土壌養分環境調節方法及びこれに使用する袋状資材と堆肥抽出溶液
【課題】 土壌中の余剰な塩基を除去しつつ、かつ塩基を過剰に除去せしめないための緩衝作用を有する土壌環境を造成する袋状資材と植物養分環境を調整する方法を提供する。
【解決手段】 ゼオライトの塩基置換能を活かして土壌中の過剰な塩基を袋中のゼオライトに置換吸着せしめて物理的に塩基を土壌中から取り出し除去するとともに、堆肥より抽出した有機物をもってゼオライトによる塩基置換吸着の際の緩衝材として作用させる方法によって、均衡ある土壌養分環境を造成する課題を解決する。
【解決手段】 ゼオライトの塩基置換能を活かして土壌中の過剰な塩基を袋中のゼオライトに置換吸着せしめて物理的に塩基を土壌中から取り出し除去するとともに、堆肥より抽出した有機物をもってゼオライトによる塩基置換吸着の際の緩衝材として作用させる方法によって、均衡ある土壌養分環境を造成する課題を解決する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塩基吸着機能を持った物質を充填した袋を土中に埋設し、土中の塩基を袋中の吸着機能を持った物質に吸着せしめて、袋を土中から取り出す方法により土中の塩基を除去するとともに、土中に堆肥抽出による有機溶液を注入することによって土壌の緩衝能を増大せしめて、塩基除去に伴う土中塩類濃度の急激な変化に対する緩衝能を高め、もって植物に対する土壌養分環境を調節する土壌改良方法ならびにそれに使用する資材に関する。
【背景技術】
【0002】
近年農園芸の施設化と化学肥料の多様化が進み、土壌の塩類過剰集積が見られ、あるいは土壌中に有害重金属が集積し、更にはチッ素肥料の過剰施用にともなう栽培植物の軟弱生長が多く発生するなどの土壌養分環境の劣化が生じた。そのため土壌中の過剰塩基等の除去の必要性が高まってきた。
この土壌中の過剰塩基除去法で、従来より行われていた主なものは、次の3点である。
(1)土壌水洗法
(2)土壌の置き換え(客土法)
(3)ゼオライト等の塩基置換容量の大きい物質を土中に混合して塩基の吸着を行う方法
【0003】
また土壌中の養分環境を調節する主な方法としては、次の3点が挙げられる。
(4)堆肥等有機物あるいは鉱物性の土壌改良材を固形分として土壌中に混入する方法
(5)フミン酸等の液体有機物を直接土壌に注入し、または固形物に含浸させて供給する方法
(6)長い網筒内に空隙率の大きい鉱物を詰めたものを土中に埋設する方法
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記(1)土壌水洗法では塩類を地下深部に流し込むだけであり、(2)客土法の場合は客土層の下に塩基濃度の高い土層が依然として存在するため前記(1)、(2)の方法では地下からの毛管水により塩基が再度上昇する可能性が高い。
また、(3)ゼオライト等の塩基置換容量の大きい物質を土壌中に混入する方法の場合、ゼオライト等の塩基吸着は可逆的な置換作用であるため、ゼオライト粒の周辺の塩基濃度が低下した場合、ゼオライト粒は吸着した塩基を放出してしまうという問題点がある。
このように、従来の塩基除去法は過剰塩基を確実に除去するものではなかった。
【0005】
また、前記(3)ゼオライト粒を土壌中に混合した場合において、ゼオライトはカリウム、チッ素(アンモニア)、ナトリウム、カルシウム等の植物養分を良く吸着する性質がある。植物の生育は、カリウムが十分であれば根部の発達がよく、チッ素が過少である場合は茎葉の生長が遅れる性質があることから、ゼオライトを施用すると根部の発達がよいものの、チッ素供給が少なめとなり、植物全体としての生育が遅れがちになるという問題があった。
【0006】
さらに、土壌中の養分環境を調節する方法である前記(4)、(5)の方法の場合、これらの方法に用いられる土壌改良材等の資材は、塩基置換吸着能が小さく、かつ環境を調節する物質である固形物を土中の特に地表からの深さの特定位置に供給することが困難であった。また、(6)の方法は、網筒内に充填された物質が真珠岩系のものであって塩基置換容量の小さい物質であることから塩基除去機能が小さい等の問題があった。
【0007】
本発明は前記従来方法の課題を解決するためになされたものであって、土壌中の塩基を、土壌中の任意の位置から吸着捕捉して直接的にとり出して除去する。さらに土壌中に有機溶液を注入することによって土壌の緩衝能を増大せしめて、塩基除去に伴う土中塩類濃度の急激な変化に対する緩衝能を高め、もって植物に対する土壌養分環境を調節する方法とそれに使用する資材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の要旨とするところは、土壌養分環境を調節するために用いられる袋状資材において、一定の強度を有し、かつ堆肥抽出溶液を容易に浸透させることができる材質によって構成し、内部に土壌中の塩基を置換吸着させるためのゼオライトを充填したことを特徴とする袋状資材である。
