説明

土砂用バケットとこれを用いた工法

【課題】土砂運搬時は土砂用バケットを水平に保って固定し、土砂排出時は、土砂用バケットを回動自在にしてバケット内の土砂を排出するのに、クレーンの操作のみで行えることで、簡単な操作で確実な安全作業が行える土砂用バケットを提供する。
【解決手段】上面開口部を有するバケット本体2と、左右アーム43,73とよりなるアーム本体42を有し、アーム本体42の回転位置に従ってバケット本体2の側部に設けられた左右のピン32aとピン受け凹部46bとの掛止又は離脱し得る左右フック45,75と、アーム本体42の回転位置に従って、左右フックの保持ピン50と掛止又は離脱し得ることを含む左右フック保持部51,81と、バケット本体2の重心の位置が、左右アーム支持部37の軸の中心同士を結んだ線より前方であって、且つ、左右フック45,47と掛止又は離脱し得る左右のピンの軸中心同士を結んだ線より後方との間に位置するようになされた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、土砂運搬バケットに関し、特に建築・土木工事において急傾斜地・災害復旧工事など危険な場所における掘削土等の土砂をトラックの荷台又は他の場所に搬出するための土砂用バケットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、急斜面工事で、崖下付近に住宅地がある場合、バックホー(ドラグショベルともいうパワーショベルと同程度の掘削能力を有し、硬い土の掘削作業に適する。)で掘削した土砂を直接下方へ落下させると、粉塵や土砂流出といった災害をもたらす可能性があるため、土砂用バケットに土砂を入れクレーンにより吊り下げ下方へ運搬する作業が必要である。
【0003】
図13は、従来の土砂等の被運搬物を運搬する土砂用バケット1の第一例の斜視図を示す。上部に一方の吊りワイヤaが、下部に他方の吊りワイヤbが二箇所に各々固定され、バケット本体2の内面を上下自在に移動するバケット底蓋3を備え、バケット本体2内に土砂を入れクレーンにより上部の一方の吊りワイヤaで、吊り上げ運搬し、クレーンのフック5をバケット本体2下部に固定された他方の吊りワイヤbに付け替え、そして、そのバケット本体2を他方の吊りワイヤbで吊り上げて反転させ土砂を排出させる。
【0004】
そして、次の運搬では、他方の吊りワイヤbで土砂用バケット1を吊り上げ運搬し、クレーンのフック5を再び一方の吊りワイヤaに付け替え、バケット本体2を一方の吊りワイヤaで吊り上げて反転させ土砂を排出させる。その時バケット本体2の内面に、自在に移動するように設けられた、バケット底蓋3は、バケット本体2が反転するたびに、土砂を排出させながらバケット本体2の下面側へ移動する。
【0005】
即ち、バケット本体2の上面側の一方の吊りワイヤaで、吊り上げ運搬し、下面側の他方の吊りワイヤbで反転させ土砂を排出する。この時、バケット底蓋3は、バケット本体2が反転するたびに下面側へ移動し、バケット本体2内に被運搬物が収容できるように常に反転前の状態に戻るようにした土砂用バケット1(自己復帰型反転バケット)の例があり、この様な本願発明に関連した第一例の公知技術として下記の特許文献1を挙げることが出来る。
【0006】
更に、図14は他の土砂用バケット1の第二例の斜視図である。上方と下方に開口部を有するバケット本体2と、このバケット本体2の上端縁に固定された補強部材7の正面及びこれと対向する面の中央部に位置して起伏自在に軸支された左右一対の吊り下げロッド8と、バケット本体2の左右側面方向中央部分にあって上端部が前記吊り下げロッド8の下端部に回動可能に軸支され、この吊り下げロッド8の上下動に連動する左右一対のリンク9と、このリンク9の上下動によりバケット本体2の下方開口部を開閉自在に2分割して配設された底蓋10、10と、前記吊り下げロッド8の上端部に固定された支持杆11の中央部分に回動可能に支持されたクレーン吊り下げ用シャックル12(メインワイヤ14用の連結金具)と、前記補強部材7の左右側面中央部に軸支されたワイヤ吊り下げ用シャックル13(補助ワイヤ16用の連結金具)とを具備してなる土砂用バケット1の例があげられる。
【0007】
この第二例の土砂用バケット1の構成によれば、バケット本体2内に土砂を積み込む際には吊り下げロッド8と支持杆11及びシャックル12(メインワイヤ14のフック15用の連結金具)をバケット本体2の上端縁で何れか一方側に倒伏させることにより(図12中では左方二点鎖線表示)、バケット本体2の上方開口部が大きく解放されて土砂の積み込み動作が容易に行われ、積み込んだ土砂を搬出する際にはクレーン吊り下げ用シャックル12(メインワイヤ14のフック15用の連結金具)とワイヤ吊り下げ用シャックル13(補助ワイヤー16のフック17用の連結金具)にそれぞれメインワイヤ14のフック15と補助ワイヤ16のフック17を掛け止めしてクレーンを利用してバケット本体2を吊り上げ、目的とする搬出位置上方に移動してからバケット本体2を降下させ、補助ワイヤ16の緊張状態を維持したままメインワイヤ14の緊張状態を緩めることによって吊り下げロッド8に連動するリンク9が下降して、バケット本体2の下方開口部を塞ぐ位置に配設された底蓋10,10が左右に開いて土砂が落下して搬出が行われる。底蓋10,10の開口度はメインワイヤ14の緊張状態によって適宜調節することができる。
【0008】
目的とする搬出位置に土砂が搬出された後で再びメインワイヤ14の緊張状態を高めることにより、吊り下げロッド8とリンク9が連動して上昇して底蓋10,10がバケット本体2の下方開口部を塞ぐ位置に戻り、以下同様な動作を繰返すことによって、バケット本体2内への土砂の積み込みと搬出位置への土砂の搬出動作を継続して行うことが出来る。この様な本願発明に関連した第二例の公知技術として下記の特許文献2を挙げることが出来る。)
【0009】
【特許文献1】実開平6―32469号公報
【特許文献2】登録実用新案第3072339号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述の如く、従来技術に係る第一例の実開平6―32469号公報の開示技術の土砂用バケット1では、土砂を入れ、所望の指定位置まで運搬して、人手によってクレーンのフック5から上部の一方の吊りワイヤaを外し、人手によってクレーンのフック5に下部の他方の吊りワイヤbを掛けなおして、再度クレーンを吊り上げ土砂用バケット1を反転させて被運搬物の土砂を排出させていた。この第一例の土砂用バケット1では、使用する時に、一方の(又は他方の)吊りワイヤa(又はb)の掛け外しの作業があり、作業員が土砂用バケット1と接触事故等を起すおそれがあり作業安全上で問題があった。更に、大量の土砂搬出工事では作業員等の省人化が図れずに人件費用がかさむ等の経済的な問題もあった。
【0011】
そして、従来技術に係る第二例の登録実用新案第3072339号公報の開示技術の土砂用バケット1では、土砂を入れ、所望の指定位置まで運搬して、バケット本体2を降下させ、補助ワイヤ16の緊張状態を維持したままメインワイヤ14の緊張状態を緩めることによって吊り下げロッド8に連動するリンク9が下降して、バケット本体2の下方開口部を塞ぐ位置に配設された底蓋10,10が左右に開いて土砂が落下して搬出が行われる。底蓋10,10の開口度はメインワイヤ14の緊張状態によって微調節して、土砂の排出量を調節する。
【0012】
即ち、補助ワイヤ16の緊張状態を維持したままメインワイヤ14の緊張状態を微調節しながら緩めることによって、バケット本体2の底蓋10,10が左右に開いて、土砂が搬出される。この様に、クレーン操作作業の他に補助ワイヤー16の緊張状態を維持したまま、メインワイヤ14の緊張状態を維持したり緩めたりして微調節する複雑なワイヤ操作作業が加わり、面倒なワイヤー操作時にワイヤ操作手順を間違えたりし易く、作業効率や作業精度が雑になり易かったりして、着実な作業が求められている工事現場での作業安全上の問題が存在していた。
【0013】
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、人手を使用せず土砂運搬時は土砂用バケットを水平に保って固定し、土砂排出時は、土砂用バケットを回動自在にしてバケット内の土砂を排出するのにワイヤとフックを備えたクレーンの操作のみで行えることで、省人化でき、且つ、簡単な操作で確実な安全作業が行える土砂用バケットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上述の目的を達成するために、請求項1の発明は、上面開口部を有するバケット本体と、前記バケット本体の左右側部に設けられた左右アーム支持部にて夫々下端部を回動自在に枢支され、上端部を中央アームにて架設された左右アームとよりなるアーム本体と、前記中央アームの上面側の左右中央部に連結金具を有し、一端のフック軸を前記左右アームに回動自在に枢支され他端近傍にピン受け凹部と保持ピンとを有し、前記アーム本体の回転位置に従って前記バケット本体の左右側部に設けられた左右のピンと前記ピン受け凹部との掛止又は離脱し得る左右フックと、前記左右アームの前記左右フックの直上位置に設けられ前記アーム本体の回転位置に従って、前記左右フックの前記保持ピンと掛止又は離脱し得ることを含む左右フック保持部と、前記バケット本体の重心の位置が、前記左右アーム支持部の軸中心同士を結んだ線より前方であって、且つ、前記左右フックと掛止又は離脱し得る前記左右のピンの軸中心同士を結んだ線より後方との間に位置するようになされたことを特徴とする土砂用バケットである。
【0015】
