説明

固形物用保護キャップおよびこれを用いた固形物用容器ならびに緩衝材

【課題】嵩張ることがなく、容器内に収容した固形物の上部の空隙の大きさに応じて、伸張状態を維持し、固形物の破損損傷を防止することができ、取り出しの際にも同時に固形物が容器内から外部にこぼれ落ちてしまうことがない固形物用保護キャップを提供する。
【解決手段】容器の口部に脱着自在に装着される筒状の保護キャップ本体と、保護キャップ本体の底部を構成する保護緩衝部とを備え、保護緩衝部が、保護キャップ本体の下端から内周側に延設され、同心円状に水平方向に形成した蛇腹形状の伸縮調整部と、伸縮調整部の中心部に位置する中央先端部とを備え、伸縮調整部が水平位置に折り畳まれた状態となった折り畳み位置と、保護キャップ本体から下方に伸張状態で突出するように、伸縮調整部を伸張させた状態の保護緩衝位置との間で伸縮自在に構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固形物を収容した容器において、固形物が容器内で移動するのを防止して、固形物の破損損傷を防止するための固形物用保護キャップおよびこれを用いた固形物用容器に関する。
【0002】
また、本発明は、多段階的に伸縮する調整部位の単体で伸び縮みして、箱等の中の空隙を埋めるための緩衝材、複数の多段階的に伸縮する調整部位を配列して有する板状の緩衝材であって、例えば、特殊な形の徳利やワイングラス等用の緩衝材として、その形状に合わせて使用できる緩衝材に関する。
【背景技術】
【0003】
従来、例えば、錠剤、カプセル剤などの薬品類、チョコレート、キャンディー、ガムなどの粒状の菓子類などの固形物を収容した容器において、運搬時、保管時などにおいて、固形物が容器内で移動するのを抑制して、固形物の破損損傷を防止する方法としては、発泡樹脂からなる緩衝材、ポリエチレンなどのプラスチックシートを丸めた緩衝材、空気を封入したビニール製の緩衝材、ネット形状の緩衝材などを容器内に挿入する方法が提案されている。
【0004】
しかしながら、これらの緩衝材を容器内に緩衝材として充填するには、容器内に収容した固形物の上部の空隙の大きさに応じて、緩衝材の大きさを調整しなければならず、手間や時間がかかることになる。
【0005】
また、使用の際に、容器内からこれらの緩衝材を取り出す作業は煩雑であり、しかも緩衝材を容器から取り出す際に、緩衝材とともに、同時に固形物も容器内から外部にこぼれ落ちてしまうことがある。
【0006】
このため、特許文献1(実開昭58−94679号公報)、特許文献2(特開2003−63566号公報)では、伸縮可能な蛇腹形状の包装用緩衝材が提案されている。
例えば、特許文献2の包装用緩衝材では、図27に示したような構造の緩衝材100が開示されている。
【0007】
この緩衝材100は、筒状部102を備えており、この筒状部102は、容器104の口部106に嵌合する頭部108と、頭部108から下方に延設され、軸方向に伸縮可能に複数段の蛇腹111が形成された胴部112と、胴部112から延設され、筒状部102の一端を閉じる底部114とから構成されている。
【0008】
これにより、緩衝材100を容器104の口部106に挿着した際に、この蛇腹111が軸方向に伸縮可能であるので、容器104内に収容した固形物116の上部の空隙118の大きさに応じて変形して、空隙を充填できるものである。
【0009】
また、胴部112が先端に向って縮径した形状であるので、緩衝材100を容器104から取り出す際に、緩衝材100とともに、同時に固形物も容器104内から外部にこぼれ落ちてしまうことが防止されるようになっている。
【特許文献1】実開昭58−94679号公報
【特許文献2】特開2003−63566号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献1、2に開示されているような、従来の伸縮可能な蛇腹形状の包装用緩衝材100では、蛇腹111を折り畳んだ状態でも、胴部112が、頭部108より下方に突出した状態であるので、保管、運搬などの際に嵩張ることになる。
【0011】
また、容器104内に収容した固形物116の上部の空隙118の大きさに応じて、蛇腹111の伸張状態を維持するストッパー機能を有しないので、運搬中などの振動などによって、固形物116により上方への力がかかった場合には、この蛇腹111が折り畳まれた状態となって、空隙が生じて、固形物116の容器104内での移動を完全に抑えることができず、固形物116を破損損傷するおそれがある。
【0012】
また、蛇腹111の凹凸の大きさを、容器104内に収容した固形物116の大きさに応じて設定しなければ、緩衝材100を容器104から取り出す際に、蛇腹111の凹凸部分に、固形物116がひっかかり、緩衝材100とともに、同時に固形物も容器104内から外部にこぼれ落ちてしまうことがあり、サイズの異なる固形物116に使用できず、汎用性がないものである。
【0013】
このように胴部110に蛇腹111が鉛直方向に形成されている場合には、蛇腹111の凹凸が邪魔になるので、射出成形金型が使えず、射出成形(インジェクション成形)を行うことが困難で、ブロー成形で製造することになり、コストが高くつき、成形精度にも劣ることになる。
【0014】
本発明は、このような現状に鑑み、保管、運搬などの際に嵩張ることがなく、しかも、容器内に収容した固形物の上部の空隙の大きさに応じて、伸張状態を維持するストッパー機能を有し、これにより、運搬中などの振動などによって、固形物により上方への力がかかった場合にも、空隙が生じず、固形物の容器内での移動を完全に抑えることができ、固形物の破損損傷を防止することができる固形物用保護キャップおよびこれを用いた固形物用容器を提供することを目的とする。
【0015】
また、本発明は、取り出しの際にも同時に固形物が容器内から外部にこぼれ落ちてしまうことがなく、さらには、サイズの異なる固形物に使用でき、汎用性を有し、コストを低減することができる固形物用保護キャップおよびこれを用いた固形物用容器を提供することを目的とする。
【0016】
さらに、本発明は、射出成形金型を用いて、射出成形(インジェクション成形)を行うことができ、コストを低減できるとともに、成形精度に優れた固形物用保護キャップおよびこれを用いた固形物用容器を提供することを目的とする。
【0017】
また、本発明は、多段階的に伸縮する調整部位の単体で伸び縮みして、箱等の中の空隙を埋めるための緩衝材、複数の多段階的に伸縮する調整部位を配列して有する板状の緩衝材であって、例えば、特殊な形の徳利やワイングラス等用の緩衝材として、その形状に合わせて使用できる緩衝材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明は、前述したような従来技術における課題及び目的を達成するために発明されたものであって、本発明の固形物用保護キャップは、固形物を収容した容器の口部に、容器内に収容した固形物を保護するための固形物用保護キャップであって、
底部を構成する保護緩衝部を備え、
前記保護緩衝部が、
下端から内周側に延設され、同心円状に水平方向に形成した蛇腹形状の伸縮調整部を備
え、
前記保護緩衝部が、
底部面を形成するように、伸縮調整部が水平位置に折り畳まれた状態となった折り畳み位置と、
下方に伸張状態で突出するように、伸縮調整部を伸張させた状態で、先端側に向って漸次径が小さくなり、容器内に収容した固形物を保護する保護緩衝位置と、
の間で伸縮自在に構成されていることを特徴とする。
【0019】
また、本発明の固形物用保護キャップは、
前記容器の口部に脱着自在に装着される筒状の保護キャップ本体と、
前記保護キャップ本体の底部を構成する保護緩衝部とを備え、
前記保護緩衝部が、
前記保護キャップ本体の下端から内周側に延設され、同心円状に水平方向に形成した蛇腹形状の伸縮調整部と、
前記伸縮調整部の中心部に位置する中央先端部と、
を備え、
前記保護緩衝部が、
前記保護キャップ本体の底部として、底部面を形成するように、伸縮調整部が水平位置に折り畳まれた状態となった折り畳み位置と、
前記保護キャップ本体から下方に伸張状態で突出するように、伸縮調整部を伸張させた状態で、先端側に向って漸次径が小さくなり、容器内に収容した固形物を保護する保護緩衝位置と、
の間で伸縮自在に構成されていることを特徴とする。
【0020】
このように構成することによって、保護緩衝部の伸縮調整部が、保護キャップ本体の下端から内周側に延設され、同心円状に水平方向に形成した蛇腹形状であるので、折り畳み位置では、伸縮調整部が水平位置に折り畳まれた状態となり、保護キャップ本体の底部として、底部面を形成することになる。
【0021】
従って、折り畳み位置では、伸縮調整部が水平位置に折り畳まれた状態であるので、保管、運搬などの際に嵩張ることがない。しかも、伸縮調整部を水平位置に折り畳まれた状態では、伸縮調整部を伸張させた状態とするには、通常の蛇腹の伸縮方向とは垂直な方向の力が必要であるので、この折り畳み状態を維持することができる。
【0022】
また、伸縮調整部が、保護キャップ本体の下端から内周側に延設され、同心円状に水平方向に形成した蛇腹形状であるので、いったん、伸縮調整部を伸張させた状態では、再び折り畳み状態とするには、通常の蛇腹の伸縮方向とは垂直な方向の力が必要であるので、ある程度の力が必要である。
【0023】
従って、容器内に収容した固形物の上部の空隙の大きさに応じて、伸張状態を維持するストッパー機能を有し、これにより、運搬中などの振動などによって、固形物により上方への力がかかった場合にも、簡単に折り畳んだ状態とならず、空隙が生じず、固形物の容器内での移動を完全に抑えることができ、固形物の破損損傷を防止することができる。
【0024】
さらに、保護緩衝位置では、先端側に向って漸次径が小さくなるので、取り出しの際にも、従来のように蛇腹部に固形物がひっかかることがなく、同時に固形物が容器内から外部にこぼれ落ちてしまうことがない。
【0025】
しかも、従来のように蛇腹状の凹凸が存在しないので、サイズの異なる固形物に使用でき、汎用性を有し、コストを低減することができる。
