土木用ブロック
【課題】立体的形状で嵩張り、且つ重量の大きい土木用ブロックの積み重ねに不慣れな通常の作業員にでも容易且つ正確に所望の積み重ね角度に積み重ねができる、作業性の良い土木用ブロックを提供する。
【解決手段】天板部2と底板部3と支持部4を有する土木用ブロック1であって、天板部2と底板部3には、上下に積み重ねた当該土木用ブロック1を結合させるための係合構造5が設けられ、前記係合構造5は係合突起5aと、前後方向に延伸された摺動溝5bからなることを特徴とする土木用ブロック1である。
【解決手段】天板部2と底板部3と支持部4を有する土木用ブロック1であって、天板部2と底板部3には、上下に積み重ねた当該土木用ブロック1を結合させるための係合構造5が設けられ、前記係合構造5は係合突起5aと、前後方向に延伸された摺動溝5bからなることを特徴とする土木用ブロック1である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、擁壁等に用いられる立体的形状の土木用ブロックに係り、更に詳しくは、作業性がよく、熟練工ではない通常の作業員でも容易且つ正確に所望の積み重ね角度で積み重ねることができる立体的形状の土木用ブロックに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、切り土や盛り土に際し、土圧に対抗し土の崩壊を防ぐために広く擁壁が構築されている。近年では、擁壁を構築するための土木用ブロックとして道路に面する山や土手、河川の堤防等の斜面(法面)を有効に使用するため、例えば太陽光発電等の機能を有する土木用ブロックも用いられている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
上記のような、斜面保護以外の機能を併せ持つ土木用ブロックは、通常、コンクリート製であり、当該土木用ブロックの機能を発揮させるためには、幅が広く、高さが高く、奥行きが深い立体的な形状になる傾向がある。また、斜面(法面)に使用するためには、当該土木用ブロックを所定の積み重ね角度に設置する必要がある場合も多い。このような立体的形状で嵩が大きく、且つ重量の大きい土木用ブロックを所定の角度に合わせて積み上げるためには、下側に設置された土木用ブロックの上に、所定の距離だけずらして別の土木用ブロックが載置積層される。
しかしながら、足場の悪い斜面(法面)において、上側の土木用ブロックを所定の位置に積み重ねる作業は、熟練工にとっても容易ではなく、ましてや熟練工でない通常の作業員には尚更困難である。
【0004】
熟練工でない通常の作業員でも所定の位置に短時間で土木用ブロックを積み重ねるための技術としては、上部に係合突起を設け、底面に前記係合突起と係合する係合凹部が設けられた土木用ブロック(例えば、特許文献2参照)が知られている。このような土木用ブロックでは、設けられた係合突起と係合凹部に応じた一種類の積み重ね角度で土木用ブロックを積み重ねることになる。
しかしながら、土木用ブロックで保護すべき斜面の勾配は一定ではないため、一種類の積み重ね角度でしか積み重ねできないような土木用ブロックでは、斜面の勾配に応じた多種多様な土木用ブロックを用意する必要があり、コスト的に極めて不経済である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011−196016号公報
【特許文献2】特開2011−47190号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、立体的な形状からなり、嵩張り且つ重量の大きい土木用ブロックを、熟練工でない通常の作業員でも、容易且つに正確に位置決めすることができ、所望の積み重ね角度に積み重ねることができる土木用ブロックを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の特徴の第1は、天板部と底板部と支持部を有する土木用ブロックであって、天板部と底板部には、上下に積み重ねた当該土木用ブロックを結合させるための係合構造が設けられ、前記係合構造は係合突起と、前後方向に延伸された摺動溝からなる土木用ブロックを内容とする。
【0008】
本発明の特徴の第2は、摺動溝の所定の位置には係合用深部が設けられている上記の土木用ブロックを内容とする。
【0009】
本発明の特徴の第3は、摺動溝は所定の位置で枝溝に分岐されており、枝溝に係合用深部が設けられている上記の土木用ブロックを内容とする。
【0010】
本発明の特徴の第4は、天板部と底板部にはそれぞれ貫通孔が設けられ、それぞれの貫通孔は、係合突起と係合用深部が係合したときに連通する位置に穿設されている上記の土木用ブロックを内容とする。
【0011】
本発明の特徴の第5は、底板部が天板部よりも長く形成されている上記の土木用ブロックを内容とする。
【0012】
本発明の特徴の第6は、土木用ブロック内部に太陽電池パネルが収容されている上記の土木用ブロックを内容とする。
【0013】
本発明の特徴の第7は、太陽電池パネルが上下及び/又は左右に傾斜角度を調整可能である上記の土木用ブロックを内容とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明の土木用ブロックは、係合構造が係合突起と前後方向に延伸された摺動溝からなるので、上下に積み重ねた土木ブロックを容易に摺動させることができるので、熟練工ではない通常の作業員でも、容易且つ正確に位置決めをすることができ、所望の積み重ね角度に積み重ねることができる。
