説明

圧力スイッチ

【課題】大型化を招くことなく、最も大きな配置スペースを確保することができる中央部に基板や電子部品を配置することができる圧力スイッチを提供すること。
【解決手段】ボディ2と、ダイヤフラム7と、該ダイヤフラム7の移動量を検出するスイッチ機構を有する圧力スイッチ1において、前記スイッチ機構を、ボディ2内に配設された支持部材4と、該支持部材4に形成された開口部を通してダイヤフラム7に当接するプッシュブロック5と、該プッシュブロック5に支持されたマグネット6と、一端がプッシュブロック5に当接するバネ部材9の他端に当接する中空のバネ受け部材8と、ホール素子(磁気検出手段)11と、該ホール素子11及び基板12を支持する基板取付部10Bを有するターミナルベース10と、を含んで構成するとともに、ターミナルベース10の基板取付部10Bをバネ受け部材8の中空部分を貫通して配設する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体圧を検出してスイッチング動作する圧力スイッチに関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、自動車の制動装置等に油や圧縮空気を供給するタンク等の圧力を圧力スイッチによって検出し、検出された圧力が所定値に達すると警告灯を点灯することが行われている。
【0003】
上記圧力スイッチは、作動圧力の変化に応動するダイヤフラムの動作によってスイッチング動作するが、仕様で定められた作動圧力の誤差に対応するために圧力スイッチ内の駆動要素を付勢するバネ部材の荷重を微調整する必要がある。このため、従来の圧力スイッチにおいては、バネ部材を受けるバネ受け部材の位置を調整ネジで微調整する付勢力調整機構が設けられている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−327483号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、付勢力調整機構を備える従来の圧力スイッチにおいては、中央部に付勢力調整機構の調整ネジを設定するスペースを確保する必要があるため、中央部のスペースを有効に活用することができず、無接点式の圧力スイッチでは内部にプリント基板や電子部品を配置する必要があるため、配置スペースを最も大きく確保することができる中央部に調整ネジ等を配置することができず、圧力スイッチが大型化するという問題があった。
【0006】
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、大型化を招くことなく、最も大きな配置スペースを確保することができる中央部に基板や電子部品を配置することができる圧力スイッチを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、通孔を有するボディと、該ボディの前記通孔が連通する内空間を閉じて圧力室を形成するダイヤフラムと、該ダイヤフラムの移動量を検出するスイッチ機構を有する圧力スイッチにおいて、
前記スイッチ機構を、
前記ボディ内に配設された支持部材と、
該支持部材の内部に摺動可能に支持され、前記支持部材に形成された開口部を通して前記ダイヤフラムに当接するプッシュブロックと、
該プッシュブロックに支持されたマグネットと、
一端が前記プッシュブロックに当接するバネ部材の他端に当接する中空のバネ受け部材と、
前記マグネットが発生する磁界の変化を検出する磁気検出手段と、
該磁気検出手段及びこの磁気検出手段と電気的に接続された基板を支持する基板取付部を有するターミナルベースと、
を含んで構成するとともに、
前記ターミナルベースの前記基板取付部を前記バネ受け部材の中空部分を貫通して配設したことを特徴とする。
【0008】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記バネ受け部材を前記支持部材によって回転可能に支持するとともに、前記支持部材の内面に保持部を形成し、該保持部に、前記バネ受け部材の外周縁に周方向に形成された高さの異なる複数の係合段部の1つを選択的に係合させたことを特徴とする。
