圧力の揺らぎに鈍感な質量流量制御のための装置及び方法
【課題】圧力変動に対する感度を実質的に取り除いた質量流量コントローラを提供する。
【解決手段】質量流量コントローラは、圧力センサと組み合わされた熱質量流量センサを含んでおり、入力圧力における揺らぎに比較的敏感ではない質量流量コントローラを提供する。圧力センサと熱センサとは、それぞれが測定された入口流率とデッド・ボリュームの中の圧力とを示す信号を電子コントローラに提供する。電子コントローラは、測定された圧力を用いて測定された入口流率を補償して出口流率の補償された測度を生じ、これが質量流量コントローラの出口弁を動作させるのに用いられる。
【解決手段】質量流量コントローラは、圧力センサと組み合わされた熱質量流量センサを含んでおり、入力圧力における揺らぎに比較的敏感ではない質量流量コントローラを提供する。圧力センサと熱センサとは、それぞれが測定された入口流率とデッド・ボリュームの中の圧力とを示す信号を電子コントローラに提供する。電子コントローラは、測定された圧力を用いて測定された入口流率を補償して出口流率の補償された測度を生じ、これが質量流量コントローラの出口弁を動作させるのに用いられる。
【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
この特許出願と同じ被譲渡人に譲渡されており、この特許出願と同じ日に出願された「APPARATUS AND METHOD FOR CALIBRATION OF MASS FLOW CONTROLLER」という名称を有し、発明者がNicholas KottenstetteとJesse Ambrosinaである特許出願 (代理人のドケット
番号はMKS-107)と、「 APPARATUS AND METHOD FOR SELF-CALIBRATION OF MASS FLOW CONTROLLER」という名称を有し、発明者がNicholas KottenstetteとDonald SmithとJesse Ambrosinaである特許出願(代理人のドケット番号はMKS-108)と、「APPARATUS AND METHOD
FOR MASS FLOW CONTROLLER WITH NETWORK ACCESS TO DIAGNOSTICS」という名称を有し、発明者がNicholas KottenstetteとJesse Ambrosinaである特許出願(代理人のドケット番号はMKS-109)と、「APPARATUS AND METHOD FOR DISPLAYING MASS FLOW CONTROLLER PRESSURE」という名称を有し、発明者がNicholas KottenstetteとJesse Ambrosinaである特許出願(代理人のドケット番号はMKS-110)と、「APPARATUS AND METHOD FOR DUAL PROCESSOR MASS FLOW CONTROLLER」という名称を有し、発明者がNicholas KottenstetteとJesse Ambrosinaである特許出願(代理人のドケット番号はMKS-111)と、「APPARATUS AND METHOD FOR MASS FLOW CONTROLLER WITH EMBEDDED WEB SERVER」という名称を有し、発明者はNicholas KottenstetteとJesse Ambrosinaである特許出願(代理人のドケット番号はMKS-112)と、「APPARATUS AND METHOD FOR MASS FLOW CONTROLLER WITH ON-LINE DIAGNOSTICS」という名称を有し、発明者がNicholas KottenstetteとJesse Ambrosinaである特許出
願(代理人のドケット番号はMKS-113)と、「APPARATUS AND METHOD FOR MASS FLOW CONTROLLER WITH A PLURALITY OF CLOSED LOOP CONTROL CODE SETS」という名称を有し、発明者がNicholas KottenstetteとJesse Ambrosinaである特許出願(代理人のドケット番号はMKS-114)とは、それぞれの全体を、この出願において援用する。
【技術分野】
【0002】
本発明は、質量流量の感知及び制御システムに関する。
【背景技術】
【0003】
毛細管熱質量流量センサは、管の壁部から層状の管を流れる流体への熱伝導は、流体の質量流率と、流体温度と壁部の温度との差と、流体の比熱との関数であるという事実を利用している。質量流量コントローラは、様々な質量流量センサの構成を用いる。例えば、あるタイプの構成では、センサの管と熱伝導的に接触している1つの、そしてより典型的には2以上の抵抗要素を有するステンレス鋼の流量センサの管を含む。抵抗要素は、典型的には、高い温度抵抗係数を有する材料で構成される。それぞれの要素は、ヒータ、検出器又はその両者として作用することが出きる。要素の1又は複数は、電流を用いて付勢され、管を通過する流体の質量流率は、要素における温度差から導くことができる。流体の質量流率は、また、ヒータを流れる電流を変動させて一定の温度プロファイルを維持することによっても導かれる。
【0004】
そのような熱質量流量センサは、質量流量コントローラの一部として、付属させることができ、流体は、毛細管(ここでは、センサ管とも称される)にコントローラの本線のチャネルから供給される。センサ管の入口及び出口が付属されている本線のチャネルの部分は、フロー・センサの「バイパス」と称されることが多い。多くの応用例で、複数の質量流量コントローラが用いられ、供給ラインを介しての流体の供給が規制され、複数の供給ラインは、本線の流体供給ラインから「分線されている」。コントローラの中の1つへのフローが突然変化すると、本線の供給ラインから分かれている他のコントローラの1又は複数のへの入口において、圧力の揺らぎが生じる。そのような圧力の揺らぎは、影響を受ける質量流量コントローラの入口と出口における流率の間に差異を生じさせる。熱質量流
量センサは、質量流量コントローラの入口におけるフローを測定するが、コントローラからの出口フローがプロセス制御にとっては重要なパラメータであるから、そのような入口と出口とのフローの食い違いにより、深刻なプロセス制御エラーが生じることがありうる。
【0005】
半導体処理の応用例では、プロセス・ツールは、複数のチャンバを含んでおり、それぞれのチャンバはそれ自体の中への構成気体のフローを制御する複数の質量流量コントローラを有している。質量流量コントローラは、それぞれが、典型的には、2週間ごとに再較正される。この再較正プロセスは、2001年12月25日にYelverton他に与えられた
米国特許第6,332,348号に記載されている。この米国特許は、この出願において援用する。そのような「インサイチュ」な較正の際には、従来型の方法では、技術者が、質量流量メータを質量流量コントローラのそれぞれと線で接続し、気体を質量流量メータと質量流量コントローラとを介して流し、質量流量コントローラの読取値を質量流量メータの読取値と比較して、必要に応じて較正定数を調整することが必要となる。そのような面倒な動作には、非常に長い時間を要するし、人的な費用と、質量流量コントローラが共に動作するプロセス・ツールが入手できないこととにより、費用も多く要する。
【0006】
圧力変動に対する感度を実質的に取り除いた質量流量センサが、従って、非常に望まれている。質量流量コントローラのための便利な較正方法及び装置も、非常に望まれている。質量流量コントローラへのより柔軟なアクセスもまた、非常に望まれている。質量流量コントローラの制御性能を向上させる装置及び方法もまた、非常に望まれている。
【発明の開示】
【0007】
ある実施例では、本発明の原理による質量流量コントローラは、入力圧力の揺らぎに対して比較的鈍感な質量流量コントローラを提供するような熱質量流量センサと圧力センサとの組合せを含む。この新たなコントローラは、比較的安価であり、すなわち、1対の高価で正確な圧力センサは必要としないし、総ステンレスで濡れた表面を有する微分センサも必要としない。しかし、この新たなコントローラは、広範囲の流体圧力にわたる流体フローを制御することができる。この新たな質量流量コントローラは、熱質量流量センサと、圧力センサと、電子コントローラとを含む。熱質量流量センサは、コントローラの入口フローを測定するように構成されている。圧力センサは、フロー・センサのバイパスと出口制御弁との間のチャネルにおける体積の中の圧力を感知する。この体積は、この出願では、「デッド・ボリューム」と称される、圧力センサと熱質量流量センサとは、それぞれが、測定された入口流率とデッド・ボリュームの中の圧力とを示す信号をコントローラに提供する。温度センサは、デッド・ボリュームの中の流体の温度を感知するのに用いられる。ある実施例では、温度センサは、コントローラの壁部の温度を、デッド・ボリュームの中の流体の温度の近似値として感知する。デッド・ボリュームの体積は、例えば、製造又は較正プロセスの間に決定され、電子コントローラによって用いられるために、記憶されるか、又は、ダウンロードされる。
【0008】
コントローラは、デッド・ボリュームの中の測定された圧力を用いて、入口流率の数値を補償して、測定された圧力と測定された入口流率との関数として、出口流率の補償された測度を生じる。出口流率のこの補償された測度は、質量流量コントローラの制御弁を動作させるのに用いられる。圧力センサ出力をある時間周期にわたって読み取ることによって、電子コントローラは、デッド・ボリュームの中の圧力の時間変化率を決定する。デッド・ボリュームと、デッド・ボリュームの中の流体の温度と、熱質量流量センサによって感知された入口流率とが与えられると、電子コントローラは、質量流量コントローラの出口における流体の流率を、これらの変数の関数として計算する。電子コントローラは、閉ループ制御システムにおけるこの計算された出口流体流率を用いて、質量流量コントローラの出口制御弁の開放を制御する。ある実施例では、圧力センサによって感知された圧力
は、ローカルに(すなわち、圧力センサにおいて)及び/又は遠隔的に(例えば、制御パネルにおいて、又は、ネットワーク・インターフェースを介して)表示される。
【0009】
本発明の原理の別の側面によると、可変フロー流体源と、既知の体積のレセプタクル(=容器)と、圧力微分器とを用いて、質量流量コントローラを較正することができる。可変フロー流体源は、気体を、較正されている質量流量コントローラに可変速度で供給し、既知の体積のレセプタクルに比例的な速度で供給する。圧力微分器は、既知の体積のレセプタクルの中への気体フローの時間導関数を計算し、それから、レセプタクルの中への実際のフローを計算する。実際のフローが与えられると、質量流量コントローラの中への比例的なフローが決定され、質量流量コントローラからのフロー信号が、実際のフロート相関される。ある実施例では、質量流量コントローラは、出口弁を閉鎖して、既知の体積(デッド・ボリューム)のレセプタクルを形成する。デッド・ボリュームの中に位置する圧力センサは、デッド・ボリュームの中の圧力を表す信号を生じる。出口弁が閉鎖されると、デッド・ボリュームの中へのフローは指数関数的に減少し、他方で、圧力は、デッド・ボリュームの中の圧力が質量流量コントローラへの入口における圧力と等しくなるまで、上昇する。質量流量コントローラの電子コントローラは、複数の時刻における圧力の時間導関数を計算する。デッド・ボリューム/レセプタクルの体積と、デッド・ボリュームの中の圧力の時間導関数と、気体の温度とが与えられると、コントローラは、これらのサンプル時刻における流率を計算する。電子コントローラは、また、そのようにして計算された流率を、質量流量コントローラの熱質量流量センサが生じるフロー読取値と相関させて、質量流量コントローラを較正する。この動作は、外部の質量流量メータやそれ以外の較正装置を必要としないという点で、自己完結的である。様々な技術や機構を用いて、フローがデッド・ボリュームの中へ継続する時間周期を拡張することができ、それによって、より多数の相関又は較正点の計算が可能になる。例えば、出口弁は、較正プロセスの開始時において閉鎖される前に完全に解放することができ、さもないと、例えば、フローを制限する手段が、気体フロー経路の中の様々な位置に挿入される。
【0010】
本発明の原理の別の側面によると、質量流量コントローラは、技術者などのオペレータがネットワークを介して診断を行うことを可能にするインターフェースを含む。そのような診断は、「能動(アクティブ)」、「受動」、「オンライン」、「オフライン」、「手動」又は「自動」であり、若しくは、以上の様々な組合せでありうる。「アクティブ」な診断とは、オペレータが、モニタ信号に加えて、又は、モニタ信号の代わりに、駆動信号を変更することが可能な診断を意味する。駆動信号の使用を可能にすることによって、技術者は、テスト点の設定を変更することができ、よって、例えば、抵抗を流れる電流を変化させることができる。技術者は、例えば、電流センサからの対応する信号をモニタする。あるいは、技術者は、フローの設定点を設定して所望の態様で弁駆動信号を調整することに関して質量流量コントローラの電子コントローラに依拠するのではなくて、弁アクチュエータへの駆動信号を直接的に変更することを選択することができる。そのような変更はフロー制御誤差を潜在的に生じさせるので、そのような制御へのアクセスは、例えば、ネットワーク・レベルでのパスワード及びそれ以外のセキュリティ手段の使用によって、制限されている。「受動」診断という用語は、例えば、モニタリング機能を含む診断を意味する。「オンライン」診断という用語は、例えば、リアルタイムであり質量流量コントローラのプロセス制御動作と同時に動作する診断を意味する。「オフライン」診断という用語は、リアルタイムではあるが、質量流量コントローラのプロセス制御動作の間は動作していない診断を意味する。「自動」診断という用語は、それぞれが能動であるか受動でありうる複数の診断ステップを含む診断を意味する。「手動」診断という用語は、ステップごとにオペレータの入力に応答的な診断を意味する。
【0011】
本発明の原理の別の側面による質量流量コントローラは、技術者などのオペレータが、例えばワークステーションやラップトップ・コンピュータやパーソナル・デジタル・アシ
スタントなどのウェブ閲覧可能なデバイスからインターネットなどの相互接続ネットワークを介して質量流量コントローラと対話(相互作用)することを可能にするウェブ・サーバを含む。この質量流量コントローラのウェブ・サーバは、例えば、製造業者の部品番号と、仕様と、設置位置と、性能情報とを提供するウェブ・ページを含む。更に、診断は、相互接続ネットワークを介して、ウェブ閲覧可能なデバイスから行われる。
【0012】
本発明の原理の更に別の側面によると、質量流量コントローラは、質量流量コントローラの中の圧力を表示する圧力ディスプレイを含む。このディスプレイは、ローカル、すなわち、質量流量コントローラと直接に接触しておりこの質量流量コントローラによってサポートされる場合か、又は、例えば、気体ボックス制御パネルにおけるように遠隔的である場合がある。ある実施例では、圧力センサは、質量流量コントローラのデッド・ボリュームの中の圧力を測定するように配置されており、それが、表示される圧力である。
【0013】
本発明の原理の更に別の側面によるデュアル・プロセッサ型の質量流量コントローラは、質量流量コントローラの制御業務を実行する決定プロセッサと、ユーザ・インターフェースを提供するようなタスクを処理する非決定プロセッサとを含む。ある実施例では、決定プロセッサは、デジタル信号プロセッサ(DSP)である。
【0014】
本発明の原理の更に別の原理によると、複数の実行可能なコード・セットが、質量流量コントローラの電子コントローラによってアップロードされる。ある実施例では、デュアル・プロセッサ型のフロー・コントローラの非決定プロセッサが、決定プロセッサのための複数の実行可能なコード・セットをアップロードし、このコード・セットの中で選択を行い決定プロセッサが実行するようにする。非決定プロセッサによるそのような選択は、ある形式のカスタマイゼーションを可能にする。
【0015】
この開示の以上のような及びそれ以外の効果は、添付の図面に図解されている好適実施例に関する以下の詳細な説明を読むことにより、この技術分野の当業者には明らかになるであろう。図解の便宜上、図の中の要素は、寸法通りに描かれてはいない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の原理のある側面による質量流量センサは、熱質量流量センサを用いて、質量流量コントローラのような流体フロー・デバイスの入口への流体のフロー(流量)を感知してその測度を提供する。ある実施例では、この質量流量センサは、圧力センサを用いて、熱質量流量センサによって提供される入口フローの測度を補償して、関連する質量流量コントローラの出口における流体のフローをより正確に反映するインジケータを提供する。本発明の原理による質量流量センサを利用してその使用を含むシステム100が、図1の図解的なブロック図に示されている。
【0017】
複数の質量流量コントローラMFC1、MFC2、・・・、MFCnは、本線の気体供給ライン102、103から気体を受け取る。質量流量コントローラMFC1、MFC2、・・・、MFCnは、それぞれが、入口供給ライン104、106、・・・、109を介して、本線の気体供給ライン102、103に接続され、出口供給ライン110、112、・・・、115を介して、チャンバC1、C2、・・・、Cnに接続されている。この実施例では、「チャンバ」という用語は、広い意味で用いられており、チャンバは、それぞれ、限定列挙ではないが、半導体コンポーネントの製造に関係する反応を含む様々な応用例の任意のものとして用いられている。一般に、チャンバのユーザは、チャンバC1、C2、・・・、Cnのそれぞれに供給されるそれぞれの気体の量を知ってそれを制御することに関心がある。それぞれのチャンバC1、C2、・・・、Cnは、また、別のタイプの気体の供給のために1又は複数の追加的な入口ラインを含む。チャンバからの出力フローは、リサイクル又は処分のためのライン(図示せず)を介して経路決定がなされる。
【0018】
質量流量コントローラMFC1、MFC2、・・・、MFCnは、質量流量センサMFS1、MFS2、・・・、MFSnと、電子コントローラEC1、EC2、・・・、ECnと、出口制御弁OCV1、OCV2、・・・、OCVnとを含む。質量流量センサの少なくとも1つは、そして、説明を容易にするために、すべてが、本発明の原理による補償型の質量流量センサであると想定する。それぞれの質量流量センサは、質量流量コントローラの中に流れ込む気体の質量を感知して、感知された値を示す信号を、対応する電子コントローラに提供する。電子コントローラは、質量流量センサによって提供された感知された値によって示される質量流量の指示値を、設定点と比較し、設定点と質量流量センサによって提供された感知された値との差をそれがどのような差であっても最小化するように出口制御弁を操作する。典型的には、設定点は、質量流量コントローラにおいて手動で入力することが可能であり、又は、質量流量コントローラにダウンロードされることもありうる。設定点は、人間であるオペレータの介入により、又は、自動的な制御システムによって、正当化されるように、調整することができる。入口供給ライン104、106、・・・、109は、ゲージが異なっており、及び/又は、質量流量コントローラへの様々な流率の中のどのようなものでの処理することができる。本発明の原理の1つの側面によって、電子コントローラEC1などの単一の電子コントローラを、複数の質量流量センサと出口制御弁との組合せにリンクさせて、その組合せを動作させることができる。すなわち、例えば、図解されている電子コントローラEC2ないしECnの中の任意の数だけを取り外して、対応する質量流量センサと出口制御弁とを電子コントローラEC1にリンクさせて動作させることが可能である。
【0019】
例えば設定点の変化に起因するいずれかの質量流量コントローラへの流率の急激な変化は、それ以外の質量流量コントローラの中の1又は複数の入口における急激な圧力変化として反映される。急激な変化が流率の高い質量流量コントローラにおいて生じる場合には、このような望ましくない副作用は、流率が比較的低い質量流量コントローラにおいて、より明白に生じる。この実施例の質量流量センサは質量流量コントローラへの入口において質量流量コントローラへのフローを感知するように置かれている熱質量流量センサであるから、この熱質量流量センサによって感知された質量流量は、コントローラの出口におけるフローを正確に反映していない可能性がある。この短所を補償するために、本発明の原理の1つの側面による質量流量センサは、質量流量コントローラの入口と出口との間の体積の中の圧力の指示値を提供するように配置された圧力センサを含む。ある実施例では、圧力センサは、熱質量流量センサのバイパスと出口制御弁との間の「デッド・ボリューム」の中に配置されている。電子コントローラは、圧力センサによって提供された圧力の指示値を用いて、熱質量流量センサによって提供される質量流量の測度を補償する。その結果である、補償済みの質量流量指示値は、質量流量コントローラの出口におけるフローをより正確に反映し、結果的に、この指示値が質量流量コントローラによってその出口制御弁の動作のために効果的に用いられる。感知された圧力を表示するためのディスプレイが含まれることがある。このディスプレイは、質量流量コントローラに付属してそれによってサポートされることもあるし、あるいは、例えば、データ・リンクを介して質量流量コントローラに接続された気体ボックス制御パネルの位置で遠隔的である場合もある。
【0020】
半導体処理の応用例では、プロセス・ツールは、複数のチャンバを含んでおり、それぞれのチャンバはそれ自体の中への構成気体のフローを制御する複数の質量流量コントローラを有している。質量流量コントローラは、それぞれが、典型的には、2週間ごとに再較正される。この再較正プロセスは、2001年12月25日にYelverton他に与えられた
米国特許第6,332,348号に記載されている。この米国特許は、この出願において援用する。そのような「インサイチュ」な較正の際には、従来型の方法では、技術者が、質量流量メータを質量流量コントローラのそれぞれと線で接続し、気体を質量流量メータと質量流量コントローラとを介して流し、質量流量コントローラの読取値を質量流量メー
タの読取値と比較して、必要に応じて較正定数を調整することが必要となる。そのような面倒な動作には、非常に長い時間を要するし、人的な費用と、質量流量コントローラが共に動作するプロセス・ツールが入手できないこととにより、費用も多く要する。図7に関係する議論において詳述される実施例では、本発明の原理による質量流量コントローラは、そのような面倒で高コストの業務を実質的に排除する自己較正機構を含んでいる。
【0021】
図2の断面図は、本発明の原理の1つの側面による質量流量センサ202を用いる質量流量コントローラ200の図解を提供している。質量流量センサ202は、熱質量流量センサ204と、圧力センサ206と、温度センサ208と、電子コントローラ210とを含む。層流要素212は、熱質量流量センサ204の毛細管の両端での圧力降下を確立するが、これについては、図3に関する議論においてより詳細に説明される。動作では、入口214を通過して質量流量コントローラ200に導かれる流体は、層流要素212を含むバイパス・チャネル216を通って進む。比較的少量の流体が、熱質量流量センサ204を通って迂回され、層流要素212の下流のバイパス・チャネル216の中に再侵入する。電子コントローラ210は、信号を制御弁アクチュエータ218に提供することにより、出口制御弁220を、制御された流体の質量流量を出口222に提供するように、動作させる。圧力センサ206は、層流要素212と出口制御弁220との間のバイパス・チャネル216の中の体積の中の圧力を感知する。この体積は、この出願で、「デッド・ボリューム216a」と称される。図5に関する議論において後で詳細に説明されるように、電子コントローラ210は、デッド・ボリューム216aの中でセンサ206によって感知された圧力を用いて、熱質量流量センサ204によって感知された入口流率を補償する。この補償された入口流率の数値は、制御の究極的なターゲットである出口における流率をより正確に反映している。特に、本発明の原理の1つの側面による質量流量センサは、既知の体積216aの中の圧力の時間変化率を用いて圧力の過渡状態の間の質量流量の正確な測度を提供するセンサと、圧力駆動された質量流量測定値を用いて「訂正される」熱質量流量センサとの組合せである。温度センサ208は、デッド・ボリュームの中の流体の温度を感知する。ある実施例では、温度センサ208は、コントローラの壁部の温度を、デッド・ボリューム216aの中の流体の温度の近似値として、感知する。
【0022】
デッド・ボリュームの体積216aは、例えば製造又は較正プロセスの間に決定され、電子コントローラ210によって用いられるために記憶又はダウンロードされる。圧力センサ出力206からシーケンシャルな読取値を取得してそのデータに対して作用することによって、電子コントローラ210は、デッド・ボリューム216の中の圧力の時間変化率を決定する。デッド・ボリュームと、デッド・ボリュームの中の流体の温度と、熱質量流量センサ204によって感知された入口における流率と、デッド・ボリュームの中の圧力の時間変化率とが与えられると、電子コントローラ210は、質量流量コントローラ200の出力222における流体の流率を近似する。先に述べたように、この近似は、熱質量流量センサ204によって生じた質量流率の数値の補償と見ることもできる。電子コントローラ210は、閉ループ制御システムにおいてこの計算された出力流体流率を用いて、質量流量コントローラの出口制御弁220の開放を制御する。ある実施例では、圧力センサ206によって感知された圧力の値は、ローカルに(すなわち、圧力センサにおいて)及び/又は遠隔的に(例えば、制御パネルにおいて、又は、ネットワーク・インターフェースを介して)表示することができる。図7に関する議論において後述される自己較正型のプロセスでは、電子コントローラ210は、流率が質量流量コントローラにおいて変動するときには圧力信号の時間導関数を計算することによって、質量流量コントローラの中への実際の流率を導く。この実際の流率は、質量流量コントローラを構成するのに用いることができる。
【0023】
図3の断面図は、熱質量流量センサ204のより詳細な図を提供しているが、このセンサは、圧力センサと共に用いられて、補償された質量流量指示値、すなわち、デジタル的
な実装においては、複数ビットのデジタル値を生じる。この複数ビットのデジタル値は、補償されていない質量流量センサが特に質量流量コントローラの入口ラインにおける圧力過渡状態の間に与えるであろう値よりも、質量流量コントローラの出口における実際の質量流量により近い近似値を提供する。熱質量流量センサ204は、層流要素212を含んでおり、この層流要素は、バイパス・チャネル216の中にあり、熱質量流量センサ204に対してバイパス・チャネル216の両端での圧力降下を提供して、熱質量流量センサ204のセンサ毛細管320を通過する気体の一部を駆動する。質量流量センサ202は、コントローラ200を通過する気体の流率を感知して、それに従って、制御弁220の動作を制御する。熱質量流量センサ・アセンブリ204は、バイパス・チャネル216の境界を形成する質量流量コントローラ200の壁部322に付属されている。壁部322における入力324及び出力326のアパーチャは、熱質量流量コントローラを通過して移動する気体に対して、熱質量流量センサ・アセンブリ204へのアクセスを提供し、これは、典型的にはバイパス・チャネルを画定する入力と出力との間の通路の部分である。この実施例では、質量流量センサ・アセンブリ204は、壁部322への付属のためのベースプレート328を含む。ベースプレート328は、壁部と、センサ・アセンブリの残りの部分とに、例えば、ねじ切りされた穴とそれと係合するボルトとの組合せを用いて付属される。センサ管320の入力330及び出力332との脚部は、ベースプレート328の入力334及び出力336のそれぞれのアパーチャと、質量流量コントローラの壁部322のアパーチャ324及び326とを通過して伸長している。
【0024】
質量流量センサ・アセンブリは、好ましくは、上部338と下部340の部分を含み、これらは、結合されると、センサ管320のアクティブ領域(すなわち、センサ管と熱接触関係にある抵抗要素の両端によって定義される領域)の両端を実質的に同じ温度に維持する熱クランプ341を形成する。この熱クランプは、また、センサ管320のアクティブ領域の周囲にチャンバ342を形成する。すなわち、チャンバ342の中の質量流量センサ管の部分は、それぞれがヒータ、検出器又はその両者として機能する2以上の抵抗要素344、346と熱的に連絡している。これらの要素の1又は複数は、電流によって付勢され、流体が管320の中を流れる際に熱をその流体に与える。熱クランプ341は、典型的には、センサ管の熱伝導率と比較するとそれよりも高い熱伝導率によって特徴付けられる材料から製造されるのであるが、抵抗要素344の僅かに下流側のセンサ管の部分と、抵抗要素344の僅かに上流のセンサ管の部分との両方と熱伝導率のよい接触関係を有する。従って、熱クランプは、抵抗要素344及び346とセンサ管320とを包囲して保護している。更に、熱クランプ341は、接触しているセンサ管の部分を、周囲温度又はそれに近い温度に、熱的に「固定」する。温度差に起因するほんの僅かなエラーでも除去するために、センサ管は、熱クランプの内部に移動され、2つのコイルの抵抗の間のどのような差も、センサ管を通過する流体フローに起因するのであって、環境からコイルに対して加えられる温度勾配に起因するのではないことが保障される。
【0025】
この実施例では、抵抗要素344及び346は、それぞれが、センサ管320の対応する部分の周囲に巻かれる熱感知性の抵抗導体を含む。抵抗要素は、それぞれが、センサ管320の動作部分によって画定される軸に沿ったセンサ管320の対応する部分に沿って伸長している。下流側の抵抗要素346は、抵抗要素344の下流に配置されている。これらの要素は、相互に接しているか、又は、製造上の便利のために小さなギャップによって分離されており、管の中央において電気的に接続されているのが好ましい。それぞれの抵抗要素344、346は、その温度の関数として変動する電気抵抗を与える。それぞれの抵抗要素の温度は、その抵抗要素を流れる電流とセンサ管320の中の質量流率との関数として変動する。このようにして、抵抗要素は、それぞれが、ヒータ及びセンサの両方として動作する。すなわち、これらの要素は、その要素を流れる電流の関数として熱を発生するヒータとして動作し、同時に、その要素の温度がその電気抵抗の関数として測定されることを可能にするセンサとしても動作する。熱質量流量セットアップ204は、典型
的にはホイートストーン・ブリッジ構成を有する様々な電子回路の任意のものを用いて、エネルギを抵抗要素346及び344に与えて、温度に左右されるその要素における抵抗値の変化を測定し、よって、センサ管320を通過する流体の質量流率を測定する。この目的に用いられる回路は、例えば、Hinkle他に与えられた米国特許第5,461,913号とSuzukiに与えられた米国特許第5,410,912号とに開示されている。これらの米国特許は、その全体をこの出願において援用する。
【0026】
動作においては、流体は、入口214から出口222に流れ、流体の一部は、抵抗性の層流要素212を通過して流れる。流体の残りの及び比例的な部分は、センサ管320を通過して流れる。回路(図示せず)により、電流が抵抗要素344及び346を流れ、それによって、抵抗要素344及び346は、熱を発生してそれをセンサ管320に与え、よって、センサ管320を通過して流れる流体に与える。上流側の抵抗要素346は、熱を、下流側の抵抗要素344によって包囲されるセンサ管320の部分に流体が到達する前に、流体に伝達するので、流体は、下流側の抵抗要素344からよりも、上流側の抵抗要素346から、より多くの熱を伝導する。2つの抵抗要素から伝導により奪われる熱量の差は、センサ管の中の流体の質量流率に比例し、拡張により、入力ポート214から出力ポート222まで質量流率コントローラ200を通過する全体の質量流率に比例する。
【0027】
図4の概念ブロック図は、本発明の原理による質量流量センサで用いられうるような電子コントローラ400のアーキテクチャを図解している。この実施例では、コントローラ400は、センサ402とアクチュエータ404とのインターフェースを含む。センサ・インターフェース402の間では、流量(フロー)センサ・インターフェース408が、質量流量センサと共に動作して、質量流率のデジタル表現を、関連する質量流量コントローラの中に生じる。コントローラ400は、圧力センサ・インターフェース410や温度センサ・インターフェース411などの様々なそれ以外のセンサ・インターフェースを含みうる。1又は複数のアクチュエータ・ドライバ412がコントローラ400によって用いられて、例えば、関連する質量流量コントローラの出力制御弁の開放を制御する。このアクチュエータは、例えば、電流駆動式のソレノイドや電圧駆動式の圧電アクチュエータなど、任意のタイプのアクチュエータでありうる。
【0028】
コントローラ400は、質量流量コントローラと共に動作して、質量流率のデジタル表現を、関連する質量流量コントローラの中に生じる。図3に関係する議論の中で論じられたような熱質量流量コントローラを用いて、質量流量測定値を生じることもある。コントローラ400は、圧力センサ・インターフェース410を用いて、関連する質量流量コントローラの中の流体の圧力をモニタすることがある。ある実施例では、図2の圧力センサ206のような圧力センサが、質量流量コントローラの中の圧力の測度を提供する。より特定すると、この実施例では、センサが、質量流量コントローラのデッド・ボリュームの内部の圧力を測定する。ある実施例では、このように測定された質量流量コントローラの圧力が、例えば圧力センサ206やコントローラ・ハウジングで、又は、それ以外の位置で表示される。
【0029】
コントローラ400は、この圧力測定値をデジタル形式に変換し、それを、解析又はそれ以外の機能において用いることができる。例えば、質量流量コントローラが熱質量流量センサを用いる場合には、コントローラ400は、質量流量コントローラの圧力測定値を用いて、入口圧力の過渡状態を補償することができる。例えば質量流量コントローラの壁部に付着された温度センサからの温度読取値を取得するのに温度センサ・インターフェースを用いることができるが、それぞれの質量流量コントローラのために別個の温度センサが必要になることはない。例えば、図1に関する議論でより詳細に論じたように、多数の質量流量コントローラとワークステーションなどコントローラにすべてリンクされているそれ以外のデバイスとを含む半導体処理ツールと共に、質量流量コントローラが用いられ
ることが多い。この処理ツールは、比較的安定した温度を特徴とする注意深く制御された環境の中で動作される。質量流量コントローラの中の流体の温度はエンクロージャの壁部の温度とほぼ等しく、エンクロージャの壁部はそのツールが内部に配置されている部屋の温度とほぼ等しいので、例えばそのツールを制御するワークステーションからの温度測定値は、質量流量コントローラの中の気体温度の十分に正確な推定値を提供しうる。その結果、それぞれの質量流量コントローラにおいて別個の温度センサを用いることに加えて、又は、その代わりに、温度を、質量流量コントローラと同じ環境の中の別のセンサ、例えば、ワークステーションに配置されたものから、取得することが可能である。
【0030】
コントローラ400は、例えば、キーパッド、キーボード、マウス、トラックボール、ジョイスティック、ボタン、タッチスクリーン、デュアル・インライン・パッケージ(DIP)又はサムホイール・スイッチなどの1又は複数の入力装置と共に用いられ、質量流量コントローラを操作する技術者などのユーザからの入力を受け取るローカルなユーザ・インターフェース416を含む。ローカルなユーザ・インターフェース416は、また、ディスプレイなどの1又は複数の装置を駆動するのに適した1又は複数の出力を含むが、これは、質量流量コントローラからユーザに情報を通信するのに用いられる、例えば、キャラクタ、英数字又はグラフィック表示などのインジケータ・ライト又はオーディオ出力装置である。通信インターフェース416により、質量流量コントローラは、1又は複数の他の装置と、及び/又は、複数の質量流量コントローラを用いるツールを制御するワークステーションなどのローカルなコントローラと、及び/又は、例えば集積回路の製造のための他の装置などと、通信することが可能となる。
【0031】
この実施例では、通信インターフェース414は、デバイスネット(DeviceNet)イン
ターフェースを含む。デバイスネットは、既知であり、2002年2月5日にTinsley他
に与えられた米国特許第6,343,617号において論じられている。この米国特許は、この出願において援用する。コントローラ400は、また、例えば、較正データ、質量流量コントローラのID又は質量流量コントローラを動作させるコードを記憶するのに用いられる電気的に消去可能なプログラマブルなリード・オンリ・メモリ(EEPROM)の形式を有するストレージ418を含む。ランダム・アクセス・メモリ(RAM)など様々なそれ以外の形式のストレージを用いることもできる。ストレージ(記憶装置)は、多くの形式をとることが可能であり、そして、例えば、一部がコントローラの「チップ」(集積回路)の上に物理的に配置された状態で、他の部分がオフチップに配置された状態で、与えることもできる。コントローラ400は、データ・プロセッサ420を用い、このデータ・プロセッサ420は、例えば、汎用のマイクロプロセッサでは算術論理装置(ALU)の形式をとり、データを減少させている。例えば、データ・プロセッサ420は、センサ入力において受け取られた読取値を平均化し、センサ読取値が1又は複数のスレショルド値を超えた回数を判断し、センサ読取値がスレショルド値の範囲内に留まっている時間を記録し、又は、他の形式のデータ・ロギングを実行する。
【0032】
熱質量流量センサ204を用いる質量流量コントローラ200への入口供給ラインにおける圧力の過渡状態は、誤差を含む質量流量読取値を生じさせる。誤差を含む質量流量読取値は、質量流量コントローラの出口弁の不適切な制御を生じさせ、これは、この質量流量コントローラの制御の下で気体を用いて処理されている物に損傷を与える、又は、破壊してしまう可能性がある。質量流量のデジタル表現は、1又は複数のデータ値の形式を有し、質量流量センサの入口ラインにおける圧力の過渡状態に起因する揺らぎを生じさせる。ある実施例では、コントローラ400は、圧力センサ・インターフェース410において得られたデータを用いて、質量流量センサの入口ライン214における圧力過渡状態によって熱質量流量センサ204において生じる揺らぎを補償する。この実施例では、コントローラ400は、温度インターフェース411を介して温度情報を取得する。コントローラ400は、対応するインターフェースから取得された温度、圧力及び質量流量読取値
を用いて、熱質量流量センサだけからの読取値が提供する場合よりも質量流量センサの出口における質量流量をより正確に反映する補償された質量流量読取値を生じる。コントローラ400は、また、フロー・センサ・インターフェース、圧力センサ・インターフェース及び温度インターフェース408、410及び411それぞれを介して、必要に応じ、センサへの制御を提供する。
【0033】
コントローラ400は、弁アクチュエータ・インターフェース404を含み、このインターフェース404を用いて図2の弁220などの弁を位置を制御することにより、閉ループ制御プロセスにおいて、質量流量コントローラ200などの質量流量コントローラを通過する流体の流率を制御する。弁アクチュエータは、例えば、ソレノイド駆動式のアクチュエータや圧電アクチュエータである。コントローラ400は、十分な速度をもって様々なセンサ出力を読み取り、必要に応じて質量流量コントローラの出口制御弁200を補償し調整して、所定の流率を生じさせるように動作する能力を有していなければならない。流率は、それがある意味で「望まれている」という意味で、予め決められている。しかし、静的な設定でなければならないという意味では、それは、予め決められているわけではない。すなわち、所定の流率は、ダイアル設定などの機械的手段を用いてオペレータによって設定することができ、又は、例えばワークステーションなどの別のコントローラからダウンロードすることができ、更新することができる。
【0034】
ある実施例では、コントローラ400は、圧力インターフェース410からの読取値を用いて、質量流量コントローラ200への入口214における質量流量を感知する熱質量流量センサ204から、質量流量インターフェース408において取得されるフロー測定値を補償する。補償されたフロー測定値は、質量流量コントローラ200の出口222におけるフローをより正確に表している。この出口フローは、質量流量コントローラ200によって直接に制御されているフローであり、典型的には、エンドユーザにとって関心のあるフローである。本発明の原理によって圧力補償されたフロー測定値は、質量流量センサの出口フロー読取値の精度を向上させ、それによって、質量流量コントローラが流体のフローをより正確に制御することを可能にする。すなわち、平衡状態では、質量流量コントローラの入口における質量流量は、同じ質量流量コントローラの出口における質量流量に等しいのであるが、入口又は出口の圧力が過渡状態にある間は、流率が、ときには著しく異なる。結果的に、その入口フローを用いてその出口フローを制御する閉ループ制御を提供する質量流量コントローラは、実質的な制御エラーを犯している可能性がある。
【0035】
図3に関係する議論において述べられているような熱質量流量センサのセンサ毛細管320における定常状態の質量流量は、次の方程式によって記述される。
Qc=(dC2/32μ)(Pi/PR)(Pi−P)/LC
ただし、
dC=毛細管の内径;
LC=毛細管の長さ;
ρi=入口における気体の密度;
ρR=標準温度及び圧力における気体の密度;
μ=気体の粘度;
Pi=質量流量コントローラの入口における圧力
Po=質量流量コントローラの出口における圧力;
P=質量流量コントローラのデッド・ボリュームにおける圧力である。
【0036】
質量流量コントローラを通過する全体のフローは、分離率(スプリット・レイシオ)α≡QBP/Qcを介して、センサ毛細管320を通過する全体のフローと関連している。ただし、ここで、QBPは、バイパス・チャネル216を通過するフローであり、Qcは毛細管320を通過するフローである。質量流量コントローラの入口214における全体
のフローQiは、Qi=QBP+Qc=(1+α)Qcである。
【0037】
フローがバイパスと毛細管との両方で層状であり続ける場合には、分離率は、一定であり続ける。入口の圧力が時間と共に変動するときには、入口圧力の過渡状態の性質とデッド・ボリュームの加圧とが、入口におけるフローを支配する。デッド・ボリュームの中の熱理学的な事象が、デッド・ボリュームの周囲に部分的なレセプタクルを形成するエンクロージャの温度に等しい一定温度で生じると仮定すると、デッド・ボリュームの中での質量保存は、Qo=Qi−(TRV/TWPR)(dP/dt)で記述される。
ただし、
PR=標準温度及び圧力での圧力(760Torr);
TR=標準温度及び圧力での温度(273K);
TW=壁部の温度(質量流量コントローラの壁部の温度);
V=デッド・ボリュームの体積;
Qi=質量流量コントローラへの入口フロー;
Qo=質量流量コントローラからの出口フローである。
【0038】
本発明の原理による質量流量センサは、方程式(2)の関係を用いて、熱質量流量センサの質量流量信号を補償することにより、圧力過渡状態の間の質量流量読取値の誤差を実質的に減少させる。
【0039】
図5の流れ図は、本発明の原理によって熱質量流量センサの読取値を穂処す得るプロセスを示している。このプロセスは、ステップ500で開始し、そこからステップ502に進み、図4のコントローラコンテンツ取得サーバ400などの質量流量センサのコントローラが、質量流量読取値を取得する。この読取値は、例えば、図4のインターフェース408などのフロー・インターフェースを介して熱質量流量センサから得られる。このフロー測定値は、質量流量コントローラの入口における質量流率を反映しており、上述したように、質量流量コントローラの出口における質量流率は適切に表していない。質量流量コントローラの出口における質量流率は、一般に、制御アプリケーションにおいて用いられる関心対象の比率である。結果的に、本発明の原理による質量流量コントローラは、質量流量コントローラへの入口流率は質量流量コントローラからの出口流率と等しいと想定することに内在する不正確さを補償する。ステップ502からは、プロセスは、ステップ504に進み、このステップでは、センサ・コントローラ400は、バイパス・チャネルの中のフローの温度を取得する。この温度は、図4のインターフェース412などの温度インターフェースを介して取得することができるか、又は、補償された質量流量センサにダウンロードすることもできる。補償プロセスは、気体温度は質量流量コントローラのエンクロージャの温度と等しいことを、安全に想定することができる。更に、ほとんどの応用例で、温度は、長時間にわたって比較的安定なままであり、それによって、記憶された温度値を必要に応じて更新を行いながら用いることができる。
【0040】
ステップ504で気体温度を取得した後で、プロセスは、ステップ506に進み、そこでは、センサ・コントローラが、デッド・ボリュームの体積を取得する。この値は、例えば、製造の間に記憶されている。ステップ506から、プロセスは、ステップ508に進み、そこでは、デッド・ボリュームの中の圧力が、ある時間周期にわたって取得される。測定値の数と、測定がなされる時間は、質量流量コントローラの入口における過渡状態の速度及び継続時間に依存する。ステップ510では、プロセッサは、ステップ508で得られた圧力測定値を用いて、デッド・ボリュームの中の圧力の時間変化率を計算する。デッド・ボリュームの中の圧力の時間変化率を計算した後では、プロセスは、ステップ512に進み、そこでは、補償された出口フロー値が、方程式(2)に従って、計算される。計算プロセスでは、単純化を行うことができる。例えば、デッド・ボリュームの体積、標準温度及び標準圧力は、すべて、入口フロー測定値とデッド・ボリュームの中の圧力の時
間変化率と共に用いて補償された出口フローの近似値を計算するために単一の定数に合成することができる。この単純化により、次の形式の方程式(3)が生じる。
Qo=Qi−C1(V/T)(dP/dt)
ただし、
Qo=補償された感知された出口流率;
Qi=感知された入口流率;
C1=温度及び圧力を標準温度及び圧力と関連付ける正規化定数;
V=センサ・バイパスと出口フロー制御弁との間の体積
T=この体積の中の流体の温度;
dP/dt=体積の中の圧力の時間変化率である。
【0041】
上述したように、体積Vは、定数C1の中に組み入れることができる。ステップ512から、プロセスは、ステップ514に進み、そこで、フロー・センサのコントローラが、圧力、温度及びフロー読取値を取得して、説明されるように、補償された出口フローの推定値を計算する。プロセスは、ステップ514からステップ516に進み、質量流量センサが停止されると、終了する。
