説明

圧力サポート治療を受ける被験者から吐かれた分子ガスの濃度を測定しながらサポート治療を提供するシステム

圧力サポート治療が被験者に提供される。提供される圧力サポート治療の有効性は、被験者によって吐き出されたガスの1つ以上のガス性分子種の濃度に基づいて、決定されるか、及び/又は、治療が滴定される。被験者によって吐かれたガスの組成の測定は、比較的小さい変形を有するサンプルから得られ、その変形は、圧力サポート治療の一部として被験者の気道に供給されるガスからの吐かれたガスの希釈によって生じる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧力サポート治療を受ける被験者から吐き出された分子性ガス種の濃度を測定することに関する。
【背景技術】
【0002】
被験者に圧力サポートを供給するシステムは知られている。幾つかの従来システムは、被験者によって吐き出されたガスの1つ以上の分子性ガス種の濃度を推定するよう構成され、治療の有効性を判定し、及び/又は、治療を滴定する。
【0003】
自発呼吸をする非挿管の被験者においては、吐き出されたガスの中の1つ以上のガス状の分子種の濃度測定は、吐き出されたガスが希釈を受けるので困難である。希釈は、呼気中に圧力サポートシステムによって供給されるガスで引き起こされることがある。周囲大気への漏れが増加することは、呼気中に圧力サポート治療の一部として供給されるべきガスの増加を要し、それは希釈が増すことを引き起こす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、圧力サポート治療を受ける被験者から吐かれた分子ガスの濃度を測定し、圧力サポート治療を提供するシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一側面は、圧力サポートシステムに関し、その圧力サポートシステムは、圧力生成器、ガス供給回路、第1センサ、第2センサ、及びプロセッサを含む。圧力生成器は、被験者の気道に供給するため、呼吸ガスの加圧流を生成するように構成される。ガス供給回路は、呼吸ガスの加圧流を圧力生成器から被験者の気道へ供給するように構成される。第1センサは、被験者の呼吸フェーズに関する情報を伝える出力信号を生成するよう構成される。第2センサは、被験者の気道或いはその近くのガスの組成に関する情報を伝える出力信号を生成するよう構成される。1つ以上のプロセッサが、コンピュータプログラムモジュールを実行するように構成され、そのコンピュータプログラムモジュールは、コントロールモジュール、治療モジュール、及び呼気組成モジュールを含む。コントロールモジュールは、プレッシャー生成器をコントロールして、呼吸ガスの加圧流を調整し、もし第1センサによって生成される出力信号が被験者の呼吸が呼気フェーズにあることを示すなら、被験者の気道或いはその近くの圧力が呼気圧力レベル以上に維持するようにする。治療圧力モジュールは、被験者の呼吸の呼気フェーズの間、コントロールモジュールによって実現される呼気圧力レベルを設定するように構成され、その治療圧力モジュールは、大抵の呼気フェーズの間、呼気圧力レベルは所定の基準呼気圧力レベルに設定され、断続的に、その呼気圧力レベルは所定の基準呼気圧力レベルより低くされる。呼気組成モジュールは、被験者の肺から吐き出されたガス中のガス性分子種の濃度を測定するよう構成され、その呼気組成モジュールは、被験者の肺から吐き出されたガス中のガス性分子種の濃度の測定が、断続的な呼気フェーズの間、第2センサによって生成される出力信号に基づいて行われ、その間、呼気圧力レベルが所定の基準呼気圧力レベルよりも低くなる。
【0006】
本発明の他の側面は、圧力サポートを被験者に提供する方法に関する。その方法は、被験者の気道に供給するために、呼吸ガスの加圧流を生成するステップと、呼吸ガスの加圧流を被験者の気道に流路を通して供給するステップと、被験者の呼吸フェーズをモニタリングするステップと、前記流路の内部のガス性分子種の濃度を表すサンプルを収集するステップと、呼吸ガスの加圧流を調整するステップであって、被験者の呼吸が呼気フェーズにある場合、被験者の気道或いはその近くの圧力が呼気圧力レベル以上に維持する、ステップと、被験者の呼吸の呼気フェーズの間、実施される呼気圧力レベルを設定するステップであって、大抵の呼気フェーズの間、呼気圧力レベルは所定の基準呼気圧力レベルに設定され、及び、断続的に、呼気圧力レベルは所定の基準呼気圧力レベルよりも低くなる、ステップと、被験者の肺から吐き出されたガスのガス性分子種の濃度を、断続的な呼気フェーズの間、フローパス(流路)内部のガス性分子種の濃度を示すサンプルに基づいて測定するステップであって、その間は呼気圧力レベルは所定の基準呼気圧力レベルよりも低くなる、ステップとを含む。
【0007】
