装置は選択的に、生体分解性を有するか、或いは通常体液内に除去或いは溶解できる注射可能な医薬品添加物を用いるであろう。
【0061】
しかしながらそのプロセスは、その部位及び沈殿器具が作用後に前記装置或いは前記製剤を容易に回収できる場合、非生体分解適合性の医用生体材料に基づく装置或いは製剤、すなわち注入用ではなく挿入用の装置或いは製剤を用いることができるであろう。その装置或いは製剤は、例えばノルプラントシリコン注入物、Hydromed社によるPHEMA貯蔵システム、或いはさらにAlza社によるDuros浸透圧性ポンプのような、深い局部的な投与との適合性を有する他の固形形状と同様に、薄い延長形状を有さなければならないであろう。
【0062】
本発明による装置は、局在型の深い挿入或いは注入装置と組み合わせた固形或いは半固形製剤に対応する。
【0063】
固形或いは半固形製剤内の有効成分を体内の正確な投与部位に注入或いは挿入するための本発明による装置は、固形或いは半固形形状を充填する手段と、貯蔵部位に配置する手段と、この貯蔵部位において注射或いは挿入する手段と、注入或いは挿入後に回収する手段とを有する患者の体内に配置される部分と、装置の機能を操作する手段を有する外部に残される部分とを備えることを特徴とする。
【0064】
他の特徴によれば、固形或いは半固形形状を充填する手段は配置及び注入する手段でもあり、
前記装置は套管針或いはカテーテルにおいて操作できるガイド部内のピストンを備え、
充填、配置及び注射手段は針であり、
一度操作された前記針は、弾性の予備成形或いは予備拘束により、又は機械的手段により装置に対して位置付けることができ、
装置を操作する外部手段は、順次、固形或いは半固形形状を沈殿させるために針の斜端の範囲までピストンを前進させ、ピストン周囲の針を回収し、さらに針及びピストンを組み合わせて回収するようにし、
外部手段からの装置の順次操作は、遠隔操作により、第1のものがピストンに同軸をなす押しボタン上に配置され、第2のものがガイド部と押しボタンとの間に挿入される管状片部である2つの可動式ストッパを補助するために制御される。
【0065】
その装置は、直に用いられるか、或いは局部的な治療のための医療器具(内視鏡、ファイバスコープ、管、カテーテル、スパイク、通気装置、套管、穿孔機、套管針等)と組み合わせて用いることができるであろう。
【0066】
装置は局部的なレベルで導入され、半固形或いは固形形状が挿入或いは注入されるようにするであろう。その装置はこの沈殿直後に回収されるであろう。
【0067】
製剤と同様に、固形或いは半固形製剤を深く局部的に投与するために、本願記載のプロセスに従って用いられる装置は、汎用性を有し、適切な薄い延長形状を有する少ない体積からなるであろう。
【0068】
こうしてその装置は選択的に、3mmの最大直径を有し、2.5mmより小さいか、或いはさらに2mmより小さい直径を有することが好都合である。製剤の作用として、装置の直径はさらに小さくなり、0.3mmまでにすることができるであろう。
【0069】
例えば、4チャネル(映像、器具、流体の導入及び排出、照明された光ファイバ)を備えるファイバスコープ或いは内視鏡では、挿入或いは注入装置は、従来の器具(生検鉗子型)と同様に、機器のチャネルを占有し、流体の導入用のチャネルを取り外すか、或いはさらに排除することができるであろう。この場合には、装置は、2mm未満の直径、例えばある種の器具のように1.7mmの直径を有することができるであろう。
【0070】
カテーテルの場合、挿入或いは注入装置は、ステントの挿入用の装置と同様に、チャネルを占有し、生体内原位置で操作されることができるであろう。この場合には、装置は、2.5mm未満の直径、例えばある種のステントのように2mmの直径を有することができるであろう。
【0071】
套管針の場合、挿入或いは注入装置は、穿孔装置と同様に、套管針の内腔を占有することができるであろう。その装置は、3mm未満の直径、例えばある種の穿孔機のように2.5mm以下又は2mm以下の直径を有することができるであろう。
【0072】
本発明の他の特徴及び利点は、限定はしないが、添付の図面を参照しながらいくつかの実施例を示す以下の記載からも明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0073】
図1に示される固形製剤1の投与器具は、管状ガイド2と、その末端に含まれている固形製剤1をガイド2の外側に押し出すことが出来るピストン3を備えている。ガイド2とピストン3にはその反対側の端にそれぞれの手動操作のためのつば4,5がついている。
【0074】
図2は図1の固形製剤を投与する器具を用いるために患者の体内に侵入させるシステムの可能な例を示す。この侵入システムは、図2の例では、固形製剤1の放出のリザーバーとして利用する体内の空洞にアクセスするのに内部組織に孔をあけねばならない場合に備えて、穿孔軸7のついた管針6である。図2においては、侵入システムは、その皮膚Lの右側の部分が体内に導入され、左側の部分が外部に残っていることが示されている、一部導入された状態である。
【0075】
体内の空洞へのアクセスが内部組織の穿孔を必要としない時には、侵入システムは内視鏡、ファイバースコープまたはカテーテルでも良い(図示されていない)。用いられる侵入システムは体内空洞(顔面洞、食道、気管、血管その他)に、図2のような場合には、穿孔軸7の助けを借りて導入される。次いで軸7は管針6から(あるいは内視鏡、カテーテル等から)引き抜かれ、図1の投与器具が管針6の内部に、ガイド2のつば4が管針6の環状末端8に当たるまで、導入される。
【0076】
それから固形製剤1をガイド2の外部に押し出すためには、組織の抵抗がその動きを妨げないために、ピストン3を押せば十分である(図4)。
【0077】
図5から10に示される固形製剤9を投与するための第2の実施例器具においては、この器具はすでに図に示されているような空洞に挿入されている内部侵入システム、および内部組織に挿入されている侵入システムから、組織、壁または粘膜内に当該の器具を導入する場合を意図している。
【0078】
この侵入システムは組織の表面P'を通して組織に挿入されている管状片50と、ファイバースコープまたは内視鏡でもよい管状のガイド11とからなり、カテーテル12が装着されてもよい。管状のガイド11は、組織17において固形製剤9を抽出するための針13とピストン14によって形成される投与器具のためのガイドとなる。
【0079】
この器具は2つの可動停止部材(10、15)をもつ。最初の10はピストン14と同軸のプッシュボタン20に備えられたスリーブであって、この停止部材10とプッシュボタンは縦方向に切断されている(図8)。第2の管状片15は同様に切断されており(図6)、カテーテル12とプッシュボタン20の間に介在している。
【0080】
投与器具13、14、9の注入はガイドを後方に動かすことによって行うことが出来るが、図7から図10に示されるように以下の方法が行うのが好ましい。停止部材15を引き、針13を停止部材10のついたプッシュボタン20の助けを借りて動かす(図7)。もし必要ならそして図7に示されるような、特に血管の場合には、ガイド中に予め拘束されている弾性のある針13を解放することによって針13に曲がった末端13aを持たせることが出来る。一旦ガイドによる拘束が解き放たれると、曲がった末端13aは固形製剤9を壁または粘膜17内に角度をつけて容易に注入する事ができる。針とガイドの間の角度をこうした器具で通常用いられている他の機構によって達成するかセットすることが可能であろう。
【0081】
固形製剤9と曲がった末端13aが注入されると、プッシュボタン20の停止部材10は取り除かれ、針13は固形製剤9を組織17に置くためにつまみ16を引くことによってピストン14を動かさずに引き抜かれる(図9)。針13の斜角13bがピストン14の末端に到着したとき、後者は針13とともに引き抜かれて固形製剤9がそこに残る。この動きはプッシュボタン20とつまみ16を引き抜くことによって得られる(図10)。
【0082】
図5から10の器具も同様に半固形製剤の投与を可能にする。
【0083】
図11から16に示される投与器具は図5から10のものと同様のものであるが、ピストン14が非固形製剤18に作用する、すなわち注入器具の位置までマイクロシリンジが関与する、という事実のみが異なる。
【0084】
この場合にも侵入システム9、11、12は内部組織17に挿入される。
【0085】
ここでの投与プロセスは、ガイド9、11、12の外部にそれを押し出すことによって、針13、ピストン14および半固形製剤18から成る投与器具を注入する事から成る。針13は図5から10にある実施例の場合のように曲がっていても良い。ピストン14は前述の実施例の場合と同様に針13の中を動いて半固形製剤18を注入する(図14)。
【0086】
ピストン14と針13は、つまみ16とプッシュボタン20を引くことによりガイド11、12の中に再導入されて最後には一緒に引き抜かれる(図15と16)。半固形製剤18は球形または楕円形の形をとって組織17の位置に残される。
【0087】
図1から16の図面は、更なる種々の特別の治療法に対する投与プロセスを可能にするもので、それについて詳しく説明する。固形製剤または半固形製剤を局所投与する本願記載のプロセスによるこれら種々の特別の治療は、実施され、従ってある新規の治療解決法を提供するためのプロセスを用いることを含む。
【0088】
本願記載のプロセスによる多数の可能な治療として、麻酔、鎮痛、抗炎剤、ガン、心臓、内分泌、リュウマチ、等々の治療およびそれらの組み合わせ治療があげられる。この局所治療プロセスを可能とする多数の内視鏡または放射線技術として、泌尿器、婦人科、関節鏡、ORL、気管支鏡、胃カメラ、最小侵襲性あるいは心臓血管手術が挙げられる。
【0089】
これらのプロセスは少量(マイクロリッター)の固形または半固形、遅効性または非遅効性薬学的製剤を用いるがゆえに新規である。この製剤は大量の特定の固形または液体または分散物の形を使用する既存の局所治療とは異なっている。
【0090】
本プロセス及びこれらの非液体製剤では、製剤の組成やその正確なベクトライゼーションが研究の対象ではない。反対に、製剤は内部局所投与に適した遠隔注入またはその場での挿入を可能とする器具のために研究される。
【0091】
本プロセスが、この薬学的製剤とこれらの器具によって、通常のAPおよび特にすでにその局所投与利点を示しているものを、あるいはたとえこの形での使用実績がまだ存在していなくてもその局所利点がそのAPの作用モードから導かれるものを、特に本発明の寄与なしには容易に利用できない場合に、使用する事が可能であろう。後述の別の実施例は本プロセスの可能性を例示する。
【0092】
本プロセス、製剤および器具は体内空洞への投与と組織内投与を可能にする。空洞や組織が何であれ、長所は製剤を蓄積場所へ組織の障害を排除または軽減して導くことである。
【0093】
これらの自然の空洞を治療生成物のリザーバーとして使用することは、特に解剖学的に製剤の「幽閉」が可能ならば、可能であろう。例えば、本プロセスにより顔の空洞やその組織への投与が可能になる。ある種のAPについては上述のすべての目的がこの治療の中に見いだせる(より高い局所効率、投与量減少、作用継続時間の増大、安楽さと従順さの改善、2次作用の減少)。
【0094】
洞内または洞周辺挿入または移植により、APを粘膜の毛細管流により粘液内に輸送する事、あるいは接触により局所的に系統的な拡散をさせることが可能であろう。同様に毎日少量ずつ摂取する必要のある薬物を消化管へ向かって前進的に拡散させる一般的な作用を目論むことも可能であろう。
【0095】
局所的なコルチコイドは一般的なルートによる欠点を持つ局所作用生成物のよい例である。しかしながら、既存の局所治療法(液滴、スプレイ等)は解剖学的な組織に抗して中鼻道のような正確な目標域に到着する。さらに、これらの既存の治療法では、APの必要な持続性維持には局所的に頻繁に投与する必要がある。
【0096】
本願記載の治療プロセスは鼻の周期的病理の鍵となる場所への到達を可能とする。必要な場合、顎の空洞に加えて、し骨細胞、蝶形骨および前頭部空洞、および耳腔の治療も可能であろう。移植あるいは挿入された固形または半固形の遅効性製剤は、鼻窩に向かって鼻道を循環する粘液を分泌するそれに覆われているこの粘膜と接触し、そしてtubal spleniumと耳管と接触しながら通過して腔に向かって放出される。
【0097】
本プロセスは、例えば、病変の巣である単細胞溝における治療生成物の濃度を増加させ維持することを可能とする。遅効性非液体物が副鼻洞の内部に置かれた場合、通常の耳鼻科の排膿器具(ORL;、トロカール、チューブ)の助けを得て位置決めをする事ができる図1の図面による器具を用いることが可能となろう。同様に、図5から16に示された器具の助けを借りて、製剤を、鼻腔の粘膜の中へ、鼻甲介骨中へ、またはtubalspleniumの中へ注入することが出来るだろう。このように、置くゾーンと製剤に応じて、作用は選択的に組織内としたり組織外としたり、系統的にできる。
【0098】
ORLにおいては、例えばコルチコイド治療によって、鼻洞様血管ポリープ症、アレルギー性または非アレルギー性鼻炎、ある種の耳炎、非感染性洞炎等を治療することが出来る。抗炎症治療に加え抗生物質、抗アレルギー、免疫亢進等の治療が可能である。同様に、こうした治療法を組み合わせることもできる。こうした治療法に局所的な目標がある。
【0099】
例えば、PLGA50-50中に15%レベルまでマトリックス化されたデキサメタソン フォスフェートの棒を以下の手順で作製することが可能である:原料の秤量、2つの粉末の混合、押し出し成型、調剤、包装そして滅菌である。得られる移植片が平均直径2.4mm、長さ12.5mmを有することが可能である。これを図1に模式的に示された器具を用いて顎の空洞に導入することが可能である。同様に図5から10に模式的に示される器具を用いて、鼻甲介骨の粘膜に移植することも可能である。
【0100】
この固形製剤は1ヶ月の遅効性製剤で、7.5mgのデキサメタソンを含み、それぞれの空洞の中で平均0.5mg/日でデキサメタソンを放出する。長期治療には、作用継続3ヶ月のポリマー製剤(PLGA75−25)、あるいは作用継続1年のリザーバー製剤(ハイドロメッド・タイプ)のものを空洞投与することが考えられる。
【0101】
これらの遅効性製剤は、例えば、慢性鼻障害で悩んでいる通院患者に使用できよう。空洞内投与に対する医療処置は医者の手術において行われている現行のORL(麻酔ありまたはなしのトロカール穿刺)に関連するものである。最初にルート(尿道切開、注射針、排液管等)を準備することは可能な場合と可能でない場合がある。
【0102】
鼻甲介骨または鼻溝の粘膜に局在化した深部への注入もまた、通常の内視鏡延長器具に接続されたあるいは接続されていないこの器具の助けにより容易である。鼻溝の場合には局所投与はあまり深くはない。体内空洞または内視鏡手術の場所により、外部ゾーンと内部デポの距離を短くもあるいはずっと長くもできる。
【0103】
遅効性コルチコイドはすでにリュウマチで使われている。例えば本願記載のプロセスによれば、少量の遅効性物(コルチコイド、抗炎症剤)を炎症の場所(鍵、滑液嚢炎、非感染性関節炎、関節等)に、炎症個所または周辺へ局所的に注入することが考えられる。
【0104】
また、本願記載のプロセスによれば、瞼の下の粘膜にデポ注入する事による目の治療も考えられる。少量の固形または半固形製剤はこのデポを鈍感にすると共に、注入は、遅効性と治療の局在化にとって好都合で、大量に排液する結膜盲嚢におけるデポよりも意図どおりの効果を発生させる。とりわけこのアプローチは、例えばピロカルピンによる緑内症などの長期治療に有利である。
【0105】
ここでは注入は実質的に表面的であリマイクロボリュームの半固形または固形用の投与器具以外の道具は必要としない。
【0106】
同様に、本願記載のプロセスによればある種の表面腫瘍または皮膚疾患を局所的な皮膚内または皮下投与で治療することが出来る。
【0107】
例えば、皮膚ペプチン(BIM 23014C)を水中20%半固形遅効性製剤で、20マイクロリッター未満の量、またはソマツリン全投与量4mg以下で使用することが出来る。ケロイドまたはメラノーマのレベルにこの製剤を注入し、これによって注入箇所において拡散勾配ゾーンから持続する高い局所濃度を作り出すことが出来る。
【0108】
ある種の固形腫瘍の場合には、その拡散が同じ局所製剤によって制御され、またその局所濃度が非常に少量の全投与で非常に高くなる細胞毒試薬(5FUまたはシスプラチン型のもの)による治療と組み合わせることが可能である。
【0109】
同様に、同じ製剤をずっと深部に適用することも可能である。この場合にはSAM(形状記憶合金)活性カテーテルまたはファイバースコープ器具、および間接レントゲン、内視鏡またはロボット手術の様な専門技術と組み合わせる。
【0110】
例えば、頭骨内に入るためより細胞毒性が強いBIM23014Cの遅効性製剤を脳内に移植することも可能である。
【0111】
本発明による固形または半固形製剤は、グリアデル型の局所治療に関して、表面レベルでは管のこぎりによる切開なしで投与ができ、深部においては定位法、内視鏡およびロボット脳手術の助けをかりて投与ができるという利点を持つ。
【0112】
例えば、マトリックスのコラーゲン製剤で治療される固形腫瘍は同様にこれらの微量投与で治療することができるでろう。固形であれ半固形であれ、この量の長所はすべての位置への方向づけを可能とし、数ミリリッターの液量の投与による拡散のリスクを回避するものである。
【0113】
体内により深く局在化した固形または半固形製剤によって、transluminal経皮の血管形成のあとで、血管内再狭窄を治療することが出来る。ステントと組み合わせた局所治療に関しては、本プロセスにもとづく治療の利点は、血管スペースと器具表面による投与量の限界に突き当たらないこと、ならびに損傷した血管壁に直接接触しないことであり、一方血管とその周辺のすべての層に高い局所濃度、そして必要な場合、組織的な効果、を与えることである。
【0114】
たとえば、図5から16のダイアグラムに従って、アンギオペプチン単体またはヘパリンと組み合わせて注入することが可能であろう。もちろん、他の任意の単体または組み合わせた再狭窄の危険を回避し好ましい結果を得るAPを注入することが可能であろう。
【0115】
この血管周辺治療に関しては、同様に分散物、接着物またはゲルによる化学塞栓と同じ目的で半固形血管内製剤の使用の可能性に言及することも可能であろう。ここでの利点は予め決められた体積(したがって蓄積ゾーン)の遅効性製剤を使用することである。これにより血管内でよりよい局在化と閉塞が出来る。
【0116】
本発明によるプロセスならびに器具は、ファイバースコープまたは他の直・間接画像装置と組み合わせることにより、有機壁内への投与を可能にする。
【0117】
例えば、尿道経路によって膀胱レベルにおいて干渉が生じたときには、尿道の厚みに治療薬(プロフィラキス、抗生物質等)の移植が考えられる。
【0118】
気管と気管支(ステント)に到達することも可能である。本プロセスによれば、肺の治療は以下のように記すことができる。肺内の局所的な耐性に応じて固形または半固形製剤を肺に投与するか、気管支または気管の粘膜に植え付ける。固形製剤は分散(粉または粒子)されていても良い。
【0119】
