説明

固相抽出装置

【課題】コンデショニング試薬、洗浄純水、試料水の送液および溶離液による溶出工程から濃縮液の回収までを自動的に行うことができるコンパクトで安価な固相抽出装置を提供する。
【解決手段】試料水(1a)、洗浄に使用される純水(1b)および固相抽出カラム(4)のコンデショニング用の複数の試薬(1c)等を順次選択できる多チャンネル切換弁(2a)と、多チャンネル切換弁(2a)からの流路(3a)と溶離液(1d)からの流路(3b)を選択できる三方切換弁(2b)と、三方切換弁(2b)からの流路(3c)を接続した固相抽出カラム(4)、などからなる流路構成を特徴とする固相抽出装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は固相抽出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
固相抽出法を用いて試料に含まれる微量成分を濃縮し分析する手段は、環境水、飲料水および食品中の有害成分の分析の前処理手段として広く活用されている。これらの試料水の有害成分の人体に影響する許容基準は年々厳しくなる傾向にあるが、それに伴う機器分析装置の分析感度は飛躍的には高感度化されていない現状である。したがって、より正確な分析結果を得るためには、あらかじめ分析成分を濃縮した試料水を測定しなければならない。この目的のために、固相抽出法は有効な濃縮法として広く活用されてきた技術である。
【0003】
従来の技術による固相抽出装置の一例を図2〜4に示した。固相抽出法は、あらかじめ複数のコンデショニング試薬1cによって固相抽出カラム4に充填されている吸着剤を活性化させた後(以下コンデショニングと呼ぶ)、これに一定量(Aml)の試料水1aを送液し吸着剤に分析成分だけを捕集しておき、次に少量の溶離液1dを固相抽出カラム4に送液して吸着剤に吸着された分析成分を溶出させ、得られた濃縮液(Bml)を分析装置によって定量される。最終的な濃縮率は前記試料水Amlを濃縮液Bmlで除算することによって計算され、通常濃縮率は10〜100倍程度である。
【0004】
濃縮率を大きくするためには、試料水1aを大量に使用し且つ溶離液1dの使用量を少なくすることで濃縮率を高めることができる。しかし試料水1aを多量に使用すると固相抽出カラム4への送液時間が長時間におよび処理能力が低下する。この対策として、送液速度を大きくし且つ吸着剤の吸着能力を高める改善が実施されるが、単に吸着剤の充填量を増して吸着能力を高めると、固相抽出カラム4の送液抵抗が増大し送液速度が低下する。固相抽出カラム4の改良品として、送液抵抗が小さくかつ吸着能力の高い吸着剤の開発が行われ市販されるに至っている。
【0005】
前記固相抽出法の工程は、固相抽出カラム4の複数の試薬によるコンデショニング、試料水1aの送液、固相抽出カラム4の洗浄および固相抽出カラム4への溶離液1dの送液による溶出工程からなる。一般に試料水1aは多検体の場合が多く、図2に示したような装置を用いて行われる場合が多い。図2の耐圧容器8には減圧ポンプ9が接続されており、耐圧容器8の内部を負圧に保つことができる。また、耐圧容器8の上部には固相抽出カラム4を複数個装着できる構造となっている。固相抽出作業に先んじて耐圧容器8の内部は減圧ポンプ9によって適宜減圧調整された状態となっており、この状態で固相抽出カラム4に複数のコンデショニング試薬1c、洗浄水1b、試料水1aの順序で加えられ分析成分が固相抽出カラム4に吸着される。次工程では図3に示したように、耐圧容器8の内部に濃縮液回収容器1eが設置され固相抽出カラム4に加えられた溶離液1dによって濃縮された濃縮液が回収される。以後、上記手段を減圧抽出法と呼ぶ。
【0006】
減圧抽出法の特徴は、安価で一度に複数個の固相抽出カラム4を装着し多検体の処理を行うことができるが、一方、耐圧容器の減圧の微調整が難しく送液速度を一定に保つことに難点がある。また、固相抽出カラム4の送液抵抗は個々に異なることが多く、送液抵抗の小さな固相抽出カラム4の送液速度が大きくなり、抽出効率にばらつきが発生する傾向を示す。さらに、各固相抽出カラム4の残液量を常時観察し、空引きによる他の固相抽出カラム4の送液減速に注意する必要がある。