上記請求項1の発明の場合、土砂用バケットは、一端のフック軸を前記左右アームに回動自在に枢支され他端近傍にピン受け凹部と保持ピンとを有し、前記アーム本体の回転位置に従って前記バケット本体の左右側部に設けられた左右のピンと前記ピン受け凹部との掛止又は離脱し得る左右フックと、前記左右アームの前記左右フックの直上位置に設けられ前記アーム本体の回転位置に従って、前記左右フックの前記保持ピンと掛止又は離脱し得るようなされた左右フック保持部とが設けられているので、クレーンの操作によりアーム部(即ちアーム本体)の回転位置により左右フックの掛止と離脱が可能であるために土砂の収容時も土砂の放出時も土砂用バケット要員等は不要であり省人化が可能である。
【0016】
更に、前記バケット本体の重心の位置が、前記左右アーム支持部の軸中心同士を結んだ線より前方であって、且つ、前記左右フックと掛止又は離脱し得る前記左右のピンの軸中心同士を結んだ線より後方との間に位置するようになされたことを特徴とするので、安全で確実な土砂運搬作業が可能であり、本発明の土砂用バケットは、土砂放出時に、確実に略垂直状態に吊り下げられるので、容易に土砂用バケット内の土砂を放出できる。
【0017】
請求項2の発明は、前記土砂用バケットにおいて、好適には、船形のバケット本体である。
【0018】
上記請求項2の発明の場合、前記バケット本体が、船形のバケット本体であることにより、バケット本体は、前側の傾斜底板23がもともと傾斜しているために、前端部を下向きにして少し傾けるように吊り下げると、土砂用バケット内の土砂を直ちに容易に放出できる。
【0019】
請求項3の発明は、START:急斜面工事で、崖下付近の平地にクレーンを設置し、土砂用バケットを構成するアーム部をP1の位置に回転させて、前記アーム部のアーム本体を構成する左右アームを左右アーム止めに当接させて、左右フックを左右フック保持部にて保持掛止させた状態の前記土砂用バケットを前記平地上に置く工程。
S1:前記土砂用バケットの前記アーム部の連結金具(シャックル)に、前記クレーンのフックを引掛ける工程。
【0020】
S2:前記クレーンの操作により、前記アーム部を、前記P1の位置からP2の位置に回転させて、前記左右フックを前記左右フック保持部の掛止から離脱させて自重で時計方向に回転させ前記左右フックのフックストッパに当接させて停止させる工程。
S3:前記アーム部を前記P2の位置からP3の位置に回転させ、前記アーム部を構成するアーム本体を後方に倒して左右アーム受けに当接させる工程。
【0021】
S4:前記アーム部を前記P3の位置から、P4の位置に回転させて,バケット本体の左右側部に設けられた左右のピンと前記左右フックとを当接させ、更にP5の位置に回転させて,前記左右フックと前記バケット本体の前記左右側部に設けられた前記左右のピンとを掛止させ得る状態とし、そしてP6の位置に回転させて、前記左右フックと前記バケット本体の前記左右側部に設けられた前記左右のピンとを掛止させ、前記左右アーム支持部に支持された前記アーム本体と前記左右のピンに掛止された前記左右フックとの共同で、前記土砂用バケットを略水平状態にして前記アーム部に掛けられた前記クレーンの前記フックに吊り下げる工程。
【0022】
S5:前記アーム部をP6の位置の状態で、前記土砂用バケットを略水平状態に前記クレーンの前記フックにより吊り下げて工事場所のバックホーの傍らに移動して、前記土砂用バケットを置く工程。
【0023】
S6:前記アーム部を前記P6の位置から、前記P1の位置に回転させて、前記アーム部のアーム本体を構成する左右アームを左右アーム止めに当接させ、左右フックを左右フック保持部にて保持掛止させた状態とし、前記P2の位置に回転させ、前記左右フックを前記左右フック保持部の掛止から離脱させて自重で時計方向に回転させ前記左右フックのフックストッパに当接させて停止させ、そして前記P3の位置に回転させて、前記アーム部を構成する前記アーム本体を後方に倒して前記左右アーム受けに当接させ、前記土砂用バケットの上面開口部を大きく開いた状態にして、土砂用バケット内に土砂を収容し易くする工程。
【0024】
S7:前記アーム部が左方に倒された前記P3の位置で、前記上面開口部が大きく開かれている前記土砂用バケットの中に、前記バックホーの前記アームを駆動して前記バケットにより、前記土砂用バケットの中に、容易に掘削した土砂を入れる工程。
【0025】
S8:前記アーム部を前記P3の位置から、P4の位置に回転させ、バケット本体の左右側部に設けられた左右のピンと前記左右フックとを当接させ、P5の位置に回転させ、前記左右フックと前記バケット本体の前記左右側部に設けられた前記左右のピンとを掛止させ得る状態とし、
そしてP6の位置に回転させて、前記左右フックと前記バケット本体の前記左右側部に設けられた前記左右のピンとを掛止させ、前記左右アーム支持部に支持された前記アーム本体と前記左右のピンに掛止された前記左右フックとの共同で、前記土砂用バケットを略水平状態にして前記アーム部に掛けられた前記クレーンの前記フックに吊り下げて運搬できるようにする工程。
【0026】
S9:前記アーム部がP6の位置の時に、前記クレーンの前記フックにより、前記土砂用バケットを略水平状態に吊り下げて前記工事場所から移動して、土砂の入っている前記土砂用バケットを運搬して、前記平地上の所望の場所に(例えば、トラックの荷台の上に)降ろす工程。
【0027】
S10:前記アーム部を前記P6の位置から、前記P1の位置に回転させて,前記アーム部の前記アーム本体を構成する前記左右アームを前記左右アーム止めに当接させ、前記左右フックを前記左右フック保持部にて保持掛止させ、そして、前記P2の位置に回転させて,前記左右フックを前記左右フック保持部の掛止から離脱させて自重で時計方向に回転させ前記左右フックのフックストッパに当接させて停止させ、更に、P3の位置に回転させて、前記アーム部を構成する前記アーム本体を後方に倒して前記左右アーム受けに当接させる工程。
【0028】
S11:運搬されてきた土砂の入っている前記土砂用バケットを降ろされ、前記平地上の所望の場所(例えば、トラックの荷台の上に)に置かれた、前記アーム部をP3の位置に回転された前記土砂用バケットにおいて、前記アーム部を構成する前記アーム本体を後方に倒して前記左右アーム受けに当接させ、前記土砂用バケットの前記アーム部の連結金具(シャックル)に掛けられた前記クレーンの前記フックにより、前記土砂用バケットの前端部を下にして、前記平地上の前記所望の場所にて略垂直状態に前記土砂バケットを吊り上げ、左右アーム支持部より前方にバケット本体の重心位置が存在するので、確実にバケット本体は、前端部を下向きにして略垂直状態に吊り上げられ、土砂を所望の場所に(例えば、トラックの荷台の上に)放出する工程。
【0029】
S12:空になった前記土砂用バケットを、前記クレーンのフックにより、平らな場所に置いて、一旦、アーム部をP3の位置にして、前記アーム部を構成する前記アーム本体を後方に倒して前記左右アーム受けに当接させ、そして、アーム部をP4の位置に回転させ、バケット本体の左右側部に設けられた左右のピンと前記左右フックとを当接させ、そして、アーム部をP5の位置に回転させ、前記左右フックと前記バケット本体の前記左右側部に設けられた前記左右のピンとを掛止させ得る状態とし、更に、アーム部をP6の位置に回転させ、前記左右フックと前記バケット本体の前記左右側部に設けられた前記左右のピンとを掛止させ、前記左右アーム支持部に支持された前記アーム本体と前記左右のピンに掛止された前記左右フックとの共同で、前記土砂用バケットを略水平状態にして前記アーム部に掛けられた前記クレーンの前記フックに吊り下げて運搬できるようにする工程。
【0030】
S13:前記アーム部を前記P6の位置の状態で、前記土砂用バケットを略水平状態に前記クレーンの前記フックにより吊り下げて前記工事場所の前記バックホーの傍らに移動させて、前記土砂用バケットを置く工程。
【0031】
以後工程S6に戻り、工程S6→工程S7→工程S8→工程S9→工程S10→工程S11→工程12→工程13→工程S6に戻り、以後これを繰返す。
土砂運搬作業の終了時には、工程S12から分岐して、
S14:前記アーム部を前記P6の位置の状態で、前記土砂用バケットを略水平状態に前記クレーンの前記フックにより吊り下げて作業の障害にならない前記平地上の場所に移動して、前記土砂用バケットを置く工程。
S15:前記土砂用バケットは、安全上から前記アーム部が、折畳まれて前記P1の位置になされる工程。
【0032】
STOP:終了。
STARTからSTOPまでの土砂搬出工程を特徴とする土砂用バケットを用いた工法である。
【0033】
上記請求項3の発明の場合、急斜面工事において、崖下付近に住宅地が存在する場合に、バックホーで掘削した土砂を、本発明の土砂用バケット内に土砂を収容して、クレーンのワイヤのフックにより、この土砂の入っている土砂用バケットを水平に保って吊り下げて土砂搬出作業を行う工法であるから、粉塵や土砂流出と言った公害や災害を防止することが出来る。また、土砂用バケット要員等は不要であり、省人化が可能な工法であるから経済的に有利な工法である。
【発明の効果】
【0034】
以上説明したように請求項1の発明によれば、一端のフック軸を前記左右アームに回動自在に枢支され他端近傍にピン受け凹部と保持ピンとを有し、前記アーム本体の回転位置に従って前記バケット本体の左右側部に設けられた左右のピンと前記ピン受け凹部との掛止又は離脱し得る左右フックと、前記左右アームの前記左右フックの直上位置に設けられ前記アーム本体の回転位置に従って、前記左右フックの前記保持ピンと掛止又は離脱し得るようなされた左右フック保持部とが設けられているので、クレーンの操作によりアーム部(即ちアーム本体)の回転位置により左右フックの掛止と離脱が可能であるために土砂の収容時も土砂の放出時も土砂用バケット要員等は不要であり省人化が可能である。
【0035】