例えば、最近の軽度または中程度と診断された喘息におけるグルコルチコステロイドの吸入による予防治療を置き換えるために、0.4mgのブデソナイドを遅効性製剤で気管支を通し、またはそれを覆っている壁面に、あるいは気管の細胞に毎日投与することができる。薬物はその製剤が移植されれば流れの中に分泌され、そして湿気によって肺胞の底まで運ばれる。この低投与量の予防治療は、副作用がなく、特に子供において何の観察上の問題も発生させい。このような製剤の有効期間を1〜3ヶ月あるいは必要なら更に長くすることができる。
【0120】
消化管においても、本発明による局所投与治療を行う器具が利用できる。
【0121】
食道および胃においては、静脈瘤の治療は壁面への製剤の局所的注入が考えられる。同様に、レベルのはっきりした、例えばPCT(光化学治療)によって治療された腫瘍は、光感光物質を注入したあと、局所的に制御された光分散器を導入して照明する事が必要である。本発明の器具によれば同様に抗癌剤を固形または半固形で直接このレベルに注入する事が出来る。そして、治療すべきゾーンにより狙いを定め、周辺の組織を無益に損傷する事を避けることが出来る。
【0122】
固形または半固形製剤の局所投与プロセスには、局在して置かれたAPが持続的に存在することが必要となる。もし必要なら、製剤に加えて投与箇所における局所的な持続性に好適なものを添加することも可能である。例えば、非常に低パーセントのデキサメタソン、インドメタシン、ヘパリンまたは望ましくない局所効果を排除することが出来る任意のAPを添加する事が出来る。
【0123】
粘膜または壁は皮膚よりも透過性が高く粘膜(特に口または鼻)に適用してAPを系統的に透過させる貼り薬やバイオ接着システムが存在している。時として粘膜と接触した製剤が持続しないと云う欠点がある。従って、本プロセスによる粘膜または壁への局所レベルの投与が持続して存在することが、系統的な活性を持つ局部的な製剤の探索において特長を有していることが可能なのである。従って、この局所治療によれば、そのAPに適した組織浸透性をもたらす少量の賦型剤(有機溶剤、表面活性剤等)を製剤に添加することが可能である。従って、深部局在製剤が、例えば、持続的な局部投与が許されない、または鼻粘膜に関して、系統的な拡散位置に有利に存在することが可能である。
【0124】
本願記載のプロセスは、同様に、内視鏡(腹腔鏡、間接鏡等)による最小侵襲手術にも応用できる。使用されるAP(局所麻酔剤、抗凝固剤等)はここでは固形または半固形で投与され、有利な点は、ふたたび、少ない干渉スペースですむ適当な小体積と機器の到達経路による投与の可能性である。
【0125】
本プロセスの助けを借りて任意のその他の固形または半固形の遅効性製剤、特にPLGA移植片を移植することはもちろん可能である。それらを他のペプチド、リコンビナントタンパク質(インターフェロン)、ポリクロナールまたはモノクロナール抗体、アンチセンス・オリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチド、等とともに用いることが可能である。
【0126】
上述の有効成分の局所投与に用いられる固形製剤または移植片は同様にその細長い製剤と小さな直径によりその他のタイプの通常投与、例えば皮下または筋肉注射による系統的な治療、にも適している。
【0127】
当該の固形製剤または移植片、特にPLGA賦型剤を含む、可溶性であれ不可溶性であれ上述のように十分な濃度の有効成分を含むもの、特に40〜100%、好ましくは50%以上の有効成分を含むものは、直径または横断径が3ミリメートルまたはそれ以下、例えば2.5または2ミリメートル、または1ミリメートルまたはそれ以下、の細長い製剤に作製されて、インビトロでは局所または非局所作用に使用されて非常に早く溶解するにも拘わらず、インビボでは1ヶ月から3ヶ月またはそれ以上の非常に長い放出時間と、非常に規則的な、一定とさえいえる放出速度を得ることができることは非常に予期せぬ注目すべきことであった。
【0128】
通常、有効成分のこのような速度は瞬時のまたは速い放出の製剤で意図されたものである。
【0129】
発明者らは更に以下のことを発見した。つまり、ある製剤、賦型剤、特にPLGA、の均一分布においては賦型剤の役割が異なった非マトリックス法による遅効性製剤を得ることが可能であること、このことが既存のマトリックス製剤とはっきり区別された、特性の異なったより優れた製剤に導くことである。
【0130】
これらの非マトリックス製剤は賦型剤が分散された有効成分のマトリックス製剤と記述しうる。
【0131】
今日使用されているPLGAを用いたマトリックス製剤は分散製剤(微粒子)または非分散製剤(移植片)のいずれかである。
【0132】
一般的に云えば、開発された遅効性製剤のなかでリザーバー製剤およびマトリックス製剤と呼ばれるものが発見された。
【0133】
「リザーバー」製剤はこの有効成分の放出をコントロールするための拡散バリヤーまたは膜を有効成分と媒体の間に使用する。薬剤は固形、半固形または液状でリザーバーの中に入っている。溶液状かまたは賦型剤に分散されている。膜は多孔性で有効成分の外部への通過をコントロールする。可溶性有効成分に対する「リザーバー」システムには親水性の架橋されたポリヒドロキシエチルメタクリレート膜(PHEMA、ハイドロメッド サイエンシス)が挙げられる。「リザーバー」製剤では零次の比較的一定の放出レベルが得られる。これらのリザーバー技術の主たる欠点は有効成分が放出された後に生体適合性はあるが生分解性ではない移植片を取り出さなければならないことである。
【0134】
マトリックス製剤はその中に有効成分が捉えられ拡散、腐食またはそれらの組み合わせによって放出されるポリマーマトリックスまたはシステムを使用する。
【0135】
非生分解性のマトリックス製剤、例えばPDMDシリコン(Norplant、黄体ホルモン)の疎水性ポリマー移植片、は拡散によってのみ機能する。この機能様式は拡散距離が増加すると1次の放出を遅らせる原因と成りうる。欠点は、ふたたび、有効成分が放出されてしまったらシリコン移植片を取り出さねばならないことである。
【0136】
他方、生分解性のマトリックス製剤はこの欠点を有していない、というのはポリマーマトリックスは体によって除かれるからである。さらに、この除去または浸食は有効成分の放出を制御して一定の放出を得るのに関与している。
【0137】
現行のもっとも一般的な生分解性マトリックス製剤には乳酸またはグリコール酸(PLGA)のポリマー、乳酸とグリコール酸のコポリマーまたはそれらの混合物を用いる。
【0138】
このように、その内容が関連文献として引用されるEP52510は、LHRHのPLGAカプセル化製剤またはコアセルベーションによって作製された、有効成分がPLGA層マイクロカプセルの中心に分布しているマイクロカプセルの分散製剤を記述している。
【0139】
その内容が関連文献として引用されるEP58481では、ペプチドとPLGAの分散または非分散製剤、例えば有効成分が表面まで均一に分布していて放出の2つの位相(拡散と分解)が有効成分を放出する際に中断することなく重なり合うように特定のPLGAを使っている移植片、が知られている。
【0140】
他の多くの文献はペプチドのみならずタンパク質および遺伝子の遅効性製剤におけるPLGAの使用に関連している。その内容が参考文献として引用される特許WO96/40072は、そのマイクロカプセル化に使われるマトリックス中および有機溶剤中での安定性がPLGAマトリックスによって良化し、その放出が確保される人成長ホルモンの調製を記述している。制御プロセスはポリマーの分解とその原因となる構造に孔が空くことに基づいている。
【0141】
今日までに行われてきたすべての研究は、PLGAによる遅効性制御プロセスは3つの放出段階を生じていることで一致している。拡散によって有効成分を放出する初期段階、放出が起こらない潜在段階、そしてポリマー自身が失われる結合製剤の放出段階である。
【0142】
PLGAを用いるすべての製剤において、遅効性効果の制御は、ポリマーマトリックスが有効成分を放出するときのバリヤーの役割をするように、あるいは有効成分とポリマーマトリックスの間の物理化学的相互作用における役割をするように、PLGAと有効成分をマトリックス混合する事によって得られる。
【0143】
すべての場合において、この放出方法では、有効成分の装填ゾーンを外部媒体から分離し、それが生分解してそれから外部に向かって拡散しうる有効成分を放出するまでマトリックス内に保っているようなやりかたで有効成分を生分解性マトリックスに分散させる必要がある。
【0144】
このタイプの遅効性マトリックス製剤は水を浸透させることによって有効成分の分散ゾーンを水和し、有効成分がマトリックス構造から逃げ出せないために浸透圧によって水和下で膨潤を起こすことによって特長づけられる。
【0145】
これらの段階はPLGA製剤により多かれ少なかれ、例えば、有効成分が拡散できる空間の大きさを増加させるポリマーの分解と交絡している。
【0146】
上述のPLGAとポリ乳酸以外には注入可能な遅効性賦型剤は殆ど存在していない。しかしながら、例えば、いくつかのポリマー、ゲルおよび脂質を挙げることはできる。例えば、ポリ無水物は表面腐食プロセスがPLGAとはっきり異なった放出プロファイルを示すポリマーで、球形に分解するPLGAより製剤依存性が大きい。
【0147】
コラーゲンやゼラチンを用いて遅延時間を得るある種の遅効性製剤も同様に見いだされている。別の製剤はゲルまたはハイドロゲルを用いている。例えば、マトリックス薬剤は粘性の注入可能なゲル(登録商標:AccuSite、Intradose)を用いている。
【0148】
有効成分の媒体からの分離性の低い、あるいはより早く消失するマトリックスで形成されるこれらの製剤は一般に少ないパーセントの有効成分を含む。
【0149】
マニトール、ポリエチレングリコールおよびヒアルウロン酸の様な他の注入可能な賦型剤も遅効性プロファイルを調整するための添加剤としてたびたび使われる。
【0150】
マトリックスおよびリザーバー技術以外には今日十分長い、規則的で正確な放出を得る他の方法は殆どない。
【0151】
しかしながら、有効成分の拡散のバリヤーとして全体または部分的に上塗りした移植片の場合を挙げることができる。
【0152】
分散または非分散マトリックス製剤においては、ある量の有効成分が製剤の表面に見いだされポリマーマトリックス内に含まれていない。
【0153】
分散マトリックス製剤では、与えられた有効成分の量について、表面の全体積に対する重みのために、表面有効成分は全有効成分に対して相対的に高い量を示す。
【0154】
有効成分の詰め込みまたは「コアローデイング」(C.L)を増やすために、与えられた体積の有効成分に対して大量のポリマーマトリックスを注入するのに制限がある。
【0155】
この制限は非分散型製剤あるいは移植片にとって更に不利である。なぜなら高い充填量に対するこれらの体積は製剤の注入に套管針を必要とするからである。
【0156】
実際明らかにより高いC.L.をもつ製剤をつくる研究がなされた。しかし実験によりパーコレーションという名称で知られる現象の存在が示された。この現象はポリマーマトリックスの中で充填部分が互いに接触し、ポリマー(PLGA)がもはやそのマトリックス機能を果たさないという事実により、殆どすべての有効成分が急速に放出されることで顕在化するものである。
【0157】
視覚的にはこの現象は製剤を水和した後製剤が膨潤することなく非常に短い遅れで有効成分を放出することで明らかになる。有効成分はポリマーマトリックス内を循環する水によって製剤の外部に運び出される。
【0158】
遅効性マトリックス製剤においては、PLGAのタイプとその物理化学的特性が明確に特定され、実現可能な領域を決定する。PLGAのマトリックスバリヤーとしての役割による放出に対する直接の影響、有効成分との関係(疎水性、親水性等)における役割および分解に対する影響はPLGAの正確な選択に拘わっている。
【0159】
PLGAと放出の間のこの関係は、例えば、マトリックス製剤の作用の持続期間に明らかに現れる。
【0160】
このような製剤に於いては、放出の持続は直接PLGAの分解時間に依存する(第2段階または反動)。したがって、PLGAは求める持続期間の機能として選択される。例えば、1ヶ月で分解される50:50PLGAは1ヶ月の製剤を作り、一方3ヶ月以上の製剤は必然的に加水分解の遅いPLGA、例えば75:25PLGAを含む。
【0161】
本願記載の非マトリックス製剤においては、賦型剤、特にPLGAは放出には影響しない。そして、例えば、60日で体内から全部消えてしまう単独の50:50
PLGAで3ヶ月以上の放出を得ることができるし、すべての有効成分が放出されても加水分解を開始しない75:25 PLGAで1ヶ月用製剤を作ることさえ可能である。
このことはPLGAの重量の割合が有効成分の割合よりも常に低いという事実によって可能となる;このことは、連続マトリックスがもはやPLGAではなくて有効成分であって全充填量に対して外的な、そして特に水の影響を受けるということを意味する。したがって作用の持続期間を決定するのは有効成分、特にその全体量、である。
【0162】
したがって本発明は特に次のような製剤に関係する。すなわち、系統的な目的かあるいは局所的な治療か、また、従来の投与量か局所作用向きに減少された投与量かである。
【0163】
本発明は特に、少なくともその1部が製剤の交換表面と外部の生物学的媒体に直接接触している連続相を形成する非分散状態の有効成分と、有効成分の量が製剤の全重量の少なくとも50%である生分解性で生体適合性のある賦型剤との均一な混合物から成り、賦型剤の組成、賦型剤の分子量あるいは有効成分/賦型剤重量比に独立な放出プロファイルを有し、その放出プロファイルが本質的にその製剤に存在する有効成分の全量に独占的に依存するような非経口投与遅効性製剤に関連している。
【0164】
パーコレーション現象を排除するために、有効成分の30%を上限とした「有効成分充填量」を許容した既知のマトリックス製剤とは異なり、本願記載の製剤は50%以上の有効成分を含み、これによりマトリックス製剤の体積に対してデポの体積は3から10倍減少する。
【0165】
したがって、固形製剤では、本願記載の製剤は、投与前後のおいて、製剤の全重量に対して、(有効成分を)重量で少なくとも50%、好ましくは51%、より有利には少なくとも70%、から99.999%まで含む。賦型剤は製剤の全重量に対して、重量で50%以下、好ましくは49%、より有利には30%以下を示す。
【0166】
賦型剤は遅効性固形製剤で伝統的に使われているもの、特に生分解性ポリマーである。
【0167】
例を挙げると、ポリ乳酸またはポリグリコール酸タイプ、ポリ乳酸/ポリグリコール酸タイプのコポリマーまたはこれらのポリマーおよび/またはコポリマーの混合物がある。生分解性で生態適合性のある賦型剤となるポリマーの選択は、これがポリマー中での有効成分の拡散に影響しないので大したことではない。
【0168】
例えば、本願記載の製剤の賦型剤としてコンプリトールのような重合した飽和脂肪酸のように注入可能な胞肪物質があるし、ポリビニルピロリドン(PVP)やポリエチレングリコール(PEG)の様な賦型剤さえある。
【0169】
ポリマーの粘度は大きく変動する。低粘度のポリマーは単相と呼ばれる方法に適していることが立証されている。上述の、EP 58481、EP 52150、EP 21234とEP26599−これらは本願でも参照されているが−は、例えば、低粘度ポリマーに力点をおいている。これらのポリマーは本発明に適している(例えば、クロロフォルム中における粘度が0.5dl/g以下)。出願人はさらに出願中のフランス特許出願97 04 837ならびに下記の実施例において、高粘度ポリマー、特に0.5あるいは0.6以上、そして1.2dl/gまでのものが、単相放出を得るのに特に適していることを開示している。
【0170】
DL-PLGAまたはL−PLGA、より好ましくは70から80%のDL-ラクチドと20から30%のグリコライドから調製されたDL-PLGAを使うことができる。75%のDL−ラクチドと25%のグリコライドから合成されたPLGAは特に適しているが、50−50PLGAを含む他のコポリマーもまた使うことができる。D-またはDL-ラクチドポリマーもまた使用できる。
【0171】
PLGAは親水性でも疎水性でも良い。親水性ポリマーで本願記載の製剤を調製することが可能である。
【0172】
しかしながら、生分解性で生体適合性のあるポリマーとしては、PLGAが好ましい、特にクロロフォルム中で1g/l00mlにおいて0.6dl/g以上の粘度を有する親水性PLGAが有利である。
【0173】
遅効性製剤の持続期間はそれが含有している有効成分の全量によって一義的に決定される。
【0174】
非分散状態における有効成分は、製剤中に存在する有効成分の異なった粒子が大部分互いに物理的に接触しておりまた製剤の表面にも出ている、ということを意味していると理解される。
【0175】
したがって、連続相は有効成分の内部部分の全体または大部分が有効成分または有効成分の混合物および有効成分の拡散または溶解を妨げない物質によって表面から分離されているに過ぎないような分布を意味すると理解される、と理解される。
【0176】
都合のよいことに、有効成分と賦形剤により形成される混合物は全ての点で均質である。
【0177】
本発明による遅効性製剤は、さらにインビトロ(in vitro)とインビボ(in vivo)の放出時間の違いによって特徴付けられる。
【0178】
このように、生理的水性媒体に入れられた本発明による製剤は7日以下の時間で有効成分を放出するが、インビボ(in vivo)での放出時間は実質的に7日以上であり、うまくいけば少なくとも1ヵ月以上、好ましくは3ヵ月以上となる。
【0179】
同量の有効成分を含むマトリックス製剤は、インビボ(in vivo)での放出時間の長さと同じ順序で逆にインビトロ(in vitro)の放出時間の方が長くなった。
【0180】
意外にも、インビトロ(in vitro)での放出時間に限界があるにも拘らず、本発明による製剤はインビトロ(in vitro)での放出時間に関係なく、インビボ(in vivo)でかなり長い放出時間をもたらす。
【0181】
その上、インビボ(in vivo)放出プロファイルは二相性マトリックス剤型とは明らかに異なり、経時的に一定の有効成分の拡散に相応した偽零次速度となるだろう。
【0182】
この放出プロファイルは、体内で一定レベルの有効成分を遊離させるので、もう一つの利点を有している。
【0183】
本発明による製剤は液状賦形剤がない場合は固体剤型で直接注入され、それ故有効成分の割合が高いことが容量を大幅に下げることを可能にするため、決定的な利点となる。
【0184】
その結果、20%の有効成分を含むマトリックス剤型についていえば、例えば70%の有効成分を含む本発明による新しい製剤はその容量を3.5分の1に下げられるか、あるいは投与量を同一容量で3.5倍に増やすことができる。
【0185】
このことは、非拡散性マトリックス製剤として与えられた有効成分について、直径1.8mm以上の植込剤を注入するのに套管針が必要である場合に、直径1mm以下の本発明による製剤の微小植込剤を注入するには標準の筋肉内注射針で十分であるということを意味する。
【0186】
さらに、液体での吸収もなく、初期のマトリックスの膨張もない本発明による製剤の放出方法は、管理された環境下で保存される有効成分に対しては安定しているという利点を有する。したがって本発明による遅効剤型は、組み換え蛋白のような壊れやすい有効成分に対して特に有利である。
