説明

土壌燻蒸薬としてのヨウ化メチル

【課題】 土壌の燻蒸に使用する方法および組成物を提供する。
【解決手段】 植物病原体、線虫、細菌および雑草を効果的に制御する土壌燻蒸薬としてヨウ化メチルが用いられる。ヨウ化メチルは、臭化メチルが通常使用されるのと実質的に同じ態様で用いられ、さらに匹敵する量で使用する場合臭化メチルと少なくとも同じように有効である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の背景
本出願は、1994年10月20日出願のシリアル番号08/326632号の一部継続出願である。
【0002】
本発明は一般に生物学および農業の分野に関し、より具体的には、土壌の燻蒸に使用する組成物および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
植物病原体、線虫および雑草の制御は農業にとって最も重要である。特に、土壌内線虫の実質的減少または完全な排除は、植物の初期生長、生産性、寿命にとって極めて重要である。病原性真菌および線虫は一年生および多年生作物の両方の広範な根系で成育し、それらに多大な被害を与える。しかも、作物を除去した後もそれらは土壌に残存し、新しい作物を再び植える前に排除する必要がある。
農業にとってとりわけ重要な真菌および線虫は以下の通りである:根腐病原体(Phytophthora spp.、 Pythium spp.、Rhizoctonia spp.、Fusariumspp.);導管萎凋病原体(Verticilliumspp.、Fusariumspp.);ネコブセンチュウ類(Meloidogynespp.);ネグサレセンチュウ類(Pratylenchusvulnus);リングセンチュウ類(Circonemellaxenoplax);萎縮根線虫類(Paratrichodorusspp.);ナミクキセンチュウ類(Ditylenchusdipsaci);シストセンチュウ(Heteroderaschachtii);柑橘類線虫(Tylenchulussemipenetrans)およびバローイング(burrowing)センチュウ(Radopholus similus)。
【0004】
今日まで、植物病原体および線虫類を根絶するために用いられ成功した唯一の方法は、輪作もしくは少なくとも4年間の休耕、病原体および線虫類に耐性をもつ作物の利用および土壌の燻蒸であった。真菌および線虫の多くの種はその宿主範囲が広いため、制御についての有効性では多くの場合輪作には限界があった。
さらにまた、輪作では、多くの非宿主作物の単位面積当たりの収穫は低い。植物病原体および線虫に対する抵抗性は幾つかの作物でのみ利用可能で、さらに、耐性作物は産業的に極めて重要な多くの作物について近い将来にも開発されることはないだろう。したがって、土壌の燻蒸は植物病原体および線虫の制御のために最良の選択肢となろう。
【0005】
臭化メチル(CH3Br)は米国農業にとって極めて重要である(U.S.D.A.「臭化メチルの生物学的および経済的評価」(The Biological and Economic Assessment of MethylBromide),U.S.D.A.Publication(1993))。臭化メチルは世界的に最も広範に用いられ、かつ最も効果的な一般的燻蒸薬である。それは、土壌燻蒸のために、様々な作物の種々の病原体を制御するために産品の検疫処理(輸出入)として、さらに木材損壊病原体に対して建造物用燻蒸薬として広く用いられている。
【0006】
1991年のモントリオールプロトコル(1992年に改正)によれば、臭化メチル(MBr)はオゾン破壊化学物質として分類され、これは、オゾン破壊力(ozone depleting potential,ODP)が1である参照ガスとして用いられる冷却剤のトリクロロフルオロメタン(cfc 11)と比較して0.2より大きいODPを有する。浄化大気法(Clean Air Act)のタイトル5(成層圏オゾン保護)は1990年の修正で付け加えられたが、その602節で、米環境保護局(U.S.Environmental Protection Agency(EPA))は、ODPが0.2またはそれより大きい物質は全てクラス1のオゾン破壊物質として掲載しなければならないことを記載している。一旦表示されたならば、全ての生産を2000年までに段階的に停止しなければならない。MBrはODPが0.7であり、オゾンの全破壊の30−40%が臭素ラジカルの結果であると言われているが、臭素ラジカルは塩素よりも30−60倍強力なオゾン破壊物質である(J.A.Pyleら、「オゾン破壊の科学的評価(Scientific Assessment of Ozone Depletion)」より、D.L.Albrittonら編、国際気象学機構、ジュネーブ(1991)、pp.6.1-6.19)。
【0007】
土壌燻蒸後の大気中へのMBrのロスに関する証明では、燻蒸のために土壌に用いられたMBrの総量の約87%が数日以内に大気中に失われることを示している(K.Yagiら、PNAS USA 90:8420-8423(1993))。成層圏に達する際に、MBrは光酸化を受け、オゾン破壊サイクルに入る臭素原子を遊離させる。燻蒸された土壌からMBrが失われることは、用いたMBrの70%もの量が防水シートを通して、さらに防水シートの除去後大気中に失われることを示す実験によってさらに支持される(Rolston & Glauz,Pesticide Science 13:653(1982))。
【0008】