【0009】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明において、前記ターミナルベースの一端面に、前記基板に電気的に接続されたターミナルを突設するとともに、該ターミナルの周囲に貫通孔を形成し、当該ターミナルベースを前記ボディに組み付けた状態において前記バネ受け部材の一端面に突設された嵌合突起が該ターミナルベースの前記貫通孔に露出するよう構成したことを特徴とする。
【0010】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明において、前記ターミナルを覆うコネクタハウジングを前記ターミナルベースに取り付け、該コネクタハウジングに、前記ターミナルベースの貫通孔に係合して当該コネクタハウジングを前記ターミナルベースに対して回転不能且つ離脱不能に固定する複数の係合爪と、前記バネ受け部材に突設された嵌合突起が選択的に嵌合することによってバネ受け部材の回転を阻止する複数の嵌合凹部を形成したことを特徴とする。
【0011】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の発明において、前記コネクタハウジングに前記ターミナルベースの貫通孔を貫通する複数のリブ状突起を形成し、各リブ状突起に前記係合爪をそれぞれ形成するとともに、隣接する2つのリブ状突起の間に前記嵌合凹部を形成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1記載の発明によれば、ターミナルベースの基板取付部をバネ受け部材の中空部分を貫通して配設したため、圧力スイッチにおいて最も大きな配置スペースを確保することができる中央部に基板や電子部品を配置することができ、当該圧力スイッチの大型化をを防ぐことができる。
【0013】
請求項2記載の発明によれば、バネ受け部材の外周縁に高さの異なる複数の係合段部を周方向に形成したため、該バネ受け部材を支持部材に対して回転させると、支持部材の保持部に係合するバネ受け部材の係合段部が切り替えられて該バネ受け部材が支持部材に対して移動し、バネ受け部材に一端が受けられたバネ部材が伸縮してその付勢力が微調整される。このため、調整ネジ等を用いることなく1種類のバネ受け部材によってバネ部材の付勢力を微調整することができ、部品点数を削減することができる。
【0014】
請求項3記載の発明によれば、ターミナルベースをボディに組み付けた状態においてバネ受け部材の一端面に突設された嵌合突起がターミナルベースの貫通孔に露出するようにしたため、ターミナルベースの貫通孔に露出するバネ受け部材の嵌合突起を操作して該バネ受け部材を回転させてバネ部材の付勢力を微調整することができる。
【0015】
請求項4記載の発明によれば、バネ部材の付勢力を調整した後にターミナルベースにコネクタハウジングを取り付けると、該コネクタハウジングに形成された複数の係合爪がターミナルベースの貫通孔に係合し、コネクタハウジングがターミナルベースに対して回転不能且つ離脱不能に固定される。又、コネクタハウジングに形成された嵌合凹部にバネ受け部材の嵌合突起が嵌合し、バネ受け部材の回転が阻止されるため、バネ部材の付勢力が変化することがなく、調整ネジを用いた従来の付勢力調整機構において必要であったネジロック剤等が不要となる。
【0016】
請求項5記載の発明によれば、コネクタハウジングにターミナルベースの貫通孔を貫通する複数のリブ状突起を形成したため、各リブ状突起に係合爪を容易に形成することができるとともに、隣接する2つのリブ状突起の間の空間を嵌合凹部として有効に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係る圧力スイッチの斜視図である。
【図2】本発明に係る圧力スイッチの側面図である。
【図3】本発明に係る圧力スイッチの側断面図である。
【図4】図2のA−A線断面図である。
【図5】本発明に係る圧力スイッチの分解斜視図である。