【0015】
摺動溝の所定の位置に係合用深部を設ければ、予め定められた位置で該係合用深部に係合突起を係合させることにより静止結合できるので、土木用ブロックを所定の勾配で積み重ねるのが容易になる。また、枝溝を設け、この枝溝に係合用深部を設ければ、係合突起を奥側の係合用深部に係合させる際、途中で手前側の係合用深部と係合して摺動させにくくなる不都合を防止させることができる。
【0016】
係合突起と係合用深部が係合したときに連通する貫通孔を天板部と底板部に設ければ、ボルト、ビス等により上下に積み重ねた土木用ブロックを連結しやすくなり、強固な擁壁を構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は本発明の土木用ブロックの一例を示す側面図である。
【図2】図2は図1の正面図である。
【図3】図3は本発明の土木用ブロックの別例を示す側面図である。
【図4】図4は本発明の土木用ブロックにおける摺動溝の一例を示す平面図である。
【図5】図5は図4の摺動溝を有する土木用ブロックが積み重ねられた状態を示す概略説明図である。
【図6】図6(a)は本発明の土木用ブロックの係合構造の一例を示す平面図であり、(b)は(a)におけるa−a断面図である。
【図7】図7は本発明の土木用ブロックの更に別の例を示す平面図である。
【図8】図8は図7の底面図である。
【図9】図9は本発明の土木用ブロックの更に別の例を示す平面図である。
【図10】図10は図9の底面図である。
【図11】図11は図9の正面図である。
【図12】図12は本発明の土木用ブロック内部に太陽電池パネルを収容した例を示す側面図である。
【図13】図13は本発明の土木用ブロック内部に太陽電池パネルを左右に傾斜角度を調整可能に収容した例を示す平面図である。
【図14】図14は本発明の土木用ブロック内部に太陽電池パネルを上下に傾斜角度を調整可能に収容した例を示す側面図である。
【図15】図15は斜面(法面)に本発明の土木用ブロックを積み上げた例を示す概略図である。
【図16】図16は斜面(法面)に本発明の土木用ブロックを積み上げた他の例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の土木用ブロックは、図1及び図2に示すように、天板部2と底板部3と支持部4を有しており、天板部2と底板部3には、上下に積み重ねた当該土木用ブロック1を結合させるための係合構造5が設けられ、前記係合構造5は係合突起5aと、前後方向に延伸された摺動溝5bからなることを特徴とする。
【0019】
本発明において天板部2とは、立体的な形状の土木用ブロック1の最上部に配置される部分であって、その上側に別個の土木用ブロック1が載置される部分である。その形状は上部に土木用ブロック1を載置出来る程度の強度を有する形状である限り特に限定されないが、図1及び図2に示した例では、天板部2の形状として平面視矩形の平板状が採用されている。
【0020】
本発明において底板部3とは、立体的な形状の土木用ブロック1の最下部に配置される部分である。その形状は、上記した天板部2と同様、特に限定されないが、図1及び図2に示した例では、上記天板部2と同様、平板状が採用されている。底板部3は、下部土木用ブロック1の天板部2の上面を摺動させ該天板2よりも引き出して所望の積み重ね角度とするため、天板部2よりも大きく形成するほうが好ましい。また、太陽電池パネルを収容する場合、傾斜した状態で収容して太陽光の利用効率を高めることが容易である。
【0021】
本発明において支持部4とは、上記した底板部3から立設されて天板部2を支持する部分である。その形状は天板部2を支持し得る形状であれば特に限定されないが、図1及び図2に示したように、後端付近に立設される板状とすれば、コ字状の土木用ブロックが形成され、単に土圧に対抗して土砂崩れを防ぐだけでなく、土木用ブロック1の内部に大きなスペースを確保でき、太陽電池パネル等の別途の機能を有する構造体を容易に収納できるので好ましい。
。
【0022】
本発明の土木用ブロック1は、天板部2と底板部3に係合構造5を有している。係合構造5は当該土木用ブロック1を積み重ねる際に、上下の土木用ブロック1を結合させるための構造であり、係合突起5aと摺動溝5bからなる。なお、図1及び図2に示した例では、天板部2側に摺動溝5bが設けられ、底板部3側に係合突起5aが設けられているが、これに限定されず、図3に示したように、天板部2側に係合突起5aを設け、底板部3側に摺動溝5bを設けるようにしてもよい。
【0023】
摺動溝5bは、係合突起5aが設けられた土木用ブロック1を前後方向に摺動させることができるように、前後方向に延伸された形状とされている。
係合突起5aの形状は、前記摺動溝5bのなかで摺動可能な形状である限り、特に限定されないが、例えば半球状、半円柱状等のように、先端部が丸まった形状が好ましく使用される。係合突起5aの突出高さは、摺動溝5bの深さよりも僅かに大きくすることが必要で、このように構成することにより、係合突起5aと摺動溝5bとが接した状態で摺動されるので、摺動作業が容易である。
【0024】