1990年には約64000000ポンド(約29030400キログラム)のMBrがアメリカで用いられ、そのうちの44−49百万ポンド(19958400−22226400キログラム)が土壌の燻蒸(昆虫、線虫、雑草、植物病原性微生物並びに脊椎動物および無脊椎動物性病原生物の制御)に用いられ、5百万ポンド(2268000キログラム)が収穫後処理および検疫処理のために、4−9百万ポンド(1814400−4082400キログラム)が建造物を燻蒸するために、さらに6百万ポンド(2721600キログラム)が化学物質中間体として使用された。したがって全体の約80%が農業関連の目的のために用いられている。
【0009】
現在利用可能なMBrの代替物は効果が少なくおよび/またはより高価であるので、MBrを排除することは犠牲が大きいであろう。アメリカの生産者および消費者の年間損失の概算は15億ドルの範囲になるであろう。この数字は、収穫後用および検疫用の他、建造物用燻蒸による損失を含まない。カリフォルニアおよびフロリダはアメリカでは最も多くMBrを使用し(合わせて約25000000ポンド(約11340000キログラム))、したがってMBrの排除によって最も深刻な影響を受ける。MBrの排除は、例えばトマト、イチゴ、コショウ、メロンおよび鑑賞植物のような産品に極めて悪影響を与えるであろう。したがって、MBrを失うことは農業生産者および消費者の両者に甚だしい犠牲を与えるだけでなく、アメリカ経済にも実質的なインパクトを与えるであろう。それにもかかわらず、臭化メチルと同じレベルの広域スペクトルの病害管理を達成する現在利用可能な手段は存在しないというのが、野外で働く人々の一般的コンセンサスである。現在利用可能な化学物質による手段および化学物質によらない手段は、ある程度の農作物の病害管理を提供するが、当該手段の活性の範囲は一般的に狭く、作物の収量と品質も低下する。したがって、MBrの代替物が明らかに必要である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、従来の方法に付随する問題の少なくとも幾つかを軽減する、土壌の燻蒸に使用する方法および組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
発明の要旨
本発明にしたがって、植物病原体、線虫、細菌および雑草の効果的な制御のための土壌の燻蒸としてヨウ化メチルが用いられる。ヨウ化メチルは、臭化メチルの通常的な使用と実質的に同じ態様で用いることができ、さらに匹敵する量で用いた場合臭化メチルと少なくとも同じ効果を発揮する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
発明の詳細な説明
一般的にみて、ヨウ化メチルは生物致死剤として作用する能力において臭化メチルと総体的に同じようである。低級ハロゲン化アルキル化合物群の物質の活性を説明する一般に認められているメカニズムは、標的生物体において該物質が、二分子性求核置換(SN2)反応を介して種々のアミノ酸およびペプチドの官能基(例えばNH2およびSH)と反応するということである(N.R.Price,J.Stored Prod.Res.21(4):157-164(1985))。ヨウ化メチルは、これまで報告された殆どのSN2条件下で臭化メチルとほぼ同じ速度で反応する。
【0013】
これまで、貯蔵穀物中の昆虫集団の制御のために燻蒸薬としてヨウ化メチルを使用することについて文献に幾つかの報告が記載された(D.L.Lindgren,J.Economic Entomol.31:320(1938);D.L.Lindgrenら、J.Economic Entomol.47:923-926(1954); R.S.Lehman,J.Economic Entomol.35:659-661(1942); S.Rajendran& M.Muthu,Indian J.Ent.49(3):363-369(1987); K.A.Hassall,Ann. Appl.Biol.43:615-629(1955))。それにもかかわらず、貯蔵穀物中の昆虫集団の制御に利用できる薬剤が、植物病原体、線虫類、細菌および/または雑草の排除のための土壌燻蒸薬としての利用性をもつなどということは実際予想不可能であったろう。
【0014】
土壌は燻蒸薬の化学的活性を変化させる能力をもつ。薬剤の活性は空気中では高いかもしれないが、一方、土壌内でははるかに活性は低いであろう(R.S.Lehman,J.Economic Entomology 35:659-661(1942))。実際、土壌の燻蒸およびそのような燻蒸によって期待される成果の複雑さと比較した場合、貯蔵穀物の燻蒸およびその期待される成果は比較的単純である。貯蔵穀物の湿気は製品全体について均一であるが、一方、土壌ではそれは大きく変化する。さらに、貯蔵穀物の粒子サイズは比較的均一であり、粒子間の空気層も同様である。これによって穀物の燻蒸は比較的単純になる。土壌では、粒子サイズおよび空気層は大きく変動し、実質的に燻蒸を複雑なものにする。
【0015】
さらに、貯蔵穀物中の標的生物の種類は比較的限定され、標的微生物の種類も数も多い土壌とは大いに異なる。貯蔵穀物の燻蒸は昆虫を対象とし、真菌、線虫および細菌は、湿度が低く維持される場合は通常問題にならず、雑草は、穀物もまた死滅させない燻蒸によっては影響を受けないであろう。土壌では、燻蒸によって真菌、線虫、雑草の種子、昆虫並びに有害脊椎動物および無脊椎動物を死滅させることが期待される。
【0016】
結果として、貯蔵製品について用いられる多くの燻蒸薬は一般に土壌燻蒸薬として用いられない。例えば、ホスフィンは、現時点で貯蔵製品について登録され使用されているが、明らかに有効でない土壌では使用されない。幾つかの有害生物はホスフィンに対して耐性をもち、しかも50°F(10℃)以下では有効ではない。のみならず、それは3〜5日の燻蒸期間を必要とし、さらに極めて可燃性である。