【図6】本発明に係る圧力スイッチのバネ受け部材の斜視図である。
【図7】本発明に係る圧力スイッチの付勢力調整機構部分の側断面図である。
【図8】本発明に係る圧力スイッチの付勢力調整機構部分の斜視図である。
【図9】本発明に係る圧力スイッチのターミナルベースをボディに組み付けた状態を示す斜視図である。
【図10】本発明に係る圧力スイッチのバネ受け部材とターミナルベース及びコネクタハウジングとの関係を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0019】
図1は本発明に係る圧力スイッチの斜視図、図2は同圧力スイッチの側面図、図3は同圧力スイッチの側断面図、図4は図2のA−A線断面図、図5は同圧力スイッチの分解斜視図、図6は同圧力スイッチのバネ受け部材の斜視図、図7は同圧力スイッチの付勢力調整機構部分の側断面図、図8は同圧力スイッチの付勢力調整機構部分の斜視図、図9は同圧力スイッチのターミナルベースをボディに組み付けた状態を示す斜視図、図10は同圧力スイッチのバネ受け部材とターミナルベース及びコネクタハウジングとの関係を示す側面図である。
【0020】
本発明に係る圧力スイッチ1は、大小異径の円筒状のボディ2を備えており、該ボディ2の小径部2Aの軸中心部には図3に示すように円孔状の通孔3が貫設されている。そして、図3に示すように、ボディ2の大径部2Bの内部には円筒状の支持部材4が嵌着されており、この支持部材4の内部には有底筒状のブッシュブロック5が軸方向(図3の左右方向)に摺動可能に嵌装されている。ここで、図5に示すように、プッシュブロック5の外周3箇所には軸方向に長いリブ状のガイド突起5aが突設されており、これらのガイド突起5aは、支持部材4の内周3箇所(ガイド突起5aに対応する3箇所)に軸方向に形成されたガイド溝4a(図3及び図5参照)に嵌合しており、これによってプッシュブロック5の回り止めがなされている。
【0021】
上記プッシュブロック5の上下には、図3及び図5に示すように矩形孔5bが形成されており、これらの矩形孔5bには矩形ブロック状のマグネット(永久磁石)6がそれぞれ装着されている。
【0022】
又、図3に示すように、ボディ2内には、前記通孔3が連通する内空間を閉じて圧力室Sを形成する撓曲可能なダイヤフラム7がその外周縁をボディ2と支持部材4によって挟持される状態で設けられている。
【0023】
更に、支持部材4の内部には、図3に示すように円環状(中空状)のバネ受け部材8が軸方向に移動可能且つ回転可能に嵌装されており、前記プッシュブロック5は、これと前記バネ受け部材8との間に縮装されたバネ部材(コイルスプリング)9によって前記ダイヤフラム7を押圧する方向(図3の左方)に付勢されている。ここで、プッシュブロック5のダイヤフラム7側の一端面中心部には円形の突部5cが一体に突設されており、この突部5cは、支持部材4の一端開口部を通してダイヤフラム7に当接している。尚、プッシュブロック5は、そのダイヤフラム7側の一端面の周縁が図3に示すように支持部材4の一端開口部内周に形成されたストッパ部4bに当接することによって軸方向の移動が規制されている。
【0024】
前記バネ受け部材8の前記バネ部材9を受ける面とは反対側の面(反バネ受け面)の相対向する2箇所には、図6に示すように四角柱状の嵌合突起8Aが軸方向に一体に突設されている。又、図6に示すように、バネ受け部材8の反バネ受け面外周縁の周方向3箇所には、高さ(深さ)が異なる4つの係合段部8a,8b,8c,8dが周方向に沿ってそれぞれ形成されている。
【0025】
他方、図8に示すように、支持部材4の他端(バネ受け部材8が配置された側)の開口部内周の3箇所には径方向内方に向かって突出する保持部4cが形成されており、これら保持部4cに、バネ受け部材8の反バネ受け面の3箇所にそれぞれ形成された係合段部8a〜8dの1つが選択的に係合する(図3、図7及び図8参照)。従って、バネ受け部材8を回転させ、該バネ受け部材8の係合段部8a〜8dのうち支持部材4の保持部4cに係合する1つを変更することによってバネ受け部材8を軸方向に4段階に移動させることができ、このバネ受け部材8の移動によってバネ部材9を伸縮させてその付勢力(プッシュブロック5の押圧力)を微調整することができる。
