説明

土質改良工事方法

【課題】土質改良工事の工事施工現場から離隔した場所で製造した固化材ミルクの固化材粒子が搬送中に沈殿して締め固まった圧密状態となることを抑制し得る固化材ミルクを用いた土質改良工事方法を提供する。
【解決手段】土質改良工事用レディーミクスト固化材ミルクを工事施工現場から離隔した場所で製造し、その固化材ミルクを工事施工現場に搬送して土質改良工事に供与する土質改良工事方法において、上記固化材ミルクにベントナイトを添加し、搬送中における固化材粒子の沈降締め固まりを抑制する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、土質改良工事方法に関し、詳しくは、固化材スラリー(以下、固化材ミルクと称する。)を土質改良工事の工事施工現場から離隔した場所で製造し、その固化材ミルクを工事施工現場に搬送して土質改良工事に供与する場合に、固化材粒子が搬送中に一部分離沈殿して締め固まった圧密状態となることを抑制し得る固化材ミルクを用いた土質改良工事方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、セメント系固化材及び/又は各種セメントなどのいわゆる「水硬性固化材」を使用する土質改良工事が知られている。
【0003】
このような土質改良工事は、例えば、土質改良すべき地盤中に連続する壁体又は杭体を形成したり、対象地盤の支持力を確保したり、土留壁の土圧に対する抵抗力改善としたり、不透水層を形成したりするなど、各種の目的に応じて土質改良の形状、強度及び透水係数等を選択し、土質改良すべき地盤中で、水硬性固化材と固化対象土とを攪拌して固める工事である。
【0004】
土質改良工事に使用する固化材ミルクは、現状では、土質改良工事の工事施工現場で製造している。
【0005】
本発明者らは、固化材ミルクを土質改良工事の工事施工現場から離隔した場所で製造し、その固化材ミルクを工事施工現場に搬送して土質改良工事に供与する技術を開発している(例えば、特許文献1参照。)。この技術では、固化材ミルクは、可使日数が最大14日まで延長できることを確認しており、交通渋滞下の長距離輸送を可能にするばかりでなく、工事施工当日に余った固化材ミルクを廃棄することなく、翌日以降も使用することが可能であり、また、工事施工現場に固化材ミルクを製造するためのプラントを搬入したり工事施工後にそのようなプラントを搬出する必要がないという画期的な効果を奏する。
【0006】
この場合に、生コンクリートの搬送と同様に、攪拌機能を有するアジテータ車や攪拌機付容器等を使用して、搬送中に攪拌作用を付与しながら固化材ミルクを搬送すれば、固化材粒子が搬送中に一部分離沈殿して締め固まった圧密状態とならないので問題がない。
【0007】
しかし、屋根がない平面な荷台を有するトラック(以下、このようなトラックを平車と称する。)の荷台に攪拌機能を有しないタンク又は液体搬送用コンテナ等の容器を載せた車両や攪拌機を有しないコンテナ車やタンク車等を使用して、搬送中に攪拌作用を付与することなく固化材ミルクを搬送すると、搬送時の振動の影響を受けて、固化材粒子が搬送中に容器、コンテナ、又はタンクの底面に沈殿して締め固まった圧密状態となり、固化材ミルクの均一性が著しく低下し、また、容器、コンテナ、又はタンクの底面から固化材ミルクをポンプによって抜き出すことが不可能になる等の不都合があった。
【0008】
尚、本発明者らは、土質改良工事に用いる固化材ミルクに関して、遅延剤(水硬性固化材に対して遅延効果を有する添加剤)及び遅延強化助剤に関する技術を開発している(例えば、特許文献2参照。)。この技術は、遅延強化助剤として、アルカリ金属の酸化物、水酸化物、亜硫酸塩、硫酸塩、ケイ酸塩;アルカリ土類金属の酸化物、水酸化物、硫酸塩、塩化物、炭酸塩;鉄の酸化物、水酸化物;亜鉛の酸化物、水酸化物;アルミニウムの酸化物、水酸化物、硫酸塩;アルミナセメント、及び耐火セメントが適切であることを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2009−221784号公報
【特許文献2】特開2004−43275号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記特許文献1に記載の技術の改良技術に関するものであって、本発明は、上記事情に鑑み、土質改良工事の工事施工現場から離隔した場所で製造した固化材ミルクの固化材粒子が搬送中に沈殿して締め固まった圧密状態となることを抑制し得る固化材ミルクを用いた土質改良工事方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成する本発明の土質改良工事方法は、土質改良工事用レディーミクスト固化材ミルクを工事施工現場から離隔した場所で製造し、その固化材ミルクを工事施工現場に搬送して土質改良工事に供与する土質改良工事方法において、上記固化材ミルクに遅延剤およびベントナイトを添加し、搬送中における固化材粒子の沈降締め固まりを抑制することを特徴とする。