係合突起5aとして前後方向に短い形状(図1〜図3の例では半球状)のものを使用した場合、図4に示したように、摺動溝5bの所定の部分に係合用深部5b1を設ければ、図5に示したように、係合突起5aと係合用深部5b1が係合して、所定の積み重ね角度αで上下の土木用ブロック1を結合させやすくなる。
即ち、摺動溝5b内における係合突起5aの位置によって、上下に積み重ねられた土木用ブロック1の積み重ね角度αは異なるが、図4に示すように、係合用深部5b1が複数(図4の場合は4箇所)ある土木用ブロック1の場合、係合用深部5b1の位置に対応する複数の積み重ね角度α(例えば、76°、70°、63°、56°)のうち、構築しようとする擁壁の角度に応じた係合用深部5b1内に係合突起5aを係合させることにより、所定の積み重ね角度αで土木用ブロック1を積み上げることが出来る。
従って、多数の土木用ブロック1を並べた場合、左右に並んだ土木用ブロック1の積み重ね角度αを全て揃えることができるので、擁壁の仕上がりが綺麗になる。
【0025】
係合用深部5b1を設ける場合、摺動溝5bの係合用深部5b1以外の部分の深さは係合突起5aの突出高さよりも浅くし摺動を容易とする必要があるが、係合用深部5b1の深さは係合突起5aの突出高さよりも深く形成することが望ましい。係合用深部5b1の深さが係合突起5aの突出高さよりも浅い場合、上下に積み重ねた土木用ブロック1の間に隙間ができるので、場合によっては漆喰等の充填材で隙間を埋める必要が生じる。
【0026】
なお、上記の様な土木用ブロック1を積み重ねる際、まず係合突起5aを摺動溝5bに導入して、その状態で係合突起5aを摺動溝5b内で摺動させて所望の係合用深部5b1の位置まで移動させるが、はじめに係合突起5aが摺動溝5bに入った位置(例えば、上側の土木用ブロックが73°の積み重ね角度αで積み重なる位置)と、所望の係合用深部5b1(例えば、例えば上側の土木用ブロックが63°の積み重ね角度αで積み重なる係合用深部5b1)の間に、中間の係合用深部(例えば、例えば上側の土木用ブロックが70°の積み重ね角度αで積み重なる係合用深部5b1)があった場合、摺動溝5b内で係合突起5aを摺動させれば、係合突起5aは中間の係合用深部5b1と係合してしまうため、所望の係合用深部5b1と係合させるには、係合突起5aと中間の係合用深部5b1との係合を解く必要が生じ、積載作業が困難になる場合がある。
そこで、図6に示したように、枝溝5b2に分岐された摺動溝5bを用い、係合用深部5b1はこの枝溝5b2に設けるようにすれば、所望の係合用深部5b1まで係合突起5aに摺動溝5bを摺動させる際に、中間の係合用深部5b1と係合突起5aが係合する心配がないので、作業性が向上する。この場合、枝溝5b2の係合用深部5b1に係合した状態で、所定の積層状態(例えば、積層幅が高さ方向に面一に揃える)となるように、予め設計しておくのが好ましい。
【0027】
本発明では、図7及び図8に示すように、天板部2及び底板部3に貫通孔6を穿設し、この貫通孔6にボルト、ビス等を挿通して、上下に積み重ねた土木用ブロック1を固定することもできる。なお、ボルト、ビス等で上下に積み重ねた土木用ブロック1を固定する際には、天板部2及び底板部3に穿設した貫通孔6は連通している必要があるが、係合突起5aと係合用深部5b1が係合したときに連通するような位置に当該貫通孔6を穿設しておけば、現場で貫通孔を穿設したり、予め穿設した貫通孔6を連通させるために土木用ブロック1の積載位置を微調整する手間が省けるため、作業性が向上する。
【0028】
貫通孔6の位置については、係合突起5aと係合用深部5b1が係合したときに連通するような位置である限り特に限定されない。例えば、最も単純には、貫通孔6を係合突起5a及び係合用深部5b1の近傍にそれぞれ1個づつ設ければよいが、もっと離れた位置、例えば天板部2及び/又は底板部3の中央付近に貫通孔6を設けてもよく、あるいは、図7及び図8に示すように、土木用ブロック1が積み重なる角度によって連通する貫通孔の数が変わる(例えば70°で積み重なるときに連通する貫通孔6の数は2個、63°で積み重なるときに連通する貫通孔6の数が4個、56°で積み重なるときに連通する貫通孔6の数が6個)ように貫通孔を設けることもできる。
また、係合用深部5b1を複数設ける場合では、全ての係合用深部5b1に対応する貫通孔6を設ける必要もなく(図7に示した例では、最も前側にある係合用深部5b1と係合突起5aが係合したときに連通する貫通孔6はない)、いずれかの係合用深部5b1と係合突起5aが係合したときに貫通孔6が連通すれば足りる。
【0029】
以上、係合突起5aが半球状等の如く前後方向に短い場合について説明したが、例えば図9〜図11に示すように、係合突起5aが前後方向に長い突条である場合も、作業性に優れた土木用ブロック1が提供される。係合突起5aが前後方向に長い突条である場合、係合用深部5b1を設けることできないが、係合用深部5b1を設ける場合と異なり、前後方向に無段階に摺動させることができるので、斜面(法面)の角度に自在に対応でき、且つ、摺動中も上側に積載した土木用ブロック1が安定しているので、作業性も良好である。
なお、図9〜図11に示す例では天板部2側に摺動溝5bを設け、底板部3側に係合突起5aを設けているが、これに限定されず、天板部2側に係合突起5aを設け、底板部3側に摺動溝5bを設けてもよい。また、所定の位置に積載されたときに連通する貫通孔6を天板部2及び底板部3に設ければ、貫通孔6が連通する位置で上側の土木用ブロック1を下側の土木用ブロック1と固定することにより、所定の積み重ね角度αで土木用ブロック1を積み上げることができる。