さらに、従来のように縦方向に蛇腹が存在するのではなく、水平方向に蛇腹形状の伸縮調整部が存在するので、蛇腹形状が邪魔にならず、上下一対の金型からなる射出成形金型を用いて、折り畳み位置にある状態で射出成形(インジェクション成形)を行うことができ、1ケース当たりの入り数が多くなることや成形後に折り畳み工程の必要がないので、コストを低減できるとともに、成形精度に優れた固形物用保護キャップを提供することができる。
【0026】
また、本発明の固形物用保護キャップは、前記蛇腹形状の伸縮調整部の蛇腹深さLと蛇腹形成角度αを、中央先端部側から外周側にわたって、略同一に形成したことを特徴とする。
このように構成することによって、保護キャップ本体から下方に伸張状態で突出するように、伸縮調整部を伸張させる際に、中心側の蛇腹形状の伸縮調整部を伸張するための力と、外周側の蛇腹形状の伸縮調整部を伸張するための力が略均一であるので、中心側から外側までの蛇腹形状の伸縮調整部が、略均一に伸張して、容器内に収容した固形物を保護する保護緩衝位置とすることができる。
【0027】
なお、上記のように、蛇腹深さLと蛇腹形成角度αを、略均一とする以外にも、漸次大小もしくは途中で変化することもでき、またこれらの何れの組合せであってもよいことはもちろんである。
【0028】
また、本発明の固形物用保護キャップは、前記蛇腹形状の伸縮調整部の蛇腹深さLを、中央先端部側の蛇腹深さLよりも、外周側の蛇腹深さLの方が漸次大きくなるように形成するとともに、
前記蛇腹形状の伸縮調整部の蛇腹形成角度αを、外周側の蛇腹形成角度αよりも、中央先端部側の蛇腹形成角度αの方が漸次大きくなるように形成したことを特徴とする。
【0029】
このように構成することによって、上記のように、蛇腹形状の伸縮調整部の蛇腹深さLと蛇腹形成角度αを、中央先端部側から外周側にわたって、略同一に形成した場合には、外周側や中心側などが関係なく伸張されることになるので、所望の一定した高さ(容積)の固形物用保護キャップを得ることができない。
【0030】
これに対して、上記のように構成することによって、最も中心側の蛇腹形状の伸縮調整部において、蛇腹深さLが小さく、かつ蛇腹形成角度αが大きくなり、中心側の蛇腹形状の伸縮調整部を伸張するための力が小さくなり、外周側の蛇腹形状の伸縮調整部において、蛇腹深さLが大きく、かつ蛇腹形成角度αが小さくなり、外周側の蛇腹形状の伸縮調整部を伸張するための力が漸次大きくなる。
【0031】
これによって、蛇腹形状の伸縮調整部が、中心側から外周側に徐々に伸長されることになり、所望の一定した高さ(容積)の固形物用保護キャップを得ることができる。
また、本発明の固形物用保護キャップは、前記蛇腹形状の伸縮調整部の蛇腹深さLを、外周側の蛇腹深さLよりも、中央先端部側の蛇腹深さLの方が漸次大きくなるように形成するとともに、
前記蛇腹形状の伸縮調整部の蛇腹形成角度αを、中央先端部側の蛇腹形成角度αよりも、外周側の蛇腹形成角度αの方が漸次大きくなるように形成したことを特徴とする。
【0032】
このように構成することによって、上記のように、蛇腹形状の伸縮調整部の蛇腹深さLと蛇腹形成角度αを、中央先端部側から外周側にわたって、略同一に形成した場合には、外周側や中心側などが関係なく伸張されることになるので、所望の一定した高さ(容積)の固形物用保護キャップを得ることができない。
【0033】
これに対して、上記のように構成することによって、外周側の蛇腹形状の伸縮調整部において、蛇腹深さLが小さく、かつ蛇腹形成角度αが大きくなり、外周側の蛇腹形状の伸縮調整部を伸張するための力が小さくなり、最も中心側の蛇腹形状の伸縮調整部において、蛇腹深さLが大きく、かつ蛇腹形成角度αが小さくなり、中心側の蛇腹形状の伸縮調整部を伸張するための力が漸次大きくなる。
【0034】
これによって、蛇腹形状の伸縮調整部が、外周側から中心側に徐々に伸長されることになり、所望の一定した高さ(容積)の固形物用保護キャップを得ることができる。
また、本発明の固形物用保護キャップは、前記折り畳み位置において、中央先端部が下方に突出した位置に位置するように形成されていることを特徴とする。
【0035】
このように構成することによって、折り畳み位置において、中央先端部が下方に突出した位置(すなわち、折り畳み部の下限位置)に位置し、外周側が中心側よりも高い位置に位置して、いわゆるすり鉢形状(逆側から見れば凸形状、以下同様である)となる。
【0036】
これによって、折り畳み部の下限位置がフラットになっているものよりも、さらに確実に、蛇腹形状の伸縮調整部において、中心部から外周部にかけて、または、外周部から中心部にかけて、伸長することが可能となる。なお、このすり鉢形状のままでも、錠剤緩衝効果を発揮することも可能である。
【0037】
また、本発明の固形物用保護キャップは、前記保護緩衝部に、スリットが形成されていることを特徴とする。
このように、保護緩衝部、例えば、蛇腹形状の伸縮調整部に、スリットが形成されていることによって、蛇腹形状の伸縮調整部を伸張、膨らませる際に、このスリット部分が干渉部分となって、円周方向の力が吸収され、蛇腹形状の伸縮調整部が伸張、膨らみやすくなる。
【0038】
また、例えば、本発明の固形物用保護キャップの内部(内側)に、乾燥剤を挿入・設置することで、このスリットから容器内部の湿度をコントロールすることができ、固形物が湿潤するのを防止することが可能となる。
【0039】
また、本発明の固形物用保護キャップは、前記保護緩衝位置が、蛇腹形状の伸縮調整部の伸縮程度を調整することによって、段階的な保護緩衝位置になるように構成されていることを特徴とする。
【0040】
このように保護緩衝位置が、蛇腹形状の伸縮調整部の伸縮程度を調整することによって、段階的な保護緩衝位置になるので、容器内に収容した固形物の量、残存量に応じて、すなわち、容器の上部の空隙の大きさに応じて、保護緩衝機能を十分に発揮される。
【0041】
また、本発明の固形物用保護キャップは、
前記伸縮調整部が、複数の肉厚の折り畳み片部から構成されるとともに、
これらの折り畳み片部同士の間の接合部、折り畳み片部と保護キャップ本体との間の接合部、伸縮調整部と中央先端部との間の接合部に、これらの接合部を折り畳み自在に連結する肉薄の連結部を備えることを特徴とする。
【0042】
このように構成することによって、複数の肉厚の折り畳み片部が機械的強度を有するので、これにより、容器内に収容した固形物の移動を防止して、破損損傷を防止する効果を有するとともに、これらの肉薄の連結部を折曲することによって、保護緩衝部の伸縮調整部を、折り畳み位置と保護緩衝位置との間で容易に伸縮させることができる。
【0043】
また、本発明の固形物用保護キャップは、前記連結部が、屈曲部を備え、この屈曲部により、前記保護緩衝部が、折り畳み位置と、保護緩衝位置において、これらの状態を保持できるように構成されていることを特徴とする。
【0044】
このように連結部が、屈曲部を備えているので、この屈曲部がバネのように作用して、折り曲げた状態と、伸ばした状態で保持でき、これにより、保護緩衝部が、折り畳み位置と、保護緩衝位置において、これらの状態を確実に保持することができる。
【0045】
さらに、この連結部の屈曲部のバネ効果は、複数の肉厚の折り畳み片部を径方向に変形させる効果を生み、保護キャップを伸ばした状態での容器内への装着時や、容器内への装着後に保護キャップを伸ばして行く際でも、固形物に対して最適な緩衝効果を与えることができる。
【0046】
従って、容器内に収容した固形物の上部の空隙の大きさに応じて、伸張状態を維持するストッパー機能を有し、これにより、運搬中などの振動などによって、固形物により上方への力がかかった場合にも、簡単に折り畳んだ状態とならず、空隙が生じず、固形物の容器内での移動を完全に抑えることができ、固形物の破損損傷を防止することができる。
また、本発明の固形物用保護キャップは、前記保護キャップ本体が、下方に向って漸次径が小さくなるように構成されていることを特徴とする。
【0047】
これによって、固形物用保護キャップを、容器に口部に挿入し易く、容器の口部内に保護キャップ本体の上部で嵌合して、挿着状態を確実に維持でき、運搬などの際の振動により抜け落ちることがなく、固形物の破損損傷を防止することができる。
【0048】
また、本発明の固形物用保護キャップは、前記保護緩衝部の中央先端部に、空気抜き孔が形成されていることを特徴とする。
このように保護緩衝部の中央先端部に、空気抜き孔が形成されているので、固形物用保護キャップを、容器に口部に挿入し易くなる。
【0049】
また、本発明の固形物用保護キャップは、前記保護キャップ本体の上端に、内周側に突設した操作片が形成されていることを特徴とする。
このように保護キャップ本体の上端に、内周側に突設した操作片が形成されているので、この操作片を指などで係止して、上方に引き抜くことによって、固形物用保護キャップを容器に口部から取り外す操作が容易となり便利である。
【0050】
また、本発明の固形物用保護キャップは、前記保護キャップ本体の上端に、外周側に突設され、容器の口部に係止する鍔部が形成されていることを特徴とする。
このように構成することによって、保護キャップ本体の上端の外周側に突設する鍔部によって、固形物用保護キャップを容器の口部に係止する、すなわち、固形物用保護キャップを容器の口部に嵌合した状態とすることができる。
【0051】
また、保護キャップ本体の上端の外周側に突設する鍔部を、治具などで支持した嵌合した状態とすることができる。
そして、この状態で、保護緩衝部を、上方から指、押し出し治具などで、中央先端部を下方に押すことによって、保護キャップ本体から下方に伸張状態で突出するように、伸縮調整部を伸張させた状態とした保護緩衝位置とすることができ、容器の口部に装着した使用する操作が簡単であり、確実に行え、非常に便利である。
【0052】
また、本発明の固形物用保護キャップは、前記保護キャップ本体に、軸方向に伸縮可能な複数段の軸方向の蛇腹が形成された軸方向蛇腹部を備えていることを特徴とする。
このように軸方向に伸縮可能な複数段の軸方向の蛇腹が形成された軸方向蛇腹部を備えることによって、軸方向蛇腹部に軸方向にクッション性が付与されるので、容器内において、より大きな空間容量にも対応することできる。