【0042】
図4のブロック図に戻ると、この実施例では、コントローラ400は、例えば技術者などのオペレータが質量流量コントローラを初期化するだけではなく質量流量コントローラに対して診断テストを行うことを可能にする診断インターフェース422を含む。更に、インターフェース422によって、オペレータが、ワークステーションなどであってそうでない場合に質量流量コントローラを正常に制御するローカルなシステム・コントローラからの入力を必要としないように、診断を実行することが可能になる。そのような診断は、ローカルなシステム・コントローラに透過的であり、このローカルなシステム・コントローラは、実行されている診断について知らない場合もあり、結果的に、その動作を不変なままに継続することもできる。診断インターフェースは、質量流量コントローラのセンサ測定値と、制御出力と、質量流量コントローラの診断入力及び出力とへのアクセスを提供する。これらの様々な入力及び出力は、ほとんど僅かな遅延だけで、診断インターフェースを介して実行され測定される。図9の議論に関する説明で詳述されるデュアル・プロセッサの実施例では、決定プロセッサが、例えば、センサ又はテスト点からの出力を修正し、及び/又は、入力をモニタする。オンラインでの診断の間は、コントローラは、そのプロセス制御機能の実行を妨げられずに継続し、他方で、同時に、コントローラは、技術者とのリアルタイムでの相互作用(すなわち、人間であるオペレータには遅延が知覚できないような相互作用)を、ローカルに又は通信接続を介して、提供する。
【0043】
診断インターフェース422を用いて、オペレータは、質量流量コントローラの動作を判断するのに用いられる設定点などの制御値を調整することができる。更に、オペレータは、センサ出力値を修正して、特定されたセンサ読取値に対する質量流量コントローラの応答をテストすることができる。すなわち、オペレータは、質量流量コントローラが出口弁を通過する気体のフローを制御するのに用いるセンサ読取値を修正することによって、診断目的のためにコントローラを動作させることができる。オペレータは、制御に関して記憶されている情報(デュアル・プロセッサの実施例では決定コントローラによって記憶される)だけでなく、すべてのセンサ及びテスト点入力とを読み取り、すべてのセンサ値を読み取り、テスト点値を読み取り、所望の設定点などの制御情報を読み取ることができる。更に、オペレータは、出力及びテスト点を制御するように書き込み、センサ読取値又は設定点情報などの記憶されている値に上書きして、診断ポートを介してコントローラを完全にテストすることができる。
【0044】
ある実施例では、本発明の原理による質量流量コントローラは、ウェブ・サーバを含む。そのようなウェブ・サーバは、例えば、診断インターフェースの中に含まれる。この実
施例では、診断インターフェースは、図6のブロック図に図解されているようなシステムにおいて質量流量コントローラが用いられることを可能にするウェブ・サーバを含む。このシステムでは、技術者などのユーザは、ウェブ・ブラウザ(例えば、ネットスケープ又はエクスプローラ)を動作させて質量流量コントローラ604の中に埋め込まれたサーバ602と通信するパーソナル・コンピュータ、パーソナル・デジタル・アシスタント又はセルラ電話などのウェブ閲覧可能なデバイス600を用いる。サーバ602は、ユーザに本発明の原理による質量流量コントローラ604へのインターフェースを提供するウェブ・ページを含む。図13Aから13Eまでに関係する議論は、本発明の原理による質量流量コントローラの例示的な実施例に埋め込まれたウェブ・サーバ能力に関する更なる詳細を提供している。
【0045】
質量流量センサは、典型的には、その製造プロセスの間に較正される。質量流量センサは、通常、質量流量コントローラの中に一体化されているので、この議論は、質量流量コントローラに関するものであるが、ここで論じられる方法及び装置は、「スタンドアロン」の質量流量センサにも同様に適用することができる。較正プロセスのためには、技術者は、気体を既知の流率で質量流量コントローラに供給し、質量流量センサのフロー信号をその既知の流率と相関させることが要求される。例えば、フローに対応する電圧出力を提供する質量流量センサの場合には、技術者は、センサから出力された電圧を実際の流率の中にマップする。このプロセスは、複数のフローについて反復され、電圧/フローという相関の組が生じる。例えば、4ボルトの出力は40標準立方センチメートル/分(sccm)のフローを示し、5ボルトの出力は50sccmのフローを示す、などである。
【0046】
較正点の間に収まる流率は、例えば、線形又は多項式補間法を用いて補間することができる。このプロセスは、複数の気体について反復されることがありうる。様々な気体に関する質量流量センサからの信号(例えば電圧)を流率に関連付ける相関テーブルは、このようにして作成され、記憶される。このようなテーブルは、「現場で」用いるために、質量流量コントローラにダウンロードすることができるし、又は、質量流量コントローラの内部に記憶することもできる。多くの場合、技術者は、N2などの比較的無害な気体を用いて質量流量コントローラを較正し、他の気体のフローを較正気体に相関させるのに用いられる較正係数を提供する。これらの較正係数は、既知の気体が質量流量コントローラを通過して「流れ」て見かけのフローから実際のフローを計算するときに、現場で用いられる。すなわち、見かけのフローはN2に相関されたフローであり、アルシン・ガスが質量流量コントローラを通過して送られる場合には、質量流量コントローラは、見かけのフローとアルシン・ガスの較正係数とを乗算して、実際のフローを得る。更に、いったん現場に出ると、質量流量コントローラは、「ドリフト」、方向、フローが制御されている気体の含水率に対応するために、又は、それ以外のファクタを保障するために、規則的に再較正がなされる。この出願で援用する2001年12月25日にYelverton他に与えられた
米国特許第6,332,348号は、これらのファクタと、これらの現場での較正を実行するのに必要な大変なプロセスとについて、詳細に論じている。
【0047】
本発明の原理による較正方法及び装置は、図7の概念ブロック図に関する議論において説明される。この較正システム及び方法は、製造の際に用いられるか、又は、ある実施例では、自己較正型の質量流量コントローラの中に組み入れられることもある。質量流量コントローラ700は、質量流量センサ702と、質量流量センサ702からフロー信号を受け取る電子コントローラ704とを含む。較正器706は、可変フロー気体源708と、所定の体積のレセプタクル710と、圧力微分器712とを含む。注意すべきであるが、異なる機能ブロックを分離している線は、いくぶん流動的であるということである。すなわち、異なる実施例では、ある1つのブロックと関連する機能は、1又は複数のブロックに組み込まれることがある。例えば、ある実施例では、圧力微分器712は、電子コントローラ704の中でコードを実行することのよって、全部又は一部が実現される。可変
フロー気体源708は、所定の体積のレセプタクルと質量流量センサとの両方に比例的な比率で気体を提供する。質量流量センサ702への流率は、所定の体積のレセプタクル710への流率と等しいことがありうる。すなわち、例えば、比例定数は1であることがありうる。質量流量センサ702は、それ自体が感知するフローを指示する質量流量信号を生じるように構成され、この実施例では、この信号は、電子コントローラ704に送られる。圧力微分器712は、可変フロー気体源708から所定の体積のレセプタクル710間でのフローに相関された信号を、次の方程式4の関係に従って、生じる。
Qo=Qi−C1(V/T)(dP/dt)
ただし、
Qo=標準立方センチメートル/分を単位とする出口フロー;
Qi=標準立方センチメートル/分を単位とする入口フロー;
C1=温度及び圧力を標準温度及び圧力と関連付ける正規化定数;
V=リットルを単位とするレセプタクルの所定の体積;
T=レセプタクルの中の流体のケルビン温度;
dP/dt=Torr/秒を単位とするレセプタクルの中の圧力の時間変化率である。
【0048】
ある実施例では、レセプタクルは閉鎖されており、気体は、レセプタクルの中の圧力が可変フロー源708によって供給される気体の圧力と等しくなるまで、レセプタクルの中に流れ込む。このような実施例では、可変フロー源は、一定圧力の気体源であり、レセプタクルの中の圧力が上昇するにつれて、指数関数的に減少する流率で気体を供給することになる。そのような場合には、出口(アウトレット)フローQo=0であり、入口フローQiは、次の数式(5)で与えられる。
Qi=C1(V/T)(dP/dt)
圧力微分器712は、レセプタクル710の中の圧力の時間導関数を計算し、正規化定数C1と、所定の体積Vと、レセプタクルの中の気体温度とが与えられると、この圧力微分器(及び/又は、電子コントローラ704)は、レセプタクル710の中への実際のフロー(流量)を決定することができる。レセプタクルの中のフローは熱質量流量センサ702の中へのフローに比例するから、熱質量流量センサ702の中への実際のフローは、レセプタクルの中への実際のフローと比例定数(例えば、これらのフローが等しい場合には、否定例数は1である)とを乗算することによって、決定されうる。次に、例えば電子コントローラ704によって、質量流量センサからの信号は、上述したようにして決定される実際のフローと相関付けられる。この相関は、質量流量センサからの1又は複数の信号レベルを、実際のフローと関連させる。圧力微分器712は、例えば、圧力信号の時間導関数を計算するアナログ微分回路を含む。この部分回路の出力信号である、レセプタクルの中の圧力の時間導関数dP/dtを表す信号は、アナログ・デジタル・コンバータ(図示せず)によってサンプリングされ、例えばマイクロプロセッサ、DSPチップ又はデュアル・プロセッサを含む電子コントローラ704が、時間導関数信号に作用することを可能にする。あるいは、圧力微分器712は、圧力信号を、電子コントローラ704による処理のためにデジタル形式に変換することもありうる。電子コントローラ704は、圧力信号の時間導関数を計算する。そのような実施例では、電子コントローラは、微分器のコードと共に、微分器として動作する。このコントローラは、対応する時間間隔によって分割される少なくとも2つの圧力差を用いて、導関数を計算する。気体は、レセプタクルと質量流量センサとに並列的に供給されるか、又は、直列的に供給される。これについては、自己較正質量流量コントローラに関する後述する議論において、より詳細に説明される。
【0049】
動作においては、質量流量コントローラは、複数の気体を用いて、テーブルに記憶されている相関値(センサ出力の実際のフローへのマッピング)を用いて、上述したように較正されうる。ある気体のフロー測定値を別の気体へ関係付ける較正係数を生じさせて記憶することができる。このテーブル及び/又は係数は、現場にある質量流量コントローラに
ダウンロードすることができ、気体のフローを制御する際にそのコントローラが用いることができる。線形又は多項式補間などの様々な既知の補間法を、較正テーブル及び/又は係数と共に用いることができる。更に、そのようにして記憶されている較正テーブル及び/又は係数は、本発明の原理による自己較正型の質量流量コントローラにおいて、デフォルト値として用いることができる。本発明の原理による自己較正型の質量流量コントローラは、較正器706と質量流量センサ702とを含み、上述したようにして質量流量コントローラを較正するのに用いることができる。しかし、自己較正型の質量流量コントローラの場合には、較正は、手動による設定と同じように容易に、インサイチュ、すなわち現場で、実行することが可能である。
【0050】
例えば、図1のシステム100におけるように、いったん半導体処理ツールに現場でインストールされると、質量流量コントローラは、半導体処理の間の用いられる気体を用いてそれ自体で較正をすることができる。処理において用いられる気体を用いることによって、質量流量コントローラはより正確なフロー測定値を提供することができるのであるが、その理由は、質量流量コントローラが、例えば含水率などの変更を自動的に行うことができるからである。更に、従来型の気体とまったく同じくらい容易に、新たな処理用気体を用いることができるのであるが、その理由は、この自己較正型の質量流量コントローラは、N2などの標準的な別の気体との関係においてではなく、それ自体が較正することが可能であるからである(すなわち、質量流量信号レベルを、圧力微分器によって決定される実際のフロー・レベルと相関させる)。質量流量コントローラはそれが用いられるであろう方向に較正されるので、製造の間に較正された位置との関係で現場における質量流量コントローラの再方向付け似起因する不都合は、実質的に排除される。図1のシステム100などシステムの中のすべての質量流量コントローラが、自動的かつ同時に、僅かな時間の間に較正されうる。これは、従来型の質量流量コントローラに用いられている面倒で容易でないプロセスとは対照的である。従来のプロセスでは、1人の技術者が、複数の質量流量メータを用いて、1つの質量流量コントローラから別の質量流量コントローラへと飛び回りながら、個別的に較正作業を行っているのである。後で図8について論じる際により詳細にわたって説明されるのであるが、熱質量流量センサと圧力トランスデューサとを含む質量流量コントローラは、そのデッド・ボリュームの中への変動する気体フローを生じさせるためには、その出口弁を閉じる。圧力の時間導関数を計算することによって、デッド・ボリューム・レセプタクルの中への実際のフローを決定することができる。質量流量コントローラによるフローの実際値の熱質量流量センサ信号への相関は、質量流量コントローラの較正として作用する。
【0051】
図8は、本発明の原理による自己較正型の質量流量コントローラ800の概念ブロック図である。この例示的な直列フローの実施例では、気体は、熱センサ802を通って所定の体積のレセプタクル804の中に流れ、そして、出口弁806を通過する。出口フローQoは、通常、集積回路処理ツールの中のチャンバなどのチャンバの中への制御されたフローである。この実施例では図7に関する議論において説明されたように実際のフローを取得するのに必要とされる微分を行うコードを実行する電子コントローラ808は、熱センサ802、圧力センサ805及び出口弁806と通信関係を有する。ある例示的なプロセスでは、電子コントローラ808は、出口弁806と共に動作して、可変フローの気体供給を形成する。すなわち、この電子コントローラは、出口弁を閉鎖することによって、フローを指数関数的に減少させる。デッド・ボリュームの中の圧力は上昇し、電子コントローラは、この信号を複数回微分して実際のフロー読取値を取得し、比較的広範囲のフローにわたって質量流量センサの信号値に相関させる。更に、フローが変動する時間周期を拡大させ、広い範囲で熱質量流量信号値との相関に用いる実際のフロー値を取得するために、電子コントローラは、閉鎖する前に出口弁を完全に解放された位置まで開放する。
【0052】
このようなプロセスに関連する圧力及びフローの概要は、図9に概念的に図解されてい
る。開始時刻t0では、質量流量コントローラへの入口における気体圧力Pinとレセプタクル804の下流における圧力PRとの圧力差により、気体は、質量流量コントローラを通過して速度Qinで流れることを強いられる。この例では、入口圧力Pinと、レセプタクルの中での圧力PRと、質量流量コントローラの入口を通過するフローQinとは、一定である。時刻tSOで、コントローラは、出口弁を閉鎖し、それによって、出口フローQOをゼロまで減少させる。レセプタクルと入口との間に圧力差が存在する限りは、気体は、レセプタクルの中に流れ続ける。レセプタクルの中の圧力PRが入口圧力Pinと等しくなる平衡状態に向かって指数関数的に上昇するにつれて、入口フローQinは減少する。レセプタクルの中の圧力変化の導関数を計算することによって(本発明の実施例との関係では、やはり、「デッド・ボリューム」と称される)、電子コントローラは、上述したように、レセプタクルの中への実際のフローを決定することができる。
【0053】
電子コントローラは、熱質量流量センサから生じる複数の同時的な読取値を相関させることにより、質量流量センサを較正することができる。すなわち、このプロセスがいったんある特定の気体について完了すると、熱質量流量センサからのフロー読取値を、実際の流率に相関させることができる。この結果は、電子コントローラ808によって、閉ループ制御システムにおける弁806の開放を制御して、選択されたフロー・ダウンストリームを生じさせるのに用いられうる。コントローラが弁を閉鎖するときからフローが検出不可能になる時までの時間周期tSOを増大させる、すなわち、行なうことができる圧力測定の回数を増加させ精度を向上させるためには、コントローラは、時刻tSOにおいて閉鎖する前に、弁を開放することができる。更に、熱質量流量センサへの入口とレセプタクル804への入口との間のフロー経路に、1又は複数のフロー制限手段が配置されることもある。
【0054】
図10の概念ブロック図は、本発明の原理による質量流量センサにおいて用いることができる電子コントローラ100のデュアル・プロセッサ型の実施例のアーキテクチャを図解している。この実施例では、コントローラは、2つのプロセッサ1002、1004を含む。一方のプロセッサ1002は「リアルタイム」のプロセスの専用であり、他方のプロセッサ1004は非リアルタイムのプロセスの専用である。ここで、「リアルタイム」とは、限定された応答時間の間に特定レベルのサービスを要求するプロセスを意味する。この意味で、そのようなプロセスは決定的であり、プロセッサ1002は、ここで、決定プロセッサと称することにする。デュアル・プロセッサ型アーキテクチャの目的は、割り込みの数を減らして、予測可能な態様で非同期イベント応答を管理することである。非決定プロセッサ1004は、ユーザからの入力への応答などのイベント駆動型の割り込みを処理することである。決定プロセッサ1002は、フレーム駆動型の、すなわち、規則的に時間管理がなされている割り込みだけを処理する。ある実施例では、非決定プロセッサは、数学や通信用のコプロセッサなど特定用途向けのコプロセッサではなくて、ユーザ・インターフェースなどの様々なタスクやそれ以外のいろいろなタスクに適した汎用プロセッサ1004である。特に、テキサス・インスツルメント社から入手可能なTMS320VC5471を、この原理に従ったデュアル・プロセッサ型の実施例で用いることができる。このTMS320VC5471は、http://www-s.ti.com/sc/ds/tms320vc5471.pdfにおいて入手可能なデータ・マニュアルに説明されている。これは、本出願において援用する。
【0055】
プロセッサ・インターフェース1006は、プロセッサ間の通信を提供する。決定プロセッサ1002は、センサ及びアクチュエータ・インターフェースを含む。センサ・インターフェースの中では、フロー・センサ・インターフェース1005が、質量流量センサと共に動作して、関連する質量流量コントローラにおける質量流率のデジタル表現を生じる。1又は複数のアクチュエータ・インターフェース1010が、例えば、決定プロセッサ1002が、関連する質量流量コントローラの出力制御弁の開放を制御する、又は、診
断テスト点を駆動するのに用いられる。アクチュエータは、例えば、電流駆動型のソレノイドか、電圧駆動型の圧電アクチュエータである。図9の流れ図に関する議論において詳細に後述されるように、初期化の後では、決定プロセッサ1002は、制御シーケンスを通過してループし、センサ・データを収集し、設定情報(例えば、所望の質量流量設定)を収集し、状態情報を提供し、出口弁の状態を制御する。非決定的なタスクは非決定プロセッサ1004にオフロードされるから、決定プロセッサの制御ループは、非常にコンパクトでありうる。その結果、制御タスクは、最小限の時間周期の間に実行されることが可能であり、制御読取値と駆動信号とは、非決定的なタスクのための時間を予め準備していくのならば、可能であるよりも頻繁に更新することができる。
【0056】
コントローラ1000は、図3に関する議論において一般論を説明した熱質量流量センサと共に動作して、関連する質量流量コントローラの中への質量流率のデジタル表現を生じる。このデジタル表現は、1又は複数のデータ値の形式を有し、質量流量センサの入力における圧力過渡状態に起因する揺らぎを受ける。コントローラ1000は、より特定すると、決定プロセッサ1002は、圧力センサ・インターフェース1006において取得されたデータを用いて、質量流量センサの入口ラインにおける圧力過渡状態によって熱質量流量センサに誘導される揺らぎを補償する。この実施例では、決定プロセッサ1002は、インターフェース1008、1007及び1005のそれぞれから得られた温度、圧力及び質量流量読取値を用いて、熱質量流量だけからの読取値よりも質量流量センサの出口における質量流量をより正確に反映する補償された質量流量読取値を生じる。決定プロセッサ1002は、また、熱フロー1005、圧力1007及び温度1008のセンサ・インターフェースを通じ、必要に応じて、センサへの制御を提供する。補償プロセスは、図11に関する議論において、より詳細に後述される。決定プロセッサ1002は、また、弁アクチュエータ・インターフェース1010を含んでいるが、このインターフェースは、決定プロセッサが、図2の弁220などの弁の位置を制御して、閉ループ制御プロセスにおいて、質量流量コントローラ100などの質量流量コントローラを通過する流体の流率を制御するのに、用いられる。
【0057】
決定プロセッサ1002は、閉ループの弁制御プロセスの専用であり、その結果、十分な速度をもって、様々なセンサ出力を読み取り、弁を必要に応じて補償して調整して所定の流率を生じさせるという動作を行うことができる。流率は、それがある意味で「望まれている」という意味で予め決められており、静的な設定は必要ない。すなわち、所定の流率を、オペレータがダイアル設定などの機械的な手段を用いて設定することが可能であるし、又は、例えば頻繁に更新されるワークステーションなどの別のコントローラからダウンロードすることも可能である。典型的には、気体フローの制御には、そしてこの場合には補償された気体フローの制御には、比較的高速の動作が必要である。そのような高速の動作には、縮小命令セット(RISC)、数学コプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)など様々なタイプのプロセッサが、適している。DSPが有している、計算上、信号条件付け及びインターフェースに関する性能が、決定プロセッサ1002のような動作に特に適している。図9の議論に関係する制御プロセスの説明で後で詳細に論じるように、決定プロセッサ1002によって実行される機能は、ある特定の動作が時間通りかつ規則的な態様で完了されることにより、制御プロセスにおけるエラーや不安定状態が生じる可能性を排除することができるという点で、決定的である。決定1002及び非決定1004プロセッサは、決定プロセッサ1002の決定的な動作を妨げないような態様で、プロセス相互間のインターフェース1006を介して通信する。プロセッサ相互間の通信については、図9に関する議論の中で後で詳述する。
【0058】
非決定プロセッサ1004は、例えば、キーパッド、キーボード、マウス、トラックボール、ジョイスティック、ボタン、タッチスクリーン、デュアル・インライン・パッケージ(DIP)又はサムホイール・スイッチなどの1又は複数の入力装置と共に用いられ、
この非決定プロセッサ1004と関連する質量流量コントローラを操作する技術者などのユーザからの入力を受け取る。ローカルなユーザ・インターフェース1016は、また、ディスプレイなどの1又は複数の装置を駆動するのに適した1又は複数の出力を含むが、これは、質量流量コントローラからユーザに情報を通信するのに用いられる、例えば、キャラクタ、英数字又はグラフィック表示などのインジケータ・ライト又はオーディオ出力装置である。通信インターフェース1018により、質量流量コントローラは、1又は複数の他の装置と、及び/又は、複数の質量流量コントローラを用いるツールを制御するワークステーションなどのローカルなコントローラと、及び/又は、例えば集積回路の製造のための他の装置などと、通信することが可能となる。この実施例では、通信インターフェース1018は、デバイスネット(DeviceNet)インターフェースを含む。診断インタ
ーフェース1020は、技術者が図4の診断インターフェース422に関係して上述したような診断を実行するために提供される。ある実施例では、この診断インターフェースは、イーサネット(登録商標)インターフェースとウェブ・サーバとを含む。
【0059】
決定プロセッサ1002のためのコードがコンパクトであることにより、決定プロセッサは、入力の変化に対する適切な応答が可能であるし、そのような変化に応答してアクチュエータ信号を迅速に修正することが可能である。また、決定プロセッサと非決定プロセッサとの間での動作のこのような分割により、決定プロセッサと非決定プロセッサとの両方に対するコードの初期の開発が容易になる。例えば、決定コードは、ユーザ・インターフェースにおけるディスプレイ上のユーザのリクエストの「ミラーリング」のような予定されていないイベントに応答する必要はないし、非決定コードは、50バス・サイクルごとに出口弁の制御設定を調整するためにユーザ・フィードバックを提供することなどから離脱する必要もない。また、決定と非決定との分割により、改訂や更新が比較的容易になる。一方のプロセッサのためのコードが改訂又は更新されなければならない場合には、他方のプロセッサのためのコードは、改訂が必要ないか、又は、僅かな改訂のみが必要なだけである。特に、決定プロセッサのためのコードは、非決定プロセッサのためのコードよりも、より「成熟」している、又は、固定されている。つまり、ユーザ・インターフェース、通信又はそれ以外の類似の機能は、決定的な質量流量制御や機能よりも頻繁に更新される傾向がある。
【0060】
この例示的なデュアル・プロセッサ型の実施例を用いると、ユーザ・インターフェースは、例えば、制御機能コードにまったく衝撃を与えることなくして、更新することができる。混合モードのコード(決定及び非決定コード)の改訂及び維持管理は、本発明の原理による方法で分割されたコードよりも、はるかに複雑で高価である。ある実施例では、デュアル・プロセッサ型のコントローラ1000は、2つのプロセッサを1つの集積回路の上に実装したハイブリッドなプロセッサでありうる。テキサス・インスツルメント社から入手可能なTMS320C5471のハイブリッド・プロセッサのような集積回路は、本発明の原理によるデュアル・プロセッサとして、用いることができる。このチップのデジタル信号処理(DSP)サブシステムは、その数学的能力により、そのような応用例における決定プロセッサとして、更に適切である。このICのデュアル・ポート型メモリは、プロセッサ相互間のインターフェースとして用いることができ、その場合、メモリ位置への書き込みとメモリ位置からの読み出しとを行うプロセッサは、データ、コマンド及びコマンド応答を含む情報の転送のための「郵便箱(メールボックス)」として機能する役割を有する。
【0061】
そのようなプロセッサ相互間のインターフェースにより、決定プロセッサは、フレーム駆動モードでの動作を継続しながら、他方で、同時に、診断及び較正の役割りを演じることも可能である。非決定プロセッサからのセンサ・データに対するどのようなリクエストも、決定プロセッサの制御ループのある通過の際に郵便箱からピックアップすることができ、読取値は、そのループを次回に通過する際に郵便箱に入れられる。診断出力も、これ
と同じように修正されうる。決定プロセッサは、また、他の非プロセス指向のモードでも動作することができる。例えば、上述したような自己較正プロセスの間は、決定プロセッサは、質量流量コントローラを通過する設定されたフローを維持管理するよにはもはや動作しない。そのようなモードでは、決定プロセッサは、質量流量コントローラの出口弁を閉鎖し、デッド・ボリュームの中の圧力の複数の時間導関数を計算し、質量流量コントローラにおける対応する実際のフローを計算し、その実際のフローを熱質量流量センサからのフロー信号に相関させることによって、占有される。
【0062】
図11の流れ図は、本発明の原理によるデュアル・プロセッサ型の質量流量コントローラを通過する気体フローを感知し制御するプロセスの概略である。このプロセスは、ステップ1100において開始し、そこから、コントローラが初期化されるステップ1102に進む。この初期化のステップは、較正値のアップロード又は較正シーケンス自体を含む場合がある。更に、決定プロセッサ1002と非決定プロセッサ1004との両方のための動作コードがこの時点でアップロードされる場合もある。ある実施例では、非決定プロセッサ1004は、それ自体のコードをアップロードして動作を開始し、その後で、決定プロセッサ1002のためのコードをアップロードする。決定プロセッサ1002のためのコードをアップロードするプロセスでは、非決定プロセッサ1004は、決定プロセッサ1002にアップロードする複数の実行可能なコード・セットの間で選択を行うことによって、決定プロセッサ1002の動作を調整する。非決定プロセッサ1004は、この選択を、例えば、スイッチの設定、ローカルなコントローラ(例えば、半導体プロセス・ツールの動作を制御するワークステーション)からのコマンド又は不揮発性ストレージに記憶されている設定に基づいて行う。そのような選択により、質量流量コントローラを、異なるフロー制御動作に適応させることができる。例えば、技術者は、コード・セットの間での選択をすることによって、コントローラを、「質量流量コントローラ」モードではなくて、「圧力コントローラ」モードで動作させることができ、この選択は、ローカルに、又は、遠隔的に(すなわち、通信リンクを介して)も行うことが可能である。
【0063】
ステップ1104では、非決定プロセッサ1004は、動作コードと初期制御設定とを決定プロセッサ1002に送り、決定プロセッサ1002は図第1及び第2のの流れ図に一般的に記載されているような態様で動作を開始する。ステップ1104からは、プロセスは、ステップ1106に進むが、そこでは、非決定プロセッサ1004は、ローカルな入力/出力インピーダンスに対してサービスを提供する。このサービスの提供には、キーボード、スイッチ又はマウス入力を含む様々な入力を読み取り、LED、英数字ディスプレイ又はグラフィカルなディスプレイを介して情報をローカルに表示することが含まれる。ステップ1106からは、プロセスは、ステップ1108に進み、ここでは、非決定プロセッサ1004は、通信インターフェースに対するサービスを提供する。このサービス提供には、制御及びセンサ・データを、例えば半導体プロセス・ツールのローカル・コントローラとして動作しているワークステーションにアップロードするステップを含む。更に、非決定プロセッサ1004は、更新された設定をローカルなコントローラからダウンロードすることもできる。
【0064】
プロセスは、ステップ1108からステップ1110に進み、このステップでは、非決定プロセッサ1004が診断インターフェースにサービスを提供する。図4の議論に関する説明で述べたような様々な診断動作が実行されうる。ある実施例では、質量流量コントローラは、ウェブ・サーバを含み、このウェブ・サーバによって、オペレータは、「ワールド・ワイド・ウェブ」などのネットワークを介して診断を実行することができる。ステップ1110の次は、プロセスは、ステップ1112に進み、非決定プロセッサ1004は、プロセス相互間インターフェース1006にサービスを提供する。「通常」の非決定動作の間には、非決定プロセッサ1004は、決定プロセッサ1002からの読取値を取得し、通信インターフェースを介して得られたフロー設定などの制御情報を、決定プロセ
ッサに送る。ステップ1112からは、プロセスは、終了のステップ1116に進み、ここでは、例えば、質量流量コントローラはオフにされる。
【0065】
上述したように、この流れ図やこの出願の他の流れ図に与えられているステップは、シーケンシャルである必要はなく、実際、非決定プロセッサ1004によって実行される多くの機能は、イベント割り込み駆動型であって、この非決定プロセッサの動作には、予測可能なシーケンスは存在していない。データ・ロギングなどの他のプロセスが、規則的な間隔で実行されうる。非決定プロセッサは、例えば、イーサネット(登録商標)ネットワーク・インターフェースを介した決定プロセッサへの双方向ソケット接続をサポートすることにより、遠隔地のユーザと決定プロセッサとの間の比較的直接的な接続を提供することができる。
【0066】
図12A−12Bの流れ図は、本発明の原理によるデュアル・プロセッサ型の質量流量コントローラの決定プロセッサの動作を示している。この流れ図の文脈では、初期化プロセスは既に生じていて、決定プロセッサはその制御ループの中を循環していると想定されている。プロセスは、図12Aのステップ1200で開始して、そこからステップ1202に進み、ここで、決定プロセッサが、その「正常(ノーマル)」制御能力で動作すべきなのか、例えば手動の診断モードや自動診断モードなどそれ以外のモードで動作すべきなのかを判断する。決定プロセッサは、この決定を、プロセッサ相互間のインターフェース1006から取得する情報に基づいて行う。決定プロセッサは、イベント駆動型割り込みではなくてクレーム駆動型で動作するため、結果的に、プロセッサ相互間インターフェースを定期的にポーリングして、そのような情報を取得する。
【0067】
決定プロセッサがそのノーマル・モードで動作する場合には、プロセスは、ステップ1202から1204に進み、そこでは、決定プロセッサは、所望の制御設定に関する情報をプロセッサ相互間インターフェースから取得する。この情報は、例えば、ローカルなコントローラから、フロント・パネル・ユーザ・インターフェースから、又は、診断ポートから受け取られる所望の流率という形式を有する。決定プロセッサは、また、例えばセンサ・データなどの情報を、このステップの間にプロセッサ相互間インターフェースを介して非決定プロセッサに転送することがある。ステップ1204から、プロセスは、ステップ1206に進み、ここでは、決定プロセッサは、例えば様々なセンサからデータを収集する。決定プロセッサがデータを収集するセンサには、例えば、質量流量センサ(熱又はそれ以外のタイプ)、温度センサ又は圧力センサが含まれる。
【0068】
ステップ1206からは、プロセスは、ステップ1208に進むが、ここでは、決定プロセッサが、質量流量コントローラを通過する物質の流率を計算する。ある実施例では、質量流量コントローラには、熱質量流量センサと、ステップ1212でこの熱質量流量センサのバイパスと質量流量コントローラの出口弁との間のデッド・ボリュームの中の圧力を測定する圧力センサとが含まれる。この実施例では、決定プロセッサは、図5の議論との関係で上述した方法を用いて、コントローラの入口で熱質量流量センサによって測定される流率を補償して、コントローラの出口における流率をより正確に近似する。センサから得られた流率が補償されない実施例では、プロセスは、ステップ1208の計算プロセスをスキップして、ステップ1206からステップ1210に直接に進む。
【0069】
ステップ1210では、決定プロセッサは、ステップ1208で計算された(又は、ステップ1206で読み取られた)流率が、ステップ1204でプロセッサ相互間インターフェースを介して非決定プロセッサから得られた設定情報によって示されている所望の流率と等しいかどうかを判断する。これらの値が等しい場合には、決定プロセッサは、上述したとおりに、「継続」ブロック1214によって示されているように、動作を継続する(すなわち、決定プロセッサは、ステップ1202に戻り、ループの中のサイクルを継続
する)。これらの値が等しくない場合には、決定プロセッサはエラー信号を計算し、このエラー信号を用いて、質量流量コントローラの出口弁への駆動信号を調整する。ステップ1212からは、プロセスは、ステップ1214における継続に進む。そして、ステップ1214からステップ1216に進み、そこで、質量流量コントローラは、例えば、動作を終了するか、又は、リセットされる。
【0070】
ステップ1202において決定プロセッサがノーマル・モードで動作すべきでないという結論を出す場合には、プロセスは、接続ボックスAを介して図12Bのステップ1218に進み、そこで、決定プロセッサは、診断モードで動作すべきかどうかを判断する。決定プロセッサは、この情報を、プロセッサ相互間インターフェースから得ることができる。決定プロセッサが診断モードで動作すべき場合には、プロセスは、ステップ1220に進む。ステップ1220では、決定プロセッサは、どの診断モードで動作すべきかを判断する。再び、この情報は、プロセッサ相互間インターフェースを介して、決定プロセッサに送られうる。「自動」モードの場合には、決定プロセッサは、一連の診断値をプロセッサ相互間インターフェースから取得する。決定プロセッサは、この一連の値を、このインターフェースにおいて入手することができる。診断値は、質量流量コントローラの出口弁の開放を設定する値、又は、テスト・ポイント駆動値を設定する値であり、この診断値は、例えば、所望のセンサ読取値や、テスト・ポイントからの読取値を示しうる。この診断値は、また、例えば、テスト・ポイントの駆動値を設定してテスト・ポイント出力を読み取るためにこの値が用いられるシーケンスを示すこともある。手動モードでは、診断値は、プロセッサ相互間インターフェースを介して一度に1つずつ決定プロセッサにとって入手可能となる。質量流量コントローラがウェブ・サーバを含む実施例では、技術者がウェブへ閲覧が可能なワークステーションを用いて質量流量コントローラの中のサーバに接続する。いったんサーバへのリンクが確立すると、技術者は、例えば、タイプする、プルダウン・メニュから選択する又はアイコンをクリックすることによって、弁設定コマンドを入力することができる。この単一の設定コマンドは、その決定ポートを介して非決定プロセッサによって受け取られ、プロセッサ相互間インターフェースを介して、決定プロセッサに送られる。
【0071】
手動診断モードでは、決定プロセッサは、プロセッサ相互間インターフェースにおいて入手可能などのような診断値であってもその診断値を介して実行して、その通常の制御ループに戻る。例えば、テスト・ポイント駆動値などの単一の診断値が決定プロセッサに与えられる場合には、これは、単一の制御ループ・サイクルに「優先(オーバライド)」するし、一連の診断値が決定プロセッサに与えられる場合には、多数の制御ループ・サイクルに優先する。自動診断モードでは、多数の診断値が、いくつかの制御ループ・サイクルに対応する期間の間にプロセッサ相互間インターフェースを介して交換され、少なくとも10倍は多くのオーダーの相当な数の制御ループ・サイクルが、自動診断の交換の間に介入する。診断モードは、例えば、組み合わされて、自動のアクティブなオンライン診断モードを生じさせることがある。ある実施例では、本発明の原理による質量流量コントローラは、1ミリ秒の制御ループ・サイクルで動作し、そのサイクルの間に、フルスケールの精度の1パーセントを与える。
【0072】
これら様々な診断モードを念頭におき、そして更に、流れ図を用いて図解されたプロセスは厳密に直線的なプロセスではなく、本発明の範囲内でこれ以外の流れ図も可能であることを念頭におきながら、診断プロセスを、ステップ1220から1226との関係で、一般的に説明する。ステップ1220では、決定プロセッサは、プロセッサ相互間インターフェースから診断値を取得する。上述したように、これらの値は、決定プロセッサが制御出力として用いるためのものであり、あるいは、例えばセンサから決定プロセッサが取得するデータを示している。ステップ1220からは、プロセスは、ステップ1222に進み、ここでは、決定プロセッサは、例えば、出口弁のアクチュエータ駆動信号を変更す
る、又は、センサ読取値をプロセッサ相互間インターフェースに転送することによって、ステップ1220で取得された値を処理する。
【0073】
ステップ1222から、プロセスは、ステップ1224に進み、このステップでは、決定プロセッサは、その診断タスクを終了したかどうかを判断する。その診断タスクを終了していない場合には、例えば、依然として自動モードで動作しておりプロセッサ相互間インターフェースから検索すべき一連の値の中に複数の値が存在している場合には、プロセスは、ステップ1222に戻り、それ以降は、上述したとおりである。ステップ1224において、決定プロセッサがその診断タスクを終了したとの結論に達した場合には、プロセスは、接続ボックスBを介して、図12Aのステップ1214に戻る。決定プロセッサが診断モードで動作していないと判断する場合には、プロセスは、プロセッサがルーチンの背景動作などの機能を実行するステップ1218から先に進み、接続ボックスBを通じてステップ1214に戻り、それ以降は、上述したとおりである。
【0074】
図13Aから13Eのスクリーン・ショットは、図6のインターフェース608などのウェブ・サーバ・インターフェースを含む本発明の原理による質量流量コントローラへのアクセスのために利用可能なユーザ・インターフェースを図解している。ある実施例では、質量流量コントローラは、図6のサーバ602などのウェブ・サーバを含む。ユーザは、ローカルなコントローラを介してサーバをローカルに用いることができるし、又は、図6のデバイス600などのウェブ閲覧が可能なデバイスから遠隔的に用いることもできる。このようにして、同じユーザ・インターフェースを、質量流量コントローラとの遠隔的でもローカルでも両方の相互作用のために用いることができる。モデル番号、レンジ、製造設定パラメータなどの質量流量コントローラに関する詳細な情報はユーザに向けて表示され、ユーザが変更可能な設定パラメータも同様に表示される。異なる表示技術を用いることもできる。限定された数の受入可能な値だけが存在する場合には、それらは、例えば、プルダウン・メニュから表示され選択されるようにできる。既に述べたように、技術者などのユーザは、このインターフェースを通じて、例えば、設定されたポイント値、弁の開閉、フロー出力のモニタなどを変更することができる。更に、質量流量コントローラがプロセス制御アプリケーションの下で動作している間は、ユーザは、サーバに、質量流量コントローラから得られたパラメータ値を、プロットさせ記録させることが可能である。
【0075】
図13Aのスクリーン・ショットは、ウェブ上の本発明の原理による質量流量コントローラに最初にアクセスするとユーザが見ることになるディスプレイの図解である。このディスプレイは、ユーザが、プルダウン・ウィンドウ1300を用いて通信プロトコルを選択するように促している。「クエリ・デバイス」リンク1302によって、ユーザは、プロセスを開始して、自分自身のブラウザが認識できるすべてのデバイスを見つけることができる。
【0076】
基本的な情報は、サーバからダウンロードできる。質量流量コントローラに関する情報は、図13Bのスクリーンに表示されている。このスクリーンは、拡張も縮小も可能である。ユーザは、表示されている質量流量コントローラの一部に関する情報を見ることを選択することもできる。モデル番号、シリアル番号及び内部に記憶されているコードに基づいて、この質量流量コントローラに関する製品仕様を、ユーザが選択可能なパラメータと共に、例えば、リストとして表示することができる。ユーザは、このスクリーンを用いて、質量流量コントローラとの間で較正データをダウンロードし、較正テーブルを入力することができる。ユーザは、また、このインターフェースを通じて設定ポイントを変更し、対応する質量流量コントローラを通過する報告されているフローをモニタすることができる。更に、ユーザは、設定を変更したり、質量流量コントローラの出口制御弁を開放又は閉鎖できる。それぞれの質量流量コントローラの仕様は、図13Cのスクリーンに図解されているように、見ることができる。図13Dのスクリーン・ショットには、図解的なユーザ選択可能なパラメータが表示されており、ユーザが質量流量コントローラからダウンロードできる較正データは、図13Eのスクリーン・ショットに図解されている。
【0077】
上述した実施例のソフトウェア的な実装は、例えば、ディスケット、CD−ROM、ROM又は固定ディスクのようなコンピュータ読み取り可能な媒体などの有体物である媒体に固定されているか、若しくは、ある媒体を介してネットワークに接続された通信アダプタなどのモデムやそれ以外のインターフェース・デバイスを介してコンピュータ・システムに伝送可能な一連のコンピュータ命令で構成される。後者の媒体は、限定列挙ではないが、光又はアナログ通信回線を含み、あるいは、やはり限定列挙ではないが、マイクロ波、赤外線又はそれ以外の伝送技術を含む無線技術によって実現されうる。ここでいう一連のコンピュータ命令は、本発明に関係してこの出願において述べられている機能の全部又は一部を実現する。この技術分野の当業者であれば理解することであるが、そのようなコンピュータ命令は、多くのコンピュータ・アーキテクチャ又はオペレーティング・システムと共に使用される多くのプログラミング言語で書くことができる。更に、そのような命令は、限定列挙ではないが、現在又は将来の、半導体、磁気、光又はそれ以外のメモリ装置を含む任意のメモリ技術を用いて記憶することができ、また、やはり限定列挙ではないが、現在又は将来の、光、赤外線、マイクロ波又はそれ以外の伝送技術を用いて伝送することが可能である。そのようなコンピュータ・プログラムは、例えば、シュリンクラップされたソフトウェアとして印刷された又は電子的な文書を伴って移動可能な媒体として頒布されるか、例えばシステムROMや固定ディスクの上においてコンピュータ・システムに予めロードされた状態で提供されるか、又は、例えばインターネットやワールド・ワイド・ウェブのようなネットワーク上のサーバや電子掲示板から配布されうる。
【0078】
本発明の様々な例示的な実施例を以上で開示してきたが、この技術分野の当業者には明らかなように、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、本発明の効果のいくつかを実現することができるような様々な変更や修正が可能である。やはり当業者には明らかなように、同じ機能を実行する別の構成要素を代替的に用いることも可能である。更に、本発明の方法は、適切なオブジェクト又はプロセッサ命令を用いたすべてソフトウェアによる実装や、ハードウェア・ロジック、ソフトウェア・ロジック及び/又はファームウェアの組合せを用いて同じ結果を実現するハイブリッドな実装によって実現することも可能である。流れ図を用いて図解されたプロセスは、厳密に直線的なプロセスである必要はなく、本発明の範囲の中で、別のフローを用いて実現することもできる。特定の機能を達成するのに用いられたロジック及び/又は命令の特定の構成は、発明の概念に対する他の修正と同様に、冒頭の特許請求の範囲に含まれることが意図されている。
【0079】
本発明の特定の実施例に関する以上の説明は、例示及び説明の目的のためになされたものである。従って、網羅的であるとか、開示されている形態自体に本発明を限定することは意図されておらず、多くの修正や変更が以上の教示に従えば可能である。以上の実施例は、本発明の原理とその実際上の応用例とを最もよく説明し、よって、この技術分野の当業者が本発明を最良の態様で用いることを可能にするために、選択され記載がなされている。本発明の範囲は、冒頭の特許請求の範囲によってのみ画定されることが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明の原理による質量流量センサを含むシステムのブロック図である。