【0012】
本発明の土質改良工事方法によれば、土質改良工事用のレディーミクスト固化材ミルクにベントナイトを添加することにより、搬送時の振動の影響を受けても、固化材粒子の沈降が抑制されるとともに、固化材粒子が沈殿して締め固まった圧密状態となることが抑制される。また、本発明の土質改良工事方法によれば、レディーミクスト固化材ミルクを均一な状態で保持することが可能になるので、このレディーミクスト固化材ミルクを使用した土質改良工事による土質改良は強度のバラツキが小さく、強度の発現性が事前に実施する配合試験結果と一致するという効果が大きい。
【0013】
上記遅延剤としては、粉状又は液状などの様態は限定されず、従来から知られている硬化遅延形の混和剤など、水硬性固化材に対して遅延効果を有する添加剤が含まれる。例えば、次の(ア)〜(カ)が含まれる。
【0014】
(ア)遅延性を有する市販のコンクリート用化学混和剤及びソイルセメント用分散剤、遅延剤
【0015】
(イ)オキシカルボン酸又は/及びその塩
オキシカルボン酸には、グルコン酸、グルコヘプトン酸、グリコール酸、ヒドロキシプロパン酸(例えば乳酸、3−ヒドロキシプロパン酸等)、ヒドロキシ酪酸(例えば2−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸等)、ヒドロキシ吉草酸(例えば2−ヒドロキシ吉草酸、3−ヒドロキシ吉草酸、4−ヒドロキシ吉草酸、5−ヒドロキシ吉草酸等)、グリセリン酸、酒石酸、クエン酸、タルトロン酸、リンゴ酸、シトラマル酸等が挙げられる。オキシカルボン酸塩としては、アンモニウム塩、アルカリ金属塩(例えばナトリウム塩、カリウム塩等)、アルカリ土類金属塩(例えばカルシウム塩、マグネシウム塩等)が挙げられる。オキシカルボン酸又はその塩の中でも好ましいものはグルコン酸ナトリウムおよび/またはグルコヘプトン酸ナトリウムである。
【0016】
(ウ)リグニンスルホン酸塩
リグニンスルホン酸塩は、天然パルプ原料中に通常50%〜60%程度含まれる天然高分子(分子量は数百から数百万に分布するといわれている)であり、その種類は、処理法の違いによって一般リグニンと高性能リグニンに分類されている。一般リグニンに分類されるリグニンスルホン酸塩は、亜硫酸パルプ製造時の蒸解溶出液を脱糖処理することによって得られるもので、平均分子量(Mw)は20,000以下(通常は10,000〜14,000程度)といわれている。また、高性能リグニンに分類されるリグニンスルホン酸塩は、上記蒸解溶出液あるいはその脱糖処理液を高分子フラクションと低分子フラクションに分画した中の高分子フラクション部分であり、平均分子量(Mw)は20,000以上(通常は24,000〜28,000程度)といわれており、これらリグニンスルホン酸塩は、製造方法の違いによって、Ca塩、Na塩、Mg塩に大別される。
【0017】
(エ)糖類及びその混合物
糖類にはグルコース、ガラクトース、マンノース、フルクトース、キシロース、アラビノース、リボース、デオキシリボース等の単糖類、及び、シュークロース、マルトース、ラクトース等の少糖類がある。また、その混合物、更には糖類残渣が挙げられる。
【0018】
(オ)糖アルコール類
糖アルコールにはエリスリトール、キシリトール、アラビトール、アドニトール、ソルビトール、マンニトール、イジトール、タリトール、ガラクチトール、アリトール等が挙げられる。
【0019】
(カ)糖アルコールと高級脂肪酸とのエステル化合物
糖アルコールと高級脂肪酸のエステル化合物は上記の多価アルコールと炭素数が6〜22程度のステアリン酸、オレイン酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ぺラルゴン酸、カプリン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルチミン酸、ヘプタデシル酸、ノナデカン酸、ベヘン酸、エライジン酸、エルシン酸等の高級脂肪酸とのエステル化合物が挙げられる。
【0020】
また、本発明の土質改良工事方法は、上記ベントナイトの添加量が、上記固化材ミルク中の固化材質量に対して0.5質量%〜5.0質量%であることが好ましい。
【0021】