本発明の更に他の側面は、圧力サポートを被験者に供給するよう構成されたシステムに関する。一実施形態では、そのシステムは、被験者の気道に供給するために、呼吸ガスの加圧流を生成する手段と、呼吸ガスの加圧流を被験者の気道に流路を通して供給する手段と、被験者の呼吸フェーズをモニタリングする手段と、前記流路の内部のガス性分子種の濃度を表すサンプルを収集する手段と、呼吸ガスの加圧流を調整する手段であって、被験者の呼吸が呼気フェーズにある場合、被験者の気道或いはその近くの圧力が呼気圧力レベル以上に維持する、調整手段と、被験者の呼吸の呼気フェーズの間、実施される呼気圧力レベルを設定する手段であって、大抵の呼気フェーズの間、呼気圧力レベルは所定の基準呼気圧力レベルに設定され、及び、断続的に、呼気圧力レベルは所定の基準呼気圧力レベルよりも低くなる、設定手段と、被験者の肺から吐き出されたガスのガス性分子種の濃度を、断続的な呼気フェーズの間、流路内部のガス性分子種の濃度を示すサンプルに基づいて測定する手段であって、その間は呼気圧力レベルは所定の基準呼気圧力レベルよりも低くなる、測定手段とを含む。
【0008】
本発明のこれらの及び他の目的、構成、及び特徴は、操作方法や関連する構成要素及び部分の組合せの機能、及び製造の経済性と同様に、添付の図面を参照して、以下の説明及び付属の特許請求の範囲を考慮することで、より明らかになるだろう。それらの全ては本明細書の一部を形成し、同様の参照符号は、各種の図面の対応する部分を指定する。本発明の一実施形態では、本明細書で示される構造的なコンポーネントは、一定の比率で描かれている。しかし、図面は例示と説明の目的だけで描かれており、本発明の限定ではないことは明確に理解されるべきである。加えて、本明細書の如何なる一実施形態で示され又は説明される構造的な構成も、他の実施形態でも同様に使用されることが可能である。しかし、図面は単に例示と説明の目的だけであり、本発明の限界の定義として意図されるものではないことは明確に理解されるべきである。本明細書と本特許請求の範囲で用いられるように、単数形の「1つの」及び「その」は、文脈が明確に他の意味を示すのでないのなら、複数の指示対象を含む。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、圧力サポート治療を被験者12に提供するよう構成されるシステム10を示す。また、システム10は、提供される圧力サポート治療の有効性を判定するように構成される。この測定は、被験者12によって吐き出されたガス中の1つ以上のガス状分子種の濃度(例えば、呼気端末のCO濃度)を測定することを含む。例えば、被験者12によって吐き出されたガス中の二酸化炭素(CO)濃度の測定は、提供される圧力サポート治療の有効性の判定を可能にするためになされてもよい。システム10は、被験者12によって吐き出されるガス組成の測定を、他のソース(例えば周囲大気、圧力サポート治療等)からのガスによって生ずる比較的低レベルの希釈で供給するよう構成される。一実施形態では、システム10は、1つ以上の圧力生成器14、電子的記憶装置16、ユーザインターフェース18、第1センサ20、第2センサ22、プロセッサ24、及び/又は他のコンポーネントを含む。
【0010】
一実施形態においては、圧力生成器14は、被験者12の気道へ供給するため、呼吸ガスの加圧流を生成するように構成される。その圧力生成器14は、治療目的又は他の目的のため、呼吸ガスの加圧流の1つ以上のパラメータ(例えば、流速、圧力、容積、湿気、温度、ガス組成等)をコントロールしてもよい。非限定的な例によれば、圧力生成器14は、呼吸ガスの加圧流の流速及び/又は圧力をコントロールするように構成されてもよく、その結果、被験者12の気道へ圧力サポートが供給される。圧力生成器14は、換気装置、気道陽圧の生成器、例えば、米国特許第6105575号に記載されるデバイス(その内容は全体として本明細書に援用される)、及び/又は他の圧力生成デバイスを含んでもよい。呼吸ガスの加圧流を通じて圧力生成器14によって供給される圧力サポートは、例えば、非侵襲性換気装置、気道陽圧サポート、双レベルサポート、BiPAP(R)、及び/又は、他のタイプの圧力サポート治療を含んでもよい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許第6105575号 呼吸ガスの加圧流は、ガス供給回路26を介して、被験者12の気道に供給される。ガス供給回路26は、圧力生成器14によって生成される呼吸ガスの加圧流を、被験者12の気道へ連通するように構成される。しかるべく、ガス供給回路26は、導管28とインターフェース器具30とが含まれる。導管は、呼吸ガスの加圧流をインターフェース器具30に伝え、インターフェース器具30は、呼吸ガスの加圧流を被験者12の気道に供給する。インターフェース器具30の幾つかの例には、例えば、鼻カニューラ、鼻マスク、鼻/口腔マスク、フルフェイスマスク、トータルフェイスマスク、及び/又は他のインターフェース器具であってガスフローを被験者の気道と連通する物を含んでもよい。本発明は、これらの例に限定されず、如何なる被験者とのインターフェースをも使用して、呼吸ガスの加圧流を被験者12へ供給することを意図する。
【0012】
