説明

土壌生息害虫及び/または土壌介在性疾患の改良された制御方法

土壌生息害虫及び/または土壌介在性疾患を制御するための方法であって、当該方法は植物繁殖材料を有効量の殺虫剤組成物で処理し、及び/または有効量の殺虫剤組成物を制御が所望される場所に施用することを含んで成り、ただし当該組成物は、活性成分として25℃、中性pHで、最大で100 μg/リットルの水溶解度を有する1種以上の殺虫剤(A)、及び少なくとも1種の製剤補助剤を含んで成り、ここでの当該組成物における粒子径は、X90で3.60 μm〜0.70 μmの範囲にある。アバメクチンは線虫損傷に対して特に有効であることが見出された。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物繁殖材料、特に種子及び後になって成長する植物器官を保護するための方法、土壌生息害虫(soil-dwelling pest)及び/または土壌介在性疾患(soil-borne disease)を制御するための方法、植物の成長特徴を改善するための方法、並びにかかる方法において使用するための殺虫組成物及び殺虫剤に関する。
【背景技術】
【0002】
園芸及び農作業における土壌生息害虫及び/または土壌介在性疾患は、弱い損傷を成す個体群(例えば土壌昆虫)、それらの顕微鏡的大きさ(例えば真菌性病原体、線虫)のせいで、及び活動期とは異なる休眠期(例えば真菌性病原体)のせいで見つけるのが困難である。作物成長の間の処理は殆ど不可能である。いくつかの植物は地下で生み出される(例えばジャガイモ、ニンジン)ので、栽培者は損傷生物の生産量と品質への直接的な影響を抑えることを求め;また長周期の植物(例えばつる植物、樹木作物)は有害生物が根域に群がるために、やがて生産性が下降し得る。
【0003】
より集中的な生産システムでは、これは一般に臭化メチル及びメタムソジウム等の広域土壌燻蒸剤の使用を意味する。現在、臭化メチルはMontrealプロコトルの下で段階的に廃止されつつある。
【0004】
これらの理由のために土壌介在性害虫は、植物成長における最も難しい害虫管理事情を示す。
【0005】
多くの土壌害虫の予測不能で不可解な性質、及びそれらが少数でも存在すれば損傷を引き起こす能力のおかげで、栽培者は、殆どの場合、土壌介在性害虫及び疾患の脅威に害虫の予防措置により対抗する。予防措置の選択は、主要な局所害虫であることを示した経験との関連において理解された必要性に依存する。近年では、比較的に特異的な害虫への施用(すなわち殺昆虫剤、殺真菌剤、殺バクテリア剤、殺線虫剤)は、臭化メチル及びメタムソジウム等の広域土壌燻蒸剤の使用についての方法を与えている。現在、臭化メチルは、Montrealプロトコルの下で段階的に廃止されている。メタムソジウムは、湿潤土との接触で毒性化合物であるメチルイソチオシアネート(MITC)を産出する。さらに土壌燻蒸剤と呼ばれ、ガスとして土壌を通って移動する殺虫剤の意味を含むメタムソジウムは、MITCが高い水溶性であり、且つ土壌の水分中で最初に分散するので、おそらく土壌殺虫剤としてより綿密に発表されている。それらの園芸全般における広範な使用及び増加している使用、及びいくつかのジャガイモ生産領域における徹底的な使用にもかかわらず、多くの栽培者は、非常に高額のためにメタムソジウムを使用しない。また栽培者は、安全性または環境的な理由のために、かかる強力な広域殺虫剤を使用することについてしばしば危惧している。有害な過去の経験に基づき、単一の殺虫剤に頼り始めることについての懸念も存在している。土壌燻蒸剤の場合は非常に制限され、且つ先細りの選択が存在し、また新規製品の兆しが見えない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
定義された粒子径を有する所定の殺虫剤(または活性成分化合物)、特に殺昆虫剤、殺ダニ剤、殺真菌剤、殺バクテリア剤及び殺線虫剤が、土壌生息害虫及び/または土壌介在性疾患の改良された制御を提供し、それによって植物繁殖材料と後になって成長する植物器官を土壌生息害虫及び/または土壌介在性疾患由来の損傷から保護することをここに見出した。
【課題を解決するための手段】
【0007】
適切な形態にある殺虫剤は、植物繁殖材料の植え付け前でも植え付け中でも、または植物繁殖材料の播種前でも播種中でも当該繁殖材料上で処理され、及び/或いは植物繁殖材料の植え付け前でも植え付け中でも植え付け後でも、または植物繁殖材料の播種前でも播種中でも播種後でも当該繁殖材料の場所に直接施用され得る。これは栽培者に土壌生息害虫及び/または土壌介在性疾患抑制において取得し得る最大の利益を得るためのより健全な基盤に基づくオプションを提供するだろう。
【0008】
したがって第一の観点では本発明は、植物繁殖材料及び後になって成長する植物器官を保護するための方法を提供し、当該方法は、当該植物繁殖材料を、活性成分として25℃、中性pHで最大で100 μg/リットルの水溶解度を有する1種以上の殺虫剤(A)、及び少なくとも1種の製剤補助剤を含む有効量の殺虫組成物で処理することを含んで成り、ここでの当該組成物における粒子径は、3.60 μm〜0.70 μmの範囲にある。
【0009】
したがって本発明は、植物繁殖材料及び後になって成長する植物器官を土壌生息害虫及び/または土壌介在性疾患由来の損傷または傷害から保護する。さらに種子伝染病に対する保護も成される。かかる状況においては、当該植物の成長特徴が改善される。
【0010】
第二の観点では本発明は、土壌生息害虫及び/または土壌介在性疾患を制御するための方法を提供し、当該方法は植物繁殖材料を有効量の殺虫剤組成物で処理し、及び/または有効量の殺虫剤組成物を制御が所望される場所に適用することを含んで成り、ただし当該組成物は、活性成分として第一の観点において定義された1種以上の殺虫剤(A)、及び少なくとも1種の製剤補助剤を含んで成り、ここで当該組成物における粒子径は、3.60 μm〜0.70 μmの範囲にある。
【0011】
第三の観点では本発明は、活性成分として第一の観点において定義された1種以上の殺虫剤(A)、及び少なくとも1種の製剤補助剤を含んで成る殺虫剤組成物を提供し、ここで当該組成物における粒子径は、3.60 μm〜0.70 μmの範囲にある。
【0012】
第四の観点では本発明は、3.60 μm〜0.70 μmの範囲の粒子径を有する第一の観点において定義された殺虫剤を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明を以下により詳しく説明する。
一般に本発明にかかる殺虫剤(A)は、例えば殺虫剤マニュアルで示されるように25℃、中性pHで、最大でも100 μg/リットル(例えば50 μg/リットル未満、好適には20〜1 μg/リットルの間、より好適には10〜1 μg/リットルの範囲内)の貧水溶性を有するので、殺虫剤(A)を含む組成物は、典型的に殺虫剤(A)を懸濁した固体粒子として、殺虫剤(A)をカプセル中に、または殺虫剤(A)を例えば水の中のオイル、エマルジョン滴において含む。したがって当該殺虫剤は、一般に有機溶媒中により可溶性であるか、または有機溶媒中に分散可能である。本発明の驚くべき発見は、かかる殺虫剤の殺虫活性が、例えば本発明にかかる殺虫剤組成物の形態にある殺虫剤(A)の処理または施用で改良されることである。
【0014】
当該殺虫剤または活性成分化合物は遊離体であっても塩形態であってもよい。
【0015】
殺虫剤(A)の適切な例は、アバメクチン、アクリナトリン、α-シペルメトリン、アセキノシル、アミトラズ、ベノミル、β-シフルトリン、ビフェントリン、ビオレスメトリン、ビストリフルロン、ブロモプロピレート、クロルエトキシホス、クロルフルアズロン、クロフェンテジン、シフルトリン、シハロトリン、シペルメトリン、シフェノトリン、ドデモルフ、エスフェンバレレート、エトフェンプロックス、フェンバレレート、フルシクロクスロン、フルフェノクスロン、ヒドラメチルノン、λ-シハロトリン、ルフェヌロン、メカルバム、ノバルロン、ペルメトリン、フェノトリン、シラフルオフェン、タウ-フルバリネート、ZXI 8901(3-(4-ブロモフェノキシ)-a-シアノベンジル 2-[4-(ジフルオロメトキシ)フェニル]-3-メチルブタノエート)、及び所定のビスアミド(フルベンジアミド(3-ヨード-N-(2-メシル-1,1-ジメチルエチル)-N-{4-[1,2,2,2-テトラフルオロ-1-(トリフルオロメチル)エチル]-o-トリル}フタラミド)及び式A-1の化合物:
【化1】

等)である。
【0016】
1つの態様では、アバメクチン、λ-シハロトリン、シフルトリン、β-シフルトリン、エスフェンバレレート、シラフルオフェン、タウ-フルバリネート、エトフェンプロックス、フェンバレレート、シハロトリン、α-シペルメトリン、シペルメトリン、ノバルロン、ルフェヌロン、フルフェノクスロン、メカルバム、ZXI 8901、ベノミル、フルベンジアミド及び式A-1の化合物が殺虫剤(A)の好適な例である。
【0017】
好適な態様では、アバメクチンが殺虫剤(A)である。
【0018】
本発明の任意の1つの観点の粒子径は、好適には3.40 μm〜0.80 μm、より好適には2.60 μm〜1.2 μm、最適には2.00 μm〜1.50 μmの範囲にある。
【0019】
殺虫剤の具体的な最適の大きさは、一般に実際の殺虫剤、及びそれを含む殺虫組成物に依存して変化する(すなわち当該殺虫剤が懸濁した固体として存在するか、または分散化カプセル中もしくはエマルジョン滴中に存在するかに依存して変化する)。したがって当該殺虫剤粒子は、懸濁した固体として、または分散化カプセルもしくはエマルジョン滴(例えば水滴中のオイル)として存在し得るので、本明細書で定義された粒子径はかかる粒子を言う。
【0020】
本明細書で使用される粒子径は、粒子の直径を言う。一般に化合物またはサンプルは、当該化合物またはサンプルの粒子径が区分されほどに多様な大きさの多数の粒子を有する。本明細書で使用される粒子径は、特に断りのない限り、化合物またはサンプル中の粒子の90容積%が有する最大の大きさを言う。すなわちその大きさは最小の粒子の90容積%の最大の大きさに相当する(しばしばX90として言及される;さらに詳細には方法ISO 13320-1:1999を参照)。殺虫剤の粒子径を決定するための装置及び方法は、当業者に公知である。適切な装置の例は、Malvern Mastersizer S, CILAS, COULTER COUNTER, Helos (SYMPATEC)である。
【0021】
