固形物充填方法
【課題】
反転動作をすることなく固形物を容器内に移し替えることができ、装置を簡素化することができると共に、迅速かつ容易に充填することができる固形物充填方法を提供する。
【解決手段】
本発明の固形物充填方法は、筒体8を、走路1上を滑動するようにして搬送するコンベア2にあって、搬送の過程において、筒体8の上端開口部81を介して筒体8内に固形物bを投入する第1の工程と、筒体8内に投入された固形物bの質量を計量する第2の工程と、走路1の一部を退避させて筒体8の下端開口部82を開放し、該下端開口部82の下方に位置する容器9の中に固形物bを落下して充填させる第3の工程とを備えているものである。
反転動作をすることなく固形物を容器内に移し替えることができ、装置を簡素化することができると共に、迅速かつ容易に充填することができる固形物充填方法を提供する。
【解決手段】
本発明の固形物充填方法は、筒体8を、走路1上を滑動するようにして搬送するコンベア2にあって、搬送の過程において、筒体8の上端開口部81を介して筒体8内に固形物bを投入する第1の工程と、筒体8内に投入された固形物bの質量を計量する第2の工程と、走路1の一部を退避させて筒体8の下端開口部82を開放し、該下端開口部82の下方に位置する容器9の中に固形物bを落下して充填させる第3の工程とを備えているものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器の中に所定量の固形物を充填する固形物充填方法に係り、特に、筒体の上端開口部を介して筒体内に固形物を投入する第1の工程と、この第1の工程の後、搬送の過程において、筒体内に投入された固形物の質量を計量する第2の工程と、この第2の工程の後、搬送の過程において、走路の一部を退避させて筒体の下端開口部を開放し、該下端開口部の下方に位置する容器の中に固形物を落下して充填させる第3の工程とを備えているものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、フレーク状の肉、杏仁豆腐、皮剥き蜜柑など、所定量の固形物を含む食材等を容器の中に充填するような固形物の充填工程にあっては、先行技術文献には特にないが、例えば、計量容器の中に概量の固形物を充填し、計量して所定量に調整した後、計量容器を上下反転させて該計量容器の開口部を下に向け、下方に位置する容器の中に固形物を投入して充填するような方法が採られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述したような固形物の充填方法にあっては、計量後に計量容器を反転させる分、装置が複雑になり、しかも、反転の動作速度を速めると、固形物が容器から零れ落ちてしまう危険性が増大する。
【0004】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に係る発明は、上部が水平面で構成された走路上に、上下方向に開口部を有する略円筒状の筒体の下端を当接させて該筒体の下端開口部を閉塞し、前記筒体を、前記走路上を滑動するようにして搬送するコンベアにあって、前記搬送の過程において、前記筒体の上端開口部を介して前記筒体内に固形物を投入する第1の工程と、この第1の工程の後、前記搬送の過程において、前記筒体内に投入された前記固形物の質量を計量する第2の工程と、この第2の工程の後、前記搬送の過程において、前記走路の一部を退避させて前記筒体の前記下端開口部を開放し、該下端開口部の下方に位置する容器の中に前記固形物を落下して充填させる第3の工程と、を備えている固形物充填方法である。
【0006】
請求項2に係る発明は、請求項1記載の固形物充填方法において、コンベアにおける筒体の搬送は、該筒体の胴部を包囲する環状の保持体により行われ、前記保持体の内径は、前記筒体の外形よりも大きくなるように形成され、前記筒体は、前記保持体内を昇降自在となるように保持されているものである。
【0007】