同様に、ギ酸エステル(例えばギ酸メチル)は貯蔵製品の処理に有効であるが、土壌では遙かに有効性は小さい。したがって、貯蔵製品燻蒸薬として有用な組成物は土壌燻蒸薬として必ずしも有用ではないことは明らかである。
【0017】
本発明にしたがって実施される試みで、ヨウ化メチル(MI)は、5種類の土壌媒介性植物病原性真菌、1種類の腐生性真菌、3種類の雑草および2種類の線虫の燻蒸について有効な化学物質であることが分かった。実験室と野外の両方の試験の殆どで、MIは100立方フィート(約2831685)当たり0.5から1.0lb(約226.8から約453.6 g)の臭化メチル(MBr)に匹敵する割合で有効であった。ただ1つの試験で、理由は分からないが、MIはただ1種の真菌をいずれの割合でも排除しなかった(表3)。
しかしながら、この真菌は別の試験では排除された(表2)。直接比較野外試験では、MIはこの病原体を排除するについてMBrと同じように有効であった(表7および8)。3つの実験室試験では、MIは他の7種のヨウ化アルキルよりも土壌燻蒸薬としてより有効であった。したがって、ヨウ化メチルは、土壌燻蒸において臭化メチルと少なくとも同じように有効で、土壌媒介性植物病原性真菌を排除する。
【0018】
ヨウ化メチルは、約260nmを最大とするUVC範囲(100から280nm)で極めて強くUV照射を吸収するが、強い吸収はより長い(UVB)波長(280から315nm)で生じる。これらが大気圏分解を引き起こすと考えられている。UV吸収は光分解を引き起こし、これはメチルラジカルおよびヨウ素ラジカルの形成をもたらす。
【0019】
大気圏中のヨウ化メチルのおおよその寿命は、臭化メチルのおおよその寿命(1.5年)と比べると約50時間から約8日間である(J.E.Lovelockら、Nature 241:194-196(1973); W.L.Chameidesら、J.Geophys.Res.85(12):7383-7398(1980))。結果として。MIは成層圏オゾン破壊と密接な関係をもたない(R.A.Rassmussenら、J.Geophys.Res.87(C4):3086-3090(1982))。MIはMBrの蒸気圧の約25%で、したがって揮発性がより低く、さらに水への溶解度は同じである。大気圏におけるその迅速な光分解性のために、MIはMBrと違って大気中から迅速に除去される。MIは海洋では飽和レベルで発生し、専ら海草類によって生成され(Chameidesら、(1990)、上掲書; V.D.Korzh,Atmospheric Environ. 18(12):2707-2710(1984))、これが、海洋境界層のMIの主な発生源であると説明されている。海洋境界層の近くの大気中のMIレベルは通常2.5倍低い(Korzh,(1984)上掲書)。
【0020】
考えられるヨウ素の化学的態様では、もしヨウ素が成層圏に達するとしたら、他のハロゲンの場合のようにオゾン破壊に極めて効果的であろうと推定される。
(Rolston & Glauz,(1982)上掲書)。しかしながら、上に述べた理由および大気中のMIの極めて短い寿命によって、成層圏へのMIの実質的移動の可能性は否定される。MBrの大気中の寿命は約1.5年であるので、MBrは、明らかにMIよりも数倍高い次数でオゾン破壊可能性をもつであろう。ヨウ化トリフルオロメチルに関する実験では、オゾン破壊についてこの物質の関与は全く示されなかった。この物質は、同様に太陽の照射によって反応性ラジカルに分解され、ヨウ化メチルの場合のように、一部にはその短い大気圏での寿命のために成層圏に到達しない。
【0021】
本発明によるMIの利用は、MBrによる土壌燻蒸(処理)のために現在日常的に用いられているように種々の多数の方法によって実施できる。したがって、例えばMIは、トラクターに搭載した鋭利な刃をもつ注入機によって、キャニスターから手動で、さらに既に存在する灌漑システムを用いて、または偏平チューブ配列を通るガスとして土壌に用いることができる。MIは薬剤送出前に熱交換機を通すことによって予め加熱するのが有利である。予備加熱によってMIはさらに迅速で均等な分布のために気化され、その活性が高められる。さらに、MIは適切な溶媒(例えば低級アルコール、アセトン、アセトンまたはアルコールと水の混合物など)に溶解して、土壌中への該物質の分散を促進させることができる。さらに、現在MBrと合わせて用いられている混合物と同等の比率で、他の燻蒸薬(例えば二硫化炭素またはクロロピクリン)とMIを混合して用いることも本発明の範囲内として意図される。例えば67%MIおよび33%クロロピクリンの混合物は、警戒薬剤として2%のクロロピクリンと約98%のMIとの混合物と同様に有効であるだろう。一般に、燻蒸後直ちに防水シートで被覆するのが好ましい。燻蒸処理時間並びに防水シートの適用および除去は、MBr処理で現在実施されているものと一致する。
【0022】
本発明では広範囲のMI適用割合が適切であることが分かった。野外で作業する者には、いずれの作物、土壌および植物病原体の組み合わせについても最適適用割合を経験的に容易に決定することはもちろん可能であろう。一般に、MIの適用は、好ましくは約2lb/エーカーから約2000 lb/エーカー(2.23kg/ヘクタールから約2250kg/ヘクタール)、より好ましくは約500lb/エーカーから約1500 lb/エーカー(560kg/ヘクタールから約1680kg/ヘクタール)、最も好ましくは約600lb/エーカーから約1200 lb/エーカー(670kg/ヘクタールから
約1340kg/ヘクタール)の割合で適用される。実質的に2000lb/エーカー(2250kg/ヘクタール)を越える割合でのMIの適用は、本明細書に特定した好ましい範囲内の適用を越える顕著な利点を提供すると期待できないであろうが、それにもかかわらず本発明の範囲内と見做されるであろう。