1つの態様では、さらにX90に相当するように本明細書において定義された大きさを有する化合物またはサンプル中の粒子は、X50での大きさも有する。すなわちサンプルまたは化合物中の最小の粒子の50容積%は、ある一定の最大の大きさを有する(さらに詳細には方法ISO 13320-1:1999を参照)。したがって以下の表は、X90及びX50の間に相当する粒子径を提供する。
【表1】

【0022】
一般に当該殺虫剤は殺虫剤組成物での使用のために利用可能である。当該殺虫剤組成物は、殺虫剤及び少なくとも1種の製剤補助剤を含んで成り、ここでの1種以上の補助剤は、カプセルまたはエマルジョン滴中で使用されることによって殺虫剤粒子中に取り込まれ、或いは組成物中の殺虫剤と共に懸濁され得る。したがって殺虫剤粒子径は、粒子を含む殺虫剤を言う。顔料等の組成物中の粒子として検出される非-殺虫剤粒子が組成物中にあるような場合は、本明細書において定義された粒子径は、組成物中の粒子の合計の粒子径を言うこともできる(非-殺虫剤粒子を含む)。好適には粒子径は、殺虫剤粒子径である。
【0023】
好適には殺虫剤粒子は、一般に水性組成物中で懸濁した固体粒子である。
【0024】
1つの態様では粒子径は、殺虫剤または活性成分化合物の実際の大きさである。
【0025】
1つの態様では、アバメクチンの粒子径は、3.40 μm〜0.80 μm、より好適には2.60 μm〜1.2 μm、最適には2.00 μm〜1.50 μmの範囲にあり(それぞれX90に基づく)、且つ当該粒子は水性組成物中に懸濁される。
【0026】
定義された殺虫剤粒子は、例えば1種以上の砂、粘土及び沈泥を45〜100%の砂、0〜55%の泥及び/または0〜50%の沈泥の比率で含むような土壌等の砂質粘土、砂質粘土ローム、砂質ローム、ローム性砂または砂のタイプの土壌に特に有効であり、且つ改善された害虫制御の結果としての特別な利点は、より少ない量の殺虫剤が使用され得ることである。
【0027】
粒子、特に殺虫剤粒子のために安定な粒子径を得るための方法は、当業者に公知である。
【0028】
当業者は、殺虫剤のために得られる粒子径が安定であり、且つ当該殺虫剤粒子が不十分な殺虫剤組成物を導く殺虫剤組成物中での堆積、凝集、または沈殿の傾向にないことを確実にする必要があるだろう。これを達成するための方法は公知であり、例えば適量の適切な界面活性剤を選定することによる。
【0029】
固体の殺虫剤粒子の場合は、アエジェット粉砕及び乾燥粉砕が粒子のサイズ化に適切な方法である。予め決められた粒子径範囲を得るためには、制御された条件下での粒子の沈殿も適している。粒子が液体中に懸濁している場合は、湿式粉砕が粒子のサイズ化に適した方法である。一般に殺虫剤の技術的材料等である固体粒子は、予め決められた粒子径に粉砕され、その後、粉砕された粒子は、水等の液体中に懸濁され、そして湿式粉砕を経由して完全に粉砕されて、所望される粒子径が得られる。
【0030】
カプセルまたはエマルジョン滴を所望される大きさにするための方法は、当業界において公知である。例えば定義された大きさのエマルジョン滴を有する殺虫剤組成物は、有機及び水性組成物(そのうちの1つは殺虫剤及び適切な界面活性剤(単数または複数)を含む)の適切な撹拌によって、及び/または粒子径を制御するための特徴を備えたノズル等の特定の装置と共に殺虫剤組成物を用いることによって達成され得る。かかる方法及び装置は当業者に公知である。
【0031】
本発明は、特に農学的に重要な植物に適し、その植物は商業規模で栽培または耕作または育成される植物を言う。
【0032】
かかる農学的植物(または作物)の例は、制限なく、綿花、トウモロコシ、穀物(小麦、 大麦、ライ麦及び米を含む)、野菜(トマト等の果実野菜、球根野菜、葉物野菜、アブラナ科(brassicas)及び根野菜を含む)、クローバー、マメ科植物(豆、大豆、エンドウ豆及びアルファルファを含む)、サトウキビ、テンサイ、タバコ、菜種(カノーラ)、果物(バナナ、サクランボ、オレンジ、レモン、グレープフルーツ、マンダリン、柑橘類、ブドウ、核果等)、永年作物、落葉植物、ヒマワリ、ベニバナ、及びソルガムを含む。
【0033】
好適な例は、小麦、大麦、ライ麦、米、綿花、ドウモロコシ、大豆、菜種、トマト等の果実野菜、球根野菜、葉物野菜、アブラナ科及び根野菜、ジャガイモ、ヒマワリ、テンサイ及びソルガムである。
【0034】
本発明に従って使用される植物及びそれらの繁殖材料は、それらが昆虫、線虫等の殺虫剤の抵抗性、除草剤及び疾患抵抗性を発現する1種以上の遺伝子を含むように遺伝子的に改変され得る。
【0035】
それらは例えば毒素生産無脊椎動物(特にバチルス・チューリンゲンシス株から得ることができる節足動物門)由来の公知の選択的に作用する毒素;または植物由来(レクチン等)の公知の選択的に作用する毒素を合成することができる方法において;或いは除草または殺真菌抵抗性を発現することができる方法において組換えDNA技術によって形質転換され得る。かかる毒素、またはかかる毒素を合成することができるトランスジェニック植物の例は、例えばEP-A-O 374 753、WO 93/07278、WO 95/34656、EP-A-O 427 529及びEP-A-451 878に開示され、そして本願中に参照によって導入されている。
【0036】
用語"植物繁殖材料"とは、種子等の植物の全ての生殖力のある部分を言うと理解され、切断物及び塊茎(例えばジャガイモ)等の後になって成長力を示す植物材料の増殖に使用され得る。したがって本明細書において使用されるような植物の部分は、繁殖材料を含む。ここでは例えば種子(厳密な意味で)、根、果物、塊茎、球根、根茎、植物の部分が言及され得る。発芽後または土壌から出芽後に移植される発芽植物及び若木にも言及され得る。これらの若木は、移植前に浸漬による全体または部分処理によって保護され得る。
【0037】
植物の部分及び後期の時点で成長する植物器官は、種子等の植物繁殖材料から発達する植物の任意の区画である。植物の部分、植物器官及び植物は、植物繁殖材料上への殺虫剤組成物の施用によって達成される病原性損傷及び/または害虫損傷の保護から利益を得ることもできる。1つの態様では、植物の所定の部分及び後になって成長する所定の植物器官を植物繁殖材料と見なすこともでき、それら自体を殺虫剤組成物に施用(または処理)することができ;その結果、植物の更なる部分並びに植物の処理された部分及び処理された植物器官から発達する植物もまた、植物の所定の部分及び所定の植物器官上への殺虫剤組成物の施用によって達成される病原性損傷及び/または害虫損傷の保護から利益を得ることができる。
【0038】
用語"植物繁殖材料"とは、種子等の植物の全ての生殖力のある部分を言うと理解され、切断物及び塊茎(例えばジャガイモ)等の後になって成長力を示す植物材料の増殖に使用され得る。ここでは例えば種子(厳密な意味で)、根、果物、塊茎、球根、根茎、植物の部分が言及され得る。発芽後または土壌から出芽後に移植される発芽植物及び若木にも言及され得る。好適な植物繁殖材料は種子である。本発明の1つの観点では、これらの若木及び生殖力のある部分は、移植前の殺虫剤(例えば本発明にかかる殺虫剤組成物の形態にある)による全体処理または部分処理(例えば浸漬による処理)によって保護され得る。
【0039】
本発明は、農業、園芸業及び林業において見出され、且つ植物発達の初期段階において植物を損傷し得る動物害虫(特に昆虫、クモ形類及び線虫)及び土壌介在性真菌性病原体等の土壌に生息する害虫に対して特に有効である。
【0040】
動物害虫の例は以下を含む:
鱗翅(Lepidoptera)目からは、例えばアクレリス(Acleris)種、アドキソフィエス(Adoxophyes)種、アエゲリア(Aegeria)種、アグロチス(Agrotis)種、アラバマ・アルギラセエ(Alabama argillaceae)、アミロイス(Amylois)種、アンチカルシア・ジェムマタリス(Anticarsia gemmatalis)、アーチップス(Archips)種、アージロタエニア(Argyrotaenia)種、アウトグラファ(Autographa)種、ブッセオラ・フスカ(Busseola fusca)、カドラ・カウテラ(Cadra cautella)、カーポジナ・ニッポネンシス(Carposina nipponensis)、チロ(Chilo)種、コリストノイラ(Choristoneura)種、クリシア・アンビグエラ(Clysia ambiguella)、クナファロクロシス(Cnaphalocrocis)種、クネファシア(Cnephasia)種、コキリス(Cochylis)種、コレオフォラ(Coleophora)種、クロシドロミア(Crocidolomia)種、クリプトフレビア・ロイコトレータ(Cryptophlebia leucotreta)、クリソデイキス・インクルデンス(Crysodeixis includens), サイディア(Cydia)種、ディアトラエア(Diatraea)種、ディパロプシス・カスタネア(Diparopsis castanea)、エアリアス(Earias)種、エラスモパルパス(Elasmopalpus)種、エフェスチア(Ephestia)種、ユーコズマ(Eucosma)種、ユーポエシリア・アンビグエラ(Eupoecilia ambiguella)、ユープロクティス(Euproctis)種、ユーキソア(Euxoa)種、グラフォリタ(Grapholita)種、ヘドヤ・ヌビフェラナ(Hedya nubiferana)、ヘリオチス(Heliothis)種、ヘルラ・ウンダリス(Hellula undalis)、ハイファントリア・キュネア(Hyphantria cunea)、ケイフェリア・リコパーシセラ(Keiferia lycopersicella)、ロイコプテラ・サイテラ(Leucoptera scitella)、リトコレティス(Lithocollethis)種、ロベシア・ボトラーナ(Lobesia botrana)、リマントリア(Lymantria)種、リオネティア(Lyonetia)種、マラコソマ(Malacosoma)種、マメストラ・ブラッシサエ(Mamestra brassicae)、マンジュカ・セクスタ(Manduca sexta)、オペロフテラ(Operophtera)種、オストリニア・ヌビラリス(Ostrinia nubilalis)、パメネ(Pammene)種、パンデミス(Pandemis)種、パノリス・フラメア(Panolis flammea)、ペクチノフォラ・ゴッシピエラ(Pectinophora gossypiella)、フトリマエア・オペルクレラ(Phthorimaea operculella)、ピエリス・ラーパエ(Pieris rapae)、ピエリス(Pieris)種、プルテラ・キシロステラ(Plutella xylostella)、プレイス(Prays)種、シルポファガ(Scirpophaga)種、セサミア(Sesamia)種、スパーガノジス(Sparganothis)種、スポドプテラ(Spodoptera)種、シナンセドン(Synanthedon)種、タウメトポエ(Thaumetopoea)種、トルトリクス(Tortrix)種、トリコプルシア・ニー(Trichoplusia ni)及びイポノモイタ(Yponomeuta)種;
