説明

土木用土嚢

【課題】 本発明の目的は、敷設後、長期間放置しても設計強度を維持し紫外線劣化により破れることのないような強度を有する土木用土嚢を提供すること。
【解決手段】中詰め材が投入される筒状の基布袋体1と、エンドレス状ベルトからなり、基布袋体1の底面で直交させて基布袋体1に取り付けられ、基布袋体1の上部に二つの吊り部を形成した吊上げのための吊りベルト2と、を有する土木用土嚢であって、少なくとも1年の経時後の紫外線による強度劣化に相当する分の強度を、前もって余分に与えてある土木用土嚢Aである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、海岸、河川、湖、池等での土木工事に用いられる土木用土嚢に関する。
より詳しくは、敷設後、一定期間放置しても設計強度を維持できる土木用土嚢に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、海岸、河川、湖、池等での土木工事に土砂等を充填させた架設のための土木用土嚢が各所で用いられている。
このような土木用土嚢は、例えば、繊維糸使って形成した編地、織地、及び網地等よりなるもので、一般に可撓性を有する。
土木用土嚢の材料としては、水分に強い合成繊維、例えば、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロン又はポリ塩化ビニルが主として用いられる(例えば、特許文献1参照)。
そして、合成繊維の中でも特に、ポリプロピレン繊維を平織に粗く織った布をミシン縫製した袋が多用されている。
【0003】
【特許文献1】実開平6−34026号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、例えばポリプロピレン製の土嚢は、施工現場に積み上げられた後、一年も経たないうちに土嚢が破けてしまい、その結果、袋内に詰めた土砂や石材等の中詰め材が外部へ排出されてしまう問題があった。
その原因は、ポリプロピレン繊維、ナイロン繊維、ポリエステル繊維等の合成繊維は、紫外線に晒されると劣化現象を生じるからである。
【0005】
紫外線等を受けることにより、土嚢は経時変化を起こして劣化し、当初の設計強度を下回る強度となって、もとの状態を維持できなくなる。
その結果、施工後、土嚢に内外圧が加わった場合、破損等が生ずる。
少なくとも仮設等の土嚢だとしても1年程度はこのような破損現象が生じないようにしなければならない。
本発明は、このような背景をもとになされたものである。
すなわち、本発明は、敷設後、長期間放置しても設計強度を維持し紫外線劣化により破れることのないような強度を有する土木用土嚢を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かくして、本発明者は、このような課題背景に対して鋭意研究を重ねた結果、一定期間内の強度劣化に相当する分の強度を、前もって袋体に余分に与えておくことにより、上記の問題点を解決することができることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成させたものである。
【0007】
すなわち、本発明は、(1)、中詰め材が投入される筒状の基布袋体と、エンドレス状ベルトからなり、基布袋体の底面で直交させて基布袋体に取り付けられ、基布袋体の上部に二つの吊り部を形成した吊上げのための吊りベルトと、を有する土木用土嚢であって、吊りベルトが基布袋体の底面に縫着されるだけでなく、基布袋体の側面の一部まで縫着されており、少なくとも1年の経時後の紫外線による強度劣化に相当する分の強度を、前もって余分に与えてある土木用土嚢に存する。
【0008】
また、本発明は、(2)、紫外線遮蔽剤を含有させて、強度劣化に相当する分の強度を、極力少なくした上記(1)記載の土木用土嚢に存する。
【0009】
また、本発明は、(3)、基布袋体及び吊りベルトは繊維糸を製織することにより形成されている上記(2)記載の土木用土嚢に存する。
【0010】
また、本発明は、(4)、紫外線遮蔽剤が、繊維糸内に含まれている上記(3)記載の土木用土嚢に存する。
【0011】
また、本発明は、(5)、繊維糸には紫外線遮蔽剤を含有するポリエステル繊維糸が使われている上記(3)記載の土木用土嚢に存する。
【0012】
また、本発明は、(6)、繊維糸には紫外線遮蔽剤を含有するポリプロピレンフィルムヤーンが使われている上記(3)記載の土木用土嚢に存する。
【0013】