請求項3に係る発明は、請求項1または2記載の固形物充填方法において、第2の工程において、所定の質量よりも少ないときには固形物を筒体内に補充し、所定の質量よりも多いときには固形物を筒体内から減量するものである。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に記載の固形物充填方法によれば、上部が水平面で構成された走路上に、上下方向に開口部を有する略円筒状の筒体の下端を当接させて該筒体の下端開口部を閉塞し、前記筒体を、前記走路上を滑動するようにして搬送するコンベアにあって、前記搬送の過程において、前記筒体の上端開口部を介して前記筒体内に固形物を投入する第1の工程と、この第1の工程の後、前記搬送の過程において、前記筒体内に投入された前記固形物の質量を計量する第2の工程と、この第2の工程の後、前記搬送の過程において、前記走路の一部を退避させて前記筒体の前記下端開口部を開放し、該下端開口部の下方に位置する容器の中に前記固形物を落下して充填させる第3の工程と、を備えているため、筒体を反転させることなく固形物を容器内に移し替えることができ、装置を簡素化することができると共に、迅速かつ容易に充填することができる。
【0009】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1記載の固形物充填方法の効果に加え、コンベアにおける筒体の搬送は、該筒体の胴部を包囲する環状の保持体により行われ、前記保持体の内径は、前記筒体の外形よりも大きくなるように形成され、前記筒体は、前記保持体内を昇降自在となるように保持されているため、筒体を保持体に保持させた状態で、簡便に固形物の質量を計量することができる。
【0010】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1または2記載の固形物充填方法の効果に加え、第2の工程において、所定の質量よりも少ないときには固形物を筒体内に補充し、所定の質量よりも多いときには固形物を筒体内から減量するため、固形物を容器に移す前に該固形物の質量を計量することができ、確実に適正量の固形物を容器に充填することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の固形物充填方法を実施するための固形物充填装置の一例を示した概略的平面図である。
【図2】図1の概略的正面図である。
【図3】図1のコンベアを拡大して示した概略図であり、図3(a)は平面図を、図3(b)は一部を破断した正面図を、それぞれ示している。
【図4】図1の筒体とコンベアと走路との関係を示した概略的斜視図である。
【図5】図1の一次充填部を示した概略的平面図である。
【図6】図5の概略的正面図であり、一部を破断して示したものである。
【図7】図6の一部を拡大して示した概略的一部断面図であり、図7(a)は固形物投入前の状態を、図7(b)は固形物投入後の状態を、それぞれ示している。
【図8】図1の計量部を拡大して示した概略図であり、一部を破断したものである。
【図9】図1の計量部を拡大して示した概略図であり、一部を破断したものである。
【図10】図1の二次充填部を示した概略的正面図であり、一部を破断したもので、図10(a)は固形物充填前の状態を、図10(b)は固形物充填後の状態を、それぞれ示している。
【図11】図1の二次充填部を拡大して示した概略図であり、図11(a)は図10のX1―X1線で切断したものを、図11(b)は図10のX2―X2線で切断したものを、それぞれ示している。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の固形物充填方法の一実施例について、図1〜図11を参照して説明する。図1、図2において、Aは、本発明の固形物充填方法を実施するための固形物充填装置であり、固形物充填装置Aは、コンベア2による搬送過程において固形物を容器に充填するもので、概略的に、一次充填部A1と、計量部A2と、二次充填部A3とにより構成されている。
【0013】
まず、コンベア2について説明すると、図4に示したように、このコンベア2は、上部が水平面で構成された走路1上に、上下方向に開口部を有する略円筒状の筒体8の下端を当接させて該筒体8の下端開口部82を閉塞し、筒体8を、走路1上を滑動するようにして搬送するもので、例えば、図3(a)、(b)に示したように、筒体8を抱持する保持体21と、隣り合う保持体21、21どうしを接続するボルトナットなどの接続部材22とを有し、図1に示したように、これら複数の保持体21、21、・・・が、ループ状に連結されている。
【0014】
なお、前述の保持体21は、図4に示したように、筒体8の胴部を包囲する環状のものであって、その内径が、筒体8の外形よりも大きくなるように形成され、筒体8は、保持体21内を昇降自在となるように保持され、該筒体8の下端が自重により走路1に当接し、下端開口部82を確実に閉塞して凹状の収納空間83を形成するようにするのが好ましい。
