説明

固形粉末化粧料

【課題】化粧もちが良く、なおかつ保湿効果の高い固形粉末化粧料を提供する。
【解決手段】含フッ素単量体及びアルキレングリコール(メタ)アクリレート単量体を重合した含フッ素共重合体、及び/又は、含フッ素単量体とアルキレングリコール(メタ)アクリレート単量体と架橋性単量体であるジ(メタ)アクリレートとを重合した含フッ素共重合体の構造を持つ表面処理剤で、粉体の重量に対して1〜15重量%の濃度で処理して得られる化粧料粉体及び25℃においてペースト状である油性成分を含有し、さらには、これに硫酸カリウムアルミニウム12水和物及び/又は、塩化ナトリウムを含有する固形粉末化粧料。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、含フッ素単量体及びアルキレングリコール(メタ)アクリレート単量体を重合した含フッ素共重合体、及び/又は、含フッ素単量体とアルキレングリコール(メタ)アクリレート単量体と架橋性単量体であるジ(メタ)アクリレートとを重合した含フッ素共重合体を、粉体の重量に対して1〜15重量%の濃度で処理して得られる化粧料粉体と、25℃においてペースト状である油性成分とを含有する、化粧もち、保湿効果の高い固形粉末化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、メイクアップ化粧料は、皮膚の欠点をカバーし、美しく装う機能を有するが、特に春夏用のメイクアップ化粧料には、汗や皮脂による崩れを防ぐ化粧もち効果が必要とされている。このために、これらの化粧料に配合される化粧品用粉体には、耐水性、耐油性の向上が求められている。しかし、気温の変化が激しい春や、夏でも冷房の効いた環境下では肌が乾燥条件下にさらされることもあり、耐水耐油ばかりでなく肌を乾燥から守り保湿する効果も、春夏用のメイクアップ化粧料に求められている。
【0003】
一方、粉体に耐水性を付与する方法としては、シリコーン系化合物による表面処理が知られている。具体的には、メチルハイドロジェンポリシロキサン処理、ジメチルポリシロキサン処理などがあるが、シリコーン系化合物による処理では撥油性が得られず、これらの粉体処理を配合した化粧料では、皮脂に対する化粧もちは十分でない。(特許文献1参照)。さらに、シリコーン系化合物は優れた撥水特性は示すが、逆に粉体中へ水分を保持する能力は乏しかった。
【0004】
また、近年では、さらに撥水撥油性をさらに高めるために粉体をフッ素化合物で処理する方法が提案されている。具体的には、ポリテトラフルオロエチレンで処理する方法(特許文献2参照)、フッ素化アクリレートで処理する方法(特許文献3参照)等が提案され、強い撥水撥油処理を持つことが実証されている。しかし、これらの表面処理粉体は肌との親和性、付着性が低く、また、強い撥水撥油性のため必要以上に肌の潤いを奪い、肌が乾燥する傾向があった(特許文献2参照)。特に、春夏には、化粧料の肌からの脱落や粉吹きなどが顕著にみられるので、肌を乾燥から守る効果はますます求められている。
【0005】
そこで、無処理の粉体に比べて乾燥感を抑制させ、しっとり感を向上させながら、撥水撥油性も付与する例として、有機酸またはアルコールとのシラン複合体被覆処理された化粧用無機粉体が挙げられるが、この粉体は、2種の表面処理剤で段階的に処理しているため、粉体個々の表面への均一な処理が不十分であり、かかる目的の機能を十分に果たしているとは言い難い。(特許文献4参照)
【0006】
さらに、粉体に保湿剤である多価アルコールと油性成分を混合攪拌し、成型することにより、保湿感と化粧もちに優れた固形粉末化粧料を得る方法も報告されているが、液性成分である油性成分と多価アルコールの相溶性が悪く、粉体中に均一に分散しづらく、化粧料として不均一で使用性に欠けるという問題があった(特許文献5参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特公昭45−18999
【特許文献2】特公昭61−55481
【特許文献3】特開2007−269642号公報
【特許文献4】特開2009−263249号公報
【特許文献5】特開2009−18499号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、本発明は、撥水撥油特性に優れて化粧もちがよく、なおかつ、撥水はするけれども保湿効果も優れ肌を乾燥から守る効果を両立させて、皮脂や汗による化粧くずればかりでなく、肌の乾燥による化粧膜の滑落や粉ふきなどの化粧くずれも防ぐ、保湿効果も優れた固形粉末化粧料を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者等は、このような事情に鑑み、鋭意研究を重ねた結果、表面を特定の含フッ素共重合体の高分子表面処理剤で処理した粉体と25℃でペースト状の油性成分を含有する固形粉末化粧料、さらには、これに添加物として硫酸カリウムアルミニウム12水和物及び/又は、塩化ナトリウムを含有する固形粉末化粧料であれば、汗、皮脂による化粧くずれを抑えて化粧もちに優れる特性と、外気の乾燥から肌を守り肌本来のうるおい感を逃さない特性により、乾燥による化粧膜の滑落や粉ふきなどの化粧くずれも防ぐことができることを見出し、本発明を完成した。
