圃場管理支援方法及びシステム
【課題】 圃場単位で、生育指数の取得のための観測装置を設置しなくても、農作業の判断基準となる情報を算出、視覚的に表示し、農作業を支援するシステムを提供する。
【解決手段】 管理対象圃場が含まれる地域を撮影した衛星画像データの波長成分に基づき管理対象圃場における作物品種の生育状態を認識する第1のステップと、作物品種の生育状態に応じた作業条件及び作業内容を格納したデータベースから、前記第1のステップで認識した作物品種の生育状態に対応する作業条件が格納されているかを検索し、格納されていた場合には、当該作業条件に関連付けて格納されている作業内容を読み出し、その作業内容を管理対象圃場毎に出力する第2のステップとを実行し、管理対象圃場における農作業を支援する。
【解決手段】 管理対象圃場が含まれる地域を撮影した衛星画像データの波長成分に基づき管理対象圃場における作物品種の生育状態を認識する第1のステップと、作物品種の生育状態に応じた作業条件及び作業内容を格納したデータベースから、前記第1のステップで認識した作物品種の生育状態に対応する作業条件が格納されているかを検索し、格納されていた場合には、当該作業条件に関連付けて格納されている作業内容を読み出し、その作業内容を管理対象圃場毎に出力する第2のステップとを実行し、管理対象圃場における農作業を支援する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地理情報システムを利用した圃場管理支援方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
農作業において、最適な時期に最適な作業を行うことにより、作物の品質向上、収量増加などの効果を得ることができる。
従来、農業従事者は、作業を行う時期、作業内容などは、過去の経験や勘によって判断する事が多かった。
それらの判断を支援する技術として、例えば、下記特許文献1に記載のものが知られている。
下記特許文献1に記載のものは、農作業従事者に、圃場ごとに適切な農薬散布作業と施肥作業の時期、その内容の決定を支援するシステムであり、気象モデルは、農地ごとの気象を予測し、成長モデルは、農地ごとの作物の成長を予測し、農地マップは、農地ごとの土壌の状態を検出し、作業履歴記憶部は、農地ごとの農薬散布作業と施肥作業の履歴を記憶する。提案適用作業算出部は、気象モデルからの気象の情報、成長モデルからの作物成長の予測を示す情報、農地マップからの土壌状態を示す情報、および作業履歴記憶に記憶された農地ごとの農薬散布作業と施肥作業の履歴から、現時点で、収穫が最大になる農薬散布作業計画と施肥作業計画の案を算出する。
【0003】
【特許文献1】特開平11−313594号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術は、作物の成長度、気象データの取得に圃場ごとの観測装置を必要とする。そのため、観測装置の設置、管理費用は圃場数に依存し、管理する圃場の数が非常に多い場合には、費用が大きくなるという問題がある。
また、観測装置が設置されていない圃場に対しては、農作業の判断の基準となる情報を算出できない。また、圃場単位での観測のため、圃場内部における生育度の分布の違いなど、圃場内部での差異を把握することは出来ないという問題がある。
【0005】
本発明の目的は、生育指数の取得のための観測装置を圃場単位に設置することなく、圃場内部における生育度の分布の違いなどの農作業の判断基準となる情報を算出、視覚的に表示し、圃場内の農作業を安価な構成で支援することができる圃場管理支援方法およびシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る圃場管理支援方法は、管理対象圃場における作物品種ごとの農作業を支援する圃場管理支援方法であって、
圃場の農作業を支援する支援装置が、
管理対象圃場が含まれる地域を撮影した衛星画像データの波長成分に基づき管理対象圃場における作物品種の生育状態を認識する第1のステップと、作物品種の生育状態に応じた作業条件及び作業内容を格納したデータベースから、前記第1のステップで認識した作物品種の生育状態に対応する作業条件が格納されているかを検索し、格納されていた場合には、当該作業条件に関連付けて格納されている作業内容を読み出し、その作業内容を管理対象圃場毎に出力する第2のステップとを実行し、管理対象圃場における農作業を支援することを特徴とする。
また、前記第1のステップが、
管理対象圃場における定点観測地点における作物品種の生育実測値と、衛星画像データの波長成分に基づき分析した生育予測値により、作物品種の生育状態を認識するステップを備えることを特徴とする。
また、前記第2のステップが、
管理対象保圃場の地図上の位置及び形状情報を格納した圃場データベースから管理対象圃場の位置及び形状情報を読出し、管理対象圃場が含まれる地図上に管理対象圃場形状を描画し、その管理対象圃場形状を作物品種の生育状態に応じた表示形態で描画して出力するステップを備えることを特徴とする。
また、前記第2のステップが、描画した管理対象圃場形状を、作物品種の生育状態に応じた作業内容に対応した表示形態で描画して出力するステップを備えることを特徴とする。
【0007】
本発明に係る圃場管理支援システムは、
圃場の農作業を支援する支援装置が、
管理対象圃場が含まれる地域を撮影した衛星画像データの波長成分に基づき管理対象圃場における作物品種の生育状態を認識する第1の手段と、
作物品種の生育状態に応じた作業条件及び作業内容を格納したデータベースから、前記第1のステップで認識した作物品種の生育状態に対応する作業条件が格納されているかを検索し、格納されていた場合には、当該作業条件に関連付けて格納されている作業内容を読み出し、その作業内容を管理対象圃場毎に出力する第2の手段とを備えることを特徴とする。
また、前記第1の手段が、
管理対象圃場における定点観測地点における作物品種の生育実測値と、衛星画像データの波長成分に基づき分析した生育予測値により、作物品種の生育状態を認識する手段を備えることを特徴とする。