本発明の土木用ブロックは、通常、コンクリートからなり、必要に応じ、軽量発泡コンクリート等も使用可能である。
【0030】
本発明においては、土木用ブロック1の内部、即ち、天板部2と底板部3と支持部4により囲まれる空間に任意の機能を有する構造体を配置することができる。特に、本発明の土木用ブロック1により形成される擁壁は、太陽光線を効率よく吸収できる斜面(法面)に適用されるので、土木用ブロック1の内部の空間に太陽電池パネルPを収容すれば、効率よく太陽光発電を行うことができる。
本発明における太陽電池パネルPの形状、大きさについては特に限定されないが、太陽光を有効に活用するため、土木用ブロック1の内部に収まる範囲で可能な限り大きいほうが好ましく、通常は開口部と略同じ形状、大きさ(例えば、一辺が1〜2m程度)とされる。
太陽電池パネルPの種類については、太陽光を受けて起電力を得ることができるパネルであれば特に限定されない。
【0031】
太陽電池パネルPの固定手段P1については、太陽電池パネルPを土木用ブロック1の内部の任意の位置に固定可能であれば特に制限されないが、太陽光を有効に活用するために、図12に示すように、傾斜して固定するのが好ましく、更には、太陽電池パネルPを太陽の動きに追随させ、太陽光を効率的に利用できるように、或いはメンテナンス等のために、図13に示すように左右に傾斜角度を調整可能に設けたり、図14に示すように上下に傾斜角度を調整可能に設けるのが好ましい。
傾斜させる角度は特に限定されないが、5〜30度程度が好ましい。傾斜可能に取り付ける手段としては、特に制限されず、例えば、軸と軸受、伸縮可能なアーム、ヒンジ等が例示される。図14では、太陽電池パネルPがヒンジにより上下方向に傾斜角度を調整可能に収容されている。
【0032】
本発明の土木用ブロックは、図15、図16に示すように、傾斜(法面)の角度に合わせて上下土木用ブロックを摺動させて積み重ねられる。摺動の程度を変えることにより、図15、図16に示すように積み重ね角度αを総意自在に変えることができる。本発明の土木用ブロックは、勿論、垂直面でも使用可能であり、この場合、太陽電池パネルPを傾斜して収容できるので、太陽光の利用効率は良好である。
尚、図15、図16において、通常、又は、必要に応じて用いられる、上下を連結固定するためのボルトや連結プレート、土木用ブロック裏面に取り付けられる連結ブラケット及びこれに連結され土中に埋設される樹脂製の網状物や金網からなる補強材、土木用ブロックの最下部に配される根石ブロック等は省略してある。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明の土木用ブロックは、天板部と底板部に係合構造が設けられ、係合構造は係合突起と摺動溝からなるので、係合突起を摺動溝に挿入するとともに、適当な位置まで上側の土木用ブロックを容易に摺動させることができるので、立体的形状で嵩張り、且つ重量の大きい土木用ブロックの積み上げに不慣れな通常の作業員にも容易且つ正確に所望の積み重ね角度に積層することができ、また、土木用ブロック内部に太陽電池パネル等の構造体を収容することができ、擁壁を構築するための土木用ブロックとして頗る有用である。
【符号の説明】
【0034】
1 土木用ブロック
2 天板部
3 底板部
4 支持部
5 係合構造
5a 係合突起
5b 摺動溝
5b1 係合用深部
5b2 枝溝
6 貫通孔
P 太陽電池パネル
P1 固定手段
P2 固定手段(ヒンジ)
【技術分野】
【0001】
本発明は、擁壁等に用いられる立体的形状の土木用ブロックに係り、更に詳しくは、作業性がよく、熟練工ではない通常の作業員でも容易且つ正確に所望の積み重ね角度で積み重ねることができる立体的形状の土木用ブロックに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、切り土や盛り土に際し、土圧に対抗し土の崩壊を防ぐために広く擁壁が構築されている。近年では、擁壁を構築するための土木用ブロックとして道路に面する山や土手、河川の堤防等の斜面(法面)を有効に使用するため、例えば太陽光発電等の機能を有する土木用ブロックも用いられている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
上記のような、斜面保護以外の機能を併せ持つ土木用ブロックは、通常、コンクリート製であり、当該土木用ブロックの機能を発揮させるためには、幅が広く、高さが高く、奥行きが深い立体的な形状になる傾向がある。また、斜面(法面)に使用するためには、当該土木用ブロックを所定の積み重ね角度に設置する必要がある場合も多い。このような立体的形状で嵩が大きく、且つ重量の大きい土木用ブロックを所定の角度に合わせて積み上げるためには、下側に設置された土木用ブロックの上に、所定の距離だけずらして別の土木用ブロックが載置積層される。
しかしながら、足場の悪い斜面(法面)において、上側の土木用ブロックを所定の位置に積み重ねる作業は、熟練工にとっても容易ではなく、ましてや熟練工でない通常の作業員には尚更困難である。
【0004】