【0010】
すなわち、本発明は、一般式(1)で表わされる含フッ素単量体及び一般式(2)で表わされるアルキレングリコール(メタ)アクリレートで示される単量体を重合した含フッ素共重合体、及び/又は、該一般式(1)、一般式(2)の単量体成分と一般式(3)で示される架橋性単量体であるジ(メタ)アクリレートの単量体とを重合した含フッ素共重合体を、粉体の重量に対して1〜15重量%の濃度で処理して得られる化粧料粉体と、25℃においてペースト状である油性成分とを含有する、化粧もちと保湿効果の高い固形粉末化粧料、さらにはこの固形粉末化粧料に硫酸カリウムアルミニウム12水和物及び/又は塩化ナトリウムを含有してさらに一層化粧もちと保湿性を高めた固形粉末化粧料を提供するものである。
【0011】
CH=CRCO−X−(CH−R (1)
(式中、Rは水素原子又はメチル基、Xは−O−又は−NH−、mは1〜10の整数、Rは炭素数3〜21のパーフルオロアルキル基又はパーフルオロアルケニル基である。)
CH=CRCOO−(RO)−R (2)
(式中、Rは水素原子又はメチル基、Rは炭素数2〜6のアルキレン基、nは1〜20の整数、Rは水素原子又は炭素数1〜22の不飽和又は飽和の炭化水素基である。)
CH=CRCOO−(RO)−COCR=CH (3)
(式中、Rは水素原子又はメチル基、Rは炭素数2〜6のアルキレン基、pは1〜20の整数である。)
【0012】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0013】
本発明において、粉体の表面を表面処理する化合物は、一般式(1)で表わされる含フッ素単量体及び一般式(2)で表わされるアルキレングリコール(メタ)アクリレートである単量体を重合した含フッ素共重合体、及び/又は、該一般式(1)、一般式(2)の単量体成分と一般式(3)で示される架橋性単量体であるジ(メタ)アクリレートの単量体とを重合した含フッ素共重合体であり、これらを1種もしくは2種以上用いて表面処理する。
【0014】
CH=CRCO−X−(CH−R (1)
(式中、Rは水素原子又はメチル基、Xは−O−又は−NH−、mは1〜10の整数、Rは炭素数3〜21のパーフルオロアルキル基又はパーフルオロアルケニル基である。)
【0015】
CH=CRCOO−(RO)−R (2)
(式中、Rは水素原子又はメチル基、Rは炭素数2〜6のアルキレン基、nは1〜20の整数、Rは水素原子又は炭素数1〜22の不飽和又は飽和の炭化水素基である。)
【0016】
CH=CRCOO−(RO)−COCR=CH (3)
(式中、Rは水素原子又はメチル基、Rは炭素数2〜6のアルキレン基、pは1〜20の整数である。)
【0017】
上記一般式(1)において、特に良好な撥水撥油特性を得るためには、Rは水素原子、Xは−O−、mは2〜4が、それぞれ好ましい。また、Rは炭素数4〜10のパーフルオロアルキル基が好ましく、特に自然環境下での分解特性を考慮すると炭素数4〜6のパーフルオロアルキル基が良い。
【0018】
上記一般式(2)において、適切な撥水撥油特性と化粧料での保湿性を考慮すると、Rは水素原子、Rは炭素数2又は3のアルキレン基、nは1〜6の整数、Rは水素原子がそれぞれ好ましい。なお、Rについては異なる炭素数のアルキレン基を組み合わせて使用してもかまわない。
【0019】
上記一般式(3)において、強固な被覆特性を得るために、Rは水素原子、Rは炭素数2又は3のアルキレン基、pは1〜10がそれぞれ好ましく、Rについては炭素数の異なるアルキレン基を組み合わせて使用してもよい。
【0020】
本発明での含フッ素共重合体の重量平均分子量は、5000〜50000の範囲にあり、表面処理時の分散性と撥水撥油特性を考慮すると8000〜15000であることが好ましい。
【0021】
本発明での含フッ素共重合体は、含フッ素単量体の100重量部を重合反応で仕込むとすると、撥水撥油特性の観点から、アルキレングリコール(メタ)アクリレートの単量体は40〜100重量部が良い。また、表面処理の被覆特性を向上させるために架橋性単量体を用いる場合は、架橋性単量体であるジ(メタ)アクリレートの単量体を、含フッ素単量体100重量部に対して、1〜10重量部を反応させる。
【0022】
本発明において含フッ素共重合体の製造方法は、例えば、特許第4006761や特開2000−290640に開示される合成方法にて製造することが可能であるが、この方法に限定されるものではない。また、この含フッ素共重合体の剤形は、液状であることが好ましく、例えば、含フッ素共重合体が水やアルコールからなる溶媒で1〜50重量%の範囲内で溶解や分散された表面処理剤という剤形の方が扱いやすい。
【0023】
上記の含フッ素共重合体による粉体への処理量は、処理される粉体の重量に対して1〜15重量%であることが好ましい。1重量%未満では、撥水撥油特性や化粧もち、保湿効果ともに十分ではなく、15重量%を超えるとポリマーによる粉体間の凝集が生じてしまう。
【0024】