【0009】
また、本発明の要旨とするところは、前記袋状資材に充填するゼオライトを、クリノプチロライト系の材質によって構成し、粒径1.5〜2.5ミリメートルとしたことを特徴とする請求項1記載の袋状資材である。
【0010】
また、本発明の要旨とするところは、完熟堆肥1.0キログラムに対して水5キログラムを標準とする割合で混和し42〜48時間水浸の後、これを65〜75℃で、3〜4時間の低温抽出をおこなったのち、この抽出物を沈殿濾過して採取した土壌養分環境を調節するための堆肥抽出溶液である。
【0011】
また、本発明の要旨とするところは、一定の強度を有する材質によって構成され、ゼオライトを充填した袋状資材を土壌中に設置して過剰塩基を置換吸着し、その後前記袋状資材をゼオライトと共に土壌中より取り出して土壌中の過剰塩基を除去する土壌養分環境調節方法である。
【0012】
また、本発明の要旨とするところは、一定の強度を有する材質によって構成され、ゼオライトを充填した袋状資材を土壌中に設置し、その後前記袋状資材を開封して、内部に土壌養分環境を調節するための堆肥抽出溶液を注入して、前記ゼオライトの塩基の置換吸着の水準及び時期を緩衝制御することにより土壌中の植物養分環境を調節する土壌養分環境調節方法である。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、ゼオライトを充填した袋状資材を用いることにより、土壌中の塩基を他の土壌中や地下水中に移動するのでなく、塩基を吸着捕捉して直接的に土中からとり出すことができる。さらに袋状資材の設置位置と時期を任意に設定できるから、植物の育成期間の適切な時期を選んで自由に挿入及び除去することができ、効果的な作業が可能となり、ゼオライト施用に伴う植物の生育遅れに対処すると共に、資源を有効に利用できるのである。
また、本発明は、ゼオライトを充填した袋を土中から取り出し、これを水洗することによって容易に再利用することが可能であることから、資源の有効利用の面で、意義が大きい。
前記ゼオライトを、硬度の高いクリノプチロライト系ゼオライト粒の粒径1.5〜2.5ミリメートルとした場合に最も効果が発揮される。
【0014】
本発明の堆肥抽出溶液は、他の溶液系の有機性土壌環境改善資材において、その代表たる腐食酸系資材であるフミン酸がアルカリと酸で抽出される化学薬品を使用する方法であるのに対して、薬品を使用することなく抽出する方法であることから、抽出後の残渣をもって醗酵させて堆肥に再生することが可能であり、堆肥抽出液の製造においても資源の有効利用、環境への負荷がなく、その効果が高い。
【0015】
本発明は、ゼオライトを充填した袋状資材を土壌中に埋設し、土壌中の塩基をゼオライトの作用によって吸着捕捉したのち、埋設した袋を土壌から取り出す方法によって、環境改善を要する土壌部位から直接的、確実に過剰塩基を除去することができる。
また、ゼオライト施用に伴う植物の生育遅れが生じる場合には、堆肥抽出溶液の併用によってもたらされる塩基吸着を緩衝する作用により、成長促進の環境造成が図られるのである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
堆肥抽出溶液を容易に浸透せしめることができ、かつ土中から引き出す張力にたえる不織布よりなる袋状資材を、植物の生育段階あるいは植物の栽培目的に対応した寸法に設定して作成する(図1、表1参照)。前記袋状資材に、クリノプチロライト系の粒径1.5〜2.5ミリメートルのゼオライトを充填し封かんして複数個土壌中に設置する。
一方、完熟堆肥1キログラム当り水5リットルを標準として、堆肥を水浸し42時間以上水浸ののち、温度70℃において3時間以上の低温抽出を行い、沈殿濾過した上澄み液を濃縮液として採取して堆肥抽出溶液を得る(図2参照)。なお、この場合、堆肥の含水率によって加える水量を加減する。その後、この堆肥抽出溶液の10〜100倍の希釈液を、前記袋状資材を開封して注入する。
その後、前記袋状資材を土壌中から取り出して土壌中の植物養分環境を調節する。
【0017】
また、別の実施形態としては前記袋状資材を複数個紐によって一定間隔で取り付けて、多数の袋を連続的に土壌中に埋設することもできる。さらに前記不織布の色彩は緩衝、栽培等の目的に適した黒色、濃灰色、淡白色等の色彩を選択できる。
【実施例1】
【0018】
西洋シバを試験植物として本資材と方法を試験した。試験の方法と結果は次の通り。
【0019】