すなわち、容器内の固形物の量、残存量が大きく、空間容量が小さい場合には、軸方向蛇腹部の蛇腹を折り畳んだ状態(軸方向に縮んだ状態)とし、逆に、容器内の固形物の量、残存量が小さく、空間容量が大きい場合には、軸方向蛇腹部の蛇腹を軸方向に伸張させた状態とすることによって対応することができる。
【0053】
また、このように軸方向蛇腹部の蛇腹を操作することによって、容器内の空間容量に対応することができるので、容器内の固形物の充填量に応じて、異なるサイズの固形物用保護キャップを用意する必要がなく、また、同じロ径で異なる容量の容器にも同一の固形物用保護キャップを用いることによって対応することができる。
【0054】
また、本発明の固形物用保護キャップは、前記保護キャップ本体に、複数の軸方向のスリットが形成されていることを特徴とする。
このように構成することによって、保護キャップ本体自体が、内径方向に湾曲することにより、軸方向にクッション性が付与されるので、容器内において、より大きな空間容量にも対応することできる。
【0055】
すなわち、容器内の固形物の量、残存量が大きく、空間容量が小さい場合には、スリットが形成された保護キャップ本体自体を、内径方向により湾曲した状態と(軸方向に縮んだ状態)し、逆に、容器内の固形物の量、残存量が小さく、空間容量が大きい場合には、スリットが形成された保護キャップ本体自体を、内径方向への湾曲程度を減少させて、軸方向に伸張させた状態とすることによって対応することができる。
【0056】
また、このようにスリットが形成された保護キャップ本体を操作することによって、容器内の空間容量に対応することができるので、容器内の固形物の充填量に応じて、異なるサイズの固形物用保護キャップを用意する必要がなく、また、同じロ径で異なる容量の容器にも同一の固形物用保護キャップを用いることによって対応することができる。
【0057】
また、本発明の固形物用保護キャップは、前記保護キャップ本体の外周に、突部が形成されていることを特徴とする。
また、本発明の固形物用保護キャップは、前記突部が、軸方向に延設されているリブであることを特徴とすることを特徴とする。
【0058】
このように構成することによって、この突部、特に、軸方向のリブが、抜け止めリブとして機能して、保護キャップが外れず、緩みにくくなる。従って、容器の口部に固形物用保護キャップを装着した際に、外側のネジキャップを閉める工程までの間に、搬送時の振動などで、錠剤など固形物が揺られて、保護キャップを容器の口部側へ押し出すのを防止することができる。
【0059】
また、このリブは、容器口部の壁面とは線接触であるので、容器口部内への固形物用保護キャップの装着が容易で、しかも、容器口部から取り出し易くなる。
また、本発明の固形物用保護キャップは、前記保護キャップ本体と蛇腹形状の伸縮調整部との接合部に、水平受け部が形成されていることを特徴とする。
【0060】
このように構成することによって、保護キャップ本体と蛇腹形状の伸縮調整部との接合部の水平受け部を、治具などで支持した状態とすることができる。
そして、この状態で、保護緩衝部を、上方から指、押し出し治具などで、中央先端部を下方に押すことによって、保護キャップ本体から下方に伸張状態で突出するように、伸縮
調整部を伸張させた状態とした保護緩衝位置とすることができ、容器の口部に装着した使用する操作が簡単であり、確実に行え、非常に便利である。
【0061】
また、本発明の固形物用保護キャップは、固形物を収容した容器の口部に、容器内に収容した固形物を保護するための射出成形によって成形された固形物用保護キャップであって、
底部を構成する保護緩衝部を備え、
前記保護緩衝部が、射出成形方向にのみ凹凸部を有するように構成されていることを特徴とする。
【0062】
また、本発明の固形物用保護キャップは、前記容器の口部に脱着自在に装着される筒状の保護キャップ本体を備え、
前記保護緩衝部の凹凸部が、
前記保護キャップ本体の下端から内周側に延設され、同心円状に水平方向に形成した蛇腹形状の伸縮調整部と、
前記伸縮調整部の中心部に位置する中央先端部と、
を備え、
前記保護緩衝部が、
前記保護キャップ本体の底部として、底部面を形成するように、伸縮調整部が水平位置に折り畳まれた状態となった折り畳み位置と、
前記保護キャップ本体から下方に伸張状態で突出するように、伸縮調整部を伸張させた状態で、先端側に向って漸次径が小さくなり、容器内に収容した固形剤を保護する保護緩衝位置と、
の間で伸縮自在に構成されていることを特徴とする。
【0063】
このように構成することによって、保護キャップ本体の底部を構成する保護緩衝部が、射出成形方向にのみ凹凸部を有するので、凹凸部が射出成形の際に邪魔にならず、射出成形金型を用いて、射出成形(インジェクション成形)を行うことができ、大量生産が可能で、コストを低減することができる。
【0064】
また、本発明の固形物用保護キャップは、前記保護緩衝部の凹凸部が、
下端から内周側に延設され、同心円状に水平方向に形成した蛇腹形状の伸縮調整部を備え、
前記保護緩衝部が、
底部面を形成するように、伸縮調整部が水平位置に折り畳まれた状態となった折り畳み位置と、
下方に伸張状態で突出するように、伸縮調整部を伸張させた状態で、先端側に向って漸次径が小さくなり、容器内に収容した固形物を保護する保護緩衝位置と、
の間で伸縮自在に構成されていることを特徴とする。
【0065】
このように構成することによって、上記したよう射出成形(インジェクション成形)を行うことができ、大量生産が可能で、コストを低減することができるとともに、下記のような作用効果を奏することができる。
【0066】
また、本発明の緩衝材は、少なくとも一面部分が、伸縮自在な伸縮調整部を有する保護緩衝部を備えることを特徴とする。
また、本発明の緩衝材は、前記伸縮調整部が、多段階に伸縮調整可能に構成されていることを特徴とする。
【0067】
また、本発明の緩衝材は、前記伸縮調整部が、それぞれの保護緩衝部に、単数個または
複数個形成されていることを特徴とする。
また、本発明の緩衝材は、前記伸縮調整部が、内周側に延設され、同心円状に水平方向に形成した蛇腹形状の伸縮調整部を備え、
前記保護緩衝部が、
前記伸縮調整部が水平位置に折り畳まれた状態となった折り畳み位置と、
伸張状態で突出するように、伸縮調整部を伸張させた状態で、被保護物を保護する保護緩衝位置と、
の間で伸縮自在に構成されていることを特徴とする
このように構成することによって、多段階的に伸縮する調整部位の単体で伸び縮みして、箱等の中の空隙を埋めるための緩衝材、複数の多段階的に伸縮する調整部位を配列して有する板状の緩衝材であって、例えば、特殊な形の徳利やワイングラス等用の緩衝材として、その形状に合わせて使用できる緩衝材を提供することができる。
【発明の効果】
【0068】
本発明によれば、保護緩衝部の伸縮調整部が、保護キャップ本体の下端から内周側に延設され、同心円状に水平方向に形成した蛇腹形状であるので、折り畳み位置では、伸縮調整部が水平位置に折り畳まれた状態となり、保護キャップ本体の底部として、底部面を形成することになる。
【0069】
従って、折り畳み位置では、伸縮調整部が水平位置に折り畳まれた状態であるので、保管、運搬などの際に嵩張ることがない。しかも、伸縮調整部を水平位置に折り畳まれた状態では、伸縮調整部を伸張させた状態とするには、通常の蛇腹の伸縮方向とは垂直な方向な力が必要であるので、この折り畳み状態を維持することができる。
【0070】
また、伸縮調整部が、保護キャップ本体の下端から内周側に延設され、同心円状に水平方向に形成した蛇腹形状であるので、いったん、伸縮調整部を伸張させた状態では、再び折り畳み状態とするには、通常の蛇腹の伸縮方向とは垂直な方向な力が必要であるので、ある程度の力が必要である。
【0071】
従って、容器内に収容した固形物の上部の空隙の大きさに応じて、伸張状態を維持するストッパー機能を有し、これにより、運搬中などの振動などによって、固形物により上方への力がかかった場合にも、簡単に折り畳んだ状態とならず、空隙が生じず、固形物の容器内での移動を完全に抑えることができ、固形物の破損損傷を防止することができる
さらに、保護緩衝位置では、先端側に向って漸次径が小さくなるので、取り出しの際にも、従来のように蛇腹部に固形物がひっかかることがなく、同時に固形物が容器内から外部にこぼれ落ちてしまうことがない。
【0072】
しかも、従来のように蛇腹状の凹凸が存在しないので、サイズの異なる固形物に使用でき、汎用性を有し、コストを低減することができる。
さらに、従来のように縦方向に蛇腹が存在するのではなく、水平方向に蛇腹形状の伸縮調整部が存在するので、上下一対の金型からなる射出成形金型を用いて、射出成形(インジェクション成形)を行うことができ、コストを低減できるとともに、成形精度に優れた固形物用保護キャップを提供することができる。
【0073】
また、本発明によれば、保護キャップ本体から下方に伸張状態で突出するように、伸縮調整部を伸張させる際に、中心側の蛇腹形状の伸縮調整部を伸張するための力と、外周側の蛇腹形状の伸縮調整部を伸張するための力が略均一であるので、中心側から外側までの蛇腹形状の伸縮調整部が、略均一に伸張して、容器内に収容した固形物を保護する保護緩衝位置とすることができる。
【0074】
なお、上記のように、蛇腹深さLと蛇腹形成角度αを、略均一とする以外にも、漸次大小もしくは途中で変化することもでき、またこれらの何れの組合せであってもよく、これにより、容器内に収容した固形物を保護する保護緩衝位置とすることができる。
【0075】
また、本発明によれば、最も中心側の蛇腹形状の伸縮調整部において、蛇腹深さLが小さく、かつ蛇腹形成角度αが大きくなり、中心側の蛇腹形状の伸縮調整部を伸張するための力が小さくなり、外周側の蛇腹形状の伸縮調整部において、蛇腹深さLが大きく、かつ蛇腹形成角度αが小さくなり、外周側の蛇腹形状の伸縮調整部を伸張するための力が漸次大きくなる。
【0076】
これによって、蛇腹形状の伸縮調整部が、中心側から外周側に徐々に伸長されることになり、所望の一定した高さ(容積)の固形物用保護キャップを得ることができる。
