説明

土質安定材担体

【課題】土壌の水浸透、吸水能力を改善し、亀裂を低減し、土壌の耕作性を改善し、浸食を減少させ、土壌中の微生物、肥料、殺虫剤、除草剤などの流失を防止でき、植物の成長を促進する土質安定剤の土壌への適用方法を提供する。
【解決手段】肥料及び/又は硫酸アルミニウム、酸化カルシウムなどの土質改良材からなる固体担体を顆粒、ペレット及びマット状に成形し、これにポリアクリルアミド、アクリル酸共重合体、セルロース、石膏などの水溶性土質安定材を添加し、土壌に適用する。更に、種子、殺虫剤、除草剤の添加もできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2002年10月15日に出願された米国特許出願第10/271,072号の一部継続である。ポリアクリルアミドのような土質安定材を土壌に適用するための方法であって、該土質安定材を固体担体に混合、含浸および/または適用する方法。
【背景技術】
【0002】
水溶性ポリアクリルアミド(PAM)は、様々な農業目的のための土質改良材として提案されてきた。ポリアクリルアミド(PAM)と総称される水溶性重合体は、水流出、侵食およびクラスト形成の最小化、土壌構造の安定化、並びに、土壌内部での養分および微生物の結合を含め、様々な有益な土質改良特性を持つように見える。
【0003】
1980年代後期以降、水溶性重合体を用いて土壌を体質的に改善することに再び関心が持たれている。PAMは、1940年代以降、土壌構造改善のために、また1950年代以降、農業に使用されてきたが、使用されたPAMの種類および適用方法は異なっていた。初期のPAMは、今日のPAMよりも分子量が低かった。初期のPAMは高い比率で土壌に適用され、耕作によって表土に組み込まれた。
【0004】
土質調整材としての陰イオンPAMに対する現在の関心に加えて、PAMは、その他の用途に幅広く使用されている。PAMは、鉱物および石炭加工、石油生産、製紙、水処理、食品加工、ならびに、その他様々な用途に使用されている。
【0005】
ポリアクリルアミドは、アクリルアミド単量体から作られる合成水溶性重合体である。PAMは、水中および灌漑畝において土壌粒子を結合し、粒子をより大きくし、そのため、水によって粒子が畑から洗い流されるのをより困難とする。
【0006】
ポリアクリルアミドは、養分および厄介な微生物が土壌から池、湖、小川、川および/または地下水へと漏れ出す前に、該養分および微生物を保持する化合物である。PAMは、肥料中の窒素および燐酸のような養分が、灌漑により流出して農地を越えて出ていかないようにするために役立つことが分かっている。同様に、PAMは、牛、豚または魚の肥料に含まれるような病原性微生物が、農場構内または飼養場の境界を超えて押し出されないようにするために役立つ。
【0007】
PAMの最も一般的な3形態は、乾燥顆粒、固体ブロック(キューブ)および乳化液体である。PAMの適用方法は、選択されたPAMの形態によって決まる。
【0008】
乾燥顆粒状PAMを灌漑用水に入れて使用するためには、予想計量供給システムの使用と、PAMが灌漑畝に達する前の充分な混合および完全な溶解が必要となる。PAMの乾燥顆粒は、畝に達する前に直接、用水路に溶かすことによって適用するか、または、「パッチ法」として知られている方法を用いて直接畝に適用することができる。パッチ法は、畝の、水が最初に到達する箇所にPAMを配置し、畝の下手、約3〜5フィートの長さにわたってPAMを適用して、PAMが畝の中に埋まってしまうかまたは畝を押し流して、効果がほとんどまたは全くないというリスクを減らす。パッチ法では、畝の一番高い箇所に一種のゲル状スラブが生成され、その箇所で、水はゆっくりとPAMを溶かしてPAMを畝の下手に運ぶ。
【0009】
PAMが用水路で適切に液体に溶けるためには、用水路を適切に撹拌しなければならない。水に非常に早く溶ける砂糖や塩とは異なり、顆粒状PAMが溶けるためには、完全に撹拌される必要がある。撹拌されなかった場合、PAM小球が形成され、該小球は畝を流れ下って、畝侵食に対してほとんど効果を発揮しない可能性が高い。適用されたPAMが確実に溶けるようにするための方法は、水路中に落下構造を設けて、畝に達する前に水に乱流を加えることである。望まれる溶解を実現するためのもう1つの方法は、灌漑用水が水路に最初に到達する地点のそばに、乱流を用意することである。コンクリート製水路では、空き缶または板が、十分な乱流を提供するだろう。土製水路中では、落下ダムがうまく機能する。
【0010】
本願を用いてPAMを土壌に適用するためには、多くの問題がある。乾燥処方は、取り扱いは容易だが、水分に対して親和性があるために、乾燥を保たなければならない。該乾燥材料は、該材料を送水管路内に入れることが難しいために、主として開渠用途に使用される。最良の結果を得るためには、灌漑設備の上流にバルク材料を分配するために使用されるアプリケータを、水飛沫から離して配置する。
【0011】
湿気にさらされた場合、ポリアクリルアミド顆粒は、互いにくっついてチューブ内に落ちる傾向があり、詰まる可能性が高い。顆粒状PAMの流量は、灌漑流量および所期の灌漑用水濃度によって左右され、2〜33グラム/分の範囲である。計量供給されるPAMの比率の小さな誤差は、灌漑流入水の濃度の大きな違いにつながる。乾燥PAMアプリケータについて考慮するべき事項には、1〜35グラム/分の分配率、畑において速やかに設置するための事前較正または較正の容易さ、可搬性、電力供給の耐久性が含まれる。
【0012】
閉管システムでは、通常、液体処方が推奨される。注水ポンプを用いて、該液体を直接、灌漑管路内に送ることができる。L型曲がり管のような管路中の乱流は、PAMを水と混ぜるために役立つ。長さ100フィート以上の管路中の自然乱流は、混合のために十分であるようだ。しかしながら、該液体材料は、容器外での取り扱いが難しい。液体PAMに接触したものを浄化するためには、土でPAMを「洗い」落とすことが一般的な方法である。PAMは、土壌粒子に付着し、水による浄化を可能にするだろう。
【0013】
液体処方はまた、開渠用途にも使用することができるが、ポンプが使用されておらず、該液体が水中に滴り落ちている場合には、該液体の粘度は温度により変化し、注入速度が変わってしまう可能性が高い。容器に直射日光が当たらないようにすることで、この問題は緩和されるだろうが、解消することはない。
【0014】
液体PAMは、容器から用水路に直接、畝に直接、または管路もしくは注水ポンプを通じて、計量供給することができる。乳化PAM(特殊液体PAM溶液)は、用水路に、または、パッチ法を用いて畝に、顆粒形態のように適用することができる。乳化PAMは、顆粒形態のような入念な混合をまったく必要としないが、それでもなお、溶解のためには十分な混合を必要とする。乳化PAMは、乾燥形態よりも容積は大きいが、容易に溶解し、また、配管を詰まらせるリスクが大幅に低いために、スプリンクラー灌漑システムに適した唯一のPAM形態である。
【0015】
PAMの固体処方は、乱流が発生している領域に配置する。水の作用が、ポリアクリルアミドを流水にゆっくりと溶かす。水に加えられる量を制御するための唯一の方法は、固体PAMを配置する場所および水中に留め置く時間を制御することである。分散率の較正はまだ確定されておらず、そのため、使用されている現行の方法は試行であり誤りである。
【0016】
PAMブロック(キューブ)は、通例、流水路内の乱流地点に、ワイヤ・バスケットに入れて配置する。ワイヤ・バスケットは、水路の端に固定して、ブロックが水路に流されていかないようにする必要がある。ブロックはゆっくりと溶けて、少量のPAMを水に放出する。3形態の中で、PAMブロックは、畝灌漑において、液体または顆粒状PAMと同程度に機能することはできない。しかしながら、PAMブロックは、池を澄ませて、水質浄化を速め、凝集を促進する処理に役立ってきた。また、ブロックを使用して、制御されない侵食を引き起こしかねない畑の集中流出域に投与することもできる。
【0017】
ポリアクリルアミドを水に加えることは、その他のほとんどの材料を加えることよりも、大変困難である。たとえば、カップ1杯の塩水を1ガロンの水に加えてかき混ぜた場合、塩は、短時間で溶ける。しかしながら、ポリアクリルアミドを水に加える場合、十分な混合を確実にするためには、乱流が必要である。十分に混合されない場合、ポリアクリルアミドは、直ちには溶けず、PAM小球が形成される。やがて、これらの小球は、畑に入り、畝を流れ下っていく可能性が高い。これほどではないものの、注水システムでもやはり小球が発生する。PAMがセンター・ピボットにより適用されている場合、PAM溶液が十分に混合されていないと、スプリンクラー・ノズルが詰まる可能性がある。