図1ではガス供給回路26は、呼吸ガスの加圧流を被験者12の気道へ供給するための単一肢の回路として示されるが、これは限定を意図するものではない。本発明の開示の範囲には、二つの肢の回路を含み、その回路は、第1の肢が呼吸ガスの加圧流を被験者12の気道へ供給し、及び、第2の肢がガス供給回路26から選択的にガスを排出するように構成される(例えば、吐き出されたガスを排出する)。さらに、単一デバイスとしてのインターフェース器具30の例示は、限定を意図するものではない。インターフェース器具30は、少なくとも2つの分離したインターフェース器具を含んでもよいことは理解されるだろう。例えば、第1のインターフェース器具(例えば、フルフェイスマスク、トータルフェイスマスク等)は、呼吸ガスの加圧流を被験者12に供給するように構成されてもよく、一方、第2のインターフェース器具(例えば、鼻カニューラ等)は、被験者12の気道からガスを受けるように構成されて、被験者12の気道から受けるガスのパラメータ(例えば組成)が測定されることが可能になる。
【0013】
一実施形態では、電子的記憶装置16は、電子的に情報を保存する電子的記憶媒体を含む。電子的記憶装置16の電子的記憶媒体は、システム記憶装置及び/又は着脱可能な記憶装置の1つ又は両方を含んでもよく、そのシステム記憶装置は、システム10に統合的に形成されたもの(即ち、実質的に着脱不可能な)であり、その着脱可能な記憶媒体は、着脱可能に、例えばポート(例えばUSBポート、ファイヤーワイヤポート等)又はドライブ(例えばディスクドライブ等)を介して接続されることができる。電子的記憶装置16は、光学的に読み取り可能な記憶装置メディア(例えば光学ディスク等)、磁気的に読み取り可能な記憶装置メディア(例えば磁気テープ、磁気ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク等)、電気的なチャージベース記憶装置メディア(例えばEEPROM、RAM等)、半導体記憶装置メディア(例えばフラッシュドライブ等)、及び/又は、他の電子的に読み取り可能な記憶装置メディアのうちの、1つ又は複数を含んでもよい。電子的記憶装置16は、ソフトウェアアルゴリズム、プロセッサ24によって判定される情報、ユーザインターフェース18を介して受信される情報、及び/又は、システム10が適切に機能することを可能にする他の情報を保存してもよい。電子的記憶装置16は、(全体であれ部分であれ)システム10内の分離したコンポーネントでもよく、或いは、(全体であれ部分であれ)電子的記憶装置16は、システム10の1つ以上のコンポーネント(例えば生成器14、ユーザインターフェース18、プロセッサ24等)と統合して形成されてもよい。
【0014】
ユーザインターフェース18は、システム10と被験者12との間のインターフェースを供給するように構成され、そのインターフェースを通じて、被験者12は、システム10へ情報を供給し、システム10から情報を受信してもよい。このことにより、データ、キュー、結果、及び/又は、指令や他の如何なる通信可能なアイテム(総合して「情報」とよぶ)も、被験者12と、生成器14、電子的記憶装置16、及び/又はプロセッサ24のうちの1つ以上との間で通信が可能になる。ユーザインターフェース18に含まれるのに適したインターフェースデバイスの例には、キーパッド、ボタン、スイッチ、キーボード、ノブ、レバー、ディスプレイスクリーン、タッチスクリーン、スピーカ、マイクロフォン、インジケータライト、オーディブルアラーム、プリンタ、触覚フィードバックデバイス、及び/又は、他のインターフェースデバイスを含む。一実施形態では、ユーザインターフェース18は複数の分離したインターフェースを含む。一実施形態では、ユーザインターフェース18は、生成器14と統合して形成される少なくとも1つのインターフェースを含む。
【0015】
また、有線又は無線の他の通信技術が、ユーザインターフェース18として本発明によって意図されることを理解されるべきである。例えば、本発明は、ユーザインターフェース18は、電子的記憶装置16によって供給される着脱可能記憶装置インターフェースと統合されてもよいことを意図する。この例では、情報は、着脱可能記憶装置(例えば、スマートカード、フラッシュドライブ、着脱可能ディスク等)からシステム10にロードされてもよく、その着脱可能記憶装置はユーザがシステム10の実装をカスタマイズすることを可能にする。他の例示の入力デバイス及び、ユーザインターフェース18としてシステム10での使用に適応される技術は、RS−232ポート、RFリンク、IRリンク、モデム(電話、ケーブル又はその他)を含むが、これらに限定されない。要するに、情報をシステム10と通信するための如何なる技術も、本発明ではユーザインターフェース18として意図される。
【0016】
第1センサ20は、出力信号を生成するように構成され、その出力信号は、呼吸ガスの加圧流の1つ以上のパラメータに関連する情報を伝達する。その1つ以上のパラメータは、例えば、流速、容積、圧力、湿度、温度、加速度、速度、音響、呼吸を示すパラメータの変化、及び/又は、他のガスパラメータを含んでもよい。しかるべく、第1センサ20によって生成される出力信号は、被験者12の呼吸フェーズに関する情報を伝達する。第1センサ20は、そうしたパラメータを直接的に測定する1つ以上のセンサを含んでもよい(例えば、圧力生成器14で、又は、ガス供給回路26内で呼吸ガスの加圧流との流体連通を通じて)。第1センサ20は、1つ以上のセンサを含んでもよく、その1つ以上のセンサは、呼吸ガスの加圧流の1つ以上のパラメータに関する出力信号を間接的に生成する。例えば、第1センサ20は、1つ以上のセンサ、及び/又は他のセンサを含んでもよく、その1つ以上のセンサは、圧力生成器14の操作パラメータ(例えば、バルブドライバ、モータの電流、電圧、回転速度、及び/又は、他の操作パラメータ)に基づいて出力を生成するように構成される。