【0187】
賦形剤を形成する生分解性、かつ生体適合性ポリマーの性質を考慮に入れ、有効成分に対する制限がなくなる程度まで、先行技術、特に合成または天然高分子、特に蛋白、あるいはそれらの類似化合物のマトリックス剤型中で拡散できない高分子量の有効成分を本発明による製剤に組み入れることが可能である。
【0188】
本発明は、したがって、壊れやすい分子、特にペプチドや蛋白、またはそれらの類似化合物の保持時間にわたり遊離を可能にする。
【0189】
本発明に使用できる活性物質の中、以下のものを特に挙げることができる。蛋白、例えば、酢酸トリプトレリンから形成された群から選ばれたペプチド、酢酸ランレオチド、トリプトレリンのようなLH-RH活性を有する化合物のペプチド、ゴセレリン、ロイプロレリン、ブセレリンまたはそれらの塩、LH-RH拮抗物質、GPIIb/IIIa拮抗物質、GPIIb/IIIa拮抗物質に類似の活性を有する化合物、エリスロポイエチン(EPO)またはその類似化合物、種々のインターフェロンα、インターフェロンβまたはγ、ソマトスタチン、内容が引用文献として組み入れられるヨーロッパ特許EP 215171に述べられているようなソマトスタチン誘導体、アメリカ特許US 5552520に述べられているようなソマトスタチン類似体(この特許自体は、本出願において引用文献として組み入れられているソマトスタチン類似体について述べている他の特許一覧を含む)、インスリン、成長ホルモン、成長ホルモン放出因子(GRF)、上皮増殖因子(EGF)、メラニン細胞刺激ホルモン(MSH)、甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)あるいは塩または誘導体の一つ、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、黄体形成ホルモン(LH)、卵胞刺激ホルモン(FSH)、副甲状腺ホルモン(PTH)またはその誘導体の一つ、リソソームの塩酸塩、ヒトPTHホルモンのN末端(1→34位)におけるペプチドラグメント、バソプレシンまたはその誘導体の一つ、オキシトシン、カルシトニン、カルシトニンに類似の活性を有するカルシトニン誘導体、グルカゴン、ガストリン、セクレチン、パンクレオチミン、コレシストキニン、アンジオテンシン、ヒト胎盤性ラクトゲン、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(HCG)、エンケファリン、コロニー刺激因子、エンケファリン誘導体、エンドルフィン、キョウトルフィン、インターロイキノン例えばインターロイキノン2、タフトシン、サイモポイエチン、チモスチミン、胸腺液性因子(THF)、胸腺血清因子(TSF)、胸腺血清因子(TSF)誘導体、サイモシン、胸腺因子X、腫瘍壊死因子(TNF)、モチリン、ボンベシンまたはアメリカ特許US 5552520に述べられているようなボンベシン誘導体の一つ(この特許自体は、本出願において引用文献として組み入れられているソマトスタチン類似体について述べている他の特許一覧を含む)、プロラクチン、ニューロテンシン、ジノルフィン、カルレイン、物質P、ウロキナーゼ、アスパラギナーゼ、ブラジキニン、カリクレイン、神経増殖因子、血液凝固因子、ポリミキシンB、コリスチン、バシトラシン、蛋白合成刺激ペプチド、エンドセリン拮抗物質あるいはその塩または誘導体、血管作用性腸ポリペプチド(VIP)、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)、血小板由来増殖因子(PDGF)、骨形態発生蛋白(BMP)、および胃抑制性ポリペプチド(GIP)。他の水溶性活性物質でも、あるいはその塩または前駆体の一つでも技術に長けた人がそれが有用であると判断するなら使用できる。
【0190】
好ましくは、カチオンの形で塩化により得られた水溶性産物を、例えば酢酸と一緒に使用することになろう。しかしながら、パモエートのような不溶解性の塩を使用することもできる。ペプチドおよび/または蛋白は、ペプチドおよび/または蛋白のみならずこれらのペプチドおよび/または蛋白の薬理学的活性断片を意味するものとして理解される。
【0191】
本発明による製剤または植込剤を製造するために用いられるような水溶性活性物質は、特に酢酸トリプトレリン、酢酸ランレオチド、ゴセレリン、ロイプロレリン、ブセレリンまたはそれらの塩剤があり得る。
【0192】
これらの製剤はさらに本発明による手順に従い、上述の器具を使用をすることにより投与できる利点を有する。
【0193】
本発明による製剤の製造過程は、遅効性医薬品剤型の分野で一般に使われてきた混合技術、圧縮技術、溶解状態での押し出し成型技術および粉砕技術で決まる。
【0194】
本発明は同様に、以下の内容から成る段階を有する本発明による遅効性製剤の調製過程に関係している:
−少なくとも50%の有効成分を含む有効成分と賦形剤の均質な混合物を作る;
−前述の混合物を圧縮する;そして
−溶解状態で前述の圧縮混合物を押し出し成型する
マトリックスおよび非マトリックス成分に適用する代替手順は、有効成分や賦形剤、特にPLGAの中身が何であろうと、非局所のみならず局所にも意図され、そして混合物の溶剤も加熱も必要とせず、以下の点に含まれる段階からなる:
−有効成分と賦形剤の均質な混合物を作る;
−均質な混合物に、好ましくは1000kg以上の力で高圧縮を当てる;
−得られた圧縮物を磨り潰す;
−投与に適した剤型に変える。
【0195】
最初の手順によれば、その手順は、例えば、次の方法で実施される:
有効成分(AP)とPLGAを混合物の重さに対する割合で量る(例えば70%APと30%PLGA)。
【0196】
混合は例えばターブラ(登録商標:Turbula)混合機を使用することにより均質な混合物を得るため行われる。混合物はそれから圧縮機に入れられる。実際には例えば直径13mm、厚さ5mmのブリケットを作れる適度な圧縮に相当する詰め込みが行われた。これは都合のよいことに拳の関節で行われる。そのブリケットは粉砕されるが、これは例えばえり分けることにより、ボールあるいはナイフミルを用い凍結粉砕により実施できる。
【0197】
この操作の目的は、溶解部分が全体の50%以下であるこの特別な状況で、必要な押し出し成型間の粉末混合物の流れを質的に改善することにある。
【0198】
混合物は望ましい微小植込剤と同じ直径の鋳型を通して押し出し成型される。
押し出し成型物は光牽引器のレーザー線(Keyence)による直径を調節後回収される。
【0199】
順番に、微小植込剤は吸引口ではなく押し出し口により目盛りを付けられる。
【0200】
その押し出し成型物は、ガンマ線照射前に注入器具に入れる微小植込剤を得るため、分析制御の働きにより欲する長さに切られる(25kGy)。
【0201】
第二番目の手順によれば、その手順は例えば以下のように実施される。
【0202】
APとPLGAの混合物から出発して、その手順は単純な詰め込みではなく、同じ組成(賦形剤と有効成分)で始まる混合物の極めて強い圧縮である。
【0203】
最小限1トンの力でこの超高圧縮を得ることが可能である。
【0204】
相当な直径、例えば13mm以上で行われる超高圧縮の結果は、この熱可塑性の賦形剤(その温度で溶解可能)を、熱い条件下で得られるものに似た構造物へ変形させることであり、言うなれば、透明なあるいはガラス状の、単純な圧縮後に得られる前者とは非常に異なる。この操作は周辺温度が寒冷条件、あるいは0°以下ですら行われる。低温でのこの超高圧縮の間、混合物内の賦形剤のプラスチック状態へのガラス様変化がもたらされる。
【0205】
前出の微小植込剤に等しい微小圧縮物の形状で、上述のように粉砕された超高圧縮物を再び詰め込むことも可能となろう。
【0206】
PLGAの遅効性剤型に特に適するこの技術により、温度または溶剤と関係なく、あるいは溶媒の製造、有効成分、特に例えば組み換え蛋白のような壊れやすい分子の保全維持に、特別な興味が持たれる医薬品剤型を得ることができるようになる。
【0207】
この手順は、これらが拡散しようとしまいと、同様にマトリックス剤型の製造(50%以上の有効成分を含まない)にとっても興味深い。そのマトリックス剤型についていえば、PLGAの圧縮は賦形剤を熱で溶かすことにより得られるマトリックス構造と等しいものになる。
【0208】
粉砕後の超高圧縮物は、拡散された微小粒子剤型で直接使用できる。
【0209】
上述したように、器具の針に充填後拡散剤型を直接注入したり、あるいは液体溶媒(例えばミクロスフェア)中に懸濁してそれを注入することが可能である。
【0210】
固体剤型に対する可能な見方の一つは長く伸びた円柱のそれである。
【0211】
上記で定義されているような製剤は、既に記述された局所投与器具に関連して上記のように定義された形状と容積を有している。
【0212】
好都合なことに、その製剤は直径3mm以下、好ましくは1mm以下で、長さが50mm以下、好ましくは30mm以下で、総体積が50mm3以下、好ましくは20mm3以下の円柱形である。
【0213】
本発明は同様に、放出持続時間にわたり、本発明による製剤の有効成分の遊離に関連する処置を必要とする患者への注射から成る治療処置の方法に関連している。
【0214】
その製剤は都合のよいことに皮下あるいは筋肉内経路で注射できる。
【0215】
これは何らかの適切な手段、特に直径1mm以下の標準注射針によって実施できる。
【0216】
本発明は同様に、徐放効果確保のため上記に定義されたような固形製剤の使い方に関係している。
【0217】
以下に実施例で本発明を説明する。
実施例1:
リン酸デキサメタソン、PLGA型の洞内挿入物リン酸デキサメタソン挿入物の製造は以下の段階に従って行われる:
−原材料の重さを測定、混合、最初の押し出し成型、擂り潰しおよびえり分け、調剤と包装、Dランクの清浄室においてAランクの層流下で全て行い、最後に滅菌する。
【0218】
1バッチに対して、例えばPLGAのlactide−coglycolide共重合体(50:50)の38.25gを測り、100μmm以下まで粉砕されたデキサメタソン21−リン酸2ナトリウム6.75gを組み入れることが可能であろう。
【0219】
粉末は三次元移動混合機を用いて混合され、最初の押し出し成型時に混合物の品質が管理されることになろう(APの%)。
【0220】
押し出し後、混合物は粉砕され、再び、直径2から2.5の棒状に押し出されるが、その均一性は確認される(%AP、AP含有量/長さ)。7.5mgのリン酸デキサメタソンに相当する調剤量を得るのに必要な挿入物の重さは、このようにして計算される。円筒は必要な重量に応じて、長手方向に切断され、包装装置でガンマ線照射(25k Gy)後に個別に包装される。
【0221】
図5から10にある図面にしたがって、直径3mmで、長さ10cmの套管針の内部で、直接その装置を使用することができよう。
【0222】
これらの挿入物の有効性を試験する前に、例えば慢性の鼻腔閉塞の例においては、上あごの洞上になるが、そのインビトロ及びインビボの放出は、挿入物の寿命の予測が可能であるモデル上で確認される。
【0223】
インビトロでは、放出は、挿入物がその中に浸漬される等調の媒体中で、HPLCによるAPの測定によって追跡される。図17、18、19は、APの三つの異なる濃度、10、15、20%の各々について、これらのインビトロの放出を示す。
【0224】
インビボでは、ラット・モデルが使用される。挿入物は、皮下あるいは腹膜内に投与され、その放出は、一ヶ月にわたって、最近接小数点まで動物たちの犠牲の後で挿入物内に残存するAPの量を測定すること、及び決められた時間でのサンプリングすることにより評価される。
【0225】
図20、21、22は、三つの百分率の皮下(A)及び腹腔内(B)での、このインビボのコントロールの結果を示す。
実施例2:
ランレオタイド酢酸、固形のトランスルミナル移植
直径0.75mm、長さ30mmの移植片または円筒が作成された。それらは90%のランレオタイド酢酸と10%のマンニトールの組成で、ランレオタイド(BIM23014C)12.80mgを含む。
【0226】
200単位のバッチ、または固形分4.5g(ランレオタイド酢酸/マンニトール)について、製造は、計量、接続、脱気、水和、混合、押し出し、乾燥、配列、照射の工程からなる。
【0227】
計量は、一方では、一つのシリンジ内の水/マンニトール溶液の体積に対応するが、また他のシリンジ内でソマチュリン酢酸粉に対応するのもある。
【0228】
接続とは三方ボールバルブ経由での二つのシリンジの組み合わせである。
【0229】
それから脱気はAP粉内部で実施される。
【0230】
水和は真空下で粉末をマンニトール溶液と接触させることにより得られる。混合は二つのシリンジのピストンを運転しての前後の動きにより実施される。HPLC均一性を確認後、押し出しが、所望直径に合ったダイを通しての棒の製造に対応する。この押し出しは、同様にモータでシリンジのピストンを運転することでも得られる。
【0231】
乾燥は円筒の切断後、または前に実施される。これはペースト状の混合物から水分を蒸発して乾燥した円筒を得ることにある。
【0232】
準備は、図5に示されるような直径1mmの装置の注射針内部にその円筒を導入することからなる。
【0233】
滅菌の照射は、装置の包装後に、25k Gyで実施される。
【0234】
血管形成術の前または後で、カテーテルのルーメンを通して、ステントのように、ランレオタイドのその円筒を置くための局部レベルで、本装置を注入することが可能だろう。
【0235】
この製剤の局部的な遅効性の効果は、以前に、イヌでの筋肉内注入(i.m.)で、さらに、人体でi.m.での皮下注入(s.c.)が評価されている。
【0236】
図23は、12.8mgのランレオタイドの筋肉内注入でのイヌに関する生体反応の結果を示す。
【0237】
図24は健康なボランティアでの皮下(A)及び筋肉内(B)注射による生体反応の結果を示す。
【0238】
得られた結果により、この期間にわたって高い局部的濃度を持った血管形成術の局部レベルで、持続性の遅延遊離の効果が期待できる。
実施例3:
ランレオタイド酢酸の半固形デポランレオタイド酢酸は注入可能な遅延遊離のペーストまたは水を含む半固形分を形成する。
【0239】
遅効性の効果は、有効成分からの直接の析出により得られる。この遅効性の効果は、百分率の関数として調整可能である。活性の期間は、したがって、この半固形分のデポの溶出または排出に直接比例する。したがって、他の有効成分をランレオタイドと組み合わせることが出来て、それに対しては組み合わされた局所的な効果が求められるだろう。ランレオタイドだけの生体反応により、AP(群)の活性期間を評価出来るだろう。
【0240】
半固形分は、実施例2でマンニトール無しの固体の工程に近い工程にしたがって製造される。押し出し、乾燥、再配列は分配に置きかえられる。例えば、200単位用に、ランレオタイド酢酸の40gは、35%のランレオタイド、65%水分の1ヶ月型において、注入量AP40mg用に調製されるだろう。
【0241】
製造工程は、計量、接続、脱気、水和、混合、配列、そして照射である。
【0242】
配列は、注入装置(図11から16)の体積充填からなり、例えば、混合物シリンジからのロータリ・ピストンによるものである。この半固体製剤は、健康なボランティアでの筋肉内注入での臨床試験の課題であった(図25)。
【0243】
したがって、一ヶ月にわたって局所的である製剤を得ることが可能だろう。ペーストの濃度及び量が局所的な拡散の期間と強度を決定するだろう。
実施例4:
有効成分の20%マトリックス製剤と、52%の非マトリックス製剤の比較
非常に可溶性のトリプトレリン酢酸(TA)塩が分子量100、000以上、固有粘度がクロロフォルム中で1dl/gに等しく、一ヶ月後でもマトリックス遊離を制御出来る程度の質量損失のある加水分解を受けるのみのPLGA(75:25)と混合される。
【0244】
PLGA中の有効成分が、20%(ろ過前)、及び52%重量基準での混合物がこのようにして調製される。これらの混合物は押し出されて移植片を形成し、その放出は、インビトロで、37℃、生理学的血清10ml内で攪拌無しで確認される。
【0245】
有効成分の20%移植片は二日間で全投薬量の4%のみを遊離し、ポリマーの質量損失が起こり、それはd36とd60(図26)の間での有効成分の遊離を引き起こすのだが、その前では36日間で6.7%しか遊離しない。有効成分の52%の移植片が全投薬量の66%を二日間で遊離し、一週間で90%以上を遊離する(図27)。
実施例5:
トリプトレリンの不溶塩(トリプトレリン・パモエート)とのマトリックス及び非マトリックス製剤の比較
トリプトレリン・パモエートとPLGA(50:50)の製剤が調製され、有効成分は、最初は40%、二番目は52%である。
【0246】
これら二つの製剤の遊離が、インビトロの放出モデル(有効成分の低い溶解性が100mlの懸濁容積を必要とする)において比較される。
有効成分の不溶性にも拘わらず、40%のマトリックス製剤の放出が観察される(図28)。52%で(図29)、放出は既に本質的にマトリックスに依存しない。
【0247】
マトリックス及び非マトリックス・モードでのPLGAに関する有効成分のインビトロの機能は、したがって、その塩の溶解性に依存しない。
実施例6:
マトリックス製剤と非マトリックス製剤の間での活性の型のマクロ的な違い
実施例4のマトリックス調製品、非分散製剤の75:25PLGA/トリプトレリン酢酸(80−20%)は、インビトロの生理学媒体中で10日後で、実際上、その有効成分全部を含む。それは、時間0に関して直径が増加し、長さが減少した半透明の様相を呈し(図30)、PLGAマトリックスの抑制性を示している。
【0248】
同条件下で、10日後の75:25PLGA/トリプトレリン酢酸(48−52%)非マトリックス製剤は、実際上、有効成分が完全に無くなっている。それは直径や長さでは変化を受けていなかった(図31)。
【0249】
有効成分は、このように、PLGA非マトリックス骨格から消滅していた。この場合、有効成分はポリマーのいかなる物理化学的な束縛も受けない。PLGAは有効成分の放出の過程で変わらぬままである。
実施例7:
非マトリックス製剤(トリプトレリン酢酸52%)と70%及び80%トリプトレリンの非マトリックス製剤の比較
実施例4と同じインビトロ放出モデルにおいて、同じ9mgの投薬量で、三つの非マトリックス製剤が比較された。1日の間での放出の結果(図32)は、これらの三つの製剤での活性の類似性を示す。インビトロで得られた放出値は、このように、C.L.に比例しない。このことは、有効成分の役割と、非マトリックス製剤での活性の全体量の役割を示している。
実施例8:
52%非マトリックス製剤の5mgと9mgの投薬量でのインビトロ遊離の比較 分子量が100、000以上の同じ75:25PLGAを使用する二つの製剤が、52%のトリプトレリン酢酸(TA)のC.L.で製造された。これらの二つの製剤は、インビトロで確認された、第一に9mg(52%のTA、9mgで)及び第二に6mg(52%のTA、6mgで)。その結果(図33)は有効成分の投薬量の差に関連する放出生体反応での差異を示す。
実施例9:
52%、70%及び80%有効成分(トリプトレリン酢酸)でのマトリックス製剤のラットにおけるインビボ試験の比較
52%有効成分の2バッチの移植片と70%有効成分の1バッチの移植片、及び80%有効成分の1バッチの移植片が、12匹のラットからなる4グループで皮下注入された。各グループから4匹がdl、d4及びd19で犠牲となった。移植片は回収され、有効成分の残存量を知るため、HPLCで測定された。