【0018】
適用方法は、選択された材料に左右される。顆粒状PAMは、一定の形態の予測計量供給システムを必要とする。固体ブロックは、ワイヤ・バスケットに入れて配置し、水路の側面に固定して、ブロックが下流に押し流されないようにするべきである。液体PAMは、直接、容器から開渠中に、または、注水ポンプを通じて配管中に、計量供給することができる。
【0019】
開渠に液体または乾燥PAMを加える場合、放出地点を、流水から少なくとも2フィート離しておく。少量の水飛沫であっても、PAMを出口に詰まらせ、流れを止める可能性がある。水中の乱流が水はねを引き起こしている場合、水が容器に接触しないようにアプリケータを離すか、または、乱流を下流に移動する。
【0020】
もう1つの懸案は、灌漑に使用される水の種類である。ポリアクリルアミドは、土壌粒子に付着して土壌粒子を結合するので、大量の堆積物を含む水は、水が畝に入る前に、堆積物の沈殿を招く可能性がある。一般的に、これは、PAMの効果に影響しないが、極度に堆積物を含んだ用水の場合、沈殿物が、蓄積して供給水路の流れを妨げる。これはまた、地中輸送管にとっても憂慮される問題である。パイプ内の水の粘度が、累積した堆積物を持ち上げるには不十分な場合、パイプの流れが妨げられる場合がある。パイプの流量は低下するが、堆積物がパイプの内径を狭めるにつれて水の粘度が上昇するので、パイプは、完全には詰まらないようだ。
【0021】
等しい量のPAMが与えられても、土質および畑の傾斜によって、異なる結果が生じる可能性が高い。10ppmの比率で始めて、畑から流れ出る流去水の透明度に基づき、濃度を増減させることができる。
【0022】
最大の効果を得るために、適用の前に、PAMを灌漑用水と完全に混ぜ合わせる。開渠では、少なくとも1個の落下構造または一定の水路内障害物を水が乗り越えるようにして、水が畝に入る前に、乱流を発生させる。土製水路では、落下ダムで十分であろう。コンクリート製水路では、板を用いて乱流を作り出すことができる。一部の事例では、落下を設けて水中で該材料を十分に混合するようにする。ゲート・パイプでは、パイプの渦巻き作用により、通常、最初2〜3個の管継ぎ手の範囲内で、十分な混合が達成される。ゲート・パイプの圧力が3フィート以下と比較的低い場合、クラウゼ・ボックスを用いて、管路中に落下構造を作ることができる。
【0023】
農業従事者に対して供給されるPAMの形態(乾燥材料、濃縮材料または事前混合原液)にかかわらず、水源にPAMを適用する時点で、入念な混合(撹拌)を行うことが重要である。原液の濃度が増すにつれて、撹拌要件は増し、乾燥PAMの直接適用を用いる場合に最大となる。撹拌は、注入地点付近での、水流落下および多重水流障害物の使用によって提供されるべきである。勢いのある乱流では、原液を混合するために、最初のサイフォン管引き込みまたはゲートの手前に、25〜50フィートの水路長が与えられるべきである。乾燥PAMは、十分な混合のために、より長い水路長を必要とする場合がある。ゲート・パイプを使用する場合、PAM注入地点より後ろの最初のゲート・パイプ長には、混合を高めるために、1または2個の邪魔板を設けるべきである。PAMは、一切の種類の水草スクリーンまたはフィルタより上流では、加えるべきではない。原液の水を加熱すると、PAMの溶解および混合が非常に高まる。
【0024】
水が畑の端に達し次第、畝は処理されたと見なされ、通常、その灌漑に追加重合体は必要ない。多くの事例において生産者は、水が畑の端に届くまでPAMを適用するよりもむしろ、畑長の50パーセント以下に水が届くまでPAMを適用することで、保護は十分であることに気づいている。その利点は、畑の高い箇所での侵食制御、畑の低い箇所での堆積沈殿物の軽減、および、適用費用の削減である。
【0025】
ポリアクリルアミドは表面付近の土壌に付着するので、PAM適用後の耕作または溝付けは、効果の損失を招く。耕作または溝付けによって土壌表面を乱した後には、PAMを再適用するべきである。いったん適用されれば、PAMは、シーズン全期にわたってずっと有効であるわけではない。しかしながら、PAMは、当初適用後、その後の灌漑中、一定の侵食制御を提供し続ける。土壌の種類、畑の傾斜および灌漑畝水流規模のような要因によって、1回のPAM適用の長期的効果が左右される。
【0026】
PAMの混合が不十分だと、最初の少数の畝には高濃度のPAMが適用されて、注入地点から最も遠い畝ではPAMが不足するという結果を招く場合がある。
【0027】
畝前進時間を正確に予測することは困難なため、自動タイマーまたは液体遮断弁の使用は、PAM注入の制御に対して問題がある可能性が高い。前進時間が予想よりも遅かった場合、畑の低い箇所は、PAMで処理されない。畝前進時間が予想よりも速かった場合、必要以上のPAMが適用されて、流去水中にPAM損失が生じる可能性が高い。
【0028】
PAMをスプリンクラー灌漑に使用する場合、パイプを加圧して、PAMを水流に注入する前に、水が送り出されていることを確認しなければならない。この手順は、水がパイプ内に入る前に、スプリンクラー配管中にPAMが蓄積しないことを保証する(かかる事態は、PAMに水を加えないようにという警告に違反すると思われる)。スプリンクラー灌漑にPAMを用いる利益は、劇的という点で、畝灌漑よりも大幅に劣る。1エーカー当たり2〜4ポンドのPAMを適用することによって、一定の条件下で、灌漑中、侵食を減らして浸透を増すことができる。しかしながら、有益な効果は、1または2灌漑中しか継続しない。
【0029】
PAM処理は、通例、灌漑用水供給中への、少量の濃縮原液の注入によって行われてきた。粉末の直接添加が実施可能かもしれないという一定の兆候はあるが、その概念は、広範には試験されてこなかった。
侵食、遮水およびクラスト形成の物理的過程に関与する、土壌の小部分に対してのみ、灌漑用水を介してPAMを適用する。
【0030】
水を適用されたPAMは、曝露された土壌粒子をよりしっかりと結合することによって、土壌結束を増大させ、畝の中でPAMが接触した団粒を強化する。これは、灌漑流去水による堆積物の脱離および運搬を大幅に軽減する。改善された団粒間結合、および、表面粗さのより良好な維持によって、土壌・水界面での土壌侵食性は低下する。PAMはまた、沈殿剤としても働く。PAMは、微粒子を凝集させる(ひとまとまりにする)。灌漑が調節されない場合、高い側の湿潤過剰および/または低い側の端の湿潤不足が悪化する可能性が高い。
【0031】
ほとんどの州は、農薬(PAMのような土質改良材を含む)が安全性および状態表示要求事項を満たすことを義務づけている。現在表示されているPAMは、水溶性で、陰イオン(11〜20%)性で、高(1000〜1500万)分子量の化合物であり、EPA(米国環境保護局)およびFDA(食品医薬品局)単量体限度、0.05%未満を満たす。PAMは、いくつかの形態で利用することができる。すなわち、80〜95%の活性成分(AI)を含む乾燥粉末または顆粒、30〜50%のAIを含む逆油出現濃縮液(PAMは、油性基質中に浮遊する小水滴中に溶解されている)、および、3%未満のPAMを含む事前混合PAM水溶液。
【0032】
最低でも、最初の灌漑時と、通行および/または耕作によって土壌が乱された時とに、PAMを使用するべきである。シーズン全体にわたって完全な侵食制御を提供するために、表示量以下での追加適用を検討することができる。最初の灌漑時にPAMを適用し、その後の灌漑時には水にPAMを加えなかった場合、侵食制御および浸透効果は、各非処理灌漑ごとに、およそ50%下降すると予想することができる。かくして、3度目の灌漑により、効果はほとんど失われる。侵食がシーズン半ばに自然に収まる作物に関しては、自然の侵食低下特性が生じた後、PAMを適用する必要はない。
【0033】
ポリアクリルアミド(PAM)は、排水浄化に広く使用される長鎖分子である。今日まで、この化合物の主な市場は、地方自治体の排水処理施設であった。PAMは、処理水中の微細な固体を、それらが沈殿するかまたはフィルタによって捕捉されるほど十分に大きくなって下水汚泥となるまで、互いに結合させる。