また、前記第2の手段が、
管理対象保圃場の地図上の位置及び形状情報を格納した圃場データベースから管理対象圃場の位置及び形状情報を読出し、管理対象圃場が含まれる地図上に管理対象圃場形状を描画し、その管理対象圃場形状を作物品種の生育状態に応じた表示形態で描画して出力する手段を備えることを特徴とする。
また、前記第2の手段が、描画した管理対象圃場形状を、作物品種の生育状態に応じた作業内容に対応した表示形態で描画して出力する手段を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、次のような効果がある。
生育指数を判定する観測装置を圃場毎に設置しなくても、農作業の判断基準となる情報を算出、視覚的に表示し、圃場内部における生育度の分布の違いなどの農作業の意思決定の材料を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明を実施する場合の一形態を示す図面を参照して具体的に説明する。
図1は、本発明に係る圃場管理支援システムの一実施の形態を示す図である。
本実施形態における圃場管理システムは、図1に示すように、気象情報サイト12からインターネット13を経由して気象情報を取り込み圃場の管理を行う管理装置としての中央処理装置1と、キャラクタ及びグラフィック画面を有する端末装置2と、背景データとして地図データを格納している地図データベース3、圃場図形の位置情報と栽培作物の種類等の情報と土壌の情報を持つ圃場データを格納している圃場データベース4と、気温、降水量、日照時間、日射量といった気象情報をメッシュ単位に格納した気象データベース5と、補正生育指数算出処理から出力される補正生育指数を格納する補正生育指数データベース6と、栽培作物の種類と生育指数から作業内容を決定するための条件を格納している作業条件データベース7、栽培作物の種類と気象条件から生育指数を算出するための条件式を格納している生育曲線データベース8、対象となる範囲の衛星画像の情報を格納する衛星画像データベース9と、定点観測点における生育指数を格納する定点生育指数データベース10と、衛星画像を分析することによって算出した衛星画像のピクセル毎の補正生育指数を格納するピクセル補正生育指数データベース11とからなる。
【0010】
圃場管理装置ある中央処理装置1は、データ入力処理13、データ表示処理14、補正生育指数算出処理15、作業内容決定処理16、データベースアクセス処理17を有している。
データ入力処理13は、インターネット11経由で気象情報サイト10から提供される気象データや端末装置2で入力されるデータを受け付ける処理である。
データ表示処理14は、背景データである地図データ上に圃場を描き、作業の日付、種類などにより表示方法を変更し端末装置2に表示する処理である。
データベースアクセス処理17は、必要に応じ地図データベース3、圃場データベース4、気象データベース5、補正生育指数データベース6、作業内容データベース7、生育曲線データベース8、衛星画像データベース9のデータを参照、更新などを行う処理である。
【0011】
各データベースに格納されているデータについて説明する。
図2は、圃場データベース4に格納されている圃場データのデータ構造を表した図である。
圃場データは、圃場を特定するための圃場番号22を持つ。また、図形を特定するための図形ID21や形状情報24、その図形を表示する際の表示色23を持っている。更に圃場データは、栽培年25、作物品種26、耕作者名称27、土壌情報28、生育指数初期値29などの情報を持つ。また、圃場に関連する作業内容データも保持する。
作業内容データは、圃場番号毎に関連付けられており、それぞれの作業内容毎に、作業ID29が設定され、作業の日付30、作業内容31、項目32、項目に対応する数値(数量)33といったデータで構成されている。
また、圃場の形状情報24は、形状の種別を座標値で表すようになっており、当該圃場の2次元平面の頂点数、各頂点のX,Y座標値のデータで構成されている。
【0012】
図3は、気象データベース5に格納される気象データのデータ構造を表した図である。
気象データは、気象データを特定するための気象データID31、気象データを取得した日時32、気象データが該当するメッシュのメッシュID33と気温34、降水量35、日照時間36、日射量37といったデータで構成されている。
メッシュとは、気象データの観測区画を表すものであり、各メッシュ毎に、メッシュID301と左下X座標値302、左下Y座標値303、右上X座標値304、右上Y座標値305を持っている。気象データは日時32に対して降順に登録される。また、各項目の平年値を格納したレコードも登録されるようになっている。
【0013】
図4は、作業条件データベース7に格納される作業条件データのデータ構造を表した図である。
作業条件データは、作業条件を一意に特定するための作業条件IDと、条件となる作物品種、作業が発生する条件となる生育指数、発生する作業を示す作業IDなどからなる。
作業データは、作業を一意に特定する作業IDと、作物品種、作業の内容を表す作業内容、項目、項目に設定された値の数量算出式を持つ。数量算出式は、例えば、作業内容が施肥、項目が窒素の場合に、収量が最大となる窒素の施肥量を算出するような式であり、圃場の土壌情報、気象データなどをパラメータとして算出できる式を設定する。これらの作業条件データは、経験やモデルを基づいて構築されるものである。
【0014】
図5は、生育曲線データベース8に格納される生育曲線のデータ構造を示した図である。
生育指数とは、作物の生育状況を表す何らかの指標で、例えば葉数や作物の背丈などを表す指数である。生育曲線データは、作物品種と曲線を適用する生育指数境界とその条件と、生育指数算出式で構成される。このデータは経験やモデルに基づいて構築されるものである。
生育指数算出式は例えば、iを生育指数の初期値、cを生育指数を1上げるのに必要な積算気温とすると、[生育指数]=i+[有効積算気温]/cのように表すことができる。