【0250】
図34の結果は、d0とd19の間での百分率として、移植片の残存レベルを表す。
【0251】
52%、70%、及び80%製剤の間で、この百分率の減少に明らかな平行関係が認められる。
【0252】
図35は、mg単位での純粋な有効成分の残存量の展開を表す。19日後のインビトロでの結果と反対に、平均して、52%移植片と、70%と80%の移植片において、著しい、また同等の有効成分の量が残存する。
【0253】
プラズマのサンプルがこれらの動物から犠牲にする前に取られ、この結果はRIA分析により確認された。
実施例10:
イヌにおける、マトリックス製剤(有効成分20%)及び非マトリックス製剤(有効成分52%)の生体反応の結果
トリプトレリン酢酸の20%と52%製剤が、6匹のイヌの2シリーズに注入されたが、各々の全投薬量は純トリプトレリン3mgと6mgで、プラズマ・サンプルのRIA分析と、テストステロンのレベルで有効成分の動的有効性で、生体反応が追跡された(図36及び37)。結果は、二つのケースにおいて、少なくとも3ヶ月にわたる放出活性を示す。
【0254】
20%製剤の生体反応は、従来のプロファイルを示す(ピークとリバウンドを伴う)。52%製剤の生体反応は、従来のPLGA製剤のものと比較はできないが、ピークやリバウンドの無い擬0次のものである。
実施例11:
イヌにおける、有効成分70%の非マトリックス製剤での生体反応の結果
同じPLGAと有効成分の52%製剤(実施例10)と同じ有効成分を用いた製剤が、PLGA70%と30%で作られた。
【0255】
この製剤がイヌに注入されたが、全投薬量は純トリプトレリン9mgであった。生体反応は、プラズマ・サンプル(図38A)のRIA分析と、テストステロンのレベル(図38B)による有効成分の動的有効性により追跡された。
【0256】
結果は正に、少なくとも3ヶ月にわたり、有効成分52%製剤についてのような放出活性を示すが、唯一の違いは、全投薬量を変化させると、より高い放出レベルを持つことである。
【0257】
52%と70%の間での負荷への変化は、期間やプロファイルに影響しないが、放出レベルは正に注入された全投薬量に依存する(図39)。
【図面の簡単な説明】
【0258】
【図1】本発明の第一実施例による固形製剤の投与器具の縦断立面図である。
【図2】本発明の第一実施例による固形製剤の侵入器具の縦断立面図である。
【図3】図1の投与器具を図2の侵入器具に装着し、ピストンを押し込む前の縦断立面図である。
【図4】図3中のピストンを押し込んだ後の縦断立面図である。
【図5】本発明の第二実施例による器具の縦断立面図であって、部分的に患者の体内に挿入されて固形製剤を投与する準備が出来た状態を示す。
【図6】図5の6−6における横断面図である。
【図7】図5と同様の図で固形製剤を器具のガイドの外部に押し出し、患者の体内に落とす準備が出来た状態を示す。
【図8】図7の8−8における横断面図である。
【図9】図5および図7と同様の縦断立面図で、針を一部引き抜き固形製剤が体内に残された状態を示す。
【図10】図9と同様の図で、内側の針とピストンが完全に戻された状態を示す。
【図11】本発明の第三実施例による器具の縦断立面図であって、部分的に患者の体内に挿入されて半固形製剤を投与する準備が出来た状態を示す。
【図12】図11の12−12における横断面図である。
【図13】図11と同様の図で半固形製剤を器具のガイドの外部に押し出し、患者の体内に落とす準備が出来た状態を示す。
【図14】図13の14−14における横断面図である。
【図15】図11および図13と同様の縦断立面図で、針を一部引き抜き半固形製剤が体内に残された状態を示す。
【図16】図15と同様の図で、内側の針とピストンが完全に戻された状態を示す。
【図17】濃度10%のデキサメタソンをインビトロで挿入した場合の放出を示す。
【図18】濃度15%のデキサメタソンをインビトロで挿入した場合の放出を示す。
【図19】濃度20%のデキサメタソンをインビトロで挿入した場合の放出を示す。
【図20】10%のデキサメタソンをラットに挿入したときの生体反応の実験結果を示す。(A)は皮下注射、(B)は腹膜注射の場合である。
【図21】15%のデキサメタソンをラットに挿入したときの生体反応の実験結果を示す。(A)は皮下注射、(B)は腹膜注射の場合である。
【0259】
【図22】20%のデキサメタソンをラットに挿入したときの生体反応の実験結果を示す。(A)は皮下注射、(B)は腹膜注射の場合である。
【図23】12.8mgの固形製剤の酢酸ランレオタイドをイヌに筋肉注射した場合の生体反応の実験結果を示す。
【図24】12.8mgの固形製剤の酢酸ランレオタイドを健康なボランテイアに皮下(A)および筋肉注射(B)した場合の生体反応の実験結果を示す。
【図25】健康なボランテイアに40mgの半固形のランレオタイド酢酸を筋肉注射した場合の生体反応の結果を示す。
【図26】20%の有効成分を含む酢酸トリプトレリン/PLGA(75:25)マトリックス製剤のインビトロにおける放出プロファイルを示す。
【図27】52%の有効成分を含む本発明による酢酸トリプトレリン/PLGA(75:25)製剤のインビトロにおける放出プロファイルを示す。
【図28】40%の有効成分を含むトリプトレリンパモエート(有効成分)とPLGA(50:50)製剤のインビトロにおける放出プロファイルを示す。
【図29】52%の有効成分を含むトリプトレリンパモエート(有効成分)とPLGA(50:50)製剤のインビトロにおける放出プロファイルを示す。
【図30】インビトロで生理学的媒体中に1時間、1、2、3、7および10日間おかれた後の有効成分20%の酢酸トリプトレリン/PLGA(75:25)製剤の写真を示す。
【図31】インビトロで生理学的媒体中に1時間、1、2、3、7および10日間おかれた後の有効成分52%の酢酸トリプトレリン/PLGA(75:25)製剤の写真を示す。
【図32】本発明による有効成分(酢酸トリプトレリン)52%、70%および80%、投与量9mgでの3つの形のインビトロにおける放出プロファイルを示す。
【図33】本発明による有効成分(酢酸トリプトレリン)52%、投与量9および6mgでの2つの形のインビトロにおける放出プロファイルを示す。
【図34】有効成分(酢酸トリプトレリン)52%、70%および80%の製剤についてラットに注入された挿入物中に残存する有効成分量の時間変化を示す。
【図35】有効成分(酢酸トリプトレリン)52%、70%および80%の製剤についてラットに注入された挿入物中に残存する有効成分の絶対量の時間変化を示す。
【図36】有効成分52%、投与量3mgの酢酸トリプトレリン/PLGA(75:25)製剤のイヌにおける血漿濃度の動力学とテストステロンのレベルによる薬学的効果のモニタリングを示す。
【図37】イヌにおける有効成分20%、投与量6mgの酢酸トリプトレリン/PLGA(75:25)製剤の血漿濃度の動力学とテストステロンのレベルによる薬学的効果のモニタリングを示す。
【図38】有効成分70%、投与量9mgの酢酸トリプトレリン/PLGA(75:25)製剤のイヌにおけるインビボ放出プロファイル(A)とテストステロンのレベルによる薬学的効果のモニタリング(B)を示す。
【図39】有効成分52%、投与量6mgの酢酸トリプトレリン/PLGA製剤および有効成分70%、投与量9mgの製剤のイヌにおけるインビボ放出プロファイルを示す。
【符号の説明】
【0260】
1,9 … 固形製剤
2 … 管状ガイド
3,14 … ピストン
4,5 … つば
6 … 管状開口部
8 … 環状末端
11 … 環状ガイド
12 … ガイド
13 … 針(投与器具)
13a … 針末端
17 … 貯蔵部位(投与部位)
18 … 半固形製剤
20 … プッシュボタン
L,P‘ … 皮膚
【技術分野】
【0001】
本発明は、非液体の医薬製剤の標的化処置を可能にする治療装置に関する。
【背景技術】
【0002】
有効成分(AP)がこのように作用部位に選択的に導かれるときの局部的処置または投与を使用する利点は周知である。一方、いくつかの事例において、薬物の経口または非経口投与およびその全身的拡散は、満足な結果が得られないことが立証されている。さらに、全体または全身的処置を目的とする場合でも、特に遅効性製剤の場合には、製剤を適切な部位に挿入することが重要である。
【0003】
局部的効力の改善とは別に、特に全体的処置に対する局部的処置は、その存在が無用または有害な身体の部位において、特にAPに関連した投与量と副作用を少なくすることができる。
【0004】
したがって、薬物の局部的投与は、生成物の治療的指標を改善することができ、必要に応じて、その一般的毒性と全身的影響のリスクを低減することができる皮膚、目、鼻腔、肺、さらに胃または直腸の局所形態は、局部的投与を使用した最初の非経口形態であった。製剤の貯蔵部位が、比較的アクセスしにくいかまたは観血的形態を必要とするとき、処置を繰り返さなければならないとき、ましてや慢性のときは、標的化の利点が既知の場合でも、実際には、それを使用すると、繰返しの治療行為の困難さや不快さにも直面する。
【0005】
一方、1回の投与で、患者に、数日間、数週間または数ヶ月間の量に相当する薬物を与えることができる徐放性または遅効性製剤の使用の利点は、既知である。
【0006】
この遅効性形態は、処置の遵守が病人や医療者ではなく調剤品に依存するとき適合性を高める。したがって、この徐放性は、実際に、処置によって制限されなくなり、薬物を服用する機能として規則正しく一定の投与量を受ける患者の快適性を高める。
【0007】
遅効性形態の開発において、専門家は、特に貯蔵部位のアクセスが比較的困難な前述の事例において、局部的使用を検討してきた。これにより、遅効性形態は、投与あるいは手術を繰り返す必要がなくなる。このようにして、全身的投与をせずに長期間にわたる薬物の著しい局部的集中を期待することができ、したがって二次的影響が少なくなる。この解決策は、特に、全身的経路から投与されたときに、急速に代謝される生成物または短い半減期を有する生成物に有効である。
【0008】
したがって、体内における、遅効性コルチコイドの関節内や関節周囲の注入のような標的化した長期の処置が考えられる。ガンおよび特に固形腫瘍は、細胞障害性または抗新腫瘍性合成物の総注入投与量を減少させ、処置する腫瘍部分の濃度を高めることができる局部的形態の選択の候補である。したがって、これは、この種の処置の重大な二次的提供をなくすことができる。
【0009】
マトリックス製薬は、腫瘍内に注入することができるコラーゲンを主成分とした遅効性調剤品を提案している(IntraDose CDDP−Cisplatin)。この製剤は、アクセスしにくい部分のために3ccの注射器と、できれば生検針とを利用してガンまたは皮膚障害内に投与される。粘性液体体積は2mlに達することがあり、そのため、最初に比較的容易な(周辺)部位や術後処置に制限される。
【0010】
また、体内の部分または器官と、たとえば切除術前または後の腫瘍部分への直接移植を可能にする局部的使用のための小さな柱状体または針状のpolylactide−polyglycolide(PLGA)形態について説明しているミツイ(MITSUI)特許(FR 2 497 661;JP 562 737)に言及することもできる。
【0011】
その部分に関してGliadelの形態(ギルフォード)は、カルムスチンを含むホスト形態の多無水物を主成分とし、たとえば脳腫瘍(神経膠芽細胞腫)の手術のときに埋め込むことができる製剤について説明している。
【0012】
医療技術の現状において、このような体内の標的化処置は、重大な外科的手術と関連することが多い。このような処置は、製剤の長期的効果から利益を得るが、容易に繰り返すことはできない。
【0013】
また、懸濁液(ミクロスフェア)、ジェルまたはグルーをその溶媒と共に容器内に注入する段階を含む化学的塞栓形成法が行われ、これは、栄養血管路を塞ぎ、腫瘍内にAPを遊離することができる。閉塞は、注入媒体がなくなった後の沈澱により達成される。この技術は、経腔的経皮的な血管形成カテーテルを使用して、流体を脈管に導入する。
【0014】
また、いくつかの体腔内と身体のアクセスしやすい部位における遅効性形態の局部的使用が考えられる。
【0015】
Ocusert(登録商標)システム(Alza)は、エチレン/酢酸ビニル共重合体の膜を含む遅効性リザーバ装置を構成し、たとえばピロカルピンを含む柔軟で楕円形の眼球インサートである。
【0016】
この装置は、結膜嚢に入れられ、零次プロファイルにしたがって生成物を遊離させる。遅効性形態は、眼内圧力に対する同じ作用に必要な投与量を大幅に減少させることができる。したがって、緑内障の治療におけるピロカルピンの治療効果は、遅効性形態の使用により、局部的滴下に比べて8〜10倍優れている。
【0017】
その内容が参照により本明細書に組み込まれた米国特許第3,545,439号は、シリコーン・エラストマを使用して作成されたリングからなり、数週間にわたり薬物を遊離する膣内遅効性形態について述べている。
【0018】
この事例では、膣粘膜に局部的遅効性製剤を投与することにより、APによる一般的な効果(避妊)を得ることができる。
【0019】
Bukh Meditee(内容が参照により組み込まれた国際特許出願PCT番号WO89/03232)により述べられた医療装置は、水が浸透しにくい物質からなりAPを含むマトリックス遅効性形態を体腔内に導入することを可能にする。
【0020】
したがって、この装置と組み合わされた遅効性形態は、前記装置の挿入中に、APを局部的レベルで送り出す。この特許出願は、たとえば、尿路の感染を防ぐことができる抗生物質の遅効性形態と組み合わされた膀胱内への尿道口用カテーテルについて説明している。
【0021】
大量の液体形態では、いくつかの既存の局部的注入プロセスを使用することができた。CR.BARDは、尿道内技術から始めて、たとえば、失禁に対する成形術の状況で有効成分なしに内植組織を形成する2.5〜7.5mlの体積の粘膜下組織に容易に注入することができるグルタルアルデヒドにコラーゲンの溶液を含む注射器の製剤(経尿道送出キット)を開発した。
【0022】
管腔内脈管システムの開発により、APを端部で局部的に遊離することができるカテーテルが作成された。流体を遊離する単なる開口部であるカテーテルと違い、多数の孔のあいた二重バルーンまたは多孔性カテーテルが、局部的投与を達成することができる。しかしながら、この局部的溶液は、カテーテルの挿入時間によって制限される。また、壁に浸透するために必要な溶液の圧力は、許容範囲の問題を引き起こす。
【0023】
溶液の場合は、バルーンと組み合わせた注入システム(Interventional Technologies)または格納式の針を備えたカテーテル(Bavarian Medical Technologies)を利用して、壁面への真の局部的注入を達成することができる。しかしながら、薬物の投与は、このような直接の液体形態ではあまり長期にはできない。
【0024】
装置の一部分を局所的に残し、それにより遅効性形態と関連させることもある。これは、たとえば再狭窄を回避するために血管形成に使用されるステントの場合であり、しばしば遅効性効果を有する有効成分を含む層で覆われることがある。この場合、2つの本質的な問題が生じ、第1は、特定の「被覆」プロセスの遊離薬物の適合性である。第2は、ステントにより提供される空間と面による総投与量の制限である。
【0025】
たとえばヘパリンの場合、いくつかの研究で、全身的二次的影響を回避するための局部的処置の重要性が述べられている。これらの研究によれば、ヘパリンは、内皮損傷後の平滑筋細胞の増殖を抑える。その全身的投与は、血管外部の隣接皮下または局部的遅効性形態は、必ず新脈管内膜の増殖を減少させるが、全身的な凝固の乱れを伴わないのは局部的形態だけである。
【0026】
主な欠点として外科的移植による長期局部的投与を有効にするために使用される浸透圧ポンプを引用することもできる。この理由のため、これは、現在、人間には使用されていない。
【0027】
これらの例はすべて、延長することができる場合に特に標的化処置によってもたらされる重要性と利点を実際に示す。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0028】
しかしながら、これらの技術的解決策はすべて、いくつかの欠点を有し、中でも最も重要なのは、保持される溶液の融通性の欠如、薬物の遊離期間よりも長く全体または部分的に挿入されたままの特定の装置との関連物、最後に、注入可能な量すなわちAPの投与量の制限である。
【0029】
これらの解決策はそれぞれ、身体の明確な部位における1つまたはいくつかの特定の事例しか処置することができない。
【0030】
局部的投与によるベクトル化は、第2世代と呼ばれる「プロドラッグ」およびベクトル(リポソーム...)製剤、あるいは第3世代と呼ばれる巨大分子認識システムまたは「部位固有」活性化に対する第1世代として説明されることがある。しかしながら、これらの解決策は、現在の局部的投与技術よりも、きわめて独特であり、必ずしも適用できず、あまり正確でないこともある。
【課題を解決するための手段】
【0031】
本発明の目的は、フレキシブル内視鏡外科的技術(ファイバスコープ)または剛性内視鏡外科的技術(内視鏡)による局部的投与またはベクトル化、あるいはインターベンショナル・ラジオロジー(活性または非活性カテーテル)の現在の主な欠点を解決するプロセスを提案することである。
【0032】
非分散形固体または半固体製剤は、処置投与量に対応するAPの量に関して最小の量を提供する利点を有する。したがって、固体と半固体の遅効性形態により、数ミリリットルの量で数日間の処置を行うことができる。
【0033】
処置の局部的投与により、同じ効果の総治療投与量を大幅に少なくすることができる。
【0034】
したがって、固体または半固体の遅効性形態と局部的投与の組合せにより、特に離間した時間間隔で局部的付着に適合される微量投与が行われる。
【0035】
血管内または空洞器具の分野および最少観血的手術の分野において、医薬品に利用される結像技術、光学技術およびマイクロ機械技術の現在の開発により、より微細でより正確なツールが設計され、最小の外傷で身体のきわめて深い所への局部的介入が可能になり、したがってアクセス可能部位を増やすことができる。
【0036】
したがって、本発明は、製薬および医療技術の進歩と小型化に適合した装置を提案する。本発明の特徴によれば、注射器或いは従来の皮下組織用套管針では到達不可能な部位に注入対象の製剤を貯蔵できる。
【0037】
本発明の製薬的及び医学的態様は、容易に配置することができ、体内の任意の領域において、投与する領域に到達するために十分に薄く、長い経腔的で経皮性の血管形成カテーテル、内視鏡或いは任意の他の血管用機器から操作することができる精細で、かつ小型のシステムを探求することに関する。投与装置内のその製剤の(薄く、長い)形状は局部的な投与を容易にする。製薬的及び医学的態様におけるそのシステムの特性は汎用性を有することができる。
【0038】
挿入が表面に沈殿した形状を意味し、それが組織内への注入或いは注射によるものと考えられる場合には、体内の自然空洞部が自然貯蔵部として機能することができる。すなわち薬剤の投与の形状により、少なくとも薬剤が遊離する時間に渡ってその薬剤が体腔内に滞留することができるなら、標的に向けた、さらに効果の長い処置剤を体内の自然空洞部内に挿入することができるであろう。この形状は装置を用いた沈殿を容易にする、すなわち生成物を一度に沈殿させるために研究された延長形状であることができるであろう。