【0034】
PAMは、負電荷を帯びた粘土粒子の破断端を捜し出してそれらに結合する。畑の土壌表面で土壌粒子の結束性が増すことによって、PAMは、泥を、その上を流れる水によって発揮される強い侵食剪断力に対してより耐性のあるものにする。この結合は、凝集と呼ばれる。凝集は、個々の粒子間に架橋を形成する重合材料の作用を説明するために利用される。架橋は、重合体鎖セグメントが様々な粒子に吸着して粒子の集積を助ける時に、発生する。凝集剤は、該粒子の電荷を平衡させようとする、電荷を帯びた活性基を持つ。凝集剤は、粒子に吸着し、架橋によってかまたは電荷の中和によって、不安定化を引き起こす。陰イオン凝集剤は、通例、正電荷懸濁液(陽ゼータ電位)に対して反応する。塩および金属性水酸化物の事例がそうである。陽イオン凝集剤は、シリカまたは有機物質のような負電荷懸濁液(陰ゼータ電位)に対して反応する。
【0035】
最も一般的な重合体は、非イオン重合体であるポリアクリルアミド・ベースのものである。該重合体の効果は、重合体鎖による粒子間架橋によるものである。アクリル酸でアクリルアミドを共重合することによって、重合体に陰イオン特徴を与えることができる。陽イオン重合体は、陽イオン単量体でアクリルアミドを共重合することによって調製する。利用可能なアクリルアミド・ベース重合体はすべて、一定程度のイオン特性を与える特定量のイオン単量体を持つ。該重合体は、特定の平均分子量(すなわち鎖長)および所定の分子分布を持つ。各懸濁液ごとの、一定程度の陰イオン、陽イオンまたは非イオン特性が有益である。通例、分子量につれて、固有凝集粉末が増加する。ポリアクリルアミドは、工業用合成化学薬品中で最高の、1000〜2000万の範囲の分子量を持つ。その他の重合体は、特定の特性を示し、特定の条件下で使用される。その他の重合体は、主に、ポリエチレン−イミン、ポリアミド−アミン、ポリアミン、ポリエチレンオキサイド、スルホン化化合物である。
【0036】
陰イオンPAMは、「既製の」工業用凝集剤であり、飲料水処理、下水汚泥の脱水、青果の洗浄およびあく抜き、砂糖搾汁および蒸留酒の清澄化、食品に触れる接着剤および紙、動物飼料増粘剤および懸濁剤、化粧品、製紙、並びに、様々な採鉱および掘削用途に広範に使用される。
【0037】
米国特許第6,357,176号は、不織バイオ・セルロース繊維マットおよび株分けされた草を含む、無土壌および無草本種子の芝先駆物質に関するものである。該芝先駆物質を使用して、運動場、ゴルフ・コースおよび芝生を製作するために役立つ無土壌芝を生成することができる。該マットは、バイオ・セルロース繊維に加えて、その他の材料を含むことができる。該マットは、木質繊維または合成有機繊維のような、その他の種類の繊維を含むことができる。木質繊維は、該マットの水保持を増大させることができる。有機繊維の例には、アクリル、セルロース・エステル、エラストマー、オレフィン、ポリエステル、ポリアミドおよびポリビニル・アルコール繊維が含まれる。合成有機重合体は、結合剤として機能することができる。該マットはまた、多糖、蛋白質、ポリアクリルアミドおよびその他の水保持剤のような、非繊維性重合体を含むことができる。先行技術特許は、ポリアクリルアミドを使用して、該マットの水保持を増大させる。
【0038】
米国特許第5,900,038号は、耕作基材および該基材の調製方法に関するものである。該耕作基材は、ニワヤナギ、C4植物並びにタイマおよびディクソニア属の中から選択される粉砕植物を含み、ピート基材として適している。粉砕工程中またはその後、耕作基材のその後の用途次第で、添加物を加えることができる。ポリアクリルアミド顆粒、粘土鉱物混合物、粉砕溶岩、軽石、ベントナイト、砂、古紙、褐炭燃焼から出た飛灰、褐炭屑およびあらゆる種類の肥料は、添加物として適している。ポリアクリルアミド顆粒は、該マルチのために高い水貯蔵能力を有しているという点で、該発明の耕作基材を改善する。たとえば、「ポリウォター・アクア・プラス」の名称でクサンテンのポリプラント社から入手できるようなゲル化架橋ポリアクリルアミド顆粒が、特に便利である。この先行技術特許は、ポリアクリルアミドを使用して、該マルチの水貯蔵能力を増大させる。
【0039】
米国特許第4,377,117号は、真菌およびその他の微生物有機体による腐食に対して耐性があり、かつ、靴構造、温床紙などに役立つ、合成シート材料に関するものである。該材料は、セルロースと任意で合成繊維との、基質または結合剤内部での均一分布を備え、該供給繊維と、該材料に耐腐食性を加える金属性キノリノレートと、その後加えられるエラストマー結合剤の、金属性キノリノレートによる凝固を防止する、アクリル・ラテックスのような重合体コロイドと、該合成シート材料中で金属性キノリノレートの保持剤として働く陽イオン重合体とから形成される。該耐腐食性シート材料は、通常、製紙工程によって形成される。陽イオン重合体は、ポリアクリルアミド重合体であってもよい。ポリアクリルアミドを使用して、該シート材料を耐腐食性にする。
【0040】
米国特許第5,429,741号および第5,641,458号は、加工されたセルロース材料を別の材料、たとえば、表面活性剤、洗浄剤、界面活性剤、重合体および/または有機重合体と組み合わせて、汚泥を処理するための方法に関するものである。セルロース・フレークおよび該フレークを作成するための方法が開示されている。動物の寝わらもしくは敷きわら、飼料または肥料に該フレークを使用することができる。第2の液体上または中に浮遊している第1の液体を吸収除去して浄化するための方法が開示され、該方法では、吸収性ペレットが用いられる。汚泥の調整に役立つ代表的界面活性剤には、ポリアクリルアミドのような乳剤が含まれる。この先行技術参照は、PAMを、汚泥処理用の界面活性剤として使用した。
【0041】
米国特許第5,456,733号は、不水溶性で膨潤可能な粒子状ゲル形成重合体をペレット形成組成に組み込むことによって、古紙屑から新しいマルチング・ペレットを生成するための工程に関するものである。成形されたペレットは、広げられ水を浸し込まされたあとで、膨潤して崩壊し、地面被覆面積を増し、含まれていた養分または種子を放出し、吸水特性を持つ重合体粒子を沈積する。
【0042】
該発明は、粒子状古紙および膨張剤を含む乾燥押し出し成形マルチング・ペレットであって、単純な拡散装置を用いて適用でき、かつ、高度の吸水性および水保持性を持つペレットを生成するための方法に関するものである。適用された水または雨で含侵され次第、該ペレットは、膨潤、膨張して崩壊し、地面被覆面積を増して、吸水表面被膜を提供し、該被膜は、水の流出を防いで、土壌の水分を維持するために役立つ。ポリアクリルアミドは、該ペレットの吸水性を増大させる。膨潤ペレットの崩壊または分解も、該マルチの曝露表面積を増加させ、土壌への種子放出および養分放出を促進し、土壌での種子および植物の発芽および成長を支援する。
【0043】
該工程およびマルチペレットの最も重要な特徴は、相当量の吸水能力のある、不水溶性で膨潤可能なゲル形成親水性重合材料を備えた膨張剤の、古紙粒子を備えたペレットへの組み込みである。該工程は、ほとんど完全に粒子状古紙からなり、該ペレット全体に分布する少重量の10%までの水溶性膜形成重合結合剤材料と、粒子形態の不水溶性で水膨潤可能なゲル形成親水性重合材料を備えた10%までの膨張剤とを含む。該マルチ・ペレットは、約99重量%までの粒子状古紙を備え、該粒子状古紙は、少重量のポリビニル・アルコールような水溶性で膜形成結合剤材料、および/または、カルボキシメチル・セルロースのようなセルロース結合剤材料を含み、製紙工程において木質繊維を結合する。必須の添加物は、均一に混合された粉末形態の不水溶性ゲル形成親水性重合体である。該組成を、従来のペレット・ミルに送りペレット化する。重合体の例は、架橋ポリアクリルアミド重合体またはポリアクリレート重合体である。この先行技術は、該ペレットを膨潤させる能力があるという利益のために、PAMを使用した。
【0044】