レディーミクスト固化材ミルクの搬送時における加振時間を考慮すると、固化材粒子の沈降や締め固まりの抑制に有効な、レディーミクスト固化材ミルク中の固化材質量に対するベントナイトの添加量の下限は0.5質量%が好ましい。また、施工に適するレディーミクスト固化材ミルクの粘度や、ソイルセメントの一軸圧縮強度の発現性を考慮すると、レディーミクスト固化材ミルク中の固化材質量に対するベントナイトの添加量の上限は5.0質量%が好ましい。
【0022】
また、本発明の土質改良工事方法は、上記固化材ミルクに、さらに下記遅延強化助剤を添加することも好ましい形態である。
【0023】

アルカリ金属の酸化物、水酸化物、亜硫酸塩、硫酸塩、ケイ酸塩;アルカリ土類金属の酸化物、水酸化物、硫酸塩、塩化物、炭酸塩;鉄の酸化物、水酸化物;亜鉛の酸化物、水酸化物;アルミニウムの酸化物、水酸化物、硫酸塩;アルミナセメント、及び耐火セメント
上記遅延強化助剤のうちのアルミナセメント及び耐火セメントは、水硬性固化材がアルミナセメント、耐火セメントでない場合に遅延強化助剤として使用することができる。また、上記遅延強化助剤のうち、遅延性能及び強度発現性の面から最も実用的な点で特に好ましいのは、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の酸化物又は水酸化物の単独使用又は複合使用である。さらに詳しくは、遅延強化助剤として苛性ソーダ(NaOH)、消石灰(Ca(OH))又は生石灰(CaO)を用い、遅延剤としてオキシカルボン酸塩が望ましい。
【0024】
また、本発明の土質改良工事方法は、上記固化材ミルクの水・固化材比が60%〜200%であることが好ましい。
【0025】
施工に適するレディーミクスト固化材ミルクの粘度を考慮すると、水・固化材比の下限は60%が好ましい。また、ソイルセメントの一軸圧縮強度を考慮すると、水・固化材比の上限は200%が好ましい。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、土質改良工事の工事施工現場から離隔した場所で製造した固化材ミルクの固化材粒子が搬送中に沈殿して締め固まった圧密状態となることを抑制し得る固化材ミルクを用いた土質改良工事方法が提供される。また、工事施工現場に固化材ミルクを製造するためのプラントを搬入したり工事施工後にそのようなプラントを搬出する必要がない。尚、コンクリートにおけるレディーミクストコンクリート(生コンクリート)の可使日数は90分であるために色々な制約を受けるが、本発明に使用する固化材ミルクの可使日数は最大14日まで選択可能であることを確認しており、土質改良工事方法の改善に大きな効果となる技術である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】各種のセメント系固化材(いわゆるジオセメント、以下GCと称す)又は高炉セメントB種(以下BBと称す)などの水硬性固化材に対する、水・固化材比別の、ベントナイトの添加量とP漏斗流下時間との関係を示すグラフである。
【図2】GC又はBBなどの水硬性固化材に対する、水・固化材比を60%としたときの、ベントナイトの添加量別の、加振時間と締め固まり層の厚みの容積あたりの比率との関係を示すグラフである。
【図3】GCに対する、加振時間を4時間としたときの、水・固化材比別の、ベントナイトの添加量と締め固まり層の厚みの容積あたりの比率との関係を示すグラフである。
【図4】固化対象土(火山灰質粘性土)に対するGCの添加量を250kg/mとし、固化材ミルク中のGCの質量に対して250メッシュのベントナイトを固化材ミルクに1.5質量%添加したときの、水・固化材比と一軸圧縮強度との関係を示すグラフである。
【図5】固化対象土(火山灰質粘性土)に対する添加量が250kg/mのGCを水・固化材比が60%の固化材ミルクとして固化対象土に混合してなるソイルセメントにおける、固化材ミルクに対するベントナイトの添加量と、遅延剤、遅延強化助剤、およびベントナイトが無添加のものに対する一軸圧縮強度比との関係を示すグラフである。
【図6】固化対象土(火山灰質粘性土)に対する添加量が250kg/mのGCを水・固化材比が60%の固化材ミルクとして固化対象土に混合してなるソイルセメントにおける、固化材ミルクの可使日数(1日、3日、7日、及び14日)と、可使日数が0日(プレーン)の固化材ミルクに対する一軸圧縮強度比との関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本実施形態の土質改良工事方法は、土質改良工事用レディーミクスト固化材ミルク(以下、固化材ミルクと称する)を工事施工現場から離隔した場所で製造し、その固化材ミルクを工事施工現場に搬送して土質改良工事に供与する土質改良工事方法であって、この固化材ミルクにベントナイトを添加し、搬送中における固化材粒子の沈降締め固まりを抑制し得る固化材ミルクを用いたものである。そのため、ベントナイトを添加した固化材ミルクは、搬送中に攪拌機等を用いて攪拌作用を付与しないことが可能である。また、本実施形態におけるベントナイトの添加量は、固化材ミルク中の固化材質量に対して0.5質量%〜5.0質量%である。また、本実施形態における固化材ミルクの水・固化材比は、60%〜200%である。