更に、前記バケット本体の重心の位置が、前記左右アーム支持部の軸中心同士を結んだ線より前方であって、且つ、前記左右フックと掛止又は離脱し得る前記左右のピンの軸中心同士を結んだ線より後方との間に位置するようになされたことを特徴とするので、安全で確実な土砂運搬作業が可能であり、本発明の土砂用バケットは、土砂放出時に、確実に略垂直状態に吊り下げられるので、容易に土砂用バケット内の土砂を放出できる。
【0036】
請求項2の発明によれば、請求項1の発明と同様な効果を奏し得る他、前記バケット本体が、船形のバケット本体であることにより、バケット本体は、前側の傾斜底板23がもともと傾斜しているために、前端部を下向きにして少し傾けるように吊り下げると、土砂用バケット内の土砂を直ちに放出できる。
【0037】
請求項3の発明によれば、急斜面工事において、崖下付近に住宅地が存在する場合に、バックホーで掘削した土砂を、本発明の土砂用バケット内に土砂を収容して、クレーンのワイヤのフックにより、この土砂の入っている土砂用バケットを水平に保って吊り下げて土砂搬出作業を行う工法であるから、粉塵や土砂流出と言った公害や災害を防止することが出来る。また、土砂用バケット要員等は不要であり、省人化が可能な工法であるから経済的に有利な工法である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
【0039】
図1〜図12は、本発明の第1の実施の形態に係り、図1はその土砂用バケットの正面図である。図2はその土砂用バケットの平面図、図3はその土砂用バケットの右側面図、図4は、図2中のA部及びB部の拡大図である。図5は、図3中のC部及びD部の拡大図である。図6〜図11は、本発明の土砂用バケットの左右アームと左右フックとその動作の説明図である。そして、各図中で部材を示す符号に丸括弧付きの符号は、左方側面に対称的に設けられている右方側面の部材を示す符号である。図12は、本発明の土砂用バケットを用いた工法を示す斜視図である。
【0040】
図1〜図3に示すように、土砂用バケット20は、上面開口部21aを有する船形のバケット本体21と(バケット本体21は、樽形でも箱形でもその他の多角形で可能であるが、好適には船形とする)、前記バケット本体21の左右側部に設けられた左右アーム支持部37、(36)にて夫々下端部を頭付き軸39、(39)にて回動自在に枢支され、上端部を中央アーム96にて架設された左右アーム73、(43)とよりなるアーム本体42と、前記中央アーム96の上面側の左右の中央部にクレーン112のワイヤ114のフックを引掛ける連結金具(シャックル)を有し、
前記左右アーム73、(43)に夫々回動自在に枢支された左右フック75、(45)と、前記左右フック75、(45)が夫々掛止又は離脱し得る前記バケット本体21の左右側面の縦補強材32、(32)に設けられた左右のピン32a,(32a)とを含み、前記バケット本体21の重心の位置が、前記左右アーム支持部37、(36)の頭付き軸39、(39)の軸中心同士を結んだ線より前方であって、且つ、前記左右フック75、(45)と夫々掛止又は離脱し得る前記ピン32a,(32a)の軸中心同士を結んだ線より後方との間に位置するようになされている。
【0041】
この構成を詳述すると、土砂用バケット20を構成する船形のバケット本体21は、上面は上面開口21aとなって開かれており、この上面開口21aにより船形のバケット本体21内の土砂の収容と放出が容易に出来る。更に、船形のバケット本体21は、水平の底板22とこれに連なって斜前方に延在している傾斜底板23と、これらを囲むように右側板24、左側板25、後側板26が配設され船形を形成し、
そして、補強部材として上端外側縁部に右補強材(上)27と、左補強材(上)28と、後補強材(上)29とが設けられ、これら上端に対応するように、下端外側縁部に右補強材(下)33と、左補強材(下)34とが設けられている。更に、傾斜底板23の前側先端上部の下面側には前補強材30が設けられ、そして、水平の底板22の略中央部の下側には、底補強材31が右側から左側に架設され固着されている。
【0042】
この底補強材31の左右両端部において、後述するように底補強材31が外方に水平に延在して、先端部が上方に向けて右曲げ起し部31aと左曲げ起し部31bとして形成され、夫々右アーム支持部36と左アーム支持部37の一部を構成している。そして、右補強材(上)27と左補強材(上)28の前側先端部には上側と下側の隅に面取りが施されており、土砂用バケット20の使用時に角部が、引掛かったりせず動作が滑らかになるようになっている(図1〜図3参照)。
【0043】
前記底補強材31の一方の右方端部において、右アーム支持部36が形成されている。即ち、この右アーム支持部36では、前記底補強材31の右端部を、前記右補強材(下)33の右方外側に水平に延在して、その右末端部を上方に向けて右曲げ起し部31aとして形成し、この右曲げ起し部31aの上端部近傍に軸穴31cを設けてある。そして、水平に延在する前記底補強材31の右曲げ起し部31aの内側の水平上面であって、前記右曲げ起し部31aと前記右補強材(下)33との間に、前記右曲げ起し部31aと対向するように内側支持部材38を溶接等で固着し、この内側支持部材38の上端部近傍に、前記右曲げ起し部31aの上端部近傍に設けられた右側の軸穴31cに対応した位置に右側の軸穴38aを設けてある。
【0044】
ここで後述と一部重複するが、理解しやすいように一部分を概説すると、土砂用バケット20が、バケット本体21とアーム部41とで構成され、そして、このアーム部41が、アーム本体42と連結金具(シャックル)98とで構成され、そして、アーム本体42が、右アーム43と左アーム73と中央アーム96と筋交い部材103(2箇所)とで構成され、更に、右アーム43が右アーム本体44と右フック45と右フック保持部51とで構成され、同様に、左アーム73が左アーム本体74と左フック75と左フック保持部81とで構成されている。
【0045】
この右曲げ起し部31aと内側支持部材38との間隔は、後述するアーム部41を構成するアーム本体42の一部である右アーム43の右アーム本体44の下方端部の厚さ寸法部分が挿入されて、軸穴31cと軸穴38aとに支承された頭付き軸39が、この右アーム本体44の下端近傍に設けられた軸穴44aにも(前記軸穴31cと前記軸穴38aとの間において)挿通され、右アーム43が軸穴44aに挿通された頭付き軸39を中心に支障なく回動自在となし得る距離でよい。更に、頭付き軸39は、この頭付き軸39の先端部に設けられているピン穴39aに割りピン40を挿通して、抜け防止が図られている(図1〜図3参照)。
【0046】
前記右アーム支持部36と対称的に、前記底補強材31の他方の左方端では、左アーム支持部37が形成されている。この左アーム支持部37では、前記底補強材31の左端部を、前記左補強材(下)34の左方外側に水平に延在して、その左末端部を上方に向けて左曲げ起し部31bとして形成し、この左曲げ起し部31bの上端部近傍に軸穴31cを設けてある。そして、水平に延在する前記底補強材31の前記左曲げ起し部31bの内側の水平上面であって、前記左曲げ起し部31bと前記左補強材(下)34との間に、前記左曲げ起し部31bと対向するように内側支持部材38を溶接等で固着し、この内側支持部材38の上端部近傍に、前記左曲げ起し部31bの上端部近傍に設けられた左方の軸穴31cに対応した位置に左方の軸穴38aを設けてある。
【0047】
この左曲げ起し部31bと左方の内側支持部材38との間隔は、後述するアーム部41を構成するアーム本体42の一部である左アーム73の左アーム本体74の下方端部の厚さ寸法部分が挿入されて、軸穴31cと軸穴38aとに支承された頭付き軸39が、この左アーム本体74の下端近傍に設けられた軸穴74aにも(前記軸穴31cと前記軸穴38aとの間において)挿通され、左アーム73が軸穴74aに挿通された頭付き軸39を中心に支障なく回動自在となし得る距離でよい。更に、頭付き軸39は、この頭付き軸39の先端部に設けられているピン穴39aに割りピン40を挿通して、抜け防止が図られている(図1〜図3参照)。
【0048】
この他に図2、図3、図5のC部拡大図、を参照して、バケット本体21において、右側板24には、前記右アーム支持部36より前方で、前記右補強材(上)27と前記右補強材(下)33とを連結するように右の縦補強材32が固着して設けられている。そして、この右の縦補強材32の右方外側面のほぼ中央部に右のピン32aが固着されている。この右のピン32aには、後述するようにアーム本体42の回動位置により右フック45の右フック本体46の右のピン受部46bが掛止したり又は離脱したりし、アーム本体42を介して右の前記頭付き軸39と、右フック45と掛止する右のピン32aとによりアーム部41にて土砂用バケット20を吊り上げる時に後述する左側板25の部材と共同して、役立つ。
【0049】
そして、前記右補強材(上)27の上面にて、前記縦補強材32より前方寄りの位置に、右アーム止104を設け、アーム部41を前方に倒す時に、水平から略45度近傍の位置にてアーム部41を構成するアーム本体42の右アーム43の回転を止める働きをする(このことも後述する左側板25の部材と共同する。)。
【0050】
更に、図2を参照して、バケット本体21の右後方下端部の右側板24と右補強材(下)33との右側面後方隅に右アーム受105を固着してあり、土砂用バケット20内に上面開口部21aより土砂を収容する場合に、アーム部41を後方に倒す必要があり、この場合に、アーム部41を構成するアーム本体42の右アーム43を受止める働きをする。また、土砂用バケット20内の土砂を放出する場合に、クレーン112にて土砂用バケット20を吊り上げて、土砂用バケット20を略垂直状態に引起すと、アーム部41を構成するアーム本体42の右アーム43に右アーム受106が当接してバケット本体21を略垂直方向に受止めて土砂を放出する。
【0051】