【0007】
前記減圧抽出法に対して加圧抽出法があり、この方法は減圧抽出法に比較して送液速度を一定に制御できる特徴を備えている。加圧抽出法はペリスタブルポンプや図4に示したダブルプランジャポンプ5cによって一方向に送液される。ペリスタブルポンプは柔軟性チューブをしごくことによって送液されるため、柔軟性チューブが有機溶剤によって溶解し試料を汚染する恐れがあるために、ガラスやテフロン(登録商標)材を使用したダブルプランジャポンプ5cが使用されることが多い。図4に示したダブルプランジャポンプ5cは、二つのプランジャ5aをギヤ10aおよび10bを介してモータ11によって各々上下に同期して駆動され、プランジャ5aの降下時は試薬を逆止弁12を経由して吸引し、上昇時は逆止弁を経由して固相抽出カラム4に試薬を供給する。したがって、送液方向は固定され一方向となっている。以上の機能を備えた加圧送液装置が市販されている。また、自動化装置の検討も行われている(特許文献1)。
【0008】
実際の送液操作においては、コンデショニング試薬1c、純水1b、試料水1aおよび溶離液1dなどの順序で送液される。送液に先んじてダブルプランジャポンプ5cの二つのプランジャ5aに試薬を充填する作業が行われる。プランジャ5aの容量は一般に10mlで最大約30mL/分の吐出能力を備えている装置が一般的である。充填操作によって使用される試薬の容量は各プランジャ5aの少なくても5〜6往復によって行われ、使用される試薬は100〜120ml(約4分)に及び試薬の消費量が多くなる欠点がある。また、加圧抽出法により1台のダブルプランジャポンプ5cを用いて行うと、各試薬の充填操作→送液→充填操作→送液・・・と操作が煩雑且つ長時間を要し、効率的な抽出操作が困難である。これに対し、試薬ごとに複数のダブルプランジャポンプ5cを用いると、充填操作は最初の一回で済むが試薬の数だけダブルプランジャポンプ5cが必要となり、コストアップは避けられない。以上述べた減圧および加圧抽出法のそれぞれの長所を活用した固相抽出装置の開発が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2008−215859号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明が解決しようとする固相抽出装置の課題は、1)コンデショニングから溶出までの濃縮工程をシーケンスプログラム上で自動的に行えること、2)試薬の消費量が必要最小量であること、3)送液速度が一定で且つ任意の送液速度が設定できることである。以上の機能の他に多検体試料に対応できるように、必要に応じて固相抽出装置を増設できる機能と安価であることも必要である。以上の機能を満たした固相抽出装置は考案されていない。
前記諸課題に着目し、本発明は、流路切換弁技術と減圧送液および加圧送液技術を有効に活用することによって、試薬消費量の削減と濃縮工程の自動化を実現できる他、装置の簡素化によってコンパクトで安価な固相抽出装置を提供することを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本目的を達成する手段として、図1に示した特許請求項1の固相抽出装置において、試料水1a、洗浄に使用される純水1bおよび固相抽出カラム4のコンデショニング用の複数の試薬1c等を順次選択できる多チャンネル切換弁2aと、多チャンネル切換弁2aからの流路3aと溶離液1dからの流路3bを選択できる三方切換弁2bと、三方切換弁2bからの流路3cを接続した固相抽出カラム4と、固相抽出カラム4の下部からの流路3dと濃縮液回収容器1eへの流路3eと吸引および吐出が可能な4方切換弁2eと二つのプランジャ5aを具備するダブルプランジャポンプ5への流路3fを切換える三方切換弁2cと、三方切換弁2cとダブルプランジャポンプ5間に配置された三方ジョイント6と、三方ジョイント6の一端に接続された溶離液1dの一定量を貯めるためのコイルチューブ7と、コイルチューブ7と溶離液1dおよび前記流路3bを選択できる三方切換弁2dからなる流路構成を特徴とする固相抽出装置を使用することによって、試薬消費量の削減と濃縮工程の自動化を実現できた。
