土木用ブロック製造法及び土木構築物
【課題】異なる規格の土木用ブロックを製造する際、同一サイズの型枠部材を使用して対応でき、且つ、少ない工程で短期間に効率良く多数の土木用ブロックを製造する。
【解決手段】吸出し防止シート12が敷設された河床等の底面上に、逆台形柱状の型枠部材2を縦横に複数列配列して連結すると共に、型枠部材2同士が交差する箇所に、挿入筋8を保持して成る連結用中子3を設置する。そして、型枠部材2により形成された多数の略矩形のブロック製造用空間13にコンクリートを打設して、硬化後に脱型することにより、ブロック製造用空間13と対応する略矩形のブロック10が多数個製造され、この場合、ブロック10の側面には挿入筋8が埋設一体化される。
【解決手段】吸出し防止シート12が敷設された河床等の底面上に、逆台形柱状の型枠部材2を縦横に複数列配列して連結すると共に、型枠部材2同士が交差する箇所に、挿入筋8を保持して成る連結用中子3を設置する。そして、型枠部材2により形成された多数の略矩形のブロック製造用空間13にコンクリートを打設して、硬化後に脱型することにより、ブロック製造用空間13と対応する略矩形のブロック10が多数個製造され、この場合、ブロック10の側面には挿入筋8が埋設一体化される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は土木用ブロック製造法及び土木構築物に関するものであり、特に、河床等における根固ブロック等として使用される土木用ブロック製造法及び土木構築物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、此種土木用ブロック、例えば、根固ブロック、護床ブロック、護岸ブロック等は河川の根固工、護床工、海岸等の各種マウンド(突堤、離岸堤、潜堤、消波など)の被覆工において、自然環境保全、護床・護岸機能及び消波機能を発揮させるべく、施工面に複数並べて設置される。
【0003】
各種規格の土木用ブロックは相似形の規格品であり、施工現場毎に土木用ブロックの規格と対応する規格の型枠部材を使用して型枠を組み立てて、コンクリート打設後に脱型した型枠部材は、再び次の施工現場に運搬して転用している。
【0004】
実際に、前記ブロックを製造する場合は、底板用型枠部材の周縁部に側板用型枠部材を一体に立設して型枠を組み立て、該型枠内にコンクリートを打設して養生硬化した後に、脱型することにより、製品としての土木用ブロックを一個ずつ製造している。即ち、脱型時に型枠部材を一旦水平方向に移動させた後に上方に抜くために、隣接するブロック製造用空間同士の間に脱型作業用の大きな空隙を確保する必要があり、1回のコンクリート打設で1個の土木用ブロックしか製造できない(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−236815号公報。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1記載の従来技術は、土木用ブロックの規格(全体重量)が2トンのものを製造する場合、他の規格(例えば、0.5トン、1トン、3トン又は4トン以上の規格)の型枠部材を使用できないため、各施工現場に応じて規格の異なる型枠部材を用意する必要がある。従って、同一の型枠部材を各施工現場に共通に使用できず、該型枠部材の転用効率も低減する。
【0006】
又、型枠を組立てて土木用ブロックを製造する際、コンクリートの打設、脱型、ブロックの転置、仮置き、据付け等の多くの工程を必要とするので、土木用ブロックを一個ずつ製造していることと相俟って、施工期間が長くなるという問題があった。
【0007】
そこで、規格の異なる土木用ブロックに対して同一の型枠部材で対応(共用)でき、該型枠部材の転用効率が高くなり、且つ、工期短縮を図るために解決すべき技術的課題が生じてくるのであり、本発明はこの課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は上記目的を達成するために提案されたものであり、請求項1記載の発明は、略矩形の土木用ブロックを複数製造する方法であって、逆台形柱状に形成された複数の型枠部材を縦横に配列すると共に、隣接する型枠部材同士を互いに連結することにより、略矩形のブロック製造用空間を複数形成し、該ブロック製造用空間にコンクリートを打設して硬化後に脱型する土木用ブロック製造法を提供する。
【0009】
この構成によれば、複数の型枠部材を縦横に並べて、例えば大きさ(容積)の異なる略矩形のブロック製造用空間を形成し、このブロック製造用空間にコンクリートを打設して硬化させる。硬化後、複数の型枠部材を脱型すると、ブロック製造用空間の形状と対応する略矩形の土木用ブロックが製造される。従って、川床などの施工現場で製造すれば、該土木用ブロックの製造と据付けが同時に完了する。
【0010】
請求項2記載の発明は、上記コンクリートの打設は、上記複数の型枠部材同士が交差する箇所に鉄筋等のアンカー部材をセットした状態で行うことにより、上記土木用ブロックの側面に前記アンカー部材が一体化されることを特徴とする請求項1記載の土木用コンクリートブロック製造法を提供する。
【0011】
この構成によれば、前記アンカー部材は型枠部材同士の交差箇所にセットし、この状態でコンクリートを打設する。このため、脱型して製造された土木用ブロックの側面には、アンカー部材が埋設して取り付けられる。このアンカー部材としては、例えば、先端部に単数又は複数のループ形状部を有する挿入筋を使用することができる。
【0012】
請求項3記載の発明は、上記コンクリートの打設は、上記ブロック製造用空間に箱状の中抜き用中子をセットした状態で行うことにより、上記土木用ブロックの中央部に中抜き孔が形成されることを特徴とする請求項1又は2記載の土木用ブロック製造法を提供する。
【0013】
この構成によれば、前記中抜き用中子をブロック製造用空間の中央位置にセットし、この状態でコンクリートを打設する。このため、脱型して製造された土木用ブロックの中央部には中抜き孔が形成される。
【0014】
請求項4記載の発明は、上記型枠部材は吸出し防止シートを敷設した底面上に配設される請求項1,2又は3記載の土木用ブロック製造法を提供する。
【0015】
この構成によれば、施工箇所の底面に前記吸出し防止シートを敷設した後、該吸出し防止シートの上に複数の型枠部材を配置し、この状態でコンクリートを打設する。この場合、前記吸出し防止シートは型枠の底板として機能する。
【0016】
請求項5記載の発明は、上記型枠部材の一部は上記コンクリートの打設高さを調整するために高さの低い越流用型枠部材を使用して形成される請求項1,2,3又は4記載の土木用ブロック製造法を提供する。
【0017】
この構成によれば、2つのブロック製造用空間同士を仕切る型枠部材の一部には、高さの低い越流用型枠部材を使用して配置する。このようにすると、該型枠部材で仕切られた一方のブロック製造用空間にコンクリートを流し込むとき、該コンクリートの高さが越流用型枠部材の上面の高さまで上昇した後、更に流し込まれた余分なコンクリートは、越流用型枠部材をオーバーフローして、他方のブロック製造用空間へ移動して流れ込む。このため、製造された土木用ブロックの厚さは、越流用型枠部材の高さと一致する。