【0015】
前記した一次充填部A1は、図5、図6に示したように、筒体8が挿入されたコンベア2と、このコンベア2上に位置するターンテーブル31とにより構成されている。ターンテーブル31には、同図に示したように、円周に沿って該円周近傍に複数の仮容器7が配設されている。
【0016】
そして、ターンテーブル31は、図2に示したように、固形物充填装置A内に設けられた回転手段30により回転し、このターンテーブル31に設けられた仮容器7の直下において、走路1を介して筒体8が位置するもので、これら仮容器7および筒体8は、連動して回転するように構成されている。
【0017】
また、このターンテーブル31には固形物bを供給するための固形物供給ノズル32が併設されており、図示していない固形物貯留タンクからターンテーブル31上に固形物bが供給される。
【0018】
図5において、37は、仮容器7内の余剰な固形物bを除去するすり切り板を、38は、ターンテーブル31の中心付近に集積された固形物bを仮容器7方向に片寄せる片寄せ板を、それぞれ示している。
【0019】
また、33は仕切り板であり、この仕切り板33は走路1の一部を成し、仮容器7内の固形物bを筒体8に投入できるように、進退手段34により進退できるように取り付けられている。進退手段34は、図6に示したように、仕切り板33に取り付けられたピストン341と、このピストン341を駆動するシリンダ342とにより構成されている。なお、この仕切り板33は、好適には、多数の仮容器7、7、・・内の固形物bを同時に筒体8、8、・・に投入できるように、複数の筒体8、8、・・に跨るように設けられている。
【0020】
また、図2において、35は、押込み手段であり、押込み手段35は、ターンテーブル31の仕切り板33上方に設けられ、図6に示したように、ピストン351と、このピストン351を駆動するシリンダ352と、ピストン351の先端部に取り付けられた接続部材353と、この接続部材353の下端に取り付けられた押込み部材36とにより構成されているもので、ピストン351の下降により、この押込み部材36が仮容器7内の固形物bを筒体8内に押し込んで投入する。
【0021】
前記した計量部A2は、筒体8の搬送の過程において、該筒体8内に投入された固形物bの質量を正確に計量するもので、図8に示したように、走路1の一部を成すと共に筒体8を載置する載置板1’と、この載置板1’の下部に取り付けられた計量器4とにより構成されている。なお、この計量器4は、好適には、多数の筒体8、8、・・内の固形物bを同時に計量できるように、図9に示したように、コンベア2の進行方向に沿って複数配列されている。
【0022】
前記した二次充填部A3は、筒体8の搬送の過程において、走路1の一部を退避させて筒体8の下端開口部82を開放し、該下端開口部82の下方に位置する容器9の中に固形物bを落下して充填させるもので、図1、図10(a)、図11(a)、(b)に示したように、仕切り板51が設けられ、この仕切り板51は、走路1の一部を成すと共に、進退手段52により筒体8の下端開口部82を開閉可能となるように取り付けられている。進退手段52は、図11(a)に示したように、仕切り板51に取り付けられたピストン521と、このピストン521を駆動するシリンダ522とにより構成されている。なお、この仕切り板51は、好適には、多数の筒体8、8、・・内の固形物bを同時に容器9、9、・・に充填できるように、複数の筒体8、8、・・に跨るように設けられている(図10(a)参照)。
【0023】
また、図2、図10(a)、(b)において、53は、押込み手段であり、押込み手段53は、コンベア2の上方に設けられ、図10(a)、(b)に示したように、ピストン531と、このピストン531を駆動するシリンダ532と、ピストン531に取り付けられた取付部材533と、この取付部材533の下端に取り付けられた押込み部材54とにより構成されているもので、ピストン531の下降により、この押込み部材54が筒体8内の固形物bを容器9内に押し込んで充填する。
【0024】
次に、上述したように構成される固形物充填装置Aを用いた固形物充填方法について、図5等を参照して説明する。まず、図5に示したように、ターンテーブル31をコンベア2と同期回転させ、固形物供給ノズル32から固形物bをターンテーブル31上に供給する。