さらに、本発明によれば、外周側の蛇腹形状の伸縮調整部において、蛇腹深さLが小さく、かつ蛇腹形成角度αが大きくなり、外周側の蛇腹形状の伸縮調整部を伸張するための力が小さくなり、最も中心側の蛇腹形状の伸縮調整部において、蛇腹深さLが大きく、かつ蛇腹形成角度αが小さくなり、中心側の蛇腹形状の伸縮調整部を伸張するための力が漸次大きくなる。
【0077】
これによって、蛇腹形状の伸縮調整部が、外周側から中心側に徐々に伸長されることになり、所望の一定した高さ(容積)の固形物用保護キャップを得ることができる。
また、本発明の固形物用保護キャップは、前記折り畳み位置において、中央先端部が下方に突出した位置に位置するように形成されていることを特徴とする。
【0078】
このように構成することによって、折り畳み位置において、中央先端部が下方に突出した位置(すなわち、折り畳み部の下限位置)に位置し、外周側が中心側よりも高い位置に位置して、いわゆるすり鉢形状となる。
【0079】
これによって、折り畳み部の下限位置がフラットになっているものよりも、さらに確実に、蛇腹形状の伸縮調整部において、中心部から外周部にかけて伸長することが可能となる。なお、このすり鉢形状のままでも、錠剤緩衝効果を発揮することも可能である。
【0080】
また、本発明によれば、蛇腹形状の伸縮調整部に、スリットが形成されていることによって、蛇腹形状の伸縮調整部を伸張、膨らませる際に、このスリット部分が干渉部分となって、円周方向の力が吸収され、蛇腹形状の伸縮調整部が伸張、膨らみやすくなる。
【0081】
また、例えば、本発明の固形物用保護キャップの内部(内側)に、乾燥剤を挿入・設置することで、このスリットから容器内部の湿度をコントロールすることができ、固形物が湿潤するのを防止することが可能となる。
【0082】
また、本発明によれば、保護キャップ本体の上端の外周側に突設する鍔部、保護キャップ本体と蛇腹形状の伸縮調整部との接合部の水平受け部を、治具などで支持した嵌合した状態とすることができる。
【0083】
そして、この状態で、保護緩衝部を、上方から指、押し出し治具などで、中央先端部を下方に押すことによって、保護キャップ本体から下方に伸張状態で突出するように、伸縮調整部を伸張させた状態とした保護緩衝位置とすることができ、容器の口部に装着した使用する操作が簡単であり、確実に行え、非常に便利である。
【0084】
また、本発明によれば、突部、特に、軸方向のリブが、抜け止めリブとして機能して、保護キャップが外れず、緩みにくくなる。従って、容器の口部に固形物用保護キャップを
装着した際に、外側のネジキャップを閉める工程までの間に、搬送時の振動などで、錠剤など固形物が揺られて、保護キャップを容器の口部側へ押し出すのを防止することができる。
【0085】
また、このリブは、容器口部の壁面とは線接触であるので、容器口部内への固形物用保護キャップの装着が容易で、しかも、容器口部から取り出し易くなる。
また、本発明によれば、保護キャップ本体の底部を構成する保護緩衝部が、射出成形方向にのみ凹凸部を有するので、凹凸部が射出成形の際に邪魔にならず、射出成形金型を用いて、射出成形(インジェクション成形)を行うことができ、大量生産が可能で、コストを低減することができる。
【0086】
さらに、本発明によれば、多段階的に伸縮する調整部位の単体で伸び縮みして、箱等の中の空隙を埋めるための緩衝材、複数の多段階的に伸縮する調整部位を配列して有する板状の緩衝材であって、例えば、特殊な形の徳利やワイングラス等用の緩衝材として、その形状に合わせて使用できる緩衝材を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0087】
以下、本発明の実施の形態(実施例)を図面に基づいてより詳細に説明する。
図1は、本発明のの固形物用保護キャップの折り畳み位置にある状態の縦断面図、図2は、図1の固形物用保護キャップの部分拡大断面図、図3は、図1の固形物用保護キャップのA方向矢視図、図4は、図1の固形物用保護キャップの保護緩衝位置にある状態の縦断面図、図5は、図1の固形物用保護キャップを固形物を収容した容器の口部に挿着した状態を示す縦断面図である。
【0088】
図1〜図5において、符号10は、全体で本発明の固形物用保護キャップを示している。
図5に示したように、固形物用保護キャップ10は、固形物12を収容した容器14の口部16に脱着自在装着されるものである。
【0089】
なお、このような固形物12としては、例えば、錠剤、カプセル剤などの薬品類、チョコレート、キャンディー、ガムなどの粒状の菓子類などの固形物などがあるが、何らこれに限定されるものではない。
【0090】
図1に示したように、固形物用保護キャップ10は、容器14の口部16に脱着自在に装着される筒状の保護キャップ本体18を備えている。
すなわち、この保護キャップ本体18は、容器14の口部16の内壁に脱着自在に嵌合されるもので、保護キャップ本体18の外径が、容器14の口部16の内径とほぼ同じか、僅かに大きくなるように設定されている。
【0091】
また、この実施例では、保護キャップ本体18の外径が、保護キャップ本体18の上端部20から、下端部22に向って、漸次その径が僅かに小さくなるように構成されている。
【0092】
これにより、保護キャップ本体18を、容器14の口部16内に挿着する際に、口部16の内壁と保護キャップ本体18の外壁との間の摩擦力を低減して、円滑に挿着することができるようになっている。
【0093】
なお、この保護キャップ本体18の軸方向の長さは、特に限定されるものではなく、容器14の口部16のサイズに応じて、適宜設定することができる。
さらに、保護キャップ本体18の下端部22は、その肉厚が大きくなっており、これに
より、この部分の機械的強度が大きくなっている。
【0094】
また、保護キャップ本体18の下端部22の隅角部分は、先端側に向って漸次径が小さい(内径側に傾斜した)テーパー面24が形成されており、これにより、保護キャップ本体18を容器14の口部16内に挿着する際に、容器14内に収容した固形物12をこのテーパー面24に沿って押し退けて、挿着が容易となるように構成されている。
【0095】
この保護キャップ本体18の下端部22には、保護キャップ本体18の底部を構成する保護緩衝部26を備えている。
この保護緩衝部26は、保護キャップ本体18の下端部22から内周側に延設され、同心円状に水平方向に形成した蛇腹形状の伸縮調整部25と、この伸縮調整部25の内周側に連結され、伸縮調整部25の中心部に位置する中央先端部30とから構成されている。
【0096】
すなわち、図1、図2に示したように、伸縮調整部25は、同心円状に水平方向に形成した蛇腹形状に配設された複数の肉厚の折り畳み片部28a〜28eと、これらの折り畳み片部28a〜28e同士の間の接合部を折り畳み自在に連結する肉薄の連結部32a〜32dとを備えている。
【0097】
また、図2に示したように、伸縮調整部25の折り畳み片部28aと保護キャップ本体の下端部22との間の接合部にも、これらの接合部を折り畳み自在に連結する肉薄の連結部32fを備えている。
【0098】
一方、中央先端部30は、略カップ形状であり、側壁部34と、底面36とから構成され、図1に示したように、底面36には、空気抜き孔38が形成されている。
このように保護緩衝部26の中央先端部30に、空気抜き孔38が形成されているので、固形物用保護キャップ10を、容器14の口部16に挿入し易くなる。
【0099】
また、中央先端部30の側壁部34の隅角部分は、先端側に向って漸次径が小さい(内径側に傾斜した)テーパー面23が形成されており、これにより、保護キャップ本体18を容器14の口部16内に挿着する際に、容器14内に収容した固形物12を、このテーパー面23に沿って押し退けて、挿着が容易となるように構成されている。
【0100】
また、伸縮調整部25の折り畳み片部28eと中央先端部30の側壁部34との間の接合部にも、これらの接合部を折り畳み自在に連結する肉薄の連結部32eを備えている。
これらの連結部32は、図2、図4のB、C部の拡大図に示したように、それぞれ蛇腹の外方側に屈曲した屈曲部40を備えている。
【0101】
これにより、この屈曲部40がバネのように作用して、後述するように、伸縮調整部25を折り曲げた状態と、伸ばした状態で保持でき、これにより、保護緩衝部が、折り畳み位置と、保護緩衝位置(後述する第1保護緩衝位置段階〜第3保護緩衝位置段階)において、これらの状態を確実に保持することができるようになっている。
【0102】
さらに、図1、図3、図5に示したように、保護キャップ本体18の上端部20は、開放端部となっており、この開放端部に、内周側に突設した操作片42が形成されている。
このように保護キャップ本体18の上端部20に、内周側に突設した操作片42が形成されているので、保護キャップ本体18の上端部20の開放端部を介して、この操作片42を指などで係止して、上方に引き抜くことによって、固形物用保護キャップ10を容器14の口部16から取り外す操作が容易となり便利である。
【0103】
なお、この実施例では、図3に示したように、3つの操作片42を、一定間隔離間(中
心角度120°)して形成したが、その数、配置位置などは特に限定されるものでない。
このように構成される本発明の固形物用保護キャップ10は、図1、図2に示した状態では、保護緩衝部26の蛇腹形状の伸縮調整部25が、保護キャップ本体18の底部として、底部面を形成するように、水平に折り畳まれた状態、すなわち、折り畳み位置となっている。
【0104】
この状態で、図2の一点差線に示したように、折り畳み片部28同士の先端のなす角度αが、好ましくは、5〜60°、より好ましくは、10〜30°になるように設定することによって、折り畳み位置を保持することができる。従って、この状態の固形物用保護キャップ10を保管、運搬などする際に、振動などによって、この折り畳み位置が解除されないようになっている。
【0105】
従って、折り畳み位置では、伸縮調整部25が水平位置に折り畳まれた状態であるので、保管、運搬などの際に嵩張ることがない。しかも、伸縮調整部25を水平位置に折り畳まれた状態では、伸縮調整部25を伸張させた状態とするには、連結部32の屈曲部40が、バネのように作用するので、通常の蛇腹の伸縮方向とは垂直な方向な力(図1のA方向)が必要であるので、この折り畳み状態を維持することができる。
