説明

固形製剤

(i) 式(I):


(式中、各記号は明細書記載のとおり)で表される化合物又はその塩、(ii) 糖アルコール、及び(iii) カルシウム拮抗薬を含有する、溶出性および安定性に優れた固形製剤を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬物の製剤からの溶出性が改善された固形製剤に関する。
【0002】
[発明の背景]
高血圧症は成人において最も頻度の高い疾患の一つである。平成12年の厚生労働省による循環器疾患基礎調査によると、日本国内の高血圧症患者(収縮期血圧140mmHg以上あるいは拡張期血圧90mmHg以上の者、又は降圧薬服用者)は3,100万人から3,800万人程度にまで及ぶ。高血圧症は脳血管疾患や心筋梗塞をはじめとするあらゆる循環器疾患の強力なリスク因子である。従って、血圧を適切に管理することは患者の予後の改善並びに個人的及び社会的負担の軽減の両面から重要である。
【0003】
高血圧症の治療薬としては、降圧利尿薬、α遮断薬、β遮断薬、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬、カルシウム拮抗薬、アンジオテンシンII受容体拮抗薬などの様々な種類のものが開発されており、高血圧症と診断された患者の多くがこれら降圧薬による薬物治療を受けている。例えば、以下の式(I):
【0004】
【化1】

【0005】
(式中、Rは脱プロトン化し得る水素原子を有する単環状の含窒素複素環基を示し、Rはエステル化されていてもよいカルボキシル基を示し、Rは置換されていてもよい低級アルキル基を示す。)で表される化合物又はその塩は、優れた降圧効果と臓器保護作用を示すアンジオテンシンII受容体拮抗薬として知られている。特許文献1には、代表的な薬剤として、1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチル 2−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]ベンズイミダゾール−7−カルボキシラート(カンデサルタン シレキセチル)が開示されている。
【0006】
一方、J−HOME研究(The Japan Home vs. Office blood pressure Measurement Evaluation 研究)によれば、薬物治療を受けている高血圧症患者のうち、降圧目標値(外来時随時血圧140/90mmHg未満)を達成しているのは全体の約四割であり、このことは、既存の薬物治療によってもなお血圧管理が十分でない患者が存在することを意味している。降圧目標値の達成割合を向上させるためには、更に強力な降圧治療が求められている。
【0007】
強力な降圧効果を発揮する薬物療法として、複数の薬物を用いた併用療法が挙げられる。例えば、特許文献2には、レニン−アンジオテンシン系阻害剤と他の降圧薬、コレステロール低下薬、利尿薬などとの併用が開示されている。特許文献3には、アンジオテンシンII受容体拮抗薬と他の降圧薬又はスタチンとの併用が開示されている。しかし、服用のタイミングが異なる複数の薬剤を組み合わせて服薬することは、患者の服薬コンプライアンスの低下を招くおそれがあり、飲み忘れによる血圧コントロール不備が懸念される。そこで、より適切な血圧管理のために、各種の降圧薬を一つの薬剤に処方した配合剤が、強力な降圧効果を発揮し、かつ患者の服薬コンプライアンスを維持する理想的な薬剤として、臨床現場から強く求められている。
【0008】
かかる配合剤として、アンジオテンシンII受容体拮抗薬とカルシウム拮抗薬との配合剤が提案されている。特許文献4には、アンジオテンシンII受容体拮抗薬と利尿薬、カルシウム拮抗薬などの他の薬剤との配合剤が開示されている。特許文献5には、オルメサルタン メドキソミル等のイミダゾールカルボキシレート系のアンジオテンシンII受容体拮抗薬と、カルシウム拮抗薬との配合剤が開示されている。特許文献6には、アンジオテンシンII受容体拮抗薬であるバルサルタンと、カルシウム拮抗薬であるアムロジピン等の1,4−ジヒドロピリジン系化合物などとの配合剤が開示されている。特許文献7には、アンジオテンシンII受容体拮抗薬である2−ブチル−4−クロロ−1−[(2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル)メチル]イミダゾール−5−カルボン酸又はその薬学的に許容し得る塩と、カルシウム拮抗薬であるジルチアゼムとの配合剤が開示されている。また、特許文献8には、アンジオテンシン受容体拮抗薬であるベンズイミダゾール誘導体と、利尿薬又はカルシウム拮抗薬との配合剤が開示されている。
【0009】
アンジオテンシンII受容体拮抗薬であるベンズイミダゾール誘導体を含有し、かつ、カルシウム拮抗薬を含む製剤は臨床の場において、臓器保護効果の高いアンジオテンシンII受容体拮抗薬であるベンズイミダゾール誘導体の薬効と、強い降圧効果を持つカルシウム拮抗薬の薬効を同時に期待できる。また、組み合わせによって、作用の増強、副作用の低減にもつながり、その臨床上の有用性は極めて高い。
【0010】
しかし、医薬品の有効性と安全性を担保するためには、薬効成分自体の有効性や安全性が重要であるばかりでなく、生体内における薬物溶出性など、製剤の持つ特性も極めて重要である。例えば、製剤からの薬物溶出が遅すぎると、血中の薬物が有効な濃度に達せず、期待された薬効が十分に発揮されない可能性がある。一方、製剤からの薬物溶出が速すぎると、血中の薬物濃度が急激に上昇し、副作用の危険性が高まる。
【0011】
すなわち、医薬品には、有効性と安全性に加え、一定の薬物溶出性が保証されていることが要求される。配合剤の場合、各種添加剤との相性に加え、活性成分ごとに求められる条件が異なるため、これらの条件を全て具備する製剤の開発は単一活性成分を含む製剤に比べると困難な場合が多い。特に、アンジオテンシンII受容体拮抗薬であるベンズイミダゾール誘導体は難溶性化合物であることから、添加物、配合する有効成分の特性により、その製剤からの溶出性が低下する可能性がある。投与された配合剤中から薬物の放出が遅延することは、薬物の吸収性が低下し、バイオアベイラビリティーの低下、すなわち活性成分の薬効低下につながり、配合剤の価値を下げることになる。従って、製剤の実用化のためには活性成分の消化管内での溶出速度が最適となるように、製剤組成を調節する必要があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特許第2514282号公報
【特許文献2】国際公開第01/15674号パンフレット
【特許文献3】国際公開第02/43807号パンフレット
【特許文献4】国際公開第92/10097号パンフレット
【特許文献5】特開2006−290899号公報
【特許文献6】米国特許第6204281号公報
【特許文献7】特許第2930252号公報
【特許文献8】特許第3057471号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
そこで、本発明においては、アンジオテンシンII受容体拮抗作用を有するベンズイミダゾール誘導体と、カルシウム拮抗薬とを安定に含有し、消化管におけるこれら薬物の製剤からの溶出性が最適となるように調節された固形製剤を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、ヒト消化管での溶出性が適切にコントロールされた、(i) 式(I)で表される化合物又はその塩、(ii) 糖アルコール、及び(iii) カルシウム拮抗薬を含有する固形製剤を見出した。具体的には、賦形剤に着目し、水溶性の高い糖アルコールを使用することにより、固形製剤からの薬物の溶出性を改善できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0015】
すなわち、本発明は、
[1](i) 式(I):
【0016】
【化2】

【0017】
(式中、Rは脱プロトン化し得る水素原子を有する単環状の含窒素複素環基を示し、Rはエステル化されていてもよいカルボキシル基を示し、Rは置換されていてもよい低級アルキル基を示す。)で表される化合物又はその塩、(ii) 糖アルコール、及び(iii) カルシウム拮抗薬を含有する、固形製剤;
[1A]Rが、水酸基、アミノ基、ハロゲン原子、炭素数2〜6の低級アルカノイルオキシ基、炭素数4〜7の低級シクロアルカノイルオキシ基、炭素数1〜6の低級アルコキシ基を有するカルボニルオキシ基、炭素数3〜7の低級シクロアルコキシ基を有するカルボニルオキシ基、及び炭素数1〜4の低級アルコキシ基から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよい炭素数1〜4の低級アルキル基でエステル化されていてもよいカルボキシル基である、上記[1]記載の固形製剤;
[1B]Rが、1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エトキシカルボニル基又はカルボキシル基である、上記[1]記載の固形製剤;
[2]式(I)で表される化合物又はその塩が、1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチル 2−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]ベンズイミダゾール−7−カルボキシラート、2−エトキシ−1−[[2'−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸、2−エトキシ−1−[[2’−(4,5−ジヒドロ−5−オキソ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸又はこれらの塩である、上記[1]、[1A]又は[1B]記載の固形製剤;
[3]式(I)で表される化合物又はその塩が、1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチル 2−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]ベンズイミダゾール−7−カルボキシラート又はその塩である、上記[1]、[2]、[1A]又は[1B]記載の固形製剤;
[4]式(I)で表される化合物又はその塩が、2−エトキシ−1−[[2’−(4,5−ジヒドロ−5−オキソ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸又はその塩である、上記[1]、[2]、[1A]又は[1B]記載の固形製剤;
[5]糖アルコールが、マンニトール、ソルビトール又はエリスリトールである、上記[1]、[2]、[3]、[4]、[1A]又は[1B]のいずれか1つに記載の固形製剤;
[6]糖アルコールがマンニトールである、上記[1]、[2]、[3]、[4]、[5]、[1A]又は[1B]記載の固形製剤;
[7]カルシウム拮抗薬が、アゼルニジピン、アムロジピン、アラニジピン、エホニジピン、シルニジピン、ニカルジピン、ニソルジピン、ニトレンジピン、ニフェジピン、ニルバジピン、バルニジピン、フェロジピン、ベニジピン、マニジピン又はこれらの塩である、上記[1]、[2]、[3]、[4]、[5]、[6]、[1A]又は[1B]記載の固形製剤;
[8]カルシウム拮抗薬がアムロジピン又はその塩である、上記[1]、[2]、[3]、[4]、[5]、[6]、[7]、[1A]又は[1B]記載の固形製剤;
[9]ポリエチレングリコールをさらに含有する、上記[1]、[2]、[3]、[4]、[5]、[6]、[7]、[8]、[1A]又は[1B]記載の固形製剤;
[10]ポリエチレングリコールの分子量が1,000〜10,000である、上記[9]記載の固形製剤;
[11](i) 1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチル 2−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]ベンズイミダゾール−7−カルボキシラート又はその塩、(ii) マンニトール、及び(iii) アムロジピン又はその塩を含有する、固形製剤;
[11A]ポリエチレングリコールをさらに含有する、上記[11]記載の固形製剤;
[11B]ポリエチレングリコールの分子量が1,000〜10,000(好ましくは3,000〜10,000)である、上記[11A]記載の固形製剤;
[11C]ポリエチレングリコールの含量が1〜5重量%である、上記[11B]記載の固形製剤;
[11D]ポリエチレングリコールの含量が1〜3重量%である、上記[11B]記載の固形製剤;
[12](i) 2−エトキシ−1−〔〔2’−(4,5−ジヒドロ−5−オキソ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)ビフェニル−4−イル〕メチル〕−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸又はその塩、(ii) マンニトール、及び(iii) アムロジピン又はその塩を含有する、固形製剤;
[12A]ポリエチレングリコールをさらに含有する、上記[12]記載の固形製剤;
[12B]ポリエチレングリコールの分子量が1,000〜10,000(好ましくは3,000〜10,000)である、上記[12A]記載の固形製剤;
[12C]ポリエチレングリコールの含量が1〜5重量%である、上記[12B]記載の固形製剤;
[12D]ポリエチレングリコールの含量が1〜3重量%である、上記[12B]記載の固形製剤;
[13]錠剤である、上記[1]、[2]、[3]、[4]、[5]、[6]、[7]、[8]、[9]、[10]、[11]、[12]、[1A]、[1B]、[11A]、[11B]、[11C]、[11D]、[12A]、[12B]、[12C]又は[12D]記載の固形製剤;
[14]単層錠である、上記[1]、[2]、[3]、[4]、[5]、[6]、[7]、[8]、[9]、[10]、[11]、[12]、[1A]、[1B]、[11A]、[11B]、[11C]、[11D]、[12A]、[12B]、[12C]又は[12D]記載の固形製剤;
[15]高血圧症、心不全、糖尿病性腎症又は動脈硬化症の予防又は治療薬である、上記[1]、[2]、[3]、[4]、[5]、[6]、[7]、[8]、[9]、[10]、[11]、[12]、[13]、[14]、[1A]、[1B]、[11A]、[11B]、[11C]、[11D]、[12A]、[12B]、[12C]又は[12D]記載の固形製剤;
[16]高血圧症の予防又は治療薬である、上記[1]、[2]、[3]、[4]、[5]、[6]、[7]、[8]、[9]、[10]、[11]、[12]、[13]、[14]、[1A]、[1B]、[11A]、[11B]、[11C]、[11D]、[12A]、[12B]、[12C]又は[12D]記載の固形製剤;
等に関する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、上記式(I)で表される化合物又はその塩と、カルシウム拮抗薬の消化管内における製剤からの溶出が適切にコントロールされ、かつこれらの製剤中における安定性も良好に保持される固形製剤を得ることができる。すなわち、本発明の固形製剤は、上記式(I)で表される化合物又はその塩及びカルシウム拮抗薬のそれぞれの製剤からの溶出性と安定性が優れる。
【0019】
[発明の詳細な説明]
以下に、本発明の固形製剤について詳細に説明する。
本発明の固形製剤は、(i) 下記の式(I):
【0020】
【化3】

【0021】
(式中、Rは脱プロトン化し得る水素原子を有する単環状の含窒素複素環基を示し、Rはエステル化されていてもよいカルボキシル基を示し、Rは置換されていてもよい低級アルキル基を示す。)で表される化合物又はその塩、(ii) 糖アルコール、及び(iii) カルシウム拮抗薬を含有する、固形製剤(以下、本発明の固形製剤ともいう)である。
【0022】
上記の式(I)において、Rが示す脱プロトン化し得る水素原子を有する単環状の含窒素複素環基としては、例えば、テトラゾリル基、式
【0023】
【化4】