米国特許第6,349,499号は、定着予定の種子とほぼ同じ密度を持つフレーク状マルチ生成物であって、密度が種子の50%以内に調節された凝塊圧縮天然原材料を備えた生成物に関するものである。該発明は、リグノセルロース・マルチ生成物を提供する。染料および顔料、発芽補助物、肥料並びに1種類以上の界面活性剤および/または吸水物質のような様々な添加物もまた、該原材料に加えることができる。界面活性剤は、迅速な水の取り込みおよび保持を促進するために加えることができる。ポリアクリル酸、その他のポリアクリレートなどのような吸水性材料を使用することができる。一部の使用では、かかる合成重合体、たとえば、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド並びに様々なアクリレート、アクリル酸およびアクリルアミドの共重合体および三元重合体はまた、結合剤としての機能を果たすこともできる。この先行技術参照は、PAMを、該マルチ生成物の結合剤として使用した。
【0045】
米国特許第6,360,478号は、機械的に接着されているが依然として開放性の繊維マルチ基体を形成する完全生分解性マルチ生成物であって、天然繊維および連結可能な捲縮天然繊維とを含み、かつ、該捲縮天然繊維が、耐水性の永続的捲縮を引き起こす工程によって捲縮された生成物に関するものである。
【0046】
重合体ベース吸水剤を、繊維マルチ全体にわたって分散させ、該マルチの吸水能力を増大させることができる。重合体ベース吸水剤は、マルチ重量の約5%〜15%存在することが望ましい。該吸水剤は、自重の何倍もの水を吸収するポリアクリルアミド・ベース共重合体粉末のような粉末であることが望ましい。その後、重合体ベース吸水剤を、繊維マルチに分散させ、該マルチの吸水能力を増大させる。該吸水剤は、マルチ繊維・捲縮合成繊維混合マルチに機械的に分散されることが望ましい。この先行技術参照は、PAMを、該マルチ生成物の利益のために使用した。
【0047】
米国特許第5,741,832号、第5,779,782号および第5,942,029号は、天然および捲縮合成繊維を含む機械的に接着された吸水性繊維マルチであって、機械的に接着された繊維マルチを形成するために親密に混合されたマルチに関するものである。吸水性重合体ベース材料を該繊維マルチ全体にわたって分散させ、該マルチの吸水能力を増大させる。該重合体ベース吸水剤はマルチ重量の約5%〜15%存在することが望ましい。該吸水剤は、自重の何倍もの水を吸収するポリアクリルアミド・ベース共重合体粉末のような粉末であることが望ましい。その後、該重合体ベース吸水剤を該繊維マルチに分散させ、マルチの吸水能力を増大させる。該吸水剤は、該天然繊維・合成繊維混合マルチに機械的に分散されることが望ましい。この先行技術参照は、PAMを、該マルチ生成物の利益のために使用した。
【0048】
先行技術参照のいずれも、土壌にPAMを適用するための手段として、固体担体を使用していない。先行技術では、PAMは、界面活性剤として、吸水性重合体として、マルチに含まれ、マルチの状態を改変し(灌水時のマルチの膨張を引き起こし)、マルチのサイズを増大させて、マルチが、播床をより良好に被覆することを可能にし、マルチがより多くの水を吸収する能力を増大させ、過剰水の量を減少させ、それゆえ水の流出を、それゆえ土壌損失を、減少させ、結合剤としてマルチを結合し、マルチの粘着性を増大させて、マルチを適所に保っていた。
【発明の概要】
【0049】
本発明は、PAMまたは別の土質安定材を土壌に適用するための方法であって、PAMまたは別の土質安定材が固体担体に確実に混合、含浸および/または適用される方法に関するものである。固体担体は、土壌に適用することのできる有機および/または無機材料からなることができる。これらの材料は、肥料、土質改良材、土質調整材および/または廃棄物を含むことができる。固体担体は、凝塊形成によって生成することができる。本発明の目的は、固体担体が凝塊体であることである。凝塊を説明するために広く使用されるその他の用語としては、共に粒径増大に関連するものとしての造粒および圧縮がある。固体担体は、PAMのような土質安定材の注入システムの役割を果たす。土壌に計量供給される固体担体の比率を制御することによってまた、土壌に計量供給されるPAMのような土質安定材の量をも制御する。本発明は、拡散装置のような従来の手段を通じて適用することのできる固体担体に関するものである。望ましい実施形態では、これらの産業には、農業および園芸が含まれる。PAMは、土壌に容易には適用されない。PAMは、現在、灌漑システムを介して、または乾燥顆粒形態で適用されている。その適用率が低いことを考えると課題は多い。
【0050】
本発明は、固体担体にPAMを加え、該固体担体を土壌に適用し、該固体担体に水を適用し、該固体担体から土壌にPAMを浸出させることに関するものである。水は、雨の形態で天然のものであるか、または、人工の手段によって適用することができる。水がなければ、いずれの成分も土壌および/または植物に対して大した価値を提供しないという点で、水は活性剤または触媒としての機能を果たす。本発明の目的は、PAMが乾燥顆粒形態であることである。本発明の目的は、固体担体がマルチまたは肥料を備えていることである。本発明の目的は、固体担体に肥料および/または土質改良材を加えることである。本発明の目的は、固体担体が繊維性材料を備えていることである。本発明の目的は、固体担体が顆粒、押し出し成形ペレット、織られたマット、フレークおよび/または成形俵および/またはサイズ縮小粒子の形態であることである。本発明の目的は、固体担体が種子を含むことである。本発明の目的は、固体担体に殺虫剤または除草剤を加えることである。本発明の目的は、固体担体が肥料を備えていることである。本発明の目的は、固体担体が、家畜糞尿のような病原体を加えられることである。本発明の目的は、PAMを土壌に適用するために使用される固体担体が、マルチおよびPAMを備えていることである。本発明の目的は、固体担体に硫酸アルミニウムおよび/または酸化カルシウムを加えることである。これらの要素をPAMに加えることは、流出水における燐酸の損失を鈍化させる助けとなる。
【0051】
本発明は、土壌に土質安定材を適用するための方法であって、固体担体に土質安定材を加え、該固体担体を土壌に適用することを備えた方法に関するものである。固体担体に水を適用すると、その後、固体担体から土壌に、土質安定材が放出される。本発明の目的は、土質安定材が、出発キサントゲン酸塩、酸加水分解セルロース・マイクロファイバー、キチン質、石膏、PAM、親水コロイド状多糖、アクリル酸共重合体および/またはアクリル酸ナトリウムおよび上記の組み合わせからなる群から選択されることである。
【0052】
本発明の目的は、土質安定材の重量が、総固体担体重量の50%未満であることである。
【0053】
本発明の目的は、土質安定材が、ポリアクリルアミド、ポリエチレン−イミン、ポリアミド−アミン、ポリアミン、ポリエチレンオキサイドおよびスルホン化化合物からなる群から選択されることである。
【0054】
本発明の目的は、固体担体が、土質安定化特性を持つ成分であらかじめ処理された材料からなることである。
【0055】
本発明の目的は、該材料が、飲料水処理、下水汚泥の脱水、青果の洗浄およびあく抜き、砂糖搾汁および蒸留酒の清澄化、食品に触れる接着剤および紙、動物飼料増粘剤および懸濁剤、化粧品、製紙、様々な採鉱および掘削用途から派生したものであることである。
【0056】
本発明の目的は、固体担体が無機要素を含むことである。本発明の目的は、土質安定材が土壌で無機要素を保持することである。土壌中には、植物成長に必須であると認められている13種類の無機要素が存在する。植物体内で発見されたこれらの要素の量は、著しく異なる。それゆえ、それらの要素は、成長のために必要な相対量によって、多量養素、副次的養素および微量養素に分類される。多量養素は、窒素、燐酸およびカリウムである。副次的養素は、硫黄、カルシウムおよびマグネシウムである。微量養素は、鉄、マンガン、ホウ素、銅、亜鉛、モリブデンおよび塩素である。
【0057】
本発明は、土壌に架橋ポリアクリルアミドを適用するための方法であって、固体担体に架橋ポリアクリルアミドを加えることを備えた方法に関するものである。該固体担体を土壌に適用し、その後、固体担体に水を適用する。これによって、固体担体から土壌に、架橋ポリアクリルアミドが放出される。
【0058】
本発明は、架橋ポリアクリルアミドを土壌に適用するために使用される固体担体であって、固体担体および架橋ポリアクリルアミドを備えた固体担体に関するものである。
【0059】
本発明は、土質安定材を土壌に適用するための方法であって、土質安定材を固体担体に加えることを備えた方法に関するものである。該固体担体は、少なくとも25%の、直径1mmを超える粒子からなる。固体担体を土壌に適用する。固体担体に水を適用すると、固体担体から土壌に、土質安定材が放出される。