【0018】
請求項6記載の発明は、河川の根固工、護床工、海岸等の各種マウンドの被覆工において、請求項1,2,3,4又は5記載の土木用ブロック製造法によって製造された複数のブロックを用いて構築して成る土木構築物を提供する。
【0019】
この構成によれば、河川、水路、海岸等で根固工、護床工、海岸被覆工を施工する場合、本発明の製造法により上記複数の土木用ブロックを施工現場にて製造して据付けられる。即ち、ブロック据付箇所に複数の型枠部材を縦横に配置してブロック製造用空間を形成し、該ブロック製造用空間にコンクリートを打設する。そして、硬化後に脱型すると土木用ブロックが製造され、同時に該土木用ブロックの据付けも完了する。
【発明の効果】
【0020】
請求項1記載の発明は、川床などのドライワークが可能な施工現場で製造すれば、土木用ブロックの転置、仮置き及び据付けが省略され、土木用ブロックの製造と据付が同時に完了するので、従来に比べて製造工程を削減でき、大幅な工期短縮が図られる。
【0021】
本発明は、所望数の型枠部材を連結することにより、所望規格(トン数)の型枠を組み立てることができるので、他の施工現場で規格の異なる土木用ブロックを製造する場合でも、同一の型枠部材をそのまま転用することができ、型枠部材の転用稼働率が高くなる。併せて、型枠部材の在庫管理又は出荷管理が容易になると共に、型枠部材の運搬又は積載も容易になる。
【0022】
又、型枠部材は逆台形柱状に形成されているので、型枠部材を引き上げるのみで脱型を円滑に行うことができる。更に、逆台形柱状の型枠部材は、高い剛性強度を有する部材で製造されることにより、補強用のフランジ又はリブが不要になる。尚、型枠部材は直方体柱形状であって、その相対する2面(コンクリートと接する面)をジャッキ等の伸縮可能な器具を使用して連結してもよい。
【0023】
更に、従来技術では、隣接するブロック製造用空間同士の間に脱型作業用の大きな空隙を確保する必要があるため、1回のコンクリート打設で1個の土木用ブロックしか製造できなかったが、本発明は、前記空隙が小さくなるので、例えば傘状のアタッチメントをブロック製造用空間の上部にセットしてコンクリートを打設することにより、1回のコンクリート打設で2個のブロックを同時に製造でき、生産性が従来に比べて向上する。又、施工現場の条件に応じて、大きさの異なる複数のブロック製造用空間、即ち、サイズと質量の異なるブロックを同一の型枠により製造することができる。
【0024】
請求項2記載の発明は、土木用ブロックの側面にアンカー部材が取り付けられるので、請求項1記載の発明の効果に加えて、アンカー部材は該土木用ブロック同士を連結させるための部材として利用され、又、特に工場生産の場合は前記土木用ブロックの把手としても利用される。
【0025】
請求項3記載の発明は、土木用ブロックの中央部に中抜き孔が形成されるので、請求項請求項1又は2記載の発明の効果に加えて、前記土木用ブロックの中央部に作用する揚力を軽減させることができる。又、中抜き孔は水中の動植物の生存に適したスペースを提供でき、生態環境ないし自然環境の保存に寄与することができる。
【0026】
請求項4記載の発明は、吸出し防止シートは型枠の底板として機能するので、請求項1,2又は3記載の発明の効果に加えて、鋼板等の底板を別個設置する必要がなく、川床等のブロック載設箇所において水流による底部の洗掘現象を効果的に防止することができる。
【0027】
請求項5記載の発明は、土木用ブロックの厚さは越流用型枠部材の高さと一致するので、請求項1,2,3又は4記載の発明の効果に加えて、越流用型枠部材の高さを変更するのみで、前記土木用ブロックの高さを容易に調整変更することができる。
【0028】
請求項6記載の発明は、河川、水路、海岸等における土木構築物の施工現場において、土木用ブロックの製造と据付けが同時に完了するので、土木構築物の施工期間及び施工費用を大幅に縮減させることができる。又、製造すべき土木用ブロックの規格が異なっても、同一の型枠部材を所要数連結することにより容易に対応することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
本発明は、規格の異なる土木用ブロックに対して同一の型枠部材により対応でき、型枠部材の転用効率が高くなり、且つ、工期短縮を図るという目的を、略矩形の土木用ブロックを複数製造する方法であって、逆台形柱状に形成された複数の型枠部材を縦横に配列すると共に、隣接する型枠部材同士を互いに連結することにより、略矩形のブロック製造用空間を複数形成し、該ブロック製造用空間にコンクリートを打設して硬化後に脱型することにより実現した。
【実施例】
【0030】
以下、本発明の好適な一実施例を図1乃至図8に従って説明する。本実施例に係る土木用ブロック製造法は、断面逆台形柱状に形成された型枠部材を多数使用し、該型枠部材を縦方向及び横方向に複数列並べて相互連結して格子状の型枠に組み立てることにより、多数の型枠部材で仕切られた略矩形のブロック製造用空間(升目)を多数形成し、該ブロック製造用空間にコンクリートを打設して、多数の土木用ブロックの製造と据付けを同時に施工する方法である。ここに、本発明に係る複数の型枠部材を縦横に配列することは、例えば「格子状」又は「格子状」等を含むものとする。
【0031】
この土木用ブロック製造法は、該土木用ブロックを河川の根固工、護床工、海岸の各種マウンドの被覆工において、ブロック敷設箇所にて直接型枠を組立ててコンクリートを打設することにより、少ない工程で効率良く土木構築物を構築できる。又、前記敷設箇所の近傍又は工場にて上記同様に土木用ブロックを製造した後、該土木用ブロックを敷設箇所に運搬して据え付けることもできる。
【0032】
図1に示すように、本実施例に係る型枠1の組立工程では、多数の型枠部材2を縦方向及び横方向に複数列配置して、例えば、格子状に形成すると共に、該型枠部材2同士が互いに交差する箇所に連結用中子3を配置する。従って、本実施例では、型枠1の側板としての多数の型枠部材2と、該型枠部材2同士を連結するためのバケツ様形状の連結用中子3とを使用し、基本的に型枠底板の使用は不要となる。
【0033】
前記型枠部材2は、図2に示すように、補強リブを必要としない鉄鋼製の中空状部材であり、該型枠部材2は横長の逆台形柱状に形成されている。即ち、型枠部材2の側端面形状は、図3に示すように、逆等脚台形であって、該逆等脚台形の上辺は下辺よりも長く、該型枠部材2の上面は開放して形成されている。この型枠部材2の底辺と両側辺のなす角度は、脱型の際に該型枠部材2の離脱を容易にするために、所定角度に設定されている。
【0034】
また、逆台形柱状の型枠部材2は、標準長さが50cm程度、必要により最短25cm程度から最長100cm程度であり、且つ、高さが概ね30cm〜80cm程度、好ましくは50cm程度であり、この寸法は設計条件に応じて異なる。更に、型枠部材2の幅方向両側の上面には一対の吊上フック4が設けられ、該一対の吊上フック4は互いに左右対峙して配設されている。
【0035】
