説明

固結剤収容器および包装袋

【課題】水や水槽を別に準備することなく、セメント充填体に清浄な水を吸水させることのできるセメント充填体収容器およびその外装の包装袋を提供する。
【解決手段】
セメント充填体収容器1は、水硬化性セメント組成物を透水性容器に充填したセメント充填体10が収容されるセメント充填体収容部3と、セメント充填体10,10・・・および発熱体11に吸水させる水12が収容される水収容部4とが一体化され、セメント充填体収容部3は、セメント充填体10,10・・・、および発熱体11を水12に浸漬状態で収容可能な容量で形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2種の固結剤が混ぜ合わさることで固結する各々の固結剤を分離状態で収容する固結剤収容部およびその外装として用いられる包装袋に関するものである。
【背景技術】
【0002】
2種の固結剤が混ぜ合わさることで固結する固結剤には、例えば、セメントと水や、2液混合ウレタン、2液混合シリコンなどがある。これらの固結剤は様々な場所で使用されている。
【0003】
例えば、岩盤やコンクリート構造体に穿孔された孔にアンカーボルトを打設施工する際、固着剤としてセメントモルタル等の水硬化性セメント組成物を用いることで岩盤等を補強しつつ強力に固定することが従来から行われている。この場合、不織布等の透水性容器に水溶性セメント組成物を予め充填したセメント充填体を、使用する直前に水に浸漬させて所定時間吸水させ、吸水したセメント充填体を穿孔内に入れてからアンカーボルトを打設する。このようなセメント充填体が特許文献1や特許文献2に記載されている。
【0004】
従来、セメント充填体は、ポリプロピレン製やアルミ製の袋に10本程度の単位で封入され、アンカーボルトの打設現場で袋を破いて開き、予め準備した水槽内の水にセメント充填体を一定時間浸漬させてから取出して使用されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭57−174599号公報
【特許文献2】特開昭59−220600号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来のように、アンカーボルトの打設現場にセメント充填体とは別に水や水槽を準備することは煩雑であった。特に水は清浄なものが必要であるので水道水を準備する必要があるが、水道が近くに無い場合には、水道水以外の例えば汚水や海水などの質の悪い水が代用される可能性があった。
【0007】
本発明は前記の課題を解決するためになされたもので、水や水槽を別に準備することなく、セメント充填体に清浄な水を吸水させることのできるセメント充填体収容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記の目的を達成するためになされた特許請求の範囲の請求項1に記載された固結剤収容器は、一方の固結剤と他方の固結剤が混ぜ合わさることで固結する前記各々の固結剤を分離状態で収容する固結剤収容器であって、前記一方の固結剤を収容する一方の収容部と、前記他方の固結剤を収容する他方の収容部とが一体化されており、前記両固結剤収容部のいずれかは、前記両固結剤を収容可能な容量で形成されていて、前記他方の収容部に収容される前記他方の固結剤は、水硬化性セメント組成物を透水性容器に充填したセメント充填体であり、前記一方の収容部に収容される一方の固結剤は、前記セメント充填体に吸水させる水であり、前記他方の収容部には、前記セメント充填体と共に、吸水により発熱する発熱体が収容されていることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の固結剤収容器は、請求項1に記載されたもので、前記一方の収容部と前記他方の収容部とに区分する仕切部が容器中空に形成され、該仕切部には、開栓により前記両収容部間を連通させる栓部材が配されていることを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の固結剤収容器は、請求項2に記載されたもので、前記仕切部は、袋状の容器外装の対向する内面同士で前記栓部材を挟み込み、該内面同士が帯状にヒートシールされて形成されていることを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載の固結剤収容器は、請求項3に記載されたもので、前記栓部材は、管路の一端に脆弱部を介して封緘部が設けられて形成され、前記仕切部には、該管路の該脆弱部および該封緘部が前記一方の収容部内に突設配置されると共に前記管路の他端が前記他方の収容部に開端して配置されていることを特徴とする。
【0012】
請求項5に記載の固結剤収容器は、請求項4に記載されたもので、前記封緘部は、折れ強度が10Nから50Nに脆弱部が形成されていることを特徴とする。
【0013】
請求項6に記載の固結剤収容器は、請求項3に記載されたもので、前記栓部材は、平坦面を一側面とする保持部材と、該保持部材の一端側の前記一側面の縁端に前記一側面の対面側に向かって屈曲させて突設させた突設板とで構成され、前記仕切部には、前記保持部材の他端を前記他方の収容部に表出させてヒートシールされ、前記突設板を前記内面同士で覆ってヒートシールされると共に前記突設板が前記一側面と略平行になるように伸長させたときに前記覆っていた内面同士が前記一側面および前記突設板から剥離可能にヒートシールされていることを特徴とする。