【0025】
そして、供給された固形物bは仮容器7に投入され、ターンテーブル31が同図矢印方向へ回転することにより、仮容器7から盛り出した余剰な固形物bは、すり切り板37により除去され、概量が仮容器7内に収容される。
【0026】
そして、仮容器7が一次充填部A1に搬送され、搬送の過程において、筒体8の上端開口部81を介して筒体8内に固形物bを投入するもの(第1の工程)で、図7(a)、(b)に示したように、下方に当接している仕切り板33を進退手段34により退避させると、仮容器7内の固形物bが筒体8内の収納空間83内に自重により落下して投入される。なお、このとき、押込み手段35を作動させて押込み部材36により固形物bを筒体8内に強制的に押し込むと、より一層確実に固形物bを移し替えることができる。
【0027】
そして、固形物bを筒体8へ投入(第1の工程)した後、コンベア2により搬送された筒体8が計量部A2に達すると、搬送の過程において、筒体8内に投入された固形物bの質量を計量するもの(第2の工程)で、図8、図9に示したように、固形物bの質量が計量器4により計量され、直接的には筒体8と固形物bの合計質量が計量されるが、既定の筒体8の質量を差し引けば、固形物bの質量を算出することができる。
【0028】
なお、計量された固形物bの質量が所定の範囲内にあれば、そのまま次工程に移るのに対し、所定の範囲外であれば、コンベア2から取り除くか、または、手動または自動機(不図示)を用い、所定の質量よりも少ないときには固形物bを筒体8内に補充し、所定の質量よりも多いときには固形物bを筒体8内から減量し、所定範囲内となるように調整するようにしてもよい。
【0029】
そして、固形物bの質量を計量(第2の工程)した後、コンベア2により搬送された筒体8が二次充填部A3に達すると、搬送の過程において、走路1の一部を退避させて筒体8の下端開口部82を開放し、該下端開口部82の下方に位置する容器9の中に固形物bを落下して充填させるもの(第3の工程)で、具体的には、図11(a)、(b)に示したように、筒体8の下端に当接している仕切り板51を進退手段54により退避させ、下端開口部82の開放により収納空間83内に収納されている固形物bが自重により落下し、容器9内に充填される。なお、このとき、押込み手段53を作動させて押込み部材54により固形物bを容器9内に強制的に押し込むと、より一層確実に固形物bを該容器9に充填することができる。
【0030】
そして、固形物bを容器9に充填した後、この容器9は、図1に示したように、メインラインBにより搬送され、図示していない液体注入工程やヒートシール工程などに引き継がれる。
【0031】
ところで、上述した実施例にあっては、4個の仮容器7、筒体8、容器9を1単位として操作する例について示したが、1個を1単位としたり、4個以外の複数個を1単位として操作するようにしてもよい。
【0032】
また、上述した実施例にあっては、押込み手段35、53を設けた例について示したが、いずれか一方を設けたり、両方が無いものであっても構わない。
【符号の説明】
【0033】
A 固形物充填装置
A1 一次充填部
A2 計量部
A3 二次充填部
b 固形物
1 走路
2 コンベア
31 ターンテーブル
33 仕切り板
4 計量器
51 仕切り板
7 仮容器
8 筒体
9 容器
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器の中に所定量の固形物を充填する固形物充填方法に係り、特に、筒体の上端開口部を介して筒体内に固形物を投入する第1の工程と、この第1の工程の後、搬送の過程において、筒体内に投入された固形物の質量を計量する第2の工程と、この第2の工程の後、搬送の過程において、走路の一部を退避させて筒体の下端開口部を開放し、該下端開口部の下方に位置する容器の中に固形物を落下して充填させる第3の工程とを備えているものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、フレーク状の肉、杏仁豆腐、皮剥き蜜柑など、所定量の固形物を含む食材等を容器の中に充填するような固形物の充填工程にあっては、先行技術文献には特にないが、例えば、計量容器の中に概量の固形物を充填し、計量して所定量に調整した後、計量容器を上下反転させて該計量容器の開口部を下に向け、下方に位置する容器の中に固形物を投入して充填するような方法が採られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述したような固形物の充填方法にあっては、計量後に計量容器を反転させる分、装置が複雑になり、しかも、反転の動作速度を速めると、固形物が容器から零れ落ちてしまう危険性が増大する。