【図2】本発明の原理による質量流量センサを用いた質量流量コントローラの断面図である。
【図3】圧力センサと共に用いて質量流量コントローラを通過する質量流量の補償された指示値を生じる例示的な熱質量流量センサの断面図である。
【図4】本発明の原理による質量流量センサの実施例によって用いられる制御用電子装置のブロック図である。
【図5】本発明の原理に従って熱質量流量センサ信号を補償するプロセスの流れ図である。
【図6】本発明の原理によるウェブ利用型の質量流量コントローラの概念ブロック図である。
【図7】本発明の原理による質量流量コントローラと共に用いられた補償装置の概念ブロック図である。
【図8】本発明の原理による自己較正型質量流量コントローラのブロック図である。
【図9】本発明の原理に従って質量流量コントローラを補償するプロセスに対応する流量及び圧力曲線のグラフ表現である。
【図10】本発明の原理による質量流量コントローラにおいて用いられるデュアル・プロセッサ構成の概念ブロック図である。
【図11】本発明の原理による質量流量コントローラの非決定プロセッサの一般的な動作の流れ図である。
【図12−A】本発明の原理による質量流量コントローラの決定プロセッサの一般的な動作の流れ図である。
【図12−B】本発明の原理による質量流量コントローラの決定プロセッサの一般的な動作の流れ図である。
【図13−A】本発明の原理による質量流量コントローラの中に埋め込まれたウェブ・サーバによって用いられるウェブ・ページのスクリーン・ショットである。
【図13−B】本発明の原理による質量流量コントローラの中に埋め込まれたウェブ・サーバによって用いられるウェブ・ページのスクリーン・ショットである。
【図13−C】本発明の原理による質量流量コントローラの中に埋め込まれたウェブ・サーバによって用いられるウェブ・ページのスクリーン・ショットである。
【図13−D】本発明の原理による質量流量コントローラの中に埋め込まれたウェブ・サーバによって用いられるウェブ・ページのスクリーン・ショットである。
【図13−E】本発明の原理による質量流量コントローラの中に埋め込まれたウェブ・サーバによって用いられるウェブ・ページのスクリーン・ショットである。
【関連出願】
【0001】
この特許出願と同じ被譲渡人に譲渡されており、この特許出願と同じ日に出願された「APPARATUS AND METHOD FOR CALIBRATION OF MASS FLOW CONTROLLER」という名称を有し、発明者がNicholas KottenstetteとJesse Ambrosinaである特許出願 (代理人のドケット
番号はMKS-107)と、「 APPARATUS AND METHOD FOR SELF-CALIBRATION OF MASS FLOW CONTROLLER」という名称を有し、発明者がNicholas KottenstetteとDonald SmithとJesse Ambrosinaである特許出願(代理人のドケット番号はMKS-108)と、「APPARATUS AND METHOD
FOR MASS FLOW CONTROLLER WITH NETWORK ACCESS TO DIAGNOSTICS」という名称を有し、発明者がNicholas KottenstetteとJesse Ambrosinaである特許出願(代理人のドケット番号はMKS-109)と、「APPARATUS AND METHOD FOR DISPLAYING MASS FLOW CONTROLLER PRESSURE」という名称を有し、発明者がNicholas KottenstetteとJesse Ambrosinaである特許出願(代理人のドケット番号はMKS-110)と、「APPARATUS AND METHOD FOR DUAL PROCESSOR MASS FLOW CONTROLLER」という名称を有し、発明者がNicholas KottenstetteとJesse Ambrosinaである特許出願(代理人のドケット番号はMKS-111)と、「APPARATUS AND METHOD FOR MASS FLOW CONTROLLER WITH EMBEDDED WEB SERVER」という名称を有し、発明者はNicholas KottenstetteとJesse Ambrosinaである特許出願(代理人のドケット番号はMKS-112)と、「APPARATUS AND METHOD FOR MASS FLOW CONTROLLER WITH ON-LINE DIAGNOSTICS」という名称を有し、発明者がNicholas KottenstetteとJesse Ambrosinaである特許出
願(代理人のドケット番号はMKS-113)と、「APPARATUS AND METHOD FOR MASS FLOW CONTROLLER WITH A PLURALITY OF CLOSED LOOP CONTROL CODE SETS」という名称を有し、発明者がNicholas KottenstetteとJesse Ambrosinaである特許出願(代理人のドケット番号はMKS-114)とは、それぞれの全体を、この出願において援用する。
【技術分野】
【0002】
本発明は、質量流量の感知及び制御システムに関する。
【背景技術】
【0003】
毛細管熱質量流量センサは、管の壁部から層状の管を流れる流体への熱伝導は、流体の質量流率と、流体温度と壁部の温度との差と、流体の比熱との関数であるという事実を利用している。質量流量コントローラは、様々な質量流量センサの構成を用いる。例えば、あるタイプの構成では、センサの管と熱伝導的に接触している1つの、そしてより典型的には2以上の抵抗要素を有するステンレス鋼の流量センサの管を含む。抵抗要素は、典型的には、高い温度抵抗係数を有する材料で構成される。それぞれの要素は、ヒータ、検出器又はその両者として作用することが出きる。要素の1又は複数は、電流を用いて付勢され、管を通過する流体の質量流率は、要素における温度差から導くことができる。流体の質量流率は、また、ヒータを流れる電流を変動させて一定の温度プロファイルを維持することによっても導かれる。
【0004】
そのような熱質量流量センサは、質量流量コントローラの一部として、付属させることができ、流体は、毛細管(ここでは、センサ管とも称される)にコントローラの本線のチャネルから供給される。センサ管の入口及び出口が付属されている本線のチャネルの部分は、フロー・センサの「バイパス」と称されることが多い。多くの応用例で、複数の質量流量コントローラが用いられ、供給ラインを介しての流体の供給が規制され、複数の供給ラインは、本線の流体供給ラインから「分線されている」。コントローラの中の1つへのフローが突然変化すると、本線の供給ラインから分かれている他のコントローラの1又は複数のへの入口において、圧力の揺らぎが生じる。そのような圧力の揺らぎは、影響を受ける質量流量コントローラの入口と出口における流率の間に差異を生じさせる。熱質量流
量センサは、質量流量コントローラの入口におけるフローを測定するが、コントローラからの出口フローがプロセス制御にとっては重要なパラメータであるから、そのような入口と出口とのフローの食い違いにより、深刻なプロセス制御エラーが生じることがありうる。
【0005】
半導体処理の応用例では、プロセス・ツールは、複数のチャンバを含んでおり、それぞれのチャンバはそれ自体の中への構成気体のフローを制御する複数の質量流量コントローラを有している。質量流量コントローラは、それぞれが、典型的には、2週間ごとに再較正される。この再較正プロセスは、2001年12月25日にYelverton他に与えられた
米国特許第6,332,348号に記載されている。この米国特許は、この出願において援用する。そのような「インサイチュ」な較正の際には、従来型の方法では、技術者が、質量流量メータを質量流量コントローラのそれぞれと線で接続し、気体を質量流量メータと質量流量コントローラとを介して流し、質量流量コントローラの読取値を質量流量メータの読取値と比較して、必要に応じて較正定数を調整することが必要となる。そのような面倒な動作には、非常に長い時間を要するし、人的な費用と、質量流量コントローラが共に動作するプロセス・ツールが入手できないこととにより、費用も多く要する。
【0006】
圧力変動に対する感度を実質的に取り除いた質量流量センサが、従って、非常に望まれている。質量流量コントローラのための便利な較正方法及び装置も、非常に望まれている。質量流量コントローラへのより柔軟なアクセスもまた、非常に望まれている。質量流量コントローラの制御性能を向上させる装置及び方法もまた、非常に望まれている。
【発明の開示】
【0007】
ある実施例では、本発明の原理による質量流量コントローラは、入力圧力の揺らぎに対して比較的鈍感な質量流量コントローラを提供するような熱質量流量センサと圧力センサとの組合せを含む。この新たなコントローラは、比較的安価であり、すなわち、1対の高価で正確な圧力センサは必要としないし、総ステンレスで濡れた表面を有する微分センサも必要としない。しかし、この新たなコントローラは、広範囲の流体圧力にわたる流体フローを制御することができる。この新たな質量流量コントローラは、熱質量流量センサと、圧力センサと、電子コントローラとを含む。熱質量流量センサは、コントローラの入口フローを測定するように構成されている。圧力センサは、フロー・センサのバイパスと出口制御弁との間のチャネルにおける体積の中の圧力を感知する。この体積は、この出願では、「デッド・ボリューム」と称される、圧力センサと熱質量流量センサとは、それぞれが、測定された入口流率とデッド・ボリュームの中の圧力とを示す信号をコントローラに提供する。温度センサは、デッド・ボリュームの中の流体の温度を感知するのに用いられる。ある実施例では、温度センサは、コントローラの壁部の温度を、デッド・ボリュームの中の流体の温度の近似値として感知する。デッド・ボリュームの体積は、例えば、製造又は較正プロセスの間に決定され、電子コントローラによって用いられるために、記憶されるか、又は、ダウンロードされる。
【0008】
コントローラは、デッド・ボリュームの中の測定された圧力を用いて、入口流率の数値を補償して、測定された圧力と測定された入口流率との関数として、出口流率の補償された測度を生じる。出口流率のこの補償された測度は、質量流量コントローラの制御弁を動作させるのに用いられる。圧力センサ出力をある時間周期にわたって読み取ることによって、電子コントローラは、デッド・ボリュームの中の圧力の時間変化率を決定する。デッド・ボリュームと、デッド・ボリュームの中の流体の温度と、熱質量流量センサによって感知された入口流率とが与えられると、電子コントローラは、質量流量コントローラの出口における流体の流率を、これらの変数の関数として計算する。電子コントローラは、閉ループ制御システムにおけるこの計算された出口流体流率を用いて、質量流量コントローラの出口制御弁の開放を制御する。ある実施例では、圧力センサによって感知された圧力
は、ローカルに(すなわち、圧力センサにおいて)及び/又は遠隔的に(例えば、制御パネルにおいて、又は、ネットワーク・インターフェースを介して)表示される。
【0009】
本発明の原理の別の側面によると、可変フロー流体源と、既知の体積のレセプタクル(=容器)と、圧力微分器とを用いて、質量流量コントローラを較正することができる。可変フロー流体源は、気体を、較正されている質量流量コントローラに可変速度で供給し、既知の体積のレセプタクルに比例的な速度で供給する。圧力微分器は、既知の体積のレセプタクルの中への気体フローの時間導関数を計算し、それから、レセプタクルの中への実際のフローを計算する。実際のフローが与えられると、質量流量コントローラの中への比例的なフローが決定され、質量流量コントローラからのフロー信号が、実際のフロート相関される。ある実施例では、質量流量コントローラは、出口弁を閉鎖して、既知の体積(デッド・ボリューム)のレセプタクルを形成する。デッド・ボリュームの中に位置する圧力センサは、デッド・ボリュームの中の圧力を表す信号を生じる。出口弁が閉鎖されると、デッド・ボリュームの中へのフローは指数関数的に減少し、他方で、圧力は、デッド・ボリュームの中の圧力が質量流量コントローラへの入口における圧力と等しくなるまで、上昇する。質量流量コントローラの電子コントローラは、複数の時刻における圧力の時間導関数を計算する。デッド・ボリューム/レセプタクルの体積と、デッド・ボリュームの中の圧力の時間導関数と、気体の温度とが与えられると、コントローラは、これらのサンプル時刻における流率を計算する。電子コントローラは、また、そのようにして計算された流率を、質量流量コントローラの熱質量流量センサが生じるフロー読取値と相関させて、質量流量コントローラを較正する。この動作は、外部の質量流量メータやそれ以外の較正装置を必要としないという点で、自己完結的である。様々な技術や機構を用いて、フローがデッド・ボリュームの中へ継続する時間周期を拡張することができ、それによって、より多数の相関又は較正点の計算が可能になる。例えば、出口弁は、較正プロセスの開始時において閉鎖される前に完全に解放することができ、さもないと、例えば、フローを制限する手段が、気体フロー経路の中の様々な位置に挿入される。
【0010】
本発明の原理の別の側面によると、質量流量コントローラは、技術者などのオペレータがネットワークを介して診断を行うことを可能にするインターフェースを含む。そのような診断は、「能動(アクティブ)」、「受動」、「オンライン」、「オフライン」、「手動」又は「自動」であり、若しくは、以上の様々な組合せでありうる。「アクティブ」な診断とは、オペレータが、モニタ信号に加えて、又は、モニタ信号の代わりに、駆動信号を変更することが可能な診断を意味する。駆動信号の使用を可能にすることによって、技術者は、テスト点の設定を変更することができ、よって、例えば、抵抗を流れる電流を変化させることができる。技術者は、例えば、電流センサからの対応する信号をモニタする。あるいは、技術者は、フローの設定点を設定して所望の態様で弁駆動信号を調整することに関して質量流量コントローラの電子コントローラに依拠するのではなくて、弁アクチュエータへの駆動信号を直接的に変更することを選択することができる。そのような変更はフロー制御誤差を潜在的に生じさせるので、そのような制御へのアクセスは、例えば、ネットワーク・レベルでのパスワード及びそれ以外のセキュリティ手段の使用によって、制限されている。「受動」診断という用語は、例えば、モニタリング機能を含む診断を意味する。「オンライン」診断という用語は、例えば、リアルタイムであり質量流量コントローラのプロセス制御動作と同時に動作する診断を意味する。「オフライン」診断という用語は、リアルタイムではあるが、質量流量コントローラのプロセス制御動作の間は動作していない診断を意味する。「自動」診断という用語は、それぞれが能動であるか受動でありうる複数の診断ステップを含む診断を意味する。「手動」診断という用語は、ステップごとにオペレータの入力に応答的な診断を意味する。
【0011】
本発明の原理の別の側面による質量流量コントローラは、技術者などのオペレータが、例えばワークステーションやラップトップ・コンピュータやパーソナル・デジタル・アシ
スタントなどのウェブ閲覧可能なデバイスからインターネットなどの相互接続ネットワークを介して質量流量コントローラと対話(相互作用)することを可能にするウェブ・サーバを含む。この質量流量コントローラのウェブ・サーバは、例えば、製造業者の部品番号と、仕様と、設置位置と、性能情報とを提供するウェブ・ページを含む。更に、診断は、相互接続ネットワークを介して、ウェブ閲覧可能なデバイスから行われる。
【0012】
本発明の原理の更に別の側面によると、質量流量コントローラは、質量流量コントローラの中の圧力を表示する圧力ディスプレイを含む。このディスプレイは、ローカル、すなわち、質量流量コントローラと直接に接触しておりこの質量流量コントローラによってサポートされる場合か、又は、例えば、気体ボックス制御パネルにおけるように遠隔的である場合がある。ある実施例では、圧力センサは、質量流量コントローラのデッド・ボリュームの中の圧力を測定するように配置されており、それが、表示される圧力である。
【0013】
本発明の原理の更に別の側面によるデュアル・プロセッサ型の質量流量コントローラは、質量流量コントローラの制御業務を実行する決定プロセッサと、ユーザ・インターフェースを提供するようなタスクを処理する非決定プロセッサとを含む。ある実施例では、決定プロセッサは、デジタル信号プロセッサ(DSP)である。
【0014】
本発明の原理の更に別の原理によると、複数の実行可能なコード・セットが、質量流量コントローラの電子コントローラによってアップロードされる。ある実施例では、デュアル・プロセッサ型のフロー・コントローラの非決定プロセッサが、決定プロセッサのための複数の実行可能なコード・セットをアップロードし、このコード・セットの中で選択を行い決定プロセッサが実行するようにする。非決定プロセッサによるそのような選択は、ある形式のカスタマイゼーションを可能にする。
【0015】
この開示の以上のような及びそれ以外の効果は、添付の図面に図解されている好適実施例に関する以下の詳細な説明を読むことにより、この技術分野の当業者には明らかになるであろう。図解の便宜上、図の中の要素は、寸法通りに描かれてはいない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の原理のある側面による質量流量センサは、熱質量流量センサを用いて、質量流量コントローラのような流体フロー・デバイスの入口への流体のフロー(流量)を感知してその測度を提供する。ある実施例では、この質量流量センサは、圧力センサを用いて、熱質量流量センサによって提供される入口フローの測度を補償して、関連する質量流量コントローラの出口における流体のフローをより正確に反映するインジケータを提供する。本発明の原理による質量流量センサを利用してその使用を含むシステム100が、図1の図解的なブロック図に示されている。
【0017】
複数の質量流量コントローラMFC1、MFC2、・・・、MFCnは、本線の気体供給ライン102、103から気体を受け取る。質量流量コントローラMFC1、MFC2、・・・、MFCnは、それぞれが、入口供給ライン104、106、・・・、109を介して、本線の気体供給ライン102、103に接続され、出口供給ライン110、112、・・・、115を介して、チャンバC1、C2、・・・、Cnに接続されている。この実施例では、「チャンバ」という用語は、広い意味で用いられており、チャンバは、それぞれ、限定列挙ではないが、半導体コンポーネントの製造に関係する反応を含む様々な応用例の任意のものとして用いられている。一般に、チャンバのユーザは、チャンバC1、C2、・・・、Cnのそれぞれに供給されるそれぞれの気体の量を知ってそれを制御することに関心がある。それぞれのチャンバC1、C2、・・・、Cnは、また、別のタイプの気体の供給のために1又は複数の追加的な入口ラインを含む。チャンバからの出力フローは、リサイクル又は処分のためのライン(図示せず)を介して経路決定がなされる。
【0018】
質量流量コントローラMFC1、MFC2、・・・、MFCnは、質量流量センサMFS1、MFS2、・・・、MFSnと、電子コントローラEC1、EC2、・・・、ECnと、出口制御弁OCV1、OCV2、・・・、OCVnとを含む。質量流量センサの少なくとも1つは、そして、説明を容易にするために、すべてが、本発明の原理による補償型の質量流量センサであると想定する。それぞれの質量流量センサは、質量流量コントローラの中に流れ込む気体の質量を感知して、感知された値を示す信号を、対応する電子コントローラに提供する。電子コントローラは、質量流量センサによって提供された感知された値によって示される質量流量の指示値を、設定点と比較し、設定点と質量流量センサによって提供された感知された値との差をそれがどのような差であっても最小化するように出口制御弁を操作する。典型的には、設定点は、質量流量コントローラにおいて手動で入力することが可能であり、又は、質量流量コントローラにダウンロードされることもありうる。設定点は、人間であるオペレータの介入により、又は、自動的な制御システムによって、正当化されるように、調整することができる。入口供給ライン104、106、・・・、109は、ゲージが異なっており、及び/又は、質量流量コントローラへの様々な流率の中のどのようなものでの処理することができる。本発明の原理の1つの側面によって、電子コントローラEC1などの単一の電子コントローラを、複数の質量流量センサと出口制御弁との組合せにリンクさせて、その組合せを動作させることができる。すなわち、例えば、図解されている電子コントローラEC2ないしECnの中の任意の数だけを取り外して、対応する質量流量センサと出口制御弁とを電子コントローラEC1にリンクさせて動作させることが可能である。
【0019】
例えば設定点の変化に起因するいずれかの質量流量コントローラへの流率の急激な変化は、それ以外の質量流量コントローラの中の1又は複数の入口における急激な圧力変化として反映される。急激な変化が流率の高い質量流量コントローラにおいて生じる場合には、このような望ましくない副作用は、流率が比較的低い質量流量コントローラにおいて、より明白に生じる。この実施例の質量流量センサは質量流量コントローラへの入口において質量流量コントローラへのフローを感知するように置かれている熱質量流量センサであるから、この熱質量流量センサによって感知された質量流量は、コントローラの出口におけるフローを正確に反映していない可能性がある。この短所を補償するために、本発明の原理の1つの側面による質量流量センサは、質量流量コントローラの入口と出口との間の体積の中の圧力の指示値を提供するように配置された圧力センサを含む。ある実施例では、圧力センサは、熱質量流量センサのバイパスと出口制御弁との間の「デッド・ボリューム」の中に配置されている。電子コントローラは、圧力センサによって提供された圧力の指示値を用いて、熱質量流量センサによって提供される質量流量の測度を補償する。その結果である、補償済みの質量流量指示値は、質量流量コントローラの出口におけるフローをより正確に反映し、結果的に、この指示値が質量流量コントローラによってその出口制御弁の動作のために効果的に用いられる。感知された圧力を表示するためのディスプレイが含まれることがある。このディスプレイは、質量流量コントローラに付属してそれによってサポートされることもあるし、あるいは、例えば、データ・リンクを介して質量流量コントローラに接続された気体ボックス制御パネルの位置で遠隔的である場合もある。
【0020】
半導体処理の応用例では、プロセス・ツールは、複数のチャンバを含んでおり、それぞれのチャンバはそれ自体の中への構成気体のフローを制御する複数の質量流量コントローラを有している。質量流量コントローラは、それぞれが、典型的には、2週間ごとに再較正される。この再較正プロセスは、2001年12月25日にYelverton他に与えられた
米国特許第6,332,348号に記載されている。この米国特許は、この出願において援用する。そのような「インサイチュ」な較正の際には、従来型の方法では、技術者が、質量流量メータを質量流量コントローラのそれぞれと線で接続し、気体を質量流量メータと質量流量コントローラとを介して流し、質量流量コントローラの読取値を質量流量メー
タの読取値と比較して、必要に応じて較正定数を調整することが必要となる。そのような面倒な動作には、非常に長い時間を要するし、人的な費用と、質量流量コントローラが共に動作するプロセス・ツールが入手できないこととにより、費用も多く要する。図7に関係する議論において詳述される実施例では、本発明の原理による質量流量コントローラは、そのような面倒で高コストの業務を実質的に排除する自己較正機構を含んでいる。
【0021】
図2の断面図は、本発明の原理の1つの側面による質量流量センサ202を用いる質量流量コントローラ200の図解を提供している。質量流量センサ202は、熱質量流量センサ204と、圧力センサ206と、温度センサ208と、電子コントローラ210とを含む。層流要素212は、熱質量流量センサ204の毛細管の両端での圧力降下を確立するが、これについては、図3に関する議論においてより詳細に説明される。動作では、入口214を通過して質量流量コントローラ200に導かれる流体は、層流要素212を含むバイパス・チャネル216を通って進む。比較的少量の流体が、熱質量流量センサ204を通って迂回され、層流要素212の下流のバイパス・チャネル216の中に再侵入する。電子コントローラ210は、信号を制御弁アクチュエータ218に提供することにより、出口制御弁220を、制御された流体の質量流量を出口222に提供するように、動作させる。圧力センサ206は、層流要素212と出口制御弁220との間のバイパス・チャネル216の中の体積の中の圧力を感知する。この体積は、この出願で、「デッド・ボリューム216a」と称される。図5に関する議論において後で詳細に説明されるように、電子コントローラ210は、デッド・ボリューム216aの中でセンサ206によって感知された圧力を用いて、熱質量流量センサ204によって感知された入口流率を補償する。この補償された入口流率の数値は、制御の究極的なターゲットである出口における流率をより正確に反映している。特に、本発明の原理の1つの側面による質量流量センサは、既知の体積216aの中の圧力の時間変化率を用いて圧力の過渡状態の間の質量流量の正確な測度を提供するセンサと、圧力駆動された質量流量測定値を用いて「訂正される」熱質量流量センサとの組合せである。温度センサ208は、デッド・ボリュームの中の流体の温度を感知する。ある実施例では、温度センサ208は、コントローラの壁部の温度を、デッド・ボリューム216aの中の流体の温度の近似値として、感知する。
【0022】
デッド・ボリュームの体積216aは、例えば製造又は較正プロセスの間に決定され、電子コントローラ210によって用いられるために記憶又はダウンロードされる。圧力センサ出力206からシーケンシャルな読取値を取得してそのデータに対して作用することによって、電子コントローラ210は、デッド・ボリューム216の中の圧力の時間変化率を決定する。デッド・ボリュームと、デッド・ボリュームの中の流体の温度と、熱質量流量センサ204によって感知された入口における流率と、デッド・ボリュームの中の圧力の時間変化率とが与えられると、電子コントローラ210は、質量流量コントローラ200の出力222における流体の流率を近似する。先に述べたように、この近似は、熱質量流量センサ204によって生じた質量流率の数値の補償と見ることもできる。電子コントローラ210は、閉ループ制御システムにおいてこの計算された出力流体流率を用いて、質量流量コントローラの出口制御弁220の開放を制御する。ある実施例では、圧力センサ206によって感知された圧力の値は、ローカルに(すなわち、圧力センサにおいて)及び/又は遠隔的に(例えば、制御パネルにおいて、又は、ネットワーク・インターフェースを介して)表示することができる。図7に関する議論において後述される自己較正型のプロセスでは、電子コントローラ210は、流率が質量流量コントローラにおいて変動するときには圧力信号の時間導関数を計算することによって、質量流量コントローラの中への実際の流率を導く。この実際の流率は、質量流量コントローラを構成するのに用いることができる。
【0023】
図3の断面図は、熱質量流量センサ204のより詳細な図を提供しているが、このセンサは、圧力センサと共に用いられて、補償された質量流量指示値、すなわち、デジタル的
な実装においては、複数ビットのデジタル値を生じる。この複数ビットのデジタル値は、補償されていない質量流量センサが特に質量流量コントローラの入口ラインにおける圧力過渡状態の間に与えるであろう値よりも、質量流量コントローラの出口における実際の質量流量により近い近似値を提供する。熱質量流量センサ204は、層流要素212を含んでおり、この層流要素は、バイパス・チャネル216の中にあり、熱質量流量センサ204に対してバイパス・チャネル216の両端での圧力降下を提供して、熱質量流量センサ204のセンサ毛細管320を通過する気体の一部を駆動する。質量流量センサ202は、コントローラ200を通過する気体の流率を感知して、それに従って、制御弁220の動作を制御する。熱質量流量センサ・アセンブリ204は、バイパス・チャネル216の境界を形成する質量流量コントローラ200の壁部322に付属されている。壁部322における入力324及び出力326のアパーチャは、熱質量流量コントローラを通過して移動する気体に対して、熱質量流量センサ・アセンブリ204へのアクセスを提供し、これは、典型的にはバイパス・チャネルを画定する入力と出力との間の通路の部分である。この実施例では、質量流量センサ・アセンブリ204は、壁部322への付属のためのベースプレート328を含む。ベースプレート328は、壁部と、センサ・アセンブリの残りの部分とに、例えば、ねじ切りされた穴とそれと係合するボルトとの組合せを用いて付属される。センサ管320の入力330及び出力332との脚部は、ベースプレート328の入力334及び出力336のそれぞれのアパーチャと、質量流量コントローラの壁部322のアパーチャ324及び326とを通過して伸長している。
【0024】
質量流量センサ・アセンブリは、好ましくは、上部338と下部340の部分を含み、これらは、結合されると、センサ管320のアクティブ領域(すなわち、センサ管と熱接触関係にある抵抗要素の両端によって定義される領域)の両端を実質的に同じ温度に維持する熱クランプ341を形成する。この熱クランプは、また、センサ管320のアクティブ領域の周囲にチャンバ342を形成する。すなわち、チャンバ342の中の質量流量センサ管の部分は、それぞれがヒータ、検出器又はその両者として機能する2以上の抵抗要素344、346と熱的に連絡している。これらの要素の1又は複数は、電流によって付勢され、流体が管320の中を流れる際に熱をその流体に与える。熱クランプ341は、典型的には、センサ管の熱伝導率と比較するとそれよりも高い熱伝導率によって特徴付けられる材料から製造されるのであるが、抵抗要素344の僅かに下流側のセンサ管の部分と、抵抗要素344の僅かに上流のセンサ管の部分との両方と熱伝導率のよい接触関係を有する。従って、熱クランプは、抵抗要素344及び346とセンサ管320とを包囲して保護している。更に、熱クランプ341は、接触しているセンサ管の部分を、周囲温度又はそれに近い温度に、熱的に「固定」する。温度差に起因するほんの僅かなエラーでも除去するために、センサ管は、熱クランプの内部に移動され、2つのコイルの抵抗の間のどのような差も、センサ管を通過する流体フローに起因するのであって、環境からコイルに対して加えられる温度勾配に起因するのではないことが保障される。
【0025】
この実施例では、抵抗要素344及び346は、それぞれが、センサ管320の対応する部分の周囲に巻かれる熱感知性の抵抗導体を含む。抵抗要素は、それぞれが、センサ管320の動作部分によって画定される軸に沿ったセンサ管320の対応する部分に沿って伸長している。下流側の抵抗要素346は、抵抗要素344の下流に配置されている。これらの要素は、相互に接しているか、又は、製造上の便利のために小さなギャップによって分離されており、管の中央において電気的に接続されているのが好ましい。それぞれの抵抗要素344、346は、その温度の関数として変動する電気抵抗を与える。それぞれの抵抗要素の温度は、その抵抗要素を流れる電流とセンサ管320の中の質量流率との関数として変動する。このようにして、抵抗要素は、それぞれが、ヒータ及びセンサの両方として動作する。すなわち、これらの要素は、その要素を流れる電流の関数として熱を発生するヒータとして動作し、同時に、その要素の温度がその電気抵抗の関数として測定されることを可能にするセンサとしても動作する。熱質量流量セットアップ204は、典型
的にはホイートストーン・ブリッジ構成を有する様々な電子回路の任意のものを用いて、エネルギを抵抗要素346及び344に与えて、温度に左右されるその要素における抵抗値の変化を測定し、よって、センサ管320を通過する流体の質量流率を測定する。この目的に用いられる回路は、例えば、Hinkle他に与えられた米国特許第5,461,913号とSuzukiに与えられた米国特許第5,410,912号とに開示されている。これらの米国特許は、その全体をこの出願において援用する。
【0026】
動作においては、流体は、入口214から出口222に流れ、流体の一部は、抵抗性の層流要素212を通過して流れる。流体の残りの及び比例的な部分は、センサ管320を通過して流れる。回路(図示せず)により、電流が抵抗要素344及び346を流れ、それによって、抵抗要素344及び346は、熱を発生してそれをセンサ管320に与え、よって、センサ管320を通過して流れる流体に与える。上流側の抵抗要素346は、熱を、下流側の抵抗要素344によって包囲されるセンサ管320の部分に流体が到達する前に、流体に伝達するので、流体は、下流側の抵抗要素344からよりも、上流側の抵抗要素346から、より多くの熱を伝導する。2つの抵抗要素から伝導により奪われる熱量の差は、センサ管の中の流体の質量流率に比例し、拡張により、入力ポート214から出力ポート222まで質量流率コントローラ200を通過する全体の質量流率に比例する。
【0027】
図4の概念ブロック図は、本発明の原理による質量流量センサで用いられうるような電子コントローラ400のアーキテクチャを図解している。この実施例では、コントローラ400は、センサ402とアクチュエータ404とのインターフェースを含む。センサ・インターフェース402の間では、流量(フロー)センサ・インターフェース408が、質量流量センサと共に動作して、質量流率のデジタル表現を、関連する質量流量コントローラの中に生じる。コントローラ400は、圧力センサ・インターフェース410や温度センサ・インターフェース411などの様々なそれ以外のセンサ・インターフェースを含みうる。1又は複数のアクチュエータ・ドライバ412がコントローラ400によって用いられて、例えば、関連する質量流量コントローラの出力制御弁の開放を制御する。このアクチュエータは、例えば、電流駆動式のソレノイドや電圧駆動式の圧電アクチュエータなど、任意のタイプのアクチュエータでありうる。
【0028】
コントローラ400は、質量流量コントローラと共に動作して、質量流率のデジタル表現を、関連する質量流量コントローラの中に生じる。図3に関係する議論の中で論じられたような熱質量流量コントローラを用いて、質量流量測定値を生じることもある。コントローラ400は、圧力センサ・インターフェース410を用いて、関連する質量流量コントローラの中の流体の圧力をモニタすることがある。ある実施例では、図2の圧力センサ206のような圧力センサが、質量流量コントローラの中の圧力の測度を提供する。より特定すると、この実施例では、センサが、質量流量コントローラのデッド・ボリュームの内部の圧力を測定する。ある実施例では、このように測定された質量流量コントローラの圧力が、例えば圧力センサ206やコントローラ・ハウジングで、又は、それ以外の位置で表示される。
【0029】
コントローラ400は、この圧力測定値をデジタル形式に変換し、それを、解析又はそれ以外の機能において用いることができる。例えば、質量流量コントローラが熱質量流量センサを用いる場合には、コントローラ400は、質量流量コントローラの圧力測定値を用いて、入口圧力の過渡状態を補償することができる。例えば質量流量コントローラの壁部に付着された温度センサからの温度読取値を取得するのに温度センサ・インターフェースを用いることができるが、それぞれの質量流量コントローラのために別個の温度センサが必要になることはない。例えば、図1に関する議論でより詳細に論じたように、多数の質量流量コントローラとワークステーションなどコントローラにすべてリンクされているそれ以外のデバイスとを含む半導体処理ツールと共に、質量流量コントローラが用いられ
ることが多い。この処理ツールは、比較的安定した温度を特徴とする注意深く制御された環境の中で動作される。質量流量コントローラの中の流体の温度はエンクロージャの壁部の温度とほぼ等しく、エンクロージャの壁部はそのツールが内部に配置されている部屋の温度とほぼ等しいので、例えばそのツールを制御するワークステーションからの温度測定値は、質量流量コントローラの中の気体温度の十分に正確な推定値を提供しうる。その結果、それぞれの質量流量コントローラにおいて別個の温度センサを用いることに加えて、又は、その代わりに、温度を、質量流量コントローラと同じ環境の中の別のセンサ、例えば、ワークステーションに配置されたものから、取得することが可能である。
【0030】
コントローラ400は、例えば、キーパッド、キーボード、マウス、トラックボール、ジョイスティック、ボタン、タッチスクリーン、デュアル・インライン・パッケージ(DIP)又はサムホイール・スイッチなどの1又は複数の入力装置と共に用いられ、質量流量コントローラを操作する技術者などのユーザからの入力を受け取るローカルなユーザ・インターフェース416を含む。ローカルなユーザ・インターフェース416は、また、ディスプレイなどの1又は複数の装置を駆動するのに適した1又は複数の出力を含むが、これは、質量流量コントローラからユーザに情報を通信するのに用いられる、例えば、キャラクタ、英数字又はグラフィック表示などのインジケータ・ライト又はオーディオ出力装置である。通信インターフェース416により、質量流量コントローラは、1又は複数の他の装置と、及び/又は、複数の質量流量コントローラを用いるツールを制御するワークステーションなどのローカルなコントローラと、及び/又は、例えば集積回路の製造のための他の装置などと、通信することが可能となる。
【0031】
この実施例では、通信インターフェース414は、デバイスネット(DeviceNet)イン
ターフェースを含む。デバイスネットは、既知であり、2002年2月5日にTinsley他
に与えられた米国特許第6,343,617号において論じられている。この米国特許は、この出願において援用する。コントローラ400は、また、例えば、較正データ、質量流量コントローラのID又は質量流量コントローラを動作させるコードを記憶するのに用いられる電気的に消去可能なプログラマブルなリード・オンリ・メモリ(EEPROM)の形式を有するストレージ418を含む。ランダム・アクセス・メモリ(RAM)など様々なそれ以外の形式のストレージを用いることもできる。ストレージ(記憶装置)は、多くの形式をとることが可能であり、そして、例えば、一部がコントローラの「チップ」(集積回路)の上に物理的に配置された状態で、他の部分がオフチップに配置された状態で、与えることもできる。コントローラ400は、データ・プロセッサ420を用い、このデータ・プロセッサ420は、例えば、汎用のマイクロプロセッサでは算術論理装置(ALU)の形式をとり、データを減少させている。例えば、データ・プロセッサ420は、センサ入力において受け取られた読取値を平均化し、センサ読取値が1又は複数のスレショルド値を超えた回数を判断し、センサ読取値がスレショルド値の範囲内に留まっている時間を記録し、又は、他の形式のデータ・ロギングを実行する。
【0032】
熱質量流量センサ204を用いる質量流量コントローラ200への入口供給ラインにおける圧力の過渡状態は、誤差を含む質量流量読取値を生じさせる。誤差を含む質量流量読取値は、質量流量コントローラの出口弁の不適切な制御を生じさせ、これは、この質量流量コントローラの制御の下で気体を用いて処理されている物に損傷を与える、又は、破壊してしまう可能性がある。質量流量のデジタル表現は、1又は複数のデータ値の形式を有し、質量流量センサの入口ラインにおける圧力の過渡状態に起因する揺らぎを生じさせる。ある実施例では、コントローラ400は、圧力センサ・インターフェース410において得られたデータを用いて、質量流量センサの入口ライン214における圧力過渡状態によって熱質量流量センサ204において生じる揺らぎを補償する。この実施例では、コントローラ400は、温度インターフェース411を介して温度情報を取得する。コントローラ400は、対応するインターフェースから取得された温度、圧力及び質量流量読取値
を用いて、熱質量流量センサだけからの読取値が提供する場合よりも質量流量センサの出口における質量流量をより正確に反映する補償された質量流量読取値を生じる。コントローラ400は、また、フロー・センサ・インターフェース、圧力センサ・インターフェース及び温度インターフェース408、410及び411それぞれを介して、必要に応じ、センサへの制御を提供する。
【0033】
コントローラ400は、弁アクチュエータ・インターフェース404を含み、このインターフェース404を用いて図2の弁220などの弁を位置を制御することにより、閉ループ制御プロセスにおいて、質量流量コントローラ200などの質量流量コントローラを通過する流体の流率を制御する。弁アクチュエータは、例えば、ソレノイド駆動式のアクチュエータや圧電アクチュエータである。コントローラ400は、十分な速度をもって様々なセンサ出力を読み取り、必要に応じて質量流量コントローラの出口制御弁200を補償し調整して、所定の流率を生じさせるように動作する能力を有していなければならない。流率は、それがある意味で「望まれている」という意味で、予め決められている。しかし、静的な設定でなければならないという意味では、それは、予め決められているわけではない。すなわち、所定の流率は、ダイアル設定などの機械的手段を用いてオペレータによって設定することができ、又は、例えばワークステーションなどの別のコントローラからダウンロードすることができ、更新することができる。
【0034】
ある実施例では、コントローラ400は、圧力インターフェース410からの読取値を用いて、質量流量コントローラ200への入口214における質量流量を感知する熱質量流量センサ204から、質量流量インターフェース408において取得されるフロー測定値を補償する。補償されたフロー測定値は、質量流量コントローラ200の出口222におけるフローをより正確に表している。この出口フローは、質量流量コントローラ200によって直接に制御されているフローであり、典型的には、エンドユーザにとって関心のあるフローである。本発明の原理によって圧力補償されたフロー測定値は、質量流量センサの出口フロー読取値の精度を向上させ、それによって、質量流量コントローラが流体のフローをより正確に制御することを可能にする。すなわち、平衡状態では、質量流量コントローラの入口における質量流量は、同じ質量流量コントローラの出口における質量流量に等しいのであるが、入口又は出口の圧力が過渡状態にある間は、流率が、ときには著しく異なる。結果的に、その入口フローを用いてその出口フローを制御する閉ループ制御を提供する質量流量コントローラは、実質的な制御エラーを犯している可能性がある。
【0035】
図3に関係する議論において述べられているような熱質量流量センサのセンサ毛細管320における定常状態の質量流量は、次の方程式によって記述される。
Qc=(dC2/32μ)(Pi/PR)(Pi−P)/LC
ただし、
dC=毛細管の内径;
LC=毛細管の長さ;
ρi=入口における気体の密度;
ρR=標準温度及び圧力における気体の密度;
μ=気体の粘度;
Pi=質量流量コントローラの入口における圧力
Po=質量流量コントローラの出口における圧力;
P=質量流量コントローラのデッド・ボリュームにおける圧力である。
【0036】
質量流量コントローラを通過する全体のフローは、分離率(スプリット・レイシオ)α≡QBP/Qcを介して、センサ毛細管320を通過する全体のフローと関連している。ただし、ここで、QBPは、バイパス・チャネル216を通過するフローであり、Qcは毛細管320を通過するフローである。質量流量コントローラの入口214における全体
のフローQiは、Qi=QBP+Qc=(1+α)Qcである。
【0037】
フローがバイパスと毛細管との両方で層状であり続ける場合には、分離率は、一定であり続ける。入口の圧力が時間と共に変動するときには、入口圧力の過渡状態の性質とデッド・ボリュームの加圧とが、入口におけるフローを支配する。デッド・ボリュームの中の熱理学的な事象が、デッド・ボリュームの周囲に部分的なレセプタクルを形成するエンクロージャの温度に等しい一定温度で生じると仮定すると、デッド・ボリュームの中での質量保存は、Qo=Qi−(TRV/TWPR)(dP/dt)で記述される。
ただし、
PR=標準温度及び圧力での圧力(760Torr);
TR=標準温度及び圧力での温度(273K);
TW=壁部の温度(質量流量コントローラの壁部の温度);
V=デッド・ボリュームの体積;
Qi=質量流量コントローラへの入口フロー;
Qo=質量流量コントローラからの出口フローである。
【0038】
本発明の原理による質量流量センサは、方程式(2)の関係を用いて、熱質量流量センサの質量流量信号を補償することにより、圧力過渡状態の間の質量流量読取値の誤差を実質的に減少させる。
【0039】
図5の流れ図は、本発明の原理によって熱質量流量センサの読取値を穂処す得るプロセスを示している。このプロセスは、ステップ500で開始し、そこからステップ502に進み、図4のコントローラコンテンツ取得サーバ400などの質量流量センサのコントローラが、質量流量読取値を取得する。この読取値は、例えば、図4のインターフェース408などのフロー・インターフェースを介して熱質量流量センサから得られる。このフロー測定値は、質量流量コントローラの入口における質量流率を反映しており、上述したように、質量流量コントローラの出口における質量流率は適切に表していない。質量流量コントローラの出口における質量流率は、一般に、制御アプリケーションにおいて用いられる関心対象の比率である。結果的に、本発明の原理による質量流量コントローラは、質量流量コントローラへの入口流率は質量流量コントローラからの出口流率と等しいと想定することに内在する不正確さを補償する。ステップ502からは、プロセスは、ステップ504に進み、このステップでは、センサ・コントローラ400は、バイパス・チャネルの中のフローの温度を取得する。この温度は、図4のインターフェース412などの温度インターフェースを介して取得することができるか、又は、補償された質量流量センサにダウンロードすることもできる。補償プロセスは、気体温度は質量流量コントローラのエンクロージャの温度と等しいことを、安全に想定することができる。更に、ほとんどの応用例で、温度は、長時間にわたって比較的安定なままであり、それによって、記憶された温度値を必要に応じて更新を行いながら用いることができる。
【0040】
ステップ504で気体温度を取得した後で、プロセスは、ステップ506に進み、そこでは、センサ・コントローラが、デッド・ボリュームの体積を取得する。この値は、例えば、製造の間に記憶されている。ステップ506から、プロセスは、ステップ508に進み、そこでは、デッド・ボリュームの中の圧力が、ある時間周期にわたって取得される。測定値の数と、測定がなされる時間は、質量流量コントローラの入口における過渡状態の速度及び継続時間に依存する。ステップ510では、プロセッサは、ステップ508で得られた圧力測定値を用いて、デッド・ボリュームの中の圧力の時間変化率を計算する。デッド・ボリュームの中の圧力の時間変化率を計算した後では、プロセスは、ステップ512に進み、そこでは、補償された出口フロー値が、方程式(2)に従って、計算される。計算プロセスでは、単純化を行うことができる。例えば、デッド・ボリュームの体積、標準温度及び標準圧力は、すべて、入口フロー測定値とデッド・ボリュームの中の圧力の時