【0106】
また、本発明の固形物用保護キャップ10は、図2に示したように、蛇腹形状の伸縮調整部25の蛇腹深さLと蛇腹形成角度αを、中央先端部30側から外周側にわたって、略同一に形成している。
【0107】
このように構成することによって、図4に示したように、保護キャップ本体18から下方に伸張状態で突出するように、伸縮調整部25を伸張させる際に、中心側の蛇腹形状の伸縮調整部25を伸張するための力と、外周側の蛇腹形状の伸縮調整部25を伸張するための力が略均一であるので、中心側から外側までの蛇腹形状の伸縮調整部25が、略均一に伸張して、容器14内に収容した固形物12を保護する保護緩衝位置とすることができる。
【0108】
なお、上記のように、蛇腹深さLと蛇腹形成角度αを、略均一とする以外にも、漸次大小もしくは途中で変化することもでき、またこれらの何れの組合せであってもよいことはもちろんである。
【0109】
そして、図1、図2に示した、折り畳み位置から、図1のA方向から、例えば、指などで、保護緩衝部26の中央先端部30を押すことによって、図4に示したように、保護キャップ本体18から下方に伸張状態で突出するように、伸縮調整部25を伸張させた状態で、先端側に向って漸次径が小さくなった状態の保護緩衝位置とする。
【0110】
なお、図6〜図7は、図1、図2の折り畳み位置から、図4、図5の保護緩衝位置までに至る過程を示す縦断面図を示している。なお、保護緩衝位置に至る伸縮調整部25の伸張順序はこれに限定されるものではない。
【0111】
そして、この保護緩衝位置の状態で、図5に示したように、保護キャップ本体18を、容器14の口部16内に挿着することによって、容器14内に収容した固形物12を保護することができる。
【0112】
この場合、本発明の固形物用保護キャップ10では、容器14内に収容した固形物12の量、残存量に応じて、すなわち、容器14の上部の空隙の大きさに応じて、保護緩衝機能を十分に発揮するために、図1、図2の折り畳み位置から、図4、図5の保護緩衝位置までに至る過程で、図6(C)に示したように、連結部32d、32eのみが伸張された
第1保護緩衝位置段階、図7(A)に示したように、連結部32c、32d、32eのみが伸張された第2保護緩衝位置段階、図7(C)(図4)に示したように、全ての連結部32a〜32fが伸張された第3保護緩衝位置段階のように、蛇腹形状の伸縮調整部25の伸縮程度を調整することによって、段階的な保護緩衝位置になるように構成されている。
【0113】
このように保護緩衝位置が、蛇腹形状の伸縮調整部25の伸縮程度を調整することによって、段階的な保護緩衝位置になるので、容器14内に収容した固形物12の量、残存量に応じて、すなわち、容器14の上部の空隙の大きさに応じて、保護緩衝機能を十分に発揮することができる。
【0114】
なお、この場合、この実施例では、保護緩衝位置を、第1保護緩衝位置段階〜第3保護緩衝位置段階の3段とするようにしたが、この段階の数は、伸縮調整部25の蛇腹形状の数、すなわち、折り畳み片部28、連結部32の数を変更することによって適宜変更することが可能である。
【0115】
このように構成される本発明の固形物用保護キャップ10では、伸縮調整部25が、保護キャップ本体18の下端部22から内周側に延設され、同心円状に水平方向に形成した蛇腹形状であるので、いったん、伸縮調整部25を伸張させた状態では、再び折り畳み状態とするには、連結部32の屈曲部40が、バネのように作用するので、通常の蛇腹の伸縮方向とは垂直な方向な力(図4のD方向)が必要であるので、ある程度の力が必要である。
【0116】
従って、容器14内に収容した固形物12の上部の空隙の大きさに応じて、伸張状態を維持するストッパー機能を有し、これにより、運搬中などの振動などによって、固形物により上方への力がかかった場合にも、簡単に折り畳んだ状態とならず、空隙が生じず、固形物の容器内での移動を完全に抑えることができ、固形物12の破損損傷を防止することができる。
【0117】
さらに、保護緩衝位置ではいずれも、先端側に向って漸次径が小さくなるので、取り出しの際にも、従来のように蛇腹部に固形物12がひっかかることがなく、同時に固形物12が容器14内から外部にこぼれ落ちてしまうことがない。
【0118】
しかも、従来のように蛇腹状の凹凸が存在しないので、サイズの異なる固形物12に使用でき、汎用性を有し、コストを低減することができる。
さらに、従来のように縦方向に蛇腹が存在するのではなく、水平方向に蛇腹形状の伸縮調整部25が存在するので、蛇腹形状が邪魔にならず、上下一対の金型からなる射出成形金型を用いて、折り畳み位置にある状態で射出成形(インジェクション成形)を行うことができ、1ケース当たりの入り数が多くなることや成形後に折り畳み工程の必要がないので、コストを低減できるとともに、成形精度に優れた固形物用保護キャップを提供することができる。
【0119】
なお、この場合、固形物用保護キャップ10としては、例えば、ポリエチレンなどの樹脂を使用できるが、容器14内に収容した固形物12の種類などに応じて、これ以外にも使用でき、特に限定されるものではい。
【0120】
なお、図5では、容器14の口部16に装着する外蓋を図示していないが、このような外蓋は、その形状、構造など、従来公知のものを採用することができ、何ら限定されるものではない。
【0121】
また、このように、本発明の固形物用保護キャップ10は、固形物12を収容した容器14の口部16に、容器14内に収容した固形物12を保護するための射出成形によって成形することができる固形物用保護キャップである。
【0122】
すなわち、容器14の口部16に脱着自在に装着される筒状の保護キャップ本体18と、保護キャップ本体18の底部を構成する保護緩衝部26とを備えており、保護緩衝部26が、射出成形方向にのみ凹凸部(すなわち、水平方向に蛇腹形状の伸縮調整部25、伸縮調整部25の中心部に位置する中央先端部30)を有するように構成されている。
【0123】
このように構成することによって、保護キャップ本体18の底部を構成する保護緩衝部26が、射出成形方向にのみ凹凸部を有するので、凹凸部が射出成形の際に邪魔にならず、射出成形金型を用いて、射出成形(インジェクション成形)を行うことができ、大量生産が可能で、コストを低減することができる。
【0124】
このような構成については、以下の実施例においても同様である。
図8は、本発明の別の実施例の固形物用保護キャップを固形物を収容した容器の口部に挿着した状態を示す縦断面図である。
【0125】
この実施例の固形物用保護キャップ10は、基本的には、図1〜図5に示した実施例の固形物用保護キャップと同様であるので、同じ構成部材には、同じ参照番号を付してその詳細な説明を省略する。
【0126】
この実施例の固形物用保護キャップ10は、図8に示したように、保護キャップ本体18の上端に、外周側に環状に突設され、容器14の口部16に係止する鍔部44が形成されている。
【0127】
このように構成することによって、保護キャップ本体18の上端の外周側に突設する鍔部44によって、固形物用保護キャップ10を容器14の口部16に係止する、すなわち、固形物用保護キャップ10を容器14の口部16に嵌合した状態とすることができる。
【0128】
そして、この状態で、保護緩衝部26を、図8の矢印Aで示したように、上方から指、図示しないが、別途押し出し治具などを用いて、中央先端部30を下方に押すことによって、保護キャップ本体18から下方に伸張状態で突出するように、伸縮調整部25を伸張させた状態とした保護緩衝位置とすることができ、容器14の口部16に装着した使用する操作が簡単であり、確実に行え、非常に便利である。
【0129】
また、保護キャップ本体18の上端の外周側に突設する鍔部44を、図示しないが、治具などで支持した状態とすることができる。そして、このように治具などで鍔部4を支持した状態で、上方から指、図示しないが、別途押し出し治具を用いて、中央先端部30を下方に押すことによって、保護キャップ本体18から下方に伸張状態で突出するように、伸縮調整部25を伸張させた状態とした保護緩衝位置とすることができ、この状態の固形物用保護キャップ10を、容器14の口部16に装着して使用することができる。
【0130】
なお、この実施例では、鍔部44を、保護キャップ本体18の上端で外周側に環状に突設するようにしたが、複数の鍔部44を一定間隔離間して、保護キャップ本体18の上端に形成するようにしてもよい。
【0131】
図9は、本発明の別の実施例の固形物用保護キャップの保護緩衝位置状態の斜視図、図10は、図9の固形物用保護キャップの側面図、図11は、図9の固形物用保護キャップを固形物を収容した容器の口部に挿着した状態を示す縦断面図である。
【0132】
この実施例の固形物用保護キャップ10は、基本的には、図1〜図5に示した実施例の固形物用保護キャップと同様であるので、同じ構成部材には、同じ参照番号を付してその詳細な説明を省略する。
【0133】
この実施例の固形物用保護キャップ10は、図9〜図11に示したように、保護キャップ本体18に、軸方向に伸縮可能な複数段の軸方向の蛇腹46が形成された軸方向蛇腹部48を備えている。
【0134】
このように軸方向に伸縮可能な複数段の軸方向の蛇腹46が形成された軸方向蛇腹部48を備えることによって、軸方向蛇腹部48に軸方向にクッション性が付与されるので、容器14内において、より大きな空間容量にも対応することできる。
すなわち、容器14内の固形物12の量、残存量が大きく、空間容量が小さい場合には、軸方向蛇腹部48の蛇腹46を折り畳んだ状態(軸方向に縮んだ状態)とし、逆に、容器14内の固形物12の量、残存量が小さく、空間容量が大きい場合には、軸方向蛇腹部48の蛇腹46を軸方向に伸張させた状態とすることによって対応することができる。
【0135】
また、このように軸方向蛇腹部48の蛇腹46を操作することによって、容器14内の空間容量に対応することができるので、容器14内の固形物12の充填量に応じて、異なるサイズの固形物用保護キャップ10を用意する必要がなく、また、同じロ径で異なる容量の容器にも同一の固形物用保護キャップ10を用いることによって対応することができる。