【0029】
また、本実施形態では、ベントナイトを添加した固化材ミルクに、遅延剤及び遅延強化助剤を添加し、ベントナイトを添加した固化材ミルクの可使日数が2時間以上14日以下となるように調整する。遅延剤や遅延強化助剤の添加量は、固化材の種類、固化材ミルクの配合、土質改良工事の方式、施工現場への搬送時間、施工工事工程等に応じて所望の可使日数を定め、添加量を決定する。
【0030】
遅延剤としては、粉状又は液状などの様態は限定されず、従来から知られている硬化遅延形の混和剤など、水硬性固化材に対して遅延効果を有する添加剤が含まれる。例えば、遅延性を有する市販のコンクリート用化学混和剤及びソイルセメント用分散剤、遅延剤、オキシカルボン酸又は/及びその塩、リグニンスルホン酸塩、糖類及びその混合物、糖アルコール類、糖アルコールと高級脂肪酸とのエステル化合物などを用いることができる。
【0031】
また、遅延強化助剤としては、アルカリ金属の酸化物、水酸化物、亜硫酸塩、硫酸塩、ケイ酸塩;アルカリ土類金属の酸化物、水酸化物、硫酸塩、塩化物、炭酸塩;鉄の酸化物、水酸化物;亜鉛の酸化物、水酸化物;アルミニウムの酸化物、水酸化物、硫酸塩;アルミナセメント、及び耐火セメントを用いることができる。
【0032】
本実施形態の土質改良工事方法によれば、固化材ミルクにベントナイトを添加することにより、搬送時の振動の影響を受けても、固化材粒子の沈降が抑制されるとともに、固化材粒子が沈殿して締め固まった圧密状態となることが抑制される。また、本発明の土質改良工事方法によれば、固化材ミルクを均一な状態で保持することが可能になるので、この固化材ミルクを使用した土質改良工事による土質改良は強度のバラツキが小さく、強度の発現性が事前に実施する配合試験結果と一致するという効果が大きい。また、固化材ミルクを搬送するときに、攪拌機能を有するアジテータ車や攪拌機付容器等を使用する必要がなく、例えば低コストで汎用性のある平車の荷台に攪拌機能を有しないタンク又は液体搬送用コンテナ等の容器を載せた車両や攪拌機を有しないコンテナ車やタンク車などといった車両を使用することができる。
【0033】
以下、図面を参照して、本発明を開発するに至った試験研究による知見について説明する。
【0034】
図1は、各種のセメント系固化材(いわゆるジオセメント、以下GCと称す)又は高炉セメントB種(以下BBと称す)などの水硬性固化材に対する、水・固化材比別の、ベントナイトの添加量とP漏斗流下時間との関係を示すグラフである。このグラフの横軸はベントナイトの添加量(質量%)を示し、縦軸はP漏斗流下時間(秒)を示す。
【0035】
尚、ここでは、GCとしてUS52(商品名)を用いた。US52(商品名)は宇部三菱セメント(株)のセメント系固化材で、火山灰質粘性土、有機質土(腐植土)、超高含水のヘドロ等の土質改良に適する。例えば、密度3.06g/cm、比表面積4,240cm/gである。代表的な化学成分は、SiO:21.4%、Al:6.5%、Fe:1.7%、CaO:57.7%、MgO:2.5%、SO:7.6%である。
【0036】
また、ここでは、GC又はBBを水に混合し遅延剤および遅延強化助剤を添加してなる固化材ミルクの可使日数は3日、保存日数は1日である。
【0037】
「可使日数」とは、水硬性固化材および水を混合した時点から固化材ミルクとしての特性を失うことなく保存できる日数である。本実施形態では、この可使日数を、土質改良工事の工程その他の条件に応じて遅延剤及び遅延強化助剤の添加量を定めることによって調整している。例えば、固化材をGCとし、水・固化材比が60%の場合、本実施形態では、固化材ミルクの可使日数が3日を満足する遅延剤および遅延強化助剤の添加量は、遅延剤が0.45質量%、遅延強化助剤が1.80質量%である。また、例えば、固化材をGCとし、水・固化材比が100%の場合、本実施形態では、固化材ミルクの可使日数が3日を満足する遅延剤および遅延強化助剤の添加量は、遅延剤が0.40質量%、遅延強化助剤が1.60質量%である。
【0038】
また、「保存日数」とは、水硬性固化材および水を混合した時点から固化材ミルクを実際に固化対象土に混合させるまでの日数である。保存日数内では、土質改良工事の施工性と改良土の強度発現性が維持される必要がある。また、保存日数は、可使日数以内の必要がある。
【0039】