間変化率と共に用いて補償された出口フローの近似値を計算するために単一の定数に合成することができる。この単純化により、次の形式の方程式(3)が生じる。
Qo=Qi−C1(V/T)(dP/dt)
ただし、
Qo=補償された感知された出口流率;
Qi=感知された入口流率;
C1=温度及び圧力を標準温度及び圧力と関連付ける正規化定数;
V=センサ・バイパスと出口フロー制御弁との間の体積
T=この体積の中の流体の温度;
dP/dt=体積の中の圧力の時間変化率である。
【0041】
上述したように、体積Vは、定数C1の中に組み入れることができる。ステップ512から、プロセスは、ステップ514に進み、そこで、フロー・センサのコントローラが、圧力、温度及びフロー読取値を取得して、説明されるように、補償された出口フローの推定値を計算する。プロセスは、ステップ514からステップ516に進み、質量流量センサが停止されると、終了する。
【0042】
図4のブロック図に戻ると、この実施例では、コントローラ400は、例えば技術者などのオペレータが質量流量コントローラを初期化するだけではなく質量流量コントローラに対して診断テストを行うことを可能にする診断インターフェース422を含む。更に、インターフェース422によって、オペレータが、ワークステーションなどであってそうでない場合に質量流量コントローラを正常に制御するローカルなシステム・コントローラからの入力を必要としないように、診断を実行することが可能になる。そのような診断は、ローカルなシステム・コントローラに透過的であり、このローカルなシステム・コントローラは、実行されている診断について知らない場合もあり、結果的に、その動作を不変なままに継続することもできる。診断インターフェースは、質量流量コントローラのセンサ測定値と、制御出力と、質量流量コントローラの診断入力及び出力とへのアクセスを提供する。これらの様々な入力及び出力は、ほとんど僅かな遅延だけで、診断インターフェースを介して実行され測定される。図9の議論に関する説明で詳述されるデュアル・プロセッサの実施例では、決定プロセッサが、例えば、センサ又はテスト点からの出力を修正し、及び/又は、入力をモニタする。オンラインでの診断の間は、コントローラは、そのプロセス制御機能の実行を妨げられずに継続し、他方で、同時に、コントローラは、技術者とのリアルタイムでの相互作用(すなわち、人間であるオペレータには遅延が知覚できないような相互作用)を、ローカルに又は通信接続を介して、提供する。
【0043】
診断インターフェース422を用いて、オペレータは、質量流量コントローラの動作を判断するのに用いられる設定点などの制御値を調整することができる。更に、オペレータは、センサ出力値を修正して、特定されたセンサ読取値に対する質量流量コントローラの応答をテストすることができる。すなわち、オペレータは、質量流量コントローラが出口弁を通過する気体のフローを制御するのに用いるセンサ読取値を修正することによって、診断目的のためにコントローラを動作させることができる。オペレータは、制御に関して記憶されている情報(デュアル・プロセッサの実施例では決定コントローラによって記憶される)だけでなく、すべてのセンサ及びテスト点入力とを読み取り、すべてのセンサ値を読み取り、テスト点値を読み取り、所望の設定点などの制御情報を読み取ることができる。更に、オペレータは、出力及びテスト点を制御するように書き込み、センサ読取値又は設定点情報などの記憶されている値に上書きして、診断ポートを介してコントローラを完全にテストすることができる。
【0044】
ある実施例では、本発明の原理による質量流量コントローラは、ウェブ・サーバを含む。そのようなウェブ・サーバは、例えば、診断インターフェースの中に含まれる。この実
施例では、診断インターフェースは、図6のブロック図に図解されているようなシステムにおいて質量流量コントローラが用いられることを可能にするウェブ・サーバを含む。このシステムでは、技術者などのユーザは、ウェブ・ブラウザ(例えば、ネットスケープ又はエクスプローラ)を動作させて質量流量コントローラ604の中に埋め込まれたサーバ602と通信するパーソナル・コンピュータ、パーソナル・デジタル・アシスタント又はセルラ電話などのウェブ閲覧可能なデバイス600を用いる。サーバ602は、ユーザに本発明の原理による質量流量コントローラ604へのインターフェースを提供するウェブ・ページを含む。図13Aから13Eまでに関係する議論は、本発明の原理による質量流量コントローラの例示的な実施例に埋め込まれたウェブ・サーバ能力に関する更なる詳細を提供している。
【0045】
質量流量センサは、典型的には、その製造プロセスの間に較正される。質量流量センサは、通常、質量流量コントローラの中に一体化されているので、この議論は、質量流量コントローラに関するものであるが、ここで論じられる方法及び装置は、「スタンドアロン」の質量流量センサにも同様に適用することができる。較正プロセスのためには、技術者は、気体を既知の流率で質量流量コントローラに供給し、質量流量センサのフロー信号をその既知の流率と相関させることが要求される。例えば、フローに対応する電圧出力を提供する質量流量センサの場合には、技術者は、センサから出力された電圧を実際の流率の中にマップする。このプロセスは、複数のフローについて反復され、電圧/フローという相関の組が生じる。例えば、4ボルトの出力は40標準立方センチメートル/分(sccm)のフローを示し、5ボルトの出力は50sccmのフローを示す、などである。
【0046】
較正点の間に収まる流率は、例えば、線形又は多項式補間法を用いて補間することができる。このプロセスは、複数の気体について反復されることがありうる。様々な気体に関する質量流量センサからの信号(例えば電圧)を流率に関連付ける相関テーブルは、このようにして作成され、記憶される。このようなテーブルは、「現場で」用いるために、質量流量コントローラにダウンロードすることができるし、又は、質量流量コントローラの内部に記憶することもできる。多くの場合、技術者は、N2などの比較的無害な気体を用いて質量流量コントローラを較正し、他の気体のフローを較正気体に相関させるのに用いられる較正係数を提供する。これらの較正係数は、既知の気体が質量流量コントローラを通過して「流れ」て見かけのフローから実際のフローを計算するときに、現場で用いられる。すなわち、見かけのフローはN2に相関されたフローであり、アルシン・ガスが質量流量コントローラを通過して送られる場合には、質量流量コントローラは、見かけのフローとアルシン・ガスの較正係数とを乗算して、実際のフローを得る。更に、いったん現場に出ると、質量流量コントローラは、「ドリフト」、方向、フローが制御されている気体の含水率に対応するために、又は、それ以外のファクタを保障するために、規則的に再較正がなされる。この出願で援用する2001年12月25日にYelverton他に与えられた
米国特許第6,332,348号は、これらのファクタと、これらの現場での較正を実行するのに必要な大変なプロセスとについて、詳細に論じている。
【0047】
本発明の原理による較正方法及び装置は、図7の概念ブロック図に関する議論において説明される。この較正システム及び方法は、製造の際に用いられるか、又は、ある実施例では、自己較正型の質量流量コントローラの中に組み入れられることもある。質量流量コントローラ700は、質量流量センサ702と、質量流量センサ702からフロー信号を受け取る電子コントローラ704とを含む。較正器706は、可変フロー気体源708と、所定の体積のレセプタクル710と、圧力微分器712とを含む。注意すべきであるが、異なる機能ブロックを分離している線は、いくぶん流動的であるということである。すなわち、異なる実施例では、ある1つのブロックと関連する機能は、1又は複数のブロックに組み込まれることがある。例えば、ある実施例では、圧力微分器712は、電子コントローラ704の中でコードを実行することのよって、全部又は一部が実現される。可変
フロー気体源708は、所定の体積のレセプタクルと質量流量センサとの両方に比例的な比率で気体を提供する。質量流量センサ702への流率は、所定の体積のレセプタクル710への流率と等しいことがありうる。すなわち、例えば、比例定数は1であることがありうる。質量流量センサ702は、それ自体が感知するフローを指示する質量流量信号を生じるように構成され、この実施例では、この信号は、電子コントローラ704に送られる。圧力微分器712は、可変フロー気体源708から所定の体積のレセプタクル710間でのフローに相関された信号を、次の方程式4の関係に従って、生じる。
Qo=Qi−C1(V/T)(dP/dt)
ただし、
Qo=標準立方センチメートル/分を単位とする出口フロー;
Qi=標準立方センチメートル/分を単位とする入口フロー;
C1=温度及び圧力を標準温度及び圧力と関連付ける正規化定数;
V=リットルを単位とするレセプタクルの所定の体積;
T=レセプタクルの中の流体のケルビン温度;
dP/dt=Torr/秒を単位とするレセプタクルの中の圧力の時間変化率である。
【0048】
ある実施例では、レセプタクルは閉鎖されており、気体は、レセプタクルの中の圧力が可変フロー源708によって供給される気体の圧力と等しくなるまで、レセプタクルの中に流れ込む。このような実施例では、可変フロー源は、一定圧力の気体源であり、レセプタクルの中の圧力が上昇するにつれて、指数関数的に減少する流率で気体を供給することになる。そのような場合には、出口(アウトレット)フローQo=0であり、入口フローQiは、次の数式(5)で与えられる。
Qi=C1(V/T)(dP/dt)
圧力微分器712は、レセプタクル710の中の圧力の時間導関数を計算し、正規化定数C1と、所定の体積Vと、レセプタクルの中の気体温度とが与えられると、この圧力微分器(及び/又は、電子コントローラ704)は、レセプタクル710の中への実際のフロー(流量)を決定することができる。レセプタクルの中のフローは熱質量流量センサ702の中へのフローに比例するから、熱質量流量センサ702の中への実際のフローは、レセプタクルの中への実際のフローと比例定数(例えば、これらのフローが等しい場合には、否定例数は1である)とを乗算することによって、決定されうる。次に、例えば電子コントローラ704によって、質量流量センサからの信号は、上述したようにして決定される実際のフローと相関付けられる。この相関は、質量流量センサからの1又は複数の信号レベルを、実際のフローと関連させる。圧力微分器712は、例えば、圧力信号の時間導関数を計算するアナログ微分回路を含む。この部分回路の出力信号である、レセプタクルの中の圧力の時間導関数dP/dtを表す信号は、アナログ・デジタル・コンバータ(図示せず)によってサンプリングされ、例えばマイクロプロセッサ、DSPチップ又はデュアル・プロセッサを含む電子コントローラ704が、時間導関数信号に作用することを可能にする。あるいは、圧力微分器712は、圧力信号を、電子コントローラ704による処理のためにデジタル形式に変換することもありうる。電子コントローラ704は、圧力信号の時間導関数を計算する。そのような実施例では、電子コントローラは、微分器のコードと共に、微分器として動作する。このコントローラは、対応する時間間隔によって分割される少なくとも2つの圧力差を用いて、導関数を計算する。気体は、レセプタクルと質量流量センサとに並列的に供給されるか、又は、直列的に供給される。これについては、自己較正質量流量コントローラに関する後述する議論において、より詳細に説明される。
【0049】
動作においては、質量流量コントローラは、複数の気体を用いて、テーブルに記憶されている相関値(センサ出力の実際のフローへのマッピング)を用いて、上述したように較正されうる。ある気体のフロー測定値を別の気体へ関係付ける較正係数を生じさせて記憶することができる。このテーブル及び/又は係数は、現場にある質量流量コントローラに
ダウンロードすることができ、気体のフローを制御する際にそのコントローラが用いることができる。線形又は多項式補間などの様々な既知の補間法を、較正テーブル及び/又は係数と共に用いることができる。更に、そのようにして記憶されている較正テーブル及び/又は係数は、本発明の原理による自己較正型の質量流量コントローラにおいて、デフォルト値として用いることができる。本発明の原理による自己較正型の質量流量コントローラは、較正器706と質量流量センサ702とを含み、上述したようにして質量流量コントローラを較正するのに用いることができる。しかし、自己較正型の質量流量コントローラの場合には、較正は、手動による設定と同じように容易に、インサイチュ、すなわち現場で、実行することが可能である。
【0050】
例えば、図1のシステム100におけるように、いったん半導体処理ツールに現場でインストールされると、質量流量コントローラは、半導体処理の間の用いられる気体を用いてそれ自体で較正をすることができる。処理において用いられる気体を用いることによって、質量流量コントローラはより正確なフロー測定値を提供することができるのであるが、その理由は、質量流量コントローラが、例えば含水率などの変更を自動的に行うことができるからである。更に、従来型の気体とまったく同じくらい容易に、新たな処理用気体を用いることができるのであるが、その理由は、この自己較正型の質量流量コントローラは、N2などの標準的な別の気体との関係においてではなく、それ自体が較正することが可能であるからである(すなわち、質量流量信号レベルを、圧力微分器によって決定される実際のフロー・レベルと相関させる)。質量流量コントローラはそれが用いられるであろう方向に較正されるので、製造の間に較正された位置との関係で現場における質量流量コントローラの再方向付け似起因する不都合は、実質的に排除される。図1のシステム100などシステムの中のすべての質量流量コントローラが、自動的かつ同時に、僅かな時間の間に較正されうる。これは、従来型の質量流量コントローラに用いられている面倒で容易でないプロセスとは対照的である。従来のプロセスでは、1人の技術者が、複数の質量流量メータを用いて、1つの質量流量コントローラから別の質量流量コントローラへと飛び回りながら、個別的に較正作業を行っているのである。後で図8について論じる際により詳細にわたって説明されるのであるが、熱質量流量センサと圧力トランスデューサとを含む質量流量コントローラは、そのデッド・ボリュームの中への変動する気体フローを生じさせるためには、その出口弁を閉じる。圧力の時間導関数を計算することによって、デッド・ボリューム・レセプタクルの中への実際のフローを決定することができる。質量流量コントローラによるフローの実際値の熱質量流量センサ信号への相関は、質量流量コントローラの較正として作用する。
【0051】
図8は、本発明の原理による自己較正型の質量流量コントローラ800の概念ブロック図である。この例示的な直列フローの実施例では、気体は、熱センサ802を通って所定の体積のレセプタクル804の中に流れ、そして、出口弁806を通過する。出口フローQoは、通常、集積回路処理ツールの中のチャンバなどのチャンバの中への制御されたフローである。この実施例では図7に関する議論において説明されたように実際のフローを取得するのに必要とされる微分を行うコードを実行する電子コントローラ808は、熱センサ802、圧力センサ805及び出口弁806と通信関係を有する。ある例示的なプロセスでは、電子コントローラ808は、出口弁806と共に動作して、可変フローの気体供給を形成する。すなわち、この電子コントローラは、出口弁を閉鎖することによって、フローを指数関数的に減少させる。デッド・ボリュームの中の圧力は上昇し、電子コントローラは、この信号を複数回微分して実際のフロー読取値を取得し、比較的広範囲のフローにわたって質量流量センサの信号値に相関させる。更に、フローが変動する時間周期を拡大させ、広い範囲で熱質量流量信号値との相関に用いる実際のフロー値を取得するために、電子コントローラは、閉鎖する前に出口弁を完全に解放された位置まで開放する。
【0052】
このようなプロセスに関連する圧力及びフローの概要は、図9に概念的に図解されてい
る。開始時刻t0では、質量流量コントローラへの入口における気体圧力Pinとレセプタクル804の下流における圧力PRとの圧力差により、気体は、質量流量コントローラを通過して速度Qinで流れることを強いられる。この例では、入口圧力Pinと、レセプタクルの中での圧力PRと、質量流量コントローラの入口を通過するフローQinとは、一定である。時刻tSOで、コントローラは、出口弁を閉鎖し、それによって、出口フローQOをゼロまで減少させる。レセプタクルと入口との間に圧力差が存在する限りは、気体は、レセプタクルの中に流れ続ける。レセプタクルの中の圧力PRが入口圧力Pinと等しくなる平衡状態に向かって指数関数的に上昇するにつれて、入口フローQinは減少する。レセプタクルの中の圧力変化の導関数を計算することによって(本発明の実施例との関係では、やはり、「デッド・ボリューム」と称される)、電子コントローラは、上述したように、レセプタクルの中への実際のフローを決定することができる。
【0053】
電子コントローラは、熱質量流量センサから生じる複数の同時的な読取値を相関させることにより、質量流量センサを較正することができる。すなわち、このプロセスがいったんある特定の気体について完了すると、熱質量流量センサからのフロー読取値を、実際の流率に相関させることができる。この結果は、電子コントローラ808によって、閉ループ制御システムにおける弁806の開放を制御して、選択されたフロー・ダウンストリームを生じさせるのに用いられうる。コントローラが弁を閉鎖するときからフローが検出不可能になる時までの時間周期tSOを増大させる、すなわち、行なうことができる圧力測定の回数を増加させ精度を向上させるためには、コントローラは、時刻tSOにおいて閉鎖する前に、弁を開放することができる。更に、熱質量流量センサへの入口とレセプタクル804への入口との間のフロー経路に、1又は複数のフロー制限手段が配置されることもある。
【0054】
図10の概念ブロック図は、本発明の原理による質量流量センサにおいて用いることができる電子コントローラ100のデュアル・プロセッサ型の実施例のアーキテクチャを図解している。この実施例では、コントローラは、2つのプロセッサ1002、1004を含む。一方のプロセッサ1002は「リアルタイム」のプロセスの専用であり、他方のプロセッサ1004は非リアルタイムのプロセスの専用である。ここで、「リアルタイム」とは、限定された応答時間の間に特定レベルのサービスを要求するプロセスを意味する。この意味で、そのようなプロセスは決定的であり、プロセッサ1002は、ここで、決定プロセッサと称することにする。デュアル・プロセッサ型アーキテクチャの目的は、割り込みの数を減らして、予測可能な態様で非同期イベント応答を管理することである。非決定プロセッサ1004は、ユーザからの入力への応答などのイベント駆動型の割り込みを処理することである。決定プロセッサ1002は、フレーム駆動型の、すなわち、規則的に時間管理がなされている割り込みだけを処理する。ある実施例では、非決定プロセッサは、数学や通信用のコプロセッサなど特定用途向けのコプロセッサではなくて、ユーザ・インターフェースなどの様々なタスクやそれ以外のいろいろなタスクに適した汎用プロセッサ1004である。特に、テキサス・インスツルメント社から入手可能なTMS320VC5471を、この原理に従ったデュアル・プロセッサ型の実施例で用いることができる。このTMS320VC5471は、http://www-s.ti.com/sc/ds/tms320vc5471.pdfにおいて入手可能なデータ・マニュアルに説明されている。これは、本出願において援用する。
【0055】
プロセッサ・インターフェース1006は、プロセッサ間の通信を提供する。決定プロセッサ1002は、センサ及びアクチュエータ・インターフェースを含む。センサ・インターフェースの中では、フロー・センサ・インターフェース1005が、質量流量センサと共に動作して、関連する質量流量コントローラにおける質量流率のデジタル表現を生じる。1又は複数のアクチュエータ・インターフェース1010が、例えば、決定プロセッサ1002が、関連する質量流量コントローラの出力制御弁の開放を制御する、又は、診
断テスト点を駆動するのに用いられる。アクチュエータは、例えば、電流駆動型のソレノイドか、電圧駆動型の圧電アクチュエータである。図9の流れ図に関する議論において詳細に後述されるように、初期化の後では、決定プロセッサ1002は、制御シーケンスを通過してループし、センサ・データを収集し、設定情報(例えば、所望の質量流量設定)を収集し、状態情報を提供し、出口弁の状態を制御する。非決定的なタスクは非決定プロセッサ1004にオフロードされるから、決定プロセッサの制御ループは、非常にコンパクトでありうる。その結果、制御タスクは、最小限の時間周期の間に実行されることが可能であり、制御読取値と駆動信号とは、非決定的なタスクのための時間を予め準備していくのならば、可能であるよりも頻繁に更新することができる。
【0056】
コントローラ1000は、図3に関する議論において一般論を説明した熱質量流量センサと共に動作して、関連する質量流量コントローラの中への質量流率のデジタル表現を生じる。このデジタル表現は、1又は複数のデータ値の形式を有し、質量流量センサの入力における圧力過渡状態に起因する揺らぎを受ける。コントローラ1000は、より特定すると、決定プロセッサ1002は、圧力センサ・インターフェース1006において取得されたデータを用いて、質量流量センサの入口ラインにおける圧力過渡状態によって熱質量流量センサに誘導される揺らぎを補償する。この実施例では、決定プロセッサ1002は、インターフェース1008、1007及び1005のそれぞれから得られた温度、圧力及び質量流量読取値を用いて、熱質量流量だけからの読取値よりも質量流量センサの出口における質量流量をより正確に反映する補償された質量流量読取値を生じる。決定プロセッサ1002は、また、熱フロー1005、圧力1007及び温度1008のセンサ・インターフェースを通じ、必要に応じて、センサへの制御を提供する。補償プロセスは、図11に関する議論において、より詳細に後述される。決定プロセッサ1002は、また、弁アクチュエータ・インターフェース1010を含んでいるが、このインターフェースは、決定プロセッサが、図2の弁220などの弁の位置を制御して、閉ループ制御プロセスにおいて、質量流量コントローラ100などの質量流量コントローラを通過する流体の流率を制御するのに、用いられる。
【0057】
決定プロセッサ1002は、閉ループの弁制御プロセスの専用であり、その結果、十分な速度をもって、様々なセンサ出力を読み取り、弁を必要に応じて補償して調整して所定の流率を生じさせるという動作を行うことができる。流率は、それがある意味で「望まれている」という意味で予め決められており、静的な設定は必要ない。すなわち、所定の流率を、オペレータがダイアル設定などの機械的な手段を用いて設定することが可能であるし、又は、例えば頻繁に更新されるワークステーションなどの別のコントローラからダウンロードすることも可能である。典型的には、気体フローの制御には、そしてこの場合には補償された気体フローの制御には、比較的高速の動作が必要である。そのような高速の動作には、縮小命令セット(RISC)、数学コプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)など様々なタイプのプロセッサが、適している。DSPが有している、計算上、信号条件付け及びインターフェースに関する性能が、決定プロセッサ1002のような動作に特に適している。図9の議論に関係する制御プロセスの説明で後で詳細に論じるように、決定プロセッサ1002によって実行される機能は、ある特定の動作が時間通りかつ規則的な態様で完了されることにより、制御プロセスにおけるエラーや不安定状態が生じる可能性を排除することができるという点で、決定的である。決定1002及び非決定1004プロセッサは、決定プロセッサ1002の決定的な動作を妨げないような態様で、プロセス相互間のインターフェース1006を介して通信する。プロセッサ相互間の通信については、図9に関する議論の中で後で詳述する。
【0058】
非決定プロセッサ1004は、例えば、キーパッド、キーボード、マウス、トラックボール、ジョイスティック、ボタン、タッチスクリーン、デュアル・インライン・パッケージ(DIP)又はサムホイール・スイッチなどの1又は複数の入力装置と共に用いられ、
この非決定プロセッサ1004と関連する質量流量コントローラを操作する技術者などのユーザからの入力を受け取る。ローカルなユーザ・インターフェース1016は、また、ディスプレイなどの1又は複数の装置を駆動するのに適した1又は複数の出力を含むが、これは、質量流量コントローラからユーザに情報を通信するのに用いられる、例えば、キャラクタ、英数字又はグラフィック表示などのインジケータ・ライト又はオーディオ出力装置である。通信インターフェース1018により、質量流量コントローラは、1又は複数の他の装置と、及び/又は、複数の質量流量コントローラを用いるツールを制御するワークステーションなどのローカルなコントローラと、及び/又は、例えば集積回路の製造のための他の装置などと、通信することが可能となる。この実施例では、通信インターフェース1018は、デバイスネット(DeviceNet)インターフェースを含む。診断インタ
ーフェース1020は、技術者が図4の診断インターフェース422に関係して上述したような診断を実行するために提供される。ある実施例では、この診断インターフェースは、イーサネット(登録商標)インターフェースとウェブ・サーバとを含む。
【0059】
決定プロセッサ1002のためのコードがコンパクトであることにより、決定プロセッサは、入力の変化に対する適切な応答が可能であるし、そのような変化に応答してアクチュエータ信号を迅速に修正することが可能である。また、決定プロセッサと非決定プロセッサとの間での動作のこのような分割により、決定プロセッサと非決定プロセッサとの両方に対するコードの初期の開発が容易になる。例えば、決定コードは、ユーザ・インターフェースにおけるディスプレイ上のユーザのリクエストの「ミラーリング」のような予定されていないイベントに応答する必要はないし、非決定コードは、50バス・サイクルごとに出口弁の制御設定を調整するためにユーザ・フィードバックを提供することなどから離脱する必要もない。また、決定と非決定との分割により、改訂や更新が比較的容易になる。一方のプロセッサのためのコードが改訂又は更新されなければならない場合には、他方のプロセッサのためのコードは、改訂が必要ないか、又は、僅かな改訂のみが必要なだけである。特に、決定プロセッサのためのコードは、非決定プロセッサのためのコードよりも、より「成熟」している、又は、固定されている。つまり、ユーザ・インターフェース、通信又はそれ以外の類似の機能は、決定的な質量流量制御や機能よりも頻繁に更新される傾向がある。
【0060】
この例示的なデュアル・プロセッサ型の実施例を用いると、ユーザ・インターフェースは、例えば、制御機能コードにまったく衝撃を与えることなくして、更新することができる。混合モードのコード(決定及び非決定コード)の改訂及び維持管理は、本発明の原理による方法で分割されたコードよりも、はるかに複雑で高価である。ある実施例では、デュアル・プロセッサ型のコントローラ1000は、2つのプロセッサを1つの集積回路の上に実装したハイブリッドなプロセッサでありうる。テキサス・インスツルメント社から入手可能なTMS320C5471のハイブリッド・プロセッサのような集積回路は、本発明の原理によるデュアル・プロセッサとして、用いることができる。このチップのデジタル信号処理(DSP)サブシステムは、その数学的能力により、そのような応用例における決定プロセッサとして、更に適切である。このICのデュアル・ポート型メモリは、プロセッサ相互間のインターフェースとして用いることができ、その場合、メモリ位置への書き込みとメモリ位置からの読み出しとを行うプロセッサは、データ、コマンド及びコマンド応答を含む情報の転送のための「郵便箱(メールボックス)」として機能する役割を有する。
【0061】
そのようなプロセッサ相互間のインターフェースにより、決定プロセッサは、フレーム駆動モードでの動作を継続しながら、他方で、同時に、診断及び較正の役割りを演じることも可能である。非決定プロセッサからのセンサ・データに対するどのようなリクエストも、決定プロセッサの制御ループのある通過の際に郵便箱からピックアップすることができ、読取値は、そのループを次回に通過する際に郵便箱に入れられる。診断出力も、これ
と同じように修正されうる。決定プロセッサは、また、他の非プロセス指向のモードでも動作することができる。例えば、上述したような自己較正プロセスの間は、決定プロセッサは、質量流量コントローラを通過する設定されたフローを維持管理するよにはもはや動作しない。そのようなモードでは、決定プロセッサは、質量流量コントローラの出口弁を閉鎖し、デッド・ボリュームの中の圧力の複数の時間導関数を計算し、質量流量コントローラにおける対応する実際のフローを計算し、その実際のフローを熱質量流量センサからのフロー信号に相関させることによって、占有される。
【0062】
図11の流れ図は、本発明の原理によるデュアル・プロセッサ型の質量流量コントローラを通過する気体フローを感知し制御するプロセスの概略である。このプロセスは、ステップ1100において開始し、そこから、コントローラが初期化されるステップ1102に進む。この初期化のステップは、較正値のアップロード又は較正シーケンス自体を含む場合がある。更に、決定プロセッサ1002と非決定プロセッサ1004との両方のための動作コードがこの時点でアップロードされる場合もある。ある実施例では、非決定プロセッサ1004は、それ自体のコードをアップロードして動作を開始し、その後で、決定プロセッサ1002のためのコードをアップロードする。決定プロセッサ1002のためのコードをアップロードするプロセスでは、非決定プロセッサ1004は、決定プロセッサ1002にアップロードする複数の実行可能なコード・セットの間で選択を行うことによって、決定プロセッサ1002の動作を調整する。非決定プロセッサ1004は、この選択を、例えば、スイッチの設定、ローカルなコントローラ(例えば、半導体プロセス・ツールの動作を制御するワークステーション)からのコマンド又は不揮発性ストレージに記憶されている設定に基づいて行う。そのような選択により、質量流量コントローラを、異なるフロー制御動作に適応させることができる。例えば、技術者は、コード・セットの間での選択をすることによって、コントローラを、「質量流量コントローラ」モードではなくて、「圧力コントローラ」モードで動作させることができ、この選択は、ローカルに、又は、遠隔的に(すなわち、通信リンクを介して)も行うことが可能である。
【0063】
ステップ1104では、非決定プロセッサ1004は、動作コードと初期制御設定とを決定プロセッサ1002に送り、決定プロセッサ1002は図第1及び第2のの流れ図に一般的に記載されているような態様で動作を開始する。ステップ1104からは、プロセスは、ステップ1106に進むが、そこでは、非決定プロセッサ1004は、ローカルな入力/出力インピーダンスに対してサービスを提供する。このサービスの提供には、キーボード、スイッチ又はマウス入力を含む様々な入力を読み取り、LED、英数字ディスプレイ又はグラフィカルなディスプレイを介して情報をローカルに表示することが含まれる。ステップ1106からは、プロセスは、ステップ1108に進み、ここでは、非決定プロセッサ1004は、通信インターフェースに対するサービスを提供する。このサービス提供には、制御及びセンサ・データを、例えば半導体プロセス・ツールのローカル・コントローラとして動作しているワークステーションにアップロードするステップを含む。更に、非決定プロセッサ1004は、更新された設定をローカルなコントローラからダウンロードすることもできる。
【0064】
プロセスは、ステップ1108からステップ1110に進み、このステップでは、非決定プロセッサ1004が診断インターフェースにサービスを提供する。図4の議論に関する説明で述べたような様々な診断動作が実行されうる。ある実施例では、質量流量コントローラは、ウェブ・サーバを含み、このウェブ・サーバによって、オペレータは、「ワールド・ワイド・ウェブ」などのネットワークを介して診断を実行することができる。ステップ1110の次は、プロセスは、ステップ1112に進み、非決定プロセッサ1004は、プロセス相互間インターフェース1006にサービスを提供する。「通常」の非決定動作の間には、非決定プロセッサ1004は、決定プロセッサ1002からの読取値を取得し、通信インターフェースを介して得られたフロー設定などの制御情報を、決定プロセ
ッサに送る。ステップ1112からは、プロセスは、終了のステップ1116に進み、ここでは、例えば、質量流量コントローラはオフにされる。
【0065】
上述したように、この流れ図やこの出願の他の流れ図に与えられているステップは、シーケンシャルである必要はなく、実際、非決定プロセッサ1004によって実行される多くの機能は、イベント割り込み駆動型であって、この非決定プロセッサの動作には、予測可能なシーケンスは存在していない。データ・ロギングなどの他のプロセスが、規則的な間隔で実行されうる。非決定プロセッサは、例えば、イーサネット(登録商標)ネットワーク・インターフェースを介した決定プロセッサへの双方向ソケット接続をサポートすることにより、遠隔地のユーザと決定プロセッサとの間の比較的直接的な接続を提供することができる。
【0066】
図12A−12Bの流れ図は、本発明の原理によるデュアル・プロセッサ型の質量流量コントローラの決定プロセッサの動作を示している。この流れ図の文脈では、初期化プロセスは既に生じていて、決定プロセッサはその制御ループの中を循環していると想定されている。プロセスは、図12Aのステップ1200で開始して、そこからステップ1202に進み、ここで、決定プロセッサが、その「正常(ノーマル)」制御能力で動作すべきなのか、例えば手動の診断モードや自動診断モードなどそれ以外のモードで動作すべきなのかを判断する。決定プロセッサは、この決定を、プロセッサ相互間のインターフェース1006から取得する情報に基づいて行う。決定プロセッサは、イベント駆動型割り込みではなくてクレーム駆動型で動作するため、結果的に、プロセッサ相互間インターフェースを定期的にポーリングして、そのような情報を取得する。
【0067】
決定プロセッサがそのノーマル・モードで動作する場合には、プロセスは、ステップ1202から1204に進み、そこでは、決定プロセッサは、所望の制御設定に関する情報をプロセッサ相互間インターフェースから取得する。この情報は、例えば、ローカルなコントローラから、フロント・パネル・ユーザ・インターフェースから、又は、診断ポートから受け取られる所望の流率という形式を有する。決定プロセッサは、また、例えばセンサ・データなどの情報を、このステップの間にプロセッサ相互間インターフェースを介して非決定プロセッサに転送することがある。ステップ1204から、プロセスは、ステップ1206に進み、ここでは、決定プロセッサは、例えば様々なセンサからデータを収集する。決定プロセッサがデータを収集するセンサには、例えば、質量流量センサ(熱又はそれ以外のタイプ)、温度センサ又は圧力センサが含まれる。
【0068】
ステップ1206からは、プロセスは、ステップ1208に進むが、ここでは、決定プロセッサが、質量流量コントローラを通過する物質の流率を計算する。ある実施例では、質量流量コントローラには、熱質量流量センサと、ステップ1212でこの熱質量流量センサのバイパスと質量流量コントローラの出口弁との間のデッド・ボリュームの中の圧力を測定する圧力センサとが含まれる。この実施例では、決定プロセッサは、図5の議論との関係で上述した方法を用いて、コントローラの入口で熱質量流量センサによって測定される流率を補償して、コントローラの出口における流率をより正確に近似する。センサから得られた流率が補償されない実施例では、プロセスは、ステップ1208の計算プロセスをスキップして、ステップ1206からステップ1210に直接に進む。
【0069】
ステップ1210では、決定プロセッサは、ステップ1208で計算された(又は、ステップ1206で読み取られた)流率が、ステップ1204でプロセッサ相互間インターフェースを介して非決定プロセッサから得られた設定情報によって示されている所望の流率と等しいかどうかを判断する。これらの値が等しい場合には、決定プロセッサは、上述したとおりに、「継続」ブロック1214によって示されているように、動作を継続する(すなわち、決定プロセッサは、ステップ1202に戻り、ループの中のサイクルを継続
する)。これらの値が等しくない場合には、決定プロセッサはエラー信号を計算し、このエラー信号を用いて、質量流量コントローラの出口弁への駆動信号を調整する。ステップ1212からは、プロセスは、ステップ1214における継続に進む。そして、ステップ1214からステップ1216に進み、そこで、質量流量コントローラは、例えば、動作を終了するか、又は、リセットされる。
【0070】
ステップ1202において決定プロセッサがノーマル・モードで動作すべきでないという結論を出す場合には、プロセスは、接続ボックスAを介して図12Bのステップ1218に進み、そこで、決定プロセッサは、診断モードで動作すべきかどうかを判断する。決定プロセッサは、この情報を、プロセッサ相互間インターフェースから得ることができる。決定プロセッサが診断モードで動作すべき場合には、プロセスは、ステップ1220に進む。ステップ1220では、決定プロセッサは、どの診断モードで動作すべきかを判断する。再び、この情報は、プロセッサ相互間インターフェースを介して、決定プロセッサに送られうる。「自動」モードの場合には、決定プロセッサは、一連の診断値をプロセッサ相互間インターフェースから取得する。決定プロセッサは、この一連の値を、このインターフェースにおいて入手することができる。診断値は、質量流量コントローラの出口弁の開放を設定する値、又は、テスト・ポイント駆動値を設定する値であり、この診断値は、例えば、所望のセンサ読取値や、テスト・ポイントからの読取値を示しうる。この診断値は、また、例えば、テスト・ポイントの駆動値を設定してテスト・ポイント出力を読み取るためにこの値が用いられるシーケンスを示すこともある。手動モードでは、診断値は、プロセッサ相互間インターフェースを介して一度に1つずつ決定プロセッサにとって入手可能となる。質量流量コントローラがウェブ・サーバを含む実施例では、技術者がウェブへ閲覧が可能なワークステーションを用いて質量流量コントローラの中のサーバに接続する。いったんサーバへのリンクが確立すると、技術者は、例えば、タイプする、プルダウン・メニュから選択する又はアイコンをクリックすることによって、弁設定コマンドを入力することができる。この単一の設定コマンドは、その決定ポートを介して非決定プロセッサによって受け取られ、プロセッサ相互間インターフェースを介して、決定プロセッサに送られる。
【0071】
手動診断モードでは、決定プロセッサは、プロセッサ相互間インターフェースにおいて入手可能などのような診断値であってもその診断値を介して実行して、その通常の制御ループに戻る。例えば、テスト・ポイント駆動値などの単一の診断値が決定プロセッサに与えられる場合には、これは、単一の制御ループ・サイクルに「優先(オーバライド)」するし、一連の診断値が決定プロセッサに与えられる場合には、多数の制御ループ・サイクルに優先する。自動診断モードでは、多数の診断値が、いくつかの制御ループ・サイクルに対応する期間の間にプロセッサ相互間インターフェースを介して交換され、少なくとも10倍は多くのオーダーの相当な数の制御ループ・サイクルが、自動診断の交換の間に介入する。診断モードは、例えば、組み合わされて、自動のアクティブなオンライン診断モードを生じさせることがある。ある実施例では、本発明の原理による質量流量コントローラは、1ミリ秒の制御ループ・サイクルで動作し、そのサイクルの間に、フルスケールの精度の1パーセントを与える。
【0072】
これら様々な診断モードを念頭におき、そして更に、流れ図を用いて図解されたプロセスは厳密に直線的なプロセスではなく、本発明の範囲内でこれ以外の流れ図も可能であることを念頭におきながら、診断プロセスを、ステップ1220から1226との関係で、一般的に説明する。ステップ1220では、決定プロセッサは、プロセッサ相互間インターフェースから診断値を取得する。上述したように、これらの値は、決定プロセッサが制御出力として用いるためのものであり、あるいは、例えばセンサから決定プロセッサが取得するデータを示している。ステップ1220からは、プロセスは、ステップ1222に進み、ここでは、決定プロセッサは、例えば、出口弁のアクチュエータ駆動信号を変更す
る、又は、センサ読取値をプロセッサ相互間インターフェースに転送することによって、ステップ1220で取得された値を処理する。
【0073】
ステップ1222から、プロセスは、ステップ1224に進み、このステップでは、決定プロセッサは、その診断タスクを終了したかどうかを判断する。その診断タスクを終了していない場合には、例えば、依然として自動モードで動作しておりプロセッサ相互間インターフェースから検索すべき一連の値の中に複数の値が存在している場合には、プロセスは、ステップ1222に戻り、それ以降は、上述したとおりである。ステップ1224において、決定プロセッサがその診断タスクを終了したとの結論に達した場合には、プロセスは、接続ボックスBを介して、図12Aのステップ1214に戻る。決定プロセッサが診断モードで動作していないと判断する場合には、プロセスは、プロセッサがルーチンの背景動作などの機能を実行するステップ1218から先に進み、接続ボックスBを通じてステップ1214に戻り、それ以降は、上述したとおりである。
【0074】
図13Aから13Eのスクリーン・ショットは、図6のインターフェース608などのウェブ・サーバ・インターフェースを含む本発明の原理による質量流量コントローラへのアクセスのために利用可能なユーザ・インターフェースを図解している。ある実施例では、質量流量コントローラは、図6のサーバ602などのウェブ・サーバを含む。ユーザは、ローカルなコントローラを介してサーバをローカルに用いることができるし、又は、図6のデバイス600などのウェブ閲覧が可能なデバイスから遠隔的に用いることもできる。このようにして、同じユーザ・インターフェースを、質量流量コントローラとの遠隔的でもローカルでも両方の相互作用のために用いることができる。モデル番号、レンジ、製造設定パラメータなどの質量流量コントローラに関する詳細な情報はユーザに向けて表示され、ユーザが変更可能な設定パラメータも同様に表示される。異なる表示技術を用いることもできる。限定された数の受入可能な値だけが存在する場合には、それらは、例えば、プルダウン・メニュから表示され選択されるようにできる。既に述べたように、技術者などのユーザは、このインターフェースを通じて、例えば、設定されたポイント値、弁の開閉、フロー出力のモニタなどを変更することができる。更に、質量流量コントローラがプロセス制御アプリケーションの下で動作している間は、ユーザは、サーバに、質量流量コントローラから得られたパラメータ値を、プロットさせ記録させることが可能である。
【0075】
図13Aのスクリーン・ショットは、ウェブ上の本発明の原理による質量流量コントローラに最初にアクセスするとユーザが見ることになるディスプレイの図解である。このディスプレイは、ユーザが、プルダウン・ウィンドウ1300を用いて通信プロトコルを選択するように促している。「クエリ・デバイス」リンク1302によって、ユーザは、プロセスを開始して、自分自身のブラウザが認識できるすべてのデバイスを見つけることができる。
【0076】
基本的な情報は、サーバからダウンロードできる。質量流量コントローラに関する情報は、図13Bのスクリーンに表示されている。このスクリーンは、拡張も縮小も可能である。ユーザは、表示されている質量流量コントローラの一部に関する情報を見ることを選択することもできる。モデル番号、シリアル番号及び内部に記憶されているコードに基づいて、この質量流量コントローラに関する製品仕様を、ユーザが選択可能なパラメータと共に、例えば、リストとして表示することができる。ユーザは、このスクリーンを用いて、質量流量コントローラとの間で較正データをダウンロードし、較正テーブルを入力することができる。ユーザは、また、このインターフェースを通じて設定ポイントを変更し、対応する質量流量コントローラを通過する報告されているフローをモニタすることができる。更に、ユーザは、設定を変更したり、質量流量コントローラの出口制御弁を開放又は閉鎖できる。それぞれの質量流量コントローラの仕様は、図13Cのスクリーンに図解されているように、見ることができる。図13Dのスクリーン・ショットには、図解的なユーザ選択可能なパラメータが表示されており、ユーザが質量流量コントローラからダウンロードできる較正データは、図13Eのスクリーン・ショットに図解されている。
【0077】
上述した実施例のソフトウェア的な実装は、例えば、ディスケット、CD−ROM、ROM又は固定ディスクのようなコンピュータ読み取り可能な媒体などの有体物である媒体に固定されているか、若しくは、ある媒体を介してネットワークに接続された通信アダプタなどのモデムやそれ以外のインターフェース・デバイスを介してコンピュータ・システムに伝送可能な一連のコンピュータ命令で構成される。後者の媒体は、限定列挙ではないが、光又はアナログ通信回線を含み、あるいは、やはり限定列挙ではないが、マイクロ波、赤外線又はそれ以外の伝送技術を含む無線技術によって実現されうる。ここでいう一連のコンピュータ命令は、本発明に関係してこの出願において述べられている機能の全部又は一部を実現する。この技術分野の当業者であれば理解することであるが、そのようなコンピュータ命令は、多くのコンピュータ・アーキテクチャ又はオペレーティング・システムと共に使用される多くのプログラミング言語で書くことができる。更に、そのような命令は、限定列挙ではないが、現在又は将来の、半導体、磁気、光又はそれ以外のメモリ装置を含む任意のメモリ技術を用いて記憶することができ、また、やはり限定列挙ではないが、現在又は将来の、光、赤外線、マイクロ波又はそれ以外の伝送技術を用いて伝送することが可能である。そのようなコンピュータ・プログラムは、例えば、シュリンクラップされたソフトウェアとして印刷された又は電子的な文書を伴って移動可能な媒体として頒布されるか、例えばシステムROMや固定ディスクの上においてコンピュータ・システムに予めロードされた状態で提供されるか、又は、例えばインターネットやワールド・ワイド・ウェブのようなネットワーク上のサーバや電子掲示板から配布されうる。
【0078】