【発明の効果】
【0012】
図1に本発明による流路図と各種切換弁(2a〜2e)およびダブルプランジャポンプ5(双方向性)を制御するCPUボードからなる模式図を示した。また図5に装置の外観図を示した。
【0013】
第一の課題であるコンデショニング用試薬1cから試料水1aおよび洗浄水1bまでの試薬の送液は、多チャンネル切換弁2aの流路切換によって自動的に切換えられ、固相抽出カラム4にダブルプランジャポンプ5の減圧送液方式によってシーケンシャルに供給することができる。また、溶出工程の自動化に関してはダブルプランジャポンプ5の双方向送液機能を応用し、プランジャ5aの吸引により溶離液1dをコイルチューブ7に一旦充填した後直ちに吐出動作に切換えて、コイルチューブ7の溶離液を固相抽出カラムに送液し濃縮液を濃縮液回収容器1eに回収される。従って、すべての送液操作は自動化され固相抽出操作の簡素化と効率化が実現できた。
【0014】
第二の課題であった試薬消費量に関し、多チャンネル切換弁2aと減圧送液方式の採用によって、試薬1cおよび試料水1aの選択送液の自動化と充填操作に伴う試薬の浪費を皆無にすることができた。また、溶離液1dについてもコイルチューブ7へのダブルプランジャポンプ5による減圧充填後の加圧送液方式の採用によって、従来は必要量に無関係に100〜120mLを浪費したが、本発明では必要量(約10mL)の最大20%(2mL)まで削減可能となった。
【0015】
第三の課題である一定速度の送液と任意の速度設定に関しては、従来の技術である図2および図3に示した減圧送液法の欠点である送液速度が不安定で且つ送液速度の設定および管理の煩雑さを一挙に解決することができた。すなわち、従来の技術は固相抽出カラム4の出口から気体を媒体とて減圧するのに対し、本発明では直接液体(試料水1a等)を媒体としてダブルプランジャポンプ5により減圧するために、定流量送液が確保(0.1〜30mL/分±2%)できた。また、独立した二つモータ11によって駆動されるダブルプランジャポンプ5の送液量をタッチキーによって定量的に設定が可能となった。
【0016】
本発明による流路切換弁技術と減圧送液および加圧送液技術を有効に活用した固相抽出装置を使用することによって、試薬消費量の削減と濃縮工程の自動化を実現できる他、装置の簡素化によってコンパクトで安価な固相抽出装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施例を示す固相抽出装置のブロック図。
【図2】従来の減圧送液法によるコンデショニング試薬、純水、試料水の送液状態を示す固相抽出装置の一例。
【図3】従来の減圧送液法による溶離液による溶出工程を示す固相抽出装置の一例。
【図4】従来の加圧送液法によるコンデショニング試薬、純水、試料水の送液状態を示す固相抽出装置の一例。
【図5】本発明の固相抽出装置の外観図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施例を図1に基づいて説明する。図1は本発明による固相抽出装置(以下本装置と略記)の流路図を主体とするブロック図を示したものである。
本装置は大別して固相抽出を行うための流路と、これらの流路に配置された切換弁(2a〜2e)と、ダブルプランジャポンプ5を制御するメインCPUボード14および本装置を運転し且つプログラムシーケンスを設定登録するためのタッチキー機能付液晶表示器13から構成される。
【0019】
流路の開始点は多チャンネル切換弁2aから始まる。多チャンネル切換弁2aは試料水1a、洗浄水1b、コンデショニング試薬1c(有機溶剤、緩衝液等)等複数個の試薬を順次切換え、流路3aを経由して固相抽出カラム4に送液するためのものである。多チャンネル切換弁2aはメインCPUボードの指示に従いモータ11によって駆動される。多チャンネル切換弁2aのポートは通常4〜8ポートを備えており、試薬ばかりでなく固相抽出カラム4内の充填剤を乾燥するなどに使用する空気または窒素ガスなども接続される。多チャンネル切換弁2aの材質は耐薬品性でかつ有機物や金属化合物を溶出しない材質が使用され、本装置ではセラミックス系(二酸化ケイ素およびジルコニア)の摺り合せ弁と配管としては内径1〜2mmのテフロン(登録商標)チューブが使用される。また、後述する4方切換弁2eの材質も同様である。その他の切換弁2b〜2dはテフロン(登録商標)製の電磁弁が使用される。