【0041】
鞘翅(Coleoptera)目からは、例えばアグリオテス(Agriotes)種、アントノムス(Anthonomus)種、アトマリア・リネアリス(Atomaria linearis)、セウトリンカス(Ceutorhynchus)種、ケトクネマ・チビアリス(Chaetocnema tibialis)、コスモポリテス(Cosmopolites)種、クルクリオ(Curculio)種、デルメステス(Dermestes)種、ディアブロチカ(Diabrotica)種、エピラクナ(Epilachna)種、エレムヌス(Eremnus)種、ゴノセファルム(Gonocephalum)種、ヘテロニカス(Heteronychus)種、レプチノターサ・デケムリネエータ(Leptinotarsa decemlineata)、リッソロプトルス(Lissorhoptrus)種、メロロンタ(Melolontha)種、オリケフィルス(Orycaephilus)種、オチオリンクス(Otiorhynchus)種、フリクチヌス(Phlyctinus)種、フィロトレタ(Phyllotreta)種、ポピリア(Popillia)種、プロトストロフス(Protostrophus)種、プシリオデス(Psylliodes)種、リゾペルタ(Rhizopertha)種、スカラベイデ(Scarabeidae)、シトフィラス(Sitophilus)種、シトトロガ(Sitotroga)種、テネブリオ(Tenebrio)種、トリボリウム(Tribolium)種及びトロゴデルマ(Trogoderma)種;
【0042】
直翅(Orthoptera)目からは、例えばブラッタ(Blatta)種、ブラテラ(Blattella)種、グリロタルパ(Gryllotalpa)種、ロイコファエア・マデラエ(Leucophaea maderae)、ロカスタ(Locusta)種、ペリプラネタ(Periplaneta)種及びシストセルカ(Schistocerca)種;
【0043】
シロアリ(Isoptera)目からは、例えばレチクリテルメス(Reticulitermes)種;
【0044】
チャタテムシ(Psocoptera)目からは、例えばリポセリス(Liposcelis)種;
【0045】
シラミ(Anoplura)目からは、例えばヘマトピヌス(Haematopinus)種、リノグナツス(Linognathus)種、ペディクルス(Pediculus)種、ペンフィグス(Pemphigus)種及びフィロキセラ(Phylloxera)種;
【0046】
食毛(Mallophaga)目からは、例えばダマリネア(Damalinea)種、及びトリコデスクテス(Trichodectes)種;
【0047】
総翅(Thysanoptera)目からは、例えばフランクリニエラ(Frankliniella)種、ヘルシノスリップス(Hercinothrips)種、タエニオスリップス(Taeniothrips)種、スリップス・パルミ(Thrips palmi)、スリップス・タバシ(Thrips tabaci)、及びシルトスリップス・アウランティ(Scirtothrips aurantii);
【0048】
異翅(Heteroptera)目からは、例えばジケロプス・メラカンサス(Dichelops melacanthus)、ジスタンチエラ・セオブローマ(Distantiella theobroma)、ジスダーカス(Dysdercus)種、ユーチスタス(Euchistus)種、ユーリガスター(Eurygaster)種、レプトコリサ(Leptocorisa)種、ネザラ(Nezara)種、ピエスマ(Piesma)種、ロドニウス(Rhodnius)種、サールバーゲラ・シングラリス(Sahlbergella singularis)、スコチノファーラ(Scotinophara)種及びトリアトーマ(Triatoma)種;
【0049】
同翅(Homoptera)目からは、例えばアロイロスリクス・フロコッサス(Aleurothrixus floccosus)、アレイローデス・ブラシカ(Aleyrodes brassicae)、アオニジエラ(Aonidiella)種、アフィジダエ(Aphididae)、アフィス(Aphis)種、アスピジオタス(Aspidiotus)種、ベミシア・タバシ(Bemisia tabaci)、セロプラスター(Ceroplaster)種、クリソムファラス・アオニジウム(Chrysomphalus aonidium)、クリソムファルス・ディクチオスペルミ(Chrysomphalus dictyospermi)、コッカス・ヘスペリダム(Coccus hesperidum)、エムポアスカ(Empoasca)種、エリオソマ・ラリゲルム(Eriosoma larigerum)、エリスロノイラ(Erythroneura)種、ガスカルディア(Gascardia)種、ラオデルファクス(Laodelphax)種、レカニウム・コルニ(Lecanium corni)、レピドサフエス(Lepidosaphes)種、マクロシフス(Macrosiphus)種、マイザス(Myzus)種、ネフォテティックス(Nephotettix)種、ニラパーバータ(Nilaparvata)種、パラトリア(Paratoria)種、ペムフィガス(Pemphigus)種、プラノコッカス(Planococcus)種、シューダウラカスピス(Pseudaulacaspis)種、シュードコッカス(Pseudococcus)種、プシラ(Psylla)種、プルビナリア・エティオピカ(Pulvinaria aethiopica)、クアドラスピジオタス(Quadraspidiotus)種、ロパロシフム(Rhopalosiphum)種、サイッセチア(Saissetia)種、スカフォイデウス(Scaphoideus)種、スキザフィス(Schizaphis)種、シトビオン(Sitobion)種、トリアロイロデス・バポラリオラム(Trialeurodes vaporariorum)、トリオーザ・エリトレアエ(Trioza erytreae)及びウナスピス・シトリ(Unaspis citri);
【0050】
膜翅(Hymenoptera)目からは、例えばアクロミルメクス(Acromyrmex)、アタリア・ロザエ(Athalia rosae)、アッタ(Atta)種、セフス(Cephus)種、ジプリオン(Diprion)種、ジプリオニダエ(Diprionidae)、ジルピニア・ポリトーマ(Gilpinia polytoma)、ホプロキャンパ(Hoplocampa)種、ラシウス(Lasius)種、モノモリウム・ファラオニス(Monomorium pharaonis)、ネオジプリオン(Neodiprion)種、ソレノプシス(Solenopsis)種及びベスパ(Vespa)種;
【0051】
双翅(Diptera)目からは、例えばアンセリゴーナ・ソッカータ(Antherigona soccata)、ビビオ・ホーチュラヌス(Bibio hortulanus)、セラチチス(Ceratitis)種、クリソミア(Chrysomyia)種、キューレックス(Culex)種、キュテレブラ(Cuterebra)種、ダカス(Dacus)種、デリア(Delia)種、ドロソフィラ・メラノガスター(Drosophila melanogaster)、リリオミザ(Liriomyza)種、メラナグロマイザ(Melanagromyza)種、オーセオリア(Orseolia)種、オスシネラ・フリット(Oscinella frit)、ペゴミイア・ヒオスシアミ(Pegomyia hyoscyami)、フォルビア(Phorbia)種、ラゴレチス・ポモネラ(Rhagoletis pomonella)、シアラ(Sciara)種;
【0052】
ダニ目からは、例えばアカラス・シロ(Acarus siro)、アセリア・シェルドーニ(Aceria sheldoni)、リンゴサビダニ(Aculus schlechtendali)、アムブリオーマ(Amblyomma)種、アーガス(Argas)種、ブレビパルパス(Brevipalpus)種、ブリオビア・プラエチオーサ(Bryobia praetiosa)、キャリピトリメラス(Calipitrimerus)種、コリオプテス(Chorioptes)種、ダーマニッサス・ガリナエ(Dermanyssus gallinae)、エオテトラニチュス・カーピニ(Eotetranychus carpini)、エリオフィエス(Eriophyes)種、ヒアローマ(Hyalomma)種、オリゴニクス・プラテンシス(Olygonychus pratensis)、オルニソドロス(Ornithodoros)種、パノニカス(Panonychus)種、フィロコプトルタ・オレイボーラ(Phyllocoptruta oleivora)、ポリファゴタルソネムス・ラツス(Polyphagotarsonemus latus)、プソロプテス(Psoroptes)種、リピセファラス(Rhipicephalus)種、リゾグリファス(Rhizoglyphus)種、サルコプテス(Sarcoptes)種、ターソネムス(Tarsonemus)種及びテトラニチュス(Tetranychus)種;並びに
【0053】