本発明において、含フッ素共重合体を用いて粉体を表面処理する方法としては特に制限はなく、公知の方法で行うことができる。大別すると湿式法と乾式法があげられる。湿式法とは、粉体を適当な溶媒に分散させ、含フッ素共重合体又はこれを含有する表面処理剤と、必要に応じて他の表面処理剤やpH調整剤等の添加物を添加し、撹拌混合後、ろ過や洗浄、乾燥によって溶媒を除去し、場合によっては粉砕して得られる手法を指す。溶媒の例としては、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトンなどが挙げられる。また、乾式法とは、ヘンシェルミキサー、ジェットミル、ボールミル、スーパーミキサーなどの撹拌混合装置で粉体を混合しながら、含フッ素共重合体や含フッ素共重合体を含む表面処理剤をそのまま、又は適当な溶媒に希釈して添加し、撹拌混合後乾燥、場合によっては粉砕して得られる手法を指す。その他、スプレードライ法、流動造粒法などが挙げられるが、いかなる方法であれ、含フッ素共重合体が基材粉体表面に被覆されていれば構わない。
【0025】
本発明において含フッ素共重合体で処理される粉体には、通常化粧料として用いられるものであれば全て適用できる。例えば、タルク、マイカ、カオリン、セリサイト、ベントナイト、スメクタイト、雲母チタン、オキシ塩化ビスマス、ケイ酸、無水ケイ酸、アルミナ、酸化チタン、微粒子酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ハイドロキシアパタイト、窒化ホウ素、金属石鹸、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化クロム、水酸化クロム、カーボンブラック、グンジョウ、コンジョウ等の無機粉体、ナイロン末、ポリアクリル酸アルキル、ポリエチレン末、ポリスチレン、セルロース末、酢酸セルロース、ポリウレタン、ジビニルベンゼン、スチレン共重合体、シリコ−ン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ビニル樹脂、シルク末等の高分子、赤色104号、赤色106号、赤色227号、赤色228号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、黄色205号、黄色401号、青色1号、緑色3号等の有機系色素の粉体が挙げられる。また、2種以上の粉体及びこれらの複合体を用いても構わない。同様に、粉体の形状、粒径に関しても、特に限定はされない。
【0026】
これらの粉体は、公知の表面処理剤により事前に、又は本願での含フッ素共重合体と一緒に処理されても構わない。この表面処理剤としては例えば、パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロポリエーテルシラン、パーフルオロアルキルシラン、パーフルオロポリエーテル変性ポリウレタン、パーフルオロアルキル変性シリコーン、パーフルオロポリエーテル変性シリコーン等の含フッ素化合物、オルガノポリシロキサンであるシリコーンやその変性物、アルキルシラン、有機チタネート、ポリオレフィン、水添レシチン、アシル化アミノ酸、エステル油、脂肪酸、金属石鹸等が挙げられる。また、これらの粉体は、含フッ素共重合体との親和性を上げて、より最適な表面処理を行うために、アルミニウム、マグネシウム、チタン等の少なくとも1種の酸化物又は水酸化物で予め被覆されていてもよい。さらには、これらの粉体はプラズマ処理されていてもよい。
【0027】
上記処理粉体は、固形粉末化粧料中に1種以上配合することができ、組成中に5〜40重量%含有すれば、化粧もちと保湿効果の両方が優れて好ましい。
【0028】
本発明で用いられる25℃でペースト状である油性成分とは、25℃で高い粘性を示す半固形の油性成分であり、医薬部外品原料規格2006(薬事日報社刊)記載の、一般試験法、融点測定法(第2法)によって、融点が25℃以上であると測定された油性成分をさす。
【0029】
本発明では、上記ペースト状である油性成分として、通常化粧料に使用されるものであれば、いずれのものも使用することができるが、ワセリン、マカデミアナッツ脂肪酸フィトステリル、(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチル、ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)、ダイマージリノール酸ダイマージリノレイルビス(ベヘニル/イソステアリル/フィトステリル)が好ましい。市販品としては、例えば、コスモール168ARV(日清オイリオ社製)、YOFCOMAS(日本精化社製)、Plandool−H(日本精化社製)、Plandool−S(日本精化社製)、Plandool−G(日本精化社製)、ノムコートW(日清オイリオ社製)、クロラータムV(クローダジャパン社製)等が例示できる。また、これらは必要に応じて1種または2種以上を用いることができる。
【0030】
上記油性成分は、固形粉末化粧料の組成中に0.1〜2.0重量%含有することが好ましい。この範囲で上記処理粉体とともに含有すると、化粧もち、保湿効果ともに良好な固形粉末化粧料を得ることができる。
【0031】
本発明の固形粉末化粧料には、硫酸カリウムアルミニウム12水和物(硫酸(AL/K)) 及び/又は、塩化ナトリウムを含有することが可能である。硫酸(AL/K)と塩化ナトリウムを固形粉末化粧料に配合すると、発汗による化粧崩れを抑制する効果があった。また、これらは必要に応じて1種または2種を用いることができる。