ここで、「P漏斗流下時間」とは、2005年制定の「コンクリート標準示方書」([規準編]土木学会規準および関連規準、土木学会、209頁)に準拠する「プレパックドコンクリートの注入モルタルの流動性試験方法(P漏斗による方法)(JSCE−F 521−1999)」により測定して得られる値であって、粘度を表す時間である。この試験方法は、具体的には、まず、上端内径178mm、下端内径13mm、漏斗部の高さ192mmで、内径13mm、長さ38mmの流出管を有する鋳アルミニウム製(またはステンレス製)の漏斗を台に鉛直に支持する。尚、この漏斗は、1725mlの試料を漏斗側壁に設置したポイントゲージで測定できるものとする。次に、試料のモルタルを漏斗内に注ぐ。流出口から適量のモルタルを流出させたのち、指で流出口を押え、モルタル面が漏斗側面に設置したポイントゲージの先端より上になるまで注ぐ。流出口を押えた指をゆるめて、モルタルを少しずつ流出させ、モルタル面をポイントゲージの先端と一致させる。次に、指を離してモルタルを流出させ、流出口からモルタル流が初めて途切れるまでの流下時間をストップウォッチで測定する。このようにして測定された流下時間が「P漏斗流下時間」である。尚、本実施形態では、上述したモルタルに換えて、GCを水に混合してなる固化材ミルクやBBを水に混合してなる固化材ミルクの流下時間をストップウォッチで測定してなるものを「P漏斗流下時間」と称する。
【0040】
固化材ミルクにベントナイトを添加すると固化材ミルクの粘度が上がり、流動性が低下することが知られている。従って、固化材ミルクの粘度が上がりすぎると施工性が悪くなる。土質改良工事の施工性を考慮した場合、一般に、P漏斗流下時間は15秒以下が好ましい。このことと、図1より、固化材をGCとし、250メッシュのベントナイトを使用すると、水・固化材比が60%の場合、固化材ミルク中のGCの質量に対するベントナイトの添加量は2.0質量%以下が好ましいことがわかる。また、固化材をGCとし、200メッシュのベントナイトを使用すると、水・固化材比が60%の場合、固化材ミルク中のGCの質量に対するベントナイトの添加量は5.0質量%以下が好ましいことがわかる。また、固化材をGCとし、水・固化材比が50%ではベントナイトを添加せずともP漏斗流下時間が15秒を超えるため、水・固化材比の下限は60%、すなわち、水・固化材比は60%以上が好ましいことがわかる。また、図1より、固化材をBBとしても同様な傾向であることがわかる。
【0041】
図2は、GC又はBBなどの水硬性固化材に対する、水・固化材比を60%としたときの、ベントナイトの添加量別の、加振時間と締め固まり層の厚みの容積あたりの比率との関係を示すグラフである。このグラフの横軸は加振時間(時間)を示し、縦軸は締め固まり層の厚みの容積あたりの比率(vol%)を示す。このグラフにおいてプロットが重なって表示されている箇所があるが、ベントナイトの添加量別のデータは、図2に示す加振時間(ここでは0時間、1時間、2時間、3時間、4時間、6時間、8時間)全てにおいて存在する。
【0042】
尚、ここでは、ベントナイトは250メッシュのものを用いた。また、ここでいう加振時間は、固化材ミルクをプラスチック製の70Lポリバケツ(上部の直径が447mm、下部の直径が353mm、高さが555mm)に60L程度入れて実際にトラックで公道を走行することによって加振した時間である。また、ここでは、GCとしてUS52(商品名)を用いた。また、GC又はBBを水に混合し遅延剤および遅延強化助剤を添加してなる固化材ミルクの可使日数は3日、保存日数は1日である。また、遅延剤および遅延強化助剤の添加量は、固化材ミルクの可使日数が3日を満足する量とした。
【0043】
図2より、固化材をGCとし、固化材ミルクの加振時間が1時間を超える条件では、固化材粒子の沈降や締め固まりの抑制に有効なベントナイト(250メッシュ)の添加量は、固化材ミルク中のGCの質量に対して0.5質量%以上であることがわかる。また、固化材をGCとし、固化材ミルクの加振時間が2時間を超える条件では、固化材粒子の沈降や締め固まりの抑制に有効なベントナイト(250メッシュ)の添加量は、固化材ミルク中のGCの質量に対して1.0質量%以上であり、この場合、8時間加振しても沈降・圧密は発生しないことがわかる。また、図2より、固化材をBBとしても同様な傾向であることがわかる。
【0044】
図3は、GCに対する、加振時間を4時間としたときの、水・固化材比別の、ベントナイトの添加量と締め固まり層の厚みの容積あたりの比率との関係を示すグラフである。このグラフの横軸はベントナイトの添加量(質量%)を示し、縦軸は締め固まり層の厚みの容積あたりの比率(vol%)を示す。
【0045】
尚、ここでは、GCとしてUS52(商品名)を用いた。また、GCを水に混合し遅延剤および遅延強化助剤を添加してなる固化材ミルクの可使日数は3日、保存日数は1日である。また、遅延剤および遅延強化助剤の添加量は、固化材ミルクの可使日数が3日を満足する量とした。