線虫目からは、例えばメロイドジン(Meloidogyne)種(例えばメロイドジン・インコギニタ(Meloidogyne incoginita)及びメロイドジン・ジャバニカ(Meloidogyne javanica))、ヘテロデラ(Heterodera)種(例えばヘテロデラ・グリシネス(Heterodera glycines)、ヘテロデラ・シャーキチ(Heterodera schachtii)、ヘテロドラ・アベナエ(Heterodora avenae)及びヘテロドラ・トリフォリ(Heterodora trifolii))、グロボデラ(Globodera)種(例えばグロボデラ・ロストチエンシス(Globodera rostochiensis))、ラドフォルス(Radopholus)種(例えばラドフォルス・シミレス(Radopholus similes))、ロチレンクルス(Rotylenchulus)種、プラチレンクス(Pratylenchus)種(例えばプラチレンクス・ネグレクタンス(Pratylenchus neglectans)及びプラチレンクス・ペネトランス(Pratylenchus penetrans))、アフェレンコイデス(Aphelenchoides)種、ヘリコチレンクス(Helicotylenchus)種、ホプロライムス(Hoplolaimus)種、パラトリコドラス(Paratrichodorus)種、ロンギドラス(Longidorus)種、ナコブス(Nacobbus)種、スバングイナ(Subanguina)種、ベロンライムス(Belonlaimus)種、クリコネメラ(Criconemella)種、クリコネモイデス(Criconemoides)種、ジチレンカス(Ditylenchus)種、ドリコドルス(Dolichodorus)種、ヘミクリコネモイデス(Hemicriconemoides)種、ヘミシクロフォラ(Hemicycliophora)種、ヒルシュマニエラ(Hirschmaniella)種、ヒプソペリネ(Hypsoperine)種、マクロポストニア(Macroposthonia)種、メリニウス(Melinius)種、パンクトデラ(Punctodera)種、クイニスルシウス(Quinisulcius)種、スクテロネマ(Scutellonema)種、キシフィネマ(Xiphinema)種及びチレンコリンカス(Tylenchorhynchus)種。
【0054】
真菌性病原体の例は、アルテルナリア(Alternaria)種、アスコキタ(Ascochyta)種、ボトリティス・シネレア(Botrytis cinerea)、セルコスポラ(Cercospora)種、クラウィケプス・プルプレア(Claviceps purpurea)、コクリオボルス・サチブス(Cochliobolus sativus)、コレトトリクム(Colletotrichum)種、エピコッカム(Epicoccum)種、フサリウム・グラミネアラム(Fusarium graminearum)、フサリウム・モニリホルメ(Fusarium moniliforme)、フサリウム・オキシスポラム(Fusarium oxysporum)、フサリウム・プロリフェラタム(Fusarium proliferatum)、フサリウム・ソラニ(Fusarium solani)、フサリウム・スブグルチナンス(Fusarium subglutinans)、グマンノミセス・グラミニス(Gaumannomyces graminis)、ヘルミントスポリウム(Helminthosporium)種、ミクロドチウム・ニベイル(Microdochium nivale)、ペニシリウム(Penicillium)種、フォマ(Phoma)種、ピレノホラ・グラミネア(Pyrenophora graminea)、ピリクラリア・オリザエ(Pyricularia oryzae)、リゾクトニア・ソラニ(Rhizoctonia solani)、リゾクトニア・セレアリス(Rhizoctonia cerealis)、スクレロティニア(Sclerotinia)種、セプトリア(Septoria)種、スファセロテカ・レイリアナ(Sphacelotheca reilliana)、チレチア(Tilletia)種、チフラ・インカルナート(Typhula incarnate)、ウロシスティス・オクルタ(Urocystis occulta)、ウスチラゴ(Ustilago)種またはバーチシリウム(Verticillium)種等の種子伝染性疾患及び土壌介在性疾患を含み、特に 穀物(小麦、大麦、ライ麦またはオート麦等); トウモロコシ;米;綿花;大豆;芝;テンサイ;菜種;ジャガイモ;豆類の穀物(エンドウ豆、レンズ豆またはヒヨコ豆等);及びヒマワリの病原菌に対する種子伝染性疾患及び土壌介在性疾患を含む。
【0055】
単一の殺虫剤は、2以上の分野における害虫制御の活性を有し得る。例えば殺虫剤は殺真菌剤、殺昆虫剤及び殺線虫剤活性を有し得る。特にアルジカルブは殺昆虫剤、殺ダニ剤及び殺線虫剤活性について公知であり、またメタムは殺昆虫剤、除草剤、殺真菌剤及び殺線虫剤活性について公知であり、並びにチアベンダゾール及びキャプタンは、殺線虫剤及び殺真菌剤活性を提供し得る。
【0056】
殺虫剤は、例えば特定の粒子径において純粋な形で(すなわち固体技術上の活性成分として)、または好適には増量剤(例えば第三の観点において定義された殺虫剤組成物の形態にある溶剤または固体担体、或いは表面活性化合物(界面活性剤))等の製剤技術において慣用の少なくとも1種の補助剤(アジュバントとしても公知)と共に使用され得る。
【0057】
一方、商業的な殺虫剤組成物または製品は、好適には濃縮物として製剤化され(予混合組成物として公知である(または製剤化された化合物(または製品)を濃縮する))、最終使用者(例えば農業従事者、栽培者または植物繁殖材料取扱者)は、通常、任意に1種以上の他の殺虫剤予混合物及び製剤補助剤を含む溶剤(水等)で希釈した後にそれらを使用するだろう。希釈された殺虫剤組成物は、タンク混合組成物(または適用準備のできた、スプレーブロス、またはスラリー)として公知である。殺虫剤組成物の最終消費者は、ある特定の状況において更なる希釈をせずに、商業的な殺虫剤組成物を使用することもできる。したがって本明細書において使用される殺虫剤組成物は、予混合組成物またはタンク混合組成物を言う。好適な態様では、当該殺虫剤組成物は、予混合組成物である。
【0058】
農学的植物またはそれらの繁殖材料へ使用するための殺虫剤組成物が、エマルジョン滴の形態にある殺虫剤粒子を有するとしたら、かかる殺虫剤組成物に対応する予混合物は、(i)第二の液体との適切な撹拌により殺虫剤組成物中で所望されるエマルジョン滴を形成する乳化濃縮物、または(ii)濃縮形態で存在し得るエマルジョン組成物であってよい。
【0059】
したがって既に所望される粒子径(特に殺虫剤の粒子径)を含む予混合組成物の製剤タイプは、懸濁製剤、カプセル製剤、顆粒製剤またはエマルジョン製剤である。以後、農学的植物またはそれらの繁殖材料へのかかる予混合組成物の使用では、最終消費者による予混合組成物の任意の希釈があってもなくても良い。
【0060】
本発明の任意の1つの観点の1つの態様では、殺虫剤組成物は、植物繁殖材料、好適には種子の処理組成物または土壌適用組成物である。当業者は、植物繁殖材料、好適には種子の処理組成物または土壌適用組成物を、具体的に使用するためにどのよう改変すべきか理解するだろう。
【0061】
害虫制御のスペクトルは拡張でき、且つ害虫制御の有効性は殺昆虫的、殺ダニ的、殺線虫的及び/または殺真菌的に活性な化合物等の1種以上の殺虫剤の使用によって増強され得る。
【0062】
したがって本発明の任意の1つの観点の殺虫剤組成物は、互いに独立して、(1)、(2)、(3)または任意のそれらの組合せを有することができる:
(1)2種以上の殺虫剤(A)、例えばアバメクチン及びビフェントリン。それぞれの殺虫剤(A)の粒子径が互いに独立している場合でも、それぞれの殺虫剤(A)は任意の1つの観点において定義されたような粒子径を有する;
(2)殺虫剤(A)とは異なる1種以上の更なる殺虫剤(B)は、殺虫剤(A)とは関係なく、任意の1つの観点において定義されたような粒子径を有する;
(3)1種以上の更なる殺虫剤(C)は、任意の1つの観点において定義されたような粒子径を有さない、すなわち殺虫剤(A)または殺虫剤(B)のために定義されたものとは異なる粒子径(すなわち粒子径が3.60 μm〜0.70 μm、好適には3.40 μm〜0.80 μm、より好適には2.60 μm〜1.2 μm、最適には2.00 μm〜1.50 μmの範囲にない)を有する。
【0063】
したがって殺虫剤組成物(予混合組成物またはタンク混合組成物のいずれか)は、(1)、(2)、(3)または任意のそれらの組合せにおいて定義された殺虫剤を含み得る。
【0064】
さらに活性成分である1種以上の殺虫剤(D)を含む第二の殺虫剤組成物を使用することによって害虫制御のスペクトルを拡張することができ、且つ害虫制御の有効性を増強することができる。ここでの殺虫剤(D)は、本明細書で定義された殺虫剤(A)、(B)及び(C)であってよい。当該第二の殺虫剤組成物は、任意の1つの観点において定義された殺虫剤組成物と同時にまたは連続して施用または処理され得る。それが同時に使用される(適用される、または処理される)場合は、第三の殺虫剤組成物が任意の1つの観点において定義された殺虫剤組成物及び第二の殺虫剤組成物を含んで得ることができ;かかる場合における第三の殺虫剤組成物は、タンク混合組成物であるだろう。それが連続して使用される場合は、使用の順序は重要ではなく、且つ当該組成物は互いの使用後に直ちに使用される必要はない。
【0065】
本発明の特定の利点は、殺虫剤の多様な粒子径が最適化された害虫管理のために存在するので、同一の殺虫剤化合物が異なる目的で1つの殺虫剤組成物中に存在し得ることである。かかる多様な殺虫剤粒子径は、その生物学的活性の遅延した放出を提供することができ、またはかかる多様な殺虫剤粒子径は、多様な害虫に対する活性を提供することができるので、例えば同一の殺虫剤化合物が殺虫剤(A)及び殺虫剤(C)として存在することが想定される。
【0066】
1つの態様では、任意の1つの観点の殺虫剤組成物は、本質的に活性成分としての殺虫剤(A)から構成される。
【0067】
任意の1つの観点において定義された粒子径(すなわち3.60 μm〜0.70 μm、好適には3.40 μm〜0.80 μm、より好適には2.60 μm〜1.2 μm、最適には2.00 μm〜1.50 μmの範囲にある粒子径)を有する殺虫剤(B)の例は、アゾキシストロビン;ビテルタノール;カルボキシン;Cu2O;シモキサニル;シプロコナゾール;シプロジニル;ジクロフルアミド;ジフェノコナゾール;ジニコナゾール;エポキシコナゾール;フェンピクロニル;フルジオキソニル;フルキンコナゾール;フルシラゾール;フルトリアホール;フララキシル;グアザチン;ヘキサコナゾール;ヒメキサゾール;イマザリル;イミベンコナゾール;イプコナゾール;クレソキシム-メチル;マンコゼブ;メタラキシル;R-メタラキシル;メトコナゾール;オキサジキシル;ペフラゾエート;ペンコナゾール;ペンシクロン;プロクロラズ;プロピコナゾール;ピロキロン;スピロキサミン;テブコナゾール;チアベンダゾール;トリフルアミド(tolifluamide);トリアゾキシド;トリアジメホン;トリアジメノール;トリフルミゾール;トリチコナゾール;ウニコナゾール;(±)-cis-1-(4-クロロフェニル)-2-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)シクロヘプタノール);プロチオコナゾール;チラム;カルベンダジム;PCNB(キントゼン);TCMTB(2-(チオシアネートメチルチオ)ベンゾチアゾール);ベナラキシル;ベナラキシル-M;シルチオファム;フルオキサストロビン;クロロネブ;エマメクチン;アセタミプリド;ニテンピラム;クロチアニジン;ジノテフラン;フィプロニル;チアクロプリド;チオジカルブ;スピノサド;イミダクロプリド;チアメトキサム;及びテフルトリンである。