【0004】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に係る発明は、上部が水平面で構成された走路上に、上下方向に開口部を有する略円筒状の筒体の下端を当接させて該筒体の下端開口部を閉塞し、前記筒体を、前記走路上を滑動するようにして搬送するコンベアにあって、前記搬送の過程において、前記筒体の上端開口部を介して前記筒体内に固形物を投入する第1の工程と、この第1の工程の後、前記搬送の過程において、前記筒体内に投入された前記固形物の質量を計量する第2の工程と、この第2の工程の後、前記搬送の過程において、前記走路の一部を退避させて前記筒体の前記下端開口部を開放し、該下端開口部の下方に位置する容器の中に前記固形物を落下して充填させる第3の工程と、を備えている固形物充填方法である。
【0006】
請求項2に係る発明は、請求項1記載の固形物充填方法において、コンベアにおける筒体の搬送は、該筒体の胴部を包囲する環状の保持体により行われ、前記保持体の内径は、前記筒体の外形よりも大きくなるように形成され、前記筒体は、前記保持体内を昇降自在となるように保持されているものである。
【0007】
請求項3に係る発明は、請求項1または2記載の固形物充填方法において、第2の工程において、所定の質量よりも少ないときには固形物を筒体内に補充し、所定の質量よりも多いときには固形物を筒体内から減量するものである。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に記載の固形物充填方法によれば、上部が水平面で構成された走路上に、上下方向に開口部を有する略円筒状の筒体の下端を当接させて該筒体の下端開口部を閉塞し、前記筒体を、前記走路上を滑動するようにして搬送するコンベアにあって、前記搬送の過程において、前記筒体の上端開口部を介して前記筒体内に固形物を投入する第1の工程と、この第1の工程の後、前記搬送の過程において、前記筒体内に投入された前記固形物の質量を計量する第2の工程と、この第2の工程の後、前記搬送の過程において、前記走路の一部を退避させて前記筒体の前記下端開口部を開放し、該下端開口部の下方に位置する容器の中に前記固形物を落下して充填させる第3の工程と、を備えているため、筒体を反転させることなく固形物を容器内に移し替えることができ、装置を簡素化することができると共に、迅速かつ容易に充填することができる。
【0009】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1記載の固形物充填方法の効果に加え、コンベアにおける筒体の搬送は、該筒体の胴部を包囲する環状の保持体により行われ、前記保持体の内径は、前記筒体の外形よりも大きくなるように形成され、前記筒体は、前記保持体内を昇降自在となるように保持されているため、筒体を保持体に保持させた状態で、簡便に固形物の質量を計量することができる。
【0010】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1または2記載の固形物充填方法の効果に加え、第2の工程において、所定の質量よりも少ないときには固形物を筒体内に補充し、所定の質量よりも多いときには固形物を筒体内から減量するため、固形物を容器に移す前に該固形物の質量を計量することができ、確実に適正量の固形物を容器に充填することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の固形物充填方法を実施するための固形物充填装置の一例を示した概略的平面図である。
【図2】図1の概略的正面図である。
【図3】図1のコンベアを拡大して示した概略図であり、図3(a)は平面図を、図3(b)は一部を破断した正面図を、それぞれ示している。
【図4】図1の筒体とコンベアと走路との関係を示した概略的斜視図である。
【図5】図1の一次充填部を示した概略的平面図である。
【図6】図5の概略的正面図であり、一部を破断して示したものである。
