説明

土壌に含まれる有機液体の含有率測定方法及び装置

【課題】土壌に含まれる有機液体の含有率を精度良く測定する。
【解決手段】サーモTDR法により土壌の平均体積熱容量Cb及び平均比誘電率εbを測定する。測定された土壌の平均体積熱容量Cb及び平均比誘電率εbと、既知の土壌の粒子の体積熱容量Cs,水の体積熱容量Cw,有機液体の体積熱容量Co,土壌の粒子の比誘電率εs,空気の比誘電率εa,水の比誘電率εw,有機液体の比誘電率εo,及び土壌の飽和体積含有率θsatから、演算装置が、土壌における有機液体の体積含有率θo及び体積含水率θwを、θo=f(Cb,Cs,Cw,Co,εb,εs,εa,εw,εo,θsat)及びθw=g(Cb,Cs,Cw,Co,εb,εs,εa,εw,εo,θsat)により算出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、土壌に含まれる有機液体の含有率を測定する含有率測定方法及び装置に関する。
【従来の技術】
【0002】
有機液体などの汚染物質が地下貯蔵タンク等から漏れ出た場合、地下水に達してからの発見では、汚染物質の除去に膨大な時間と経費がかかってしまう。このため、土壌中に有機液体が漏れ出した場合に、これを早期に発見することができるシステムが望まれている。
【0003】
本発明者等は、サーモ−TDR(Thermo-Time Domain Reflectometry)法を用いて、漏洩地点近傍において有機液体の土壌への漏れを検出可能とする方法を提案している(特許文献1)。この方法は、サーモ−TDR法により、ほぼ同時測定可能な、土壌水分量(体積含水率)θに対する電気伝導度σ、見かけの比誘電率ε、及び体積熱容量Cのそれぞれの相関を有効に利用したものである。この方法は、汚染物質と水の非飽和系においても、少なくとも汚染物質の漏洩を検出でき、更には、汚染物質の濃度をある程度検出可能である。
【0004】
この方法では、汚染物濃度及び土壌水分量θを変えた複数の標準土壌の試料を作製し、これらの試料の体積熱容量C、比誘電率ε及び電気伝導度σを、サーボTDR法によりほぼ同時的に測定する。次に、測定された各特性から、土壌水分量θと体積熱容量Cとの相関、土壌水分量θと比誘電率εとの相関、及び土壌水分量θと電気伝導度σとの相関を求める。そして、前記各相関における、汚染物濃度及び土壌水分量の違いに対する、体積熱容量C、比誘電率ε及び電気伝導度σと土壌水分量θの相関を利用して、水−汚染物質の非飽和系でも、汚染物質の土壌への漏洩の有無だけでなく、土壌水分中の汚染物質のおおよその濃度も測定できるようしたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−329625号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した従来の汚染物検出方法では、土壌水分量θと体積熱容量Cとの相関、土壌水分量θと比誘電率εとの相関、及び土壌水分量θと電気伝導度σとの相関の各相関曲線と、測定値とを比較して、測定値に最も近い相関曲線の汚染物濃度を土壌水分中のおおよその濃度としているので、誤差が大きく、特に汚染物濃度をパラメータとする複数の相関曲線間の差が大きくない範囲ではこの傾向が顕著であり、汚染物濃度を信頼性良く求めることは困難であった。
【0007】
本発明は、上述した問題点に鑑みなされたもので、土壌に含まれる有機液体の含有率を精度良く測定することが可能な土壌に含まれる有機液体の含有率測定方法及び装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者等は、有機液体成分および水分を非飽和状態で含んだ土壌の平均体積熱容量Cb及び平均比誘電率εbと、前記土壌における有機液体の体積含有率θo及び体積含水率θwとが、ある一定の関数で表されることを見出した。本発明は、この事実に基づくものである。
【0009】
本発明は、土壌に含まれる有機液体の含有率を測定する方法であって、サーモTDR(Time Domain Reflectometry)法により前記土壌の平均体積熱容量Cb及び平均比誘電率εbを測定する工程と、前記測定された土壌の平均体積熱容量Cb及び平均比誘電率εbと、既知の前記土壌の粒子の体積熱容量Cs,水の体積熱容量Cw,前記有機液体の体積熱容量Co,前記土壌の粒子の比誘電率εs,空気の比誘電率εa,水の比誘電率εw,前記有機液体の比誘電率εo,及び前記土壌の飽和体積含有率θsatから、演算装置が、前記土壌における有機液体の体積含有率θo及び体積含水率θwを、
[数1]
θo=f(Cb,Cs,Cw,Co,εb,εs,εa,εw,εo,θsat)
[数2]
θw=g(Cb,Cs,Cw,Co,εb,εs,εa,εw,εo,θsat)
により算出する工程とを有することを特徴とする。
【0010】
前記土壌における有機液体の体積含有率θo及び体積含水率θwを算出する工程は、好ましくは、前記演算装置が、
【0011】
[数3]