【0014】
請求項7に記載の固結剤収容器は、請求項1から6のいずれかに記載されたもので、前記両収容部が、透明性を有して形成されていることを特徴とする。
【0015】
請求項8に記載の固結剤収容器は、請求項1から7のいずれかに記載されたもので、前記仕切部は、水分子を透過しないバリア性を有して形成されていることを特徴とする。
【0016】
請求項9に記載の固結剤収容器は、請求項1から8のいずれかに記載されたもので、前記他方の収容部は、脱気されて減圧状態に密閉されていることを特徴とする。
【0017】
請求項10に記載の固結剤収容器は、請求項1に記載されたもので、前記両収容部は、各々が上部に開口部を有する槽状の形状に形成され、併置された前記両収容部の各々の開口部が1枚の樹脂製フィルムで密閉されて形成されていることを特徴とする。
【0018】
請求項11に記載の固結剤収容器は、請求項1に記載されたもので、前記一方の収容部は上部に開口部を有する槽状の形状に形成され、該開口部は樹脂製フィルムで密閉され、該樹脂製フィルム上に前記セメント充填体及び前記発熱体が載置され、該セメント充填体及び前記発熱体を覆う外壁が前記樹脂製フィルムに固着されて前記他方の収容部が形成されていることを特徴とする。
【0019】
請求項12に記載の固結剤収容器は、請求項1から11のいずれかに記載されたもので、前記一方の収容部には、殺菌処理された水が収容されていることを特徴とする。
【0020】
請求項13に記載の固結剤収容器は、請求項1から12のいずれかに記載されたもので、前記一方の収容部には、前記水を注入可能な水注入部が配されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
請求項1に記載の固結剤収容器によれば、2種の固結剤を分離して収容される各収容部が一体化されて、いずれかの収容部内で混ぜ合わせることができるため、混ぜ合わせるための槽を別に準備する必要が無いので、迅速かつ容易に混ぜ合わせることができる。他方の固結剤が、水硬化性セメント組成物を透水性容器に充填したセメント充填体であり、一方の固結剤が、セメント充填体に吸水させる水であり、いずれかの収容部内でセメント充填体に吸水可能なことにより、水や水槽を別に準備する必要が無く、しかもセメント充填体に容易に吸水ができるため、施工作業の準備を迅速かつ容易に行うことができる。また、水を別に準備する必要が無いため、質の悪い不適切な水を代用して用いられることが防止され、清浄な水を使用することができる。他方の収容部には、セメント充填体と共に吸水により発熱する発熱体が収容されているため、低温時でも水温が所定温度以上になるため、セメント充填体の浸漬に必要な吸水時間を安定化させることができる。
【0022】
請求項2に記載の固結剤収容器によれば、各固結剤を一度容器から取り出して移し変える作業をすることなく、仕切部の栓部材を開栓させて混ぜ合わせることができるため、作業が一層迅速かつ容易になる。
【0023】
請求項3に記載の固結剤収容器によれば、袋状の容器の対向する内面同士で栓部材を挟んでヒートシールで仕切部を形成することにより、容器を簡便かつ安価に製造することができる。
【0024】
請求項4に記載の固結剤収容部によれば、栓部材の封緘部を脆弱部で折ることで管路が開栓することにより、例えばネジ式の蓋を回転させて開栓するような構造よりも簡便なため、安価に製造できると共に迅速かつ容易に開栓することができる。
【0025】
請求項5に記載の固結剤収容部によれば、封緘部を人が容易に折れるため、容易に開栓することができる。
【0026】
請求項6に記載の固結剤収容部によれば、屈曲した突設板を伸張させることで外装内面が剥離して開栓することにより、突設板を押すだけの簡単な作業で開栓することができる。また、簡便な構造のため安価に製造できる。
【0027】
請求項7に記載の固結剤収容部によれば、透明なため、内容物や混ぜ合わさっている両固結剤の状況を目視で確認することができる。
【0028】
請求項8に記載の固結剤収容部によれば、仕切部が水分子を透過しないバリア性を有しているため、セメント充填体が湿気を帯びることが防止される。
【0029】
請求項9に記載の固結剤収容部によれば、他方の収容部が脱気されて減圧状態に密閉されていることにより、栓部材を開栓した際に一方の収容部の水が他方の収容部側に急速に吸引されるため、セメント充填体を迅速に浸漬させて吸水させることができる。
【0030】
請求項10に記載の固結剤収容部によれば、併置された槽状の両収容部の各々の開口部が1枚の樹脂製フィルムで密閉されて一体化されていることにより、簡便な構造のため、安価に製造することができる。
【0031】
請求項11に記載の固結剤収容部によれば、槽状の一方の収容部の開口部が樹脂製フィルムで密閉され、その上に他方の収容部が形成されていることにより、簡便な構造のため安価に製造することができる。また、省スペースである。
【0032】
請求項12に記載の固結剤収容部によれば、一方の収容部には、殺菌処理された水が収容されていることにより、保存可能な期間を長くすることができる。
【0033】
請求項13に記載の固結剤収容部によれば、水注入部が配されていることで、水を注入する前は、軽量であるため、運搬が容易になる。
【0034】