【0023】
本発明によるMIを用いた土壌燻蒸は、広範囲の植物病原体の実質的なまたは完全な排除において極めて有効であることが分かった。本発明の目的のためには、実質的な植物病原体の排除とは約90%、より好ましくは約95%最も好ましくは約100%の該病原体集団における減少を意味する。一般に、本明細書で特定した好ましい範囲内でのMI量を用いる本発明の処理によって、その検出のために通常用いられる手段の現時点での検出限界内で植物病原体集団のほぼ完全な排除がもたらされる。
【0024】
本発明による処理によって制御または排除できる植物病原性生物は線虫類、真菌および雑草を含むが、これらに限定されない。MIの適用によって制御または排除される特定の植物病原体および線虫には以下が含まれるが、これらに限定されるものではない:根腐病原体(Phytophthora spp.、Pythium spp.、Rhizoctoniaspp.、Fusariumspp.);導管性萎凋病原体(Verticilliumspp.、Fusariumspp.);ネコブセンチュウ類(Meloidogyne spp.);ネグサレセンチュウ類(Pratylenchus vulnus);リングセンチュウ類(Circonemella xenoplax);萎縮根線虫類(Paratrichodorus spp.);ナミクキセンチュウ類(Ditylenchus dipsaci);シストセンチュウ(Heterodera schachtii);柑橘類線虫(Tylenchulussemipenetrans)およびバローイングセンチュウ(Radopholussimilus)。一方、農業分野での“雑草”の定義はもちろん完全に前後の関係に依存するが、制御または排除が一般に求められる植物類ではとりわけ下記のものが挙げられるべきである:チーズウィード(Malva spp.)、サンシキヒルガオ(Convolvulus arvensis)、一年生イチゴツナギ属植物(Poa annua)など。MI処理はまた他の病原体、例えば根頭癌腫病(クラウンゴール)(Agrobacteriumtumefaciens)および他の植物病原性細菌の制御にも有用である。最後に、先に論文で報告されたように、MIによる処理はまた種々の昆虫集団の減少または排除を可能にする。本発明の処理によって制御または排除できる農業分野で特に興味をもたれる昆虫には、これらに限られるものではないが以下が含まれる:ファンガルグナートの幼虫(fungal gnat larvae)、土壌コナカイガラムシ(soil mealy bugs)、ネアブラムシ、アリ、シロアリおよび動物の寄生虫など。
【0025】
本発明は付随する実施例を参考にして理解が一層容易になるであろうが、これら実施例は、添付の請求の範囲が限定するように本発明の範囲を制限するものと解してはならない。
実施例
使用する真菌はストック培養として維持し、必要に際して15cmの馬鈴薯デキストロース寒天(PDA)のペトリ皿に移した。平板コロニーは実験室の室温(25℃)で増殖させた。寒天表面の3/4が被覆されたとき、これらの培養は使用可能になったと判断した。環状プラグ(直径18mm)をコロニーの増殖先端から滅菌コルクボーラーで切り出し、滅菌したアワの種子の接種に使用した。
【0026】
300mlの白色アワの種子を950ml(1qt)のメーソン瓶詰用ジャーに入れ、蒸留水で洗い、水を排出させた。このジャーを瓶詰用の蓋とリングで封をした。蓋には12mmの穴があり、非吸収性の綿で栓をした。続いて、ジャーの上部を二層の厚手の褐色紙で覆い、これを保護用テープで補強した。ジャーをオートクレーブができるプラスチック製深なべに入れ、それにジャーの中の種子の高さを越えるまで水を加えた。種子を250℃、1気圧で30分滅菌した。滅菌後、種子を室温まで冷却し、100mlの滅菌V−8ジュース−水混合物(1:9)を各ジャーに加えた。続いてアワに10個の適切な真菌の環状寒天プラグを接種し、使用または廃棄まで実験室温で保温した。ジャーを周期的に震盪して真菌の増殖を一面に分布させる。30日以内に使用しない種子は廃棄した。より少量の接種量のためには、100mlの種子を用い、500mlのエーレンマイヤーフラスコで保温した。これらのフラスコは綿栓で封をし、アルミ片で覆った。
【0027】
使用に際して、アワの種子の培養をジャーから取り出し、手で個々の種子をバラバラにし、実験用の適切な土壌に加えた。土壌3.5lに対して300mlの比で種子培養を完全に土壌に混合した。
【0028】
接種に用いた土壌は、実験室での実験用には表土およびおが屑または木屑の1:1鉢植え混合物で、野外試験用には10号スクリーンで篩にかけた野外土壌であった。接種土壌の湿度は実験によって8.4%から32%の範囲であった。接種物を添加する前に土壌はオートクレーブで滅菌した。
【0029】
接種物容器は45mlの透明なプラスチックバイアルで作製した(NO.55-12、Thornton Plastic Co.,ソルトレーク、ユタ)。1/2cmの先端(チップ)をとり付けたアンダー(Under)電気はんだごてを用いて各バイアルに1cmの穴を16個開けた。この穴の分布は、4つずつ2列と反対側に3つずつ2列、並びに底に1つおよびスナップ式白色プラスチック蓋に1つであった。
【0030】
バイアルに接種物を充填した後、実験室試験で用いるものを1893ml(2qt)のメーソン瓶詰用ジャーの1cmの鉢植え混合物の層の上に置き、1から1/2cmの深さまで同じ土で被覆した。ジャーを燻蒸フードに置き、適切な先端(チップ)をとり付けたマイクロピペットを用いて量を測定した燻蒸薬を各ジャーに注入した。燻蒸薬はジャーの口の直ぐ内側の土壌に置いた。直ちにジャーを硬質の瓶詰用蓋とリングで封をし、実験室の栽培床に水平に置いて保温した。試験によって保温は1、2または3日間実施した。各実験はそれぞれ25個の種子としたものの4複製であった。