前記多数の型枠部材2は互いに連結して使用される。この場合、隣接する型枠部材2の、連結部の端面同士はボルト又はコッターピン等の連結具5により締結でき、このため、施工現場の設計条件に応じて、型枠1の長さを所望値に容易に調整することができる。従って、同一の型枠部材2を所要数用いて連結するだけで、型枠1の縦横の長さを任意に調整変更できるので、規格0.5t〜8tクラスの型枠を組み立てる場合でも、同一の型枠部材2のみで容易に対応可能となる。
【0036】
一方、連結用中子3は、図4に示すように、縦長に形成した鋼鉄製の中空状部材であり、連結用中子3の平面視形状は略正八角形である。また、連結用中子3の側面形状は、型枠部材2の端面形状と略一致する逆等脚台形に形成されている。この連結用中子3の底辺と側辺のなす角度は、脱型の際に該連結用中子3の離脱を容易にするために、所定角度に設定されている。更に、連結用中子3の高さは型枠部材2の高さよりも所定寸法だけ高く設定され、連結用中子3の上面には吊上フック6が設けられている。
【0037】
又、連結用中子3の側面下部には、挿入筋保持用のスリット孔7が4個形成されている。該4個のスリット孔7は、連結用中子3の周方向に沿って90°間隔を有して設けられ、各スリット孔7には挿入筋(アンカー部材)8が離脱可能に保持される。
【0038】
前記挿入筋8は、U字状部を有するΩ状又はこれに類似した形状に形成され、該U字部はスリット孔7に沿って上下方向に移動可能にセットされる。而して、連結用中子3に挿入筋8をセットした状態でコンクリートを打設すると、脱型後に製造された土木用ブロック(以下、単にブロックという)の四隅の側面部には、挿入筋8の両端部が埋設・一体化される。
【0039】
次に、前記型枠部材2及び連結用中子3を用いて、格子状の型枠1を組立てる手順について、説明する。先ず、ブロック敷設箇所の据付面が平坦面になるように床均しを行い、この床均し面の上に、図5に示すように、吸出し防止シート12を敷設する。この吸出し防止シート12は型枠1の底板として機能するので、鋼製の底板を敷設する必要はない。
【0040】
然る後、前記敷設箇所の据付面上に多数の型枠部材2を格子状に並べて、隣接する型枠部材2同士を連結する。これにより、格子状の型枠部材2によって仕切られた升目、即ち、略矩形のブロック製造用空間13が多数形成される。この場合、直線状に隣接する型枠部材2同士は、ボルト等の連結具5により締結して直接連結する。しかし、型枠部材2同士がL字状、T字状又は十字状に交差する箇所では、該箇所に配置した連結用中子3を介して型枠部材2同士を連結する。
【0041】
例えば、型枠部材2同士が十字状に交差する箇所では、連結用中子3を交差箇所の中心位置にセットした後、連結用中子3の外側面に型枠部材2を連結する。具体的には、連結用中子3の十字方向の4つの両側面にそれぞれ型枠部材2の端面を当接させて、連結用中子3の側面と型枠部材2の端面をボルト等の連結具(図示せず)により連結する。これと同じ要領により、前記L字状又はT字状の交差箇所においても、型枠部材2と連結用中子3を互いに連結することができる。尚、連結用中子3及び型枠部材2の設置順序は特に限定されない。
【0042】
この後、製品であるブロック10側面に挿入筋8が一体化されるように、該挿入筋8を所定位置にセットする。例えば、型枠部材2同士が連結用中子3を介して、十字状に交差する箇所では、当該連結用中子3の4個のスリット孔7に夫々挿入筋8をセットし、これら挿入筋8の両端部がブロック10の側面に埋設されるように配置する。また、型枠部材2同士が連結用中子3を介して、L字状又はT字状に交差する箇所では、前記同様に、当該連結用中子3の2個又は3個のスリット孔7に夫々挿入筋8をセットする。
【0043】
このように、多数の型枠部材2と連結用中子3により格子状の型枠1を組み立てることにより、略矩形のブロック製造用空間13が多数形成される。次に、該ブロック製造用空間13にコンクリートを打設する。この場合、ブロック製造用空間13の天端間口は底面に対して、上方に向かってテーパ状に広がるように形成されているので、ブロック製造用空間13へのコンクリートの打設作業を容易に行える。尚、強度向上のために補強鉄筋(用心筋)が必要な場合は、所要位置にスペーサを配置して配筋することができる。
【0044】
そして、打設後所定時間経過して前記コンクリートの養生・硬化工程が完了したら、次に、個々の型枠部材2、連結用中子3に夫々取り付けた吊上フック4,6を利用して、型枠部材2及び連結用中子3をこの順番で脱型する。尚、脱型の順序は前記とは逆でもよい。
【0045】
斯くして、図6及び図7に示すように、ブロック製造用空間13の寸法形状と対応する略矩形のブロック(根固ブロック、護床ブロック等)10が多数同時に製造される。製造されたブロック10の隅部側面には、挿入筋8の両端部が一体に埋設され、挿入筋8のU状部がブロック10の外側に突出して形成される。この後、前記挿入筋8同士を連結金具9によって連結することにより、隣接するブロック10同士が一体的に連結される。尚、図8A及び図8Bに示すように、挿入筋8の形状は、先端がループ(輪)になった形状のものとしてもよいし、あるいは、複数のループが絡んだものを使用してもよい。
【0046】
以上説明したように、本実施例は、多数の型枠部材2を格子状に並べて略矩形のブロック製造用空間13を形成し、このブロック製造用空間13にコンクリートを打設して硬化させた後、前記型枠部材2を脱型することにより、縦横に並列した多数個のブロック10を一度に製造するものである。
【0047】
従って、川床などの敷設箇所において、前記型枠部材2を組立ててコンクリート現場打ちを行えば、挿入筋8付きブロック10の製造と据付けが同時に完了する。斯くして、従来必要であった転置工程及び仮置き工程が省略され、大幅な工期・工事費の縮減が図られる。なお、本発明に係る型枠1は、図8に示すように、据付面が傾斜した箇所、たとえば河川護岸や海岸各種マウンド(突堤、離岸堤、潜堤、消波堤等)の被覆や道路の法面などにも設置できる。尚、図9の施工例では、孔なしのブロック10は河川護岸の下部及び根固部に設置し、更に、孔10aを有するブロック10は河川護岸の上部に設置している。特に、前記孔、孔10a に土Sを入れて植物Pを繁茂させることもできる。
【0048】
また、型枠部材2を必要数連結して、所望寸法の格子状型枠1を形成できるので、例えば2トン用の型枠1を組み立てた後、次の施工現場で0.5トン用、1トン用、3トン用、または4トン以上用の型枠1を組立てる場合でも、同一規格の型枠部材2のみを使用して対応することができる。従って、次の施工現場でブロック10の規格種類が異なっても、同一の型枠部材2を再び転用でき、型枠部材2の転用効率が高くなる。
【0049】
更に、隣接するブロック10同士間の空隙(目地幅)が狭小になるので、例えば、傘状のコンクリート打設用アタッチメント(図示せず)を用いることにより、隣接する2箇所のブロック製造用空間13に同時にコンクリートを打ち込むことができ、施工効率が著しく向上する。
【0050】
更に又、前記ブロック10の側面には、アンカー部材としての挿入筋8が一体に取り付けられるので、該挿入筋8は、ブロック10同士を連結させる部材として利用できるほか、該ブロック10を積込み又は運搬する際の吊具などとしても利用できる。
【0051】