【0136】
なお、この場合、この実施例の固形物用保護キャップ10では、軸方向に伸縮可能な複数段の軸方向の蛇腹46が形成された軸方向蛇腹部48が形成されているが、いわゆる「コラプシブル・コア」を用いることによって、射出成形(インジェクション成形)を行うことができる。
【0137】
また、この場合、軸方向蛇腹部48の蛇腹46の数、形状は、特に限定されるものではなく、適宜変更可能である。
さらに、図10に示したように、軸方向蛇腹部48の軸方向の長さS1は、できるだけ長い方が望ましく、また、軸方向蛇腹部48の軸方向の長さS1は、伸縮調整部25を伸張させた状態とし、保護緩衝位置とした状態の長さS2よりも長く設定するのが望ましい。
【0138】
図12は、本発明の別の実施例の固形物用保護キャップの保護緩衝位置状態の斜視図、図13は、図12の固形物用保護キャップのA方向の側面図、図14は、図12の固形物用保護キャップのB方向の側面図、図15は、図12の固形物用保護キャップの上面図、図16は、図12の固形物用保護キャップを固形物を収容した容器の口部に挿着した状態を示す縦断面図、図17は、本発明のさらに別の実施例の固形物用保護キャップの保護緩衝位置状態の斜視図である。
【0139】
この実施例の固形物用保護キャップ10は、基本的には、図1〜図5に示した実施例の固形物用保護キャップと同様であるので、同じ構成部材には、同じ参照番号を付してその詳細な説明を省略する。
【0140】
この実施例の固形物用保護キャップ10は、図12〜図16に示したように、保護キャップ本体18に、複数の軸方向のスリット50が形成されている。また、このようにスリット50が形成された、保護キャップ本体18自体も、その中央部分が内径方向に突出するように、内径方向に湾曲するように形成されている。
【0141】
このように構成することによって、保護キャップ本体18自体が、内径方向に湾曲することにより、軸方向にクッション性が付与されるので、容器14内において、より大きな空間容量にも対応することできる。
【0142】
すなわち、容器14内の固形物12の量、残存量が大きく、空間容量が小さい場合には、スリット50が形成された保護キャップ本体18自体を、内径方向により湾曲した状態と(軸方向に縮んだ状態)し、逆に、容器14内の固形物12の量、残存量が小さく、空間容量が大きい場合には、スリット50が形成された保護キャップ本体18自体を、内径方向への湾曲程度を減少させて、軸方向に伸張させた状態とすることによって対応することができる。
【0143】
また、このようにスリット50が形成された保護キャップ本体18を操作することによって、容器14内の空間容量に対応することができるので、容器14内の固形物12の充填量に応じて、異なるサイズの固形物用保護キャップ10を用意する必要がなく、また、同じロ径で異なる容量の容器にも同一の固形物用保護キャップ10を用いることによって対応することができる。
【0144】
なお、この場合、この実施例の固形物用保護キャップ10では、保護キャップ本体18に、軸方向にスリット50が形成されたが形成されているが、いわゆる「コラプシブル・コア」を用いることによって、射出成形(インジェクション成形)を行うことができる。
【0145】
また、この場合、スリット50の数、形状は、特に限定されるものではなく、例えば、図17に示したような上下方向の幅が大きくなった形状のスリット50aを用いるなど適宜変更可能である。
【0146】
さらに、図13に示したように、スリット50が形成された保護キャップ本体18の軸方向の長さS1は、できるだけ長い方が望ましく、また、この長さS1は、伸縮調整部25を伸張させた状態とした保護緩衝位置とした状態の長さS2よりも長く設定するのが望ましい。
【0147】
図18は、本発明のさらに別の実施例の固形物用保護キャップの折り畳み位置にある状態の縦断面図、図19は、図18の固形物用保護キャップの部分拡大断面図、図20は、図1の固形物用保護キャップのA方向矢視図、図21は、図18の固形物用保護キャップを固形物を収容した容器の口部に挿着した状態を示す縦断面図、図22は、本発明のさらに別の実施例の固形物用保護キャップの折り畳み位置にある状態の縦断面図である。
【0148】
この実施例の固形物用保護キャップ10は、基本的には、図1〜図5に示した実施例の固形物用保護キャップと同様であるので、同じ構成部材には、同じ参照番号を付してその詳細な説明を省略する。
【0149】
この実施例の固形物用保護キャップ10は、図18、図19に示したように、蛇腹形状の伸縮調整部25の蛇腹深さLを、中央先端部30側の蛇腹深さLよりも、外周側の蛇腹深さLの方が漸次大きくなるように形成している。
【0150】
すなわち、図19に示した実施例では、L1<L2<L3となるように、中央先端部30側の蛇腹深さLよりも、外周側の蛇腹深さLの方が漸次大きくなるように形成している。
【0151】
また、蛇腹形状の伸縮調整部25の蛇腹形成角度αを、外周側の蛇腹形成角度αよりも
、中央先端部30側の蛇腹形成角度αの方が漸次大きくなるように形成している。
すなわち、図19に示した実施例では、α1>α2>α3>α4となるように、外周側の蛇腹形成角度αよりも、中央先端部30側の蛇腹形成角度αの方が漸次大きくなるように形成している。
【0152】
このように構成することによって、上記の図1〜図5の実施例のように、蛇腹形状の伸縮調整部25の蛇腹深さLと蛇腹形成角度αを、中央先端部30側から外周側にわたって、略同一に形成した場合には、外周側や中心側などが関係なく伸張されることになるので、所望の一定した高さ(容積)の固形物用保護キャップを得ることができない。
【0153】
これに対して、上記のように構成することによって、最も中心側の蛇腹形状の伸縮調整部25において、蛇腹深さLが小さく(L1)、かつ蛇腹形成角度αが大きくなり(α1)、中心側の蛇腹形状の伸縮調整部25を伸張するための力が小さくなり、外周側の蛇腹形状の伸縮調整部25において、蛇腹深さLが大きく(L2〜L3)、かつ蛇腹形成角度αが小さくなり(α2〜α4)、外周側の蛇腹形状の伸縮調整部25を伸張するための力が漸次大きくなる。
【0154】
これによって、蛇腹形状の伸縮調整部25が、中心側から外周側に徐々に伸長されることになり、所望の一定した高さ(容積)の固形物用保護キャップ10を得ることができる。
【0155】
なお、このように構成することによって、伸張の初期段階では、蛇腹深さLが小さい中央部分の蛇腹形状の伸縮調整部25が伸張されるので、その伸張割合が小さいので、例えば、容器14内の固形物12の量が多く、空間が少ない場合に適しており、伸張の後段階に行くにつれて、蛇腹深さLが大きい外周部分の蛇腹形状の伸縮調整部25が伸張されるので、その伸張割合が大きいので、例えば、容器14内の固形物12の量が少なく、空間が大きい場合に適している。
【0156】
また、この実施例の固形物用保護キャップ10は、図20に示したように、折り畳み位置において、中央先端部30が、保護キャップ本体18の下端部22よりも、距離Mだけ、下方に突出した位置に位置するように形成されている。
【0157】
このように構成することによって、折り畳み位置において、中央先端部30が下方に突出した位置(すなわち、折り畳み部の下限位置)に位置し、外周側が中心側よりも高い位置に位置して、いわゆるすり鉢形状となる。
【0158】
これによって、折り畳み部の下限位置がフラットになっている図1〜図5の実施例の固形物用保護キャップ10よりも、さらに確実に、蛇腹形状の伸縮調整部25において、中心部から外周部にかけて伸長することが可能となる。なお、このすり鉢形状のままでも、錠剤緩衝効果を発揮することも可能である。
【0159】
なお、図22は、このすり鉢形状を顕著にした構造の本発明のさらに別の実施例の固形物用保護キャップの折り畳み位置にある状態の縦断面図を示している。
また、この実施例の固形物用保護キャップ10は、図20に示したように、蛇腹形状の伸縮調整部25に、スリット50bが形成されている。
【0160】
このように、蛇腹形状の伸縮調整部25に、スリット50bが形成されていることによって、蛇腹形状の伸縮調整部25を伸張、膨らませる際に、このスリット50bの部分が干渉部分となって、円周方向の力が吸収され、蛇腹形状の伸縮調整部が伸張、膨らみやすくなる。
【0161】
また、例えば、図示しないが、本発明の固形物用保護キャップ10の内部(内側)に、乾燥剤を挿入・設置することで、このスリット50bから容器14の内部の湿度をコントロールすることができ、固形物12が湿潤するのを防止することが可能となる。
【0162】
この場合、スリット50bの数、形状、配置位置などは、特に限定されるものではないが、図20に示したように、蛇腹形状の伸縮調整部25に、複数個のスリット50bを所定中心角度離間して、同心円状に形成するのが、上記した伸張易さを考慮すれば望ましい。
【0163】
なお、伸長しにくい外周部の蛇腹形状の伸縮調整部25が膨らみ易く、伸長し易いようにするためには、中心側よりも、特に外周側に設けるほど効果がある。
しかしながら、このスリット50bは、金型の上下の合わせにて形成するため、外周側のみならず中心側でも容易に形成することが可能であり、例えば、適宜必要な伸長部まで、伸縮調整部25の全てに、同心円状のスリット50bを設けることも可能であって、これにより、確実に伸長することもできる。
【0164】
また、この実施例の固形物用保護キャップ10は、図21に示したように、保護キャップ本体18の外周に、軸方向に延設されたリブ52が形成されている。なお、図21は、説明の便宜上、固形物12を省略して図示している。
【0165】
このように構成することによって、このリブ52が、抜け止めリブとして機能して、保護キャップ10が外れず、緩みにくくなる。従って、容器14の口部16に固形物用保護キャップ10を装着した際に、外側のネジキャップ54を閉める工程までの間に、搬送時の振動などで、錠剤など固形物12が揺られて、保護キャップ10を容器14の口部16側へ押し出すのを防止することができる。
【0166】