【0017】
第1センサ20は、ガス供給回路26内の単一箇所で単一センサとして示されるが、これは限定的であることを意図しない。第1センサ20は、複数のセンサを含んでもよく、それらのセンサは、互いに近接して又は分離して配置されてもよい。本明細書で第1センサ20に起因する機能性を供給するセンサは、複数の場所のうちのいずれかに配置されてもよく、例えば圧力生成器14の内部、導管28の内部(或いはこれと連通して)、インターフェース器具30の内部(或いはこれと連通して)、及び/又は、他の場所である。
【0018】
第2センサ22は、出力信号を生成するよう構成され、その出力信号は、被験者12の気道で或いはその近くで、ガスの組成に関する情報を伝達する。一実施形態では、第2センサ22によって生成される出力信号は、第2センサ22に接続して又は連通して、CO及び/又は他のガスの濃度に関する情報を伝達する。上述したように、第2センサ22で生成される出力信号は、被験者12の終末呼気COを決定するように使用されてもよい。終末呼気COを決定するため、肺胞気のサンプル中のCO濃度検出することがより一層の正確性をもたらすだろう。インターフェース器具30が被験者12の気道との密封連絡(例えば、気管内チューブ)を提供する治療設定では、第2センサ22にアクセス可能なサンプリングチャンバー内のサンプルを得ることは容易であり、というのも被験者12の肺から吐かれたガスの全てはインターフェース器具30から外へ流れるはずだからである。しかしながら、非侵襲的圧力サポート治療では、肺胞気サンプルを得ることは、より困難であるかもしれない。なぜなら、ガスは被験者12の気道から出るので、ガスは、周囲大気への漏れが存在する中で圧力を維持するため、圧力生成器14で供給される空気によって積極的に希釈され得るからである。
【0019】
希釈を幾らか低減するため、インターフェース器具30は、2つの分離したインターフェース器具を含んでもよく、1つは呼吸ガスの加圧流を供給するものであり、もう1つは被験者12によって吐き出されたガスのサンプルを取得するものである。例えば、上述したように、インターフェース器具30は、呼吸ガスの加圧流を供給するように構成されたマスクを含んでもよく、及び、被験者12によって吐き出されるガスを収集するため、被験者12の鼻孔に取り付けられるマスクの下に鼻カニューラを含んでもよい。
【0020】
プロセッサ24は、システム10における情報処理能力を供給するよう構成される。しかるべく、プロセッサ24は、1つ以上の、デジタルプロセッサ、アナログプロセッサ、情報を処理するように設計されたデジタル回路、情報を処理するように設計されたアナログ回路、状態機械、及び/又は、電子的に情報を処理する他のメカニズムを含んでもよい。プロセッサ24は、図1では単一の実体として示されるが、これは例示の目的だけで示される。幾つかの実装では、プロセッサ24は、複数の処理ユニットを含んでもよい。これらの処理ユニットは、同一のデバイス(例えば圧力生成器14)の内部に物理的に配置されてもよいし、又は、プロセッサ24は、協調して動作する複数のデバイスの処理機能を表してもよい。
【0021】
図1に示されるように、プロセッサ24は、1つ以上のコンピュータプログラムモジュールを実行するように構成されてもよい。その1つ以上のコンピュータプログラムモジュールは、1つ以上の、呼吸フェーズモジュール32、コントロールモジュール34、治療圧力モジュール36、呼気組成モジュール38、及び/又は、他のモジュールを含んでもよい。プロセッサ24は、モジュール32,34、36及び/又は38を、ソフトウェア;ハードウェア;ファームウェア;ソフトウェア、ハードウェア、及び/又はファームウェアの幾つかの組合せ;及び/又は、プロセッサ24の処理能力を設定する他のメカニズムによって実行するよう構成されてもよい。
【0022】
図1では、プロセッサ24が複数の処理ユニットを含む実装において、モジュール32、34、36、及び38は、単一の処理ユニット内部に一緒に配置されているが、32、34、36、及び/又は38のうちの1つ以上のモジュールが他のモジュールから離れて配置されてもよいことは理解されるべきである。
【0023】
以下で説明される、異なるモジュール32,34、36及び/又は38によって供給される機能性の説明は、例示目的であり、これに限定することを意図せず、モジュール32、34、36及び/又は38のいずれも、説明される以上の又はそれ以下の機能性を供給してもよい。例えば、モジュール32,34、36及び/又は38のうち1つ以上のモジュールが削除されてもよく、モジュールの機能の幾つか又は全ては、モジュール32、34、36及び/又は38のうちの他のモジュールによって供給されてもよい。他の例として、プロセッサ24は、1つ以上の追加的なモジュールを実行するよう構成されてもよく、その追加的なモジュールは、モジュール32、34、36及び/又は38に起因する以下の機能性の幾つか又は全部を実行してもよい。
【0024】