また、本発明は、(7)、紫外線遮蔽剤として反射剤又は吸収剤が使われている上記(5)又は(6)に記載の土木用土嚢に存する。
【0014】
また、本発明は、(8)、紫外線遮蔽剤として反射剤及び吸収剤が使われている上記(5)又は(6)に記載の土木用土嚢に存する。
【0015】
また、本発明は、(9)、反射剤が、カーボンブラック、酸化鉄、酸化クロム、酸化鉛、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化チタン、炭酸カルシウム又は硫酸バリウムであり、吸収剤が、フェニルサリシレート系、ヒドロキシベンゾフェノン系又はベンゾトリアゾール系である上記(7)又は(8)に記載の土木用土嚢に存する。
【0016】
また、本発明は、(10)、反射剤がカーボンブラックであり、吸収剤がフェニルサリシレート系である上記(7)又は(8)に記載の土木用土嚢に存する。
【0017】
また、本発明は、(11)、基布袋体の口部から下方に一定の距離を残して口絞りロープ又は口絞りベルトが取り付けられている上記(2)記載の土木用土嚢に存する。
【0018】
また、本発明は、(12)、基布袋体に吊りベルトを取り付けるミシン糸(縫製糸)に紫外線遮蔽剤が含まれている上記(3)記載の土木用土嚢に存する。
【0019】
また、本発明は、(13)、中詰め材が投入される筒状の基布袋体と、エンドレス状ベルトからなり、基布袋体の底面で直交させて基布袋体に取り付けられ、基布袋体の上部に二つの吊り部を形成した吊上げのための吊りベルトと、基布袋体の口部から下方に一定の距離を残して取り付けられた口絞りロープ又は口絞りベルトと、を有する土木用土嚢であって、吊りベルトが基布袋体の底面に縫着されるだけでなく、基布袋体の側面の一部まで縫着されており、基布袋体及び吊りベルトは繊維糸を製織することにより形成され、繊維糸には紫外線遮蔽剤を含有するポリエステル繊維糸が使われ、基布袋体に吊りベルトを取り付けるミシン糸(縫製糸)には紫外線遮蔽剤が含まれ、紫外線遮蔽剤として、カーボンブラック又はフェニルサリシレート系が使われ、少なくとも1年の経時後の紫外線による強度劣化に相当する分の強度を、前もって余分に与えてある土木用土嚢に存する。
【0020】
また、本発明は、(14)、中詰め材が投入される筒状の基布袋体と、エンドレス状ベルトからなり、基布袋体の底面で直交させて基布袋体に取り付けられ、基布袋体の上部に二つの吊り部を形成した吊上げのための吊りベルトと、基布袋体の口部から下方に一定の距離を残して取り付けられた口絞りロープ又は口絞りベルトと、を有する土木用土嚢であって、吊りベルトが基布袋体の底面に縫着されるだけでなく、基布袋体の側面の一部まで縫着されており、基布袋体及び吊りベルトは繊維糸を製織することにより形成され、繊維糸には紫外線遮蔽剤を含有するポリプロピレンフィルムヤーンが使われ、基布袋体に吊りベルトを取り付けるミシン糸(縫製糸)には紫外線遮蔽剤が含まれ、紫外線遮蔽剤として、カーボンブラック及びフェニルサリシレート系が使われ、少なくとも1年の経時後の紫外線による強度劣化に相当する分の強度を、前もって余分に与えてある土木用土嚢に存する。
【0021】
なお、本発明の目的に添ったものであれば、上記(1)から(14)を適宜組み合わせた構成も採用可能である。
【発明の効果】
【0022】
本発明の土嚢は、経時後(例えば1年後)の紫外線による強度劣化に相当する分の強度を、前もって余分に設計強度に与えてあるために、従来のものと較べて、経時後(例えば1年後)も十分な強度となり、経時劣化による破損等が防止される。
この強度劣化を防ぐために紫外線遮蔽剤を含有させて、強度劣化に相当する分の強度を極力少なくすれば、前もって余分に与える強度も少なくでき節約可能である。
【0023】
また、紫外線遮蔽剤を繊維糸内に含ませれば、原糸作製時に樹脂に練り込むだけで製造することができるので、劣化防止として手間がかからない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面を用いて説明する。
図1は本発明の土木用土嚢の一実施形態を示している。
この土木用土嚢Aは、石材や土砂等の中詰め材が投入される円筒状の基布袋体1と、エンドレス状に形成され基布袋体1の底面で直交させて取り付けられた吊りベルト2と、基布袋体1の口部から下方に一定の距離Lを残して取り付けられた口絞りロープまたは口絞りベルト3とを有している。
図に示すように、基布袋体1を円筒状にするには、例えば、底面を形成する円形状の布体と側面を形成する長方形状の布体とを相互に縫い付けることにより作製することができる。