【0068】
殺虫剤(C)は殺虫剤(A)及び(B)から選定される殺虫剤であり得るが、本発明の任意の1つの観点において定義された粒子径は有しない。
【0069】
殺虫剤(D)は殺虫剤(A)、(B)及び(C)から選定される殺虫剤であってよく、任意の1つの観点において定義された粒子径を有しても有しなくてもよい。
【0070】
殺虫剤組合せの特定の例は、アバメクチンと1種以上のチアメトキサム、イミダクロプリド、クロチアニジン、テフルトリン、β-シフルトリン、β-シペルメトリン、θ-シペルメトリン、ζ-シペルメトリン、チラム、ベナラキシル、ベナラキシル-M、フベルジアゾール(fuberdiazole)、チアベンダゾール、アゾキシストロビン、フルオキサストロビン、ビテルタノール、シプロコナゾール、ジフェノコナゾール、ジニコナゾール、ミクロブタニル、フルキンコナゾール、フルトリアホール、メタラキシル、メタラキシル-M、プロチオコナゾール、テブコナゾール、トリアジメノール、トリチコナゾール、フルジオキソニル、トリアゾキシド、シプロジニル、カルボキシン、クロロネブ、PCNB (キントゼン);TCMTB(2-(チオシアネートメチルチオ)ベンゾチアゾール);及びシルチオファムである。さらにキレート剤のアバメクチンとの使用が想定され;キレート剤は金属化形態(金属カチオンはキレート剤によって封入されるか、または隔離される)、または非金属化形態(金属カチオンがなく、または他の化合物が隔離される、或いは他の非金属化合物が隔離される)にあり、またそれらの例は、(o,o-EDDHA)、(o,p-EDDHA)、(p,p-EDDHA)、またはそれらの混合物等のEDDHAの金属キレートを含む。
【0071】
1つの態様では殺虫剤組成物は、活性成分としてアバメクチン、ネオニコチノイド(チアメトキサムまたはイミジクロプリド(imidicloprid)等)、アゾキシストロビン、フルジオキソニル、メタラキシル-M、ミクロブタニル、及び任意にジフェノコナゾールを含み、ここでのアバメクチンは殺虫剤(A)であり、且つ残りの活性成分は互いに独立して殺虫剤(B)または(C)のいずれかであり得る。
【0072】
殺虫剤組成物は多様な形態を採ることができ、且つ一般にその施用(例えば植物繁殖材料処理、葉面施用及び土壌施用)のために具体的に製剤化される。
【0073】
種子処理予混合組成物または製剤タイプの例は以下の通りである:
WS: 種子処理スラリーのための湿式パウダー
LS:種子処理のための溶液
ES:種子処理のためのエマルジョン
FS:種子処理のための懸濁濃縮物
WG:水分散性顆粒、及び
CS:水性カプセル懸濁物。
【0074】
タンク混合組成物または製剤は、多様な殺虫剤を含む1種以上の予混合組成物、及び任意に更なる補助剤を、一般に溶剤(例えば水)で希釈することによって調製される。
【0075】
適切な担体またはアジュバントは固体または液体であってよく、且つ製剤技術において通常に採用される物質である(例えば天然または再生ミネラル物質、溶剤、分散剤、湿潤剤、粘着付与剤、増粘剤、結合剤または肥料)。
【0076】
製剤は公知の方法において、例えば活性成分を増量剤(例えば溶剤、固体担体、及び適宜表面活性化合物(界面活性剤))と共に均質に混合及び/または粉砕することにより、調製される。
【0077】
適切な溶剤は:芳香族炭化水素、好適には8〜12個の炭素原子を含むフラクション、例えばキシレン混合物または置換されたナフタレン、フタル酸エステル(フタル酸ジブチルまたはフタル酸ジオクチル等)、脂肪族炭化水素(シクロヘキサンまたはパラフィン等)、アルコール及びグリコール並びにそれらのエーテル及びエステル(エタノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルまたはモノエチルエーテル等)、ケトン(シクロヘキサノン等)、強極性溶媒(N-メチル-2-ピロリドン、ジメチルスルホキシドまたはジメチルホルムアミド等)、並びに植物油またはエポキシ化植物油(エポキシ化ココナツ油または大豆油等);または水である。
【0078】
例えばダスト及び分散性パウダーのために使用される固体担体は、通常、方解石、滑石、カオリン、モンモリロナイトまたはアタパルジャイト等の天然ミネラル充填剤である。物理的性質を改良するために、高度に分散したケイ酸または高度に分散した吸収性ポリマーを加えることもできる。適切な粒状の吸着性担体は、多孔性タイプ、例えば軽石、粉砕レンガ、セピオライトまたはベントナイトであり、且つ適切な非吸着性担体は、例えば方解石または砂である。さらに多くの数の無機質または有機質の予め造粒された材料、例えば白雲石または粉炭植物性残渣も使用され得る。
【0079】
製剤化される殺虫剤(単数または複数)の性質によっては、適切な表面活性化合物は、良好な乳化、分散及び湿潤特質を有する非イオン性、陽イオン性及び/または陰イオン性界面活性剤である。用語"界面活性剤"は、界面活性剤の混合物も含むと理解されるだろう。
【0080】
また特に好都合な適用を促進するアジュバントは、天然または合成のセファリン及びレシチン系のリン脂質、例えばホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルグリセロール及びリゾレシチンである。
【0081】
一般に、土壌適用のためのタンク混合製剤は、0.1〜20%、特に0.1〜15%の殺虫剤(単数または複数)、及び99.9〜80%、特に99.9〜85%の固体または液体の補助剤(例えば水等の溶剤を含む)を含み、ここでの補助剤はタンク混合製剤を基礎として、0〜20%、特に0.1〜15%の量の界面活性剤であり得る。
【0082】
典型的に、土壌適用のための予混合製剤は、0.1〜99.9%、特に1〜95%の殺虫剤(単数または複数)、及び99.9〜0.1%、特に99〜5%の固体または液体のアジュバント(例えば水等の溶剤を含む) を含み、ここでの補助剤は予混合製剤を基礎として、0〜50%、特に0.5〜40%の量の界面活性剤であり得る。
【0083】
通常、植物繁殖材料(好適には種子)の処理施用のためのタンク混合製剤は、0.25〜80%、特に1〜75%の殺虫剤(単数または複数)、及び99.75〜20%、特に99〜25%の固体または液体の補助剤(例えば水等の溶剤を含む)を含み、ここでの補助剤はタンク混合製剤を基礎として、0〜40%、特に0.5〜30%の量の界面活性剤であり得る。
【0084】
典型的に、植物繁殖材料(特に種子)の処理施用のための予混合製剤は、0.5〜99.9%、特に1〜95%の殺虫剤(単数または複数)、及び99.5〜0.1%、特に99〜5%の固体または液体のアジュバント(例えば水等の溶剤を含む)を含み、ここでの補助剤は予混合製剤を基礎として、0〜50%、特に0.5〜40%の量の界面活性剤であり得る。
【0085】
1つの態様では、殺虫剤(または活性成分)は、任意の1つの観点の殺虫剤組成物において、当該組成物の約12.5重量%〜約60重量%、より詳細には30〜約55重量%(例えば40〜55重量%)の量で存在し;さらに当該組成物のバランスは、界面活性剤(単数または複数)及び製剤アジュバントとして当業界において公知の他の任意の不活性成分(例えば保護コロイド、接着剤、増粘剤、チキソトロープ剤、浸透剤、防腐剤、安定剤、消泡剤、不凍剤、金属イオン封鎖剤(sequestering agent)、染料または顔料等の着色剤、及びポリマー)と一緒に水を含む処方として公知である。
【0086】
1つの態様では、少なくとも2種の表面活性化合物(本明細書では(β)と言う)は、予混合組成物等の殺虫剤組成物中に存在し:(i)少なくとも1種は、2200未満、好適には1700未満(400〜1500の範囲等)、好都合には600〜1200の範囲の分子量、且つ少なくとも10、好適には10〜25の範囲(12〜20等、好適には14〜18)の親水性-親油性バランス(HLB)を有する表面活性化合物であり;且つ(ii)少なくとも1種の表面活性化合物は非イオン性であり、少なくとも2200、好適には少なくとも3000(3500〜15000の範囲等、例えば3500〜10000)、特に4000〜7500、好都合には4500〜6000の分子量を有し、ここでは化合物の分子量の10〜60%(15〜55%等)、好適には17〜50%が当該化合物の親水性物質成分に寄与し、且つ当該化合物の疎水性物質成分の分子量は2000〜10000、好適には2400〜3900、より好適には3000〜3800(3200〜3700等)である。
【0087】
1つの態様では、任意の1つの観点にかかる殺虫剤組成物は、(α)殺虫剤(A)、及び任意に少なくとも1種の30℃超の融点を有する、顔料等の他の物質を含む組成物である。
【0088】
好適な態様では、任意の1つの観点にかかる殺虫剤組成物は、殺虫剤(A)、好適にはアバメクチンを含む水性懸濁組成物であり、ここでの(β):(α)の重量比率は、0.08〜0.5、好適には0.1〜0.3、好都合には0.15〜0.25の範囲であり、且つ(β)(ii):(β)(i)の重量比率は、少なくとも0.5(少なくとも1.0、好適には少なくとも1.5、特に2〜5の範囲、好都合には2〜3の範囲等)である。
【0089】
表面活性化合物(β)の量は、一般に第一の観点の組成物の重量に基づき、1〜25、好適には2.4〜22.5、特に5〜10重量%の範囲で存在する。表面活性化合物は、ポリオキシエチレン等の水溶性(親水性)基(または成分)、及びポリオキシプロピレン等の水不溶性(疎水性)基(または成分)でできている。表面活性化合物の例は、製剤化される殺虫剤の性質に依存する良好な乳化、分散及び湿潤特質を有する界面活性剤である。さらに界面活性剤は、界面活性剤の混合物を意味すると理解されるだろう。界面活性剤は、非イオン性、陽イオン性及び/または陰イオン性である。
【0090】
(β)(i)表面活性化合物は、好適には少なくとも100の分子量を有する。
【0091】