【0032】
上記成分は、固形粉末化粧料の組成中に0.05〜0.5重量%含有することが好ましい。この範囲で上記処理粉体、上記ペースト状油性成分とともに含有すると、化粧もち、保湿効果ともに良好な固形粉末化粧料を得ることができる。
【0033】
本発明は、上述の複合粉体を含有する固形粉末化粧料であるが、具体的には、パウダーファンデーション、チークカラー、アイシャドウ等の化粧料である。
【0034】
本発明の固形粉末化粧料は、通常の方法に従って調製することができる。
【発明の効果】
【0035】
本発明により得られる固形粉体化粧料は、化粧もち、保湿効果ともに優れたものであり、化粧料を塗布したときに、汗や皮脂による化粧崩れを防ぐと同時に、外気による肌の乾燥を防ぎ、肌のしっとり感を高める効果や、肌からの化粧膜の滑落や粉ふきなどの化粧くずれを防ぐ効果が向上したものである。
【発明を実施するための形態】
【0036】
次に、本発明の、一層の理解のために、製造例、実施例を挙げ、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0037】
本発明に使用した含フッ素共重合体(以下、FAと略す)の例を示す。なお、製造方法は、例えば、特許第4006761や特開2000−290640に開示される合成方法にて製造することが可能であるが、この方法に限定されるものではない。
FA1:
単量体 仕込み重量比
CH=CHCO−O−CHCH−C13 100
CH=CHCOO−(CHCHO)4.5−H 60
重量平均分子量約5000
FA2:
単量体 仕込み重量比
CH=CHCO−O−CHCH−C13 100
CH=CHCOO−(CHCHO)4.5−H 60
重量平均分子量約8000
FA3:
単量体 仕込み重量比
CH=CHCO−O−CHCH−C13 100
CH=CHCOO−(CHCHO)4.5−H 60
重量平均分子量約15000
FA4:
単量体 仕込み重量比
CH=CHCO−O−CHCH−C13 100
CH=CHCOO−(CHCHO)4.5−H 60
重量平均分子量約50000
なお、上記含フッ素共重合体の場合、含フッ素単量体CH=CHCO−O−CHCH−C13を20g、アルキレングリコール(メタ)アクリレートである単量体CH=CHCOO−(CHCHO)4.5−Hを12g、2−メルカプトエタノールを0.3g、メチルエチルケトン50gを混合し、窒素で十分置換して窒素気流下、重合開始剤の有機過酸化物を適量加えて、還流下、約60℃で、目的の重合度に合わせて反応時間を調節して反応させ、その後、メチルエチルケトンを留去して含フッ素共重合体であるFAを得た。
【0038】
FA5:
単量体 仕込み重量比
CH=CHCO−O−CHCH−C13 100
CH=CHCOO−(CHCHO)4.5−H 60
CH=CHCOO−(CHCHO)−COCH=CH
重量平均分子量約8000
【0039】
FA6:
単量体 仕込み重量比
CH=CHCO−O−CHCH−C13 100
CH=CHCOO−CHCHO−H 17
CH=CHCOO−(CHCHO)4.5−H 42
重量平均分子量約8000
FA7:
単量体 仕込み重量比
CH=CHCO−O−CHCH−C13 100
CH=CHCOO−CHCHO−H 17
CH=CHCOO−(CHCHO)4.5−H 42
CH=CHCOO−(CHCHO)−COCH=CH
重量平均分子量約8000
【0040】
FA8:
単量体 仕込み重量比
CH=CHCO−O−CHCH−C13 100
CH=CCHCOO−(CHCHO)−H 60
重量平均分子量約8000
FA9:
単量体 仕込み重量比
CH=CHCO−O−CHCH−C13 100
CH=CHCOO−(CHCHO)−H 60
重量平均分子量約8000
FA10:
単量体 仕込み重量比
CH=CHCO−O−CHCH−C13 100
CH=CHCOO−(CHCHO)20−H 60
重量平均分子量約8000
FA11:
単量体 仕込み重量比
CH=CHCO−O−CHCH−C13 100
CH=CHCOO−(CHCHO)30−H 60
重量平均分子量約8000
【0041】
FA12:
単量体 仕込み重量比
CH=CHCO−O−CHCH−C17 100
CH=CHCOO−(CHCHO)4.5−H 60
重量平均分子量約8000
【0042】
FA13:
単量体 仕込み重量比
CH=CHCO−O−CHCH−C13 100
CH=CHCOO−(CHCHO)4.5−H 30
CH=CHCOO−(CHCHO)−COCH=CH
重量平均分子量約8000
FA14:
単量体 仕込み重量比
CH=CHCO−O−CHCH−C13 100
CH=CHCOO−(CHCHO)4.5−H 40
CH=CHCOO−(CHCHO)−COCH=CH
重量平均分子量約8000
FA15:
単量体 仕込み重量比
CH=CHCO−O−CHCH−C13 100
CH=CHCOO−(CHCHO)4.5−H 100
CH=CHCOO−(CHCHO)−COCH=CH
重量平均分子量約8000
【0043】
FA16:
単量体 仕込み重量比
CH=CHCO−O−CHCH−C13 100
CH=CHCOO−(CHCHO)4.5−H 60
CH=CHCOO−(CHCHO)−COCH=CH
重量平均分子量約8000
FA17:
単量体 仕込み重量比
CH=CHCO−O−CHCH−C13 100
CH=CHCOO−(CHCHO)4.5−H 60
CH=CHCOO−(CHCHO)−COCH=CH 10
重量平均分子量約8000
FA18:
単量体 仕込み重量比
CH=CHCO−O−CHCH−C13 100
CH=CHCOO−(CHCHO)4.5−H 60
CH=CHCOO−(CHCHO)−COCH=CH 15
重量平均分子量約8000
【0044】
以上、FA1〜FA18までの含フッ素共重合体を合成し、水:イソプロピルアルコール=1:1(重量比)のイソプロピルアルコール水溶液で希釈して、含フッ素共重合体の固形分を25重量%含む表面処理剤を用意した。合成した含フッ素共重合体の性能評価を行うために、この表面処理剤を用いてセリサイト(セリサイトFSE、三信鉱工製)の表面処理を行い、水とスクワランに対する接触角を測定した。
【0045】
(表面処理)
セリサイトを95g、各表面処理剤を20g、水:イソプロピルアルコール=1:1のイソプロピルアルコール水溶液30gを混合し、還流下、撹拌しながら80℃まで昇温して30分間混練した。引き続き、還流を止め、系をオープンにして溶媒を蒸発させ乾燥操作を行い、更に120℃で一昼夜乾燥して粉砕し各含フッ素共重合体の5重量%処理セリサイト(FAx処理セリサイト(5%)、xは前記各処理剤の番号)を得た。
【0046】
(接触角測定)
各FAx処理セリサイト(5%)を、IR錠剤成型器に詰め、約100kgf/平方センチメートルの圧力でプレスして、測定用サンプルとしてディスク状成型体を得た。この測定サンプルを協和界面科学社製の接触角計CA−X型にて、水及びスクワランに対する静的な接触角を測定した。なお、数値は測定3回の平均値であり、その結果を表1に示す。
【0047】
(表1)

【0048】
接触角の評価の目安として、各滴がディスク上で濡れ拡がらず、水では接触角がほぼ100度以上のものを撥水性ありと判断し、理想的には120度以上を好ましい状態と判断した。スクワランでは、50度以上の接触角を撥油性ありと判断し、55度以上で油滴を形成していれば、固形粉末化粧料へ応用しても良好であると判断した。
【0049】
この基準のもと、接触角の数値から各FA処理セリサイトを評価すると、FA1〜FA4の処理の結果からフッ素共重合体の重量平均分子量は5000〜15000程度まではもっとも良好な撥水撥油特性を示し、50000になると若干撥水性が劣る傾向が見られたが、良好な撥水撥油特性を示した。
【0050】
FA2とFA5の処理の結果から、ジ(メタ)アクリレートの単量体を共重合した方が、撥水撥油性能が上がる傾向にあることが判り、さらに、FA5とFA16〜FA18の処理の結果から、重合反応のジ(メタ)アクリレート仕込み重量比も含フッ素単量体100重量部に対して1〜10重量部が好ましい比率と考えられ、これを超えて15重量部になると若干撥水性能が落ちながら、使用感が、特に滑らかさの点で下がる傾向が見られた。
【0051】
FA2とFA6、及びFA8〜FA11の処理の比較から、アルキレングリコール(メタ)アクリレートのポリアルキレングリコールの相対的な重量比が下がると撥油特性が下がる傾向が見られ、ポリアルキレングリコールの相対的な重量比が上がると撥油特性が増す代わりに撥水特性が下がってくる傾向が見られた。この傾向からアルキレングリコール(メタ)アクリレートのアルキレングリコール部の重合度、すなわちnは20程度までは良いが、FA11のようにn=30とアルキレングリコールが過剰になってしまうと親水性が上がり水滴が濡れ広がり適さない。また、この傾向から、同じようなアクリレートであるジ(メタ)アクリレートのアルキレングリコール部の重合度pも20程度までが好ましいと判断した。
【0052】
さらに、FA5とFA13〜FA15の処理の比較から、重合反応のアルキレングリコール(メタ)アクリレートの仕込み重量比も、相対的にポリアルキレングリコールの相対的な重量比が下がると撥油性が下がり、逆に重量比が上がると撥油性が上がってくるけれども撥水性が下がる傾向が見られた。特に、撥油性能が発揮され出したFA13の処理の重合反応のアルキレングリコール(メタ)アクリレートの仕込み重量比30から、FA14の重量比40になると撥油性が増加傾向にあり重合比30と40で違いが見られ、さらに、重合比100までは順調に撥油特性が増加した。この結果から、特に重合反応のアルキレングリコール(メタ)アクリレートの仕込み重量比は40〜100が好ましいとした。
【0053】
含フッ素単量体のRはFA2とFA12の処理で、一般的に使われている炭素数6と8の比較を行った。炭素数8であれば撥油特性が確実に上がるが、PFOA問題、すなわち、パーフルオロオクタノイックアシッドの自然環境下での分解特性の問題から、自然環境下での蓄積性の下がる炭素数6のパーフルオロアルキル基を用いるのが良く、前述のようにポリアルキレングリコールの重合反応時の仕込み重量比や単量体中の重合量を調節すれば、炭素数6で十分である。