【0012】
[数4]

【0013】
により前記体積含有率θo及び体積含水率θwを算出する工程である。
【0014】
また、前記土壌の平均体積熱容量Cb及び平均比誘電率εbの測定に先立ち、サーモTDR法により含水量が既知で異なる複数種類の土壌の平均体積熱容量Cbと平均比誘電率εbとを測定し、前記演算装置が、前記土壌の平均体積熱容量Cbの測定結果と既知の水の体積熱容量Cw及び含水率θwとから前記土壌の粒子の体積熱容量Csを算出し、前記演算装置が、前記土壌の平均比誘電率εbの測定結果と既知の水の含水率θwとから前記土壌の粒子の比誘電率εs及び定数a,bを算出することにより、前記土壌の粒子の体積熱容量Cs,比誘電率εs及び定数a,bを予め算出する工程を更に含むようにしても良い。
【0015】
また、本発明に係る土壌に含まれる有機液体の含有率を測定する装置は、サーモTDR(Time Domain Reflectometry)法により前記土壌の平均体積熱容量Cb及び平均比誘電率εbを測定する測定部と、前記測定された土壌の平均体積熱容量Cb及び平均比誘電率εbと、既知の前記土壌の粒子の体積熱容量Cs,水の体積熱容量Cw,前記有機液体の体積熱容量Co,前記土壌の粒子の比誘電率εs,空気の比誘電率εa,水の比誘電率εw,前記有機液体の比誘電率εo,及び前記土壌の飽和体積含有率θsatから、前記土壌における有機液体の体積含有率θo及び体積含水率θwを、
【0016】
[数5]
θo=f(Cb,Cs,Cw,Co,εb,εs,εa,εw,εo,θsat)
【0017】
[数6]
θw=g(Cb,Cs,Cw,Co,εb,εs,εa,εw,εo,θsat)
【0018】
により算出する演算装置とを有する。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、土壌に含まれる有機液体の含有率を精度良く測定することが可能な含有率測定方法および装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施形態に係る土壌中の有機液体の含有率測定装置を示す図である。
【図2】同装置を用いた本発明の一実施形態に係る土壌中の有機液体の含有率測定方法を説明するためのフローチャートである。
【図3】同測定方法により得られた既知の体積含油率θo(m/m)と推定された体積含油率θo(m/m)との誤差を示すグラフである。
【図4】同測定方法により得られた既知の体積含水率θw(m/m)と推定された体積含水率θw(m/m)との誤差を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態に係る土壌中の有機液体の含有率測定方法について説明する。
【0022】
図1は、有機液体の含有率測定装置を示す図である。この含有率測定装置は、測定対象となる土壌1に設置されたサーモTDRプローブ2と、このサーモTDRプローブ2と同軸ケーブル3を介して接続されたテスター4と、このテスター4で得られた測定値を演算処理する演算装置5とを備えて構成されている。
【0023】
サーモTDRプローブ2は、例えば3本のプローブ針2a,2b,2cからなり、これらプローブ針2a〜2cの少なくとも2本には双極熱パルス法(Dual−Probe Heat Pulse Method,DPHP法)用の図示しないヒータH及び該ヒータによるパルス加熱の際の温度の経時変化を検出する温度測定器、例えば熱電対またはサーミスタが配置され、少なくとも1線には時間域反射法(TDR法)用の電磁波による比誘電率εの測定のための同軸ケーブル3に接続された長さLの電磁波伝達電極が配置されている。
【0024】
テスター4は、パルス発生器6と波形解析器7とを備えている。パルス発生器6から出力されるパルス信号は、同軸ケーブル3を介してサーモTDRプローブ2に伝搬され、プローブ針2a〜2cの開放された終端部で反射する。この反射信号は、テスター4の波形解析器7に入力される。波形解析器7は、パルス信号の出力から反射信号の受信までの時間tを観測する。演算装置5は、波形解析器7での波形解析結果に基づいて、土壌に含まれる有機液体の含有率を算出するための種々の演算処理を実行する。
【0025】
サーモTDR法では、少なくとも2本以上のプローブ針2a〜2cにTDR法により比誘電率εbを測定できる機能を持たせると同時に、少なくとも2以上のプローブ針2a〜2cにDPHP法により、体積熱容量Cbを測定できる機能を持たせて、小さな時間間隔、換言すればほぼ同時的に前記2つの測定法により、土壌の比誘電率εb及び体積熱容量Cbを測定する。
【0026】
物質の比誘電率εbは、TDR法により求めることができる。すなわち、ある物質中を伝搬する電磁波の速度vは、真空中の電磁波の速度voとその物質の比誘電率εとを用いて、次のように表すことができる。
【0027】
[数7]
v=vo/√ε
【0028】
ここでプローブ針2a〜2cの長さをL(例えば40mm)とすると、
【0029】
[数8]
2L=v・t
【0030】
Laをプローブ針2a〜2cの見かけ上の長さとすると、
【0031】
[数9]
2La=vo・t
【0032】
よって、比誘電率εは、
【0033】
[数10]
ε=(vo/v)
=(La/L)
=(vo・t/2L)
【0034】
と求められる。したがって、演算装置5は、波形解析器7の出力からパルス信号の出力から反射信号の受信までの時間tを計測することで、比誘電率εを求めることができる。
【0035】
一方、DPHP法によりプローブ2に内蔵されたヒータに加えられた電力q(W/m)により熱パルス、例えばto=15(sec)の熱パルスを加え、所定間隔(例えば7.5mm)を介して配置されたプローブ2に内蔵された温度測定器により、温度の経時変化を測定し、最高温度Tm(℃)に達する時間tm(sec)を測定する。これらの測定から、次の数11により、体積熱容量Cbを求める。
【0036】
[数11]