[試験方法]
試験植物は、西洋シバ混合種。
ゼオライト充填袋は、長さ8センチメートル、重さ6グラムのものをポット1個に対して3個あて使用。
ゼオライトは、粒径1.5〜2.5ミリメートル混合のクリノプチロライト系ゼオライトを使用。
堆肥の分量は、堆肥1キログラムに対して水5キログラムの割合で、予め調製したものを使用した。
堆肥抽出溶液の分量は、ポット1個に対して100倍の希釈液を1回50グラムずつ2週間に1回、合計4回注入した。
試験方法は、土壌の構成を変えたポリエチレンポット径7.5センチメートルに播種して生育を観察し、生長量を計測する方法。
土壌の構成を変えたポリエチレンポットの種類は、次の4種類(この混合比は重量比)であり、図3において、右からa、b、c、dの順で示してある。
a.ゼオライト充填袋3袋+赤玉4:堆肥1の割合で混合
b.パーライト粉0.5:赤玉4:堆肥1の割で混合
c.ゼオライト粉0.5:赤玉4:堆肥1の割で混合
d.赤玉4:堆肥1の割合で混合
これを2007年12月23日蒔きとした。
肥料は元肥を施用せず、途中2週間ごとに2月中旬まで2週間に1回の間隔で水溶肥料を施した。肥料は化成肥料14:14:14を1000倍にして使用した。生育途中で1回、9センチポットに植え替えした。
【0020】
[試験結果]
計測試験は2008年4月6日に行った。試験結果は図4、5、6に示すように、地上部の生育はa、b、dが生育良好で、cは生長が劣る。根部の生育はa、bに大差がなく最大であり、ポットから根がはみ出している。dは根部の生育が最も遅れている。
数値的計測では表2に示すように、シバ草丈はcが23センチメールで最大であり、aが22センチメートル、dが21センチメートルと続き、bは18センチメートルと最小である。葉身の最大幅はaが5ミリメートル1枚、4.5ミリメートル3枚、dは4.4ミリメートル6枚、c.4.4ミリメートル3枚、bは3.9ミリメートル3枚であり、草丈とは幅を合わせて評価すると、地上部の生長はd、a、cがよくて、その差は大差なく、bが最も遅れている。
以上の地上部、根部の生育を総体的に評価すれば、cは草丈が最大ではあるが、aとの差はわずかであり、葉身幅や根部の生長を含めて評価すると、aゼオライト充填袋を使用し堆肥抽出溶液を加えた場合が最も優秀であると認められる。
【実施例2】
【0021】
ハツカダイコンを試験植物として本資材と方法を試験した。試験の方法と結果は次の通り。
【0022】
[試験方法]
試験植物は、ハツカダイコン(紅白)。
ゼオライト充填袋は長さ8センチメートル、重さ6グラムのものをポット1個に対して4個あて使用。
ゼオライトは粒径1.5〜2.5ミリメートル混合のクリノプチロライト系ゼオライトを使用。
堆肥の分量は、堆肥1キログラムに対して水5キログラムの割合で予め調製したものを使用した。
堆肥抽出溶液の分量(希釈度)は、ポット1個に対して、100倍の希釈液を1回60グラムずつ2週間に1回、合計4回注入した。
試験方法は、土壌の構成を変えたポリエチレンポット径12センチメートルに播種して生育を観察し、生長量を計測する方法。
土壌の構成を変えたポリエチレンポットの種類は、次の4種類(この混合費は重量比)である。図8において、右からa、b、c、dの順で示してある。
なお、図8はポットから取り出した根の分布状態の写真である。図7は、ハツカダイコン全体の姿の写真であり、供試体ポットと予備ポットを示す。右から左にaゼオライト充填袋使用のポット、a−1予備ポット(aと同様組成)、b赤玉+堆肥のポット、b−1予備ポット(bと同様組成)。
a.ゼオライト充填袋4袋+赤玉4:堆肥1の割合で混合・・袋に堆肥抽出溶液注入
b.赤玉4:堆肥1の割で混合
c.ゼオライト粉0.5:赤玉4:堆肥1の割で混合・・土中に堆肥抽出溶液注入
d.ゼオライト粉0.5:赤玉4:堆肥1の割で混合
これを、2007年12月23日蒔きとした。
肥料は元肥を施用せず、途中2週間ごとに翌2008年2月中旬まで2週間に1回の間隔で水溶肥料を施した。肥料は化成肥料14:14:14を1000倍にして使用した。
【0023】
[試験結果]
計測試験は2008年4月6日に行った。試験結果は図8、9、10に示すように、地上部の生育はa、b、c、dとも生育に大差がない。根部の生育はa、cに大差がなく最大である。b、dは根部の生育が遅れている。
数値的計測では表3に示すように、全草重量はハツカダイコン4本の合計がaが78グラムで最大であり、dが73グラム、cが70グラム、bが55グラムで最小である。根部については、aが55グラム、bは54グラム、cは50グラム、dは40グラムで最小である。
以上の全草、根部の生育を総体的に評価すれば、aが最も優秀であると認められる。
【実施例3】