ここで、有効積算気温は、計算の開始日から、対象日まで有効気温を積算した値で、有効気温Tは、aを作物の生育に有効となる気温の下限値、bを作物の生育に有効となる気温の上限値とすると、[日平均気温]<aの場合はT=0、a<=[日平均気温]<=bの場合は、T=[日平均気温]−a、b<=[日平均気温]の場合は、T=b−aで与えられる。
【0015】
図6は、衛星画像データベース9に格納される衛星画像データのデータ構造を示した図である。
衛星画像データは、撮影日、座標データ(左下X座標、左下Y座標、右上X座標、右上Y座標)と、赤波長、近赤外波長の波長帯のデータをもつ画像ファイル名で構成される。このデータは、端末装置2からの入力によって登録される。
【0016】
図7は、定点生育指数データベース10に格納される定点生育指数データのデータ構造を示した図であり、定点ID毎に、地理的な座標を示すX座標、Y座標、測定日、測定された生育指数のデータで構成される。このデータは、実際に観測を行った地点での生育指数をもとに作成する。
【0017】
図8は、ピクセル補正生育指数データベース11に格納されるピクセル補正生育指数データのデータ構造を示した図である。
ピクセル補正生育指数データは、補正ID毎に、補正に使用した画像の撮影日、矩形を示す地理的な座標、植生指数、補正生育指数で構成され、地図データ、圃場データに重ね合わせて中央処理装置1に付属した表示端末に表示することができる。このデータは、補正生育指数算出処理15により登録される。
植生指数とは、スペクトルの反射特性から、植生の量や活性度を表すために考えられた指数である。
【0018】
図9は、補正生育指数データベース6に格納される補正生育指数データのデータ構造を示した図である。補正生育指数データは、補正に使用した画像の撮影日、関連する圃場の圃場番号、補正生育指数で構成される。このデータは、補正生育指数算出処理15により登録される。
【0019】
図10は、補正生育指数算出処理15の処理手順を示すフローチャートである。
補正生育指数算出処理15においては、まず、ステップ101において、衛星画像データベース9を参照し、衛星画像ファイルを読み込み、赤波長、近赤外波長のデータからピクセルごとに植生指数を算出し、ピクセル毎に、図8の形式で、ピクセル補正生育指数データベース11に格納する。
植生指数NDVIの式は、赤波長をR、近赤外波長をIRとすると、
NDVI=(IR−R)/(IR+R)で算出できる。
次に、ステップ102において、中央処理装置1に付属した入力装置(図示せず)から、生育指数の定点実測値を入力し、定点生育指数データベース10に格納する。
【0020】
次に、ステップ103において、生育指数実測値の観測位置における植生指数をピクセル補正生育指数データベース11から取得する。
次に、ステップ104において、ピクセル補正生育指数データベース11から取得した植生指数と、生育指数実測値の回帰曲線を算出する。回帰曲線は例えば、植生指数をX軸、生育指数実測値をY軸にとった最小2乗法などから算出する。
【0021】
次に、ステップ105において、回帰曲線により、各ピクセルの植生指数から補正生育指数を算出し、ピクセル毎に、図8の形式で、ピクセル補正生育指数データベース11に格納する。また、圃場データベース4から各圃場の座標値を検索し、その座標値により、各圃場と重なる領域にある補正生育指数をピクセル補正生育指数データベース11から検索し、その検索したピクセル補正生育指数の値を平均し、図9の形式で、圃場番号別に補正生育指数データベース6に格納し、処理を終了する。
ここで、各ピクセルとは、衛星画像の左下X座標、左下Y座標、右上X座標、右上Y座標の範囲を表すものであり、対象圃場の衛星画像は複数のピクセルを含んでいる。対象圃場のピクセル補正生育指数の値を平均することにより、対象圃場の平均的なピクセル補正生育指数が求まる。
【0022】
図11は地図データベース3及び圃場データベース4及び補正生育指数データベース6のレイヤ構造を示したものである。
地図データベース3に格納される地図データは、図11に示すように、複数のレイヤによる層構造になっており、道路図形は道路レイヤ116に格納され、河川図形は道路117に格納されており、地図データベース113内のすべてのレイヤを重ねると地図111と同じ画像になる。
圃場データベース4に格納される圃場データも同様に、2005年の圃場図形は2005年圃場レイヤ118に、2004年の圃場図形は2004年圃場レイヤ119に、2003年の圃場図形は2003年圃場レイヤ120と年毎に格納されており、重ね合わせ表示をすることができる。
また、補正生育指数データベース6に格納される補正生育指数データも同様に、年毎の複数レイヤ構造となっており、圃場レイヤや地図の道路レイヤなどと重ねあわせて表示することができる。
【0023】
次に、作業内容決定処理16の処理手順について図12のフローチャートを参照して説明する。
まず、ステップ121では、計算開始日と計算終了日を入力装置から設定する。
次に、ステップ122で、圃場データベース4から処理対象の圃場を取得する。
次に、ステップ123で、処理対象の圃場が存在する気象メッシュのメッシュIDの予測日の気象情報が、気象DB5に存在するか検索を行う。存在する場合は、ステップ124で対象日の気象データを取得する。存在しない場合は、ステップ125で平年値の気象データを気象DB5から取得する。
【0024】
次に、ステップ126では、該当する処理対象の圃場の作物品種と生育指数の条件を満たす生育指数算出式を生育曲線データベース8から検索する。すなわち、圃場の作物品種と一致する生育曲線のうち、圃場の生育予測値の値が生育曲線データベース8の境界条件に合致するものを検索する。そして、ステップ124またはステップ125で取得した気象データを適用し、生育予測値(生育指数)を算出する。生育予測値とは、前述の生育指数のことである。
この場合、最初に生育指数を予測する場合には、図2の生育指数初期値29を使用して生育曲線データベース8の境界条件に合致する生育指数算出式を検索する。
【0025】