2液混合固結剤の各液剤を容器内部で混ぜ合わせるようにする場合、作業が容易である。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の固結剤収容器の一例であるセメント充填体収容器の一部切欠概要図である。
【図2】上図のセメント充填体収容器の栓部材の概要図である。
【図3】本発明の固結剤収容器の一例である別のセメント充填体収容器の一部切欠概要図である。
【図4】本発明の固結剤収容器の一例である別のセメント充填体収容器の栓部材の使用状態を示す断面図である。
【図5】本発明の固結剤収容器の一例である別のセメント充填体収容器の断面図である。
【図6】本発明の固結剤収容器の一例である別のセメント充填体収容器の断面図である。
【図7】本発明の固結剤収容器の一例であるセメント充填体収容器の一部切欠概要図である。
【図8】本発明の固結剤収容器の一例である2液混合固結剤収容器の一部切欠概要図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本発明を実施するための好ましい形態について詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの形態に限定されるものではない。
【0037】
図1には、本発明の固結剤収容器の一実施形態であるセメント充填体収容器の一部切欠概要図が示されている。この図1に示されたセメント充填体収容器1は、熱によって溶融して対向する面同士が融着するヒートシール性を有する樹脂を内面(内層)側に配した柔軟な合成樹脂製積層フィルムを外装に用いて、全体として密閉された袋状に形成されている。この袋状の容器が本発明における包装袋に相当する。
【0038】
具体的には、内層として使用するヒートシール性を有する樹脂としては、熱によって溶融し相互に融着し得るものであればよく、たとえば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンー酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレンーアクリル酸共重合体、エチレンーアクリル酸メチル共重合体、エチレンーメタクリル酸共重合体、エチレンープロピレン共重合体等の樹脂の一種ないしそれ以上からなる樹脂ないしはこれらをフィルム化したシートを使用することができ、その厚さとしては、30〜200μmが適当である。
【0039】
また、外層として使用する合成樹脂製のフィルムとしては、セメント充填体収容器1を構成する基本素材となることから、機械的、物理的、化学的等において優れた性質を有する合成樹脂を用いることができ、たとえば、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリプロピレン系、ポリカーボネート系、ポリアセタール系等の樹脂を用いることができる。また、これらの樹脂を用いたフィルムとしては、未延伸フィルムあるいは1軸方向または2軸方向に延伸した延伸フィルム等のいずれのものでも使用することができ、フィルムの厚さとしては基本基材としての強度、剛性などについて必要最低限に保持され得る厚さであればよく、厚過ぎるとコストが上昇するという欠点があり、逆に薄過ぎると強度、剛性等が低下して好ましくない。本発明においては、上記のような理由から12〜25μm程度が適当である。また、前記合成樹脂製のフィルムは、必要に応じてポリ塩化ビニリデンが塗工されたフィルムやアルミニウムや酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化インジウム、酸化錫、酸化ジルコニウム等の無機物の蒸着層が形成されたフィルムとしてバリアー性を有する構成としてもよい。また、前記外層として使用する合成樹脂製のフィルムは、前記合成樹脂製フィルムの内層側に一般的には印刷が施されることが多い。そのために、前記外層として使用する合成樹脂製フィルムは印刷適性が求められ、1軸方向または2軸方向に延伸した延伸フィルムが好適である。
【0040】
さらに、前記内層と前記外層の間に中間層を設けてもよく、この中間層は通常内層と外層だけでは包装袋としての機能を十分に果たすことができない場合等に設けられる。前記機能としては、気体遮断性、機械的強靱性、耐屈曲性、耐突き刺し性、耐衝撃性、耐磨耗性、耐寒性、耐熱性、耐薬品性等であり、包装袋として要求されるこれらの最終的な機能を中間層を設けることで達成するものである。この中間層として用いられる基材としては、たとえば、アルミニウム、鉄、銅、錫等の金属箔、あるいは、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、エチレンープロピレン共重合体、エチレンー酢酸ビニル共重合体ケン化物等のフィルムあるいはこれらにポリ塩化ビニリデンを塗工したフィルムないしはアルミニウムや酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化インジウム、酸化錫、酸化ジルコニウム等の無機物の蒸着を施したフィルムあるいはポリ塩化ビニリデン等のフィルムなどを用いることができる。また、これら基材の一種ないしそれ以上を組み合わせて使用することができる。尚、上記基材の厚さとしては、包装袋として要求される機能を満たすことができればよいのであって、必要に応じて適宜選ぶことができる。
【0041】
一例として、セメント充填体収容器1は透明性を有する材質で外装が形成されている。
【0042】