【0024】
ムギを試験植物として本資材と方法を試験した。試験の方法と結果は次の通り。
【0025】
[試験方法]
試験植物は、ムギ(品種名:笹の雪)。
ゼオライト充填袋は長さ6センチメートル、重さ3.5グラムのものをポット1個に対して3個あて使用。
ゼオライトは粒径1.5〜2.5ミリメートル混合のクリノプチロライト系ゼオライトを使用。
堆肥の分量は、堆肥1キログラムに対して水5キログラムの割合で調製したものを使用した。
堆肥抽出溶液の分量(希釈度)は、ポット1個に対して、100倍の希釈液30グラムを2週間に1回の割合で合計4回注入した。
試験方法は、土壌の構成を変えたポリエチレンポット径9センチメートルに播種して生育を観察し、生長量を計測する方法。
土壌の構成を変えたポリエチレンポットの種類は、次の2種類(この混合比は重量比)である。図11において、上からa、bの順で示してある。
a.ゼオライト充填袋3袋+赤玉6.7:堆肥1の割合で混合・・袋に堆肥抽出溶液注入。
b.赤玉6.7:堆肥1の割合で混合
これを、2007年12月23日蒔きとした。
肥料は元肥を施用せず、途中2週間ごとに翌2008年2月中旬まで2週間に1回の間隔で水溶肥料を施した。肥料は化学肥料14:14:14を1000倍にして使用した。
【0026】
[試験結果]
計測試験は2008年4月26日に行った。試験計測は、草丈(頴を除く)、稈直径(地上15cm)、穂長(頴を除く)、穂幅の4項目である。計測結果は4項のうち、草丈、穂長、穂幅の3項目でaがbを上回り、稈直径ではbがaを上回っている。しかしながら、bの平均値は未だ出穂していない1茎を除外したものである事から、ムギの生育は全体としてaがbを上回る成績であると評価できる。これを表4および図11、12に示す。
【0027】
[実施例1、2、3の総合評価]
以上の試験結果を全体的に見ると、成績の最も優秀であるのは、aゼオライトを充填した袋を土中に埋め込み、溶液を注入したポットであり、堆肥と赤玉土を混合した場合に比べて根部の発達がよく植物全体としても生育の良いことが、明らかである。
このようにして、本資材ならびに資材の使用方法の有効性は明らかである。また、本資材は、全体的に土壌から回収して再利用することが可能であることから、資源の有効利用が可能であり、環境への負荷が小さく、経済性に富んでいる。これらのことから、農園芸上の効果とともに社会的にも有意な資材ならびに技術である。
【0028】
(表1)ゼオライトを充填した袋の寸法
【0029】
(表2)西洋シバ試験結果
【0030】
(表3)ハツカダイコン試験結果
【0031】
(表4)ムギ試験結果
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】ゼオライトを充填した袋の写真
【図2】容器に入れた堆肥抽出溶液の写真
【図3】西洋シバ全体の姿の写真
【図4】西洋シバの根の発達状態の写真
【図5】西洋シバの根の分布状態の写真
【図6】西洋シバの根の発達状態で、白色の袋の周りの根の状態の写真
【図7】ハツカダイコン全体の姿の写真。供試体と予備ポットを示す
【図8】ハツカダイコンの根の分布状態の写真
【図9】ゼオライトを充填した袋にハツカダイコンの根が絡む状態の写真
【図10】ハツカダイコンの根を洗った状態で、供試体aの根の伸張が著しいことを示す写真
【図11】ムギ全体の姿の写真
【図12】ムギの穂の状態の写真
【技術分野】
【0001】
本発明は、塩基吸着機能を持った物質を充填した袋を土中に埋設し、土中の塩基を袋中の吸着機能を持った物質に吸着せしめて、袋を土中から取り出す方法により土中の塩基を除去するとともに、土中に堆肥抽出による有機溶液を注入することによって土壌の緩衝能を増大せしめて、塩基除去に伴う土中塩類濃度の急激な変化に対する緩衝能を高め、もって植物に対する土壌養分環境を調節する土壌改良方法ならびにそれに使用する資材に関する。
【背景技術】
【0002】
近年農園芸の施設化と化学肥料の多様化が進み、土壌の塩類過剰集積が見られ、あるいは土壌中に有害重金属が集積し、更にはチッ素肥料の過剰施用にともなう栽培植物の軟弱生長が多く発生するなどの土壌養分環境の劣化が生じた。そのため土壌中の過剰塩基等の除去の必要性が高まってきた。
この土壌中の過剰塩基除去法で、従来より行われていた主なものは、次の3点である。
(1)土壌水洗法
(2)土壌の置き換え(客土法)
(3)ゼオライト等の塩基置換容量の大きい物質を土中に混合して塩基の吸着を行う方法
【0003】
また土壌中の養分環境を調節する主な方法としては、次の3点が挙げられる。
(4)堆肥等有機物あるいは鉱物性の土壌改良材を固形分として土壌中に混入する方法