次に、ステップ127で、補正生育指数データベース6から、計算日の生育補正データ(補正生育指数)があるかどうか、補正生育指数データベース6を検索する。ある場合は、ステップ128で生育予測値を補正生育指数で置き換える。
次に、ステップ129で、作業条件データベース7から、作物品種の作業の中で、計算日に、条件の生育予測値を上回った作業内容を検索する。すなわち、作業条件DB7から圃場の作物品種と一致するものを取得し、前日の生育予測値<生育指数条件<=処理日の生育予測値となる作業内容を検索する。
ある場合は、ステップ130で、作業内容/項目を抽出し、圃場データベース4の作業内容データに登録する。
ステップ131で計算日の日付を1日進める。ステップ132では計算日が計算終了日を超えたかどうか判定し、超えた場合はステップ133で未処理の圃場があるかどうか判定し、ない場合は処理を終了する。
【0026】
図13は、補正生育指数を圃場図形に重ね合わせて表示した例である。圃場内の生育指数の分布の違いを表示し、作業の意思決定を支援する。
【0027】
図14は、作業内容を条件に圃場を色分け表示した例である。例えば、作業内容の条件を収穫とし、作業日の早晩で色分け表示を行うことにより、収穫作業のスケジュール立案を支援する。
【0028】
図15は特定の圃場の作業を時系列表示した例である。各圃場において、適切な時期に適切な作業を行うための意思決定を支援する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の実施の形態を示すシステム構成図である。
【図2】圃場データのデータ構造を示す図である。
【図3】気象データのデータ構造を示す図である。
【図4】作業データのデータ構造を示す図である。
【図5】生育曲線のデータ構造を示す図である。
【図6】衛星画像データのデータ構造を示す図である。
【図7】定点生育指数データのデータ構造を示す図である。
【図8】ピクセル補正生育指数データのデータ構造を示す図である。
【図9】圃場補正生育指数データのデータ構造を示す図である。
【図10】補正生育指数算出処理ステップを示すフローチャートである。
【図11】地図データベース及び圃場データベース及び補正生育指数データのレイヤ構造を示す図である。
【図12】作業内容決定処理を示すフローチャートである。
【図13】補正生育指数の表示例を示す図である。
【図14】作業内容を条件にした圃場の色分け表示例を示す図である。
【図15】特定の圃場の作業を時系列表示した例を示す図である。
【符号の説明】
【0030】
1 中央処理装置(管理装置)
2 端末装置
3 地図データベース
4 圃場データベース
5 気象データベース
6 補正生育指数データベース
7 作業条件データベース
8 生育曲線データベース
9 衛星画像データベース
10 定点生育指数データベース
11 ピクセル生育指数データベース
12 気象情報サイト
13 データ入力処理
14 データ表示処理
15 補正生育指数算出処理
16 作業内容決定処理
【技術分野】
【0001】
本発明は、地理情報システムを利用した圃場管理支援方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
農作業において、最適な時期に最適な作業を行うことにより、作物の品質向上、収量増加などの効果を得ることができる。
従来、農業従事者は、作業を行う時期、作業内容などは、過去の経験や勘によって判断する事が多かった。
それらの判断を支援する技術として、例えば、下記特許文献1に記載のものが知られている。
下記特許文献1に記載のものは、農作業従事者に、圃場ごとに適切な農薬散布作業と施肥作業の時期、その内容の決定を支援するシステムであり、気象モデルは、農地ごとの気象を予測し、成長モデルは、農地ごとの作物の成長を予測し、農地マップは、農地ごとの土壌の状態を検出し、作業履歴記憶部は、農地ごとの農薬散布作業と施肥作業の履歴を記憶する。提案適用作業算出部は、気象モデルからの気象の情報、成長モデルからの作物成長の予測を示す情報、農地マップからの土壌状態を示す情報、および作業履歴記憶に記憶された農地ごとの農薬散布作業と施肥作業の履歴から、現時点で、収穫が最大になる農薬散布作業計画と施肥作業計画の案を算出する。
【0003】
【特許文献1】特開平11−313594号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術は、作物の成長度、気象データの取得に圃場ごとの観測装置を必要とする。そのため、観測装置の設置、管理費用は圃場数に依存し、管理する圃場の数が非常に多い場合には、費用が大きくなるという問題がある。
また、観測装置が設置されていない圃場に対しては、農作業の判断の基準となる情報を算出できない。また、圃場単位での観測のため、圃場内部における生育度の分布の違いなど、圃場内部での差異を把握することは出来ないという問題がある。
【0005】
本発明の目的は、生育指数の取得のための観測装置を圃場単位に設置することなく、圃場内部における生育度の分布の違いなどの農作業の判断基準となる情報を算出、視覚的に表示し、圃場内の農作業を安価な構成で支援することができる圃場管理支援方法およびシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る圃場管理支援方法は、管理対象圃場における作物品種ごとの農作業を支援する圃場管理支援方法であって、
圃場の農作業を支援する支援装置が、
管理対象圃場が含まれる地域を撮影した衛星画像データの波長成分に基づき管理対象圃場における作物品種の生育状態を認識する第1のステップと、作物品種の生育状態に応じた作業条件及び作業内容を格納したデータベースから、前記第1のステップで認識した作物品種の生育状態に対応する作業条件が格納されているかを検索し、格納されていた場合には、当該作業条件に関連付けて格納されている作業内容を読み出し、その作業内容を管理対象圃場毎に出力する第2のステップとを実行し、管理対象圃場における農作業を支援することを特徴とする。
また、前記第1のステップが、