セメント充填体収容器1は、その中央部の対向する容器外装の内面同士を帯状にヒートシールすることで仕切部2が形成され、この仕切部2によって袋状の容器中空がセメント充填体収容部3および水収容部4の2室に区分されている。また、側部の両縁もヒートシールされて形成されている。セメント充填体収容部3は本発明における他方の収容部に相当し、水収容部4は本発明における一方の収容部に相当する。
【0043】
仕切部2には、栓部材5が配されている。栓部材5は、ヒートシールされた外装の内面(内層)同士の間に挟みこまれて、この内面間に隙間無く密着状態でヒートシールされている。この仕切部2は、水分子を透過しないバリア性を有して形成されている。
【0044】
栓部材5は、合成樹脂で一体成形されていて、図2(a)に示されるように、円筒状の管路20の一端(図の上側)に薄肉の脆弱部21を介して管路20の一端を閉塞するフランジ状の封緘部22が設けられて形成されている。封緘部20には、その上部に突起する折取補助部23が形成されている。
【0045】
管路20の他端(図の下側)は開端している。管路20には、その他端側の略半分程度の側面に外装をヒートシールして固着するための取付部材24が、一体成形で付されている。取付部材24は、管路20の他端の端面と面を同一に形成されると共に、管路20の他端側の略半分程度の側面になだらかな山形を対向した形状で形成されている。
【0046】
管路20には、一端側から取付部材24までの間に、つまり取付部材24が付されていない側面に平坦面27が一面設けられている。なお、平坦面27は例えば対向させるように2ヶ所設けてもよい。
【0047】
封緘部22は、図2(b)のように脆弱部21で容易に折れて管路20から取り去ることができる。一例として、脆弱部21は、封緘部22の折れ強度が10N以上〜50N以下の範囲に形成されている。この場合、封緘部22がフランジ状に形成されているため指を掛け易く、さらに折取補助部23が封緘部22よりも上方に突起しているため一層指を掛け易く、脆弱部21を支点として容易に封緘部22を折り取ることができる。封緘部22を折り取ることで、管路20が開栓される。
【0048】
栓部材5は、図1に示されるように、平坦面27から前記封緘部22側が水収容部4内部に突設されて取付部材24に外装内面がヒートシールされることにより固着されている。
【0049】
セメント充填体収容部3には、複数の(一例として10本)のセメント充填体10,10・・・、および発熱体11が封入されている。セメント充填体10は、本発明における他方の固結剤に相当する。また、セメント充填体収容部3は、後述する水収容部4に収容された水12でセメント充填体10,10・・・、および発熱体11を浸漬状態で収容可能な容量に形成されている。さらに、セメント充填体収容部3は、脱気されて周囲よりも減圧状態で封入されている。セメント充填体収容部3には、図1に示されるように端部近くに開放の際に包装袋を破きやすくするための、V字状または切り込み状の破り口18が形成されている。
【0050】
セメント充填体10は、セメントやセメントモルタル等の水硬化性セメント組成物を、透水製の例えば不織布で形成された容器に充填して形成されている。水硬化性セメント組成物は、一例として、セメントは、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント、耐硫酸塩ポルトランドセメントなどのポルトランドセメントや、高炉セメント、シリカセメント、フライアッシュセメントなどの混合セメント、アルミナセメント、エコセメント、ジェットセメント、シリカフュームセメント、油井セメント、地熱井セメントなどの特殊セメントや石膏などの水硬性セメントを単一または混合して用いる。セメントモルタルとする場合は、上記セメントと珪砂等の砂を15〜80%配合したセメントモルタルとし、さらに、炭酸塩、硫酸塩、アミン類などの促進剤やリン酸塩、ホウ酸塩、リグニンスルホン酸やグルコン酸、クエン酸などの有機酸とその塩などの遅延剤をプレミックスさせたセメントモルタルが用いられる。
【0051】
発熱体11は、水を媒体として発熱する物質、例えば生石灰や鉄粉などが、内容物の漏れ出ない例えば不織布で形成された透水性容器に充填して形成されている。
【0052】
水収容部4には、セメント充填体10に吸水させる所定水量の水12が収容されている。この水12は、本発明における一方の固結剤に相当し、セメント充填体収容部3内部でセメント充填体10,10・・・、および発熱体11を浸漬させて吸水させるのに必要な水量を有している。この水12は、蒸留水、イオン交換水、逆浸透水等の純水や水道水が用いられ、さらに例えば紫外線照射されることで殺菌処理されている。殺菌処理された水12を用いることで保存可能期間を長くすることができる。
【0053】
次に、このセメント充填体収容器1の製造方法の一例について説明する。
【0054】
先ず、セメント充填体収容器1の上端および下端(図1の上方の端および下方の端)が開放された状態で、容器外装の中央部の内面同士で栓部材5を挟み込んで帯状にヒートシールして仕切部2を形成する。この際に、栓部材5に平坦面27が形成されていることにより、この平坦面27を用いてセメント充填体収容器1の製造機器で挟持できるため、栓部材5やセメント充填体収容器1を確実に保持でき、製造が容易になる。なお、容器外装には、破り口18を形成する。
【0055】
