説明

圧力波発生器用の駆動システム

ダイヤフラム型圧力波発生器を駆動する駆動システムであって、往復動可能な駆動ピストン(19)の互いに反対側の端部に又はこのような端部寄りにそれぞれ結合された互いに反対側の第1及び第2のダイヤフラム(11,13)を有する、駆動システム。駆動システムは、力が小さく且つストロークが長い往復動出力を生じさせる操作可能なアクチュエータ(27)を有する。駆動システムは、アクチュエータと駆動ピストンとの間に作動的に結合された油圧増幅器を更に有し、油圧増幅器は、アクチュエータからの往復動出力を力が大きく且つストロークが短い増幅出力に変換し、そして増幅出力を駆動ピストンに加え、それにより駆動ピストン及び互いに反対側のダイヤフラム(11,13)を往復動させて圧力波を発生させるよう構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧力波発生器用の駆動システムに関する、詳細には、駆動システムは、極低温冷凍システムで用いられているダイヤフラム型圧力波発生器を駆動するためのものであるが、これには限られない。
【背景技術】
【0002】
多くの極低温冷凍装置、例えばスターリング冷凍機やパルス管は、往復動圧力波によって駆動される。従来、圧力波を発生させるにはリニアモータによって駆動される隙間型ピストンが用いられているが、これら技術は、コストのこのような技術である。ごく最近、ダイヤフラムを利用した圧力波発生器が提案された。これらダイヤフラム型圧力波発生器は、圧力波を効率的且つ費用効果の良い仕方で発生させるよう往復動方式で操作される低コストダイヤフラムを用いている。極低温冷凍システム用のダイヤフラム型圧力波発生器の顕著な利点は、ダイヤフラムがダイヤフラムを往復動させる駆動システムから、極低温冷却器により必要とされるクリーンなガス環境を分離するということにある。これにより、安価な駆動コンポーネント、例えば標準型回転及びクランク機構体を圧力波発生器に用いることができる。
【0003】
一例を挙げると、国際公開第2006/112741号パンフレットは、一形態として、圧力波を生じさせるよう往復動駆動ピストンによって往復動状態で動かされる一対の互いに反対側のダイヤフラムを有するダイヤフラム型圧力波発生器を提案している。
【0004】
特許文献明細書、他の外国文献及び他の情報源を参照する本明細書において、これは、一般に、本発明の特徴を説明するための技術背景を提供する目的のためである。別段の指定がなければ、このような外国文献を参照することが、このような文献又はこのような情報源が管轄下における先行技術であり又は当該技術分野における通常の知識の一部をなすという承認として解されるべきではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2006/112741号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、ダイヤフラム型圧力波発生器用の改良型駆動システムを提供し又は少なくとも公衆に有用な選択肢を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の態様では、本発明の要旨は、広義には、ダイヤフラム型圧力波発生器を駆動する駆動システムであって、圧力波発生器は、往復動可能な駆動ピストンの互いに反対側の端部に又はこれら端部寄りにそれぞれ結合された互いに反対側の第1のダイヤフラムと第2のダイヤフラムを有し、駆動システムは、往復動出力を発生させる操作可能なアクチュエータと、アクチュエータの出力によって、2つの端部を備えた複動平衡型マスターシリンダ内で往復動の状態に駆動されるマスターピストンと、スレーブシリンダ内でそれぞれ往復動可能な互いに反対側のスレーブピストンとを有し、各スレーブピストンは、駆動ピストンのそれぞれの端部に作用するよう配置され、各スレーブピストンは、駆動ピストンのそれぞれの端部に作用するよう配置され、各スレーブシリンダは、マスターピストンがマスターシリンダとスレーブシリンダとの間で動く作動油を介してスレーブピストンを駆動するよう作動油連通可能にマスターシリンダのそれぞれの端部に作動的に連結され、スレーブピストンは、マスターピストンよりも広い横断面積を有し、力が小さく且つストロークが長いマスターピストンの往復運動により、力が大きく且つストロークが短いスレーブピストンの往復運動が生じ、それにより駆動ピストン及び互いに反対側のダイヤフラムを往復動させて圧力波を発生させるようになっていることを特徴とする駆動システムにある。
【0008】
一形態では、マスターシリンダとスレーブシリンダと作動油をマスターピストンの運動に応答してシリンダ相互間で運ぶ油圧ラインによって間接的に作動的に連結されるのが良い。好ましくは、マスターシリンダは、マスターピストンの各側に第1のチャンバ及び第2のチャンバを有し、各チャンバは、マスターシリンダの端部のところ又はこの端部寄りに形成され、油圧ラインは、作動油をマスターシリンダの第1及び第2のシリンダとそれぞれのスレーブシリンダとの間で運ぶ。
【0009】
好ましくは、駆動システムは、マスターピストンの一方の側からマスターシリンダの第1のチャンバを貫通して延びるピストンロッドと、マスターピストンの反対側の端部からマスターシリンダの第2のチャンバを貫通して延びる釣合いロッドとを更に有する。より好ましくは、ピストンロッドは、マスターピストンをそのマスターシリンダ内で往復動させるためにアクチュエータの出力に結合されるのが良い。
【0010】
好ましくは、アクチュエータは、コンロッドが結合されているクランクを備えた回転可能なクランクシャフトを有し、モータによるクランクシャフトの回転によってコンロッドの往復動が生じ、コンロッドは、マスターピストンのピストンロッドに作動的に結合されていて、該ピストンロッドをそのマスターシリンダ内における往復動の状態で前後に駆動する。
【0011】
別の形態では、マスターシリンダとスレーブシリンダは、シリンダが同一のシリンダキャビティを共有するよう互いに直接的に結合される。好ましくは、マスターシリンダの各端部は、それぞれのスレーブシリンダ内に直接延びる。より好ましくは、マスターシリンダとスレーブシリンダは、一コンポーネントとして一体に形成されるが、変形例として、マスターシリンダ及びスレーブシリンダは、互いに固定される別々のコンポーネントであっても良い。
【0012】