管理対象圃場における定点観測地点における作物品種の生育実測値と、衛星画像データの波長成分に基づき分析した生育予測値により、作物品種の生育状態を認識するステップを備えることを特徴とする。
また、前記第2のステップが、
管理対象保圃場の地図上の位置及び形状情報を格納した圃場データベースから管理対象圃場の位置及び形状情報を読出し、管理対象圃場が含まれる地図上に管理対象圃場形状を描画し、その管理対象圃場形状を作物品種の生育状態に応じた表示形態で描画して出力するステップを備えることを特徴とする。
また、前記第2のステップが、描画した管理対象圃場形状を、作物品種の生育状態に応じた作業内容に対応した表示形態で描画して出力するステップを備えることを特徴とする。
【0007】
本発明に係る圃場管理支援システムは、
圃場の農作業を支援する支援装置が、
管理対象圃場が含まれる地域を撮影した衛星画像データの波長成分に基づき管理対象圃場における作物品種の生育状態を認識する第1の手段と、
作物品種の生育状態に応じた作業条件及び作業内容を格納したデータベースから、前記第1のステップで認識した作物品種の生育状態に対応する作業条件が格納されているかを検索し、格納されていた場合には、当該作業条件に関連付けて格納されている作業内容を読み出し、その作業内容を管理対象圃場毎に出力する第2の手段とを備えることを特徴とする。
また、前記第1の手段が、
管理対象圃場における定点観測地点における作物品種の生育実測値と、衛星画像データの波長成分に基づき分析した生育予測値により、作物品種の生育状態を認識する手段を備えることを特徴とする。
また、前記第2の手段が、
管理対象保圃場の地図上の位置及び形状情報を格納した圃場データベースから管理対象圃場の位置及び形状情報を読出し、管理対象圃場が含まれる地図上に管理対象圃場形状を描画し、その管理対象圃場形状を作物品種の生育状態に応じた表示形態で描画して出力する手段を備えることを特徴とする。
また、前記第2の手段が、描画した管理対象圃場形状を、作物品種の生育状態に応じた作業内容に対応した表示形態で描画して出力する手段を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、次のような効果がある。
生育指数を判定する観測装置を圃場毎に設置しなくても、農作業の判断基準となる情報を算出、視覚的に表示し、圃場内部における生育度の分布の違いなどの農作業の意思決定の材料を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明を実施する場合の一形態を示す図面を参照して具体的に説明する。
図1は、本発明に係る圃場管理支援システムの一実施の形態を示す図である。
本実施形態における圃場管理システムは、図1に示すように、気象情報サイト12からインターネット13を経由して気象情報を取り込み圃場の管理を行う管理装置としての中央処理装置1と、キャラクタ及びグラフィック画面を有する端末装置2と、背景データとして地図データを格納している地図データベース3、圃場図形の位置情報と栽培作物の種類等の情報と土壌の情報を持つ圃場データを格納している圃場データベース4と、気温、降水量、日照時間、日射量といった気象情報をメッシュ単位に格納した気象データベース5と、補正生育指数算出処理から出力される補正生育指数を格納する補正生育指数データベース6と、栽培作物の種類と生育指数から作業内容を決定するための条件を格納している作業条件データベース7、栽培作物の種類と気象条件から生育指数を算出するための条件式を格納している生育曲線データベース8、対象となる範囲の衛星画像の情報を格納する衛星画像データベース9と、定点観測点における生育指数を格納する定点生育指数データベース10と、衛星画像を分析することによって算出した衛星画像のピクセル毎の補正生育指数を格納するピクセル補正生育指数データベース11とからなる。
【0010】
圃場管理装置ある中央処理装置1は、データ入力処理13、データ表示処理14、補正生育指数算出処理15、作業内容決定処理16、データベースアクセス処理17を有している。
データ入力処理13は、インターネット11経由で気象情報サイト10から提供される気象データや端末装置2で入力されるデータを受け付ける処理である。
データ表示処理14は、背景データである地図データ上に圃場を描き、作業の日付、種類などにより表示方法を変更し端末装置2に表示する処理である。
データベースアクセス処理17は、必要に応じ地図データベース3、圃場データベース4、気象データベース5、補正生育指数データベース6、作業内容データベース7、生育曲線データベース8、衛星画像データベース9のデータを参照、更新などを行う処理である。
【0011】
各データベースに格納されているデータについて説明する。
図2は、圃場データベース4に格納されている圃場データのデータ構造を表した図である。
圃場データは、圃場を特定するための圃場番号22を持つ。また、図形を特定するための図形ID21や形状情報24、その図形を表示する際の表示色23を持っている。更に圃場データは、栽培年25、作物品種26、耕作者名称27、土壌情報28、生育指数初期値29などの情報を持つ。また、圃場に関連する作業内容データも保持する。
作業内容データは、圃場番号毎に関連付けられており、それぞれの作業内容毎に、作業ID29が設定され、作業の日付30、作業内容31、項目32、項目に対応する数値(数量)33といったデータで構成されている。
また、圃場の形状情報24は、形状の種別を座標値で表すようになっており、当該圃場の2次元平面の頂点数、各頂点のX,Y座標値のデータで構成されている。
【0012】
図3は、気象データベース5に格納される気象データのデータ構造を表した図である。
気象データは、気象データを特定するための気象データID31、気象データを取得した日時32、気象データが該当するメッシュのメッシュID33と気温34、降水量35、日照時間36、日射量37といったデータで構成されている。