(β)(ii)表面活性化合物は、好適には最大で100,000の分子量を有する。
【0092】
1つの態様では、表面活性化合物(ii)対(i)の重量比率は、最大で10である。
【0093】
1つの態様では、2種の表面活性化合物(β)(ii)は、当該組成物中に存在する。
【0094】
2種の表面活性化合物(β)(ii)が存在する場合:
−第一の表面活性化合物は、2400〜3900、好適には3000〜3800(3200〜3700等)の疎水性物質成分の分子量を有し、且つ当該疎水性物質の分子量とは無関係に、13〜45%、好適には17〜40%(18〜30%等)の親水性物質成分の分子量比率を有し;並びに
−第二の表面活性化合物は、2200〜3900、好適には2500〜3600(2700〜3200等)の疎水性物質成分の分子量を有し、且つ当該疎水性物質分子量とは無関係に、43〜67%、好適には45〜65%(50〜60%等)の親水性物質成分の分子量比率を有する。
【0095】
親水性-親油性バランス(HLB)値は、Griffinによって提案された化合物の親水性性質の指標である。ポリオキシエチレンアルキルエーテルのHLB値は、例えばGriffin方程式によって決定され得る。
【0096】
HLB値=[(親水性部位の分子量)/(表面活性化合物の分子量)]×20
【0097】
一般に、商業的に使用される表面活性化合物を含む化合物は、適切な化合物の混合物(例えば同一の化学的性質であるが異なるアナログ、異性体及び分子量の化合物)以外は、分析的に純粋ではない傾向にある。したがって、例えば(β)(i)及び(β)(ii)の表面活性化合物に帰属する特徴は、好適には化合物の混合物中にも満たされ、ここでの当該特徴は、当該混合物中の化合物によって保有され、その化合物は、当該混合物の重量を基礎として50重量%超、好適には60重量%超、特に75重量%超等の主要な比率において存在し;より好適には当該混合物自体が当該定義された特徴を満たす。
【0098】
1つの態様では、(β)(i)表面活性化合物は、イオン性、好都合には陰イオン性界面活性剤であり;好適には1種以上の(β)(i)表面活性化合物は、硫酸塩タイプ(例えば、硫酸アリール)及びリン酸塩タイプ(アルキルフェノールポリアルコキシエーテルホスフェート、ポリアルコキシエーテルホスフェートのブロックコポリマー、ポリアリールフェノールポリアルコキシエーテルホスフェート及びアリールフェノールポリアルコキシエーテルホスフェート等)、特にリン酸塩タイプの界面活性剤(ポリアリールフェノールポリアルコキシエーテルホスフェート等)から選定される。本発明の組成物において特に所望されるのは、それぞれの(β)(i)表面活性化合物が同一のタイプのものであり、好適なタイプはリン酸塩タイプの界面活性剤である。
【0099】
陰イオン性界面活性剤は酸として存在し得るか、またはアルカリ金属(リチウム、ナトリウム及びカリウム等)、アルカリ土類金属(カルシウム及びマグネシウム等)、アンモニウム及び多様なアミン(アルキルアミン、シクロアルキルアミン及びアルカノールアミン等)を含み得る。
【0100】
適切な陰イオン性界面活性剤の特定の例は:Soprophor PS19 (Rhodia)、Dowafax 30 C05 (Dow)、Soprophor 4D384 (Rhodia)及びSoprophor 3D33 (Rhodia)を含む。
【0101】
1つの態様では、(β)(ii)表面活性化合物は、ブロックポリマー等のポリアルキレンオキシドポリマーである。特定の例は、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、及びポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーエーテルである。特定の例は、Toximul 8320 (Stepan)、Emulsogen 3510 (Clariant)、Antarox PL/122 (Rhodia)、Pluronic L101 (BASF)、Pluronic L122 (BASF)及びPluronic PE 10500 (BASF)を含む。
【0102】
当該殺虫剤組成物は、水溶性(親水性)及び水不溶性(疎水性)成分を有する表面活性化合物とも見なされる湿潤剤を含むことができるが、それらは非イオン性の傾向にあり、且つ一般に2000未満の分子量を有するので、(B)(i)にかかる成分であることができ;しかしながら湿潤剤は一般に存在しない。
【0103】
当該殺虫剤組成物は、製剤技術において慣用のアジュバント、殺生物剤、生物統計(biostats)、抗増粘剤、抗凍結剤、乳化剤(レシチン(lethicin)、ソルビタン等)、消泡剤または製剤業界において慣用的に使用される施用促進アジュバントと一緒に使用され得る。さらに、接種材料及び漂白剤(brightener)にも言及され得る。
【0104】
さらに染料または顔料等の着色剤は、観察者が種子処理されたことをすぐに決定できるように、種子コーティング中に取り込まれる。また着色剤は、施用されるコーティングの均一性の程度を使用者に示すのに有用である。一般に着色剤は、30℃超の融点を有する傾向にあるので、本発明の組成物中にも懸濁される。
【0105】
当該殺虫剤組成物は、増粘剤以外の全ての成分と共に均質な懸濁物を形成し、そして所望される粒子径に達するまで当該懸濁物を湿式粉砕し、そして増粘剤とさらなる水を定めされた粘度に付加する等の当業界において公知の方法によって調製され得る。
【0106】
最終組成物をふるいにかけ、所望されるならば、任意の所望されない粒子径の不溶性粒子を除去することができる。
【0107】
適切な製剤を説明するための例を以下に提供する:
湿式パウダー a) b) c)
活性成分 25 % 50 % 75 %
リグノスルホン酸ナトリウム 5 % 5 % -
ラウリル硫酸ナトリウム 3 % - 5 %
ジイソブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム - 6 % 10 %
フェノールポリエチレングリコールエーテル - 2 % -
(7-8 molのエチレンオキシド)
高度に分散したケイ酸 5 % 10 % 10 %
カオリン 62 % 27 % -
【0108】
活性成分は、アジュバントと共に完全に混合され、そして当該混合物は、適切なミル中で完全に粉砕され、水で希釈され得る湿式パウダーが供され、所望される濃度の懸濁物が得られる。
【0109】
ダスト a) b) c)
活性成分 5 % 6 % 4 %
滑石 95 % - -
カオリン - 94 % -
ミネラル充填物 - - 96 %
【0110】
使用の準備ができているダストは、活性成分を担体と共に混合し、そして適切なミルの中で当該混合物を粉砕することによって得られる。かかるパウダーは、種子のための乾燥ドレッシングに使用され得る。
【0111】
懸濁濃縮物 (a) (b)
活性成分 5 % 30 %
プロピレングリコール 10 % 10 %
トリスチリルフェノールエトキシレート 5 % 6 %
リグノスルホン酸ナトリウム - 10 %
カルボキシメチルセルロース - 1 %
シリコーン油(水の中で75%のエマルジョンの形態にある) 1 % 1 %
着色顔料 5 % 5 %
水 74 % 37 %
【0112】
細かく粉砕された活性成分はアジュバントと共に密に混合され、懸濁濃縮物が得られる。当該懸濁物の任意の所望される希釈物は、水での希釈によって得られる。或いは活性成分と補助剤(水を含む)の懸濁物は、ビーズミルにより湿式粉砕されて、安定な製剤及び適切な処理特徴を達成する。
【0113】
原液または希釈物のかかる製剤の使用は、植物繁殖材料を例えば病原体由来の損傷に対して、例えば噴霧し、注ぎ、または浸漬することによって、処理し且つ保護することができる。
【0114】
本発明にかかる活性成分の組合せは、特にそれらが植物にとって良好に耐性であり、且つ環境に優しいという事実によって区別される。
【0115】
本発明の組成物は、栽培植物及びそれらの繁殖材料を保護するための製剤化される。当該組成物は、好都合には農業及び林業において見出され、且つ特に植物の発達の初期段階において植物を損傷し得る土壌生息害虫及び/または土壌介在性疾患(動物害虫(特に昆虫、クモ形類及び線虫) 及び真菌性病原体等)に対する種子処理施用のために製剤化される。
【0116】
さらに本発明は、土壌生息害虫及び/または土壌介在性疾患を制御するための本発明の組成物の土壌適用も想定する。
【0117】
本発明からの利益は、(i)植物繁殖材料を適切な形態にある定義された殺虫剤粒子で処理すること、または(ii)制御が所望される場所(一般には植付け部位)に適切な形態にある定義された殺虫剤粒子を施用すること、或いは(i)及び(ii)の両方により達成され得る。
【0118】
殺虫剤を植物繁殖材料、特に種子に適用するための方法は、当業界において公知であり、且つ当該方法は、植物繁殖材料をドレッシング、コーティング、ペレット形成及び浸漬適用を含む。
【0119】
当該植物繁殖材料は種子であることが好適である。本発明の方法は任意の生理学的な状態において種子に施用され得ると信じられるが、種子は処理工程の間で損傷を受けない十分に耐久性のある状態にあることが好適である。典型的に種子は田畑から採取された;植物から取り除かれた;及び任意の穂軸(cob)、茎、外皮、及び周囲のパルプまたは他の非種子植物材料から分離された種子である。さらに種子は、好適には、処理が種子に生物学的損傷を引き起こさない範囲で、生物学的に安定である。種子に対する処理は、種子の採取から播種、または播種工程の間の任意の時に施すことができると信じられる(種子直接適用)。さらに種子は処理の前または後のいずれかに準備され得る。
【0120】
繁殖材料の処理の際には、種子への活性成分の均等の分布及びそれらの付着が所望される。処理は、活性成分(単数または複数)を含む製剤の種子等の植物繁殖材料への薄膜(ドレッシング)から、その後の多様な材料(担体等、例えば泥;他の活性成分等の多様な製剤;ポリマー;及び着色剤)の多くの層を有するより薄い膜(ペレット形成)で変えてよい。当該薄膜のもとの大きさ及び/または形態は、中間状態(コーティング等)のものと見分けがつくが、当該より薄い膜の種子のもとの大きさ及び/または形態は、もはや見分けがつかない。
【0121】
種子処理は、播種されていない種子に施され、また用語"播種されていない種子"とは、植物の発芽及び成長を目的とした種子採取から大地に種子を播くまでの任意の期間での種子を含むことを意味する。
【0122】