また、このリブ52は、容器14の口部16の壁面とは線接触であるので、容器14の口部16内への固形物用保護キャップ10の装着が容易で、しかも、容器14の口部16から取り出し易くなる。
【0167】
なお、このリブ52の数、形状、長さ、配置位置などは、特に限定されるものではないが、図21に示したように、保護キャップ本体18の外周に、複数個のリブ52を所定中心角度離間して、同心円状に形成するのが、抜け止めリブとして機能を考慮すれば望ましい。なお、リブの代わりに、様々な形状の突部を採用することができる。
【0168】
また、リブ52の長さは、特に限定されるものではないが、容器14の口部16の長さに対して、抜け止めリブとして機能を考慮すれば、伸縮調整部25の伸縮状態にもよるが、少なくとも仮置きした時に保護キャップが外れず緩み難い範囲に設定するのが望ましい。
【0169】
また、この実施例の固形物用保護キャップ10は、図18に示したように、保護キャップ本体と蛇腹形状の伸縮調整部との接合部に、水平受け部56が形成されている。
このように構成することによって、保護キャップ本体18と蛇腹形状の伸縮調整部25との接合部の水平受け部56を、図18の点線で示したように、治具58などで支持した状態とすることができる。
【0170】
そして、この状態で、保護緩衝部26を、図18の矢印Aで示したように、上方から指、図示しないが、別途押し出し治具を用いて、中央先端部30を下方に押すことによって、保護キャップ本体18から下方に伸張状態で突出するように、伸縮調整部25を伸張さ
せた状態とした保護緩衝位置とすることができ、容器14の口部16に装着して使用する操作が簡単であり、確実に行え、非常に便利である。
【0171】
また、水平受け部56の代わりに、または、水平受け部56とともに、保護キャップ本体18の上端の外周側に突設する鍔部44をさらに、図18の点線で示したように、治具60などで支持した状態とすることもできる。そして、このように、治具60などで鍔部4を支持した状態で、上方から指、図示しないが、別途押し出し治具を用いて、中央先端部30を下方に押すことによって、保護キャップ本体18から下方に伸張状態で突出するように、伸縮調整部25を伸張させた状態とした保護緩衝位置とすることができ、この状態の固形物用保護キャップ10を、容器14の口部16に装着して使用することができる。
【0172】
図23は、本発明のさらに別の実施例の固形物用保護キャップの折り畳み位置にある状態の縦断面図、図24は、図23の固形物用保護キャップの部分拡大断面図、図25は、図23の固形物用保護キャップを固形物を収容した容器の口部に挿着した状態を示す縦断面図、図26は、本発明のさらに別の実施例の固形物用保護キャップの折り畳み位置にある状態の縦断面図である。
【0173】
この実施例の固形物用保護キャップ10は、基本的には、図18〜図22に示した実施例の固形物用保護キャップと同様であるので、同じ構成部材には、同じ参照番号を付してその詳細な説明を省略する。
【0174】
この実施例の固形物用保護キャップ10は、図23、図24に示したように、蛇腹形状の伸縮調整部25の蛇腹深さLを、外周側の蛇腹深さLよりも、中央先端部30側の蛇腹深さLの方が漸次大きくなるように形成している。
【0175】
すなわち、図24に示した実施例では、L1>L2>L3となるように、外周側の蛇腹深さLよりも、中央先端部30側の蛇腹深さLの方が漸次大きくなるように形成している。
【0176】
また、蛇腹形状の伸縮調整部25の蛇腹形成角度αを、中央先端部30側の蛇腹形成角度αよりも、外周側の蛇腹形成角度αの方が漸次大きくなるように形成している。
すなわち、図24に示した実施例では、α1<α2<α3<α4となるように、中央先端部30側の蛇腹形成角度αよりも、外周側の蛇腹形成角度αの方が漸次大きくなるように形成している。
【0177】
このように構成することによって、上記の図1〜図5の実施例のように、蛇腹形状の伸縮調整部25の蛇腹深さLと蛇腹形成角度αを、中央先端部30側から外周側にわたって、略同一に形成した場合には、外周側や中心側などが関係なく伸張されることになるので、所望の一定した高さ(容積)の固形物用保護キャップを得ることができない。
【0178】
これに対して、上記のように構成することによって、外周側の蛇腹形状の伸縮調整部25において、蛇腹深さLが小さく(L3)、かつ蛇腹形成角度αが大きくなり(α4)、外周側の蛇腹形状の伸縮調整部25を伸張するための力が小さくなり、中心側の蛇腹形状の伸縮調整部25において、蛇腹深さLが大きく(L1〜L2)、かつ蛇腹形成角度αが小さくなり(α1〜α3)、中心側の蛇腹形状の伸縮調整部を伸張するための力が漸次大きくなる。
【0179】
これによって、蛇腹形状の伸縮調整部25が、外周側から中心側に徐々に伸長されることになり、所望の一定した高さ(容積)の固形物用保護キャップを得ることができる。
なお、このように構成することによって、伸張の初期段階では、蛇腹深さLが小さい外周側の蛇腹形状の伸縮調整部25が伸張されるので、その伸張割合が小さいので、例えば、容器14内の固形物12の量が多く、空間が少ない場合に適しており、伸張の後段階に行くにつれて、蛇腹深さLが大きい中央部分の蛇腹形状の伸縮調整部25が伸張されるので、その伸張割合が大きいので、例えば、容器14内の固形物12の量が少なく、空間が大きい場合に適している。
【0180】
また、この実施例の固形物用保護キャップ10においても、折り畳み位置において、中央先端部30が下方に突出した位置に位置するように形成されている。
このように構成することによって、折り畳み位置において、中央先端部30が下方に突出した位置(すなわち、折り畳み部の下限位置)に位置し、外周側が中心側よりも高い位置に位置して、いわゆるすり鉢形状となる。
【0181】
これによって、折り畳み部の下限位置がフラットになっている図1〜図5の実施例の固形物用保護キャップ10よりも、さらに確実に、蛇腹形状の伸縮調整部25において、外周部から中央部にかけて伸長することが可能となる。なお、このすり鉢形状のままでも、錠剤緩衝効果を発揮することも可能である。
【0182】
なお、図26は、このすり鉢形状を顕著にした構造の本発明のさらに別の実施例の固形物用保護キャップの折り畳み位置にある状態の縦断面図を示している。
なお、上記の実施例では、固形物用保護キャップについて説明したが、上記の保護緩衝部26の蛇腹形状の伸縮調整部25を、少なくとも一面部分が、伸縮自在な伸縮調整部を有する保護緩衝部を備えるようにして、緩衝材とすることができ、この場合、伸縮調整部が、多段階に伸縮調整可能に構成される。
【0183】
また、この場合、伸縮調整部が、それぞれの保護緩衝部に、単数個または複数個形成することができる。
さらに、伸縮調整部が、内周側に延設され、同心円状に水平方向に形成した蛇腹形状の伸縮調整部を備え、保護緩衝部が、伸縮調整部が水平位置に折り畳まれた状態となった折り畳み位置と、伸張状態で突出するように、伸縮調整部を伸張させた状態で、被保護物を保護する保護緩衝位置との間で伸縮自在に構成することができる。
【0184】
このように構成することによって、多段階的に伸縮する調整部位の単体で伸び縮みして、箱等の中の空隙を埋めるための緩衝材、複数の多段階的に伸縮する調整部位を配列して有する板状の緩衝材であって、例えば、特殊な形の徳利やワイングラス等用の緩衝材として、その形状に合わせて使用できる緩衝材を提供することができる。
【0185】
以上、本発明の好ましい実施の態様を説明してきたが、本発明はこれに限定されることはなく、例えば、固形物用保護キャップ10の内部の内部空間に、例えば、品質劣化防止剤、乾燥剤など収容することも可能であるなど本発明の目的を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0186】
【図1】図1は、本発明の固形物用保護キャップの折り畳み位置にある状態の縦断面図である。
【図2】図2は、図1の固形物用保護キャップの部分拡大断面図である。
【図3】図3は、図1の固形物用保護キャップのA方向矢視図である。
【図4】図4は、図1の固形物用保護キャップの保護緩衝位置にある状態の縦断面図である。
【図5】図5は、図1の固形物用保護キャップを固形物を収容した容器の口部に挿着した状態を示す縦断面図である。
【図6】図6は、図1、図2の折り畳み位置から、図4、図5の保護緩衝位置までに至る過程を示す縦断面図である。
【図7】図7は、図1、図2の折り畳み位置から、図4、図5の保護緩衝位置までに至る過程を示す縦断面図である。
【図8】図8は、本発明の別の実施例の固形物用保護キャップを固形物を収容した容器の口部に挿着した状態を示す縦断面図である。
【図9】図9は、本発明の別の実施例の固形物用保護キャップの保護緩衝位置状態の斜視図。
【図10】図10は、図9の固形物用保護キャップの側面図である。
【図11】図11は、図9の固形物用保護キャップを固形物を収容した容器の口部に挿着した状態を示す縦断面図である。
【図12】図12は、本発明の別の実施例の固形物用保護キャップの保護緩衝位置状態の斜視図である。
【図13】図13は、図12の固形物用保護キャップのA方向の側面図である。
【図14】図14は、図12の固形物用保護キャップのB方向の側面図である。
【図15】図15は、図12の固形物用保護キャップの上面図である。
【図16】図16は、図12の固形物用保護キャップを固形物を収容した容器の口部に挿着した状態を示す縦断面図である。
【図17】図17は、本発明のさらに別の実施例の固形物用保護キャップの保護緩衝位置状態の斜視図である。
【図18】図18は、本発明のさらに別の実施例の固形物用保護キャップの折り畳み位置にある状態の縦断面図である。
【図19】図19は、図18の固形物用保護キャップの部分拡大断面図である。
【図20】図20は、図1の固形物用保護キャップのA方向矢視図である。
【図21】図21は、図18の固形物用保護キャップを固形物を収容した容器の口部に挿着した状態を示す縦断面図である。
【図22】図22は、本発明のさらに別の実施例の固形物用保護キャップの折り畳み位置にある状態の縦断面図である。
【図23】図23は、本発明のさらに別の実施例の固形物用保護キャップの折り畳み位置にある状態の縦断面図である。