【0046】
図3より、加振時間を4時間としたときの、GCを水に混合し遅延剤および遅延強化助剤を添加してなる固化材ミルクに添加する、固化材粒子の沈降や締め固まりの抑制に有効なベントナイトの添加量は、250メッシュのベントナイトを使用する場合、固化材ミルク中のGCの質量に対して1.0質量%以上であり、200メッシュのベントナイトを使用する場合、固化材ミルク中のGCの質量に対して4.0質量%以上であることがわかる。
【0047】
図4は、固化対象土に対するGCの添加量を250kg/mとし、固化材ミルク中のGCの質量に対して250メッシュのベントナイトを固化材ミルクに1.5質量%添加したときの、水・固化材比と一軸圧縮強度との関係を示すグラフである。このグラフの横軸は水・固化材比(%)を示し、縦軸は一軸圧縮強度(N/mm)を示す。
【0048】
尚、ここで用いた固化対象土は火山灰質粘性土である。この火山灰質粘性土の湿潤密度は1.30g/cmであり、含水比は158.5%である。また、ここでは、GCとしてUS52(商品名)を用いた。また、GCを水に混合し遅延剤および遅延強化助剤を添加してなる固化材ミルクの可使日数は3日、保存日数は1日、一軸圧縮強度の試験材齢は28日である。「可使日数3日、保存日数1日、一軸圧縮強度の試験材齢28日」とは、「可使日数が3日となるように固化材ミルクに遅延剤及び遅延強化助剤を添加し、その翌日に固化対象土とその固化材ミルクを混合して一軸圧縮強度試験用の型枠に詰め、それから28日間保存した後に、強度試験を実施する」という意味である。
【0049】
ここで、「一軸圧縮強度」とは、「土の一軸圧縮試験方法(JIS A 1216−2009)」に準拠する試験方法により測定して得られる値である。
【0050】
図4より、GCを水に混合してなる、GCの質量に対して250メッシュのベントナイトが1.5質量%添加された固化材ミルクと、固化対象土である火山灰質粘性土との混合物(以下、この混合物をソイルセメントと称する)の一軸圧縮強度は、固化材ミルクの水・固化材比が200%を超えると強度低下が大きいことがわかる。すなわち、図4より、水・固化材比は200%以下が好ましい。
【0051】
図5は、固化対象土に対する添加量が250kg/mのGCを水・固化材比が60%の固化材ミルクとして固化対象土に混合してなるソイルセメントにおける、固化材ミルクに対するベントナイトの添加量と、遅延剤、遅延強化助剤、およびベントナイトが無添加のものに対する一軸圧縮強度比との関係を示すグラフである。このグラフの横軸は固化材ミルクに対するベントナイトの添加量(質量%)を示し、縦軸は遅延剤、遅延強化助剤、およびベントナイトが無添加のものに対する一軸圧縮強度比(%)を示す。
【0052】
尚、ここで用いた固化対象土は火山灰質粘性土である。この火山灰質粘性土の湿潤密度は1.30g/cmであり、含水比は158.5%である。また、ここでは、GCとしてUS52(商品名)を用いた。また、GCを水に混合し遅延剤および遅延強化助剤を添加してなる固化材ミルク、あるいはGCを水に混合し遅延強化助剤を添加することなく遅延剤を添加してなる固化材ミルクの可使日数は3日、保存日数は1日又は3日、一軸圧縮強度の試験材齢は28日である。また、遅延剤および遅延強化助剤の添加量、あるいは遅延剤の添加量は、固化材ミルクの可使日数が3日を満足する量とした。
【0053】
図5より、遅延剤および遅延強化助剤を添加した固化材ミルクを固化対象土に混合してなるソイルセメントの一軸圧縮強度は、遅延剤および遅延強化助剤が無添加の固化材ミルクを固化対象土に混合してなるソイルセメントの一軸圧縮強度に比して向上することがわかる。また、遅延剤、遅延強化助剤、および250メッシュのベントナイトを添加した固化材ミルクを固化対象土に混合してなるソイルセメントの一軸圧縮強度は、その固化材ミルクに対する250メッシュのベントナイトの添加量が3.0質量%を超えると強度低下が大きくなることがわかる。また、その固化材ミルクに対する250メッシュのベントナイトの添加量が5.0質量%を越えると、遅延剤、遅延強化助剤、およびベントナイトが無添加の固化材ミルクを固化対象土に混合してなるソイルセメントの一軸圧縮強度を下回ることがわかる。また、遅延剤、遅延強化助剤、および200メッシュのベントナイトを添加した固化材ミルクを固化対象土に混合してなるソイルセメントの一軸圧縮強度は、その固化材ミルクに対する200メッシュのベントナイトの添加量が5.0質量%を超えると強度低下が大きくなることがわかる。また、一軸圧縮強度比は保存日数が可使日数内で変化しても近似している。また、固化材ミルクに遅延剤を添加し、遅延強化助剤を無添加とした場合については、遅延剤に加えて遅延強化助剤を添加した場合よりも若干一軸圧縮強度比が低下するものの、強度の発現性として問題ない範囲である。以上の考察より、固化材ミルクに対するベントナイトの添加量の上限は、固化材ミルク中のGCの質量に対して5.0質量%が好ましい。