本発明の様々な例示的な実施例を以上で開示してきたが、この技術分野の当業者には明らかなように、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、本発明の効果のいくつかを実現することができるような様々な変更や修正が可能である。やはり当業者には明らかなように、同じ機能を実行する別の構成要素を代替的に用いることも可能である。更に、本発明の方法は、適切なオブジェクト又はプロセッサ命令を用いたすべてソフトウェアによる実装や、ハードウェア・ロジック、ソフトウェア・ロジック及び/又はファームウェアの組合せを用いて同じ結果を実現するハイブリッドな実装によって実現することも可能である。流れ図を用いて図解されたプロセスは、厳密に直線的なプロセスである必要はなく、本発明の範囲の中で、別のフローを用いて実現することもできる。特定の機能を達成するのに用いられたロジック及び/又は命令の特定の構成は、発明の概念に対する他の修正と同様に、冒頭の特許請求の範囲に含まれることが意図されている。
【0079】
本発明の特定の実施例に関する以上の説明は、例示及び説明の目的のためになされたものである。従って、網羅的であるとか、開示されている形態自体に本発明を限定することは意図されておらず、多くの修正や変更が以上の教示に従えば可能である。以上の実施例は、本発明の原理とその実際上の応用例とを最もよく説明し、よって、この技術分野の当業者が本発明を最良の態様で用いることを可能にするために、選択され記載がなされている。本発明の範囲は、冒頭の特許請求の範囲によってのみ画定されることが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明の原理による質量流量センサを含むシステムのブロック図である。
【図2】本発明の原理による質量流量センサを用いた質量流量コントローラの断面図である。
【図3】圧力センサと共に用いて質量流量コントローラを通過する質量流量の補償された指示値を生じる例示的な熱質量流量センサの断面図である。
【図4】本発明の原理による質量流量センサの実施例によって用いられる制御用電子装置のブロック図である。
【図5】本発明の原理に従って熱質量流量センサ信号を補償するプロセスの流れ図である。
【図6】本発明の原理によるウェブ利用型の質量流量コントローラの概念ブロック図である。
【図7】本発明の原理による質量流量コントローラと共に用いられた補償装置の概念ブロック図である。
【図8】本発明の原理による自己較正型質量流量コントローラのブロック図である。
【図9】本発明の原理に従って質量流量コントローラを補償するプロセスに対応する流量及び圧力曲線のグラフ表現である。
【図10】本発明の原理による質量流量コントローラにおいて用いられるデュアル・プロセッサ構成の概念ブロック図である。
【図11】本発明の原理による質量流量コントローラの非決定プロセッサの一般的な動作の流れ図である。
【図12−A】本発明の原理による質量流量コントローラの決定プロセッサの一般的な動作の流れ図である。
【図12−B】本発明の原理による質量流量コントローラの決定プロセッサの一般的な動作の流れ図である。
【図13−A】本発明の原理による質量流量コントローラの中に埋め込まれたウェブ・サーバによって用いられるウェブ・ページのスクリーン・ショットである。
【図13−B】本発明の原理による質量流量コントローラの中に埋め込まれたウェブ・サーバによって用いられるウェブ・ページのスクリーン・ショットである。
【図13−C】本発明の原理による質量流量コントローラの中に埋め込まれたウェブ・サーバによって用いられるウェブ・ページのスクリーン・ショットである。
【図13−D】本発明の原理による質量流量コントローラの中に埋め込まれたウェブ・サーバによって用いられるウェブ・ページのスクリーン・ショットである。
【図13−E】本発明の原理による質量流量コントローラの中に埋め込まれたウェブ・サーバによって用いられるウェブ・ページのスクリーン・ショットである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムの入口の気体と出口の気体との間にあるフロー経路を規定するシステムであって、
前記フロー経路及び制御弁に沿って質量流量を感知する質量流量センサを含み、制御信号に応答し、前記出口を介して前記質量流量を制御する質量流量コントローラと、
前記流量経路に沿って気体の圧力の揺らぎを測定する圧力センサと、
前記感知された質量流量、及び前記測定された気体の圧力の揺らぎの関数として制御信号を生成し、前記入口における気体の圧力の揺らぎに関わりなく前記出口における気体の一定流量を提供するコントローラと、
を含む、システム。
【請求項26】
質量流量コントローラであって、
流体入力ポートと流体出力ポートと前記入力ポートと出力ポートとの間に配置されたバイパス・チャネルとを含む質量流量コントローラ・ハウジングと、
前記バイパス・チャネルを通過する流体フローQiを測定する熱式質量流量センサ・アセンブリと、
前記バイパス・チャネルの一部における流体の圧力を測定する圧力センサ・アセンブリと、
前記流体出力ポートを通過する流体フローを制御する弁アセンブリと、
前記流体出力ポートを通過するフローQ0を、前記熱式質量流量センサ・アセンブリによって得られたフロー測定値Qiと前記圧力センサ・アセンブリによって得られた圧力測定値Pとの関数として決定するコントローラ・アセンブリと、
を備えていることを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項27】
請求項26記載の質量流量コントローラにおいて、
前記バイパス・チャネルの中の流体の温度を感知し前記温度の測定値を示す信号Tを提供する温度センサ・アセンブリを更に備えており、前記コントローラ・アセンブリは、フローQ0を前記温度信号Tの関数として決定することを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項28】
請求項27記載の質量流量コントローラにおいて、前記温度センサ・アセンブリは、前記バイパス・チャネルの一部を画定するこの質量流量コントローラの壁部の温度を感知して、前記温度信号Tを感知された温度の関数として生じることを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項29】
請求項28記載の質量流量コントローラにおいて、前記コントローラ・アセンブリは、前記バイパス・チャネルの中において前記圧力センサ・アセンブリによって感知された圧力の時間変化率を計算し、前記圧力の時間変化率dP/dtに基づいてフローQ0を決定することを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項30】
請求項29記載の質量流量コントローラにおいて、前記コントローラ・アセンブリは、フローQ0を設定された値と比較し前記弁アセンブリを調整することにより前記設定された値と前記フローQ0との差を最小化するように構成されていることを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項31】
請求項30記載の質量流量コントローラにおいて、TR及びPRをSTP条件における前記バイパス・チャネルの中の温度及び圧力、TWを前記バイパス・チャネルにおけるこの質量流量コントローラのハウジングの前記壁部の温度として、前記コントローラ・アセンブリは、方程式Q0=Qi−(TRV/TWPR)(dP/dt)に従ってQ0を決定することを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項32】
流体入力ポートと流体出力ポートと前記入力ポートと出力ポートとの間に配置されたバイパス・チャネルとを含む質量流量コントローラ・ハウジングの出力ポートからのアウトレット流体フローを維持する方法であって、
A)前記バイパス・チャネルを通過する流体フローQiを測定するステップと、
B)前記バイパス・チャネルの一部における流体の圧力を測定するステップと、
C)前記流体出力ポートを通過するフローQ0を、ステップAにおいて得られたフロー測定値QiとステップBにおいて得られた圧力測定値Pとの関数として決定するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項33】
請求項32記載の方法において、前記バイパス・チャネルの中の流体の温度を感知して温度信号Tを提供するステップを更に含み、前記フローQ0は前記温度信号Tの関数を更に決定することを特徴とする方法。
【請求項34】
請求項33記載の方法において、温度Tは前記バイパス・チャネルの一部を画定する前記質量流量コントローラ・ハウジングの壁部において感知され、前記温度信号Tは感知された温度の関数として生じることを特徴とする方法。
【請求項35】
請求項34記載の方法において、前記バイパス・チャネルの中においてステップBにおいて感知された圧力の時間変化率dP/dtを決定するステップと、前記圧力の時間変化率dP/dtに基づいてフローQ0を決定するステップとを更に含むことを特徴とする方法。
【請求項36】
請求項35記載の方法において、フローQ0を設定された値と比較するステップと、前記フローQ0を調節して前記設定された値と前記フローQ0との差を最小化するステップとを更に含むことを特徴とする方法。
【請求項37】
請求項36記載の方法において、TR及びPRをSTP条件における前記バイパス・チャネルの中の温度及び圧力、TWを前記バイパス・チャネルにおける前記質量流量コントローラ・ハウジングの前記壁部の温度として、前記フローQ0は方程式Q0=Qi−(TRV/TWPR)(dP/dt)に従って決定されることを特徴とする方法。
【請求項38】
気体フロー標準器であって、
可変気体フロー源と、
所定の体積を有しており前記可変気体フロー源から気体を受け取る容器と、
前記所定の体積を有する容器の中の気体圧力の時間導関数を表す電子信号を生じる圧力微分手段と、
を備えていることを特徴とする気体フロー標準器。
【請求項39】
気体フロー標準器であって、
所定の体積を有しており可変気体フローを供給する容器と、
前記所定の体積を有する容器の中の気体圧力の時間導関数を表す電子信号を生じる圧力微分手段と、
を備えていることを特徴とする気体フロー標準器。
【請求項40】
請求項38記載の標準器において、前記微分手段は、
前記容器の中の圧力を表す電子信号を生じる圧力トランスデューサと、
前記容器の中の圧力を表す前記電子信号の時間導関数を表す電子信号を生じるアナログ微分回路と、
前記アナログ時間導関数信号の1又は複数の値を前記時間導関数のデジタル・サンプルに変換するアナログ・デジタル・コンバータ(ADC)と、
を含むことを特徴とする標準器。
【請求項41】
請求項40記載の標準器において、
気体圧力の前記時間導関数を表す信号の1又は複数のサンプルを記憶するストレージを更に含むことを特徴とする標準器。
【請求項42】
請求項38記載の標準器において、前記微分手段は、
前記容器の中の圧力を表す電子信号を生じる圧力トランスデューサと、
前記圧力トランスデューサ信号の1又は複数の値をデジタル形式に変換するアナログ・デジタル・コンバータ(ADC)と、
前記圧力信号の時間導関数を表す複数のデジタル値を生じるデジタル微分手段と、
を含むことを特徴とする標準器。
【請求項43】
請求項42記載の標準器において、
気体圧力の前記時間導関数を表す信号の1又は複数のサンプルを記憶するストレージを更に含むことを特徴とする標準器。
【請求項44】
請求項38記載の標準器において、前記気体源は指数関数的に変化する気体フローを提供することを特徴とする標準器。
【請求項45】
請求項44記載の標準器において、前記気体源は指数関数的に増加する気体フローを提供することを特徴とする標準器。
【請求項46】
請求項44記載の標準器において、前記気体源は指数関数的に減少する気体フローを提供することを特徴とする標準器。
【請求項47】
請求項39記載の標準器において、前記気体源は指数関数的に変化する気体フローを提供することを特徴とする標準器。
【請求項48】
請求項47記載の標準器において、前記気体源は指数関数的に増加する気体フローを提供することを特徴とする標準器。
【請求項49】
請求項48記載の標準器において、前記気体源は指数関数的に減少する気体フローを提供することを特徴とする標準器。
【請求項50】
気体フロー標準信号を生じさせる方法であって、
(A)可変気体フローをソースに又はソースから提供するステップと、
(B)前記可変気体フローを所定の体積を有する容器の中へ又は所定の体積を有する容器の中から可変速度で流すステップと、
(C)前記可変気体フローが前記容器の中へ又は前記容器の中から流れる際の、前記容器の中の気体圧力の導関数を表す電子信号を生じるステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項51】
請求項50記載の方法において、ステップCは、
(C1)前記可変速度で流れる間に、前記所定の体積を有する容器の中の圧力を少なくとも3回測定するステップと、
(C2)少なくとも2つの圧力差を計算するステップと、
(C3)それぞれの圧力差を計算するのに用いられた2つの圧力測定の間の時間によってそれぞれの圧力差を除算するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項52】
請求項50記載の方法において、所定の体積を有する容器の中の気体圧力の導関数を表す電子信号を生じるステップC)は、
(C4)圧力トランスデューサが前記容器の中の圧力を表す電子信号を生じるステップと、
(C5)アナログ微分回路が前記容器の中の圧力を表す前記電子信号の時間導関数を表す電子信号を生じるステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項53】
請求項52記載の方法において、所定の体積を有する容器の中の気体圧力の導関数を表す電子信号を生じるステップC)は、
(C6)アナログ・デジタル・コンバータが前記アナログ圧力時間導関数信号の1又は複数の値を前記圧力時間導関数のデジタル・サンプルに変換するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項54】
請求項53記載の方法において、
(D)気体圧力の前記時間導関数を表す信号の1又は複数のサンプルを記憶するステップを更に含むことを特徴とする方法。
【請求項55】
請求項50記載の方法において、前記可変気体フローが前記容器の中へ又は前記容器の中から流れる際の、前記容器の中の気体圧力の導関数を表す電子信号を生じるステップ(C)は、
(C7)圧力トランスデューサが、前記容器の中の圧力を表す電子信号を生じるステップと、
(C8)アナログ・デジタル・コンバータが、前記圧力トランスデューサ信号の1又は複数の値をデジタル形式に変換するステップと、
(C9)デジタル微分手段が、前記圧力信号の時間導関数を表す複数のデジタル値を生じるステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項56】
請求項55記載の方法において、
(E)気体圧力の前記時間導関数を表す信号の1又は複数のサンプルを記憶するステップを更に含むことを特徴とする方法。
【請求項57】
請求項50記載の方法において、前記気体源は指数関数的に変化する気体フローを提供することを特徴とする方法。
【請求項58】
請求項57記載の方法において、前記気体源は指数関数的に増加する気体フローを提供することを特徴とする方法。
【請求項59】
請求項57記載の方法において、前記気体源は指数関数的に減少する気体フローを提供することを特徴とする方法。
【請求項60】
質量流量を表す信号を生じる質量流量センサを較正する質量流量較正器であって、
可変気体フロー源と、
所定の体積を有しており前記可変気体フロー源から気体を受け取る容器であって、前記可変気体フロー源は、較正されている質量流量センサと前記容器とに比例的なフローを提供する、容器と、
前記所定の体積を有する容器の中の気体圧力の時間導関数を表す電子信号を生じる圧力微分手段と、
前記微分手段からの電子信号を前記質量流量センサからの信号と比較するコンパレータと、
前記微分手段からの信号と前記フロー・センサからの信号とに差が存在する場合には、その差から相関ファクタを計算する補償手段と、
を備えていることを特徴とする質量流量較正器。
【請求項61】
請求項60記載の較正器において、前記気体フロー源は、前記質量流量センサと所定の体積の前記容器との両方に同じ流率で同じ気体を供給することを特徴とする較正器。
【請求項62】
請求項60記載の較正器において、前記気体フロー源は、前記質量流量センサと所定の体積の前記容器とに並列的に気体を供給することを特徴とする較正器。
【請求項63】
請求項60記載の較正器において、前記気体フロー源は、前記質量流量センサと所定の体積の前記容器とに直列的に気体を供給することを特徴とする較正器。
【請求項64】
質量流量を表す信号を生じる質量流量センサを較正する気体フロー較正器であって、
所定の体積を有しており可変気体フローを供給する容器と、
前記所定の体積を有する容器の中の気体圧力の時間導関数を表す電子信号を生じる圧力微分手段であって、前記所定の体積を有する容器は、較正されている質量流量センサを介して前記容器から比例的なフローを提供する、圧力微分手段と、
前記所定の体積を有する容器の中の気体圧力の時間導関数を表す電子信号を生じる圧力微分手段と、
前記微分手段からの電子信号を前記質量流量センサからの信号と比較するコンパレータと、
前記微分手段からの信号と前記フロー・センサからの信号とに差が存在する場合には、その差から相関ファクタを計算する補償手段と、
を備えていることを特徴とする気体フロー較正器。
【請求項65】
請求項64記載の気体フロー較正器において、前記微分手段は、
前記容器の中の圧力を表す電子信号を生じる圧力トランスデューサと、
前記容器の中の圧力を表す前記電子信号の時間導関数を表す電子信号を生じるアナログ微分回路と、
前記アナログ時間導関数信号の1又は複数の値を前記時間導関数のデジタル・サンプルに変換するアナログ・デジタル・コンバータ(ADC)と、
を含むことを特徴とする気体フロー較正器。
【請求項66】
請求項65記載の気体フロー較正器において、
気体圧力の前記時間導関数を表す信号の1又は複数のサンプルを記憶するストレージを更に含むことを特徴とする気体フロー較正器。
【請求項67】
請求項64記載の気体フロー較正器において、前記微分手段は、
前記容器の中の圧力を表す電子信号を生じる圧力トランスデューサと、
前記圧力トランスデューサ信号の1又は複数の値をデジタル形式に変換するアナログ・デジタル・コンバータと、
前記圧力信号の時間導関数を表す複数のデジタル値を生じるデジタル微分手段と、
を含むことを特徴とする気体フロー較正器。
【請求項68】
請求項67記載の気体フロー較正器において、
気体圧力の前記時間導関数を表す信号の1又は複数のサンプルを記憶するストレージを更に含むことを特徴とする気体フロー較正器。
【請求項69】
請求項64記載の気体フロー較正器において、前記気体源は指数関数的に変化する気体フローを提供することを特徴とする気体フロー較正器。
【請求項70】
請求項69記載の気体フロー較正器において、前記気体源は指数関数的に増加する気体フローを提供することを特徴とする気体フロー較正器。
【請求項71】
請求項69記載の気体フロー較正器において、前記気体源は指数関数的に減少する気体
フローを提供することを特徴とする気体フロー較正器。
【請求項72】
請求項64記載の気体フロー較正器において、前記気体源は指数関数的に変化する気体フローを提供することを特徴とする気体フロー較正器。
【請求項73】
請求項72記載の気体フロー較正器において、前記気体源は指数関数的に増加する気体フローを提供することを特徴とする気体フロー較正器。
【請求項74】
請求項72記載の気体フロー較正器において、前記気体源は指数関数的に減少する気体フローを提供することを特徴とする気体フロー較正器。
【請求項75】
質量流量センサを較正する方法であって、
(A)可変気体フローをフロー源へ又はフロー源へ提供するステップと、
(B)所定の体積を有する容器の中へ又は前記容器から可変速度で可変気体フローを流すステップと、
(C)前記可変気体が前記容器の中へ又は前記容器から外へ流れる際に、前記所定の体積を有する容器の中の気体圧力の時間導関数を表す電子信号を生じるステップと、
(D)前記質量流量センサの中へ又は前記質量流量センサから外へ前記容器の中へ又は前記容器から外への速度と比例する速度で気体を流すステップと、
(E)前記微分手段からの電子信号を前記質量流量センサからの信号と比較するステップと、
(F)前記微分手段からの信号と前記フロー・センサからの信号とに差が存在する場合には、その差から相関ファクタを計算するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項76】
請求項75記載の方法において、前記質量流量センサの中へ又は前記質量流量センサから外へ前記容器の中へ又は前記容器から外への速度と比例する速度で気体を流すステップ(D)は、前記質量流量センサと所定の体積の前記容器との両方に同じ流率で気体を流すステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項77】
請求項75記載の方法において、前記気体フロー源は、前記質量流量センサと所定の体積の前記容器とに並列的に気体を供給することを特徴とする方法。
【請求項78】
請求項75記載の方法において、前記気体フロー源は、前記質量流量センサと所定の体積の前記容器とに直列的に気体を供給することを特徴とする方法。
【請求項79】
質量流量センサを較正する方法であって、
所定の体積を有する容器が、可変気体フローを供給するステップと、
圧力微分手段が、前記所定の体積を有する容器の中の気体圧力の時間導関数を表す電子信号を生じるステップであって、前記所定の体積を有する容器は、較正されている質量流量センサを介して前記容器から比例的なフローを提供する、ステップと、
圧力微分手段が、前記所定の体積を有する容器の中の気体圧力の時間導関数を表す電子信号を生じるステップと、
コンパレータが、前記微分手段からの電子信号を前記質量流量センサからの信号と比較するステップと、
補償手段が、前記微分手段からの信号と前記フロー・センサからの信号とに差が存在する場合には、その差から相関ファクタを計算するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項80】
請求項78記載の方法において、圧力微分手段が前記所定の体積を有する容器の中の気
体圧力の時間導関数を表す電子信号を生じるステップは、
圧力トランスデューサが、前記容器の中の圧力を表す電子信号を生じるステップと、
アナログ微分回路が、前記容器の中の圧力を表す前記電子信号の時間導関数を表す電子信号を生じるステップと、
アナログ・デジタル・コンバータが、前記アナログ時間導関数信号の1又は複数の値を前記時間導関数のデジタル・サンプルに変換するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項81】
請求項80記載の方法において、
気体圧力の前記時間導関数を表す信号の1又は複数のサンプルを記憶するステップを更に含むことを特徴とする方法。
【請求項82】
請求項78記載の方法において、圧力微分手段が前記所定の体積を有する容器の中の気体圧力の時間導関数を表す電子信号を生じるステップは、
圧力トランスデューサが、前記容器の中の圧力を表す電子信号を生じるステップと、
アナログ・デジタル・コンバータが、前記圧力トランスデューサ信号の1又は複数の値をデジタル形式に変換するステップと、
デジタル微分手段が、前記圧力信号の時間導関数を表す複数のデジタル値を生じるステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項83】
請求項82記載の方法において、
気体圧力の前記時間導関数を表す信号の1又は複数のサンプルを記憶するステップを更に含むことを特徴とする方法。
【請求項84】
請求項78記載の方法において、前記気体源は指数関数的に変化する気体フローを提供することを特徴とする方法。
【請求項85】
請求項84記載の方法において、前記気体源は指数関数的に増加する気体フローを提供することを特徴とする方法。
【請求項86】
請求項84記載の方法において、前記気体源は指数関数的に減少する気体フローを提供することを特徴とする方法。
【請求項87】
請求項79記載の方法において、前記気体源は指数関数的に変化する気体フローを提供することを特徴とする方法。
【請求項88】
請求項79記載の方法において、前記気体源は指数関数的に増加する気体フローを提供することを特徴とする方法。
【請求項89】
請求項79記載の方法において、前記気体源は指数関数的に減少する気体フローを提供することを特徴とする方法。
【請求項90】
請求項75記載の方法において、気体フローは、制限されないフローを用いて入手可能である場合よりも長い時間周期にわたって前記圧力を微分するために制限されていることを特徴とする方法。
【請求項91】
請求項79記載の方法において、気体フローは、制限されないフローを用いて入手可能である場合よりも長い時間周期にわたって前記圧力を微分するために制限されていることを特徴とする方法。
【請求項92】
自己較正型質量流量コントローラであって、
この質量流量コントローラにおける質量流量を表す電子信号をこのセンサによって感知されるフローの関数として生じる質量流量センサと、
この質量流量コントローラにおける質量流量を表す独立の電子信号をこの較正手段によって感知されるフローの関数として生じる質量流量較正手段と、
前記熱質量流量センサからの質量流量信号を、前記質量流量較正手段からの独立の電子信号によって示される流率に相関させる電子コントローラと、
を備えていることを特徴とする自己較正型質量流量コントローラ。
【請求項93】
請求項92記載の質量流量コントローラにおいて、
前記電子コントローラの制御の下でこの質量流量コントローラにおける気体のフローを制御する弁を更に備えていることを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項94】
請求項92記載の自己較正型質量流量コントローラにおいて、前記質量流量センサは熱質量流量センサであることを特徴とする自己較正型質量流量コントローラ。
【請求項95】
請求項92記載の自己較正型質量流量コントローラにおいて、前記電子コントローラは、非較正動作の間に前記相関された質量流量センサ信号を用いて前記出口弁を制御することを特徴とする自己較正型質量流量コントローラ。
【請求項96】
請求項92記載の自己較正型質量流量コントローラにおいて、前記電子コントローラは、前記質量流量センサ信号と前記質量流量較正手段との間の相関を記憶することを特徴とする自己較正型質量流量コントローラ。
【請求項97】
請求項92記載の質量流量コントローラにおいて、前記質量流量較正手段は、
可変気体フロー源と、
所定の体積を有しており前記可変気体フロー源から気体を受け取る容器であって、前記可変気体フロー源は、比例的なフローを前記質量流量センサとこの容器とに提供する、容器と、
前記所定の体積を有する容器の中の気体圧力の時間導関数を表す電子信号を生じる圧力微分手段であって、前記時間導関数信号は前記質量流量較正手段の質量流量信号に比例している、圧力微分手段と、
を備えていることを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項98】
請求項97記載の質量流量コントローラにおいて、前記気体フロー源は、前記質量流量センサと所定の体積の前記容器との両方に同じ流率で同じ気体を供給することを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項99】
請求項97記載の質量流量コントローラにおいて、前記気体フロー源は、前記質量流量センサと所定の体積の前記容器とに直列的に気体を供給することを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項100】
請求項97記載の質量流量コントローラにおいて、前記微分手段は、
前記容器の中の圧力を表す電子信号を生じる圧力トランスデューサと、
前記容器の中の圧力を表す前記電子信号の時間導関数を表す電子信号を生じるアナログ微分回路と、
前記アナログ時間導関数信号の1又は複数の値を前記時間導関数のデジタル・サンプルに変換するアナログ・デジタル・コンバータと、
を含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項101】
請求項100記載の質量流量コントローラにおいて、
気体圧力の前記時間導関数を表す信号の1又は複数のサンプルを記憶するストレージを更に含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項102】
請求項92記載の質量流量コントローラにおいて、前記電子コントローラは、前記質量流量センサからの質量流量信号を複数の気体フローに対する前記質量流量較正手段の信号に相関させて1又は複数の補償係数を生じることを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項103】
請求項102記載の質量流量コントローラにおいて、この質量流量コントローラは、1又は複数の補償係数を記憶することを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項104】
請求項103記載の質量流量コントローラにおいて、前記質量流量コントローラは、前記記憶された補償係数と前記質量流量センサからのフロー信号との1又は複数を用いて、気体の質量流量を計算することを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項105】
請求項97記載の質量流量コントローラにおいて、前記微分手段は、
前記容器の中の圧力を表す電子信号を生じる圧力トランスデューサと、
前記圧力トランスデューサ信号の1又は複数の値をデジタル形式に変換するアナログ・デジタル・コンバータと、
前記圧力信号の時間導関数を表す複数のデジタル値を生じるデジタル微分手段と、
を含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項106】
請求項105記載の質量流量コントローラにおいて、
気体圧力の前記時間導関数を表す信号の1又は複数のサンプルを記憶するストレージを更に含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項107】
請求項97記載の質量流量コントローラにおいて、前記気体源は指数関数的に変化する気体フローを提供することを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項108】
請求項107記載の質量流量コントローラにおいて、前記気体源は指数関数的に増加する気体フローを提供することを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項109】
請求項106記載の質量流量コントローラにおいて、前記気体源は指数関数的に減少する気体フローを提供することを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項110】
請求項97記載の質量流量コントローラにおいて、前記気体源はパターンを有する気体フローを提供し、前記パターンは増加及び減少の両方の気体フローを含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項111】
自己較正型質量流量コントローラであって、
この質量流量コントローラにおける気体のフローを感知して前記感知されたフローを表す電子信号を生じる熱質量流量センサと、
電子コントローラと、
前記コントローラによって動作され、気体の所定のフローがこの質量流量コントローラを通過することを可能にする出口弁と、
前記容器の中であって前記熱質量流量センサのバイパスの間に形成される気体の圧力を測定する圧力センサであって、前記容器は所定の体積を有するように形成され、前記電子コントローラは、この質量流量コントローラを通過するフローを変動させる出口弁を動作させ、前記圧力信号の時間導関数を計算し、前記時間導関数信号を正規化し、前記熱質量
流量センサからの信号を前記正規化された時間導関数信号と相関させる、圧力センサと、
を備えていることを特徴とする自己較正型質量流量コントローラ。
【請求項112】
請求項111記載の質量流量コントローラにおいて、前記コントローラは、前記圧力信号の導関数を計算するアナログ微分回路を用いることを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項113】
請求項111記載の質量流量コントローラにおいて、前記コントローラは、少なくとも2つの圧力差を計算し、時間スパンを対応させて前記圧力信号の導関数を作成することによって前記差を分割することを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項114】
請求項111記載の質量流量コントローラにおいて、前記電子コントローラは、前記質量流量センサからの質量流量信号を複数の気体フローに対する正規化された時間導関数の信号と相関させ、1つの気体フローの熱質量流量信号を別の気体フローの熱質量流量信号と関連させる1又は複数の補償係数を生じることを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項115】
請求項114記載の質量流量コントローラにおいて、この質量流量コントローラは、1又は複数の補償係数を記憶することを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項116】
請求項115記載の質量流量コントローラにおいて、前記質量流量コントローラは、前記記憶された補償係数と前記質量流量センサからのフロー信号との1又は複数を用いて、気体の質量流量を計算することを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項117】
質量流量センサと電子コントローラと質量流量較正手段とを含む質量流量コントローラを自己較正する方法であって、
質量流量コントローラの質量流量センサが、前記質量流量コントローラにおける質量流量を表す電子信号を、前記センサによって感知されたフローの関数として生じるステップと、
前記質量流量コントローラの質量流量較正手段が、前記質量流量コントローラにおける質量流量を表す独立の電子信号を、前記較正手段によって感知されたフローの関数として生じるステップと、
前記質量流量コントローラの電子コントローラが、前記質量流量コントローラの中の感知されたフローに応答して前記質量流量センサによって生じた質量流量信号を、前記質量流量コントローラのおけるフローの感知において前記質量流量較正手段によって生じた独立の電子信号によって指示されるフローと相関させるステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項118】
請求項117記載の方法において、
前記質量流量コントローラの電子コントローラが、前記質量流量コントローラにおける気体のフローを制御する弁を制御するステップを更に含むことを特徴とする方法。
【請求項119】
請求項118記載の方法において、熱質量流量センサが前記質量流量電子信号を生じることを特徴とする方法。
【請求項120】
請求項117記載の方法において、前記電子コントローラは、非較正動作の間に前記相関された質量流量センサ信号を用いて前記出口弁を制御することを特徴とする方法。
【請求項121】
請求項117記載の方法において、前記電子コントローラは、前記質量流量センサ信号と前記質量流量較正手段との間の相関を記憶することを特徴とする方法。
【請求項122】
請求項117記載の方法において、前記質量流量較正手段は、
可変気体フロー源と、
所定の体積を有しており前記可変気体フロー源から気体を受け取る容器であって、前記可変気体フロー源は、比例的なフローを前記質量流量センサとこの容器とに提供する、容器と、
前記所定の体積を有する容器の中の気体圧力の時間導関数を表す電子信号を生じる圧力微分手段であって、前記時間導関数信号は前記質量流量較正手段の質量流量信号に比例している、圧力微分手段と、
を提供することを特徴とする方法。
【請求項123】
請求項122記載の方法において、前記気体フロー源は、前記質量流量センサと所定の体積の前記容器との両方に同じ流率で同じ気体を供給することを特徴とする方法。
【請求項124】
請求項122記載の方法において、前記気体フロー源は、前記質量流量センサと所定の体積の前記容器とに直列的に気体を供給することを特徴とする方法。
【請求項125】
請求項122記載の方法において、前記微分手段は、
前記容器の中の圧力を表す電子信号を生じる圧力トランスデューサと、
前記容器の中の圧力を表す前記電子信号の時間導関数を表す電子信号を生じるアナログ微分回路と、
前記アナログ時間導関数信号の1又は複数の値を前記時間導関数のデジタル・サンプルに変換するアナログ・デジタル・コンバータと、
を提供することを特徴とする方法。
【請求項126】
請求項125記載の方法において、
気体圧力の前記時間導関数を表す信号の1又は複数のサンプルを記憶するステップを更に含むことを特徴とする方法。
【請求項127】
請求項117記載の方法において、前記電子コントローラは、前記質量流量センサからの質量流量信号を複数の気体フローに対する前記質量流量較正手段の信号に相関させて1又は複数の補償係数を生じることを特徴とする方法。
【請求項128】
請求項127記載の方法において、この方法は、1又は複数の補償係数を記憶することを特徴とする方法。
【請求項129】
請求項128記載の方法において、前記質量流量コントローラは、前記記憶された補償係数と前記質量流量センサからのフロー信号との1又は複数を用いて、気体の質量流量を計算することを特徴とする方法。
【請求項130】
請求項122記載の方法において、前記微分手段は、
前記容器の中の圧力を表す電子信号を生じる圧力トランスデューサと、
前記圧力トランスデューサ信号の1又は複数の値をデジタル形式に変換するアナログ・デジタル・コンバータと、
前記圧力信号の時間導関数を表す複数のデジタル値を生じるデジタル微分手段と、
を提供することを特徴とする方法。
【請求項131】
請求項130記載の方法において、
気体圧力の前記時間導関数を表す信号の1又は複数のサンプルを記憶するステップを更に含むことを特徴とする方法。
【請求項132】
請求項122記載の方法において、前記気体源は指数関数的に変化する気体フローを提供することを特徴とする方法。
【請求項133】
請求項132記載の方法において、前記気体源は指数関数的に増加する気体フローを提供することを特徴とする方法。
【請求項134】
請求項131記載の方法において、前記気体源は指数関数的に減少する気体フローを提供することを特徴とする方法。
【請求項135】
請求項122記載の方法において、前記気体源はパターンを有する気体フローを提供し、前記パターンは増加及び減少の両方の気体フローを含むことを特徴とする方法。
【請求項136】
自己較正型質量流量コントローラを較正する方法であって、
熱質量流量センサが、この質量流量コントローラにおける気体のフローを感知して前記感知されたフローを表す電子信号を生じるステップと、
電子コントローラが、出口弁を動作して、気体の変動するフローが前記質量流量コントローラを通過することを可能にするステップと、
圧力センサが、前記容器の中であって前記熱質量流量センサのバイパスの間に形成される気体の圧力を測定するステップであって、前記容器は所定の体積を有するように形成される、ステップと、
前記電子コントローラが、前記圧力信号の時間導関数を計算し、前記時間導関数信号を正規化し、前記熱質量流量センサからの信号を前記正規化された時間導関数信号と相関させるステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項137】
請求項136記載の方法において、アナログ微分回路が、前記圧力信号の導関数を計算することを特徴とする方法。
【請求項138】
請求項136記載の方法において、前記コントローラは、少なくとも2つの圧力差を計算し、時間スパンを対応させて前記圧力信号の導関数を作成することによって前記差を分割することを特徴とする方法。
【請求項139】
請求項136記載の方法において、前記電子コントローラは、前記質量流量センサからの質量流量信号を複数の気体フローに対する正規化された時間導関数の信号と相関させ、
1つの気体フローの熱質量流量信号を別の気体フローの熱質量流量信号と関連させる1又は複数の補償係数を生じることを特徴とする方法。
【請求項140】
請求項139記載の方法において、前記質量流量コントローラは、1又は複数の補償係数を記憶することを特徴とする方法。
【請求項141】
請求項140記載の方法において、前記質量流量コントローラは、前記記憶された補償係数と前記質量流量センサからのフロー信号との1又は複数を用いて、気体の質量流量を計算することを特徴とする方法。
【請求項142】
請求項136記載の方法において、前記熱質量流量及び圧力センサは、インサイチュで測定することを特徴とする方法。
【請求項143】
請求項117記載の方法において、前記質量流量センサと較正手段とはインサイチュでの質量流量を表す独立の電子信号を生じることを特徴とする方法。
【請求項144】
請求項117記載の方法において、気体フローは、制限されないフローを用いて入手可能である場合よりも長い時間周期にわたって前記圧力を微分するために制限されていることを特徴とする方法。
【請求項145】
請求項136記載の方法において、気体フローは、制限されないフローを用いて入手可能である場合よりも長い時間周期にわたって前記圧力を微分するために制限されていることを特徴とする方法。
【請求項146】
質量流量コントローラであって、
この質量流量コントローラを通過する気体フローを表す質量流量信号を生じる質量流量センサと、
前記質量流量信号に基づき出口弁に対する閉ループ制御信号を生じ、更に、ネットワークに接続されたデバイスからの質量流量コントローラのアクティブな診断の実行を可能にするネットワーク・インターフェースを提供する電子コントローラと、
を備えていることを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項147】
請求項146記載の質量流量コントローラにおいて、前記質量流量コントローラの電子コントローラと共に動作するためのアクティブ診断コードは、ネットワークに接続されたデバイスからの動作信号の操作をイネーブルするコードを含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項148】
請求項147記載の質量流量コントローラにおいて、前記質量流量コントローラの電子コントローラと共に動作するためのアクティブ診断コードは、ネットワークに接続されたデバイスからの診断信号の操作をイネーブルするコードを含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項149】
請求項147記載の質量流量コントローラにおいて、前記質量流量コントローラの電子コントローラと共に動作するためのアクティブ診断コードは、ネットワークに接続されたデバイスからの動作信号のモニタリングをイネーブルするコードを含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項150】
請求項147記載の質量流量コントローラにおいて、前記質量流量コントローラの電子コントローラと共に動作するためのアクティブ診断コードは、ネットワークに接続されたデバイスからの診断信号のモニタリングをイネーブルするコードを含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項151】
請求項147記載の質量流量コントローラにおいて、
前記質量流量コントローラの電子コントローラと共に動作し、ネットワークに接続されたデバイスからの動作信号のオンライン・モニタリングをイネーブルするオンライン診断コードを更に含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項152】
請求項147記載の質量流量コントローラにおいて、
前記質量流量コントローラの電子コントローラと共に動作し、ネットワークに接続されたデバイスからの診断信号のオンライン・モニタリングをイネーブルするオンライン診断コードを更に含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項153】
請求項147記載の質量流量コントローラにおいて、
前記質量流量コントローラの電子コントローラと共に動作し、ネットワークに接続されたデバイスからの診断信号のオンライン操作をイネーブルするオンライン診断コードを更に含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項154】
請求項147記載の質量流量コントローラにおいて、
前記質量流量コントローラの電子コントローラと共に動作し、ネットワークに接続されたデバイスからの動作信号のオンライン操作をイネーブルするオンライン診断コードを更に含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項155】
質量流量コントローラであって、
この質量流量コントローラを通過する気体フローを表す質量流量信号を生じる質量流量センサと、
前記質量流量信号に基づき出口弁に対する閉ループ制御信号を生じ、更に、ネットワークに接続されたデバイスからの質量流量コントローラのアクティブな診断の実行を可能にするネットワーク・インターフェースを提供するデュアル・プロセッサを含む電子コントローラと、
を備えていることを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項156】
請求項155記載の質量流量コントローラにおいて、前記質量流量コントローラの電子コントローラと共に動作するためのアクティブ診断コードは、ネットワークに接続されたデバイスからの動作信号の操作をイネーブルするコードを含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項157】
請求項155記載の質量流量コントローラにおいて、前記質量流量コントローラの電子コントローラと共に動作するためのアクティブ診断コードは、ネットワークに接続されたデバイスからの診断信号の操作をイネーブルするコードを含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項158】
請求項155記載の質量流量コントローラにおいて、前記質量流量コントローラの電子コントローラと共に動作するためのアクティブ診断コードは、ネットワークに接続されたデバイスからの動作信号のモニタリングをイネーブルするコードを含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項159】
請求項155記載の質量流量コントローラにおいて、前記質量流量コントローラの電子コントローラと共に動作するためのアクティブ診断コードは、ネットワークに接続されたデバイスからの診断信号のモニタリングをイネーブルするコードを含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項160】
請求項155記載の質量流量コントローラにおいて、