メッシュとは、気象データの観測区画を表すものであり、各メッシュ毎に、メッシュID301と左下X座標値302、左下Y座標値303、右上X座標値304、右上Y座標値305を持っている。気象データは日時32に対して降順に登録される。また、各項目の平年値を格納したレコードも登録されるようになっている。
【0013】
図4は、作業条件データベース7に格納される作業条件データのデータ構造を表した図である。
作業条件データは、作業条件を一意に特定するための作業条件IDと、条件となる作物品種、作業が発生する条件となる生育指数、発生する作業を示す作業IDなどからなる。
作業データは、作業を一意に特定する作業IDと、作物品種、作業の内容を表す作業内容、項目、項目に設定された値の数量算出式を持つ。数量算出式は、例えば、作業内容が施肥、項目が窒素の場合に、収量が最大となる窒素の施肥量を算出するような式であり、圃場の土壌情報、気象データなどをパラメータとして算出できる式を設定する。これらの作業条件データは、経験やモデルを基づいて構築されるものである。
【0014】
図5は、生育曲線データベース8に格納される生育曲線のデータ構造を示した図である。
生育指数とは、作物の生育状況を表す何らかの指標で、例えば葉数や作物の背丈などを表す指数である。生育曲線データは、作物品種と曲線を適用する生育指数境界とその条件と、生育指数算出式で構成される。このデータは経験やモデルに基づいて構築されるものである。
生育指数算出式は例えば、iを生育指数の初期値、cを生育指数を1上げるのに必要な積算気温とすると、[生育指数]=i+[有効積算気温]/cのように表すことができる。
ここで、有効積算気温は、計算の開始日から、対象日まで有効気温を積算した値で、有効気温Tは、aを作物の生育に有効となる気温の下限値、bを作物の生育に有効となる気温の上限値とすると、[日平均気温]<aの場合はT=0、a<=[日平均気温]<=bの場合は、T=[日平均気温]−a、b<=[日平均気温]の場合は、T=b−aで与えられる。
【0015】
図6は、衛星画像データベース9に格納される衛星画像データのデータ構造を示した図である。
衛星画像データは、撮影日、座標データ(左下X座標、左下Y座標、右上X座標、右上Y座標)と、赤波長、近赤外波長の波長帯のデータをもつ画像ファイル名で構成される。このデータは、端末装置2からの入力によって登録される。
【0016】
図7は、定点生育指数データベース10に格納される定点生育指数データのデータ構造を示した図であり、定点ID毎に、地理的な座標を示すX座標、Y座標、測定日、測定された生育指数のデータで構成される。このデータは、実際に観測を行った地点での生育指数をもとに作成する。
【0017】
図8は、ピクセル補正生育指数データベース11に格納されるピクセル補正生育指数データのデータ構造を示した図である。
ピクセル補正生育指数データは、補正ID毎に、補正に使用した画像の撮影日、矩形を示す地理的な座標、植生指数、補正生育指数で構成され、地図データ、圃場データに重ね合わせて中央処理装置1に付属した表示端末に表示することができる。このデータは、補正生育指数算出処理15により登録される。
植生指数とは、スペクトルの反射特性から、植生の量や活性度を表すために考えられた指数である。
【0018】
図9は、補正生育指数データベース6に格納される補正生育指数データのデータ構造を示した図である。補正生育指数データは、補正に使用した画像の撮影日、関連する圃場の圃場番号、補正生育指数で構成される。このデータは、補正生育指数算出処理15により登録される。
【0019】
図10は、補正生育指数算出処理15の処理手順を示すフローチャートである。
補正生育指数算出処理15においては、まず、ステップ101において、衛星画像データベース9を参照し、衛星画像ファイルを読み込み、赤波長、近赤外波長のデータからピクセルごとに植生指数を算出し、ピクセル毎に、図8の形式で、ピクセル補正生育指数データベース11に格納する。
植生指数NDVIの式は、赤波長をR、近赤外波長をIRとすると、
NDVI=(IR−R)/(IR+R)で算出できる。
次に、ステップ102において、中央処理装置1に付属した入力装置(図示せず)から、生育指数の定点実測値を入力し、定点生育指数データベース10に格納する。
【0020】
次に、ステップ103において、生育指数実測値の観測位置における植生指数をピクセル補正生育指数データベース11から取得する。
次に、ステップ104において、ピクセル補正生育指数データベース11から取得した植生指数と、生育指数実測値の回帰曲線を算出する。回帰曲線は例えば、植生指数をX軸、生育指数実測値をY軸にとった最小2乗法などから算出する。
【0021】
次に、ステップ105において、回帰曲線により、各ピクセルの植生指数から補正生育指数を算出し、ピクセル毎に、図8の形式で、ピクセル補正生育指数データベース11に格納する。また、圃場データベース4から各圃場の座標値を検索し、その座標値により、各圃場と重なる領域にある補正生育指数をピクセル補正生育指数データベース11から検索し、その検索したピクセル補正生育指数の値を平均し、図9の形式で、圃場番号別に補正生育指数データベース6に格納し、処理を終了する。
ここで、各ピクセルとは、衛星画像の左下X座標、左下Y座標、右上X座標、右上Y座標の範囲を表すものであり、対象圃場の衛星画像は複数のピクセルを含んでいる。対象圃場のピクセル補正生育指数の値を平均することにより、対象圃場の平均的なピクセル補正生育指数が求まる。
【0022】
図11は地図データベース3及び圃場データベース4及び補正生育指数データベース6のレイヤ構造を示したものである。
地図データベース3に格納される地図データは、図11に示すように、複数のレイヤによる層構造になっており、道路図形は道路レイヤ116に格納され、河川図形は道路117に格納されており、地図データベース113内のすべてのレイヤを重ねると地図111と同じ画像になる。
圃場データベース4に格納される圃場データも同様に、2005年の圃場図形は2005年圃場レイヤ118に、2004年の圃場図形は2004年圃場レイヤ119に、2003年の圃場図形は2003年圃場レイヤ120と年毎に格納されており、重ね合わせ表示をすることができる。