同様に、図1〜図3を参照して、バケット本体21において、左側板25には、前記左アーム支持部37より前方で、前記左補強材(上)28と前記左補強材(下)34とを連結するように左の縦補強材32が固着して設けられている。そして、この左の縦補強材32の左方外側面のほぼ中央部に左のピン32aが固着されている。この左のピン32aには、後述するように左フック75の左フック本体76の左のピン受け凹部76bが掛止したり又は離脱したりし、アーム本体42を介して左の前記頭付き軸39と、左フック75と掛止する左のピン32aとによりアーム部41にて土砂用バケット20を吊り上げる時に前述した右側板24の部材と共同して役立つ。そして、左の前記左補強材(上)28の上面にて、前記縦補強材32より前方寄りに、左アーム止108を設け、アーム部41を前方に倒す時に、水平から略45度近傍の位置にてアーム部41を構成するアーム本体42の左アーム73の回転を止める働きをする(このことも前述した右側板24の部材と共同する。)。
【0052】
更に、図1、図2を参照して、バケット本体21の左後方の下端部の左側板25と左補強材(下)34との左側面後方隅に左アーム受110を固着してあり、土砂用バケット20内に上面開口部21aより土砂を収容する場合に、アーム部41を後方に倒す必要があり、この場合に、アーム部41を構成するアーム本体42の左アーム73を受止める働きをする。また、土砂用バケット20内の土砂を放出する場合に、クレーン112にて土砂用バケット20を吊り上げて、土砂用バケット20を略垂直状態に引起すと、アーム部41を構成するアーム本体42の左アーム73に左アーム受110が当接してバケット本体21を略垂直方向に受止めて土砂を放出する。
【0053】
次に、図1〜図3、図4のA部拡大図、図5のC部拡大図を参照して、前述と一部重複するがアーム部41を説明する。アーム部41は、アーム本体42と連結金具(シャックル)98とからなる。そして、アーム本体42は、右アーム43と、左アーム73と、これ等右アーム43と左アーム73との上端部に中央アーム96を架設し、夫々この左右の連結隅部には筋交い部材103が補強配置してなる。そして、前記右アーム43を構成する右アーム本体44の下端近傍に軸穴44aを有する下方端部が、前記右アーム支持部36の前記右曲げ起し部31aと前記内側支持部材38との間に配置され、
そして、右方側の前記軸穴31cと右方側の前記軸穴38aとに支えられている右方側の前記頭付き軸39が、前記軸穴44aに(前記軸穴31cと前記軸穴38aとの間において)挿通されて、右アーム本体44の下方端部が、回動自在に枢支されていて、この右方側の前記頭付き軸39は先端近傍に設けられているピン穴39aに割りピン40を挿通して止められている。
【0054】
同様に、図1〜図3、図4のB部拡大図、図5のD部拡大図を参照して、前述と一部重複するが、前記左アーム73を構成する左アーム本体74の下端近傍に軸穴74aを有する下方端部が、前記左アーム支持部37の前記左曲げ起し部31bと左方側の前記内側支持部材38との間に配置され、そして、左方側の前記軸穴31cと左方側の前記軸穴38aとに支えられている左方側の頭付き軸39が、前記軸穴74aに(前記軸穴31cと前記軸穴38aとの間において)挿通されて、左アーム本体74の下方端部が、回動自在に枢支されていて、左方側の頭付き軸39は先端近傍に設けられているピン穴39aに割りピン40を挿通して止められている。
【0055】
この様にして、図2、図3を参照すると、前記アーム部41を構成する前記アーム本体42は、左右の下端部にて前記右アーム支持部36と前記左アーム支持部37とに夫々左右の前記頭付き軸39、(39)に枢支されて、前記バケット本体21の右側から左側に回動自在に跨設されている。そして、左右の前記頭付き軸39は、左右のピン穴39a、(39a)に挿通された左右の割ピン40、(40)により抜け止めされていることは既に述べられている通りである。尚、土砂用バケット20の重心の位置は、左右アーム支持部37,(36)の左右頭付き軸39、(39)の軸中心同士を結んだ線より前方の位置であって、且つ、左右フック75、(45)を掛止又は離脱し得る左右のピン32a,(32a)の中心同士を結んだ線より後方の位置に存在するようになされている。
【0056】
これにより土砂バケット20が吊り上げられたり吊り下げられたりする場合にも、安定していて確実な運搬作業が可能であり、土砂を放出する場合に、左右フック75、(45)を左右のピン32a,(32a)から外して(離脱させて)、クレーン112のワイヤ114のフック115を連結金具(シャックル)98に引掛けてアーム部41を介して土砂用バケット20を吊り上げると、左右アーム支持部37、(36)より前方にバケット本体21の重心位置が存在するので、確実にバケット本体21は、前端部を下向きにして略垂直状態に吊り下げられ、傾斜底板23に案内されるようにして、バケット本体21内に収容されている土砂を容易に前端部から放出できる。
【0057】
そして、前記中央アーム96の左右の中間部には連結金具(シャックル)98が設けられている。この連結金具(シャックル)98は、一対の金具99が前記中央アーム96の左右の中間部に対称的に平行に固着され、この金具99の上端部には軸穴99aが夫々設けられて、ここに頭付きピン100が挿通されており、この頭付きピン100の先端部にはC形止め輪用溝100aを有し、ここに座金101を介してC形止め輪102を挿入して頭付きピン100の抜け止めが図られている。そして、一対の前記金具99の間の頭付きピン100に、後述するクレーン112のワイヤ114のフック115を引掛けて、クレーン112の操作によりアーム部41を前後に倒したり、左右フック75、45と左右のピン32a,32aとの掛止又は離脱を行えるのである。
【0058】
ところで、図8は、図1中のアーム部41がP3の位置を占めた場合の、土砂用バケット20のバケット本体21とアーム部41との要部を示す左側面図である。図8は、図1中のアーム部41(延いてはアーム本体42)がP3の位置を占めており、部材の位置関係が理解しやすい状態にあるために引出し線と符号を使って、その要部を説明する。同様に図6、図7、図9、図10、図11は夫々図1中のアーム部41がP1,P2,P4,P5,P6の位置を占めた場合の、土砂用バケット20のバケット本体21とアーム部41との要部を示す左側面図である。
【0059】
そして、基本的に、図8中の引出線に関する部材を示す符号により左側面図の説明をするが、合わせて、丸括弧付きの部材を示す符号であって、本来、図8の左側面図と対称的に表れ、別の右側面図として図示されるべき筈の、左側面のバケット本体21とアーム部41との要部を、便宜上(右側面図を省略して、)、左側面図中の相当する部材の符号に併記して、丸括弧付きの部材の符号として示してある。
【0060】
即ち、括弧付き部材の符号は図8と対称的に表れる右側面図(図示省略)の部材を示す符号として読み替えるものとする。(読替時に、図4のA部、B部拡大図及び図5のC部、D部拡大図を参照のこと)。同様に、図6、図7、図9〜図11も、括弧付き部材の符号は、右側面図(図示省略)の部材を示す符号として読み替えるものとする。(同様に、読替時に、図4のA部、B部拡大図及び図5のC部、D部拡大図を参照のこと)。
【0061】
早速、図8を参照して、図示されない筈の右側面図に関係する、丸括弧付きの部材を示す符号を読み替えて説明する。(図4のA部拡大図及び図5のC部拡大図を参照のこと。)まず、前記右アーム(43)を構成する前記右アーム本体(44)の下端部近傍に設けられている前記軸穴(44a)のやや上方に軸穴(44b)が設けられている。この軸穴(44b)には右フック(45)を構成する右フック本体(46)の一端部に固着されているフック軸(47)が、この右アーム本体(44)の左側面から右側面に貫装されている。この右アーム本体(44)の右側面に突出したフック軸(47)の先端部にはC形止め輪用溝(47a)が設けてあり、座金(48)を宛がいその上にC形止め輪(49)を前記C形止め輪用溝(47a)に挿入して抜け止めされ、前記右フック(45)が前記右アーム本体(44)の左側面に沿って回動自在に枢支されている。
【0062】
そして、右フック(45)は、右フック本体(46)と、この右フック本体(46)の一端部近傍の矩形部(46a)の右側面にフック軸(47)が溶接等で固着されている。右フック(45)は(延いては右フック本体46は)、先端にC形止め輪用溝(47a)を有する前記フック軸(47)が前記軸穴(44b)に貫装されて、前記右アーム(43)(延いては前記右アーム本体(44)の左側面に沿って回動自在に枢支されていることは前述した。そして、右フック本体(46)の他端部近傍にピン受け凹部(46b)が上あご部(46c)と下あご部(46h)に挟まれて凹設されている。
【0063】
そして、前記上あご部(46c)に滑らかに接続されて案内板部(46d)が右フック本体(46)の左側面に固着されており、この案内板部(46d)は前記フック軸(47)方向に延在していて、右フック本体(46)の板厚方向の補強と後述する右のピン(32a)と滑らかに摺動し得る役目とを兼ねている。その案内板部(46d)の先端部が前記右アーム本体(44)の前側面に固着されているフックストッパ(66)に当接して右フック本体(46)を90度に近い鋭角状態に姿勢を保持している。(図8参照)
【0064】
更に、案内板部(46d)の先端部は、前記右フック本体(46)の一端部近傍の前記矩形部(46a)の下端部へと接続されている。そして、前記下あご部(46h)の外周縁に接続されて第1の前面傾斜部(46g)と、更に、これに接続されて第2の前面傾斜部(46f)と、そして、これに接続されて背面傾斜部(46e)とが形成されており、この背面傾斜部(46e)が前記矩形部(46a)の上端部に接続されて右フック本体(46)の全外形部が形作られている。