【0024】
〔式中、iは−O−又は−S−を示し、jは>C=O、>C=S又は>S(O)(式中、mは0、1又は2を示す)を示す。〕
【0025】
で表される基などが挙げられる。好ましい基としては、テトラゾリル基、4,5−ジヒドロ−5−オキソ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル基などが挙げられる。
なお、4,5−ジヒドロ−5−オキソ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル基には、式:
【0026】
【化5】

【0027】
で示される3つの互変異性体(a’、b’及びc’)が存在し、4,5−ジヒドロ−5−オキソ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル基は上記a’、b’及びc’のすべてを含む。
【0028】
上記の式(I)において、Rが示すエステル化されていてもよいカルボキシル基としては、例えば、炭素数1〜4の低級アルキル基でエステル化されていてもよいカルボキシル基が挙げられる。前記の低級アルキル基は、水酸基、アミノ基、ハロゲン原子、炭素数2〜6の低級アルカノイルオキシ基(例えば、アセチルオキシ基、ピバロイルオキシ基など)、炭素数4〜7の低級シクロアルカノイルオキシ基、炭素数1〜6の低級アルコキシ基を有するカルボニルオキシ基(例えば、メトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基など)、炭素数3〜7の低級シクロアルコキシ基を有するカルボニルオキシ基(例えば、シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ基など)、及び炭素数1〜4の低級アルコキシ基よりなる群から選ばれる1〜5個(好ましくは、1〜3個)の置換基で置換されていてもよい。好ましい基としては、1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エトキシカルボニル基、カルボキシル基などが挙げられる。
【0029】
上記の式(I)において、Rが示す置換されていてもよい低級アルキル基としては、水酸基、アミノ基、ハロゲン原子及び炭素数1〜4の低級アルコキシ基よりなる群から選ばれる1〜5個(好ましくは、1〜3個)の置換基で置換されていてもよい炭素数1〜5の低級アルキル基が挙げられ、炭素数2〜3の低級アルキル基が好ましく、エチル基が特に好ましい。
【0030】
上記の式(I)で表される化合物の塩としては、薬学的に許容される塩であればよく、例えば、式(I)で表される化合物と、無機塩基との塩、有機塩基との塩、無機酸との塩、有機酸との塩、塩基性又は酸性アミノ酸との塩などが挙げられる。無機塩基との塩の好適な例としては、例えばナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩;アルミニウム塩、アンモニウム塩などが挙げられる。有機塩基との塩の好適な例としては、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミンなどとの塩が挙げられる。無機酸との塩の好適な例としては、例えば、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸などとの塩が挙げられる。有機酸との塩の好適な例としては、例えば、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などとの塩が挙げられる。塩基性アミノ酸との塩の好適な例としては、例えば、アルギニン、リジン、オルニチンなどとの塩が挙げられる。酸性アミノ酸との塩の好適な例としては、例えばアスパラギン酸、グルタミン酸などとの塩が挙げられる。
【0031】
また、上記の式(I)で表される化合物又はその塩は、水和物又は非水和物のいずれであってもよく、また、溶媒和物又は非溶媒和物のいずれであってもよい。
さらに、上記の式(I)で表される化合物又はその塩は、結晶状であることが好ましく、かつ融点が100〜250℃、なかでも120〜200℃、とりわけ130〜180℃であるものが好ましい。
【0032】
本発明の固形製剤には、上記の式(I)で表される化合物又はその塩を用いる。かかる化合物又はその塩としては、1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチル 2−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]ベンズイミダゾール−7−カルボキシラート、2−エトキシ−1−[[2'−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸、ピバロイルオキシメチル 2−エトキシ−1−[[2'−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボキシラート、2−エトキシ−1−[[2’−(4,5−ジヒドロ−5−オキソ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸、又はこれらの塩が好ましいものとして例示される。なかでも、1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチル 2−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]ベンズイミダゾール−7−カルボキシラート又はその塩、2−エトキシ−1−[[2’−(4,5−ジヒドロ−5−オキソ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸又はその塩が特に好ましいものとして挙げられる。
【0033】
本発明において、上記の式(I)で表される化合物又はその塩は、本発明の固形製剤中に、遊離体に換算して0.1〜60重量%、好ましくは1〜40重量%、より好ましくは3〜30重量%含有される。
【0034】
本発明で用いる糖アルコールとしては、上記の式(I)で表される化合物又はその塩の製剤中における安定性と、製剤からの溶出性とを両立させるものであって、医薬品に適用可能であれば如何なる糖アルコールであってもよい。本発明で用いる糖アルコールとしては、例えば、テトリトール(例、エリスリトール、D−スレイトール、L−スレイトール等)、ペンチトール(例、D−アラビニトール、キシリトール等)、ヘキシトール(例、D−イジトール、ガラクチトール(ダルシトール)、D−グルシトール(ソルビトール)、マンニトール等)、シクリトール(例、イノシトール等)等の単糖の糖アルコール;マルチトール、ラクチトール、還元パラチノース(イソマルト)等の二糖の糖アルコール;ペンタエリスリトール、還元麦芽糖水飴等のオリゴ糖の糖アルコール;等が挙げられる。これらの中でも、単糖の糖アルコールが好ましく、マンニトール、ソルビトール又はエリスリトールがより好ましい。特にマンニトールが好ましく、とりわけD−マンニトールが好ましい。当該糖アルコールは単独で用いても又は二種以上を併用してもよい。また、当該糖アルコールは、カルシウム拮抗薬に対しても製剤中の安定性と製剤からの溶出性とを両立させる。
【0035】
本発明において、糖アルコールは、本発明の固形製剤中、15〜85重量%、好ましくは20〜80重量%、さらに好ましくは25〜75重量%含有される。
【0036】
本発明で用いるカルシウム拮抗薬としては、例えばアゼルニジピン、アムロジピン、アラニジピン、エホニジピン、シルニジピン、ニカルジピン、ニソルジピン、ニトレンジピン、ニフェジピン、ニルバジピン、バルニジピン、フェロジピン、ベニジピン、マニジピン等のジヒドロピリジン系化合物;ジルチアゼム等のベンゾチアゼピン系化合物;等が挙げられる。本発明において用いるカルシウム拮抗薬には、前記カルシウム拮抗薬として挙げられた化合物の塩も含まれる。
【0037】
本発明で用いるカルシウム拮抗薬としては、ジヒドロピリジン系化合物、特にアムロジピン又はその塩が好ましく、なかでもアムロジピンの塩がより好ましい。とりわけベシル酸アムロジピンが好ましい。
【0038】
本発明において、カルシウム拮抗薬は、本発明の固形製剤中、遊離体に換算して、通常0.05〜60重量%、好ましくは0.1〜40重量%、さらに好ましくは0.5〜20重量%含有される。具体的には、例えばアムロジピンの場合は、遊離体に換算して通常0.05〜60重量%、好ましくは0.1〜40重量%、さらに好ましくは0.5〜20重量%含有される。
【0039】
本発明の固形製剤は、さらにアルキレンオキサイド重合体を含有していてもよい。アルキレンオキサイド重合体としては、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、トリメチレンオキサイド、テトラヒドロフラン等(好ましくは、エチレンオキサイド)の重合体が挙げられる。アルキレンオキサイド重合体の分子量は、1,000〜10,000が好ましく、3,000〜10,000がより好ましい。また、アルキレンオキサイド重合体はアルキレンオキサイドの共重合体であってもよく、アルキレンオキサイドの共重合体としては、例えば、分子量が1,000〜10,000(好ましくは3,000〜10,000)であって、上記アルキレンオキサイドの二種以上の共重合体が挙げられる。
当該アルキレンオキサイド重合体は単独で用いても又は二種以上を併用してもよい。
【0040】
本発明で用いるアルキレンオキサイド重合体としては、ポリエチレングリコールが好ましく、分子量1,000〜10,000のポリエチレングリコールがより好ましく、分子量3,000〜10,000のポリエチレングリコール(例、ポリエチレングリコール4000、ポリエチレングリコール6000、ポリエチレングリコール10000)が特に好ましい。
【0041】
本発明において、アルキレンオキサイド重合体は、本発明の固形製剤中、好ましくは1〜5重量%、より好ましくは1〜3重量%含有される。
【0042】
本発明の固形製剤の好ましい態様としては、
上記式(I)で表される化合物又はその塩が1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチル 2−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]ベンズイミダゾール−7−カルボキシラート(以下、「化合物A」と称することがある)又はその塩であり、カルシウム拮抗薬がベシル酸アムロジピンである固形製剤;
上記式(I)で表される化合物又はその塩が2−エトキシ−1−〔〔2’−(4,5−ジヒドロ−5−オキソ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)ビフェニル−4−イル〕メチル〕−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸(以下、「化合物B」と称することがある)又はその塩であり、カルシウム拮抗薬がベシル酸アムロジピンである固形製剤;
等が挙げられる。
【0043】
本発明の固形製剤としては、例えば、錠剤、顆粒剤、細粒剤、カプセル剤、丸剤などの経口投与に適した固形製剤が挙げられ、なかでも錠剤が好ましく、単層錠がより好ましい。本発明の固形製剤が錠剤である場合、錠剤の形状は、丸形、オーバル形、オブロング形等のいずれであってもよい。錠剤のサイズは、錠剤の形状(丸形、キャプレット形、オブロング形等)により異なるが、患者が服用しやすいサイズであればよい。本発明の固形製剤が単層錠である場合、錠剤サイズが小さく服用しやすい。
【0044】
本発明における固形製剤の態様としては、
(1)一群造粒製剤
式(I)で表される化合物又はその塩、糖アルコール、及びカルシウム拮抗剤(好ましくは、式(I)で表される化合物又はその塩、糖アルコール、カルシウム拮抗剤、及びポリエチレングリコール)を含有する混合物を造粒し、得られる造粒物を圧縮成形することによって得られる固形製剤(例、一群造粒単層錠);
(2)二群造粒製剤
(a)それぞれ個別に造粒して得られる以下の第一の部分と第二の部分とを混合して圧縮成形することによって得られる固形製剤(例、二群造粒単層錠);
(b)それぞれ個別に造粒して得られる以下の第一の部分と第二の部分とを混合せずに圧縮成形することによって得られる固形製剤(例、積層錠);
(c)それぞれ個別に造粒して得られる以下の第一の部分と第二の部分において、一方の部分に他方の部分を被覆することによって得られる固形製剤(例、有核錠);
第一の部分:式(I)で表される化合物又はその塩を含有する部分(好ましくは、式(I)で表される化合物又はその塩、及びポリエチレングリコールを含有する部分)
第二の部分:糖アルコール及びカルシウム拮抗剤を含有する部分
等が挙げられる。
本発明における固形製剤の好ましい態様としては、一群造粒製剤(例、一群造粒単層錠)が挙げられる。
【0045】
本発明の固形製剤は、製剤分野において慣用の添加剤を含有させてもよい。該添加剤としては、例えば、賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、pH調整剤、着色剤、界面活性剤、安定化剤、酸味料、香料、流動化剤などが挙げられる。これら添加剤は、製剤分野において慣用の量が用いられる。また、これら添加剤は、2種以上を適宜の割合で混合してもよい。
【0046】
賦形剤としては、例えば、トウモロコシデンプン、馬鈴薯デンプン、コムギデンプン、コメデンプン、部分アルファー化デンプン、アルファー化デンプン、有孔デンプン等のデンプン類、乳糖、果糖、ブドウ糖、ショ糖等の糖類、無水リン酸カルシウム、結晶セルロース、微結晶セルロース、カンゾウ末、炭酸水素ナトリウム、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、沈降炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウムなどが挙げられる。
【0047】
崩壊剤としては、例えば、アミノ酸、デンプン、トウモロコシデンプン、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、カルメロースナトリウム、カルメロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルスターチなどが用いられる。
本発明において、崩壊剤は、本発明の固形製剤中、好ましくは0.1〜30重量%、より好ましくは1〜10重量%含有される。
【0048】
結合剤としては、例えば、結晶セルロース(例、微結晶セルロース)、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、デンプン、アラビアゴム末、トラガント、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、プルラン、グリセリン等が挙げられる。
本発明において、結合剤は、本発明の固形製剤中、好ましくは0.1〜40重量%、より好ましくは1〜10重量%含有される。
【0049】
滑沢剤としては、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、タルク(精製タルク)、ショ糖脂肪酸エステル、フマル酸ステアリルナトリウムなどが挙げられる。
【0050】
pH調整剤としては、例えば、クエン酸又はその塩、リン酸又はその塩、炭酸又はその塩、酒石酸又はその塩、フマル酸又はその塩、酢酸又はその塩、アミノ酸又はその塩などが挙げられる。
【0051】
着色剤としては、例えば、食用黄色5号、食用赤色2号、食用青色2号等の食用色素、食用黄色4号アルミニウムレーキ等の食用レーキ色素、三二酸化鉄(ベンガラ)、黄色三二酸化鉄、四酸化三鉄(黒酸化鉄)等の酸化鉄顔料などが挙げられる。
【0052】
界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリソルベート80、ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコールなどが挙げられる。
【0053】
安定化剤としては、例えばトコフェロール、エデト酸四ナトリウム、ニコチン酸アミド、シクロデキストリン類などが挙げられる。
【0054】
酸味料としては、例えば、アスコルビン酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸などが挙げられる。
【0055】
香料としては、例えば、メントール、ハッカ油、レモン油、バニリンなどが挙げられる。
【0056】
流動化剤としては、例えば、軽質無水ケイ酸、含水二酸化ケイ素などが挙げられる。
【0057】
本発明の固形製剤は、コーティング基剤、コーティング添加剤などによりフィルムコーティングして、フィルムコーティング製剤とすることもできる。フィルムコーティング製剤としては、糖衣剤、徐放性製剤、腸溶性製剤などが挙げられる。
【0058】
コーティング基剤の好適な例としては、糖衣基剤、水溶性フィルムコーティング基剤、腸溶性フィルムコーティング基剤、徐放性フィルムコーティング基剤などが挙げられる。
【0059】
糖衣基剤としては、ショ糖が用いられる。さらに、タルク、沈降炭酸カルシウム、ゼラチン、アラビアゴム、プルラン、カルナウバロウなどから選ばれる1種又は2種以上を併用してもよい。
【0060】
水溶性フィルムコーティング基剤としては、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース[例、NISSO HPC(グレード:L、SL、SL−T、SSL)(商品名);日本曹達株式会社製]、ヒプロメロース[例、TC−5(グレード:MW、E、EW、R、RW)(商品名);信越化学株式会社製]、ヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース等のセルロース系高分子、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、アミノアルキルメタクリレートコポリマーE[オイドラギットE(商品名);ロームアンドハース社製]、ポリビニルピロリドン等の合成高分子、プルラン等の多糖類などが挙げられる。
【0061】
腸溶性フィルムコーティング基剤としては、例えば、ヒプロメロースフタル酸エステル、ヒドロキシプロピルメチルセルロース アセテートサクシネート、カルボキシメチルエチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース等のセルロース系高分子、メタクリル酸コポリマーL[オイドラギットL(商品名)]、メタクリル酸コポリマーLD[オイドラギットL−30D55(商品名);ロームアンドハース社製]、メタクリル酸コポリマーS[オイドラギットS(商品名);ロームアンドハース社製]等のアクリル酸系高分子、セラック等の天然高分子などが挙げられる。
【0062】
徐放性フィルムコーティング基剤としては、例えば、エチルセルロース等のセルロース系高分子、アミノアルキルメタクリレートコポリマーRS[オイドラギットRS(商品名);ロームアンドハース社製]、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチル共重合体懸濁液[オイドラギットNE(商品名);ロームアンドハース社製]等のアクリル酸系高分子などが挙げられる。
【0063】
コーティング添加剤の好適な例としては、二酸化チタン等の遮光剤、タルク等の流動化剤、三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄等の着色剤、ポリエチレングリコール[例、マクロゴール6000(商品名);三洋化成工業株式会社製]、クエン酸トリエチル、ヒマシ油、ポリソルベート類等の可塑剤、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、アスコルビン酸等の有機酸などが挙げられる。
【0064】
本発明の固形製剤は、自体公知の方法(例えば、第15改正日本薬局方の製剤総則に記載されている方法)により製造できる。
【0065】
このような方法としては、例えば、混合、混練、造粒、圧縮成形、フィルムコーティングなどの操作、あるいはこれら操作の適宜の組み合わせが挙げられる。
【0066】
混合は、例えば、水平円筒型混合機、V型混合機、タンブラー混合機等の混合機を用いて行い、混練は、ボールミル等の回転容器型混練装置、スクリュー型ニーダー、ヘンシェルミキサー等の固定容器型混練装置、ロールミル、テーパーロールミル等のロール型混練装置などを用いて行う。また、造粒は、高速攪拌型造粒機を用いた撹拌造粒法、パン型、円錐ドラム型、多段円錐ドラム型、攪拌羽根付きドラム型、振動型等の容器を用いた転動造粒法、流動層造粒乾燥法、噴霧乾燥造粒法、押し出し造粒法、ローラーコンパクターなどの造粒機を用いた方法などにより行われる。
【0067】
圧縮成形は、例えば、押し出し成形機により成形したり、単発式打錠機、ロータリー式打錠機などを用いて打錠したりすることにより行われる。
なお、単発錠剤機、ロータリー式打錠機などを用いて圧縮成形を行う際には、通常1〜35kN/cm(好ましくは5〜35kN/cm)の打錠圧を採用することが好ましく、さらに、キャッピング防止を目的として、テーパー形状の臼を用いることが好ましい。
【0068】
フィルムコーティングは、例えば、水平型、傾斜型等のパンコーティング装置、水平回転円板型、傾斜皿型等の流動コーティング装置、流動層型、噴流層型、流動転動型等の流動コーティング装置などを用いて行われる。
【0069】
本発明の固形製剤は、例えば、以下の製造工程にしたがって製造することができる。
(1)本発明の固形製剤が一群造粒製剤である場合;
上記式(I)で表される化合物又はその塩、糖アルコール、及びカルシウム拮抗剤(好ましくは、式(I)で表される化合物又はその塩、糖アルコール、カルシウム拮抗剤、及びポリエチレングリコール)を含有する混合物を造粒し、得られる造粒物を圧縮成形して、本発明の固形製剤(例、一群造粒単層錠)を得る。
より具体的には、上記式(I)で表される化合物又はその塩とカルシウム拮抗薬を賦形剤、糖アルコール(例、D−マンニトール)などの添加剤と共に混合後、混合物に、ポリエチレングリコールと結合剤などの添加剤とを溶媒(例、水)に分散又は溶解した液を噴霧しながら造粒する。
このようにして得られる造粒物に崩壊剤、滑沢剤等の添加剤を加えて、混合後、圧縮成形して錠剤を得る。この錠剤にコーティング基剤などを加えたフィルム液をコーティングする。このようにして、本発明の固形製剤(一群造粒単層錠)を製造する。
【0070】
(2)本発明の固形製剤が二群造粒製剤である場合;
(a)二群造粒単層錠;
上記式(I)で表される化合物又はその塩を賦形剤などの添加剤と共に混合後、混合物に、ポリエチレングリコールと結合剤などの添加剤とを溶媒(例、水)に分散又は溶解した液を噴霧しながら造粒する。
一方、カルシウム拮抗薬を賦形剤、糖アルコール(例、D−マンニトール)などの添加剤と共に混合後、混合物に、結合剤などの添加剤を溶媒(例、水)に分散又は溶解した液を噴霧しながら造粒する。
このようにして得られる上記式(I)で表される化合物又はその塩を含む造粒物およびカルシウム拮抗薬を含む造粒物に崩壊剤、滑沢剤などの添加剤を加えて、混合後、圧縮成形することによって、本発明の固形製剤(二群造粒単層錠)を製造する。
(b)積層錠;
上記式(I)で表される化合物又はその塩を賦形剤などの添加剤と共に混合後、混合物に、ポリエチレングリコールと結合剤などの添加剤とを溶媒(例、水)に分散又は溶解した液を噴霧しながら造粒する。得られる造粒物に崩壊剤、滑沢剤などの添加剤を加えて、混合末とする。
一方、カルシウム拮抗薬を賦形剤、糖アルコール(例、D−マンニトール)などの添加剤と共に混合後、混合物に、結合剤などの添加剤を溶媒(例、水)に分散又は溶解した液を噴霧しながら造粒する。得られる造粒物に崩壊剤、滑沢剤などの添加剤を加えて、混合末とする。
このようにして得られる上記式(I)で表される化合物又はその塩を含む混合末とカルシウム拮抗薬を含む混合末とを層状に積み重ねて圧縮成形することによって、本発明の固形製剤(積層錠)を製造する。
(c)有核錠;
カルシウム拮抗薬を賦形剤、糖アルコール(例、D−マンニトール)などの添加剤と共に混合後、混合物に、結合剤などの添加剤を溶媒(例、水)に分散又は溶解した液を噴霧しながら造粒する。得られる造粒物に崩壊剤、滑沢剤などの添加剤を加えて、混合後、圧縮成形することによって、錠剤を得る。この錠剤にコーティング基剤などを加えたフィルム液をコーティングし、内核錠を得る。
一方、上記式(I)で表される化合物又はその塩を賦形剤などの添加剤と共に混合後、混合物に、ポリエチレングリコールと結合剤などの添加剤とを溶媒(例、水)に分散又は溶解した液を噴霧しながら造粒する。得られる造粒物に崩壊剤、滑沢剤などの添加剤を加えて、混合末とする。
この混合末を上記内核錠に外層として配合し、圧縮成形することによって、本発明の固形製剤(有核錠)を製造する。
【0071】
本発明の固形製剤が顆粒剤又は細粒剤の場合は、上記と同様な方法で製造することができる。
【0072】
本発明の固形製剤がカプセル剤の場合は、上記の顆粒又は細粒をゼラチン、ヒプロメロース等を含有するカプセルに充填することにより製造することができる。さらに、上記式(I)で表される化合物又はその塩及びカルシウム拮抗薬を糖アルコール、その他の賦形剤等とともに、ゼラチン、ヒプロメロース等を含有するカプセルに充填して硬カプセル剤を製造することができ、また、ゼラチンにグリセリンなどの可塑剤を加えた基剤により、上記式(I)で表される化合物又はその塩及びカルシウム拮抗薬を一定の形状に被包成型して軟カプセル剤を製造することができる。
【0073】
本発明の固形製剤の表面には、識別性のための刻印を付し、文字を印刷してもよい。また、分割用の割線を付してもよい。
【0074】
本発明の固形製剤は、低毒性で哺乳動物(例えば、ヒト、サル、ネコ、ブタ、ウマ、ウシ、マウス、ラット、モルモット、イヌ、ウサギなど)の医薬として経口的あるいは非経口的に安全に投与することができる。
【0075】