呼吸フェーズモジュール32は、被験者12の呼吸フェーズを測定(乃至は決定)するよう構成される。その呼吸フェーズモジュール32は、第1のセンサ20によって生成される出力信号に基づいて、呼吸のフェーズを測定する。例えば、流速、圧力、及び/又は、第1センサ20によって生成される出力信号において示される他のパラメータの変動は、被験者12の呼吸フェーズを測定するために、呼吸フェーズモジュール32によって用いられてもよい。呼吸フェーズを測定することには、被験者12の呼吸が吸気フェーズにあるか、呼気フェーズにあるかを決定することを含む。一実施形態では、呼吸フェーズモジュール32は、吸気フェーズから呼気フェーズ(逆も同様)への呼吸移行よりも多くのことを測定するよう構成される。例えば、被験者12の呼吸が、吸気フェーズ及び/又は呼気フェーズにおける1つ以上の点に達したときを決定するように構成されてもよい。一実施形態では、プロセッサ24は、圧力生成器14を含む第1デバイスの内部に1つ以上のプロセッサを含み、被験者12によって吐き出されるガスの組成に関する情報を測定するよう構成された第2デバイスの内部に1つ以上のプロセッサを含む。この実施形態においては、呼吸フェーズモジュール32は、1つ以上のモジュールを含んでもよく、そのモジュールは、被験者12によって吐き出されるガスの組成に関する情報を測定するよう構成されたデバイス上で実行される。第2デバイスのその1つ以上のモジュールは、第1デバイスによってなされる呼吸フェーズの測定に基づいて、呼吸フェーズを測定してもよく、そうして治療法に従って呼吸ガスの加圧流を調整する。
【0025】
コントロールモジュール34は、圧力生成器14をコントロールし、呼吸ガスの加圧流を、被験者12の気道或いはその近くの圧力が治療法に従うように調整する。その治療法は、被験者12の気道或いはその近くのターゲット圧力を、被験者12の呼吸フェーズの関数として表してもよい。呼吸モジュール32は、被験者12の呼吸フェーズを測定するので、コントロールモジュール34は、その治療法によって示される被験者12の気道或いはその近くのターゲット圧力を測定するよう、この測定を実施する。そして、コントロールモジュール34は、圧力生成器14をコントロールし、呼吸ガスの加圧流を調整し、このターゲット圧力を達成及び/又は維持する。
【0026】
非限定的例として、一実施形態では、治療法は、呼気圧力レベルと吸気圧力レベルとを特定する。吸気圧力レベルは、呼気圧力レベルよりも実質的に高い。呼吸の吸気フェーズの間、コントロールモジュール34は圧力生成器14をコントロールして、呼吸ガスの加圧流を、被験者12の気道或いはその近くの圧力が吸気圧力レベルに向かって調整されるように調整する。被験者12の気道或いはその近くの圧力を、呼吸の吸気フェーズの間、比較的高く維持することは、被験者12にとって、吸入することを容易にする。呼吸の呼気フェーズの間は、コントロールモジュール34は、圧力生成器14をコントロールし、呼吸ガスの加圧流を調整し、被験者12の気道或いはその近くの圧力が吸気フェーズ圧力より低減されて、その結果、被験者12は過大な圧力に「逆らって」息を吐く必要がない。しかし、呼吸の呼気フェーズの間でさえ、コントロールモジュール34は、被験者12の気道或いはその近くの圧力が呼気圧力レベルを下回ることを許容しない。呼気圧力レベルは、被験者12による呼気を容易にするレベルに設定されてもよく、なおかつ、肺胞損傷に対して保護し、気道閉鎖を防ぐ。
【0027】
治療圧力モジュール36は、治療法によって示される圧力を調整するように構成される。これらの調整には、終末呼気COの測定を容易にするため、治療法によって示される圧力を調整することを含む。
【0028】
呼気の間、コントロールモジュール34は、圧力生成器14をコントロールし、呼吸ガスの加圧流を調整し、被験者12の気道或いはその近くの圧力が呼気圧力レベル以上であるように維持する。一般的には、呼気圧力レベルは、呼吸が吸気から呼気フェーズに変化した後比較的すぐに達し、被験者12の気道或いはその近くの圧力を維持するため、呼吸ガスの加圧流の流速の増加をもたらす。上述したように、正確な終末呼気COを得ることは、比較的低い希釈量でCOの組成を測定するため、第2センサ22にとって、充分に純粋な吐き出されたガスを得ることを要する。呼気の間の、呼吸ガスの加圧流の流速の増加は、被験者12によって吐き出されるガスの希釈の主要な発生源であり、COの構成を測定するため、第2センサ22にとって充分に純粋な吐き出されたガスを得ることを困難にする。
【0029】
例示の目的で、図2は、被験者によって吐き出されるガスのサンプリングの概略モデルである。影のついたボックスは、インターフェース器具及び被験者の気道によって定義される容積40を表し、そのインターフェース器具は、インターフェース器具30(図1で示され本明細書で説明される)と類似の又は同一のものである。組成センサによって使用されるガスのサンプルは、要素42と名づけられ、その組成センサは、第2センサ22(図1で示され本明細書で説明される)と同一又は類似のものである。濃い影は、肺胞から純粋に吐き出されたガスを表し、従って、肺胞のCO濃度を含む。薄い影は、吐き出されたガスを希釈するために機能する他のガスを表す。その希釈ガスは、主に、圧力生成器から供給される、呼吸ガスの加圧流を含み、その圧力生成器は、(図1で示され本明細書で説明される)圧力生成器14と同一又は類似のものである。上述したように、容積40と大気との間の漏れ44は、圧力を維持するため、呼吸ガスの加圧流に送出されるガスの量の増加を要し、それによって希釈を増大する。