【0065】
そして、前記右フック(45)の右フック本体(46)の左側面において、前記案内板部(46d)の上方で、且つ、前記背面傾斜部(46e)の下方の中間部に保持ピン(50)を固着して設けてある。この保持ピン(50)は、後述するように、前記アーム部41を後方位置や前方位置又は直立位置等に回動操作するにつれて、右フック保持部(51)の板ばね部(54)の板ばね本体(55)の保持凹部(55a)により掛止又は離脱され得るし、同時に前記右フック本体(46)のピン受け凹部(46b)と前記ピン(32a)との保持掛止と解放離脱とに関係する。
【0066】
同様に、図1〜図3、図8、図4のA部拡大図及び図5のC部拡大図を参照して、右フック保持部(51)が前記右アーム本体(44)の右前面側の位置で、且つ、前記右フック(45)の直ぐ上方部の位置に固着してある。即ち、この右フック保持部(51)は、取付板(52)の長手方向の一端部を直角に曲げた面を溶接等で、前記右アーム本体(44)の右前面側の位置で、且つ、前記右フック(45)の直ぐ上方部の位置に固着してある。
【0067】
そして、この右アーム本体(44)の右側面とこの取付板(52)の右側面とが面一になるように設けてある。この取付板(52)の右側面において、下端側から長手方向の略三分の一の位置に、先端にE形止め輪用溝(53a)を有するピン(53)が固着されている。このピン(53)に緩挿される円筒部(56)の周側面に保持凹部(55a)を有するクランク状に屈曲した板ばね本体(55)と、ばね取付板(57)とを有する板ばね部(54)がE形止め輪(65)により回動自在に設けられている。
【0068】
そして、取付板(52)の下端近傍には前記板ばね本体(55)の一部を当接させて待機位置を調節するボルト(63)を螺入しロックナット(64)で固定可能なねじ取付座(62)が溶接等で固着されている。更に、長手方向上端部近傍にはばね掛け部(59a)とねじ部(59b)とからなるばね力調整ねじ(59)を螺入させ、ロックナット(61)で固定可能なねじ取付座(60)が溶接等で固着されている。
【0069】
そして、前記板ばね部(54)の前記ばね取付板(57)と前記ばね掛け部(59a)との間にコイルばね(58)が掛けられている。板ばね本体(55)の保持凹部(55a)に前記右フック部(45)の保持ピン(50)を保持掛止する場合の保持力を調節するために、ボルト(63)とばね力調整ねじ(59)とを回して適正な位置でロックナット(64)及びロックナット(61)とにより固定する。
【0070】
図8を参照して、今度は、土砂用バケット20のバケット本体21とアーム部41との要部を示す左側面図に基いて説明する。前記左アーム73を構成する前記左アーム本体74の下端部に設けられた前記軸穴74aのやや上方に位置する軸穴74bが設けられ、この軸穴74bには左フック75を構成する左フック本体76の一端部近傍に固着されているフック軸47が左アーム本体74の右側面から左側面に貫装され、この左アーム本体74の左側面に突出したフック軸47の先端部にはC形止め輪用溝47aが設けてあり、座金48を宛がいその上にC形止め輪49を前記C形止め輪用溝47aに挿入して抜け止めされ、前記左フック75が前記左アーム本体74の左側面に沿って回動自在に枢支されている。
【0071】
そして、左フック75は、左フック本体76と、この左フック本体76の一方端近傍の矩形部76aの右側面にフック軸47が溶接等で固着されている。左フック75は(延いては左フック本体76は)、先端にC形止め輪用溝47aを有する前記フック軸47が前記左アーム本体74の前記軸穴74bに貫装されて、前記左アーム73(延いては前記左アーム本体74)の右側面に沿って回動自在に枢支されていることは前述した。そして、左フック本体76の他方端近傍にピン受け凹部76bが上あご部76cと下あご部76hに挟まれて凹設されている。
【0072】
そして、前記上あご部76cに滑らかに接続されて案内板部76dが左フック本体76の右側面に固着されており、この案内板部76dは前記フック軸47方向に延在していて、左フック本体76の板厚方向の補強と、後述する右のピン32aとの滑らかな摺動をし得る役目とを兼ねている。その案内板部76dの先端部が前記左アーム本体74の前側面に固着されているフックストッパ66に当接して左フック本体76を90度に近い鋭角状態に姿勢を保持している。(図8参照)
【0073】
更に、案内板部76dの先端部は、前記した左フック本体76の一方端近傍の前記矩形部76aの下端部へと接続されている。そして、前記下あご部76hの外周縁に接続されて第1の前面傾斜部76gと、更に、これに接続されて第2の前面傾斜部76fと、そして、これに接続されて背面傾斜部76eとが形成されており、この背面傾斜部76eが前記矩形部76aの上端部に接続されて左フック本体76の全外形が形成されている。
【0074】
そして、前記左フック75の左フック本体76の左側面において、前記案内板部76dの上方位置で、且つ、前記背面傾斜部76eの下方の中間部位置に保持ピン50が固着されて設けられている。この保持ピン50は、後述するように前記アーム部41を後方位置や前方位置又は直立位置等に回動操作するにつれて、左フック保持部81の板ばね部54の板ばね本体55の保持凹部55aにより掛止又は離脱され得るし、同時に前記左フック本体76のピン受け凹部76bと前記ピン32aとの保持掛止と解放離脱とに関係する。
【0075】
同様に、図1〜図3、図8、図4のB部拡大図及び図5のD部拡大図を参照して、左フック保持部81が前記左アーム本体74の左前面側位置で、且つ、前記左フック部75の直ぐ上方部の位置に固着してある。即ち、この左フック保持部71は、取付板82を長手方向の一端部を直角に曲げた面を溶接等で、前記左アーム本体74の左前面側の位置で、且つ、前記左フック75の直ぐ上方部の位置に固着してある。そして、この左アーム本体74の左側面とこの取付板82の左側面とが面一になるように設けてある。この取付板82の左側面において、下端側から長手方向の略三分の一の位置に、先端にE形止め輪用溝53aを有するピン53が固着されている。このピン53に緩挿される円筒部56の周側面に保持凹部55aを有するクランク状に屈曲した板ばね本体55と、ばね取付板57とを有する板ばね部54がE形止め輪65により回動自在に設けられている。
【0076】
そして、取付板82の下端近傍には前記板ばね本体55の一部分に頭部を当接させて待機位置を調節するボルト63を螺入しロックナット64で固定することが可能なねじ取付座62が溶接等で固着されている。そして取付板82の長手方向上端部近傍にはばね掛け部59aとねじ部59bとを有するばね力調整ねじ59を螺入させ、ロックナット61で固定することが可能なねじ取付座60が溶接等で固着されている。そして、前記板ばね部54の前記ばね取付板57と前記ばね掛け部59aとの間にコイルばね58が掛けられている。板ばね本体55の保持凹部55aに前記右フック部45の保持ピン50を保持掛止する場合の保持力を調節するために、ボルト63とばね力調整ねじ59とを回して適正な位置でロックナット64及びロックナット61とにより固定する。
【0077】
上述のように、土砂用バケット20の説明において、右アーム支持部36に支持されている右アーム43と、右アーム43を構成する右アーム本体44と右フック45と右フック保持部51との右側面関係部材と、左アーム支持部37に支持されている左アーム73と、左アーム73を構成する左アーム本体74と左フック75と左フック保持部81との左側面関係部材とを、分解して説明したが、実際には右アーム43と左アーム73とは、上端部において中央アーム96で一体化されてアーム本体42を構成し、更に、アーム本体42はアーム部41を構成しているために、右側面関係部材と左側面関係部材とは一体となって、共同の動作をし、共同の機能を発揮する。
【0078】
この様な構成の土砂用バケット20のアーム部41をクレーン112の上方に伸ばされたブーム113先端からワイヤ114に吊り下げられたフック115を連結金具(シャックル)98に引掛けて、操作される場合の土砂用バケット20の動作を説明する。
【0079】
土砂用バケット20の正面図である図1において、アーム部41延いてはアーム本体42(以下同様であるのでアーム本体42の上位部材であるアーム部41に代表させる時がある。)が、P1の位置を占める場合の要部の拡大図として図6を示す。アーム部41が時計方向に回転してP1の位置を占める場合、左右のアーム73、(43)が夫々左右のアーム止め108、(104)に当接し停止すると共に、左右フック75、(45)は、左右の案内板部76d、(46d)と左右のピン32a、(32a)の周側面とを摺動させながら、左右のフック軸47、(47)を中心に矢印G方向に回転し、左右フック保持部81、(51)の左右の保持凹部55a、(55a)に左右の保持ピン50、(50)を保持掛止させた状態となる。
【0080】
即ち、アーム部41をP1の位置に回転させる場合、図1、図6を参照して、アーム部41が左右のアーム止め108、(104)に当接して停止すると共に、左右フック保持部81、(51)の左右の保持凹部55a,(55a)により、左右フック75、(45)の左右の保持ピン50、(50)を掛止した状態、即ち、左右フック75、(45)の他端部近傍の左右のピン受け凹部76b、(46b)が、上方に持上げられて保持掛止されていて、アーム部41を回転させた時に、左右フック75、(45)と左右のピン32a,(32a)とは掛止させることは出来ない。
【0081】