【0054】
(表面処理量)
FA5の含フッ素共重合体を、前述と同様に、水:イソプロピルアルコール=1:1(重量比)のイソプロピルアルコール水溶液で希釈して固形分25重量%になるようにした表面処理剤を調製し、セリサイトと微粒子酸化チタンに対して下記のような重量で仕込み、混合、撹拌、乾燥、粉砕工程を経て、表面処理を行った。(下記アルコール水溶液は前述の水:イソプロピルアルコール=1:1(重量比)のイソプロピルアルコール水溶液であり、表示の%は重量%である。なお、FA5処理セリサイト(5%)も前述のものと同一である。)

セリサイト 表面処理剤 アルコール水溶液
FA5処理セリサイト(1%) 99 4 50
FA5処理セリサイト(3%) 97 12 40
FA5処理セリサイト(5%) 95 20 30
FA5処理セリサイト(7%) 93 28 25
FA5処理セリサイト(20%) 80 80 0
FA5処理微粒子酸化チタン(10%) 90 40 30
FA5処理微粒子酸化チタン(15%) 85 60 20
各数値は仕込みのg数
【0055】
得られた各処理粉体について、前述の接触角測定をスクワランに対して行い、セリサイトについては、使用感として肌に塗布した時の滑らかさを検討した。その結果をまとめると次のようになる。
スクワランに対する接触角(度) 使用感
FA5処理セリサイト(1%) 51 滑らか
FA5処理セリサイト(3%) 63 滑らか
FA5処理セリサイト(5%) 69 滑らか
FA5処理セリサイト(7%) 68 滑らか
FA5処理セリサイト(20%) 70 凝集物があり
滑らかさ欠ける
FA5処理微粒子酸化チタン(10%) 60 ――――
FA5処理微粒子酸化チタン(15%) 69 ――――

【0056】
以上のように、セリサイトへの表面処理の結果から、撥油特性を出すためには含フッ素共重合体による表面処理の濃度は1重量%以上とする必要があり、20重量%まで表面処理を行うと凝集物が生じ滑らかさなど使用感を悪くしてしまう。また、微粒子酸化チタンのように微粒子で表面積の大きい粉体では10重量%とセリサイトよりもやや多めの処理量で撥油性が良好であり、15重量%でさらに良好な接触角結果を示した。従って、含フッ素共重合体による表面処理の濃度は、様々な粉体に処理することを考慮すると1〜15重量%が適当であるといえる。

【0057】
(処理粉体の吸湿特性)
次に前述のFA5処理セリサイトについて吸湿特性を調べた。実験は、FA5処理セリサイトで表面処理量を検討したFA5処理セリサイト(1%)とFA5処理セリサイト(5%)、さらに市販のシリコーン処理セリサイト(3%)を、各々5gをシャーレにとり、温度35℃、湿度95%中へ24時間放置し、前後の重量変化から各粉体の吸湿量を見積もった。次には、シリコーン処理セリサイトの吸湿量を1とした時の吸湿比を示す。

吸湿比
FA5処理セリサイト(1%) 1.95
FA5処理セリサイト(5%) 4.88
シリコーン処理セリサイト(3%) 1.00

【0058】
上記の吸湿特性の実験結果より、一般的に撥水特性が優れて、これまで多く化粧料に化粧もち素材として使われてきたシリコーン処理セリサイトと比較すると1重量%処理でも吸湿量が増すことが分かり、撥水撥油特性だけではなく、粉体自身に撥水特性があっても、相反して保水特性も見出すことができた。すなわち、一見、水をはじいて水を引きつけないような特性があっても粉体内に水を保持する能力を有することが確認できた。
【実施例1】
【0059】
次に、本発明の固形粉末化粧料の実施例について説明する。下記表2に示す処方及び下記製法により、固形粉末ファンデーションを調整し、以下に示す評価方法及び判定基準により評価し、結果を併せて表2に示した。
【0060】
(表2)

【0061】
(製法)
成分(1)〜(21)をヘンシェル型ミキサーにて均一に混合し、アトマイザーにて粉砕を行った。さらに、成分(1)〜(21)の混合粉砕物と、予め加熱混合しておいた成分(22)〜(25)をヘンシェル型ミキサーに加えて均一に混合し、アトマイザー粉砕後、ふるいを通し、中皿にプレスしてパウダーファンデーションを得た。
【0062】
(評価方法1:皮脂、汗に対する化粧もち試験)
平均気温が28度、平均湿度が65%である日中に、20〜40代の化粧品専門パネル10名に、上記実施例および比較例のパウダーファンデーションを使用してもらい、3時間経過した時点で、以下の評価基準により評点を付し、ファンデーションごとに評点の平均点を算出し、以下に示す判定基準に従って判定した。
<評価基準>
〔化粧もち〕 〔評点〕
非常に良好 :5
良好 :4
普通 :3
やや不良 :2
不良 :1
<判定基準>
〔評点の平均点〕 〔判定〕
4.0以上 ◎
3.5以上4.0未満 ○
2.5以上3.5未満 △
2.5以下 ×
【0063】
(評価方法2:乾燥に対する化粧もち試験)
気温、湿度を一定に制御できる室内にて、気温を18℃、湿度を35%に固定し、当室内にて20〜40代の化粧品専門パネル10名に、上記実施例および比較例のパウダーファンデーションを使用してもらい、3時間経過した時点で、以下の評価基準により評点を付し、ファンデーションごとに評点の平均点を算出し、以下に示す判定基準に従って判定した。