【0030】
図1に戻ると、治療圧力モジュール36は、治療法の呼気圧力レベルを散発的に調整し、第2センサ22によってサンプルされる吐き出されたガスの希釈を低減する。これにより、たいていの呼気フェーズにとって呼気圧力レベルは、或る基準呼気圧力レベルに設定され、気道の及び/又は肺圧力サポートの利点を被験者12に供給しながら、呼気を容易にする。しかし、幾つかの呼気フェーズの間では、治療圧力モジュール36は、コントロールモジュール34によって用いられる呼気圧力を下げ、これらの呼気フェーズの間、吐き出されるガスの希釈を低減する。
【0031】
例示の目的で、図3は呼気フェーズの間の容積40(図2でも示され、上述された)を示し、そこでは、もし全部が停止しなければ、呼吸ガスの加圧流の流速が低減される。図3に見られるように、これは、吐き出されるガスの希釈を低減する傾向があり、それによって、終末呼気COのより正確な測定を可能にする。吐き出されるガス(呼気)の希釈を低減することに加えて、呼吸ガスの加圧流のフローを低減することは、被験者が、より完全に息を吐くことを更に可能にし、それによって、容積40に導かれる吐き出されたガス(呼気)の容積が増加し、そして、他のガスからの希釈が更に低減する。
【0032】
図1に戻ると、既に上述したように、呼吸の均一にわたる呼気圧力レベルの低減は、システム10によって供給される圧力サポートの利点を低下するかもしれない。しかし、呼気圧力レベルを断続的に低下させることにより(例えば、一時的にスペースを空ける間や、非連続的な呼吸の間に)、治療圧力モジュール36は、希釈のより少ない呼気ガスのサンプルが、被験者12が受ける治療に有害な影響を及ぼすことなく、とられることを可能にする。
【0033】
図4は、治療法によって示される圧力対時間のプロットを表している。図4に見られるように、吸気フェーズの間、その治療法に示される圧力は、吸気圧力レベルにある。大抵の呼気フェーズの間、その治療法に示される圧力は、基準呼気圧力レベル46にある。しかし、幾つかの呼気フェーズでは断続的に、呼気圧力レベルは低減されて、低下した希釈の終末呼気COのサンプリングを許容する。この呼気圧力レベルの低下は、所定の呼気フェーズを通じて適用されてもよく、それは例えば呼気フェーズ48に示され、又は、所定の呼気フェーズの一部分だけの間適用されてもよく、それは例えば呼気フェーズ50で示される。
【0034】
図1に戻ると、どの呼気フェーズが、治療圧力モジュール36によって低減された呼気圧力レベルで提供されるべきかの決定は、周期的になされてもよい。この周期性は、数多くの呼吸(例えば、呼気圧力レベルがX呼吸毎に低減される)によって、及び/又は、時間の経過(例えば、呼気レベルがX秒毎に低減される)によって定量化されてもよい。この周期性は、ユーザがユーザインターフェース18を介して選択的に設定することができる設定可能なものであってもよい。一実施形態では、どの呼気フェーズが、治療圧力モジュール36によって低減された呼気圧力レベルで提供されるべきかの決定は、治療圧力モジュール36によって、確率的に、又は、ランダムに(或いは疑似ランダムに)なされてもよい。この実施形態では、相対頻度に対するコントロールが、ユーザインターフェース18を介してユーザに供給されてもよく、その相対頻度で低減された呼気圧力レベルが供給される。基準呼気圧力より低い低減量は、ユーザがユーザインターフェース18を介して選択的に設定できるものであってもよい。
【0035】
一実施形態では、治療圧力モジュール36は、呼気圧力レベルが基準呼気圧力レベルより低く設定されていない期間の呼吸の間は、呼気圧力レベルの間にまだいくらか変動があるように構成される。例えば、治療圧力モジュール36は、周期的な正弦曲線の方法で呼気圧力レベルを変化させるように構成されてもよい。呼気圧力の範囲は(その範囲に渡って正弦曲線は移動する)、呼気圧力レベルが、その正弦曲線の最小値或いはその近くだけで、基準呼気圧力レベルを下回るように構成されてもよい。
【0036】
呼気組成モジュール38は、第2センサ22によって生成される出力信号に基づいて、被験者12の肺から吐き出されるガスのガス性分子種の濃度を測定するよう構成される。一実施形態では、これは、終末呼気COの測定を含む。ガス性分子種の濃度測定は、呼気フェーズの間に生成される出力信号のみを使用して、呼気組成モジュール38によってなされ、そこでは、治療圧力モジュール36が呼気圧力レベルを基準呼気圧力レベルより低く設定していた。これは、その測定が、ガス性分子種の濃度サンプルに基づいてなされることを確実にし、そのガス性分子種の濃度サンプルは、希釈による変形が、呼気圧力レベルは基準呼気圧力レベル以上である呼気の間に取られたガス性分子種の濃度サンプルより小さい。
【0037】