好ましくは、アクチュエータは、マスターピストンの互いに反対側に配置された一対の逆回転クランクシャフトを有するのが良く、クランクシャフトは、同期逆回転を達成するような仕方で一つの歯車によって互いに連結され、各クランクシャフトは、コンロッドが結合されているクランクを有し、コンロッドは、マスターピストンに結合されているリンクバーのそれぞれの端部に作動的に結合され、モータによるクランクシャフトの回転により、リンクバーの往復動が生じ、それによりマスターピストンがそのマスターシリンダ内で往復動する。
【0013】
好ましくは、駆動ピストンは、その長手方向中心を通る駆動ピストン軸線に沿って前後に往復動する。より好ましくは、スレーブピストンは、駆動ピストンの駆動ピストン軸線と実質的に同軸のスレーブピストン軸線に沿って前後に往復動するよう構成される。一形態では、マスターピストンは、スレーブピストン軸線に実質的に垂直に延びるマスターピストン軸線に沿って前後に往復動するよう構成されている。別の形態では、マスターピストンは、スレーブピストン軸線に実質的に平行であり又はこれと整列したマスターピストン軸線に沿って前後に往復動するよう構成されている。
【0014】
好ましくは、駆動ピストンは、互いに反対側の円形頂端板及び底端板を備えた本体を有するのが良く、第1のダイヤフラム及び第2のダイヤフラムは、内縁部及び外縁部を備えた環状であり、第1のダイヤフラム及び第2のダイヤフラムの内縁部は、駆動ピストンの頂端板及び底端板のそれぞれの外周縁部に固定され、ダイヤフラムの外縁部は、圧力波発生器のハウジング内に固定される。
【0015】
好ましくは、駆動ピストンの頂端板及び底端板は、それぞれのガス空間に面した外面を有するのが良く、ダイヤフラムは、ガス空間内で動いて圧力波を生じさせ、駆動ピストンの頂端板及び底端板は、駆動ピストンの本体及び互いに反対側のダイヤフラム相互間の密閉環境に向かって内方に向いた内面を更に有する。
【0016】
一形態では、駆動システム全体は、実質的に、圧力波発生器のハウジング内において互いに反対側のダイヤフラム相互間に配置されるのが良い。別の形態では、操作可能アクチュエータ、マスターピストン、及びマスターシリンダは、圧力波発生器のハウジングの外側に配置される。
【0017】
一形態では、スレーブピストンの各々は、スレーブピストンのそのスレーブシリンダからの伸長により同一方向における駆動ピストンの対応の変位が生じるよう駆動ピストンのそれぞれの端板の内面に当接するよう配置されるのが良い。別の形態では、スレーブピストンの各々は、スレーブピストンのそのスレーブシリンダからの伸長により同一方向における駆動ピストンの対応の変位が生じるよう駆動ピストンのそれぞれの端板の内面に固定される。
【0018】
好ましくは、各スレーブシリンダは、スレーブピストンが作動中、これらのそれぞれのスレーブシリンダから所定の距離を超えて伸長した場合に作動油を1つ又は複数のタンクに逃がすよう構成された1本又は複数本のリリーフダクトを有する。
【0019】
好ましくは、駆動システムは、必要な場合に作動油をリザーバタンクからマスターシリンダ及び/又はスレーブシリンダ内に圧送して作動油供給源を満杯にするよう構成されている油圧ポンプを更に有するのが良い。より好ましくは、油圧ポンプは、1つ又は2つ以上の逆止弁を備えた作動油送給ラインを介して作動油をマスターシリンダ及び/又はスレーブシリンダ内に圧送するよう構成されるのが良い。
【0020】
好ましくは、マスターピストンとスレーブピストンの断面積の比は、約1:5〜約1:15であるのが良い。より好ましくは、マスターピストンとスレーブピストンの断面積の比は、約1:10である。
【0021】
作用を説明すると、マスターピストンがそのマスターシリンダ内で前後に往復動しているとき、スレーブピストンは、これらのそれぞれ対応のスレーブシリンダからの伸長とこれらスレーブシリンダ内への戻りを交互に行うことにより往復運動して駆動ピストン及び互いに反対側のダイヤフラムの往復運動を生じさせ、それにより圧力波を発生させる。例えば、一方のスレーブピストンが伸長しているとき、反対側のスレーブピストンは引っ込んでいる。
【0022】
一形態では、ダイヤフラム型圧力波発生器は、極低温冷凍システム、例えばスターリング冷凍機及びパルス管又はヒートポンプを駆動するために利用されるのが良い。変形形態では、ダイヤフラム型圧力波発生器は、極低温冷凍システム用のヘリウムポンプとして又は流体及び/又はガスのためのポンプとして利用されるのが良い。
【0023】
第2の形態では、本発明の要旨は、広義には、ダイヤフラム型圧力波発生器を駆動する駆動システムであって、圧力波発生器は、往復動可能な駆動ピストンの互いに反対側の端部に又はこれら端部寄りにそれぞれ結合された互いに反対側の第1のダイヤフラム及び第2のダイヤフラムを有し、駆動システムは、力が小さく且つストロークが長い往復動出力を発生させる操作可能なアクチュエータと、アクチュエータと駆動ピストンとの間に作動的に結合された油圧増幅器とを有し、油圧増幅器は、アクチュエータからの往復動出力を力が大きく且つストロークが短い増幅出力に変換し、そして増幅出力を駆動ピストンに加え、それにより駆動ピストン及び互いに反対側のダイヤフラムを往復動させて圧力波を発生させるよう構成されていることを特徴とする駆動システムにある。
【0024】
好ましくは、油圧増幅器は、アクチュエータの出力によって、2つの端部を備えた複動平衡型マスターシリンダ内で往復動の状態に駆動されるマスターピストンと、スレーブシリンダ内でそれぞれ往復動可能な互いに反対側のスレーブピストンとを有し、各スレーブピストンは、駆動ピストンのそれぞれの端部に作用するよう配置され、各スレーブピストンは、駆動ピストンのそれぞれの端部に作用するよう配置され、各スレーブシリンダは、マスターピストンがマスターシリンダとスレーブシリンダとの間で動く作動油を介してスレーブピストンを駆動するよう作動油連通可能にマスターシリンダのそれぞれの端部に作動的に連結され、スレーブピストンは、マスターピストンよりも広い横断面積を有し、力が小さく且つストロークが長いマスターピストンの往復運動により、力が大きく且つストロークが短いスレーブピストンの往復運動が生じ、それにより駆動ピストン及び互いに反対側のダイヤフラムを往復動させて圧力波を発生させるようになっている。
【0025】