【0037】
ここで、αは、数12で求められる熱拡散係数であり、Eiは指数積分である。
【0038】
[数12]

【0039】
次に、上述したサーモTDR法を用いた本実施形態に係る土壌に含まれる有機液体の含有率測定方法について説明する。なお、以下の説明において、有機液体は油であるとし、その体積含有率θoを体積含油率θoとする。
【0040】
(1)校正処理
体積含油率θoを算出するのに先立ち、測定すべき対象土壌の体積熱容量Csと、対象土壌の粒子の比誘電率εsと、体積含油率θoの算出に必要な乗数a,bを算出するための校正処理を行う。図2は、この校正処理の手順を示すフローチャートである。
【0041】
まず、含水量が異なる複数のサンプル土壌(対象土壌)を準備する(S1)。例えば風乾と水分飽和土壌及び、風乾と飽和含水量の間に2〜3点の水分量に調整されたサンプル土壌を準備する。
【0042】
次に、それぞれのサンプル土壌に対し、サーモTDR法による同時的なDPHP測定とTDR測定とを実行する(S2,S4)。
【0043】
演算装置5は、DPHP法によって各サンプル土壌について測定された水分量に対する土壌平均体積熱容量Cb(MJ/m/K)を、下記数13に示す体積含水率θw(m/m)の関数として表すために、例えば最小二乗法などによる線形当てはめを実行する。
【0044】
[数13]
Cb=Cs+Cwθw
【0045】
そして、演算装置5は、求められた関数から土粒子の体積熱容量Cs(MJ/m/K)を決定する(S3)。なお、数13においてθwは、水の体積熱容量(=4.18MJ/m/K)である。
【0046】
次に、演算装置5は、TDR法によって各サンプル土壌について測定された土壌平均比誘電率εbを、下記数14に示す体積含水率θw(m/m)の関数として表すために、例えば最小二乗法などによる非線形当てはめを実行する。
【0047】
[数14]