【0031】
燻蒸後、バイアルを土壌から取り出し、フードの下で1時間換気した。換気後、No.10の土壌篩にかけて種子を土壌から分離した。各複製から25個の種子を選択し、15cmのペトリ皿の寒天に置いた。Pythiumspp.については、PARP培地を、PhytophthoraについてはPARPH培地(Jeffers & Martin,Plant Disease 70:1038-1043(1986))を用い、Rhizoctoniaについては文献に報告されたような培地を用いた(Ko & Hora,Phytopathology 61:707-710(1971))。他の真菌は1/4濃度のPDA培地(植物病理学研究者ポケットブック(Plant Pathologists Pocketbook)(1968),Commonwealth Mycological Institute刊、p.239)を用いた。種を植えた後、種子を実験室温度で保温し、2日後生長について調査した。生長を示した種子を数え、さらにもはや生長が出現しなくなるまで(通常3−4日)プレートを調べた。結果を記録した後、プレートは滅菌して廃棄した。
【0032】
野外試験では、接種物は上記のように調製し、2.5、15および30cmの深さで各小区画の中心と1つのコーナーとの間のほぼ中間部に配置した。小区画は3×3mで接種物を配置するコーナーは任意に選んだ。野外試験は、各処理につき複製を4つ作製したブロックの任意抽出であった。燻蒸の後、小区画を4ミルの透明なポリエチレンプラスチックシートで覆い、端の7cmを埋め込んだ。
【0033】
臭化メチルは、ドライアイスを入れた携帯用アイスボックスに454gの容器と実験室用ガラスビーカーを14時間保存することによって調製した。使用時に、処理量を測定し、冷却ビーカーに注ぎ入れて該小区画の中心の土壌表面に置き、逆さにした15cmの黒色プラスチック植木鉢で覆った。ヨウ化メチルも同じ方法で処理したが、予備冷却は行わなかった。続いて、小区画をプラスチックシートで覆った。コントロールは処理せずにプラスチックで覆った。4日後プラスチックを除去し、2日間空気を通した。続いて接種物バイアルを取り出し記載のように調べた。
【0034】
全ての燻蒸濃度は、臭化メチルの使用割合0.454kg/2.8m3(1 lb/100ft3)を基にし、これは野外試験については4.78モル/2.8m3、実験室試験については1.69μM/mlに等しい。
実施例1
この実験では、Phytophthora cinnamomiおよびRhizoctonia solaniを試験生物として用いた。用いたMI濃度は1.69、1.27、0.84および0.42μM/mlであった。燻蒸時間は24、48および72時間であった。
【0035】
この実験では、PhytophthoraおよびRhizoctoniaの両方について未処理コントロールの全てが、それぞれが25個の種子を含む4複製の平均を基に100%の回収率であった。0.42μM/mlで1日燻蒸したPhytophthoraおよびRhizoctonia の培養は回収率がそれぞれ19%および72%であった。2日後では両方の培養で回収はなかったが、一方、この濃度で3日後では、Rhizoctonia は回収率が1%であった。他の全ての濃度では何れの真菌の回収も認められず完全に有効であった。
【0036】
実施例2
この実験では、P.cinnamomi、R.solaniおよびP.citorophthoraを試験生物として用いた。MI濃度は1.69、1.27、0.84、0.42および0.21μM/mlであった。燻蒸時間は24、48および72時間であった。
【0037】
データ収集に際して、Rhizoctonia 培養はAspergillussp.で汚染されていることが判明したので、データはこの種について収集した。3種全ての生物に対する未処理コントロールの全てが3通りの時間について100%生存であった。最低濃度の0.21μM/mlMI(=0.125 lb臭化メチル/100ft2)は、P.citricolaについては3通り全ての処理時間で、さらにP.cinnamomiおよびAspergillus sp.については1日および2日の処理時間で、100%の回収があり有効ではなかった。この濃度の3日間処理では、P.cinnamomiおよびAspergillus の両方が55%の回収率であった。0.42μM/mlのMI(=0.250 lb臭化メチル/100ft2)では、P.citricolaは1日後には54%の回収率を、2および3日後には0%の回収率で、一方、P.cinnamomiは1日処理で65%、2および3日では0%の回収率で、Aspergillusは1日では25%、2および3日後では0%の回収率であった。0.84μM/mlのMI(=0.5 lbの臭化メチル/100ft2)では、P.citricolaの回収は認められず、一方、P.cinnamomiは2日後では25%の回収率であったが、1および3日については回収率は0%であった。Aspergillus は1日後では20%の回収率であったが、2および3日後では0%であった。1.27μM/ml(=0.75 lbの臭化メチル/ft2)および1.69μM/ml(=1.0 lbの臭化メチル/ft2)のMI濃度は全ての処理時間について回収率は0%であった(表1)。
【0038】
全ての表で異なる文字が続く数字は、ダンカン−ウォーラー(Duncan-Waller)T試験を用いたp=.05で有意に異なっている。
【0039】
【表1】