第3の態様では、本発明の要旨は、広義には、往復動可能な駆動ピストンの互いに反対側の端部に又はこれら端部寄りにそれぞれ結合された互いに反対側の第1のダイヤフラム及び第2のダイヤフラムを駆動する駆動システムであって、駆動システムは、往復動出力を発生させる操作可能なアクチュエータと、アクチュエータの出力によって、2つの端部を備えたマスターシリンダ内で往復動の状態に駆動されるマスターピストンと、スレーブシリンダ内でそれぞれ往復動可能な互いに反対側のスレーブピストンとを有し、各スレーブピストンは、駆動ピストンのそれぞれの端部に作用するよう配置され、各スレーブピストンは、駆動ピストンのそれぞれの端部に作用するよう配置され、各スレーブシリンダは、マスターピストンがマスターシリンダとスレーブシリンダとの間で動く作動油を介してスレーブピストンを駆動するよう作動油連通可能にマスターシリンダのそれぞれの端部に作動的に連結され、スレーブピストンは、マスターピストンよりも広い横断面積を有し、力が小さく且つストロークが長いマスターピストンの往復運動により、力が大きく且つストロークが短いスレーブピストンの往復運動が生じ、それにより駆動ピストン及び互いに反対側のダイヤフラムを往復動させるようになっていることを特徴とする駆動システムにある。
【0026】
原文明細書及び原文特許請求の範囲で用いられる“comprising(訳文では、「〜を有する」と訳している場合が多い)”は、“consisting at least in part of(少なくとも一部が〜から成る)”を意味する。この用語“comprising”を含む原文明細書及び原文特許請求の範囲中の記載を解釈する場合、各記載におけるこの用語以外の特徴又はこの用語の後の特徴は、存在していても良い。例えば“comprise”や“comprises ”のような関連用語は、同様に解されるべきである。
【0027】
本発明の要旨は、上述の内容にあり、又、以下に例示として与えられる構成を想定している。
【0028】
添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明するが、これは例示に過ぎない。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の駆動システムの第1の好ましい形態の略図である。
【図2】本発明の駆動システムの第2の好ましい形態の略図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明は、ダイヤフラム利用型圧力波発生器を駆動する駆動システムに関する。特に、この駆動システムは、互いに反対側の第1及び第2のダイヤフラムを有する圧力波発生器の駆動に適しているが、これには限られない。一例を挙げると、駆動システムを国際公開第2006/112741号パンフレットで提案されたダイヤフラム型圧力波発生器等と関連して説明する。なお、この国際公開を参照により援用し、その記載内容を本明細書の一部とする。
【0031】
駆動システムの第1の好ましい形態
図1を参照すると、ダイヤフラム型圧力波発生器用の第1の好ましい形態としての駆動システム10が示されており、これについて説明する。分かりやすくするために、圧力波発生器の互いに反対側のダイヤフラム11,13及び駆動ピストン19しか示されていない。残りのコンポーネント、例えばハウジング及び入口/出口ポート並びに圧力波発生器の一般的動作原理については国際公開第2006/112741号パンフレットに記載されている。圧力波発生器は、駆動ピストン19を有し、この駆動ピストンは、互いに反対側の円形頂端板21及び底端板23を備えた本体を有する。第1のダイヤフラム11及び第2のダイヤフラム13は、環状であり、これらの内縁部は、駆動ピストン19の頂端板21及び底端板23のそれぞれの外周縁部に固定されている。ダイヤフラムの外縁部は、圧力波発生器のハウジング(図示せず)内の箇所25に固定され又は固着されている。
【0032】
動作原理を説明すると、駆動システムは、互いに反対側の環状ダイヤフラム11,13の中心を通り、矢印A,Bで示されている長手方向駆動ピストン軸線に沿って駆動ピストン19を前後に往復動させる。駆動ピストン19が軸方向に往復動しているとき、ダイヤフラム11,13は、前後に往復動して圧力波を圧力波発生器のハウジングのこれらそれぞれの対応のガス空間15,17内に生じさせる。駆動ピストン19の頂端板21及び底端板23はそれぞれ、外面21a,23a及び内面21b,23bを有している。端板21,23の外面21a,23aは、それぞれ対応のガス空間15,17内に面しており、圧力波は、このようなガス空間内で生じる。端板21,23の内面21b,23bは、ダイヤフラム11,13相互間で圧力波発生器のハウジング内に提供されている密閉環境内に向かって面している。
【0033】
駆動ピストン19を往復動させる駆動システムは、互いに反対側のダイヤフラム11,13相互間に配置されている。駆動システムは、全体として同一高さ位置に、力が小さく且つストロークが長い往復動出力を発生させる操作可能なアクチュエータと、アクチュエータと駆動ピストン19との間に作動的に結合されていて、アクチュエータからの往復動出力を力が大きく且つストロークが長く駆動ピストンを往復動させる増幅出力に変換する油圧増幅器とを有している。動作原理を説明すると、駆動システムは、相当大きな力を比較的短い距離にわたって駆動ピストン19にもたらして例えば圧力波発生器に連結されている1つ又は複数の極低温冷凍システムを駆動するのに必要な圧力波を発生させなければならない。油圧増幅器により、駆動ピストンを往復動させるのに必要な大きな力及び短いストロークを効率的且つ低コストの直線アクチュエータで発生させることができ、このアクチュエータは、力が小さく且つストロークの長い往復動出力を発生させる。
【0034】
第1の好ましい形態では、操作可能なアクチュエータは、コンロッド31が結合されているクランク29を備えた回転可能なクランクシャフト27を有している。動作原理を説明すると、モータが回転可能なクランクシャフト27を駆動し、それにより力が小さく且つストロークが長い出力でコンロッド31を往復動させる。変形例として、理解されるように、力が小さく且つストロークが長い出力を発生させる他の操作可能なアクチュエータを利用しても良い。例えば、変形例として、所望ならば、往復動を生じさせるスコッチ・ヨーク(Scotch Yoke)、アトキンソン(Atkinson)機構体、リニアモータ又は他の機構体を使用することができる。
【0035】