【図7】図6の一部を拡大して示した概略的一部断面図であり、図7(a)は固形物投入前の状態を、図7(b)は固形物投入後の状態を、それぞれ示している。
【図8】図1の計量部を拡大して示した概略図であり、一部を破断したものである。
【図9】図1の計量部を拡大して示した概略図であり、一部を破断したものである。
【図10】図1の二次充填部を示した概略的正面図であり、一部を破断したもので、図10(a)は固形物充填前の状態を、図10(b)は固形物充填後の状態を、それぞれ示している。
【図11】図1の二次充填部を拡大して示した概略図であり、図11(a)は図10のX1―X1線で切断したものを、図11(b)は図10のX2―X2線で切断したものを、それぞれ示している。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の固形物充填方法の一実施例について、図1〜図11を参照して説明する。図1、図2において、Aは、本発明の固形物充填方法を実施するための固形物充填装置であり、固形物充填装置Aは、コンベア2による搬送過程において固形物を容器に充填するもので、概略的に、一次充填部A1と、計量部A2と、二次充填部A3とにより構成されている。
【0013】
まず、コンベア2について説明すると、図4に示したように、このコンベア2は、上部が水平面で構成された走路1上に、上下方向に開口部を有する略円筒状の筒体8の下端を当接させて該筒体8の下端開口部82を閉塞し、筒体8を、走路1上を滑動するようにして搬送するもので、例えば、図3(a)、(b)に示したように、筒体8を抱持する保持体21と、隣り合う保持体21、21どうしを接続するボルトナットなどの接続部材22とを有し、図1に示したように、これら複数の保持体21、21、・・・が、ループ状に連結されている。
【0014】
なお、前述の保持体21は、図4に示したように、筒体8の胴部を包囲する環状のものであって、その内径が、筒体8の外形よりも大きくなるように形成され、筒体8は、保持体21内を昇降自在となるように保持され、該筒体8の下端が自重により走路1に当接し、下端開口部82を確実に閉塞して凹状の収納空間83を形成するようにするのが好ましい。
【0015】
前記した一次充填部A1は、図5、図6に示したように、筒体8が挿入されたコンベア2と、このコンベア2上に位置するターンテーブル31とにより構成されている。ターンテーブル31には、同図に示したように、円周に沿って該円周近傍に複数の仮容器7が配設されている。
【0016】
そして、ターンテーブル31は、図2に示したように、固形物充填装置A内に設けられた回転手段30により回転し、このターンテーブル31に設けられた仮容器7の直下において、走路1を介して筒体8が位置するもので、これら仮容器7および筒体8は、連動して回転するように構成されている。
【0017】
また、このターンテーブル31には固形物bを供給するための固形物供給ノズル32が併設されており、図示していない固形物貯留タンクからターンテーブル31上に固形物bが供給される。
【0018】
図5において、37は、仮容器7内の余剰な固形物bを除去するすり切り板を、38は、ターンテーブル31の中心付近に集積された固形物bを仮容器7方向に片寄せる片寄せ板を、それぞれ示している。
【0019】
また、33は仕切り板であり、この仕切り板33は走路1の一部を成し、仮容器7内の固形物bを筒体8に投入できるように、進退手段34により進退できるように取り付けられている。進退手段34は、図6に示したように、仕切り板33に取り付けられたピストン341と、このピストン341を駆動するシリンダ342とにより構成されている。なお、この仕切り板33は、好適には、多数の仮容器7、7、・・内の固形物bを同時に筒体8、8、・・に投入できるように、複数の筒体8、8、・・に跨るように設けられている。
【0020】
また、図2において、35は、押込み手段であり、押込み手段35は、ターンテーブル31の仕切り板33上方に設けられ、図6に示したように、ピストン351と、このピストン351を駆動するシリンダ352と、ピストン351の先端部に取り付けられた接続部材353と、この接続部材353の下端に取り付けられた押込み部材36とにより構成されているもので、ピストン351の下降により、この押込み部材36が仮容器7内の固形物bを筒体8内に押し込んで投入する。
【0021】