【0060】
固体担体は、撹拌、加圧、液体および熱を含め、いくつかの凝塊工程によって作成することができる。撹拌凝塊は、天地返し、混合、造粒、ペレット化、球状化、調整およびインスタント化という方法を含む。加圧凝塊は、製団、圧縮、押し出し成形、ペレット化、型成形、タブレット化および静水圧プレス成形という方法を含む。液体凝塊は、噴霧乾燥、噴霧造粒、流動床造粒、プリル(小球)化、液体媒質中での凝塊、油凝塊および球状化という方法を含む。熱凝塊は、焼結、硬結、団塊化、焼成、乾燥/固体化、部分ガス化/炭化およびフレーク化という方法を含む。
【0061】
撹拌凝塊は、次の装置を使用することができる:混合機(遊星歯車式、コーン形、リボン形、ピン形、ドラム形、向流、垂直、櫂形、土こね機)、円盤ペレット化装置(皿形造粒機)、ドラム形ペレット化装置およびコーン形ペレット化装置。加圧凝塊は、次の装置を使用することができる:ローラー・プレス(円筒形製団機、円筒形圧縮機)、ピストン/ラムプレス機、ペレット・ミル(環状ダイス、平ダイス)、押し出し成形機(オーガー、螺旋、スクリーン、バスケット)、タブレット・プレス機。液体凝塊は、次の装置を使用することができる:噴霧乾燥機、プリル塔、噴霧/流動床、造粒機、油凝塊用混合機。熱凝塊は、次の装置を使用することができる:焼結ストランド、可動格子、回転炉、高炉およびドラム形/ベルト形フレーク製造機。
【0062】
固体担体は、また、材料がより小さい粒径に縮小されるサイズ縮小工程を介しても、作成することができる。実施形態では、該固体担体は、液体または懸濁液状態ではない材料からなる。
【0063】
本発明の目的は、PAMが陰イオンであることである。本発明の目的は、PAMが中性であることである。本発明の目的は、PAMが陽イオンであることである。
【0064】
本発明の目的は、土質安定材が、永続的植生が定着する前に傾斜に適用される侵食マットの必要性を低下させることである。本発明の目的は、PAMが土壌の透過性を増大させることである。本発明の目的は、PAMが土壌に結合して、土壌内部で肥料および水の浸透を増大させることである。
【0065】
本発明の目的は、土質安定材が土壌の水浸透を改善し、それによって、土壌の吸水能力を改善することである。本発明の目的は、土質安定材が土壌の水浸透を改善し、それによって、土壌に必要な水の量および/または頻度を減少させることである。本発明の目的は、土質安定材が、土壌の鎮圧および亀裂を低減することである。本発明の目的は、土質安定材が土壌の耕作性を改善することである。本発明の目的は、土質安定材が土壌の抗クラスト剤であることである。本発明の目的は、土質安定材が土壌のリル侵食を減少させることである。
【0066】
本発明の目的は、PAMが肥料に結合して、土壌内部で肥料の浸出を減少させることである。本発明の目的は、PAMが土壌および肥料に結合して、土壌からの肥料の浸出を減少させることである。本発明の目的は、PAMが土壌および肥料に結合して、土壌内で肥料を保持することである。本発明の目的は、土質安定材が土壌の侵食を減少させ、それによって肥料の侵食を減少させ、それによって、1エーカー当たりの肥料使用量および肥料費用を低減することである。本発明の目的は、土質安定材が土壌の水浸透を改善し、それによって肥料の侵食を減少させ、それによって、1エーカー当たりの肥料使用量および肥料費用を低減することである。本発明の目的は、土質安定材が土壌で養分を保持し、それによって、1エーカー当たりの肥料使用量および費用を低減することである。
【0067】
植物養分を適切な土質調整材料と組み合わせることによって、標的植物がより多くの植物養分を取り込むことができるようになる。PAMは養分を結合して土壌を安定化させるので、肥料の浸出および流出を減少させる。PAMは、養分との関係において土壌性能を最大にするように働きながら、事実上、肥料に対するPAMダムとして働く。PAMは、土壌の成功因子として働き、植物に取り込まれるよう土壌が適所に養分を保持する能力を改善する。
【0068】
本発明の目的は、土質安定材が、土壌中の微生物の流出および浸出を減少させることである。本発明の目的は、土質安定材が、養分、殺虫剤およびその他の物質を含む堆積物の移動を防止することである。本発明の目的は、土質安定材が硫酸アルミニウムおよび/または酸化カルシウムを備えていることである。本発明の目的は、土質安定材が、土壌からの糞便性大腸菌群および糞便性連鎖球菌の総浸出および流出を減少させることである。本発明の目的は、土質安定材が、土壌を適所に保持して土壌をイオン結合して粒径を増大させることによって、侵食力を制御することである。
【0069】
本発明の目的は、土質安定材が植物の残存および成長を改善することである。本発明の目的は、土質安定材が土壌内部で種子発芽時間を短縮することである。本発明の目的は、土質安定材が土壌内部で植物根の成長を改善することである。本発明の目的は、土質安定材が土壌内部で作物生産量を改善することである。本発明の目的は、土質安定材が土壌に添加された場合、根菜作物のよりきれいな収穫をもたらすことである。本発明の目的は、土質安定材が作物の成熟を早めることである。
【0070】
本発明の目的は、土質安定材が、移植された灌木、樹木および/または野菜の生育能力を増大させることである。本発明の目的は、土質安定材が土壌中の植物の根張りを深くすることである。本発明の目的は、土質安定材が、土壌をより速く乾燥させることによって作付日を早めることである。本発明の目的は、土質安定材が土壌中の作物の品質を改善することである。本発明の目的は、土質安定材が土壌中の種子の発芽率を増加させることである。本発明の目的は、土質安定材が土壌内部で土壌伝播性疾病を減少させることである。
【0071】
本発明は、土壌透過を改善するための方法であって、従来の適用装置によって固体担体を土壌に適用することを備えた方法に関するものである。該固体担体は、土質安定材を備えている。該固体担体に水を加えると、土壌に土質安定材が放出される。
【0072】
本発明は、土壌侵食を減少させるための方法であって、従来の適用装置によって固体担体を土壌に適用することを備えた方法に関するものである。該固体担体は、土質安定材を備えている。該固体担体に水を加えると、土壌に土質安定材が放出される。
【0073】
本発明は、肥料の流出および浸出を減少させるための方法であって、従来の適用装置によって固体担体を土壌に適用することを備えた方法に関するものである。該固体担体は、土質安定材を備えている。該固体担体に水を加えると、土壌に土質安定材が放出される。
【0074】
水溶性ポリアクリルアミド(PAM)は、様々な農業目的のための土質改良材として提案されてきた。ポリアクリルアミド(PAM)と総称される水溶性重合体は、水流出、侵食およびクラスト形成の最小化、並びに、土壌構造の安定化を含め、様々な有益な土質改良特性を持つように思われる。この利益は、肥料、殺虫剤および除草剤の流出の全般的な低減にまで及ぶ。
【0075】
PAMは、長鎖の合成重合体で、土壌粒子を結合する強化剤として働く。より大きく、より重くなった土壌粒子を水が動かすことは、さらに困難である。灌漑用水に適用されたPAMは、該重合体を用いない灌漑と比較して、95パーセントよりも高い比率で、畝の土壌侵食を減少させた。
【0076】
本発明によって、使用者はPAMを畑に混ぜる必要がなくなる。本発明のPAMは、水草スクリーン、フィルタまたは狭サイフォンを、同装置が必要とされていない時に詰まらせない。さらに、本発明の方法によって、使用者は乾燥濃縮物を取り扱うリスクを回避することができる。本発明の方法によって、さらに、先行技術でPAMを適用するために使用されてきた、より嵩張る装置が回避される。本発明の方法によって、広い畑向けまたは前進速度が遅い場合に必要とされる大量の原液量の必要性が減り、かなり時間が掛かり専用の装置を必要とする、濃縮物から作った現場溶液の混合とを回避することができる。
【0077】
本発明の方法は、濃縮液(油乳剤)を直接土壌に加えて適用するという不都合を回避する。本発明の方法を用いると、適用は、標準的拡散装置により行われ、均一の計量供給率を実現するために複雑化される(事前混合溶液と比較して)必要はない。本発明は、既知利益を何ら作物に対して提供しない油および界面活性剤成分を、必要としない。