第1の好ましい形態では、油圧増幅器は、マスターシリンダ35内で往復動可能なマスターピストン33を有し、マスターシリンダは、マスターピストンの各側に形成された第1のチャンバ35a及び第2のチャンバ35bを有している。マスターピストン33は、マスターピストンの中心を通り、矢印C,Dで示されているマスターピストン軸線に沿って軸方向前後に往復動するよう構成されている。第1の好ましい形態では、マスターシリンダ35は、平衡型複動油圧シリンダの形態をしている。油圧増幅器も又、互いに反対側の頂部側スレーブピストン37及び底部側スレーブピストン39を有し、これらスレーブピストンは、それぞれ頂部側スレーブシリンダ41及び底部側スレーブシリンダ43内で往復動可能である。マスターシリンダ35の第1のチャンバ35a及び第2のチャンバ35bは、作動油を運ぶ油圧ライン45,47によってそれぞれ対応のスレーブシリンダ41,43に油圧的に結合されている。理解されるように、油圧ライン45,47は、硬質であれ軟質であれ、いずれでも良い任意適当な形態の導管又は管であって良い。
【0036】
スレーブピストン37,39は各々、駆動ピストン19のそれぞれ対応の頂端板21又は底端板23の内面21b,23bに当接し又はこれらに結合されている。動作原理を説明すると、マスターシリンダ35内におけるマスターピストン33の往復動により、作動油は、スレーブシリンダ41,43への作動油の送り込みと送り出しが交互に行われ、それによりスレーブピストン37,39は、交互のサイクルをなすこれらそれぞれ対応のスレーブシリンダからの往復伸長と引っ込みを行う。スレーブピストン37,39の伸長又は引っ込みにより、これに対応した駆動ピストン19の変位及びそれによりダイヤフラム11,13の往復動が生じ、それにより圧力波が発生する。スレーブピストン37,39は、好ましくは、互いに反対側のピストンの中心を通る共通のスレーブピストン軸線に沿って軸方向前後に往復動するが、必ずしもそうである必要はない。好ましくは、スレーブピストンは、これらスレーブピストン軸線が駆動ピストン軸線ABと実質的に整列するよう駆動ピストン内の中心に配置されており、その結果、駆動ピストンとスレーブピストンは、同軸になっている。変形例として、駆動ピストン軸線とスレーブピストン軸線は、少なくとも互いに平行である。第1の好ましい形態では、スレーブピストン軸線は、マスターピストン軸線CDに実質的に垂直である。しかしながら、理解されるように、スレーブピストン軸線は、駆動システムの変形形態ではマスターピストン軸線CDに対し任意の角度をなしていても良い。
【0037】
油圧増幅器の構成では、スレーブピストン37,39は、駆動ピストン19に対して同一方向に働くよう協調された仕方でこれらそれぞれ対応のシリンダ41,43内で往復状態で伸縮するよう配置されている。換言すると、一方のスレーブピストンが伸長しているとき、他方のスレーブピストンは引っ込んでいる。一例を挙げると、マスターピストン33がマスターシリンダ35の第1のチャンバ35a内に動くと、作動油は、頂部側スレーブシリンダ41内に圧送され、それにより頂部側スレーブピストン37が伸長して駆動ピストン19の頂端板21に上方に作用し、それにより駆動ピストンが対応の上方変位で動く。駆動ピストン19の上方変位により底端板23は、底部側スレーブピストン39に上方に作用し、それにより底部側スレーブピストン39がそのスレーブシリンダ43内に引っ込み、それにより作動油がマスターシリンダ35の第2のチャンバ35b内に圧送される。マスターピストン33がマスターシリンダ35の第2のチャンバ35b内に動く場合には逆のことが起こり、その結果、底部側スレーブピストン39の伸長及び頂部側スレーブピストン37の引っ込み並びにこれに対応した駆動ピストン19の下方変位が生じる。
【0038】
第1の好ましい形態では、スレーブピストン37,39は、マスターピストン33よりも大きな表面積又は横断面積を有し、その結果、力が小さく且つストロークが長いマスターピストンの往復動が、力が大きく且つストロークが短いスレーブピストンの対応の往復動に変換され、それにより駆動ピストン19が圧力波を発生させる所要の仕方で往復動する。
【0039】
第1の好ましい形態では、ピストンロッド49がアクチュエータのコンロッド31への回動連結(34)可能にマスターピストン33の一方の側からマスターシリンダ35の第1のチャンバ35aを貫通して延びている。オプションとして、釣合いロッド51がマスターピストン33の反対側からマスターシリンダ35の第2のチャンバ35bを貫通して延びるのが良い。
【0040】
第1の好ましい形態では、マスターピストン33及びマスターシリンダ35(以下、ひとまとめに「マスターシステム」という)並びにスレーブピストン37,39及びそれぞれ対応のスレーブシリンダ41,43(以下、ひとまとめに「スレーブシステム」という)は、互いに分離されているが、油圧ライン45,47を介して互いに連結されると共に流体連通状態にある。操作可能なアクチュエータ及びマスターシステムが実質的に、圧力波発生器の同一ハウジング内で互いに反対側のダイヤフラム11,13相互間に配置された状態で図1に示されているが、理解されるように、変形形態では、操作可能なアクチュエータ及びマスターシステムは、圧力波発生器からずらされた別個のハウジング内に配置されても良い。実際、操作可能なアクチュエータ及びマスターシステムは、用途に応じて任意所望の距離だけスレーブシステム及びダイヤフラム装置11,13からずらされるのが良い。例えば、マスターシステムとスレーブシステムを連結する油圧ライン45,47は、任意適当な長さのものであって良く、これら油圧ラインは、変形形態においてマスターシステム及びその関連の操作可能なアクチュエータをスレーブシステム及び圧力波発生器ハウジングの構成に対して別個のハウジング、モジュール又は環境内に外部に設けることができるよう設計変形可能である。
【0041】