前記した計量部A2は、筒体8の搬送の過程において、該筒体8内に投入された固形物bの質量を正確に計量するもので、図8に示したように、走路1の一部を成すと共に筒体8を載置する載置板1’と、この載置板1’の下部に取り付けられた計量器4とにより構成されている。なお、この計量器4は、好適には、多数の筒体8、8、・・内の固形物bを同時に計量できるように、図9に示したように、コンベア2の進行方向に沿って複数配列されている。
【0022】
前記した二次充填部A3は、筒体8の搬送の過程において、走路1の一部を退避させて筒体8の下端開口部82を開放し、該下端開口部82の下方に位置する容器9の中に固形物bを落下して充填させるもので、図1、図10(a)、図11(a)、(b)に示したように、仕切り板51が設けられ、この仕切り板51は、走路1の一部を成すと共に、進退手段52により筒体8の下端開口部82を開閉可能となるように取り付けられている。進退手段52は、図11(a)に示したように、仕切り板51に取り付けられたピストン521と、このピストン521を駆動するシリンダ522とにより構成されている。なお、この仕切り板51は、好適には、多数の筒体8、8、・・内の固形物bを同時に容器9、9、・・に充填できるように、複数の筒体8、8、・・に跨るように設けられている(図10(a)参照)。
【0023】
また、図2、図10(a)、(b)において、53は、押込み手段であり、押込み手段53は、コンベア2の上方に設けられ、図10(a)、(b)に示したように、ピストン531と、このピストン531を駆動するシリンダ532と、ピストン531に取り付けられた取付部材533と、この取付部材533の下端に取り付けられた押込み部材54とにより構成されているもので、ピストン531の下降により、この押込み部材54が筒体8内の固形物bを容器9内に押し込んで充填する。
【0024】
次に、上述したように構成される固形物充填装置Aを用いた固形物充填方法について、図5等を参照して説明する。まず、図5に示したように、ターンテーブル31をコンベア2と同期回転させ、固形物供給ノズル32から固形物bをターンテーブル31上に供給する。
【0025】
そして、供給された固形物bは仮容器7に投入され、ターンテーブル31が同図矢印方向へ回転することにより、仮容器7から盛り出した余剰な固形物bは、すり切り板37により除去され、概量が仮容器7内に収容される。
【0026】
そして、仮容器7が一次充填部A1に搬送され、搬送の過程において、筒体8の上端開口部81を介して筒体8内に固形物bを投入するもの(第1の工程)で、図7(a)、(b)に示したように、下方に当接している仕切り板33を進退手段34により退避させると、仮容器7内の固形物bが筒体8内の収納空間83内に自重により落下して投入される。なお、このとき、押込み手段35を作動させて押込み部材36により固形物bを筒体8内に強制的に押し込むと、より一層確実に固形物bを移し替えることができる。
【0027】
そして、固形物bを筒体8へ投入(第1の工程)した後、コンベア2により搬送された筒体8が計量部A2に達すると、搬送の過程において、筒体8内に投入された固形物bの質量を計量するもの(第2の工程)で、図8、図9に示したように、固形物bの質量が計量器4により計量され、直接的には筒体8と固形物bの合計質量が計量されるが、既定の筒体8の質量を差し引けば、固形物bの質量を算出することができる。
【0028】
なお、計量された固形物bの質量が所定の範囲内にあれば、そのまま次工程に移るのに対し、所定の範囲外であれば、コンベア2から取り除くか、または、手動または自動機(不図示)を用い、所定の質量よりも少ないときには固形物bを筒体8内に補充し、所定の質量よりも多いときには固形物bを筒体8内から減量し、所定範囲内となるように調整するようにしてもよい。
【0029】
そして、固形物bの質量を計量(第2の工程)した後、コンベア2により搬送された筒体8が二次充填部A3に達すると、搬送の過程において、走路1の一部を退避させて筒体8の下端開口部82を開放し、該下端開口部82の下方に位置する容器9の中に固形物bを落下して充填させるもの(第3の工程)で、具体的には、図11(a)、(b)に示したように、筒体8の下端に当接している仕切り板51を進退手段54により退避させ、下端開口部82の開放により収納空間83内に収納されている固形物bが自重により落下し、容器9内に充填される。なお、このとき、押込み手段53を作動させて押込み部材54により固形物bを容器9内に強制的に押し込むと、より一層確実に固形物bを該容器9に充填することができる。