【0040】
【数1】

【0041】
【数2】

【0042】
実施例3
この実験では、P.cinnamomi、P.citricola、P.parasitica およびR.solani を用いた。MI濃度は1.69、1.27、0.84、0.42および0.21μM/mlであった。燻蒸時間は24、48および72時間であった。
【0043】
P.cinnamomiについてのコントロール回収は、1日では100%、2日では99%、3日では100%であった。0.21μM/mlのMI(=0.125 lb臭化メチル/100ft2)についてP.cinnamomi回収率は、1日後では62%、2日後では64%、3日後では62%であった。0.42μM/mlのMI(=0.25 lb臭化メチル/100ft2)では回収率は、1日後では39%、2日後では23%、3日後では5%であった。0.84μM/ml(=0.5 lb臭化メチル/100ft2)、1.27μM/ml(=0.75 lb臭化メチル/100ft2)および1.69μM/ml(=1.0 lb臭化メチル/100ft2)の、より高濃度のMIについてはいずれの燻蒸時間でも回収は認められなかった(表2)。
【0044】
P.citricolaについては、1日後の回収率は、コントロールで100%、0.21μM/mlのMIで100%、0.42μM/mlのMIで100%、0.84μM/mlおよびそれより高いMIでは0%であった。2日後ではコントロールは100%、0.21μM/mlのMIは85%、0.42μM/mlのMIは4%、それより高いMIは全て0%であった。3日後ではコントロールは99%、0.21μM/mlのMIは61%、他の濃度は全て0%であった(表2)。
【0045】
P.parasitica については、1日後のコントロール、0.21および0.42μM/mlのMIでは全て100%で、それより高い濃度については全て0%であった。2日後のコントロールおよび0.21μM/mlのMIの回収率は100%で、0.42μM/mlのMIでは54%で、他の全ての濃度では0%であった。3日後コントロールの暴露回収は98%で、0.21μM/mlのMIは100%、0.42μM/mlのMIは76%で、他の全ての濃度は0%であった(表2)。
【0046】
Rhizoctonia については、1日後の回収はコントロール、0.21および0.42μM/mlのMIでは100%で、0.84μM/mlのMIでは29%であった。他の全ての濃度では0%であった。2日後のコントロールおよび0.21μM/mlのMIでは回収率は100%で、0.42μM/mlのMIでは93%で、他の全ての濃度では0%であった。3日後コントロールおよび0.21μM/mlのMIでは100%回収され、0.42μM/mlのMIでは48%で、他の全ての濃度では0%であった(表2)。
【0047】
【表2】