熟練工でない通常の作業員でも所定の位置に短時間で土木用ブロックを積み重ねるための技術としては、上部に係合突起を設け、底面に前記係合突起と係合する係合凹部が設けられた土木用ブロック(例えば、特許文献2参照)が知られている。このような土木用ブロックでは、設けられた係合突起と係合凹部に応じた一種類の積み重ね角度で土木用ブロックを積み重ねることになる。
しかしながら、土木用ブロックで保護すべき斜面の勾配は一定ではないため、一種類の積み重ね角度でしか積み重ねできないような土木用ブロックでは、斜面の勾配に応じた多種多様な土木用ブロックを用意する必要があり、コスト的に極めて不経済である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011−196016号公報
【特許文献2】特開2011−47190号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、立体的な形状からなり、嵩張り且つ重量の大きい土木用ブロックを、熟練工でない通常の作業員でも、容易且つに正確に位置決めすることができ、所望の積み重ね角度に積み重ねることができる土木用ブロックを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の特徴の第1は、天板部と底板部と支持部を有する土木用ブロックであって、天板部と底板部には、上下に積み重ねた当該土木用ブロックを結合させるための係合構造が設けられ、前記係合構造は係合突起と、前後方向に延伸された摺動溝からなる土木用ブロックを内容とする。
【0008】
本発明の特徴の第2は、摺動溝の所定の位置には係合用深部が設けられている上記の土木用ブロックを内容とする。
【0009】
本発明の特徴の第3は、摺動溝は所定の位置で枝溝に分岐されており、枝溝に係合用深部が設けられている上記の土木用ブロックを内容とする。
【0010】
本発明の特徴の第4は、天板部と底板部にはそれぞれ貫通孔が設けられ、それぞれの貫通孔は、係合突起と係合用深部が係合したときに連通する位置に穿設されている上記の土木用ブロックを内容とする。
【0011】
本発明の特徴の第5は、底板部が天板部よりも長く形成されている上記の土木用ブロックを内容とする。
【0012】
本発明の特徴の第6は、土木用ブロック内部に太陽電池パネルが収容されている上記の土木用ブロックを内容とする。
【0013】
本発明の特徴の第7は、太陽電池パネルが上下及び/又は左右に傾斜角度を調整可能である上記の土木用ブロックを内容とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明の土木用ブロックは、係合構造が係合突起と前後方向に延伸された摺動溝からなるので、上下に積み重ねた土木ブロックを容易に摺動させることができるので、熟練工ではない通常の作業員でも、容易且つ正確に位置決めをすることができ、所望の積み重ね角度に積み重ねることができる。
【0015】
摺動溝の所定の位置に係合用深部を設ければ、予め定められた位置で該係合用深部に係合突起を係合させることにより静止結合できるので、土木用ブロックを所定の勾配で積み重ねるのが容易になる。また、枝溝を設け、この枝溝に係合用深部を設ければ、係合突起を奥側の係合用深部に係合させる際、途中で手前側の係合用深部と係合して摺動させにくくなる不都合を防止させることができる。
【0016】
係合突起と係合用深部が係合したときに連通する貫通孔を天板部と底板部に設ければ、ボルト、ビス等により上下に積み重ねた土木用ブロックを連結しやすくなり、強固な擁壁を構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は本発明の土木用ブロックの一例を示す側面図である。
【図2】図2は図1の正面図である。
【図3】図3は本発明の土木用ブロックの別例を示す側面図である。
【図4】図4は本発明の土木用ブロックにおける摺動溝の一例を示す平面図である。
【図5】図5は図4の摺動溝を有する土木用ブロックが積み重ねられた状態を示す概略説明図である。
【図6】図6(a)は本発明の土木用ブロックの係合構造の一例を示す平面図であり、(b)は(a)におけるa−a断面図である。
【図7】図7は本発明の土木用ブロックの更に別の例を示す平面図である。
【図8】図8は図7の底面図である。
【図9】図9は本発明の土木用ブロックの更に別の例を示す平面図である。
【図10】図10は図9の底面図である。
【図11】図11は図9の正面図である。
【図12】図12は本発明の土木用ブロック内部に太陽電池パネルを収容した例を示す側面図である。
【図13】図13は本発明の土木用ブロック内部に太陽電池パネルを左右に傾斜角度を調整可能に収容した例を示す平面図である。
【図14】図14は本発明の土木用ブロック内部に太陽電池パネルを上下に傾斜角度を調整可能に収容した例を示す側面図である。
【図15】図15は斜面(法面)に本発明の土木用ブロックを積み上げた例を示す概略図である。
【図16】図16は斜面(法面)に本発明の土木用ブロックを積み上げた他の例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の土木用ブロックは、図1及び図2に示すように、天板部2と底板部3と支持部4を有しており、天板部2と底板部3には、上下に積み重ねた当該土木用ブロック1を結合させるための係合構造5が設けられ、前記係合構造5は係合突起5aと、前後方向に延伸された摺動溝5bからなることを特徴とする。
【0019】