前記質量流量コントローラの電子コントローラと共に動作し、ネットワークに接続されたデバイスからの動作信号のオンライン・モニタリングをイネーブルするオンライン診断コードを更に含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項161】
請求項155記載の質量流量コントローラにおいて、
前記質量流量コントローラの電子コントローラと共に動作し、ネットワークに接続されたデバイスからの診断信号のオンライン・モニタリングをイネーブルするオンライン診断コードを更に含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項156】
請求項155記載の質量流量コントローラにおいて、前記デュアル・プロセッサは、決定モード動作するプロセッサと非決定モードで動作するプロセッサとを含み、前記決定プロセッサは、出口弁のための前記閉ループ制御信号を生じることを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項157】
請求項156記載の質量流量コントローラにおいて、前記決定プロセッサは1又は複数のセンサ読取値を取得することを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項158】
請求項157記載の質量流量コントローラにおいて、前記質量流量センサはセンサ・バイパスを含んでおり前記コントローラの入り口への流体のフローを感知する熱質量流量センサであり、この質量流量コントローラは、更に、熱質量流量センサ・バイパスと前記制御弁との間の体積における流体圧力を感知する圧力センサを更に含み、前記決定プロセッサは前記圧力センサが生じる圧力信号を取得し、前記質量流量センサによって感知された入り口流率を前記圧力信号を用いて補償することにより前記コントローラからの流体の流率の補償された測度を生じることを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項159】
請求項158記載の質量流量コントローラにおいて、前記決定プロセッサは、前記センサ・バイパスと前記出口制御弁との間の体積の中の圧力の時間変化率を計算し、この圧力の時間変化率を用いて前記コントローラからの流体の流率の補償された測度を生じることを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項160】
請求項155記載の質量流量コントローラにおいて、前記ネットワーク・インターフェースは、ワールド・ワイド・ウェブに接続されたウェブ閲覧可能なデバイスがこのウェブ閲覧可能なデバイスからのオンライン診断を実行することを可能にするウェブ・サーバを含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項161】
請求項155記載の質量流量コントローラにおいて、前記質量流量コントローラは自己較正型であることを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項175】
質量流量コントローラであって、
センサ・バイパスを含んでおり前記コントローラの入口への流体のフローを感知して、前記フローを表す質量流量信号を生じる熱質量流量センサと、
前記熱質量流量センサのバイパスと前記制御弁との間の体積における流体圧力を感知する圧力センサと、
前記圧力センサによって感知された圧力を表示するディスプレイと、
前記質量流量信号に基づき出口弁に対する閉ループ制御信号を生じる電子コントローラ
であって、ネットワークに接続されたデバイスからの質量流量コントローラのアクティブな診断の実行を可能にするネットワーク・インターフェースを提供するデュアル・プロセッサ・コントローラを含む、電子コントローラと、
を備えていることを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項176】
請求項175記載の質量流量コントローラにおいて、前記質量流量コントローラの電子コントローラと共に動作するためのアクティブ診断コードは、ネットワークに接続されたデバイスからの動作信号の操作をイネーブルするコードを含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項177】
請求項175記載の質量流量コントローラにおいて、前記質量流量コントローラの電子コントローラと共に動作するためのアクティブ診断コードは、ネットワークに接続されたデバイスからの診断信号の操作をイネーブルするコードを含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項178】
請求項175記載の質量流量コントローラにおいて、前記質量流量コントローラの電子コントローラと共に動作するためのアクティブ診断コードは、ネットワークに接続されたデバイスからの動作信号のモニタリングをイネーブルするコードを含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項179】
請求項175記載の質量流量コントローラにおいて、前記質量流量コントローラの電子コントローラと共に動作するためのアクティブ診断コードは、ネットワークに接続されたデバイスからの診断信号のモニタリングをイネーブルするコードを含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項180】
請求項175記載の質量流量コントローラにおいて、
前記質量流量コントローラの電子コントローラと共に動作し、ネットワークに接続されたデバイスからの動作信号のオンライン・モニタリングをイネーブルするオンライン診断コードを更に含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項181】
請求項175記載の質量流量コントローラにおいて、
前記質量流量コントローラの電子コントローラと共に動作し、ネットワークに接続されたデバイスからの診断信号のオンライン・モニタリングをイネーブルするオンライン診断コードを更に含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項182】
請求項175記載の質量流量コントローラにおいて、前記デュアル・プロセッサは、決定モード動作するプロセッサと非決定モードで動作するプロセッサとを含み、前記決定プロセッサは、出口弁のための前記閉ループ制御信号を生じることを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項183】
請求項182記載の質量流量コントローラにおいて、前記決定プロセッサは1又は複数のセンサ読取値を取得することを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項184】
請求項183記載の質量流量コントローラにおいて、前記質量流量センサはセンサ・バイパスを含んでおり前記コントローラの入り口への流体のフローを感知する熱質量流量センサであり、この質量流量コントローラは、更に、熱質量流量センサ・バイパスと前記制御弁との間の体積における流体圧力を感知する圧力センサを更に含み、前記決定プロセッサは前記圧力センサが生じる圧力信号を取得し、前記質量流量センサによって感知された入り口流率を前記圧力信号を用いて補償することにより前記コントローラからの流体の流率の補償された測度を生じることを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項185】
請求項184記載の質量流量コントローラにおいて、前記決定プロセッサは、前記センサ・バイパスと前記出口制御弁との間の体積の中の圧力の時間変化率を計算し、この圧力の時間変化率を用いて前記コントローラからの流体の流率の補償された測度を生じることを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項186】
請求項175記載の質量流量コントローラにおいて、前記ネットワーク・インターフェースは、ワールド・ワイド・ウェブに接続されたウェブ閲覧可能なデバイスがこのウェブ閲覧可能なデバイスからのオンライン診断を実行することを可能にするウェブ・サーバを含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項187】
請求項175記載の質量流量コントローラにおいて、前記質量流量コントローラは自己較正型であることを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項188】
質量流量コントローラであって、
このコントローラを通過する気体フローを表す質量流量信号を生じる質量流量センサと、
前記質量流量信号に基づき出口弁に対する閉ループ制御信号を生じる電子コントローラであって、デュアル・プロセッサ・コントローラを含む、電子コントローラと、
を備えていることを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項189】
請求項188記載の質量流量コントローラにおいて、前記デュアル・プロセッサは、決定モードで動作するプロセッサと、非決定モードで動作するプロセッサとを含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項190】
請求項189記載の質量流量コントローラにおいて、前記決定プロセッサは出口弁に対する前記閉ループ制御信号を生じることを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項191】
請求項189記載の質量流量コントローラにおいて、前記決定プロセッサは1又は複数のセンサ読取値を取得することを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項192】
請求項191記載の質量流量コントローラにおいて、前記決定プロセッサは温度センサから温度読取値を取得することを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項192】
請求項191記載の質量流量コントローラにおいて、前記質量流量センサは、センサ・バイパスを含んでおり前記コントローラの入口への流体フローを感知する熱質量流量センサであることを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項193】
請求項192記載の質量流量コントローラにおいて、
前記熱質量流量センサ・バイパスと前記制御弁との間の体積の中の流体圧力を感知する圧力センサを更に含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項194】
請求項193記載の質量流量コントローラにおいて、前記決定プロセッサは、前記圧力センサが生じる圧力信号を取得し、前記圧力信号を用いて前記質量流量センサが感知した入口流率を補償し、前記コントローラからの流体の流率の補償された測度を生じることを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項195】
請求項194記載の質量流量コントローラにおいて、前記決定プロセッサは、前記センサ・バイパスと前記出口制御弁との間の体積の中の圧力の時間変化率を計算し、この圧力時間変化率を用いて前記コントローラからの流体の流率の補償された測度を生じることを
特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項196】
請求項195記載の質量流量コントローラにおいて、前記決定プロセッサは、前記コントローラからの流体の流率の前記補償された測度と設定値とを比較し、前記出口制御弁を調節して、前記設定値と前記コントローラからの流体の流率の補償された測度との差を最小化することを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項197】
請求項196記載の質量流量コントローラにおいて、前記決定プロセッサは、前記コントローラの感知された入口流率Qiを、Qo=補償された感知された出口流率、Qi=感知された入口流率、C1=正規化定数、V=センサ・バイパスと出口フロー制御弁との間の体積、T=この体積の中の流体の温度、dP/dt=体積の中の圧力の時間変化率、C1は標準温度及び圧力における温度を標準温度及び圧力における圧力によって除算した結果であり、(dP/dt)は前記体積の中の圧力の時間変化率として、Qo=Qi−C1(V/T)(dP/dt)に従って、補償された感知された入口流率Qoを計算することによって補償することを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項198】
請求項18+記載の質量流量コントローラにおいて、前記決定プロセッサはデジタル信号プロセッサ(DSP)であることを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項199】
請求項189記載の質量流量コントローラにおいて、1又は複数の診断出力を更に含み、前記決定プロセッサは前記診断出力の中の少なくとも1つのを駆動することを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項200】
請求項189記載の質量流量コントローラにおいて、1又は複数の診断入力を更に含み、前記決定プロセッサは前記診断入力の中の少なくとも1つのを駆動することを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項201】
請求項189記載の質量流量コントローラにおいて、前記決定プロセッサと非決定プロセッサとの間の通信のためのプロセッサ相互間インターフェースを更に含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項202】
請求項201記載の質量流量コントローラにおいて、前記プロセッサ相互間インターフェースは、前記プロセッサのためのメールボックスとして構成された1又は複数の一を有するデュアル・ポート型メモリであることを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項203】
請求項189記載の質量流量コントローラにおいて、前記非決定プロセッサは前記質量流量コントローラへのユーザ・インターフェースを提供することを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項204】
請求項203記載の質量流量コントローラにおいて、前記ユーザ・インターフェースはディスプレイを含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項205】
請求項203記載の質量流量コントローラにおいて、前記ユーザ・インターフェースは入力装置を含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項206】
請求項189記載の質量流量コントローラにおいて、前記非決定プロセッサは通信インターフェースを提供することを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項207】
請求項請求項206記載の質量流量コントローラにおいて、前記通信インターフェースはデバイスネット(DeviceNet)通信インターフェースであることを特徴とする質量流量
コントローラ。
【請求項208】
請求項207記載の質量流量コントローラにおいて、前記非決定プロセッサはネットワーク・インターフェースを含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項209】
請求項208記載の質量流量コントローラにおいて、前記ネットワーク・インターフェースはイーサネット(登録商標)ネットワーク・インターフェースであることを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項210】
請求項208記載の質量流量コントローラにおいて、前記ネットワーク・インターフェースはウェブ・サーバであることを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項211】
請求項207記載の質量流量コントローラにおいて、前記非決定コントローラは、前記ネットワーク・インターフェースを介して診断を設定し、診断情報を前記決定プロセッサを前記プロセッサ相互間インターフェースを介して交換し、前記決定プロセッサは前記非決定プロセッサからのコマンドに応答して診断動作を実行することを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項212】
請求項211記載の質量流量コントローラにおいて、前記決定プロセッサはオンライン診断を実行することを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項213】
請求項211記載の質量流量コントローラにおいて、前記ネットワーク・インターフェースはウェブ・サーバを含み、前記ウェブ・サーバは前記診断を設定することを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項214】
請求項213記載の質量流量コントローラにおいて、前記決定プロセッサはオンライン診断を実行することを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項215】
請求項188記載の質量流量コントローラにおいて、前記質量流量センサは、センサ・バイパスを含み前記コントローラの入口の中への流体の流率を感知する熱質量流量センサであり、この質量流量コントローラは、
前記質量流量センサ・フロー信号とは独立に前記質量流量コントローラにおける質量流量を表す電子信号を生じるように動作する質量流量較正器と、
前記熱質量流量センサからの質量流量信号を前記質量流量較正器の信号と相関させる電子コントローラと、
を更に含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項216】
請求項215記載の質量流量コントローラにおいて、
前記電子コントローラの制御の下で前記質量流量コントローラにおける気体のフローを制御するように動作する弁を更に含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項217】
請求項215記載の質量流量コントローラにおいて、前記質量流量センサは熱質量流量センサであることを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項218】
請求項215記載の質量流量コントローラにおいて、前記決定プロセッサは相関された質量流量センサ信号を用いて非較正動作の間に出口弁を制御することを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項219】
請求項215記載の質量流量コントローラにおいて、前記質量流量較正器は、
可変気体フロー源と、
所定の体積を有しており前記可変気体フロー源から気体を受け取る容器であって、前記可変気体フロー源は、前記質量流量センサと前記容器とに比例的なフローを提供する、容器と、
前記所定の体積を有する容器の中の気体圧力の時間導関数を表す電子信号を生じる圧力微分手段であって、前記時間導関数信号は、前記質量流量較正器の質量流量信号に比例している、圧力微分手段と、
を備えていることを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項220】
請求項219記載の質量流量コントローラにおいて、前記気体フロー源は、前記質量流量センサと所定の体積の前記容器との両方に同じ流率で同じ気体を供給することを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項221】
請求項219記載の質量流量コントローラにおいて、前記微分手段は、
前記容器の中の圧力を表す電子信号を生じる圧力トランスデューサと、
前記容器の中の圧力を表す前記電子信号の時間導関数を表す電子信号を生じるアナログ微分回路と、
前記アナログ時間導関数信号の1又は複数の値を前記時間導関数のデジタル・サンプルに変換するアナログ・デジタル・コンバータと、
を含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項222】
請求項219記載の質量流量コントローラにおいて、
気体圧力の前記時間導関数を表す信号の1又は複数のサンプルを記憶するストレージを更に含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項223】
質量流量コントローラであって、
この質量流量コントローラを通過する気体フローを表す質量流量信号を生じる質量流量センサと、
前記質量流量信号に基づき出口弁に対する閉ループ制御信号を生じ、更に、ウェブ・サーバとして動作する電子コントローラと、
を備えていることを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項224】
請求項223記載の質量流量コントローラにおいて、前記電子コントローラは前記質量流量コントローラに関連するウェブ・ページを表示することを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項225】
請求項224記載の質量流量コントローラにおいて、前記電子コントローラは前記質量流量コントローラの状態に関連するウェブ・ページを表示することを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項226】
請求項224記載の質量流量コントローラにおいて、前記電子コントローラは前記質量流量コントローラに関連するコンフィギュレーション・データを表示することを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項227】
請求項224記載の質量流量コントローラにおいて、前記電子コントローラは表示されたウェブ・ページとの対話を介してユーザ入力を受け取ることを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項228】
請求項227記載の質量流量コントローラにおいて、前記ユーザ入力は前記質量流量コントローラのコンフィギュレーションを変更するコマンドを含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項229】
請求項228記載の質量流量コントローラにおいて、前記電子コントローラは、ネットワークに接続されたデバイスからの質量流量コントローラのアクティブ診断の実行を可能にするネットワーク・インターフェースを提供することを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項230】
請求項229記載の質量流量コントローラにおいて、前記質量流量コントローラの電子コントローラと共に動作するためのアクティブ診断コードは、ネットワークに接続されたデバイスからの動作信号の操作をイネーブルするコードを含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項231】
請求項229記載の質量流量コントローラにおいて、前記質量流量コントローラの電子コントローラと共に動作するためのアクティブ診断コードは、ネットワークに接続されたデバイスからの診断信号の操作をイネーブルするコードを含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項232】
請求項229記載の質量流量コントローラにおいて、前記質量流量コントローラの電子コントローラと共に動作するためのアクティブ診断コードは、ネットワークに接続されたデバイスからの動作信号のモニタリングをイネーブルするコードを含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項233】
請求項229記載の質量流量コントローラにおいて、前記質量流量コントローラの電子コントローラと共に動作するためのアクティブ診断コードは、ネットワークに接続されたデバイスからの診断信号のモニタリングをイネーブルするコードを含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項234】
請求項229記載の質量流量コントローラにおいて、
前記質量流量コントローラの電子コントローラと共に動作し、ネットワークに接続されたデバイスからの動作信号のオンライン・モニタリングをイネーブルするオンライン診断コードを更に含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項235】
請求項229記載の質量流量コントローラにおいて、
前記質量流量コントローラの電子コントローラと共に動作し、ネットワークに接続されたデバイスからの診断信号のオンライン・モニタリングをイネーブルするオンライン診断コードを更に含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項236】
請求項229記載の質量流量コントローラにおいて、
前記質量流量コントローラの電子コントローラと共に動作し、ネットワークに接続されたデバイスからの診断信号のオンライン操作をイネーブルするオンライン診断コードを更に含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項237】
請求項229記載の質量流量コントローラにおいて、
前記質量流量コントローラの電子コントローラと共に動作し、ネットワークに接続されたデバイスからの動作信号のオンライン操作をイネーブルするオンライン診断コードを更に含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項238】
質量流量コントローラであって、
質量流量コントローラを通過する気体フローを表す質量流量信号を生じる質量流量センサと、
前記質量流量信号に基づき出口弁に対する閉ループ制御信号を生じる電子コントローラ
であって、この電子コントローラと共に動作するアクティブな診断コードを用いて相互接続ネットワークに接続されたデバイスからの質量流量コントローラのアクティブ診断の実行を可能にするウェブ・サーバを提供するデュアル・プロセッサ・コントローラを含む、電子コントローラと、
を備えていることを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項239】
請求項238記載の質量流量コントローラにおいて、前記質量流量コントローラの電子コントローラと共に動作するためのアクティブ診断コードは、ネットワークに接続されたデバイスからの動作信号の操作をイネーブルするコードを含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項240】
請求項238記載の質量流量コントローラにおいて、前記質量流量コントローラの電子コントローラと共に動作するためのアクティブ診断コードは、ネットワークに接続されたデバイスからの診断信号の操作をイネーブルするコードを含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項241】
請求項238記載の質量流量コントローラにおいて、前記質量流量コントローラの電子コントローラと共に動作するためのアクティブ診断コードは、ネットワークに接続されたデバイスからの動作信号のモニタリングをイネーブルするコードを含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項242】
請求項238記載の質量流量コントローラにおいて、前記質量流量コントローラの電子コントローラと共に動作するためのアクティブ診断コードは、ネットワークに接続されたデバイスからの診断信号のモニタリングをイネーブルするコードを含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項243】
請求項238記載の質量流量コントローラにおいて、
前記質量流量コントローラの電子コントローラと共に動作し、ネットワークに接続されたデバイスからの動作信号のオンライン・モニタリングをイネーブルするオンライン診断コードを更に含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項244】
請求項238記載の質量流量コントローラにおいて、
前記質量流量コントローラの電子コントローラと共に動作し、ネットワークに接続されたデバイスからの診断信号のオンライン・モニタリングをイネーブルするオンライン診断コードを更に含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項245】
請求項238記載の質量流量コントローラにおいて、前記デュアル・プロセッサは、決定モード動作するプロセッサと非決定モードで動作するプロセッサとを含み、前記決定プロセッサは、出口弁のための前記閉ループ制御信号を生じることを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項246】
請求項245記載の質量流量コントローラにおいて、前記決定プロセッサは1又は複数のセンサ読取値を取得することを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項247】
請求項246記載の質量流量コントローラにおいて、前記質量流量センサはセンサ・バイパスを含んでおり前記コントローラの入り口への流体のフローを感知する熱質量流量センサであり、この質量流量コントローラは、更に、熱質量流量センサ・バイパスと前記制御弁との間の体積における流体圧力を感知する圧力センサを更に含み、前記決定プロセッサは前記圧力センサが生じる圧力信号を取得し、前記質量流量センサによって感知された入り口流率を前記圧力信号を用いて補償することにより前記コントローラからの流体の流
率の補償された測度を生じることを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項248】
請求項247記載の質量流量コントローラにおいて、前記決定プロセッサは、前記センサ・バイパスと前記出口制御弁との間の体積の中の圧力の時間変化率を計算し、この圧力の時間変化率を用いて前記コントローラからの流体の流率の補償された測度を生じることを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項249】
請求項238記載の質量流量コントローラにおいて、前記質量流量コントローラは自己較正型であることを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項250】
質量流量コントローラであって、
このコントローラを通過する気体フローを表す質量流量信号を生じる質量流量センサと、
前記質量流量信号に基づき出口弁に対する閉ループ制御信号を生じる電子コントローラであって、オンライン診断に対するインターフェースを提供する、電子コントローラと、
を備えていることを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項251】
請求項250記載の質量流量コントローラにおいて、前記電子コントローラは、質量流量コントローラのアクティブな診断の実行を可能にするネットワーク・インターフェースを提供することを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項252】
請求項251記載の質量流量コントローラにおいて、前記質量流量コントローラの電子コントローラと共に動作するためのアクティブ診断コードは、ネットワークに接続されたデバイスからの動作信号の操作をイネーブルするコードを含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項253】
請求項251記載の質量流量コントローラにおいて、前記質量流量コントローラの電子コントローラと共に動作するためのアクティブ診断コードは、ネットワークに接続されたデバイスからの診断信号の操作をイネーブルするコードを含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項254】
請求項251記載の質量流量コントローラにおいて、前記質量流量コントローラの電子コントローラと共に動作するためのアクティブ診断コードは、ネットワークに接続されたデバイスからの動作信号のモニタリングをイネーブルするコードを含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項255】
請求項251記載の質量流量コントローラにおいて、前記質量流量コントローラの電子コントローラと共に動作するためのアクティブ診断コードは、ネットワークに接続されたデバイスからの診断信号のモニタリングをイネーブルするコードを含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項256】
請求項251記載の質量流量コントローラにおいて、前記質量流量コントローラの電子コントローラと共に動作し、ネットワークに接続されたデバイスからの動作信号のオンライン・モニタリングをイネーブルするオンライン診断コードを更に含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項257】
請求項251記載の質量流量コントローラにおいて、前記質量流量コントローラの電子コントローラと共に動作し、ネットワークに接続されたデバイスからの診断信号のオンライン・モニタリングをイネーブルするオンライン診断コードを更に含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項258】
請求項251記載の質量流量コントローラにおいて、前記質量流量コントローラの電子コントローラと共に動作し、ネットワークに接続されたデバイスからの診断信号のオンライン操作をイネーブルするオンライン診断コードを更に含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項259】
請求項251記載の質量流量コントローラにおいて、前記質量流量コントローラの電子コントローラと共に動作し、ネットワークに接続されたデバイスからの動作信号のオンライン操作をイネーブルするオンライン診断コードを更に含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項260】
質量流量コントローラであって、
この質量流量コントローラを通過する気体フローを表す質量流量信号を生じる質量流量センサと、
前記質量流量信号に基づき出口弁に対する閉ループ制御信号を生じ、更に、オンライン診断のためのインターフェースを提供するデュアル・プロセッサ・コントローラを含む電子コントローラと、
を備えていることを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項261】
請求項260記載の質量流量コントローラにおいて、前記質量流量コントローラの電子コントローラと共に動作するためのアクティブ診断コードは、ネットワークに接続されたデバイスからの動作信号の操作をイネーブルするコードを含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項262】
請求項260記載の質量流量コントローラにおいて、前記質量流量コントローラの電子コントローラと共に動作するためのアクティブ診断コードは、ネットワークに接続されたデバイスからの診断信号の操作をイネーブルするコードを含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項263】
請求項260記載の質量流量コントローラにおいて、前記質量流量コントローラの電子コントローラと共に動作するためのアクティブ診断コードは、ネットワークに接続されたデバイスからの動作信号のモニタリングをイネーブルするコードを含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項264】
請求項260記載の質量流量コントローラにおいて、前記質量流量コントローラの電子コントローラと共に動作するためのアクティブ診断コードは、ネットワークに接続されたデバイスからの診断信号のモニタリングをイネーブルするコードを含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項265】
請求項260記載の質量流量コントローラにおいて、前記デュアル・プロセッサは、決定モード動作するプロセッサと非決定モードで動作するプロセッサとを含み、前記決定プロセッサは、出口弁のための前記閉ループ制御信号を生じることを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項266】
請求項265記載の質量流量コントローラにおいて、前記決定プロセッサは1又は複数のセンサ読取値を取得することを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項267】
請求項266記載の質量流量コントローラにおいて、前記質量流量センサはセンサ・バイパスを含んでおり前記コントローラの入り口への流体のフローを感知する熱質量流量センサであり、この質量流量コントローラは、更に、熱質量流量センサ・バイパスと前記制
御弁との間の体積における流体圧力を感知する圧力センサを更に含み、前記決定プロセッサは前記圧力センサが生じる圧力信号を取得し、前記質量流量センサによって感知された入り口流率を前記圧力信号を用いて補償することにより前記コントローラからの流体の流率の補償された測度を生じることを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項268】
請求項267記載の質量流量コントローラにおいて、前記決定プロセッサは、前記センサ・バイパスと前記出口制御弁との間の体積の中の圧力の時間変化率を計算し、この圧力の時間変化率を用いて前記コントローラからの流体の流率の補償された測度を生じることを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項269】
請求項260記載の質量流量コントローラにおいて、前記ネットワーク・インターフェースは、ワールド・ワイド・ウェブに接続されたウェブ閲覧可能なデバイスがこのウェブ閲覧可能なデバイスからのオンライン診断を実行することを可能にするウェブ・サーバを含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項270】
請求項260記載の質量流量コントローラにおいて、前記質量流量コントローラは自己較正型であることを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項271】
質量流量コントローラであって、
この質量流量コントローラを通過する気体フローを表す質量流量信号を生じる質量流量センサと、
前記質量流量信号に基づき出口弁に対する閉ループ制御信号を生じ、複数の実行可能な閉ループ・コード・セットをアップロードする電子コントローラと、
を備えていることを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項272】
請求項271記載の質量流量コントローラにおいて、1又は複数の実行可能なコード・セットは診断動作モードを実行するコードを含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項273】
請求項271記載の質量流量コントローラにおいて、1又は複数の実行可能なコード・セットは較正動作モードを実行するコードを含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項274】
請求項271記載の質量流量コントローラにおいて、前記電子コントローラはデュアル・プロセッサ・コントローラを含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項275】
請求項274記載の質量流量コントローラにおいて、前記デュアル・プロセッサは、決定モードで動作するプロセッサと非決定モードで動作するプロセッサとを含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項276】
請求項275記載の質量流量コントローラにおいて、前記決定プロセッサは出口弁に対して前記閉ループ制御信号を生じることを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項277】
請求項276記載の質量流量コントローラにおいて、前記非決定プロセッサは、前記複数の実行可能なコード・セットをアップロードし、前記実行可能なコード・セットの中の1つを選択し、前記選択されたコード・セットを前記決定プロセッサへ前記プロセッサが実行するために送ることを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項278】
請求項277記載の質量流量コントローラにおいて、前記質量流量センサは、センサ・バイパスを含んでおり前記コントローラの入口への流体のフローを感知する熱質量流量セ
ンサであることを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項279】
請求項278記載の質量流量センサにおいて、
前記熱質量流量センサ・バイパスと前記制御弁との間の体積の中の流体圧力を感知する圧力センサを更に含むことを特徴とする質量流量センサ。
【請求項280】
請求項279記載の質量流量コントローラにおいて、前記決定プロセッサは、前記圧力センサが生じる圧力信号を取得し、前記圧力信号を用いて前記質量流量センサが感知した入口流率を補償して、前記コントローラからの流体の流率の補償された測度を生じることを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項281】
請求項280記載の質量流量コントローラにおいて、前記決定プロセッサは、前記センサ・バイパスと前記出口制御弁との間の体積の中の圧力の時間変化率を計算し、この圧力時間変化率を用いて前記コントローラからの流体の流率の補償された測度を生じることを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項282】
請求項281記載の質量流量コントローラにおいて、前記決定プロセッサは、前記コントローラからの流体の流率の前記補償された測度と設定値とを比較し、前記出口制御弁を調節して、前記設定値と前記コントローラからの流体の流率の補償された測度との差を最小化することを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項283】
請求項282記載の質量流量コントローラにおいて、前記決定プロセッサは、前記コントローラの感知された入口流率Qiを、Qo=補償された感知された出口流率、Qi=感知された入口流率、C1=正規化定数、V=センサ・バイパスと出口フロー制御弁との間の体積、T=この体積の中の流体の温度、dP/dt=体積の中の圧力の時間変化率、C1は標準温度及び圧力における温度を標準温度及び圧力における圧力によって除算した結果であり、(dP/dt)は前記体積の中の圧力の時間変化率として、Qo=Qi−C1(V/T)(dP/dt)に従って、補償された感知された入口流率Qoを計算することによって補償することを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項284】
請求項277記載の質量流量コントローラにおいて、前記決定プロセッサはデジタル信号プロセッサ(DSP)であることを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項285】
請求項284記載の質量流量コントローラにおいて、前記決定プロセッサと非決定プロセッサとの間の通信のためのプロセッサ相互間インターフェースを更に含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項286】
請求項285記載の質量流量コントローラにおいて、前記プロセッサ相互間インターフェースは、前記プロセッサのためのメールボックスとして構成された1又は複数の一を有するデュアル・ポート型メモリであることを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項287】
請求項276記載の質量流量コントローラにおいて、前記非決定プロセッサは前記質量流量コントローラへのユーザ・インターフェースを提供することを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項288】
請求項287記載の質量流量コントローラにおいて、前記非決定プロセッサはネットワーク・インターフェースを含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項289】
請求項288記載の質量流量コントローラにおいて、前記ネットワーク・インターフェースはウェブ・サーバであることを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項290】
請求項289記載の質量流量コントローラにおいて、前記非決定コントローラは、前記ネットワーク・インターフェースを介して診断を設定し、診断情報を前記決定プロセッサを前記プロセッサ相互間インターフェースを介して交換し、前記決定プロセッサは前記非決定プロセッサからのコマンドに応答して診断動作を実行することを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項291】
請求項290記載の質量流量コントローラにおいて、前記決定プロセッサはオンライン診断を実行することを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項292】
請求項290記載の質量流量コントローラにおいて、前記ネットワーク・インターフェースはウェブ・サーバを含み、前記ウェブ・サーバは前記診断を設定することを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項293】
請求項271記載の質量流量コントローラにおいて、前記質量流量センサは、センサ・バイパスを含み前記コントローラの入口の中への流体の流率を感知する熱質量流量センサであり、この質量流量コントローラは、
前記質量流量センサ・フロー信号とは独立に前記質量流量コントローラにおける質量流量を表す電子信号を生じるように動作する質量流量較正器と、
前記熱質量流量センサからの質量流量信号を前記質量流量較正器の信号と相関させる電子コントローラと、
を更に含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項294】
請求項293記載の質量流量コントローラにおいて、前記質量流量較正器は、
可変気体フロー源と、