式(I)で表される化合物又はその塩は、強力なアンジオテンシンII受容体拮抗作用を有することから、本発明の固形製剤は、前記哺乳動物に対し、(1)アンジオテンシンII受容体を介して発現する血管の収縮又は増殖や臓器障害により発症する疾患(又は発症が促進される疾患)、(2)アンジオテンシンIIの存在により発症する疾患(又は発症が促進される疾患)、又は(3)アンジオテンシンIIが存在すると誘発される因子により発症する疾患(又は発症が促進される疾患)の予防又は治療薬として有用である。
【0076】
上記(1)〜(3)の疾患としては、例えば、高血圧症、血圧日内変動異常、心疾患(例、心肥大、急性心不全、心不全を含む慢性心不全、拡張不全、心筋症、狭心症、心筋炎、心房細動、不整脈、頻脈、心筋梗塞など)、脳血管障害(例、無症候性脳血管障害、一過性脳虚血発作、脳卒中、脳血管性痴呆、高血圧性脳症、脳梗塞など)、脳浮腫、脳循環障害、脳血管障害の再発および後遺症(例、神経症候、精神症候、自覚症状、日常生活動作障害など)、虚血性末梢循環障害、心筋虚血、静脈機能不全、心筋梗塞後の心不全進行、腎疾患(例、腎炎、糸球体腎炎、糸球体硬化症、腎不全、血栓性微小血管症、糖尿病性腎症、透析の合併症、放射線照射による腎症を含む臓器障害など)、アテローム性動脈硬化を含む動脈硬化症(例、動脈瘤、冠動脈硬化症、脳動脈硬化症、末梢動脈硬化症など)、血管肥厚、インターベンション(例、経皮的冠動脈形成術、ステント留置、冠動脈内視鏡、血管内超音波、冠注血栓溶解療法など)後の血管肥厚又は閉塞および臓器障害、バイパス手術後の血管再閉塞・再狭窄、移植後の赤血球増加症・高血圧・臓器障害・血管肥厚、移植後の拒絶反応、眼疾患(例、緑内障、高眼圧症など)、血栓症、多臓器不全、内皮機能障害、高血圧性耳鳴り、その他の循環器系疾患(例、深部静脈血栓症、閉塞性末梢循環障害、閉塞性動脈硬化症、閉塞性血栓性血管炎、虚血性脳循環障害、レイノー病、バージャー病など)、代謝および/又は栄養障害(例、肥満症、高脂血症、高コレステロール血症、高尿酸血症、高カリウム血症、高ナトリウム血症など)、神経変性疾患(例、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、エイズ脳症など)、中枢神経障害(例、脳出血および脳梗塞などの障害およびその後遺症・合併症、頭部外傷、脊椎損傷、脳浮腫、老人性認知症、知覚機能障害、知覚機能異常、自律神経機能障害、自律神経機能異常、多発性硬化症など)、痴呆症、記憶障害、意識障害、健忘症、不安症状、緊張症状、不快精神状態、精神疾患(例、うつ病、てんかん、アルコール依存症など)、炎症性疾患(例、関節リウマチ、変形性関節炎、リウマチ様脊髄炎、骨膜炎などの関節炎;手術・外傷後の炎症;腫脹の緩解;咽頭炎;膀胱炎;肺炎;アトピー性皮膚炎;クローン病、潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患;髄膜炎;炎症性眼疾患;肺炎、珪肺、肺サルコイドーシス、肺結核などの炎症性肺疾患など)、アレルギー疾患(例、アレルギー性鼻炎、結膜炎、消化管アレルギー、花粉症、アナフィラキシーなど)、慢性閉塞性肺疾患、間質性肺炎、カリニ肺炎、膠原病(例、全身性エリテマトーデス、強皮症、多発動脈炎など)、肝臓疾患(例、慢性を含む肝炎、肝硬変など)、門脈圧亢進症、消化器疾患(例、胃炎、胃潰瘍、胃癌、胃手術後障害、消化不良、食道潰瘍、膵炎、大腸ポリープ、胆石症、痔疾患、食道や胃の静脈瘤破裂など)、血液および/又は造血器疾患(例、赤血球増加症、血管性紫斑病、自己免疫性溶血性貧血、播種性血管内凝固症候群、多発性骨髄症など)、骨疾患(例、骨折、再骨折、骨粗鬆症、骨軟化症、骨ページェット病、硬直性脊髄炎、関節リウマチ、変形性膝関節炎およびそれらの類似疾患における関節組織の破壊など)、固形腫瘍、腫瘍(例、悪性黒色腫、悪性リンパ腫、消化器(例、胃、腸など)癌など)、癌およびそれに伴う悪液質、癌の転移、内分泌疾患(例、アジソン病、クッシング症候群、褐色細胞腫、高アルドステロン症、原発性アルドステロン症など)、クロイツフェルト−ヤコブ病、泌尿器および/又は男性性器疾患(例、膀胱炎、前立腺肥大症、前立腺癌、性感染症など)、婦人科疾患(例、更年期障害、妊娠中毒、子宮内膜症、子宮筋腫、卵巣疾患、乳腺疾患、性感染症など)、環境・職業性因子による疾患(例、放射線障害、紫外線・赤外線・レーザー光線による障害、高山病など)、呼吸器疾患(例、かぜ症候群、肺炎、喘息、肺高血圧症、肺血栓・肺塞栓など)、感染症(例、サイトメガロウイルス、インフルエンザウイルス、ヘルペスウイルスなどのウイルス感染症、リケッチア感染症、細菌感染症など)、毒血症(例、敗血症、敗血症性ショック、内毒素性ショック、グラム陰性敗血症、トキシンショック症候群など)、耳鼻咽喉疾患(例、メヌエル症候群、耳鳴り、味覚障害、めまい、平衡障害、嚥下障害など)、皮膚疾患(例、ケロイド、血管腫、乾癬など)、透析低血圧、重症筋無力症、慢性疲労症候群などの全身疾患などが挙げられる。
【0077】
本発明の固形製剤は、式(I)で表される化合物又はその塩とカルシウム拮抗剤を組み合わせることにより、上記疾患の予防又は治療薬(好ましくは、高血圧症、心不全、糖尿病性腎症、動脈硬化症の予防又は治療薬、より好ましくは、高血圧症の予防又は治療薬)として有用である。また、本発明の固形製剤は、式(I)で表される化合物又はその塩及びカルシウム拮抗剤の投与量を単独で使用する場合と比べて減らすことが可能である。
【0078】
式(I)で表される化合物又はその塩の投与量は、投与対象、投与ルート、対象疾患、症状などによって異なるが、ヒト成人(体重60kg)の場合、1日あたりの投与量は、遊離体に換算して、約0.05〜500mg、好ましくは0.1〜100mg、より好ましくは1〜100mg、さらに好ましくは2〜40mgである。例えば、化合物Aは、ヒト成人(体重60kg)の場合、1日あたりの投与量は、約1〜80mg、好ましくは2〜32mgであり、化合物Bは、ヒト成人(体重60kg)の場合、1日あたりの投与量は、約1〜50mg、好ましくは10〜40mgである。
【0079】
カルシウム拮抗薬の投与量は、投与対象、投与ルート、対象疾患、症状などによって異なるが、例えば、アムロジピン又はその塩は、ヒト成人(体重60kg)の場合、1日あたりの投与量は、遊離体に換算して約1〜50mg、好ましくは2.5〜10mgである。
【0080】
本発明の固形製剤の前記哺乳動物への投与回数は、好ましくは1日1〜3回、さらに好ましくは1日1回である。
【0081】
本発明の固形製剤の特に好ましい具体例としては、
「1錠あたり、化合物Aを8mgおよびベシル酸アムロジピンを6.93mg(アムロジピンとして5mg)を含有する単層錠」;
「1錠あたり、化合物Aを8mgおよびベシル酸アムロジピンを3.47mg(アムロジピンとして2.5mg)を含有する単層錠」;
「1錠あたり、化合物Aを4mgおよびベシル酸アムロジピンを6.93mg(アムロジピンとして5mg)を含有する単層錠」;
「1錠あたり、化合物Aを4mgおよびベシル酸アムロジピンを3.47mg(アムロジピンとして2.5mg)を含有する単層錠」;
「1錠あたり、化合物Bを40mgおよびベシル酸アムロジピンを6.93mg(アムロジピンとして5mg)を含有する単層錠」;
「1錠あたり、化合物Bを40mgおよびベシル酸アムロジピンを3.47mg(アムロジピンとして2.5mg)を含有する単層錠」;
「1錠あたり、化合物Bを20mgおよびベシル酸アムロジピンを6.93mg(アムロジピンとして5mg)を含有する単層錠」;
「1錠あたり、化合物Bを20mgおよびベシル酸アムロジピンを3.47mg(アムロジピンとして2.5mg)を含有する単層錠」;
「1錠あたり、化合物Bを10mgおよびベシル酸アムロジピンを6.93mg(アムロジピンとして5mg)を含有する単層錠」;
「1錠あたり、化合物Bを10mgおよびベシル酸アムロジピンを3.47mg(アムロジピンとして2.5mg)を含有する単層錠」;
が挙げられる。
【0082】
本発明の固形製剤は、1以上の別の種類の薬剤(以下、「併用薬剤」と略記することがある)と組み合わせて用いることができる。「併用薬剤」としては、例えば、糖尿病治療剤、糖尿病性合併症治療剤、高脂血症治療剤、降圧剤、抗肥満剤、利尿剤、抗血栓剤などが挙げられる。
【0083】
ここで、糖尿病治療剤としては、例えば、インスリン製剤(例、ウシ、ブタの膵臓から抽出された動物インスリン製剤;大腸菌、イーストを用い遺伝子工学的に合成したヒトインスリン製剤;インスリン亜鉛;プロタミンインスリン亜鉛;インスリンのフラグメント又は誘導体(例、INS-1)、経口インスリン製剤)、インスリン抵抗性改善剤(例、ピオグリタゾン(pioglitazone)又はその塩(好ましくは、塩酸塩)、ロシグリタゾン(rosiglitazone)又はその塩(好ましくは、マレイン酸塩)、メタグリダセン(metaglidasen)、AMG-131、バラグリタゾン(balaglitazone)、MBX-2044、リボグリタゾン(rivoglitazone)、アレグリタザール(aleglitazar)、チグリタザール(chiglitazar)、ロベグリタゾン(lobeglitazone)、PLX-204、PN-2034、GFT-505、THR-0921、WO2007/013694、WO2007/018314、WO2008/093639又はWO2008/099794記載の化合物)、α−グルコシダーゼ阻害剤(例、ボグリボース(voglibose)、アカルボース(acarbose)、ミグリトール(miglitol)、エミグリテート(emiglitate))、ビグアナイド剤(例、メトホルミン(metformin)、ブホルミン(buformin)又はそれらの塩(例、塩酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩))、インスリン分泌促進剤(例、スルホニルウレア剤(例、トルブタミド(tolbutamide)、グリベンクラミド(glibenclamide)、グリクラジド(gliclazide)、クロルプロパミド(chlorpropamide)、トラザミド(tolazamide)、アセトヘキサミド(acetohexamide)、グリクロピラミド(glyclopyramide)、グリメピリド(glimepiride)、グリピザイド(glipizide)、グリブゾール(glybuzole))、レパグリニド(repaglinide)、ナテグリニド(nateglinide)、ミチグリニド(mitiglinide)又はそのカルシウム塩水和物)、ジペプチジルペプチダーゼIV阻害剤(例、アログリプチン(alogliptin)又はその塩(好ましくは、安息香酸塩)、ヴィルダグリプチン(vildagliptin)、シタグリプチン(sitagliptin)、サクサグリプチン(saxagliptin)、BI1356、GRC8200、MP-513、PF-00734200、PHX1149、SK-0403、ALS2-0426、TA-6666、TS-021、KRP-104、2-[[6-[(3R)-3-アミノ-1-ピペリジニル]-3,4-ジヒドロ-3-メチル-2,4-ジオキソ-1(2H)-ピリミジニル]メチル]-4-フルオロベンゾニトリル又はその塩)、β3アゴニスト(例、N-5984)、GPR40アゴニスト(例、WO2004/041266、WO2004/106276、WO2005/063729、WO2005/063725、WO2005/087710、WO2005/095338、WO2007/013689又はWO2008/001931記載の化合物)、GLP-1受容体アゴニスト(例、GLP-1、GLP-1MR剤、リラグルチド(liraglutide)、エキセナチド(exenatide)、AVE-0010、BIM-51077、Aib(8,35)hGLP-1(7,37)NH2、CJC-1131、アルビグルチド(albiglutide))、アミリンアゴニスト(例、プラムリンチド(pramlintide))、ホスホチロシンホスファターゼ阻害剤(例、バナジン酸ナトリウム)、糖新生阻害剤(例、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤、グルコース-6-ホスファターゼ阻害剤、グルカゴン拮抗剤、FBPase阻害薬)、SGLT2(sodium-glucose cotransporter 2)阻害剤(例、デパグリフロジン(depagliflozin)、AVE2268、TS-033、YM543、TA-7284、レモグリフロジン(remogliflozin)、ASP1941)、SGLT1阻害薬、11β-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ阻害薬(例、BVT-3498、INCB-13739)、アジポネクチン又はその作動薬、IKK阻害薬(例、AS-2868)、レプチン抵抗性改善薬、ソマトスタチン受容体作動薬、グルコキナーゼ活性化薬(例、ピラグリアチン(piragliatin)、AZD1656、AZD6370、TTP-355、WO2006/112549、WO2007/028135、WO2008/047821、WO2008/050821、WO2008/136428又はWO2008/156757記載の化合物)、GIP(Glucose-dependent insulinotropic peptide)、GPR119アゴニスト(例、PSN821)、FGF21、FGFアナログ等が挙げられる。
【0084】
糖尿病合併症治療剤としては、アルドース還元酵素阻害剤(例、トルレスタット(tolrestat)、エパルレスタット(epalrestat)、ゾポルレスタット(zopolrestat)、フィダレスタット(fidarestat)、CT-112、ラニレスタット(ranirestat)(AS-3201)、リドレスタット(lidorestat))、神経栄養因子およびその増加薬(例、NGF、NT-3、BDNF、WO01/14372記載のニューロトロフィン産生・分泌促進剤(例、4-(4-クロロフェニル)-2-(2-メチル-1-イミダゾリル)-5-[3-(2-メチルフェノキシ)プロピル]オキサゾール)、WO2004/039365記載の化合物)、PKC阻害剤(例、ルボキシスタウリン メシレート(ruboxistaurin mesylate))、AGE阻害剤(例、ALT946、N-フェナシルチアゾリウム ブロマイド(ALT766)、EXO-226、ピリドリン(pyridorin)、ピリドキサミン(pyridoxamine))、GABA受容体作動薬(例、ギャバペンチン(gabapentin)、プレギャバリン(pregabalin))、セロトニン・ノルアドレナリン再取込み阻害薬(例、デュロキセチン(duloxetine))、ナトリウムチャンネル阻害薬(例、ラコサミド(lacosamide))、活性酸素消去薬(例、チオクト酸)、脳血管拡張剤(例、チアプリド(tiapuride)、メキシレチン(mexiletine))、ソマトスタチン受容体作動薬(例、BIM23190)、アポトーシスシグナルレギュレーティングキナーゼ−1(ASK-1)阻害薬等が挙げられる。
【0085】
高脂血症治療剤としては、HMG-CoA還元酵素阻害剤(例、プラバスタチン(pravastatin)、シンバスタチン(simvastatin)、ロバスタチン(lovastatin)、アトルバスタチン(atorvastatin)、フルバスタチン(fluvastatin)、ロスバスタチン(rosuvastatin)、ピタバスタチン(pitavastatin)又はそれらの塩(例、ナトリウム塩、カルシウム塩))、スクアレン合成酵素阻害剤(例、WO97/10224記載の化合物、例えば、N-[[(3R,5S)-1-(3-アセトキシ-2,2-ジメチルプロピル)-7-クロロ-5-(2,3-ジメトキシフェニル)-2-オキソ-1,2,3,5-テトラヒドロ-4,1-ベンゾオキサゼピン-3-イル]アセチル]ピペリジン-4-酢酸)、フィブラート系化合物(例、ベザフィブラート(bezafibrate)、クロフィブラート(clofibrate)、シムフィブラート(simfibrate)、クリノフィブラート(clinofibrate))、陰イオン交換樹脂(例、コレスチラミン(colestyramine)、プロブコール(probucol)、ニコチン酸系薬剤(例、ニコモール(nicomol)、ニセリトロール(niceritrol)、ナイアスパン(niaspan))、イコサペント酸エチル、植物ステロール(例、ソイステロール(soysterol)、ガンマオリザノール(γ-oryzanol))、コレステロール吸収阻害剤(例、ゼチア)、CETP阻害剤(例、ダルセトラピブ(dalcetrapib)、アナセトラピブ(anacetrapib))、ω-3脂肪酸製剤(例、ω-3-acid ethyl esters 90)等が挙げられる。
【0086】
降圧剤としては、アンジオテンシン変換酵素阻害剤(例、カプトプリル(captopril)、エナラプリル(enalapril)、デラプリル(delapril)など)、アンジオテンシンII拮抗剤(例、カンデサルタン シレキセチル(candesartan cilexetil)、カンデサルタン(candesartan)、ロサルタン(losartan)、ロサルタン カリウム(losartan potassium)、エプロサルタン(eprosartan)、バルサルタン(valsartan)、テルミサルタン(telmisartan)、イルベサルタン(irbesartan)、タソサルタン(tasosartan)、オルメサルタン(olmesartan)、オルメサルタン メドキソミル(olmesartan medoxomil)、アジルサルタン(azilsartan)など)、カルシウム拮抗剤(例、マニジピン(manidipine)、ニフェジピン(nifedipine)、アムロジピン(amlodipine)、エホニジピン(efonidipine)、ニカルジピン(nicardipine)、アムロジピン(amlodipine)、シルニジピン(cilnidipine)など)、βブロッカー(例、メトプロロール(metoprolol)、アテノロール(atenolol)、プロプラノロール(propranolol)、カルベジロール(carvedilol)、ピンドロール(pindolol)など)、クロニジン(clonidine)等が挙げられる。
【0087】
抗肥満剤としては、モノアミン取り込み阻害薬(例、フェンテルミン(phentermine)、シブトラミン(sibutramine)、マジンドール(mazindol)、フロキセチン(fluoxetine)、テソフェンシン(tesofensine))、セロトニン2C受容体作動薬(例、ロルカセリン(lorcaserin))、セロトニン6受容体拮抗薬、ヒスタミンH3受容体、GABA調節薬(例、トピラメイト(topiramate))、ニューロペプチドY拮抗薬(例、ベルネペリット(velnepeit))、カンナビノイド受容体拮抗薬(例、リモナバン(rimonabant)、タラナバン(taranabant))、グレリン拮抗薬、グレリン受容体拮抗薬、グレリンアシル化酵素阻害薬、オピオイド受容体拮抗薬(例、GSK-1521498)、オレキシン受容体拮抗薬、メラノコルチン4受容体作動薬、11β-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ阻害薬(例、AZD-4017)、膵リパーゼ阻害薬(例、オルリスタット(orlistat)、セティリスタット(cetilistat))、β3アゴニスト(例、N-5984)、ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ1(DGAT1)阻害薬、アセチルCoAカルボキシラーゼ(ACC)阻害薬、ステアリン酸CoA脱飽和酵素阻害薬、ミクロソームトリグリセリド転移蛋白阻害薬(例、R-256918)、Na-グルコース共輸送担体阻害薬(例、JNJ-28431754、レモグリフロジン(remogliflozin))、NFκB阻害薬(例、HE-3286)、PPARアゴニスト(例、GFT-505、DRF-11605)、ホスホチロシンホスファターゼ阻害剤(例、バナジン酸ナトリウム、トロダスケミン(trodusquemin))、GPR119作動薬(例、PSN-821)、グルコキナーゼ活性化薬(例、AZD-1656)、レプチン、レプチン誘導体(例、メトレレプチン(metreleptin))、CNTF(毛様体神経栄養因子)、BDNF(脳由来神経栄養因子)、コレシストキニンアゴニスト、グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)製剤(例、ウシ、ブタの膵臓から抽出された動物GLP-1製剤;大腸菌、イーストを用い遺伝子工学的に合成したヒトGLP-1製剤;GLP-1のフラグメント又は誘導体(例、エクセナチド(exenatide)、リラグルチド(liraglutide))、アミリン製剤(例、プラムリンタイド(pramlintide)、AC-2307)、ニューロペプチドYアゴニスト(例、PYY3-36、PYY3-36の誘導体、オビネプタイド(obineptide)、TM-30339、TM-30335)、オキシントモジュリン製剤;FGF21製剤(例、ウシ、ブタの膵臓から抽出された動物FGF21製剤;大腸菌、イーストを用い遺伝子工学的に合成したヒトFGF21製剤;FGF21のフラグメント又は誘導体))、摂食抑制薬(例、P-57)等が挙げられる。
【0088】
利尿剤としては、例えば、キサンチン誘導体(例、サリチル酸ナトリウムテオブロミン、サリチル酸カルシウムテオブロミンなど)、チアジド系製剤(例、エチアジド(ethiazide)、シクロペンチアジド(cyclopenthiazide)、トリクロルメチアジド(trichloromethyazide)、ヒドロクロロチアジド(hydrochlorothiazide)、ヒドロフルメチアジド(hydroflumethiazide)、ベンチルヒドロクロロチアジド(benzylhydrochlorothiazide)、ペンフルチアジド(penfluthiazide)、ポリ5チアジド(poly5thiazide)、メチクロチアジド(methyclothiazide)など)、抗アルドステロン製剤(例、スピロノラクトン(spironolactone)、トリアムテレン(triamterene)など)、炭酸脱水酵素阻害剤(例、アセタゾラミド(acetazolamide)など)、クロルベンゼンスルホンアミド系製剤(例、クロルタリドン(chlortalidone)、メフルシド(mefruside)、インダパミド(indapamide)など)、アゾセミド(azosemide)、イソソルビド(isosorbide)、エタクリン酸、ピレタニド(piretanide)、ブメタニド(bumetanide)、フロセミド(furosemide)などが挙げられる。
【0089】
抗血栓剤としては、例えば、ヘパリン(例、ヘパリンナトリウム、ヘパリンカルシウム、エノキサパリンナトリウム(enoxaparin sodium)、ダルテパリンナトリウム(dalteparin sodium))、ワルファリン(例、ワルファリンカリウム)、抗トロンビン薬(例、アルガトロバン(aragatroban)、ダビガトラン(dabigatran))、FXa阻害薬(例、リバロキサバン(rivaroxaban)、アピキサバン(apixaban)、エドキサバン(edoxaban)、YM150、WO02/06234、WO2004/048363、WO2005/030740、WO2005/058823又はWO2005/113504記載の化合物)、血栓溶解薬(例、ウロキナーゼ(urokinase)、チソキナーゼ(tisokinase)、アルテプラーゼ(alteplase)、ナテプラーゼ(nateplase)、モンテプラーゼ(monteplase)、パミテプラーゼ(pamiteplase))、血小板凝集抑制薬(例、塩酸チクロピジン(ticlopidine hydrochloride)、クロピドグレル(clopidogrel)、プラスグレル(prasugrel)、E5555、SHC530348、シロスタゾール(cilostazol)、イコサペント酸エチル、ベラプロストナトリウム(beraprost sodium)、塩酸サルポグレラート(sarpogrelate hydrochloride))等が挙げられる。
【0090】
本発明の固形製剤と併用薬剤とを組み合わせて用いる場合、これらの投与時期は限定されず、投与対象に対し、同時に投与してもよいし、時間差をおいて投与してもよい。
また、本発明の固形製剤と併用薬剤とを別々の錠剤として投与してもよいし、本発明の固形製剤と併用薬剤とを含む単一の製剤として投与してもよい。
【0091】
併用薬剤の投与量は、各薬剤の臨床上用いられている用量を基準として適宜選択することができる。また、本発明の固形製剤と併用薬剤の配合比は、投与対象、投与ルート、対象疾患、症状、組み合わせなどにより適宜選択することができる。例えば投与対象がヒトである場合、本発明の固形製剤1重量部に対し、併用薬剤を0.01ないし100重量部用いればよい。
このように、併用薬剤を用いることにより、
1)本発明の固形製剤又は併用薬剤の作用の増強効果(薬剤作用の相乗効果);
2)本発明の固形製剤又は併用薬剤の投与量の低減効果(単独投与時と比較した場合の薬剤投与量の低減効果);
3)本発明の固形製剤又は併用薬剤の二次的な作用の低減効果;
などの優れた効果が得られる。
【0092】
本発明は、糖アルコールを配合することを特徴とする、固形製剤における式(I)で表される化合物又はその塩及び/又はカルシウム拮抗薬の溶出性改善方法及び安定化方法も提供する。本発明によれば、固形製剤中における式(I)で表される化合物又はその塩の溶出性が有意に向上する。
【実施例】
【0093】
以下に、実施例及び試験例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
なお、以下の実施例及び試験例において、活性成分以外の成分(添加物)としては、日本薬局方第15改正、日本薬局方外医薬品規格又は医薬品添加物規格2003適合品を用いた。
【0094】
以下の実施例においては、上記の式(I)で表される化合物又はその塩として、化合物A又は化合物Bを用いた。
【0095】
[実施例1]
【0096】
【表1】