【0025】
本実施形態において吊りベルト2をエンドレス状に形成し基布袋体1の底面で直交させて取り付けるようにしたのは、口絞りロープ3で基布袋体1の口部を絞り(図2参照)中詰め材が投入された基布袋体1を吊り下げた場合に、基布袋体1は周囲から内方へ向けて吊りベルト2により押圧作用が働くからである。
そのため中詰め材の投入された基布袋体1の変形を抑止することができ、吊り下げ時の安定性が増し、安全且つ確実な搬送を行うことができるからである。
【0026】
基布袋体1と吊りベルト2との取付けは縫着により行われている。
より具体的には、吊りベルト2が基布袋体1の底面に縫着されるだけでなく、基布袋体1の側面の一部まで縫着されている。
この縫着長さは、土木用土嚢Aの口絞り部1Aの面積を考慮して決定される(図2参照)。
【0027】
また、吊りベルト2と基布袋体1との縫合においては、吊りベルト2を基布袋体1の側面の一部に当て布を介して縫着して補強しておくとよい。
縫着に際して使用される縫製糸(即ちミシン糸)に後述するような紫外線遮蔽剤を含む縫製糸を使用する事が好ましい。
【0028】
基布袋体1や吊りベルト2、口絞りロープまたは口絞りベルト3の材質には、合成繊維が用いられるが、後述する理由から紫外線遮蔽剤を含有させた合成繊維を適用する方がより好ましい。
【0029】
合成繊維としては、例えば、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアミド等が用いられる。
これらをマルチフィラメント、モノフィラメント、フィルムヤーン等の形態として使用し、織りや編成により袋体を作るものである。
土木用土嚢に含まれる紫外線遮蔽剤としては、反射剤と吸収剤がある。反射剤としては、カーボンブラック、酸化鉄、酸化クロム、酸化鉛、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、等がある。
一方、吸収剤としては、フェニルサリシレート系、ヒドロキシベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、の吸収剤がある。
【0030】
合成繊維に紫外線遮蔽剤を含有させると、合成繊維自体の紫外線吸収量が減少し、基布袋体1の強度の劣化を抑止することができる。
この合成繊維に紫外線遮蔽剤を含有させるには、原糸の紡糸時に紫外線遮蔽剤を練り込むことにより容易に行うことができるが、必ずしも紡糸時でなくてもよい。
ところで本発明では、経時後、例えば一年後の紫外線による強度劣化に相当する分の強度を、前もって余分に与えておくことに特徴がある。
【0031】
このことを模式的な図3を用いて説明する。
図3(A)に示すように、従来品の初期強度がS0であるとすると、一年間河川の土手等に敷設した場合、紫外線等により土嚢の強度はΔS劣化しS1となる。
すなわち、S1(従来品1年後強度)=S0(従来品初期強度)−ΔS(劣化強度)
なお、この場合、初期強度とは、土嚢の設計強度のことをいう。
【0032】
本発明は、このΔS(劣化強度)分、土嚢Aを予め補強しておき、経時後、例えば一年後に従来品の初期強度に匹敵する強度を発揮させるものである。
そのため、本発明では、本発明品初期強度S0を従来品初期強度S0+ 劣化強度ΔSとする。
即ちこの劣化強度ΔSは前もって余分に与える強度に相当する。
この劣化強度ΔSの付加処理は、土嚢を構成する合成繊維の布糸を太くして強度を出すことや、糸密度を高める等の方法があり、その方法は限定されない。
【0033】
土嚢に紫外線遮蔽剤を含ませることにより経時的な強度劣化が少なくなることから、劣化強度ΔSを極力少なくするために、土嚢に紫外線遮蔽剤を含ませることが好ましい。
紫外線遮蔽剤を土嚢に含有させると、それによって紫外線がほとんど吸収され糸材質の紫外線による劣化が少なくなる。
【0034】
この強度劣化は、図3(B)に示すように、紫外線遮蔽剤なしの場合の劣化強度ΔSによりも紫外線遮蔽剤ありの劣化強度ΔS'が小さくなることから(図4参照)初期に前もって余分に与えておく強度も少なくなる。
そのため、紫外線遮蔽剤を含ませることにより、極力、前もって余分に与えておく強度を少なくすることができ効率的である。
【0035】
紫外線遮蔽剤を用いる劣化強度の抑止処理により、具体的に糸自体の強度を大きくする量が減る等の利点がある。
この場合、劣化強度ΔS'の大きさは、カーボンブラック等の紫外線遮蔽剤の含有量によってコントロールすることができる。