油圧増幅システムは、好ましくは、スレーブシリンダ41,43内に連結されたリリーフダクト53を有するが、必ずしもそうである必要はない。リリーフダクト53は、開いていて、万が一スレーブ部分37,39がこれらそれぞれ対応のスレーブシリンダ41,43からあまりも遠くに(この距離は、例えば、所定の距離であるのが良い)延びた場合、作動油をオーバーフローライン80経由で1つ又は複数のリザーバタンク55に逃がす。追加的に又は代替的に、作動油供給ライン60は、これら自体、リリーフダクトとしての役目を果たしても良い。また、万一駆動システムの作動中に満杯にする作動油が必要になった場合、作動油を油圧ライン45,47内に注入するために1つ又は複数のリザーバタンク55によって給油される油圧ポンプ57が設けられる。好ましくは、満杯状態の作動油供給ライン60内への逆流を防止するために逆止弁59が設けられる。ただし、これら逆止弁は、オプションである。動作原理を説明すると、逆止弁59は、作動油がそれぞれ対応の油圧ライン45,47内においてその最も低いところに位置しているとき、それぞれ対応のスレーブピストン37,39の引っ込み又は戻りストローク時に開く。理解されるように、逆止弁59は、必ずしも、油圧ライン45,47に連結されなければならないということはなく、これら逆止弁は、変形例として、所望ならば入力ポートを介してマスターシリンダ35の第1のチャンバ35a及び第2のチャンバ35bに又は油圧系中の他の適当な場所に直接連結されても良い。別の変形形態では、スレーブピストンストロークの底のところで開く固定ポート動作手段が設けられても良い。
【0042】
駆動システムの第2の好ましい形態
図2を参照して第2の好ましい形態としての駆動システム20について説明する。第2の好ましい形態としての駆動システム20は、第1の好ましい形態としての駆動システム10と動作原理がほぼ同じであり、同一の参照符号は、同一又は類似のコンポーネントを示している。第1の形態10と第2の形態20の大きな差は、操作可能なアクチュエータ及び油圧増幅器の構成にある。
【0043】
第2の好ましい形態では、マスターシリンダ35とスレーブシリンダ41,43は、これらが同一のキャビティを共有するよう互いに直接的に結合されている。油圧連結ラインは用いられていない。一例を挙げると、マスターシリンダ35をスレーブシリンダ41,43は、一コンポーネントとして一体形成されており、或いは、変形例として、これらシリンダは、溶接、ボルト止め又は任意他の固定手段によって互いに固定される別々のコンポーネントであっても良い。マスターシリンダ35の第1のチャンバ35a及び第2のチャンバ35bは、それぞれ対応の頂部側スレーブシリンダ41及び底部側スレーブシリンダ43と共通の空間を共有している。具体的に説明すると、第1のチャンバ35aは、頂部側スレーブシリンダ41のキャビティ及びマスターシリンダ35のキャビティの隣接の上側部分からひとまとめに形成されている。第2のチャンバ35bは、底部側スレーブシリンダ43のキャビティ及びマスターシリンダ35のキャビティの隣接の下側部分からひとまとめに形成されている。各チャンバ35a,35bは、作動油を収容している。
【0044】
第2の好ましい形態では、マスターピストン33は、スレーブピストン軸線と整列したマスターピストン軸線に沿って軸方向前後に往復動し、これらピストンの軸線は、同軸になっている。好ましくは、マスターピストン軸線及びスレーブピストン軸線は又、駆動ピストン軸線ABと整列しているが、必ずしもそうである必要はない。理解されるように、マスターピストン軸線が単にスレーブピストン軸線に平行である他の構成例を形成することができる。
【0045】
マスターピストン33は、操作可能なアクチュエータによってそのマスターピストン軸線に沿って前後に駆動される。第2の好ましい形態では、操作可能なアクチュエータは、マスターピストン33の互いに反対側に設けられた一対の逆回転クランクシャフト27を有している。各クランクシャフト27は、コンロッド31が結合されたクランク29を有している。コンロッド31は、箇所34のところで水平リンクバー48の互いに反対側の端部に回動可能に結合されている。リンクバー48は、その長手方向軸線がマスターピストン軸線に垂直になるようにマスターピストン33を横切って延びている。好ましくは、リンクバー48は、箇所50のところでマスターピストン33の中心に結合されているが、必ずしもそうである必要はない。モータ(図示せず)が歯車システム、例えば一対の歯車(図示せず)を介してクランクシャフト27を互いに逆方向に駆動し、クランクシャフトの同期逆回転が達成されるようになっている。例えば、一方のクランクシャフト27を方向Fに時計回りに回転させ、他方のクランクシャフトを方向Eに反時計回りの方向に回転させ、又この逆の関係にしても良く、これによりコンロッド31は、リンクバー48を矢印G,Hによって示されている方向に上下に往復動させる。リンクバー48の往復動により、これに対応してそのマスターピストン軸線、例えばABに沿うマスターピストン33の往復動が生じる。
【0046】
第2の好ましい形態20における油圧増幅器装置の作動原理は、第1の好ましい形態10の場合とほぼ同じである。マスターピストン33が方向ABに前後に往復動すると、スレーブピストン37,39は、交互に伸長したり引っ込んだりし、それにより駆動ピストン19及びダイヤフラム11,13を駆動して圧力波を発生させる。例えば、マスターピストンが方向Aに動くと、第1のチャンバ35a内の作動油は、加圧され、それにより頂部側スレーブピストン37がそのスレーブシリンダ41から伸長して駆動ピストン19の頂端板21に作用し、それにより駆動ピストンを方向Aに動かす。駆動ピストン19が方向Aに上方に動くと、駆動ピストンの底端板23は、底部側スレーブピストン39に作用し、それによりスレーブピストンは、そのそれぞれ対応のスレーブシリンダ43内に引っ込む。マスターピストンが方向Bに下方に動くと、逆のことが起こり、底部側スレーブピストン39は、そのスレーブシリンダ43から延びることにより、これに対応して、駆動ピストン19の下方変位が生じると共に頂部側スレーブピストン37がそのスレーブシリンダ41内に引っ込む。第1の好ましい形態の場合と同様、スレーブピストン37,39は、駆動ピストン19を往復動させるよう互いに協働し、その結果、一方のスレーブピストンが伸長しているときに他方のスレーブピストンが引っ込んでいるようになる。理解されるように、スレーブピストン37,39は、駆動ピストン19のこれらそれぞれ対応の頂端板21又は底端板23に直接結合されるのが良く、或いは、変形例として、これらスレーブピストンは、端板の内面に単に当接し、これらに作用して力を伝えて運動を生じさせるようにしても良い。
【0047】