<評価基準>
〔化粧もち〕 〔評点〕
非常に良好 :5
良好 :4
普通 :3
やや不良 :2
不良 :1
<判定基準>
〔評点の平均点〕 〔判定〕
4.0以上 ◎
3.5以上4.0未満 ○
2.5以上3.5未満 △
2.5以下 ×
【0064】
表2の結果より明らかなように、本発明品の処方例1〜17のパウダーファンデーションは、汗・皮脂に対する化粧もち、及び乾燥に対する化粧もちにも優れた良好なものであった。一方、本発明品に含有されるFA処理粉体及び25℃でペースト状の油性成分を含まない比較例1は、汗・皮脂及び乾燥に対する化粧もちも十分ではなかった。また、比較例2のように、ワセリンのような25℃でペースト状の油性成分は含有するがFA処理粉体を含有しないファンデーションでは、乾燥に対する化粧くずれを抑制する効果はみられたものの、汗・皮脂による化粧もちは十分ではなかった。また、比較例3のように、FA処理粉体は含有するものの、25℃でペースト状の油性成分を含有しないファンデーションは、汗・皮脂による化粧くずれを抑制する効果がみられたものの、保湿効果は十分ではなく、乾燥による化粧くずれがみられ、良好な化粧料が得られなかった。
【0065】
本発明品の処方例1〜7は、いずれも汗・皮脂及び乾燥に対する化粧もちが十分であったが、FA5処理セリサイト(5%)を3重量%含有する処方例2のファンデーションにおいては、やや汗・皮脂対する化粧もちが十分ではなくなる傾向にある。FA1処理セリサイト(5%)を含有する処方例1のファンデーションにおいては、汗・皮脂及び乾燥に対する化粧もちが良好であったが、FA5処理セリサイト(5%)を5.0〜40重量%配合した処方例3〜6においてさらに良好な結果が得られた。一方、FA5処理セリサイトを45重量%含有する処方例7のファンデーションは、乾燥に対する化粧もち効果がやや低下する傾向がみられた。したがって、汗・皮脂による化粧くずれを防ぎつつ、乾燥による化粧くずれを抑制するには、処方中にFA処理粉体を5〜40重量%配合することが好ましい配合量である。
【0066】
FA5と組成がやや異なるFA7で表面処理したFA7セリサイト(5%)を用いて調製した処方例8、9においても、汗・皮脂に対する化粧もち、及び乾燥に対する化粧もちも良好である化粧料が得られた。
【0067】
比較例3と処方例10〜12をみると、比較例3のようにワセリンを含有しないファンデーションでは、保湿効果が十分ではなく、乾燥による化粧くずれがみられた。ワセリンを0.1〜2.0重量%含有する処方例10〜11は、汗・皮脂に対する化粧もち、及び乾燥に対する化粧もちが良好であった。一方2%以上含有する処方例12では、保湿効果は十分に保持されているものの、汗・皮脂に対しての化粧もち効果がやや低下する傾向にあった。したがって、ワセリンのような25℃でペースト状である油性成分は化粧料中に0.1〜2.0重量%配合することが好ましい。
【0068】
処方例13〜17をみると、塩化ナトリウムや硫酸(AL/K)を含有しない処方例12から0.1重量%塩化ナトリウムを含有している処方例14の方が汗・皮脂に対する化粧もちが向上しているので、塩化ナトリウムや硫酸(AL/K)を化粧料中に含有することの有用性は明らかである。また、塩化ナトリウム、及び/又は硫酸(AL/K)を0.05〜0.5重量%含有する処方例14〜17は、汗・皮脂に対する化粧もち、及び乾燥に対する化粧もちが良好であった。一方0.5重量%以上含有する処方例17では、塩の潮解性等から、汗・皮脂に対する化粧もちがやや低下する傾向にあった。したがって、塩化ナトリウムや硫酸(AL/K)は、化粧料中に0.05〜0.5重量%配合することがより好ましい。
【実施例2】
【0069】
(固形白粉)
前述のFA5処理セリサイト(5%)と25℃でペースト状の油性成分であるワセリン、及び塩化ナトリウム用いて、下記処方の固形白粉を調製した。

成分 配合量(重量%)
(1) FA5処理セリサイト(5%) 15.00
(2) タルク 50.00
(3) 合成金雲母 15.00
(4) ステアリン酸亜鉛 5.00
(5) シリコーン処理微粒子酸化チタン 3.00
(6) シリコーン処理酸化亜鉛 2.00
(7) ベンガラ 0.20
(8) 黄酸化鉄 0.40
(9) 黒酸化鉄 0.10
(10)ポリメタクリル酸メチル 5.00
(11)無水ケイ酸 0.50
(12)メチルパラベン 0.30
(13)塩化ナトリウム 0.10
(14)メチルポリシロキサン 1.50
(15)コハク酸ジ2−エチルヘキシル 1.40
(16)ワセリン 0.50
合計 100.00
【0070】
(調製方法)
成分(1)〜(13)をヘンシェル型ミキサーにて均一に混合し、アトマイザーにて粉砕を行った。さらに、成分(1)〜(13)の混合粉砕物と、予め加熱混合しておいた成分(14)〜(16)をヘンシェル型ミキサーに加えて均一に混合し、アトマイザー粉砕後、ふるいを通し、中皿にプレスして固形白粉を得た。
【0071】
得られた実施例2の固形白粉は汗や皮脂に対する化粧もちに優れ、肌の乾燥による化粧膜の滑落や粉ふきなどの化粧くずれも防ぐ優れた化粧料であった。
【実施例3】
【0072】
(固形粉末チークカラー(ほほ紅))