所定の体積を有しており前記可変気体フロー源から気体を受け取る容器であって、前記可変気体フロー源は、前記質量流量センサと前記容器とに比例的なフローを提供する、容器と、
前記所定の体積を有する容器の中の気体圧力の時間導関数を表す電子信号を生じる圧力微分手段であって、前記時間導関数信号は、前記質量流量較正器の質量流量信号に比例している、圧力微分手段と、
を備えていることを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項295】
請求項294記載の質量流量コントローラにおいて、前記微分手段は、
前記容器の中の圧力を表す電子信号を生じる圧力トランスデューサと、
前記容器の中の圧力を表す前記電子信号の時間導関数を表す電子信号を生じるアナログ微分回路と、
前記アナログ時間導関数信号の1又は複数の値を前記時間導関数のデジタル・サンプルに変換するアナログ・デジタル・コンバータと、
を含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項1】
システムの入口の気体と出口の気体との間にあるフロー経路を規定するシステムであって、
前記フロー経路及び制御弁に沿って質量流量を感知する質量流量センサを含み、制御信号に応答し、前記出口を介して前記質量流量を制御する質量流量コントローラと、
前記流量経路に沿って気体の圧力の揺らぎを測定する圧力センサと、
前記感知された質量流量、及び前記測定された気体の圧力の揺らぎの関数として制御信号を生成し、前記入口における気体の圧力の揺らぎに関わりなく前記出口における気体の一定流量を提供するコントローラと、
を含む、システム。
【請求項26】
質量流量コントローラであって、
流体入力ポートと流体出力ポートと前記入力ポートと出力ポートとの間に配置されたバイパス・チャネルとを含む質量流量コントローラ・ハウジングと、
前記バイパス・チャネルを通過する流体フローQiを測定する熱式質量流量センサ・アセンブリと、
前記バイパス・チャネルの一部における流体の圧力を測定する圧力センサ・アセンブリと、
前記流体出力ポートを通過する流体フローを制御する弁アセンブリと、
前記流体出力ポートを通過するフローQ0を、前記熱式質量流量センサ・アセンブリによって得られたフロー測定値Qiと前記圧力センサ・アセンブリによって得られた圧力測定値Pとの関数として決定するコントローラ・アセンブリと、
を備えていることを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項27】
請求項26記載の質量流量コントローラにおいて、
前記バイパス・チャネルの中の流体の温度を感知し前記温度の測定値を示す信号Tを提供する温度センサ・アセンブリを更に備えており、前記コントローラ・アセンブリは、フローQ0を前記温度信号Tの関数として決定することを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項28】
請求項27記載の質量流量コントローラにおいて、前記温度センサ・アセンブリは、前記バイパス・チャネルの一部を画定するこの質量流量コントローラの壁部の温度を感知して、前記温度信号Tを感知された温度の関数として生じることを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項29】
請求項28記載の質量流量コントローラにおいて、前記コントローラ・アセンブリは、前記バイパス・チャネルの中において前記圧力センサ・アセンブリによって感知された圧力の時間変化率を計算し、前記圧力の時間変化率dP/dtに基づいてフローQ0を決定することを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項30】
請求項29記載の質量流量コントローラにおいて、前記コントローラ・アセンブリは、フローQ0を設定された値と比較し前記弁アセンブリを調整することにより前記設定された値と前記フローQ0との差を最小化するように構成されていることを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項31】
請求項30記載の質量流量コントローラにおいて、TR及びPRをSTP条件における前記バイパス・チャネルの中の温度及び圧力、TWを前記バイパス・チャネルにおけるこの質量流量コントローラのハウジングの前記壁部の温度として、前記コントローラ・アセンブリは、方程式Q0=Qi−(TRV/TWPR)(dP/dt)に従ってQ0を決定することを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項32】
流体入力ポートと流体出力ポートと前記入力ポートと出力ポートとの間に配置されたバイパス・チャネルとを含む質量流量コントローラ・ハウジングの出力ポートからのアウトレット流体フローを維持する方法であって、
A)前記バイパス・チャネルを通過する流体フローQiを測定するステップと、
B)前記バイパス・チャネルの一部における流体の圧力を測定するステップと、
C)前記流体出力ポートを通過するフローQ0を、ステップAにおいて得られたフロー測定値QiとステップBにおいて得られた圧力測定値Pとの関数として決定するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項33】
請求項32記載の方法において、前記バイパス・チャネルの中の流体の温度を感知して温度信号Tを提供するステップを更に含み、前記フローQ0は前記温度信号Tの関数を更に決定することを特徴とする方法。
【請求項34】
請求項33記載の方法において、温度Tは前記バイパス・チャネルの一部を画定する前記質量流量コントローラ・ハウジングの壁部において感知され、前記温度信号Tは感知された温度の関数として生じることを特徴とする方法。
【請求項35】
請求項34記載の方法において、前記バイパス・チャネルの中においてステップBにおいて感知された圧力の時間変化率dP/dtを決定するステップと、前記圧力の時間変化率dP/dtに基づいてフローQ0を決定するステップとを更に含むことを特徴とする方法。
【請求項36】
請求項35記載の方法において、フローQ0を設定された値と比較するステップと、前記フローQ0を調節して前記設定された値と前記フローQ0との差を最小化するステップとを更に含むことを特徴とする方法。
【請求項37】
請求項36記載の方法において、TR及びPRをSTP条件における前記バイパス・チャネルの中の温度及び圧力、TWを前記バイパス・チャネルにおける前記質量流量コントローラ・ハウジングの前記壁部の温度として、前記フローQ0は方程式Q0=Qi−(TRV/TWPR)(dP/dt)に従って決定されることを特徴とする方法。
【請求項38】
気体フロー標準器であって、
可変気体フロー源と、
所定の体積を有しており前記可変気体フロー源から気体を受け取る容器と、
前記所定の体積を有する容器の中の気体圧力の時間導関数を表す電子信号を生じる圧力微分手段と、
を備えていることを特徴とする気体フロー標準器。
【請求項39】
気体フロー標準器であって、
所定の体積を有しており可変気体フローを供給する容器と、
前記所定の体積を有する容器の中の気体圧力の時間導関数を表す電子信号を生じる圧力微分手段と、
を備えていることを特徴とする気体フロー標準器。
【請求項40】
請求項38記載の標準器において、前記微分手段は、
前記容器の中の圧力を表す電子信号を生じる圧力トランスデューサと、
前記容器の中の圧力を表す前記電子信号の時間導関数を表す電子信号を生じるアナログ微分回路と、
前記アナログ時間導関数信号の1又は複数の値を前記時間導関数のデジタル・サンプルに変換するアナログ・デジタル・コンバータ(ADC)と、
を含むことを特徴とする標準器。
【請求項41】
請求項40記載の標準器において、
気体圧力の前記時間導関数を表す信号の1又は複数のサンプルを記憶するストレージを更に含むことを特徴とする標準器。
【請求項42】
請求項38記載の標準器において、前記微分手段は、
前記容器の中の圧力を表す電子信号を生じる圧力トランスデューサと、
前記圧力トランスデューサ信号の1又は複数の値をデジタル形式に変換するアナログ・デジタル・コンバータ(ADC)と、
前記圧力信号の時間導関数を表す複数のデジタル値を生じるデジタル微分手段と、
を含むことを特徴とする標準器。
【請求項43】
請求項42記載の標準器において、
気体圧力の前記時間導関数を表す信号の1又は複数のサンプルを記憶するストレージを更に含むことを特徴とする標準器。
【請求項44】
請求項38記載の標準器において、前記気体源は指数関数的に変化する気体フローを提供することを特徴とする標準器。
【請求項45】
請求項44記載の標準器において、前記気体源は指数関数的に増加する気体フローを提供することを特徴とする標準器。
【請求項46】
請求項44記載の標準器において、前記気体源は指数関数的に減少する気体フローを提供することを特徴とする標準器。
【請求項47】
請求項39記載の標準器において、前記気体源は指数関数的に変化する気体フローを提供することを特徴とする標準器。
【請求項48】
請求項47記載の標準器において、前記気体源は指数関数的に増加する気体フローを提供することを特徴とする標準器。
【請求項49】
請求項48記載の標準器において、前記気体源は指数関数的に減少する気体フローを提供することを特徴とする標準器。
【請求項50】
気体フロー標準信号を生じさせる方法であって、
(A)可変気体フローをソースに又はソースから提供するステップと、
(B)前記可変気体フローを所定の体積を有する容器の中へ又は所定の体積を有する容器の中から可変速度で流すステップと、
(C)前記可変気体フローが前記容器の中へ又は前記容器の中から流れる際の、前記容器の中の気体圧力の導関数を表す電子信号を生じるステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項51】
請求項50記載の方法において、ステップCは、
(C1)前記可変速度で流れる間に、前記所定の体積を有する容器の中の圧力を少なくとも3回測定するステップと、
(C2)少なくとも2つの圧力差を計算するステップと、
(C3)それぞれの圧力差を計算するのに用いられた2つの圧力測定の間の時間によってそれぞれの圧力差を除算するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項52】
請求項50記載の方法において、所定の体積を有する容器の中の気体圧力の導関数を表す電子信号を生じるステップC)は、
(C4)圧力トランスデューサが前記容器の中の圧力を表す電子信号を生じるステップと、
(C5)アナログ微分回路が前記容器の中の圧力を表す前記電子信号の時間導関数を表す電子信号を生じるステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項53】
請求項52記載の方法において、所定の体積を有する容器の中の気体圧力の導関数を表す電子信号を生じるステップC)は、
(C6)アナログ・デジタル・コンバータが前記アナログ圧力時間導関数信号の1又は複数の値を前記圧力時間導関数のデジタル・サンプルに変換するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項54】
請求項53記載の方法において、
(D)気体圧力の前記時間導関数を表す信号の1又は複数のサンプルを記憶するステップを更に含むことを特徴とする方法。
【請求項55】
請求項50記載の方法において、前記可変気体フローが前記容器の中へ又は前記容器の中から流れる際の、前記容器の中の気体圧力の導関数を表す電子信号を生じるステップ(C)は、
(C7)圧力トランスデューサが、前記容器の中の圧力を表す電子信号を生じるステップと、
(C8)アナログ・デジタル・コンバータが、前記圧力トランスデューサ信号の1又は複数の値をデジタル形式に変換するステップと、
(C9)デジタル微分手段が、前記圧力信号の時間導関数を表す複数のデジタル値を生じるステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項56】
請求項55記載の方法において、
(E)気体圧力の前記時間導関数を表す信号の1又は複数のサンプルを記憶するステップを更に含むことを特徴とする方法。
【請求項57】
請求項50記載の方法において、前記気体源は指数関数的に変化する気体フローを提供することを特徴とする方法。
【請求項58】
請求項57記載の方法において、前記気体源は指数関数的に増加する気体フローを提供することを特徴とする方法。
【請求項59】
請求項57記載の方法において、前記気体源は指数関数的に減少する気体フローを提供することを特徴とする方法。
【請求項60】
質量流量を表す信号を生じる質量流量センサを較正する質量流量較正器であって、
可変気体フロー源と、
所定の体積を有しており前記可変気体フロー源から気体を受け取る容器であって、前記可変気体フロー源は、較正されている質量流量センサと前記容器とに比例的なフローを提供する、容器と、
前記所定の体積を有する容器の中の気体圧力の時間導関数を表す電子信号を生じる圧力微分手段と、
前記微分手段からの電子信号を前記質量流量センサからの信号と比較するコンパレータと、
前記微分手段からの信号と前記フロー・センサからの信号とに差が存在する場合には、その差から相関ファクタを計算する補償手段と、
を備えていることを特徴とする質量流量較正器。
【請求項61】
請求項60記載の較正器において、前記気体フロー源は、前記質量流量センサと所定の体積の前記容器との両方に同じ流率で同じ気体を供給することを特徴とする較正器。
【請求項62】
請求項60記載の較正器において、前記気体フロー源は、前記質量流量センサと所定の体積の前記容器とに並列的に気体を供給することを特徴とする較正器。
【請求項63】
請求項60記載の較正器において、前記気体フロー源は、前記質量流量センサと所定の体積の前記容器とに直列的に気体を供給することを特徴とする較正器。
【請求項64】
質量流量を表す信号を生じる質量流量センサを較正する気体フロー較正器であって、
所定の体積を有しており可変気体フローを供給する容器と、
前記所定の体積を有する容器の中の気体圧力の時間導関数を表す電子信号を生じる圧力微分手段であって、前記所定の体積を有する容器は、較正されている質量流量センサを介して前記容器から比例的なフローを提供する、圧力微分手段と、
前記所定の体積を有する容器の中の気体圧力の時間導関数を表す電子信号を生じる圧力微分手段と、
前記微分手段からの電子信号を前記質量流量センサからの信号と比較するコンパレータと、
前記微分手段からの信号と前記フロー・センサからの信号とに差が存在する場合には、その差から相関ファクタを計算する補償手段と、
を備えていることを特徴とする気体フロー較正器。
【請求項65】
請求項64記載の気体フロー較正器において、前記微分手段は、
前記容器の中の圧力を表す電子信号を生じる圧力トランスデューサと、
前記容器の中の圧力を表す前記電子信号の時間導関数を表す電子信号を生じるアナログ微分回路と、
前記アナログ時間導関数信号の1又は複数の値を前記時間導関数のデジタル・サンプルに変換するアナログ・デジタル・コンバータ(ADC)と、
を含むことを特徴とする気体フロー較正器。
【請求項66】
請求項65記載の気体フロー較正器において、
気体圧力の前記時間導関数を表す信号の1又は複数のサンプルを記憶するストレージを更に含むことを特徴とする気体フロー較正器。
【請求項67】
請求項64記載の気体フロー較正器において、前記微分手段は、
前記容器の中の圧力を表す電子信号を生じる圧力トランスデューサと、
前記圧力トランスデューサ信号の1又は複数の値をデジタル形式に変換するアナログ・デジタル・コンバータと、
前記圧力信号の時間導関数を表す複数のデジタル値を生じるデジタル微分手段と、
を含むことを特徴とする気体フロー較正器。
【請求項68】
請求項67記載の気体フロー較正器において、
気体圧力の前記時間導関数を表す信号の1又は複数のサンプルを記憶するストレージを更に含むことを特徴とする気体フロー較正器。
【請求項69】
請求項64記載の気体フロー較正器において、前記気体源は指数関数的に変化する気体フローを提供することを特徴とする気体フロー較正器。
【請求項70】
請求項69記載の気体フロー較正器において、前記気体源は指数関数的に増加する気体フローを提供することを特徴とする気体フロー較正器。
【請求項71】
請求項69記載の気体フロー較正器において、前記気体源は指数関数的に減少する気体
フローを提供することを特徴とする気体フロー較正器。
【請求項72】
請求項64記載の気体フロー較正器において、前記気体源は指数関数的に変化する気体フローを提供することを特徴とする気体フロー較正器。
【請求項73】
請求項72記載の気体フロー較正器において、前記気体源は指数関数的に増加する気体フローを提供することを特徴とする気体フロー較正器。
【請求項74】
請求項72記載の気体フロー較正器において、前記気体源は指数関数的に減少する気体フローを提供することを特徴とする気体フロー較正器。
【請求項75】
質量流量センサを較正する方法であって、
(A)可変気体フローをフロー源へ又はフロー源へ提供するステップと、
(B)所定の体積を有する容器の中へ又は前記容器から可変速度で可変気体フローを流すステップと、
(C)前記可変気体が前記容器の中へ又は前記容器から外へ流れる際に、前記所定の体積を有する容器の中の気体圧力の時間導関数を表す電子信号を生じるステップと、
(D)前記質量流量センサの中へ又は前記質量流量センサから外へ前記容器の中へ又は前記容器から外への速度と比例する速度で気体を流すステップと、
(E)前記微分手段からの電子信号を前記質量流量センサからの信号と比較するステップと、
(F)前記微分手段からの信号と前記フロー・センサからの信号とに差が存在する場合には、その差から相関ファクタを計算するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項76】
請求項75記載の方法において、前記質量流量センサの中へ又は前記質量流量センサから外へ前記容器の中へ又は前記容器から外への速度と比例する速度で気体を流すステップ(D)は、前記質量流量センサと所定の体積の前記容器との両方に同じ流率で気体を流すステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項77】
請求項75記載の方法において、前記気体フロー源は、前記質量流量センサと所定の体積の前記容器とに並列的に気体を供給することを特徴とする方法。
【請求項78】
請求項75記載の方法において、前記気体フロー源は、前記質量流量センサと所定の体積の前記容器とに直列的に気体を供給することを特徴とする方法。
【請求項79】
質量流量センサを較正する方法であって、
所定の体積を有する容器が、可変気体フローを供給するステップと、
圧力微分手段が、前記所定の体積を有する容器の中の気体圧力の時間導関数を表す電子信号を生じるステップであって、前記所定の体積を有する容器は、較正されている質量流量センサを介して前記容器から比例的なフローを提供する、ステップと、
圧力微分手段が、前記所定の体積を有する容器の中の気体圧力の時間導関数を表す電子信号を生じるステップと、
コンパレータが、前記微分手段からの電子信号を前記質量流量センサからの信号と比較するステップと、
補償手段が、前記微分手段からの信号と前記フロー・センサからの信号とに差が存在する場合には、その差から相関ファクタを計算するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項80】
請求項78記載の方法において、圧力微分手段が前記所定の体積を有する容器の中の気
体圧力の時間導関数を表す電子信号を生じるステップは、
圧力トランスデューサが、前記容器の中の圧力を表す電子信号を生じるステップと、
アナログ微分回路が、前記容器の中の圧力を表す前記電子信号の時間導関数を表す電子信号を生じるステップと、
アナログ・デジタル・コンバータが、前記アナログ時間導関数信号の1又は複数の値を前記時間導関数のデジタル・サンプルに変換するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項81】
請求項80記載の方法において、
気体圧力の前記時間導関数を表す信号の1又は複数のサンプルを記憶するステップを更に含むことを特徴とする方法。
【請求項82】
請求項78記載の方法において、圧力微分手段が前記所定の体積を有する容器の中の気体圧力の時間導関数を表す電子信号を生じるステップは、
圧力トランスデューサが、前記容器の中の圧力を表す電子信号を生じるステップと、
アナログ・デジタル・コンバータが、前記圧力トランスデューサ信号の1又は複数の値をデジタル形式に変換するステップと、
デジタル微分手段が、前記圧力信号の時間導関数を表す複数のデジタル値を生じるステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項83】
請求項82記載の方法において、
気体圧力の前記時間導関数を表す信号の1又は複数のサンプルを記憶するステップを更に含むことを特徴とする方法。
【請求項84】
請求項78記載の方法において、前記気体源は指数関数的に変化する気体フローを提供することを特徴とする方法。
【請求項85】
請求項84記載の方法において、前記気体源は指数関数的に増加する気体フローを提供することを特徴とする方法。
【請求項86】
請求項84記載の方法において、前記気体源は指数関数的に減少する気体フローを提供することを特徴とする方法。
【請求項87】
請求項79記載の方法において、前記気体源は指数関数的に変化する気体フローを提供することを特徴とする方法。
【請求項88】
請求項79記載の方法において、前記気体源は指数関数的に増加する気体フローを提供することを特徴とする方法。
【請求項89】
請求項79記載の方法において、前記気体源は指数関数的に減少する気体フローを提供することを特徴とする方法。
【請求項90】
請求項75記載の方法において、気体フローは、制限されないフローを用いて入手可能である場合よりも長い時間周期にわたって前記圧力を微分するために制限されていることを特徴とする方法。
【請求項91】
請求項79記載の方法において、気体フローは、制限されないフローを用いて入手可能である場合よりも長い時間周期にわたって前記圧力を微分するために制限されていることを特徴とする方法。
【請求項92】
自己較正型質量流量コントローラであって、
この質量流量コントローラにおける質量流量を表す電子信号をこのセンサによって感知されるフローの関数として生じる質量流量センサと、
この質量流量コントローラにおける質量流量を表す独立の電子信号をこの較正手段によって感知されるフローの関数として生じる質量流量較正手段と、
前記熱質量流量センサからの質量流量信号を、前記質量流量較正手段からの独立の電子信号によって示される流率に相関させる電子コントローラと、
を備えていることを特徴とする自己較正型質量流量コントローラ。
【請求項93】
請求項92記載の質量流量コントローラにおいて、
前記電子コントローラの制御の下でこの質量流量コントローラにおける気体のフローを制御する弁を更に備えていることを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項94】
請求項92記載の自己較正型質量流量コントローラにおいて、前記質量流量センサは熱質量流量センサであることを特徴とする自己較正型質量流量コントローラ。
【請求項95】
請求項92記載の自己較正型質量流量コントローラにおいて、前記電子コントローラは、非較正動作の間に前記相関された質量流量センサ信号を用いて前記出口弁を制御することを特徴とする自己較正型質量流量コントローラ。
【請求項96】
請求項92記載の自己較正型質量流量コントローラにおいて、前記電子コントローラは、前記質量流量センサ信号と前記質量流量較正手段との間の相関を記憶することを特徴とする自己較正型質量流量コントローラ。
【請求項97】
請求項92記載の質量流量コントローラにおいて、前記質量流量較正手段は、
可変気体フロー源と、
所定の体積を有しており前記可変気体フロー源から気体を受け取る容器であって、前記可変気体フロー源は、比例的なフローを前記質量流量センサとこの容器とに提供する、容器と、
前記所定の体積を有する容器の中の気体圧力の時間導関数を表す電子信号を生じる圧力微分手段であって、前記時間導関数信号は前記質量流量較正手段の質量流量信号に比例している、圧力微分手段と、
を備えていることを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項98】
請求項97記載の質量流量コントローラにおいて、前記気体フロー源は、前記質量流量センサと所定の体積の前記容器との両方に同じ流率で同じ気体を供給することを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項99】
請求項97記載の質量流量コントローラにおいて、前記気体フロー源は、前記質量流量センサと所定の体積の前記容器とに直列的に気体を供給することを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項100】
請求項97記載の質量流量コントローラにおいて、前記微分手段は、
前記容器の中の圧力を表す電子信号を生じる圧力トランスデューサと、
前記容器の中の圧力を表す前記電子信号の時間導関数を表す電子信号を生じるアナログ微分回路と、
前記アナログ時間導関数信号の1又は複数の値を前記時間導関数のデジタル・サンプルに変換するアナログ・デジタル・コンバータと、
を含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項101】
請求項100記載の質量流量コントローラにおいて、
気体圧力の前記時間導関数を表す信号の1又は複数のサンプルを記憶するストレージを更に含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項102】
請求項92記載の質量流量コントローラにおいて、前記電子コントローラは、前記質量流量センサからの質量流量信号を複数の気体フローに対する前記質量流量較正手段の信号に相関させて1又は複数の補償係数を生じることを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項103】
請求項102記載の質量流量コントローラにおいて、この質量流量コントローラは、1又は複数の補償係数を記憶することを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項104】
請求項103記載の質量流量コントローラにおいて、前記質量流量コントローラは、前記記憶された補償係数と前記質量流量センサからのフロー信号との1又は複数を用いて、気体の質量流量を計算することを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項105】
請求項97記載の質量流量コントローラにおいて、前記微分手段は、
前記容器の中の圧力を表す電子信号を生じる圧力トランスデューサと、
前記圧力トランスデューサ信号の1又は複数の値をデジタル形式に変換するアナログ・デジタル・コンバータと、
前記圧力信号の時間導関数を表す複数のデジタル値を生じるデジタル微分手段と、
を含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項106】
請求項105記載の質量流量コントローラにおいて、
気体圧力の前記時間導関数を表す信号の1又は複数のサンプルを記憶するストレージを更に含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項107】
請求項97記載の質量流量コントローラにおいて、前記気体源は指数関数的に変化する気体フローを提供することを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項108】
請求項107記載の質量流量コントローラにおいて、前記気体源は指数関数的に増加する気体フローを提供することを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項109】
請求項106記載の質量流量コントローラにおいて、前記気体源は指数関数的に減少する気体フローを提供することを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項110】
請求項97記載の質量流量コントローラにおいて、前記気体源はパターンを有する気体フローを提供し、前記パターンは増加及び減少の両方の気体フローを含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項111】
自己較正型質量流量コントローラであって、
この質量流量コントローラにおける気体のフローを感知して前記感知されたフローを表す電子信号を生じる熱質量流量センサと、
電子コントローラと、
前記コントローラによって動作され、気体の所定のフローがこの質量流量コントローラを通過することを可能にする出口弁と、
前記容器の中であって前記熱質量流量センサのバイパスの間に形成される気体の圧力を測定する圧力センサであって、前記容器は所定の体積を有するように形成され、前記電子コントローラは、この質量流量コントローラを通過するフローを変動させる出口弁を動作させ、前記圧力信号の時間導関数を計算し、前記時間導関数信号を正規化し、前記熱質量
流量センサからの信号を前記正規化された時間導関数信号と相関させる、圧力センサと、
を備えていることを特徴とする自己較正型質量流量コントローラ。
【請求項112】
請求項111記載の質量流量コントローラにおいて、前記コントローラは、前記圧力信号の導関数を計算するアナログ微分回路を用いることを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項113】
請求項111記載の質量流量コントローラにおいて、前記コントローラは、少なくとも2つの圧力差を計算し、時間スパンを対応させて前記圧力信号の導関数を作成することによって前記差を分割することを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項114】
請求項111記載の質量流量コントローラにおいて、前記電子コントローラは、前記質量流量センサからの質量流量信号を複数の気体フローに対する正規化された時間導関数の信号と相関させ、1つの気体フローの熱質量流量信号を別の気体フローの熱質量流量信号と関連させる1又は複数の補償係数を生じることを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項115】
請求項114記載の質量流量コントローラにおいて、この質量流量コントローラは、1又は複数の補償係数を記憶することを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項116】
請求項115記載の質量流量コントローラにおいて、前記質量流量コントローラは、前記記憶された補償係数と前記質量流量センサからのフロー信号との1又は複数を用いて、気体の質量流量を計算することを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項117】
質量流量センサと電子コントローラと質量流量較正手段とを含む質量流量コントローラを自己較正する方法であって、
質量流量コントローラの質量流量センサが、前記質量流量コントローラにおける質量流量を表す電子信号を、前記センサによって感知されたフローの関数として生じるステップと、
前記質量流量コントローラの質量流量較正手段が、前記質量流量コントローラにおける質量流量を表す独立の電子信号を、前記較正手段によって感知されたフローの関数として生じるステップと、
前記質量流量コントローラの電子コントローラが、前記質量流量コントローラの中の感知されたフローに応答して前記質量流量センサによって生じた質量流量信号を、前記質量流量コントローラのおけるフローの感知において前記質量流量較正手段によって生じた独立の電子信号によって指示されるフローと相関させるステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項118】
請求項117記載の方法において、
前記質量流量コントローラの電子コントローラが、前記質量流量コントローラにおける気体のフローを制御する弁を制御するステップを更に含むことを特徴とする方法。
【請求項119】
請求項118記載の方法において、熱質量流量センサが前記質量流量電子信号を生じることを特徴とする方法。
【請求項120】
請求項117記載の方法において、前記電子コントローラは、非較正動作の間に前記相関された質量流量センサ信号を用いて前記出口弁を制御することを特徴とする方法。
【請求項121】
請求項117記載の方法において、前記電子コントローラは、前記質量流量センサ信号と前記質量流量較正手段との間の相関を記憶することを特徴とする方法。
【請求項122】
請求項117記載の方法において、前記質量流量較正手段は、
可変気体フロー源と、
所定の体積を有しており前記可変気体フロー源から気体を受け取る容器であって、前記可変気体フロー源は、比例的なフローを前記質量流量センサとこの容器とに提供する、容器と、
前記所定の体積を有する容器の中の気体圧力の時間導関数を表す電子信号を生じる圧力微分手段であって、前記時間導関数信号は前記質量流量較正手段の質量流量信号に比例している、圧力微分手段と、
を提供することを特徴とする方法。
【請求項123】
請求項122記載の方法において、前記気体フロー源は、前記質量流量センサと所定の体積の前記容器との両方に同じ流率で同じ気体を供給することを特徴とする方法。
【請求項124】
請求項122記載の方法において、前記気体フロー源は、前記質量流量センサと所定の体積の前記容器とに直列的に気体を供給することを特徴とする方法。
【請求項125】
請求項122記載の方法において、前記微分手段は、
前記容器の中の圧力を表す電子信号を生じる圧力トランスデューサと、
前記容器の中の圧力を表す前記電子信号の時間導関数を表す電子信号を生じるアナログ微分回路と、
前記アナログ時間導関数信号の1又は複数の値を前記時間導関数のデジタル・サンプルに変換するアナログ・デジタル・コンバータと、
を提供することを特徴とする方法。
【請求項126】
請求項125記載の方法において、
気体圧力の前記時間導関数を表す信号の1又は複数のサンプルを記憶するステップを更に含むことを特徴とする方法。
【請求項127】
請求項117記載の方法において、前記電子コントローラは、前記質量流量センサからの質量流量信号を複数の気体フローに対する前記質量流量較正手段の信号に相関させて1又は複数の補償係数を生じることを特徴とする方法。
【請求項128】
請求項127記載の方法において、この方法は、1又は複数の補償係数を記憶することを特徴とする方法。
【請求項129】
請求項128記載の方法において、前記質量流量コントローラは、前記記憶された補償係数と前記質量流量センサからのフロー信号との1又は複数を用いて、気体の質量流量を計算することを特徴とする方法。
【請求項130】
請求項122記載の方法において、前記微分手段は、
前記容器の中の圧力を表す電子信号を生じる圧力トランスデューサと、
前記圧力トランスデューサ信号の1又は複数の値をデジタル形式に変換するアナログ・デジタル・コンバータと、
前記圧力信号の時間導関数を表す複数のデジタル値を生じるデジタル微分手段と、
を提供することを特徴とする方法。
【請求項131】
請求項130記載の方法において、
気体圧力の前記時間導関数を表す信号の1又は複数のサンプルを記憶するステップを更に含むことを特徴とする方法。
【請求項132】
請求項122記載の方法において、前記気体源は指数関数的に変化する気体フローを提供することを特徴とする方法。
【請求項133】
請求項132記載の方法において、前記気体源は指数関数的に増加する気体フローを提供することを特徴とする方法。
【請求項134】
請求項131記載の方法において、前記気体源は指数関数的に減少する気体フローを提供することを特徴とする方法。
【請求項135】
請求項122記載の方法において、前記気体源はパターンを有する気体フローを提供し、前記パターンは増加及び減少の両方の気体フローを含むことを特徴とする方法。
【請求項136】
自己較正型質量流量コントローラを較正する方法であって、
熱質量流量センサが、この質量流量コントローラにおける気体のフローを感知して前記感知されたフローを表す電子信号を生じるステップと、
電子コントローラが、出口弁を動作して、気体の変動するフローが前記質量流量コントローラを通過することを可能にするステップと、
圧力センサが、前記容器の中であって前記熱質量流量センサのバイパスの間に形成される気体の圧力を測定するステップであって、前記容器は所定の体積を有するように形成される、ステップと、
前記電子コントローラが、前記圧力信号の時間導関数を計算し、前記時間導関数信号を正規化し、前記熱質量流量センサからの信号を前記正規化された時間導関数信号と相関させるステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項137】
請求項136記載の方法において、アナログ微分回路が、前記圧力信号の導関数を計算することを特徴とする方法。
【請求項138】
請求項136記載の方法において、前記コントローラは、少なくとも2つの圧力差を計算し、時間スパンを対応させて前記圧力信号の導関数を作成することによって前記差を分割することを特徴とする方法。
【請求項139】
請求項136記載の方法において、前記電子コントローラは、前記質量流量センサからの質量流量信号を複数の気体フローに対する正規化された時間導関数の信号と相関させ、
1つの気体フローの熱質量流量信号を別の気体フローの熱質量流量信号と関連させる1又は複数の補償係数を生じることを特徴とする方法。
【請求項140】
請求項139記載の方法において、前記質量流量コントローラは、1又は複数の補償係数を記憶することを特徴とする方法。
【請求項141】
請求項140記載の方法において、前記質量流量コントローラは、前記記憶された補償係数と前記質量流量センサからのフロー信号との1又は複数を用いて、気体の質量流量を計算することを特徴とする方法。
【請求項142】
請求項136記載の方法において、前記熱質量流量及び圧力センサは、インサイチュで測定することを特徴とする方法。
【請求項143】
請求項117記載の方法において、前記質量流量センサと較正手段とはインサイチュでの質量流量を表す独立の電子信号を生じることを特徴とする方法。
【請求項144】
請求項117記載の方法において、気体フローは、制限されないフローを用いて入手可能である場合よりも長い時間周期にわたって前記圧力を微分するために制限されていることを特徴とする方法。
【請求項145】
請求項136記載の方法において、気体フローは、制限されないフローを用いて入手可能である場合よりも長い時間周期にわたって前記圧力を微分するために制限されていることを特徴とする方法。
【請求項146】
質量流量コントローラであって、
この質量流量コントローラを通過する気体フローを表す質量流量信号を生じる質量流量センサと、
前記質量流量信号に基づき出口弁に対する閉ループ制御信号を生じ、更に、ネットワークに接続されたデバイスからの質量流量コントローラのアクティブな診断の実行を可能にするネットワーク・インターフェースを提供する電子コントローラと、
を備えていることを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項147】
請求項146記載の質量流量コントローラにおいて、前記質量流量コントローラの電子コントローラと共に動作するためのアクティブ診断コードは、ネットワークに接続されたデバイスからの動作信号の操作をイネーブルするコードを含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項148】
請求項147記載の質量流量コントローラにおいて、前記質量流量コントローラの電子コントローラと共に動作するためのアクティブ診断コードは、ネットワークに接続されたデバイスからの診断信号の操作をイネーブルするコードを含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項149】
請求項147記載の質量流量コントローラにおいて、前記質量流量コントローラの電子コントローラと共に動作するためのアクティブ診断コードは、ネットワークに接続されたデバイスからの動作信号のモニタリングをイネーブルするコードを含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項150】
請求項147記載の質量流量コントローラにおいて、前記質量流量コントローラの電子コントローラと共に動作するためのアクティブ診断コードは、ネットワークに接続されたデバイスからの診断信号のモニタリングをイネーブルするコードを含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項151】
請求項147記載の質量流量コントローラにおいて、
前記質量流量コントローラの電子コントローラと共に動作し、ネットワークに接続されたデバイスからの動作信号のオンライン・モニタリングをイネーブルするオンライン診断コードを更に含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項152】
請求項147記載の質量流量コントローラにおいて、
前記質量流量コントローラの電子コントローラと共に動作し、ネットワークに接続されたデバイスからの診断信号のオンライン・モニタリングをイネーブルするオンライン診断コードを更に含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項153】
請求項147記載の質量流量コントローラにおいて、
前記質量流量コントローラの電子コントローラと共に動作し、ネットワークに接続されたデバイスからの診断信号のオンライン操作をイネーブルするオンライン診断コードを更に含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項154】
請求項147記載の質量流量コントローラにおいて、
前記質量流量コントローラの電子コントローラと共に動作し、ネットワークに接続されたデバイスからの動作信号のオンライン操作をイネーブルするオンライン診断コードを更に含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項155】
質量流量コントローラであって、
この質量流量コントローラを通過する気体フローを表す質量流量信号を生じる質量流量センサと、
前記質量流量信号に基づき出口弁に対する閉ループ制御信号を生じ、更に、ネットワークに接続されたデバイスからの質量流量コントローラのアクティブな診断の実行を可能にするネットワーク・インターフェースを提供するデュアル・プロセッサを含む電子コントローラと、
を備えていることを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項156】
請求項155記載の質量流量コントローラにおいて、前記質量流量コントローラの電子コントローラと共に動作するためのアクティブ診断コードは、ネットワークに接続されたデバイスからの動作信号の操作をイネーブルするコードを含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項157】
請求項155記載の質量流量コントローラにおいて、前記質量流量コントローラの電子コントローラと共に動作するためのアクティブ診断コードは、ネットワークに接続されたデバイスからの診断信号の操作をイネーブルするコードを含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項158】
請求項155記載の質量流量コントローラにおいて、前記質量流量コントローラの電子コントローラと共に動作するためのアクティブ診断コードは、ネットワークに接続されたデバイスからの動作信号のモニタリングをイネーブルするコードを含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項159】
請求項155記載の質量流量コントローラにおいて、前記質量流量コントローラの電子コントローラと共に動作するためのアクティブ診断コードは、ネットワークに接続されたデバイスからの診断信号のモニタリングをイネーブルするコードを含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項160】
請求項155記載の質量流量コントローラにおいて、
前記質量流量コントローラの電子コントローラと共に動作し、ネットワークに接続されたデバイスからの動作信号のオンライン・モニタリングをイネーブルするオンライン診断コードを更に含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項161】
請求項155記載の質量流量コントローラにおいて、
前記質量流量コントローラの電子コントローラと共に動作し、ネットワークに接続されたデバイスからの診断信号のオンライン・モニタリングをイネーブルするオンライン診断コードを更に含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項156】
請求項155記載の質量流量コントローラにおいて、前記デュアル・プロセッサは、決定モード動作するプロセッサと非決定モードで動作するプロセッサとを含み、前記決定プロセッサは、出口弁のための前記閉ループ制御信号を生じることを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項157】
請求項156記載の質量流量コントローラにおいて、前記決定プロセッサは1又は複数のセンサ読取値を取得することを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項158】
請求項157記載の質量流量コントローラにおいて、前記質量流量センサはセンサ・バイパスを含んでおり前記コントローラの入り口への流体のフローを感知する熱質量流量センサであり、この質量流量コントローラは、更に、熱質量流量センサ・バイパスと前記制御弁との間の体積における流体圧力を感知する圧力センサを更に含み、前記決定プロセッサは前記圧力センサが生じる圧力信号を取得し、前記質量流量センサによって感知された入り口流率を前記圧力信号を用いて補償することにより前記コントローラからの流体の流率の補償された測度を生じることを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項159】
請求項158記載の質量流量コントローラにおいて、前記決定プロセッサは、前記センサ・バイパスと前記出口制御弁との間の体積の中の圧力の時間変化率を計算し、この圧力の時間変化率を用いて前記コントローラからの流体の流率の補償された測度を生じることを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項160】
請求項155記載の質量流量コントローラにおいて、前記ネットワーク・インターフェースは、ワールド・ワイド・ウェブに接続されたウェブ閲覧可能なデバイスがこのウェブ閲覧可能なデバイスからのオンライン診断を実行することを可能にするウェブ・サーバを含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項161】