呼気組成モジュール38による、被験者12の肺から吐き出されたガス中のガス性分子種の測定から、システム10によって供給される圧力サポートの有効性が判定されてもよい。この判定は、プロセッサ24によってなされてもよく、他の測定される呼吸器官のパラメータの判定に基づいてもよく、及び/又は、例えば第1センサ20によって生成される出力信号から推測されてもよい。圧力サポートの有効性の判定、及び/又は、被験者12の肺から吐き出されたガスのガス性分子種の測定は、プロセッサ24によって実現され、圧力サポートを滴定する。例えば、圧力生成器14のコントロールを決定するためにコントロールモジュール34によって実現される治療法は、そうした決定に基づいて調整されてもよく、被験者12への圧力サポートの治療メリットを向上する。
【0038】
本発明は、何が現在最も実際的であり且つ好適な実施形態であると考えられるかに基づいて、例示の目的で説明されたが、そうした詳細は単に説明の目的であり、本発明は開示された実施形態に限定されないことは理解されるべきである。しかし、逆に、付属の特許請求の範囲の精神と適用の範囲内にある変形例や均等な配置を包含することを意図することも理解されるべきである。例えば、本発明は、可能な範囲で、如何なる実施形態の1つ以上の特徴も他の如何なる実施形態の1つ以上の特徴と組み合わせることができることを企図することは理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】図1は、本発明の1つ以上の実施形態に従って、圧力サポート治療を被験者に供給するよう構成されたシステムを示す。
【図2】図2は、本発明の1つ以上の実施形態に従って、被験者によって吐き出されたガスをサンプリングする図式的モデルを示す。
【図3】図3は、本発明の1つ以上の実施形態に従って、被験者によって吐き出されたガスをサンプリングする図式的モデルを示す。
【図4】図4は、本発明の1つ以上の実施形態に従って、治療法によって記述される圧力対時間のプロットを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧力サポートシステムであって、該圧力サポートシステムは:
被験者の気道に供給するため、呼吸ガスの加圧流を生成するように構成される、圧力生成器と、
呼吸ガスの加圧流を前記圧力生成器から前記被験者の気道へ供給するように構成される、ガス供給回路と、
前記被験者の呼吸フェーズに関する情報を伝える出力信号を生成するよう構成される、第1センサと、
前記被験者の気道或いはその近くのガスの組成に関する情報を伝える出力信号を生成するよう構成される、第2センサと、
コンピュータプログラムモジュールを実行するように構成される1つ以上のプロセッサと、を含み、
前記コンピュータプログラムモジュールは:
前記圧力生成器をコントロールして、前記呼吸ガスの加圧流を調整し、前記第1センサによって生成される出力信号が前記被験者の呼吸が呼気フェーズにあることを示す場合には、前記被験者の気道或いはその近くの圧力が呼気圧力レベル以上に維持するようにする、コントロールモジュールと、
前記被験者の呼吸の呼気フェーズの間、前記コントロールモジュールによって実現される呼気圧力レベルを設定するように構成される治療圧力モジュールであり、該治療圧力モジュールは、大抵の呼気フェーズの間、呼気圧力レベルは所定の基準呼気圧力レベルに設定され、断続的に、前記呼気圧力レベルは所定の基準呼気圧力レベルより低くされる、治療圧力モジュールと、
前記被験者の肺から吐き出されたガス中のガス性分子種の濃度を測定するよう構成される、呼気組成モジュールであり、該呼気組成モジュールは、前記被験者の肺から吐き出されたガス中のガス性分子種の濃度の測定が、断続的な呼気フェーズの間、前記第2センサによって生成される出力信号に基づいて行われ、そのフェーズで、前記呼気圧力レベルが所定の基準呼気圧力レベルよりも低くされる、呼気組成モジュールと、
を含む圧力サポートシステム。
【請求項2】
前記呼気モジュールは、前記被験者の肺から吐き出されたガス中のガス性分子種の濃度の測定が、呼気フェーズの間、前記第2センサによって生成される出力信号と関係なく行われるよう構成され、そのフェーズで、前記呼気圧力レベルが所定の基準呼気圧力レベルに設定される、請求項1記載の圧力サポートシステム。
【請求項3】
前記ガス性分子種は二酸化炭素である、請求項1記載の圧力サポートシステム。
【請求項4】
前記コントロールモジュールは、前記圧力生成器をコントロールし、前記呼吸ガスの加圧流を調整し、前記第1センサによって生成される出力信号が、前記被験者の呼吸が吸気フェーズであることを示す場合は、前記被験者の気道或いはその近くの圧力を吸気圧力レベルまで増加する、請求項1記載の圧力サポートシステム。
【請求項5】
前記治療圧力モジュールは、前記呼気圧力レベルを、所定の呼吸数又は所定の期間として定量化された周期で、所定の基準呼気圧力レベルより低く設定する、請求項1記載の圧力サポートシステム。
【請求項6】
前記呼気圧力レベルは、該呼気圧力レベルの大きさを示す正弦曲線に従って決定される、請求項5記載の圧力サポートシステム。
【請求項7】
前記断続的な呼気フェーズは、そのフェーズで、呼気圧力レベルが所定の基準呼気圧力レベルよりも低くなり、前記断続的な呼気フェーズは時間的に離れて間隔を置かれる非連続的な呼吸の間に発生する、請求項1記載の圧力サポートシステム。
【請求項8】