【0048】
そして、演算装置5は、求められた関数から、土粒子の比誘電率εsと、定数a,bを決定する(S5)。なお、数14において、εwは水の比誘電率(=80)、εaは空気の比誘電率(=1)である。また、θaは土壌の空隙率(m/m)で、下記数15で表される。
【0049】
[数15]
θa=θsat−θw
ここで、θsatは飽和体積含水率(m/m)であり、予め求められるものである。
【0050】
(2)体積含油率θoの推定
油分を含んだ土壌の構成要素に対する比誘電率εと体積熱容量Cは、下記表1のように示される。
【0051】
【表1】

【0052】
なお、表1には、油分として灯油が掲載されているが、検出する対象を軽油など、他の油分とする場合には、対象とする油分についての既知の比誘電率εo、体積熱容量Coを使用すれば良い。これらは定数として取り扱うことが出来る。
【0053】
ここで、油分を考慮した土壌の平均体積熱容量Cb(MJ/m/K)は、下記数16のように表すことができる。
【0054】
[数16]
Cb=Cs+Cwθw+Coθo
【0055】
また、油分を考慮した土壌の平均比誘電率εbは、下記数17のように表すことができる。
【0056】
[数17]

【0057】
数16および数17から、体積含油率θo(m/m)及び体積含水率θw(m/m)が、下記数18及び数19のように導かれる。ここでは、空気の体積含有率θa=θsat−θw−θoである。
【0058】
[数18]

【0059】
[数19]