請求項155記載の質量流量コントローラにおいて、前記質量流量コントローラは自己較正型であることを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項175】
質量流量コントローラであって、
センサ・バイパスを含んでおり前記コントローラの入口への流体のフローを感知して、前記フローを表す質量流量信号を生じる熱質量流量センサと、
前記熱質量流量センサのバイパスと前記制御弁との間の体積における流体圧力を感知する圧力センサと、
前記圧力センサによって感知された圧力を表示するディスプレイと、
前記質量流量信号に基づき出口弁に対する閉ループ制御信号を生じる電子コントローラ
であって、ネットワークに接続されたデバイスからの質量流量コントローラのアクティブな診断の実行を可能にするネットワーク・インターフェースを提供するデュアル・プロセッサ・コントローラを含む、電子コントローラと、
を備えていることを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項176】
請求項175記載の質量流量コントローラにおいて、前記質量流量コントローラの電子コントローラと共に動作するためのアクティブ診断コードは、ネットワークに接続されたデバイスからの動作信号の操作をイネーブルするコードを含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項177】
請求項175記載の質量流量コントローラにおいて、前記質量流量コントローラの電子コントローラと共に動作するためのアクティブ診断コードは、ネットワークに接続されたデバイスからの診断信号の操作をイネーブルするコードを含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項178】
請求項175記載の質量流量コントローラにおいて、前記質量流量コントローラの電子コントローラと共に動作するためのアクティブ診断コードは、ネットワークに接続されたデバイスからの動作信号のモニタリングをイネーブルするコードを含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項179】
請求項175記載の質量流量コントローラにおいて、前記質量流量コントローラの電子コントローラと共に動作するためのアクティブ診断コードは、ネットワークに接続されたデバイスからの診断信号のモニタリングをイネーブルするコードを含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項180】
請求項175記載の質量流量コントローラにおいて、
前記質量流量コントローラの電子コントローラと共に動作し、ネットワークに接続されたデバイスからの動作信号のオンライン・モニタリングをイネーブルするオンライン診断コードを更に含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項181】
請求項175記載の質量流量コントローラにおいて、
前記質量流量コントローラの電子コントローラと共に動作し、ネットワークに接続されたデバイスからの診断信号のオンライン・モニタリングをイネーブルするオンライン診断コードを更に含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項182】
請求項175記載の質量流量コントローラにおいて、前記デュアル・プロセッサは、決定モード動作するプロセッサと非決定モードで動作するプロセッサとを含み、前記決定プロセッサは、出口弁のための前記閉ループ制御信号を生じることを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項183】
請求項182記載の質量流量コントローラにおいて、前記決定プロセッサは1又は複数のセンサ読取値を取得することを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項184】
請求項183記載の質量流量コントローラにおいて、前記質量流量センサはセンサ・バイパスを含んでおり前記コントローラの入り口への流体のフローを感知する熱質量流量センサであり、この質量流量コントローラは、更に、熱質量流量センサ・バイパスと前記制御弁との間の体積における流体圧力を感知する圧力センサを更に含み、前記決定プロセッサは前記圧力センサが生じる圧力信号を取得し、前記質量流量センサによって感知された入り口流率を前記圧力信号を用いて補償することにより前記コントローラからの流体の流率の補償された測度を生じることを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項185】
請求項184記載の質量流量コントローラにおいて、前記決定プロセッサは、前記センサ・バイパスと前記出口制御弁との間の体積の中の圧力の時間変化率を計算し、この圧力の時間変化率を用いて前記コントローラからの流体の流率の補償された測度を生じることを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項186】
請求項175記載の質量流量コントローラにおいて、前記ネットワーク・インターフェースは、ワールド・ワイド・ウェブに接続されたウェブ閲覧可能なデバイスがこのウェブ閲覧可能なデバイスからのオンライン診断を実行することを可能にするウェブ・サーバを含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項187】
請求項175記載の質量流量コントローラにおいて、前記質量流量コントローラは自己較正型であることを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項188】
質量流量コントローラであって、
このコントローラを通過する気体フローを表す質量流量信号を生じる質量流量センサと、
前記質量流量信号に基づき出口弁に対する閉ループ制御信号を生じる電子コントローラであって、デュアル・プロセッサ・コントローラを含む、電子コントローラと、
を備えていることを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項189】
請求項188記載の質量流量コントローラにおいて、前記デュアル・プロセッサは、決定モードで動作するプロセッサと、非決定モードで動作するプロセッサとを含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項190】
請求項189記載の質量流量コントローラにおいて、前記決定プロセッサは出口弁に対する前記閉ループ制御信号を生じることを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項191】
請求項189記載の質量流量コントローラにおいて、前記決定プロセッサは1又は複数のセンサ読取値を取得することを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項192】
請求項191記載の質量流量コントローラにおいて、前記決定プロセッサは温度センサから温度読取値を取得することを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項192】
請求項191記載の質量流量コントローラにおいて、前記質量流量センサは、センサ・バイパスを含んでおり前記コントローラの入口への流体フローを感知する熱質量流量センサであることを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項193】
請求項192記載の質量流量コントローラにおいて、
前記熱質量流量センサ・バイパスと前記制御弁との間の体積の中の流体圧力を感知する圧力センサを更に含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項194】
請求項193記載の質量流量コントローラにおいて、前記決定プロセッサは、前記圧力センサが生じる圧力信号を取得し、前記圧力信号を用いて前記質量流量センサが感知した入口流率を補償し、前記コントローラからの流体の流率の補償された測度を生じることを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項195】
請求項194記載の質量流量コントローラにおいて、前記決定プロセッサは、前記センサ・バイパスと前記出口制御弁との間の体積の中の圧力の時間変化率を計算し、この圧力時間変化率を用いて前記コントローラからの流体の流率の補償された測度を生じることを
特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項196】
請求項195記載の質量流量コントローラにおいて、前記決定プロセッサは、前記コントローラからの流体の流率の前記補償された測度と設定値とを比較し、前記出口制御弁を調節して、前記設定値と前記コントローラからの流体の流率の補償された測度との差を最小化することを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項197】
請求項196記載の質量流量コントローラにおいて、前記決定プロセッサは、前記コントローラの感知された入口流率Qiを、Qo=補償された感知された出口流率、Qi=感知された入口流率、C1=正規化定数、V=センサ・バイパスと出口フロー制御弁との間の体積、T=この体積の中の流体の温度、dP/dt=体積の中の圧力の時間変化率、C1は標準温度及び圧力における温度を標準温度及び圧力における圧力によって除算した結果であり、(dP/dt)は前記体積の中の圧力の時間変化率として、Qo=Qi−C1(V/T)(dP/dt)に従って、補償された感知された入口流率Qoを計算することによって補償することを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項198】
請求項18+記載の質量流量コントローラにおいて、前記決定プロセッサはデジタル信号プロセッサ(DSP)であることを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項199】
請求項189記載の質量流量コントローラにおいて、1又は複数の診断出力を更に含み、前記決定プロセッサは前記診断出力の中の少なくとも1つのを駆動することを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項200】
請求項189記載の質量流量コントローラにおいて、1又は複数の診断入力を更に含み、前記決定プロセッサは前記診断入力の中の少なくとも1つのを駆動することを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項201】
請求項189記載の質量流量コントローラにおいて、前記決定プロセッサと非決定プロセッサとの間の通信のためのプロセッサ相互間インターフェースを更に含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項202】
請求項201記載の質量流量コントローラにおいて、前記プロセッサ相互間インターフェースは、前記プロセッサのためのメールボックスとして構成された1又は複数の一を有するデュアル・ポート型メモリであることを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項203】
請求項189記載の質量流量コントローラにおいて、前記非決定プロセッサは前記質量流量コントローラへのユーザ・インターフェースを提供することを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項204】
請求項203記載の質量流量コントローラにおいて、前記ユーザ・インターフェースはディスプレイを含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項205】
請求項203記載の質量流量コントローラにおいて、前記ユーザ・インターフェースは入力装置を含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項206】
請求項189記載の質量流量コントローラにおいて、前記非決定プロセッサは通信インターフェースを提供することを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項207】
請求項請求項206記載の質量流量コントローラにおいて、前記通信インターフェースはデバイスネット(DeviceNet)通信インターフェースであることを特徴とする質量流量
コントローラ。
【請求項208】
請求項207記載の質量流量コントローラにおいて、前記非決定プロセッサはネットワーク・インターフェースを含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項209】
請求項208記載の質量流量コントローラにおいて、前記ネットワーク・インターフェースはイーサネット(登録商標)ネットワーク・インターフェースであることを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項210】
請求項208記載の質量流量コントローラにおいて、前記ネットワーク・インターフェースはウェブ・サーバであることを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項211】
請求項207記載の質量流量コントローラにおいて、前記非決定コントローラは、前記ネットワーク・インターフェースを介して診断を設定し、診断情報を前記決定プロセッサを前記プロセッサ相互間インターフェースを介して交換し、前記決定プロセッサは前記非決定プロセッサからのコマンドに応答して診断動作を実行することを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項212】
請求項211記載の質量流量コントローラにおいて、前記決定プロセッサはオンライン診断を実行することを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項213】
請求項211記載の質量流量コントローラにおいて、前記ネットワーク・インターフェースはウェブ・サーバを含み、前記ウェブ・サーバは前記診断を設定することを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項214】
請求項213記載の質量流量コントローラにおいて、前記決定プロセッサはオンライン診断を実行することを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項215】
請求項188記載の質量流量コントローラにおいて、前記質量流量センサは、センサ・バイパスを含み前記コントローラの入口の中への流体の流率を感知する熱質量流量センサであり、この質量流量コントローラは、
前記質量流量センサ・フロー信号とは独立に前記質量流量コントローラにおける質量流量を表す電子信号を生じるように動作する質量流量較正器と、
前記熱質量流量センサからの質量流量信号を前記質量流量較正器の信号と相関させる電子コントローラと、
を更に含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項216】
請求項215記載の質量流量コントローラにおいて、
前記電子コントローラの制御の下で前記質量流量コントローラにおける気体のフローを制御するように動作する弁を更に含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項217】
請求項215記載の質量流量コントローラにおいて、前記質量流量センサは熱質量流量センサであることを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項218】
請求項215記載の質量流量コントローラにおいて、前記決定プロセッサは相関された質量流量センサ信号を用いて非較正動作の間に出口弁を制御することを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項219】
請求項215記載の質量流量コントローラにおいて、前記質量流量較正器は、
可変気体フロー源と、
所定の体積を有しており前記可変気体フロー源から気体を受け取る容器であって、前記可変気体フロー源は、前記質量流量センサと前記容器とに比例的なフローを提供する、容器と、
前記所定の体積を有する容器の中の気体圧力の時間導関数を表す電子信号を生じる圧力微分手段であって、前記時間導関数信号は、前記質量流量較正器の質量流量信号に比例している、圧力微分手段と、
を備えていることを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項220】
請求項219記載の質量流量コントローラにおいて、前記気体フロー源は、前記質量流量センサと所定の体積の前記容器との両方に同じ流率で同じ気体を供給することを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項221】
請求項219記載の質量流量コントローラにおいて、前記微分手段は、
前記容器の中の圧力を表す電子信号を生じる圧力トランスデューサと、
前記容器の中の圧力を表す前記電子信号の時間導関数を表す電子信号を生じるアナログ微分回路と、
前記アナログ時間導関数信号の1又は複数の値を前記時間導関数のデジタル・サンプルに変換するアナログ・デジタル・コンバータと、
を含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項222】
請求項219記載の質量流量コントローラにおいて、
気体圧力の前記時間導関数を表す信号の1又は複数のサンプルを記憶するストレージを更に含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項223】
質量流量コントローラであって、
この質量流量コントローラを通過する気体フローを表す質量流量信号を生じる質量流量センサと、
前記質量流量信号に基づき出口弁に対する閉ループ制御信号を生じ、更に、ウェブ・サーバとして動作する電子コントローラと、
を備えていることを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項224】
請求項223記載の質量流量コントローラにおいて、前記電子コントローラは前記質量流量コントローラに関連するウェブ・ページを表示することを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項225】
請求項224記載の質量流量コントローラにおいて、前記電子コントローラは前記質量流量コントローラの状態に関連するウェブ・ページを表示することを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項226】
請求項224記載の質量流量コントローラにおいて、前記電子コントローラは前記質量流量コントローラに関連するコンフィギュレーション・データを表示することを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項227】
請求項224記載の質量流量コントローラにおいて、前記電子コントローラは表示されたウェブ・ページとの対話を介してユーザ入力を受け取ることを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項228】
請求項227記載の質量流量コントローラにおいて、前記ユーザ入力は前記質量流量コントローラのコンフィギュレーションを変更するコマンドを含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項229】
請求項228記載の質量流量コントローラにおいて、前記電子コントローラは、ネットワークに接続されたデバイスからの質量流量コントローラのアクティブ診断の実行を可能にするネットワーク・インターフェースを提供することを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項230】
請求項229記載の質量流量コントローラにおいて、前記質量流量コントローラの電子コントローラと共に動作するためのアクティブ診断コードは、ネットワークに接続されたデバイスからの動作信号の操作をイネーブルするコードを含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項231】
請求項229記載の質量流量コントローラにおいて、前記質量流量コントローラの電子コントローラと共に動作するためのアクティブ診断コードは、ネットワークに接続されたデバイスからの診断信号の操作をイネーブルするコードを含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項232】
請求項229記載の質量流量コントローラにおいて、前記質量流量コントローラの電子コントローラと共に動作するためのアクティブ診断コードは、ネットワークに接続されたデバイスからの動作信号のモニタリングをイネーブルするコードを含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項233】
請求項229記載の質量流量コントローラにおいて、前記質量流量コントローラの電子コントローラと共に動作するためのアクティブ診断コードは、ネットワークに接続されたデバイスからの診断信号のモニタリングをイネーブルするコードを含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項234】
請求項229記載の質量流量コントローラにおいて、
前記質量流量コントローラの電子コントローラと共に動作し、ネットワークに接続されたデバイスからの動作信号のオンライン・モニタリングをイネーブルするオンライン診断コードを更に含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項235】
請求項229記載の質量流量コントローラにおいて、
前記質量流量コントローラの電子コントローラと共に動作し、ネットワークに接続されたデバイスからの診断信号のオンライン・モニタリングをイネーブルするオンライン診断コードを更に含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項236】
請求項229記載の質量流量コントローラにおいて、
前記質量流量コントローラの電子コントローラと共に動作し、ネットワークに接続されたデバイスからの診断信号のオンライン操作をイネーブルするオンライン診断コードを更に含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項237】
請求項229記載の質量流量コントローラにおいて、
前記質量流量コントローラの電子コントローラと共に動作し、ネットワークに接続されたデバイスからの動作信号のオンライン操作をイネーブルするオンライン診断コードを更に含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項238】
質量流量コントローラであって、
質量流量コントローラを通過する気体フローを表す質量流量信号を生じる質量流量センサと、
前記質量流量信号に基づき出口弁に対する閉ループ制御信号を生じる電子コントローラ
であって、この電子コントローラと共に動作するアクティブな診断コードを用いて相互接続ネットワークに接続されたデバイスからの質量流量コントローラのアクティブ診断の実行を可能にするウェブ・サーバを提供するデュアル・プロセッサ・コントローラを含む、電子コントローラと、
を備えていることを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項239】
請求項238記載の質量流量コントローラにおいて、前記質量流量コントローラの電子コントローラと共に動作するためのアクティブ診断コードは、ネットワークに接続されたデバイスからの動作信号の操作をイネーブルするコードを含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項240】
請求項238記載の質量流量コントローラにおいて、前記質量流量コントローラの電子コントローラと共に動作するためのアクティブ診断コードは、ネットワークに接続されたデバイスからの診断信号の操作をイネーブルするコードを含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項241】
請求項238記載の質量流量コントローラにおいて、前記質量流量コントローラの電子コントローラと共に動作するためのアクティブ診断コードは、ネットワークに接続されたデバイスからの動作信号のモニタリングをイネーブルするコードを含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項242】
請求項238記載の質量流量コントローラにおいて、前記質量流量コントローラの電子コントローラと共に動作するためのアクティブ診断コードは、ネットワークに接続されたデバイスからの診断信号のモニタリングをイネーブルするコードを含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項243】
請求項238記載の質量流量コントローラにおいて、
前記質量流量コントローラの電子コントローラと共に動作し、ネットワークに接続されたデバイスからの動作信号のオンライン・モニタリングをイネーブルするオンライン診断コードを更に含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項244】
請求項238記載の質量流量コントローラにおいて、
前記質量流量コントローラの電子コントローラと共に動作し、ネットワークに接続されたデバイスからの診断信号のオンライン・モニタリングをイネーブルするオンライン診断コードを更に含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項245】
請求項238記載の質量流量コントローラにおいて、前記デュアル・プロセッサは、決定モード動作するプロセッサと非決定モードで動作するプロセッサとを含み、前記決定プロセッサは、出口弁のための前記閉ループ制御信号を生じることを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項246】
請求項245記載の質量流量コントローラにおいて、前記決定プロセッサは1又は複数のセンサ読取値を取得することを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項247】
請求項246記載の質量流量コントローラにおいて、前記質量流量センサはセンサ・バイパスを含んでおり前記コントローラの入り口への流体のフローを感知する熱質量流量センサであり、この質量流量コントローラは、更に、熱質量流量センサ・バイパスと前記制御弁との間の体積における流体圧力を感知する圧力センサを更に含み、前記決定プロセッサは前記圧力センサが生じる圧力信号を取得し、前記質量流量センサによって感知された入り口流率を前記圧力信号を用いて補償することにより前記コントローラからの流体の流
率の補償された測度を生じることを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項248】
請求項247記載の質量流量コントローラにおいて、前記決定プロセッサは、前記センサ・バイパスと前記出口制御弁との間の体積の中の圧力の時間変化率を計算し、この圧力の時間変化率を用いて前記コントローラからの流体の流率の補償された測度を生じることを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項249】
請求項238記載の質量流量コントローラにおいて、前記質量流量コントローラは自己較正型であることを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項250】
質量流量コントローラであって、
このコントローラを通過する気体フローを表す質量流量信号を生じる質量流量センサと、
前記質量流量信号に基づき出口弁に対する閉ループ制御信号を生じる電子コントローラであって、オンライン診断に対するインターフェースを提供する、電子コントローラと、
を備えていることを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項251】
請求項250記載の質量流量コントローラにおいて、前記電子コントローラは、質量流量コントローラのアクティブな診断の実行を可能にするネットワーク・インターフェースを提供することを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項252】
請求項251記載の質量流量コントローラにおいて、前記質量流量コントローラの電子コントローラと共に動作するためのアクティブ診断コードは、ネットワークに接続されたデバイスからの動作信号の操作をイネーブルするコードを含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項253】
請求項251記載の質量流量コントローラにおいて、前記質量流量コントローラの電子コントローラと共に動作するためのアクティブ診断コードは、ネットワークに接続されたデバイスからの診断信号の操作をイネーブルするコードを含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項254】
請求項251記載の質量流量コントローラにおいて、前記質量流量コントローラの電子コントローラと共に動作するためのアクティブ診断コードは、ネットワークに接続されたデバイスからの動作信号のモニタリングをイネーブルするコードを含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項255】
請求項251記載の質量流量コントローラにおいて、前記質量流量コントローラの電子コントローラと共に動作するためのアクティブ診断コードは、ネットワークに接続されたデバイスからの診断信号のモニタリングをイネーブルするコードを含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項256】
請求項251記載の質量流量コントローラにおいて、前記質量流量コントローラの電子コントローラと共に動作し、ネットワークに接続されたデバイスからの動作信号のオンライン・モニタリングをイネーブルするオンライン診断コードを更に含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項257】
請求項251記載の質量流量コントローラにおいて、前記質量流量コントローラの電子コントローラと共に動作し、ネットワークに接続されたデバイスからの診断信号のオンライン・モニタリングをイネーブルするオンライン診断コードを更に含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項258】
請求項251記載の質量流量コントローラにおいて、前記質量流量コントローラの電子コントローラと共に動作し、ネットワークに接続されたデバイスからの診断信号のオンライン操作をイネーブルするオンライン診断コードを更に含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項259】
請求項251記載の質量流量コントローラにおいて、前記質量流量コントローラの電子コントローラと共に動作し、ネットワークに接続されたデバイスからの動作信号のオンライン操作をイネーブルするオンライン診断コードを更に含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項260】
質量流量コントローラであって、
この質量流量コントローラを通過する気体フローを表す質量流量信号を生じる質量流量センサと、
前記質量流量信号に基づき出口弁に対する閉ループ制御信号を生じ、更に、オンライン診断のためのインターフェースを提供するデュアル・プロセッサ・コントローラを含む電子コントローラと、
を備えていることを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項261】
請求項260記載の質量流量コントローラにおいて、前記質量流量コントローラの電子コントローラと共に動作するためのアクティブ診断コードは、ネットワークに接続されたデバイスからの動作信号の操作をイネーブルするコードを含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項262】
請求項260記載の質量流量コントローラにおいて、前記質量流量コントローラの電子コントローラと共に動作するためのアクティブ診断コードは、ネットワークに接続されたデバイスからの診断信号の操作をイネーブルするコードを含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項263】
請求項260記載の質量流量コントローラにおいて、前記質量流量コントローラの電子コントローラと共に動作するためのアクティブ診断コードは、ネットワークに接続されたデバイスからの動作信号のモニタリングをイネーブルするコードを含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項264】
請求項260記載の質量流量コントローラにおいて、前記質量流量コントローラの電子コントローラと共に動作するためのアクティブ診断コードは、ネットワークに接続されたデバイスからの診断信号のモニタリングをイネーブルするコードを含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項265】
請求項260記載の質量流量コントローラにおいて、前記デュアル・プロセッサは、決定モード動作するプロセッサと非決定モードで動作するプロセッサとを含み、前記決定プロセッサは、出口弁のための前記閉ループ制御信号を生じることを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項266】
請求項265記載の質量流量コントローラにおいて、前記決定プロセッサは1又は複数のセンサ読取値を取得することを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項267】
請求項266記載の質量流量コントローラにおいて、前記質量流量センサはセンサ・バイパスを含んでおり前記コントローラの入り口への流体のフローを感知する熱質量流量センサであり、この質量流量コントローラは、更に、熱質量流量センサ・バイパスと前記制
御弁との間の体積における流体圧力を感知する圧力センサを更に含み、前記決定プロセッサは前記圧力センサが生じる圧力信号を取得し、前記質量流量センサによって感知された入り口流率を前記圧力信号を用いて補償することにより前記コントローラからの流体の流率の補償された測度を生じることを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項268】
請求項267記載の質量流量コントローラにおいて、前記決定プロセッサは、前記センサ・バイパスと前記出口制御弁との間の体積の中の圧力の時間変化率を計算し、この圧力の時間変化率を用いて前記コントローラからの流体の流率の補償された測度を生じることを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項269】
請求項260記載の質量流量コントローラにおいて、前記ネットワーク・インターフェースは、ワールド・ワイド・ウェブに接続されたウェブ閲覧可能なデバイスがこのウェブ閲覧可能なデバイスからのオンライン診断を実行することを可能にするウェブ・サーバを含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項270】
請求項260記載の質量流量コントローラにおいて、前記質量流量コントローラは自己較正型であることを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項271】
質量流量コントローラであって、
この質量流量コントローラを通過する気体フローを表す質量流量信号を生じる質量流量センサと、
前記質量流量信号に基づき出口弁に対する閉ループ制御信号を生じ、複数の実行可能な閉ループ・コード・セットをアップロードする電子コントローラと、
を備えていることを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項272】
請求項271記載の質量流量コントローラにおいて、1又は複数の実行可能なコード・セットは診断動作モードを実行するコードを含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項273】
請求項271記載の質量流量コントローラにおいて、1又は複数の実行可能なコード・セットは較正動作モードを実行するコードを含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項274】
請求項271記載の質量流量コントローラにおいて、前記電子コントローラはデュアル・プロセッサ・コントローラを含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項275】
請求項274記載の質量流量コントローラにおいて、前記デュアル・プロセッサは、決定モードで動作するプロセッサと非決定モードで動作するプロセッサとを含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項276】
請求項275記載の質量流量コントローラにおいて、前記決定プロセッサは出口弁に対して前記閉ループ制御信号を生じることを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項277】
請求項276記載の質量流量コントローラにおいて、前記非決定プロセッサは、前記複数の実行可能なコード・セットをアップロードし、前記実行可能なコード・セットの中の1つを選択し、前記選択されたコード・セットを前記決定プロセッサへ前記プロセッサが実行するために送ることを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項278】
請求項277記載の質量流量コントローラにおいて、前記質量流量センサは、センサ・バイパスを含んでおり前記コントローラの入口への流体のフローを感知する熱質量流量セ
ンサであることを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項279】
請求項278記載の質量流量センサにおいて、
前記熱質量流量センサ・バイパスと前記制御弁との間の体積の中の流体圧力を感知する圧力センサを更に含むことを特徴とする質量流量センサ。
【請求項280】
請求項279記載の質量流量コントローラにおいて、前記決定プロセッサは、前記圧力センサが生じる圧力信号を取得し、前記圧力信号を用いて前記質量流量センサが感知した入口流率を補償して、前記コントローラからの流体の流率の補償された測度を生じることを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項281】
請求項280記載の質量流量コントローラにおいて、前記決定プロセッサは、前記センサ・バイパスと前記出口制御弁との間の体積の中の圧力の時間変化率を計算し、この圧力時間変化率を用いて前記コントローラからの流体の流率の補償された測度を生じることを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項282】
請求項281記載の質量流量コントローラにおいて、前記決定プロセッサは、前記コントローラからの流体の流率の前記補償された測度と設定値とを比較し、前記出口制御弁を調節して、前記設定値と前記コントローラからの流体の流率の補償された測度との差を最小化することを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項283】
請求項282記載の質量流量コントローラにおいて、前記決定プロセッサは、前記コントローラの感知された入口流率Qiを、Qo=補償された感知された出口流率、Qi=感知された入口流率、C1=正規化定数、V=センサ・バイパスと出口フロー制御弁との間の体積、T=この体積の中の流体の温度、dP/dt=体積の中の圧力の時間変化率、C1は標準温度及び圧力における温度を標準温度及び圧力における圧力によって除算した結果であり、(dP/dt)は前記体積の中の圧力の時間変化率として、Qo=Qi−C1(V/T)(dP/dt)に従って、補償された感知された入口流率Qoを計算することによって補償することを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項284】
請求項277記載の質量流量コントローラにおいて、前記決定プロセッサはデジタル信号プロセッサ(DSP)であることを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項285】
請求項284記載の質量流量コントローラにおいて、前記決定プロセッサと非決定プロセッサとの間の通信のためのプロセッサ相互間インターフェースを更に含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項286】
請求項285記載の質量流量コントローラにおいて、前記プロセッサ相互間インターフェースは、前記プロセッサのためのメールボックスとして構成された1又は複数の一を有するデュアル・ポート型メモリであることを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項287】
請求項276記載の質量流量コントローラにおいて、前記非決定プロセッサは前記質量流量コントローラへのユーザ・インターフェースを提供することを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項288】
請求項287記載の質量流量コントローラにおいて、前記非決定プロセッサはネットワーク・インターフェースを含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項289】
請求項288記載の質量流量コントローラにおいて、前記ネットワーク・インターフェースはウェブ・サーバであることを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項290】
請求項289記載の質量流量コントローラにおいて、前記非決定コントローラは、前記ネットワーク・インターフェースを介して診断を設定し、診断情報を前記決定プロセッサを前記プロセッサ相互間インターフェースを介して交換し、前記決定プロセッサは前記非決定プロセッサからのコマンドに応答して診断動作を実行することを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項291】
請求項290記載の質量流量コントローラにおいて、前記決定プロセッサはオンライン診断を実行することを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項292】
請求項290記載の質量流量コントローラにおいて、前記ネットワーク・インターフェースはウェブ・サーバを含み、前記ウェブ・サーバは前記診断を設定することを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項293】
請求項271記載の質量流量コントローラにおいて、前記質量流量センサは、センサ・バイパスを含み前記コントローラの入口の中への流体の流率を感知する熱質量流量センサであり、この質量流量コントローラは、
前記質量流量センサ・フロー信号とは独立に前記質量流量コントローラにおける質量流量を表す電子信号を生じるように動作する質量流量較正器と、
前記熱質量流量センサからの質量流量信号を前記質量流量較正器の信号と相関させる電子コントローラと、
を更に含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項294】
請求項293記載の質量流量コントローラにおいて、前記質量流量較正器は、
可変気体フロー源と、
所定の体積を有しており前記可変気体フロー源から気体を受け取る容器であって、前記可変気体フロー源は、前記質量流量センサと前記容器とに比例的なフローを提供する、容器と、
前記所定の体積を有する容器の中の気体圧力の時間導関数を表す電子信号を生じる圧力微分手段であって、前記時間導関数信号は、前記質量流量較正器の質量流量信号に比例している、圧力微分手段と、
を備えていることを特徴とする質量流量コントローラ。
【請求項295】
請求項294記載の質量流量コントローラにおいて、前記微分手段は、
前記容器の中の圧力を表す電子信号を生じる圧力トランスデューサと、
前記容器の中の圧力を表す前記電子信号の時間導関数を表す電子信号を生じるアナログ微分回路と、
前記アナログ時間導関数信号の1又は複数の値を前記時間導関数のデジタル・サンプルに変換するアナログ・デジタル・コンバータと、
を含むことを特徴とする質量流量コントローラ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12−A】
【図12−B】
【図13−A】
【図13−B】
【図13−C】
【図13−D】
【図13−E】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12−A】
【図12−B】
【図13−A】
【図13−B】
【図13−C】
【図13−D】
【図13−E】
【公開番号】特開2009−277240(P2009−277240A)
【公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−160666(P2009−160666)
【出願日】平成21年7月7日(2009.7.7)
【分割の表示】特願2004−516220(P2004−516220)の分割
【原出願日】平成15年6月24日(2003.6.24)
【出願人】(592053963)エム ケー エス インストルメンツ インコーポレーテッド (114)
【氏名又は名称原語表記】MKS INSTRUMENTS,INCORPORATED
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年7月7日(2009.7.7)
【分割の表示】特願2004−516220(P2004−516220)の分割
【原出願日】平成15年6月24日(2003.6.24)
【出願人】(592053963)エム ケー エス インストルメンツ インコーポレーテッド (114)
【氏名又は名称原語表記】MKS INSTRUMENTS,INCORPORATED
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]