【0036】
〔強度劣化試験〕
以下、本発明の土木用土嚢の強度劣化試験について説明する。
ポリエステル樹脂に反射剤であるカーボンブラックを練り込んだ黒原着の繊維糸(図中、「ポリエステル(黒色)」)、ポリエステル繊維糸(図中、「ポリエステル(白色)」)、ポリプリピレン繊維糸を用いて、それぞれ土嚢用の布材(平織)を製織し、その強度を測定した。
なお繊維糸の太さは、1670dT(108f)で布材は、295g/mである。
そして、JIS L 1096「一般織物試験方法」の8.30(耐候性)に準じて、サンシャインカーボンアーク灯式耐候性試験機を用いて紫外線の照射による促進曝露を行い、引張強さ(N/3cm幅)を測定した。
その結果を図5に示す。
【0037】
図5は、紫外線照射時間と引張強さ保持率との関係を示している。
ここで保持率は、照射前の引張強さ/照射後の引張強さをパーセントで表したものである。
ポリプロピレン(一般に広く用いられている)の場合には、照射時間が150時間(屋外露出の半年間に相当)の時点で、引張強さの保持率が15%にまで低下することが分かった。
ポリエステル(白色)の場合には、照射時間が150時間(屋外露出の半年間に相当)の時点で、引張強さの保持率が約1/3(34%)にまで低下することが分かった。
【0038】
一方、ポリエステル(黒色)の場合、照射時間が150時間(屋外露出の半年間に相当)のとき、引張強さの保持率が約2/3以上(69%)保持されている。
また照射時間が600時間(屋外露出間の二年に相当)の時点でも半分以上(52%)保持されることが分かった。
なお、図中、ΔS'は図3(B)における先述した劣化強度ΔS'に相当する。
【0039】
以上のことから、保持率が高いポリエステル(黒色)を使うと、設計強度、すなわち初期の強度を極力節約することができる。
また吸収剤であるフェニルサリシレートをポリエステル樹脂に練り込んだ黒原着の繊維糸(図中、「ポリエステル(黒色)」)糸を用いて、土嚢用の布材(平織)を製織し、同様な強度劣化試験を行っているが、同様な傾向を示しており、その有効性を確認している。
【0040】
以上、本発明を説明してきたが、本発明は上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、その本質を逸脱しない範囲で、他の種々の変形が可能であることはいうまでもない。
例えば、上述した実施形態では、基布袋体1が円筒状である例について説明したが、角筒状その他の筒状であっても良い。
【0041】
また、例えば、上述した実施形態では、基布袋体1と吊りベルト2とを縫着した例について説明したが、接着等を用いても十分な取り付け強度があれば良い。
また、例えば、上述した実施形態では、吊りベルト2をエンドレス状に形成し、基布袋体1の底面で直交させて取り付けた例について説明したが、複数本のベルトを適宜基布袋体1に取り付けるようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】図1は、本発明の土木用土嚢の一実施形態を示す説明図である。
【図2】図2は、図1の基布袋体の口部を口絞りロープで絞った状態を示す説明図である。
【図3】図3は、従来品と本発明品との強度の関係を模式的に示す説明図であり、(A)は紫外線遮蔽剤を用いなかった場合の本発明品の強度、(B)は紫外線遮蔽剤を用いた場合の本発明品の強度を示す。
【図4】図4は、従来品と本発明品との強度の関係を模式的に示す説明図であり、紫外線遮蔽材を用いた場合の一年後の従来品との劣化強度の大きさの違いを示す図である。
【図5】図5は、紫外線照射時間と引張強さ保持率との関係を示している。
【符号の説明】
【0043】
1 基布袋体
1A 口絞り部
2 吊りベルト
3 口絞りロープ
A 土木用土嚢
L 長さ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中詰め材が投入される筒状の基布袋体と、
エンドレス状ベルトからなり、前記基布袋体の底面で直交させて前記基布袋体に取り付けられ、前記基布袋体の上部に二つの吊り部を形成した吊上げのための吊りベルトと、
を有する土木用土嚢であって、
吊りベルトが基布袋体の底面に縫着されるだけでなく、基布袋体の側面の一部まで縫着されており、
少なくとも1年の経時後の紫外線による強度劣化に相当する分の強度を、前もって余分に与えてあることを特徴とする土木用土嚢。
【請求項2】