また、補正生育指数データベース6に格納される補正生育指数データも同様に、年毎の複数レイヤ構造となっており、圃場レイヤや地図の道路レイヤなどと重ねあわせて表示することができる。
【0023】
次に、作業内容決定処理16の処理手順について図12のフローチャートを参照して説明する。
まず、ステップ121では、計算開始日と計算終了日を入力装置から設定する。
次に、ステップ122で、圃場データベース4から処理対象の圃場を取得する。
次に、ステップ123で、処理対象の圃場が存在する気象メッシュのメッシュIDの予測日の気象情報が、気象DB5に存在するか検索を行う。存在する場合は、ステップ124で対象日の気象データを取得する。存在しない場合は、ステップ125で平年値の気象データを気象DB5から取得する。
【0024】
次に、ステップ126では、該当する処理対象の圃場の作物品種と生育指数の条件を満たす生育指数算出式を生育曲線データベース8から検索する。すなわち、圃場の作物品種と一致する生育曲線のうち、圃場の生育予測値の値が生育曲線データベース8の境界条件に合致するものを検索する。そして、ステップ124またはステップ125で取得した気象データを適用し、生育予測値(生育指数)を算出する。生育予測値とは、前述の生育指数のことである。
この場合、最初に生育指数を予測する場合には、図2の生育指数初期値29を使用して生育曲線データベース8の境界条件に合致する生育指数算出式を検索する。
【0025】
次に、ステップ127で、補正生育指数データベース6から、計算日の生育補正データ(補正生育指数)があるかどうか、補正生育指数データベース6を検索する。ある場合は、ステップ128で生育予測値を補正生育指数で置き換える。
次に、ステップ129で、作業条件データベース7から、作物品種の作業の中で、計算日に、条件の生育予測値を上回った作業内容を検索する。すなわち、作業条件DB7から圃場の作物品種と一致するものを取得し、前日の生育予測値<生育指数条件<=処理日の生育予測値となる作業内容を検索する。
ある場合は、ステップ130で、作業内容/項目を抽出し、圃場データベース4の作業内容データに登録する。
ステップ131で計算日の日付を1日進める。ステップ132では計算日が計算終了日を超えたかどうか判定し、超えた場合はステップ133で未処理の圃場があるかどうか判定し、ない場合は処理を終了する。
【0026】
図13は、補正生育指数を圃場図形に重ね合わせて表示した例である。圃場内の生育指数の分布の違いを表示し、作業の意思決定を支援する。
【0027】
図14は、作業内容を条件に圃場を色分け表示した例である。例えば、作業内容の条件を収穫とし、作業日の早晩で色分け表示を行うことにより、収穫作業のスケジュール立案を支援する。
【0028】
図15は特定の圃場の作業を時系列表示した例である。各圃場において、適切な時期に適切な作業を行うための意思決定を支援する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の実施の形態を示すシステム構成図である。
【図2】圃場データのデータ構造を示す図である。
【図3】気象データのデータ構造を示す図である。
【図4】作業データのデータ構造を示す図である。
【図5】生育曲線のデータ構造を示す図である。
【図6】衛星画像データのデータ構造を示す図である。
【図7】定点生育指数データのデータ構造を示す図である。
【図8】ピクセル補正生育指数データのデータ構造を示す図である。
【図9】圃場補正生育指数データのデータ構造を示す図である。
【図10】補正生育指数算出処理ステップを示すフローチャートである。
【図11】地図データベース及び圃場データベース及び補正生育指数データのレイヤ構造を示す図である。
【図12】作業内容決定処理を示すフローチャートである。
【図13】補正生育指数の表示例を示す図である。
【図14】作業内容を条件にした圃場の色分け表示例を示す図である。
【図15】特定の圃場の作業を時系列表示した例を示す図である。
【符号の説明】
【0030】
1 中央処理装置(管理装置)
2 端末装置
3 地図データベース
4 圃場データベース
5 気象データベース
6 補正生育指数データベース
7 作業条件データベース
8 生育曲線データベース
9 衛星画像データベース
10 定点生育指数データベース
11 ピクセル生育指数データベース
12 気象情報サイト
13 データ入力処理
14 データ表示処理
15 補正生育指数算出処理
16 作業内容決定処理
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管理対象圃場における作物品種ごとの農作業を支援する圃場管理支援方法であって、
圃場の農作業を支援する支援装置が、
管理対象圃場が含まれる地域を撮影した衛星画像データの波長成分に基づき管理対象圃場における作物品種の生育状態を認識する第1のステップと、
作物品種の生育状態に応じた作業条件及び作業内容を格納したデータベースから、前記第1のステップで認識した作物品種の生育状態に対応する作業条件が格納されているかを検索し、格納されていた場合には、当該作業条件に関連付けて格納されている作業内容を読み出し、その作業内容を管理対象圃場毎に出力する第2のステップとを実行し、管理対象圃場における農作業を支援することを特徴とする圃場管理支援方法。
【請求項2】
前記第1のステップが、
管理対象圃場における定点観測地点における作物品種の生育実測値と、衛星画像データの波長成分に基づき分析した生育予測値により、作物品種の生育状態を認識するステップを備えることを特徴とする請求項1に記載の圃場管理支援方法。
【請求項3】
前記第2のステップが、
管理対象保圃場の地図上の位置及び形状情報を格納した圃場データベースから管理対象圃場の位置及び形状情報を読出し、管理対象圃場が含まれる地図上に管理対象圃場形状を描画し、その管理対象圃場形状を作物品種の生育状態に応じた表示形態で描画して出力するステップを備えることを特徴とする請求項1または2に記載の圃場管理支援方法。