(5)フミン酸等の液体有機物を直接土壌に注入し、または固形物に含浸させて供給する方法
(6)長い網筒内に空隙率の大きい鉱物を詰めたものを土中に埋設する方法
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記(1)土壌水洗法では塩類を地下深部に流し込むだけであり、(2)客土法の場合は客土層の下に塩基濃度の高い土層が依然として存在するため前記(1)、(2)の方法では地下からの毛管水により塩基が再度上昇する可能性が高い。
また、(3)ゼオライト等の塩基置換容量の大きい物質を土壌中に混入する方法の場合、ゼオライト等の塩基吸着は可逆的な置換作用であるため、ゼオライト粒の周辺の塩基濃度が低下した場合、ゼオライト粒は吸着した塩基を放出してしまうという問題点がある。
このように、従来の塩基除去法は過剰塩基を確実に除去するものではなかった。
【0005】
また、前記(3)ゼオライト粒を土壌中に混合した場合において、ゼオライトはカリウム、チッ素(アンモニア)、ナトリウム、カルシウム等の植物養分を良く吸着する性質がある。植物の生育は、カリウムが十分であれば根部の発達がよく、チッ素が過少である場合は茎葉の生長が遅れる性質があることから、ゼオライトを施用すると根部の発達がよいものの、チッ素供給が少なめとなり、植物全体としての生育が遅れがちになるという問題があった。
【0006】
さらに、土壌中の養分環境を調節する方法である前記(4)、(5)の方法の場合、これらの方法に用いられる土壌改良材等の資材は、塩基置換吸着能が小さく、かつ環境を調節する物質である固形物を土中の特に地表からの深さの特定位置に供給することが困難であった。また、(6)の方法は、網筒内に充填された物質が真珠岩系のものであって塩基置換容量の小さい物質であることから塩基除去機能が小さい等の問題があった。
【0007】
本発明は前記従来方法の課題を解決するためになされたものであって、土壌中の塩基を、土壌中の任意の位置から吸着捕捉して直接的にとり出して除去する。さらに土壌中に有機溶液を注入することによって土壌の緩衝能を増大せしめて、塩基除去に伴う土中塩類濃度の急激な変化に対する緩衝能を高め、もって植物に対する土壌養分環境を調節する方法とそれに使用する資材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の要旨とするところは、土壌養分環境を調節するために用いられる袋状資材において、一定の強度を有し、かつ堆肥抽出溶液を容易に浸透させることができる材質によって構成し、内部に土壌中の塩基を置換吸着させるためのゼオライトを充填したことを特徴とする袋状資材である。
【0009】
また、本発明の要旨とするところは、前記袋状資材に充填するゼオライトを、クリノプチロライト系の材質によって構成し、粒径1.5〜2.5ミリメートルとしたことを特徴とする請求項1記載の袋状資材である。
【0010】
また、本発明の要旨とするところは、完熟堆肥1.0キログラムに対して水5キログラムを標準とする割合で混和し42〜48時間水浸の後、これを65〜75℃で、3〜4時間の低温抽出をおこなったのち、この抽出物を沈殿濾過して採取した土壌養分環境を調節するための堆肥抽出溶液である。
【0011】
また、本発明の要旨とするところは、一定の強度を有する材質によって構成され、ゼオライトを充填した袋状資材を土壌中に設置して過剰塩基を置換吸着し、その後前記袋状資材をゼオライトと共に土壌中より取り出して土壌中の過剰塩基を除去する土壌養分環境調節方法である。
【0012】
また、本発明の要旨とするところは、一定の強度を有する材質によって構成され、ゼオライトを充填した袋状資材を土壌中に設置し、その後前記袋状資材を開封して、内部に土壌養分環境を調節するための堆肥抽出溶液を注入して、前記ゼオライトの塩基の置換吸着の水準及び時期を緩衝制御することにより土壌中の植物養分環境を調節する土壌養分環境調節方法である。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、ゼオライトを充填した袋状資材を用いることにより、土壌中の塩基を他の土壌中や地下水中に移動するのでなく、塩基を吸着捕捉して直接的に土中からとり出すことができる。さらに袋状資材の設置位置と時期を任意に設定できるから、植物の育成期間の適切な時期を選んで自由に挿入及び除去することができ、効果的な作業が可能となり、ゼオライト施用に伴う植物の生育遅れに対処すると共に、資源を有効に利用できるのである。
また、本発明は、ゼオライトを充填した袋を土中から取り出し、これを水洗することによって容易に再利用することが可能であることから、資源の有効利用の面で、意義が大きい。