播種されていない種子に対する処理は、殺虫剤が土壌に施用される際のそれらの実務を含むことを意味するのではなく、植付け工程の間に当該種子を標的とする任意の施用実務を含むだろう。
【0123】
好適には、当該処理は、播かれる種子が定義された殺虫剤粒子によって前処理されるように、種子が播かれる前に施される。特に種子コーティングまたは種子ペレット形成は、本発明にかかる組合せの処理において好適である。処理の結果として、当該殺虫剤粒子は当該種子に付着するので、害虫制御に利用できる。
【0124】
当該処理された種子は、任意の他の殺虫剤で処理された種子と同一の方法において、貯蔵され、取り扱われ、播種され及び耕作され得る。
【0125】
繁殖材料において使用される量は、特定の活性成分に従って変化し(例えばアバメクチンは、一般にλ-シハロトリンよりも低量で適用され、ある種の繁殖材料(例えば種子または塊茎)及び植物(例えば小麦種子)は、等しい重さの種子をもとに、一般に菜種種子よりも少ないそれらに付着した活性成分を有する)、且つ当該定義された殺虫剤粒子が所望される殺虫作用を提供するための有効量であるので、生物学的実験によって決定され得る。
【0126】
したがって施用比率は、100kgの種子あたり6g〜250kgの範囲であり得る。一般に穀物種子への施用比率は、100kgの種子あたり23g〜74Og、好適には5Og〜60Ogの範囲であり;及び菜種種子への施用比率は、100kgの種子あたり70Og〜25kgの範囲、好適には1.5kg〜20kgの範囲であり得る。一般に綿花種子へのアバメクチンの処理比率は、0.1〜0.2 mg ai/種子の範囲にあり、トマト種子へのアバメクチンの処理比率は、0.3〜0.6 mg ai/種子の範囲にあり、及び大豆種子へのアバメクチンの処理比率は、0.1〜0.2 mg ai/種子の範囲にある。
【0127】
したがって本発明は、それぞれ第三または第四の観点の殺虫剤組成物または殺虫剤で処理された植物繁殖材料も提供する。少なくとも定義された殺虫剤、及び任意に所定の製剤補助剤は植物繁殖材料に付着するので、当該植物繁殖材料は、当該定義された殺虫剤を含んで成る。
【0128】
さらに適切な形態にある殺虫剤粒子は、土壌生息害虫及び/または土壌介在性病原体の制御が所望される場所(一般に植物が育成される場所)に施用され得る。これは植物の成長の間(例えば出芽前及び/または出芽後)、植付けまたは播種の前、または植付けまたは播種の間、及びそれらの任意の組合せの1以上の場面において実行され得る。
【0129】
適切な形態にある殺虫剤粒子の使用は、当該殺虫剤粒子が土壌に浸透することを確実にする任意の適切な方法を介することができ、かかる方法の例は、苗床トレイ適用、畝間への適用、土壌浸漬、土壌注入、細流かんがい、スプリンクラーまたは中心枢軸を介する適用、土壌中への導入(散布または帯域内) である。
【0130】
植物上で適切な形態にある殺虫剤粒子の使用の比率及び頻度は、広い範囲の中で変化させてよく、また使用のタイプ、特定の殺虫剤、土壌の性質、施用方法(出芽前または出芽後等)、植物または制御される害虫、その時の気候条件、並びに当該適用の方法、施用時及び標的植物によって左右される他の因子に依存する。
【0131】
アバメクチンの作物の場所への典型的な施用比率は、1ヘクタールあたり3〜90 g(g/ha)、特に6〜60 g/ha、好適には9〜36 g/ha、最適には12〜27 g/haである。殺虫剤は、植物及び環境に応じて植物の成長の間に1回または数回、例えば1〜6回または1〜4回(トマト作物の収穫については、例えば当該組合せは、採取前の6回まで施用され得る)施用されてよく、且つ上記に示した量は、それぞれの施用のためのものである。
【0132】
さらに本発明は、植物繁殖材料の処理と植え付けまたは播種部位での土壌適用の組み合わされた方法を介する土壌生息害虫及び/または土壌介在性疾患の制御にまで拡張されることが期待される。
【0133】
本発明では、特に植物の成長特徴における改良を示すことが見出された;例えばアバメクチンは殺虫剤(A)である場合に本発明は線虫に対して改善された制御を提供するので、植物の成長特徴を改善する。
【0134】
植物の成長(または生長)特徴における改善は、多種多様な方法において証明することができるが、結局は植物のよりよい製品をもたらす。それは例えば植物の生産高及び/または生長力、或いは当該植物から収穫された製品の品質を改善することを証明することができる。
【0135】
本明細書において使用される語句、植物の"生産高を改善する"とは、同一の条件下で生産されるが、主題の方法の適用がなされていない同一の植物生産物の測定可能な生産高を超える量による当該植物の生産高における増加を言う。生産高は少なくとも約0.5%の増加が好ましく、より好適には少なくとも約1%の増加、さらにより好適には約2%、及びさらにより好適には約4%以上の増加である。生産高は、いくつかの根拠の上で、植物の生産物の重量または体積による量に関して表すことができる。この根拠とは、時間、成長面積、生産された植物の重量、使用された原料の量等に関して表すことができる。
【0136】
本明細書において使用される語句、植物の"生長力を改善する"とは、生長率、または木立(面積単位ごとの植物の数)、または植物の高さ、または植物の樹冠、または外観(青々とした葉色等)、または根の割合、または出芽、またはタンパク質含有量、または増加した分げつ、またはより大きな葉身、またはより少ない枯れた根元の葉、またはより強靭な分げつ、またはより少ない必要とされる肥料、またはより少ない必要とされる種子、または生産力のある分げつ、またはより早い開花期、またはより早い穀物成熟、またはより少ない植物節(ロッジング)、または増加したシュート成長、またはより早い発芽、またはそれらの因子の任意の組合せ、または当業者によく知られている任意の他の利点(同一の条件下であるが、主題の方法の適用をなくして生産された植物の同一の因子を超える測定可能もしくは顕著な量による利点)の増加または改善を言う。
【0137】
本方法が植物の"生産高及び/または生長力を改善する"ことが可能であると言える場合は、本方法は上記の生産高または上記の植物の生長力のいずれかの増加、或いは当該生産高及び植物の生長力の両方の増加をもたらす。
【0138】
1つの態様では、本発明にかかる殺虫剤組成物は、病原体及び/または害虫を防除するために、穀物等の貯蔵製品を処理する際にも使用され得る。
【0139】
本発明のそれぞれの観点および態様における、"本質的に〜から成る" 及びその語尾変化は、"〜を含んで成る"及びその語尾変化の好適な態様であり、且つ"〜から成る”及びその語尾変化は、"本質的に〜から成る”及びその語尾変化の好適な態様である。
【0140】
一般名を有する殺虫剤は、e-殺虫剤マニュアル、3.0版、13編 Ed. CDC Tomlin、British Crop Protection Council、2003-04にそれらの特徴と共に発表されている。
【0141】
以下の実施例は、説明の手段として供されるものであって、本発明を限定するものではない。
【実施例】
【0142】
実施例A及び1〜6は、界面活性剤(スチリルフェノールポリエトキシエーテルホスフェート、PO-EOブロックコポリマー、ブチルキャップされたPO-EOコポリマー)、中和剤、消泡剤、不凍剤、及び殺バクテリア剤を、均質層が得られるまで、水と共に混合することにより調製する。その後、着色顔料とアバメクチン(既にエアジェットミルで、予め決められた粒子径に粉砕されている)を加えて混合する。その後、得られた混合物をいわゆるビーズミル(例えばDyno, Drais, Premier)を通して湿式粉砕し、そしてサンプルを当該混合物からゆっくり時間をかけて採取し、そして増粘剤と少量の水を加えて、そしてそれぞれ得られたサンプルを少なくとも30分間混合し、実施例A及び1〜6を得る(表2参照)。
【0143】
表2は、同量の活性成分及び製剤補助剤(界面活性剤、顔料、消泡剤、増粘剤及び殺バクテリア剤等)を含むそれぞれの組成物が有する実施例A及び1〜6の粒子径の内容を示す。
【0144】
トウモロコシ種子を焼灼し、それらの発芽を防ぎ、そして種子あたり0.6 mgのアバメクチンの比率で実施例A及び1〜6により処理する。砂を充填したプラスチックカラムに、カラムあたり1つの種子を置く。その後、カラムに計240 mlの水道水を、11日間に渡り流す。その後、カラムを5-cmのセグメントに切断する。それぞれのセグメントからの砂をポットの中に入れ、指標植物として使用されるキュウリの苗木をそれぞれのセグメントの基材の中に植え付け、そしてメロイドジン・インコグニタ(Meloidogyne incognita)の3000個の卵を接種する。キュウリ植物は、14日後に評価され、そして根のこぶをそれぞれの植物において測定する。
【0145】
砂カラムの最大10 cmにおける平均の殺線虫剤の有効性は(未処理の苗木と比較して)、表2のそれぞれの実施例に提供する。
表2:
実施例 粒子径*、X90 有効性(%)
A 5.39 μm 60.0
1 3.31 μm 45.2
2 2.53 μm 56.5
3 1.83 μm 73.5
4 1.29 μm 68.7
5 0.98 μm 65.7
6 0.84 μm 64.8
*ISO 13320-1 :1999によって測定された

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(I)植物繁殖材料を有効量の殺虫剤組成物で処理し、
該殺虫剤組成物の処理の後または処理の間に、該植物繁殖材料を植え付けまたは播種し;或いは
(II)有効量の殺虫剤組成物を、制御が所望される場所に施用し、
該殺虫剤組成物の施用の前、施用の後または施用の間に植物繁殖材料を、任意に(I)において定義されるように処理された植物繁殖材料を植え付けまたは播種し;そして
該植物の成長特徴における改善を達成することを含んで成る方法であって、
ただし該殺虫剤組成物は、活性成分として、アバメクチン、λ-シハロトリン及びルフェヌロンから選定される1種以上の殺虫剤(A)、及び少なくとも1種の製剤補助剤を含んで成り、ここでの該組成物における粒子径が、ISO 13320-1において定義されるX90で3.60 μm〜0.70 μmの範囲にある方法。
【請求項2】
植物繁殖材料及び後になって成長する植物器官を保護するための方法であって、該植物繁殖材料を、活性成分として25℃、中性pHで、最大で100 μg/リットルの水溶解度を有する1種以上の殺虫剤(A)、及び少なくとも1種の製剤補助剤を含む有効量の殺虫剤組成物で処理することを含んで成る方法であって、ここでの該組成物中の粒子径が、ISO 13320-1において定義されるX90で3.60 μm〜0.70 μmの範囲にある方法。