【0078】
本発明においては、PAMはいかなる物理的状態でも固体担体に組み込むことができるが、その他のPAM形態よりも容易に固体担体に含浸するという点から、乾燥PAMが望ましい。また乾燥PAMは、購入して貯蔵することができ、PAM形態のうち最も安価であろう。さらに、本発明の方法を用いてPAMを適用することによって、適用装置は詰りにくくなり、また、水草スクリーンおよびフィルタも詰まりにくくなる。機械への充填中にPAM埃を吸入して窒息する危険はない。乾燥PAMを直接畑に適用しようとする場合、溶解制御の面で劣っているので、畑からのPAM損失はより大きくなるはずである。さらに、PAMを直接土壌に適用すると、分布均一性が本発明よりも劣る。PAM添加の比率は、灌漑総流入量、畑の侵食可能性および所期の注入濃度に基づかなければならない。
【0079】
陰イオンPAM混合物の適用率は、土壌の種類、傾斜、および、標的侵食の種類(すなわち風または水)に基づいて調節が必要な場合がある。陰イオンPAM混合物は、種子およびマルチまたは侵食マットのような、その他の侵食制御BMPとともに使用される場合、より急な傾斜に適用することができる。
【発明を実施するための形態】
【0080】
実施形態では、架橋ポリアクリルアミドを固体担体に加え、その後、該固体担体を土壌に適用する。その後、該固体担体に水を適用し、それによって、固体担体から土壌に、該架橋ポリアクリルアミドが放出される。いくつかの種類の適用では、高吸収性架橋ポリアクリルアミドを使用して、水溶液を吸収する。該重合体を使用して、水ベース材料を凝固させることができる。これらの重合体は、植物が需要に応じて利用することのできる水だめとして働き、植物のショックおよび渇水の影響を低下させる。該重合体が土壌に加えられた場合、植物根は、直接、水で膨潤した重合体へと伸び、必要に応じてその蓄えを利用する。かかる重合体の例には、架橋ポリアクリル酸カリウム/ポリアクリルアミド共重合体が含まれる。
【0081】
実施形態では、土質安定材を固体担体に加え、その後、該固体担体を土壌に適用する。該固体担体に水を適用し、それによって、その後、該固体担体から土壌に、該土質安定材が放出される。土質安定材の例としては、出発キサントゲン酸塩、酸加水分解セルロース・マイクロファイバー、キチン質、石膏、PAM、親水コロイド状多糖、アクリル酸共重合体および/またはアクリル酸ナトリウムおよび上記の組み合わせがある。3種類の多糖(出発キサントゲン酸塩、酸加水分解セルロース・マイクロファイバーおよびキチン質)は、土壌損失を減少させることが分かっている。多糖は、グリコシド結合によって連結された単糖の長鎖である。3種類の重要な多糖である澱粉、グリコーゲンおよびセルロースは、ブドウ糖から構成される。澱粉およびグリコーゲンは、それぞれ、植物および動物体内の短期エネルギー貯蔵としての機能を果たす。ブドウ糖単量体は、グリコシド結合によって連結される。これらのブドウ糖単量体は、水溶性PAMとほぼ同じ特性を持つ生分解可能重合体である。本発明の実施形態では、これらの多糖を、PAMの添加物または代替物として使用する。
【0082】
石膏は、PAMと組み合わされた場合、土壌損失と水流出との両方を減少させるために有効である。すべての結果は、耕作、マルチ、天蓋、石膏およびPAMのような、これらの表面処理の時宜に適った組み合わせが、耕地の水流出および土壌損失に対処するために役立ちかつ有効であることを示す。本発明の実施形態では、石膏を、本発明のPAMの添加物として使用する。
【0083】
グアールガムは、グリコシド結合を通じて結合されたガラクタンおよびマンナン単位から構成された天然の高分子量親水コロイド状多糖であり、化学的にはグラクトナンマンと呼ばれる場合もある。該ガムは、多年にわたり土質安定材として広く使用されてきた。該ガムは、白色から白黄色の粉末である。該ガムは、冷水および熱水に溶け、高粘度の粘液を形成する。本発明の実施形態では、グアールガムを、本発明のPAMの添加物または代替物として使用する。
【0084】
アクリル酸共重合体は、土質安定材として広く使用されている。加えて、アクリル酸ナトリウムは、広く、水溶性PAMと組み合わされ、土質安定材として使用されている。アクリレートは、プロペン酸の塩またはエステルである。本発明の実施形態では、これらのアクリレートを、PAMの添加物または代替物として使用する。
【0085】
実施形態では、土質安定材を固体担体に加え、該固体担体は、少なくとも約25%の、直径1mmを超える粒子からなる。該固体担体を土壌に適用する。その後、該固体担体に水を適用し、それによって、固体担体から土壌に、土質安定材が放出される。重合体および肥料、土質改良材、土壌マルチ並びに担体を取り扱う場合、粒径は、作物学的反応、造粒および工程性能、並びに、配合、貯蔵、取り扱いおよび適用特性に影響するので重要である。一般的に、粒径が小さくなるほど、溶解はより速くなる。1950年頃よりも前には、ほとんどすべての肥料は、比較的微細な粉末または小結晶として生産されていた。その結果として、肥料は、通例、取り扱う際、ほこりっぽく、山にしたり袋の詰めたりして貯蔵している間に固く粘結やすかった。造粒(凝塊)の発達は、貯蔵、取り扱いおよび適用特性の大きな改善をもたらした。この発達は、顆粒状生成物のより良好な流れ特性および粘結減少を活かした適用装置の改善と並行していた。米国では、顆粒状肥料生成物の標準的粒径範囲は、およそ1〜3.35mmである。欧州諸国および日本では、粒径は通常、2〜4mmの範囲である。望ましい実施形態では、固体担体は、およそ5/16〜およそ30目(0.0234インチまたは600ミクロン)の粒径範囲である。
【0086】
本発明の1実施形態では、固体担体は、湿らせることのできる紙繊維ベース生成物を使用して該生成物にPAMを含侵させることによって作成された、マルチである。また、さらなる実施形態では、該マルチに、土質改良材および補強剤を含侵させることもできる。マルチは、混合機を用いて作成ことができる。ピンミキサーが望ましいが、また、ピン形ペレット製造機、櫂形混合機、ドラム形造粒機またはその他の種類の混合機であることもできる。該紙繊維ベース生成物は、製紙工程の副生成物からなることが望ましい。紙繊維よりもむしろ下水汚泥を使用して、強化マルチを作成することができる。
【0087】
以下は、ピンミキサーを用いて、本発明の固体担体(種子定着マルチ)をどのように作成できるかについて示す例である。
【実施例1】
【0088】
ピンミキサー:
ピンミキサーでは、静止円筒胴内の高速回転心棒に取り付けられた、放射状に伸びるピンが、材料と噴霧された液体結合剤とに撹拌力を伝えた時に凝集が起こる。これは、天地返しの動きを引き起こし、焼きしまりが生じる。
ピン配列:
数種類の異なるピンミキサーを試験して、マルチを作成するための最良のピン配列を確定した。2重螺旋ピン配列が、より均一の球形ペレットをもたらした。内枠の長さおよび直径は、それぞれ、23インチおよび6インチであった。心棒およびピンの寸法には、直径2インチの心棒および長さ2インチのピンが含まれた。速度(RPM(毎分回転数))を変えるとペレット粒径が影響を受けることが結論づけられた。速度を上げると、粒径は小さくなった。ピンミキサーを650RPMに設定した場合、生成物の大部分がエンド・サイズ(−6、+16)生成物からなることが判明した。材料はシェルを作り出したが、アンペア数は増加しなかった。マルチは、ピンミキサーによって容易に凝塊し、放出された生成物は、粒径および形状が均一であった。
保持時間:
試験を行って、マルチの保持時間を確定した。材料は、2秒で放出され始め、23秒で放出され終えた。材料の大部分は8秒掛かった。小さい粒子は保持時間が短く、大きい粒子はより長く掛かった。
ピンミキサー:材料送り速度
粉砕湿潤紙:
湿潤紙を33ポンド/時で加えたが、生成物は均一および球形ではなかった。そこで、送りを200ポンド/時に減らした。この速度で均一生成物が得られた。200ポンド/時の速度を使用することが望ましいが、200〜300ポンド/時の速度も、許容できる。湿潤紙は、スクリュー式送り装置内で架橋した。3インチ送り装置が最も一定していた。
PAM:
ピンミキサーに、乾燥顆粒速度6ポンド/時でPAMを加えた。この速度で、均一な生成物が得られ、PAMはマルチ顆粒にうまく含侵された。
水:
加えられる36ポンド/時の水は、ピンミキサーに計量供給された。湿潤紙の水分比率は、水52.3%であった。200ポンド/時の湿潤スラッジがピンミキサーに計量供給された場合、全部で140.6ポンド/時の水分が導入される。
NPK:
ピンミキサーに、28ポンド/時の速度で窒素・燐酸・カリウム(NPK)肥料を加えた。振動送り装置が、かかる低速での送りを必要とした。肥料は、供給ホッパー内に加える前に、ふるいに掛けなければならなかった。
コーティングドラム湿潤マルチペレット:
湿潤マルチ・ペレットを回転式ドラムに手送りした。様々な低高速の送り速度で、該ドラムに明らかな問題は生じなかった。回転式乾燥機が、コーティング・ドラムの送り速度を制限した。凝塊の大部分(>90%)は、ピンミキサー内で行われる。コーティング・ドラムに送られる材料はペレット形態だったので、材料は容易に回転した。
乾燥機:
入口および出口空気温度は、それぞれ、華氏100度および180度であった。試料は、これらの設定で、華氏150度〜175度の範囲の材料出口温度、および、2.5%の含水率であった。
ふるい分析:
ふるいを用いてふるい分析を行った。エンド・サイズ部分は、6目および16目であった。3時間連続運転で生成し、乾燥してふるいに掛けた。その結果、総材料300ポンド、サイズ適合206ポンド(68.7%)、サイズ未満53ポンド(17.7%)およびサイズ超過41ポンド(13.7%)であった。
【0089】
従来の拡散装置を用いてマルチを適用した。所期の適用率を設定し、1と1/2インチの開度で遂行した。生成物を、所期の適用率である50ポンド/1,000平方フィートの比率で適用した。
【実施例2】
【0090】
実験室試験を行って、肥料顆粒(DAP)にPAMを、43対1の比率で含浸させた。該原材料を正確に計量し、計量供給される乾燥PAM粒子とともに、アンモニア処理造粒機に送った。造粒機は、完成した固体担体をうまく凝塊させた。その後、固体担体を乾燥し、ふるいに掛けてサイズを揃えた。その後、従来のドロップ・スプレッダーを用いて固体担体を芝生植生に計量供給した。灌水後、固体担体は、芝生植生に正確な量の養分およびPAMを良好に与えた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
土質安定材を土壌に適用するための方法であって、
前記土質安定材を固体担体に加える工程と、
前記固体担体を前記土壌に適用する工程と、
前記固体担体に水を適用する工程と、
前記固体担体から前記土壌に、前記土質安定材を放出する工程と、
を含む適用方法。
【請求項2】
前記土壌に計量供給される土質安定材の量が、前記土壌に計量供給される前記固体担体の比率によって制御される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記固体担体は、拡散装置のような従来の手段を通じて前記土壌に適用される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記水は、雨に由来する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記水は、使用者によって提供される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記固体担体に肥料および/または土質改良材を加える工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記固体担体は、繊維性物質を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記固体担体は、さらに種子を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記固体担体に殺虫剤または除草剤を加える工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記固体担体が、凝塊体である、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
固体担体総重量中の、前記土質安定材の重量が、50%未満である、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記固体担体は、顆粒、押し出し成形ペレット、織られたマット、フレークおよび/または成形俵の形態である、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記固体担体は、肥料を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記固体担体は、家畜糞尿のような病原性微生物をさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記固体担体は、硫酸アルミニウムおよび/または酸化カルシウムをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記土質安定材は、出発キサントゲン酸塩、酸加水分解セルロース・マイクロファイバー、キチン質、石膏、PAM、親水コロイド状多糖、アクリル酸共重合体および/またはアクリル酸ナトリウムおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記土質安定材は、ポリアクリルアミド、ポリエチレン−イミン、ポリアミド−アミン、ポリアミン、ポリエチレンオキサイドおよびスルホン化化合物からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記固体担体は、土質安定化特性を持つ成分であらかじめ処理された材料を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記材料は、飲料水処理、下水汚泥の脱水、青果の洗浄およびあく抜き、砂糖搾汁および蒸留酒の清澄化、食品に触れる接着剤および紙、動物飼料増粘剤および懸濁剤、化粧品、製紙、並びに、様々な採鉱および掘削用途から派生したものである、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
土質安定材を土壌に適用するための方法であって、
前記土質安定材を固体担体に加える工程であって、前記固体担体は、少なくとも約25%の、直径1mmを超える粒子からなる工程と、
前記固体担体を前記土壌に適用する工程と、
前記固体担体に水を適用する工程と、
前記固体担体から前記土壌に、前記土質安定材を放出する工程と、
を含む適用方法。
【請求項21】
前記固体担体は、鉱物要素を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
前記土質安定材は、前記土壌で鉱物要素を保持する、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
架橋ポリアクリルアミドを土壌に適用するための方法であって、
架橋ポリアクリルアミドを固体担体に加える工程と、
前記固体担体を土壌に適用する工程と、
前記固体担体に水を適用する工程と、
前記固体担体から前記土壌に、前記架橋ポリアクリルアミドを放出する工程と、
を含む適用方法。
【請求項24】
架橋ポリアクリルアミドを土壌に適用するために使用される固体担体であって、固体担体および架橋ポリアクリルアミドを備える固体担体。
【請求項25】
前記PAMは、陰イオンである、請求項16に記載の方法。
【請求項26】
前記PAMは、中性である、請求項16に記載の方法。
【請求項27】
前記PAMは、陽イオンである、請求項16に記載の方法。
【請求項28】
前記土質安定材は、永続的植生が定着する前に、傾斜に適用される侵食マットの必要性を低下させる、請求項1に記載の方法。
【請求項29】
前記PAMは、前記土壌の透過性を増大させる、請求項16に記載の方法。
【請求項30】
前記PAMは、前記土壌に結合して、前記土壌内部で前記肥料および水の浸透を増大させる、請求項16に記載の方法。
【請求項31】
前記土質安定材は、前記土壌の水浸透を改善し、それによって土壌の吸水能力を改善する、請求項1に記載の方法。
【請求項32】
前記土質安定材は、前記土壌の水浸透を改善し、それによって、前記土壌に必要な水の量および/または頻度を減少させる、請求項1に記載の方法。
【請求項33】
前記土質安定材は、土壌の鎮圧および亀裂を低減する、請求項1に記載の方法。