【0048】
【数3】

【0049】
【数4】

【0050】
【数5】

【0051】
実施例4
この実験では、P.citrophthora 、P.citricola、P.parasitica およびR.solani を用いた。MI濃度は1.69、1.27、0.84、0.42および0.21μM/mlであった。燻蒸時間は24、48および72時間であった。
1日後、P.citrophthora の回収はコントロールおよび0.21μM/mlのMIでは100%であった。2日後、コントロールの回収は100%で、0.21μM/mlのMIでは回収は32%であった。3日後、回収はコントロールでは100%、0.21μM/mlのMIでは10%であった。他の全ての暴露では回収は0%であった。
【0052】
P.citricolaについては、1日暴露したコントロールは100%回収され、0.21μM/mlのMIの回収は33%であった。2日後、回収はコントロールについて100%、0.21μM/mlのMIについては1%、0.84および1.69μM/mlのMIでは2%であった。3日後、コントロールの回収は100%、他の全ての暴露で回収は0%であった。
【0053】
P.parasitica については、コントロールで回収は3通りの時間全てで100%で、一方、0.21μM/mlのMIでは1日処理の回収は98%、2日では19%であった。他の全ての暴露では0%であった。
【0054】
この実験では、Rhizoctonia の回収は、コントロールおよび0.21μM/mlのMIでは3通りの時間全てについて、さらに0.42μM/mlのMIでは1日暴露について100%であった。0.42μM/mlのMIの2日後の回収は32%、3日後では91%であった。0.84μM/mlのMIでは、回収は1日、2日および3日についてそれぞれ30%、44%および45%であった。
1.27μM/mlのMIでは、回収は同じ3通りの時間について17%、43%および68%であった。1.69μM/mlのMIでは、回収は1日では20%、2日では53%および3日では78%であった。
【0055】
【表3】

【0056】
【数6】

【0057】
【数7】

【0058】
【数8】

【0059】
実施例5
調べた沃化アルキルは、ヨウ化メチル、1−ヨードエタン、1−ヨードプロパン、2−ヨードプロパン、1−ヨードブタン、1−ヨードペンタン、ジヨードメタンおよび1−ヨード−2−メチルプロパンであった。接種物および実験は、実施例1のように調製または実施した。化学物質は、1.27および0.42μM/ml(それぞれ100ft3当た
り3/4 lbおよび1/4 lbの臭化メチルに等しい)の割合でモルベースで比較した。試験生物はPhytophthoraparasitica であった。土壌湿度は24%であった。燻蒸暴露は、各処理につき25個の種子×4複製で48時間であった。
【0060】
この実験では、ヨウ化メチルは最も有効な化合物で、両方の濃度(1.27および0.42μM/ml=3/4 lb臭化メチル/100ft3および1/4 lb臭化メチル/
100ft3)で回収は0%であった。ジヨードメタンがこれに続き、高濃度では回収は62%であった。他の全ての濃度ではコントロールと有意な違いはなかった(表4)。
【0061】
【表4】

【0062】
実施例6
この実験のために実施例5のように土壌を調製した。土壌の湿度は32%であった。用いた割合は、ヨウ化メチルについては1.27および0.42μM/ml、他の全ての物質については2.54および1.27μM/mlであった。燻蒸暴露は、各処理につき25個の種子の4複製で48時間実施した。ここでもヨウ化メチルは最も有効な化合物で両方の濃度(1.27および0.42μM/ml=3/4 lbおよび1/4 lb/100ft3)で回収は0%であった。
2.54μM/ml(=1.5 lbMBr/100ft3)の1−ヨードエタンがこれに続いた。他の全ての濃度はコントロールと有意な違いは無かった。
【0063】
【表5】