又、吸出し防止シート12の上にコンクリートを打設するので、吸出し防止シート12は型枠底板の役目を果たすと共に、ブロック製造後には、ブロック同士間の空隙から洗掘現象が起こることを未然に防止する。
【0052】
次に、本発明の他の実施例について説明する。尚、以下の図面において、前述の実施例と同一の部材にはそれと同一の符号を付すものとする。また、格子状の型枠の交差箇所には上記連結用中子3が配置されるが、図示を省略している。図10は、小型の略矩形のブロックを製造する際に使用される型枠16を示す。この型枠16は、前述の実施例で用いた長さ100cmの型枠部材2と、該型枠部材2よりも長さが短い(長さ50cm)型枠部材17とを交互に連結して、格子状に組み立てることにより、一辺が約150cmの小型の略矩形ブロック製造用空間18が多数形成される。
【0053】
又、図11は、大型の略矩形のブロックを製造する場合に使用される型枠20を示す。この型枠20も、長い型枠部材2と短い該型枠部材17とを規則的に配置連結して、格子状に組み立てることにより、一辺が約250cmの大型の略矩形のブロック製造用空間23が多数形成される。この場合、図12に示すように、縦列又は横列の型枠部材2,17は千鳥状に並べて配列することもでき、このように組み立てられた型枠21を使用すれば、サイズの異なる2種類のブロックが同時に製造される。
【0054】
上述の如く、長さの異なる型枠部材2,17を適宜組み合わせて、略矩形のブロック製造用空間18,23の一辺の長さを調整変更することにより、サイズ又は質量の異なる略矩形のブロックを容易に製造できる。
【0055】
なお、本実施例では、図11に示すように、各ブロック製造用空間23の相対峙する縦横方向の各型枠部材2,17の間に足場部材24,25を架設することができる。このように構成すれば、コンクリートの打設時に、足場部材24,25の上に人が載って作業することにより、バイブレータでコンクリートに振動を付与して締め固めても、型枠部材2,17が盛り上がることを未然に防止できる。
【0056】
図13は、型枠部材2の一部を高さの低い越流用型枠部材27に置換して構成した例を示す。この構成によれば、越流用型枠部材27を挟む両側のブロック製造用空間の一方にコンクリートを流し込むとき、コンクリートの高さHが越流用型枠部材27の上面まで到達した後、余分に流し込まれたコンクリートは、越流用型枠部材27からオーバーフローして他方のブロック製造用空間側へ移動する。従って、このようにして製造される全部又は一部のブロックは、越流用型枠部材27の高さ(コンクリート打ち止め高さ)とブロック厚さが一致する。斯くして、越流用型枠部材27の高さを変更するのみで、全部又は一部のブロックの厚さ(高さ)を一定値に正確かつ容易に調整できる。
【0057】
図14は、ブロック製造用空間の中央部に箱状の中抜き用中子28をセットして、コンクリート打設を行えるように構成したものである。これによれば、中抜き用中子28の脱型後にこれと対応するサイズの中抜き孔29がブロック10の中央部に形成されるので、該中抜き孔29によってブロック10の中央部に作用する揚力が軽減される。更に、この中抜き孔29は、動植物の生存に適した内部空間を提供できるので、生態環境対応タイプないし自然景観対応タイプのブロック10が得られる。前記中抜き孔29の中には、図15に示すように、設置条件等によっては栗石、砂利等を投入することができる。
【0058】
なお、本発明は、本発明の精神を逸脱しない限り種々の改変をなすことができ、そして、本発明が該改変されたものにも及ぶことは当然である。例えば、上記実施例では、型枠部材は直線状のものを使用したが、これに限定されず、蛇行状、S字状又は稲妻状のものを使用できる。又、図16及び図17に示すように、コンクリート10打設後、該コンクリート10が半硬化状態の時にこの上に自然石31又は擬石を載置し、この自然石31等の周囲に更にコンクリートを打設することにより、土木用ブロックの上面に自然石31等を一体化させることができ、景観や環境維持を配慮した土木用ブロックを製造できる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の一実施例を示し、型枠の一部を示す平面図。
【図2】一実施例に係る型枠部材の斜視図。
【図3】図2の側面図。
【図4】一実施例に係る連結用中子を示す正面図。
【図5】一実施例に係る型枠の一部を示す側面図。
【図6】一実施例に係るブロックの平面図。
【図7】一実施例に係るブロックの側面図。
【図8】本発明に係るループ部付き挿入筋を用いてブロックを連結した態様を示し、図8Aは平面図、図8Bは図8AのA-A矢視図。
【図9】本発明を河川護岸に適用した例を示す側面図。
【図10】本発明の他の実施例に係る小型のブロックを製造するための型枠の一部を示す平面図。
【図11】本発明の他の実施例に係る大型のブロックを製造するための型枠の一部を示す平面図。
【図12】本発明の他の実施例に係るサイズの異なる2種類のブロックを製造するための型枠の一部を示す平面図。
【図13】本発明に係る越流用型枠部材を使用した例を示す一部断面側面図。
【図14】本発明に係る中抜き孔付きのブロックを製造するための型枠の一部を示す平面図。
【図15】本発明に係る中抜き孔付きのブロックの平面図。
【図16】本発明に係る自然石等を一体化したブロックの平面図。
【図17】本発明に係る自然石等を一体化したブロックの正面図。
【符号の説明】
【0060】
1 型枠
2 型枠部材
3 連結用中子
4,6 吊上フック
5 連結具
7 スリット孔
8 挿入筋(アンカー部材)
10 土木用ブロック
12 吸出し防止シート
13 ブロック製造用空間(升目)
16 型枠
17 短い型枠部材
18 小型のブロック製造用空間
20,21 型枠
23 大型のブロック製造用空間
24,25 足場部材
27 越流用型枠部材
28 中抜き用中子
29 中抜き孔
【技術分野】
【0001】
本発明は土木用ブロック製造法及び土木構築物に関するものであり、特に、河床等における根固ブロック等として使用される土木用ブロック製造法及び土木構築物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、此種土木用ブロック、例えば、根固ブロック、護床ブロック、護岸ブロック等は河川の根固工、護床工、海岸等の各種マウンド(突堤、離岸堤、潜堤、消波など)の被覆工において、自然環境保全、護床・護岸機能及び消波機能を発揮させるべく、施工面に複数並べて設置される。
【0003】
各種規格の土木用ブロックは相似形の規格品であり、施工現場毎に土木用ブロックの規格と対応する規格の型枠部材を使用して型枠を組み立てて、コンクリート打設後に脱型した型枠部材は、再び次の施工現場に運搬して転用している。
【0004】