【0026】
更に、図3に示すように、ボディ2内にはターミナルベース10が収容されており、このターミナルベース10は、円板状のフランジ部10Aと、該フランジ部10Aから軸方向に水平に一体に延出する基板取付部10Bを備えている。
【0027】
上記ターミナルベース10のフランジ部10Aの左右には、図4、図5及び図9に示すように円弧状の貫通孔10aが形成されており、フランジ部10Aは、図3に示すように支持部材4の端面に当接している。又、ターミナルベース10の水平に延びる基板取付部10Bは、図3に示すようにバネ受け部材8の中空部分を貫通して支持部材4の内部に挿入されており、その前端面には磁気検出手段であるホール素子11が取り付けられている。尚、このホール素子11は、前記プッシュブロック5に装着された前記マグネット6の磁界の変化を検出するものである。
【0028】
又、ターミナルベース10の基板取付部10B上には基板12が取付支持されており、この基板12の一端には図3に示すように前記ホール素子11が3本のターミナル13によって電気的に接続されている。そして、基板12の他端にはL字状に折曲された3本のターミナル14の一端垂直部が差し込まれて電気的に接続されており、3本のターミナルは14は、ターミナルベース10のフランジ部10Aを貫通してホディ2外に水平に延出している。そして、図9に示すように、ターミナルベース10のフランジ部10Aにおいては、3本のターミナル14の周囲に円弧状の左右の前記貫通孔10aが形成されている。尚、図3に示すように、基板12には複数の電子部品15が実装されている。
【0029】
而して、図5に示すように、以上説明した支持部材4、マグネット6、プッシュブロック5、バネ部材9、バネ受け部材8、ターミナルベース10、基板12及びこれに電気的に接続されたホール素子11等は、ダイヤフラム7の移動量(ボディ2内の圧力室Sに加えられる圧力)を検出するスイッチ機構を構成している。尚、図9に示すように、ボディ2は、内部にスイッチ機構を収容した状態で一端開口部をかしめている。
【0030】
ところで、図3に示すように、ターミナルベース10には、基板12から水平に延びる前記3本のターミナル14を覆うコネクタハウジング16が取り付けられており、その取付部の外周には略円筒状のキャップ17がアウトサート成形によってボディ2とコネクタハウジング16とに被着されている。尚、図5において、18はコネクタハウジング16に形成された呼吸孔16dをシールするシール部材であって、このシール部材18は、空気の通過は許容するが、水の通過は阻止する機能を有するものである。
【0031】
上記コネクタハウジング16の一端には、図5に示すように円環状のフランジ部16Aが一体に形成されており、このフランジ部16Aの端面の左右には各5本のリブ状突起16aが周方向に適当な間隔で円弧状を成して軸方向に一体に突設されている。そして、各リブ状突起16aには、図10に示すように係合爪16bがそれぞれ形成されており、隣接する2つのリブ状突起16aの間には嵌合凹部16cがそれぞれ形成されている。従って、左右の各5本ずつのリブ状突起16aの間には4つの嵌合凹部16cがそれぞれ形成されている。
【0032】
ところで、ターミナルベース10をボディ2に組み付けた状態であって、コネクタハウジング16をターミナルベース10に取り付ける前の状態では、バネ受け部材8の2つの嵌合突起8Aは、図9に示すようにターミナルベース10のフランジ部10Aに形成された左右の貫通孔10aに露出している。従って、この状態から嵌合突起8Aを操作してバネ受け部材8を回転させれば、前述のようにバネ受け部材8に形成された高さの異なる係合段部8a〜8dのうち支持部材4の保持部4cに係合する1つが変更されるため、バネ受け部材8が軸方向に移動し、このバネ受け部材8の移動によってバネ部材9が伸縮されてその付勢力(プッシュブロック5の押圧力)が微調整される。
【0033】