【0039】
こうして装置及び製剤の形状は、Ocusert、膣用避妊リング或いはステントを用いることができるので、その領域に挿入する前に適合させることはない。しかしながら製剤の形状は、局部的なメンテナンスを容易にするために、投与後に変形させることができる。投与後、その製剤は沈殿装置の全て或いはその一部と結合せず、貯蔵部位にそのまま残される。
【0040】
特定の要件及び治療期間のために、体内の自然空洞部への挿入が望まれない場合には、標的に向けた、さらに効果の長い処置剤は遊離期間に渡って投与できるようにするために体内の標的となる組織内に注入されることもできる。
【0041】
従来の機器と組み合わせた装置によるこの注入を実行することは、経皮性経路により、或いは体内の粘膜又は壁部における血管或いは空洞性経路により、或いは標的組織における外科的経路により可能となる。
【0042】
遅効性形状の挿入は、局部的で、表在性で、しかも外部からの処置を可能にするが、例えば粘膜への沈殿を用いて、深い効果、さらに系統的な効果のために標的に向けられることもあろう。
【0043】
同様に遅効性形状の注入は、全般的な処置を可能にするが、局部的な高濃度或いは分泌により、標的に向けた処置も可能にするであろう。
【0044】
こうして、治療の目的及び領域に従って、挿入、同様に注入は、系統的な解決法、内部からの局所的な解決法或いは、最終的に外部から標的に向けた解決法であることができるであろう。
【0045】
本明細書に記載したプロセスにおいて用いられる即効性或いは遅効性の固形或いは半固形製剤は、プロセス及び注射装置と適合する形状及び分量に成形或いは充填されることができる任意の固形或いは半固形製剤であることができるであろう。
【0046】
従って、固形或いは半固形製剤は、例えば無機塩類(カルシウム、マグネシウム、ビスマス、亜鉛)のような生体分解性医薬品添加物、脂質、糖質(多糖類、サクロース、グルコース、アガロース、デキストリン、シクロデキストリン及び混合物)、蛋白質(ゼラチン、修飾コラーゲン、アルブミン、カゼイン、誘導体及び混合物)、天然及び合成ポリマ(ポリイソ酪酸、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ乳酸−ポリグリコール酸コポリマ(PLGA)、ポリエステル、ポリカプロラクタム、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、Pluronics(登録商標、多無水物及びその混合物)から生成される製剤であることができるであろう。
【0047】
固形或いは半固形製剤は、医薬品添加物を加えずに、或いはマンニトール、ヒアルロン酸、セルロース誘導体タイプ等からなる微量の注射可能な医薬品添加物により構成して、生成することができる。
【0048】
半固形製剤は、APに、医薬品添加物を加える場合と加えない場合があるが、水、有機溶剤、油剤或いは半固形形状を与えることができる任意の他の注射可能な液体を混合することにより生成することができるであろう。
【0049】
固形或いは半固形製剤は、即効性製剤或いは遅効性製剤のいずれかであろう。
【0050】
SCRAS特許(「Delivery of Solid Drug Composition」WO96/07397)に記載されるような固形の即効性製剤を生成することができるであろう。SCRAS特許(「Sustained Release of Peptides from Solid and Semi−solid pharmaceutical composition」WO96/07398、その内容は参照して本明細書の一部としている)により請求される製剤及びプロセスによる遅効性半固形及び固形製剤を生成することができるであろう。
【0051】
固形或いは半固形製剤は、有効成分がその20%より大きい、成いはさらに40%より大きい、好ましくは50%より大きく、100%に至るまでの高濃度になるようにするプロセスにより生成される点で有利である。
【0052】
その沈殿前に、本発明による非分散型の固形製剤は、薄い延長形状、すなわち柱状、ペレット状、スティック状或いは針状を有し、体内への注射の深さで作用する必要がある場合には、内視鏡或いはカテーテル内に存在することが可能である注入装置内に導入することができるようにする。分散型の固形製剤(粉末、球体)は、装置内の長手方向に配置することができるようにしなければならないであろう。
【0053】
こうして装置内の固形製剤は選択的に、最大直径が3mmで、2.5mmより小さい、或いはさらに2mmより小さい直径を有することが好都合であり、1mmより小さい直径を有することが好ましいであろう。即効性形状或いは短持続性又は低投与量形状の場合の全投与量及び上記全ての結果として、固形形状の直径はさらにより小さく、0.1mmまでにすることができるであろう。
【0054】
ある場合には最も小さな直径は、深く局部的な注入を容易にするような技術的な利点をもたらすことができるが、しかしながら、カテーテル及び内視鏡を用いる場合、医療装置の使用がさらに局部麻酔或いは全身麻酔を必要とするか、或いは別法では深い注入領域が皮膚より敏感ではないため、套管針タイプの表在性の注射(Zoladex、Zeneca社登録商標)或いは小型套管針(Auto−injector、Retro−injector:「Needle−less Pareteral Introduction Device」WO96/08289、その内容は参照して本明細書の一部としている)の場合のように、より大きな直径でも不都合ではない(特に患者の快適性に関して)であろう。
【0055】
固形形状は数cmの長さ、一般には3cmより小さく、選択的には2cmより小さい長さを有することにより、貯蔵領域の空間に適するであろう。
【0056】
固形形状は選択的に円筒形であり、押出成形技術により得られるであろう。
【0057】
本発明による半固形形状は、高濃度のAP(選択的に20%より大きい)を含み、均質であると共に、本発明の装置の針を介して深く注射することができるように十分に高い粘性を有するであろう。
【0058】
半固形形状は、液状媒体中のAPからなるゲル、油剤、ペースト或いは任意の他の半固形分散剤であることができるであろう。
【0059】
半固形形状は、少ない全容量、一般には300μl、選択的には100μl未満か、或いはさらに50μl未満の容量を有するであろう。
【0060】
本発明によるプロセス及び装置は選択的に、生体分解性を有するか、或いは通常体液内に除去或いは溶解できる注射可能な医薬品添加物を用いるであろう。
【0061】
しかしながらそのプロセスは、その部位及び沈殿器具が作用後に前記装置或いは前記製剤を容易に回収できる場合、非生体分解適合性の医用生体材料に基づく装置或いは製剤、すなわち注入用ではなく挿入用の装置或いは製剤を用いることができるであろう。その装置或いは製剤は、例えばノルプラントシリコン注入物、Hydromed社によるPHEMA貯蔵システム、或いはさらにAlza社によるDuros浸透圧性ポンプのような、深い局部的な投与との適合性を有する他の固形形状と同様に、薄い延長形状を有さなければならないであろう。
【0062】
本発明による装置は、局在型の深い挿入或いは注入装置と組み合わせた固形或いは半固形製剤に対応する。
【0063】
固形或いは半固形製剤内の有効成分を体内の正確な投与部位に注入或いは挿入するための本発明による装置は、固形或いは半固形形状を充填する手段と、貯蔵部位に配置する手段と、この貯蔵部位において注射或いは挿入する手段と、注入或いは挿入後に回収する手段とを有する患者の体内に配置される部分と、装置の機能を操作する手段を有する外部に残される部分とを備えることを特徴とする。
【0064】
他の特徴によれば、固形或いは半固形形状を充填する手段は配置及び注入する手段でもあり、
前記装置は套管針或いはカテーテルにおいて操作できるガイド部内のピストンを備え、
充填、配置及び注射手段は針であり、
一度操作された前記針は、弾性の予備成形或いは予備拘束により、又は機械的手段により装置に対して位置付けることができ、
装置を操作する外部手段は、順次、固形或いは半固形形状を沈殿させるために針の斜端の範囲までピストンを前進させ、ピストン周囲の針を回収し、さらに針及びピストンを組み合わせて回収するようにし、
外部手段からの装置の順次操作は、遠隔操作により、第1のものがピストンに同軸をなす押しボタン上に配置され、第2のものがガイド部と押しボタンとの間に挿入される管状片部である2つの可動式ストッパを補助するために制御される。
【0065】
その装置は、直に用いられるか、或いは局部的な治療のための医療器具(内視鏡、ファイバスコープ、管、カテーテル、スパイク、通気装置、套管、穿孔機、套管針等)と組み合わせて用いることができるであろう。
【0066】
装置は局部的なレベルで導入され、半固形或いは固形形状が挿入或いは注入されるようにするであろう。その装置はこの沈殿直後に回収されるであろう。
【0067】
製剤と同様に、固形或いは半固形製剤を深く局部的に投与するために、本願記載のプロセスに従って用いられる装置は、汎用性を有し、適切な薄い延長形状を有する少ない体積からなるであろう。
【0068】
こうしてその装置は選択的に、3mmの最大直径を有し、2.5mmより小さいか、或いはさらに2mmより小さい直径を有することが好都合である。製剤の作用として、装置の直径はさらに小さくなり、0.3mmまでにすることができるであろう。
【0069】
例えば、4チャネル(映像、器具、流体の導入及び排出、照明された光ファイバ)を備えるファイバスコープ或いは内視鏡では、挿入或いは注入装置は、従来の器具(生検鉗子型)と同様に、機器のチャネルを占有し、流体の導入用のチャネルを取り外すか、或いはさらに排除することができるであろう。この場合には、装置は、2mm未満の直径、例えばある種の器具のように1.7mmの直径を有することができるであろう。
【0070】
カテーテルの場合、挿入或いは注入装置は、ステントの挿入用の装置と同様に、チャネルを占有し、生体内原位置で操作されることができるであろう。この場合には、装置は、2.5mm未満の直径、例えばある種のステントのように2mmの直径を有することができるであろう。
【0071】
套管針の場合、挿入或いは注入装置は、穿孔装置と同様に、套管針の内腔を占有することができるであろう。その装置は、3mm未満の直径、例えばある種の穿孔機のように2.5mm以下又は2mm以下の直径を有することができるであろう。
【0072】
本発明の他の特徴及び利点は、限定はしないが、添付の図面を参照しながらいくつかの実施例を示す以下の記載からも明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0073】
図1に示される固形製剤1の投与器具は、管状ガイド2と、その末端に含まれている固形製剤1をガイド2の外側に押し出すことが出来るピストン3を備えている。ガイド2とピストン3にはその反対側の端にそれぞれの手動操作のためのつば4,5がついている。
【0074】
図2は図1の固形製剤を投与する器具を用いるために患者の体内に侵入させるシステムの可能な例を示す。この侵入システムは、図2の例では、固形製剤1の放出のリザーバーとして利用する体内の空洞にアクセスするのに内部組織に孔をあけねばならない場合に備えて、穿孔軸7のついた管針6である。図2においては、侵入システムは、その皮膚Lの右側の部分が体内に導入され、左側の部分が外部に残っていることが示されている、一部導入された状態である。
【0075】
体内の空洞へのアクセスが内部組織の穿孔を必要としない時には、侵入システムは内視鏡、ファイバースコープまたはカテーテルでも良い(図示されていない)。用いられる侵入システムは体内空洞(顔面洞、食道、気管、血管その他)に、図2のような場合には、穿孔軸7の助けを借りて導入される。次いで軸7は管針6から(あるいは内視鏡、カテーテル等から)引き抜かれ、図1の投与器具が管針6の内部に、ガイド2のつば4が管針6の環状末端8に当たるまで、導入される。
【0076】
それから固形製剤1をガイド2の外部に押し出すためには、組織の抵抗がその動きを妨げないために、ピストン3を押せば十分である(図4)。
【0077】
図5から10に示される固形製剤9を投与するための第2の実施例器具においては、この器具はすでに図に示されているような空洞に挿入されている内部侵入システム、および内部組織に挿入されている侵入システムから、組織、壁または粘膜内に当該の器具を導入する場合を意図している。
【0078】
この侵入システムは組織の表面P'を通して組織に挿入されている管状片50と、ファイバースコープまたは内視鏡でもよい管状のガイド11とからなり、カテーテル12が装着されてもよい。管状のガイド11は、組織17において固形製剤9を抽出するための針13とピストン14によって形成される投与器具のためのガイドとなる。
【0079】
この器具は2つの可動停止部材(10、15)をもつ。最初の10はピストン14と同軸のプッシュボタン20に備えられたスリーブであって、この停止部材10とプッシュボタンは縦方向に切断されている(図8)。第2の管状片15は同様に切断されており(図6)、カテーテル12とプッシュボタン20の間に介在している。
【0080】
投与器具13、14、9の注入はガイドを後方に動かすことによって行うことが出来るが、図7から図10に示されるように以下の方法が行うのが好ましい。停止部材15を引き、針13を停止部材10のついたプッシュボタン20の助けを借りて動かす(図7)。もし必要ならそして図7に示されるような、特に血管の場合には、ガイド中に予め拘束されている弾性のある針13を解放することによって針13に曲がった末端13aを持たせることが出来る。一旦ガイドによる拘束が解き放たれると、曲がった末端13aは固形製剤9を壁または粘膜17内に角度をつけて容易に注入する事ができる。針とガイドの間の角度をこうした器具で通常用いられている他の機構によって達成するかセットすることが可能であろう。
【0081】
固形製剤9と曲がった末端13aが注入されると、プッシュボタン20の停止部材10は取り除かれ、針13は固形製剤9を組織17に置くためにつまみ16を引くことによってピストン14を動かさずに引き抜かれる(図9)。針13の斜角13bがピストン14の末端に到着したとき、後者は針13とともに引き抜かれて固形製剤9がそこに残る。この動きはプッシュボタン20とつまみ16を引き抜くことによって得られる(図10)。
【0082】
図5から10の器具も同様に半固形製剤の投与を可能にする。
【0083】
図11から16に示される投与器具は図5から10のものと同様のものであるが、ピストン14が非固形製剤18に作用する、すなわち注入器具の位置までマイクロシリンジが関与する、という事実のみが異なる。
【0084】
この場合にも侵入システム9、11、12は内部組織17に挿入される。
【0085】
ここでの投与プロセスは、ガイド9、11、12の外部にそれを押し出すことによって、針13、ピストン14および半固形製剤18から成る投与器具を注入する事から成る。針13は図5から10にある実施例の場合のように曲がっていても良い。ピストン14は前述の実施例の場合と同様に針13の中を動いて半固形製剤18を注入する(図14)。
【0086】
ピストン14と針13は、つまみ16とプッシュボタン20を引くことによりガイド11、12の中に再導入されて最後には一緒に引き抜かれる(図15と16)。半固形製剤18は球形または楕円形の形をとって組織17の位置に残される。
【0087】
図1から16の図面は、更なる種々の特別の治療法に対する投与プロセスを可能にするもので、それについて詳しく説明する。固形製剤または半固形製剤を局所投与する本願記載のプロセスによるこれら種々の特別の治療は、実施され、従ってある新規の治療解決法を提供するためのプロセスを用いることを含む。
【0088】
本願記載のプロセスによる多数の可能な治療として、麻酔、鎮痛、抗炎剤、ガン、心臓、内分泌、リュウマチ、等々の治療およびそれらの組み合わせ治療があげられる。この局所治療プロセスを可能とする多数の内視鏡または放射線技術として、泌尿器、婦人科、関節鏡、ORL、気管支鏡、胃カメラ、最小侵襲性あるいは心臓血管手術が挙げられる。
【0089】
これらのプロセスは少量(マイクロリッター)の固形または半固形、遅効性または非遅効性薬学的製剤を用いるがゆえに新規である。この製剤は大量の特定の固形または液体または分散物の形を使用する既存の局所治療とは異なっている。
【0090】
本プロセス及びこれらの非液体製剤では、製剤の組成やその正確なベクトライゼーションが研究の対象ではない。反対に、製剤は内部局所投与に適した遠隔注入またはその場での挿入を可能とする器具のために研究される。
【0091】
本プロセスが、この薬学的製剤とこれらの器具によって、通常のAPおよび特にすでにその局所投与利点を示しているものを、あるいはたとえこの形での使用実績がまだ存在していなくてもその局所利点がそのAPの作用モードから導かれるものを、特に本発明の寄与なしには容易に利用できない場合に、使用する事が可能であろう。後述の別の実施例は本プロセスの可能性を例示する。
【0092】
本プロセス、製剤および器具は体内空洞への投与と組織内投与を可能にする。空洞や組織が何であれ、長所は製剤を蓄積場所へ組織の障害を排除または軽減して導くことである。
【0093】
これらの自然の空洞を治療生成物のリザーバーとして使用することは、特に解剖学的に製剤の「幽閉」が可能ならば、可能であろう。例えば、本プロセスにより顔の空洞やその組織への投与が可能になる。ある種のAPについては上述のすべての目的がこの治療の中に見いだせる(より高い局所効率、投与量減少、作用継続時間の増大、安楽さと従順さの改善、2次作用の減少)。
【0094】
洞内または洞周辺挿入または移植により、APを粘膜の毛細管流により粘液内に輸送する事、あるいは接触により局所的に系統的な拡散をさせることが可能であろう。同様に毎日少量ずつ摂取する必要のある薬物を消化管へ向かって前進的に拡散させる一般的な作用を目論むことも可能であろう。
【0095】
局所的なコルチコイドは一般的なルートによる欠点を持つ局所作用生成物のよい例である。しかしながら、既存の局所治療法(液滴、スプレイ等)は解剖学的な組織に抗して中鼻道のような正確な目標域に到着する。さらに、これらの既存の治療法では、APの必要な持続性維持には局所的に頻繁に投与する必要がある。
【0096】
本願記載の治療プロセスは鼻の周期的病理の鍵となる場所への到達を可能とする。必要な場合、顎の空洞に加えて、し骨細胞、蝶形骨および前頭部空洞、および耳腔の治療も可能であろう。移植あるいは挿入された固形または半固形の遅効性製剤は、鼻窩に向かって鼻道を循環する粘液を分泌するそれに覆われているこの粘膜と接触し、そしてtubal spleniumと耳管と接触しながら通過して腔に向かって放出される。
【0097】
本プロセスは、例えば、病変の巣である単細胞溝における治療生成物の濃度を増加させ維持することを可能とする。遅効性非液体物が副鼻洞の内部に置かれた場合、通常の耳鼻科の排膿器具(ORL;、トロカール、チューブ)の助けを得て位置決めをする事ができる図1の図面による器具を用いることが可能となろう。同様に、図5から16に示された器具の助けを借りて、製剤を、鼻腔の粘膜の中へ、鼻甲介骨中へ、またはtubalspleniumの中へ注入することが出来るだろう。このように、置くゾーンと製剤に応じて、作用は選択的に組織内としたり組織外としたり、系統的にできる。