次に図6、図7を参照して、アーム部41をP1の位置からP2の位置に、反時計方向に回転させる場合、アーム部41が、左右フック保持部81、(51)の左右の保持凹部55a(55a)に左右フック75、(45)の左右の保持ピン50、(50)を掛止させたまま反時計方向に回転されてP1の位置からP2の位置まで回転される途中において(P5,P6の状態を出現することなく通過し)、左右フック75、(45)と左右のピン32a、(32a)との掛止を阻止したままの状態を保持している。
【0082】
そして、アーム部41をP2の位置まで回転させる場合、左右補強材(上)28、(27)において、下方の左右アーム支持部37、(36)の位置の上方に相当する位置に固着された左右フック固定解除用部材105、(105)の下端面と、左右フック75、(45)の左右の背面傾斜部76e、(46e)とが当接して、左右の保持凹部55a、(55a)から左右の保持ピン50、(50)が外れて(離脱し)、左右のフック軸47、(47)を中心にして左右フック75、(45)は時計方向に自重により回転して左右の案内板部76d,(46d)と左右のフックストッパ66、(66)とが当接して停止する。
【0083】
そして、左右補強材(上)28、(27)に固着された左右のフック固定解除用部材105、(105)の突出位置は、図4のA部拡大図及びB部拡大図を参照すると、左右フック75、(45)の左右の背面傾斜部76e、(46e)とが当接可能であるが、左右アーム73、(43)には干渉しない位置になっている。
【0084】
前述より、図1、図6、図7を参照して、アーム部41をP1の位置からP2の位置に回転させる場合、左右のフック固定解除用部材105、(105)の下端面と左右フック75、(45)の左右の背面傾斜部76e,(46e)とが当接し、左右フック保持部81、(51)の左右の保持凹部55a,(55a)に掛止されていた左右フック75、(45)の左右の保持ピン50、(50)が解放離脱されて、左右フック75、(45)が左右のフック軸47、(47)を中心に時計方向に自重で回転して、左右の案内板部76d、(46d)とストッパ66、(66)とが当接して停止する状態となる。
【0085】
そして、図7、図8を参照して、アーム部41をP2の位置から、更に、反時計方向のP3の位置に回転させる場合、アーム部41は、左右アーム73、(43)が左右アーム受110、(106)に当接して停止し、左右フック75、(45)は時計方向に回転して左右の案内板部76d,(46d)と左右のフックストッパ66、(66)とが当接した状態のままである。即ち、アーム部41が左方に倒された状態であり、土砂用バケット20の上面開口部21aが大きく開かれた状態となる。このアーム部41がP3の位置の場合に、土砂用バケット20内にバックホー117等により土砂を収容できる状態である。
【0086】
或いは、土砂用バケット20内に土砂が収容されており、一度クレーン112のフック115により所望の土砂搬出場所に移動されて来た状態であるか、或いは空で運搬されて来て地上に下ろされた状態である。土砂用バケット内に土砂が既に収容されていれば、これから内の土砂を放出するため、土砂用バケット20を、前方を下にして略90度後方を上に引上げるように、クレーン112のフック115により吊り上げられるか、再度左右フック75、(45)を左右のピン32a,(32a)に掛止させて略水平状態で運搬されるための準備に入るかの何れかの状態である。
【0087】
上述より、アーム部41をP2の位置からP3の位置に回転させる場合、アーム部41が左右アーム受110、(106)に当接し停止し、土砂用バケット20の上面開口部21aが大きく開かれた状態となっている。その時左右フック75、(45)は左右のフックストッパ66、(66)に当接した状態のままである。このP3の位置のままクレーン112のフック115で土砂用バケット20を吊り上げて内部の土砂を放出するか、更に、土砂用バケットを略水平状態で運搬するための準備に入るかの何れかになる。
【0088】
さて、図8、図9、図10、図11を参照して、アーム部41をP3の位置からP4、P5、そしてP6の位置に、時計方向に回転させる場合、即ち、左右フック75、(45)は左右のフック軸47、(47)と左右の案内板部76d,(46d)と左右のフックストッパ66、(66)とが当接した状態であるP3の位置から、アーム部41がP4の位置になると、左右フック75、(45)の左右の第1の前面傾斜部76g、(46g)が、左右の縦補強材32、(32)に固着されている左右のピン32a,(32a)に当接し、
【0089】
更に、アーム部41を略垂直状態のP4の位置からやや時計方向に回転させたP5の位置にさせると、左右フック75、(45)は、第1の前面傾斜部76g、(46g)から左右の下あご部76h、(46h)にかけて左右のピン32a,(32a)に接したまま、左右のフック軸47、(47)を中心に反時計方向に回転し続け、左右の下あご部76h、(46h)が左右のピン32a,(32a)を乗り越えると、その途端に左右フック75、(45)は、自重で時計方向に(図10の矢印Fの方向に)反回転して、左右の案内板部76d、(46d)が左右のピン32a,(32a)に当接(左右フック75、(45)は図10の二点鎖線の状態)となる。
【0090】
この状態であるP5の位置から、アーム部41の連結金具(シャックル)98に引掛けられたクレーン112のフック115によりアーム41を少し吊り上げると、アーム部41がわずかに反時計方向に回転した図11のP6の位置となり、左右フック75、(45)の左右の上あご部76c、(46c)と左右の下あご部76h、(46h)とに挟まれて凹設されているピン受け凹部76b、(46b)に左右のピン32a、(32a)が掛止された状態となる。即ち、アーム部41のP6の位置は、連結金具(シャックル)98がクレーン112のフック115により土砂用バケット20が吊り上げられる状態である。これは又、土砂用バケット20が、左右アーム支持部37、(36)の左右の頭付きの軸39、(39)と左右のアーム軸47、(47)と左右フック75、(45)と左右のピン32a,(32a)を介してアーム部41により、クレーン112のフック115により土砂用バケット20が略水平状態に吊り下げられて移動中の状態でもある。
【0091】
アーム部41をP3の位置からP4,P5,そしてP6の位置に回転させる場合、左右フック75、(45)を左右のピン32a,(32a)に掛止させ、左右アーム支持部37、(36)に支持されたアーム本体42と左右のピン32a,(32a)に掛止された左右フック75(45)との共同で、土砂用バケット20を略水平状態にしてアーム部41に掛けられたクレーン112のフック115に吊り下げられようとしているか、又は、既に吊り下げられていて所望の場所に運搬最中の状態である。
【0092】
尚、図1においてアーム部41の回転する位置をP1,P2,〜P6まで示してあるが、P5とP6とは説明の都合上、間隔を開けて示してあるが実際にはもっと近くて、ほとんど同一の位置と考えてよい。そして、底板22に対して、P5,P6は垂直に近い位置であり、P1は、略45度であり、アーム部41をP5、P6の位置に回転させるのと、P1の位置に回転させるのとでは、明らかに、且つ、容易に区別できる。
【0093】
次に、クレーン112のフック115により吊り下げられて所望の場所(例えば、工事場所のバックホー117の傍ら)に移動した土砂用バケット20が置かれた状態において、アーム部41がP6からP1の位置に回転される場合、左右のピン32a,(32a)に掛止されていた左右フック75、(45)が離脱して、アーム部41が時計方向に回転されてP6の位置からP1の位置になると、左右のアーム73、(43)が夫々左右のアーム止め108、(104)に当接し、左右フック75、(45)は、左右の案内板部76d(46d)と左右のピン32a(32a)の周側面とを摺動させながら、左右のフック軸47、(47)を中心に矢印G方向に回転し、左右フック保持部81、(51)の左右の保持凹部55a(55a)に左右の保持ピン50、(50)を掛止させた状態となる。
【0094】
この状態でアーム部41の連結金具(シャックル)98に引掛けられたクレーン112のフック115により土砂用バケット20は吊り上げられ、前補強材30が固着され補強された傾斜底板23の前端部が下方となって、土砂用バケット20が略90度回転して略縦方向(略垂直方向)となり、土砂用バケット20内に収容した土砂を放出させ得る。
【0095】
上述より、アーム部41をP6の位置からP1の位置に回転させる場合、クレーン112のフック115に吊り下げられて所望の場所に運搬されて、所望の場所(例えば、工事場所のバックホー117の傍ら)に下ろされた土砂用バケット20は、クレーン112のフック115の操作によりアーム部41がP6からP1の位置に回転されると、左右フック75、(45)も移動され、その左右のピン受け凹部76b、(46b)が掛止していた左右のピン32a,(32a)を解放離脱させ、左右の案内板部76d、(76d)と左右のピン32a、(32a)の周側面とが摺動しながら、左右フック保持部81、(51)の左右の保持凹部55a,(55a)により、左右フック75、(45)の左右の保持ピン50、(50)を掛止した状態、
即ち、左右フック75、(45)の他端部近傍の左右のピン受け凹部76b、(46b)が、上方に持上げられて保持掛止された状態となると共に、アーム部41が左右アーム止め108、(104)に当接し停止した状態となる。その後、クレーン112のフック115により土砂バケット20が略垂直状態に吊り上げられて、土砂を放出する。
【0096】
そして、クレーン112のフック115により、空になった土砂用バケット20を平らな場所に置いて、一旦、アーム部41をP3の位置にしてから、P4、P5、P6の位置状態にする。そして、アーム部41の連結金具(シャックル)98に引掛けられたクレーン112のフック115により土砂用バケット20は再び吊り上げられ、バックホー117のそばに移動して、再度、アーム部41をP1、P2、P3の位置にして、土砂用バケット20の上面開口部21aを大きく開いた状態にして、バックホー117のバケット119により土砂を土砂用バケット内に収容して、簡単な操作で安全な搬送作業を確実に繰返すことが出来る。