以上のようにしてバネ部材9の付勢力を微調整した後にコネクタハウジング16が図3及び図10に示すようにターミナルベース10に取り付けられるが、このコネクタハウジング16の取り付けは次のようになされる。
【0034】
即ち、コネクタハウジング16のフランジ部16Aに突設された左右5本ずつのリブ状突起16aをターミナルベース10のフランジ部10Aに形成された左右の各貫通孔10aにそれぞれ貫通させると、該リブ状突起16aにそれぞれ形成された係合爪16bが図3に示すようにターミナルベース10の貫通孔10aの周縁に係合するため、コネクタハウジング16がターミナルベース10に対して回転不能且つ離脱不能に固定される。
【0035】
そして、コネクタハウジング16がターミナルベース10に取り付けられると、ターミナルベース10の貫通孔10aを貫通して支持部材4の内部へと突出するコネクタハウジング16のリブ状突起16aの間に形成された4つの嵌合凹部16cの1つにバネ受け部材8の嵌合突起8Aが図3、図4及び図10に示すように嵌合するため、バネ受け部材8の回転が阻止され、バネ部材9の付勢力が途中で変化することがない。
【0036】
而して、以上のように構成された圧力スイッチ1において、ボディ2内の圧力室Sに圧力が作用すると、その圧力による力を受けてダイヤフラム7とプッシュブロック5がバネ部材9の付勢力に抗して軸方向(図3の右方向)に移動するため、プッシュブロック5に装着された上下2つのマグネット6が同方向に同量だけ移動する。このようにマグネット6が移動すると、該マグネット6が発生する磁界が変化し、この磁界の変化がホール素子11によって検出されるが、ダイヤフラム7とプッシュブロック5及びマグネット6の移動量は圧力室Sに作用する圧力に比例するため、マグネット6に発生する磁界の変化がホール素子11によって検出されることによって圧力室S内の圧力が検出される。そして、検出された圧力が設定値を超える場合には当該圧力スイッチ1から信号が発せられて例えば不図示の警告灯が点灯して異常事態の発生を報知することが行われる。
【0037】
而して、本発明に係る圧力スイッチ1によれば、ターミナルベース10の基板取付部10Bをバネ受け部材8の中空部分を貫通して配設したため、当該圧力スイッチ1において最も大きな配置スペースを確保することができる中央部に基板12や電子部品15を配置することができ、圧力スイッチ1の大型化を防ぐことができる。
【0038】
又、本発明に係る圧力スイッチ1においては、バネ受け部材8の外周縁に高さの異なる複数の係合段部8a〜8dを周方向に形成したため、該バネ受け部材8を支持部材4に対して回転させると、支持部材4の保持部4cに係合するバネ受け部材8の係合段部8a〜8dの1つが切り替えられて該バネ受け部材8が支持部材4に対して移動し、バネ受け部材8に一端が受けられるバネ部材9が伸縮してその付勢力が微調整される。このため、調整ネジ等を用いることなく1種類のバネ受け部材8によってバネ部材9の付勢力を微調整することができ、部品点数を削減することができる。
【0039】
更に、本発明に係る圧力スイッチ1においては、ターミナルベース10をボディ2に組み付けた状態においてバネ受け部材8の一端面に突設された嵌合突起8Aがターミナルベース10の貫通孔10aに露出するようにしたため、ターミナルベース10の貫通孔10aに露出するバネ受け部材8の嵌合突起8Aを操作して該バネ受け部材8を回転させてバネ部材9の付勢力を微調整することができる。
【0040】
又、本発明に係る圧力スイッチ1では、バネ部材9の付勢力を調整した後にターミナルベース10にコネクタハウジング16を取り付けると、該コネクタハウジング16に形成された複数の係合爪16bがターミナルベース10の貫通孔10aに係合し、コネクタハウジング16がターミナルベース10に対して回転不能且つ離脱不能に固定される。又、コネクタハウジング16に形成された嵌合凹部16cにバネ受け部材8の嵌合突起8Aが嵌合し、バネ受け部材8の回転が阻止されるため、バネ部材9の付勢力が変化することがなく、調整ネジを用いた従来の付勢力調整機構において必要であったネジロック剤等が不要となる。特に、本実施の形態では、コネクタハウジング16にターミナルベース10の貫通孔10aを貫通する複数のリブ状突起16aを形成したため、各リブ状突起16aに係合爪16bを容易に形成することができるとともに、隣接する2つのリブ状突起16aの間の空間を嵌合凹部16cとして有効に利用することができる。