【0054】
図6は、固化対象土に対する添加量が250kg/mのGCを水・固化材比が60%の固化材ミルクとして固化対象土に混合してなるソイルセメントにおける、固化材ミルクの可使日数(1日、3日、7日、及び14日)と、可使日数が0日(プレーン)の固化材ミルクに対する一軸圧縮強度比との関係を示すグラフである。このグラフの横軸は固化材ミルクの可使日数(日)を示し、縦軸は可使日数が0日(プレーン)の固化材ミルクに対する一軸圧縮強度比(%)を示す。
【0055】
尚、ここで用いた固化対象土は火山灰質粘性土である。この火山灰質粘性土の湿潤密度は1.30g/cmであり、含水比は158.5%である。また、ここでは、GCとしてUS52(商品名)を用いた。また、GCを水に混合し遅延剤および遅延強化助剤を添加してなる固化材ミルクの保存日数は1日、一軸圧縮強度の試験材齢は28日である。また、遅延剤および遅延強化助剤の添加量は、固化材ミルクの可使日数が1日、3日、7日、及び14日を満足する量とした。また、「可使日数0日(プレーン)、一軸圧縮強度の試験材齢28日」とは、「固化材ミルク(遅延剤および遅延強化助剤が無添加)の作製直後に固化対象土とその固化材ミルクを混合して一軸圧縮強度試験用の型枠に詰め、それから28日間保存した後に、強度試験を実施する」という意味である。
【0056】
図6より、250メッシュのベントナイトを固化材ミルク中のGCの質量に対して1.5質量%添加した固化材ミルクを固化対象土に混合してなるソイルセメントの一軸圧縮強度は、固化材ミルクの可使日数0日〜14日の範囲全てにおいて、すなわち固化材ミルクに対する遅延剤および遅延強化助剤の添加量を変えても、ベントナイトが無添加の固化材ミルクを固化対象土に混合してなるソイルセメントの一軸圧縮強度よりも大きな値となることがわかる。また、図6より、200メッシュのベントナイトを固化材ミルク中のGCの質量に対して5.0質量%添加した固化材ミルクを固化対象土に混合してなるソイルセメントであっても同様な傾向を示すことがわかる。すなわち、可使日数が0日〜14日の範囲においては、可使日数が0日(プレーン)の固化材ミルクに対する、ベントナイトを添加した固化材ミルクを固化対象土に混合してなるソイルセメントの一軸圧縮強度比は100%以上であって、固化材ミルクにベントナイトを添加しても強度の発現性に悪影響を及ぼさないことがわかる。
【0057】
【表1】

【0058】
表1は、固化対象土に対する添加量が250kg/mのGCを水・固化材比が60%、100%、150%の固化材ミルクとして固化対象土に混合してなるソイルセメント、および固化対象土に対する添加量が250kg/mのBBを水・固化材比が60%の固化材ミルクとして固化対象土に混合してなるソイルセメントにおける、固化材ミルクの可使日数(1日、3日、7日、及び14日)と、可使日数が0日(プレーン)の各固化材ミルクに対する一軸圧縮強度比との関係を示す表である。
【0059】
尚、ここで用いた固化対象土は火山灰質粘性土である。この火山灰質粘性土の湿潤密度は1.30g/cmであり、含水比は158.5%である。また、ここでは、GCとしてUS52(商品名)を用いた。また、ここでは、各固化材ミルクには、250メッシュのベントナイトが、固化材ミルク中のGC又はBBの質量に対して1.5質量%添加されている。また、GC又はBBを水に混合し遅延剤および遅延強化助剤を添加してなる固化材ミルクの保存日数は1日又は3日、一軸圧縮強度の試験材齢は28日である。また、遅延剤および遅延強化助剤の添加量は、固化材ミルクの可使日数が1日、3日、7日、及び14日を満足する量とした。また、「可使日数0日(プレーン)、一軸圧縮強度の試験材齢28日」とは、「固化材ミルク(遅延剤および遅延強化助剤が無添加)の作製直後に固化対象土とその固化材ミルクを混合して一軸圧縮強度試験用の型枠に詰め、それから28日間保存した後に、強度試験を実施する」という意味である。
【0060】
表1より、250メッシュのベントナイトを固化材ミルク中のGCの質量に対して1.5質量%添加した固化材ミルクを固化対象土に混合してなるソイルセメントの一軸圧縮強度は、水・固化材比が60%〜150%の範囲で、固化材ミルクの可使日数1日〜14日の範囲全てにおいて、遅延剤および遅延強化助剤が無添加(すなわち可使日数が0日(プレーン))の固化材ミルクを固化対象土に混合してなるソイルセメントの一軸圧縮強度よりも大きな値となることがわかる。また固化材がBBであっても同様な傾向を示すことがわかる。すなわち、可使日数が1日〜14日の範囲においては、遅延剤および遅延強化助剤が無添加の固化材ミルクに対する、遅延剤および遅延強化助剤を添加した固化材ミルクを固化対象土に混合してなるソイルセメントの一軸圧縮強度比は100%よりも大きく、固化材ミルクに遅延剤および遅延強化助剤を添加しても強度の発現性に悪影響を及ぼさないことがわかる。