【0097】
製法:
(1)精製水(9000g)にヒドロキシプロピルセルロース(720.0g)及びマクロゴール6000(324.0g)を溶解して結合液Iを調製した。精製水(2880g)に三二酸化鉄(2.880g)を分散して分散液Iを調製した。結合液Iに分散液I及び精製水(720.0g)を混合し、結合液IIを調製した。流動層造粒機(FD−S2、株式会社パウレック)中で、ベシル酸アムロジピン(1253g)、化合物A(1449g)、D−マンニトール(14880g)及び微結晶セルロース(3600g)を均一に混合した後、結合液IIを噴霧しながら造粒し、次いで乾燥して、造粒末を得た。得られた造粒末の一部を、スクリーニングミル粉砕機(P−3、昭和化学機械工作所)を用い、1.5mmφパンチングスクリーンで解砕して、整粒末を得た。
(2)得られた整粒末(40760g(2バッチ分))にクロスカルメロースナトリウム(1848g)及びステアリン酸マグネシウム(297.0g)を加え、タンブラー混合機(TM20−0−0、末廣化工機製作所)で混合することにより、混合末を得た。
(3)上記で得た混合末をロータリー式打錠機(AQUARIUS―36K型、菊水製作所)で直径7.0mmの杵を用いて打錠(打錠圧10kN、1錠あたりの重量:130mg)し、表1に示した組成の素錠を得た。
【0098】
[実施例2]
【0099】
【表2】