次に、水収容部4に所定水量だけ水12を充填する。続いて、セメント充填体収容器1の上端をヒートシールして密閉する。水12の密封を確認した後に、セメント充填体収容部3にセメント充填体10,10・・・、および発熱体11を収容する。最後に、セメント充填体収容部3内部の空気を脱気して減圧状態にしつつセメント充填体収容器1の下端をヒートシールして密閉する。
【0056】
このように、簡便な構造であり、製造も容易であるので、セメント充填体収容器1を簡便かつ安価に製造することができる。
【0057】
次に、セメント充填体10の施工現場でのセメント充填体収容器1の使用方法について説明する。
【0058】
先ず、セメント充填体収容器1の外側から栓部材5の封緘部22を折り取って、各々の管路20を開栓させる。セメント充填体収容器1が透明な包装袋で形成されているため、栓部材5の場所が容易に確認できる。また、内容物も目視できる。この開栓によりセメント充填体収容部3と水収容部4とが管路20で連通し、管路20が水路になって水12がセメント充填体収容部3に流れ込む。セメント充填体収容部3は減圧状態であるため、水12がセメント充填体収容部3に急速に吸引されて流れ込む。このため、水12がセメント充填体収容部3に早く移動することで、セメント充填体10を迅速に水12で浸漬させて吸水させることができる。この場合、セメント充填体収容器1を水収容部4を天方向、セメント充填体収容部3を地方向に縦置きした方が早くセメント充填体10を水12で浸漬させることができるが、セメント充填体収容器1を横置きに寝かせていてもよい。横置きでもセメント充填体収容部3が減圧状態であるので、吸引して、水12がセメント充填体収容部3側に移動する。さらに横置きにしたときには、水収容部4を外部から押したり、端部から複数回数折り巻くことで、水12の移動を促進することもできる。また、セメント充填体収容器1を縦置きしたときには、水収容部4の端部を開封して内側から直接封緘部22を摘んで折り取っても良い。
【0059】
セメント充填体収容部3に水12が移動することで、セメント充填体10が水12で浸漬されて吸水する。また、発熱体11が水12を吸水することで発熱するため、低温時でも水温が所定温度以上になるため、セメント充填体10の浸漬に必要な吸水時間を安定化させることができる。セメント充填体収容器1が透明な材質のため、セメント充填体10の吸水している様子を目視で確認することができる。
【0060】
セメント充填体10を所定時間、水12で浸漬させた後に、セメント充填体収容器1をセメント充填体収容部3を天方向、水収容部4を地方向にして縦置きにし、セメント充填体収容部3の端部を破り口18から開封する。これにより、セメント充填体収容部3内の不要になった水12が、管路20を通って水収容部4側に排出される。このため、セメントでアルカリ化した水12に手を入れることなく容易にセメント充填体10を取出すことができる。また、水収容部4の端部を開封していない場合には、使用済みの水12が水収容部4に貯留されるため、所定の水廃棄場所まで容易に運搬することができる。
【0061】
なお、図2(c)に示されるように、一対の栓部材5,5を1つの取付部材24で繋げて一体成形してもよい。この場合、取付部材24は、仕切部2の左右幅および帯幅と同程度に形成し、この取付部材24に外装内面をヒートシールする。また、同図に示すように、平坦面27を形成しない栓部材5とすることもできる。また、同図に示すように、栓部材5の管路20の他端を取付部材24から突出させて形成することもできる。
【0062】
また、一つの栓部材5を配した例について説明したが、栓部材5を仕切部2に2箇所や3箇所等のように複数箇所に配しても良い。封緘部22や折取補助部23の形状も板体状など任意の形状に形成することもできる。また、水収容部4側の端部にも破り口18を形成することもできる。
【0063】
次に、本発明の固結剤収容器の別の実施形態について説明する。なお、以下において、すでに説明した構成には同じ符号を付して説明を省略する。
【0064】
図3には、本発明を適用する固結剤収容器の一例であるセメント充填体収容器1Aの一部欠概要図が示されている。すでに説明したセメント充填体収容器1では、仕切部2に栓部材5が配されていたが、このセメント充填体収容器1Aでは、仕切部2に相当する仕切部2Aに栓部材の別の実施形態である栓部材6が配されていることが相違している。
【0065】
図3に示されるセメント充填体収容器1Aは、セメント充填体収容器1と同様の包装袋で密閉され、その中央部に対向する外装28,29(図4参照)の内面同士を帯状にヒートシールすることで仕切部2Aが形成されている。この仕切部2Aによって袋状の容器中空がセメント充填体収容部3および水収容部4の2室に区分されている。セメント充填体収容部3には、セメント充填体10,10・・・および発熱体11が減圧状態で密封され、水収容部4には、殺菌処理された水12が密封されている。
【0066】
仕切部2Aには、栓部材6が配されている。栓部材6は、外装28,29の内面同士の間に挟み込まれて、この内面間で隙間無く密着状態にヒートシールされている。
【0067】
図4には、図3におけるA−A断面図が示されている。なお、図4では、図を見やすくするために外装28,29の厚さを実際よりも厚く図示している。
【0068】