実際に、前記ブロックを製造する場合は、底板用型枠部材の周縁部に側板用型枠部材を一体に立設して型枠を組み立て、該型枠内にコンクリートを打設して養生硬化した後に、脱型することにより、製品としての土木用ブロックを一個ずつ製造している。即ち、脱型時に型枠部材を一旦水平方向に移動させた後に上方に抜くために、隣接するブロック製造用空間同士の間に脱型作業用の大きな空隙を確保する必要があり、1回のコンクリート打設で1個の土木用ブロックしか製造できない(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−236815号公報。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1記載の従来技術は、土木用ブロックの規格(全体重量)が2トンのものを製造する場合、他の規格(例えば、0.5トン、1トン、3トン又は4トン以上の規格)の型枠部材を使用できないため、各施工現場に応じて規格の異なる型枠部材を用意する必要がある。従って、同一の型枠部材を各施工現場に共通に使用できず、該型枠部材の転用効率も低減する。
【0006】
又、型枠を組立てて土木用ブロックを製造する際、コンクリートの打設、脱型、ブロックの転置、仮置き、据付け等の多くの工程を必要とするので、土木用ブロックを一個ずつ製造していることと相俟って、施工期間が長くなるという問題があった。
【0007】
そこで、規格の異なる土木用ブロックに対して同一の型枠部材で対応(共用)でき、該型枠部材の転用効率が高くなり、且つ、工期短縮を図るために解決すべき技術的課題が生じてくるのであり、本発明はこの課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は上記目的を達成するために提案されたものであり、請求項1記載の発明は、略矩形の土木用ブロックを複数製造する方法であって、逆台形柱状に形成された複数の型枠部材を縦横に配列すると共に、隣接する型枠部材同士を互いに連結することにより、略矩形のブロック製造用空間を複数形成し、該ブロック製造用空間にコンクリートを打設して硬化後に脱型する土木用ブロック製造法を提供する。
【0009】
この構成によれば、複数の型枠部材を縦横に並べて、例えば大きさ(容積)の異なる略矩形のブロック製造用空間を形成し、このブロック製造用空間にコンクリートを打設して硬化させる。硬化後、複数の型枠部材を脱型すると、ブロック製造用空間の形状と対応する略矩形の土木用ブロックが製造される。従って、川床などの施工現場で製造すれば、該土木用ブロックの製造と据付けが同時に完了する。
【0010】
請求項2記載の発明は、上記コンクリートの打設は、上記複数の型枠部材同士が交差する箇所に鉄筋等のアンカー部材をセットした状態で行うことにより、上記土木用ブロックの側面に前記アンカー部材が一体化されることを特徴とする請求項1記載の土木用コンクリートブロック製造法を提供する。
【0011】
この構成によれば、前記アンカー部材は型枠部材同士の交差箇所にセットし、この状態でコンクリートを打設する。このため、脱型して製造された土木用ブロックの側面には、アンカー部材が埋設して取り付けられる。このアンカー部材としては、例えば、先端部に単数又は複数のループ形状部を有する挿入筋を使用することができる。
【0012】
請求項3記載の発明は、上記コンクリートの打設は、上記ブロック製造用空間に箱状の中抜き用中子をセットした状態で行うことにより、上記土木用ブロックの中央部に中抜き孔が形成されることを特徴とする請求項1又は2記載の土木用ブロック製造法を提供する。
【0013】
この構成によれば、前記中抜き用中子をブロック製造用空間の中央位置にセットし、この状態でコンクリートを打設する。このため、脱型して製造された土木用ブロックの中央部には中抜き孔が形成される。
【0014】
請求項4記載の発明は、上記型枠部材は吸出し防止シートを敷設した底面上に配設される請求項1,2又は3記載の土木用ブロック製造法を提供する。
【0015】
この構成によれば、施工箇所の底面に前記吸出し防止シートを敷設した後、該吸出し防止シートの上に複数の型枠部材を配置し、この状態でコンクリートを打設する。この場合、前記吸出し防止シートは型枠の底板として機能する。
【0016】
請求項5記載の発明は、上記型枠部材の一部は上記コンクリートの打設高さを調整するために高さの低い越流用型枠部材を使用して形成される請求項1,2,3又は4記載の土木用ブロック製造法を提供する。
【0017】
この構成によれば、2つのブロック製造用空間同士を仕切る型枠部材の一部には、高さの低い越流用型枠部材を使用して配置する。このようにすると、該型枠部材で仕切られた一方のブロック製造用空間にコンクリートを流し込むとき、該コンクリートの高さが越流用型枠部材の上面の高さまで上昇した後、更に流し込まれた余分なコンクリートは、越流用型枠部材をオーバーフローして、他方のブロック製造用空間へ移動して流れ込む。このため、製造された土木用ブロックの厚さは、越流用型枠部材の高さと一致する。
【0018】
請求項6記載の発明は、河川の根固工、護床工、海岸等の各種マウンドの被覆工において、請求項1,2,3,4又は5記載の土木用ブロック製造法によって製造された複数のブロックを用いて構築して成る土木構築物を提供する。
【0019】
この構成によれば、河川、水路、海岸等で根固工、護床工、海岸被覆工を施工する場合、本発明の製造法により上記複数の土木用ブロックを施工現場にて製造して据付けられる。即ち、ブロック据付箇所に複数の型枠部材を縦横に配置してブロック製造用空間を形成し、該ブロック製造用空間にコンクリートを打設する。そして、硬化後に脱型すると土木用ブロックが製造され、同時に該土木用ブロックの据付けも完了する。
【発明の効果】
【0020】
請求項1記載の発明は、川床などのドライワークが可能な施工現場で製造すれば、土木用ブロックの転置、仮置き及び据付けが省略され、土木用ブロックの製造と据付が同時に完了するので、従来に比べて製造工程を削減でき、大幅な工期短縮が図られる。
【0021】
本発明は、所望数の型枠部材を連結することにより、所望規格(トン数)の型枠を組み立てることができるので、他の施工現場で規格の異なる土木用ブロックを製造する場合でも、同一の型枠部材をそのまま転用することができ、型枠部材の転用稼働率が高くなる。併せて、型枠部材の在庫管理又は出荷管理が容易になると共に、型枠部材の運搬又は積載も容易になる。
【0022】
又、型枠部材は逆台形柱状に形成されているので、型枠部材を引き上げるのみで脱型を円滑に行うことができる。更に、逆台形柱状の型枠部材は、高い剛性強度を有する部材で製造されることにより、補強用のフランジ又はリブが不要になる。尚、型枠部材は直方体柱形状であって、その相対する2面(コンクリートと接する面)をジャッキ等の伸縮可能な器具を使用して連結してもよい。
【0023】
更に、従来技術では、隣接するブロック製造用空間同士の間に脱型作業用の大きな空隙を確保する必要があるため、1回のコンクリート打設で1個の土木用ブロックしか製造できなかったが、本発明は、前記空隙が小さくなるので、例えば傘状のアタッチメントをブロック製造用空間の上部にセットしてコンクリートを打設することにより、1回のコンクリート打設で2個のブロックを同時に製造でき、生産性が従来に比べて向上する。又、施工現場の条件に応じて、大きさの異なる複数のブロック製造用空間、即ち、サイズと質量の異なるブロックを同一の型枠により製造することができる。
【0024】