【0020】
固相抽出法の最初の作業として、一般にコンデショニングと言われる固相抽出カラム4の活性化が行われる。固相抽出カラム4は一回の抽出作業で新品に交換され使い捨てされる場合が多く、従ってコンデショニングは1試料に対して必ず1回実施される。一般的に有機溶剤(メタノール、アセトン等)が通液された後純水洗浄→緩衝液→純水洗浄の順序で行われる。以上の試薬の選択と通液量(約10〜20mL)および通液速度(約10mL/分)はコンデショニングファイル内に設定され条件で送液される。以降、使用される流路は流路3a→三方切換弁2b→流路3c→固相抽出カラム4→流路3d→三方切換弁2c→流路3f→三方ジョイント6→ダブルプランジャポンプ5→廃液槽16の流路で減圧送液される。
【0021】
コンデショニング終了後、サンプルロードファイルの設定値に従い試料水1aが送液(通常100mL〜1000mL、通液速度1〜20mL/分)される。また試料水1aは多チャンネル切換弁2aの未使用ポートに割りふることができるので、自動化への応用性に優れている。試料水1aの送液後は洗浄用純水1bが送液され固相抽出カラム4および流路内が洗浄される。本装置は、以上のコンデショニングから試料水1aおよび洗浄工程はプログラムシーケンスに従い自動的に行われ、繰り返し精度の高い送液と試薬浪費を最小限に留めた送液が特徴である。
【0022】
試料水1aの送液後純水1bによる洗浄が行われた後、溶出ファイルに設定された溶離液1dによる溶出工程が実施される。溶出工程の最初に、溶離液1dをコイルチューブ7に充填する作業から始まる。溶離液1dは三方切換弁2d→コイルチューブ7→三方ジョイント6→ダブルプランジャポンプ5→廃液槽16の流路で充填される。一般に溶離液1dの必要量は10mL以下の場合が多く、従ってコイルチューブ7の内体積は10mL以上通常2割増しの体積で少なくてもダブルプランジャポンプ5のプランジャ5aの1ストロークの体積以上が適当である。コイルチューブ7は通常内径2〜3mmのテフロン(登録商標)チューブをコイル状に巻いた状態で使用される。コイルチューブ7の内径を大きくするとコイルチューブ7の長さを短縮できるが、他の試薬の入換え作業時に試薬消費量が多くなる傾向を示すので好ましくない。
【0023】
溶出ファイルには溶離液1dの吐出量が設定されるが、コイルチューブ7に充填される溶離液の量は、通常自動的に吐出量の2割増しの溶離液1dが充填されるので、装置使用者はコイルチューブ7への充填量を考慮する必要はない。溶出工程では、前記減圧送液で溶離液1dを吸引したプランジャ5aが吐出動作に切換わることで開始される。ダブルプランジャポンプ5は、前記図4に示したダブルプランジャポンプ5cが1つのモータで駆動されているのに対して独立したモータ11によって各プランジャ5aを駆動しており、4方切換弁の二組の流路を切換えて使用することによって、吐出または吸引送液の併用が可能である他、プランジャ5aの単独駆動が可能である特徴も備えている。これらの機能の活用によって課題を解決することができた。
【0024】
溶出工程は、ダブルプランジャポンプ5→三方ジョイント6→コイルチューブ7→三方切換弁2d→流路3b→三方切換弁2b→流路3c→固相抽出カラム4→流路3d→三方切換弁2c→流路3e→濃縮液回収容器1eの流路で濃縮液が回収される。溶離液1dによる固相抽出カラム4に吸着された分析成分の溶出は、通常10mL以下の溶離液1dを使って行われ回収率を高める目的で送液速度10mL/分以下の比較的低速で送液される。回収され濃縮液の液量は、場合によって溶出ファイルに設定された液量以下となることもあるが、この場合は溶離液を適宜添加して一定量に定容する作業が行われる。定容された試料は機器分析装置によって分析成分が測定される。