第2の好ましい形態では、操作可能なアクチュエータの一対の逆回転クランクシャフトにより、駆動システム内における往復動質量の釣合いが可能である。例えば、往復動コンポーネントの釣合いは、逆回転釣合いおもりをクランクシャフト27に設けることにより達成でき、その結果、コンロッド31の側壁荷重が釣合い、それによりマスターピストン33に加わる側壁荷重がゼロになる。理解されるように、一対の逆回転クランクシャフトを用いてマスターピストン33を往復動状態で駆動することが必ずしも必要不可欠であるというわけではない。変形形態では、単一モータ駆動クランクシャフト及び連結ロッド駆動構成又は往復動出力を備えた任意他の適当な操作可能アクチュエータを利用すると、マスターピストンを往復動状態で駆動することができる。例えば、他の適当なアクチュエータとしては、スコッチ・ヨーク、アトキンソン機構体、リニアモータ及び往復動を生じさせる他の機構体が挙げられる。
【0048】
第2の好ましい形態では、第1の好ましい形態としての駆動システム10を参照して上述したようにスレーブピストン37,39の過剰ストロークを阻止するためにスレーブシリンダ41,43内にはリリーフダクト53が設けられている。好ましくは、リリーフダクトは、オーバーフローライン80を介してタンク55に作動油を逃がすことができる。追加的に又は代替的に、マスターシリンダ35の各端部寄りに連結された作動油供給ライン60は、リリーフダクトとしての役目を果たすことができる。また、万一駆動システムの作動中に満杯にする作動油が必要になった場合、好ましくは、作動油をチャンバ35a,35b内に注入するために1つ又は複数のリザーバタンク55によって給油される油圧ポンプ57が設けられる。形態によっては、作動油供給ライン60内に逆止弁59が設けられるが、これは任意である。逆止弁59の動作原理は、第1の好ましい形態としての駆動システム10に関して説明した動作原理とほぼ同じである。代替的に又は追加的に、各スレーブシリンダ41,43とマスターシリンダ35のそれぞれ対応の上側部分及び下側部分との間に延びる固定ポート類52を設けても良い。例えば、スレーブシリンダ41,43からの作動油の漏れがあっても、これは、第1のチャンバ35a及び第2のチャンバ35bを形成するマスターシリンダ35の上側部分及び下側部分内に直接戻される。
【0049】
第1の好ましい形態としての駆動システム10と同様、第2の好ましい形態としての駆動システム20は、スレーブピストン37,39を有し、これらスレーブピストンは、マスターピストン33よりも大きな表面積又は横断面積を有し、その結果、力が小さく且つストロークが長いマスターピストンの往復動が、力が大きく且つストロークが短いスレーブピストンの対応の往復動に変換され、それにより駆動ピストン19が圧力波を発生させる所要の仕方で往復動する。
【0050】
例示の仕様
次に、極低温冷凍システム用途における第1の好ましい形態10及び第2の好ましい形態20に関する考えられる駆動システムの仕様の一例について説明する。これら仕様は、例示に過ぎず、本発明を限定するものではない。理解されるように、駆動システムは、種々の用途のための種々の設計仕様に合うよう改造可能である。
【0051】
圧力波発生器が圧力波を発生させるために用いられる極低温冷凍システム用途では、駆動ピストン19及びダイヤフラム11,13の周期数は、好ましくは、30〜60Hzのオーダーである。スレーブピストン37,39は、好ましくは、1〜4mmのストローク長さを有する。マスターピストン33のストローク長さは、好ましくは、スレーブピストンストローク長さの5〜10倍であり、より好ましくはスレーブピストンストローク長さの約10倍である。マスターピストンストローク長さとスレーブピストンストローク長さの比は、マスターピストン横断面積とスレーブピストン横断面積の比に関連づけられ、この比は、好ましくは、1:5〜1:15、より好ましくは約1:10である。油圧増幅器におけるピーク作動油圧力は、好ましくは、50〜200バールであり、より好ましくは約100バールであり、圧力波発生器中の圧力スイングは、±5バールのオーダーである。
【0052】
駆動システムの用途及び他の変形形態
駆動システムを任意適当な圧力波発生器用途に利用することができる。一例を挙げると、駆動システムは、極低温冷凍システム、例えばスターリング冷却機又はパルス管で動作する圧力波発生器に利用されるのが良い。変形例として、駆動システムは、極低温冷凍システム用のダイヤフラムヘリウムポンプ又は他の流体及びガス用の任意他のダイヤフラムポンプに利用可能である。
【0053】
変形例として、マスター及びスレーブ構成を利用した他の油圧増幅器を駆動システム中に具体化することができることが解る。例えば、変形構成例において、マスターピストンは、3つ以上の互いに反対側のスレーブピストンを駆動するよう配置されても良く、或いは、1つ又は2つ以上のスレーブピストンを駆動する多数のマスターピストンを設けても良い。
【0054】
利点及び作用効果
駆動システムの油圧増幅器により、ストロークが長く且つ力の小さいアクチュエータ、例えばモータクランクシステムが圧力波発生器のストロークが短く且つ力が大きい駆動ピストンを動かすことができる。具体的に説明すると、駆動システムの油圧増幅器は、比較的大きな横断面積の一対のスレーブピストンを駆動し、それにより比較的僅かな距離の移動を生じさせるよう横断面積が比較的小さく且つ移動量が比較的長いマスターピストンを採用している。
【0055】
駆動システムの第1の好ましい形態か第2の好ましい形態かのいずれかを設計要件に応じて採用することができる。各好ましい形態は、特定の用途に適切に役立ち得る。一例を挙げると、第1の好ましい形態としての駆動システムは、アクチュエータ及びマスターシステムを油圧連結ラインの使用によりスレーブシステム及びダイヤフラムから分離することが望ましい駆動システムに採用されるのが良い。操作可能なアクチュエータ、例えばモータ及びクランク並びにマスターピストン及びシリンダをダイヤフラムから物理的に分離することにより、特定の用途がモータを近くに配置することに適していない場合であっても利点が得られる。また、スレーブシステム及びダイヤフラムからの操作可能なアクチュエータ及びマスターシステムの分離により、維持が容易なモジュール方式の構成が可能である。一例を挙げると、マスターシステムとスレーブシステムを互いに直接的に連結してこれらが同一シリンダキャビティを共有することが望ましい場合、第2の好ましい形態としての駆動システムを採用するのが良い。マスターシステムとスレーブシステムを一体にすることにより、特定の用途に適する場合のある、よりコンパクトな設計が可能である。一体設計は又、本来的に、高度の釣合いを取ることが可能である。
【0056】