【請求項34】
前記土質安定材は、土壌の耕作性を改善する、請求項1に記載の方法。
【請求項35】
前記土質安定材は、土壌の抗クラスト剤である、請求項1に記載の方法。
【請求項36】
前記土質安定材は、土壌のリル侵食を減少させる、請求項1に記載の方法。
【請求項37】
前記PAMは、肥料に結合して、前記土壌内部で肥料の浸出を減少させる、請求項16に記載の方法。
【請求項38】
前記PAMは、前記土壌および肥料に結合して、前記土壌からの前記肥料の流出を減少させる、請求項16に記載の方法。
【請求項39】
前記PAMは、前記土壌および肥料に結合して、前記土壌で前記肥料を保持する、請求項16に記載の方法。
【請求項40】
前記土質安定材は、前記土壌の侵食を減少させ、それによって前記肥料の侵食を減少させ、それによって1エーカー当たりの肥料使用量および肥料費用を低減する、請求項1に記載の方法。
【請求項41】
前記土質安定材は、前記土壌の水浸透を改善し、それによって前記肥料の侵食を減少させ、それによって1エーカー当たりの肥料使用量および肥料費用を低減する、請求項1に記載の方法。
【請求項42】
前記土質安定材は、前記土壌で養分を保持し、それによって1エーカー当たりの肥料使用量および費用を低減する、請求項1に記載の方法。
【請求項43】
前記土質安定材は、前記土壌中の微生物の流出および浸出を減少させる、請求項1に記載の方法。
【請求項44】
前記土質安定材は、養分、殺虫剤およびその他の物質を含む堆積物の移動を防止する、請求項1に記載の方法。
【請求項45】
前記土質安定材は、前記土壌からの糞便性大腸菌群および糞便性連鎖球菌の総浸出および流出を減少させる、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記土質安定材は、土壌を適所に保持し土壌をイオン結合して粒径を増大させることによって、侵食力を制御する、請求項1に記載の方法。
【請求項47】
前記土質安定材は、植物の残存および成長を改善する、請求項1に記載の方法。
【請求項48】
前記土質安定材は、前記土壌内部で種子発芽時間を短縮する、請求項1に記載の方法。
【請求項49】
前記土質安定材は、前記土壌内で植物根の成長を改善する、請求項1に記載の方法。
【請求項50】
前記土質安定材は、前記土壌内部で作物生産量を改善する、請求項1に記載の方法。
【請求項51】
前記土質安定材は、根菜作物のよりきれいな収穫をもたらす、請求項1に記載の方法。
【請求項52】
前記土質安定材は、作物の成熟を早める、請求項1に記載の方法。
【請求項53】
前記土質安定材は、移植された灌木、樹木および/または野菜の生育能力を増大させる、請求項1に記載の方法。
【請求項54】
前記土質安定材は、前記土壌中の植物の根張りを深くする、請求項1に記載の方法。
【請求項55】
前記土質安定材は、前記土壌をより速く乾燥させることによって作付日を早める、請求項1に記載の方法。
【請求項56】
前記土質安定材は、前記土壌中の種子の発芽率を上昇させる、請求項1に記載の方法。
【請求項57】
前記土質安定材は、前記土壌内部で土壌伝播性疾病を減少させる、請求項1に記載の方法。
【請求項58】
土壌透過を改善するための方法であって、
従来の適用装置によって前記土壌に固体担体を適用する工程と、
前記固体担体が土質安定材を備え、
前記固体担体に水を加える工程と、
前記土壌に前記土質安定材を放出する工程と、
を含む方法。
【請求項59】
土壌侵食を減少させるための方法であって、
従来の適用装置によって前記土壌に固体担体を適用する工程、
前記固体担体が土質安定材を備え、
前記固体担体に水を加える工程と、
前記土壌に前記土質安定材を放出する工程と、
を含む方法。
【請求項60】
肥料の流出および浸出を減少させるための方法であって、
従来の適用装置によって前記土壌に固体担体を適用する工程と、
前記固体担体が土質安定材を備え、
前記固体担体に水を加える工程と、
前記土壌に前記土質安定材を放出する工程と、
を含む方法。
【請求項61】
土壌にPAMを適用するための方法であって、PAMが固体担体に正確に混合、含浸および/または適用される方法。
【請求項62】
土壌に計量供給されるPAMの量が、前記土壌に計量供給される前記固体担体の比率によって制御される、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
前記固体担体は、拡散装置のような従来の手段を通じて前記土壌に適用される、請求項61に記載の方法。
【請求項64】
土壌にPAMを適用するための方法であって、
PAMを固体担体に加える工程と、
前記固体担体を土壌に適用する工程と、
前記固体担体に水を適用する工程と、
前記固体担体から前記土壌に、前記PAMを浸出させる工程と、
を含む適用方法。
【請求項65】
前記土壌に計量供給されるPAMの量が、前記土壌に計量供給される前記固体担体の比率によって制御される、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
前記固体担体は、拡散装置のような従来の手段によって前記土壌に適用される、請求項64に記載の方法。
【請求項67】
前記水は、雨に由来する、請求項64に記載の方法。
【請求項68】
前記水は、使用者によって提供される、請求項64に記載の方法。
【請求項69】
前記PAMは、乾燥顆粒形態である、請求項64に記載の方法。
【請求項70】
前記固体担体に肥料および/または土質改良材を加える工程を、さらに含む、請求項64に記載の方法。
【請求項71】
前記固体担体は、繊維性物質を備える、請求項64に記載の方法。
【請求項72】
前記固体担体は、さらに種子を備える、請求項64に記載の方法。
【請求項73】
前記固体担体に殺虫剤または除草剤を加える工程をさらに含む、請求項64に記載の方法。
【請求項74】
前記固体担体は、有機および/または無機材料を備える、請求項64に記載の方法。
【請求項75】
前記固体担体は、凝塊体である、請求項64に記載の方法。
【請求項76】
前記固体担体は、撹拌、加圧、液体および熱を含め、凝塊形成工程によって作成される、請求項64に記載の方法。
【請求項77】
総固体担体重量中の、PAMの前記重量は、50%未満である、請求項64に記載の方法。
【請求項78】
前記固体担体は、天地返し、混合、造粒、ペレット化、球状化、調整およびインスタント化を含む凝塊形成方法によって作成される、請求項64に記載の方法。
【請求項79】
前記固体担体は、製団、圧縮、押し出し成形、ペレット化、型成形、タブレット化および静水圧プレス成形を含む凝塊形成方法によって作成される、請求項64に記載の方法。
【請求項80】
前記固体担体は、噴霧乾燥、噴霧造粒、流動床造粒、プリル化、液体媒質中での凝塊、油凝塊および球状化を含む凝塊形成方法によって作成される、請求項64に記載の方法。
【請求項81】
前記固体担体は、焼結、硬結、団塊化、焼成、乾燥/固体化、部分ガス化/炭化およびフレーク化を含む凝塊形成方法によって作成される、請求項64に記載の方法。
【請求項82】
前記固体担体は、顆粒、押し出し成形ペレット、織られたマット、フレークおよび/または成形俵である、請求項64に記載の方法。
【請求項83】
前記固体担体は、種子定着マルチを備える、請求項64に記載の方法。
【請求項84】
前記固体担体は、肥料を備える、請求項64に記載の方法。
【請求項85】
前記固体担体は、家畜糞尿のような病原性微生物をさらに備える、請求項64に記載の方法。
【請求項86】
前記固体担体は、硫酸アルミニウムおよび/または酸化カルシウムをさらに備える、請求項64に記載の方法。
【請求項87】
土壌にPAMを適用するために使用される固体担体であって、固体担体およびPAMを備えた固体担体。

【公開番号】特開2012−52129(P2012−52129A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−236424(P2011−236424)
【出願日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【分割の表示】特願2004−545390(P2004−545390)の分割
【原出願日】平成15年10月15日(2003.10.15)
【出願人】(505141428)エンキャップ,エルエルシー (2)
【Fターム(参考)】