前記ゼオライトを、硬度の高いクリノプチロライト系ゼオライト粒の粒径1.5〜2.5ミリメートルとした場合に最も効果が発揮される。
【0014】
本発明の堆肥抽出溶液は、他の溶液系の有機性土壌環境改善資材において、その代表たる腐食酸系資材であるフミン酸がアルカリと酸で抽出される化学薬品を使用する方法であるのに対して、薬品を使用することなく抽出する方法であることから、抽出後の残渣をもって醗酵させて堆肥に再生することが可能であり、堆肥抽出液の製造においても資源の有効利用、環境への負荷がなく、その効果が高い。
【0015】
本発明は、ゼオライトを充填した袋状資材を土壌中に埋設し、土壌中の塩基をゼオライトの作用によって吸着捕捉したのち、埋設した袋を土壌から取り出す方法によって、環境改善を要する土壌部位から直接的、確実に過剰塩基を除去することができる。
また、ゼオライト施用に伴う植物の生育遅れが生じる場合には、堆肥抽出溶液の併用によってもたらされる塩基吸着を緩衝する作用により、成長促進の環境造成が図られるのである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
堆肥抽出溶液を容易に浸透せしめることができ、かつ土中から引き出す張力にたえる不織布よりなる袋状資材を、植物の生育段階あるいは植物の栽培目的に対応した寸法に設定して作成する(図1、表1参照)。前記袋状資材に、クリノプチロライト系の粒径1.5〜2.5ミリメートルのゼオライトを充填し封かんして複数個土壌中に設置する。
一方、完熟堆肥1キログラム当り水5リットルを標準として、堆肥を水浸し42時間以上水浸ののち、温度70℃において3時間以上の低温抽出を行い、沈殿濾過した上澄み液を濃縮液として採取して堆肥抽出溶液を得る(図2参照)。なお、この場合、堆肥の含水率によって加える水量を加減する。その後、この堆肥抽出溶液の10〜100倍の希釈液を、前記袋状資材を開封して注入する。
その後、前記袋状資材を土壌中から取り出して土壌中の植物養分環境を調節する。
【0017】
また、別の実施形態としては前記袋状資材を複数個紐によって一定間隔で取り付けて、多数の袋を連続的に土壌中に埋設することもできる。さらに前記不織布の色彩は緩衝、栽培等の目的に適した黒色、濃灰色、淡白色等の色彩を選択できる。
【実施例1】
【0018】
西洋シバを試験植物として本資材と方法を試験した。試験の方法と結果は次の通り。
【0019】
[試験方法]
試験植物は、西洋シバ混合種。
ゼオライト充填袋は、長さ8センチメートル、重さ6グラムのものをポット1個に対して3個あて使用。
ゼオライトは、粒径1.5〜2.5ミリメートル混合のクリノプチロライト系ゼオライトを使用。
堆肥の分量は、堆肥1キログラムに対して水5キログラムの割合で、予め調製したものを使用した。
堆肥抽出溶液の分量は、ポット1個に対して100倍の希釈液を1回50グラムずつ2週間に1回、合計4回注入した。
試験方法は、土壌の構成を変えたポリエチレンポット径7.5センチメートルに播種して生育を観察し、生長量を計測する方法。
土壌の構成を変えたポリエチレンポットの種類は、次の4種類(この混合比は重量比)であり、図3において、右からa、b、c、dの順で示してある。
a.ゼオライト充填袋3袋+赤玉4:堆肥1の割合で混合
b.パーライト粉0.5:赤玉4:堆肥1の割で混合
c.ゼオライト粉0.5:赤玉4:堆肥1の割で混合
d.赤玉4:堆肥1の割合で混合
これを2007年12月23日蒔きとした。
肥料は元肥を施用せず、途中2週間ごとに2月中旬まで2週間に1回の間隔で水溶肥料を施した。肥料は化成肥料14:14:14を1000倍にして使用した。生育途中で1回、9センチポットに植え替えした。
【0020】
[試験結果]
計測試験は2008年4月6日に行った。試験結果は図4、5、6に示すように、地上部の生育はa、b、dが生育良好で、cは生長が劣る。根部の生育はa、bに大差がなく最大であり、ポットから根がはみ出している。dは根部の生育が最も遅れている。
数値的計測では表2に示すように、シバ草丈はcが23センチメールで最大であり、aが22センチメートル、dが21センチメートルと続き、bは18センチメートルと最小である。葉身の最大幅はaが5ミリメートル1枚、4.5ミリメートル3枚、dは4.4ミリメートル6枚、c.4.4ミリメートル3枚、bは3.9ミリメートル3枚であり、草丈とは幅を合わせて評価すると、地上部の生長はd、a、cがよくて、その差は大差なく、bが最も遅れている。
以上の地上部、根部の生育を総体的に評価すれば、cは草丈が最大ではあるが、aとの差はわずかであり、葉身幅や根部の生長を含めて評価すると、aゼオライト充填袋を使用し堆肥抽出溶液を加えた場合が最も優秀であると認められる。
【実施例2】