【0061】
以上説明したように、ベントナイトの添加量は、固化材ミルク中の固化材質量に対して0.5質量%〜5.0質量%が好ましい。より詳細には、固化材ミルクの加振時間を考慮すると、固化材粒子の沈降や締め固まりの抑制に有効な、固化材ミルク中の固化材質量に対するベントナイトの添加量の下限は0.5質量%が好ましく、より好ましくは1.0質量%である(図2,図3参照)。また、施工に適する固化材ミルクの粘度や、ソイルセメントの一軸圧縮強度の発現性を考慮すると、固化材ミルク中の固化材質量に対するベントナイトの添加量の上限は5.0質量%が好ましい(図1,図5参照)。
【0062】
また、固化材ミルクの水・固化材比は60%〜200%が好ましい。より詳細には、施工に適する固化材ミルクの粘度を考慮すると、水・固化材比の下限は60%が好ましい(図1参照)。また、ソイルセメントの一軸圧縮強度を考慮すると、水・固化材比の上限は200%が好ましい(図4参照)。
【0063】
尚、本発明は、水硬性固化材ミルクにベントナイトを添加することにより、搬送時の振動の影響を受けても、固化材粒子の沈降を抑制し、固化材粒子が圧密状態となることを抑制する技術であって、土質改良工事に適用することとしている。しかし、この技術は、土質改良工事以外にも必要に応じて用いることができる。例えば注入工事用やPCグラウト工事用の固化材(セメント)ミルクにも適用することができる。
【0064】
注入工事としては、例えば、コンクリートと地盤、コンクリートとコンクリート又はコンクリートと鉄部の隙間、また地盤中の石と石又は砂と砂の間隙等に、セメントミルクを注入する工事、舗装版のリフトアップ工法、トンネル工事の掘削の先行改良、シールド工法の裏込、ナトム工法のロックボルトの定着及び覆工のための充填・裏込等、ダム工事の岩盤割れ目や破砕帯・弱層部の補強・遮水及び堰堤基礎部のカーテングラウチング及び地すべり対策工事のグランドアンカー等、さらに、構造物、機械及び設備の基礎アンカーボルトの固定などがある。
【0065】
また、PCグラウト工事とは、プレストレストコンクリートのPC鋼材の周りをセメントミルクで被覆する工事である。
【0066】
このような注入工事やPCグラウト工事において、条件により、工事施工現場から離隔した場所で製造した固化材(セメント)ミルクを搬送する場合等が生ずることも考えられるが、そのような場合に、本発明の技術思想を効果的に利用することができる。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
土質改良工事用レディーミクスト固化材ミルクを工事施工現場から離隔した場所で製造し、該固化材ミルクを工事施工現場に搬送して土質改良工事に供与する土質改良工事方法において、前記固化材ミルクに遅延剤およびベントナイトを添加し、搬送中における固化材粒子の沈降締め固まりを抑制することを特徴とする土質改良工事方法。
【請求項2】
前記ベントナイトの添加量が、前記固化材ミルク中の固化材質量に対して0.5質量%〜5.0質量%であることを特徴とする請求項1記載の土質改良工事方法。
【請求項3】
前記固化材ミルクに、さらに下記遅延強化助剤を添加することを特徴とする請求項1または2記載の土質改良工事方法。

アルカリ金属の酸化物、水酸化物、亜硫酸塩、硫酸塩、ケイ酸塩;アルカリ土類金属の酸化物、水酸化物、硫酸塩、塩化物、炭酸塩;鉄の酸化物、水酸化物;亜鉛の酸化物、水酸化物;アルミニウムの酸化物、水酸化物、硫酸塩;アルミナセメント、及び耐火セメント
【請求項4】
前記固化材ミルクの水・固化材比が60%〜200%であることを特徴とする請求項1から3のうちのいずれか1項記載の土質改良工事方法。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2012−12783(P2012−12783A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−147712(P2010−147712)
【出願日】平成22年6月29日(2010.6.29)
【出願人】(500520031)三菱商事建材株式会社 (12)
【出願人】(000133881)株式会社テノックス (62)
【出願人】(502171792)株式会社フローリック (3)