【0098】
ORLにおいては、例えばコルチコイド治療によって、鼻洞様血管ポリープ症、アレルギー性または非アレルギー性鼻炎、ある種の耳炎、非感染性洞炎等を治療することが出来る。抗炎症治療に加え抗生物質、抗アレルギー、免疫亢進等の治療が可能である。同様に、こうした治療法を組み合わせることもできる。こうした治療法に局所的な目標がある。
【0099】
例えば、PLGA50-50中に15%レベルまでマトリックス化されたデキサメタソン フォスフェートの棒を以下の手順で作製することが可能である:原料の秤量、2つの粉末の混合、押し出し成型、調剤、包装そして滅菌である。得られる移植片が平均直径2.4mm、長さ12.5mmを有することが可能である。これを図1に模式的に示された器具を用いて顎の空洞に導入することが可能である。同様に図5から10に模式的に示される器具を用いて、鼻甲介骨の粘膜に移植することも可能である。
【0100】
この固形製剤は1ヶ月の遅効性製剤で、7.5mgのデキサメタソンを含み、それぞれの空洞の中で平均0.5mg/日でデキサメタソンを放出する。長期治療には、作用継続3ヶ月のポリマー製剤(PLGA75−25)、あるいは作用継続1年のリザーバー製剤(ハイドロメッド・タイプ)のものを空洞投与することが考えられる。
【0101】
これらの遅効性製剤は、例えば、慢性鼻障害で悩んでいる通院患者に使用できよう。空洞内投与に対する医療処置は医者の手術において行われている現行のORL(麻酔ありまたはなしのトロカール穿刺)に関連するものである。最初にルート(尿道切開、注射針、排液管等)を準備することは可能な場合と可能でない場合がある。
【0102】
鼻甲介骨または鼻溝の粘膜に局在化した深部への注入もまた、通常の内視鏡延長器具に接続されたあるいは接続されていないこの器具の助けにより容易である。鼻溝の場合には局所投与はあまり深くはない。体内空洞または内視鏡手術の場所により、外部ゾーンと内部デポの距離を短くもあるいはずっと長くもできる。
【0103】
遅効性コルチコイドはすでにリュウマチで使われている。例えば本願記載のプロセスによれば、少量の遅効性物(コルチコイド、抗炎症剤)を炎症の場所(鍵、滑液嚢炎、非感染性関節炎、関節等)に、炎症個所または周辺へ局所的に注入することが考えられる。
【0104】
また、本願記載のプロセスによれば、瞼の下の粘膜にデポ注入する事による目の治療も考えられる。少量の固形または半固形製剤はこのデポを鈍感にすると共に、注入は、遅効性と治療の局在化にとって好都合で、大量に排液する結膜盲嚢におけるデポよりも意図どおりの効果を発生させる。とりわけこのアプローチは、例えばピロカルピンによる緑内症などの長期治療に有利である。
【0105】
ここでは注入は実質的に表面的であリマイクロボリュームの半固形または固形用の投与器具以外の道具は必要としない。
【0106】
同様に、本願記載のプロセスによればある種の表面腫瘍または皮膚疾患を局所的な皮膚内または皮下投与で治療することが出来る。
【0107】
例えば、皮膚ペプチン(BIM 23014C)を水中20%半固形遅効性製剤で、20マイクロリッター未満の量、またはソマツリン全投与量4mg以下で使用することが出来る。ケロイドまたはメラノーマのレベルにこの製剤を注入し、これによって注入箇所において拡散勾配ゾーンから持続する高い局所濃度を作り出すことが出来る。
【0108】
ある種の固形腫瘍の場合には、その拡散が同じ局所製剤によって制御され、またその局所濃度が非常に少量の全投与で非常に高くなる細胞毒試薬(5FUまたはシスプラチン型のもの)による治療と組み合わせることが可能である。
【0109】
同様に、同じ製剤をずっと深部に適用することも可能である。この場合にはSAM(形状記憶合金)活性カテーテルまたはファイバースコープ器具、および間接レントゲン、内視鏡またはロボット手術の様な専門技術と組み合わせる。
【0110】
例えば、頭骨内に入るためより細胞毒性が強いBIM23014Cの遅効性製剤を脳内に移植することも可能である。
【0111】
本発明による固形または半固形製剤は、グリアデル型の局所治療に関して、表面レベルでは管のこぎりによる切開なしで投与ができ、深部においては定位法、内視鏡およびロボット脳手術の助けをかりて投与ができるという利点を持つ。
【0112】
例えば、マトリックスのコラーゲン製剤で治療される固形腫瘍は同様にこれらの微量投与で治療することができるでろう。固形であれ半固形であれ、この量の長所はすべての位置への方向づけを可能とし、数ミリリッターの液量の投与による拡散のリスクを回避するものである。
【0113】
体内により深く局在化した固形または半固形製剤によって、transluminal経皮の血管形成のあとで、血管内再狭窄を治療することが出来る。ステントと組み合わせた局所治療に関しては、本プロセスにもとづく治療の利点は、血管スペースと器具表面による投与量の限界に突き当たらないこと、ならびに損傷した血管壁に直接接触しないことであり、一方血管とその周辺のすべての層に高い局所濃度、そして必要な場合、組織的な効果、を与えることである。
【0114】
たとえば、図5から16のダイアグラムに従って、アンギオペプチン単体またはヘパリンと組み合わせて注入することが可能であろう。もちろん、他の任意の単体または組み合わせた再狭窄の危険を回避し好ましい結果を得るAPを注入することが可能であろう。
【0115】
この血管周辺治療に関しては、同様に分散物、接着物またはゲルによる化学塞栓と同じ目的で半固形血管内製剤の使用の可能性に言及することも可能であろう。ここでの利点は予め決められた体積(したがって蓄積ゾーン)の遅効性製剤を使用することである。これにより血管内でよりよい局在化と閉塞が出来る。
【0116】
本発明によるプロセスならびに器具は、ファイバースコープまたは他の直・間接画像装置と組み合わせることにより、有機壁内への投与を可能にする。
【0117】
例えば、尿道経路によって膀胱レベルにおいて干渉が生じたときには、尿道の厚みに治療薬(プロフィラキス、抗生物質等)の移植が考えられる。
【0118】
気管と気管支(ステント)に到達することも可能である。本プロセスによれば、肺の治療は以下のように記すことができる。肺内の局所的な耐性に応じて固形または半固形製剤を肺に投与するか、気管支または気管の粘膜に植え付ける。固形製剤は分散(粉または粒子)されていても良い。
【0119】
例えば、最近の軽度または中程度と診断された喘息におけるグルコルチコステロイドの吸入による予防治療を置き換えるために、0.4mgのブデソナイドを遅効性製剤で気管支を通し、またはそれを覆っている壁面に、あるいは気管の細胞に毎日投与することができる。薬物はその製剤が移植されれば流れの中に分泌され、そして湿気によって肺胞の底まで運ばれる。この低投与量の予防治療は、副作用がなく、特に子供において何の観察上の問題も発生させい。このような製剤の有効期間を1〜3ヶ月あるいは必要なら更に長くすることができる。
【0120】
消化管においても、本発明による局所投与治療を行う器具が利用できる。
【0121】
食道および胃においては、静脈瘤の治療は壁面への製剤の局所的注入が考えられる。同様に、レベルのはっきりした、例えばPCT(光化学治療)によって治療された腫瘍は、光感光物質を注入したあと、局所的に制御された光分散器を導入して照明する事が必要である。本発明の器具によれば同様に抗癌剤を固形または半固形で直接このレベルに注入する事が出来る。そして、治療すべきゾーンにより狙いを定め、周辺の組織を無益に損傷する事を避けることが出来る。
【0122】
固形または半固形製剤の局所投与プロセスには、局在して置かれたAPが持続的に存在することが必要となる。もし必要なら、製剤に加えて投与箇所における局所的な持続性に好適なものを添加することも可能である。例えば、非常に低パーセントのデキサメタソン、インドメタシン、ヘパリンまたは望ましくない局所効果を排除することが出来る任意のAPを添加する事が出来る。
【0123】
粘膜または壁は皮膚よりも透過性が高く粘膜(特に口または鼻)に適用してAPを系統的に透過させる貼り薬やバイオ接着システムが存在している。時として粘膜と接触した製剤が持続しないと云う欠点がある。従って、本プロセスによる粘膜または壁への局所レベルの投与が持続して存在することが、系統的な活性を持つ局部的な製剤の探索において特長を有していることが可能なのである。従って、この局所治療によれば、そのAPに適した組織浸透性をもたらす少量の賦型剤(有機溶剤、表面活性剤等)を製剤に添加することが可能である。従って、深部局在製剤が、例えば、持続的な局部投与が許されない、または鼻粘膜に関して、系統的な拡散位置に有利に存在することが可能である。
【0124】
本願記載のプロセスは、同様に、内視鏡(腹腔鏡、間接鏡等)による最小侵襲手術にも応用できる。使用されるAP(局所麻酔剤、抗凝固剤等)はここでは固形または半固形で投与され、有利な点は、ふたたび、少ない干渉スペースですむ適当な小体積と機器の到達経路による投与の可能性である。
【0125】
本プロセスの助けを借りて任意のその他の固形または半固形の遅効性製剤、特にPLGA移植片を移植することはもちろん可能である。それらを他のペプチド、リコンビナントタンパク質(インターフェロン)、ポリクロナールまたはモノクロナール抗体、アンチセンス・オリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチド、等とともに用いることが可能である。
【0126】
上述の有効成分の局所投与に用いられる固形製剤または移植片は同様にその細長い製剤と小さな直径によりその他のタイプの通常投与、例えば皮下または筋肉注射による系統的な治療、にも適している。
【0127】
当該の固形製剤または移植片、特にPLGA賦型剤を含む、可溶性であれ不可溶性であれ上述のように十分な濃度の有効成分を含むもの、特に40〜100%、好ましくは50%以上の有効成分を含むものは、直径または横断径が3ミリメートルまたはそれ以下、例えば2.5または2ミリメートル、または1ミリメートルまたはそれ以下、の細長い製剤に作製されて、インビトロでは局所または非局所作用に使用されて非常に早く溶解するにも拘わらず、インビボでは1ヶ月から3ヶ月またはそれ以上の非常に長い放出時間と、非常に規則的な、一定とさえいえる放出速度を得ることができることは非常に予期せぬ注目すべきことであった。
【0128】
通常、有効成分のこのような速度は瞬時のまたは速い放出の製剤で意図されたものである。
【0129】
発明者らは更に以下のことを発見した。つまり、ある製剤、賦型剤、特にPLGA、の均一分布においては賦型剤の役割が異なった非マトリックス法による遅効性製剤を得ることが可能であること、このことが既存のマトリックス製剤とはっきり区別された、特性の異なったより優れた製剤に導くことである。
【0130】
これらの非マトリックス製剤は賦型剤が分散された有効成分のマトリックス製剤と記述しうる。
【0131】
今日使用されているPLGAを用いたマトリックス製剤は分散製剤(微粒子)または非分散製剤(移植片)のいずれかである。
【0132】
一般的に云えば、開発された遅効性製剤のなかでリザーバー製剤およびマトリックス製剤と呼ばれるものが発見された。
【0133】
「リザーバー」製剤はこの有効成分の放出をコントロールするための拡散バリヤーまたは膜を有効成分と媒体の間に使用する。薬剤は固形、半固形または液状でリザーバーの中に入っている。溶液状かまたは賦型剤に分散されている。膜は多孔性で有効成分の外部への通過をコントロールする。可溶性有効成分に対する「リザーバー」システムには親水性の架橋されたポリヒドロキシエチルメタクリレート膜(PHEMA、ハイドロメッド サイエンシス)が挙げられる。「リザーバー」製剤では零次の比較的一定の放出レベルが得られる。これらのリザーバー技術の主たる欠点は有効成分が放出された後に生体適合性はあるが生分解性ではない移植片を取り出さなければならないことである。
【0134】
マトリックス製剤はその中に有効成分が捉えられ拡散、腐食またはそれらの組み合わせによって放出されるポリマーマトリックスまたはシステムを使用する。
【0135】
非生分解性のマトリックス製剤、例えばPDMDシリコン(Norplant、黄体ホルモン)の疎水性ポリマー移植片、は拡散によってのみ機能する。この機能様式は拡散距離が増加すると1次の放出を遅らせる原因と成りうる。欠点は、ふたたび、有効成分が放出されてしまったらシリコン移植片を取り出さねばならないことである。
【0136】
他方、生分解性のマトリックス製剤はこの欠点を有していない、というのはポリマーマトリックスは体によって除かれるからである。さらに、この除去または浸食は有効成分の放出を制御して一定の放出を得るのに関与している。
【0137】
現行のもっとも一般的な生分解性マトリックス製剤には乳酸またはグリコール酸(PLGA)のポリマー、乳酸とグリコール酸のコポリマーまたはそれらの混合物を用いる。
【0138】
このように、その内容が関連文献として引用されるEP52510は、LHRHのPLGAカプセル化製剤またはコアセルベーションによって作製された、有効成分がPLGA層マイクロカプセルの中心に分布しているマイクロカプセルの分散製剤を記述している。
【0139】
その内容が関連文献として引用されるEP58481では、ペプチドとPLGAの分散または非分散製剤、例えば有効成分が表面まで均一に分布していて放出の2つの位相(拡散と分解)が有効成分を放出する際に中断することなく重なり合うように特定のPLGAを使っている移植片、が知られている。
【0140】
他の多くの文献はペプチドのみならずタンパク質および遺伝子の遅効性製剤におけるPLGAの使用に関連している。その内容が参考文献として引用される特許WO96/40072は、そのマイクロカプセル化に使われるマトリックス中および有機溶剤中での安定性がPLGAマトリックスによって良化し、その放出が確保される人成長ホルモンの調製を記述している。制御プロセスはポリマーの分解とその原因となる構造に孔が空くことに基づいている。
【0141】
今日までに行われてきたすべての研究は、PLGAによる遅効性制御プロセスは3つの放出段階を生じていることで一致している。拡散によって有効成分を放出する初期段階、放出が起こらない潜在段階、そしてポリマー自身が失われる結合製剤の放出段階である。
【0142】
PLGAを用いるすべての製剤において、遅効性効果の制御は、ポリマーマトリックスが有効成分を放出するときのバリヤーの役割をするように、あるいは有効成分とポリマーマトリックスの間の物理化学的相互作用における役割をするように、PLGAと有効成分をマトリックス混合する事によって得られる。
【0143】
すべての場合において、この放出方法では、有効成分の装填ゾーンを外部媒体から分離し、それが生分解してそれから外部に向かって拡散しうる有効成分を放出するまでマトリックス内に保っているようなやりかたで有効成分を生分解性マトリックスに分散させる必要がある。
【0144】
このタイプの遅効性マトリックス製剤は水を浸透させることによって有効成分の分散ゾーンを水和し、有効成分がマトリックス構造から逃げ出せないために浸透圧によって水和下で膨潤を起こすことによって特長づけられる。
【0145】
これらの段階はPLGA製剤により多かれ少なかれ、例えば、有効成分が拡散できる空間の大きさを増加させるポリマーの分解と交絡している。
【0146】
上述のPLGAとポリ乳酸以外には注入可能な遅効性賦型剤は殆ど存在していない。しかしながら、例えば、いくつかのポリマー、ゲルおよび脂質を挙げることはできる。例えば、ポリ無水物は表面腐食プロセスがPLGAとはっきり異なった放出プロファイルを示すポリマーで、球形に分解するPLGAより製剤依存性が大きい。
【0147】
コラーゲンやゼラチンを用いて遅延時間を得るある種の遅効性製剤も同様に見いだされている。別の製剤はゲルまたはハイドロゲルを用いている。例えば、マトリックス薬剤は粘性の注入可能なゲル(登録商標:AccuSite、Intradose)を用いている。
【0148】
有効成分の媒体からの分離性の低い、あるいはより早く消失するマトリックスで形成されるこれらの製剤は一般に少ないパーセントの有効成分を含む。
【0149】
マニトール、ポリエチレングリコールおよびヒアルウロン酸の様な他の注入可能な賦型剤も遅効性プロファイルを調整するための添加剤としてたびたび使われる。
【0150】
マトリックスおよびリザーバー技術以外には今日十分長い、規則的で正確な放出を得る他の方法は殆どない。
【0151】
しかしながら、有効成分の拡散のバリヤーとして全体または部分的に上塗りした移植片の場合を挙げることができる。
【0152】
分散または非分散マトリックス製剤においては、ある量の有効成分が製剤の表面に見いだされポリマーマトリックス内に含まれていない。
【0153】
分散マトリックス製剤では、与えられた有効成分の量について、表面の全体積に対する重みのために、表面有効成分は全有効成分に対して相対的に高い量を示す。
【0154】
有効成分の詰め込みまたは「コアローデイング」(C.L)を増やすために、与えられた体積の有効成分に対して大量のポリマーマトリックスを注入するのに制限がある。
【0155】
この制限は非分散型製剤あるいは移植片にとって更に不利である。なぜなら高い充填量に対するこれらの体積は製剤の注入に套管針を必要とするからである。
【0156】
実際明らかにより高いC.L.をもつ製剤をつくる研究がなされた。しかし実験によりパーコレーションという名称で知られる現象の存在が示された。この現象はポリマーマトリックスの中で充填部分が互いに接触し、ポリマー(PLGA)がもはやそのマトリックス機能を果たさないという事実により、殆どすべての有効成分が急速に放出されることで顕在化するものである。
【0157】
視覚的にはこの現象は製剤を水和した後製剤が膨潤することなく非常に短い遅れで有効成分を放出することで明らかになる。有効成分はポリマーマトリックス内を循環する水によって製剤の外部に運び出される。
【0158】
遅効性マトリックス製剤においては、PLGAのタイプとその物理化学的特性が明確に特定され、実現可能な領域を決定する。PLGAのマトリックスバリヤーとしての役割による放出に対する直接の影響、有効成分との関係(疎水性、親水性等)における役割および分解に対する影響はPLGAの正確な選択に拘わっている。
【0159】
PLGAと放出の間のこの関係は、例えば、マトリックス製剤の作用の持続期間に明らかに現れる。
【0160】
このような製剤に於いては、放出の持続は直接PLGAの分解時間に依存する(第2段階または反動)。したがって、PLGAは求める持続期間の機能として選択される。例えば、1ヶ月で分解される50:50PLGAは1ヶ月の製剤を作り、一方3ヶ月以上の製剤は必然的に加水分解の遅いPLGA、例えば75:25PLGAを含む。
【0161】
本願記載の非マトリックス製剤においては、賦型剤、特にPLGAは放出には影響しない。そして、例えば、60日で体内から全部消えてしまう単独の50:50
PLGAで3ヶ月以上の放出を得ることができるし、すべての有効成分が放出されても加水分解を開始しない75:25 PLGAで1ヶ月用製剤を作ることさえ可能である。
このことはPLGAの重量の割合が有効成分の割合よりも常に低いという事実によって可能となる;このことは、連続マトリックスがもはやPLGAではなくて有効成分であって全充填量に対して外的な、そして特に水の影響を受けるということを意味する。したがって作用の持続期間を決定するのは有効成分、特にその全体量、である。