【符号の説明】
【0041】
1 圧力スイッチ
2 ボディ
2A ボディの小径部
2B ボディの大径部
3 ボディの通孔
4 支持部材
4a 支持部材のガイド溝
4b 支持部材のストッパ部
4c 支持部材の保持部
5 プッシュブロック
5a プッシュブロックのガイド突起
5b プッシュブロックの矩形孔
5c プッシュブロックの突部
6 マグネット
7 ダイヤフラム
8 バネ受け部材
8A バネ受け部材の嵌合突起
8a〜8d バネ受け部材の係合段部
9 バネ部材
10 ターミナルベース
10A ターミナルベースのフランジ部
10B ターミナルベースの基板取付部
10a ターミナルベースの貫通孔
11 ホール素子(磁気検出手段)
12 基板
13 ターミナル(ホール素子)
14 ターミナル
15 電子部品
16 コネクタハウジング
16A コネクタハウジングのフランジ部
16a コネクタハウジングのリブ状突起
16b コネクタハウジングの係合爪
16c コネクタハウジングの嵌合凹部
16d コネクタハウジングの呼吸孔
17 キャップ
18 シール部材
S 圧力室


【特許請求の範囲】
【請求項1】
通孔を有するボディと、該ボディの前記通孔が連通する内空間を閉じて圧力室を形成するダイヤフラムと、該ダイヤフラムの移動量を検出するスイッチ機構を有する圧力スイッチにおいて、
前記スイッチ機構を、
前記ボディ内に配設された支持部材と、
該支持部材の内部に摺動可能に支持され、前記支持部材に形成された開口部を通して前記ダイヤフラムに当接するプッシュブロックと、
該プッシュブロックに支持されたマグネットと、
一端が前記プッシュブロックに当接するバネ部材の他端に当接する中空のバネ受け部材と、
前記マグネットが発生する磁界の変化を検出する磁気検出手段と、
該磁気検出手段及びこの磁気検出手段と電気的に接続された基板を支持する基板取付部を有するターミナルベースと、
を含んで構成するとともに、
前記ターミナルベースの前記基板取付部を前記バネ受け部材の中空部分を貫通して配設したことを特徴とする圧力スイッチ。
【請求項2】
前記バネ受け部材を前記支持部材によって回転可能に支持するとともに、前記支持部材の内面に保持部を形成し、該保持部に、前記バネ受け部材の外周縁に周方向に形成された高さの異なる複数の係合段部の1つを選択的に係合させたことを特徴とする請求項1記載の圧力スイッチ。
【請求項3】
前記ターミナルベースの一端面に、前記基板に電気的に接続されたターミナルを突設するとともに、該ターミナルの周囲に貫通孔を形成し、当該ターミナルベースを前記ボディに組み付けた状態において前記バネ受け部材の一端面に突設された嵌合突起が該ターミナルベースの前記貫通孔に露出するよう構成したことを特徴とする請求項2記載の圧力スイッチ。
【請求項4】
前記ターミナルを覆うコネクタハウジングを前記ターミナルベースに取り付け、該コネクタハウジングに、前記ターミナルベースの貫通孔に係合して当該コネクタハウジングを前記ターミナルベースに対して回転不能且つ離脱不能に固定する複数の係合爪と、前記バネ受け部材に突設された嵌合突起が選択的に嵌合することによってバネ受け部材の回転を阻止する複数の嵌合凹部を形成したことを特徴とする請求項3記載の圧力スイッチ。
【請求項5】
前記コネクタハウジングに前記ターミナルベースの貫通孔を貫通する複数のリブ状突起を形成し、各リブ状突起に前記係合爪をそれぞれ形成するとともに、隣接する2つのリブ状突起の間に前記嵌合凹部を形成したことを特徴とする請求項4記載の圧力スイッチ。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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