被験者に圧力サポートを供給する方法であって、該方法は:
被験者の気道に供給するため、呼吸ガスの加圧流を生成するステップと、
前記呼吸ガスの加圧流を前記被験者の気道へ流路を介して供給するステップと、
前記被験者の呼吸フェーズをモニタリングするステップと、
前記流路の内部のガス性分子種の濃度を表すサンプルを収集するステップと、
前記呼吸ガスの加圧流を調整するステップであって、前記被験者の呼吸が呼気フェーズにある場合、前記被験者の気道或いはその近くの圧力が呼気圧力レベル以上であるように調整する、ステップと、
被験者の呼吸の呼気フェーズの間、使用される呼気圧力レベルを設定するステップであって、大抵の呼気フェーズの間、呼気圧力レベルは所定の基準呼気圧力レベルに設定され、及び、断続的に、呼気圧力レベルは前記所定の基準呼気圧力レベルよりも低くなる、ステップと、
前記被験者の肺から吐き出されたガスのガス性分子種の濃度を、断続的な呼気フェーズの間、前記流路内部のガス性分子種の濃度を示すサンプルに基づいて測定するステップであって、そのフェーズで、前記呼気圧力レベルは前記所定の基準呼気圧力レベルよりも低くなる、ステップと、を含む方法。
【請求項9】
前記被験者の肺から吐き出されたガスのガス性分子種の濃度の測定は、呼気フェーズの間、前記流路内部のガス性分子種の濃度を示すサンプルと関係なく行われるよう構成され、そのフェーズで、前記呼気圧力レベルが所定の基準呼気圧力レベルに設定される、請求項8記載の方法。
【請求項10】
前記ガス性分子種は二酸化炭素である、請求項8記載の方法。
【請求項11】
前記呼吸ガスの加圧流を調整するステップであり、前記被験者の呼吸が吸気フェーズである場合、前記被験者の気道或いはその近くの圧力を吸気圧力レベルまで増加するステップを更に含み、前記吸気圧力レベルは実質的に前記呼気圧力レベルよりも高い、請求項8記載の方法。
【請求項12】
前記呼気圧力レベルは、所定の呼吸数又は所定の期間として定量化された周期で、前記所定の基準呼気圧力レベルよりも低く設定される、請求項8記載の方法。
【請求項13】
前記呼気圧力レベルは、該呼気圧力レベルの大きさを示す正弦曲線に従って決定される、請求項12記載の方法。
【請求項14】
前記断続的な呼気フェーズは、その間、呼気圧力レベルが所定の基準呼気圧力レベルよりも低くなり、前記断続的な呼気フェーズは時間的に離れて間隔を置かれる非連続的な呼吸の間に発生する、請求項8記載の方法。
【請求項15】
被験者に圧力サポートを供給するシステムであって、該システムは:
被験者の気道に供給するため、呼吸ガスの加圧流を生成する手段と、
前記呼吸ガスの加圧流を前記被験者の気道へ流路を介して供給する手段と、
前記被験者の呼吸フェーズをモニタリングする手段と、
前記流路の内部のガス性分子種の濃度を表すサンプルを収集する手段と、
前記呼吸ガスの加圧流を調整する手段であって、前記被験者の呼吸が呼気フェーズにある場合、前記被験者の気道或いはその近くの圧力が呼気圧力レベル以上であるように調整する手段と、
被験者の呼吸の呼気フェーズの間、使用される呼気圧力レベルを設定する手段であって、大抵の呼気フェーズの間、呼気圧力レベルは所定の基準呼気圧力レベルに設定され、及び、断続的に、呼気圧力レベルは前記所定の基準呼気圧力レベルよりも低くなる、手段と、
前記被験者の肺から吐き出されたガスのガス性分子種の濃度を、断続的な呼気フェーズの間、前記流路内部のガス性分子種の濃度を示すサンプルに基づいて測定する手段であって、そのフェーズで、呼気圧力レベルは前記所定の基準呼気圧力レベルよりも低くなる、手段と、を含むシステム。
【請求項16】
前記被験者の肺から吐き出されたガスのガス性分子種の濃度を測定する手段は、呼気フェーズの間、前記流路内部のガス性分子種の濃度を示すサンプルと関係なく測定を行い、そのフェーズで、前記呼気圧力レベルが所定の基準呼気圧力レベルに設定される、請求項15記載のシステム。
【請求項17】
前記ガス性分子種は二酸化炭素である、請求項15記載のシステム。
【請求項18】
前記呼吸ガスの加圧流を調整する手段であり、前記被験者の呼吸が吸気フェーズである場合、前記被験者の気道或いはその近くの圧力を吸気圧力レベルまで増加する手段を更に含み、前記吸気圧力レベルは実質的に前記呼気圧力レベルよりも高い、請求項15記載のシステム。
【請求項19】
前記呼気圧力レベルは、所定の呼吸数又は所定の期間として定量化された周期で、前記所定の基準呼気圧力レベルよりも低く設定される、請求項15記載のシステム。
【請求項20】
前記呼気圧力レベルは、該呼気圧力レベルの大きさを示す正弦曲線に従って決定される、請求項15記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2013−512717(P2013−512717A)
【公表日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−541606(P2012−541606)
【出願日】平成22年11月23日(2010.11.23)
【国際出願番号】PCT/IB2010/055383
【国際公開番号】WO2011/070472
【国際公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】