【0030】
そして、固形物bを容器9に充填した後、この容器9は、図1に示したように、メインラインBにより搬送され、図示していない液体注入工程やヒートシール工程などに引き継がれる。
【0031】
ところで、上述した実施例にあっては、4個の仮容器7、筒体8、容器9を1単位として操作する例について示したが、1個を1単位としたり、4個以外の複数個を1単位として操作するようにしてもよい。
【0032】
また、上述した実施例にあっては、押込み手段35、53を設けた例について示したが、いずれか一方を設けたり、両方が無いものであっても構わない。
【符号の説明】
【0033】
A 固形物充填装置
A1 一次充填部
A2 計量部
A3 二次充填部
b 固形物
1 走路
2 コンベア
31 ターンテーブル
33 仕切り板
4 計量器
51 仕切り板
7 仮容器
8 筒体
9 容器
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部が水平面で構成された走路上に、上下方向に開口部を有する略円筒状の筒体の下端を当接させて該筒体の下端開口部を閉塞し、前記筒体を、前記走路上を滑動するようにして搬送するコンベアにあって、
前記搬送の過程において、前記筒体の上端開口部を介して前記筒体内に固形物を投入する第1の工程と、
この第1の工程の後、前記搬送の過程において、前記筒体内に投入された前記固形物の質量を計量する第2の工程と、
この第2の工程の後、前記搬送の過程において、前記走路の一部を退避させて前記筒体の前記下端開口部を開放し、該下端開口部の下方に位置する容器の中に前記固形物を落下して充填させる第3の工程と、
を備えていることを特徴とする固形物充填方法。
【請求項2】
コンベアにおける筒体の搬送は、該筒体の胴部を包囲する環状の保持体により行われ、前記保持体の内径は、前記筒体の外形よりも大きくなるように形成され、前記筒体は、前記保持体内を昇降自在となるように保持されていることを特徴とする請求項1記載の固形物充填方法。
【請求項3】
第2の工程において、所定の質量よりも少ないときには固形物を筒体内に補充し、所定の質量よりも多いときには固形物を筒体内から減量することを特徴とする請求項1または2記載の固形物充填方法。
【請求項1】
上部が水平面で構成された走路上に、上下方向に開口部を有する略円筒状の筒体の下端を当接させて該筒体の下端開口部を閉塞し、前記筒体を、前記走路上を滑動するようにして搬送するコンベアにあって、
前記搬送の過程において、前記筒体の上端開口部を介して前記筒体内に固形物を投入する第1の工程と、
この第1の工程の後、前記搬送の過程において、前記筒体内に投入された前記固形物の質量を計量する第2の工程と、
この第2の工程の後、前記搬送の過程において、前記走路の一部を退避させて前記筒体の前記下端開口部を開放し、該下端開口部の下方に位置する容器の中に前記固形物を落下して充填させる第3の工程と、
を備えていることを特徴とする固形物充填方法。
【請求項2】
コンベアにおける筒体の搬送は、該筒体の胴部を包囲する環状の保持体により行われ、前記保持体の内径は、前記筒体の外形よりも大きくなるように形成され、前記筒体は、前記保持体内を昇降自在となるように保持されていることを特徴とする請求項1記載の固形物充填方法。
【請求項3】
第2の工程において、所定の質量よりも少ないときには固形物を筒体内に補充し、所定の質量よりも多いときには固形物を筒体内から減量することを特徴とする請求項1または2記載の固形物充填方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−162279(P2012−162279A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−22391(P2011−22391)
【出願日】平成23年2月4日(2011.2.4)
【出願人】(512096344)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月4日(2011.2.4)
【出願人】(512096344)
【Fターム(参考)】
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