紫外線遮蔽剤を含有させて、強度劣化に相当する分の強度を、極力少なくしたことを特徴とする請求項1記載の土木用土嚢。
【請求項3】
前記基布袋体及び前記吊りベルトは繊維糸を製織することにより形成されていることを特徴とする請求項2記載の土木用土嚢。
【請求項4】
紫外線遮蔽剤が、前記繊維糸内に含まれていることを特徴とする請求項3記載の土木用土嚢。
【請求項5】
前記繊維糸には紫外線遮蔽剤を含有するポリエステル繊維糸が使われていることを特徴とする請求項3記載の土木用土嚢。
【請求項6】
前記繊維糸には紫外線遮蔽剤を含有するポリプロピレンフィルムヤーンが使われていることを特徴とする請求項3記載の土木用土嚢。
【請求項7】
前記紫外線遮蔽剤として反射剤又は吸収剤が使われていることを特徴とする請求項5又は6に記載の土木用土嚢。
【請求項8】
前記紫外線遮蔽剤として反射剤及び吸収剤が使われていることを特徴とする請求項5又は6に記載の土木用土嚢。
【請求項9】
前記反射剤が、カーボンブラック、酸化鉄、酸化クロム、酸化鉛、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化チタン、炭酸カルシウム又は硫酸バリウムであり、
前記吸収剤が、フェニルサリシレート系、ヒドロキシベンゾフェノン系又はベンゾトリアゾール系であることを特徴とする請求項7又は8に記載の土木用土嚢。
【請求項10】
前記反射剤がカーボンブラックであり、前記吸収剤がフェニルサリシレート系であることを特徴とする請求項7又は8に記載の土木用土嚢。
【請求項11】
前記基布袋体の口部から下方に一定の距離を残して口絞りロープ又は口絞りベルトが取り付けられていることを特徴とする請求項2記載の土木用土嚢。
【請求項12】
前記基布袋体に前記吊りベルトを取り付けるミシン糸(縫製糸)に紫外線遮蔽剤が含まれていることを特徴とする請求項3記載の土木用土嚢。
【請求項13】
中詰め材が投入される筒状の基布袋体と、
エンドレス状ベルトからなり、前記基布袋体の底面で直交させて前記基布袋体に取り付けられ、前記基布袋体の上部に二つの吊り部を形成した吊上げのための吊りベルトと、
前記基布袋体の口部から下方に一定の距離を残して取り付けられた口絞りロープ又は口絞りベルトと、
を有する土木用土嚢であって、
吊りベルトが基布袋体の底面に縫着されるだけでなく、基布袋体の側面の一部まで縫着されており、
前記基布袋体及び前記吊りベルトは繊維糸を製織することにより形成され、
前記繊維糸には紫外線遮蔽剤を含有するポリエステル繊維糸が使われ、
前記基布袋体に前記吊りベルトを取り付けるミシン糸(縫製糸)には紫外線遮蔽剤が含まれ、
前記紫外線遮蔽剤として、カーボンブラック又はフェニルサリシレート系が使われ、
少なくとも1年の経時後の紫外線による強度劣化に相当する分の強度を、前もって余分に与えてあることを特徴とする土木用土嚢。
【請求項14】
中詰め材が投入される筒状の基布袋体と、
エンドレス状ベルトからなり、前記基布袋体の底面で直交させて前記基布袋体に取り付けられ、前記基布袋体の上部に二つの吊り部を形成した吊上げのための吊りベルトと、
前記基布袋体の口部から下方に一定の距離を残して取り付けられた口絞りロープ又は口絞りベルトと、
を有する土木用土嚢であって、
吊りベルトが基布袋体の底面に縫着されるだけでなく、基布袋体の側面の一部まで縫着されており、
前記基布袋体及び前記吊りベルトは繊維糸を製織することにより形成され、
前記繊維糸には紫外線遮蔽剤を含有するポリプロピレンフィルムヤーンが使われ、
前記基布袋体に前記吊りベルトを取り付けるミシン糸(縫製糸)には紫外線遮蔽剤が含まれ、
前記紫外線遮蔽剤として、カーボンブラック及びフェニルサリシレート系が使われ、
少なくとも1年の経時後の紫外線による強度劣化に相当する分の強度を、前もって余分に与えてあることを特徴とする土木用土嚢。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−50940(P2008−50940A)
【公開日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−260643(P2007−260643)
【出願日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【分割の表示】特願2006−157862(P2006−157862)の分割
【原出願日】平成18年6月6日(2006.6.6)
【出願人】(000201490)前田工繊株式会社 (118)
【Fターム(参考)】