【0100】
製法:
(1)精製水(9900g)にヒドロキシプロピルセルロース(720.0g)及びマクロゴール6000(324.0g)を溶解して結合液Iを調製した。精製水(1800g)に三二酸化鉄(11.70g)を分散して分散液Iを調製した。結合液Iに分散液I及び精製水(540.0g)を混合し、結合液IIを調製した。流動層造粒機(FD−S2、株式会社パウレック)中で、ベシル酸アムロジピン(1253g)、化合物A(1449g)、D−マンニトール(14870g)及び微結晶セルロース(3600g)を均一に混合した後、結合液IIを噴霧しながら造粒し、次いで乾燥して、造粒末を得た。得られた造粒末の一部を、スクリーニングミル粉砕機(P−3、昭和化学機械工作所)を用い、1.5mmφパンチングスクリーンで解砕して、整粒末を得た。
(2)得られた整粒末(40760g(2バッチ分))にクロスカルメロースナトリウム(1848g)及びステアリン酸マグネシウム(297.0g)を加え、タンブラー混合機(TM20−0−0、末廣化工機製作所)で混合することにより、混合末を得た。
(3)上記で得た混合末をロータリー式打錠機(AQUARIUS―36K型、菊水製作所)で長径8.5mm、短径5.0mmの杵を用いて打錠(打錠圧8kN、1錠あたりの重量:130mg)し、表2に示した組成の素錠を得た。
【0101】
[実施例3]
【0102】
【表3】

【0103】
製法:
(1)精製水(9900g)にヒドロキシプロピルセルロース(720.0g)及びマクロゴール6000(324.0g)を溶解して結合液Iを調製した。精製水(1800g)に黄色三二酸化鉄(11.70g)を分散して分散液Iを調製した。結合液Iに分散液I及び精製水(540.0g)を混合し、結合液IIを調製した。流動層造粒機(FD−S2、株式会社パウレック)中で、ベシル酸アムロジピン(627.7g)、化合物A(1449g)、D−マンニトール(15550g)及び微結晶セルロース(3600g)を均一に混合した後、結合液IIを噴霧しながら造粒し、次いで乾燥して、造粒末を得た。得られた造粒末の一部を、スクリーニングミル粉砕機(P−3、昭和化学機械工作所)を用い、1.5mmφパンチングスクリーンで解砕して、整粒末を得た。
(2)得られた整粒末(40760g(2バッチ分))にクロスカルメロースナトリウム(1848g)及びステアリン酸マグネシウム(297.0g)を加え、タンブラー混合機(TM20−0−0、末廣化工機製作所)で混合することにより、混合末を得た。
(3)上記で得た混合末をロータリー式打錠機(AQUARIUS―36K型、菊水製作所)で長径8.5mm、短径5.0mmの杵を用いて打錠(打錠圧8kN、1錠あたりの重量:130mg)し、表3に示した組成の素錠を得た。
【0104】
[実施例4]
【0105】
【表4】

【0106】
製法:
(1)精製水(9900g)にヒドロキシプロピルセルロース(720.0g)及びマクロゴール6000(324.0g)を溶解して結合液Iを調製した。精製水(1800g)に三二酸化鉄(11.70g)を分散して分散液Iを調製した。結合液Iに分散液I及び精製水(540.0g)を混合し、結合液IIを調製した。流動層造粒機(FD−S2、株式会社パウレック)中で、ベシル酸アムロジピン(1253g)、化合物A(724.3g)、D−マンニトール(15600g)及び微結晶セルロース(3600g)を均一に混合した後、結合液IIを噴霧しながら造粒し、次いで乾燥して、造粒末を得た。得られた造粒末の一部を、スクリーニングミル粉砕機(P−3、昭和化学機械工作所)を用い、1.5mmφパンチングスクリーンで解砕して、整粒末を得た。
(2)得られた整粒末(40760g(2バッチ分))にクロスカルメロースナトリウム(1848g)及びステアリン酸マグネシウム(297.0g)を加え、タンブラー混合機(TM20−0−0、末廣化工機製作所)で混合することにより、混合末を得た。
(3)上記で得た混合末をロータリー式打錠機(AQUARIUS―36K型、菊水製作所)で直径7mmの杵を用いて打錠(打錠圧10kN、1錠あたりの重量:130mg)し、表4に示した組成の素錠を得た。
【0107】
[実施例5]
【0108】
【表5】

【0109】
製法:
(1)精製水(9900g)にヒドロキシプロピルセルロース(720.0g)及びマクロゴール6000(324.0g)を溶解して結合液Iを調製した。精製水(1800g)に黄色三二酸化鉄(11.70g)を分散して分散液Iを調製した。結合液Iに分散液I及び精製水(540.0g)を混合し、結合液IIを調製した。流動層造粒機(FD−S2、株式会社パウレック)中で、ベシル酸アムロジピン(627.7g)、化合物A(724.3g)、D−マンニトール(16220g)及び微結晶セルロース(3600g)を均一に混合した後、結合液IIを噴霧しながら造粒し、次いで乾燥して、造粒末を得た。得られた造粒末の一部を、スクリーニングミル粉砕機(P−3、昭和化学機械工作所)を用い、1.5mmφパンチングスクリーンで解砕して、整粒末を得た。
(2)得られた整粒末(40760g(2バッチ分))にクロスカルメロースナトリウム(1848g)及びステアリン酸マグネシウム(297.0g)を加え、タンブラー混合機(TM20−0−0、末廣化工機製作所)で混合することにより、混合末を得た。
(3)上記で得た混合末をロータリー式打錠機(AQUARIUS―36K型、菊水製作所)で直径7mmの杵を用いて打錠(打錠圧10kN、1錠あたりの重量:130mg)し、表5に示した組成の素錠を得た。
【0110】
[実施例6]
【0111】
【表6】