請求項2記載の発明は、土木用ブロックの側面にアンカー部材が取り付けられるので、請求項1記載の発明の効果に加えて、アンカー部材は該土木用ブロック同士を連結させるための部材として利用され、又、特に工場生産の場合は前記土木用ブロックの把手としても利用される。
【0025】
請求項3記載の発明は、土木用ブロックの中央部に中抜き孔が形成されるので、請求項請求項1又は2記載の発明の効果に加えて、前記土木用ブロックの中央部に作用する揚力を軽減させることができる。又、中抜き孔は水中の動植物の生存に適したスペースを提供でき、生態環境ないし自然環境の保存に寄与することができる。
【0026】
請求項4記載の発明は、吸出し防止シートは型枠の底板として機能するので、請求項1,2又は3記載の発明の効果に加えて、鋼板等の底板を別個設置する必要がなく、川床等のブロック載設箇所において水流による底部の洗掘現象を効果的に防止することができる。
【0027】
請求項5記載の発明は、土木用ブロックの厚さは越流用型枠部材の高さと一致するので、請求項1,2,3又は4記載の発明の効果に加えて、越流用型枠部材の高さを変更するのみで、前記土木用ブロックの高さを容易に調整変更することができる。
【0028】
請求項6記載の発明は、河川、水路、海岸等における土木構築物の施工現場において、土木用ブロックの製造と据付けが同時に完了するので、土木構築物の施工期間及び施工費用を大幅に縮減させることができる。又、製造すべき土木用ブロックの規格が異なっても、同一の型枠部材を所要数連結することにより容易に対応することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
本発明は、規格の異なる土木用ブロックに対して同一の型枠部材により対応でき、型枠部材の転用効率が高くなり、且つ、工期短縮を図るという目的を、略矩形の土木用ブロックを複数製造する方法であって、逆台形柱状に形成された複数の型枠部材を縦横に配列すると共に、隣接する型枠部材同士を互いに連結することにより、略矩形のブロック製造用空間を複数形成し、該ブロック製造用空間にコンクリートを打設して硬化後に脱型することにより実現した。
【実施例】
【0030】
以下、本発明の好適な一実施例を図1乃至図8に従って説明する。本実施例に係る土木用ブロック製造法は、断面逆台形柱状に形成された型枠部材を多数使用し、該型枠部材を縦方向及び横方向に複数列並べて相互連結して格子状の型枠に組み立てることにより、多数の型枠部材で仕切られた略矩形のブロック製造用空間(升目)を多数形成し、該ブロック製造用空間にコンクリートを打設して、多数の土木用ブロックの製造と据付けを同時に施工する方法である。ここに、本発明に係る複数の型枠部材を縦横に配列することは、例えば「格子状」又は「格子状」等を含むものとする。
【0031】
この土木用ブロック製造法は、該土木用ブロックを河川の根固工、護床工、海岸の各種マウンドの被覆工において、ブロック敷設箇所にて直接型枠を組立ててコンクリートを打設することにより、少ない工程で効率良く土木構築物を構築できる。又、前記敷設箇所の近傍又は工場にて上記同様に土木用ブロックを製造した後、該土木用ブロックを敷設箇所に運搬して据え付けることもできる。
【0032】
図1に示すように、本実施例に係る型枠1の組立工程では、多数の型枠部材2を縦方向及び横方向に複数列配置して、例えば、格子状に形成すると共に、該型枠部材2同士が互いに交差する箇所に連結用中子3を配置する。従って、本実施例では、型枠1の側板としての多数の型枠部材2と、該型枠部材2同士を連結するためのバケツ様形状の連結用中子3とを使用し、基本的に型枠底板の使用は不要となる。
【0033】
前記型枠部材2は、図2に示すように、補強リブを必要としない鉄鋼製の中空状部材であり、該型枠部材2は横長の逆台形柱状に形成されている。即ち、型枠部材2の側端面形状は、図3に示すように、逆等脚台形であって、該逆等脚台形の上辺は下辺よりも長く、該型枠部材2の上面は開放して形成されている。この型枠部材2の底辺と両側辺のなす角度は、脱型の際に該型枠部材2の離脱を容易にするために、所定角度に設定されている。
【0034】
また、逆台形柱状の型枠部材2は、標準長さが50cm程度、必要により最短25cm程度から最長100cm程度であり、且つ、高さが概ね30cm〜80cm程度、好ましくは50cm程度であり、この寸法は設計条件に応じて異なる。更に、型枠部材2の幅方向両側の上面には一対の吊上フック4が設けられ、該一対の吊上フック4は互いに左右対峙して配設されている。
【0035】
前記多数の型枠部材2は互いに連結して使用される。この場合、隣接する型枠部材2の、連結部の端面同士はボルト又はコッターピン等の連結具5により締結でき、このため、施工現場の設計条件に応じて、型枠1の長さを所望値に容易に調整することができる。従って、同一の型枠部材2を所要数用いて連結するだけで、型枠1の縦横の長さを任意に調整変更できるので、規格0.5t〜8tクラスの型枠を組み立てる場合でも、同一の型枠部材2のみで容易に対応可能となる。
【0036】
一方、連結用中子3は、図4に示すように、縦長に形成した鋼鉄製の中空状部材であり、連結用中子3の平面視形状は略正八角形である。また、連結用中子3の側面形状は、型枠部材2の端面形状と略一致する逆等脚台形に形成されている。この連結用中子3の底辺と側辺のなす角度は、脱型の際に該連結用中子3の離脱を容易にするために、所定角度に設定されている。更に、連結用中子3の高さは型枠部材2の高さよりも所定寸法だけ高く設定され、連結用中子3の上面には吊上フック6が設けられている。
【0037】
又、連結用中子3の側面下部には、挿入筋保持用のスリット孔7が4個形成されている。該4個のスリット孔7は、連結用中子3の周方向に沿って90°間隔を有して設けられ、各スリット孔7には挿入筋(アンカー部材)8が離脱可能に保持される。
【0038】
前記挿入筋8は、U字状部を有するΩ状又はこれに類似した形状に形成され、該U字部はスリット孔7に沿って上下方向に移動可能にセットされる。而して、連結用中子3に挿入筋8をセットした状態でコンクリートを打設すると、脱型後に製造された土木用ブロック(以下、単にブロックという)の四隅の側面部には、挿入筋8の両端部が埋設・一体化される。
【0039】
次に、前記型枠部材2及び連結用中子3を用いて、格子状の型枠1を組立てる手順について、説明する。先ず、ブロック敷設箇所の据付面が平坦面になるように床均しを行い、この床均し面の上に、図5に示すように、吸出し防止シート12を敷設する。この吸出し防止シート12は型枠1の底板として機能するので、鋼製の底板を敷設する必要はない。
【0040】
然る後、前記敷設箇所の据付面上に多数の型枠部材2を格子状に並べて、隣接する型枠部材2同士を連結する。これにより、格子状の型枠部材2によって仕切られた升目、即ち、略矩形のブロック製造用空間13が多数形成される。この場合、直線状に隣接する型枠部材2同士は、ボルト等の連結具5により締結して直接連結する。しかし、型枠部材2同士がL字状、T字状又は十字状に交差する箇所では、該箇所に配置した連結用中子3を介して型枠部材2同士を連結する。
【0041】