図3および図4(a)に示される栓部材6は、プラスチック製で、保持部材15とこの保持部材15に突設板16が付されて構成されている。保持部材15は、平坦面19を一側面とする略直方体状に形成されている。突設板16は、保持部材15の一端側(図の上側)の平坦面19の縁端に沿って平坦面19の対面側に向かって屈曲させて突設させて形成されている。つまり、保持部材15の一端縁に沿って部にベロ状の突設板16が内側に傾斜して付されている。また、突設板16の上端部側は、ヒートシールが容易なように上方に向かってへの字状の形状で形成されている(図4(a)参照)。この突設板16は、指等で押されたときに、平坦面19と略平行に伸長可能に可撓性または脆弱性を有して形成されている。
【0069】
栓部材6は、仕切部2Aには、保持部材15の他端(下端)をセメント充填体収容部3に表出させてヒートシールされ、突設板16を外装内面同士で覆ってヒートシールされると共に突設板16が平坦面19と略平行になるように伸長させたときに覆っていた外装内面同士が平坦面19および突設板16から剥離可能にヒートシールされている。
【0070】
具体的には、栓部材6には、図4(a)に示されるように、保持部材15を容器外装28,29の内面で挟み込むと共に突設板16も挟み込み、突設板16よりも水収容部4側も突設板16が覆われるように容器外装28,29がヒートシールされている。突設板16の上方(図の上方)は、突設板16が伸長した際に、突設板16がヒートシール部分よりも上方に突出可能な幅で容器外装28,29がヒートシールされている。また、容器外装28は、突設板16が伸長した際に、突設板16および平坦面19から剥離すると共に、水12の重量では剥離しない固着力でヒートシールされている。
【0071】
保持部材15の下端は、セメント充填体収容部3側に現れている。
【0072】
このセメント充填体収容器1Aの製造方法は、外装28,29の内面間で栓部材6をヒートシールして仕切部2Aを形成する以外はセメント充填体収容器1と同様であるので説明を省略する。
【0073】
次に、セメント充填体10の施工現場でのセメント充填体収容器1Aの使用方法について説明する。
【0074】
先ず、セメント充填体収容器1Aの外側から栓部材6の突設板16を図4(a)に示した矢印方向に押すことで、突設板16が保持部材15の平坦面19と略平行に伸長し、図4(b)に示されるように容器外装28が剥離して開栓し、水収容部4とセメント充填体収容部3とが連通する水路17が形成される。これにより、同図に矢印で示されるように、水12が水路17を通ってセメント充填体収容部3側に移動して、セメント充填体10や発熱体11が水12で浸漬される。これにより、セメント充填体10が水12を吸水する。
【0075】
このように、セメント充填体収容器1Aの外部から栓部材6の突設板16を押して伸長させるだけの簡単な作業で開栓することができ、セメント充填体10に容易に吸水させることができる。その他の説明については、セメント充填体収容器1の使用方法と同様であるので説明を省略する。
【0076】
なお、1つの栓部材6を仕切部2Aに配した例について説明したが、複数箇所に配しても良い。
【0077】
次に、本発明の固結剤収容器のさらに別の実施形態について説明する。
【0078】
図5には、本発明を適用する固結剤収容器の一例であるセメント充填体収容器1Bの断面図が示されている。このセメント充填体収容器1Bは、本発明における他方の収容部であるセメント充填体収容部3B、および本発明における一方の収容部である水収容部4Bが並列に併置されて、各々の開口部31,32が1枚の樹脂製フィルム30で密閉されている。なお、図5では、図を見やすくするために樹脂製フィルム30の厚さを実際よりも厚く図示している。
【0079】
セメント充填体収容部3Bは、一例としてポリプロピレンなどの樹脂によって、上部に開口部31を有する槽状の形状、この場合一例として細長いカップ状の形状に形成され、この開口部31の縁端は同一面内に形成されている。このセメント充填体収容部3Bには、複数(一例として10本)のセメント充填体10,10・・・、および発熱体11が内部に収容されている。
【0080】
水収容部4Bは、セメント充填体収容部3Bと同様の材質・形状で形成され、内部に殺菌処理された水12が収容されている。
【0081】
樹脂製フィルム30は、一例として柔軟性を有するポリマーフィルムであって、併置されたセメント充填体収容部3Bおよび水収容部4Bの開口部31,32を覆う大きさに形成され、開口部31,32の縁端に接着またはヒートシールされて固着されている。
【0082】
このように簡便な構造のため、安価に製造することができる。また、複数のセメント充填体収容器1Bを上面(樹脂製フィルム30側)同士、または、底面同士を対面させて安定して積み重ねることができる。
【0083】
次に、セメント充填体10の施工現場でのセメント充填体収容器1Bの使用方法について説明する。
【0084】
先ず、セメント充填体収容部3Bおよび水収容部4Bから樹脂製フィルム30を取り外し、セメント充填体収容部3Bからセメント充填体10,10・・・や発熱体11を取り出して、水収容部4B内の水12に浸漬させる。なお、低温時には、最初に発熱体11を浸漬させて水温が上昇した後にセメント充填体10を浸漬させてもよい。
【0085】
所定時間経過後、セメント充填体収容部3Bから水12を排出し、セメント充填体10,10・・・を取り出して使用する。
【0086】
次に、本発明の固結剤収容器のさらに別の実施形態について説明する。
【0087】