本発明の上述の説明は、その好ましい形態を含む。添付の特許請求の範囲に記載された本発明の範囲から逸脱することなくこのような形態の改造例が想到可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダイヤフラム型圧力波発生器を駆動する駆動システムであって、前記圧力波発生器は、往復動可能な駆動ピストンの互いに反対側の端部に又はこれら端部寄りにそれぞれ結合された互いに反対側の第1のダイヤフラムと第2のダイヤフラムを有し、前記駆動システムは、
往復動出力を発生させる操作可能なアクチュエータと、
前記アクチュエータの前記出力によって、2つの端部を備えた複動平衡型マスターシリンダ内で往復動の状態に駆動されるマスターピストンと、
スレーブシリンダ内でそれぞれ往復動可能な互いに反対側のスレーブピストンと、を有し、各スレーブピストンは、前記駆動ピストンのそれぞれの端部に作用するよう配置され、各スレーブピストンは、前記駆動ピストンのそれぞれの端部に作用するよう配置され、各スレーブシリンダは、前記マスターピストンが前記マスターシリンダと前記スレーブシリンダとの間で動く作動油を介して前記スレーブピストンを駆動するよう作動油連通可能に前記マスターシリンダのそれぞれの端部に作動的に連結され、前記スレーブピストンは、前記マスターピストンよりも広い横断面積を有し、力が小さく且つストロークが長い前記マスターピストンの往復運動により、力が大きく且つストロークが短い前記スレーブピストンの往復運動が生じ、それにより前記駆動ピストン及び前記互いに反対側のダイヤフラムを往復動させて圧力波を発生させるようになっている、
ことを特徴とする駆動システム。
【請求項2】
前記マスターシリンダと前記スレーブシリンダと作動油を前記マスターピストンの運動に応答して前記シリンダ相互間で運ぶ油圧ラインによって間接的に作動的に連結されている、
請求項1記載の駆動システム。
【請求項3】
前記マスターシリンダは、前記マスターピストンの各側に第1のチャンバ及び第2のチャンバを有し、各チャンバは、前記マスターシリンダの端部のところ又はこの端部寄りに形成され、前記油圧ラインは、作動油を前記マスターシリンダの前記第1及び前記第2のシリンダとそれぞれのスレーブシリンダとの間で運ぶ、
請求項2記載の駆動システム。
【請求項4】
前記マスターシリンダと前記スレーブシリンダは、前記シリンダが同一のシリンダキャビティを共有するよう互いに直接的に結合されている、
請求項1記載の駆動システム。
【請求項5】
前記マスターシリンダの各端部は、それぞれのスレーブシリンダ内に直接延びている、
請求項4記載の駆動システム。
【請求項6】
前記マスターシリンダと前記スレーブシリンダは、一コンポーネントとして一体に形成されている、
請求項4又は5記載の駆動システム。
【請求項7】
前記マスターシリンダ及び前記スレーブシリンダは、互いに固定される別々のコンポーネントである、
請求項4又は5記載の駆動システム。
【請求項8】
前記マスターピストンの一方の側から前記マスターシリンダの前記第1のチャンバを貫通して延びるピストンロッドと、前記マスターピストンの反対側の端部から前記マスターシリンダの前記第2のチャンバを貫通して延びる釣合いロッドとを更に有する、
請求項2又は3記載の駆動システム。
【請求項9】
前記ピストンロッドは、前記マスターピストンをそのマスターシリンダ内で往復動させるために前記アクチュエータの前記出力に結合されている、
請求項8記載の駆動システム。
【請求項10】
前記アクチュエータは、コンロッドが結合されているクランクを備えた回転可能なクランクシャフトを有し、モータによる前記クランクシャフトの回転によって前記コンロッドの往復動が生じ、前記コンロッドは、前記マスターピストンの前記ピストンロッドに作動的に結合されていて、該ピストンロッドをそのマスターシリンダ内における往復動の状態で前後に駆動する、
請求項9記載の駆動システム。
【請求項11】
前記アクチュエータは、前記マスターピストンの互いに反対側に配置された一対の逆回転クランクシャフトを有し、前記クランクシャフトは、同期逆回転を達成するような仕方で一つの歯車によって互いに連結され、各クランクシャフトは、コンロッドが結合されているクランクを有し、前記コンロッドは、前記マスターピストンに結合されているリンクバーのそれぞれの端部に作動的に結合され、モータによる前記クランクシャフトの回転により、前記リンクバーの往復動が生じ、それにより前記マスターピストンがそのマスターシリンダ内で往復動する、
請求項1ないし7のいずれか1項に記載の駆動システム。
【請求項12】
前記駆動ピストンは、その長手方向中心を通る駆動ピストン軸線に沿って前後に往復動する、
請求項1ないし11のいずれか1項に記載の駆動ピストン。
【請求項13】
前記スレーブピストンは、前記駆動ピストンの前記駆動ピストン軸線と実質的に同軸のスレーブピストン軸線に沿って前後に往復動するよう構成されている、
請求項12記載の駆動システム。
【請求項14】
前記マスターピストンは、前記スレーブピストン軸線に実質的に垂直に延びるマスターピストン軸線に沿って前後に往復動するよう構成されている、
請求項12又は13記載の駆動システム。
【請求項15】
前記マスターピストンは、前記スレーブピストン軸線に実質的に平行であり又はこれと整列したマスターピストン軸線に沿って前後に往復動するよう構成されている、
請求項12又は13記載の駆動システム。
【請求項16】
前記駆動ピストンは、互いに反対側の円形頂端板及び底端板を備えた本体を有し、前記第1のダイヤフラム及び前記第2のダイヤフラムは、内縁部及び外縁部を備えた環状であり、前記第1のダイヤフラム及び前記第2のダイヤフラムの前記内縁部は、前記駆動ピストンの前記頂端板及び前記底端板のそれぞれの外周縁部に固定され、前記ダイヤフラムの前記外縁部は、前記圧力波発生器のハウジング内に固定されている、
請求項1ないし15のいずれか1項に記載の駆動システム。
【請求項17】
前記駆動ピストンの前記頂端板及び前記底端板は、それぞれのガス空間に面した外面を有し、前記ダイヤフラムは、前記ガス空間内で動いて圧力波を生じさせ、前記駆動ピストンの前記頂端板及び前記底端板は、前記駆動ピストンの前記本体及び前記互いに反対側のダイヤフラム相互間の密閉環境に向かって内方に向いた内面を更に有する、
請求項16記載の駆動システム。
【請求項18】
前記駆動システム全体は、実質的に、前記圧力波発生器の前記ハウジング内において前記互いに反対側のダイヤフラム相互間に配置されている、