【0112】
製法:
(1)精製水(9900g)にヒドロキシプロピルセルロース(720.0g)及びマクロゴール6000(324.0g)を溶解して結合液Iを調製した。精製水(1800g)に三二酸化鉄(18.72g)を分散して分散液Iを調製した。結合液Iに分散液I及び精製水(540.0g)を混合し、結合液IIを調製した。流動層造粒機(FD−S2、株式会社パウレック)中で、ベシル酸アムロジピン(1248g)、化合物A(1446g)、D−マンニトール(14870g)及び微結晶セルロース(3600g)を均一に混合した後、結合液IIを噴霧しながら造粒し、次いで乾燥して、造粒末を得た。得られた造粒末の一部を、スクリーニングミル粉砕機(P−3、昭和化学機械工作所)を用い、1.5mmφパンチングスクリーンで解砕して、整粒末を得た。
(2)得られた整粒末(20380g)にクロスカルメロースナトリウム(924.0g)及びステアリン酸マグネシウム(148.5g)を加え、タンブラー混合機(TM20−0−0、末廣化工機製作所)で混合することにより、混合末を得た。
(3)上記で得た混合末をロータリー式打錠機(AQUARIUS―36K型、菊水製作所)で長径8.5mm、短径5.0mmの杵を用いて打錠(打錠圧8kN、1錠あたりの重量:130mg)し、表6に示した組成の素錠を得た。
【0113】
[実施例7]
【0114】
【表7】

【0115】
製法:
(1)精製水(9900g)にヒドロキシプロピルセルロース(720.0g)及びマクロゴール6000(324.0g)を溶解して結合液Iを調製した。精製水(1800g)に黄色三二酸化鉄(18.72g)を分散して分散液Iを調製した。結合液Iに分散液I及び精製水(540.0g)を混合し、結合液IIを調製した。流動層造粒機(FD−S2、株式会社パウレック)中で、ベシル酸アムロジピン(625.2g)、化合物A(1446g)、D−マンニトール(15500g)及び微結晶セルロース(3600g)を均一に混合した後、結合液IIを噴霧しながら造粒し、次いで乾燥して、造粒末を得た。得られた造粒末の一部を、スクリーニングミル粉砕機(P−3、昭和化学機械工作所)を用い、1.5mmφパンチングスクリーンで解砕して、整粒末を得た。
(2)得られた整粒末(20380g)にクロスカルメロースナトリウム(924.0g)及びステアリン酸マグネシウム(148.5g)を加え、タンブラー混合機(TM20−0−0、末廣化工機製作所)で混合することにより、混合末を得た。
(3)上記で得た混合末をロータリー式打錠機(AQUARIUS―36K型、菊水製作所)で長径8.5mm、短径5.0mmの杵を用いて打錠(打錠圧8kN、1錠あたりの重量:130mg)し、表7に示した組成の素錠を得た。
【0116】
[実施例8]
【0117】
【表8】

【0118】
製法:
(1)精製水(1980g)にヒドロキシプロピルセルロース(144.0g)を溶解して結合液Iを調製した。精製水(360.0g)に三二酸化鉄(3.744g)を分散して分散液Iを調製した。結合液Iに分散液I及び精製水(108.0g)を混合し、結合液IIを調製した。結合液II(259.6g)にマクロゴール6000(4.680g)を溶解し、結合液IIIを調製した。流動層造粒機(Lab−1、株式会社パウレック)中で、ベシル酸アムロジピン(24.95g)、化合物A(28.80g)、D−マンニトール(299.4g)及び微結晶セルロース(72.00g)を均一に混合した後、結合液IIIを噴霧しながら造粒し、次いで乾燥して、造粒末を得た。得られた造粒末の一部を、篩(16メッシュ)を用いて整粒して、整粒末を得た。
(2)得られた整粒末(370.5g)にクロスカルメロースナトリウム(16.80g)及びステアリン酸マグネシウム(2.700g)を加え、ポリエチレン袋(4.9L)中で混合することにより、混合末を得た。
(3)上記で得た混合末をロータリー式打錠機(コレクト19K型、菊水製作所)で長径8.5mm、短径5.0mmの杵を用いて打錠(打錠圧7.5kN、1錠あたりの重量:130mg)し、表8に示した組成の素錠を得た。
【0119】
[実施例9]
【0120】
【表9】

【0121】
製法:
(1)精製水(1980g)にヒドロキシプロピルセルロース(144.0g)を溶解して結合液Iを調製した。精製水(360.0g)に三二酸化鉄(3.744g)を分散して分散液Iを調製した。結合液Iに分散液I及び精製水(108.0g)を混合し、結合液IIを調製した。結合液II(259.6g)にマクロゴール6000(14.04g)を溶解し、結合液IIIを調製した。流動層造粒機(Lab−1、株式会社パウレック)中で、ベシル酸アムロジピン(24.95g)、化合物A(28.80g)、D−マンニトール(290.0g)及び微結晶セルロース(72.00g)を均一に混合した後、結合液IIIを噴霧しながら造粒し、次いで乾燥して、造粒末を得た。得られた造粒末の一部を、篩(16メッシュ)を用いて整粒して、整粒末を得た。
(2)得られた整粒末(370.5g)にクロスカルメロースナトリウム(16.80g)及びステアリン酸マグネシウム(2.700g)を加え、ポリエチレン袋(4.9L)中で混合することにより、混合末を得た。
(3)上記で得た混合末をロータリー式打錠機(コレクト19K型、菊水製作所)で長径8.5mm、短径5.0mmの杵を用いて打錠(打錠圧7.5kN、1錠あたりの重量:130mg)し、表9に示した組成の素錠を得た。
【0122】
[実施例10]
【0123】
【表10】

【0124】
製法:
(1)精製水(1980g)にヒドロキシプロピルセルロース(144.0g)を溶解して結合液Iを調製した。精製水(360.0g)に三二酸化鉄(3.744g)を分散して分散液Iを調製した。結合液Iに分散液I及び精製水(108.0g)を混合し、結合液IIを調製した。結合液II(259.6g)にマクロゴール6000(23.40g)を溶解し、結合液IIIを調製した。流動層造粒機(Lab−1、株式会社パウレック)中で、ベシル酸アムロジピン(24.95g)、化合物A(28.80g)、D−マンニトール(280.7g)及び微結晶セルロース(72.00g)を均一に混合した後、結合液IIIを噴霧しながら造粒し、次いで乾燥して、造粒末を得た。得られた造粒末の一部を、篩(16メッシュ)を用いて整粒して、整粒末を得た。
(2)得られた整粒末(370.5g)にクロスカルメロースナトリウム(16.80g)及びステアリン酸マグネシウム(2.700g)を加え、ポリエチレン袋(4.9L)中で混合することにより、混合末を得た。
(3)上記で得た混合末をロータリー式打錠機(コレクト19K型、菊水製作所)で長径8.5mm、短径5.0mmの杵を用いて打錠(打錠圧7.5kN、1錠あたりの重量:130mg)し、表10に示した組成の素錠を得た。
【0125】
[実施例11]
【0126】
【表11】

【0127】
製法:
(1)精製水(1980g)にヒドロキシプロピルセルロース(144.0g)を溶解して結合液Iを調製した。精製水(360.0g)に三二酸化鉄(3.744g)を分散して分散液Iを調製した。結合液Iに分散液I及び精製水(108.0g)を混合し、結合液IIを調製した。結合液II(259.6g)にマクロゴール6000(37.44g)を溶解し、結合液IIIを調製した。流動層造粒機(Lab−1、株式会社パウレック)中で、ベシル酸アムロジピン(24.95g)、化合物A(28.80g)、D−マンニトール(266.6g)及び微結晶セルロース(72.00g)を均一に混合した後、結合液IIIを噴霧しながら造粒し、次いで乾燥して、造粒末を得た。得られた造粒末の一部を、篩(16メッシュ)を用いて整粒して、整粒末を得た。
(2)得られた整粒末(370.5g)にクロスカルメロースナトリウム(16.80g)及びステアリン酸マグネシウム(2.700g)を加え、ポリエチレン袋(4.9L)中で混合することにより、混合末を得た。
(3)上記で得た混合末をロータリー式打錠機(コレクト19K型、菊水製作所)で長径8.5mm、短径5.0mmの杵を用いて打錠(打錠圧7.5kN、1錠あたりの重量:130mg)し、表11に示した組成の素錠を得た。
【0128】
[実施例12]
【0129】
【表12】

【0130】
製法:
(1)精製水(2392.0g)にヒドロキシプロピルセルロース(208.0g)及びマクロゴール6000(160.0g)を溶解して結合液を調製した。流動層造粒機(FD−5S、株式会社パウレック)中で、ベシル酸アムロジピン(277.2g)、化合物B(1605.0g)、D−マンニトール(1599.0g)及び微結晶セルロース(388.8g)を均一に混合した後、結合液を噴霧しながら造粒し、次いで乾燥して、造粒末を得た。得られた造粒末の一部を、スクリーニングミル粉砕機(P−3、昭和化学機械工作所)を用い、1.5mmφパンチングスクリーンで解砕して、整粒末を得た。
(2)得られた整粒末(3602.0g)にクロスポビドン(331.5g)、微結晶セルロース(442.0g)及びステアリン酸マグネシウム(44.201g)を加え、タンブラー混合機(TM−15型、末廣化工機製作所)で混合することにより、混合末を得た。
(3)上記で得た混合末をロータリー式打錠機(コレクト12HUK、菊水製作所)で直径7.0mmの杵を用いて打錠(打錠圧4kN、1錠あたりの重量:130mg)し、裸錠を得た。
(4)精製水(2160.0g)にpremix I240.0g)を溶解してフィルムコーティング液を調製した。フィルムコーティング機(DRC−500、株式会社パウレック)中で、裸錠(3120.0g)にフィルムコーティング液を均一に噴霧することでフィルムコーティングを施して、表12に示した組成のフィルムコーティング錠(1錠あたりの重量:135mg)を得た。ここで、premix Iとは、予混合粉末である。premix Iの組成を表12aに示す。
【0131】
【表12a】

【0132】
[実施例13]
【0133】
【表13】

【0134】
製法:
(1)精製水(239.2g)にヒドロキシプロピルセルロース(20.80g)及びマクロゴール6000(16.00g)を溶解して結合液を調製した。流動層造粒機(Lab−1、株式会社パウレック)中で、ベシル酸アムロジピン(27.72g)、化合物B(80.00g)、D−マンニトール(240.4g)及び微結晶セルロース(38.88g)を均一に混合した後、結合液を噴霧しながら造粒し、次いで乾燥して、造粒末を得た。得られた造粒末の一部を、篩(16メッシュ)を用いて整粒して、整粒末を得た。
(2)得られた整粒末(370.8g)にクロスポビドン(34.13g)、微結晶セルロース(45.50g)及びステアリン酸マグネシウム(4.550g)を加え、ポリエチレン袋(4.9L)中で混合することにより、混合末を得た。
(3)上記で得た混合末をロータリー式打錠機(VEL−5、菊水製作所)で直径7.0mmの杵を用いて打錠(打錠圧4kN、1錠あたりの重量:130mg)し、裸錠を得た。
(4)精製水(360.0g)にpremix I(40.00g)を溶解してフィルムコーティング液を調製した。フィルムコーティング機(DRC−200、株式会社パウレック)中で、裸錠(200.0g)にフィルムコーティング液を均一に噴霧することでフィルムコーティングを施して、表13に示した組成のフィルムコーティング錠(1錠あたりの重量:135mg)を得た。ここで、premix Iとは、予混合粉末である。premix Iの組成を表13aに示す。
【0135】
【表13a】

【0136】
[実施例14]
【0137】
【表14】

【0138】
製法:
(1)精製水(239.2g)にヒドロキシプロピルセルロース(20.80g)及びマクロゴール6000(16.00g)を溶解して結合液を調製した。流動層造粒機(Lab−1、株式会社パウレック)中で、ベシル酸アムロジピン(13.88g)、化合物B(80.00g)、D−マンニトール(254.2g)及び微結晶セルロース(38.88g)を均一に混合した後、結合液を噴霧しながら造粒し、次いで乾燥して、造粒末を得た。得られた造粒末の一部を、篩(16メッシュ)を用いて整粒して、整粒末を得た。
(2)得られた整粒末(370.8g)にクロスポビドン(34.13g)、微結晶セルロース(45.50g)及びステアリン酸マグネシウム(4.550g)を加え、ポリエチレン袋(4.9L)中で混合することにより、混合末を得た。
(3)上記で得た混合末をロータリー式打錠機(VEL−5、菊水製作所)で直径7.0mmの杵を用いて打錠(打錠圧4kN、1錠あたりの重量:130mg)し、裸錠を得た。
(4)精製水(360.0g)にpremix I(40.00g)を溶解してフィルムコーティング液を調製した。フィルムコーティング機(DRC−200、株式会社パウレック)中で、裸錠(200.0g)にフィルムコーティング液を均一に噴霧することでフィルムコーティングを施して、表14に示した組成のフィルムコーティング錠(1錠あたりの重量:135mg)を得た。ここで、premix Iとは、予混合粉末である。premix Iの組成を表14aに示す。
【0139】
【表14a】