FA5処理セリサイト(5%)と25℃でペースト状の油性成分であるマカデミアナッツ脂肪酸フィトステリル、及び塩化ナトリウムを用いて、下記処方の固形粉末チークカラーを調製した。

成分 配合量(重量%)
(1) FA5処理セリサイト(5%) 15.00
(2) タルク 50.00
(3) 雲母チタン 12.00
(4) 合成金雲母 5.00
(5) 無水ケイ酸 1.50
(6) ベンガラ 2.00
(7) 黄酸化鉄 0.50
(8) 酸化チタン 0.20
(9) 塩化ナトリウム 0.10
(10)メチルパラベン 0.20
(11)メチルポリシロキサン 5.50
(12)コハク酸ジ2−エチルヘキシル 5.00
(13)マカデミアナッツ脂肪酸フィトステリル 2.00
(14)セスキオレイン酸ソルビタン 1.00
合計 100.00
【0073】
(調製方法)
成分(1)〜(10)をヘンシェル型ミキサーにて均一に混合し、アトマイザーにて粉砕を行った。さらに、成分(1)〜(10)の混合粉砕物と、予め加熱混合しておいた成分(11)〜(14)をヘンシェル型ミキサーに加えて均一に混合し、アトマイザー粉砕後、ふるいを通し、中皿にプレスしてチークカラーを得た。
【0074】
得られた実施例3のチークカラーは汗や皮脂に対する化粧もち並びに頬周りの乾燥を防ぐ効果にも優れた化粧料であった。
【実施例4】
【0075】
(固形粉末アイシャドウ)
FA5処理セリサイト(5%)と25℃でペースト状の油性成分である(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチル、及び硫酸(AL/K)を用いて、下記処方の固形粉末アイシャドウを調製した。

成分 配合量(重量%)
(1) FA5処理セリサイト(5%) 10.00
(2) シリコーン処理マイカ 25.00
(3) シリコーン処理タルク 15.00
(4) 雲母チタン 15.00
(5) カルミン被覆雲母チタン 5.00
(6) 合成金雲母 5.00
(7) 窒化ホウ素 5.00
(8) 球状シリコーン粉体 2.00
(9) 無水ケイ酸 1.00
(10)ベンガラ 0.65
(11)黄酸化鉄 0.20
(14)酸化チタン 0.20
(15)赤色226号 0.30
(16)硫酸(AL/K) 0.10
(17)メチルパラベン 0.50
(18)メチルポリシロキサン 5.00
(19)コハク酸ジ2−エチルヘキシル 8.00
(20)(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)
ジペンタエリスリチル 2.00
(21)トコフェロール 0.05
合計 100.00
【0076】
(調製方法)
成分(1)〜(17)をヘンシェル型ミキサーにて均一に混合し、アトマイザーにて粉砕を行った。さらに、成分(1)〜(17)の混合粉砕物と、予め加熱混合しておいた成分(17)〜(21)をヘンシェル型ミキサーに加えて均一に混合し、アトマイザー粉砕後、ふるいを通し、中皿にプレスしてアイシャドウを得た。
【0077】
得られた実施例4のアイシャドウは汗や皮脂に対する化粧もち並びに目もとの乾燥を防ぐ効果にも優れた化粧料であった。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(1)で表わされる含フッ素単量体及び一般式(2)で表わされるアルキレングリコール(メタ)アクリレートで示される単量体を重合した含フッ素共重合体、及び/又は、該一般式(1)、一般式(2)の単量体成分と一般式(3)で示される架橋性単量体であるジ(メタ)アクリレートを含む単量体とを重合した含フッ素共重合体を、粉体の重量に対して1〜15重量%の濃度で処理して得られる化粧品用粉体と、25℃においてペースト状である油性成分を含有する固形粉末化粧料。
CH=CRCO−X−(CH−R (1)
(式中、Rは水素原子又はメチル基、Xは−O−又は−NH−、mは1〜10の整数、Rは炭素数3〜21のパーフルオロアルキル基又はパーフルオロアルケニル基である。)
CH=CRCOO−(RO)−R (2)
(式中、Rは水素原子又はメチル基、Rは炭素数2〜6のアルキレン基、nは1〜20の整数、Rは水素原子又は炭素数1〜22の不飽和又は飽和の炭化水素基である。)
CH=CRCOO−(RO)−COCR=CH (3)
(式中、Rは水素原子又はメチル基、Rは炭素数2〜6のアルキレン基、pは1〜20の整数である。)
【請求項2】
請求項1記載の化粧品用粉体を5〜40重量%含有する請求項1記載の固形粉末化粧料。
【請求項3】
請求項1記載の25℃においてペースト状である油性成分を0.1〜2.0重量%含有する請求項1又は2記載の固形粉体化粧料。
【請求項4】
硫酸カリウムアルミニウム12水和物及び/又は、塩化ナトリウムを0.05〜0.5%含有する請求項1〜3記載の固形粉末化粧料。


【公開番号】特開2011−136917(P2011−136917A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−296460(P2009−296460)
【出願日】平成21年12月26日(2009.12.26)
【出願人】(592262543)日本メナード化粧品株式会社 (223)
【Fターム(参考)】