【0097】
図12は本発明の第1の実施形態に係る土砂用バケットを用いた工法を示す斜視図である。図12を参照して、急斜面122の工事場所123において、崖下の平地121付近に住宅地が存在する場合に、バックホー117で掘削した土砂を直接崖下に落下させると粉塵や土砂流出といった災害や公害を発生させる可能性があるために、バックホー117で掘削した土砂を、土砂用バケット20に土砂を収容して、クレーン112のワイヤ114のフック115により、この土砂の入っている土砂用バケット20を略水平に保って吊り下げて所望の場所に土砂搬出作業を行う工法である。
【0098】
初めに、図1、図6を参照して、
START:土砂用バケット20は、安全上からアーム部41が、折畳まれてP1の位置になっていて平地121上に置かれている工程。アーム部41をP1の位置に回転させてある場合、アーム部41が左右のアーム止め108、(104)に当接して停止していると共に、左右フック保持部81、(51)の左右の保持凹部55a,(55a)により、左右フック75、(45)の左右の保持ピン50、(50)を掛止した状態、即ち、左右フック75、(45)の他端部近傍の左右のピン受け凹部76b、(46b)が、上方に持上げられて保持掛止されている。この状態では、アーム部41を回転させた時に、左右フック75、(45)と左右のピン32a,(32a)とは掛止させることは出来ない。
【0099】
STEP1(S1と略す):土砂用バケット20のアーム部41の連結金具(シャックル)98に、クレーン112のワイヤ114のフック115を引掛ける工程。
【0100】
S2:クレーン112の操作により、アーム部41をP1の位置からP2の位置に、反時計方向に回転させる工程。アーム部41をP1の位置からP2の位置に回転させる時、アーム部41が、左右フック保持部81、(51)の保持凹部55a(55a)に左右フック75、(45)の保持ピン50、(50)を掛止させたまま反時計方向に回転されてP1の位置からP2の位置まで回転される途中において(P5,P6の状態を出現することなく)左右フック75、(45)とピン32a、(32a)との掛止を阻止したままの状態を保持している。
【0101】
そして、アーム部41をP2の位置に回転させると、左右のフック固定解除用部材105、(105)の下端面と左右フック75、(45)の左右の背面傾斜部76e,(46e)とが当接し、左右フック保持部81、(51)の左右の保持凹部55a,(55a)に掛止されていた左右フック75、(45)の左右の保持ピン50、(50)が解放離脱されて、左右フック75、(45)が左右のフック軸47、(47)を中心に時計方向に自重で回転して、左右の案内板部76d、(46d)とストッパ66、(66)とが当接して停止する状態となる。
【0102】
S3:アーム部41をP2の位置からP3の位置に回転する工程。アーム部41が左右アーム受110、(106)に当接し停止し、土砂用バケット20の上面開口部21aが大きく開かれた状態となっている。その時左右フック75、(45)は左右のフックストッパ66、(66)に当接した状態のままである。そして、次にクレーン112のフック115で土砂用バケット20を吊り上げて略水平状態で工事場まで運搬するための準備に入る。
【0103】
S4:アーム部41をP3の位置から、P4の位置,更にP5の位置,そしてP6の位置へ回転させる工程。左右フック75、(45)を左右のピン32a,(32a)に掛止させ、左右アーム支持部37、(36)に支持されたアーム本体42と左右のピン32a,(32a)に掛止された左右フック75(45)との共同で、土砂用バケット20を略水平状態にしてアーム部41に掛けられたクレーン112のフック115に吊り下げ可能とする。
【0104】
S5:アーム部41をP6の位置の状態で、土砂用バケット20を略水平状態にクレーン112のフック115により吊り下げて工事場所のバックホー117の傍らに移動して、土砂用バケット20を置く工程。
【0105】
S6:アーム部41をP6の位置から、P1の位置、P2の位置、そしてP3の位置に回転させる工程。土砂用バケット20の上面開口部21aを大きく開いた状態にして、バックホー117のバケット119により、土砂を土砂用バケット内に収容し易くする工程である。
【0106】
S7:バックホー117のバケット119により土砂を土砂用バケット内に収容する工程。アーム部41が左方に倒された状態であり、土砂用バケット20の上部の開口部が大きく開かれているので、バックホー117のアーム118を駆動してバケット119により、土砂用バケットの中に、容易に掘削した土砂を入れることが出来る。
【0107】
S8:アーム部41をP3の位置から、P4の位置、P5の位置、そしてP6の位置に回転させる工程。アーム部41をP3の位置からP4,P5,そしてP6の位置に回転させて、左右フック75、(45)を左右のピン32a,(32a)に掛止させ、左右アーム支持部37、(36)に支持されたアーム本体42と左右のピン32a,(32a)に掛止された左右フック75(45)との共同で、土砂用バケット20を略水平状態にしてアーム部41に掛けられたクレーン112のフック115に吊り下げて運搬できるようにする工程である。
【0108】
S9:アーム部41がP6の位置の時に、クレーン112のフック115により、土砂用バケット20を略水平状態に吊り下げて工事場所123から移動して、土砂の入っている土砂用バケット20を平地121上の所望の場所に(例えば、トラック125の荷台の上に)運搬する工程。
【0109】
S10:クレーン112のフック115により土砂バケット20の前端部下にして、土砂バケットを平地121上の所望の場所にて略垂直状態に吊り上げられて、土砂を所望の場所に(例えば、トラック125の荷台の上に)放出する工程。ここで、左右アーム支持部37、(36)より前方にバケット本体21の重心位置が存在するので、確実にバケット本体21は、前端部を下向きにして略垂直状態に吊り下げられ、バケット本体21内に収容されている土砂を前端部から所望の位置に確実に放出できる。
【0110】
S11:空になった土砂用バケット20を、クレーン112のフック115により、平らな場所に置いて、一旦、アーム部41をP3の位置にしてから、P4、P5、P6の位置状態にする。アーム部41をP3の位置から、P4の位置,更にP5の位置,そしてP6の位置へ回転させる工程。左右フック75、(45)を左右のピン32a,(32a)に掛止させ、左右アーム支持部37、(36)に支持されたアーム本体42と左右のピン32a,(32a)に掛止された左右フック75(45)との共同で、土砂用バケット20を略水平状態にしてアーム部41に掛けられたクレーン112のフック115に吊り下げて移動可能とする。
【0111】
S12:アーム部41をP6の位置の状態で、土砂用バケット20を略水平状態にクレーン112のフック115により吊り下げて工事場所のバックホー117の傍らに移動させて、土砂用バケット20を置く工程。
【0112】
以後S6に戻り、工程S6→工程S7→工程S8→工程S9→工程S10→工程S11→工程12→工程S6に戻り、以後これを繰返す。
【0113】
土砂運搬作業の終了時には、工程S11から分岐して、
S13:アーム部41をP6の位置の状態で、土砂用バケット20を略水平状態にクレーン112のフック115により吊り下げて作業の障害にならない平地121上の場所に移動して、土砂用バケット20を置く工程。
【0114】
S14:土砂用バケット20は、安全上からアーム部41が、折畳まれてP1の位置になって置かれている工程。
【0115】
STOP:終了。
以上、STARTからSTOPまでの土砂搬出作業工程を特徴とする本発明の土砂用バケットを用いた工法である。
【0116】
本発明の土砂用バケット20を用いた工法ではクレーン112の設置場所の平地121から工事場所123までの高さは約80mが可能であり、急斜面工事において、崖下付近に住宅地が存在する場合に、バックホーで掘削した土砂を、土砂用バケット内に土砂を収容して、クレーンのワイヤのフックにより、この土砂の入っている土砂用バケットを水平に保って吊り下げて土砂搬出作業を行う工法であるから、粉塵や土砂流出と言った公害や災害を防止することが出来る。
【0117】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の土砂用バケットとこれを用いた工法は、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0118】
本発明は建築・土木工事において急傾斜地・災害復旧工事など危険な場所における掘削土等の土砂をトラックの荷台又は他の場所に搬出するための土砂用バケットを製造、販売する産業分野や、一般の産業廃棄物の移動運搬や、鉱山のぼた等の廃棄物の移動運搬の産業分野で利用することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0119】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る土砂用バケットの正面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る土砂用バケットの平面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る土砂用バケットの右側面図である。
【図4】図2の土砂用バケットの平面図のA部とB部の拡大図である。
【図5】図3の土砂用バケットの右側面図のC部とD部の拡大図である。