例えば、型枠部材2同士が十字状に交差する箇所では、連結用中子3を交差箇所の中心位置にセットした後、連結用中子3の外側面に型枠部材2を連結する。具体的には、連結用中子3の十字方向の4つの両側面にそれぞれ型枠部材2の端面を当接させて、連結用中子3の側面と型枠部材2の端面をボルト等の連結具(図示せず)により連結する。これと同じ要領により、前記L字状又はT字状の交差箇所においても、型枠部材2と連結用中子3を互いに連結することができる。尚、連結用中子3及び型枠部材2の設置順序は特に限定されない。
【0042】
この後、製品であるブロック10側面に挿入筋8が一体化されるように、該挿入筋8を所定位置にセットする。例えば、型枠部材2同士が連結用中子3を介して、十字状に交差する箇所では、当該連結用中子3の4個のスリット孔7に夫々挿入筋8をセットし、これら挿入筋8の両端部がブロック10の側面に埋設されるように配置する。また、型枠部材2同士が連結用中子3を介して、L字状又はT字状に交差する箇所では、前記同様に、当該連結用中子3の2個又は3個のスリット孔7に夫々挿入筋8をセットする。
【0043】
このように、多数の型枠部材2と連結用中子3により格子状の型枠1を組み立てることにより、略矩形のブロック製造用空間13が多数形成される。次に、該ブロック製造用空間13にコンクリートを打設する。この場合、ブロック製造用空間13の天端間口は底面に対して、上方に向かってテーパ状に広がるように形成されているので、ブロック製造用空間13へのコンクリートの打設作業を容易に行える。尚、強度向上のために補強鉄筋(用心筋)が必要な場合は、所要位置にスペーサを配置して配筋することができる。
【0044】
そして、打設後所定時間経過して前記コンクリートの養生・硬化工程が完了したら、次に、個々の型枠部材2、連結用中子3に夫々取り付けた吊上フック4,6を利用して、型枠部材2及び連結用中子3をこの順番で脱型する。尚、脱型の順序は前記とは逆でもよい。
【0045】
斯くして、図6及び図7に示すように、ブロック製造用空間13の寸法形状と対応する略矩形のブロック(根固ブロック、護床ブロック等)10が多数同時に製造される。製造されたブロック10の隅部側面には、挿入筋8の両端部が一体に埋設され、挿入筋8のU状部がブロック10の外側に突出して形成される。この後、前記挿入筋8同士を連結金具9によって連結することにより、隣接するブロック10同士が一体的に連結される。尚、図8A及び図8Bに示すように、挿入筋8の形状は、先端がループ(輪)になった形状のものとしてもよいし、あるいは、複数のループが絡んだものを使用してもよい。
【0046】
以上説明したように、本実施例は、多数の型枠部材2を格子状に並べて略矩形のブロック製造用空間13を形成し、このブロック製造用空間13にコンクリートを打設して硬化させた後、前記型枠部材2を脱型することにより、縦横に並列した多数個のブロック10を一度に製造するものである。
【0047】
従って、川床などの敷設箇所において、前記型枠部材2を組立ててコンクリート現場打ちを行えば、挿入筋8付きブロック10の製造と据付けが同時に完了する。斯くして、従来必要であった転置工程及び仮置き工程が省略され、大幅な工期・工事費の縮減が図られる。なお、本発明に係る型枠1は、図8に示すように、据付面が傾斜した箇所、たとえば河川護岸や海岸各種マウンド(突堤、離岸堤、潜堤、消波堤等)の被覆や道路の法面などにも設置できる。尚、図9の施工例では、孔なしのブロック10は河川護岸の下部及び根固部に設置し、更に、孔10aを有するブロック10は河川護岸の上部に設置している。特に、前記孔、孔10a に土Sを入れて植物Pを繁茂させることもできる。
【0048】
また、型枠部材2を必要数連結して、所望寸法の格子状型枠1を形成できるので、例えば2トン用の型枠1を組み立てた後、次の施工現場で0.5トン用、1トン用、3トン用、または4トン以上用の型枠1を組立てる場合でも、同一規格の型枠部材2のみを使用して対応することができる。従って、次の施工現場でブロック10の規格種類が異なっても、同一の型枠部材2を再び転用でき、型枠部材2の転用効率が高くなる。
【0049】
更に、隣接するブロック10同士間の空隙(目地幅)が狭小になるので、例えば、傘状のコンクリート打設用アタッチメント(図示せず)を用いることにより、隣接する2箇所のブロック製造用空間13に同時にコンクリートを打ち込むことができ、施工効率が著しく向上する。
【0050】
更に又、前記ブロック10の側面には、アンカー部材としての挿入筋8が一体に取り付けられるので、該挿入筋8は、ブロック10同士を連結させる部材として利用できるほか、該ブロック10を積込み又は運搬する際の吊具などとしても利用できる。
【0051】
又、吸出し防止シート12の上にコンクリートを打設するので、吸出し防止シート12は型枠底板の役目を果たすと共に、ブロック製造後には、ブロック同士間の空隙から洗掘現象が起こることを未然に防止する。
【0052】
次に、本発明の他の実施例について説明する。尚、以下の図面において、前述の実施例と同一の部材にはそれと同一の符号を付すものとする。また、格子状の型枠の交差箇所には上記連結用中子3が配置されるが、図示を省略している。図10は、小型の略矩形のブロックを製造する際に使用される型枠16を示す。この型枠16は、前述の実施例で用いた長さ100cmの型枠部材2と、該型枠部材2よりも長さが短い(長さ50cm)型枠部材17とを交互に連結して、格子状に組み立てることにより、一辺が約150cmの小型の略矩形ブロック製造用空間18が多数形成される。
【0053】
又、図11は、大型の略矩形のブロックを製造する場合に使用される型枠20を示す。この型枠20も、長い型枠部材2と短い該型枠部材17とを規則的に配置連結して、格子状に組み立てることにより、一辺が約250cmの大型の略矩形のブロック製造用空間23が多数形成される。この場合、図12に示すように、縦列又は横列の型枠部材2,17は千鳥状に並べて配列することもでき、このように組み立てられた型枠21を使用すれば、サイズの異なる2種類のブロックが同時に製造される。
【0054】
上述の如く、長さの異なる型枠部材2,17を適宜組み合わせて、略矩形のブロック製造用空間18,23の一辺の長さを調整変更することにより、サイズ又は質量の異なる略矩形のブロックを容易に製造できる。
【0055】
なお、本実施例では、図11に示すように、各ブロック製造用空間23の相対峙する縦横方向の各型枠部材2,17の間に足場部材24,25を架設することができる。このように構成すれば、コンクリートの打設時に、足場部材24,25の上に人が載って作業することにより、バイブレータでコンクリートに振動を付与して締め固めても、型枠部材2,17が盛り上がることを未然に防止できる。
【0056】
図13は、型枠部材2の一部を高さの低い越流用型枠部材27に置換して構成した例を示す。この構成によれば、越流用型枠部材27を挟む両側のブロック製造用空間の一方にコンクリートを流し込むとき、コンクリートの高さHが越流用型枠部材27の上面まで到達した後、余分に流し込まれたコンクリートは、越流用型枠部材27からオーバーフローして他方のブロック製造用空間側へ移動する。従って、このようにして製造される全部又は一部のブロックは、越流用型枠部材27の高さ(コンクリート打ち止め高さ)とブロック厚さが一致する。斯くして、越流用型枠部材27の高さを変更するのみで、全部又は一部のブロックの厚さ(高さ)を一定値に正確かつ容易に調整できる。