【0060】
すなわち、体積含油率θo及び体積含水率θwは、共にCb,Cs,Cw,Co,εb,εs,εa,εw,εo,θsatの関数であるから、
【0061】
[数20]
θo=f(Cb,Cs,Cw,Co,εb,εs,εa,εw,εo,θsat)
【0062】
[数21]
θw=g(Cb,Cs,Cw,Co,εb,εs,εa,εw,εo,θsat)
【0063】
と表され、Cs,Cw,Co,εs,εa,εw,εo,θsat,a,bは既知であるから、土壌の平均体積熱容量Cbおよび平均比誘電率εbを測定することにより、体積含油率θo及び体積含水率θwが求められる。
【0064】
そこで、サーモTDRプローブ2を使用してサーモTDR法により、土壌1の平均体積熱容量Cbおよび平均比誘電率εbを測定し、演算装置5によって、上記数18及び数19の式を用いて体積含油率θo及び体積含水率θwを算出する。そして演算装置5は、土壌中の油分体積濃度cov(%)を、下記数22のように求める。
【0065】
[数22]
cov=θo/(θo+θw)×100
図3は、水と油(灯油)の混合液における油の濃度がそれぞれ25%、50%、75%の溶液について、既知の体積含油率θo(m/m)と推定された体積含油率θo(m/m)との誤差を示すグラフである。また、図4は、水と油(灯油)の混合液における油の濃度がそれぞれ25%、50%、75%の溶液について、既知の体積含水率θw(m/m)と推定された体積含水率θw(m/m)との誤差を示すグラフである。
【0066】
これらのグラフから分かるように、本実施形態に係る含有率測定方法によれば、体積含油率θo(m/m)及び体積含水率θw(m/m)を精度良く推定することが可能である。
【0067】
以上のように、本発明によれば、サーモTDR法を用いて土壌の平均体積熱容量Cbおよび平均比誘電率εbを測定することにより、土壌中の油分体積濃度を高精度に算出することができる。
【0068】
本発明は、ガソリンスタンドの地下タンク、民間空港や軍用空港のジェット燃料用の地下タンク、石油コンビナートのパイプライン付近の土壌に対する有機液体の漏洩の早期発見システムなどに有用である。
【符号の説明】
【0069】
1…土壌、2…サーモTDRプローブ、3…同軸ケーブル、4…テスター、5…演算装置、6…パルス発生器、7…波形解析器。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
土壌に含まれる有機液体の含有率を測定する方法であって、
サーモTDR(Time Domain Reflectometry)法により水分量に対する前記土壌の平均体積熱容量Cb及び平均比誘電率εbを測定する工程と、
前記測定された土壌の平均体積熱容量Cb及び平均比誘電率εbと、既知の前記土壌の粒子の体積熱容量Cs,水の体積熱容量Cw,前記有機液体の体積熱容量Co,前記土壌の粒子の比誘電率εs,空気の比誘電率εa,水の比誘電率εw,前記有機液体の比誘電率εo,及び前記土壌の飽和体積含有率θsatから、演算装置が、前記土壌における有機液体の体積含有率θo及び体積含水率θwを、
[数1]
θo=f(Cb,Cs,Cw,Co,εb,εs,εa,εw,εo,θsat)
[数2]
θw=g(Cb,Cs,Cw,Co,εb,εs,εa,εw,εo,θsat)
により算出する工程と
を有することを特徴とする土壌に含まれる有機液体の含有率測定方法。
【請求項2】
前記土壌における有機液体の体積含有率θo及び体積含水率θwを算出する工程は、前記演算装置が、
[数3]



[数4]



により前記体積含有率θo及び体積含水率θwを算出する工程である請求項1記載の含有率測定方法。
【請求項3】
前記土壌の平均体積熱容量Cb及び平均比誘電率εbの測定に先立ち、
サーモTDR法により含水量が既知で異なる複数種類の土壌の平均体積熱容量Cbと平均比誘電率εbとを測定し、
前記演算装置が、前記土壌の平均体積熱容量Cbの測定結果と既知の水の体積熱容量Cw及び含水率θwとから前記土壌の粒子の体積熱容量Csを算出し、
前記演算装置が、前記土壌の平均比誘電率εbの測定結果と既知の水の含水率θwとから前記土壌の粒子の比誘電率εs及び定数a,bを算出する
ことにより、前記土壌の粒子の体積熱容量Cs,比誘電率εs及び定数a,bを予め算出する工程
を更に含む請求項1又は2記載の含有率測定方法。
【請求項4】
土壌に含まれる有機液体の含有率を測定する装置であって、
サーモTDR(Time Domain Reflectometry)法により前記土壌の平均体積熱容量Cb及び平均比誘電率εbを測定する測定部と、
前記測定された土壌の平均体積熱容量Cb及び平均比誘電率εbと、既知の前記土壌の粒子の体積熱容量Cs,水の体積熱容量Cw,前記有機液体の体積熱容量Co,前記土壌の粒子の比誘電率εs,空気の比誘電率εa,水の比誘電率εw,前記有機液体の比誘電率εo,及び前記土壌の飽和体積含有率θsatから、前記土壌における有機液体の体積含有率θo及び体積含水率θwを、
[数5]
θo=f(Cb,Cs,Cw,Co,εb,εs,εa,εw,εo,θsat)
[数6]
θw=g(Cb,Cs,Cw,Co,εb,εs,εa,εw,εo,θsat)
により算出する演算装置と
を有することを特徴とする土壌に含まれる有機液体の含有率測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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