図6には、本発明の固結剤収容器の一例であるセメント充填体収容器1Cの断面図が示されている。なお、図6では、図を見やすくするために樹脂製フィルム33,34の厚さを実際よりも厚く図示している。
【0088】
セメント充填体収容器1Cは、上記したセメント充填体収容器1Bの水収容部4Bの上に本発明の他方の収容部であるセメント充填体収容部3Cを設けたものである。
【0089】
セメント充填体収容器1Cでは、水12を収容した水収容部4Bの開口部32が樹脂製フィルム33で接着又はヒートシールされて密閉されている。この樹脂製フィルム33の上にセメント充填体10,10・・・および発熱体11が載置され、さらにその上から外壁である樹脂製フィルム34で覆って、樹脂製フィルム33および樹脂製フィルム34の接合面を接着またはヒートシールして固着してセメント充填体収容部3Cが形成されている。樹脂製フィルム33,34は、樹脂製フィルム30と同様の材質のものである。
【0090】
このように、簡便な構造のため安価に製造することができる。また、水収容部4Bのスペースだけで良いので、省スペースになる。
【0091】
セメント充填体収容器1Cの使用方法は、先ず、水収容部4B上の樹脂製フィルム33,34を剥がして、セメント充填体10,10・・・、および発熱体11を取り出し、水収容部4の水12に浸漬させ、セメント充填体10に所定時間吸水させてから取り出して使用する。
【0092】
次に、本発明の固結剤収容器の別の実施形態について説明する。図7には、本発明を適用する固結剤収容器の一例であるセメント充填体収容器1Dの一部欠概要図が示されている。
【0093】
このセメント充填体収容器1Dには、同図に示されるように、水収容部4に水を注入可能な水注入部35が配されている。水注入部35は、水収容部4の上端部の外装内面同士に挟まれてヒートシールされて取付けられている。水注入部35は、プラスチックなどの合成樹脂で形成され、水収容部4の内部と外部を連通する管路36と、この管路36に螺合して着脱可能な蓋37とで構成されている。管路36には、ヒートシール用の取付け部材が付されている。
【0094】
このセメント充填体収容器1Dでは、セメント充填体収容器1とは異なり、製造時には水収容部4に水12を密封しない。使用する前に、例えば使用現場近くの水道のある場所で、蓋37を取り外して水注入部35から水収容部4に規定量の水道水等を注入する。
【0095】
製造時に水12を密封しないため、セメント充填体収容器1Dは軽量であり、輸送が容易になる。また、水12の無い分だけ、省スペースになる。また、気温が低い場合には、規定水温範囲内の水(例えば、温水やお湯)を注入して使用できる。また、水を内部に備えないため、氷点下でも保存できる。
【0096】
このように、これらのセメント充填体収容器1〜1Dでは、現場に水や水槽を別に準備する必要が無く、しかもセメント充填体10に容易に吸水ができるため、水道の無い場所や交通の便の悪い場所等のどのような場所であってもアンカーボルトの施工作業の準備を迅速かつ容易に行うことができる。また、セメント充填体収容器1〜1Cとは別に水を準備する必要が無いため、質の悪い不適切な水を代用して用いられることが防止され、清浄な水を使用することができる。
【0097】
なお、セメント充填体収容部3,3B,3Cに複数本数のセメント充填体10を収容した例について説明したが、セメント充填体10は1本のみ収容しても良いし、その数は任意である。また、発熱体11が不要な場合には、セメント充填体収容部3,3B,3Cにセメント充填体10のみを収容しても良い。例えば、夏用とする製品には、発熱体11を配さず、冬用とする製品には、発熱体11を配することもできる。また、水12は、セメント充填体収容器1の外装外部から水収容部4に紫外線を照射して水12の殺菌処理を行ってもよい。
【0098】
次に、本発明の固結剤収容器の別の実施形態について説明する。図8には、本発明を適用する固結剤収容器の一例である2液混合固結剤収容器1Eの一部欠概要図が示されている。この2液混合固結剤収容器1Eは、セメント充填体収容器1と同様の包装袋を外装に用いていているが、収容物が異なっている。
【0099】
2液混合固結剤収容器1Eでは、一方の収容部4Eに2種類の液状剤を混合することで固結する2液混合固結剤の一方の液状剤50が収容され、他方の収容部3Eに、2種類の液状剤の他方の固結剤51が収容されている。液状剤は、流動性を有しているものであれば良い。
【0100】
2液混合固結剤は、一例として、2液混合ウレタン、2液混合シリコン、2液混合エポキシなどが用いられる。
【0101】
封緘部22を折り取って収容部3Eの内部で2種の液状剤を容易に混ぜ合わせることができ、迅速に混ぜ合わせた固結剤を使用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0102】
本発明の固結剤収容器は、セメント充填体および水を分離して収容することで、水や水槽の無い場所でも収容された水でセメント充填体に吸水させることができるので、市街地のみならず水道の無い場所や交通の便の悪い場所などの様々なアンカーボルトの施工現場で用いることができる。
【0103】
また、2液混合固結剤を分離して収容することで、接着、固着などを行う建設現場、工事現場等、さまざまな場所で使用することができる。
【符号の説明】
【0104】