【図24】図24は、図23の固形物用保護キャップの部分拡大断面図である。
【図25】図25は、図23の固形物用保護キャップを固形物を収容した容器の口部に挿着した状態を示す縦断面図である。
【図26】図26は、本発明のさらに別の実施例の固形物用保護キャップの折り畳み位置にある状態の縦断面図である。
【図27】図27は、従来の包装用緩衝材の使用状態を説明する縦断面図である。
【符号の説明】
【0187】
10 固形物用保護キャップ
12 固形物
14 容器
16 口部
18 保護キャップ本体
20 上端部
21 テーパ−面
22 下端部
24 テーパー面
25 伸縮調整部
26 保護緩衝部
28a−28e 片折り畳み部
30 中央先端部
32a−32f 連結部
34 側壁部
36 底面
38 空気抜き孔
40 屈曲部
42 操作片
44 鍔部
46 蛇腹
48 軸方向蛇腹部
50、50a、50b スリット
52 リブ
54 ネジキャップ
56 水平受け部
58、60 治具
100 包装用緩衝材
102 筒状部
104 容器
106 口部
108 頭部
110 胴部
111 蛇腹
112 胴部
114 底部
116 固形物
118 空隙
α 角度
β 角度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固形物を収容した容器の口部に、容器内に収容した固形物を保護するための固形物用保護キャップであって、
底部を構成する保護緩衝部を備え、
前記保護緩衝部が、
下端から内周側に延設され、同心円状に水平方向に形成した蛇腹形状の伸縮調整部を備え、
前記保護緩衝部が、
底部面を形成するように、伸縮調整部が水平位置に折り畳まれた状態となった折り畳み位置と、
下方に伸張状態で突出するように、伸縮調整部を伸張させた状態で、先端側に向って漸次径が小さくなり、容器内に収容した固形物を保護する保護緩衝位置と、
の間で伸縮自在に構成されていることを特徴とする固形物用保護キャップ。
【請求項2】
前記容器の口部に脱着自在に装着される筒状の保護キャップ本体と、
前記保護キャップ本体の底部を構成する保護緩衝部とを備え、
前記保護緩衝部が、
前記保護キャップ本体の下端から内周側に延設され、同心円状に水平方向に形成した蛇腹形状の伸縮調整部と、
前記伸縮調整部の中心部に位置する中央先端部と、
を備え、
前記保護緩衝部が、
前記保護キャップ本体の底部として、底部面を形成するように、伸縮調整部が水平位置に折り畳まれた状態となった折り畳み位置と、
前記保護キャップ本体から下方に伸張状態で突出するように、伸縮調整部を伸張させた状態で、先端側に向って漸次径が小さくなり、容器内に収容した固形物を保護する保護緩衝位置と、
の間で伸縮自在に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の固形物用保護キャップ。
【請求項3】
前記蛇腹形状の伸縮調整部の蛇腹深さLと蛇腹形成角度αを、中央先端部側から外周側にわたって、略同一に形成したことを特徴とする請求項2に記載の固形物用保護キャップ。
【請求項4】
前記蛇腹形状の伸縮調整部の蛇腹深さLを、中央先端部側の蛇腹深さLよりも、外周側の蛇腹深さLの方が漸次大きくなるように形成するとともに、
前記蛇腹形状の伸縮調整部の蛇腹形成角度αを、外周側の蛇腹形成角度αよりも、中央先端部側の蛇腹形成角度αの方が漸次大きくなるように形成したことを特徴とする請求項2に記載の固形物用保護キャップ。
【請求項5】
前記蛇腹形状の伸縮調整部の蛇腹深さLを、外周側の蛇腹深さLよりも、中央先端部側の蛇腹深さLの方が漸次大きくなるように形成するとともに、
前記蛇腹形状の伸縮調整部の蛇腹形成角度αを、中央先端部側の蛇腹形成角度αよりも、外周側の蛇腹形成角度αの方が漸次大きくなるように形成したことを特徴とする請求項2に記載の固形物用保護キャップ。
【請求項6】
前記折り畳み位置において、中央先端部が下方に突出した位置に位置するように形成されていることを特徴とする請求項2から5のいずれかに記載の固形物用保護キャップ。
【請求項7】
前記保護緩衝部に、スリットが形成されていることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の固形物用保護キャップ。
【請求項8】
前記保護緩衝位置が、蛇腹形状の伸縮調整部の伸縮程度を調整することによって、段階的な保護緩衝位置になるように構成されていることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の固形物用保護キャップ。
【請求項9】
前記伸縮調整部が、複数の肉厚の折り畳み片部から構成されるとともに、
これらの折り畳み片部同士の間の接合部、折り畳み片部と保護キャップ本体との間の接合部、伸縮調整部と中央先端部との間の接合部に、これらの接合部を折り畳み自在に連結する肉薄の連結部を備えることを特徴とする請求項2から8のいずれかに記載の固形物用保護キャップ。
【請求項10】
前記連結部が、屈曲部を備え、この屈曲部により、前記保護緩衝部が、折り畳み位置と、保護緩衝位置において、これらの状態を保持できるように構成されていることを特徴とする請求項9に記載の固形物用保護キャップ。
【請求項11】
前記保護キャップ本体が、下方に向って漸次径が小さくなるように構成されていることを特徴とする請求項2から10のいずれかに記載の固形物用保護キャップ。
【請求項12】
前記保護緩衝部の中央先端部に、空気抜き孔が形成されていることを特徴とする請求項2から11のいずれかに記載の固形物用保護キャップ。
【請求項13】
前記保護キャップ本体の上端に、内周側に突設した操作片が形成されていることを特徴とする請求項2から12のいずれかに記載の固形物用保護キャップ。
【請求項14】
前記保護キャップ本体の上端に、外周側に突設され、容器の口部に係止する鍔部が形成されていることを特徴とする請求項2から13のいずれかに記載の固形物用保護キャップ。
【請求項15】
前記保護キャップ本体に、軸方向に伸縮可能な複数段の軸方向の蛇腹が形成された軸方向蛇腹部を備えていることを特徴とする請求項2から14のいずれかに記載の固形物用保護キャップ。
【請求項16】
前記保護キャップ本体に、複数の軸方向のスリットが形成されていることを特徴とする請求項2から15のいずれかに記載の固形物用保護キャップ。
【請求項17】
前記保護キャップ本体の外周に、突部が形成されていることを特徴とする請求項2から16のいずれかに記載の固形物用保護キャップ。
【請求項18】
前記突部が、軸方向に延設されているリブであることを特徴とする請求項17に記載の固形物用保護キャップ。
【請求項19】
前記保護キャップ本体と蛇腹形状の伸縮調整部との接合部に、水平受け部が形成されていることを特徴とする請求項2から18のいずれかに記載の固形物用保護キャップ。
【請求項20】
請求項1から19のいずれかに記載の固形物用保護キャップを、容器の口部に装着したことを特徴とする固形物用容器。
【請求項21】
固形物を収容した容器の口部に、容器内に収容した固形物を保護するための射出成形に
よって成形された固形物用保護キャップであって、
底部を構成する保護緩衝部を備え、
前記保護緩衝部が、射出成形方向にのみ凹凸部を有するように構成されていることを特徴とする固形物用保護キャップ。
【請求項22】
前記保護緩衝部の凹凸部が、
下端から内周側に延設され、同心円状に水平方向に形成した蛇腹形状の伸縮調整部を備え、
前記保護緩衝部が、
底部面を形成するように、伸縮調整部が水平位置に折り畳まれた状態となった折り畳み位置と、
下方に伸張状態で突出するように、伸縮調整部を伸張させた状態で、先端側に向って漸次径が小さくなり、容器内に収容した固形物を保護する保護緩衝位置と、
の間で伸縮自在に構成されていることを特徴とする請求項21に記載の固形物用保護キャップ。
【請求項23】
前記容器の口部に脱着自在に装着される筒状の保護キャップ本体を備え、
前記保護緩衝部の凹凸部が、
前記保護キャップ本体の下端から内周側に延設され、同心円状に水平方向に形成した蛇腹形状の伸縮調整部と、
前記伸縮調整部の中心部に位置する中央先端部と、
を備え、
前記保護緩衝部が、
前記保護キャップ本体の底部として、底部面を形成するように、伸縮調整部が水平位置に折り畳まれた状態となった折り畳み位置と、
前記保護キャップ本体から下方に伸張状態で突出するように、伸縮調整部を伸張させた状態で、先端側に向って漸次径が小さくなり、容器内に収容した固形剤を保護する保護緩衝位置と、
の間で伸縮自在に構成されていることを特徴とする請求項20から21のいずれかに記載の固形剤用保護キャップ。
【請求項24】
少なくとも一面部分が、伸縮自在な伸縮調整部を有する保護緩衝部を備えることを特徴とする緩衝材。
【請求項25】
前記伸縮調整部が、多段階に伸縮調整可能に構成されていることを特徴とする請求項24に記載の緩衝材。
【請求項26】
前記伸縮調整部が、それぞれの保護緩衝部に、単数個または複数個形成されていることを特徴とする請求項24から25のいずれかに記載の緩衝材。
【請求項27】
前記伸縮調整部が、内周側に延設され、同心円状に水平方向に形成した蛇腹形状の伸縮調整部を備え、
前記保護緩衝部が、
前記伸縮調整部が水平位置に折り畳まれた状態となった折り畳み位置と、
伸張状態で突出するように、伸縮調整部を伸張させた状態で、被保護物を保護する保護緩衝位置と、
の間で伸縮自在に構成されていることを特徴とする請求項24から26のいずれかに記載の緩衝材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2008−179415(P2008−179415A)
【公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−302240(P2007−302240)
【出願日】平成19年11月21日(2007.11.21)
【出願人】(506137147)エーザイ・アール・アンド・ディー・マネジメント株式会社 (215)
【出願人】(505192567)エーザイマシナリー株式会社 (18)
【出願人】(000206185)大成化工株式会社 (83)
【Fターム(参考)】