説明

土壌改良剤

【課題】無機質土壌改良剤の保存、収穫、使用性を安価で簡単な方法で改良する。
【解決手段】生の草、木、根を焼いた成分を混合し加水して所定の圧力および温度、時間で煮沸し大気中に一定時間保存したのち再度煮沸し所定のPH値になるまで加水して調整するとともに陽およびまたは陰高分子界面活性剤、酸化チタンを添加することにより液状の土壌改良剤を生成する。これにより保存性、使用性、植物の生育、収穫性、害虫予防性が著しく向上した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
この発明は植物の生育に必用な鉄、マグネシウム、カルシウム、ケイ酸など無機質成分を植物に供給し土壌を改良する土壌改良剤に関する。
【背景技術】
従来、一般に鉄、マグネシウム、カルシウム等の無機質成分の土壌改良剤が知られている。たとえばカルシウム等からなる石灰土壌改良剤では炭酸石灰、生石灰、苦土生石灰、副産石灰貝、化石肥料、混合石灰がある。しかしこれら無機質成分の土壌改良剤、石灰土壌改良剤では施用量と土壌との組み合わせに長年の経験が必要であり誤って施用したときの植物への被害が甚大であった。さらに従来の土壌改良剤は粉末、固形物であり大気中の水分で製品が粒状に固まってしまい長期保存に難点があった。またケイ酸は植物の生育に不可欠な成分であるがこれに他の無機質成分を組み合わせた土壌改良剤は市場に販売されてなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【特許文献】なし
【非特許文献】
【非特許文献】なし
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
従来の土壌改良剤は無機質成分が粒状で雨、水の散布で成分が土壌に溶け出しイオン化して植物に吸収されるまでかなりの時間がかかった。さらにこれら土壌改良剤は保存中大気中の水分が主成分に吸着し利用時に解体出来ないほど固形化してしまいその粒子が植物収穫時に根に絡まるため一般耕作、水耕栽培等には適していなかった。
【課題を解決するための手段】
生の草、木、根を焼いて生成した粉末(灰)を混合し加水し加圧して煮沸し大気中にさらした後さらに煮沸し加水してPH値を整え液状にすることで使用時に土壌に植物の生育に必要な無機質成分が一定量土壌に供給される。
この製品は液状のため保存性が良くこれを土壌に散布したあとの残留物がきわめて少ない利点がある。また陽およびまたは陰イオン性高分子界面活性剤を加えると成分が均一に分散され散布後の植物の育成を均一化してむらがなくなる。さらに酸化チタンを混入すると光半導体の作用で殺菌、消臭、保存性、各種有害化学物質の分解良くなる利点がある。
【発明の効果】
この発明の土壌改良剤では製品が液状のため大気中の湿気で固化、固結しないので長期の保存ができる。さらに使用時には土壌の無機質濃度レベルが一定になるので農業経験者でなくても取扱いが容易であり土壌改良剤としての効果も大きい利点がある。最近話題の各種農薬、有機化学物質も分解され理想な有機農法の実践が可能となる。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
本発明の実施例を説明する。
この発明は生の草、木、根を焼いた粉末(灰)を混合し加水して所定の圧力および温度、時間で煮沸した液体を再度煮沸した後所定のPH値になるまで加水して希釈した液状の土壌改良剤である。
次にこの発明の一実施例を述べる。
まず上記セラミックに生の草、木、根を焼いてこれを粉砕して粉末にしたもの(灰)と水を加え十分撹拌して混ぜる。このとき溶液に超音波を加え溶解を促進しても良い。
この混合物を例えば加圧するため圧力釜にいれ1.5−3気圧の圧力で30分から2時間煮沸する。
このように煮沸すると草、木、根の上記粉末から各種ミネラルとして鉄、マグネシウム、カルシウム、ケイ酸が溶け出した水溶液が得られる。
この水溶液を大気中で冷却したのち再度1.5−2気圧の圧力で30分から1時間再度煮沸する。このときに陽およびまたは陰イオン性高分子界面活性剤を添加してもよい。このようにすると水溶液がさらに均一化される。また製品を使用するとき土壌への浸透性が良くなる。
この煮沸物から草、木、根の粉末の残留物をろ過して取り出した水溶液を大気中で冷却したのち加水する。この発明ではPH10−12の水素イオン濃度になるように加水調整したときが最適な条件(保存性、植物育成率)が得られた。
この水溶液にさらに酸化チタン等の光半導体物質の粉末を混合してもよい。上記光半導体物質の作用で殺菌、消臭、保存性を向上することができる。この発明では上記液体生成物をプラスチック容器、ビン詰めにして製品(土壌改良剤)とする。
この発明の土壌改良剤は液状なため大気中の水分の吸着が少なく従来の粒状、顆粒状の土壌改良剤とくらべると1.5−3倍の保存性があった。
またこの肥料ではケイ酸が含まれており畑、園芸用に使用したところ植物の生育が従来のものと比べて1.3−2倍促進されるとともに免疫性も亢進し害虫の防虫効果も向上した。また従来の土壌改良剤のように固形成分が含まれていないので水耕栽培等に使用すると根切れ等の心配がなく良質で均一な植物の収穫物が得られる。
【産業上の利用可能性】
この発明の土壌改良剤は農業、園芸において長期保存ができる製品を供給するとともにケイ酸が他の無機質成分と共同して植物が良質に育成できるようになり産業上も十分な利用価値がある。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生の草、木、根を焼いて粉末にしたものを混合し加水し所定の圧力および温度、時間で煮沸した液体を冷却し大気中に一定時間保存したのち前記圧力および温度、時間とはことなる値で再度煮沸した後所定のPH値になるまで加水して希釈した液状の土壌改良剤
【請求項2】
生の草、木、根を焼いて粉末にしたものを混合し加水し所定の圧力および温度、時間で煮沸した液体を冷却し大気中に一定時間保存したのち前記圧力および温度、時間とはことなる値で再度煮沸した後所定のPH値になるまで加水して希釈するとともに酸化チタン等の光半導体物質を混合した液状の土壌改良剤
【請求項3】
粉末と生の草、木、根を焼いて粉末にしたものを混合し加水し所定の圧力および温度、時間で煮沸した液体を冷却し大気中に一定時間保存したのち陽およびまたは陰イオン性高分子界面活性剤を加え前記圧力および温度、時間とはことなる値で再度煮沸した後所定のPH値になるまで加水して希釈した液状の土壌改良剤
【請求項4】
生の草、木、根を焼いて粉末にしたものを混合し加水し所定の圧力および温度、時間で煮沸した液体を冷却し大気中に一定時間保存したのち陽およびまたは陰イオン性高分子界面活性剤を加え前記圧力および温度、時間とはことなる値で再度煮沸した後所定のPH値になるまで加水して希釈するとともに酸化チタン等の光半導体物質を混合した液状の土壌改良剤

【公開番号】特開2012−197402(P2012−197402A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−84030(P2011−84030)
【出願日】平成23年3月18日(2011.3.18)
【出願人】(511086722)
【Fターム(参考)】