本発明において天板部2とは、立体的な形状の土木用ブロック1の最上部に配置される部分であって、その上側に別個の土木用ブロック1が載置される部分である。その形状は上部に土木用ブロック1を載置出来る程度の強度を有する形状である限り特に限定されないが、図1及び図2に示した例では、天板部2の形状として平面視矩形の平板状が採用されている。
【0020】
本発明において底板部3とは、立体的な形状の土木用ブロック1の最下部に配置される部分である。その形状は、上記した天板部2と同様、特に限定されないが、図1及び図2に示した例では、上記天板部2と同様、平板状が採用されている。底板部3は、下部土木用ブロック1の天板部2の上面を摺動させ該天板2よりも引き出して所望の積み重ね角度とするため、天板部2よりも大きく形成するほうが好ましい。また、太陽電池パネルを収容する場合、傾斜した状態で収容して太陽光の利用効率を高めることが容易である。
【0021】
本発明において支持部4とは、上記した底板部3から立設されて天板部2を支持する部分である。その形状は天板部2を支持し得る形状であれば特に限定されないが、図1及び図2に示したように、後端付近に立設される板状とすれば、コ字状の土木用ブロックが形成され、単に土圧に対抗して土砂崩れを防ぐだけでなく、土木用ブロック1の内部に大きなスペースを確保でき、太陽電池パネル等の別途の機能を有する構造体を容易に収納できるので好ましい。
。
【0022】
本発明の土木用ブロック1は、天板部2と底板部3に係合構造5を有している。係合構造5は当該土木用ブロック1を積み重ねる際に、上下の土木用ブロック1を結合させるための構造であり、係合突起5aと摺動溝5bからなる。なお、図1及び図2に示した例では、天板部2側に摺動溝5bが設けられ、底板部3側に係合突起5aが設けられているが、これに限定されず、図3に示したように、天板部2側に係合突起5aを設け、底板部3側に摺動溝5bを設けるようにしてもよい。
【0023】
摺動溝5bは、係合突起5aが設けられた土木用ブロック1を前後方向に摺動させることができるように、前後方向に延伸された形状とされている。
係合突起5aの形状は、前記摺動溝5bのなかで摺動可能な形状である限り、特に限定されないが、例えば半球状、半円柱状等のように、先端部が丸まった形状が好ましく使用される。係合突起5aの突出高さは、摺動溝5bの深さよりも僅かに大きくすることが必要で、このように構成することにより、係合突起5aと摺動溝5bとが接した状態で摺動されるので、摺動作業が容易である。
【0024】
係合突起5aとして前後方向に短い形状(図1〜図3の例では半球状)のものを使用した場合、図4に示したように、摺動溝5bの所定の部分に係合用深部5b1を設ければ、図5に示したように、係合突起5aと係合用深部5b1が係合して、所定の積み重ね角度αで上下の土木用ブロック1を結合させやすくなる。
即ち、摺動溝5b内における係合突起5aの位置によって、上下に積み重ねられた土木用ブロック1の積み重ね角度αは異なるが、図4に示すように、係合用深部5b1が複数(図4の場合は4箇所)ある土木用ブロック1の場合、係合用深部5b1の位置に対応する複数の積み重ね角度α(例えば、76°、70°、63°、56°)のうち、構築しようとする擁壁の角度に応じた係合用深部5b1内に係合突起5aを係合させることにより、所定の積み重ね角度αで土木用ブロック1を積み上げることが出来る。
従って、多数の土木用ブロック1を並べた場合、左右に並んだ土木用ブロック1の積み重ね角度αを全て揃えることができるので、擁壁の仕上がりが綺麗になる。
【0025】
係合用深部5b1を設ける場合、摺動溝5bの係合用深部5b1以外の部分の深さは係合突起5aの突出高さよりも浅くし摺動を容易とする必要があるが、係合用深部5b1の深さは係合突起5aの突出高さよりも深く形成することが望ましい。係合用深部5b1の深さが係合突起5aの突出高さよりも浅い場合、上下に積み重ねた土木用ブロック1の間に隙間ができるので、場合によっては漆喰等の充填材で隙間を埋める必要が生じる。
【0026】
なお、上記の様な土木用ブロック1を積み重ねる際、まず係合突起5aを摺動溝5bに導入して、その状態で係合突起5aを摺動溝5b内で摺動させて所望の係合用深部5b1の位置まで移動させるが、はじめに係合突起5aが摺動溝5bに入った位置(例えば、上側の土木用ブロックが73°の積み重ね角度αで積み重なる位置)と、所望の係合用深部5b1(例えば、例えば上側の土木用ブロックが63°の積み重ね角度αで積み重なる係合用深部5b1)の間に、中間の係合用深部(例えば、例えば上側の土木用ブロックが70°の積み重ね角度αで積み重なる係合用深部5b1)があった場合、摺動溝5b内で係合突起5aを摺動させれば、係合突起5aは中間の係合用深部5b1と係合してしまうため、所望の係合用深部5b1と係合させるには、係合突起5aと中間の係合用深部5b1との係合を解く必要が生じ、積載作業が困難になる場合がある。
そこで、図6に示したように、枝溝5b2に分岐された摺動溝5bを用い、係合用深部5b1はこの枝溝5b2に設けるようにすれば、所望の係合用深部5b1まで係合突起5aに摺動溝5bを摺動させる際に、中間の係合用深部5b1と係合突起5aが係合する心配がないので、作業性が向上する。この場合、枝溝5b2の係合用深部5b1に係合した状態で、所定の積層状態(例えば、積層幅が高さ方向に面一に揃える)となるように、予め設計しておくのが好ましい。