【0140】
[実施例15]
【0141】
【表15】

【0142】
製法:
(1)精製水(403.7g)にヒドロキシプロピルセルロース(35.10g)及びマクロゴール6000(16.20g)を溶解して結合液を調製した。流動層造粒機(Lab−1、株式会社パウレック)中で、ベシル酸アムロジピン(10.40g)、化合物B(30.00g)、D−マンニトール(250.6g)及び微結晶セルロース(39.00g)を均一に混合した後、結合液を噴霧しながら造粒し、次いで乾燥して、造粒末を得た。得られた造粒末の一部を、篩(16メッシュ)を用いて整粒して、整粒末を得た。
(2)得られた整粒末(289.3g)に低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(32.50g)及びステアリン酸マグネシウム(3.250g)を加え、ポリエチレン袋(4.9L)中で混合することにより、混合末を得た。
(3)上記で得た混合末をロータリー式打錠機(VEL−5、菊水製作所)で直径6.5mmの杵を用いて打錠(打錠圧5kN、1錠あたりの重量:130mg)し、裸錠を得た。
(4)精製水(375.0g)にヒプロメロース(57.44g)及びマクロゴール6000(11.52g)を溶解してフィルムコーティング液Iを調製した。精製水(330.0g)に酸化チタン(7.680g)、三二酸化鉄(0.1650g)及び黄色三二酸化鉄(0.5100g)を分散して分散液Iを調製した。フィルムコーティング液I、分散液Iおよび精製水(68.25g)を混合して、フィルムコーティング液IIを調製した。フィルムコーティング機(DRC−200、株式会社パウレック)中で、裸錠(120.0g)にフィルムコーティング液IIを均一に噴霧することでフィルムコーティングを施して、表15に示した組成のフィルムコーティング錠(1錠あたりの重量:135.154mg)を得た。
【0143】
[実施例16]
【0144】
【表16】

【0145】
製法:
(1)精製水(403.7g)にヒドロキシプロピルセルロース(35.10g)及びマクロゴール6000(16.20g)を溶解して結合液を調製した。流動層造粒機(Lab−1、株式会社パウレック)中で、ベシル酸アムロジピン(20.79g)、化合物B(30.00g)、D−マンニトール(240.2g)及び微結晶セルロース(39.00g)を均一に混合した後、結合液を噴霧しながら造粒し、次いで乾燥して、造粒末を得た。得られた造粒末の一部を、篩(16メッシュ)を用いて整粒して、整粒末を得た。
(2)得られた整粒末(289.3g)に低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(32.50g)及びステアリン酸マグネシウム(3.250g)を加え、ポリエチレン袋(4.9L)中で混合することにより、混合末を得た。
(3)上記で得た混合末をロータリー式打錠機(VEL−5、菊水製作所)で直径6.5mmの杵を用いて打錠(打錠圧5kN、1錠あたりの重量:130mg)し、裸錠を得た。
(4)精製水(375.0g)にヒプロメロース(57.44g)及びマクロゴール6000(11.52g)を溶解してフィルムコーティング液Iを調製した。精製水(330.0g)に酸化チタン(7.680g)、三二酸化鉄(0.1650g)及び黄色三二酸化鉄(0.5100g)を分散して分散液Iを調製した。フィルムコーティング液I、分散液Iおよび精製水(68.25g)を混合して、フィルムコーティング液IIを調製した。フィルムコーティング機(DRC−200、株式会社パウレック)中で、裸錠(120.0g)にフィルムコーティング液IIを均一に噴霧することでフィルムコーティングを施して、表16に示した組成のフィルムコーティング錠(1錠あたりの重量:135.154mg)を得た。
【0146】
[実施例17]
【0147】
【表17】

【0148】
製法:
(1)精製水(403.7g)にヒドロキシプロピルセルロース(35.10g)及びマクロゴール6000(16.20g)を溶解して結合液を調製した。流動層造粒機(Lab−1、株式会社パウレック)中で、ベシル酸アムロジピン(10.40g)、化合物B(60.00g)、D−マンニトール(220.6g)及び微結晶セルロース(39.00g)を均一に混合した後、結合液を噴霧しながら造粒し、次いで乾燥して、造粒末を得た。得られた造粒末の一部を、篩(16メッシュ)を用いて整粒して、整粒末を得た。
(2)得られた整粒末(289.3g)に低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(32.50g)及びステアリン酸マグネシウム(3.250g)を加え、ポリエチレン袋(4.9L)中で混合することにより、混合末を得た。
(3)上記で得た混合末をロータリー式打錠機(VEL−5、菊水製作所)で直径6.5mmの杵を用いて打錠(打錠圧5kN、1錠あたりの重量:130mg)し、裸錠を得た。
(4)精製水(375.0g)にヒプロメロース(57.44g)及びマクロゴール6000(11.52g)を溶解してフィルムコーティング液Iを調製した。精製水(330.0g)に酸化チタン(7.680g)及び三二酸化鉄(0.1500g)を分散して分散液Iを調製した。フィルムコーティング液I、分散液Iおよび精製水(68.25g)を混合して、フィルムコーティング液IIを調製した。フィルムコーティング機(DRC−200、株式会社パウレック)中で、裸錠(120.0g)にフィルムコーティング液IIを均一に噴霧することでフィルムコーティングを施して、表17に示した組成のフィルムコーティング錠(1錠あたりの重量:135.119mg)を得た。
【0149】
[実施例18]
【0150】
【表18】

【0151】
製法:
(1)精製水(403.7g)にヒドロキシプロピルセルロース(35.10g)及びマクロゴール6000(16.20g)を溶解して結合液を調製した。流動層造粒機(Lab−1、株式会社パウレック)中で、ベシル酸アムロジピン(20.79g)、化合物B(60.00g)、D−マンニトール(210.2g)及び微結晶セルロース(39.00g)を均一に混合した後、結合液を噴霧しながら造粒し、次いで乾燥して、造粒末を得た。得られた造粒末の一部を、篩(16メッシュ)を用いて整粒して、整粒末を得た。
(2)得られた整粒末(289.3g)に低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(32.50g)及びステアリン酸マグネシウム(3.250g)を加え、ポリエチレン袋(4.9L)中で混合することにより、混合末を得た。
(3)上記で得た混合末をロータリー式打錠機(VEL−5、菊水製作所)で直径6.5mmの杵を用いて打錠(打錠圧5kN、1錠あたりの重量:130mg)し、裸錠を得た。
(4)精製水(375.0g)にヒプロメロース(57.44g)及びマクロゴール6000(11.52g)を溶解してフィルムコーティング液Iを調製した。精製水(330.0g)に酸化チタン(7.680g)及び三二酸化鉄(0.1500g)を分散して分散液Iを調製した。フィルムコーティング液I、分散液Iおよび精製水(68.25g)を混合して、フィルムコーティング液IIを調製した。フィルムコーティング機(DRC−200、株式会社パウレック)中で、裸錠(120.0g)にフィルムコーティング液IIを均一に噴霧することでフィルムコーティングを施して、表18に示した組成のフィルムコーティング錠(1錠あたりの重量:135.119mg)を得た。
【0152】
[実施例19]
【0153】
【表19】

【0154】
製法:
(1)精製水(403.7g)にヒドロキシプロピルセルロース(35.10g)及びマクロゴール6000(16.20g)を溶解して結合液を調製した。流動層造粒機(Lab−1、株式会社パウレック)中で、ベシル酸アムロジピン(10.40g)、化合物B(120.0g)、D−マンニトール(160.6g)及び微結晶セルロース(39.00g)を均一に混合した後、結合液を噴霧しながら造粒し、次いで乾燥して、造粒末を得た。得られた造粒末の一部を、篩(16メッシュ)を用いて整粒して、整粒末を得た。
(2)得られた整粒末(289.3g)に低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(32.50g)及びステアリン酸マグネシウム(3.250g)を加え、ポリエチレン袋(4.9L)中で混合することにより、混合末を得た。
(3)上記で得た混合末をロータリー式打錠機(VEL−5、菊水製作所)で直径6.5mmの杵を用いて打錠(打錠圧5kN、1錠あたりの重量:130mg)し、裸錠を得た。
(4)精製水(375.0g)にヒプロメロース(57.44g)及びマクロゴール6000(11.52g)を溶解してフィルムコーティング液Iを調製した。精製水(330.0g)に酸化チタン(7.680g)及び黄色三二酸化鉄(0.6900g)を分散して分散液Iを調製した。フィルムコーティング液I、分散液Iおよび精製水(68.25g)を混合して、フィルムコーティング液IIを調製した。フィルムコーティング機(DRC−200、株式会社パウレック)中で、裸錠(120.0g)にフィルムコーティング液IIを均一に噴霧することでフィルムコーティングを施して、表19に示した組成のフィルムコーティング錠(1錠あたりの重量:135.155mg)を得た。
【0155】
[実施例20]
【0156】
【表20】

【0157】
製法:
(1)精製水(403.7g)にヒドロキシプロピルセルロース(35.10g)及びマクロゴール6000(16.20g)を溶解して結合液を調製した。流動層造粒機(Lab−1、株式会社パウレック)中で、ベシル酸アムロジピン(20.79g)、化合物B(120.0g)、D−マンニトール(150.2g)及び微結晶セルロース(39.00g)を均一に混合した後、結合液を噴霧しながら造粒し、次いで乾燥して、造粒末を得た。得られた造粒末の一部を、篩(16メッシュ)を用いて整粒して、整粒末を得た。
(2)得られた整粒末(289.3g)に低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(32.50g)及びステアリン酸マグネシウム(3.250g)を加え、ポリエチレン袋(4.9L)中で混合することにより、混合末を得た。
(3)上記で得た混合末をロータリー式打錠機(VEL−5、菊水製作所)で直径7.0mmの杵を用いて打錠(打錠圧5kN、1錠あたりの重量:130mg)し、裸錠を得た。
(4)精製水(375.0g)にヒプロメロース(57.44g)及びマクロゴール6000(11.52g)を溶解してフィルムコーティング液Iを調製した。精製水(330.0g)に酸化チタン(7.680g)及び黄色三二酸化鉄(0.6900g)を分散して分散液Iを調製した。フィルムコーティング液I、分散液Iおよび精製水(68.25g)を混合して、フィルムコーティング液IIを調製した。フィルムコーティング機(DRC−200、株式会社パウレック)中で、裸錠(120.0g)にフィルムコーティング液IIを均一に噴霧することでフィルムコーティングを施して、表20に示した組成のフィルムコーティング錠(1錠あたりの重量:135.155mg)を得た。
【0158】
[実施例21]
【0159】
【表21】

【0160】
製法:
(1)精製水(9000g)にヒプロメロース(720.0g)を溶解して結合液Iを調製した。精製水(2880g)に三二酸化鉄(2.880g)を分散して分散液Iを調製した。結合液Iに分散液I及び精製水(720.0g)を混合し、結合液IIを調製した。流動層造粒機(FD−S2、株式会社パウレック)中で、ベシル酸アムロジピン(1249g)、D−マンニトール(16660g)及び微結晶セルロース(3600g)を均一に混合した後、結合液IIを噴霧しながら造粒し、次いで乾燥して、造粒末を得た。得られた造粒末の一部を、スクリーニングミル粉砕機(P−3、昭和化学機械工作所)を用い、1.5mmφパンチングスクリーンで解砕して、整粒末Iを得た。
(2)精製水(9000g)にヒドロキシプロピルセルロース(720.0g)及びマクロゴール6000(468.0g)を溶解して結合液IIIを調製した。精製水(2880g)に三二酸化鉄(2.880g)を分散して分散液IIを調製した。結合液IIIに分散液II及び精製水(720.0g)を混合し、結合液IVを調製した。流動層造粒機(FD−S2、株式会社パウレック)中で、化合物A(1436g)、乳糖水和物(16090g)及びトウモロコシデンプン(3600g)を均一に混合した後、結合液IVを噴霧しながら造粒し、次いで乾燥して、造粒末を得た。得られた造粒末の一部を、スクリーニングミル粉砕機(P−3、昭和化学機械工作所)を用い、1.5mmφパンチングスクリーンで解砕して、整粒末IIを得た。
(3)得られた整粒末I(20380g)、整粒末II(20460g)にクロスカルメロースナトリウム(1848g)及びステアリン酸マグネシウム(214.5g)を加え、タンブラー混合機(TM20−0−0、末廣化工機製作所)で混合することにより、混合末を得た。
(4)上記で得た混合末をロータリー式打錠機(AQUARIUS―36K型、菊水製作所)で直径8.5mmの杵を用いて打錠(打錠圧10kN、1錠あたりの重量:260mg)し、表21に示した組成の素錠を得た。
【0161】
[実施例22]
【0162】
【表22】