【0064】
実施例7
この実験は、0.42、0.84、1.27、1.69および2.11μM/ml(1/4、1/2、3/4、1および5/4 lb臭化メチル/100ft3に等しい)のヨウ化メチル、ジヨードメタンおよび1−ヨードエタンの比較であった。Phytophthora parasitica を試験生物として用いた。土壌湿度は32%で燻蒸時間は48時間であった。各処理について4複製であった。全ての濃度でヨウ化メチルの使用が最良で、他の処理と有意な差異があった。この後に2.11μM/mlのジヨードメタンと1−ヨードエタン、さらに1.69および1.27μM/mlのジヨードメタンが続いた。他の全ての処理ではコントロールと有意な違いはなかった。
【0065】
【表6】

【0066】
実施例8
この野外実験のための試験土壌は砂質ロームで、15cmの湿度は平均5.85%であった。実験は任意のブロックで各処理につき4複製で7通りの処理を実施した。試験生物はPhytophthora parasitica で、上記のように調製し、野外に配置する前に実験室の栽培床で一晩保温した。使用した燻蒸薬は454、227および113.5g/9m2(1、
1/2および1/4 lb/100ft2)の臭化メチルおよび684、342および171g/9m2(1.5、0.75および0.325 lb/100ft2)のヨウ化メチル
であった。これらの割合は4.8、2.4および1.2モルである。ヨウ化メチルおよび臭化メチルは性能が同様であった。燻蒸された6区画の回収%は低かった。2.4MではMIおよびMBrの両方で菌が回収された区画が2つあった。MIは4.8Mで1%の回収があり、MBrは1.2Mで1%の回収があった。MBrについて最も高い回収率は2.4モル、12インチでの3%で、一方、MIについては2.4M、6インチでの4%であった。全てのコントロールの回収は100%であった(表7)。
【0067】
【表7】

【0068】
実施例9
この野外実験では、土壌湿度は15から30cmの間で平均して9.5%であった。実施例8のように臭化メチルを使用した。ヨウ化メチルは95%エタノールと混合し、分布をよくするために区画内に十字に注いだ。燻蒸薬の割合は実施例5の通りであった。エタノールは、高率、中率および低率についてそれぞれ160、80および40mlで混合した。コントロールは、非処理およびエタノールで160ml/区画であった。区画は、4日間燻蒸して播種前に1日換気した。
【0069】
MIおよびMBrはこの場合もまた性能は同じであったが、燻蒸区画の回収%は、1.2Mの割合では4区画(MI2区画、MBr2区画)について、さらに2.4Mの割合では1区画(MBr)について24から45%の範囲であった。
コントロールは、6および12インチの深さでは回収は99から100%であった。1インチの深さでは全ての処理で回収は0%で、これは日光に曝されたためである(表8)。
【0070】
【表8】

【0071】
実施例10
3種類の雑草の種子に対するMI燻蒸の効果を求めた。異なる濃度のMIで燻蒸した後のこれらの種子の生存率は表9に示す。生存率は、処理した発芽種子の数を未処理の発芽種子の数で割ることによって算出した。
【0072】
【表9】

【0073】
実施例11
線虫(Meloidogyneincognita)に対するMIの効果を調べた。異なる濃度のMIで燻蒸した後の生存率は表10に示す。生存率は、処理した生存線虫の数を未処理の生存線虫の数で割ることによって算出した。
【0074】
【表10】

【0075】
実施例12
柑橘類線虫(Tylenchulus semipenetrans)に対するMIの効果を調べた。異なる濃度の
MIで燻蒸した後の生存数は表11に示す。
【0076】
【表11】

【0077】
実施例13
土壌中の種子の生存に対するヨウ化メチル、臭化メチル、透明および黒色プラスチックカバーの影響を調べた。
【0078】
【表12】

【0079】
本発明を好ましい実施態様および実証例を参考に説明したが、前述の明細を読めば当業者には種々の変更や同等のものによる置換を実施することが可能であることは理解されるところであろう。したがって、本発明の範囲は実施例を参考に限定されるのではなく、むしろ添付の請求の範囲によって制限される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
土壌に有効量の液状又はガス状のヨウ化メチルを適用することを含む土壌の燻蒸方法であって、前記有効量が、2.23〜2250kg/ヘクタールの間である方法。

【公開番号】特開2011−16823(P2011−16823A)
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−192226(P2010−192226)
【出願日】平成22年8月30日(2010.8.30)
【分割の表示】特願2009−192995(P2009−192995)の分割
【原出願日】平成7年9月19日(1995.9.19)
【出願人】(592130699)ザ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ カリフォルニア (364)
【氏名又は名称原語表記】The Regents of The University of California
【Fターム(参考)】