【0027】
本発明では、図7及び図8に示すように、天板部2及び底板部3に貫通孔6を穿設し、この貫通孔6にボルト、ビス等を挿通して、上下に積み重ねた土木用ブロック1を固定することもできる。なお、ボルト、ビス等で上下に積み重ねた土木用ブロック1を固定する際には、天板部2及び底板部3に穿設した貫通孔6は連通している必要があるが、係合突起5aと係合用深部5b1が係合したときに連通するような位置に当該貫通孔6を穿設しておけば、現場で貫通孔を穿設したり、予め穿設した貫通孔6を連通させるために土木用ブロック1の積載位置を微調整する手間が省けるため、作業性が向上する。
【0028】
貫通孔6の位置については、係合突起5aと係合用深部5b1が係合したときに連通するような位置である限り特に限定されない。例えば、最も単純には、貫通孔6を係合突起5a及び係合用深部5b1の近傍にそれぞれ1個づつ設ければよいが、もっと離れた位置、例えば天板部2及び/又は底板部3の中央付近に貫通孔6を設けてもよく、あるいは、図7及び図8に示すように、土木用ブロック1が積み重なる角度によって連通する貫通孔の数が変わる(例えば70°で積み重なるときに連通する貫通孔6の数は2個、63°で積み重なるときに連通する貫通孔6の数が4個、56°で積み重なるときに連通する貫通孔6の数が6個)ように貫通孔を設けることもできる。
また、係合用深部5b1を複数設ける場合では、全ての係合用深部5b1に対応する貫通孔6を設ける必要もなく(図7に示した例では、最も前側にある係合用深部5b1と係合突起5aが係合したときに連通する貫通孔6はない)、いずれかの係合用深部5b1と係合突起5aが係合したときに貫通孔6が連通すれば足りる。
【0029】
以上、係合突起5aが半球状等の如く前後方向に短い場合について説明したが、例えば図9〜図11に示すように、係合突起5aが前後方向に長い突条である場合も、作業性に優れた土木用ブロック1が提供される。係合突起5aが前後方向に長い突条である場合、係合用深部5b1を設けることできないが、係合用深部5b1を設ける場合と異なり、前後方向に無段階に摺動させることができるので、斜面(法面)の角度に自在に対応でき、且つ、摺動中も上側に積載した土木用ブロック1が安定しているので、作業性も良好である。
なお、図9〜図11に示す例では天板部2側に摺動溝5bを設け、底板部3側に係合突起5aを設けているが、これに限定されず、天板部2側に係合突起5aを設け、底板部3側に摺動溝5bを設けてもよい。また、所定の位置に積載されたときに連通する貫通孔6を天板部2及び底板部3に設ければ、貫通孔6が連通する位置で上側の土木用ブロック1を下側の土木用ブロック1と固定することにより、所定の積み重ね角度αで土木用ブロック1を積み上げることができる。
本発明の土木用ブロックは、通常、コンクリートからなり、必要に応じ、軽量発泡コンクリート等も使用可能である。
【0030】
本発明においては、土木用ブロック1の内部、即ち、天板部2と底板部3と支持部4により囲まれる空間に任意の機能を有する構造体を配置することができる。特に、本発明の土木用ブロック1により形成される擁壁は、太陽光線を効率よく吸収できる斜面(法面)に適用されるので、土木用ブロック1の内部の空間に太陽電池パネルPを収容すれば、効率よく太陽光発電を行うことができる。
本発明における太陽電池パネルPの形状、大きさについては特に限定されないが、太陽光を有効に活用するため、土木用ブロック1の内部に収まる範囲で可能な限り大きいほうが好ましく、通常は開口部と略同じ形状、大きさ(例えば、一辺が1〜2m程度)とされる。
太陽電池パネルPの種類については、太陽光を受けて起電力を得ることができるパネルであれば特に限定されない。
【0031】
太陽電池パネルPの固定手段P1については、太陽電池パネルPを土木用ブロック1の内部の任意の位置に固定可能であれば特に制限されないが、太陽光を有効に活用するために、図12に示すように、傾斜して固定するのが好ましく、更には、太陽電池パネルPを太陽の動きに追随させ、太陽光を効率的に利用できるように、或いはメンテナンス等のために、図13に示すように左右に傾斜角度を調整可能に設けたり、図14に示すように上下に傾斜角度を調整可能に設けるのが好ましい。
傾斜させる角度は特に限定されないが、5〜30度程度が好ましい。傾斜可能に取り付ける手段としては、特に制限されず、例えば、軸と軸受、伸縮可能なアーム、ヒンジ等が例示される。図14では、太陽電池パネルPがヒンジにより上下方向に傾斜角度を調整可能に収容されている。
【0032】
本発明の土木用ブロックは、図15、図16に示すように、傾斜(法面)の角度に合わせて上下土木用ブロックを摺動させて積み重ねられる。摺動の程度を変えることにより、図15、図16に示すように積み重ね角度αを総意自在に変えることができる。本発明の土木用ブロックは、勿論、垂直面でも使用可能であり、この場合、太陽電池パネルPを傾斜して収容できるので、太陽光の利用効率は良好である。