【0162】
したがって本発明は特に次のような製剤に関係する。すなわち、系統的な目的かあるいは局所的な治療か、また、従来の投与量か局所作用向きに減少された投与量かである。
【0163】
本発明は特に、少なくともその1部が製剤の交換表面と外部の生物学的媒体に直接接触している連続相を形成する非分散状態の有効成分と、有効成分の量が製剤の全重量の少なくとも50%である生分解性で生体適合性のある賦型剤との均一な混合物から成り、賦型剤の組成、賦型剤の分子量あるいは有効成分/賦型剤重量比に独立な放出プロファイルを有し、その放出プロファイルが本質的にその製剤に存在する有効成分の全量に独占的に依存するような非経口投与遅効性製剤に関連している。
【0164】
パーコレーション現象を排除するために、有効成分の30%を上限とした「有効成分充填量」を許容した既知のマトリックス製剤とは異なり、本願記載の製剤は50%以上の有効成分を含み、これによりマトリックス製剤の体積に対してデポの体積は3から10倍減少する。
【0165】
したがって、固形製剤では、本願記載の製剤は、投与前後のおいて、製剤の全重量に対して、(有効成分を)重量で少なくとも50%、好ましくは51%、より有利には少なくとも70%、から99.999%まで含む。賦型剤は製剤の全重量に対して、重量で50%以下、好ましくは49%、より有利には30%以下を示す。
【0166】
賦型剤は遅効性固形製剤で伝統的に使われているもの、特に生分解性ポリマーである。
【0167】
例を挙げると、ポリ乳酸またはポリグリコール酸タイプ、ポリ乳酸/ポリグリコール酸タイプのコポリマーまたはこれらのポリマーおよび/またはコポリマーの混合物がある。生分解性で生態適合性のある賦型剤となるポリマーの選択は、これがポリマー中での有効成分の拡散に影響しないので大したことではない。
【0168】
例えば、本願記載の製剤の賦型剤としてコンプリトールのような重合した飽和脂肪酸のように注入可能な胞肪物質があるし、ポリビニルピロリドン(PVP)やポリエチレングリコール(PEG)の様な賦型剤さえある。
【0169】
ポリマーの粘度は大きく変動する。低粘度のポリマーは単相と呼ばれる方法に適していることが立証されている。上述の、EP 58481、EP 52150、EP 21234とEP26599−これらは本願でも参照されているが−は、例えば、低粘度ポリマーに力点をおいている。これらのポリマーは本発明に適している(例えば、クロロフォルム中における粘度が0.5dl/g以下)。出願人はさらに出願中のフランス特許出願97 04 837ならびに下記の実施例において、高粘度ポリマー、特に0.5あるいは0.6以上、そして1.2dl/gまでのものが、単相放出を得るのに特に適していることを開示している。
【0170】
DL-PLGAまたはL−PLGA、より好ましくは70から80%のDL-ラクチドと20から30%のグリコライドから調製されたDL-PLGAを使うことができる。75%のDL−ラクチドと25%のグリコライドから合成されたPLGAは特に適しているが、50−50PLGAを含む他のコポリマーもまた使うことができる。D-またはDL-ラクチドポリマーもまた使用できる。
【0171】
PLGAは親水性でも疎水性でも良い。親水性ポリマーで本願記載の製剤を調製することが可能である。
【0172】
しかしながら、生分解性で生体適合性のあるポリマーとしては、PLGAが好ましい、特にクロロフォルム中で1g/l00mlにおいて0.6dl/g以上の粘度を有する親水性PLGAが有利である。
【0173】
遅効性製剤の持続期間はそれが含有している有効成分の全量によって一義的に決定される。
【0174】
非分散状態における有効成分は、製剤中に存在する有効成分の異なった粒子が大部分互いに物理的に接触しておりまた製剤の表面にも出ている、ということを意味していると理解される。
【0175】
したがって、連続相は有効成分の内部部分の全体または大部分が有効成分または有効成分の混合物および有効成分の拡散または溶解を妨げない物質によって表面から分離されているに過ぎないような分布を意味すると理解される、と理解される。
【0176】
都合のよいことに、有効成分と賦形剤により形成される混合物は全ての点で均質である。
【0177】
本発明による遅効性製剤は、さらにインビトロ(in vitro)とインビボ(in vivo)の放出時間の違いによって特徴付けられる。
【0178】
このように、生理的水性媒体に入れられた本発明による製剤は7日以下の時間で有効成分を放出するが、インビボ(in vivo)での放出時間は実質的に7日以上であり、うまくいけば少なくとも1ヵ月以上、好ましくは3ヵ月以上となる。
【0179】
同量の有効成分を含むマトリックス製剤は、インビボ(in vivo)での放出時間の長さと同じ順序で逆にインビトロ(in vitro)の放出時間の方が長くなった。
【0180】
意外にも、インビトロ(in vitro)での放出時間に限界があるにも拘らず、本発明による製剤はインビトロ(in vitro)での放出時間に関係なく、インビボ(in vivo)でかなり長い放出時間をもたらす。
【0181】
その上、インビボ(in vivo)放出プロファイルは二相性マトリックス剤型とは明らかに異なり、経時的に一定の有効成分の拡散に相応した偽零次速度となるだろう。
【0182】
この放出プロファイルは、体内で一定レベルの有効成分を遊離させるので、もう一つの利点を有している。
【0183】
本発明による製剤は液状賦形剤がない場合は固体剤型で直接注入され、それ故有効成分の割合が高いことが容量を大幅に下げることを可能にするため、決定的な利点となる。
【0184】
その結果、20%の有効成分を含むマトリックス剤型についていえば、例えば70%の有効成分を含む本発明による新しい製剤はその容量を3.5分の1に下げられるか、あるいは投与量を同一容量で3.5倍に増やすことができる。
【0185】
このことは、非拡散性マトリックス製剤として与えられた有効成分について、直径1.8mm以上の植込剤を注入するのに套管針が必要である場合に、直径1mm以下の本発明による製剤の微小植込剤を注入するには標準の筋肉内注射針で十分であるということを意味する。
【0186】
さらに、液体での吸収もなく、初期のマトリックスの膨張もない本発明による製剤の放出方法は、管理された環境下で保存される有効成分に対しては安定しているという利点を有する。したがって本発明による遅効剤型は、組み換え蛋白のような壊れやすい有効成分に対して特に有利である。
【0187】
賦形剤を形成する生分解性、かつ生体適合性ポリマーの性質を考慮に入れ、有効成分に対する制限がなくなる程度まで、先行技術、特に合成または天然高分子、特に蛋白、あるいはそれらの類似化合物のマトリックス剤型中で拡散できない高分子量の有効成分を本発明による製剤に組み入れることが可能である。
【0188】
本発明は、したがって、壊れやすい分子、特にペプチドや蛋白、またはそれらの類似化合物の保持時間にわたり遊離を可能にする。
【0189】
本発明に使用できる活性物質の中、以下のものを特に挙げることができる。蛋白、例えば、酢酸トリプトレリンから形成された群から選ばれたペプチド、酢酸ランレオチド、トリプトレリンのようなLH-RH活性を有する化合物のペプチド、ゴセレリン、ロイプロレリン、ブセレリンまたはそれらの塩、LH-RH拮抗物質、GPIIb/IIIa拮抗物質、GPIIb/IIIa拮抗物質に類似の活性を有する化合物、エリスロポイエチン(EPO)またはその類似化合物、種々のインターフェロンα、インターフェロンβまたはγ、ソマトスタチン、内容が引用文献として組み入れられるヨーロッパ特許EP 215171に述べられているようなソマトスタチン誘導体、アメリカ特許US 5552520に述べられているようなソマトスタチン類似体(この特許自体は、本出願において引用文献として組み入れられているソマトスタチン類似体について述べている他の特許一覧を含む)、インスリン、成長ホルモン、成長ホルモン放出因子(GRF)、上皮増殖因子(EGF)、メラニン細胞刺激ホルモン(MSH)、甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)あるいは塩または誘導体の一つ、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、黄体形成ホルモン(LH)、卵胞刺激ホルモン(FSH)、副甲状腺ホルモン(PTH)またはその誘導体の一つ、リソソームの塩酸塩、ヒトPTHホルモンのN末端(1→34位)におけるペプチドラグメント、バソプレシンまたはその誘導体の一つ、オキシトシン、カルシトニン、カルシトニンに類似の活性を有するカルシトニン誘導体、グルカゴン、ガストリン、セクレチン、パンクレオチミン、コレシストキニン、アンジオテンシン、ヒト胎盤性ラクトゲン、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(HCG)、エンケファリン、コロニー刺激因子、エンケファリン誘導体、エンドルフィン、キョウトルフィン、インターロイキノン例えばインターロイキノン2、タフトシン、サイモポイエチン、チモスチミン、胸腺液性因子(THF)、胸腺血清因子(TSF)、胸腺血清因子(TSF)誘導体、サイモシン、胸腺因子X、腫瘍壊死因子(TNF)、モチリン、ボンベシンまたはアメリカ特許US 5552520に述べられているようなボンベシン誘導体の一つ(この特許自体は、本出願において引用文献として組み入れられているソマトスタチン類似体について述べている他の特許一覧を含む)、プロラクチン、ニューロテンシン、ジノルフィン、カルレイン、物質P、ウロキナーゼ、アスパラギナーゼ、ブラジキニン、カリクレイン、神経増殖因子、血液凝固因子、ポリミキシンB、コリスチン、バシトラシン、蛋白合成刺激ペプチド、エンドセリン拮抗物質あるいはその塩または誘導体、血管作用性腸ポリペプチド(VIP)、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)、血小板由来増殖因子(PDGF)、骨形態発生蛋白(BMP)、および胃抑制性ポリペプチド(GIP)。他の水溶性活性物質でも、あるいはその塩または前駆体の一つでも技術に長けた人がそれが有用であると判断するなら使用できる。
【0190】
好ましくは、カチオンの形で塩化により得られた水溶性産物を、例えば酢酸と一緒に使用することになろう。しかしながら、パモエートのような不溶解性の塩を使用することもできる。ペプチドおよび/または蛋白は、ペプチドおよび/または蛋白のみならずこれらのペプチドおよび/または蛋白の薬理学的活性断片を意味するものとして理解される。
【0191】
本発明による製剤または植込剤を製造するために用いられるような水溶性活性物質は、特に酢酸トリプトレリン、酢酸ランレオチド、ゴセレリン、ロイプロレリン、ブセレリンまたはそれらの塩剤があり得る。
【0192】
これらの製剤はさらに本発明による手順に従い、上述の器具を使用をすることにより投与できる利点を有する。
【0193】
本発明による製剤の製造過程は、遅効性医薬品剤型の分野で一般に使われてきた混合技術、圧縮技術、溶解状態での押し出し成型技術および粉砕技術で決まる。
【0194】
本発明は同様に、以下の内容から成る段階を有する本発明による遅効性製剤の調製過程に関係している:
−少なくとも50%の有効成分を含む有効成分と賦形剤の均質な混合物を作る;
−前述の混合物を圧縮する;そして
−溶解状態で前述の圧縮混合物を押し出し成型する
マトリックスおよび非マトリックス成分に適用する代替手順は、有効成分や賦形剤、特にPLGAの中身が何であろうと、非局所のみならず局所にも意図され、そして混合物の溶剤も加熱も必要とせず、以下の点に含まれる段階からなる:
−有効成分と賦形剤の均質な混合物を作る;
−均質な混合物に、好ましくは1000kg以上の力で高圧縮を当てる;
−得られた圧縮物を磨り潰す;
−投与に適した剤型に変える。
【0195】
最初の手順によれば、その手順は、例えば、次の方法で実施される:
有効成分(AP)とPLGAを混合物の重さに対する割合で量る(例えば70%APと30%PLGA)。
【0196】
混合は例えばターブラ(登録商標:Turbula)混合機を使用することにより均質な混合物を得るため行われる。混合物はそれから圧縮機に入れられる。実際には例えば直径13mm、厚さ5mmのブリケットを作れる適度な圧縮に相当する詰め込みが行われた。これは都合のよいことに拳の関節で行われる。そのブリケットは粉砕されるが、これは例えばえり分けることにより、ボールあるいはナイフミルを用い凍結粉砕により実施できる。
【0197】
この操作の目的は、溶解部分が全体の50%以下であるこの特別な状況で、必要な押し出し成型間の粉末混合物の流れを質的に改善することにある。
【0198】
混合物は望ましい微小植込剤と同じ直径の鋳型を通して押し出し成型される。
押し出し成型物は光牽引器のレーザー線(Keyence)による直径を調節後回収される。
【0199】
順番に、微小植込剤は吸引口ではなく押し出し口により目盛りを付けられる。
【0200】
その押し出し成型物は、ガンマ線照射前に注入器具に入れる微小植込剤を得るため、分析制御の働きにより欲する長さに切られる(25kGy)。
【0201】
第二番目の手順によれば、その手順は例えば以下のように実施される。
【0202】
APとPLGAの混合物から出発して、その手順は単純な詰め込みではなく、同じ組成(賦形剤と有効成分)で始まる混合物の極めて強い圧縮である。
【0203】
最小限1トンの力でこの超高圧縮を得ることが可能である。
【0204】
相当な直径、例えば13mm以上で行われる超高圧縮の結果は、この熱可塑性の賦形剤(その温度で溶解可能)を、熱い条件下で得られるものに似た構造物へ変形させることであり、言うなれば、透明なあるいはガラス状の、単純な圧縮後に得られる前者とは非常に異なる。この操作は周辺温度が寒冷条件、あるいは0°以下ですら行われる。低温でのこの超高圧縮の間、混合物内の賦形剤のプラスチック状態へのガラス様変化がもたらされる。
【0205】
前出の微小植込剤に等しい微小圧縮物の形状で、上述のように粉砕された超高圧縮物を再び詰め込むことも可能となろう。
【0206】
PLGAの遅効性剤型に特に適するこの技術により、温度または溶剤と関係なく、あるいは溶媒の製造、有効成分、特に例えば組み換え蛋白のような壊れやすい分子の保全維持に、特別な興味が持たれる医薬品剤型を得ることができるようになる。
【0207】
この手順は、これらが拡散しようとしまいと、同様にマトリックス剤型の製造(50%以上の有効成分を含まない)にとっても興味深い。そのマトリックス剤型についていえば、PLGAの圧縮は賦形剤を熱で溶かすことにより得られるマトリックス構造と等しいものになる。
【0208】
粉砕後の超高圧縮物は、拡散された微小粒子剤型で直接使用できる。
【0209】
上述したように、器具の針に充填後拡散剤型を直接注入したり、あるいは液体溶媒(例えばミクロスフェア)中に懸濁してそれを注入することが可能である。
【0210】
固体剤型に対する可能な見方の一つは長く伸びた円柱のそれである。
【0211】
上記で定義されているような製剤は、既に記述された局所投与器具に関連して上記のように定義された形状と容積を有している。
【0212】
好都合なことに、その製剤は直径3mm以下、好ましくは1mm以下で、長さが50mm以下、好ましくは30mm以下で、総体積が50mm3以下、好ましくは20mm3以下の円柱形である。
【0213】
本発明は同様に、放出持続時間にわたり、本発明による製剤の有効成分の遊離に関連する処置を必要とする患者への注射から成る治療処置の方法に関連している。
【0214】
その製剤は都合のよいことに皮下あるいは筋肉内経路で注射できる。
【0215】
これは何らかの適切な手段、特に直径1mm以下の標準注射針によって実施できる。
【0216】
本発明は同様に、徐放効果確保のため上記に定義されたような固形製剤の使い方に関係している。
【0217】
以下に実施例で本発明を説明する。
実施例1:
リン酸デキサメタソン、PLGA型の洞内挿入物リン酸デキサメタソン挿入物の製造は以下の段階に従って行われる:
−原材料の重さを測定、混合、最初の押し出し成型、擂り潰しおよびえり分け、調剤と包装、Dランクの清浄室においてAランクの層流下で全て行い、最後に滅菌する。
【0218】
1バッチに対して、例えばPLGAのlactide−coglycolide共重合体(50:50)の38.25gを測り、100μmm以下まで粉砕されたデキサメタソン21−リン酸2ナトリウム6.75gを組み入れることが可能であろう。
【0219】
粉末は三次元移動混合機を用いて混合され、最初の押し出し成型時に混合物の品質が管理されることになろう(APの%)。
【0220】
押し出し後、混合物は粉砕され、再び、直径2から2.5の棒状に押し出されるが、その均一性は確認される(%AP、AP含有量/長さ)。7.5mgのリン酸デキサメタソンに相当する調剤量を得るのに必要な挿入物の重さは、このようにして計算される。円筒は必要な重量に応じて、長手方向に切断され、包装装置でガンマ線照射(25k Gy)後に個別に包装される。
【0221】
図5から10にある図面にしたがって、直径3mmで、長さ10cmの套管針の内部で、直接その装置を使用することができよう。
【0222】
これらの挿入物の有効性を試験する前に、例えば慢性の鼻腔閉塞の例においては、上あごの洞上になるが、そのインビトロ及びインビボの放出は、挿入物の寿命の予測が可能であるモデル上で確認される。
【0223】
インビトロでは、放出は、挿入物がその中に浸漬される等調の媒体中で、HPLCによるAPの測定によって追跡される。図17、18、19は、APの三つの異なる濃度、10、15、20%の各々について、これらのインビトロの放出を示す。
【0224】
インビボでは、ラット・モデルが使用される。挿入物は、皮下あるいは腹膜内に投与され、その放出は、一ヶ月にわたって、最近接小数点まで動物たちの犠牲の後で挿入物内に残存するAPの量を測定すること、及び決められた時間でのサンプリングすることにより評価される。
【0225】
図20、21、22は、三つの百分率の皮下(A)及び腹腔内(B)での、このインビボのコントロールの結果を示す。
実施例2:
ランレオタイド酢酸、固形のトランスルミナル移植
直径0.75mm、長さ30mmの移植片または円筒が作成された。それらは90%のランレオタイド酢酸と10%のマンニトールの組成で、ランレオタイド(BIM23014C)12.80mgを含む。
【0226】
200単位のバッチ、または固形分4.5g(ランレオタイド酢酸/マンニトール)について、製造は、計量、接続、脱気、水和、混合、押し出し、乾燥、配列、照射の工程からなる。
【0227】
計量は、一方では、一つのシリンジ内の水/マンニトール溶液の体積に対応するが、また他のシリンジ内でソマチュリン酢酸粉に対応するのもある。
【0228】
接続とは三方ボールバルブ経由での二つのシリンジの組み合わせである。
【0229】
それから脱気はAP粉内部で実施される。
【0230】
水和は真空下で粉末をマンニトール溶液と接触させることにより得られる。混合は二つのシリンジのピストンを運転しての前後の動きにより実施される。HPLC均一性を確認後、押し出しが、所望直径に合ったダイを通しての棒の製造に対応する。この押し出しは、同様にモータでシリンジのピストンを運転することでも得られる。