【0163】
製法:
(1)精製水(9000g)にヒプロメロース(720.0g)を溶解して結合液Iを調製した。精製水(2880g)に三二酸化鉄(2.880g)を分散して分散液Iを調製した。結合液Iに分散液I及び精製水(720.0g)を混合し、結合液IIを調製した。流動層造粒機(FD−S2、株式会社パウレック)中で、ベシル酸アムロジピン(1249g)、D−マンニトール(16660g)及び微結晶セルロース(3600g)を均一に混合した後、結合液IIを噴霧しながら造粒し、次いで乾燥して、造粒末を得た。得られた造粒末の一部を、スクリーニングミル粉砕機(P−3、昭和化学機械工作所)を用い、1.5mmφパンチングスクリーンで解砕して、整粒末Iを得た。
(2)得られた整粒末I(20380g)にクロスカルメロースナトリウム(924.0g)及びステアリン酸マグネシウム(148.5g)を加え、タンブラー混合機(TM−60、昭和化学機械工作所)で混合することにより、混合末Iを得た。
(3)精製水(9000g)にヒドロキシプロピルセルロース(720.0g)及びマクロゴール6000(468.0g)を溶解して結合液IIIを調製した。精製水(2880g)に三二酸化鉄(2.880g)を分散して分散液IIを調製した。結合液IIIに分散液II及び精製水(720.0g)を混合し、結合液IVを調製した。流動層造粒機(FD−S2、株式会社パウレック)中で、化合物A(1436g)、乳糖水和物(16090g)及びトウモロコシデンプン(3600g)を均一に混合した後、結合液IVを噴霧しながら造粒し、次いで乾燥して、造粒末を得た。得られた造粒末の一部を、スクリーニングミル粉砕機(P−3、昭和化学機械工作所)を用い、1.5mmφパンチングスクリーンで解砕して、整粒末IIを得た。
(4)得られた整粒末II(20460g)にカルメロースカルシウム(924.0g)及びステアリン酸マグネシウム(66.00g)を加え、タンブラー混合機(TM−60、昭和化学機械工作所)で混合することにより、混合末IIを得た。
(5)上記で得た混合末I(130mg)及び混合末II(130mg)をロータリー式打錠機(HT-CVX54LS-UW/C&3L、畑鉄工所)で直径8.5mmの杵を用いて積層状に打錠(打錠圧9kN、1錠あたりの重量:260mg)し、表22に示した組成の素錠を得た。
【0164】
[実施例23]
【0165】
【表23】

【0166】
製法:
(1)精製水(1395.0g)にヒドロキシプロピルセルロース(155.0g)を溶解して結合液Iを調製した。流動層造粒機(FD−5S、株式会社パウレック)中で、ベシル酸アムロジピン(346.7g)、D−マンニトール(2447.0g)及び微結晶セルロース(766.7g)を均一に混合した後、結合液Iを噴霧しながら造粒し、次いで乾燥して、ベシル酸アムロジピン層の造粒末を得た。得られた造粒末の一部を、スクリーニングミル粉砕機(P−3、昭和化学機械工作所)を用い、1.5mmφパンチングスクリーンで解砕して、ベシル酸アムロジピン層の整粒末を得た。
(2)精製水(2520.2g)にヒドロキシプロピルセルロース(280.1g)及びマクロゴール6000(280.0g)を溶解して結合液IIを調製した。流動層造粒機(FD−5S、株式会社パウレック)中で、化合物B(2808.4g)、乳糖水和物(2043.5g)、トウモロコシデンプン(910.3g)及び微結晶セルロース(910.2g)を均一に混合した後、結合液IIを噴霧しながら造粒し、次いで乾燥して、化合物B層の造粒末を得た。得られた造粒末の一部を、スクリーニングミル粉砕機(P−3、昭和化学機械工作所)を用い、1.5mmφパンチングスクリーンで解砕して、化合物B層の整粒末を得た。
(3)得られたベシル酸アムロジピン層の整粒末(3772.0g)にカルメロースカルシウム(200.0g)及びステアリン酸マグネシウム(28.000g)を加え、タンブラー混合機(TM−15型、末廣化工機製作所)で混合することにより、ベシル酸アムロジピン層の混合末を得た。
(4)得られた化合物B層の整粒末(3616.1g)に低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(455.0g)、微結晶セルロース(455.1g)及びステアリン酸マグネシウム(24.53g)を加え、タンブラー混合機(TM−15型、末廣化工機製作所)で混合することにより、化合物B層の混合末を得た。
(5)上記で得たベシル酸アムロジピン層の混合末及び化合物B層の混合末をロータリー式打錠機(HT−X12SS−UW&2L、畑鉄工所)で直径8.0mmの杵を用いて積層状に打錠(打錠圧7kN、1錠あたりの重量:230mg(ベシル酸アムロジピン層:100mg、化合物B層:130mg))し、積層裸錠を得た。
(6)精製水(2268.0g)にpremix I(252.0g)を溶解してフィルムコーティング液を調製した。フィルムコーティング機(DRC−500、株式会社パウレック)中で、裸錠(3120.0g)にフィルムコーティング液を均一に噴霧しながら裸錠にフィルムコーティングを施して、表23に示した組成のフィルムコーティング錠(1錠あたりの重量:239mg)を得た。ここで、premix Iとは、予混合粉末である。premix Iの組成を表23aに示す。
【0167】
【表23a】

【0168】
[実施例24]
【0169】
【表24】

【0170】
製法:
(1)精製水(1100g)にヒドロキシプロピルセルロース(80.00g)及びマクロゴール4000(36.00g)を溶解して結合液Iを調製した。精製水(200.1g)に三二酸化鉄(2.080g)を分散して分散液Iを調製した。結合液Iに分散液I及び精製水(60.00g)を混合し、結合液IIを調製した。流動層造粒機(Lab−1、株式会社パウレック)中で、ベシル酸アムロジピン(24.95g)、化合物A(28.80g)、D−マンニトール(297.6g)及び微結晶セルロース(72.00g)を均一に混合した後、結合液II(266.1g)を噴霧しながら造粒し、次いで乾燥して、造粒末を得た。得られた造粒末の一部を、篩(16メッシュ)を用いて整粒して、整粒末を得た。
(2)得られた整粒末(370.5g)にクロスカルメロースナトリウム(16.81g)及びステアリン酸マグネシウム(2.700g)を加え、ポリエチレン袋(4.9L)中で混合することにより、混合末を得た。
(3)上記で得た混合末をロータリー式打錠機(コレクト19K型、菊水製作所)で長径8.5mm、短径5.0mmの杵を用いて打錠(打錠圧8.5kN、1錠あたりの重量:130mg)し、表24に示した組成の素錠を得た。
【0171】
[実施例25]
【0172】
【表25】

【0173】
製法:
(1)精製水(1100g)にヒドロキシプロピルセルロース(80.00g)及びマクロゴール10000(36.00g)を溶解して結合液Iを調製した。精製水(200.1g)に三二酸化鉄(2.080g)を分散して分散液Iを調製した。結合液Iに分散液I及び精製水(60.10g)を混合し、結合液IIを調製した。流動層造粒機(Lab−1、株式会社パウレック)中で、ベシル酸アムロジピン(24.95g)、化合物A(28.80g)、D−マンニトール(297.6g)及び微結晶セルロース(72.00g)を均一に混合した後、結合液II(266.1g)を噴霧しながら造粒し、次いで乾燥して、造粒末を得た。得られた造粒末の一部を、篩(16メッシュ)を用いて整粒して、整粒末を得た。
(2)得られた整粒末(370.5g)にクロスカルメロースナトリウム(16.80g)及びステアリン酸マグネシウム(2.710g)を加え、ポリエチレン袋(4.9L)中で混合することにより、混合末を得た。
(3)上記で得た混合末をロータリー式打錠機(コレクト19K型、菊水製作所)で長径8.5mm、短径5.0mmの杵を用いて打錠(打錠圧8.5kN、1錠あたりの重量:130mg)し、表25に示した組成の素錠を得た。
【0174】
[比較例1]
【0175】
【表26】

【0176】
製法:
(1)精製水(9000g)にヒドロキシプロピルセルロース(720.0g)及びマクロゴール6000(468.0g)を溶解して結合液Iを調製した。精製水(2880g)に三二酸化鉄(2.880g)を分散して分散液Iを調製した。結合液Iに分散液I及び精製水(720.0g)を混合し、結合液IIを調製した。流動層造粒機(FD−S2、株式会社パウレック)中で、ベシル酸アムロジピン(1253g)、化合物A(1449g)、乳糖水和物(14830g)及びトウモロコシデンプン(3600g)を均一に混合した後、結合液IIを噴霧しながら造粒し、次いで乾燥して、造粒末を得た。得られた造粒末の一部を、スクリーニングミル粉砕機(P−3、昭和化学機械工作所)を用い、1.5mmφパンチングスクリーンで解砕して、整粒末を得た。
(2)得られた整粒末(40920g(2バッチ分))にカルメロースカルシウム(1848g)及びステアリン酸マグネシウム(132.0g)を加え、タンブラー混合機(TM20−0−0、末廣化工機製作所)で混合することにより、混合末を得た。
(3)上記で得た混合末をロータリー式打錠機(AQUARIUS−36K型、菊水製作所)で直径7.0mmの杵を用いて打錠(打錠圧9kN、1錠あたりの重量:130mg)し、表26に示した組成の素錠を得た。
【0177】
[試験例1]
溶出試験1
実施例1〜11、24、25及び比較例1で得た素錠からの活性成分(化合物A)の溶出性を、溶出試験(1.0(w/w)%ポリソルベート20溶液、900mL、37℃、パドル法、回転数50rpm)により評価した。溶出試験は第15改正日本薬局方溶出試験法第2法(パドル法)に従って実施した。結果を表27に示す。表27には、溶出開始15分後における溶出率の平均値、最大値及び最小値を示す。実施例1、4、5、8〜11、24、25及び比較例1は錠剤6個の溶出率の平均値、最大値及び最小値であり、実施例2、3、6及び7は錠剤12個の溶出率の平均値と最大値、最小値である。
【0178】
【表27】

【0179】
表27に示したように、賦形剤として糖アルコールを含有する実施例1〜11、24、25の素錠のいずれにおいても、糖アルコールを含有しない比較例1の素錠に比べて化合物Aの良好な溶出性を示した。
【0180】
[試験例2]
溶出試験2
実施例20で得たフィルムコーティング錠からの活性成分(化合物B)の溶出性を、溶出試験(第15改正日本薬局方溶出試験第2液、900mL、37℃、パドル法、回転数50rpm)により評価した。溶出試験は第15改正日本薬局方溶出試験法第2法(パドル法)に従って実施した。結果を表28に示す。表28には、溶出開始5〜60分後の各時点における錠剤6個の溶出率の平均値、最大値及び最小値を示す。
【0181】
【表28】

【0182】
表28に示したように、実施例20のフィルムコーティング錠は化合物Bの良好な溶出性を示した。
【0183】
[試験例3]
安定性試験
実施例1、4及び5の素錠を、25℃/60%RHにてガラス瓶密栓の条件下で12ヶ月保存し、化合物A又はベシル酸アムロジピン由来の類縁物質量を測定することにより、保存安定性を評価した。結果を表29に示す。表29中の値は、化合物A又はベシル酸アムロジピンの含量(化合物A;8 mg又は4 mg/ベシル酸アムロジピン;6.93 mg又は3.47 mg)を100%とした場合における化合物A又はベシル酸アムロジピン由来の総類縁物質の割合(%)を示す。
【0184】
【表29】

【0185】
表29に示したように、実施例1、4及び5の素錠は良好な保存安定性を示した。
【産業上の利用可能性】
【0186】
本発明は、式(I)で表される化合物又はその塩、糖アルコール、及びカルシウム拮抗薬を含有する固形製剤を提供し、該固形製剤においては、式(I)で表される化合物又はその塩及びカルシウム拮抗薬の消化管内における固形製剤からの溶出が適切にコントロールされ、かつこれらの固形製剤中における安定性も良好である。
【0187】
本出願は、日本で出願された特願2009−111381および特願2010−68625を基礎としており、その内容は本明細書にすべて包含されるものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i) 式(I):
【化1】


(式中、Rは脱プロトン化し得る水素原子を有する単環状の含窒素複素環基を示し、Rはエステル化されていてもよいカルボキシル基を示し、Rは置換されていてもよい低級アルキル基を示す。)で表される化合物又はその塩、(ii) 糖アルコール、及び(iii) カルシウム拮抗薬を含有する、固形製剤。
【請求項2】
式(I)で表される化合物又はその塩が、1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチル 2−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]ベンズイミダゾール−7−カルボキシラート、2−エトキシ−1−[[2'−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸、2−エトキシ−1−[[2’−(4,5−ジヒドロ−5−オキソ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸又はこれらの塩である、請求項1記載の固形製剤。
【請求項3】
式(I)で表される化合物又はその塩が、1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチル 2−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]ベンズイミダゾール−7−カルボキシラート又はその塩である、請求項1記載の固形製剤。
【請求項4】
式(I)で表される化合物又はその塩が、2−エトキシ−1−[[2’−(4,5−ジヒドロ−5−オキソ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸又はその塩である、請求項1記載の固形製剤。
【請求項5】
糖アルコールが、マンニトール、ソルビトール又はエリスリトールである、請求項1記載の固形製剤。
【請求項6】
糖アルコールがマンニトールである、請求項1記載の固形製剤。
【請求項7】
カルシウム拮抗薬が、アゼルニジピン、アムロジピン、アラニジピン、エホニジピン、シルニジピン、ニカルジピン、ニソルジピン、ニトレンジピン、ニフェジピン、ニルバジピン、バルニジピン、フェロジピン、ベニジピン、マニジピン又はこれらの塩である、請求項1記載の固形製剤。
【請求項8】
カルシウム拮抗薬がアムロジピン又はその塩である、請求項1記載の固形製剤。
【請求項9】
ポリエチレングリコールをさらに含有する、請求項1記載の固形製剤。
【請求項10】
ポリエチレングリコールの分子量が1,000〜10,000である、請求項9記載の固形製剤。
【請求項11】
(i) 1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチル 2−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]ベンズイミダゾール−7−カルボキシラート又はその塩、(ii) マンニトール、及び(iii) アムロジピン又はその塩を含有する、固形製剤。
【請求項12】
(i) 2−エトキシ−1−[[2’−(4,5−ジヒドロ−5−オキソ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸又はその塩、(ii) マンニトール、及び(iii) アムロジピン又はその塩を含有する、固形製剤。

【公表番号】特表2012−525323(P2012−525323A)
【公表日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−545129(P2011−545129)
【出願日】平成22年4月28日(2010.4.28)
【国際出願番号】PCT/JP2010/057923
【国際公開番号】WO2010/126168
【国際公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【出願人】(000002934)武田薬品工業株式会社 (396)
【Fターム(参考)】