【符号の説明】
【0025】
1a:試料水
1b:純水
1c:コンデショニング試薬
1d:溶離液
1e:濃縮液回収容器
2a:多チャンネル切換弁
2b:三方切換弁
2c:三方切換弁
2d:三方切換弁
2e:四方切換弁
3a:流路
3b:流路
3c:流路
3d:流路
3e:流路
3f:流路
4 :固相抽出カラム
5 :ダブルプランジャポンプ
6 :三方ジョイント
7 :チューブコイル
8 :減圧容器
9 :減圧ポンプ
10a:ギヤ
10b:ギヤ
11 :モータ
12 :逆止弁
13 :表示器
14 :メインCPUボード
15 :I/Oポート
16 :廃液槽


【特許請求の範囲】
【請求項1】
海水、湖沼水、河川水などの環境水および食品等に含まれる有害成分を化学分析するための濃縮処理手段において使用される固相抽出装置において、試料水(1a)、洗浄に使用される純水(1b)および固相抽出カラム(4)のコンデショニング用の複数の試薬(1c)等を順次選択できる多チャンネル切換弁(2a)と、多チャンネル切換弁(2a)からの流路(3a)と溶離液(1d)からの流路(3b)を選択できる三方切換弁(2b)と、三方切換弁(2b)からの流路(3c)を接続した固相抽出カラム(4)と、固相抽出カラム(4)の下部からの流路(3d)と濃縮液回収容器(1e)への流路(3e)と吸引および吐出が可能な4方切換弁(2e)と二つのプランジャ(5a)を具備するダブルプランジャポンプ(5)への流路(3f)を切換える三方切換弁(2c)と、三方切換弁(2c)とダブルプランジャポンプ(5)間に配置された三方ジョイント(6)と、三方ジョイント(6)の一端に接続された溶離液(1d)の一定量を貯めるためのコイルチューブ(7)と、コイルチューブ(7)と溶離液(1d)および前記流路(3b)を選択できる三方切換弁(2d)からなる流路構成を特徴とする固相抽出装置。
【請求項2】
前記請求項1の固相抽出装置において、溶離液(1d)を三方切換弁(2d)、コイルチューブ(7)、三方ジョイント(6)を経由してダブルプランジャポンプ(5)の吸引動作によってコイルチューブ(7)内に充填した後、ダブルプランジャポンプ(5)の吸引動作を吐出動作に切換え、三方ジョイント(6)、コイルチューブ(7)、三方切換弁(2d)、流路(3b)、三方切換弁(2b)、固相抽出カラム(4)、三方切換弁(2c)および濃縮液を回収する流路(3e)を経由して一定量の濃縮液を回収することを特徴とする固相抽出装置。
【請求項3】
前記請求項1の固相抽出装置において、コイルチューブ(7)の内径が1〜5mmで、コイルチューブ(7)の長さが前記請求項2で使用される溶離液(1d)の体積と同体積となる長さ以上であることを特徴とする固相抽出装置。
【請求項4】
前記請求項1の固相抽出装置において、ダブルプランジャポンプ(5)の二つのプランジャ(5a)は各々独立したモータ(11)によって駆動されていることを特徴とする固相抽出装置。
【請求項5】
前記請求項1の固相抽出装置において、多チャンネル切換弁(2a)、三方切換弁(2b)、固相抽出カラム(4)、三方切換弁(2c)、4方切換弁(2e)および送液用ダブルプランジャポンプ(5)を経由してコンデショニング試薬(1c)の送液、試料水(1a)の固相抽出カラム(4)の送液、洗浄水(1b)の送液を行った後、前記請求項2に示した溶離液(1d)による固相抽出カラム(4)への送液によって濃縮液回収容器(1e)への濃縮液の回収に至る一連の送液を自動的に行うことができる固相抽出装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−158450(P2011−158450A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−22861(P2010−22861)
【出願日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【出願人】(000240042)平沼産業株式会社 (9)
【Fターム(参考)】