【0231】
乾燥は円筒の切断後、または前に実施される。これはペースト状の混合物から水分を蒸発して乾燥した円筒を得ることにある。
【0232】
準備は、図5に示されるような直径1mmの装置の注射針内部にその円筒を導入することからなる。
【0233】
滅菌の照射は、装置の包装後に、25k Gyで実施される。
【0234】
血管形成術の前または後で、カテーテルのルーメンを通して、ステントのように、ランレオタイドのその円筒を置くための局部レベルで、本装置を注入することが可能だろう。
【0235】
この製剤の局部的な遅効性の効果は、以前に、イヌでの筋肉内注入(i.m.)で、さらに、人体でi.m.での皮下注入(s.c.)が評価されている。
【0236】
図23は、12.8mgのランレオタイドの筋肉内注入でのイヌに関する生体反応の結果を示す。
【0237】
図24は健康なボランティアでの皮下(A)及び筋肉内(B)注射による生体反応の結果を示す。
【0238】
得られた結果により、この期間にわたって高い局部的濃度を持った血管形成術の局部レベルで、持続性の遅延遊離の効果が期待できる。
実施例3:
ランレオタイド酢酸の半固形デポランレオタイド酢酸は注入可能な遅延遊離のペーストまたは水を含む半固形分を形成する。
【0239】
遅効性の効果は、有効成分からの直接の析出により得られる。この遅効性の効果は、百分率の関数として調整可能である。活性の期間は、したがって、この半固形分のデポの溶出または排出に直接比例する。したがって、他の有効成分をランレオタイドと組み合わせることが出来て、それに対しては組み合わされた局所的な効果が求められるだろう。ランレオタイドだけの生体反応により、AP(群)の活性期間を評価出来るだろう。
【0240】
半固形分は、実施例2でマンニトール無しの固体の工程に近い工程にしたがって製造される。押し出し、乾燥、再配列は分配に置きかえられる。例えば、200単位用に、ランレオタイド酢酸の40gは、35%のランレオタイド、65%水分の1ヶ月型において、注入量AP40mg用に調製されるだろう。
【0241】
製造工程は、計量、接続、脱気、水和、混合、配列、そして照射である。
【0242】
配列は、注入装置(図11から16)の体積充填からなり、例えば、混合物シリンジからのロータリ・ピストンによるものである。この半固体製剤は、健康なボランティアでの筋肉内注入での臨床試験の課題であった(図25)。
【0243】
したがって、一ヶ月にわたって局所的である製剤を得ることが可能だろう。ペーストの濃度及び量が局所的な拡散の期間と強度を決定するだろう。
実施例4:
有効成分の20%マトリックス製剤と、52%の非マトリックス製剤の比較
非常に可溶性のトリプトレリン酢酸(TA)塩が分子量100、000以上、固有粘度がクロロフォルム中で1dl/gに等しく、一ヶ月後でもマトリックス遊離を制御出来る程度の質量損失のある加水分解を受けるのみのPLGA(75:25)と混合される。
【0244】
PLGA中の有効成分が、20%(ろ過前)、及び52%重量基準での混合物がこのようにして調製される。これらの混合物は押し出されて移植片を形成し、その放出は、インビトロで、37℃、生理学的血清10ml内で攪拌無しで確認される。
【0245】
有効成分の20%移植片は二日間で全投薬量の4%のみを遊離し、ポリマーの質量損失が起こり、それはd36とd60(図26)の間での有効成分の遊離を引き起こすのだが、その前では36日間で6.7%しか遊離しない。有効成分の52%の移植片が全投薬量の66%を二日間で遊離し、一週間で90%以上を遊離する(図27)。
実施例5:
トリプトレリンの不溶塩(トリプトレリン・パモエート)とのマトリックス及び非マトリックス製剤の比較
トリプトレリン・パモエートとPLGA(50:50)の製剤が調製され、有効成分は、最初は40%、二番目は52%である。
【0246】
これら二つの製剤の遊離が、インビトロの放出モデル(有効成分の低い溶解性が100mlの懸濁容積を必要とする)において比較される。
有効成分の不溶性にも拘わらず、40%のマトリックス製剤の放出が観察される(図28)。52%で(図29)、放出は既に本質的にマトリックスに依存しない。
【0247】
マトリックス及び非マトリックス・モードでのPLGAに関する有効成分のインビトロの機能は、したがって、その塩の溶解性に依存しない。
実施例6:
マトリックス製剤と非マトリックス製剤の間での活性の型のマクロ的な違い
実施例4のマトリックス調製品、非分散製剤の75:25PLGA/トリプトレリン酢酸(80−20%)は、インビトロの生理学媒体中で10日後で、実際上、その有効成分全部を含む。それは、時間0に関して直径が増加し、長さが減少した半透明の様相を呈し(図30)、PLGAマトリックスの抑制性を示している。
【0248】
同条件下で、10日後の75:25PLGA/トリプトレリン酢酸(48−52%)非マトリックス製剤は、実際上、有効成分が完全に無くなっている。それは直径や長さでは変化を受けていなかった(図31)。
【0249】
有効成分は、このように、PLGA非マトリックス骨格から消滅していた。この場合、有効成分はポリマーのいかなる物理化学的な束縛も受けない。PLGAは有効成分の放出の過程で変わらぬままである。
実施例7:
非マトリックス製剤(トリプトレリン酢酸52%)と70%及び80%トリプトレリンの非マトリックス製剤の比較
実施例4と同じインビトロ放出モデルにおいて、同じ9mgの投薬量で、三つの非マトリックス製剤が比較された。1日の間での放出の結果(図32)は、これらの三つの製剤での活性の類似性を示す。インビトロで得られた放出値は、このように、C.L.に比例しない。このことは、有効成分の役割と、非マトリックス製剤での活性の全体量の役割を示している。
実施例8:
52%非マトリックス製剤の5mgと9mgの投薬量でのインビトロ遊離の比較 分子量が100、000以上の同じ75:25PLGAを使用する二つの製剤が、52%のトリプトレリン酢酸(TA)のC.L.で製造された。これらの二つの製剤は、インビトロで確認された、第一に9mg(52%のTA、9mgで)及び第二に6mg(52%のTA、6mgで)。その結果(図33)は有効成分の投薬量の差に関連する放出生体反応での差異を示す。
実施例9:
52%、70%及び80%有効成分(トリプトレリン酢酸)でのマトリックス製剤のラットにおけるインビボ試験の比較
52%有効成分の2バッチの移植片と70%有効成分の1バッチの移植片、及び80%有効成分の1バッチの移植片が、12匹のラットからなる4グループで皮下注入された。各グループから4匹がdl、d4及びd19で犠牲となった。移植片は回収され、有効成分の残存量を知るため、HPLCで測定された。
【0250】
図34の結果は、d0とd19の間での百分率として、移植片の残存レベルを表す。
【0251】
52%、70%、及び80%製剤の間で、この百分率の減少に明らかな平行関係が認められる。
【0252】
図35は、mg単位での純粋な有効成分の残存量の展開を表す。19日後のインビトロでの結果と反対に、平均して、52%移植片と、70%と80%の移植片において、著しい、また同等の有効成分の量が残存する。
【0253】
プラズマのサンプルがこれらの動物から犠牲にする前に取られ、この結果はRIA分析により確認された。
実施例10:
イヌにおける、マトリックス製剤(有効成分20%)及び非マトリックス製剤(有効成分52%)の生体反応の結果
トリプトレリン酢酸の20%と52%製剤が、6匹のイヌの2シリーズに注入されたが、各々の全投薬量は純トリプトレリン3mgと6mgで、プラズマ・サンプルのRIA分析と、テストステロンのレベルで有効成分の動的有効性で、生体反応が追跡された(図36及び37)。結果は、二つのケースにおいて、少なくとも3ヶ月にわたる放出活性を示す。
【0254】
20%製剤の生体反応は、従来のプロファイルを示す(ピークとリバウンドを伴う)。52%製剤の生体反応は、従来のPLGA製剤のものと比較はできないが、ピークやリバウンドの無い擬0次のものである。
実施例11:
イヌにおける、有効成分70%の非マトリックス製剤での生体反応の結果
同じPLGAと有効成分の52%製剤(実施例10)と同じ有効成分を用いた製剤が、PLGA70%と30%で作られた。
【0255】
この製剤がイヌに注入されたが、全投薬量は純トリプトレリン9mgであった。生体反応は、プラズマ・サンプル(図38A)のRIA分析と、テストステロンのレベル(図38B)による有効成分の動的有効性により追跡された。
【0256】
結果は正に、少なくとも3ヶ月にわたり、有効成分52%製剤についてのような放出活性を示すが、唯一の違いは、全投薬量を変化させると、より高い放出レベルを持つことである。
【0257】
52%と70%の間での負荷への変化は、期間やプロファイルに影響しないが、放出レベルは正に注入された全投薬量に依存する(図39)。
【図面の簡単な説明】
【0258】
【図1】本発明の第一実施例による固形製剤の投与器具の縦断立面図である。
【図2】本発明の第一実施例による固形製剤の侵入器具の縦断立面図である。
【図3】図1の投与器具を図2の侵入器具に装着し、ピストンを押し込む前の縦断立面図である。
【図4】図3中のピストンを押し込んだ後の縦断立面図である。
【図5】本発明の第二実施例による器具の縦断立面図であって、部分的に患者の体内に挿入されて固形製剤を投与する準備が出来た状態を示す。
【図6】図5の6−6における横断面図である。
【図7】図5と同様の図で固形製剤を器具のガイドの外部に押し出し、患者の体内に落とす準備が出来た状態を示す。
【図8】図7の8−8における横断面図である。
【図9】図5および図7と同様の縦断立面図で、針を一部引き抜き固形製剤が体内に残された状態を示す。
【図10】図9と同様の図で、内側の針とピストンが完全に戻された状態を示す。
【図11】本発明の第三実施例による器具の縦断立面図であって、部分的に患者の体内に挿入されて半固形製剤を投与する準備が出来た状態を示す。
【図12】図11の12−12における横断面図である。
【図13】図11と同様の図で半固形製剤を器具のガイドの外部に押し出し、患者の体内に落とす準備が出来た状態を示す。
【図14】図13の14−14における横断面図である。
【図15】図11および図13と同様の縦断立面図で、針を一部引き抜き半固形製剤が体内に残された状態を示す。
【図16】図15と同様の図で、内側の針とピストンが完全に戻された状態を示す。
【図17】濃度10%のデキサメタソンをインビトロで挿入した場合の放出を示す。
【図18】濃度15%のデキサメタソンをインビトロで挿入した場合の放出を示す。
【図19】濃度20%のデキサメタソンをインビトロで挿入した場合の放出を示す。
【図20】10%のデキサメタソンをラットに挿入したときの生体反応の実験結果を示す。(A)は皮下注射、(B)は腹膜注射の場合である。
【図21】15%のデキサメタソンをラットに挿入したときの生体反応の実験結果を示す。(A)は皮下注射、(B)は腹膜注射の場合である。
【0259】
【図22】20%のデキサメタソンをラットに挿入したときの生体反応の実験結果を示す。(A)は皮下注射、(B)は腹膜注射の場合である。
【図23】12.8mgの固形製剤の酢酸ランレオタイドをイヌに筋肉注射した場合の生体反応の実験結果を示す。
【図24】12.8mgの固形製剤の酢酸ランレオタイドを健康なボランテイアに皮下(A)および筋肉注射(B)した場合の生体反応の実験結果を示す。
【図25】健康なボランテイアに40mgの半固形のランレオタイド酢酸を筋肉注射した場合の生体反応の結果を示す。
【図26】20%の有効成分を含む酢酸トリプトレリン/PLGA(75:25)マトリックス製剤のインビトロにおける放出プロファイルを示す。
【図27】52%の有効成分を含む本発明による酢酸トリプトレリン/PLGA(75:25)製剤のインビトロにおける放出プロファイルを示す。
【図28】40%の有効成分を含むトリプトレリンパモエート(有効成分)とPLGA(50:50)製剤のインビトロにおける放出プロファイルを示す。
【図29】52%の有効成分を含むトリプトレリンパモエート(有効成分)とPLGA(50:50)製剤のインビトロにおける放出プロファイルを示す。
【図30】インビトロで生理学的媒体中に1時間、1、2、3、7および10日間おかれた後の有効成分20%の酢酸トリプトレリン/PLGA(75:25)製剤の写真を示す。
【図31】インビトロで生理学的媒体中に1時間、1、2、3、7および10日間おかれた後の有効成分52%の酢酸トリプトレリン/PLGA(75:25)製剤の写真を示す。
【図32】本発明による有効成分(酢酸トリプトレリン)52%、70%および80%、投与量9mgでの3つの形のインビトロにおける放出プロファイルを示す。
【図33】本発明による有効成分(酢酸トリプトレリン)52%、投与量9および6mgでの2つの形のインビトロにおける放出プロファイルを示す。
【図34】有効成分(酢酸トリプトレリン)52%、70%および80%の製剤についてラットに注入された挿入物中に残存する有効成分量の時間変化を示す。
【図35】有効成分(酢酸トリプトレリン)52%、70%および80%の製剤についてラットに注入された挿入物中に残存する有効成分の絶対量の時間変化を示す。
【図36】有効成分52%、投与量3mgの酢酸トリプトレリン/PLGA(75:25)製剤のイヌにおける血漿濃度の動力学とテストステロンのレベルによる薬学的効果のモニタリングを示す。
【図37】イヌにおける有効成分20%、投与量6mgの酢酸トリプトレリン/PLGA(75:25)製剤の血漿濃度の動力学とテストステロンのレベルによる薬学的効果のモニタリングを示す。
【図38】有効成分70%、投与量9mgの酢酸トリプトレリン/PLGA(75:25)製剤のイヌにおけるインビボ放出プロファイル(A)とテストステロンのレベルによる薬学的効果のモニタリング(B)を示す。
【図39】有効成分52%、投与量6mgの酢酸トリプトレリン/PLGA製剤および有効成分70%、投与量9mgの製剤のイヌにおけるインビボ放出プロファイルを示す。
【符号の説明】
【0260】
1,9 … 固形製剤
2 … 管状ガイド
3,14 … ピストン
4,5 … つば
6 … 管状開口部
8 … 環状末端
11 … 環状ガイド
12 … ガイド
13 … 針(投与器具)
13a … 針末端
17 … 貯蔵部位(投与部位)
18 … 半固形製剤
20 … プッシュボタン
L,P‘ … 皮膚
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つの有効成分を含む固形又は半固形製剤が体内奥深くの正確な貯蔵部位に一定期間存続することができるように注入又は挿入するアセンブリにおいて、
該アセンブリは、
体内を貫き、一端から他端まで伸びる管状開口部を有し、体表面から前記貯蔵部位に到達するための細長形状の第一の侵入器具と、
体内を貫かず、内部に前記製剤とピストンを含有する管状ガイドと、前記製剤を該管状ガイドの端部を介して器具の対向位置に投与可能とする器具作動用外部手段を有する細長形状の第二の投与器具からなり、
前記投与器具は前記侵入器具の前記管状開口部内に収納できるような細長形状を有しており、その収納状態で作動し、固形又は半固形製剤を前記貯蔵部位に投与することを特徴とするアセンブリ。
【請求項2】
前記第一の侵入器具は套菅針、カテーテル、内視鏡、外科的接近方法に適用される用具の何れかであることを特徴とする請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項3】
前記第二の投与器具は最大直径が3mmであることを特徴とする請求項1又は2に記載のアセンブリ。
【請求項4】
前記第二の投与器具は直径が2.5mm以下であることを特徴とする請求項3に記載のアセンブリ。
【請求項5】
前記第二の投与器具は直径が2mm以下であることを特徴とする請求項3に記載のアセンブリ。
【請求項6】
前記第二の投与器具は針を有することを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載のアセンブリ。
【請求項7】
前記針は弾性の予備成形或いは予備拘束により器具に対して位置付けられることを特徴とする請求項6に記載のアセンブリ。
【請求項8】
前記第二の投与器具はピストン周囲の管状ガイドを回収することによって前記製剤の投与を行うことを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載のアセンブリ。
【請求項1】
少なくとも一つの有効成分を含む固形又は半固形製剤が体内奥深くの正確な貯蔵部位に一定期間存続することができるように注入又は挿入するアセンブリにおいて、
該アセンブリは、
体内を貫き、一端から他端まで伸びる管状開口部を有し、体表面から前記貯蔵部位に到達するための細長形状の第一の侵入器具と、
体内を貫かず、内部に前記製剤とピストンを含有する管状ガイドと、前記製剤を該管状ガイドの端部を介して器具の対向位置に投与可能とする器具作動用外部手段を有する細長形状の第二の投与器具からなり、
前記投与器具は前記侵入器具の前記管状開口部内に収納できるような細長形状を有しており、その収納状態で作動し、固形又は半固形製剤を前記貯蔵部位に投与することを特徴とするアセンブリ。
【請求項2】
前記第一の侵入器具は套菅針、カテーテル、内視鏡、外科的接近方法に適用される用具の何れかであることを特徴とする請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項3】
前記第二の投与器具は最大直径が3mmであることを特徴とする請求項1又は2に記載のアセンブリ。
【請求項4】
前記第二の投与器具は直径が2.5mm以下であることを特徴とする請求項3に記載のアセンブリ。
【請求項5】
前記第二の投与器具は直径が2mm以下であることを特徴とする請求項3に記載のアセンブリ。
【請求項6】
前記第二の投与器具は針を有することを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載のアセンブリ。
【請求項7】
前記針は弾性の予備成形或いは予備拘束により器具に対して位置付けられることを特徴とする請求項6に記載のアセンブリ。
【請求項8】
前記第二の投与器具はピストン周囲の管状ガイドを回収することによって前記製剤の投与を行うことを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載のアセンブリ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【公開番号】特開2009−18196(P2009−18196A)
【公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−266758(P2008−266758)
【出願日】平成20年10月15日(2008.10.15)
【分割の表示】特願平10−525277の分割
【原出願日】平成9年12月2日(1997.12.2)
【出願人】(501109046)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年10月15日(2008.10.15)
【分割の表示】特願平10−525277の分割
【原出願日】平成9年12月2日(1997.12.2)
【出願人】(501109046)
【Fターム(参考)】
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