尚、図15、図16において、通常、又は、必要に応じて用いられる、上下を連結固定するためのボルトや連結プレート、土木用ブロック裏面に取り付けられる連結ブラケット及びこれに連結され土中に埋設される樹脂製の網状物や金網からなる補強材、土木用ブロックの最下部に配される根石ブロック等は省略してある。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明の土木用ブロックは、天板部と底板部に係合構造が設けられ、係合構造は係合突起と摺動溝からなるので、係合突起を摺動溝に挿入するとともに、適当な位置まで上側の土木用ブロックを容易に摺動させることができるので、立体的形状で嵩張り、且つ重量の大きい土木用ブロックの積み上げに不慣れな通常の作業員にも容易且つ正確に所望の積み重ね角度に積層することができ、また、土木用ブロック内部に太陽電池パネル等の構造体を収容することができ、擁壁を構築するための土木用ブロックとして頗る有用である。
【符号の説明】
【0034】
1 土木用ブロック
2 天板部
3 底板部
4 支持部
5 係合構造
5a 係合突起
5b 摺動溝
5b1 係合用深部
5b2 枝溝
6 貫通孔
P 太陽電池パネル
P1 固定手段
P2 固定手段(ヒンジ)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
天板部と底板部と支持部を有する土木用ブロックであって、
天板部と底板部には、上下に積み重ねた当該土木用ブロックを結合させるための係合構造が設けられ、
前記係合構造は係合突起と、前後方向に延伸された摺動溝からなることを特徴とする土木用ブロック。
【請求項2】
摺動溝の所定の位置には係合用深部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の土木用ブロック。
【請求項3】
摺動溝は所定の位置で枝溝に分岐されており、枝溝に係合用深部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の土木用ブロック。
【請求項4】
天板部と底板部にはそれぞれ貫通孔が設けられ、
それぞれの貫通孔は、係合突起と係合用深部が係合したときに連通する位置に穿設されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の土木用ブロック。
【請求項5】
底板部が天板部よりも長く形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の土木用ブロック。
【請求項6】
土木用ブロック内部に太陽電池パネルが収容されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の土木用ブロック。
【請求項7】
太陽電池パネルが上下及び/又は左右に傾斜角度を調整可能であることを特徴とする請求項6に記載の土木用ブロック。
【請求項1】
天板部と底板部と支持部を有する土木用ブロックであって、
天板部と底板部には、上下に積み重ねた当該土木用ブロックを結合させるための係合構造が設けられ、
前記係合構造は係合突起と、前後方向に延伸された摺動溝からなることを特徴とする土木用ブロック。
【請求項2】
摺動溝の所定の位置には係合用深部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の土木用ブロック。
【請求項3】
摺動溝は所定の位置で枝溝に分岐されており、枝溝に係合用深部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の土木用ブロック。
【請求項4】
天板部と底板部にはそれぞれ貫通孔が設けられ、
それぞれの貫通孔は、係合突起と係合用深部が係合したときに連通する位置に穿設されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の土木用ブロック。
【請求項5】
底板部が天板部よりも長く形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の土木用ブロック。
【請求項6】
土木用ブロック内部に太陽電池パネルが収容されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の土木用ブロック。
【請求項7】
太陽電池パネルが上下及び/又は左右に傾斜角度を調整可能であることを特徴とする請求項6に記載の土木用ブロック。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2013−104190(P2013−104190A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−247199(P2011−247199)
【出願日】平成23年11月11日(2011.11.11)
【出願人】(507259936)景環システム株式会社 (3)
【出願人】(505234812)三共スチール株式会社 (8)
【出願人】(511274477)株式会社原組 (2)
【出願人】(599134263)有限会社ランズスペース (8)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月11日(2011.11.11)
【出願人】(507259936)景環システム株式会社 (3)
【出願人】(505234812)三共スチール株式会社 (8)
【出願人】(511274477)株式会社原組 (2)
【出願人】(599134263)有限会社ランズスペース (8)
【Fターム(参考)】
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