【0021】
ハツカダイコンを試験植物として本資材と方法を試験した。試験の方法と結果は次の通り。
【0022】
[試験方法]
試験植物は、ハツカダイコン(紅白)。
ゼオライト充填袋は長さ8センチメートル、重さ6グラムのものをポット1個に対して4個あて使用。
ゼオライトは粒径1.5〜2.5ミリメートル混合のクリノプチロライト系ゼオライトを使用。
堆肥の分量は、堆肥1キログラムに対して水5キログラムの割合で予め調製したものを使用した。
堆肥抽出溶液の分量(希釈度)は、ポット1個に対して、100倍の希釈液を1回60グラムずつ2週間に1回、合計4回注入した。
試験方法は、土壌の構成を変えたポリエチレンポット径12センチメートルに播種して生育を観察し、生長量を計測する方法。
土壌の構成を変えたポリエチレンポットの種類は、次の4種類(この混合費は重量比)である。図8において、右からa、b、c、dの順で示してある。
なお、図8はポットから取り出した根の分布状態の写真である。図7は、ハツカダイコン全体の姿の写真であり、供試体ポットと予備ポットを示す。右から左にaゼオライト充填袋使用のポット、a−1予備ポット(aと同様組成)、b赤玉+堆肥のポット、b−1予備ポット(bと同様組成)。
a.ゼオライト充填袋4袋+赤玉4:堆肥1の割合で混合・・袋に堆肥抽出溶液注入
b.赤玉4:堆肥1の割で混合
c.ゼオライト粉0.5:赤玉4:堆肥1の割で混合・・土中に堆肥抽出溶液注入
d.ゼオライト粉0.5:赤玉4:堆肥1の割で混合
これを、2007年12月23日蒔きとした。
肥料は元肥を施用せず、途中2週間ごとに翌2008年2月中旬まで2週間に1回の間隔で水溶肥料を施した。肥料は化成肥料14:14:14を1000倍にして使用した。
【0023】
[試験結果]
計測試験は2008年4月6日に行った。試験結果は図8、9、10に示すように、地上部の生育はa、b、c、dとも生育に大差がない。根部の生育はa、cに大差がなく最大である。b、dは根部の生育が遅れている。
数値的計測では表3に示すように、全草重量はハツカダイコン4本の合計がaが78グラムで最大であり、dが73グラム、cが70グラム、bが55グラムで最小である。根部については、aが55グラム、bは54グラム、cは50グラム、dは40グラムで最小である。
以上の全草、根部の生育を総体的に評価すれば、aが最も優秀であると認められる。
【実施例3】
【0024】
ムギを試験植物として本資材と方法を試験した。試験の方法と結果は次の通り。
【0025】
[試験方法]
試験植物は、ムギ(品種名:笹の雪)。
ゼオライト充填袋は長さ6センチメートル、重さ3.5グラムのものをポット1個に対して3個あて使用。
ゼオライトは粒径1.5〜2.5ミリメートル混合のクリノプチロライト系ゼオライトを使用。
堆肥の分量は、堆肥1キログラムに対して水5キログラムの割合で調製したものを使用した。
堆肥抽出溶液の分量(希釈度)は、ポット1個に対して、100倍の希釈液30グラムを2週間に1回の割合で合計4回注入した。
試験方法は、土壌の構成を変えたポリエチレンポット径9センチメートルに播種して生育を観察し、生長量を計測する方法。
土壌の構成を変えたポリエチレンポットの種類は、次の2種類(この混合比は重量比)である。図11において、上からa、bの順で示してある。
a.ゼオライト充填袋3袋+赤玉6.7:堆肥1の割合で混合・・袋に堆肥抽出溶液注入。
b.赤玉6.7:堆肥1の割合で混合
これを、2007年12月23日蒔きとした。
肥料は元肥を施用せず、途中2週間ごとに翌2008年2月中旬まで2週間に1回の間隔で水溶肥料を施した。肥料は化学肥料14:14:14を1000倍にして使用した。
【0026】
[試験結果]
計測試験は2008年4月26日に行った。試験計測は、草丈(頴を除く)、稈直径(地上15cm)、穂長(頴を除く)、穂幅の4項目である。計測結果は4項のうち、草丈、穂長、穂幅の3項目でaがbを上回り、稈直径ではbがaを上回っている。しかしながら、bの平均値は未だ出穂していない1茎を除外したものである事から、ムギの生育は全体としてaがbを上回る成績であると評価できる。これを表4および図11、12に示す。
【0027】
[実施例1、2、3の総合評価]
以上の試験結果を全体的に見ると、成績の最も優秀であるのは、aゼオライトを充填した袋を土中に埋め込み、溶液を注入したポットであり、堆肥と赤玉土を混合した場合に比べて根部の発達がよく植物全体としても生育の良いことが、明らかである。
このようにして、本資材ならびに資材の使用方法の有効性は明らかである。また、本資材は、全体的に土壌から回収して再利用することが可能であることから、資源の有効利用が可能であり、環境への負荷が小さく、経済性に富んでいる。これらのことから、農園芸上の効果とともに社会的にも有意な資材ならびに技術である。