【請求項3】
土壌生息害虫及び/または土壌介在性疾患を制御するための方法であって、植物繁殖材料を有効量の殺虫剤組成物で処理し、及び/または有効量の殺虫剤組成物を制御が所望される場所に施用することを含んで成り、ただし該組成物は、活性成分として25℃、中性pHで、最大で100 μg/リットルの水溶解度を有する1種以上の殺虫剤(A)、及び少なくとも1種の製剤補助剤を含み、ここでの該組成物中の粒子径が、ISO 13320-1において定義されるX90で3.60 μm〜0.70 μmの範囲にある方法。
【請求項4】
前記粒子の粒子径が、3.40 μm〜0.80 μm、より好適には2.60 μm〜1.2 μm、最適には2.00 μm〜1.50 μmの範囲内にある、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記殺虫剤(A)は、アバメクチン、アクリナトリン、α-シペルメトリン、アセキノシル、アミトラズ、ベノミル、β-シフルトリン、ビフェントリン、ビオレスメトリン、ビストリフルロン、ブロモプロピレート、クロルエトキシホス、クロルフルアズロン、クロフェンテジン、シフルトリン、シハロトリン、シペルメトリン、シフェノトリン、ドデモルフ、エスフェンバレレート、エトフェンプロックス、フェンバレレート、フルシクロクスロン、フルフェノクスロン、ヒドラメチルノン、λ-シハロトリン、ルフェヌロン、メカルバム、ノバルロン、ペルメトリン、フェノトリン、シラフルオフェン、タウ-フルバリネート ZXI 8901、フルベンジアミド(3-ヨード-N-(2-メシル-1,1-ジメチルエチル)-N-{4-[1,2,2,2-テトラフルオロ-1-(トリフルオロメチル)エチル]-o-トリル}フタルアミド)、及び式A-1の化合物から少なくとも1種が選定される、請求項2〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記組成物が、懸濁物、好適には水性懸濁物の形態にある、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記粒子径が前記殺虫剤の粒子径である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記植物が、綿花、トウモロコシ、穀物(小麦、大麦、ライ麦、及び米を含む)、野菜(トマト等の果実野菜、球根野菜、葉物野菜、アブラナ科及び根野菜を含む)、クローバー、マメ科植物(豆、大豆、エンドウ豆及びアルファルファを含む)、サトウキビ、テンサイ、タバコ、菜種(カノーラ)、果実(バナナ、サクランボ、オレンジ、レモン、グレープフルーツ、マンダリン、柑橘類、ブドウ、核果等)、永年作物、落葉植物、ヒマワリ、ベニバナ、及びソルガムから選定される、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記植物が、昆虫、線虫等の殺虫剤抵抗性、除草剤及び疾患抵抗性を発現する1種以上の遺伝子を含む遺伝子操作された植物である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記植物繁殖材料の処理が、該植物繁殖材料が土壌に播種または植え付けられる前、或いは該植物繁殖材料の植え付けまたは播種の間にある、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記殺虫剤組成物が、活性成分として1種以上のさらなる殺虫剤(B)を含んで成る、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記殺虫剤組成物が、さらに活性成分として1種以上の追加の殺虫剤(C)を含んで成り、ここでのそれぞれの追加の殺虫剤(C)の粒子径は、請求項1〜11のいずれか1項において殺虫剤(A)について定義されたものとは異なる、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
第二の殺虫剤組成物が、請求項1〜12のいずれか1項に定義された殺虫剤組成物と同時にまたは連続して施用または処理され、ここでの該第二の殺虫剤組成物は、活性成分として1種以上の殺虫剤(D)を含んで成る、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記殺虫剤(B)が、アゾキシストロビン;ビテルタノール;カルボキシン;Cu2O;シモキサニル;シプロコナゾール;シプロジニル;ジクロフルアミド;ジフェノコナゾール;ジニコナゾール;エポキシコナゾール;フェンピクロニル;フルジオキソニル;フルキンコナゾール;フルシラゾール;フルトリアホール;フララキシル;グアザチン;ヘキサコナゾール;ヒメキサゾール;イマザリル;イミベンコナゾール;イプコナゾール;クレソキシム-メチル;マンコゼブ;メタラキシル;R-メタラキシル;メトコナゾール;オキサジキシル;ペフラゾエート;ペンコナゾール;ペンシクロン;プロクロラズ;プロピコナゾール;ピロキロン;スピロキサミン;テブコナゾール;チアベンダゾール;トリフルアミド;トリアゾキシド;トリアジメホン;トリアジメノール;トリフルミゾール;トリチコナゾール;ウニコナゾール;(±)-cis-1-(4-クロロフェニル)-2-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)シクロヘプタノール);プロチオコナゾール;チラム;カルベンダジム;PCNB(キントゼン);TCMTB(2-(チオシアネートメチルチオ)ベンゾチアゾール);ベナラキシル;ベナラキシル-M;シルチオファム;フルオキサストロビン;クロロネブ;エマメクチン;アセタミプリド;ニテンピラム;クロチアニジン;ジノテフラン;フィプロニル;チアクロプリド;チオジカルブ;スピノサド;イミダクロプリド;チアメトキサム;及びテフルトリンから選定される、請求項11〜13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記殺虫剤(C)及び殺虫剤(D)が、互いに独立して、請求項5において定義された殺虫剤(A)及び請求項14において定義された殺虫剤(B)から選定される、請求項12または13に記載の方法。
【請求項16】
活性成分として25℃、中性pHで、最大で100 μg/リットルの水溶性を有する1種以上の殺虫剤(A)、及び少なくとも1種の製剤補助剤を含んで成る殺虫剤組成物であって、ここでの該組成物中の粒子径が、ISO 13320-1において定義されるX90で3.60 μm〜0.70 μmの範囲にある組成物。
【請求項17】
25℃、中性pHで、最大で100 μg/リットルの水溶性及びISO 13320-1において定義されるX90で3.60 μm〜0.70 μmの範囲にある粒子径を有する殺虫剤。
【請求項18】
植物繁殖材料を有効量の殺虫剤組成物で処理し、及び/または有効量の殺虫剤組成物を制御が所望される場所に施用することを含んで成る植物の成長特徴を改善するための方法であって、ただし該組成物が活性成分として25℃、中性pHで、最大で100 μg/リットルの水溶解度を有する1種以上の殺虫剤(A)、及び少なくとも1種の製剤補助剤を含み、ここでの該組成物中の粒子径が、ISO 13320-1において定義されるX90で3.60 μm〜0.70 μmの範囲にある方法。
【請求項19】
植物繁殖材料を有効量の殺虫剤組成物で処理し、及び/または有効量の殺虫剤組成物を制御が所望される場所に施用することを含んで成る植物の成長特徴を改善するための方法であって、ただし該組成物が、(α)活性成分として25℃、中性pHで、最大で100 μg/リットルの水溶解度を有する1種以上の殺虫剤(A)、及び任意に少なくとも1種の30℃超の融点を有する他の物質、(β)(i)2200未満の分子量及び少なくとも10の親水性-親油性バランス(HLB)を有する少なくとも1種の表面活性化合物、及び(β)(ii)少なくとも2200の分子量を有する非イオン性の少なくとも1種の表面活性化合物を含み、ここでの該化合物の分子量の10〜60%が、該化合物の親水性物質成分に寄与し、及び該化合物の疎水性物質成分の分子量が、2000〜10000であり;並びに(β):(α)の重量比率が、0.08〜0.5の範囲にあり、及び(β)(ii):(β)(i)の重量比率が少なくとも0.5であり;ただし該組成物中の粒子径が、ISO 13320-1において定義されるX90で3.60 μm〜0.70 μmの範囲にある方法。
【請求項20】
(I)植物繁殖材料を有効量の殺虫剤組成物で処理し、
該殺虫剤組成物の処理の後または処理の間に該植物繁殖材料を植え付けまたは播種し;或いは
(II)有効量の殺虫剤組成物を制御が所望される場所に施用し、
該殺虫剤組成物の施用の前、施用の後または施用の間に該植物繁殖材料を、任意に(I)において定義されるように処理された植物繁殖材料を植え付けまたは播種し;及び
ここでの該殺虫剤組成物は、土壌生息害虫及び/または土壌介在性疾患を制御し、
ただし該殺虫剤組成物は、活性成分として、アバメクチン、λ-シハロトリン及びルフェヌロンから選定される1種以上の殺虫剤(A)、及び少なくとも1種の製剤補助剤を含み、ここでの該組成物における粒子径が、ISO 13320-1において定義されるX90で3.60 μm〜0.70 μmの範囲にある方法。
【請求項21】
前記植物繁殖材料が、砂質粘土、砂質粘土ローム、砂質ローム、ローム性砂及び砂から選定される土壌のタイプに植え付けまたは播種される、請求項1〜20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
請求項16において定義された殺虫剤組成物または請求項17において定義された殺虫剤によって処理される植物繁殖材料。

【公表番号】特表2009−508824(P2009−508824A)
【公表日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−530431(P2008−530431)
【出願日】平成18年9月18日(2006.9.18)
【国際出願番号】PCT/EP2006/009051
【国際公開番号】WO2007/039080
【国際公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【出願人】(500584309)シンジェンタ パーティシペーションズ アクチェンゲゼルシャフト (352)
【Fターム(参考)】