【図6】図1の土砂用バケットのバケット本体とアーム部との要部を示す左側面図である。
【図7】図1の土砂用バケットのバケット本体とアーム部との要部を示す左側面図である。
【図8】図1の土砂用バケットのバケット本体とアーム部との要部を示す左側面図である。
【図9】図1の土砂用バケットのバケット本体とアーム部との要部を示す左側面図である。
【図10】図1の土砂用バケットのバケット本体とアーム部との要部を示す左側面図である。
【図11】図1の土砂用バケットのバケット本体とアーム部との要部を示す左側面図である。
【図12】本発明の第1の実施形態に係る土砂用バケットを用いた工法を示す斜視図である。
【図13】従来技術の土砂用バケットの斜視図である。
【図14】従来技術の土砂用バケットの斜視図である。
【符号の説明】
【0120】
20 土砂用バケット
2 バケット本体
21a 上面開口部
32 縦補強材
32a 左右のピン
36 右アーム支持部
37 アーム支持部
39 左右の頭付き軸
42 アーム本体
43 右アーム
45 右フック
46b ピン受け凹部
47 左右のフック軸
50 左右の保持ピン
51 右フック保持部
73 左アーム
75 左フック
76b ピン受け凹部
81 左フック保持部
96 中央アーム
98 連結金具(シャックル)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面開口部を有するバケット本体と、前記バケット本体の左右側部に設けられた左右アーム支持部にて夫々下端部を回動自在に枢支され、上端部を中央アームにて架設された左右アームとよりなるアーム本体と、前記中央アームの上面側の左右中央部に連結金具を有し、一端のフック軸を前記左右アームに回動自在に枢支され他端近傍にピン受け凹部と保持ピンとを有し、前記アーム本体の回転位置に従って前記バケット本体の左右側部に設けられた左右のピンと前記ピン受け凹部との掛止又は離脱し得る左右フックと、前記左右アームの前記左右フックの直上位置に設けられ前記アーム本体の回転位置に従って、前記左右フックの前記保持ピンと掛止又は離脱し得ることを含む左右フック保持部と、前記バケット本体の重心の位置が、前記左右アーム支持部の軸中心同士を結んだ線より前方であって、且つ、前記左右フックと掛止又は離脱し得る前記左右のピンの軸中心同士を結んだ線より後方との間に位置するようになされたことを特徴とする土砂用バケット。
【請求項2】
前記バケット本体が、船形のバケット本体であることを特徴とする請求項1記載の土砂用バケット。
【請求項3】
急斜面工事で、崖下付近の平地にクレーンを設置し、土砂用バケットを構成するアーム部をP1の位置に回転させ、前記アーム部のアーム本体を構成する左右アームを左右アーム止めに当接させ、左右フックを左右フック保持部にて保持掛止させた状態の前記土砂用バケットを前記平地上に置くSTART工程と、
前記土砂用バケットの前記アーム部の連結金具(シャックル)に、前記クレーンのフックを引掛けるS1工程と、
前記クレーンの操作により、前記アーム部を、前記P1の位置からP2の位置に回転させて、前記左右フックを前記左右フック保持部の掛止から離脱させて自重で時計方向に回転させ前記左右フックのフックストッパに当接させて停止させるS2工程と、
前記アーム部を前記P2の位置からP3の位置に回転させ、前記アーム部を構成するアーム本体を後方に倒して左右アーム受けに当接させるS3工程と、
前記アーム部を前記P3の位置から、P4の位置に回転させて,バケット本体の左右側部に設けられた左右のピンと前記左右フックとを当接させ、更にP5の位置に回転させて,前記左右フックと前記バケット本体の前記左右側部に設けられた前記左右のピンとを掛止させ得る状態とし、そしてP6の位置に回転させて、前記左右フックと前記バケット本体の前記左右側部に設けられた前記左右のピンとを掛止させ、前記左右アーム支持部に支持された前記アーム本体と前記左右のピンに掛止された前記左右フックとの共同で、前記土砂用バケットを略水平状態にして前記アーム部に掛けられた前記クレーンの前記フックに吊り下げるS4工程と、
前記アーム部41をP6の位置の状態で、前記土砂用バケットを略水平状態に前記クレーンの前記フックにより吊り下げて工事場所のバックホーの傍らに移動して、前記土砂用バケットを置くS5工程と、
前記アーム部を前記P6の位置から、前記P1の位置に回転させて、前記アーム部のアーム本体を構成する左右アームを左右アーム止めに当接させ、左右フックを左右フック保持部にて保持掛止させた状態とし、前記P2の位置に回転させ、前記左右フックを前記左右フック保持部の掛止から離脱させて自重で時計方向に回転させ前記左右フックのフックストッパに当接させて停止させ、そして前記P3の位置に回転させて、前記アーム部を構成する前記アーム本体を後方に倒して前記左右アーム受けに当接させ、前記土砂用バケット20の上面開口部21aを大きく開いた状態にして、土砂用バケット内に土砂を収容し易くするS6工程と、
前記アーム部が左方に倒された前記P3の位置で、前記上面開口部が大きく開かれている前記土砂用バケット20の中に、前記バックホーの前記アームを駆動して前記バケットにより、前記土砂用バケットの中に、容易に掘削した土砂を入れるS7工程と、
前記アーム部41を前記P3の位置から、P4の位置に回転させ、バケット本体の左右側部に設けられた左右のピンと前記左右フックとを当接させ、P5の位置に回転させ、前記左右フックと前記バケット本体の前記左右側部に設けられた前記左右のピンとを掛止させ得る状態とし、そしてP6の位置に回転させて、前記左右フックと前記バケット本体の前記左右側部に設けられた前記左右のピンとを掛止させ、前記左右アーム支持部に支持された前記アーム本体と前記左右のピンに掛止された前記左右フックとの共同で、前記土砂用バケットを略水平状態にして前記アーム部に掛けられた前記クレーンの前記フックに吊り下げて運搬できるようにするS8工程と、
前記アーム部41がP6の位置の時に、前記クレーンの前記フックにより、前記土砂用バケットを略水平状態に吊り下げて前記工事場所から移動して、土砂の入っている前記土砂用バケットを運搬して、前記平地上の所望の場所に(例えば、トラック125の荷台の上に)降ろすS9工程と、
前記アーム部を前記P6の位置から、前記P1の位置に回転させて,前記アーム部の前記アーム本体を構成する前記左右アームを前記左右アーム止めに当接させ、前記左右フックを前記左右フック保持部にて保持掛止させ、そして、前記P2の位置に回転させて,前記左右フックを前記左右フック保持部の掛止から離脱させて自重で時計方向に回転させ前記左右フックのフックストッパに当接させて停止させ、更に、P3の位置に回転させて、前記アーム部を構成する前記アーム本体を後方に倒して前記左右アーム受けに当接させるS10工程と、
運搬されてきた土砂の入っている前記土砂用バケットを降ろされ、前記平地上の所望の場所(例えば、トラック125の荷台の上に)に置かれた、前記アーム部をP3の位置に回転された前記土砂用バケットにおいて、前記アーム部を構成する前記アーム本体を後方に倒して前記左右アーム受けに当接させ、前記土砂用バケットの前記アーム部の連結金具(シャックル)に掛けられた前記クレーンの前記フックにより、前記土砂用バケットの前端部を下にして、前記平地上の前記所望の場所にて略垂直状態に前記土砂バケットを吊り上げ、左右アーム支持部より前方にバケット本体の重心位置が存在するので、確実にバケット本体は、前端部を下向きにして略垂直状態に吊り上げられ、土砂を所望の場所に(例えば、トラック125の荷台の上に)放出するS11工程と、
空になった前記土砂用バケット20を、前記クレーンのフックにより、平らな場所に置いて、一旦、アーム部をP3の位置にして、前記アーム部を構成する前記アーム本体を後方に倒して前記左右アーム受けに当接させ、そして、アーム部をP4の位置に回転させ、バケット本体の左右側部に設けられた左右のピンと前記左右フックとを当接させ、そして、アーム部をP5の位置に回転させ、前記左右フックと前記バケット本体の前記左右側部に設けられた前記左右のピンとを掛止させ得る状態とし、更に、アーム部をP6の位置に回転させ、前記左右フックと前記バケット本体の前記左右側部に設けられた前記左右のピンとを掛止させ、前記左右アーム支持部に支持された前記アーム本体と前記左右のピンに掛止された前記左右フックとの共同で、前記土砂用バケットを略水平状態にして前記アーム部に掛けられた前記クレーンの前記フックに吊り下げて運搬できるようにするS12工程と、
前記アーム部を前記P6の位置の状態で、前記土砂用バケットを略水平状態に前記クレーンの前記フックにより吊り下げて前記工事場所の前記バックホーの傍らに移動させて、前記土砂用バケットを置くS13工程と、 以後工程S6に戻り、工程S6→工程S7→工程S8→工程S9→工程S10→工程S11→工程12→工程13→工程S6に戻り、以後これを繰返し、
土砂運搬作業の終了時には、工程S12から分岐して、
前記アーム部を前記P6の位置の状態で、前記土砂用バケットを略水平状態に前記クレーンの前記フックにより吊り下げて作業の障害にならない前記平地上の場所に移動して、前記土砂用バケットを置くS14工程と、
前記土砂用バケットは、安全上から前記アーム部が、折畳まれて前記P1の位置になされるS15工程と、
終了STOP工程と、までの土砂搬出工程を特徴とする土砂用バケットを用いた工法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2006−232428(P2006−232428A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−46293(P2005−46293)
【出願日】平成17年2月22日(2005.2.22)
【出願人】(505064895)渡辺建設株式会社 (2)
【Fターム(参考)】