【請求項4】
前記第2のステップが、描画した管理対象圃場形状を、作物品種の生育状態に応じた作業内容に対応した表示形態で描画して出力するステップを備えることを特徴とする請求項3に記載の圃場管理支援方法。
【請求項5】
管理対象圃場における作物品種ごとの農作業を支援する圃場管理支援システムであって、
圃場の農作業を支援する支援装置が、
管理対象圃場が含まれる地域を撮影した衛星画像データの波長成分に基づき管理対象圃場における作物品種の生育状態を認識する第1の手段と、
作物品種の生育状態に応じた作業条件及び作業内容を格納したデータベースから、前記第1のステップで認識した作物品種の生育状態に対応する作業条件が格納されているかを検索し、格納されていた場合には、当該作業条件に関連付けて格納されている作業内容を読み出し、その作業内容を管理対象圃場毎に出力する第2の手段とを備えることを特徴とする圃場管理支援システム。
【請求項6】
前記第1の手段が、
管理対象圃場における定点観測地点における作物品種の生育実測値と、衛星画像データの波長成分に基づき分析した生育予測値により、作物品種の生育状態を認識する手段を備えることを特徴とする請求項5に記載の圃場管理支援システム。
【請求項7】
前記第2の手段が、
管理対象保圃場の地図上の位置及び形状情報を格納した圃場データベースから管理対象圃場の位置及び形状情報を読出し、管理対象圃場が含まれる地図上に管理対象圃場形状を描画し、その管理対象圃場形状を作物品種の生育状態に応じた表示形態で描画して出力する手段を備えることを特徴とする請求項5または6に記載の圃場管理支援システム。
【請求項8】
前記第2の手段が、描画した管理対象圃場形状を、作物品種の生育状態に応じた作業内容に対応した表示形態で描画して出力する手段を備えることを特徴とする請求項7に記載の圃場管理支援システム。
【請求項1】
管理対象圃場における作物品種ごとの農作業を支援する圃場管理支援方法であって、
圃場の農作業を支援する支援装置が、
管理対象圃場が含まれる地域を撮影した衛星画像データの波長成分に基づき管理対象圃場における作物品種の生育状態を認識する第1のステップと、
作物品種の生育状態に応じた作業条件及び作業内容を格納したデータベースから、前記第1のステップで認識した作物品種の生育状態に対応する作業条件が格納されているかを検索し、格納されていた場合には、当該作業条件に関連付けて格納されている作業内容を読み出し、その作業内容を管理対象圃場毎に出力する第2のステップとを実行し、管理対象圃場における農作業を支援することを特徴とする圃場管理支援方法。
【請求項2】
前記第1のステップが、
管理対象圃場における定点観測地点における作物品種の生育実測値と、衛星画像データの波長成分に基づき分析した生育予測値により、作物品種の生育状態を認識するステップを備えることを特徴とする請求項1に記載の圃場管理支援方法。
【請求項3】
前記第2のステップが、
管理対象保圃場の地図上の位置及び形状情報を格納した圃場データベースから管理対象圃場の位置及び形状情報を読出し、管理対象圃場が含まれる地図上に管理対象圃場形状を描画し、その管理対象圃場形状を作物品種の生育状態に応じた表示形態で描画して出力するステップを備えることを特徴とする請求項1または2に記載の圃場管理支援方法。
【請求項4】
前記第2のステップが、描画した管理対象圃場形状を、作物品種の生育状態に応じた作業内容に対応した表示形態で描画して出力するステップを備えることを特徴とする請求項3に記載の圃場管理支援方法。
【請求項5】
管理対象圃場における作物品種ごとの農作業を支援する圃場管理支援システムであって、
圃場の農作業を支援する支援装置が、
管理対象圃場が含まれる地域を撮影した衛星画像データの波長成分に基づき管理対象圃場における作物品種の生育状態を認識する第1の手段と、
作物品種の生育状態に応じた作業条件及び作業内容を格納したデータベースから、前記第1のステップで認識した作物品種の生育状態に対応する作業条件が格納されているかを検索し、格納されていた場合には、当該作業条件に関連付けて格納されている作業内容を読み出し、その作業内容を管理対象圃場毎に出力する第2の手段とを備えることを特徴とする圃場管理支援システム。
【請求項6】
前記第1の手段が、
管理対象圃場における定点観測地点における作物品種の生育実測値と、衛星画像データの波長成分に基づき分析した生育予測値により、作物品種の生育状態を認識する手段を備えることを特徴とする請求項5に記載の圃場管理支援システム。
【請求項7】
前記第2の手段が、
管理対象保圃場の地図上の位置及び形状情報を格納した圃場データベースから管理対象圃場の位置及び形状情報を読出し、管理対象圃場が含まれる地図上に管理対象圃場形状を描画し、その管理対象圃場形状を作物品種の生育状態に応じた表示形態で描画して出力する手段を備えることを特徴とする請求項5または6に記載の圃場管理支援システム。
【請求項8】
前記第2の手段が、描画した管理対象圃場形状を、作物品種の生育状態に応じた作業内容に対応した表示形態で描画して出力する手段を備えることを特徴とする請求項7に記載の圃場管理支援システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2007−310463(P2007−310463A)
【公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−136444(P2006−136444)
【出願日】平成18年5月16日(2006.5.16)
【出願人】(000233055)日立ソフトウエアエンジニアリング株式会社 (1,610)
【公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年5月16日(2006.5.16)
【出願人】(000233055)日立ソフトウエアエンジニアリング株式会社 (1,610)
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