請求項16又は17記載の駆動システム。
【請求項19】
前記操作可能アクチュエータ、前記マスターピストン、及び前記マスターシリンダは、前記圧力波発生器の前記ハウジングの外側に配置されている、
請求項16又は17記載の駆動システム。
【請求項20】
前記スレーブピストンの各々は、前記スレーブピストンのそのスレーブシリンダからの伸長により同一方向における前記駆動ピストンの対応の変位が生じるよう前記駆動ピストンのそれぞれの端板の前記内面に当接するよう配置されている、
請求項16ないし19のいずれか1項に記載の駆動システム。
【請求項21】
前記スレーブピストンの各々は、前記スレーブピストンのそのスレーブシリンダからの伸長により同一方向における前記駆動ピストンの対応の変位が生じるよう前記駆動ピストンのそれぞれの端板の前記内面に固定されている、
請求項16ないし19のいずれか1項に記載の駆動システム。
【請求項22】
各スレーブシリンダは、前記スレーブピストンが作動中、これらのそれぞれのスレーブシリンダから所定の距離を超えて伸長した場合に作動油を1つ又は複数のタンクに逃がすよう構成された1本又は複数本のリリーフダクトを有する、
請求項1ないし21のいずれか1項に記載の駆動システム。
【請求項23】
必要な場合に作動油をリザーバタンクから前記マスターシリンダ及び/又は前記スレーブシリンダ内に圧送して作動油供給源を満杯にするよう構成されている油圧ポンプを更に有する、
請求項1ないし22のいずれか1項に記載の駆動システム。
【請求項24】
前記油圧ポンプは、1つ又は2つ以上の逆止弁を備えた作動油送給ラインを介して作動油を前記マスターシリンダ及び/又は前記スレーブシリンダ内に圧送するよう構成されている、
請求項23記載の駆動システム。
【請求項25】
前記マスターピストンと前記スレーブピストンの断面積の比は、約1:5〜約1:15である、
請求項1ないし24のいずれか1項に記載の駆動システム。
【請求項26】
前記マスターピストンと前記スレーブピストンの断面積の比は、約1:10である、
請求項25記載の駆動システム。
【請求項27】
前記ダイヤフラム型圧力波発生器は、極低温冷凍システムを駆動するために利用される、
請求項1ないし26のいずれか1項に記載の駆動システム。
【請求項28】
前記ダイヤフラム型圧力波発生器は、流体及び/又はガスのためのポンプとして利用される、
請求項1ないし26のいずれか1項に記載の駆動システム。
【請求項29】
ダイヤフラム型圧力波発生器を駆動する駆動システムであって、前記圧力波発生器は、往復動可能な駆動ピストンの互いに反対側の端部に又はこれら端部寄りにそれぞれ結合された互いに反対側の第1のダイヤフラム及び第2のダイヤフラムを有し、前記駆動システムは、
力が小さく且つストロークが長い往復動出力を発生させる操作可能なアクチュエータと、
前記アクチュエータと前記駆動ピストンとの間に作動的に結合された油圧増幅器とを有し、前記油圧増幅器は、前記アクチュエータからの前記往復動出力を力が大きく且つストロークが短い増幅出力に変換し、そして前記増幅出力を前記駆動ピストンに加え、それにより前記駆動ピストン及び前記互いに反対側のダイヤフラムを往復動させて圧力波を発生させるよう構成されている、
ことを特徴とする駆動システム。
【請求項30】
前記油圧増幅器は、
前記アクチュエータの前記出力によって、2つの端部を備えた複動平衡型マスターシリンダ内で往復動の状態に駆動されるマスターピストンと、
スレーブシリンダ内でそれぞれ往復動可能な互いに反対側のスレーブピストンとを有し、各スレーブピストンは、前記駆動ピストンのそれぞれの端部に作用するよう配置され、各スレーブピストンは、前記駆動ピストンのそれぞれの端部に作用するよう配置され、各スレーブシリンダは、前記マスターピストンが前記マスターシリンダと前記スレーブシリンダとの間で動く作動油を介して前記スレーブピストンを駆動するよう作動油連通可能に前記マスターシリンダのそれぞれの端部に作動的に連結され、前記スレーブピストンは、前記マスターピストンよりも広い横断面積を有し、力が小さく且つストロークが長い前記マスターピストンの往復運動により、力が大きく且つストロークが短い前記スレーブピストンの往復運動が生じ、それにより前記駆動ピストン及び前記互いに反対側のダイヤフラムを往復動させて圧力波を発生させるようになっている、
請求項29記載の駆動システム。
【請求項31】
往復動可能な駆動ピストンの互いに反対側の端部に又はこれら端部寄りにそれぞれ結合された互いに反対側の第1のダイヤフラム及び第2のダイヤフラムを駆動する駆動システムであって、前記駆動システムは、
往復動出力を発生させる操作可能なアクチュエータと、
前記アクチュエータの前記出力によって、2つの端部を備えたマスターシリンダ内で往復動の状態に駆動されるマスターピストンと、
スレーブシリンダ内でそれぞれ往復動可能な互いに反対側のスレーブピストンとを有し、各スレーブピストンは、前記駆動ピストンのそれぞれの端部に作用するよう配置され、各スレーブピストンは、前記駆動ピストンのそれぞれの端部に作用するよう配置され、各スレーブシリンダは、前記マスターピストンが前記マスターシリンダと前記スレーブシリンダとの間で動く作動油を介して前記スレーブピストンを駆動するよう作動油連通可能に前記マスターシリンダのそれぞれの端部に作動的に連結され、前記スレーブピストンは、前記マスターピストンよりも広い横断面積を有し、力が小さく且つストロークが長い前記マスターピストンの往復運動により、力が大きく且つストロークが短い前記スレーブピストンの往復運動が生じ、それにより前記駆動ピストン及び前記互いに反対側のダイヤフラムを往復動させるようになっている、
ことを特徴とする駆動システム。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2011−516788(P2011−516788A)
【公表日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−503930(P2011−503930)
【出願日】平成21年4月7日(2009.4.7)
【国際出願番号】PCT/NZ2009/000051
【国際公開番号】WO2009/126050
【国際公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【出願人】(506364927)インダストリアル リサーチ リミテッド (12)
【Fターム(参考)】