1,1A,1B,1C,1Dはセメント充填体収容器、1Eは2液混合固結剤収容器、2,2Aは仕切部、3,3B,3Cはセメント充填体収容部、3Eは他方の収容部、4,4Bは水収容部、4Eは一方の収容部、5,6は栓部材、10はセメント充填体、11は発熱体、12は水、15は保持部材、16は突設板、17は水路、18は破り口、19は平坦面、20は管路、21は脆弱部、22は封緘部、23は折取補助部、24は取付部材、27は平坦面、28,29は容器外装、30,33,34は樹脂製フィルム、31,32は開口部、35は水注入部、36は管路、37は蓋、50は一方の液状剤、51は他方の液状剤である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の固結剤と他方の固結剤が混ぜ合わさることで固結する前記各々の固結剤を分離状態で収容する固結剤収容器であって、前記一方の固結剤を収容する一方の収容部と、前記他方の固結剤を収容する他方の収容部とが一体化されており、前記両固結剤収容部のいずれかは、前記両固結剤を収容可能な容量で形成されていて、
前記他方の収容部に収容される前記他方の固結剤は、水硬化性セメント組成物を透水性容器に充填したセメント充填体であり、前記一方の収容部に収容される一方の固結剤は、前記セメント充填体に吸水させる水であり、
前記他方の収容部には、前記セメント充填体と共に、吸水により発熱する発熱体が収容されていることを特徴とする固結剤収容器。
【請求項2】
前記一方の収容部と前記他方の収容部とに区分する仕切部が容器中空に形成され、該仕切部には、開栓により前記両収容部間を連通させる栓部材が配されていることを特徴とする請求項1に記載の固結剤収容器。
【請求項3】
前記仕切部は、袋状の容器外装の対向する内面同士で前記栓部材を挟み込み、該内面同士が帯状にヒートシールされて形成されていることを特徴とする請求項2に記載の固結剤収容器。
【請求項4】
前記栓部材は、管路の一端に脆弱部を介して封緘部が設けられて形成され、前記仕切部には、該管路の該脆弱部および該封緘部が前記一方の収容部内に突設配置されると共に前記管路の他端が前記他方の収容部に開端して配置されていることを特徴とする請求項3に記載の固結剤収容器。
【請求項5】
前記封緘部は、折れ強度が10Nから50Nに脆弱部が形成されていることを特徴とする請求項4に記載の固結剤収容器。
【請求項6】
前記栓部材は、平坦面を一側面とする保持部材と、該保持部材の一端側の前記一側面の縁端に前記一側面の対面側に向かって屈曲させて突設させた突設板とで構成され、前記仕切部には、前記保持部材の他端を前記他方の収容部に表出させてヒートシールされ、前記突設板を前記内面同士で覆ってヒートシールされると共に前記突設板が前記一側面と略平行になるように伸長させたときに前記覆っていた内面同士が前記一側面および前記突設板から剥離可能にヒートシールされていることを特徴とする請求項3に記載の固結剤収容器。
【請求項7】
前記両収容部が、透明性を有して形成されていることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の固結剤収容器。
【請求項8】
前記仕切部は、水分子を透過しないバリア性を有して形成されていることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の固結剤収容器。
【請求項9】
前記他方の収容部は、脱気されて減圧状態に密閉されていることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の固結剤収容器。
【請求項10】
前記両収容部は、各々が上部に開口部を有する槽状の形状に形成され、併置された前記両収容部の各々の開口部が1枚の樹脂製フィルムで密閉されて形成されていることを特徴とする請求項1に記載の固結剤収容器。
【請求項11】
前記一方の収容部は上部に開口部を有する槽状の形状に形成され、該開口部は樹脂製フィルムで密閉され、該樹脂製フィルム上に前記セメント充填体及び前記発熱体が載置され、該セメント充填体及び前記発熱体を覆う外壁が前記樹脂製フィルムに固着されて前記他方の収容部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のセメント充填体収容器。
【請求項12】
前記一方の収容部には、殺菌処理された水が収容されていることを特徴とする請求項1から11のいずれかに記載の固結剤収容器。
【請求項13】
前記一方の収容部には、前記水を注入可能な水注入部が配されていることを特徴とする請求項1から12のいずれかに記載の固結剤収容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−67429(P2013−67429A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−249986(P2012−249986)
【出願日】平成24年11月14日(2012.11.14)
【分割の表示】特願2008−40014(P2008−40014)の分割
【原出願日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【出願人】(000232922)日油技研工業株式会社 (67)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【出願人】(592117520)株式会社ヨネイ (3)
【出願人】(000129758)株式会社ケー・エフ・シー (120)