【0057】
図14は、ブロック製造用空間の中央部に箱状の中抜き用中子28をセットして、コンクリート打設を行えるように構成したものである。これによれば、中抜き用中子28の脱型後にこれと対応するサイズの中抜き孔29がブロック10の中央部に形成されるので、該中抜き孔29によってブロック10の中央部に作用する揚力が軽減される。更に、この中抜き孔29は、動植物の生存に適した内部空間を提供できるので、生態環境対応タイプないし自然景観対応タイプのブロック10が得られる。前記中抜き孔29の中には、図15に示すように、設置条件等によっては栗石、砂利等を投入することができる。
【0058】
なお、本発明は、本発明の精神を逸脱しない限り種々の改変をなすことができ、そして、本発明が該改変されたものにも及ぶことは当然である。例えば、上記実施例では、型枠部材は直線状のものを使用したが、これに限定されず、蛇行状、S字状又は稲妻状のものを使用できる。又、図16及び図17に示すように、コンクリート10打設後、該コンクリート10が半硬化状態の時にこの上に自然石31又は擬石を載置し、この自然石31等の周囲に更にコンクリートを打設することにより、土木用ブロックの上面に自然石31等を一体化させることができ、景観や環境維持を配慮した土木用ブロックを製造できる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の一実施例を示し、型枠の一部を示す平面図。
【図2】一実施例に係る型枠部材の斜視図。
【図3】図2の側面図。
【図4】一実施例に係る連結用中子を示す正面図。
【図5】一実施例に係る型枠の一部を示す側面図。
【図6】一実施例に係るブロックの平面図。
【図7】一実施例に係るブロックの側面図。
【図8】本発明に係るループ部付き挿入筋を用いてブロックを連結した態様を示し、図8Aは平面図、図8Bは図8AのA-A矢視図。
【図9】本発明を河川護岸に適用した例を示す側面図。
【図10】本発明の他の実施例に係る小型のブロックを製造するための型枠の一部を示す平面図。
【図11】本発明の他の実施例に係る大型のブロックを製造するための型枠の一部を示す平面図。
【図12】本発明の他の実施例に係るサイズの異なる2種類のブロックを製造するための型枠の一部を示す平面図。
【図13】本発明に係る越流用型枠部材を使用した例を示す一部断面側面図。
【図14】本発明に係る中抜き孔付きのブロックを製造するための型枠の一部を示す平面図。
【図15】本発明に係る中抜き孔付きのブロックの平面図。
【図16】本発明に係る自然石等を一体化したブロックの平面図。
【図17】本発明に係る自然石等を一体化したブロックの正面図。
【符号の説明】
【0060】
1 型枠
2 型枠部材
3 連結用中子
4,6 吊上フック
5 連結具
7 スリット孔
8 挿入筋(アンカー部材)
10 土木用ブロック
12 吸出し防止シート
13 ブロック製造用空間(升目)
16 型枠
17 短い型枠部材
18 小型のブロック製造用空間
20,21 型枠
23 大型のブロック製造用空間
24,25 足場部材
27 越流用型枠部材
28 中抜き用中子
29 中抜き孔
【特許請求の範囲】
【請求項1】
略矩形の土木用ブロックを複数製造する方法であって、逆台形柱状に形成された複数の型枠部材を縦横に配列すると共に、隣接する型枠部材同士を互いに連結することにより、略矩形のブロック製造用空間を複数形成し、該ブロック製造用空間にコンクリートを打設して硬化後に脱型することを特徴とする土木用コンクリートブロック製造法。
【請求項2】
上記コンクリートの打設は、上記複数の型枠部材同士が交差する箇所に鉄筋等のアンカー部材をセットした状態で行うことより、上記土木用ブロックの側面に前記アンカー部材が一体化されることを特徴とする請求項1記載の土木用コンクリートブロック製造法。
【請求項3】
上記コンクリートの打設は、上記ブロック製造用空間に箱状の中抜き用中子をセットした状態で行うことにより、上記土木用ブロックの中央部に中抜き孔が形成されることを特徴とする請求項1又は2記載の土木用ブロック製造法。
【請求項4】
上記型枠部材は、吸出し防止シートを敷設した底面上に配設されることを特徴とする請求項1,2又は3記載の土木用ブロック製造法。
【請求項5】
上記型枠部材の一部は、上記コンクリートの打設高さを調整するために高さの低い越流用型枠部材を使用して形成されることを特徴とする請求項1,2,3又は4記載の土木用ブロック製造法。
【請求項6】
河川の根固工、護床工、海岸等の各種マウンドの被覆工において、請求項1,2,3,4又は5記載の土木用ブロック製造法によって製造された複数のブロックを用いて構築して成ることを特徴とする土木構築物。
【請求項1】
略矩形の土木用ブロックを複数製造する方法であって、逆台形柱状に形成された複数の型枠部材を縦横に配列すると共に、隣接する型枠部材同士を互いに連結することにより、略矩形のブロック製造用空間を複数形成し、該ブロック製造用空間にコンクリートを打設して硬化後に脱型することを特徴とする土木用コンクリートブロック製造法。
【請求項2】
上記コンクリートの打設は、上記複数の型枠部材同士が交差する箇所に鉄筋等のアンカー部材をセットした状態で行うことより、上記土木用ブロックの側面に前記アンカー部材が一体化されることを特徴とする請求項1記載の土木用コンクリートブロック製造法。
【請求項3】
上記コンクリートの打設は、上記ブロック製造用空間に箱状の中抜き用中子をセットした状態で行うことにより、上記土木用ブロックの中央部に中抜き孔が形成されることを特徴とする請求項1又は2記載の土木用ブロック製造法。
【請求項4】
上記型枠部材は、吸出し防止シートを敷設した底面上に配設されることを特徴とする請求項1,2又は3記載の土木用ブロック製造法。
【請求項5】
上記型枠部材の一部は、上記コンクリートの打設高さを調整するために高さの低い越流用型枠部材を使用して形成されることを特徴とする請求項1,2,3又は4記載の土木用ブロック製造法。
【請求項6】
河川の根固工、護床工、海岸等の各種マウンドの被覆工において、請求項1,2,3,4又は5記載の土木用ブロック製造法によって製造された複数のブロックを用いて構築して成ることを特徴とする土木構築物。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2008−62529(P2008−62529A)
【公開日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−243462(P2006−243462)
【出願日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【出願人】(000226356)日建工学株式会社 (24)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【出願人】(000226356)日建工学株式会社 (24)
【Fターム(参考)】
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