【0028】
(表1)ゼオライトを充填した袋の寸法
【0029】
(表2)西洋シバ試験結果
【0030】
(表3)ハツカダイコン試験結果
【0031】
(表4)ムギ試験結果
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】ゼオライトを充填した袋の写真
【図2】容器に入れた堆肥抽出溶液の写真
【図3】西洋シバ全体の姿の写真
【図4】西洋シバの根の発達状態の写真
【図5】西洋シバの根の分布状態の写真
【図6】西洋シバの根の発達状態で、白色の袋の周りの根の状態の写真
【図7】ハツカダイコン全体の姿の写真。供試体と予備ポットを示す
【図8】ハツカダイコンの根の分布状態の写真
【図9】ゼオライトを充填した袋にハツカダイコンの根が絡む状態の写真
【図10】ハツカダイコンの根を洗った状態で、供試体aの根の伸張が著しいことを示す写真
【図11】ムギ全体の姿の写真
【図12】ムギの穂の状態の写真
【特許請求の範囲】
【請求項1】
土壌養分環境を調節するために用いられる袋状資材において、
一定の強度を有し、かつ堆肥抽出溶液を容易に浸透させることができる材質によって構成し、内部に土壌中の塩基を置換吸着させるためのゼオライトを充填したことを特徴とする袋状資材。
【請求項2】
前記袋状資材に充填するゼオライトを、クリノプチロライト系の材質によって構成し、粒径1.5〜2.5ミリメートルとしたことを特徴とする請求項1記載の袋状資材。
【請求項3】
完熟堆肥1.0キログラムに対して水5キログラムを標準とする割合で混和し42〜48時間水浸の後、これを65〜75℃で、3〜4時間の低温抽出をおこなったのち、この抽出物を沈殿濾過して採取した土壌養分環境を調節するための堆肥抽出溶液。
【請求項4】
一定の強度を有する材質によって構成され、ゼオライトを充填した袋状資材を土壌中に設置して過剰塩基を置換吸着し、その後前記袋状資材をゼオライトと共に土壌中より取り出して土壌中の過剰塩基を除去する土壌養分環境調節方法。
【請求項5】
一定の強度を有する材質によって構成され、ゼオライトを充填した袋状資材を土壌中に設置し、その後前記袋状資材を開封して、内部に土壌養分環境を調節するための堆肥抽出溶液を注入して、前記ゼオライトの塩基の置換吸着の水準及び時期を緩衝制御することにより土壌中の植物養分環境を調節する土壌養分環境調節方法。
【請求項1】
土壌養分環境を調節するために用いられる袋状資材において、
一定の強度を有し、かつ堆肥抽出溶液を容易に浸透させることができる材質によって構成し、内部に土壌中の塩基を置換吸着させるためのゼオライトを充填したことを特徴とする袋状資材。
【請求項2】
前記袋状資材に充填するゼオライトを、クリノプチロライト系の材質によって構成し、粒径1.5〜2.5ミリメートルとしたことを特徴とする請求項1記載の袋状資材。
【請求項3】
完熟堆肥1.0キログラムに対して水5キログラムを標準とする割合で混和し42〜48時間水浸の後、これを65〜75℃で、3〜4時間の低温抽出をおこなったのち、この抽出物を沈殿濾過して採取した土壌養分環境を調節するための堆肥抽出溶液。
【請求項4】
一定の強度を有する材質によって構成され、ゼオライトを充填した袋状資材を土壌中に設置して過剰塩基を置換吸着し、その後前記袋状資材をゼオライトと共に土壌中より取り出して土壌中の過剰塩基を除去する土壌養分環境調節方法。
【請求項5】
一定の強度を有する材質によって構成され、ゼオライトを充填した袋状資材を土壌中に設置し、その後前記袋状資材を開封して、内部に土壌養分環境を調節するための堆肥抽出溶液を注入して、前記ゼオライトの塩基の置換吸着の水準及び時期を緩衝制御することにより土壌中の植物養分環境を調節する土壌養分環境調節方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2009−284872(P2009−284872A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−143380(P2008−143380)
【出願日】平成20年5月30日(2008.5.30)
【出願人】(308017168)株式会社総合設計研究所 (4)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年5月30日(2008.5.30)
【出願人】(308017168)株式会社総合設計研究所 (4)
【Fターム(参考)】
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